説明

賞品球補給装置

【課題】 パチンコ遊技機の裏面に設置された賞品球タンクの位置や形状に関わらず、安定的にパチンコ球を供給することができる賞品球補給装置を提供すること。
【解決手段】 賞品球補給装置2は、取付部材50を介してパチンコ島台に取り付けられる本体部52と、本体部52に回動可能に取り付けられ、付勢力によって図の基準位置に保持され、パチンコ遊技機がパチンコ島台に対して閉じられると、賞品球タンクの外壁に当接して基準位置から所定の作動位置へ回動する様に構成されている作動腕54と、作動腕54が作動位置にある場合にはパチンコ球が通過可能となり、作動位置以外の位置にある場合にはパチンコ球が通過不能となる補給筒56と、を備え、更に、作動腕54を延長するための作動腕延長部材58aを備える。作動腕延長部材58aは、一枚の金属版を折り曲げて形成されており、金属の可撓性により作動腕54に対して着脱可能になっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ島台の補給経路から供給されるパチンコ球を、パチンコ遊技機の裏面に設置された賞品球タンクに供給する賞品球補給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ遊技機はパチンコ島台に対して扉状に開閉可能に取り付けられており、パチンコ遊技機の点検・修理の際には、パチンコ遊技機を扉状に開けて作業が行われている。
【0003】
そして、パチンコ遊技機がパチンコ島台に対して閉じられると、パチンコ島台に設置されている賞品球補給装置から、パチンコ遊技機の裏面に設置された賞品球タンクにパチンコ球を供給することができる様になる。具体的には、パチンコ遊技機が完全に閉じられる直前においては図8(a)に示す様な状態になっており、これより更にパチンコ遊技機が閉じられると、即ち図8(a)の右方向へ賞品球補給装置6が移動すると、パチンコ遊技機の賞品球タンク70の壁面70aに賞品球補給装置6の作動腕54が当接し、更にパチンコ遊技機が閉じられると、作動腕54は図8(a)の右方向へ押されて、図8(a)に示す基準位置から反時計回りに所定の作動位置まで回動する。また、作動腕54の回動動作に同期して、補給筒56も、図8(a)の基準位置から反時計回りに回動する。補給筒56は、作動腕54が作動位置にある場合にはパチンコ球を通過させ、作動腕54が作動位置以外の位置(基準位置を含む)にある場合にはパチンコ球を通過させない様に切り換えるパチンコ球通過切換機構を備えており、パチンコ遊技機が完全に閉じられて作動腕54が作動位置まで回動すると、パチンコ球は補給筒56を通って賞品球タンク70へ供給される様に構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、パチンコ遊技機の裏面の形状は様々であり、賞品球タンク70の形状も様々であるが、例えば賞品球タンク70が奥行き方向に長過ぎる場合には、不都合が生じることがある。具体的には、賞品球タンク70が奥行き方向に長過ぎると、図8(b)に示す様に、パチンコ遊技機が閉じられるに連れて、作動腕54は、賞品球タンク70の壁面70aに押されて基準位置から作動位置まで回動するのであるが、賞品球タンク70が奥行き方向に長過ぎるために、パチンコ遊技機が完全に閉じられると、作動腕54が賞品球タンク70の壁面70aを乗り越えてしまうのである。そして、作動腕54が賞品球タンク70の壁面70aを乗り越えてしまうと、作動腕54は図8(b)に示す矢印方向に回動して基準位置に戻ってしまうので、補給筒56はパチンコ球を通過させなくなり、その結果、賞品球タンク70にパチンコ球が供給されなくなってしまうのである。
【0005】
尚、この様に作動腕54が賞品球タンク70の壁面70aを乗り越えてしまう現象は、賞品球タンク70が奥行き方向に長い場合だけでなく、賞品球タンク70が奥行き方向に短くてもパチンコ遊技機自体が厚過ぎる場合にも起こり得る。つまり、パチンコ遊技機が完全に閉じられた状態における賞品球タンク70の壁面70aの位置が、パチンコ遊技機の奥行き方向に進入し過ぎていると、作動腕54が賞品球タンク70の壁面70aを乗り越えて、賞品球タンク70にパチンコ球が供給されなくなってしまうのである。
