説明

貼付装置及び原稿読取装置

【課題】付箋が必要な原稿に対して付箋を貼付する際にユーザの手間を軽減することができる貼付装置及びそれを備えた原稿読取装置を提供する。
【解決手段】給紙トレイ1aから取り込んだ原稿100の画像を読み取り、原稿100の捺印欄100aに捺印されているか否かを判定する。原稿100に捺印されている場合、付箋貼付機構4により、所定長の付箋101を作成し、搬送中の原稿100を、付箋貼付機構4に合わせて停止させる。停止した原稿100に対して、付箋貼付機構4において作成された付箋101を貼付し、排紙トレイ1bに排紙する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿に付箋を貼付することができる貼付装置及びそれを備えた原稿読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
利用者が気がつくように、原稿に目印として付箋を貼り付ける場合がある。この場合、例えば原稿束の必要なページに付箋を貼り付けておくことで、利用者は、原稿が複数のページに亘る場合であっても、必要な情報を簡単に見つけることができ、また、重要な情報の見落としを低減できる。
【0003】
特許文献1には、ファクシミリ送信する際に、原稿を読み取った後に、原稿に送信先等の情報を印字した付箋を貼り付けることができるファクシミリ装置が開示されている。特許文献1に記載の装置により、送信者又は原稿の他の利用者は、原稿の送信先等の処理結果を一目で把握することができる。また、特許文献1に記載された機能をコピー機能等を備える複合機にも適用することで、コピー内容等の処理結果をも把握することができる。
【特許文献1】特開平1−115365号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、原稿の種類によっては、付箋が必要な原稿と、付箋が必要でない原稿とがあり、特許文献1に記載の装置では、斯かる判断を行うことができない。このような場合、例えばユーザ自身が、付箋が必要な原稿と必要でない原稿とに分類し、付箋が必要な原稿をファクシミリ送信等の処理を行う際に付箋を貼付する設定を行う等、ユーザによる操作が必要となる。
【0005】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、付箋が必要な原稿に対して付箋を貼付する際にユーザの手間を軽減することができる貼付装置及びそれを備えた原稿読取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る貼付装置は、原稿に付箋を貼付する貼付装置において、前記原稿に係る画像データを取得する取得手段と、該取得手段が取得した画像データに、所定の画像データを含んでいるか否かを判定する判定手段と、所定の画像データを含んでいる場合、原稿に付箋を貼付する貼付手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る貼付装置は、前記貼付手段が付箋を貼付する位置に、前記原稿を搬送する搬送手段と、該搬送手段を制御して、原稿の停止位置を調整する調節手段とをさらに備えることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る貼付装置は、前記所定の画像データは、印影の画像データであることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る貼付装置は、付箋を作成する作成手段をさらに備え、該作成手段は、長尺状の紙部材を所定長に切断する切断手段、及び、前記所定長に切断された紙部材の一部に糊を塗布する塗布手段を有することを特徴とする。
【0010】
本発明に係る貼付装置は、原稿の一部に付箋を貼付することができる貼付位置まで原稿を搬送する貼付装置であって、前記原稿に係る画像データを取得する取得手段と、該取得手段が取得した画像データに、所定の画像データを含んでいるか否かを判定する判定手段と、所定の画像データを含んでいる場合、原稿の一部が前記貼付位置に一致するように前記原稿の搬送を停止する搬送制御手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る原稿読取装置は、原稿の画像を読み取る読取手段と、本発明の何れか一つに記載の貼付装置とを備える原稿読取装置において、前記取得手段は、前記読取手段が読み取った画像に基づいて、画像データを取得するようにしてあることを特徴とする。
