説明

資料提示装置

【課題】台を用いずに簡単な操作で撮像領域を拡大でき、使い勝手のよい資料提示装置10を提供すること。また、撮影領域を拡大しても資料以外のものが写し込まれるのを回避して、資料だけを撮像できる資料提示装置10を提供すること。
【解決手段】第1水平部13bを水平位置に、そして第2水平部13cを水平前進位置に設定する。この操作によって装置設置面20と最広角に設定した撮像レンズとの距離が第1支持軸16と第2支持軸17との間隔Hだけ長くすることにより、撮像領域22を拡大する。カメラヘッド14の撮像範囲を拡大したとき、同時にカメラヘッド14の位置が第1支持軸16と第2支持軸17の間隔Hだけ前方へ移動するので、基台11の前面が写し込まれるのを回避できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基台に立設した支柱の先端部にカメラヘッドを設け、基台の前方に置いた書類や模型等の資料をカメラヘッドで撮像し、撮像をモニターテレビで再生したり、ビデオプロジェクターでスクリーンに投影する資料提示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
資料提示装置の一形式として、特開2008−193391号公報には、図9及び図10に示すように基台101から支柱102を立設し、この支柱102先端にカメラヘッド103を取り付けた資料提示装置100が開示されている。
【0003】
この資料提示装置100では、支柱102が基台101から直立する直立部102aと、直立部102aから連続して水平に基台101の前方へ延びる水平部102bを有し、水平部102bの先端にカメラヘッド103を設けている。そして、資料を基台101の前面に近接するように装置設置面上に置き、カメラヘッドの撮像レンズ104で資料を撮像する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−193391号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した従来の資料提示装置100では、資料のサイズがカメラヘッド103の撮像領域より大きい場合、資料提示装置100とは別の台200を用い、この台200に資料提示装置100を乗せて資料を撮像している。資料提示装置100を台200に乗せることによりカメラヘッドの撮像レンズ104から資料までの撮影距離が台200を用いない場合な比べて延びるので、その分カメラヘッド103の撮像領域201を拡大できる。
【0006】
しかし、従来の資料提示装置100は、資料提示装置100とは別に資料提示装置100を乗せることができる台200を用意しなければ撮像領域を拡大できないので、使い勝手が悪い。
また、資料提示装置100を台200に乗せて撮像領域201を拡大すると、図9に示すように台200の前端部までも撮像領域201に含まれるので、台200の前端部が写し込まれてしまうという不都合が生じる。
【0007】
本発明はかかる問題点に鑑み、台を用いずに簡単な操作で撮像領域を拡大でき、使い勝手のよい資料提示装置を提供することを目的とする。
また、撮影領域を拡大しても資料以外のものが写し込まれるのを回避して、資料だけを撮像できる資料提示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、基台と、基台から立設した支柱と、支柱先端に取り付けたカメラヘッドを備え、前記支柱は基台から直立する直立部と、直立部から水平に前記基台の前方へ延びる水平部を有し、水平部の先端に前記カメラヘッドを設け、装置設置面に置かれた資料を前記カメラヘッドで撮像するように構成した資料提示装置であって、
前記水平部を第1水平部と第2水平部から構成し、第1水平部を前記直立部の上端に、直立部に並列に垂下する垂下位置と直立部から水平に基台前方へ延びる水平位置との間で回動可能に第1支持軸で直立部に組み付け、前記第2水平部を垂下位置にある第1水平部から基台前方へ水平に延びる水平後退位置と水平位置にある第1水平部から基台前方へ水平に延びる水平前進位置との間で回動可能に第2支持軸で第1水平部の反第1支持軸側端部に組み付けたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の資料提示装置において、前記第2水平部が前記水平後退位置から前記直立部に並列に垂下する垂下位