【0006】
本発明は、この様な問題点を解決するためになされたものであり、パチンコ遊技機の裏面に設置された賞品球タンクの位置や形状に関わらず、安定的にパチンコ球を供給することができる賞品球補給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この様な目的を達成するために、第1の発明にかかる賞品球補給装置は、請求項1に記載されている様に、パチンコ遊技機が開閉可能に取り付けられたパチンコ島台の補給径路から供給されるパチンコ球を、前記パチンコ遊技機の裏面に設置された賞品球タンクに補給する賞品球補給装置であって、前記パチンコ島台に取り付けられる本体部と、所定の軸部材を介して前記本体部に回動可能に取り付けられ、通常時は所定の基準位置にあり、前記パチンコ遊技機が前記パチンコ島台に対して閉じられると、前記賞品球タンクの外壁に当接して前記基準位置から所定の作動位置へ回動する様に構成されている作動腕と、該作動腕が前記作動位置にある場合にはパチンコ球が通過可能となり、前記作動位置以外の位置にある場合にはパチンコ球が通過不能となるパチンコ球通過切換機構を備える補給筒と、を備え、前記作動腕に、当該作動腕を延長するための作動腕延長部材を着脱可能に取り付けたことを特徴とする。
【0008】
第1の発明にかかる賞品球補給装置によれば、賞品球タンクが奥行き方向に長過ぎる等の理由で賞品球タンクの壁面がパチンコ遊技機の奥行き方向に進入し過ぎている場合であっても、賞品球タンクの壁面の位置に適合する長さの作動腕延長部材を作動腕に装着すれば、パチンコ遊技機が完全に閉じられた状態でも、作動腕が賞品球タンクの壁面を乗り越えてしまうことはなく、作動腕は作動位置まで回動した状態で保持される。
【0009】
従って、第1の発明にかかる賞品球補給装置によれば、賞品球タンクが奥行き方向に長過ぎる等の理由で賞品球タンクの壁面の位置がパチンコ遊技機の奥行き方向に進入し過ぎている場合であっても、安定的にパチンコ球を供給することができる。
【0010】
また、同じ目的を達成するために、第2の発明にかかる賞品球補給装置は、請求項2に記載されている様に、パチンコ遊技機が開閉可能に取り付けられたパチンコ島台の補給径路から供給されるパチンコ球を、前記パチンコ遊技機の裏面に設置された賞品球タンクに補給する賞品球補給装置であって、前記パチンコ島台に設置された本体部と、所定の軸部材を介して前記本体部に回動可能に取り付けられ、通常時は所定の基準位置にあり、前記パチンコ遊技機が前記パチンコ島台に対して閉じられると、前記賞品球タンクの外壁に当接して前記基準位置から所定の作動位置へ回動する様に構成されている作動腕と、該作動腕が前記作動位置にある場合にはパチンコ球が通過可能となり、前記作動位置以外の位置にある場合にはパチンコ球が通過不能となるパチンコ球通過切換機構を備える補給筒と、を備え、前記作動腕は、前記賞品球タンクの外壁と当接する部位が当該作動腕の長手方向に伸縮可能に構成されていることを特徴とする。
【0011】
第2の発明にかかる賞品球補給装置によれば、賞品球タンクが奥行き方向に長過ぎる等の理由で賞品球タンクの壁面がパチンコ遊技機の奥行き方向に進入し過ぎている場合であっても、賞品球タンクの壁面の位置に適合する様に作動腕を伸縮させれば、パチンコ遊技機が完全に閉じられた状態でも、作動腕が賞品球タンクの壁面を乗り越えてしまうことはなく、作動腕は作動位置まで回動した状態で保持される。
【0012】
従って、第2の発明にかかる賞品球補給装置によれば、第1の発明にかかる賞品球補給装置と同じく、賞品球タンクが奥行き方向に長過ぎる等の理由で賞品球タンクの壁面の位置がパチンコ遊技機の奥行き方向に進入し過ぎている場合であっても、安定的にパチンコ球を供給することができる。
