説明

資金移動処理システム、資金移動処理方法、及び資金移動処理プログラム

【課題】複数の口座間で所定の条件に基づき、効率的に資金移動処理を行う資金移動処理システムを提供すること。
【解決手段】本発明にかかる資金移動処理システムは、口座情報の残高がターゲットバランスより大きい場合、口座情報の残高とターゲットバランスとの差分を余剰資金額として資金余剰口座記憶部へ格納し、口座情報の残高がターゲットバランスより小さい場合、口座情報の残高とターゲットバランスとの差分を不足資金額として資金不足口座記憶部へ格納する。資金余剰口座記憶部から所定の順序で第1の口座情報を取得し、資金不足口座記憶部から所定の順序で第2の口座情報を取得する。第1の口座情報の余剰資金額と第2の口座情報の不足資金額とに応じた金額を、第1の口座情報から第2の口座情報への資金移動金額とした資金移動情報を生成し、資金移動情報を資金移動情報記憶部へ格納する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の口座間で資金移動を行なうための資金移動処理システム、資金移動処理方法、及び資金移動処理プログラムに関し、特に、所定の条件に基づき資金移動処理を行う資金移動処理システム、資金移動処理方法、及び資金移動処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、企業グループや企業内において複数の口座を設けている場合に、複数の口座間で資金を移動させ、各口座にある資金を効率的に活用することが求められている。また、企業グループ等における口座は、統括口座を頂点にその他の口座がそれぞれ関連付けられて階層構造を構成している。
【0003】
このような場合に、統括口座に対して資金を集約して一元管理するシステムが提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1に開示されたシステムでは、各口座の残高集計額を集計手段が集計し、振替指示手段による振替指示に基づき、振替実行手段が統括口座からその残高集計額に対応した振替を各口座に対して実行するものである。
【0004】
また、国によっては、上述した振替(資金移動)が貸付扱いとされ、その貸付手数料が無視できなくなっており、さらなる資金移動の効率化を実現する必要がある。
【特許文献1】特開2000−29970号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、統括口座に対して資金を集約すること以外の資金移動処理について考慮されていない。例えば、特許文献1では、企業グループ全体で赤字残高(赤残)の口座のみを対象として、赤残を解消することに絞った資金移動処理を実現することはできない。
【0006】
また、上述した階層構造を持った口座間での資金移動では、階層を辿って資金移動を行う必要があり、資金移動金額・回数に振替手数料が発生する場合、各口座間の直接の資金移動に比べ、振替手数料が高くなってしまうという問題がある。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、複数の口座間で所定の条件に基づき、効率的に資金移動処理を行う資金移動処理システム、資金移動処理方法、及び資金移動処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明にかかる資金移動処理システムは、複数の口座間で所定の条件に基づき資金移動を行うものである。前記口座のターゲットバランスを含む資金移動条件情報を記憶する条件情報記憶部と、前記複数の口座の残高情報を含む口座情報を記憶する口座情報記憶部と、前記口座情報の残高が前記ターゲットバランスよりも大きい口座情報を記憶する資金余剰口座記憶部と、前記口座情報の残高が前記ターゲットバランスよりも小さい口座情報を記憶する資金不足口座記憶部と、前記口座間で資金を移動させるための資金移動情報を記憶する資金移動情報記憶部と、前記資金移動情報を生成する制御部とを備える。前記制御部は、前記口座情報記憶部から前記口座情報を取得し、前記口座情報の残高が前記条件情報記憶部より取得したターゲットバランスより大きい場合、前記口座情報の残高と前記ターゲットバランスとの差分を余剰資金額として前記資金余剰口座記憶部へ格納し、前記口座情報の残高が前記ターゲットバランスより小さい場合、前記口座情報の残高と前記ターゲットバランスとの差分を不足資金額として前記資金不足口座記憶部へ格納する、口座情報振分手段と、前記資金余剰口座記憶部から第1の口座情報を取得し、前記資金不足口座記憶部から第2の口座情報を取得する、口座情報取得手段と、第1の口座情報の余剰資金額と前記第2の口座情報の不足資金額とに応じた金額を、前記第1の口座情報から前記第2の口座情報への資金移動金額とした資金移動情報を生成し、前記資金移動情報を前記資金移動情報記憶部へ格納する資金移動情報作成手段とを備える。前記資金移動情報作成手段は、前記第1の口座情報の余剰資金額が前記第2の口座情報の不足資金額より大きい場合、当該不足資金額を資金移動金額とした資金移動情報を生成し、前記第1の口座情報の余剰資金額が前記第2の口座情報の不足資金額より小さい場合、当該余剰資金額を資金移動金額とした資金移動情報を生成する。
【0009】
ここで、前記制御部は、前記資金余剰口座記憶部、及び前記資金不足口座記憶部に格納された口座情報を更新する口座情報更新手段をさらに備え、前記第1の口座情報の余剰資金額が前記第2の口座情報の不足資金額より大きい場合、前記口座情報更新手段は、前記余剰資金額から前記不足資金額を差し引いた金額を前記第1の口座情報の余剰資金額とし、前記口座情報取得手段は、前記資金不足口座記憶部から前記第2の口座情報の次の口座情報を取得し、前記第1の口座情報の余剰資金額が前記第2の口座情報の不足資金額より小さい場合、前記口座情報更新手段は、前記不足資金額から前記余剰資金額を差し引いた金額を前記第2の口座情報の不足資金額とし、前記口座情報取得手段は、前記資金余剰口座記憶部から前記第1の口座情報の次の口座情報を取得するようにするとよい。
【0010】
また、前記制御部は、前記資金余剰口座記憶部、又は前記資金不足口座記憶部のいずれか一方の最後の口座情報が処理し終えるまで、前記口座情報取得手段、前記資金移動情報作成手段、及び前記口座情報更新手段を繰り返し実行する手段をさらに備えるようにするとよい。
【0011】
さらに、前記条件情報記憶部は、前記複数の口座の一部の口座情報を指定口座情報としてさらに記憶し、前記制御部は、前記資金余剰口座記憶部の余剰資金額の合計額と、前記資金不足口座記憶部の不足資金額の合計額との差額を前記指定口座情報に資金移動させる資金移動情報を生成する資金集中手段をさらに備えるようにしてもよい。
【0012】
また、前記資金集中手段は、前記複数の口座の残高合計が正である場合、前記繰り返し実行する手段の後に残された前記資金余剰口座記憶部の余剰資金額から前記資金移動情報を生成し、前記複数の口座の残高合計が負である場合、前記繰り返し実行する手段の後に残された前記資金不足口座記憶部の不足資金額から前記資金移動情報を生成するようにしてもよい。
【0013】
ここで、前記口座情報取得手段は、前記資金余剰口座記憶部、及び前記資金不足口座記憶部から所定の順序で口座情報を取得することが望ましい。
【0014】
また、前記口座情報振分手段は、所定の順序で、前記資金余剰口座記憶部へ余剰資金額を格納し、前記資金不足口座記憶部へ不足資金額を格納するようにするとよい。
【0015】
また、前記所定の順序は、前記口座情報の優先順位により定まるようにしてもよい。さらに、前記所定の順序は、前記資金余剰口座記憶部と、前記資金不足口座記憶部とで個別に設定されるようにしてもよい。
【0016】
また、前記所定の順序は、前記余剰資金額及び前記不足資金額の大小関係に応じて定まる順序としてもよい。さらに、前記所定の順序は、前記余剰資金額及び前記不足資金額が絶対値上の小さい順であるようにしてもよい。
【0017】
ここで、前記制御部は、前記資金移動情報記憶部に記憶された前記資金移動情報を口座情報毎に集計する資金移動情報集計手段をさらに備えるようにするとよい。
【0018】
また、前記制御部は、前記繰り返し実行する手段によって繰り返して実行した後に、前記資金移動情報記憶部に記憶された前記資金移動情報を口座情報毎に集計する資金移動情報集計手段をさらに備えるようにしてもよい。または、前記制御部は、前記資金集中手段によって資金集中した後に、前記資金移動情報記憶部に記憶された前記資金移動情報を口座情報毎に集計する資金移動情報集計手段をさらに備えるようにしてもよい。
【0019】
さらに、前記複数の口座は、少なくとも、第1の口座、当該第1の口座に対して下位の第2の口座及び当該第2の口座に対して下位の第3の口座を含む3層以上の階層構造を有し、前記条件情報記憶部は、前記口座の階層構造を特定する階層構造情報をさらに含むものとしてもよい。
【0020】
