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貼付剤および貼付製剤
説明

貼付剤および貼付製剤

【課題】品質を長期間安定に維持しながら良好な粘着物性を有する貼付剤を提供する。
【解決手段】支持体、および当該支持体の少なくとも片面上に設けられた粘着剤層を有する貼付剤であって、該粘着剤層が、ブタジエン骨格部分を有するポリマーを、有機過酸化物の存在下で架橋させて得られるエラストマーを含有する、貼付剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貼付剤および貼付製剤に関し、特に皮膚接着力に優れ、かつ皮膚面の糊残りが少ない貼付剤および貼付製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
貼付剤は、傷口の保護、あるいは薬物の生体への投与のために簡便かつ効果的な剤形である。貼付剤は、品質を長期間安定に維持しつつ、良好な粘着物性を有することが要求される。
そのような粘着物性に取り組んだ貼付剤として、例えば特許文献1および特許文献2には、粘着剤層を、官能基を有するゴム成分を架橋させたものとする貼付剤が開示されている。しかし、特許文献1の実施例4には、このような貼付剤について、試験片の周辺部にて3mm以内の粘着剤の滲み出しが見られたことが記載されていることから、これらの貼付剤は凝集力が不十分であることが示唆される。さらに、これらの文献における貼付剤は、ゴム成分中の官能基の存在によって、貼付剤の品質の安定性が満足いくものではない可能性がある。このように、従来の貼付剤では、上記の要求を十分に満たすものは得られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平03−127727号公報
【特許文献2】特開平10−151185号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、品質を長期間安定に維持しながら良好な粘着物性を有する貼付剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)支持体、および当該支持体の少なくとも片面上に設けられた粘着剤層を有する貼付剤であって、該粘着剤層が、ブタジエン骨格部分を有するポリマーを、有機過酸化物の存在下で架橋させて得られるエラストマーを含有する、貼付剤。
(2)上記粘着剤層が、上記ブタジエン骨格部分を有するポリマーを、上記有機過酸化物およびタッキファイヤーの存在下で架橋させて得られるエラストマーを含有する、(1)記載の貼付剤。
(3)上記粘着剤層が有機液状成分をさらに含有する、(1)または(2)記載の貼付剤。
(4)上記ブタジエン骨格部分を有するポリマーが、ポリブタジエンである、(1)〜(3)のいずれかに記載の貼付剤。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の貼付剤の粘着剤層にさらに薬物を含有してなる、貼付製剤。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、品質を長期間安定に維持しつつ、皮膚接着力に優れ、かつ皮膚面の糊残りが少ない貼付剤を得ることができる。従って、本発明の貼付剤は、哺乳動物の皮膚貼付用途に適している。また、かかる本発明の貼付剤を、例えば貼付製剤に使用した場合、良好な粘着物性を有しながら、薬物と粘着剤組成物との望ましくない反応を低減することができ、薬物の品質を長期間安定に維持することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明をその好適な実施態様に即して詳細に説明する。
本発明の貼付剤は、支持体、および当該支持体の少なくとも片面上に設けられた粘着剤層を有する貼付剤であって、該粘着剤層が、ブタジエン骨格部分を有するポリマーを、有機過酸化物の存在下で架橋させて得られるエラストマーを含む、貼付剤である。
【0008】
したがって、粘着剤層は、比較的高分子量の炭化水素鎖を有するエラストマーを含有することとなり、貼付剤として好適な粘着力および凝集力を有する。