【0013】
ここで、第2の発明にかかる賞品球補給装置の作動腕、即ち長手方向に伸縮可能な作動腕としては、様々な形態が考えられるが、例えば、請求項3に記載されている様に、前記作動腕は、前記賞品球タンクの外壁と当接する部位に、当該作動腕の長手方向に摺動可能な摺動部材を備え、該摺動部材の摺動により長手方向に伸縮する様に構成されていると良い。
【0014】
第2の発明にかかる賞品球補給装置の作動腕がこの様に構成されている場合には、摺動部材を摺動させるだけで作動腕を長手方向に伸縮することができるので、伸縮操作が非常に簡単である。
【0015】
又、第3の発明にかかる賞品球補給装置は、請求項4に記載されている様に、パチンコ遊技機が開閉可能に取り付けられたパチンコ島台の補給径路から供給されるパチンコ球を、前記パチンコ遊技機の裏面に設置された賞品球タンクに補給する賞品球補給装置であって、前記パチンコ島台に設置された本体部と、所定の軸部材を介して前記本体部に回動可能に取り付けられ、通常時は所定の基準位置にあり、前記パチンコ遊技機が前記パチンコ島台に対して閉じられると、前記賞品球タンクの外壁に当接して前記基準位置から所定の作動位置へ回動する様に構成されている作動腕と、該作動腕が前記作動位置にある場合にはパチンコ球が通過可能となり、前記作動位置以外の位置にある場合にはパチンコ球が通過不能となるパチンコ球通過切換機構を備える補給筒と、前記本体部を前記パチンコ島台に取り付けるために前記パチンコ島台に対して螺子等で固定するための螺子孔が形成された取付部材と、を備え、前記取付部材の螺子孔は、当該取付部材の取付位置を前記パチンコ島台の奥行き方向に変更可能な形状であることを特徴とする。
【0016】
第3の発明にかかる賞品球補給装置によれば、賞品球タンクが奥行き方向に長過ぎる等の理由で賞品球タンクの壁面がパチンコ遊技機の奥行き方向に進入し過ぎている場合であっても、賞品球タンクの壁面の位置に適合する様に取付部材の取付位置を変更すれば、パチンコ遊技機が完全に閉じられた状態でも、作動腕が賞品球タンクの壁面を乗り越えてしまうことはなく、作動腕は作動位置まで回動した状態で保持される。
【0017】
従って、第3の発明にかかる賞品球補給装置によれば、第1の発明にかかる賞品球補給装置及び第2の発明にかかる賞品球補給装置と同じく、賞品球タンクの壁面の位置が奥行き方向に長過ぎる等の理由で賞品球タンクの壁面の位置がパチンコ遊技機の奥行き方向に進入し過ぎている場合であっても、安定的にパチンコ球を供給することができる。
【0018】
また、第1の発明又は第2の発明と第3の発明とを組み合わせると更に良い。即ち、請求項5に記載されている様に、第1の発明又は第2の発明にかかる賞品球補給装置において、前記本体部を前記パチンコ島台に取り付けるために前記パチンコ島台に対して螺子等で固定するための螺子孔が形成された取付部材を備え、前記取付部材の螺子孔は、当該取付部材の取付位置を前記パチンコ島台の奥行き方向に変更可能な形状であると更に良い。
【0019】
この様に構成されている場合には、第1の発明又は第2の発明の効果と、第3の発明の効果とが相乗的に発揮されるので、より一層安定的にパチンコ球を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】パチンコ島台の構成を説明するための正面図である。
【図2】第1実施例の賞品球補給装置の構成を説明するための斜視図である。
【図3】第1実施例の賞品球補給装置の構成を説明するための斜視図である。
【図4】第1実施例の賞品球補給装置をパチンコ島台に設置する態様を説明するための斜視図である。
【図5】パチンコ島台に対してパチンコ遊技機を閉じた状態における第1実施例の賞品球補給装置の態様を説明するための側面断面図である。
【図6】第1実施例の変形例を説明するための賞品球補給装置の側面断面図である。
【図7】第2実施例の賞品球補給装置の構成を説明するための斜視図である。