本発明にかかる資金移動処理方法は、複数の口座間で所定の条件に基づき資金移動を行うものである。口座情報の残高がターゲットバランスより大きい場合、前記口座情報の残高と前記ターゲットバランスとの差分を余剰資金額として資金余剰口座記憶部へ格納し、前記口座情報の残高が前記ターゲットバランスより小さい場合、前記口座情報の残高と前記ターゲットバランスとの差分を不足資金額として資金不足口座記憶部へ格納する、口座情報振分ステップと、前記資金余剰口座記憶部から所定の順序で第1の口座情報を取得し、前記資金不足口座記憶部から所定の順序で第2の口座情報を取得する、口座情報取得ステップと、第1の口座情報の余剰資金額と前記第2の口座情報の不足資金額とに応じた金額を、前記第1の口座情報から前記第2の口座情報への資金移動金額とした資金移動情報を生成し、前記資金移動情報を前記資金移動情報記憶部へ格納する資金移動情報作成ステップとを備え、前記資金移動情報作成ステップは、前記第1の口座情報の余剰資金額が前記第2の口座情報の不足資金額より大きい場合、当該不足資金額を資金移動金額とした資金移動情報を生成し、前記第1の口座情報の余剰資金額が前記第2の口座情報の不足資金額より小さい場合、当該余剰資金額を資金移動金額とした資金移動情報を生成するものである。
【0021】
ここで、前記資金余剰口座記憶部、及び前記資金不足口座記憶部に格納された口座情報を更新する口座情報更新ステップをさらに備え、前記第1の口座情報の余剰資金額が前記第2の口座情報の不足資金額より大きい場合、前記口座情報更新ステップは、前記余剰資金額から前記不足資金額を差し引いた金額を前記第1の口座情報の余剰資金額とし、前記口座情報取得ステップは、前記資金不足口座記憶部から前記第2の口座情報の次の口座情報を取得し、前記第1の口座情報の余剰資金額が前記第2の口座情報の不足資金額より小さい場合、前記口座情報更新ステップは、前記不足資金額から前記余剰資金額を差し引いた金額を前記第2の口座情報の不足資金額とし、前記口座情報取得ステップは、前記資金余剰口座記憶部から前記第1の口座情報の次の口座情報を取得するようにするとよい。
【0022】
また、前記資金余剰口座記憶部、又は前記資金不足口座記憶部のいずれか一方の最後の口座情報が処理し終えるまで、前記口座情報取得ステップ、前記資金移動情報作成ステップ、及び前記口座情報更新ステップを繰り返し実行するステップをさらに備えるようにするとよい。
【0023】
さらに、前記資金余剰口座記憶部の余剰資金額の合計額と、前記資金不足口座記憶部の不足資金額の合計額との差額を前記複数の口座の一部の指定口座情報に資金移動させる資金移動情報を生成する資金集中ステップをさらに備えるようにしてもよい。
【0024】
また、前記資金集中ステップは、前記複数の口座の残高合計が正である場合、前記繰り返し実行するステップの後に残された前記資金余剰口座記憶部の余剰資金額から前記資金移動情報を生成し、前記複数の口座の残高合計が負である場合、前記繰り返し実行するステップの後に残された前記資金不足口座記憶部の不足資金額から前記資金移動情報を生成するようにしてもよい。
【0025】
ここで、前記口座情報取得ステップは、前記資金余剰口座記憶部及び前記資金不足口座記憶部から所定の順序で口座情報を取得することが望ましい。
【0026】
また、前記口座情報振分ステップは、所定の順序で、前記資金余剰口座記憶部へ余剰資金額を格納し、前記資金不足口座記憶部へ不足資金額を格納するようにしてもよい。
【0027】
また、前記所定の順序は、前記口座情報の優先順位により定まるようにしてもよい。さらに、前記所定の順序は、前記資金余剰口座記憶部と、前記資金不足口座記憶部とで個別に設定されるようにしてもよい。
【0028】
また、前記所定の順序は、前記余剰資金額及び前記不足資金額の大小関係に応じて定まる順位としてもよい。さらに、前記所定の順序は、前記余剰資金額及び前記不足資金額が絶対値上の小さい順であるようにしてもよい。
【0029】
ここで、前記資金移動情報記憶部に記憶された前記資金移動情報を口座情報毎に集計する資金移動情報集計ステップをさらに備えるようにするとよい。
【0030】
また、前記繰り返し実行するステップの後に、前記資金移動情報記憶部に記憶された前記資金移動情報を口座情報毎に集計する資金移動情報集計ステップをさらに備えるようにしてもよい。または、前記資金集中ステップの後に、前記資金移動情報記憶部に記憶された前記資金移動情報を口座情報毎に集計する資金移動情報集計ステップをさらに備えるようにしてもよい。
【0031】
さらに、前記複数の口座は、少なくとも、第1の口座、当該第1の口座に対して下位の第2の口座及び当該第2の口座に対して下位の第3の口座を含む3層以上の階層構造を有し、前記条件情報記憶部は、前記口座の階層構造を特定する階層構造情報をさらに含むものとしてもよい。
【0032】
本発明にかかる資金移動処理プログラムは、複数の口座間で所定の条件に基づき資金移動する処理をコンピュータに実行させるものである。前記口座のターゲットバランスを含む資金移動条件情報を記憶する条件情報記憶部と、前記複数の口座の残高情報を含む口座情報を記憶する口座情報記憶部と、前記口座情報の残高が前記ターゲットバランスよりも大きい口座情報を記憶する資金余剰口座記憶部と、前記口座情報の残高が前記ターゲットバランスよりも小さい口座情報を記憶する資金不足口座記憶部と、前記口座間で資金を移動させるための資金移動情報を記憶する資金移動情報記憶部と、前記口座情報記憶部から前記口座情報を取得し、前記口座情報の残高が前記条件情報記憶部より取得したターゲットバランスより大きい場合、前記口座情報の残高と前記ターゲットバランスとの差分を余剰資金額として前記資金余剰口座記憶部へ格納し、前記口座情報の残高が前記ターゲットバランスより小さい場合、前記口座情報の残高と前記ターゲットバランスとの差分を不足資金額として前記資金不足口座記憶部へ格納する、口座情報振分手段と、前記資金余剰口座記憶部から第1の口座情報を取得し、前記資金不足口座記憶部から第2の口座情報を取得する、口座情報取得手段と、第1の口座情報の余剰資金額と前記第2の口座情報の不足資金額とに応じた金額を、前記第1の口座情報から前記第2の口座情報への資金移動金額とした資金移動情報を生成し、前記資金移動情報を前記資金移動情報記憶部へ格納する資金移動情報作成手段とを備える。前記資金移動情報作成手段は、前記第1の口座情報の余剰資金額が前記第2の口座情報の不足資金額より大きい場合、当該不足資金額を資金移動金額とした資金移動情報を生成し、前記第1の口座情報の余剰資金額が前記第2の口座情報の不足資金額より小さい場合、当該余剰資金額を資金移動金額とした資金移動情報を生成するものである。
【0033】
ここで、前記資金移動処理プログラムは、前記資金余剰口座記憶部、及び前記資金不足口座記憶部に格納された口座情報を更新する口座情報更新手段をさらに備え、前記第1の口座情報の余剰資金額が前記第2の口座情報の不足資金額より大きい場合、前記口座情報更新手段は、前記余剰資金額から前記不足資金額を差し引いた金額を前記第1の口座情報の余剰資金額とし、前記口座情報取得手段は、前記資金不足口座記憶部から前記第2の口座情報の次の口座情報を取得し、前記第1の口座情報の余剰資金額が前記第2の口座情報の不足資金額より小さい場合、前記口座情報更新手段は、前記不足資金額から前記余剰資金額を差し引いた金額を前記第2の口座情報の不足資金額とし、前記口座情報取得手段は、前記資金余剰口座記憶部から前記第1の口座情報の次の口座情報を取得するようにするとよい。
【0034】
また、前記資金余剰口座記憶部、又は前記資金不足口座記憶部のいずれか一方の最後の口座情報が処理し終えるまで、前記口座情報取得手段、前記資金移動情報作成手段、及び前記口座情報更新手段を繰り返し実行する手段をさらに備えるようにするとよい。
【0035】
さらに、前記条件情報記憶部は、前記複数の口座の一部の口座情報を指定口座情報としてさらに記憶し、前記資金移動処理プログラムは、前記資金余剰口座記憶部の余剰資金額の合計額と、前記資金不足口座記憶部の不足資金額の合計額との差額を前記指定口座情報に資金移動させる資金移動情報を生成する資金集中手段をさらに備えるようにしてもよい。
【0036】
また、前記資金集中手段は、前記複数の口座の残高合計が正である場合、前記繰り返し実行する手段の後に残された前記資金余剰口座記憶部の余剰資金額から前記資金移動情報を生成し、前記複数の口座の残高合計が負である場合、前記繰り返し実行する手段の後に残された前記資金不足口座記憶部の不足資金額から前記資金移動情報を生成するようにしてもよい。
【0037】
ここで、前記口座情報取得手段は、前記資金余剰口座記憶部、及び前記資金不足口座記憶部から所定の順序で口座情報を取得することが望ましい。
【0038】
また、前記口座情報振分手段は、所定の順序で、前記資金余剰口座記憶部へ余剰資金額を格納し、前記資金不足口座記憶部へ不足資金額を格納するようにするとよい。
【0039】
ここで、前記資金移動処理プログラムは、前記資金移動情報記憶部に記憶された前記資金移動情報を口座情報毎に集計する資金移動情報集計手段をさらに備えるようにするとよい。
【0040】
また、前記資金移動処理プログラムは、前記繰り返し実行する手段によって繰り返して実行した後に、前記資金移動情報記憶部に記憶された前記資金移動情報を口座情報毎に集計する資金移動情報集計手段をさらに備えるようにしてもよい。または、前記資金移動処理プログラムは、前記資金集中手段によって資金集中した後に、前記資金移動情報記憶部に記憶された前記資金移動情報を口座情報毎に集計する資金移動情報集計手段をさらに備えるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0041】
本発明によれば、複数の口座間で所定の条件に基づき、効率的に資金移動処理を行う資金移動処理システム、資金移動処理方法、及び資金移動処理プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下では、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略する。
【0043】
発明の実施の形態1.
