説明

資料提示装置用アタッチメント

【課題】迅速に資料提示装置100レンズの光軸と顕微鏡20眼レンズの光軸を一致させることができる資料提示装置用アタッチメント10を供すること。
【解決手段】、円筒部11を顕微鏡20の接眼レンズ鏡筒21に遊嵌し、3本のネジ部材14で円筒部11を接眼レンズ鏡筒21に固定する。その際、指示線12bを参照して貫通穴12aの中心が接眼レンズの中心すなわち接眼レンズの光軸と一致するように円筒部11の取り付け位置を調整する。アタッチメント10を取り付けた顕微鏡20を資料提示装置100のカメラヘッド103の下方に設置し、カメラヘッド103の撮像レンズ鏡筒104の外周面がアタッチメント10の位置決め片13に当接するように顕微鏡20の設置位置を調整する。これにより、顕微鏡20の接眼レンズの光軸と資料提示装置100の撮像レンズの光軸が一致する

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、資料提示装置用アタッチメントに関し、より詳しくは、基台に立設した支柱の先端部にカメラヘッドを設け、カメラヘッドに突設した撮像レンズ鏡筒の直下に書類や模型等の資料を配置して撮像し、撮像をモニターテレビで再生したり、ビデオプロジェクターでスクリーンに投影する資料提示装置と、顕微鏡とを接続するためのアタッチメントに関する。
【背景技術】
【0002】
資料提示装置の一形式として、特開2008−193391号公報には、図6に示すように基台101から支柱102を立設し、この支柱102先端にカメラヘッド103を取り付けた資料提示装置100が開示されている。
【0003】
この種の資料提示装置100では、支柱102が基台101から直立する直立部102aと、直立部102aから連続して水平に基台101の前方へ延びる水平部102bを有し、水平部102bの先端にカメラヘッド103を設けている。そして、カメラヘッドの底面に撮像レンズ鏡筒104が突設されている。
この資料提示装置100によれば、資料をカメラヘッド103の撮像レンズ鏡筒104の直下に配置して資料を撮像する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−193391号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、この種の資料提示装置100の一使用方法として、資料提示装置100の撮像レンズ鏡筒104の直下に顕微鏡の接眼レンズ鏡筒を配置し、顕微鏡の検査台に載置した検査対象物の拡大画像をモニターテレビ等で再生することがある。
【0006】
このように顕微鏡を使って検査対象物の拡大画像を資料提示装置で再生する場合、資料提示装置の撮像レンズの光軸と顕微鏡の接眼レンズの光軸を一致させることが好ましい。しかしながら、光軸同士を一致させるには顕微鏡の設置位置を微妙に調整しなければならず、甚だ面倒で手間がかかる。
また、光軸を一致させるべく顕微鏡の設置位置を調整する際、顕微鏡の接眼レンズ鏡筒のレンズ開口面に取り付けられているリングが資料提示装置100の撮像レンズに接触して傷が付くおそれがある。
【0007】
本発明はかかる問題点に鑑み、迅速に資料提示装置の撮像レンズの光軸と顕微鏡の接眼レンズの光軸を一致させることができる資料提示装置用アタッチメントを提供することを目的とする。
また、顕微鏡の接眼レンズ鏡筒のレンズ開口面に取り付けられているリングが資料提示装置の撮像レンズに接触して傷付くのを防止できる資料提示装置用アタッチメントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、基台に立設した支柱の先端部にカメラヘッドを設け、カメラヘッドに撮像レンズ鏡筒を突設した資料提示装置における前記撮像レンズ鏡筒と顕微鏡の接眼レンズ鏡筒とを接続する資料提示装置用アタッチメントであって、
下端を開口に形成し、該開口から前記接眼レンズ鏡筒に遊嵌可能な円筒部と、円筒部上端に形成され前記撮像レンズ鏡筒の先端が当接する円形の受け面と、受け面の中心に形成された貫通穴と、受け面に表記され前記貫通穴の中心を指示する指示線と、前記受け面の外周縁の一部に沿って立設され内周面の曲率半径が前記撮像レンズ鏡筒の外周面の曲率半径と略等しく、前記撮像レンズ鏡筒の外周面が当接する平面視円弧形の位置決め片と、前記円筒部の周面を貫通して円筒部に径方向へ螺進可能に組み付けられると共に、等角度間隔で配置された少なくとも3本のネジ部材とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の発明に係る資料提示装置用アタッチメントの使用方法は以下の通りである。
円筒部を顕微鏡の接眼レンズ鏡筒に遊嵌し、3本のネジ部材で円筒部を接眼レンズ鏡筒に固定する。その際、指示線を参照して貫通穴の中心が接眼レンズの中心すなわち接眼レンズの光軸と一致するように円筒部の取り付け位置を調整する。アタッチメントを取り付けた顕微鏡を資料提示装置のカメラヘッドの下方に設置し、カメラヘッドの撮像レンズ鏡筒の外周面がアタッチメントの位置決め片に当接するように顕微鏡の設置位置を調整する。これにより、顕微鏡の接眼レンズの光軸と資料提示装置の撮像レンズの光軸が一致する。
【0010】
本発明によれば、指示線を参照して中心穴の中心が顕微鏡の接眼レンズの光軸と一致するようにアタッチメントを顕微鏡に取り付ければ、後は資料提示装置の撮像レンズ鏡筒が位置決め片に当接するように顕微鏡の設置位置を調整するだけで、撮像レンズの光軸と接眼レンズの光軸を一致させることができる。
【0011】