【0012】
本発明では、原稿から読み取った画像データに、所定の画像データが含んでいる場合、原稿に付箋を貼付する。これにより、ユーザが原稿の種類を意識することなく、原稿に付箋を貼付することができ、付箋を貼付するユーザの手間を省くことができる。
【0013】
本発明では、搬送する原稿の停止位置を調整できるため、付箋を貼付する位置を適宜変更できる。また、自動で調整を行う場合には、付箋を貼付する際のユーザの手間を省くことができる。
【0014】
本発明では、捺印された原稿に対して付箋を貼付することができる。
【0015】
本発明では、原稿に貼付する付箋を作成することができるため、付箋の長さなどを変更することができ、ユーザの自由度を向上させることができる。
【0016】
本発明では、原稿から読み取った画像データに、所定の画像データが含んでいる場合、搬送中の原稿の所定位置が貼付位置に位置合わせを行うことができる。これにより、ユーザは、停止した原稿に対して付箋を貼付すればよく、ユーザの手間を軽減することができる。なお、付箋の貼付は、ユーザが行ってもよいし、自動で貼付するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、原稿から読み取った画像データに、所定の画像データが含んでいる場合、原稿に付箋を貼付することができる。これにより、ユーザが原稿の種類を意識することなく、原稿に付箋を貼付することができ、付箋を貼付するユーザの手間を省くことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明に係る好適な実施形態について図面を参照して説明する。
【0019】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る原稿読取装置を上方から見た概略図である。実施形態1に係る原稿読取装置1は、給紙トレイ1a及び排紙トレイ1bと、原稿読取部2と、ユーザの操作を受け付ける操作部3と、付箋貼付機構(貼付手段)4とを備えている。給紙トレイ1aは、複数枚の原稿100をセットできる。原稿読取部2は、給紙トレイ1aから原稿100を1枚ずつ取り込み、原稿100から画像を読み取った後、排紙トレイ1bに原稿100を排出する。
【0020】
付箋貼付機構4は、画像が読み取られた原稿100に対して付箋101を貼付する。具体的には、原稿100には捺印欄100aが作成されており、付箋貼付機構4は、捺印欄100aに捺印(図中では「回覧」印)されている場合、捺印された原稿100に付箋101を貼付する。すなわち、実施形態1に係る原稿読取装置1では、原稿100の画像を読み取り、捺印された原稿100に対しては付箋101を貼付することができる。
【0021】
図2は、原稿読取装置1を側方から見た概略図である。
【0022】
原稿読取部2は、給紙トレイ1aから排紙トレイ1bへ原稿100を搬送する搬送機構(搬送手段)として、2つ一組の搬送ローラR1,R2,R3、ピックローラR4、給紙センサS1、搬送センサ(調節手段)S2、及び排紙センサS3を備えている。ピックローラR4は、給紙トレイ1aから一部が突出するように設けられており、セットされた原稿100を1枚ずつ装置内に送り出す。搬送ローラR1,R2,R3は、取り込んだ原稿100を上下で挟持しつつ回転して排紙トレイ1b側へ送り出す。給紙センサS1は、給紙トレイ1aにセットされた原稿100の有無を検知する。搬送センサS2は、搬送ローラR2近傍に設けられ、搬送中の原稿100の先端を検知し、搬送される原稿100の開始を検知する。排紙センサS3は、排紙トレイ1b近傍に設けられ、原稿100の後端を検知し、原稿100の排紙の終了を検知する。各ローラR1,R2,R3,R4は、各センサS1,S2,S3の検知結果に基づいて、駆動制御される。
【0023】
また、原稿読取部2は、原稿100の画像を読み取る読取機構(読取手段)として、原稿100の搬送路途中に設けられた読取センサS4を備えている。読取センサS4は、CCD(Charge Coupled Devices)又はCIS(Contact Image Sensor)等のイメージセンサである。読取センサS4は、図示しない光源から搬送中の原稿100に対して光が照射されたときに、原稿100から反射した光を受光し、さらに電気信号に変換する。これにより、原稿読取部2は、変換された電気信号をデジタルデータにさらに変換することで画像データを生成することができる。なお、実施形態1では、原稿100は、画像の読取面が上方となるように給紙トレイ1aにセットされるものとする。従って、読取センサS4は、搬送される原稿100の上方に位置するよう配設される。