本実施の形態にかかる資金移動処理システムの処理対象となる口座は、例えば、親口座、子口座、孫口座の3つの階層構造を有している。ここで、親口座は、例えば、企業グループにおける親会社の統括口座や、企業内における本社の統括管理部門の口座である。子口座は、その上位層の親口座と関連付けられている。孫口座は、その上位の子口座と関連付けられている。子口座・孫口座は、例えば、企業グループにおける子会社、孫会社の口座や、企業内における支店・支社・営業所の口座である。
【0044】
図1は、本実施の形態にかかる資金移動処理システム1を含む全体構成を示すブロック図である。本発明にかかる資金移動処理システム1は、勘定系システム2及び端末5と接続されている。資金移動処理システム1と、勘定系システム2・端末5間は、バスやケーブルを介して接続されていてもよく、また、任意の通信網を介して接続されていてもよい。勘定系システム2は、キャッシュマネージメントシステム(CMS)3と接続されており、このCMS3は、ユーザの端末4と通信網を介して接続されている。
【0045】
資金移動処理システム1は、コンピュータシステムにより構成され、制御部11及びデータベース12を備えている。さらに、当該資金移動処理システム1は、図示しない構成として、勘定系システム2や端末5等の外部装置との間でデータの入出力を実行するための制御を行なう入出力制御回路を備えている。
【0046】
制御部11は、資金移動処理システム1を実現するための種々の演算処理を実行する。制御部11は、CPU(中央演算装置)や、ROM(Read Only Memory)・RAM(Random Access Memory)等の記憶手段がバスに接続されて構成されている。制御部11において、CPUは、メインプログラムや、RAM等に展開されたプログラム、一時的に格納されたデータ等に基づき、勘定系システム2、及び端末5へのデータの転送処理や演算処理を実行する。RAMは、一時的にデータを格納する記憶部として機能する。RAMに展開されたプログラムには、本発明の資金移動処理を実行可能なコンピュータプログラムが含まれる。
【0047】
データベース12は、データを格納する記憶手段(記憶部)であり、メモリやハードディスク等によって構成される。本例にかかるデータベース12は、条件情報記憶部121、口座情報記憶部122、資金余剰口座情報記憶部123、資金不足口座情報記憶部124、資金移動情報記憶部125を備えている。
【0048】
条件情報記憶部121には、資金移動条件に関する情報(以下、単に「条件情報」とする)が格納されている。当該条件情報は、端末5から資金移動処理システム1に入力され、当該資金移動処理システム1の制御部11によって当該条件情報記憶部121に格納される。条件情報は、例えば、各口座間を関連付ける構造情報、各口座のターゲットバランス情報、各口座の並べ替えを定義する情報(以下、単に「並べ替え情報」とする)、資金移動基準日、実行タイミング、各口座が属する拠点情報、が含まれる。
【0049】
本例において構造情報は、階層番号をx=1〜i、個数(同一階層となる口座の識別番号)をy=1〜jとしたとき、次のように表わされる。
【0050】
口座 : xay(x−1)ay(x−2)ay・・・1a1
【0051】
ここで、「xay」は、表わそうとする対象口座の階層レベルと、その階層における口座の識別情報を特定し、「(x−1)ay」は、この対象口座に対してすぐ上位の階層レベルにおいて当該対象口座に関連付けられた口座の階層レベルとその階層における当該口座の識別情報である。同様にして、最も上位の口座(親口座)まで、当該対象口座と関連付けられた口座を特定する情報が並べられる。従って、このような表現形式の構造情報によって、対象口座を特定する情報と、当該対象口座に対して関連付けられた上位口座を特定する情報を識別することが可能である。尚、構造情報は、上述したものに限定されない。
【0052】
ターゲットバランス情報は、資金移動処理によって各口座に残すべき金額を示す残高を特定する情報である。例えば、残高をゼロに調整する場合には、ターゲットバランスはゼロとなり、残高を1000万円とする場合には、ターゲットバランスは1000万円となる。
【0053】
並べ替え情報は、後述する資金余剰口座情報記憶部123、及び資金不足口座情報記憶部124に口座情報が格納される際のソート条件を表わす。ここでは、ソート条件は、金額の絶対値の降順であるものとする。
【0054】
資金移動基準日は、資金移動を実行する日であり、口座毎に設定することができ、口座毎に異なる日に資金移動を行なうことができる。当該資金移動基準日は、日次、週次、日付指定、月次により特定することができる。
【0055】
実行タイミングは、1日のうちに何時に当該資金移動処理を実行するかを特定する情報であり、1日の実行タイミングの最大回数は何回でも設定することができる。
【0056】
拠点情報は、アジア地域等の所属地域、中国等の所属国及び上海等の所属都市の情報を含んでいる。
【0057】
口座情報記憶部122には、各口座の店番、口座番号、残高情報等である口座情報が格納されている。
【0058】
資金余剰口座情報記憶部123には、後述する口座情報振分処理により、口座の残高情報がターゲットバランスと比べて大きい又は等しい口座情報が格納される。具体的には、資金余剰口座情報記憶部123は、口座情報を格納する資金余剰テーブル(資金余剰TBL)を有する。資金余剰TBLは、資金余剰TBL内のデータ順位を表わす番号(No)、口座番号、当該口座の残高情報とターゲットバランスとの差額である余剰資金額、処理中の現在余剰資金額を示すWK金額、ステータス(Status)等を1レコードとして格納する。
【0059】
資金不足口座情報記憶部124には、後述する口座情報振分処理により、口座の残高情報がターゲットバランスと比べて小さい口座情報が格納される。具体的には、資金不足口座情報記憶部124は、口座情報を格納する資金不足テーブル(資金不足TBL)を有する。資金不足TBLは、資金不足TBL内のデータ順位を表わす番号(No)、口座番号、当該口座の残高情報とターゲットバランスとの差額である不足資金額、処理中の現在不足資金額を示すWK金額、ステータス(Status)等を1レコードとして格納する。
【0060】
資金移動情報記憶部125には、起票指示である資金移動情報が格納されている。資金移動情報には、Debit(借方)側とCredit(貸方)側に分けて、口座と移動金額が関連付けられている。具体的には、資金移動情報記憶部125は、資金移動情報として起票指示テーブル(起票指示TBL)を有する。起票指示TBLは、起票指示TBL内のデータの通番を表わす番号(No)、口座番号、借方の金額であるDR金額、貸方の金額であるCR金額等を1レコードとして格納する。
【0061】
図1において、勘定系システム2は、各口座の登録処理や口座間の資金移動処理を実行する。日本国内の勘定系システム2は、全国銀行協会に設置されたコンピュータシステムである全銀システム等に接続されている。また、海外の勘定系システム2は、SWIFT(Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication)に接続されており、資金決済等はSWIFT経由で行なわれている。なお、勘定系システム2と資金移動処理システム1の双方は、単一のホストコンピュータに搭載することも可能である。
【0062】
キャッシュマネージメントシステム(CMS)3は、ユーザからの照会要求に応じて資金の移動情報をユーザに対して提供する処理を含む各種の処理を実行するシステムである。
【0063】
続いて、本実施の形態にかかる資金移動処理システムにおける処理の流れを説明する。図2は、当該処理の全体を示すフローチャートである。図2に示されるように、まず、資金移動条件の登録処理を実行する(S101)。資金移動条件は、端末5を用いて登録する。具体的に、操作者が入力手段(キーボード、マウス、外部媒体読み取り装置)を用いて条件情報を端末5に対して入力すると、当該条件情報は、資金移動処理システム1に対して送信される。資金移動処理システム1の制御部11は、当該条件情報を受信し、条件情報記憶部121に格納する。
【0064】
次に、資金移動情報の生成処理を実行し、資金移動の詳細について決定する(S102)。資金移動情報の生成処理は、通常、条件情報に含まれる資金移動基準日及び実行タイミングに従って実行するが、端末5に対する資金移動情報生成処理の実行要求の入力に応じて実行するようにしてもよい。資金移動情報の生成処理については、後に詳述する。
【0065】
そして、決定された資金移動の詳細に基づいて起票指示を作成する(S103)。具体的には、資金移動情報の生成処理により、口座ごとに移動金額が設定された資金移動情報に基づいて起票指示を生成し、資金移動情報記憶部125に格納する。起票指示は、勘定系システム2に対して口座間の資金移動を実行させる要求を特定する資金移動情報である。
【0066】
尚、上述した資金移動条件の登録処理、及び、起票指示データの作成処理は、既存の資金移動処理システムにより利用されている機能により実現可能であるため、説明を省略する。
【0067】
図3は、本実施の形態にかかる資金移動処理システムにおける資金移動情報の生成処理における概略の流れを示すフローチャート図である。まず、制御部11は、口座情報振分処理を行う(S111)。すなわち、制御部11は、資金移動処理を行う対象の各口座情報について、資金余剰TBL、又は資金不足TBLに振り分けて格納する。具体的には、制御部11は、各口座情報について残高情報とターゲットバランスとを比べて大きい又は等しい場合に、当該口座情報を資金余剰TBLへ格納する。その際、残高情報とターゲットバランスとの差額を余剰資金額として格納する。また、制御部11は、残高情報とターゲットバランスとを比べて小さい場合に、当該口座情報を資金不足TBLへ格納する。その際、残高情報とターゲットバランスとの差額を不足資金額として格納する。ステップS111の処理の詳細は、図4に後述する。
【0068】
次に、制御部11は、資金移動金額算出処理を行う(S112)。すなわち、制御部11は、資金余剰TBL内の口座情報における余剰資金額が、資金不足TBL内の口座情報における不足資金額を埋めるように、資金移動金額を算出する。制御部11は、算出した資金移動金額と該当する口座情報を関連付けて、起票指示TBLに格納する。このとき、制御部11は、資金余剰TBL及び資金不足TBLに格納された口座情報の先頭から順番に処理し、余剰資金額又は不足資金額がなくなり次第、次の口座情報を対象として処理され、一方の口座情報がなくなった時点で当該処理が終了する。ステップS112の処理の詳細は、図5乃至8に後述する。
【0069】
そして、制御部11は、資金移動金額集計処理を行う(S113)。すなわち、制御部11は、起票指示TBLに格納された資金移動金額を口座情報ごとに集計し、資金移動情報とする。ステップS113の処理の詳細は、図9に後述する。
【0070】
続いて、本実施の形態にかかる口座情報振分処理について説明する。尚、以降の説明では、ターゲットバランスを0とするが、本実施の形態は、これに限定されない。図4は、口座情報振分処理の流れを示すフローチャート図である。まず、制御部11は、口座情報振分処理における初期設定を行う(S121)。具体的には、制御部11は、カウンタiに1を代入し、条件情報記憶部121から並べ替え情報を取得する。ここで、並べ替え情報は、金額の降順であることを示す。次に、制御部11は、口座情報記憶部122を参照し、i番目の口座情報である口座情報(i)を読み込む(S122)。ここでは、1番目の口座情報(1)が取得される。続いて、制御部11は、口座情報(i)の初期残高が、条件情報記憶部121から取得されるターゲットバランス以上の金額であるか否かを判定する(S123)。初期残高がターゲットバランス以上である場合、すなわち、ここでは、口座情報(i)が黒字残高(黒残)である場合、ステップS124へ進む。初期残高がターゲットバランス未満である場合、すなわち、ここでは、口座情報(i)が赤字残高(赤残)である場合、ステップS126へ進む。尚、上述した黒残とは、初期残高がターゲットバランスより大きければよく、また、上述した赤残とは、初期残高がターゲットバランスより小さければよい。そのため、黒残、及び赤残の口座は、ターゲットバランスが0以外の場合には、実際の黒字、及び赤字の口座とは一致しない。
【0071】
口座情報(i)が黒残である場合、制御部11は、(4−1)式により口座情報(i)の余剰資金額を算出する(S124)。
余剰資金額 = 口座情報(i)の初期残高− ターゲットバランス・・・(4−1)
【0072】