置へ回動可能に前記第2支持軸で第1水平部に組み付けたことを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は請求項2に記載の資料提示装置において、前記直立部を前記基台から直立する位置と前記基台に倒伏する位置との間で回動可能に第3支持軸で基台に組み付けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、カメラヘッドから装置設置面上の資料までの撮像距離が、第1水平部が垂下位置にあって、第2水平部が水平後退位置にあるときに比べ、第1水平部が水平位置にあって、第2水平部が水平前進位置にあるとき、第1支持軸と第2支持軸の間隔だけ上方へ高くなるので、カメラヘッドの撮像範囲が拡大される。
しかして、カメラヘッドの撮像範囲を拡大したとき、同時にカメラヘッドの位置が第1支持軸と第2支持軸の間隔だけ前方へ移動するので、基台前面が写し込まれるのを回避できる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、支柱の直立部に第1水平部と第2水平部を並列させることができるので、装置をコンパクトに折り畳むことができる。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、支柱の直立部に第1水平部と第2水平部を並列させ、さらに並列した直立部と第1及び第2水平部を基台に倒伏させることができるので、より一層コンパクトに装置を折り畳むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施例に係る資料提示装置の第1水平部を水平位置に設定した斜視図である。
【図2】同資料提示装置の第1水平部を垂下位置に設定した斜視図である。
【図3】同資料提示装置の第1、第2水平部を直立部に並列にした斜視図である。
【図4】同資料提示装置の直立部、第1、第2水平部を基台に倒伏した側面図である。
【図5】同資料提示装置の第1水平部を垂下位置に設定した側面図である。
【図6】同資料提示装置の第1水平部を垂下位置に設定した平面図である。
【図7】同資料提示装置の第1水平部を水平位置に設定した側面図である。
【図8】同資料提示装置の第1水平部を水平位置に設定した平面図である
【図9】従来の資料提示装置を示す斜視図である。
【図10】従来の資料提示装置を示す側面図である。
【実施例1】
【0015】
以下に本発明を図面に基づき説明するに、図1〜図4には本発明の一実施例に係る資料提示装置10が示されている。当該資料提示装置10は基台11、台座12、支柱13及びカメラヘッド14を備えている。基台11は平面形状が略長方形で前部11aの上面に台座12が設けられ、基台11の内部には制御回路ユニットが内蔵されている。また、基台11の背面にはテレビモニターやビデオプロジェクターと資料提示装置10を接続するための各種端子が配設されている。
【0016】
支柱13は中空構造を有し、図1に示すように、直立部13aと直立部13aの上端部から基台11の前方へ水平に延びる第1水平部13b及び第1水平部13bから水平に前方へ延びる第2水平部13cから構成され、内部には基台11に内蔵された制御回路ユニットとカメラヘッド14を接続するワイヤーハーネスが挿通されている。
【0017】
支柱13の直立部13aは図1、図2及び図3に示すように基台11から直立する位置と、図4に示すように基台11に倒伏する位置との間で左右方向に回動可能に第3支持軸15で台座12に組み付けられている。
【0018】
第1水平部13bは図1に示すように、直立部13aから水平に基台11の前方へ延びる水平位置と、図2に示すように、直立部13aに並列に垂下する垂下位置の間で回動可能に第1支持軸16で直立部13aの上端部に組み付けられている。
【0019】
第2水平部13cは図1に示すように、水平位置にある第1水平部13bから基台11の前方へ水平に延びる水平前進位置と、図2に示すように、垂下位置にある第1水平部13bから基台11の前方へ水平に延びる水平後退位置との間で回動可能に第2支持軸17で第1水平部13bの反第1支持軸16側端部に組み付けられている。
【0020】
また、第2水平部は図2に示す水平後退位置から図3に示すように、直立部13aに並列に垂下する垂下位置へ回動可能に第2支持軸17で第1水平部13bに組み付けられている。
【0021】