【図8】従来の賞品球補給装置の構成を説明するための側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施例]
まず、本実施例の賞品球供給装置が設置されるパチンコ島台の構成及び作用について説明する。
【0022】
図1は、本実施例のパチンコ島台の構成を説明するための正面図である。
パチンコ島台1には、図示しないパチンコ遊技機が扉状に開閉可能に設置されている。そして、パチンコ島台1は、他のパチンコ島台との間でパチンコ球を授受しない、所謂独立島である。つまり、外部からパチンコ球を補給しなくても良いのは、パチンコ島台1には、賞品球として払い出すためのパチンコ球を貯留しておくためのメイン貯留タンク10と、パチンコ遊技機の入賞口に入らなかったアウト球をメイン貯留タンク10へ送るアウト球ボックス12及びアウト球回収樋14と、遊技者が獲得した賞品球を計数してメイン貯留タンク10へ送るパチンコ球計数器16とが備えられており、パチンコ島台1内のメイン貯留タンク10へパチンコ球が戻されるからである。
【0023】
そして、メイン貯留タンク10に貯留されているパチンコ球は、順次誘導樋18を介して玉磨き揚送装置20へ送られ、パチンコ球は、玉磨き揚送装置20により磨かれながら上方へ送られ、第1上部タンク22へ送られる。そして、パチンコ球は、第1上部タンク22から、図1の右側の補給樋26a及び第2上部タンク24に分配供給され、第2上部タンク24に分配供給されたパチンコ球は、図1の左側の補給樋26bに送られる。
【0024】
その後、左右の補給樋26a及び26bの全体にパチンコ球が行き渡り、更に第1上部タンク22も満杯になると、それ以上の余剰パチンコ球は、分岐箱28へ落とされ、図1の右側のオーバーフロー樋30a及び中継樋32を介して、メイン貯留タンク10へ返却される。そして、更にパチンコ球が増えて、メイン貯留タンク10及び図1の右側のオーバーフロー樋30aが満杯になると、今度は図1の左側のオーバーフロー樋30bを介してサブ貯留タンク34に貯留される。当然、サブ貯留タンク34がパチンコ球で満杯になると、左側のオーバーフロー樋30bも次第に満杯になるおそれがあるが、本実施例の様な独立島においては、パチンコ球計数器16を返却可能にしたり、不可能にしたりすることにより、左側のオーバーフロー樋30bまでもが満杯にならない様に制御が行われる。尚、サブ貯留タンク34からメイン貯留タンク10へは、常に、一定の速度でパチンコ球が誘導される構成になっている。
【0025】
そして、パチンコ球は、左右の補給樋26a及び26bから、分離器36を介して、賞品球補給装置2へ供給される。尚、パチンコ島台1には、これら以外にも、玉抜き分離器38や、電源ユニット40や、中継基板42や、24Vトランス44や、代表ランプ46等を備えるが、賞品球補給装置2以外は周知の物と同じ構成であるので、詳細な説明は省略する。
【0026】
次に、賞品球補給装置2の構成について説明する。
図2及び図3は、賞品球補給装置の構成を説明するための斜視図であり、図4は、賞品球補給装置をパチンコ島台に設置する態様を説明するための斜視図であり、図5は、パチンコ島台に対してパチンコ遊技機を閉じた状態における賞品球補給装置の態様を説明するための側面断面図である。
【0027】
賞品球補給装置2は、補給樋26a及び26bを介して供給されるパチンコ球を、パチンコ遊技機の裏面に設置された賞品球タンク70に補給するための装置であって、取付部材50を介してパチンコ島台1に取り付けられる本体部52と、所定の軸部材を介して本体部52に回動可能に取り付けられ、図示しないバネ等(付勢部材)の付勢力によって基準位置(図2に示す位置)に保持されており、パチンコ遊技機がパチンコ島台1に対して閉じられると、賞品球タンク70の外壁70aに当接して基準位置から作動位置(図5に示す位置)へ回動する様に構成されている作動腕54と、作動腕54が作動位置にある場合にはパチンコ球が通過可能となり、作動位置以外の位置にある場合にはパチンコ球が通過不能となるパチンコ球通過切換機構を備える補給筒56と、を備え、更に、作動腕54を延長するための作動腕延長部材58aを備える。