続いて、制御部11は、口座情報(i)の口座番号、余剰資金額、WK金額等を資金余剰TBLに格納する(S125)。ここで、口座情報(i)のデータは、並べ替え情報に基づき余剰資金額の降順で、資金余剰口座情報記憶部123の資金余剰TBLに格納される。また、WK金額は、余剰資金額と同額が格納され、ステータスは、スペースが格納される。
【0073】
口座情報(i)が赤残である場合、制御部11は、(4−2)式により口座情報(i)の不足資金額を算出する(S126)。
不足資金額 = ターゲットバランス − 口座情報(i)の初期残高・・・(4−2)
【0074】
続いて、制御部11は、口座情報(i)の口座番号、不足資金額、WK金額、ステータスを不足余剰TBLに格納する(S127)。ここで、口座情報(i)のデータは、並べ替え情報に基づき不足資金額の降順で、資金不足口座情報記憶部124の資金不足TBLに格納される。また、WK金額は、不足資金額と同額が格納され、ステータスは、スペースが格納される。
【0075】
ステップS125、又はS127の後、制御部11は、カウンタiに1加算(S128)し、カウンタiが口座情報記憶部122に格納された口座情報の総数より大きいか否かを判定する(S129)。カウンタiが口座情報の総数より大きいと判定された場合、当該処理を終了する。カウンタiが口座情報の総数以下と判定された場合、ステップS122へ戻る。以降、カウンタiが口座情報の総数より大きくなるまで、口座情報記憶部122に格納された口座情報に対して、ステップS122乃至S129の処理が実行される。
【0076】
これにより、本実施の形態における資金移動処理対象となる口座情報が、資金余剰TBL、又は資金不足TBLに振り分けられる。
【0077】
続いて、本実施の形態にかかる資金移動金額算出処理について図5乃至8を用いて説明する。図5は、資金移動金額算出処理の全体の流れを示すフローチャート図である。まず、制御部11は、資金移動金額算出処理における初期設定を行う(S131)。具体的には、制御部11は、カウンタx、y、及びzに1を代入し、資金余剰口座情報記憶部123から資金余剰TBLの口座情報総数N、及び資金不足口座情報記憶部124から資金不足TBLの口座情報総数Mを取得する。次に、制御部11は、資金余剰TBL(x)、及び資金不足TBL(y)のデータを読み込む(S132)。具体的には、制御部11は、資金余剰口座情報記憶部123から、資金余剰TBLのx番目の口座情報である資金余剰TBL(x)を取得する。また、制御部11は、資金不足口座情報記憶部124から、資金不足TBLのy番目の口座情報である資金不足TBL(y)を取得する。
【0078】
そして、制御部11は、資金余剰TBL(x)、及び資金不足TBL(y)のWK金額同士を比較し、その結果に応じて、後述する処理A、処理B、又は処理Cへ分岐する。具体的には、まず、制御部11は、資金余剰TBL(x)のWK金額が資金不足TBL(y)のWK金額より大きいか否かを判定する(S133)。大きいと判定された場合、ステップS134へ進み、小さいと判定された場合、ステップS136へ進む。ここで、小さいと判定された場合、制御部11は、資金余剰TBL(x)のWK金額と、資金不足TBL(y)のWK金額とが等しいか否かを判定する(S136)。等しいと判定された場合、ステップS137へ進み、等しくない、すなわち、資金余剰TBL(x)のWK金額が資金不足TBL(y)のWK金額より小さいと判定された場合、ステップS139へ進む。
【0079】
資金余剰TBL(x)のWK金額が資金不足TBL(y)のWK金額より大きい場合、制御部11は、図6に後述する処理Aにより、資金移動金額等を算出する(S134)。その後、制御部11は、カウンタyに1加算する(S135)。
【0080】
資金余剰TBL(x)のWK金額と資金不足TBL(y)のWK金額が等しい場合、制御部11は、図7に後述する処理Bにより、資金移動金額等を算出する(S137)。その後、制御部11は、カウンタx、及びyに1加算する(S138)。
【0081】
資金余剰TBL(x)のWK金額が資金不足TBL(y)のWK金額より小さい場合、制御部11は、図8に後述する処理Cにより、資金移動金額等を算出する(S139)。その後、制御部11は、カウンタxに1加算する(S140)。
【0082】
ステップS135、S138、又はS140の後、制御部11は、カウンタxが資金余剰TBLの口座情報総数Nより大きいか、又は、カウンタyが資金不足TBLの口座情報総数Mより大きいか否かを判定する(S141)。カウンタxが口座情報総数Nより大きい、又はカウンタyが口座情報総数Mより大きいと判定された場合、当該処理を終了する。カウンタxが口座情報総数N未満であり、かつカウンタyが口座情報総数M未満であると判定された場合、ステップS132へ戻る。以降、資金余剰TBL及び資金不足TBLのいずれかの最後の口座情報が処理されるまで、ステップS132乃至S141の処理が実行される。
【0083】
尚、ステップS132において、処理Aの実行後は、資金余剰TBL(x)が、処理Cの実行後は、資金不足TBL(y)が、再度読み込まれることになる。そのため、カウンタが変化しない場合には、これらの再度の読み込みを行わなくてもよい。例えば、処理Aの実行後のステップS132は、資金不足TBL(y)のみ読み込みを行えばよい。
【0084】
図6は、本実施の形態にかかる資金移動金額算出処理における処理Aの流れを示すフローチャート図である。処理Aは、資金余剰TBL(x)の余剰資金額の内、資金不足TBL(y)の不足資金額分だけ、資金余剰TBL(x)から資金不足TBL(y)へ資金移動するような2件の起票指示を作成する。
【0085】
まず、制御部11は、(6−1)式により、資金余剰TBL(x)のWK金額を算出し、資金余剰口座情報記憶部123を更新する(S151)。
資金余剰TBL(x).WK金額 = 資金余剰TBL(x).WK金額 − 資金不足TBL(y).WK金額・・・(6−1)
すなわち、次回のステップS133における資金余剰TBL(x).WK金額は、資金不足TBL(y)の不足資金額分だけ減算された金額となる。
【0086】
次に、制御部11は、起票指示TBL(z)の口座番号に資金余剰TBL(x)の口座番号を代入(S152)し、起票指示TBL(z)のDR金額に資金不足TBL(y)のWK金額を代入する(S153)。すなわち、資金余剰TBL(x)から資金不足TBL(y)の不足資金額分が引き落される起票指示が作成される。その後、制御部11は、カウンタzに1加算する(S154)。
【0087】
続いて、制御部11は、起票指示TBL(z)の口座番号に資金不足TBL(y)の口座番号を代入(S155)し、起票指示TBL(z)のCR金額に資金不足TBL(y)のWK金額を代入する(S156)。すなわち、資金不足TBL(y)へ資金不足TBL(y)の不足資金額分が入金される起票指示が作成される。その後、制御部11は、カウンタzに1加算する(S157)。
【0088】
そして、制御部11は、資金不足TBL(y)のWK金額に0を代入し、資金不足TBL(y)のステータスに"S"を代入する(S158)。これにより、資金不足TBL(y)は、赤残が解消され、処理済みとなる。
【0089】
図7は、本実施の形態にかかる資金移動金額算出処理における処理Bの流れを示すフローチャート図である。処理Bは、資金余剰TBL(x)の余剰資金額、すなわち、資金不足TBL(y)の不足資金額が、資金余剰TBL(x)から資金不足TBL(y)へ資金移動するような2件の起票指示を作成する。
【0090】
まず、制御部11は、起票指示TBL(z)の口座番号に資金余剰TBL(x)の口座番号を代入(S161)し、起票指示TBL(z)のDR金額に資金余剰TBL(x)のWK金額を代入する(S162)。すなわち、資金余剰TBL(x)から資金余剰TBL(x)の余剰資金額分が引き落される起票指示が作成される。その後、制御部11は、カウンタzに1加算する(S163)。
【0091】
続いて、制御部11は、起票指示TBL(z)の口座番号に資金不足TBL(y)の口座番号を代入(S164)し、起票指示TBL(z)のCR金額に資金不足TBL(y)のWK金額を代入する(S165)。すなわち、資金不足TBL(y)へ資金不足TBL(y)の不足資金額分が入金される起票指示が作成される。その後、制御部11は、カウンタzに1加算する(S166)。
【0092】
そして、制御部11は、資金余剰TBL(x)のWK金額に0を代入し、資金余剰TBL(x)のステータスに"S"を代入する(S167)。また、制御部11は、資金不足TBL(y)のWK金額に0を代入し、資金不足TBL(y)のステータスに"S"を代入する(S168)。これにより、資金余剰TBL(x)は、黒残が使い尽され、処理済みとなる。同時に、資金不足TBL(y)は、赤残が解消され、処理済みとなる。
【0093】
図8は、本実施の形態にかかる資金移動金額算出処理における処理Cの流れを示すフローチャート図である。処理Cは、資金不足TBL(y)の不足資金額の内、資金余剰TBL(x)の余剰資金額分だけ、資金余剰TBL(x)から資金不足TBL(y)へ資金移動するような2件の起票指示を作成する。
【0094】
まず、制御部11は、(8−1)式により、資金不足TBL(y)のWK金額を算出し、資金不足口座情報記憶部124を更新する(S171)。
資金不足TBL(y).WK金額 = 資金不足TBL(y).WK金額 − 資金余剰TBL(x).WK金額・・・(8−1)
すなわち、次回のステップS133における資金不足TBL(y).WK金額は、資金余剰TBL(x)の余剰資金額分だけ減算された金額となる。
【0095】
次に、制御部11は、起票指示TBL(z)の口座番号に資金余剰TBL(x)の口座番号を代入(S172)し、起票指示TBL(z)のDR金額に資金余剰TBL(x)のWK金額を代入する(S173)。すなわち、資金余剰TBL(x)から資金余剰TBL(x)の余剰資金額分が引き落される起票指示が作成される。その後、制御部11は、カウンタzに1加算する(S174)。
【0096】
続いて、制御部11は、起票指示TBL(z)の口座番号に資金不足TBL(y)の口座番号を代入(S175)し、起票指示TBL(z)のCR金額に資金余剰TBL(x)のWK金額を代入する(S176)。すなわち、資金不足TBL(y)へ資金余剰TBL(x)の余剰資金額分が入金される起票指示が作成される。その後、制御部11は、カウンタzに1加算する(S177)。
【0097】
そして、制御部11は、資金余剰TBL(x)のWK金額に0を代入し、資金余剰TBL(x)のステータスに"S"を代入する(S178)。これにより、資金余剰TBL(x)は、黒残が使い尽され、処理済みとなる。
【0098】
以上、図5乃至8に示した資金移動金額算出処理により、資金余剰TBLに属する口座情報から、資金不足TBLに属する口座情報への資金移動金額が算出される。つまり、対象口座全体の残高合計が黒残の場合、資金余剰TBLに属する口座情報の内、余剰資金額の多い順番で資金移動の対象とされ、資金不足TBLに属する口座情報の全ての赤残が解消される。逆に、対象口座全体の残高合計が赤残の場合、資金不足TBLに属する口座情報の内、不足資金額の多い順番で資金移動の対象とされ、資金余剰TBLに属する口座情報の全ての黒残を使い尽して、可能な限り赤残が解消される。
【0099】
続いて、本実施の形態にかかる資金移動金額集計処理について説明する。図9は、資金移動金額集計処理の流れを示すフローチャート図である。上述した資金移動金額算出処理のみでは、一つの口座番号に対して、複数回の引落、又は入金を行うような起票指示が作成されている。そのため、資金移動金額集計処理にて、口座番号毎の起票指示を集約させる。まず、制御部11は、資金移動金額集計処理における初期設定を行う(S181)。具体的には、制御部11は、カウンタjに1を代入し、資金移動情報記憶部125から起票指示TBLの口座情報総数Lを取得する。尚、口座情報総数Lは、重複した口座情報は除いた値である。次に、制御部11は、起票指示TBLのデータを口座番号でソートする(S182)。
【0100】
その後、制御部11は、ソート済みの起票指示TBLからj番目の口座情報である起票指示TBL(j)を読み込む(S183)。そして、制御部11は、起票指示TBL(j)における口座番号と同じ口座番号のDR金額、CR金額を全て取得し、DR金額、CR金額毎に集計する(S184)。その際、制御部11は、起票指示TBL内に口座番号当たり複数の起票指示が存在する場合、一つの起票指示データに集約し、それ以外を削除する。
【0101】
