説明

資産管理システム

【課題】管理対象物(資産)とその配置場所をより正確に対応付けてデータベース化することができ、その登録作業、確認作業を極めて容易に行うことができる資産管理システムを提供する。
【解決手段】端末装置2は、ロケーション記録コードC1と管理対象物記録コードC2とが所定の対応時期に読み取られた場合に管理対象物記録コードに記録される管理対象物90の情報とロケーション記録コードに記録されるロケーションの情報とを対応付けた対応情報を管理装置80に送信している。そして、管理装置80の配置位置登録手段は、その送信された対応情報に含まれる管理対象物及びロケーションの情報に基づいて、当該管理対象物90が配置されるロケーションを登録している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、資産管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
企業や官公庁などでは、所有する資産を台帳やデータベースなどによって管理している。このような資産管理を行う場合、例えば、資産購入時に資産毎に管理番号を付与すると共に担当部署を割り当て、これらの情報をコンピュータなどに記憶しておくといった方法が一般的に用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−302781公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の方法は、オペレータなどがコンピュータにてキー入力作業を行い、資産の情報をデータ化していたため、これらの作業に多大な労力を要するといった問題があった。また、資産の実際の配置場所とデータ入力場所が異なるため、データ入力時に目視して確認することができず、資産の配置場所の入力や確認を効率的に行うことができないといった問題もあった。
【0005】
一方、このような問題に関連する技術として、例えば特許文献1のような技術が提供されている。この技術では、物品配置の候補となる各位置の情報をバーコード化して表わしており、作業者が物品を配置しようとする位置に対応するバーコードを選び出し、これを読み取ることにより配置位置の情報を取得できるようになっている。しかしながら、この方法では、データベースに登録される膨大な位置情報の中から所望の位置を探し出さなければならず、位置情報の紐付けを効率的に行うことが難しいといった問題がある。また、紙面上に多数形成されるバーコードからいずれかを選択して読み取る必要があるため、誤ったバーコードを読み取ってしまう虞もある。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、管理対象物(資産)とその配置場所をより正確に対応付けてデータベース化することができ、その登録作業、確認作業を極めて容易に行うことができる資産管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、管理装置と、前記管理装置と通信可能な端末装置と、情報コードを生成可能な情報コード生成装置とを備えた資産管理システムであって、
前記管理装置は、管理対象物を登録する管理対象物登録手段と、前記管理対象物が配置可能となる複数のロケーションを登録するロケーション登録手段と、前記管理対象物登録手段によって登録される前記管理対象物を、前記ロケーション登録手段によって登録される複数の前記ロケーションのいずれかと対応付けて登録する配置位置登録手段と、を備えている。
前記情報コード生成装置には、前記ロケーション登録手段に登録される複数の前記ロケーションに基づいて、各ロケーションの情報を記録したロケーション記録コードをそれぞれ生成するロケーション記録コード生成手段と、前記管理対象物登録手段に登録される前記管理対象物に基づいて、当該管理対象物の情報を記録した管理対象物記録コードを生成する管理対象物記録コード生成手段と、が設けられている。
そして、前記ロケーション記録コード生成手段によって生成された前記ロケーション記録コードが、当該ロケーション記録コードの記録内容で特定される前記ロケーションに対応付けて表示可能とされ、前記管理対象物記録コード生成手段によって生成された前記管理対象物記録コードが、当該管理対象物記録コードの記録内容で特定される前記管理対象物に対応付けて表示可能とされている。
更に、前記端末装置は、前記ロケーション記録コード及び前記管理対象物記録コードを読取可能なコード読取手段と、前記コード読取手段により前記管理対象物記録コードと前記ロケーション記録コードとが所定の対応時期に読み取られた場合に前記管理対象物記録コードに記録される前記管理対象物の情報と前記ロケーション記録コードに記録される前記ロケーションの情報とを対応付けた対応情報を前記管理装置に送信する対応情報送信手段と、を有している。
そして、前記管理装置の前記配置位置登録手段は、前記対応情報送信手段から送信された前記対応情報に含まれる前記管理対象物及び前記ロケーションに基づいて、当該管理対象物が配置される前記ロケーションを登録している。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の資産管理システムにおいて、前記対応情報送信手段は、所定の終了条件が成立するまでの間に前記コード読取手段によって複数の前記管理対象物記録コードが連続して読み取られ、その連続した読み取りの前又は後に前記ロケーション記録コードが読み取られた場合に、それら複数の前記管理対象物記録コードに記録される複数の前記管理対象物の情報を、前記ロケーション記録コードに記録される前記ロケーションの情報と対応付けて前記管理装置に送信することを特徴としている。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1に記載の資産管理システムにおいて、前記対応情報送信手段は、前記コード読取手段によっていずれか一のロケーション記録コードが読み取られ、その後、前記コード読取手段によって次のロケーション記録コードが読み取られた場合、それら2つの前記ロケーション記録コードの読み取りの間に前記コード読取手段によって読み取られた1又は複数の前記管理対象物記録コードの前記管理対象物の情報を、前記一のロケーション記録コードの読取結果又は前記次のロケーション記録コードの読取結果と対応付けて前記管理装置に送信することを特徴としている。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の資産管理システムにおいて、前記端末装置は、前記対応情報送信手段によって前記対応情報を送信した後、前記管理対象物の前記管理対象物記録コードが前記コード読取手段によって読み取られた場合に報知を行う報知手段を有することを特徴としている。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の資産管理システムにおいて、前記端末装置は、作業者の固有IDを取得する固有ID取得手段を備え、前記対応情報送信手段は、前記固有ID取得手段によって前記固有IDが取得され、前記コード読取手段により前記管理対象物記録コードと前記ロケーション記録コードとが前記所定の対応時期に読み取られたときに、前記対応情報と前記固有IDとを前記管理装置に送信することを特徴とする。
【0012】
請求項6の発明は、請求項5に記載の資産管理システムにおいて、前記端末装置は、所定の移動開始情報を入力する移動開始情報入力手段と、前記移動開始情報入力手段による前記移動開始情報の入力後において、前記固有ID取得手段により前記固有IDが読み取られ且つ前記情報コード読取手段により移動対象の前記管理対象物に付された前記管理対象物記録コードが読み取られたときに、前記管理対象物記録コードに記録される前記管理対象物の情報を一時的に記録する記憶手段と、所定の設置開始情報を入力する設置開始情報入力手段と、を備え、前記対応情報送信手段は、前記設置開始情報入力手段による前記設置開始情報の入力後において、前記固有ID取得手段により前記固有IDが読み取られ且つ前記情報コード読取手段により前記管理対象物記録コード及び前記ロケーション記録コードが読み取られたときに、その読み取られた前記管理対象物記録コードに記録される前記管理対象物の情報と前記記憶手段に記憶される前記管理対象物の情報とが対応する場合に、前記所定の設置開始情報の入力後に得られた前記対応情報を前記管理装置に送信することを特徴としている。
【0013】
請求項7の発明は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の資産管理システムにおいて、前記管理装置は、前記対応情報送信手段によって前記対応情報が送信された場合に、当該対応情報に含まれる前記管理対象物と前記ロケーションとの対応関係を、前記配置位置登録手段に登録されている当該管理対象物の対応関係と比較し、両対応関係に差異がある場合に通知を行う通知手段を有することを特徴とする。