また、本発明では、ブタジエン骨格部分を有するポリマーを基本ポリマーとして用いるので、架橋のための官能基が不要となるため、貼付剤の製造中および保管中の品質を長期間安定に維持することができる。また、基本ポリマーに導入された官能基に制限されることなく、種々の基本ポリマーを選択することができ、基本ポリマーの選択の自由度を広げることができる。
【0009】
本発明で使用する支持体としては、特に限定されないが、粘着剤層の成分、例えば、粘着剤、添加剤、薬物等が実質的に不透過性であるもの、すなわちこれらが支持体の中に浸透し、支持体の背面から漏洩しないものが好ましい。
【0010】
このような支持体としては、例えば、ポリエステル、ナイロン、サラン(登録商標)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、サーリン(登録商標)、金属箔等の単独フィルム又はこれらの積層フィルム等が挙げられる。支持体の厚さは、特に限定されないが通常10〜500μm、好ましくは10〜200μmである。
【0011】
これらのうち支持体と粘着剤層との接着力(投錨力)を良好とするために、支持体を、上記に列挙した無孔タイプのプラスチックフィルムと多孔質フィルムとの積層フィルムとすることが好ましく、この場合、粘着剤層は多孔質フィルム側に形成するようにすることが好ましい。
【0012】
このような多孔質フィルムとしては、粘着剤層との投錨力が向上するものが採用されるが、具体的には紙、織布、不織布、編布、機械的に穿孔処理を施したシート等が挙げられ、これらのうち取扱い性等の観点からは、特に紙、織布、不織布が好ましい。
【0013】
また、多孔質フィルムは、投錨力向上、貼付製剤全体の柔軟性及び貼付操作性等の点から厚み10〜200μmの範囲のものが採用され、プラスタータイプや粘着テープタイプのような薄手の製剤の場合には厚み10〜100μmの範囲のものが採用される。
また、多孔質フィルムとして織布や不織布を用いる場合、目付量は特に限定されないが、通常5〜30g/m2、好ましくは6〜15g/m2である。
【0014】
本発明において、最も好適な支持体としては、1.5〜6μm厚のポリエステルフィルム(好ましくは、ポリエチレンテレフタレートフィルム)と、目付量6〜12g/m2のポリエステル(好ましくは、ポリエチレンテレフタレート)製不織布との積層フィルムである。
【0015】
また、粘着剤層において、本発明では、ブタジエン骨格部分を有するポリマーを基本ポリマーとし、基本ポリマーは、安定性の観点から炭化水素鎖部分を有するポリマーが好ましい。炭化水素鎖部分を有するポリマーを基本ポリマーとして使用すると、架橋により形成するエラストマーは、比較的高分子量の炭化水素鎖を有することとなるため、粘着剤層に貼付剤として必要な皮膚接着力および凝集力を付与することができる。また、架橋により形成するエラストマーは、炭化水素鎖が3次元的に複雑に絡み合う構造となり、貼付剤として十分な凝集力を粘着剤層に付与することができる。
【0016】
基本ポリマーとしては、特に、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンブロックコポリマー(以下、「SB」)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー(以下「SBS」)等が挙げられる。
例えば、基本ポリマーとして、SBまたはSBSを用いると、強い凝集力を粘着剤層に付与することができ好ましい。特に、SBSはその分子構造のために凝集力に優れる粘着剤層が得られる。
また、反応性等の観点からは、基本ポリマーとしてポリブタジエンが好ましい。
本発明においては、これらの基本ポリマーを、目的に応じて一種または二種以上組み合わせて使用することができる。
【0017】
また、上記基本ポリマーの重量平均分子量は特に限定されないが、好ましくは50,000〜5,000,000である。該重量平均分子量は、下記の条件でゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定される値を意味する。
分析条件
GPC装置:HLC8120(東ソー株式会社製)
カラム:TSKgelGMH−H(S)(東ソー株式会社製)
標準:ポリスチレン
溶離液:テトラヒドロフラン 流速:0.5ml/min
測定温度:40℃
検出手段:示差屈折計
【0018】