【0024】
付箋貼付機構4は、搬送路の排紙トレイ1b側に設けられており、排紙トレイ1bに排出する直前に原稿100に対して付箋101を貼付する。排紙トレイ1bに排出する直前に付箋101を貼付することで、貼付された付箋101が原稿100の搬送途中で外れ、装置の故障を引き起こすおそれを低減できる。
【0025】
次に、付箋貼付機構4について詳述する。図3(a)は、付箋貼付機構4の構成を上方から見た概略図であり、(b)は付箋貼付機構4の構成を側方から見た概略図である。
【0026】
付箋貼付機構4は、筐体4aと、原稿100に貼付する付箋101を作成するためのテープ本体40を備えている。テープ本体40は、長尺状の紙テープ(紙部材)が支持軸40aに巻回されて形成されている。付箋貼付機構4は、テープ本体40から長尺状の紙テープを引き出すことができるように、支持軸40aを回転自在に筐体4aに保持している。
【0027】
付箋貼付機構4は、テープ本体40から引き出した紙テープを搬送する搬送路を構成する第1から第4ローラ41a,41b,42a,42bと、ガイド43a,43bとを備えている。また、付箋貼付機構4は、所定長の付箋101を作成するために、引き出した紙テープを切断する回転刃(作成手段)44と、切断した紙テープに糊を塗布する糊付け機(作成手段)45とを備えている。
【0028】
第1ローラ41aは、テープ本体40付近に設けられている。第1ローラ41aは、2つ一組のローラであり、テープ本体40から引き出した紙テープを上下から挟持しつつ回転し、紙テープを前方に送り出すようになっている。前方とは、テープ本体40の接線方向であって、テープ本体40と反対方向で、筐体4aの底面に向かう方向を言う。第1ローラ41aの前方には、ガイド43a及び第2ローラ41bが設けられている。第1ローラ41aが送り出した紙テープは、ガイド43aを通り、第2ローラ41bに搬送されるようになっている。第2ローラ41bは、第1ローラ41aと同様の構成としてあり、紙テープをさらに前方へ送り出すようになっている。
【0029】
ガイド43a及び第2ローラ41bの間には、回転刃44が設けられている。回転刃44は、紙テープの搬送路と垂直に横断可能となっている。具体的には、紙テープの搬送路を挟んで2つのベルトローラ44aが設けられており、2つのベルトローラ44aにはベルト44bが巻張されている。ベルト44bは、ベルトローラ44aの回転に伴い、2つのベルトローラ44a間を回転移動するようになっている。回転刃44は、ベルト44bと共に移動するようにベルト44bに設けられている。これにより、ベルトローラ44aを回転させベルト44bをベルトローラ44a間で回転移動させることで、回転刃44は、紙テープの搬送路を横断するようになっている。このように構成された回転刃44を、搬送路を横断させることで、第1及び第2ローラ41a,41b間の紙テープを切断することができる。
【0030】
第2ローラ41bの前方には、第2ローラ42a及びガイド43bが設けられている。第3ローラ42aとガイド43bとは、間に空間を有するよう配置され、第2ローラ41bから送り出された紙テープは、第3ローラ42aとガイド43bとの間に送り出されるようになっている。なお、ガイド43bは、筐体4aの側面の一部を構成している。
【0031】
第2及び第3ローラ41b,42aの間には、糊付け機45が設けられている。糊付け機45は、糊本体45aと、紙テープを糊本体45aに押し付ける押し付け部45bとを備え、間に搬送路が介在するように設けられている。糊本体45aは、塗布する糊を表面に有しており、押し付け部45bは、搬送路上の紙テープを糊本体45aの表面に押し付けるようになっている。これにより、糊本体45aへ押しつけられた部分に糊が塗布される。このように、紙テープを、回転刃44により切断し、糊付け機45により糊を塗布することで、原稿100に貼付する付箋101を作成することができるようになっている。
【0032】