【0014】
請求項8の発明は、請求項7に記載の資産管理システムにおいて、前記端末装置は、所定の棚卸開始情報を入力する棚卸開始情報入力手段を備え、前記管理装置の前記通知手段は、前記棚卸開始情報入力手段によって前記所定の棚卸開始情報が入力された場合において前記両対応関係に差異がある場合に前記通知を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明では、管理装置において、管理対象物を登録する管理対象物登録手段と、管理対象物が配置可能となる複数のロケーションを登録するロケーション登録手段と、管理対象物登録手段によって登録される管理対象物を、ロケーション登録手段によって登録される複数のロケーションのいずれかと対応付けて登録する配置位置登録手段とが設けられている。更に、情報コード生成装置には、ロケーション登録手段に登録される複数のロケーションに基づいて、各ロケーションの情報を記録したロケーション記録コードをそれぞれ生成するロケーション記録コード生成手段と、管理対象物登録手段に登録される管理対象物に基づいて、当該管理対象物の情報を記録した管理対象物記録コードを生成する管理対象物記録コード生成手段とが設けられている。
そして、ロケーション記録コード生成手段によって生成されたロケーション記録コードが、当該ロケーション記録コードの記録内容で特定されるロケーションに対応付けて表示可能とされ、管理対象物記録コード生成手段によって生成された管理対象物記録コードが、当該管理対象物記録コードの記録内容で特定される管理対象物に対応付けて表示可能とされている。
更に、端末装置は、ロケーション記録コード及び管理対象物記録コードを読取可能なコード読取手段と、コード読取手段により管理対象物記録コードとロケーション記録コードとが所定の対応時期に読み取られた場合に管理対象物記録コードに記録される管理対象物の情報とロケーション記録コードに記録されるロケーションの情報とを対応付けた対応情報を管理装置に送信する対応情報送信手段とを有している。
そして、管理装置の配置位置登録手段は、対応情報送信手段から送信された対応情報に含まれる管理対象物及びロケーションに基づいて、当該管理対象物が配置されるロケーションを登録している。
このような構成とすると、管理しようとする管理対象物(資産)の具体的情報を管理対象物記録コードを読み取って入力できると共に、その配置場所(ロケーション)に付されたロケーション記録コードを読み取って入力することができ、管理対象物の情報入力及びその管理対象物の配置場所(ロケーション)の情報入力を容易に且つ正確に行うことができる。特に、管理対象物の現物(管理対象物そのもの)に付された情報コード(管理対象物記録コード)と、実際の配置場所に付された情報コード(ロケーション記録コード)とを読み取って登録情報を入力することができるため、登録作業、確認作業を極めて容易に行うことができると共に、入力すべき管理対象物や入力すべき配置場所(ロケーション)或いはそれらの対応付けを間違えにくくなり、管理対象物の配置場所(ロケーション)をより正確に登録することができる。
【0016】
請求項2の発明では、所定の終了条件が成立するまでの間にコード読取手段によって複数の管理対象物記録コードが連続して読み取られ、その連続した読み取りの前又は後にロケーション記録コードが読み取られた場合に、対応情報送信手段が、それら複数の管理対象物記録コードに記録される複数の管理対象物の情報を、ロケーション記録コードに記録されるロケーションの情報と対応付けて管理装置に送信している。このようにすると、同じ配置場所に存在する複数の管理対象物の配置場所(ロケーション)を一括して登録することができ、その登録作業に際して複雑な操作を要求することもない。従って、登録作業の容易化、迅速化を一層図ることができ、ユーザの利便性を更に向上することができる。
【0017】
請求項3の発明では、コード読取手段によっていずれか一のロケーション記録コードが読み取られ、その後、コード読取手段によって次のロケーション記録コードが読み取られた場合、それら2つのロケーション記録コードの読み取りの間にコード読取手段によって読み取られた1又は複数の管理対象物記録コードの管理対象物の情報を、一のロケーション記録コードの読取結果又は次のロケーション記録コードの読取結果と対応付けて管理装置に送信している。このようにすると、複数の管理対象物記録コードの読み取りを、ロケーション記録コードの読み取りを区切りとして一括化することができるため、同一のロケーションにある複数の管理対象物の情報を簡単な操作で一括化することができる。また、ロケーション記録コードの読み取りを配置情報(ロケーション)の入力のみならず、一括化の操作も兼ねることができ、操作時間や操作数の削減をも図ることができる。
【0018】
請求項4の発明では、端末装置において、対応情報送信手段によって対応情報を送信した後、管理対象物の管理対象物記録コードがコード読取手段によって読み取られた場合に報知を行う報知手段が設けられている。このようにすると、読み取りの順序間違えなどの場合にユーザに知らせることができ、ユーザが適切な対処を取りやすくなる。
【0019】
請求項5の発明は、端末装置において、作業者の固有IDを取得する固有ID取得手段が設けられており、対応情報送信手段は、固有ID取得手段によって固有IDが取得され、コード読取手段により管理対象物記録コードとロケーション記録コードとが所定の対応時期に読み取られたときに、対応情報と固有IDとを管理装置に送信するように構成されている。
このようにすると、管理対象物の配置情報(ロケーション)の登録を行った作業者を管理装置側で把握できるようになり、より管理を厳格に行うことができる。
【0020】
請求項6の発明は、端末装置において、所定の移動開始情報を入力する移動開始情報入力手段と、移動開始情報入力手段による移動開始情報の入力後において、固有ID取得手段により固有IDが読み取られ且つ情報コード読取手段により移動対象の管理対象物に付された管理対象物記録コードが読み取られたときに、管理対象物記録コードに記録される管理対象物の情報を一時的に記録する記憶手段と、所定の設置開始情報を入力する設置開始情報入力手段とが設けられ、対応情報送信手段は、設置開始情報入力手段による設置開始情報の入力後において、固有ID取得手段により固有IDが読み取られ且つ情報コード読取手段により管理対象物記録コード及びロケーション記録コードが読み取られたときに、その読み取られた管理対象物記録コードに記録される管理対象物の情報と記憶手段に記憶される管理対象物の情報とが対応する場合に、所定の設置開始情報の入力後に得られた対応情報を管理装置に送信している。
このようにすると、管理対象物を移動させる場合に、管理対象物と対応付けて移動先のロケーションを容易に登録することができ、特に、移動対象となる管理対象物がどのロケーションからどのロケーションへと変更されたかを正確に特定できるようになる。また、このような移動作業が誰によって行われたかを管理装置側で正確に把握できるようになる。
【0021】
請求項7の発明では、管理装置において、対応情報送信手段によって対応情報が送信された場合に、当該対応情報に含まれる管理対象物とロケーションとの対応関係を、配置位置登録手段に登録されている当該管理対象物の対応関係と比較し、両対応関係に差異がある場合に通知を行う通知手段が設けられている。
このようにすると、管理対象物の配置情報(ロケーション)が前回の登録から変更されたことを管理装置側で容易に且つ正確に把握することができるため、管理装置側で適切な対処を取りやすくなり、セキュリティ面でも有利となる。
【0022】
請求項8の発明は、端末装置において、所定の棚卸開始情報を入力する棚卸開始情報入力手段が設けられており、管理装置の通知手段は、棚卸開始情報入力手段によって所定の棚卸開始情報が入力された場合において前記両対応関係に差異がある場合に通知を行うように構成されている。このようにすると、ユーザが棚卸しをしようとする場合に通知を行うことができ、通知処理を通知が必要な時期に限定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係る資産管理システムを概念的に説明する説明図である。
【図2】図2は、図1の資産管理システムに用いられる端末装置の電気的構成を概略的に例示するブロック図である。
【図3】図3は、管理装置の電気的構成を例示するブロック図である。
【図4】図4は、管理対象物を配置する管理エリア内における各ロケーションの割り振り例を示す説明図である。
【図5】図5(A)は、ロケーションに関する登録データ(基本データ)を概念的に説明する説明図であり、図5(B)は、管理対象物に関する登録データ(基本データ)を概念的に説明する説明図である。