また、有機過酸化物としては、特に限定されず、高分子化学の分野で通常用いられる自体公知の有機過酸化物を用いることができる。例えばジアシルパーオキサイド(例えばジベンゾイルパーオキサイド、ジイソブチリルパーオキサイド、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、ジスクシニックアシッドパーオキサイド)、パーオキシエステル(例えば1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン)、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート)、ケトンパーオキサイド(例えばメチルエチルケトンパーオキサイド)、パーオキシケタール(例えば1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン)、ハイドロパーオキサイド(例えばp−メンタンハイドロパーオキサイド)、ジアルキルパーオキサイド(例えばジクミルパーオキサイド)、パーオキシジカーボネート(例えばジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート)等が挙げられる。
【0019】
これらのうち、反応性の観点から、ジアシルパーオキサイド(特にジベンゾイルパーオキサイド)およびパーオキシエステル(特に1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート)が好ましい。特にジアシルパーオキサイドが好ましく、ジアシルパーオキサイドは基本ポリマーと反応し、それぞれ置換されていてもよい、アルキル、フェニル、アシル、ベンゾイル、アシルオキシおよびベンゾイルオキシから選択される有機基を有するエラストマーを付与する。また、パーオキシエステルは、基本ポリマーと反応し、それぞれ置換されていてもよい、アルキル、アルコキシ、フェニル、アシル、ベンゾイル、アシルオキシおよびベンゾイルオキシから選択される有機基を有するエラストマーを付与する。
【0020】
このような有機過酸化物の含有量は、基本ポリマー100重量部に対して、好ましくは0.15〜0.375重量部である。0.15重量部未満であると粘着剤層の凝集力が不十分となる傾向にあり、一方、0.375重量部を越えると、粘着剤層が固くなるので粘着力およびソフト感が低下する傾向にある。
【0021】
また、本発明においては、粘着剤溶液に多量の他の成分を添加し、粘着剤層に多量の他の成分を含有させることができる。多量の他の成分として、例えばタッキファイヤーを添加すると、基本ポリマーが有機過酸化物の存在下で架橋し、エラストマーとして三次元的に網目状の分子構造を形成する際に、タッキファイヤーをその構造中に取り込むため、粘着剤層に多量のタッキファイヤーを含有させることが可能となる。これによって粘着力および凝集力のバランスが改善されると考えられる。その結果、本発明の貼付剤は、皮膚に貼付する際に、粘着力、タックをより向上させることが可能となる。その場合にも、皮膚に貼付後に剥離した場合であっても粘着剤層が皮膚面に残留する可能性は小さい。
【0022】
タッキファイヤーとしては、貼付剤の分野で公知のものを適宜選択して用いればよい。タッキファイヤーとしては、例えば、石油系樹脂(例えば、芳香族系石油樹脂、脂肪族系石油樹脂)、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、クマロンインデン樹脂、スチレン系樹脂(例えば、スチレン樹脂、α−メチルスチレン)、水添石油樹脂(例えば、脂環族飽和炭化水素樹脂)等が挙げられる。中でも、脂環族飽和炭化水素樹脂は、粘着剤層中の他の化合物、例えば有機液状成分および薬物などの保存安定性が良好になるため好適である。
【0023】
タッキファイヤーは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、2種以上を組み合わせて使用する場合には、例えば、樹脂の種類や軟化点の異なる樹脂を組み合わせてもよい。
本発明では、基本ポリマーの重量(a)とタッキファイヤーの重量(b)との比率((a):(b))は特に限定されないが、好ましくは3.0:1〜1:2.0であり、より好ましくは2.5:1〜1:1.75である。この比率よりも基本ポリマーの重量(a)の比率が高いと、粘着剤層の粘着力が低下し、また、凝集力が強すぎてソフト感が低下する傾向にある。この比率よりもタッキファイヤーの重量(b)の比率が高いと、粘着剤層が柔らかくなりすぎ、べたつく傾向にある。