続いて、制御部11は、起票指示TBL(j)におけるDR金額の合計がCR金額の合計より大きいか否かを判定する(S185)。大きいと判定された場合、ステップS186へ進み、小さいと判定された場合、ステップS188へ進む。ここで、小さいと判定された場合、制御部11は、起票指示TBL(j)におけるDR金額の合計がCR金額の合計より小さいか否かを判定する(S188)。小さいと判定された場合、ステップS189へ進み、小さくない、すなわち、起票指示TBL(j)におけるDR金額の合計がCR金額の合計と等しいと判定された場合、処理を行わず、ステップS191へ進む。
【0102】
起票指示TBL(j)におけるDR金額の合計がCR金額の合計より大きい場合、制御部11は、(9−1)式により、起票指示TBL(j)のDR金額を算出し、資金移動情報記憶部125を更新する(S186)。
DR金額 = DR金額 − CR金額・・・(9−1)
また、制御部11は、起票指示TBL(j)のCR金額に0を代入し、資金移動情報記憶部125を更新する(S187)。
【0103】
起票指示TBL(j)におけるDR金額の合計がCR金額の合計より小さい場合、制御部11は、(9−2)式により、起票指示TBL(j)のCR金額を算出し、資金移動情報記憶部125を更新する(S189)。
CR金額 = CR金額 − DR金額・・・(9−2)
また、制御部11は、起票指示TBL(j)のDR金額に0を代入し、資金移動情報記憶部125を更新する(S190)。
【0104】
ステップS187、S190、又はS188で起票指示TBL(j)におけるDR金額の合計がCR金額の合計と等しいと判定された場合の後、制御部11は、カウンタjに1加算(S191)し、カウンタjが口座情報総数Lより大きいか否かを判定する(S192)。カウンタjが口座情報総数Lより大きいと判定された場合、当該処理を終了する。カウンタjが口座情報総数Lより大きくないと判定された場合、ステップS183へ戻る。以降、起票指示TBLの最後の口座情報が処理されるまで、ステップS183乃至S192の処理が実行される。
【0105】
これにより、一つの口座番号に対して複数回存在した起票指示が口座番号当たり一つに集約される。
【0106】
図10は、本実施の形態にかかる資金移動処理システムを適用した際の処理例を示す図である。図10では、まず、口座情報一覧21に示される12口座が、ステップS111により、資金余剰TBL22、及び、資金不足TBL23に振り分けられ、格納される。次に、資金余剰TBL22、及び、資金不足TBL23に格納された各口座から、ステップS112、及びS113により、集計後起票指示TBL24に示される起票指示が作成される。
【0107】
図11は、階層構造を有する複数の口座に、本実施の形態にかかる資金移動処理システムを適用した例を示す図である。図11(a)は、図10で示した12口座が親、子、孫という関係にあり、本実施の形態にかかる資金移動処理システムを適用することによる資金移動の様子を示すものである。図11(b)は、図10で示した集計後起票指示TBL24の起票指示により、資金移動がされた結果を示すものである。
【0108】
このように、本実施の形態にかかる資金移動処理システムを適用することにより、図11で示す口座においては、資金余剰TBLの5口座中、余剰資金額上位の3口座を用いて、資金不足TBLの7口座の全ての赤残を解消することができる。
【0109】
以上に示したように、本実施の形態では、複数の口座をターゲットバランスの差額により、黒残、又は赤残である口座を資金余剰TBL、又は資金不足TBLに振り分け、その際、残高順にソートして格納しておく。その後、資金余剰TBL、及び資金不足TBLのそれぞれの先頭の口座情報から順番に余剰資金額、及び不足資金額を比較することで、資金移動金額を算出する。そして、余剰資金額、又は不足資金額が0になった口座情報については、次の口座情報を読み取り、これを繰り返す。これにより、必要な金額だけを口座間で直接移動させるための資金移動情報を作成することができる。そのため、口座全体が黒残である場合は、全ての赤残を効率的に解消することができ、口座全体が赤残である場合は、全ての黒残口座を用いて最大限、赤残を解消することができる。
【0110】
また、本実施の形態では、資金移動金額集計処理により、同一の口座に対して複数発生する起票指示を統合し、無駄な資金移動を減らすことができる。
【0111】
発明の実施の形態2.
本願と同一の出願人による先の出願にかかる特願2006−261999では、階層構造を有する複数の口座における資金集中処理を実現する資金移動処理システムを提案している。図18は、階層構造を有する複数の口座に、先の出願にかかる資金移動処理システムを適用した例を示す図である。図18(a)は、図11(a)で示す階層構造を有する口座に対して、先の出願にかかる資金移動処理システムによる資金移動の様子を示すものである。また、図18(b)は、資金移動がされた結果である。このように、先の出願にかかる資金移動処理システムでは、親口座に資金を集中することができる。
【0112】
しかしながら、先の出願にかかる資金移動処理システムでは、図18に示すように、孫口座間の資金移動、子口座間の資金移動、孫・子口座間の資金移動の際、必ず上位口座(親口座、子口座)を介して資金移動が行われるため、各口座間の直接資金移動時より、延べ資金移動金額、移動回数が増えてしまうという問題がある。そこで、本実施の形態は、上述した問題を解決するため、発明の実施の形態1にかかる資金移動処理システムに変更を加え、資金集中処理が行えるようにしたものである。
【0113】
本実施の形態にかかる資金移動処理システムは、上述した発明の実施の形態1にかかる資金移動処理システム1と比べ、条件情報記憶部121に資金集中を行うための指定口座情報をさらに加えたものである。指定口座情報は、予め、端末5を用いて登録される。尚、本実施の形態にかかる資金移動処理システムを含む全体構成は、発明の実施の形態1で挙げた図1と同様であるため、図示及び説明を省略する。
【0114】
図12は、本実施の形態にかかる資金移動処理システムにおける資金移動情報の生成処理における概略の流れを示すフローチャート図である。図12は、図3に比べ、ステップS112とS113の間に、資金集中処理(S112a)が追加されたものである。ここでは、ステップS112aについて説明し、それ以外の処理は、同一の符号を付しており、説明を省略する。
【0115】
制御部11は、ステップS112の処理後の未処理の口座情報を有する資金余剰TBL、又は資金不足TBLに対して、全ての残高を指定口座情報へ資金移動するための起票指示を作成する(S112a)。
【0116】
図13は、本実施の形態にかかる資金集中処理の流れを示すフローチャート図である。まず、制御部11は、資金集中処理における初期設定を行う(S201)。具体的には、制御部11は、条件情報記憶部121を参照し、指定口座情報を取得する。
【0117】
次に、制御部11は、資金余剰TBLにステータスが"S"でない口座情報が存在するか否かを判定する(S202)。具体的には、制御部11は、資金余剰口座情報記憶部123を参照し、資金余剰TBLの各口座情報におけるステータスの値を確認する。
【0118】
資金余剰TBLにステータスが"S"でない口座情報が存在する場合、ステップS203へ進む。これは、上述した資金移動金額算出処理にて、資金余剰TBLに未処理の口座情報が残っている場合を指す。つまり、資金不足TBLの口座情報が全て処理済みとなっており、対象口座全体の残高合計が黒残の場合に該当する。
【0119】
ステップS203において、制御部11は、資金余剰TBLにステータスが"S"でない口座情報を資金移動元テーブル(資金移動元TBL)に格納する。ここで、資金移動元TBLは、資金余剰口座情報記憶部123に記憶され、資金余剰TBLと同様の構成を有するものとする。尚、このとき、制御部11は、資金移動元TBLに指定口座情報を含まないようにする。
【0120】
その後、制御部11は、資金移動元TBL内のWK金額を、指定口座情報のCR金額として、起票指示TBLに格納する(S204)。具体的には、制御部11は、資金移動元TBLの各口座情報を順番に取得し、取得した口座情報のWK金額を当該口座情報から引き落とし、移動先口座へ入金するような2件の起票指示を作成し、起票指示TBLに格納する。この処理を全ての資金移動元TBLの口座情報について繰り返し実施する。つまり、資金余剰TBLに未処理で残された余剰資金額の全額が、指定口座情報へ入金されるような起票指示が作成される。その後、当該処理を終了する。
【0121】
また、ステップS202において、資金余剰TBLにステータスが"S"でない口座情報が存在しない場合、ステップS205へ進む。続いて、制御部11は、資金不足TBLにステータスが"S"でない口座情報が存在するか否かを判定する(S205)。具体的には、制御部11は、資金不足口座情報記憶部124を参照し、資金不足TBLの各口座情報におけるステータスの値を確認する。
【0122】
資金不足TBLにステータスが"S"でない口座情報が存在する場合、ステップS206へ進む。これは、上述した資金移動金額算出処理にて、資金不足TBLに未処理の口座情報が残っている場合を指す。つまり、資金余剰TBLの口座情報が全て処理済みとなっており、対象口座全体の残高合計が赤残の場合に該当する。
【0123】
ステップS206において、制御部11は、資金不足TBLにステータスが"S"でない口座情報を資金移動先テーブル(資金移動先TBL)に格納する。ここで、資金移動先TBLは、資金不足口座情報記憶部124に記憶され、資金不足TBLと同様の構成を有するものとする。尚、このとき、制御部11は、資金移動先TBLに指定口座情報を含まないようにする。
【0124】
その後、制御部11は、資金移動先TBL内のWK金額を、指定口座情報のDR金額として、起票指示TBLに格納する(S207)。具体的には、制御部11は、資金移動先TBLの各口座情報を順番に取得し、取得した口座情報のWK金額分を指定口座情報から引き落とし、当該口座情報へ入金するような2件の起票指示を作成し、起票指示TBLに格納する。この処理を全ての資金移動先TBLの口座情報について繰り返し実施する。つまり、資金不足TBLに未処理で残された不足資金額の全額が、指定口座情報から引き落されるような起票指示が作成される。その後、当該処理を終了する。
【0125】
また、ステップS205において、資金不足TBLにステータスが"S"でない口座情報が存在しない場合、当該処理を終了する。これは、上述した資金移動金額算出処理にて、資金余剰TBL、及び資金不足TBLの口座情報が全て処理済みとなっている場合を指す。つまり、対象口座全体の残高合計が0の場合に該当する。
【0126】
図14は、本実施の形態にかかる資金移動処理システムを適用した際の処理例を示す図である。ここでは、対象口座全体の残高合計が黒残の場合であり、資金余剰TBLの未処理の口座情報について資金集中処理が実行される例を示す。そのため、図10におけるステップS111後の資金余剰TBL22の動きを中心に説明する。また、図14において、指定口座情報は、口座番号A01であるものとする。
【0127】
まず、制御部11は、ステップS112により、資金余剰TBL22を資金移動金額の算出後の資金余剰TBL22aへ更新する。資金余剰TBL22aでは、上位2口座は、ステータスが"S"となっており、下位3口座は、WK金額が残っており、未処理である。
【0128】
次に、制御部11は、ステップS112aにより、資金余剰TBL22aを資金集中処理後の資金余剰TBL22bへ更新する。資金余剰TBL22bでは、全てのステータスが"S"となり、資金余剰TBL22aにおいて、下位3口座に存在したWK金額が0に更新され、指定口座情報のWK金額へ資金が集中されたことを示している。
【0129】
続いて、制御部11は、ステップS113により、集計後起票指示TBL24aに示される起票指示を作成する。集計後起票指示TBL24aでは、図10の集計後起票指示TBL24に比べ、資金余剰TBLの全ての口座情報が含まれ、かつ、指定口座情報の起票指示も更新されている。
【0130】
以上に示したように、本実施の形態では、資金集中処理を行うことで、本発明の実施の形態1にかかる資金移動金額算出処理の後、黒残、又は赤残である口座の残高を予め指定した指定口座に資金集中することができる。指定口座は、例えば、グループ企業内の統括口座、階層構造の口座の最上位口座等であればよい。その場合、グループ企業内の総残高統括口座等に集中することができ、資金の効率的な運用ができる。
【0131】
さらに、本実施の形態にかかる資金集中処理は、実施の形態1にかかる資金移動システムに追加することで、口座間で直接の資金移動がなされるため、従来の資金集中処理に比べ、階層を経由する必要がないため、資金移動回数、資金移動の総額を減らすことができる。
【0132】
発明の実施の形態3.