【図6】図6(A)は、ロケーション記録コードの発行処理を例示するフローチャートである。図6(B)は、管理対象物記録コードの発行処理を例示するフローチャートである。
【図7】図7(A)は、図6(A)の処理で発行されたロケーション記録コードを概略的に説明する説明図であり、図7(B)は、図6(B)の処理で発行された管理対象物記録コードを概略的に説明する説明図である。
【図8】図8は、端末装置で行われる管理対象物の新規ロケーション登録処理を例示するフローチャートである。
【図9】図9は、端末装置で行われる管理対象物の移動登録処理の流れを例示するフローチャートである。
【図10】図10は、端末装置で行われる管理対象物の棚卸処理の流れを例示するフローチャートである。
【図11】図11は、管理装置で行われる登録処理の流れを例示するフローチャートである。
【図12】図12(A)は、図8の新規ロケーション登録処理で送信される対応情報を概念的に例示する説明図であり、図12(B)は、その対応情報を反映した後の管理装置の登録データを概念的に説明する説明図である。
【図13】図13(A)は、図9の移動登録処理で送信される対応情報を概念的に例示する説明図であり、図13(B)は、その対応情報を反映した後の管理装置の登録データを概念的に説明する説明図である。
【図14】図14(A)は、図10の棚卸処理で送信される対応情報を概念的に例示する説明図であり、図14(B)は、その対応情報を反映した後の管理装置の登録データを概念的に説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[第1実施形態]
以下、本発明の資産管理システムを具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
【0025】
(資産管理システムの全体構成)
以下、図1〜図3等を参照して資産管理システム1の全体構成を概説する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る資産管理システムを概念的に説明する説明図である。図2は、図1の資産管理システムに用いられる端末装置の電気的構成を概略的に例示するブロック図である。図3は、管理装置の電気的構成を例示するブロック図である。
【0026】
資産管理システム1は、企業や官公庁などの資産を当該資産の配置場所(ロケーション)と対応付けて管理するシステムとして構成されており、主として、管理装置80と、管理装置80と通信可能な端末装置2とによって構成されており、管理装置80が、情報コードを生成可能な情報コード生成装置としても兼用されている。
【0027】
まず、端末装置2について説明する。
端末装置2は、一次元コード、二次元コード等の情報コードを読み取る携帯型のコードリーダとして構成されており、ケースによって外郭が構成され、このケース内に各種電子部品が収容された構成をなしている。この端末装置2は、図2に示すように、主に、照明光源21、受光センサ23、フィルタ25、結像レンズ27等の光学系と、メモリ35、制御回路40、操作キー42、液晶表示器46等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系と、電源スイッチ41、電池49等の電源系と、から構成されている。なお、これらは、図略のプリント配線板に実装或いはケース内に内装されている。
【0028】
光学系は、照明光源21、受光センサ23、フィルタ25、結像レンズ27等から構成されている。照明光源21は、照明光Lfを発光可能な照明光源として機能するもので、例えば、赤色のLEDとこのLEDの出射側に設けられる拡散レンズ、集光レンズ等とから構成されている。本実施形態では、受光センサ23を挟んだ両側に照明光源21が設けられており、ケースに形成された読取口(図示略)を介して読取対象物Rに向けて照明光Lfを照射可能に構成されている。この読取対象物Rとしては、例えば、紙、樹脂材料、金属材料等の様々な対象が考えられ、このような読取対象物Rに情報コードQ(例えば、後述する管理対象物記録コードC2、ロケーション記録コードC1など)が印刷などによって形成されている。
【0029】
受光センサ23は、読取対象物Rや情報コードQに照射されて反射した反射光Lrを受光可能に構成されるもので、例えば、C−MOSやCCD等の固体撮像素子である受光素子を二次元に配列したエリアセンサが、これに相当する。この受光センサ23は、結像レンズ27を介して入射する入射光を受光面23aで受光可能に図略のプリント配線板に実装されている。
【0030】
フィルタ25は、反射光Lrの波長相当以下の光の通過を許容し、当該波長相当を超える光の通過を遮断し得る光学的なローパスフィルタで、ケースに形成された読取口(図示略)と結像レンズ27との間に設けられている。また、結像レンズ27は、例えば、鏡筒とこの鏡筒内に収容される複数の集光レンズとによって構成されており、本実施形態では、ケースに形成された読取口(図示略)に入射する反射光Lrを集光し、受光センサ23の受光面23aに情報コードQのコード画像を結像するように構成されている。
【0031】
マイコン系は、増幅回路31、A/D変換回路33、メモリ35、アドレス発生回路36、同期信号発生回路38、制御回路40、操作キー42、LED43、ブザー44、液晶表示器46、無線通信部48等から構成されている。このマイコン系は、マイコン(情報処理装置)として機能し得る制御回路40及びメモリ35を中心として構成され、前述した光学系によって撮像された情報コードQの画像信号をハードウェア的及びソフトウェア的に信号処理し得るものである。
【0032】
光学系の受光センサ23から出力される画像信号(アナログ信号)は、増幅回路31に入力されて所定ゲインで増幅された後、A/D変換回路33に入力され、アナログ信号からディジタル信号に変換される。そして、ディジタル化された画像信号、つまり画像データ(画像情報)は、メモリ35に入力され、当該メモリ35の画像データ蓄積領域に蓄積される。なお、同期信号発生回路38は、受光センサ23及びアドレス発生回路36に対する同期信号を発生可能に構成されており、またアドレス発生回路36は、この同期信号発生回路38から供給される同期信号に基づいて、メモリ35に格納される画像データの格納アドレスを発生可能に構成されている。
【0033】
メモリ35は、例えばROM、RAM、不揮発性メモリなどの半導体メモリ装置からなり、このうちのRAMには、前述した画像データ蓄積領域のほかに、制御回路40が算術演算や論理演算等の各処理時に利用する作業領域なども確保可能に構成されている。またROMや不揮発性メモリなどには、後述する読取処理等を実行可能な所定プログラム、照明光源21、受光センサ23等の各ハードウェアを制御可能なシステムプログラム、その他、様々なアプリケーションプログラムなどが記憶可能とされている。
【0034】
制御回路40は、端末装置2全体を制御可能なマイコンで、CPU、システムバス、入出力インタフェース等からなるものであり、情報処理機能を有している。この制御回路40には、内蔵された入出力インタフェースを介して種々の入出力装置(周辺装置)が接続されており、本実施形態の場合、電源スイッチ41、操作キー42、LED43、ブザー44、液晶表示器46、無線通信部48等が接続されている。
【0035】
無線通信部48には、公知の無線LAN規格などによって定められた方式に従って無線通信を行う無線LANインタフェースとして構成されており、LANに接続されている外部装置(例えば後述の管理装置80など)と無線通信を行うように機能している。
【0036】
電源系は、電源スイッチ41、電池49等により構成されており、制御回路40により管理される電源スイッチ41のオンオフによって、電池49からの駆動電圧の供給や遮断が制御されている。なお、電池49は、所定の直流電圧を発生可能な2次電池で、例えば、リチウムイオン電池等がこれに相当する。
【0037】
次に、管理装置80について説明する。
管理装置80は、パーソナルコンピュータなどによって構成されており、図3に示すように、CPU81、入力部82、表示部83、通信部84、記憶部85、印刷部86などを備えている。
【0038】
CPU81は、管理装置80の全体的制御を司るもので、各種情報処理を行うように構成されている。また、入力部82は、マウスやキーボードなどの入力デバイスによって構成されており、外部操作に応じた情報をCPU81に与える構成をなしている。表示部83は、液晶モニタ等によって構成されており、CPU81の制御に応じて各種情報を表示する構成をなしている。
【0039】