【0024】
また、多量の他の成分として、粘着剤溶液に、例えば多量の有機液状成分を添加し、粘着剤層に多量の有機液状成分を含有させることもできる。その結果、本発明の貼付剤は皮膚に貼付する際にソフト感を与え、皮膚から剥離する際に低刺激であることが可能となる。その場合にも、本発明の貼付剤を皮膚に貼付後に剥離した場合であっても粘着剤層が皮膚面に残留する可能性が小さい。また、粘着剤層に後述の薬物を含有する場合には、その経皮吸収を促進することが可能となる。
【0025】
このような有機液状成分としては粘着剤層との相溶性の観点から疎水性液状成分が好ましく、例えば脂肪酸アルキルエステルが挙げられる。
【0026】
脂肪酸アルキルエステルとしては、例えば、炭素数が12〜16、好ましくは12〜14の高級脂肪酸と炭素数が1〜4の低級1価アルコールとからなる脂肪酸アルキルエステルが挙げられる。上記高級脂肪酸としては、ラウリン酸(C12)、ミリスチン酸(C14)、パルミチン酸(C16)が挙げられ、好ましくはミリスチン酸である。上記1価アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等が挙げられ、好ましくはイソプロピルアルコールである。従って好ましい脂肪酸アルキルエステルは、ミリスチン酸イソプロピルである。有機液状成分は、一種または二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0027】
有機液状成分の含有量は、基本ポリマー100重量部に対して、好ましくは5〜300重量部であり、より好ましくは50〜170重量部である。有機液状成分の量が5重量部以上である場合、粘着剤層に高いソフト感を付与すると共に、粘着剤層に薬物を含有する場合は高い経皮吸収促進効果が得られる。50重量部以上である場合、粘着剤層全体の粘着力、凝集力の低下を抑制しつつ、粘着剤層に優れたソフト感を付与すると共に、粘着剤層に薬物を含有する場合は高い経皮吸収性が得られるので有利である。
【0028】
また、本発明においては、粘着剤層に薬物を含有させ、貼付製剤を製造することも可能である。上述の通り、基本ポリマーは、架橋のための官能基が不要となるため、粘着剤層における薬物の望ましくない反応を抑制し、薬物の安定性に貢献することができる。また、基本ポリマーの官能基と薬物との望まれない反応を考慮する必要がなくなり、貼付剤の設計の自由度が向上する。
【0029】
ここにいう薬物は特に限定されず、ヒトなどの哺乳動物にその皮膚を通して投与し得る、すなわち経皮吸収可能な薬物が好ましい。そのような薬物としては、具体的には、例えば、全身性麻酔薬、催眠・鎮静薬、抗癲癇薬、解熱鎮痛消炎薬、鎮暈薬、精神神経用薬、局所麻酔薬、骨格筋弛緩薬、自律神経用薬、鎮痙薬、抗パーキンソン薬、抗ヒスタミン薬、強心薬、不整脈用薬、利尿薬、血圧降下薬、血管収縮薬、冠血管拡張薬、末梢血管拡張薬、動脈硬化用薬、循環器用薬、呼吸促進薬、鎮咳去痰薬、ホルモン薬、化膿性疾患用外用薬、鎮痛・鎮痒・収斂・消炎用薬、寄生性皮膚疾患用薬、止血用薬、痛風治療用薬、糖尿病用薬、抗悪性腫瘍用薬、抗生物質、化学療法薬、麻薬、禁煙補助薬などが挙げられる。
また、薬物の含有量は、その経皮吸収用薬物の効果を満たし、粘着剤の接着特性を損なわない範囲であれば特に限定されないが、60重量部の基本ポリマーに対して例えば0.5〜50重量部である。
【0030】
また、粘着剤層には、その他必要に応じて、自体公知の添加剤、例えば老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、充填剤等を含有させてもよい。
【0031】
また、粘着剤層の厚みは皮膚接着性の観点から10μm〜1000μmが好ましく、特に好ましくは20μm〜500μmである。
【0032】
貼付剤および貼付製剤の製造方法は、特に限定されないが、例えば、(i)基本ポリマーとしてブタジエン骨格部分を有するポリマーと、必要により粘着付与剤、有機液状成分、薬物等とを、溶媒に溶解または分散させ、さらに有機過酸化物を添加し、混合攪拌する工程;(ii)得られた粘着剤溶液または分散液を、支持体の少なくとも片面に塗布し、乾燥して粘着剤層を支持体の表面に形成する工程;(iii)次いで剥離ライナーを粘着剤層上に設ける工程とを含む方法(いわゆる直写法)が挙げられる。あるいは、(i)上記粘着剤溶液または分散液を保護用の剥離ライナーの少なくとも片面に塗布する工程;(ii)乾燥して粘着剤層を剥離ライナーの表面に形成する工程;(iii)次いで支持体を粘着剤層に接着させる工程を含む方法(いわゆる転写法)によっても、貼付剤および貼付製剤を製造することができる。