第3及び第4ローラ42a,42bは、筐体4aの底面に沿って設けられており、第4ローラ42bは、第3ローラ42aよりテープ本体40側に設けられている。ガイド43bは、第3ローラ42aの外周に沿った曲面形状を有しており、第2ローラ41bから送り出された紙テープの送出方向を第2ローラ42bの方向へ転換させるようになっている。
【0033】
第3及び第4ローラ42a,42bの間には、付箋センサ46が設けられている。付箋センサ46は、第3ローラ42aから送り出された紙テープの先端を検知する。詳しくは後述するが、筐体4aの底面の一部には、開口(図示せず)が形成されており、第3及び第4ローラ42a,42bは、開口から露出するように設けられている。筐体4aは、開口部分が原稿100に圧接されるようになっており、第3及び第4ローラ42a,42bは、開口部分が原稿100に圧接した状態で、付箋センサ46が紙テープの先端を検知してから所定時間回転するようになっている。これにより、糊付け機45により糊が塗布された紙テープは、底面の開口を介して原稿100に貼付されるようになっている。
【0034】
図4は、付箋貼付前後における付箋貼付機構4の筐体4aの動作を示す模式図である。図5は、付箋貼付機構4で付箋を作成する際の動作を段階的に示す図である。
【0035】
筐体4aは、上述した底面の開口部分が原稿100と密接する位置(図4(b)参照)と、底面が原稿100に対して所定角度傾斜する位置(図4(a)参照)との間を、回転支軸4bを中心に回動可能となっている。なお、筐体4aは、原稿100と密接する位置にある場合、第4ローラ42bは、ローラ50と密着し、ローラ50とで紙テープを挟持し、回転するようになっている。
【0036】
このような構成において、図4(a)に示すように、筐体4aの底面が原稿100に対して所定角度傾斜する位置にある場合に、テープ本体40から引き出した紙テープを、第1ローラ41aにより前方に送り出す。これにより、テープ本体40は支持軸40aを中心に回転し、紙テープをテープ本体40から順次引き出すことができる(図5(a)参照)。
【0037】
紙テープの先端が回転刃44による切断位置を通過した後、所定時間第1及び第2ローラ41a,41bを回転させる。ここでの所定時間は、作成したい付箋101の長さによって決定される。例えば、長さLの付箋101を作成したい場合、紙テープの先端が切断位置から距離L移動する間、第1及び第2ローラ41a,41bを回転させる。第1及び第2ローラ41a,41bを所定時間回転させた後、回転刃44により紙テープを切断する(図5(b)参照)。
【0038】
紙テープを切断した後、第2及び第3ローラ41b,42aを回転させ、切断された紙テープの後端が糊付け機45まで移動させる。そして、押し付け部45bにより、紙テープの後端を糊本体45aに押し付けることで、紙テープに糊を塗布する(図5(c)参照)。これにより、付箋貼付機構4において、所定長の付箋101を作成することができる。
【0039】
所定長の付箋101を作成した後、図4(b)に示すように、筐体4aを回転させ、筐体4aの開口部分を原稿100に圧接する。そして、第3及び第4ローラ42a,42bを回転させ、付箋センサ46が付箋101の先端を検知してからさらに所定時間、第3及び第4ローラ42a,42bを回転させる。ここでの所定時間は、糊付け機45により糊が塗布された紙テープの部分が、筐体4aの開口を介して原稿100に貼付されるまでの時間である。これにより、作成した付箋101を原稿100に貼付できるようになっている。
【0040】
以上のように、本実施の形態に係る付箋貼付機構4は、図4(a)に示すように、筐体4aを原稿100から隔離して紙テープから付箋101を作成し、付箋101を作成した後に、図4(b)に示すように、筐体4aを原稿100に圧接し、付箋101を原稿100に貼付している。
【0041】
次に、原稿読取装置1の電気的構成について説明する。図6は、原稿読取装置1の電気的構成を示すブロック図である。
【0042】
原稿読取装置1は、制御部11(判定手段)と、記憶部12と、画像認識部13と、原稿読取部2と、操作部3と、付箋貼付機構4とを備えている。原稿読取部2は、読取記憶21と、搬送機構22とを備えている。読取機構21は、上述した読取センサS4等から構成され、原稿100から画像を読み取り、画像データを生成する。搬送機構22は、搬送ローラR1,R2,R3及びピックローラR4等から構成され、給紙トレイ1aから排紙トレイ1bへ原稿100を搬送する。
