説明

賦香方法及び製品

本発明の一態様は、洗濯洗剤製品であって、(a)包装と、前記包装が、(1)容器と、(2)クロージャとを含んでなり、(b)周囲の貯蔵温度で注出可能であり、かつ、包装から流体洗濯洗剤と共に注出可能な少なくとも1つの材料を含んでなる流体洗濯洗剤と、前記材料が、(1)洗剤との共注出が可能な香料組成物;(2)布地ケア添加剤;(3)洗濯特有の洗浄性添加剤;(4)酵素;(5)揮発性の悪臭化合物;及び(6)それらのいずれかの組み合わせから選択されてなり、(c)ヘッドスペースと、並びに(d)洗剤との共注出が不可能な香料組成物とを含んでなる、洗濯洗剤製品に関する。本発明の他の態様は、流体洗濯洗剤包装を製造する方法又は組み立てる方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
流体洗濯洗剤製品は、処方及び包装に関係した固有の課題を有する独特の消費者製品カテゴリーとして周知である。そのような製品は、一般に、香料を含有し、製品がそこから比較的広口の注出口を通じて注出される、ボトルなどの包装に入れられて販売される。消費者は、一般に、包装を開封して製品の匂いを嗅ぐときはいつでも、また同様に、洗濯室内及び洗濯された衣服の清浄かつ爽やかな香りなど、洗濯経験の後半の時点でも清浄かつ爽やかな香りを望む。
【0002】
重質液体洗剤などの賦香された洗濯洗剤製品には、依然として多くの欠点がある。例えば、香料は、コストのかかる成分の複雑な混合物であり、しばしば、液体洗濯洗剤製品と化学的に反応性があるか又は不適合である。このことは、香料及び香料が相互作用する材料の両方共に、悪影響を与えることがある。さらに、これらの適合性の問題は、固体形態の洗剤の場合に、又は便器洗浄剤、自動食器洗い製品、シャンプー、若しくは食器洗浄剤など、技術的により単純な洗浄製品の場合に直面する問題よりもはるかに大きい可能性がある。特に、シャンプー及び食器手洗い用製品は、製品がそれを通って搾られる制限オリフィスを有する包装に入れられて販売され、したがって消費者がそれを通じて製品の匂いを嗅ぐことのできる大きな開口部を有さない。
【0003】
固体形態の洗剤とは対照的に、流体洗剤成分は、望ましくない香りをもつ特定の構成成分を含有することがあり、またさらに、液体洗濯洗剤は、香料の安定化を困難にする、問題の多い一連の補助剤を含有する。さらに、コストのかかる香料の大部分は、製品が自動洗濯機で衣服を洗うために使用されるときに「配水管に流されて」失われることがある。最後に、洗剤は、消費者にとって許容可能な、全体的な香料特徴を有さなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、包装開封時の改善された香料の印象、香料成分の改善された使用効率、香料と洗剤とのより良好な適合性、製品を使用する間の様々な時点での及びその後の洗濯された織物のより良好な香料の印象、様々な最新性能の補助剤を組み込む能力、並びに一般的に入手可能な洗剤材料の悪臭を効果的に制御する能力をもたらす洗濯洗剤製品、特に注出可能な包装された重質液体洗濯洗剤が必要とされている。
【0005】
これらの必要は、布地洗濯の特定の状況で消費者が求める香料の嗅覚特徴に関して消費者を満足させられるような方式で、かつ、包装及び洗剤の構成成分が販売されるべき製品へと組み立てられるときの製造上の複雑さを増大させることなく満たされなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、洗濯洗剤製品であって、
(a)包装と、
前記包装が、
(1)容器、典型的にはボトルと、
(2)クロージャと
を含んでなり、
(b)周囲の貯蔵温度で注出可能であり、かつ、包装から流体洗濯洗剤と共に注出可能な少なくとも1つの材料を含んでなる流体洗濯洗剤と、
前記材料が、
(1)洗剤との共注出が可能な香料組成物(典型的には、これは本明細書で後述する、共注出不可能な香料組成物とは対照的に、ボトルから注ぎ出る1つ以上の香料組成物を意味する);