また、通信部84は、例えば複数種類の通信インタフェースによって構成されている。本実施形態では、少なくとも端末装置2と無線LAN通信を行うための無線LANインタフェースを備え、公知の無線LAN規格などによって定められた方式に従って、直接又はアクセスポイントを介して間接的に端末装置2と無線通信を行うように構成されている。
【0040】
記憶部85は、ROM、RAM、HDDなどの記憶手段によって構成されており、各種情報を記憶可能とされている。この記憶部85には、後述する各管理対象物の登録データ(各管理対象物の内容とロケーションとを対応付けた管理対象物毎のデータ)がデータベース化されて登録されている。
【0041】
印刷部86は、公知のプリンタ(公知のラベルプリンタ等)として構成されており、CPU81の指令に応じて各種データを印刷するように構成されている。具体的には、後述する管理対象物記録コードC2と記録したラベル(管理対象物ラベル)やロケーション記録コードC1を記録したラベル(ロケーションラベル)などを印刷可能とされている。
【0042】
(管理対象物の登録)
次に、資産管理システム1で行われる管理対象物の登録について説明する。
図4は、管理対象物を配置する管理エリア内における各ロケーションの割り振り例を示す説明図である。図5(A)は、ロケーションに関する登録データを概念的に説明する説明図であり、図5(B)は、管理対象物に関する登録データを概念的に説明する説明図である。
【0043】
1.管理対象物、ロケーションの登録
本実施形態では、図4に示すように、資産管理システム1で管理しようとする対象場所を複数のエリアに予め区分けしており、各エリアのロケーションを特定する情報を割り振っている。そして、各ロケーションに関するデータが図5(A)のように管理装置80の記憶部85にデータベースとして登録されている。図5(A)の例では、ロケーション毎に、ロケーション番号とロケーションの具体的情報とが対応付けられて登録されており、当該データベースを検索することで、登録されているロケーションやそのロケーションに割り振られた番号を特定できるようになっている。なお、このようなロケーション番号やロケーションの情報の登録は、例えば入力作業者が図4のように定められた情報に基づいて管理装置80の入力部82を操作することで行うことができる。
【0044】
また、図5(B)のように、管理しようとする資産(管理対象物)の情報も管理装置80の記憶部85に登録されている。図5(B)の例では、各資産(管理対象物)毎に、管理番号、管理対象物名、取得年月日などが対応付けられて登録されており、当該データベースを検索することで、登録されている管理対象物やその管理対象物に割り振られた管理番号を特定できるようになっている。なお、このような管理番号や管理対象物の名称の登録は、例えば入力作業者が管理対象物の取得時などに管理装置80の入力部82を操作することで行うことができる。
【0045】
なお、本実施形態では、管理装置80の記憶部85が、「管理対象物登録手段」の一例に相当し、管理対象物90を登録するように機能する。また、記憶部85は、「ロケーション登録手段」の一例に相当し、管理対象物90が配置可能となる複数のロケーションを登録するように機能する。
【0046】
2.情報コードの発行
次に、情報コードの発行について説明する。
図6(A)は、ロケーション記録コードの発行処理を例示するフローチャートである。図6(B)は、管理対象物記録コードの発行処理を例示するフローチャートである。図7(A)は、図6(A)の処理で発行されたロケーション記録コードを概略的に説明する説明図であり、図7(B)は、図6(B)の処理で発行された管理対象物記録コードを概略的に説明する説明図である。
【0047】
本実施形態に係る資産管理システム1では、上記のようにロケーションや管理対象物が登録された上で、ロケーション記録コードや管理対象物記録コードが発行されるようになっている。ロケーション記録コードは、例えば管理装置80において図6(A)のような処理が行われることで生成・発行されるようになっている。この処理は、例えば、管理装置80において所定操作(例えば、ロケーション記録コードの作成プログラムの起動操作)が行われることで開始され、まず、ロケーションの指定があったか否かが判断される(S1)。
【0048】
例えば管理装置80の入力部82が操作されてロケーションを指定する入力があった場合には、その指定されたロケーションのデータが図5(A)のような登録情報から読み出される(S2)。そして、その読み出された登録情報をデータ領域に記録した情報コード(例えばQRコード)が生成され(S3)、その生成された情報コードがラベルに印刷される(S4)。
【0049】
このようにして、図7(A)のようなラベルLB1が発行される。このラベルLB1には、S2で読み出されたロケーションに関するデータ(ロケーション番号やロケーション情報)が記録されたロケーション記録コードC1が印刷され、更に、S2で読み出された情報(ロケーション番号やロケーション情報)も併記されるようになっている。このようなラベルLB1は、ロケーション毎に作成することができ、作成された各ラベルLB1は、図1のように当該ラベルで表わされるロケーションに配置される(例えば壁などに貼り付けられる)。これにより、S3で生成されたロケーション記録コードC1が、当該ロケーション記録コードC1の記録内容で特定されるロケーションに対応付けて表示されることとなる。
【0050】
なお、本実施形態では、管理装置80が「情報コード生成装置」の一例に相当する。また、S3の処理を実行する管理装置80のCPU81は、ロケーション記録コード生成手段の一例に相当し、ロケーション登録手段に登録される複数のロケーションに基づいて、各ロケーションの情報を記録したロケーション記録コードC1をそれぞれ生成するように機能する。
【0051】
また、管理対象物記録コードは、管理装置80において図6(B)のような処理が行われることで生成されるようになっている。この処理は、例えば、管理装置80において所定操作(例えば、管理対象物記録コードの作成プログラムの起動操作)が行われることで開始され、まず、管理対象物(資産)の指定があったか否かが判断される(S10)。例えば、入力部82が操作されて管理対象物を指定する入力があった場合には、その指定された管理対象物のデータが図5(B)のような登録情報から読み出される(S11)。そして、その読み出された登録情報がデータ領域に記録された情報コード(例えばQRコード)が生成され(S12)、その生成された情報コードがラベルに印刷される(S13)。
【0052】
このようにして、図7(B)のようなラベルLB2が発行される。このラベルLB2には、S11で読み出された管理対象物に関するデータ(管理対象物名(資産名)、管理番号、取得年月日など)が記録された管理対象物記録コードC2が印刷され、更に、S11で読み出された情報(管理対象物名(資産名)、管理番号、取得年月日など)も併記されるようになっている。このようなラベルは、各管理対象物毎に作成することができ、作成された各ラベルは、当該ラベルで表わされる管理対象物に貼り付けられる。これにより、S12で生成された管理対象物記録コードC2が、当該管理対象物記録コードC2の記録内容で特定される管理対象物に対応付けて表示されることとなる。
【0053】
なお、本実施形態では、管理装置80のCPU81が「管理対象物記録コード生成手段」の一例に相当し、管理対象物登録手段に登録される管理対象物に基づいて、当該管理対象物の情報を記録した管理対象物記録コードC2を生成するように機能する。
【0054】
3.管理対象物の新規ロケーション登録
次に、端末装置2で行われる新規ロケーション登録処理について説明する。
図8は、端末装置2で行われる新規ロケーション登録処理を例示するフローチャートである。図8の新規ロケーション登録処理は、例えば端末装置2において所定操作(例えば、新規ロケーション登録を指示する所定操作)がなされたときに開始され、まず、固有IDの読み取りが行われる(S20)。この固有IDの読取処理は、図8の処理を行おうとうする作業者を特定する情報を入力する処理であり、例えば、社員証などの身分証明証に予め社員番号などを記録した情報コード(QRコード等)が付される場合(即ち、当該資産管理システム1が、このような身分証明証を用いる企業、官公庁で用いられる場合)、身分証明証などに記録された情報コードが読み取られることで入力がなされる。なお、このような入力方法に限られるものではなく、例えば、社員番号などを直接テンキーなどによって入力してもよい。
【0055】
S20の後には、ロケーション記録コードC1の読み取りが行われる(S21)。S21の処理は、作業者が端末装置2を操作して管理対象物(資産)を配置する場所のロケーション記録コードC1を読み取る操作を行ったときに実行され、当該ロケーション記録コードC1に記録された情報が端末装置2に入力される。例えば、図1のような固定棚の下段に新規の管理対象物90’を配置しようとする場合、作業者が端末装置2によってこの下段に付されたロケーション記録コードC1’を読み取ったときに、この位置のロケーションの情報が端末装置2に入力されることとなる。なお、図7(A)では、このような下段に付されるラベルLB1を例示している。