本実施の形態にかかる資金移動処理システムは、資金移動の対象となる口座に予め定めた優先順位に基づいて、処理を行うようにしたものである。具体的には、上述した発明の実施の形態1にかかる条件情報記憶部121に格納される並べ替え情報は、口座毎に黒残優先順位、及び赤残優先順位を指定するものである。黒残優先順位とは、資金余剰口座情報記憶部123の資金余剰TBL内に格納される際のソート順位であり、赤残優先順位とは、資金不足口座情報記憶部124の資金不足TBL内に格納される際のソート順位である。並べ替え情報は、予め、端末5を用いて登録される。
【0133】
尚、本実施の形態にかかる資金移動処理システムを含む全体構成は、発明の実施の形態1で挙げた図1と同様であるため、図示及び説明を省略する。また、本実施の形態にかかる資金移動処理システムにおける処理の流れ、及び資金移動情報の生成処理における概略の流れは、図2及び図3と同様であるため、説明を省略する。
【0134】
図15は、本実施の形態にかかる口座情報振分処理の流れを示すフローチャート図である。図4との違いは、ステップS125a、及びS127aであるため、その部分を中心に説明し、重複する箇所は説明を省略する。まず、制御部11は、口座情報振分処理における初期設定を行う(S121)。このとき、制御部11が条件情報記憶部121から取得する並べ替え情報は、黒残優先順位、及び赤残優先順位である。以下では、黒残優先順位、及び赤残優先順位の両方が設定されていた場合を示す。尚、黒残優先順位、又は赤残優先順位のいずれか一方のみが設定されていた場合、一方の優先順位のみが適用され、他方では、残高順が適用されるものとする。
【0135】
その後、口座情報(i)が黒残である場合、ステップS125aでは、制御部11は、口座情報(i)の口座番号、余剰資金額、WK金額等を資金余剰TBLに格納する。このとき、口座情報(i)のデータは、並べ替え情報に基づき黒残優先順位の昇順で、資金余剰口座情報記憶部123の資金余剰TBLに格納される。
【0136】
また、口座情報(i)が赤残である場合、ステップS127aでは、制御部11は、口座情報(i)の口座番号、不足資金額、WK金額、ステータスを不足余剰TBLに格納する。このとき、口座情報(i)のデータは、並べ替え情報に基づき赤残優先順位の昇順で、資金不足口座情報記憶部124の資金不足TBLに格納される。
【0137】
これにより、以降の資金移動金額算出処理のステップS132において、制御部11は、資金余剰TBL(x)から黒残優先順位の上位のデータを、また、資金不足TBL(y)から赤残優先順位の上位のデータを読み込むことができる。そのため、優先順位に基づいた口座情報が処理される。
【0138】
図16は、本実施の形態にかかる資金移動処理システムを適用した際の処理例を示す図である。ここでは、黒残優先順位のみを適用した例を示す。図16では、まず、口座情報一覧21aに示される12口座に黒残優先順位が設定済みである。その後、口座情報一覧21aが、ステップS111により、資金余剰TBL22c、及び、資金不足TBL23に振り分けられ、格納される。ここで、資金余剰TBL22cは、黒残優先順位に基づき格納されるため、図10の資金余剰TBL22とは並べ替え順が異なる。
【0139】
次に、資金余剰TBL22a、及び、資金不足TBL23に格納された各口座から、ステップS112、及びS113により、集計後起票指示TBL24bに示される起票指示が作成される。ここで、集計後起票指示TBL24bは、図10の集計後起票指示TBL24と比べ、資金移動対象となる資金余剰TBLの口座情報が異なる。
【0140】
図17は、本実施の形態にかかる資金移動処理システムを適用した際の処理例を示す図である。ここでは、赤残優先順位のみを適用した例を示す。図17では、まず、口座情報一覧21bに示される12口座に赤残優先順位が設定済みである。その後、口座情報一覧21bが、ステップS111により、資金余剰TBL22、及び、資金不足TBL23aに振り分けられ、格納される。ここで、資金不足TBL23aは、赤残優先順位に基づき格納されるため、図10の資金不足TBL23とは並べ替え順が異なる。
【0141】
次に、資金余剰TBL22、及び、資金不足TBL23aに格納された各口座から、ステップS112、及びS113により、集計後起票指示TBL24cに示される起票指示が作成される。ここで、集計後起票指示TBL24cは、図10の集計後起票指示TBL24と比べ、資金移動対象となる資金不足TBLの口座情報の並び順が異なる。
【0142】
以上に示したように、本実施の形態では、予め、口座毎に黒残優先順位、赤残優先順位を設定しておくことで、口座情報振分処理において、優先順位に基づいて資金余剰TBL及び資金不足TBLに格納することができる。そのため、資金移動金額算出処理において、本発明の実施の形態1と同様に、資金余剰TBL及び資金不足TBLの上位の口座情報から読み出すことで、優先順位に従った処理を実現することができる。
【0143】
尚、本実施の形態における優先順位の設定は、本発明の実施の形態2に変形を加えたものとしても構わない。
【0144】
その他の発明の実施の形態.
本発明の実施の形態1におけるシステム構成は、図1に限定されない。例えば、資金移動処理システム1は、複数台のコンピュータの分散処理によって実現されても構わない。
【0145】
尚、本発明の実施の形態1における並べ替え情報は、残高の降順であったが、これに限定されるものではない。すなわち、本発明の実施の形態1における並べ替え情報は、金額の大小関係に応じて定まるものであればよく、例えば、前記余剰資金額及び前記不足資金額が絶対値上の小さい順となる残高の昇順であってもよい。対象口座全体の残高合計が赤残の場合、全ての赤残を解消することはできないが、並べ替え情報を残高の昇順とすると、赤残を解消することができる口座数が増えるという効果がある。または、対象口座全体の残高合計が黒残の場合、並べ替え情報を残高の昇順とすると、より多くの黒残の口座を用いて、赤残を解消することできるという効果がある。
【0146】
また、本発明の実施の形態3における並べ替え情報は、黒残優先順位、及び赤残優先順位を全ての口座に対して付けていたが、これに限定されるものではない。例えば、一部の口座にのみ優先順位付けをし、それ以外は、残高順としてもよい。これにより、特定の重要な口座を優先的に処理対象とし、その他の口座は残高状況に応じて処理順序を変えることができ、より柔軟な条件付けを実現することができる。
【0147】
本発明の実施の形態1にかかる口座情報振分処理は、図4に限定されない。例えば、ステップS123において、初期残高とターゲットバランスとの差額を算出後、算出した金額が正であるか否かの判定をしてもよい。
【0148】
また、図4のステップS125、及びS127において、1件ずつ並べ替え情報に基づき格納しているが、全ての口座情報を振り分けた後に、資金余剰TBL、及び資金不足TBLをソートしてもよい。
【0149】
また、図4のステップS123において、初期残高がターゲットバランスより大きいか否かを判定条件としても構わない。つまり、初期残高とターゲットバランスとの差が0の場合は、資金余剰TBL、又は資金不足TBLのいずれに属させるか、又は処理対象外としても構わない。
【0150】
尚、本発明の実施の形態1乃至3にかかる資金余剰TBL、及び資金不足TBLは、WK金額を持たず、余剰資金額、及び不足資金額が直接更新されるようにしても構わない。
【0151】
本発明の実施の形態1にかかる資金移動金額集計処理は、資金移動金額算出処理の後にまとめて実行しているが、これに限定されない。例えば、資金移動金額算出処理で各起票指示を作成時に、都度、同一の口座情報の起票指示を集計するようにしてもよい。
【0152】
また、本発明の実施の形態2にかかる資金集中処理は、対象口座全体の残高合計が黒残か赤残であるかの判定をステップS202、及びS205で行っているが、これに限定されるものではない。例えば、資金余剰TBL、及び資金不足TBLのステータスが"S"であるデータの存在を確認しているが、WK金額が0でないデータの存在を確認してもよい。
【0153】
または、対象口座全体の残高合計が黒残か赤残であるかの判定は、資金集中処理以前、例えば、口座情報振分処理において、対象口座全体の残高合計の算出を行い、黒残か赤残かの判定結果を別途記憶しておいてもよい。
【0154】
本発明の実施の形態1乃至3では、口座情報振分処理において、資金余剰TBL、及び資金不足TBLへ所定の条件(残高順、優先順位など)に基づいて口座情報を格納していたが、格納時は通常通りとし、資金移動金額算出処理において、所定の条件に基づいてデータ読出しを行うようにしてもよい。
【0155】
本発明における処理対象は、口座情報記憶部122に格納された全ての口座情報としたが、これに限定されるものではない。すなわち、口座情報記憶部122の一部の口座情報を処理対象外としても構わない。その場合、別途、処理対象有無を判定する情報を持ち、口座情報振り分け処理のステップS121において、初期設定として読み込めばよい。
【0156】
尚、本発明の実施の形態1乃至3では、対象とする口座の階層構造は3層であったが、これに限らず、本発明にかかる資金移動処理システムは、4層以上の階層構造に対しても容易に適用することができる。
【0157】
また、本発明の実施の形態1乃至3においては、階層構造を有する複数の口座に対する例を挙げたが、これに限定されるものではない。すなわち、本発明にかかる資金移動処理システムは、階層構造を有しない複数の口座に対しても容易に適用することができる。
【0158】
尚、本発明の実施の形態1乃至3においては、対象口座全体の残高合計が黒残である例を挙げたが、対象口座全体の残高合計が赤残である場合でも適用可能であることは言うまでもない。
【0159】
さらに、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、既に述べた本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0160】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる資金移動処理システムを含む全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1にかかる資金移動処理システムにおける処理の全体的な流れを示すフローチャート図である。
