説明

資源マネジメントシステム

【課題】 対象となる所定空間の運用形態に合わせた運用プランを、所定空間内の負荷の各々に漏れなく容易に設定できる資源マネジメントシステムを提供する。
【解決手段】 食品スーパー内の各照明負荷32による電力の使用状態に関する情報を定期的に取得する情報取得部12bと、使用許可期間のデータを作成する利用者端末2と、使用許可期間のデータに基づいて、各照明負荷32の使用許可期間を設定する期間設定部12eと、各照明負荷32の電力の使用が使用許可期間内であるか否かを判定する判定部12cと、判定部12cの判定結果を用いて、電力の使用期間を、使用許可期間内であるか否かを区別して表示する表示部21とを備え、利用者端末2は、1つの一括使用許可期間のデータを作成し、期間設定部12eは、一括使用許可期間を全ての照明負荷32の使用許可期間に設定する一括設定を行う一括設定部122を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、省エネ診断のための資源マネジメントシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
オフィスのあるビル、食品スーパー等の商業施設、工場などの建物(所定空間)において、各負荷(照明装置、エアコンなどの電気機器)の電力使用を監視する資源マネジメントシステムがある。資源マネジメントシステムは、各負荷の運用プランとして、電力使用を許可する使用許可期間を予め設定し、使用許可期間内での電力使用か、使用許可期間外での電力使用かを区別して表示する。
【0003】
このような資源マネジメントシステムでは、電力使用を許可する使用許可期間と、電力使用を許可しない使用不許可期間とを区別するための運用プラン設定が必要である。従来の運用プラン設定は、負荷の1つ1つに対して、使用許可期間の開始時刻と終了時刻とを負荷毎に設定する必要があった(例えば、引用文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−50501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のように、運用プランを負荷の1つ1つに対して個別に設定することは手間がかかる。さらに、資源の使用状況を確認したい全ての負荷に対して運用プランを設定することが必要であるが、負荷の数が多い場合には運用プランの設定に漏れが発生する可能性がある。
【0006】
また、運用プランの初期値を予め決めてシステムを出荷することで、運用プランの設定漏れという問題は解決できそうである。しかし、前述したように対象となる建物はオフィス(ビル)、商業施設(食品スーパーなど)、工場などであり、建物運用形態は多岐にわたるため、運用プランの初期値を一意に決めることができなかった。
【0007】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、対象となる所定空間の運用形態に合わせた運用プランを、所定空間内の負荷の各々に漏れなく容易に設定できる資源マネジメントシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の資源マネジメントシステムは、所定空間内の複数の負荷の各動作によって発生する資源の使用期間を監視する資源マネジメントシステムであって、前記資源の使用状態に関する情報を使用情報として定期的に取得する情報取得部と、前記資源の使用が許可されている期間である使用許可期間のデータを作成するデータ作成部と、前記データ作成部が作成した使用許可期間のデータに基づいて、各負荷の使用許可期間を設定する期間設定部と、前記情報取得部で取得された前記使用情報に対応する前記資源の使用が前記使用許可期間内であるか否かを判定する判定部と、前記判定部の判定結果を用いて、前記資源の使用期間を、前記使用許可期間内であるか否かを区別して表示する表示部とを備え、前記データ作成部は、1つの第1の使用許可期間のデータを作成し、前記期間設定部は、第1の使用許可期間を全ての負荷の使用許可期間に設定する一括設定を行う一括設定部を具備することを特徴とする。
【0009】