【0056】
S21の後には、管理対象物記録コードC2の読み取りが行われる(S22)。S22の処理は、作業者が端末装置2を操作して新規登録しようとする管理対象物(資産)に付された管理対象物記録コードC2を読み取る操作を行ったときに実行され、当該管理対象物記録コードC2に記録された情報が端末装置2に入力される。例えば、図1のような固定棚の下段に新規の管理対象物90’を配置しようとする場合、作業者が端末装置2によってこの新規の管理対象物90’に付された管理対象物記録コードC2’を読み取ったときに、この管理対象物の情報が端末装置2に入力されることとなる。
【0057】
S22の後には、他の管理対象物記録コードを読み取るか否かの判断処理が行われる。本実施形態では、所定の終了条件が予め定められており、この終了条件が成立する場合には他の管理対象物記録コードを読み取らないと判断されてS23にてNoとなり、この終了条件が成立する場合には他の管理対象物記録コードを読み取ると判断されてS23にてYesとなる。S23にてYesとなる間(すなわち、所定の終了条件が成立するまでの間)は、新規の管理対象物に付された管理対象物記録コードC2が読み取られる毎にS22の処理が行われる。そして、その所定の終了条件が成立するまでに読み取られた管理対象物記録コードC2の読取結果は、所定の終了条件が成立した後(即ち、S23にてYesとなった後)に、S21で読み取られたロケーション記録コードC1と対応付けられて一括して管理装置に送信される(S24)。なお、S24で送信される情報には、新規登録であることを示す特定情報が含まれるようになっている。
【0058】
「所定の終了条件」としては、所定の操作がなされること(例えば所定のボタンが押されること)であってもよく、S21で読み取られたロケーション記録コードC1とは異なる他のロケーション記録コードC1が読み取られることであってもよい。ここで、他のロケーション記録コードC1が読み取られることを「所定の終了条件」とする場合を代表例として更に具体的に説明すると、例えば、上述したようにS22にて新規の管理対象物90’のロケーション記録コードC1’が読み取られ、その後、他のロケーション記録コードC1が読み取られずに別の新規管理対象物90”に付された管理対象物記録コードC2”が読み取られるような場合、まずS23でYesと判断されてその後のS22にて当該読取処理(管理対象物記録コードC2”の読取処理)が行われることになる。そして、その後、他のロケーション記録コードC1が読み取られたときに、S23でNoとなり、これらの読取結果(管理対象物記録コードC2’C2”の読取結果)が、S21で読み取られたロケーション記録コードC1’と対応付けられてまとめて管理装置80に送信されることとなる。
【0059】
本実施形態では、端末装置2の制御回路40が「コード読取手段」の一例に相当し、ロケーション記録コードC1及び管理対象物記録コードC2を読み取るように機能する。また、S24の処理を実行する制御回路40が、「対応情報送信手段」の一例に相当し、コード読取手段により管理対象物記録コードC2とロケーション記録コードC1とが所定の対応時期(例えば、当該ロケーション記録コードC1が読み取られてから他のロケーション記録コードC1が読み取られるまでの時期)に読み取られた場合に管理対象物記録コードC2に記録される管理対象物90の情報とロケーション記録コードC1に記録されるロケーションの情報とを対応付けた対応情報を管理装置80に送信するように機能している。具体的には、S21〜S24に示すように、対応情報送信手段として機能する制御回路40は、所定の終了条件が成立するまで(例えば、S21でロケーション記録コードC1が読み取られた後に他のロケーション記録コードC1が読み取られるまで)の間にコード読取手段によって複数の管理対象物記録コードC2が連続して読み取られ、その連続した読み取りの前にロケーション記録コードC1が読み取られている場合に、それら複数の管理対象物記録コードC2に記録される複数の管理対象物90の情報を、ロケーション記録コードC1に記録されるロケーションの情報と対応付けて管理装置80に送信するように機能している。
【0060】
また、上記代表例では、対応情報送信手段として機能する制御回路40は、S21にていずれかのロケーション記録コードC1(一のロケーション記録コード)がコード読取手段により読み取られ、その後、当該コード読取手段によって次のロケーション記録コードC1が読み取られた場合、この「次のロケーション記録コードC1が読み取られること」を上記「所定の終了条件」としてS23でNoと判断されるようになっており、それら2つのロケーション記録コードC1の読み取りの間にコード読取手段によって読み取られた1又は複数の管理対象物記録コードC2に記録される管理対象物90の情報を、S21で読み取られたロケーション記録コードC1(一のロケーション記録コード)の読取結果と対応付けて管理装置80に送信するように機能している。
【0061】
S24で送信された読取結果は、管理装置80において受信されるようになっている。この管理装置80では、例えば図11のような流れで端末装置2からの情報が取得され、登録処理が行われるようになっている。
【0062】
図11の登録処理は、管理装置80において、例えば所定の短時間毎或いは端末装置2からアクセスがあった毎に実行されるようになっており、まず、端末装置2からデータが受信されたか否かが判断される(S50)。そして、端末装置2からのデータが受信された場合には、S50でYesとなり、新規登録に係るデータであるか否かが判断される(S51)。上述したように、図8の新規登録処理においてS24で送信されるデータには、新規登録であることを示す特定情報が含まれているため、S51では、受信したデータにこのような特定情報が含まれているか否かが判断される。このような特定情報が含まれている場合(即ち、図8の新規登録処理によって送信されたデータである場合)には、S51にてYesとなり、受信データを新規に登録する処理が行われる。なお、S51にてNoとなる場合については後述する。
【0063】
例えば、図8の処理で、図1の管理対象物90’、90”を新規の管理対象物として各管理対象物記録コードC2’、C2”が読み取られ、図8のS24にて図12(A)のようなデータ(各管理対象物のデータに対して各ロケーションのデータを対応付けたデータ)が送信された場合、S52ではこのように送信されたデータを図12(B)の太線枠のように新たに登録する。これにより、S24で送信されたデータが、管理装置80内のデータベースに登録されることとなる。図12(A)では、新規の登録対象となる管理対象物毎に、管理対象物の管理番号、管理対象物名、取得年月日、ロケーション番号、ロケーション情報、新規登録を行った登録者が対応付けられており、これらの情報が図12(B)のように登録されるようになっている。
【0064】
なお、本実施形態では、記憶部85が「配置位置登録手段」の一例に相当し、管理対象物登録手段によって登録される管理対象物90を、ロケーション登録手段によって登録される複数のロケーションのいずれかと対応付けて登録するように機能し、より詳しくは、対応情報送信手段から送信された対応情報(図8のS24で送信される情報等)に含まれる管理対象物及びロケーションの情報に基づいて、当該管理対象物90が配置されるロケーションを登録するように機能する。
【0065】
また、S20の処理を実行する制御回路40は「固有ID取得手段」の一例に相当し、作業者の固有IDを取得するように機能する。そして、「対応情報送信手段」に相当する制御回路40は、固有ID取得手段によって固有IDが取得され、且つコード読取手段により管理対象物記録コードC2とロケーション記録コードC1とが所定の対応時期(上記所定の終了条件が成立するまでの間であり、例えば、S21でロケーション記録コードC1が読み取られた後の他のロケーション記録コードC1の読み取り時までの間)に読み取られたときに、対応情報と固有IDとを管理装置80に送信するように機能する。
【0066】
4.管理対象物の移動設定
次に、管理対象物の移動登録について説明する。図9は、管理対象物の移動登録処理の流れを例示するフローチャートである。図9の処理は、例えば端末装置2にて所定操作(移動登録処理を指示する操作等)が行われたときに実行され、移動設定の発生中を示す情報(フラグ等)がメモリ35に記憶される。そして、移動設定を行う作業者の固有IDの読み取りが行われる(S31)。なお、このS31の処理は、図8のS20と同様に行うことができる。
【0067】