(2)布地ケア添加剤(典型的には、これにはカチオン性布地柔軟仕上げ剤、シリコーンポリマー、染料定着剤、移染防止剤、カチオン性ガム、及びこれらの混合物の1つ以上を含めることができる);
(3)洗濯特有の洗浄性添加剤(典型的には、これには1つ以上の蛍光増白剤、布地洗濯と適合性のある非染色性染料、布地と適合性のある漂白剤、洗濯汚れ放出ポリマー、洗濯汚れ懸濁ポリマー、及びこれらの混合物を含めることができる);
(4)酵素(典型的には、プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、又はこれらの混合物);
(5)揮発性の悪臭化合物(典型的には、商用グレードの洗剤界面活性剤若しくは柔軟仕上げ剤で見られる悪臭化合物);並びに
(6)それらのいずれかの組み合わせ
から選択されてなり、
(c)ヘッドスペース(クロージャ開封時の消費者による嗅覚的サンプリングに適している)と、並びに
(d)洗剤との共注出が不可能な香料組成物と
を含んでなるものであり、流体洗濯洗剤との共注出が不可能であることは、周囲の貯蔵温度、例えば、約25℃で判定され、典型的には、この後者の構成成分は、通常の使用条件下で洗剤が注ぎ出されるときに構成成分が包装から出てこないという意味で共注出不可能である、洗濯洗剤製品に関する。これを達成するために、共注出不可能な組成物は、好ましくは周囲の貯蔵温度下で固体(きわめて粘稠なガラス若しくはゲルを含める)形態のままであり、好ましくは、包装の内部に(直接若しくは別個の接着剤を用いて)添付されるか、又は包装の開口部よりも大きな寸法を有する物体に添付されてなり、ここで、流体洗濯洗剤、ヘッドスペース、及び洗剤との共注出が不可能な香料組成物が合わせて包装内に収められてなることにより、包装の50%(v/v)よりも多くが流体洗濯洗剤で満たされているときに、包装が上下逆さまにされると、流体洗濯洗剤が、洗剤との共注出が不可能な香料組成物を濡らすことができるものであり、(ii)構成成分(b)(1)、(b)(5)、及び(d)から選択されてなる、製品の潜在的に揮発性のある構成成分のヘッドスペース内への揮発が可能である。
【0007】
典型的には、ヘッドスペースは、流体洗濯洗剤の上方に位置決めされているか、又は包装を傾けることによってヘッドスペースを流体洗剤組成物の上方の位置に至らせることができることにより、消費者がクロージャ開封時に、包装から流体洗濯洗剤を注ぎ出すことなくヘッドスペースを嗅覚的にサンプリングできるものであり、洗剤との共注出が不可能な香料組成物は、クロージャ固定時に搾り出すことのできる保護されたクロージャライナー又はO−リング保持香料以外の物理形態を有する。
【0008】
本発明の他の態様は、流体洗濯洗剤包装を製造する方法又は組み立てる方法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の一態様は、洗濯洗剤製品であって、
(a)包装と、
前記包装が、
(1)容器と、
(2)クロージャと
を含んでなり、
(b)周囲の貯蔵温度で注出可能であり、かつ、包装から流体洗濯洗剤と共に注出可能な少なくとも1つの材料を含んでなる流体洗濯洗剤と、
前記材料が、
(1)洗剤との共注出が可能な香料組成物;
(2)布地ケア添加剤;
(3)洗濯特有の洗浄性添加剤;
(4)酵素;
(5)揮発性の悪臭化合物;及び
(6)それらのいずれかの組み合わせ
から選択されてなり、
(c)ヘッドスペースと、並びに
(d)洗剤との共注出が不可能な香料組成物と
を含んでなる、洗濯洗剤製品に関する。
【0010】
特定の実施形態では、洗濯洗剤製品は、(a)包装と、前記包装が、(1)容器と、(2)クロージャとを含んでなり、(b)周囲の貯蔵温度で注出可能であり、かつ、包装から流体洗濯洗剤と共に注出可能な少なくとも1つの材料を含んでなる流体洗濯洗剤と、前記材料が、洗剤との共注出が可能な香料組成物であり、(c)ヘッドスペースと、並びに(d)洗剤との共注出が不可能な香料組成物とを含んでなる。