この発明において、2つ以上の負荷からなる1乃至複数の負荷グループを形成した場合、前記一括設定部は、前記負荷グループ毎に使用許可期間を設定することが望ましい。
【0010】
この発明において、前記データ作成部は、各負荷に個別に対応する第2の使用許可期間のデータを作成し、前記期間設定部は、第2の使用許可期間を負荷毎の個別の使用許可期間に設定する個別設定部を備え、前記一括設定部は、前記一括設定時に、第2の使用許可期間を設定された負荷の使用許可期間に第1の使用許可期間を設定しないことが望ましい。
【0011】
この発明において、前記一括設定部は、前記個別設定部が負荷に設定した第2の使用許可期間が、第1の使用許可期間と同一の場合、当該負荷に設定された使用許可期間は、第1の使用許可期間であると判断することが望ましい。
【0012】
この発明において、利用者が操作することによって前記個別設定部による使用許可期間の設定処理が行われる登録操作部を備え、前記一括設定部は、前記登録操作部の操作によって前記個別設定部が設定した使用許可期間を第2の使用許可期間であると判断することが望ましい。
【0013】
この発明において、前記一括設定部が前記一括設定を行って、第1の使用許可期間を変更した場合、前記個別設定部は、当該第1の使用許可期間の変更内容に連動させて第2の使用許可期間を変更し、第1の使用許可期間の変更内容に連動させて第2の使用許可期間を変更させるか否かを利用者が選択操作する選択操作部を備えることが望ましい。
【0014】
この発明において、前記一括設定部が前記一括設定を行って、第1の使用許可期間の開始時刻を変更した場合、前記個別設定部は、当該第1の使用許可期間の変更内容に連動させて、第2の使用許可期間の開始時刻を変更し、前記一括設定部が前記一括設定を行って、第1の使用許可期間の終了時刻を変更した場合、前記個別設定部は、当該第1の使用許可期間の変更内容に連動させて、第2の使用許可期間の終了時刻を変更することが望ましい。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明では、対象となる所定空間の運用形態に合わせた運用プランを、所定空間内の負荷の各々に漏れなく容易に設定できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】(a)(b)実施形態1のシステムを示す構成図である。
【図2】同上の利用者端末の構成を示すブロック図である。
【図3】同上の監視画面の一例を示す図である。
【図4】同上の一括設定時の監視画面を示す図である。
【図5】同上の負荷グループに対する監視画面を示す図である。
【図6】(a)〜(c)同上の個別使用許可期間の設定処理を示す図である。
【図7】同上の一括使用許可期間の変更前の監視画面を示す図である。
【図8】同上の一括使用許可期間の変更後の監視画面を示す図である。
【図9】同上の設定画面を示す図である。
【図10】実施形態2の一括使用許可期間の変更後の監視画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
(実施形態1)
実施形態1に係る資源マネジメントシステムは、複数の負荷の各動作によって発生する資源の使用期間を監視するシステムである。図1(a)に示すように、本実施形態の資源マネジメントシステムは、リレー制御装置1と、利用者端末2とを備えている。資源マネジメントシステムには、照明システム3が接続されている。資源マネジメントシステムとは、電力、ガス、水、熱等の資源の少なくとも使用期間を監視するシステムであり、以下、一例として資源が電力である場合について説明する。
【0019】
照明システム3は、リレー31と照明負荷32との組み合わせを複数備えており、各照明負荷32は、リレー31のオンオフにしたがって点灯および消灯を行う。
【0020】
利用者端末2は、例えばパーソナルコンピュータなどのコンピュータであり、図2に示すように、LCD等で構成された表示画面21と、キーボード、マウス等で構成された操作部22とを備えている。利用者端末2は、リレー制御装置1で収集された各照明負荷32の点灯状態を、例えばWebブラウザなどで表示画面21に表示する。つまり、利用者端末2は、後述の判定部12cの判定結果を用いて、電力の使用期間を、使用許可期間内であるか否かを区別して表示する。表示画面21は、本発明の表示部に相当する。