カメラヘッド14は直方体のハウジング14aを有し、このハウジング14aが水平部13bと直線的に整列するように水平部13cの前端部に連結固定され前方へ延びている。ハウジング14aの前端部下面に撮像レンズを組み込んだレンズ鏡筒14b(図5,7参照)が垂設され、ハウジング14aの内部にはカメラ制御回路が内蔵されている。
なお、カメラヘッド14の重みで装置10が基台11の前方へ傾倒するのを防止するため基台11内部には所要重量のバランサーが内蔵されている。
【0022】
本実施例に係る資料提示装置10の構造は以上の通りであって、以下にその使用方法を説明する。図2、図5及び図6に示すように、第1水平部13bを垂下位置に、そして第2水平部13cを水平後退位置に設定する。そして、装置設置面20(図5参照)に資料を置き、撮像領域21に資料が収まるように資料の位置を調整する。
【0023】
資料のサイズが大きく、撮像レンズの画角を最広角に設定しても資料の全体を撮像できないような場合、図1、図7及び図8に示すように、第1水平部13bを水平位置に、そして第2水平部13cを水平前進位置に設定する。この操作によって装置設置面20と最広角に設定した撮像レンズとの距離が第1支持軸16と第2支持軸17との間隔Hだけ長くなるので、撮像領域22を拡大できる。
【0024】
資料提示装置10は、使用しないときは図4に示すように、支柱13の直立部13aに第1水平部13bと第2水平部13cを並列させ、さらに並列した直立部13aと第1水平部13b及び第2水平部13cを基台11に倒伏して折り畳む。
【0025】
本実施例に係る資料提示装置10は、カメラヘッド14から装置設置面20上の資料までの撮像距離が、第1水平部13bが垂下位置にあって、第2水平部13cが水平後退位置にあるときに比べ、第1水平部13bが水平位置にあって、第2水平部13cが水平前進位置にあるとき、第1支持軸16と第2支持軸17の間隔Hだけ上方へ高くなるので、カメラヘッド14の撮像範囲が拡大される。
しかして、カメラヘッド14の撮像範囲を拡大したとき、同時にカメラヘッド14の位置が第1支持軸16と第2支持軸17の間隔Hだけ前方へ移動するので、基台11の前面が写し込まれるのを回避できる。
【0026】
また、支柱13の直立部13aに第1水平部13bと第2水平部13cが並列し、さらに直立部13aと第1水平部13b及び第2水平部13cを基台11に倒伏させることができるので、資料提示装置10をコンパクトに折り畳むことができる。
【符号の説明】
【0027】
10…資料提示装置
11…基台
11a…基台前面
12…台座
13…支柱
13a…直立部
13b…第1水平部
13c…第2水平部
14…カメラヘッド
14a…ハウジング
14b…レンズ鏡胴
15…第3支持軸
16…第1支持軸
17…第2支持軸
20…装置設置面
21,22…撮像領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台と、基台から立設した支柱と、支柱先端に取り付けたカメラヘッドを備え、前記支柱は基台から直立する直立部と、直立部から水平に前記基台の前方へ延びる水平部を有し、水平部の先端に前記カメラヘッドを設け、装置設置面に置かれた資料を前記カメラヘッドで撮像するように構成した資料提示装置であって、
前記水平部を第1水平部と第2水平部から構成し、
第1水平部を前記直立部の上端に、直立部に並列に垂下する垂下位置と直立部から水平に基台前方へ延びる水平位置との間で回動可能に第1支持軸で直立部に組み付け、
前記第2水平部を垂下位置にある第1水平部から基台前方へ水平に延びる水平後退位置と水平位置にある第1水平部から基台前方へ水平に延びる水平前進位置との間で回動可能に第2支持軸で第1水平部の反第1支持軸側端部に組み付けたことを特徴とする資料提示装置。
【請求項2】
前記第2水平部が前記水平後退位置から前記直立部に並列に垂下する垂下位置へ回動可能に前記第2支持軸で第1水平部に組み付けたことを特徴とする請求項1に記載の資料提示装置。
【請求項3】
前記直立部を前記基台から直立する位置と前記基台に倒伏する位置との間で回動可能に第3支持軸で基台に組み付けたことを特徴とする請求項2に記載の資料提示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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