【0043】
記憶部12は、例えば、EPROM(Erasable Programmable ROM)であって、原稿読取部2の読取機構21が生成した画像データを記憶する。画像認識部13は、記憶部12に記憶された画像データに、所定の画像データが含まれているか否かを検出する。例えば、画像認識部13は、記憶部12に記憶された画像データに基づいて、原稿100に捺印欄100aとして所定寸法の矩形形状の画像が形成されており、矩形形状内の画像を認識する。
【0044】
付箋貼付機構4は、付箋センサ46、第1及び第2送りモータ47a、47b、ベルトモータ48、及び離接モータ49等を備えている。付箋センサ46は、上述したように、付箋101の先端を検知し、検知結果を制御部11に出力する。第1送りモータ47aは、第1及び第2ローラ41a,41bをそれぞれ回転させる。第2送りモータ47bは、第3及び第4ローラ42a,42bをそれぞれ回転させる。ベルトモータ48は、ベルトローラ44aを回転させる。離接モータ49は、筐体4aを回転支軸4bを中心に回転させる。
【0045】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)及びメモリ等を有するマイクロコンピュータを有し、原稿読取装置1全体の制御を行う。制御部11は、例えば原稿読取部2の搬送機構22及び、読取機構21を制御して、読取機構21に画像データを生成させる。また、制御部11は、画像認識部13が認識した矩形形状内の画像に基づいて、原稿に捺印されているか否かを判定し、捺印されている場合、付箋貼付機構4を制御し、原稿100に付箋101を貼付する。
【0046】
次に、原稿読取装置1の動作について説明する。
【0047】
図7及び図8は、原稿読取装置1の動作を示すフローチャートである。図7及び図8に示す処理は、例えば原稿100が給紙トレイ1aにセットされ、操作部3からスタート操作されたときに、制御部11により実行される。
【0048】
制御部11は、搬送機構22を駆動し、搬送ローラR1,R2,R3の回転を開始する(S1)。次に、制御部11は、ピックローラR4を数秒回転させ、給紙トレイ1aにセットされた原稿100の一枚を取り込む。(S2)。制御部11は、読取機構21において、取り込んだ原稿100から画像を読み取り、画像データを生成する(S3)。なお、制御部11は、生成した画像データを記憶部12に記憶する。
【0049】
次に、制御部11は、画像認識部13に画像認識処理を実行させる(S4)。例えば、制御部11は、画像認識部13に、記憶部12に記憶された画像データに、原稿100に捺印欄100aとして所定寸法の矩形形状の画像が形成されているかを判定させる。そして、矩形形状の画像が形成されている場合、制御部11は、画像認識部13に、矩形形状内に画像を認識させる。
【0050】
次に、制御部11は、画像認識部13が認識した矩形形状内の画像に基づいて、原稿100に捺印されているか否かを判定する(S5)。原稿100に捺印されていない場合(S5:NO)、制御部11は、処理をS10に移す。原稿100に捺印されている場合(S5:YES)、制御部11は、搬送センサS2が原稿の先端を検知してから所定時間待機し(S6)、搬送ローラR1,R2,R3の回転を停止する(S7)。これにより、原稿100を、付箋貼付機構4に対して位置合わせを行うことができる。そして、制御部11は、後述の図8で説明する付箋貼付処理を行う(S8)。
【0051】
付箋貼付処理後、制御部11は、搬送ローラR1,R2,R3の回転を再開し(S9)、原稿100が排紙されたか否かを判定する(S10)。すなわち、制御部11は、排紙センサS3が原稿100の後端を検知したか否かを判定する。原稿100が排紙されていなければ(S10:NO)、制御部11は、排紙されるまでS10を繰り返す。原稿100が排紙された場合(S10:YES)、制御部11は、給紙トレイ1aに原稿100があるか否かを判定する(S11)。原稿100が給紙トレイ1aにある場合(S11:YES)、制御部11は、処理をS2に戻し、上述の処理を繰り返す。原稿100が給紙トレイ1aにない場合(S11:NO)、制御部11は、本処理を終了する。
【0052】