【0021】
利用者端末2は、所定期間(例えば30分間)ごとに電力の使用状態を表示する。例えば所定期間が30分間である場合、所定期間である30分間のうち少し(例えば1分間)でも電力が使用されていれば、利用者端末2には、対象の所定期間の全体で電力が使用されたように表示される。つまり、少しの時間しか電力が使用されなかった場合も、30分間とも電力が使用された場合も、利用者端末2には、対象の所定期間の箇所に同じように表示される。
【0022】
リレー制御装置1は、図1(b)に示すように、端末側通信部11と、制御部12と、負荷側通信部13とを備えて、時分割多重伝送方式によって、リレー31の各々との間で通信を行う。
【0023】
制御部12は、スケジュール管理部12aと、情報取得部12bと、判定部12cと、表示管理部12dと、期間設定部12eと、プラン記憶部12fとを備える。
【0024】
スケジュール管理部12aは、予め設定されたスケジュール情報(指定時刻、指定条件)で指定したリレー31をオンオフ制御して照明負荷32を点灯制御する。
【0025】
情報取得部12bは、負荷側通信部13を介して各リレー31と定期的に通信することによって、各リレー31のオンオフ状態を定期的に取得する。つまり、情報取得部12bは、常に各リレー31のオンオフ状態の情報を取得し、各リレー31のオンオフ状態を監視している。リレー31のオンオフ状態は、照明負荷32の点灯状態と連動しているから、情報取得部12bは、各リレー31のオンオフ状態を監視することによって、各照明負荷32の点灯状態を監視することになる。これにより、情報取得部12bは、各照明負荷32の動作による電力の使用状態に関する情報を使用情報として定期的に取得し、電力使用期間を監視することができる。
【0026】
また、各照明負荷32には、その設定場所等に応じて、電力の使用が許可されて点灯可能な期間(時間帯)である使用許可期間が運用プランとして設定されており、各照明負荷32の使用許可期間のデータは、プラン記憶部12fに格納されている。プラン記憶部12fは本発明の記憶部に相当する。
【0027】
判定部12cは、プラン記憶部12fを参照し、リレー31がオンして照明負荷32が点灯したときの電力の使用期間が使用許可期間内であるか否かを判定する。すなわち、使用許可期間内での電力使用は適切であり、使用許可期間外での電力使用は不適切であるとみなす。
【0028】
表示管理部12dは、各照明負荷32の点灯状態(各リレー52のオンオフ状態)の情報を、判定部12cの判定結果とともに利用者端末2で表示させるためのデータ(監視画像データ)を生成し、端末側通信部21を介して、生成した監視画像データを利用者端末2に送信する。利用者端末2は、受信した監視画像データを表示画面21に表示する(監視画面)。
【0029】
図3は、食品スーパーにおける監視画面の一例であり、時刻0時〜24時における各照明負荷32の電力使用状況を表している。照明負荷32は、食品スーパー内のロビー、レジ、野菜売場、鮮魚売場等の各領域に設置されており、電力使用状況は照明負荷32毎に表示される。
【0030】
電力使用状況は、24時間を30分単位で分割したセル毎に、当該時間帯での電力使用が適切であるか否かを色分けして表示される。具体的には、各照明負荷32の使用許可期間T1に対応する時刻のセルを枠(図3中の使用許可期間T1を囲む実線)で囲む。そして、使用許可期間T1内で照明負荷32が電力を使用した時刻に対応するセル(以降、適切使用時間帯Taと称す)と、使用許可期間T1外で照明負荷32が電力を使用した時刻に対応するセル(以降、不適切使用時間帯Tbと称す)とは色分けして表示する。なお、図3は白黒表示のため、適切使用時間帯Taを斜線で表し、不適切使用時間帯Tbをドットで表す。また、電力を使用していない時刻に対応するセルは非表示となる。
【0031】
以下、食品スーパー内の照明負荷32の電力使用期間を監視するタイムマネジメントシステムを例にして、本発明の要旨である使用許可期間の設定方法について詳述する。
【0032】