【0028】
図2の円内に拡大図が示されている作動腕延長部材58aは、一枚の金属版を折り曲げて形成されており、金属の可撓性により作動腕54に対して着脱可能になっている。
また、図3に示す様に、取付部材50と本体部52とは、蝶螺子60を用いて取付部材50に形成された長孔の所定位置で本体部52に固定する様に構成されており、これによって、賞品球タンク70と作動腕54等との高さ方向の位置関係を調整する。
【0029】
次に、賞品球補給装置2をパチンコ島台1に取り付けるための構成について説明する。
図2乃至図4に示す様に、賞品球補給装置2の取付部材50には、略王字形状の取付位置調整可能孔50a及び50bが形成されている。一方、図4に示す様に、パチンコ島台1には、取付位置調整可能孔50a及び50bに対応する螺子66a及び66bが立設されたベース部材64が固定されており、図4(a)に示す状態から、ベース部材64の螺子66a及び66bを取付部材50の取付位置調整可能孔50a及び50bに挿通し、蝶螺子68によって固定すると、図4(b)に示す様に、賞品球補給装置2がパチンコ島台1に固定される。そして、固定する際に、ベース部材64の螺子66a及び66bと取付部材50の取付位置調整可能孔50a及び50bとの位置関係を適宜選択すれば、パチンコ島台1に対する賞品球補給装置2の取付位置を、図4(b)の矢印方向、即ち左右方向及び奥行き方向に微調整することができる。
【0030】
続いて、本実施例の賞品球補給装置の効果について説明する。
本実施例の賞品球補給装置2によれば、賞品球タンク70が奥行き方向に長過ぎる等の理由で賞品球タンク70の壁面70aがパチンコ遊技機の奥行き方向(図5の右方向)に進入し過ぎている場合であっても、賞品球タンク70の壁面70aの位置に適合する長さの作動腕延長部材58aを作動腕54に装着すれば、パチンコ遊技機が完全に閉じられた状態でも、作動腕54が賞品球タンク70の壁面70aを乗り越えてしまうことはなく、作動腕54は作動位置まで回動した状態で保持される。
【0031】
従って、本実施例の賞品球補給装置2によれば、賞品球タンク70が奥行き方向に長過ぎる等の理由で賞品球タンク70の壁面70aの位置がパチンコ遊技機の奥行き方向に進入し過ぎている場合であっても、安定的にパチンコ球を供給することができる。
【0032】
更に、本実施例の賞品球補給装置2によれば、ベース部材64の螺子66a及び66bと取付部材50の取付位置調整可能孔50a及び50bとの位置関係を適宜選択すれば、パチンコ島台1に対する賞品球補給装置2の取付位置を、奥行き方向に微調整することができるので、より一層安定的にパチンコ球を供給することができる。
【0033】
尚、図6に示す様に、作動腕延長部材58aを取り付けなくても、ベース部材64の螺子66a及び66bと取付部材50の取付位置調整可能孔50a及び50bとの位置関係を適宜選択すれば、パチンコ島台1に対する賞品球補給装置2の取付位置を、奥行き方向に微調整することができるので、賞品球タンク70が奥行き方向に長過ぎる等の理由で賞品球タンク70の壁面70aの位置がパチンコ遊技機の奥行き方向に進入し過ぎている場合であっても、安定的にパチンコ球を供給することができる。
【0034】
[第2実施例]
まず、本実施例の賞品球補給装置4の構成について説明する。
本実施例の賞品球補給装置4は、作動腕54の構成以外は前述した第1実施例の賞品球補給装置2と全く同じであるので、作動腕54の構成についてのみ説明する。
【0035】
図7は、本実施例の賞品球補給装置4の構成を説明するための斜視図である。
図7に示す様に、本実施例の賞品球補給装置4の作動腕54は、賞品球タンク70の外壁70aと当接する部位に、作動腕54の長手方向に摺動可能な摺動部材58bを備え、摺動部材58bの摺動により、実質的に作動腕54を長手方向に伸縮することができる様に構成されている。