S8の付箋貼付処理において、制御部11は、紙テープを所定長L送り出す(S21)。具体的には、制御部11は、図5(a)に示すように、第1及び第2送りモータ47a,47bを駆動し、各ローラ41a,41b,42a,42bを回転させる。そして、制御部11は、紙テープが回転刃44による切断位置から、先端が所定長L移動するまでの時間待機し、その後、各ローラ41a,41b,42a,42bの回転を停止する。
【0053】
制御部11は、ベルトモータ48を駆動し、第1及び第2ローラ41a,41b間の紙テープを切断する(S22)。その後、制御部11は、切断した紙テープへの糊の塗布処理を行う(S23)。具体的に、制御部11は、第2から第4ローラ41b,42a,42bを回転させ、切断した紙テープの後端が糊付け機45に位置するまで送り出す。そして、押し付け部45bにより、紙テープを糊本体45aに押し付け、紙テープに糊を塗布する。これにより、付箋貼付機構4において、所定長Lの付箋101が作成される。
【0054】
制御部11は、離接モータ49を駆動し、図4(b)に示すように、筐体4aを原稿100に圧接させる(S24)。そして、制御部11は、第2、第3及び第4ローラ41b,42a,42bを回転させ、作成した所定長Lの付箋101を送り出す(S25)。制御部11は、付箋センサ46が付箋101の先端を検知したか否かを判定する(S26)。先端を検知していなければ(S26:NO)、制御部11は、検知するまでS26を繰り返す。先端を検知した場合(S26:YES)、制御部11は、所定時間待機し(S27)、第2、第3及び第4ローラ41b,42a,42bの回転を停止させる(S28)。所定時間は、作成された付箋101が、筐体4aの開口を介して原稿100に貼付されるまでの時間である。その後、制御部11は、離接モータ49を駆動し、図4(a)に示すように、筐体4aを原稿100から離接させる(S29)。そして、制御部11は、本処理を終了し、処理を図7のS9に移す。
【0055】
以上のように、実施形態1に係る原稿読取装置1は、原稿100に捺印がされている場合、原稿100に付箋101を貼付することができる。原稿100が複数ページある場合であっても、付箋101を貼付したい原稿100に捺印をすることで、各ページに付箋101を貼付することが可能となる。なお、付箋101を貼付する位置は、全て原稿100の同じ位置としてもよいし、変更するようにしてもよい。図9及び図10は、複数の原稿100に付箋101を貼付した場合の模式図である。図9及び図10に示すように、ページ毎に付箋位置をずらして貼付し、付箋101の貼付した原稿を把握しやすくするようにしてもよい。この場合、図7のS6で説明した、原稿読取装置1の搬送機構22により原稿100を搬送する搬送量は、付箋101を貼付する位置に応じて、適宜変更される。
【0056】
なお、実施形態1では、原稿100の捺印欄100aに「回覧」印の捺印がされている場合に付箋101を貼付しているが、捺印の種類はこれ以外であってもよいし、捺印欄100a以外の場所に捺印されていても、付箋101を貼付するようにしてもよい。また、原稿100に貼付する付箋101に必要な情報を印字できるようにしてもよい。
【0057】
(実施形態2)
次に、本発明に係る原稿読取装置1の実施形態2について説明する。実施形態1に係る原稿読取装置1は、原稿100を給紙トレイ1aから取り込み、自動で付箋101を作成し、貼付しているが、実施形態2では、搬送中の原稿100に捺印されている場合、その原稿100をユーザが手動で付箋を貼付できる位置に停止させる。以下、実施形態1との相違点についてのみ説明する。
【0058】
図11は、実施形態2に係る原稿読取装置を上方から見た概略図である。
【0059】
本実施形態に係る原稿読取装置10は、付箋貼付機構4を備えておらず、排紙トレイ1bの近傍に付箋貼付エリア30が形成されている。付箋貼付エリア30は、ユーザが手動で原稿100に対して付箋を貼付するエリアである。原稿読取装置10は、実施形態1と同様に、給紙トレイ1aから原稿100を取り込み、原稿100の捺印欄100aに捺印されているか否かを判定する。そして、原稿読取装置10は、原稿100に捺印されている場合、搬送中の原稿100を停止する。このとき、原稿100の付箋を貼付すべき貼付部分31が、付箋貼付エリア30付近で露出した状態で、停止するようになっている。原稿100が付箋貼付エリア30で停止した場合、ユーザにより操作部3のスタートボタンが操作されることで、原稿100の搬送が再開される。
【0060】