まず、システムの初期状態において、プラン記憶部12fに使用許可期間のデータが格納されていないとする。この初期状態で、利用者が、利用者端末2の操作部22を操作して、照明負荷32毎の使用許可期間のデータを個別に作成し、リレー制御装置1のプラン記憶部12fに格納することが考えられる。しかし、全ての照明負荷32の使用許可期間のデータを照明負荷32毎に個別に作成することは手間であり、設定漏れが発生する可能性がある。
【0033】
そこで本実施形態では、この初期状態で、利用者が利用者端末2の操作部22を操作して、食品スーパーの運用形態に基づいた1つの一括使用許可期間T11のデータを作成し、この一括使用許可期間T11のデータをリレー制御装置1へ送信する。食品スーパーの運用形態とは、店舗の営業時間[開店時刻10時、閉店時刻19時]のことであり、一括使用許可期間T11は、店舗の営業時間帯を含む[開始時刻9時30分、終了時刻20時30分]に設定される。すなわち、食品スーパーの営業時間は、食品スーパーという空間(所定空間)の運用形態であり、一括使用許可期間T11は食品スーパーという空間に対応した使用許可期間となる。利用者端末2は、本発明のデータ作成部に相当する。
【0034】
そして、リレー制御装置1の期間設定部12eは、一括設定部121と、個別設定部122とで構成され、一括設定部121が一括使用許可期間T11のデータを受信する。一括設定部121は、一括使用許可期間T11を食品スーパーという空間に対応した使用許可期間であるとみなし、一括使用許可期間T11[開始時刻9時30分、終了時刻20時30分]を全ての照明負荷32に対応付けて、プラン記憶部12fに格納する。一括使用許可期間T11は、本発明の第1の使用許可期間に相当する。
【0035】
判定部12cは、プラン記憶部12fを参照し、リレー31がオンして照明負荷32が点灯したときの電力の使用期間が一括使用許可期間T11内であるか否かを判定する。
【0036】
表示管理部12dは、各照明負荷32の点灯状態(各リレー52のオンオフ状態)の情報を、判定部12cの判定結果とともに利用者端末2で表示させるための監視画像データを生成し、端末側通信部21を介して、生成した監視画像データを利用者端末2に送信する。利用者端末2は、受信した監視画像データを表示画面21に表示する(監視画面)。
【0037】
図4は、全ての照明負荷32の使用許可期間を一括使用許可期間T11に設定した場合の監視画面であり、全ての照明負荷32は、同一の一括使用許可期間T11に設定されている。そして、各照明負荷32の一括使用許可期間T11に対応する時刻のセルを枠(図4中の一括使用許可期間T11を囲む破線)で囲む。さらに、一括使用許可期間T11内の適切使用時間帯Ta、使用許可期間T1外の不適切使用時間帯Tbとは色分けして表示する。
【0038】
そして以降、食品スーパーの運用形態(開店時刻、閉店時刻)が変更された場合、利用者は、利用者端末2の操作部22を操作して、食品スーパーの変更後の運用形態に基づく新たな一括使用許可期間T11のデータをリレー制御装置1へ送信する。リレー制御装置1の一括設定部121は、この新たな一括使用許可期間T11を全ての照明負荷32に対応付けて、プラン記憶部12fのデータを更新する。すなわち、一括使用許可期間T11が変更された場合には、全ての照明負荷32の使用許可期間に変更後の一括使用許可期間T11が一括して反映されるので、再設定の手間もかからない。
【0039】
このように、利用者が、食品スーパーの運用形態に基づいた1つの一括使用許可期間T11を作成するだけで、全ての照明負荷32の使用許可期間に同一の一括使用許可期間T11が設定される。したがって、食品スーパー内の照明負荷32の各々に、運用プランを漏れなく容易に設定することができる。さらに、一括使用許可期間T11は、食品スーパーの運用形態に基づいて設定されており、食品スーパー内の全ての照明負荷32に適用可能であり、照明負荷32の実際の点灯時間帯から大きく外れることなく、全ての照明負荷32の運用プランを簡易に設定できる。
【0040】