【0011】
特定の実施形態では、洗濯洗剤製品は、(a)包装と、前記包装が、(1)容器と、(2)クロージャとを含んでなり、(b)周囲の貯蔵温度で注出可能であり、かつ、包装から流体洗濯洗剤と共に注出可能な少なくとも1つの材料を含んでなる流体洗濯洗剤と、前記材料が、布地ケア添加剤、好ましくはシリコーンポリマーであり、(c)ヘッドスペースと、並びに(d)洗剤との共注出が不可能な香料組成物とを含んでなる。
【0012】
特定の実施形態では、洗濯洗剤製品は、(a)包装と、前記包装が、(1)容器と、(2)クロージャとを含んでなり、(b)周囲の貯蔵温度で注出可能であり、かつ、包装から流体洗濯洗剤と共に注出可能な少なくとも1つの材料を含んでなる流体洗濯洗剤と、前記材料が、洗濯特有の洗浄性添加剤であり、(c)ヘッドスペースと、並びに(d)洗剤との共注出が不可能な香料組成物とを含んでなる。
【0013】
特定の実施形態では、洗濯特有の洗浄性剤は、移染防止剤、蛍光増白剤、布地洗濯と適合性のある非染色性染料、布地と適合性のある漂白剤、洗濯汚れ放出ポリマー、洗濯汚れ懸濁ポリマー、又はこれらのいずれかの組み合わせから選択される。
【0014】
特定の実施形態では、洗濯洗剤製品は、(a)包装と、前記包装が、(1)容器と、(2)クロージャとを含んでなり、(b)周囲の貯蔵温度で注出可能であり、かつ、包装から流体洗濯洗剤と共に注出可能な少なくとも1つの材料を含んでなる流体洗濯洗剤と、前記材料が、酵素であり、(c)ヘッドスペースと、並びに(d)洗剤との共注出が不可能な香料組成物とを含んでなる。
【0015】
特定の実施形態では、酵素は、タンパク質分解酵素、脂肪分解酵素、デンプン分解酵素、セルロース分解酵素、又はこれらのいずれかの組み合わせから選択される。そのような特定の実施形態では、酵素は、少なくとも1つのプロテアーゼを含んでなる。
【0016】
特定の実施形態では、洗濯洗剤製品は、(a)包装と、前記包装が、(1)容器と、(2)クロージャとを含んでなり、(b)周囲の貯蔵温度で注出可能であり、かつ、包装から流体洗濯洗剤と共に注出可能な少なくとも1つの材料を含んでなる流体洗濯洗剤と、前記材料が、揮発性の悪臭化合物であり、(c)ヘッドスペースと、並びに(d)洗剤との共注出が不可能な香料組成物とを含んでなる。
【0017】
特定の実施形態では、洗剤との共注出が不可能な香料組成物は、自己接着性である。特定の代替的な実施形態では、洗剤との共注出が不可能な香料組成物は、洗剤との共注出が不可能な香料組成物を包装に添付する接着剤をさらに含んでなる。洗剤との共注出が不可能な香料組成物をさらに隔てるために、所望により、追加のフィルム、又は香料透過性、洗剤不透過性の膜を含めてもよいが、本発明に必須ではない。
【0018】
包装
本発明の一態様は、(1)容器、典型的にはボトルと、(2)クロージャとを含んでなる包装を含んでなる洗濯洗剤製品に関する。特定の実施形態では、包装は、(3)トランジションカラーなどのトランジション構成要素をさらに含んでなる。好適な包装は、U.S.4,550,862、U.S.5,108,009、U.S.6,398,076、及びU.S.6,659,310に見ることができ、これらの開示全体を本明細書に組み込む。簡潔には、U.S.4,550,862の開示は、液体用の包装であって、(a)分与オリフィスを備えた上方に延びる口(finish)を有する、液体を収容する容器と、(b)前記容器の口の外部に据え付けられたトランジションカラーと、前記カラーが、外側に突き出る注出口と、締着手段がその内部表面上に形成された、周囲を囲む壁とを有しており、前記注ぎ口が、最大分与及び質量制御(mess control)を保証するために前記周囲を囲む壁から離隔されて上方に延びており、前記カラーが、さらに、こぼれた液体を前記容器に戻すドレーン手段を有しており、(c)クロージャの役割を果たすように適合された計量カップとを含んでなるものであり、前記計量カップが、滴下防止リップで終端する開口部を有し、その外側表面上に形成された、前記口部を取り囲む締着手段を有しており、前記外部締着手段が、計量カップが上下逆さまにされた状態で、前記トランジションカラー上の締着手段と協働して計量カップを前記トランジションカラーの内部に取り付けるように適合されている、包装について記載している。