【図3】本発明の実施の形態1にかかる資金移動処理システムにおける資金移動情報の生成処理における概略の流れを示すフローチャート図である。
【図4】本発明の実施の形態1にかかる口座情報振分処理の流れを示すフローチャート図である。
【図5】本発明の実施の形態1にかかる資金移動金額算出処理の全体の流れを示すフローチャート図である。
【図6】本発明の実施の形態1にかかる資金移動金額算出処理における一部の処理の流れを示すフローチャート図である。
【図7】本発明の実施の形態1にかかる資金移動金額算出処理における一部の処理の流れを示すフローチャート図である。
【図8】本発明の実施の形態1にかかる資金移動金額算出処理における一部の処理の流れを示すフローチャート図である。
【図9】本発明の実施の形態1にかかる資金移動金額集計処理の流れを示すフローチャート図である。
【図10】本発明の実施の形態1にかかる資金移動処理システムを適用した際の処理例を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態1にかかる資金移動処理システムを階層型の複数の口座に適用した例を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態2にかかる資金移動処理システムにおける資金移動情報の生成処理における概略の流れを示すフローチャート図である。
【図13】本発明の実施の形態2にかかる資金集中処理の流れを示すフローチャート図である。
【図14】本発明の実施の形態2にかかる資金移動処理システムを適用した際の処理例を示す図である。
【図15】本発明の実施の形態3にかかる口座情報振分処理の流れを示すフローチャート図である。
【図16】本発明の実施の形態3にかかる資金移動処理システムを適用した際の処理例を示す図である。
【図17】本発明の実施の形態3にかかる資金移動処理システムを適用した際の処理例を示す図である。
【図18】関連技術にかかるシステムを階層型の複数の口座に適用した例を示す図である。
【符号の説明】
【0161】
1 資金移動処理システム 2 勘定系システム
3 キャッシュマネージメントシステム(CMS) 4 端末 5 端末
11 制御部 12 データベース 121 条件情報記憶部
122 口座情報記憶部 123 資金余剰口座情報記憶部
124 資金不足口座情報記憶部 125 資金移動情報記憶部
21、21a、21b 口座情報一覧
22、22a、22b、22c 資金余剰TBL
23、23a 資金不足TBL
24、24a、24b、24c 集計後起票指示TBL
i カウンタ j カウンタ x カウンタ y カウンタ z カウンタ
L 口座情報総数 M 口座情報総数 N 口座情報総数

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の口座間で所定の条件に基づき資金移動を行う資金移動処理システムであって、
前記口座のターゲットバランスを含む資金移動条件情報を記憶する条件情報記憶部と、
前記複数の口座の残高情報を含む口座情報を記憶する口座情報記憶部と、
前記口座情報の残高が前記ターゲットバランスよりも大きい口座情報を記憶する資金余剰口座記憶部と、
前記口座情報の残高が前記ターゲットバランスよりも小さい口座情報を記憶する資金不足口座記憶部と、
前記口座間で資金を移動させるための資金移動情報を記憶する資金移動情報記憶部と、
前記資金移動情報を生成する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記口座情報記憶部から前記口座情報を取得し、前記口座情報の残高が前記条件情報記憶部より取得したターゲットバランスより大きい場合、前記口座情報の残高と前記ターゲットバランスとの差分を余剰資金額として前記資金余剰口座記憶部へ格納し、前記口座情報の残高が前記ターゲットバランスより小さい場合、前記口座情報の残高と前記ターゲットバランスとの差分を不足資金額として前記資金不足口座記憶部へ格納する、口座情報振分手段と、
前記資金余剰口座記憶部から第1の口座情報を取得し、前記資金不足口座記憶部から第2の口座情報を取得する、口座情報取得手段と、
第1の口座情報の余剰資金額と前記第2の口座情報の不足資金額とに応じた金額を、前記第1の口座情報から前記第2の口座情報への資金移動金額とした資金移動情報を生成し、前記資金移動情報を前記資金移動情報記憶部へ格納する資金移動情報作成手段とを備え、
前記資金移動情報作成手段は、
前記第1の口座情報の余剰資金額が前記第2の口座情報の不足資金額より大きい場合、当該不足資金額を資金移動金額とした資金移動情報を生成し、
前記第1の口座情報の余剰資金額が前記第2の口座情報の不足資金額より小さい場合、当該余剰資金額を資金移動金額とした資金移動情報を生成する、資金移動処理システム。
【請求項2】
前記制御部は、
前記資金余剰口座記憶部、及び前記資金不足口座記憶部に格納された口座情報を更新する口座情報更新手段をさらに備え、
前記第1の口座情報の余剰資金額が前記第2の口座情報の不足資金額より大きい場合、
前記口座情報更新手段は、
前記余剰資金額から前記不足資金額を差し引いた金額を前記第1の口座情報の余剰資金額とし、
前記口座情報取得手段は、
前記資金不足口座記憶部から前記第2の口座情報の次の口座情報を取得し、
前記第1の口座情報の余剰資金額が前記第2の口座情報の不足資金額より小さい場合、
前記口座情報更新手段は、
前記不足資金額から前記余剰資金額を差し引いた金額を前記第2の口座情報の不足資金額とし、
前記口座情報取得手段は、
前記資金余剰口座記憶部から前記第1の口座情報の次の口座情報を取得する、請求項1に記載の資金移動処理システム。
【請求項3】
前記制御部は、
前記資金余剰口座記憶部、又は前記資金不足口座記憶部のいずれか一方の最後の口座情報が処理し終えるまで、前記口座情報取得手段、前記資金移動情報作成手段、及び前記口座情報更新手段を繰り返し実行する手段をさらに備える、請求項2に記載の資金移動処理システム。
【請求項4】
前記条件情報記憶部は、前記複数の口座の一部の口座情報を指定口座情報としてさらに記憶し、
前記制御部は、
前記資金余剰口座記憶部の余剰資金額の合計額と、前記資金不足口座記憶部の不足資金額の合計額との差額を前記指定口座情報に資金移動させる資金移動情報を生成する資金集中手段をさらに備える、請求項3に記載の資金移動処理システム。
【請求項5】
前記資金集中手段は、
前記複数の口座の残高合計が正である場合、前記繰り返し実行する手段の後に残された前記資金余剰口座記憶部の余剰資金額から前記資金移動情報を生成し、
前記複数の口座の残高合計が負である場合、前記繰り返し実行する手段の後に残された前記資金不足口座記憶部の不足資金額から前記資金移動情報を生成する、請求項4に記載の資金移動処理システム。
【請求項6】
前記口座情報取得手段は、
前記資金余剰口座記憶部、及び前記資金不足口座記憶部から所定の順序で口座情報を取得することを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の資金移動処理システム。
【請求項7】
前記口座情報振分手段は、
所定の順序で、前記資金余剰口座記憶部へ余剰資金額を格納し、前記資金不足口座記憶部へ不足資金額を格納することを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の資金移動処理システム。
【請求項8】
前記所定の順序は、前記口座情報の優先順位により定まることを特徴とする、請求項6又は7に記載の資金移動処理システム。
【請求項9】
前記所定の順序は、前記資金余剰口座記憶部と、前記資金不足口座記憶部とで個別に設定されることを特徴とする、請求項8に記載の資金移動処理システム。
【請求項10】
前記所定の順序は、前記余剰資金額及び前記不足資金額の大小関係に応じて定まる順序である、請求項6又は7に記載の資金移動処理システム。
【請求項11】
前記所定の順序は、前記余剰資金額及び前記不足資金額が絶対値上の小さい順であることを特徴とする、請求項10に記載の資金移動処理システム。
【請求項12】
前記制御部は、
前記資金移動情報記憶部に記憶された前記資金移動情報を口座情報毎に集計する資金移動情報集計手段をさらに備える、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の資金移動処理システム。
【請求項13】
前記制御部は、
前記繰り返し実行する手段によって繰り返して実行した後に、前記資金移動情報記憶部に記憶された前記資金移動情報を口座情報毎に集計する資金移動情報集計手段をさらに備える、請求項3に記載の資金移動処理システム。
【請求項14】
前記制御部は、
前記資金集中手段によって資金集中した後に、前記資金移動情報記憶部に記憶された前記資金移動情報を口座情報毎に集計する資金移動情報集計手段をさらに備える、請求項4に記載の資金移動処理システム。
【請求項15】
前記複数の口座は、
少なくとも、第1の口座、当該第1の口座に対して下位の第2の口座及び当該第2の口座に対して下位の第3の口座を含む3層以上の階層構造を有し、
前記条件情報記憶部は、前記口座の階層構造を特定する階層構造情報をさらに含む、請求項1乃至14のいずれか1項に記載の資金移動処理システム。
【請求項16】
複数の口座間で所定の条件に基づき資金移動を行う資金移動処理方法であって、
口座情報の残高がターゲットバランスより大きい場合、前記口座情報の残高と前記ターゲットバランスとの差分を余剰資金額として資金余剰口座記憶部へ格納し、前記口座情報の残高が前記ターゲットバランスより小さい場合、前記口座情報の残高と前記ターゲットバランスとの差分を不足資金額として資金不足口座記憶部へ格納する、口座情報振分ステップと、
前記資金余剰口座記憶部から所定の順序で第1の口座情報を取得し、前記資金不足口座記憶部から所定の順序で第2の口座情報を取得する、口座情報取得ステップと、
第1の口座情報の余剰資金額と前記第2の口座情報の不足資金額とに応じた金額を、前記第1の口座情報から前記第2の口座情報への資金移動金額とした資金移動情報を生成し、前記資金移動情報を前記資金移動情報記憶部へ格納する資金移動情報作成ステップとを備え、