また、顕微鏡の接眼レンズ鏡筒が円筒部で覆われるので、接眼レンズ鏡筒のリングが資料提示装置の撮像レンズに接触して傷付くのを防止できる。さらにまた、位置決め片を平面視円弧形としたので、資料提示装置の撮像レンズ鏡筒を横方向から移動させて位置決め片に当接でき、使い勝手が良い。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施例に係る資料提示装置用アタッチメントを示す斜視図である。
【図2】同資料提示装置用アタッチメントを示す側面図である。
【図3】同資料提示装置用アタッチメントを示す平面図である。
【図4】同資料提示装置用アタッチメントを示す底面図である。
【図5】同資料提示装置用アタッチメントの使用方法を示す説明図である。
【図6】資料提示装置を示す斜視図である。
【実施例】
【0013】
以下に本発明を図面に基づき説明するに、図1〜図4には本発明の一実施例に係る資料提示装置用アタッチメント10が示されている。当該アタッチメント10はプラスチック成型品で、円筒部11、円形受け面12及び位置決め片13が一体成形されている。
【0014】
円筒部11は下端面が開口11aに形成され、開口11aの径は顕微鏡20(図5参照)の接眼レンズ鏡筒21が遊嵌する大きさに設定されている。円筒部11の周面の3箇所に120度の等角度間隔でネジ穴が形成され、各ネジ穴に摘み付きのネジ部材14が円筒部11の径方向へ螺進可能に組み付けられ、ネジ部材14の先端が円筒部11の内部に突出している。
【0015】
円筒部11の上端面には円形の受け面12が設けられ、受け面12の中心部に貫通穴12aが形成されている。この貫通穴12aの径は顕微鏡20の接眼レンズと略同じ大きさに設定されている。受け面12の上面には貫通穴12aの中心を指示する4本の指示線12bが表記されている。4本の指示線12bは90度の等角度間隔で形成され、交点が貫通穴12aの中心を指示している。
【0016】
位置決め片13は図3に示すように、平面視円弧形を有し、受け面12の周縁部から立設されている。位置決め片13は受け面12の周縁の略半周にわたって設けられている。位置決め片13の曲率半径は資料提示装置100の撮像レンズ鏡筒104の外周面の半径と略等しく設定されている。
【0017】
円筒部11、貫通穴12a及び受け面12の中心並びに位置決め片13の曲率中心は一直線上に整列するように設定されている。
【0018】
本実施例に係る資料提示装置用アタッチメント10の構造は以上の通りであって、以下にその使用方法を図5に基づき説明する。
初めに、円筒部11を顕微鏡20の接眼レンズ鏡筒21に遊嵌し、3本のネジ部材14で円筒部11を接眼レンズ鏡筒21に固定する。その際、指示線12bを参照して貫通穴12aの中心が接眼レンズの中心すなわち接眼レンズの光軸と一致するように円筒部11の取り付け位置を調整する。
【0019】
アタッチメント10を取り付けた顕微鏡20を資料提示装置100のカメラヘッド103の下方に設置し、カメラヘッド103の撮像レンズ鏡筒104の外周面がアタッチメント10の位置決め片13に当接し、撮像レンズ鏡筒104の先端面が受け面12に当接するように顕微鏡20の設置位置を調整する。これにより、顕微鏡20の接眼レンズの光軸と資料提示装置100の撮像レンズの光軸が一致する。
【0020】
本実施例によれば、指示線12bを参照して中心穴12aの中心が顕微鏡20の接眼レンズの光軸と一致するようにアタッチメント10を顕微鏡20に取り付ければ、後は資料提示装置100の撮像レンズ鏡筒104が位置決め片13に当接するように顕微鏡20の設置位置を調整するだけで、資料提示装置100の撮像レンズの光軸と顕微鏡20の接眼レンズの光軸を一致させることができる。
【0021】
また、顕微鏡20の接眼レンズ鏡筒21が円筒部11で覆われるので、接眼レンズ鏡筒21のリングが資料提示装置100の撮像レンズに接触して傷付くのを防止できる。
さらにまた、円筒部11のサイズは顕微鏡の接眼レンズ鏡筒21に遊嵌できるようにしたので、接眼レンズ鏡筒のサイズが異なる顕微鏡にもアタッチメント10を取り付けることができる。
【符号の説明】
【0022】
10…資料提示装置用アタッチメント
11…円筒部
12…受け面
12a…貫通穴
12b…指示線
13…位置決め片
14…ネジ部材
20…顕微鏡
21…接眼レンズ鏡筒
100…資料提示装置
101…基台
102…支柱
102a…直立部
102b…水平部
103…カメラヘッド
104…撮像レンズ鏡筒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台に立設した支柱の先端部にカメラヘッドを設け、カメラヘッドに撮像レンズ鏡筒を突設した資料提示装置における前記撮像レンズ鏡筒と顕微鏡の接眼レンズ鏡筒とを接続する資料提示装置用アタッチメントであって、
下端を開口に形成し、該開口から前記接眼レンズ鏡筒に遊嵌可能な円筒部と、円筒部上端に形成され前記撮像レンズ鏡筒の先端が当接する円形の受け面と、受け面の中心に形成された貫通穴と、受け面に表記され前記貫通穴の中心を指示する指示線と、前記受け面の外周縁の一部に沿って立設され内周面の曲率半径が前記撮像レンズ鏡筒の外周面の曲率半径と略等しく、前記撮像レンズ鏡筒の外周面が当接する平面視円弧形の位置決め片と、前記円筒部の周面を貫通して円筒部に径方向へ螺進可能に組み付けられると共に、等角度間隔で配置された少なくとも3本のネジ部材とを備えたことを特徴とする資料提示装置用アタッチメント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−237345(P2010−237345A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−83937(P2009−83937)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000000424)株式会社エルモ社 (104)
【Fターム(参考)】