また、複数の照明負荷32をエリア毎にまとめて1つの負荷グループGを構成し、負荷グループG毎に使用許可期間を設定することも可能である。例えば、エリアをオフィスの各階を単位として形成した場合の監視画面を図5に示す。図5では、オフィスの1階と2階とに設置された複数の照明負荷32で負荷グループG1を構成し、オフィスの3階に設置された複数の照明負荷32で負荷グループG2を構成し、オフィスの4階に設置された複数の照明負荷32で負荷グループG3を構成する。そして、全ての負荷グループG1〜G3に同一の一括使用許可期間T11が設定されることで、負荷グループG1〜G3に属する全ての照明負荷32の各々に対して一括使用許可期間T11が設定される。
【0041】
上記では、初期状態のシステムにおいて、全ての照明負荷32の使用許可期間を同一の一括使用期間T11に設定したが、照明負荷32毎に使用許可期間を個別に設定(変更)することが可能である。この場合、利用者は、利用者端末2の操作部22を操作して、照明負荷32毎の使用許可期間(以降、個別使用許可期間T12と称す)のデータを個別に作成し、この個別使用許可期間T12のデータをリレー制御装置1へ送信する。リレー制御装置1の個別設定部122は、変更対象の照明負荷32に個別使用許可期間T12を対応付けて、プラン記憶部12fのデータを更新する。個別使用許可期間T12は、本発明の第2の使用許可期間に相当する。
【0042】
例えば、図4に示すレジの照明負荷32の使用許可期間を一括使用許可期間T11から変更する場合、図6のように行う。
【0043】
図6(b)では、利用者端末2の操作部22の操作によって、レジの照明負荷32の現在の使用許可期間T11[開始時刻9時30分、終了時刻20時30分](図6(a)参照)に、新たな使用許可期間[開始時刻21時、終了時刻22時]を追加する。この追加処理は、利用者端末2の表示画面21に図4と同様に構成された設定画面を表示し、この設定画面上で、設定対象の照明負荷32のセルに対して、新たな使用許可期間を示す枠を追加することで行われ、この設定画面の情報がリレー制御装置1へ送信される。
【0044】
そして、リレー制御装置1の個別設定部122は、レジの照明負荷32の現在の使用許可期間[開始時刻9時30分、終了時刻20時30分]に、新たな使用許可期間[開始時刻21時、終了時刻22時]を追加した個別使用許可期間T12を作成する。次に、作成した個別使用許可期間T12をレジの照明負荷32に対応付けて、プラン記憶部12fのデータを更新する。以降、監視画面および設定画面では、レジの照明負荷32の個別使用許可期間T12に対応する時刻のセルを枠(図6(b)中の個別使用許可期間T12を囲む一点鎖線)で囲む。
【0045】
図6(c)では、利用者端末2の操作部22の操作によって、レジの照明負荷32の現在の使用許可期間[開始時刻9時30分、終了時刻20時30分](図6(a)参照)を、使用許可期間[開始時刻9時、終了時刻22時]に変更する。この変更処理は、利用者端末2の表示画面21に図4と同様に構成された設定画面を表示し、この設定画面上で、設定対象の照明負荷32の現在の使用許可期間を示す枠をドラッグして延長することで行われ、この設定画面の情報がリレー制御装置1へ送信される。
【0046】
そして、リレー制御装置1の個別設定部122は、[開始時刻9時、終了時刻22時]の個別使用許可期間T12を作成する。次に、作成した個別使用許可期間T12をレジの照明負荷32に対応付けて、プラン記憶部12fのデータを更新する。以降、監視画面および設定画面では、レジの照明負荷32の個別使用許可期間T12に対応する時刻のセルを枠(図6(c)中の個別使用許可期間T12を囲む一点鎖線)で囲む。
【0047】
このように、個別の照明負荷32に対する個別使用許可期間T12を設定することで、「個別使用許可期間T12を設定された照明負荷32は、一括使用許可期間T11を設定された他の照明負荷32とは別」という扱いが可能となる。
【0048】
したがって、一括使用許可期間T11が変更された場合、一括設定部121は、現時点において一括使用許可期間T11が設定されている照明負荷32に対してのみ、変更後の一括使用許可期間T11を一括して反映させることが可能となる。すなわち、一括使用許可期間T11が変更されても、現時点において個別使用許可期間T12が設定されている照明負荷32には反映されず、利用者の意思による個別使用許可期間T12の設定が優先される。