前記資金移動情報作成ステップは、
前記第1の口座情報の余剰資金額が前記第2の口座情報の不足資金額より大きい場合、当該不足資金額を資金移動金額とした資金移動情報を生成し、
前記第1の口座情報の余剰資金額が前記第2の口座情報の不足資金額より小さい場合、当該余剰資金額を資金移動金額とした資金移動情報を生成する、資金移動処理方法。
【請求項17】
前記資金余剰口座記憶部、及び前記資金不足口座記憶部に格納された口座情報を更新する口座情報更新ステップをさらに備え、
前記第1の口座情報の余剰資金額が前記第2の口座情報の不足資金額より大きい場合、
前記口座情報更新ステップは、
前記余剰資金額から前記不足資金額を差し引いた金額を前記第1の口座情報の余剰資金額とし、
前記口座情報取得ステップは、
前記資金不足口座記憶部から前記第2の口座情報の次の口座情報を取得し、
前記第1の口座情報の余剰資金額が前記第2の口座情報の不足資金額より小さい場合、
前記口座情報更新ステップは、
前記不足資金額から前記余剰資金額を差し引いた金額を前記第2の口座情報の不足資金額とし、
前記口座情報取得ステップは、
前記資金余剰口座記憶部から前記第1の口座情報の次の口座情報を取得する、請求項16に記載の資金移動処理方法。
【請求項18】
前記資金余剰口座記憶部、又は前記資金不足口座記憶部のいずれか一方の最後の口座情報が処理し終えるまで、前記口座情報取得ステップ、前記資金移動情報作成ステップ、及び前記口座情報更新ステップを繰り返し実行するステップをさらに備える、請求項17に記載の資金移動処理方法。
【請求項19】
前記資金余剰口座記憶部の余剰資金額の合計額と、前記資金不足口座記憶部の不足資金額の合計額との差額を前記複数の口座の一部の指定口座情報に資金移動させる資金移動情報を生成する資金集中ステップをさらに備える、請求項18に記載の資金移動処理方法。
【請求項20】
前記資金集中ステップは、
前記複数の口座の残高合計が正である場合、前記繰り返し実行するステップの後に残された前記資金余剰口座記憶部の余剰資金額から前記資金移動情報を生成し、
前記複数の口座の残高合計が負である場合、前記繰り返し実行するステップの後に残された前記資金不足口座記憶部の不足資金額から前記資金移動情報を生成する、請求項19に記載の資金移動処理方法。
【請求項21】
前記口座情報取得ステップは、
前記資金余剰口座記憶部及び前記資金不足口座記憶部から所定の順序で口座情報を取得することを特徴とする、請求項16乃至20のいずれか1項に記載の資金移動処理方法。
【請求項22】
前記口座情報振分ステップは、
所定の順序で、前記資金余剰口座記憶部へ余剰資金額を格納し、前記資金不足口座記憶部へ不足資金額を格納することを特徴とする、請求項16乃至21のいずれか1項に記載の資金移動処理方法。
【請求項23】
前記所定の順序は、前記口座情報の優先順位により定まることを特徴とする、請求項21又は22に記載の資金移動処理方法。
【請求項24】
前記所定の順序は、前記資金余剰口座記憶部と、前記資金不足口座記憶部とで個別に設定されることを特徴とする、請求項23に記載の資金移動処理方法。
【請求項25】
前記所定の順序は、前記余剰資金額及び前記不足資金額の大小関係に応じて定まる順序である、請求項21又は22に記載の資金移動処理方法。
【請求項26】
前記所定の順序は、前記余剰資金額及び前記不足資金額が絶対値上の小さい順であることを特徴とする、請求項25に記載の資金移動処理方法。
【請求項27】
前記資金移動情報記憶部に記憶された前記資金移動情報を口座情報毎に集計する資金移動情報集計ステップをさらに備える、請求項16乃至26のいずれか1項に記載の資金移動処理方法。
【請求項28】
前記繰り返し実行するステップの後に、前記資金移動情報記憶部に記憶された前記資金移動情報を口座情報毎に集計する資金移動情報集計ステップをさらに備える、請求項18に記載の資金移動処理方法。
【請求項29】
前記資金集中ステップの後に、前記資金移動情報記憶部に記憶された前記資金移動情報を口座情報毎に集計する資金移動情報集計ステップをさらに備える、請求項19に記載の資金移動処理方法。
【請求項30】
前記複数の口座は、
少なくとも、第1の口座、当該第1の口座に対して下位の第2の口座及び当該第2の口座に対して下位の第3の口座を含む3層以上の階層構造を有し、
前記条件情報記憶部は、前記口座の階層構造を特定する階層構造情報をさらに含む、請求項16乃至29のいずれか1項に記載の資金移動処理方法。
【請求項31】
複数の口座間で所定の条件に基づき資金移動する処理をコンピュータに実行させる資金移動処理プログラムであって、
前記口座のターゲットバランスを含む資金移動条件情報を記憶する条件情報記憶部と、
前記複数の口座の残高情報を含む口座情報を記憶する口座情報記憶部と、
前記口座情報の残高が前記ターゲットバランスよりも大きい口座情報を記憶する資金余剰口座記憶部と、
前記口座情報の残高が前記ターゲットバランスよりも小さい口座情報を記憶する資金不足口座記憶部と、
前記口座間で資金を移動させるための資金移動情報を記憶する資金移動情報記憶部と、
前記口座情報記憶部から前記口座情報を取得し、前記口座情報の残高が前記条件情報記憶部より取得したターゲットバランスより大きい場合、前記口座情報の残高と前記ターゲットバランスとの差分を余剰資金額として前記資金余剰口座記憶部へ格納し、前記口座情報の残高が前記ターゲットバランスより小さい場合、前記口座情報の残高と前記ターゲットバランスとの差分を不足資金額として前記資金不足口座記憶部へ格納する、口座情報振分手段と、
前記資金余剰口座記憶部から第1の口座情報を取得し、前記資金不足口座記憶部から第2の口座情報を取得する、口座情報取得手段と、
第1の口座情報の余剰資金額と前記第2の口座情報の不足資金額とに応じた金額を、前記第1の口座情報から前記第2の口座情報への資金移動金額とした資金移動情報を生成し、前記資金移動情報を前記資金移動情報記憶部へ格納する資金移動情報作成手段とを備え、
前記資金移動情報作成手段は、
前記第1の口座情報の余剰資金額が前記第2の口座情報の不足資金額より大きい場合、当該不足資金額を資金移動金額とした資金移動情報を生成し、
前記第1の口座情報の余剰資金額が前記第2の口座情報の不足資金額より小さい場合、当該余剰資金額を資金移動金額とした資金移動情報を生成する、資金移動処理プログラム。
【請求項32】
前記資金移動処理プログラムは、
前記資金余剰口座記憶部、及び前記資金不足口座記憶部に格納された口座情報を更新する口座情報更新手段をさらに備え、
前記第1の口座情報の余剰資金額が前記第2の口座情報の不足資金額より大きい場合、
前記口座情報更新手段は、
前記余剰資金額から前記不足資金額を差し引いた金額を前記第1の口座情報の余剰資金額とし、
前記口座情報取得手段は、
前記資金不足口座記憶部から前記第2の口座情報の次の口座情報を取得し、
前記第1の口座情報の余剰資金額が前記第2の口座情報の不足資金額より小さい場合、
前記口座情報更新手段は、
前記不足資金額から前記余剰資金額を差し引いた金額を前記第2の口座情報の不足資金額とし、
前記口座情報取得手段は、
前記資金余剰口座記憶部から前記第1の口座情報の次の口座情報を取得する、請求項31に記載の資金移動処理プログラム。
【請求項33】
前記資金余剰口座記憶部、又は前記資金不足口座記憶部のいずれか一方の最後の口座情報が処理し終えるまで、前記口座情報取得手段、前記資金移動情報作成手段、及び前記口座情報更新手段を繰り返し実行する手段をさらに備える、請求項32に記載の資金移動処理プログラム
【請求項34】
前記条件情報記憶部は、前記複数の口座の一部の口座情報を指定口座情報としてさらに記憶し、
前記資金移動処理プログラムは、
前記資金余剰口座記憶部の余剰資金額の合計額と、前記資金不足口座記憶部の不足資金額の合計額との差額を前記指定口座情報に資金移動させる資金移動情報を生成する資金集中手段をさらに備える、請求項33に記載の資金移動処理プログラム。
【請求項35】
前記資金集中手段は、
前記複数の口座の残高合計が正である場合、前記繰り返し実行する手段の後に残された前記資金余剰口座記憶部の余剰資金額から前記資金移動情報を生成し、
前記複数の口座の残高合計が負である場合、前記繰り返し実行する手段の後に残された前記資金不足口座記憶部の不足資金額から前記資金移動情報を生成する、請求項34に記載の資金移動処理プログラム。
【請求項36】
前記口座情報取得手段は、
前記資金余剰口座記憶部、及び前記資金不足口座記憶部から所定の順序で口座情報を取得することを特徴とする、請求項31乃至35のいずれか1項に記載の資金移動処理プログラム。
【請求項37】
前記口座情報振分手段は、
所定の順序で、前記資金余剰口座記憶部へ余剰資金額を格納し、前記資金不足口座記憶部へ不足資金額を格納することを特徴とする、請求項31乃至36のいずれか1項に記載の資金移動処理プログラム。
【請求項38】
前記資金移動処理プログラムは、
前記資金移動情報記憶部に記憶された前記資金移動情報を口座情報毎に集計する資金移動情報集計手段をさらに備える、請求項31乃至37のいずれか1項に記載の資金移動処理プログラム。
【請求項39】
前記資金移動処理プログラムは、
前記繰り返し実行する手段によって繰り返して実行した後に、前記資金移動情報記憶部に記憶された前記資金移動情報を口座情報毎に集計する資金移動情報集計手段をさらに備える、請求項33に記載の資金移動処理プログラム。
【請求項40】
前記資金移動処理プログラムは、
前記資金集中手段によって資金集中した後に、前記資金移動情報記憶部に記憶された前記資金移動情報を口座情報毎に集計する資金移動情報集計手段をさらに備える、請求項34に記載の資金移動処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−193478(P2009−193478A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−35477(P2008−35477)
【出願日】平成20年2月18日(2008.2.18)
【出願人】(592131906)みずほ情報総研株式会社 (187)