【0019】
U.S.5,108,009の開示は、包装であって、a)外側の螺旋状隆起部と、前記外側の螺旋状隆起部の上方に配置された外側の係止周囲隆起部とを含む口部シリンダを有する容器と、b)円筒状壁と、前記円筒状壁内で前記円筒状壁から垂直に延びる、前記容器から注出される流体を調節するガイドピースとを含むプラグ本体と、c)前記円筒状壁が、その上端に外側に延びるカラーを含み、d)前記プラグ本体が、外側に延びるカラーから、前記円筒状壁から下がる外側シリンダを含み、e)前記プラグ本体外側シリンダが、内側の係止隆起部を含み、f)前記プラグ本体が、外側カラーの上面の内側周辺端上に、傾いて上方に突き出る封止隆起部を含み、g)上壁と、内側の円筒状周囲壁と、径方向に延びるキャップカラーと、前記キャップカラーから下がるキャップシリンダと、キャップシリンダの内表面上に配置された内側の螺旋状隆起部と、円筒状キャップ壁の外表面でキャップカラーの下に配置された厚くなったキャップ壁封止部分とを含んでなる、キャップを含んでなるものであり、前記外側の係止周囲隆起部が、前記内側の係止隆起部と相互嵌合(interfitting)しており、前記プラグ本体封止隆起部が、前記厚くなったキャップ壁封止部分と弾性接触しており、前記プラグが容器内に嵌合し、前記キャップが螺合されたときに、前記外側の螺旋状隆起部が前記内側の螺旋状隆起部に係合する、包装について記載している。
【0020】
U.S.6,398,076の開示は、特に、重質液体洗剤及び布地柔軟仕上げ剤などの家庭用製品を分与するための、嵌着部材並びに嵌着部材とボトル及び/又はクロージャとの組み合わせについて記載している。その発明の嵌着部材は、上方に延びる外周壁と、内側に延びる連結ウェブと、下方に延びる内周壁と、内周壁の底部から内側に延びる床部と、床部の内側端部から上方に延びる注ぎ口とを含んでなる。内周壁は、クロージャを嵌着部材に固定するのに好適な内部締着具を含む。嵌着部材は、嵌着部材上の内ねじ、及び口(finish)の上の外ねじなど、相補的な締着具によって容器の口に固定することができる。
【0021】
U.S.6,659,310の開示は、容器からの液体製品の流れを誘導し、二重注出の発生を最小限に抑える、製品分与及びドレーンバックフィッティングであって、(a)前記容器の頚部と係合するための外壁と、(b)前記外壁内の中心に位置決めされた内側注ぎ口と、(c)前記壁と前記注ぎ口との間を延びて、周囲を囲む壁(circumscribing well)を作り出す基部と、(d)前記内側注ぎ口に形成された長手方向スロットと、前記長手方向スロットが、前記基部の約30mm〜約48mm上方の地点で始まって、前記注ぎ口の長さの残りの部分を延びており、(e)前記基部に形成された、前記長手方向スロットと位置合わせされたドレーンバック穴とを含んでなるものであり、前記ドレーンバック穴が、約10mm〜約20mmの面積を有する、フィッティングについて記載している。
【0022】
特定の実施形態では、流体洗濯洗剤が、例えば不混和性である2つ以上の液体を含んでなるときには、U.S.6,644,511に記載の包装を使用することが有利な場合がある。簡潔には、単一のチャンバ内に配置された、分離されて互いに上下に位置決めされた第1の液体と第2の液体とを有する、流動可能な流体を分与するボトルが記載されている。容器は、ボトル基部と、ボトル基部からボトルの口(finish)へと上方に延びるボトル本体と、注出口を有する、基部とは反対側の端部でボトル本体上に配置された嵌着部材とを含む。嵌着部材は、第1の液体がそこから分与される第1の注出開口部と、第2の液体がそこから分与される第2の開口部とを有する。ディップチューブが、注出開口部の1つに連結されて、ボトル基部に向かって下方に突き出る。ディップチューブは、底部の液体を注出口へと運び、最上部の液体は、他の注出開口部によって注出口へと運ばれる。