【0033】
また、粘着剤層における基本ポリマーの架橋を促進するため、上記方法には、例えば熟成工程をさらに設けることが好ましい。熟成工程は例えば50〜300℃で10〜100時間加温・保管することにより実施できる。
【実施例】
【0034】
以下、本発明について、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
【0035】
実施例1
空気雰囲気下で、基本ポリマーとしてポリブタジエン(重量平均分子量458,000)35重量部、タッキファイヤーとして脂環族飽和炭化水素樹脂(軟化点100.5℃)35重量部および有機液状成分としてミリスチン酸イソプロピル30重量部をトルエンに添加し、混合撹拌した。得られた混合液に、有機過酸化物としてジベンゾイルパーオキサイドを、基本ポリマー100重量部に対する配合量が0.2重量部となるように添加し、さらに混合撹拌し、粘着剤溶液を得た。表1に各実施例の配合割合を示す。表1において、有機過酸化物は、基本ポリマー100重量部に対する有機過酸化物の配合量を重量部で示した。
次に、粘着剤溶液の固形分が25〜40重量%となるよう調製し、調製した粘着剤溶液を、ポリエステル製の剥離ライナー(75μm厚)上に、乾燥後の厚みが100μmとなるように塗工し、乾燥させ粘着剤層を形成した。
そして、支持体として、ポリエステルフィルム(2μm厚)と、ポリエステル製不織布(目付量8g/m)との積層フィルムを用い、該支持体の不織布面に、上記粘着剤層を転写して積層し、これを窒素存在下で加温・熟成して貼付剤を作製した。
【0036】
実施例2
実施例1におけるジベンゾイルパーオキサイドを0.2重量部から0.3重量部とした以外は実施例1と同様にして貼付剤を作製した。
【0037】
実施例3
実施例1におけるジベンゾイルパーオキサイドを0.2重量部から0.35重量部とした以外は実施例1と同様にして貼付剤を作製した。
【0038】
実施例4
実施例1におけるジベンゾイルパーオキサイドを0.2重量部から0.4重量部とした以外は実施例1と同様にして貼付剤を作製した。
【0039】
実施例5
実施例2におけるポリブタジエンを35重量部から52.5重量部とし、脂環族飽和炭化水素樹脂を35重量部から17.5重量部とした以外は実施例2と同様にして貼付剤を作製した。
【0040】
実施例6
実施例5におけるジベンゾイルパーオキサイドを0.3重量部から0.4重量部とした以外は実施例5と同様にして貼付剤を作製した。
【0041】
実施例7
実施例2におけるポリブタジエンを35重量部から46.7重量部とし、脂環族飽和炭化水素樹脂を35重量部から23.3重量部とした以外は実施例2と同様にして貼付剤を作製した。
【0042】
実施例8
実施例2におけるポリブタジエンを35重量部から31.1重量部とし、脂環族飽和炭化水素樹脂を35重量部から38.9重量部とした以外は実施例2と同様にして貼付剤を作製した。
【0043】
実施例9
実施例2におけるポリブタジエンを35重量部から28.0重量部とし、脂環族飽和炭化水素樹脂を35重量部から42.0重量部とした以外は実施例2と同様にして貼付剤を作製した。
【0044】
実施例10
実施例1におけるポリブタジエンを35重量部から60重量部とし、脂環族飽和炭化水素樹脂を35重量部から20重量部とし、ミリスチン酸イソプロピルを30重量部から20重量部とした以外は実施例1と同様にして貼付剤を作製した。
【0045】
比較例1
実施例10におけるジベンゾイルパーオキサイドを0.2重量部から0重量部とした以外は、実施例10と同様にして貼付剤を作製した。
【0046】
比較例2
実施例10におけるポリブタジエンに代えてポリイソブチレン60重量部とし、ジベンゾイルパーオキサイド0.2重量部から1重量部とした以外は、実施例10と同様にして貼付剤を作製した。
【0047】
試験例
(1)粘着力