【0036】
続いて、本実施例の賞品球補給装置4の効果について説明する。
本実施例の賞品球補給装置4によれば、賞品球タンク70が奥行き方向に長過ぎる等の理由で賞品球タンク70の壁面70aがパチンコ遊技機の奥行き方向に進入し過ぎている場合であっても、賞品球タンク70の壁面70aの位置に適合する様に摺動部材58bを摺動させれば、パチンコ遊技機が完全に閉じられた状態でも、作動腕54が賞品球タンク70の壁面70aを乗り越えてしまうことはなく、作動腕54は作動位置まで回動した状態で保持される。
【0037】
従って、本実施例の賞品球補給装置4によれば、前述した第1実施例の賞品球補給装置2と同じく、安定的にパチンコ球を供給することができる。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は前述した実施例に何等限定されるものではなく、更に種々の態様において実施しても良いことはもちろんである。
【0038】
例えば、第1実施例では、金属製の作動腕延長部材58aを採用したが、作動腕54に着脱可能であれば、作動腕延長部材58aの材質は任意であり、例えば樹脂製であっても良い。
【0039】
また、第2実施例では、作動腕54を伸縮可能にするために摺動部材58bを採用したが、作動腕54が長手方向に伸縮可能であれば、作動腕54の伸縮機構は任意であり、例えば作動腕54が折り畳み可能であり、折り畳まれた状態を解除することによって作動腕54を長手方向に伸ばすことができる様に構成されていても良い。
【0040】
また、第1実施例及び第2実施例では、バネ等の付勢力によって作動腕54を基準位置に保持する様に構成されているが、付勢力は時間の経過と共に低下するので、古くなったバネ等では、作動腕54を基準位置へ戻すことができなくなる場合もある。ただし、パチンコ遊技機が開けられると、補給筒56が賞品球タンク70の壁面70aに当接して作動位置から基準位置へ回動する(図5における時計方向に回動する)ので、バネ等の付勢力が低下しても、ある程度は基準位置の方へ戻すことができる。しかし、あくまでも基準位置に近い位置まで戻るだけであるので、補給筒56の外形を工夫して、補給筒56が賞品球タンク70の壁面70aに当接しただけでも基準位置の近傍まで戻る様に工夫することが望ましい。例えば、図5において、補給筒56の左側を、回動軸から遠ざかるに連れて肉厚となる(図5において下に向かって徐々に肉厚となる)様な形状にすると良い。補給筒56がこの様に構成されている場合には、パチンコ遊技機が開けられて補給筒56が賞品球タンク70の壁面70aに当接すると、肉厚となった分だけ時計方向への回動量が増すので、より一層基準位置に近い位置まで戻らせることができる。従って、この様に構成されている場合には、時間の経過によってバネ等の付勢力が低下しても、基準位置と作動位置との往復を円滑に行うことができる。
【符号の説明】
【0041】
1…パチンコ島台 2,4,6…賞品球補給装置 10…メイン貯留タンク 12…アウト球ボックス 14…アウト球回収樋 16…パチンコ球計数器 18…誘導樋 20…玉磨き揚送装置 22…第1上部タンク
24…第2上部タンク 26a,26b…補給樋 28…分岐箱 30a,30b…オーバーフロー樋 32…中継樋 34…サブ貯留タンク
36…分離器 38…玉抜き分離器 40…電源ユニット 42…中継基板 44…24Vトランス 46…代表ランプ 50…取付部材 50a,50b…取付位置調整可能孔 52…本体部 54…作動腕 56…補給筒 58a…作動腕延長部材 58b…摺動部材 60…蝶螺子
64…ベース部材 66a,60b…螺子 68…蝶螺子 70…賞品球タンク 70a…壁面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パチンコ遊技機が開閉可能に取り付けられたパチンコ島台の補給径路から供給されるパチンコ球を、前記パチンコ遊技機の裏面に設置された賞品球タンクに補給する賞品球補給装置であって、