【0023】
特定の実施形態では、通気孔付きクロージャデバイスを含むことが有利な場合がある。好適な通気孔付きクロージャデバイスについては、U.S.6,601,740及び6,874,656に記載されており、これらの全体を本明細書に参考として組み込む。簡潔には、U.S.6,601,740は、液体用の側面開口部と開口端とを備えた中空の本体と、クロージャ末端部分とを有し、ボトルの頚部の末端部にねじ式に係合したエンドピースねじに摺動自在に係合した、クロージャデバイスについて記載している。クロージャデバイスは、そのクロージャ末端部分が頚部とそのエンドピースとによって構成される出口導管の末端口部を画定する隆起部に接して封止されるまで頚部内へと押し下げられたときに、ボトルを封止する。デバイスがエンドピースの溝の中の下側のビードに係合するようにもち上げられたときには、中空の本体の内部と、空気入口領域及び空気出口ポートへと導く通気通路を通って空気がボトルに進入する開口部とを通じて、液体をボトルから注出することができる。液体に対する内側障壁が、中空の本体のスカートの最も幅の広い部分と頚部の内部表面との間の接触によって形成される。同様に、U.S.6,874,656は、容器から流体を分与する、容器の頚部分にねじ式係合した、容器を閉止して通気させる通気孔付きクロージャが、容器にねじ式に係合するように構成かつ配置された単一体の成型プラスチックキャップを含むことを記載している。ねじ付きキャップは、サイフォン管を受けるようにサイズ設定かつ配置された隔膜オリフィスを画定する。ガスケットが、通気孔付きクロージャと容器との間の相互嵌合(interfit)を封止するねじ付きキャップへと組み立てられる。エラストマー通気弁が、ねじ付きキャップへと組み立てられ、通気弁が、その中にスリットを備える、サイフォン管を自己封止式に受ける隔膜を含む。ねじ付きキャップ内で通気弁を捕らえるためにリテーナリングが使用され、セーフティリングが、ねじ付きキャップとの一体的組み合わせで、通気孔付きクロージャを容器上で保持する。
【0024】
特定の実施形態では、容器にチャイルドセーフティ機構を備えるよう、ドレーンバック・スナップ式注ぎ口クロージャを含むことが有利な場合がある。そのような特定の実施形態では、ドレーンバック注ぎ口嵌着部材は、容器頚部の口(finish)を覆うスナップ嵌め構造を有し、接着剤でそれに固定することができる。スナップ嵌め構造は、容器の口(finish)の径方向外側に向いた表面に係合する、内部の径方向内側に向いたビードを備えた外側の環状スカートを含む。水平な上側フランジによって外側の環状スカートから離隔されたところに、注ぎ口嵌着部材は、外ねじ付きクロージャを受けるために嵌着部材上に内ねじを備えた内側環状スカートを含む。クロージャは、嵌着部材の上側フランジに係合するねじ山の上方のプラグシールと、嵌着部材クロージャのためのチャイルドセーフティ機構を形成する、嵌着部材上の径方向内側に向いた干渉突起に係合する径方向外側に向いたラッチとを有する。そのようなクロージャの一例をU.S.6,923,341に見ることができ、その開示全体を本明細書に組み込む。
【0025】