【0049】
例えば、図7は、一括使用許可期間T11が変更される前の監視画面を示し、図8は一括使用許可期間T11が変更された後の監視画面を示す。野菜売場、鮮魚売場、精肉売場の各照明負荷32に対しては一括使用許可期間T11が設定され、ロビー、レジ、バックヤードの各照明負荷32に対しては個別使用許可期間T12が設定されている。
【0050】
そして、図8では、図7における一括使用許可期間T11[開始時刻9時30分、終了時刻20時30分]を、一括使用許可期間T11[開始時刻8時30分、終了時刻20時30分]に変更している。この場合、一括使用許可期間T11が変更されても、野菜売場、鮮魚売場、精肉売場の各照明負荷32の使用許可期間にのみ反映され、ロビー、レジ、バックヤードの各照明負荷32の使用許可期間には反映されない。
【0051】
次に、期間設定部12e(一括設定部121、個別設定部122)が、各照明負荷32に設定されている使用許可期間が一括使用許可期間T11と個別使用許可期間T12とのいずれであるかを判定する方法について説明する。
【0052】
まず第1の判定方法では、期間設定部12eは、各照明負荷32に設定されている使用許可期間が、食品スーパーの運用形態に基づいて作成した一括使用許可期間T11と同じ時間帯に設定されているか否かを判断する。そして、各照明負荷32に設定されている使用許可期間が、一括使用許可期間T11と同じ時間帯に設定されている場合、当該照明負荷32は一括使用許可期間T11が設定されていると判定する。すなわち、照明負荷32の使用許可期間に個別使用許可期間T12が設定されていても、その個別使用許可期間T12の時間帯が一括使用許可期間T11と同じであれば、当該照明負荷32には、一括使用許可期間T11が設定されていると判定する。
【0053】
例えば、利用者が間違った一括使用許可期間T11を覚えている等の要因によって、照明負荷32の個別使用許可期間T12を一括使用許可期間T11と同じ時間帯に誤って設定する場合がある。しかし、この個別使用許可期間T12は一括使用許可期間T11として扱われるので、一括使用許可期間T11と個別使用許可期間T12とが同じ時間帯に設定されることはなく、利用者による上記のような使用許可期間の誤設定を防止できる。
【0054】
また第2の判定方法では、期間設定部12eは、利用者端末2において個別使用許可期間T12の登録操作がなされた場合に、当該登録操作によって設定された個別使用許可期間T12を、一括使用許可期間T11とは区別して扱う。この利用者端末2における個別使用許可期間T12の登録操作は、表示画面21の設定画面上で個別使用許可期間T12を作成した後、設定画面に配置された登録ボタンB1(図9参照)を操作部22の操作によって押下することで行われる。この場合、操作部2が本発明の登録操作部に相当する。
【0055】
そして、利用者端末2は、登録ボタンB1の押操作の後、照明負荷32毎の個別使用許可期間T12のデータをリレー制御装置1へ送信する。そして、リレー制御装置1の個別設定部122は、変更対象の照明負荷32に個別使用許可期間T12を対応付けて、プラン記憶部12fのデータを更新する。一括設定部121は、利用者端末2における個別使用許可期間T12の登録操作によって個別設定部122が設定した使用許可期間を、個別使用許可期間T12として扱い、一括使用許可期間T11とは区別する。
【0056】
したがって、利用者が照明負荷32の個別使用許可期間T12を一括使用許可期間T11と同じ時間帯に設定したとしても、利用者の意思を優先して、個別使用許可期間T12を一括使用許可期間T11とは区別して扱うことができる。
【0057】
(実施形態2)
本実施形態の資源マネジメントシステムは、実施形態1と同様に図1、図2の構成を備え、同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。
【0058】
実施形態1では、一括設定部121によって一括使用許可期間T11が変更されても、現時点において個別使用許可期間T12が設定されている照明負荷32には反映されない。
【0059】