23℃、60%RHの室内にて、貼付剤を幅12mm、長さ5cmの試験片に切断し、その試験片の剥離ライナーを除去し、試験片を試験板であるフェノール樹脂板に、2kgローラーで1往復させることにより圧着させた。その環境下で30分間放置した後、引張り試験機により試験片を剥離角度180°、剥離速度300mm/分で引っ張った際の粘着力を測定した。破壊モードは凝集破壊をG、界面破壊をKとした。
評価基準は次の通りである。
◎ ごく十分な粘着力を有する(0.6N/12mm以上であって凝集破壊しないもの)
○ 十分な粘着力を有する(0.2N/12mm以上、0.6N/12mm未満であって凝集破壊しないもの)
△ 粘着力がやや弱いが許容範囲である(0.2N/12mm未満であって凝集破壊しないもの)
× 粘着力が弱い(凝集破壊)
【0048】
(2)保持力
23℃、60%RHの室内にて、貼付剤を幅10mm、長さ5cmの試験片に切断し、その試験片の剥離ライナーを除去し、試験片を試験板であるフェノール樹脂板に、2kgローラーで1往復させることにより圧着させた。その際、貼付面積を200mmになるようにした。40℃環境下で20分間放置した後、40℃環境下で、試験板が床に対して垂直となるよう、試験板の,試験片が貼付されていない面を固定するとともに、試験片に300gの荷重を吊り下げ、試験片が試験板より落下するまでの時間を保持力として評価した。破壊モードは凝集破壊をG、界面破壊をK、および一部凝集破壊をK/Gとした。
評価基準は次の通りである。
◎ 適度な凝集力を有する(120分未満であって界面破壊または一部凝集破壊のもの)
○ やや凝集力が強いが十分な凝集力を有する(120分以上)
× 凝集力が弱い(凝集破壊)
【0049】
表1の結果より、実施例1〜10の貼付剤は、いずれも貼付剤として必要な粘着力および凝集力を有するものであった。また、粘着力測定時に試験板と粘着剤層との間で界面破壊が起こり、試験板に粘着剤が残る糊残りは見られなかった。これに対し、比較例の貼付剤は、有機液状成分の含有量が少なかったにも関わらず、粘着力および凝集力は不十分であり、粘着力測定時に凝集破壊が起こり、試験板に粘着剤が残る糊残りが見られた。これらは、比較例1では有機過酸化物を用いなかったことにより、基本ポリマーの架橋反応が生じなかったためと考えられた。また、比較例2では使用した基本ポリマーの構造により架橋反応が生じなかったためと考えられた。
【0050】
【表1】

【0051】
実施例11〜20
実施例1〜10における28.0〜52.5重量部の基本ポリマーからそれぞれ1重量部を減じ、薬物としてインドメタシン1重量部をそれぞれ配合する以外は、実施例1〜10と同様にして実施例11〜20の貼付製剤を作製する。
実施例11〜20の貼付製剤は、実施例1〜10の貼付剤と同様の特性を有するものである。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明の貼付剤は、品質を長期間安定に維持しつつ、皮膚接着力に優れ、皮膚面の糊残りが少ない貼付剤であり、貼付製剤の製造にも利用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体、および当該支持体の少なくとも片面上に設けられた粘着剤層を有する貼付剤であって、該粘着剤層が、ブタジエン骨格部分を有するポリマーを、有機過酸化物の存在下で架橋させて得られるエラストマーを含有する、貼付剤。
【請求項2】
上記粘着剤層が、上記ブタジエン骨格部分を有するポリマーを、上記有機過酸化物およびタッキファイヤーの存在下で架橋させて得られるエラストマーを含有する、請求項1記載の貼付剤。
【請求項3】
上記粘着剤層が有機液状成分をさらに含有する、請求項1または2記載の貼付剤。
【請求項4】
上記ブタジエン骨格部分を有するポリマーが、ポリブタジエンである、請求項1〜3のいずれか1項記載の貼付剤。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項記載の貼付剤の粘着剤層にさらに薬物を含有してなる、貼付製剤。

【公開番号】特開2010−43067(P2010−43067A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−162063(P2009−162063)
【出願日】平成21年7月8日(2009.7.8)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】