包装を作製するために、好適ないずれの構造用プラスチックを使用してもよい。そのような構造用プラスチックとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、包装の構造用プラスチックは、U.S.6,756,350に記載されているように透明であってよく、その開示全体を本明細書に参考として組み込む。特定の代替的な実施形態では、構造用プラスチックは、不透明であってもよく、又は異なる不透明度、例えば、包装内の製品の液位をそれを通じて見ることのできる透明ストライプを有する一方、包装の残りの部分が不透明であるような構造用プラスチックを組み込んでもよい。
【0026】
特定の実施形態では、応力亀裂抵抗ボトルを使用することが有利な場合がある。そのような容器の好適な例をU.S.6,464,106及びU.S.6,223,945に見ることができ、その開示全体を本明細書に参考として組み込む。
【0027】
香料組成物
本明細書で使用するとき、用語「香料」には、界面活性剤、溶媒、及びビルダーなど、工業銘柄の洗剤補助剤中に存在し得る悪臭不純物以外の、あらゆる発香性材料が含まれる。一般的に、そのような材料は、室温における大気圧未満の蒸気圧によって特徴付けられる。本明細書で使用される香料は、ほとんどの場合、室温で液体であるが、また当該技術分野で既知の様々な樟脳系香料又は他の昇華性(sublimable)香料などの固体であってもよい。香料アルデヒド、ケトン、エステル、アルコール、及びテルペンなどの材料を含めた多種多様な化学物質が、香料用途で知られている。様々な化学構成成分の複雑な混合物を含む天然起源の植物油及び動物油並びに滲出物が、香料としての使用で知られており、このような材料を本明細書で使用することができる。本明細書の香料は、それらの組成が比較的単純なものであることもでき、又はすべて任意の所望の香りをもたらすように選択される、天然及び合成の化学香料構成成分の高度に洗練された複雑な混合物を含むこともできる。
【0028】
本発明で使用できる典型的な香料は、例えば、ビャクダン油、シベット及びパチョリ油などのような特異的な材料を含有する木質/土壌性の基剤を含む。他の好適な香料は、例えば淡い、花の芳香剤、例として、バラ抽出物、スミレ抽出物などである。香料は、望ましい果実の香り、例えば、ライム、レモン、及びオレンジなどの香りをもたらすように処方することができる。
【0029】
簡潔に言えば、心地よい、あるいは他の望ましい香りを発する、化学的に適合性のあるあらゆる材料を、香料として使用してよい。香料材料については、S.アークタンダー(S. Arctander)、香料フレーバー及び化学物質(Perfume Flavors and Chemicals)、第I巻及び第II巻、アーサー(Aurthor)、ニュージャージー州モントクレア(Montclair)、並びにメルク・インデックス(Merck Index)、第13版、メルク社(Merck & Co., Inc.)、ニュージャージー州ローウェイ(Rahway)に、より詳細に記載されている。
【0030】
本明細書で使用するとき、用語「悪臭(malodor)」及び「悪臭のある(malodorous)」には、酵素由来の短鎖脂肪酸、又はアミン、ポリアミン、アミンオキシド界面活性剤、アミド、アルカノールアミン、アンモニア、若しくはアンモニア含有部分などの窒素性化合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0031】
特定の実施形態では、本明細書で使用するための香料を、カプセル化又はマイクロカプセル化することができる。カプセル化された香料は、洗剤との共注出が不可能な香料組成物のポリマー材料全体にわたって分散させてもよい。
【0032】
あるいは、洗剤との共注出が可能な香料組成物に組み込まれる1つ以上の香料化合物をカプセル化してもよい。好ましくは、洗剤との共注出が可能な組成物中にあるカプセル化された香料化合物は、洗剤との共注出が不可能な香料組成物中には存在しない。特定の実施形態では、洗剤との共注出が可能な香料組成物をカプセル化する一方で、洗剤との共注出が不可能な香料自体を、任意で、ただし好ましくは、従来の可塑剤及び/又は粘着付与剤と組み合わせて、低融点熱可塑性物質、例えばホットメルト接着剤などのポリマー材料全体にわたって分散させてもよい。