そして、S31の後には、移動しようとする管理対象物90に付された管理対象物記録コードC2を読み取る。S32の処理は、例えば作業者が端末装置2を操作して移動対象となる管理対象物90に付された管理対象物記録コードC2の読み取り操作を行ったときに実行され、この管理対象物記録コードの記録内容が取得される。
【0068】
S32の後には、設置設定の指示がなされたか否かの判断処理が行われる(S33)。このS33の判断処理では、作業者が操作キー42などを操作して設置設定の指示を入力した場合にはYesと判断され、このような指示がない限りはNoと判断されることとなる。例えば、作業者が移動対象となる管理対象物90を所望の配置エリアに運び、その場所において端末装置2に対して設置設定の指示を与えたときにはS33にてYesと判断されるため、その場所(移動後の場所)においてS34以降の処理を行うことができるようになる。
【0069】
S33でYesと判断される場合には、固有IDの読取処理が行われる(S34)。このS34の処理は、図8のS20或いは図9のS31と同様に行うことができる。その後、移動対象となる管理対象物(S32で管理対象物記録コードC2を読み取った管理対象物)の新たな移動先(新たなロケーション)のロケーション記録コードが読み取られる(S35)。このS35の処理は、作業者が新たなロケーションのロケーション記録コードC1を読み取る操作を行うことで実行され、S21(図8)と同様に行われる。
【0070】
そして、S35の後には、その移動された管理対象物90に付された管理対象物記録コードC2(S32で読み取られた管理対象物記録コードC2)が再び読み取られる(S36)。このS36の処理は、作業者が新たなロケーションに移された管理対象物90の管理対象物記録コードC2を読み取る操作を行うことで実行され、S22(図8)やS32(図9)と同様に行われる。
【0071】
S36の処理の後には、S35、S36での読取結果が管理装置80に送信される(S37)。このS37で送信されるデータは、例えば図13(A)のように移動された管理対象物のデータに対して新たなロケーションのデータを対応付けたデータとして構成される。図13(A)では、移動登録対象となる管理対象物の、管理番号、管理対象物名、取得年月日、新たなロケーション番号、新たなロケーション情報、移動日時、移動登録を行った移動者が対応付けられている。また、このS37で送信される情報には、移動登録である旨の情報も含まれるようになっている。
【0072】
なお、図9では、具体的に図示はしていないが、S32で読み取られた管理対象物記録コードC2とS36で読み取られた管理対象物記録コードC2とが一致しない場合には、S37の送信処理は行わず、この場合にはエラー情報を表示することとなる。
【0073】
管理装置80では、S37からの情報を受信したとき、S50でYes、S51でNoと判断された後、S53でYesと判断され、S54にて受信データの移動登録が行われることになる。この処理では、例えば図13(A)のように受信したデータを、図13(B)の太線枠のように登録する。これにより、S37で送信されたデータに基づいて管理装置80内のデータベースが更新されることとなる。なお、図13(B)の例は、図12(B)のような状態から、図13(A)のような移動登録データを反映した場合を示しており、移動対象となった管理対象物(NTP001のノートパソコン1)についてのロケーション番号及びロケーションが更新され、更に、移動日時と移動者のデータが付されるようになっている。なお、図13のように、移動登録によって更新された部分の表示を他の部分と異ならせて分かりやすく表示してもよく、このような表示を行わなくてもよい。
【0074】
本実施形態では、図9の処理のトリガとなる操作キー42が「移動開始情報入力手段」の一例に相当する。また、メモリ35は「記憶手段」の一例に相当し、移動開始情報入力手段による移動開始情報の入力後において、固有ID取得手段により固有IDが読み取られ且つ情報コード読取手段により移動対象の管理対象物90に付された管理対象物記録コードC2が読み取られたときに、管理対象物記録コードC2に記録される管理対象物90の情報を一時的に記録するように機能する。
【0075】
また、S33のトリガとなる操作キー42が「設置開始情報入力手段」の一例に相当し、所定の設置開始情報(上記の例では設置設定指示)を入力するように機能する。また、対応情報送信手段に相当する制御回路40は、設置開始情報入力手段による設置開始情報の入力後(S33でYesとなった後)において、固有ID取得手段により固有IDが読み取られ且つ情報コード読取手段により管理対象物記録コードC2及びロケーション記録コードC1が読み取られたときに、その読み取られた管理対象物記録コードC2に記録される管理対象物90の情報と記憶手段に記憶される管理対象物90の情報とが対応する場合(具体的には一致関係にある場合)に、所定の設置開始情報の入力後に得られた対応情報を管理装置80に送信するように機能する。
【0076】
5.管理対象物の棚卸
次に、管理対象物の棚卸について説明する。図10は、管理対象物の棚卸処理の流れを例示するフローチャートである。図10の処理は、例えば端末装置2にて所定操作(棚卸登録処理を指示する操作等)が行われたときに実行され、棚卸設定の発生中を示す情報(フラグ等)がメモリ35に記憶される(S40)。そして、棚卸設定を行う作業者の固有IDの読み取りが行われる(S41)。なお、このS41の処理は、図8のS20、図9のS31と同様に行うことができる。
【0077】
そして、S41の後には、棚卸の対象となる配置エリアのロケーション記録コードが読み取られる(S42)。このS42の処理は、作業者が棚卸対象となるロケーションに付されたロケーション記録コードC1を読み取る操作を行うことで実行され、S21(図8)と同様に行われる。例えば、図1の棚の下段が棚卸対象である場合には、この下段に付されたロケーション記録コードC1’が読み取られることとなる。
【0078】
S42の後には、棚卸対象となるロケーションに配置された管理対象物90の管理対象物記録コードが読み取られる(S43)。このS43の処理は、作業者が棚卸対象の管理対象物90の管理対象物記録コードC2を読み取る操作を行うことで実行され、S22(図8)やS32(図9)と同様に行われる。このような管理対象物記録コードC2の読み取りは、所定の終了条件が成立するまで(例えば、所定の終了操作がなされるまで、或いはS42で読み取られたもの以外の他のロケーション記録コードが読み取られるまで)繰り返され、上記終了条件が成立するまでの間に複数の管理対象物記録コードC2が読み取られる場合にはその複数の読取結果が取得される。
【0079】
そして、所定の終了条件が成立した場合(即ち、他の管理対象物記録コードを読み取らない場合)にはS44でNoと判断され、S42、S43での読取結果の送信が行われる(S45)。このS45で送信されるデータは、例えば図14(A)のように、図10の棚卸処理で読み取られた各管理対象物のデータ及びロケーションのデータを対応付けたデータとして構成される。図14(A)では、棚卸対象となる管理対象物の、管理番号、管理対象物名、取得年月日、棚卸場所のロケーション番号、棚卸場所のロケーション情報、棚卸日時、棚卸登録を行った棚卸者が対応付けられている。また、このS45で送信される情報には、棚卸登録である旨の情報も含まれるようになっている。
【0080】
管理装置80では、S45からの情報を受信したとき、S50でYes、S51でNo、S53でNoと判断された後、S55でYesと判断され、S56にて登録情報との比較結果を判断する判断処理が行われる。S56の処理では、図14(A)のように取得された棚卸データと、管理装置80に既に登録されている登録データとが比較され、棚卸データが登録データと異なっているか否か(具体的には棚卸された管理対象物のロケーション番号及びロケーション情報が登録データと異なっているか否か)が判断される。登録情報と一致している場合には、S57にてNoとなり当該処理を終了する。なお、S57でNoとなる場合には棚卸日時のデータや棚卸者のデータを登録データに追加してもよい。
【0081】
一方、棚卸データが登録データと異なっている場合には、S57にてYesとなり所定の通知処理を行う。この通知処理は表示部83による所定情報の表示やスピーカなどによる鳴動などが挙げられる。例えば、棚卸前に図12(B)のような登録データが格納されており、新たに図14(A)のような棚卸データが送信されてきた場合、NTP004のノートパソコン4のロケーションが登録データと異なっていることが判明する。このような場合には、図14(B)のように棚卸情報を反映して登録データを更新すると共に、その更新の際に、その異なっている管理対象物(図14(B)ではNTP004のノートパソコン4)の部分を他の部分と異ならせるように表示するとよい。