これにより、ユーザは、付箋貼付エリア30で停止した原稿100が付箋の貼付が必要な原稿であると認識でき、原稿100が複数あっても、捺印されたページを探す作業が省くことができる。また、ユーザは、付箋を貼付しやすいように、原稿100を停止させる位置決めを行う必要がなく、貼付部分31に付箋を貼付する作業が容易となる。
【0061】
なお、貼付部分31を付箋貼付エリア30で停止する際、ユーザにより、停止位置を変更できるようにしてもよいし、ユーザが所望の位置に付箋を貼付できるように、原稿100の搬送量を微調整できるようにしてもよい。また、実施形態2に係る原稿読取装置10の動作については、図8の付箋貼付処理が省略される以外、実施形態1と同様であるため、説明は省略する。
【0062】
以上、本発明の好適な実施形態について、具体的に説明したが、各構成及び動作等は適宜変更可能であって、上述の実施の形態に限定されることはない。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】実施形態1に係る原稿読取装置を上方から見た概略図である。
【図2】原稿読取装置を側方から見た概略図である。
【図3】(a)は、付箋貼付機構の構成を上方から見た概略図であり、(b)は付箋貼付機構の構成を側方から見た概略図である。
【図4】付箋貼付前後における付箋貼付機構の筐体の動作を示す模式図である。
【図5】付箋貼付機構で付箋を作成する際の動作を段階的に示す図である。
【図6】原稿読取装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図7】原稿読取装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】原稿読取装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】複数の原稿に付箋を貼付した場合の模式図である。
【図10】複数の原稿に付箋を貼付した場合の模式図である。
【図11】実施形態2に係る原稿読取装置を上方から見た概略図である。
【符号の説明】
【0064】
1 原稿読取装置
2 原稿読取部
3 操作部
4 付箋貼付機構
100 原稿
100a 捺印欄
101 付箋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿に付箋を貼付する貼付装置において、
前記原稿に係る画像データを取得する取得手段と、
該取得手段が取得した画像データに、所定の画像データを含んでいるか否かを判定する判定手段と、
所定の画像データを含んでいる場合、原稿に付箋を貼付する貼付手段と
を備えることを特徴とする貼付装置。
【請求項2】
前記貼付手段が付箋を貼付する位置に、前記原稿を搬送する搬送手段と、
該搬送手段を制御して、原稿の停止位置を調整する調節手段と
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の貼付装置。
【請求項3】
前記所定の画像データは、印影の画像データである
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の貼付装置。
【請求項4】
付箋を作成する作成手段
をさらに備え、
該作成手段は、
長尺状の紙部材を所定長に切断する切断手段、及び、
前記所定長に切断された紙部材の一部に糊を塗布する塗布手段
を有する
ことを特徴とする請求項1から3の何れか一つに記載の貼付装置。
【請求項5】
原稿の一部に付箋を貼付することができる貼付位置まで原稿を搬送する貼付装置であって、
前記原稿に係る画像データを取得する取得手段と、
該取得手段が取得した画像データに、所定の画像データを含んでいるか否かを判定する判定手段と、
所定の画像データを含んでいる場合、原稿の一部が前記貼付位置に一致するように前記原稿の搬送を停止する搬送制御手段と
を備えることを特徴とする貼付装置。
【請求項6】
原稿の画像を読み取る読取手段と、
請求項1から5の何れか一つに記載の貼付装置と
を備える原稿読取装置において、
前記取得手段は、
前記読取手段が読み取った画像に基づいて、画像データを取得するようにしてある
ことを特徴とする原稿読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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