しかし、本実施形態では、一括設定部121によって一括使用許可期間T11が変更された場合、個別設定部122が、一括使用許可期間T11の変更内容に連動させて個別使用許可期間T12を変更する(連動設定)。この連動設定は、利用者端末2の操作部22を利用者が操作して、連動指示コマンドをリレー制御装置1へ送信し、リレー制御装置1の個別設定部122が連動指示コマンドを受信することで可能となる。この場合、操作部2が本発明の選択操作部に相当する。
【0060】
上記連動指示コマンドは、「連動設定を行う/行わない」、「開始時刻を対象とする/対象としない」、「終了時刻を対象とする/対象としない」という3つの選択項目で構成されている。利用者は、利用者端末2の操作部22を操作することで、これらの3つの選択項目を設定する。
【0061】
図7は、一括使用許可期間T11が変更される前の監視画面を示し、図10は一括使用許可期間T11が変更された後の監視画面を示す。野菜売場、鮮魚売場、精肉売場の各照明負荷32に対しては一括使用許可期間T11が設定され、ロビー、レジ、バックヤードの各照明負荷32に対しては個別使用許可期間T12が設定されている。
【0062】
そして、図10では、図7における一括使用許可期間T11[開始時刻9時30分、終了時刻20時30分]を、一括使用許可期間T11[開始時刻8時30分、終了時刻21時30分]に変更している。一括設定部121による当該一括使用許可期間T11の変更に対して、連動指示コマンドが、「連動設定を行う」、「開始時刻を対象とする」、「終了時刻を対象としない」に設定されている場合、個別制御部122は以下の連動設定を行う。個別使用許可期間T12が設定されているロビー、レジ、バックヤードの各照明負荷32に対して、個別使用許可期間T12の開始時刻を、一括使用許可時刻T11の変更後の開始時刻8時30分に変更する(図10参照)。
【0063】
また、一括設定部121による上記一括使用許可期間T11の変更に対して、連動指示コマンドが、「連動設定を行う」、「開始時刻を対象としない」、「終了時刻を対象とする」に設定されている場合、個別制御部122は以下の連動設定を行う。個別使用許可期間T12が設定されているロビー、レジ、バックヤードの各照明負荷32に対して、個別使用許可期間T12の終了時刻を、一括使用許可時刻T11の変更後の終了時刻21時30分に変更する。
【0064】
また、一括設定部121による上記一括使用許可期間T11の変更に対して、連動指示コマンドが、「連動設定を行う」、「開始時刻を対象とする」、「終了時刻を対象とする」に設定されている場合、個別制御部122は以下の連動設定を行う。個別使用許可期間T12が設定されているロビー、レジ、バックヤードの各照明負荷32に対して、個別使用許可期間T12の開始時刻を、一括使用許可時刻T11の変更後の開始時刻8時30分に変更する。さらに個別使用許可期間T12の終了時刻も、一括使用許可時刻T11の変更後の終了時刻21時30分に変更する。
【0065】
また、連動指示コマンドが、「連動設定を行わない」に設定されている場合、個別制御部122は連動設定を行わない。
【0066】
このように、利用者によって一括使用許可期間T11が変更された場合、利用者の意思によっては「一括使用許可期間T11を軸に個別使用許可期間T12も変更する」という連動設定が可能となる。また、絶対時間を基準にして、個別使用許可期間T12の開始時刻または終了時刻を一括使用許可期間T11の開始時刻または終了時刻に合わせるため、利用者に分かりやすい。
【0067】
また、上記各実施形態において、資源は、電力(電気量)に限らず、水やガス、熱であってもよく、使用許可期間の設定を同様に行うことができる。
【0068】
例えば、資源が水、ガスの場合、オフィスや店舗等の建物内のエリア毎に水、ガスを供給する水道管、ガス管が配設されている。そして、この水道管、ガス管に水、ガスの流路を開閉するバルブを設置し、このバルブの開閉状態を監視することによって、水、ガスの使用状態(使用/不使用)を監視できる。また、資源が熱の場合も、熱媒体の流路を開閉するバルブを設置し、このバルブの開閉状態を監視することによって、熱の使用状態(使用/不使用)を監視できる。