【0082】
なお、本実施形態では、S57、S58の処理を行うCPU81及び表示部83が「通知手段」の一例に相当し、対応情報送信手段によって対応情報が送信された場合に、当該対応情報に含まれる管理対象物90とロケーションとの対応関係を、配置位置登録手段に登録されている当該管理対象物90の対応関係と比較し、両対応関係に差異がある場合に通知を行うように機能する。
【0083】
また、端末装置2の操作キー42は「棚卸開始情報入力手段」の一例に相当し、外部操作に応じて所定の棚卸開始情報を入力するように機能する。そして、管理装置80における上記「通知手段」は、棚卸開始情報入力手段によって所定の棚卸開始情報が入力された場合において両対応関係に差異がある場合に通知を行うように機能する。
【0084】
(第1実施形態の主な効果)
第1実施形態に係る資産管理システム1では、管理装置80において、管理対象物90を登録する管理対象物登録手段と、管理対象物90が配置可能となる複数のロケーションを登録するロケーション登録手段と、管理対象物登録手段によって登録される管理対象物90を、ロケーション登録手段によって登録される複数のロケーションのいずれかと対応付けて登録する配置位置登録手段とが設けられている。更に、情報コード生成装置には、ロケーション登録手段に登録される複数のロケーションに基づいて、各ロケーションの情報を記録したロケーション記録コードC1をそれぞれ生成するロケーション記録コード生成手段と、管理対象物登録手段に登録される管理対象物90に基づいて、当該管理対象物90の情報を記録した管理対象物記録コードC2を生成する管理対象物記録コード生成手段とが設けられている。
そして、ロケーション記録コード生成手段によって生成されたロケーション記録コードC1が、当該ロケーション記録コードC1の記録内容で特定されるロケーションに対応付けて表示可能とされ、管理対象物記録コード生成手段によって生成された管理対象物記録コードC2が、当該管理対象物記録コードC2の記録内容で特定される管理対象物90に対応付けて表示可能とされている。
更に、端末装置2は、ロケーション記録コードC1及び管理対象物記録コードC2を読取可能なコード読取手段と、コード読取手段により管理対象物記録コードC2とロケーション記録コードC1とが所定の対応時期に読み取られた場合に管理対象物記録コードC2に記録される管理対象物90の情報とロケーション記録コードC1に記録されるロケーションの情報とを対応付けた対応情報を管理装置80に送信する対応情報送信手段とを有している。
そして、管理装置80の配置位置登録手段は、対応情報送信手段から送信された対応情報に含まれる管理対象物及びロケーションの情報に基づいて、当該管理対象物90が配置されるロケーションを登録している。
このような構成とすると、管理しようとする管理対象物90(資産)の具体的情報を管理対象物記録コードC2を読み取って入力できると共に、その配置場所(ロケーション)に付されたロケーション記録コードC1を読み取って入力することができ、管理理対象物の情報入力及びその管理対象物90の配置場所(ロケーション)の情報入力を容易に且つ正確に行うことができる。特に、管理対象物90の現物(管理対象物90そのもの)に付された情報コード(管理対象物記録コードC2)と、実際の配置場所に付された情報コード(ロケーション記録コードC1)とを読み取って登録情報を入力することができるため、登録作業、確認作業を極めて容易に行うことができると共に、入力すべき管理対象物90や入力すべき配置場所(ロケーション)或いはそれらの対応付けを間違えにくくなり、管理対象物90の配置場所(ロケーション)をより正確に登録することができる。
【0085】
また、本実施形態では、所定の終了条件が成立するまでの間にコード読取手段によって複数の管理対象物記録コードC2が連続して読み取られ、その連続した読み取りの前又は後にロケーション記録コードC1が読み取られた場合に、対応情報送信手段が、それら複数の管理対象物記録コードC2に記録される複数の管理対象物90の情報を、ロケーション記録コードC1に記録されるロケーションの情報と対応付けて管理装置80に送信している。このようにすると、同じ配置場所に存在する複数の管理対象物90の配置場所(ロケーション)を一括して登録することができ、その登録作業に際して複雑な操作を要求することもない。従って、登録作業の容易化、迅速化を一層図ることができ、ユーザの利便性を更に向上することができる。
【0086】
また、本実施形態では、コード読取手段によっていずれか一のロケーション記録コードC1が読み取られ、その後、コード読取手段によって次のロケーション記録コードC1が読み取られた場合、それら2つのロケーション記録コードC1の読み取りの間にコード読取手段によって読み取られた1又は複数の管理対象物記録コードC2の管理対象物90の情報を、一のロケーション記録コードC1の読取結果又は次のロケーション記録コードC1の読取結果と対応付けて管理装置80に送信している。このようにすると、複数の管理対象物記録コードC2の読み取りを、ロケーション記録コードC1の読み取りを区切りとして一括化することができるため、同一のロケーションにある複数の管理対象物90の情報を簡単な操作で一括化することができる。また、ロケーション記録コードC1の読み取りを配置情報(ロケーション)の入力のみならず、一括化の操作も兼ねることができ、操作時間や操作数の削減をも図ることができる。
【0087】
また、本実施形態では、端末装置2において、作業者の固有IDを取得する固有ID取得手段が設けられており、対応情報送信手段は、固有ID取得手段によって固有IDが取得され、コード読取手段により管理対象物記録コードC2とロケーション記録コードC1とが所定の対応時期に読み取られたときに、対応情報と固有IDとを管理装置80に送信するように構成されている。
このようにすると、管理対象物90の配置情報(ロケーション)の登録を行った作業者を管理装置80側で把握できるようになり、より管理を厳格に行うことができる。
【0088】
また、本実施形態では、端末装置2において、所定の移動開始情報を入力する移動開始情報入力手段と、移動開始情報入力手段による移動開始情報の入力後において、固有ID取得手段により固有IDが読み取られ且つ情報コード読取手段により移動対象の管理対象物90に付された管理対象物記録コードC2が読み取られたときに、管理対象物記録コードC2に記録される管理対象物90の情報を一時的に記録する記憶手段と、所定の設置開始情報を入力する設置開始情報入力手段とが設けられ、対応情報送信手段は、設置開始情報入力手段による設置開始情報の入力後において、固有ID取得手段により固有IDが読み取られ且つ情報コード読取手段により管理対象物記録コードC2及びロケーション記録コードC1が読み取られたときに、その読み取られた管理対象物記録コードC2に記録される管理対象物90の情報と記憶手段に記憶される管理対象物90の情報とが対応する場合に、所定の設置開始情報の入力後に得られた対応情報を管理装置80に送信している。
このようにすると、管理対象物90を移動させる場合に、管理対象物90と対応付けて移動先のロケーションを容易に登録することができ、特に、移動対象となる管理対象物90がどのロケーションからどのロケーションへと変更されたかを正確に特定できるようになる。また、このような移動作業が誰によって行われたかを管理装置80側で正確に把握できるようになる。
【0089】
また、本実施形態では、管理装置80において、対応情報送信手段によって対応情報が送信された場合に、当該対応情報に含まれる管理対象物90とロケーションとの対応関係を、配置位置登録手段に登録されている当該管理対象物90の対応関係と比較し、両対応関係に差異がある場合に通知を行う通知手段が設けられている。
このようにすると、管理対象物90の配置情報(ロケーション)が前回の登録から変更されたことを管理装置80側で容易に且つ正確に把握することができるため、管理装置80側で適切な対処を取りやすくなり、セキュリティ面でも有利となる。
【0090】
また、本実施形態では、端末装置2において、所定の棚卸開始情報を入力する棚卸開始情報入力手段が設けられており、管理装置80の通知手段は、棚卸開始情報入力手段によって所定の棚卸開始情報が入力された場合において両対応関係に差異がある場合に通知を行うように構成されている。このようにすると、ユーザが棚卸しをしようとする場合に通知を行うことができ、通知処理を通知が必要な時期に限定することができる。
【0091】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0092】
上記実施形態では、管理装置80が情報コード生成装置を兼ねる構成を例示したが、管理装置80と情報コード生成装置とが別々の構成であってもよい。