前記パチンコ島台に取り付けられる本体部と、
所定の軸部材を介して前記本体部に回動可能に取り付けられ、通常時は所定の基準位置にあり、前記パチンコ遊技機が前記パチンコ島台に対して閉じられると、前記賞品球タンクの外壁に当接して前記基準位置から所定の作動位置へ回動する様に構成されている作動腕と、
該作動腕が前記作動位置にある場合にはパチンコ球が通過可能となり、前記作動位置以外の位置にある場合にはパチンコ球が通過不能となるパチンコ球通過切換機構を備える補給筒と、
を備え、前記作動腕に、当該作動腕を延長するための作動腕延長部材を着脱可能に取り付けたことを特徴とする賞品球補給装置。
【請求項2】
パチンコ遊技機が開閉可能に取り付けられたパチンコ島台の補給径路から供給されるパチンコ球を、前記パチンコ遊技機の裏面に設置された賞品球タンクに補給する賞品球補給装置であって、
前記パチンコ島台に設置された本体部と、
所定の軸部材を介して前記本体部に回動可能に取り付けられ、通常時は所定の基準位置にあり、前記パチンコ遊技機が前記パチンコ島台に対して閉じられると、前記賞品球タンクの外壁に当接して前記基準位置から所定の作動位置へ回動する様に構成されている作動腕と、
該作動腕が前記作動位置にある場合にはパチンコ球が通過可能となり、前記作動位置以外の位置にある場合にはパチンコ球が通過不能となるパチンコ球通過切換機構を備える補給筒と、
を備え、前記作動腕は、前記賞品球タンクの外壁と当接する部位が当該作動腕の長手方向に伸縮可能に構成されていることを特徴とする賞品球補給装置。
【請求項3】
前記作動腕は、前記賞品球タンクの外壁と当接する部位に、当該作動腕の長手方向に摺動可能な摺動部材を備え、
該摺動部材の摺動により長手方向に伸縮する様に構成されていることを特徴とする請求項2に記載の賞品球補給装置。
【請求項4】
パチンコ遊技機が開閉可能に取り付けられたパチンコ島台の補給径路から供給されるパチンコ球を、前記パチンコ遊技機の裏面に設置された賞品球タンクに補給する賞品球補給装置であって、
前記パチンコ島台に設置された本体部と、
所定の軸部材を介して前記本体部に回動可能に取り付けられ、通常時は所定の基準位置にあり、前記パチンコ遊技機が前記パチンコ島台に対して閉じられると、前記賞品球タンクの外壁に当接して前記基準位置から所定の作動位置へ回動する様に構成されている作動腕と、
該作動腕が前記作動位置にある場合にはパチンコ球が通過可能となり、前記作動位置以外の位置にある場合にはパチンコ球が通過不能となるパチンコ球通過切換機構を備える補給筒と、
前記本体部を前記パチンコ島台に取り付けるために前記パチンコ島台に対して螺子等で固定するための螺子孔が形成された取付部材と、
を備え、前記取付部材の螺子孔は、当該取付部材の取付位置を前記パチンコ島台の奥行き方向に変更可能な形状であることを特徴とする賞品球補給装置。
【請求項5】
前記本体部を前記パチンコ島台に取り付けるために前記パチンコ島台に対して螺子等で固定するための螺子孔が形成された取付部材を備え、
前記取付部材の螺子孔は、当該取付部材の取付位置を前記パチンコ島台の奥行き方向に変更可能な形状であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の賞品球補給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−136249(P2011−136249A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−91313(P2011−91313)
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【分割の表示】特願2001−99575(P2001−99575)の分割
【原出願日】平成13年3月30日(2001.3.30)
【出願人】(000150051)株式会社竹屋 (389)
【Fターム(参考)】