【符号の説明】
【0069】
1 リレー制御装置
12 制御部
12a スケジュール管理部
12b 情報取得部
12c 判定部
12d 表示管理部
12e 期間設定部
12f プラン記憶部
121 一括設定部
122 個別設定部
2 利用者端末
21 表示画面
22 操作部
3 照明システム
31 リレー
32 照明負荷

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定空間内の複数の負荷の各動作によって発生する資源の使用期間を監視する資源マネジメントシステムであって、
前記資源の使用状態に関する情報を使用情報として定期的に取得する情報取得部と、
前記資源の使用が許可されている期間である使用許可期間のデータを作成するデータ作成部と、
前記データ作成部が作成した使用許可期間のデータに基づいて、各負荷の使用許可期間を設定する期間設定部と、
前記情報取得部で取得された前記使用情報に対応する前記資源の使用が前記使用許可期間内であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部の判定結果を用いて、前記資源の使用期間を、前記使用許可期間内であるか否かを区別して表示する表示部とを備え、
前記データ作成部は、1つの第1の使用許可期間のデータを作成し、
前記期間設定部は、第1の使用許可期間を全ての負荷の使用許可期間に設定する一括設定を行う一括設定部を具備する
ことを特徴とする資源マネジメントシステム。
【請求項2】
2つ以上の負荷からなる1乃至複数の負荷グループを形成した場合、前記一括設定部は、前記負荷グループ毎に使用許可期間を設定することを特徴とする請求項1記載の資源マネジメントシステム。
【請求項3】
前記データ作成部は、各負荷に個別に対応する第2の使用許可期間のデータを作成し、
前記期間設定部は、第2の使用許可期間を負荷毎の個別の使用許可期間に設定する個別設定部を備え、前記一括設定部は、前記一括設定時に、第2の使用許可期間を設定された負荷の使用許可期間に第1の使用許可期間を設定しないことを特徴とする請求項1または2記載の資源マネジメントシステム。
【請求項4】
前記一括設定部は、前記個別設定部が負荷に設定した第2の使用許可期間が、第1の使用許可期間と同一の場合、当該負荷に設定された使用許可期間は、第1の使用許可期間であると判断することを特徴とする請求項3記載の資源マネジメントシステム。
【請求項5】
利用者が操作することによって前記個別設定部による使用許可期間の設定処理が行われる登録操作部を備え、前記一括設定部は、前記登録操作部の操作によって前記個別設定部が設定した使用許可期間を第2の使用許可期間であると判断することを特徴とする請求項3記載の資源マネジメントシステム。
【請求項6】
前記一括設定部が前記一括設定を行って、第1の使用許可期間を変更した場合、前記個別設定部は、当該第1の使用許可期間の変更内容に連動させて第2の使用許可期間を変更し、
第1の使用許可期間の変更内容に連動させて第2の使用許可期間を変更させるか否かを利用者が選択操作する選択操作部を備える
ことを特徴とする請求項3乃至5いずれか記載の資源マネジメントシステム。
【請求項7】
前記一括設定部が前記一括設定を行って、第1の使用許可期間の開始時刻を変更した場合、前記個別設定部は、当該第1の使用許可期間の変更内容に連動させて、第2の使用許可期間の開始時刻を変更し、
前記一括設定部が前記一括設定を行って、第1の使用許可期間の終了時刻を変更した場合、前記個別設定部は、当該第1の使用許可期間の変更内容に連動させて、第2の使用許可期間の終了時刻を変更する
ことを特徴とする請求項6記載の資源マネジメントシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−248530(P2011−248530A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−119619(P2010−119619)
【出願日】平成22年5月25日(2010.5.25)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)