【0093】
また、上記実施形態で用いられる端末装置2において、対応情報送信手段によって対応情報を送信した後(例えば、S24による送信後)、管理対象物90の管理対象物記録コードC2がコード読取手段によって読み取られた否かを判断した場合に液晶表示器46による所定情報の表示やブザー44の鳴動などによって報知を行うようにしてもよい。例えば、S21〜S23の読み取りを行った後、S24でそれら読取結果を送信した場合において、S22で読み取られた管理対象物記録コードが再び読み取られたとき(重複読み取りが行われたとき)に上記報知を行うようにしてもよい。
報知の例はこれに限定されるものではなく、例えば読取順序を誤った場合に報知を行うようにしてもよい。具体的には、例えば、S20の処理の後、ロケーション記録コードの読み取りよりも先に管理対象物記録コードが読み取られた場合に報知を行うようにしてもよい。或いは、S21でロケーション記録コードが読み取られた後、S22で管理対象物記録コードが読み取られていない場合においてS23でNoに進む場合(上述した所定の終了条件が成立した場合)に報知を行うようにしてもよい。また、ロケーション記録コードが連続で読み取られた時に報知を行うようにしてもよい。
上記の例では、制御回路40及び報知媒体(液晶表示器46やブザー44など)が報知手段の一例に相当する。このようにすると、読み取りの順序間違えなどの場合にユーザに知らせることができ、ユーザが適切な対処を取りやすくなる。
【符号の説明】
【0094】
1…資産管理システム
2…端末装置
35…メモリ(記憶手段)
40…制御回路(コード読取手段、対応情報送信手段、報知手段、固有ID取得手段、
42…操作キー(移動開始情報入力手段、設置開始情報入力手段、棚卸開始情報入力手段)
44…ブザー(報知手段)
46…液晶表示器(報知手段)
48…無線通信部(対応情報送信手段)
80…管理装置(情報コード生成装置)
81…CPU(通知手段
85…記憶部(管理対象物登録手段、ロケーション登録手段、配置位置登録手段、ロケーション記録コード生成手段、管理対象物記録コード生成手段
90…管理対象物
C1…ロケーション記録コード
C2…管理対象物記録コード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理装置と、前記管理装置と通信可能な端末装置と、情報コードを生成可能な情報コード生成装置とを備えた資産管理システムであって、
前記管理装置は、
管理対象物を登録する管理対象物登録手段と、
前記管理対象物が配置可能となる複数のロケーションを登録するロケーション登録手段と、
前記管理対象物登録手段によって登録される前記管理対象物を、前記ロケーション登録手段によって登録される複数の前記ロケーションのいずれかと対応付けて登録する配置位置登録手段と、
を備え、
前記情報コード生成装置には、
前記ロケーション登録手段に登録される複数の前記ロケーションに基づいて、各ロケーションの情報を記録したロケーション記録コードをそれぞれ生成するロケーション記録コード生成手段と、
前記管理対象物登録手段に登録される前記管理対象物に基づいて、当該管理対象物の情報を記録した管理対象物記録コードを生成する管理対象物記録コード生成手段と、
が設けられ、
前記ロケーション記録コード生成手段によって生成された前記ロケーション記録コードが、当該ロケーション記録コードの記録内容で特定される前記ロケーションに対応付けて表示可能とされ、
前記管理対象物記録コード生成手段によって生成された前記管理対象物記録コードが、当該管理対象物記録コードの記録内容で特定される前記管理対象物に対応付けて表示可能とされており、
前記端末装置は、
前記ロケーション記録コード及び前記管理対象物記録コードを読取可能なコード読取手段と、
前記コード読取手段により前記管理対象物記録コードと前記ロケーション記録コードとが所定の対応時期に読み取られた場合に前記管理対象物記録コードに記録される前記管理対象物の情報と前記ロケーション記録コードに記録される前記ロケーションの情報とを対応付けた対応情報を前記管理装置に送信する対応情報送信手段と、
を有し、
前記管理装置の前記配置位置登録手段は、前記対応情報送信手段から送信された前記対応情報に含まれる前記管理対象物及び前記ロケーションに基づいて、当該管理対象物が配置される前記ロケーションを登録することを特徴とする資産管理システム。
【請求項2】
前記対応情報送信手段は、所定の終了条件が成立するまでの間に前記コード読取手段によって複数の前記管理対象物記録コードが連続して読み取られ、その連続した読み取りの前又は後に前記ロケーション記録コードが読み取られた場合に、それら複数の前記管理対象物記録コードに記録される複数の前記管理対象物の情報を、前記ロケーション記録コードに記録される前記ロケーションの情報と対応付けて前記管理装置に送信することを特徴とする請求項1に記載の資産管理システム。
【請求項3】
前記対応情報送信手段は、前記コード読取手段によっていずれか一のロケーション記録コードが読み取られ、その後、前記コード読取手段によって次のロケーション記録コードが読み取られた場合、それら2つの前記ロケーション記録コードの読み取りの間に前記コード読取手段によって読み取られた1又は複数の前記管理対象物記録コードの前記管理対象物の情報を、前記一のロケーション記録コードの読取結果又は前記次のロケーション記録コードの読取結果と対応付けて前記管理装置に送信することを特徴とする請求項1に記載の資産管理システム。
【請求項4】
前記端末装置は、前記対応情報送信手段によって前記対応情報を送信した後、前記管理対象物の前記管理対象物記録コードが前記コード読取手段によって読み取られた場合に報知を行う報知手段を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の資産管理システム。
【請求項5】
前記端末装置は、作業者の固有IDを取得する固有ID取得手段を備え、
前記対応情報送信手段は、前記固有ID取得手段によって前記固有IDが取得され、前記コード読取手段により前記管理対象物記録コードと前記ロケーション記録コードとが前記所定の対応時期に読み取られたときに、前記対応情報と前記固有IDとを前記管理装置に送信することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の資産管理システム。
【請求項6】
前記端末装置は、
所定の移動開始情報を入力する移動開始情報入力手段と、
前記移動開始情報入力手段による前記移動開始情報の入力後において、前記固有ID取得手段により前記固有IDが読み取られ且つ前記情報コード読取手段により移動対象の前記管理対象物に付された前記管理対象物記録コードが読み取られたときに、前記管理対象物記録コードに記録される前記管理対象物の情報を一時的に記録する記憶手段と、
所定の設置開始情報を入力する設置開始情報入力手段と、
を備え、
前記対応情報送信手段は、前記設置開始情報入力手段による前記設置開始情報の入力後において、前記固有ID取得手段により前記固有IDが読み取られ且つ前記情報コード読取手段により前記管理対象物記録コード及び前記ロケーション記録コードが読み取られたときに、その読み取られた前記管理対象物記録コードに記録される前記管理対象物の情報と前記記憶手段に記憶される前記管理対象物の情報とが対応する場合に、前記所定の設置開始情報の入力後に得られた前記対応情報を前記管理装置に送信することを特徴とする請求項5に記載の資産管理システム。
【請求項7】
前記管理装置は、前記対応情報送信手段によって前記対応情報が送信された場合に、当該対応情報に含まれる前記管理対象物と前記ロケーションとの対応関係を、前記配置位置登録手段に登録されている当該管理対象物の対応関係と比較し、両対応関係に差異がある場合に通知を行う通知手段を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の資産管理システム。
【請求項8】
前記端末装置は、所定の棚卸開始情報を入力する棚卸開始情報入力手段を備え、
前記管理装置の前記通知手段は、前記棚卸開始情報入力手段によって前記所定の棚卸開始情報が入力された場合において前記両対応関係に差異がある場合に前記通知を行うことを特徴とする請求項7に記載の資産管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−192111(P2011−192111A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−58699(P2010−58699)
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【出願人】(500352063)株式会社デンソーエスアイ (6)
【Fターム(参考)】