【0033】
本明細書で使用するとき、「カプセル化」は、当該技術分野で認識されており、少量の香料を完全に取り囲むシェルの形成を指す。シェル材料は、洗剤との共注出が不可能な香料のポリマー組成物と同一であってもよく、又は香料を放出させるためにシェルを破裂させる前にも破裂させた後にもポリマー組成物の特性を損なわない他のいずれかの成分を含んでもよい。同様に、香料を、それ自体が他のカプセルと共にカプセル化されるシェル内でカプセル化してもよい。
【0034】
特定の実施形態では、洗剤との共注出が可能な香料組成物は、洗剤との共注出が不可能な香料組成物の嗅覚特徴に合致する嗅覚特徴を有する。特定の代替的な実施形態では、洗剤との共注出が可能な香料組成物は、洗剤との共注出が不可能な香料組成物の嗅覚特徴とは異なる嗅覚特徴を有する。
【0035】
香料は、典型的には、揮発性の異なる多数の構成成分から構成される。洗剤との共注出が不可能な香料組成物は、好ましくは、それらの異なる揮発性に基づいた構成成分の分離を回避し、長時間にわたって完全な香料ブーケの持続供給を可能にする。特定の好ましい実施形態では、香料は、好ましくは複数の構成成分、より好ましくは5を超える構成成分によって構成される香料である。
【0036】
洗剤との共注出が不可能な香料組成物
洗濯洗剤製品は、洗剤との共注出が不可能な香料組成物を含む。本明細書で使用するための、洗剤との共注出が不可能な好適な香料組成物には、本明細書に参考として組み込まれるWO2005/049717A2に記載の揮発性材料の持続放出のためのポリマー組成物が含まれる。洗剤からの揮発によってヘッドスペースに進入可能な香料又は悪臭(そのような材料が洗剤中に存在するとき)に加えて、洗剤との共注出が不可能な香料組成物は、香料をヘッドスペース全体に拡散させる有効な技術を提供する。
【0037】
特定の実施形態では、洗剤との共注出が不可能な香料組成物からの香料の放出は、受動的である。
【0038】
本明細書で使用するとき、用語「受動的」は、ユーザーによる介入を必要としない、拡散などによる香料組成物の放出経路を含むことが意図されている。対照的に、「能動的」放出経路は、香料組成物を放出するために、これらに限定するものではないが、スポンジなどの好適な媒質から香料を搾ること、又はねじる動作を含めた、ユーザーによる動作を必要とする。受動的放出では、好ましくは、閉止又は包装の振盪を受けるときでさえ、香料組成物の放出速度が無変化のままである。すなわち、香料組成物の急速及び/又は間欠的放出は、放出の一次機構ではない。
【0039】
特定の実施形態では、洗剤との共注出が不可能な組成物は、包装の内部部分に添付されており、ここで、洗剤との共注出が不可能な香料組成物が溶融可能であるときには、洗剤との共注出が不可能な香料組成物が、周囲の貯蔵温度よりも少なくとも約5℃、少なくとも約10℃、又はさらに少なくとも約15℃高い注出温度を有するものである。
【0040】
洗剤との共注出が不可能な香料組成物は、容器、トランジション構成要素、クロージャ、又はこれらのいずれかの組み合わせの中に配置されてよい。洗剤との共注出が不可能な香料組成物は、リング、環状ディスク、円形、正方形、長方形、又は洗剤との共注出が不可能な香料組成物がその中に組み込まれるべきスペースの形状に適した他の任意形状を含め、様々な形状のいずれかへと形成されてよい。特定の実施形態では、洗剤との共注出が不可能な香料組成物は、包装のトランジション構成要素内に、又はキャップ若しくはクロージャではなく自己排出型(self-draining)分与オリフィスを形成する要素内へと配置される。
【0041】
特定の実施形態では、洗剤との共注出が不可能な香料組成物は、包装の出口よりも大きな寸法を有し、かつ、流体洗濯洗剤中で浮揚可能な固体に吸着若しくは添付されており、ここで、香料組成物が溶融可能であるときには、それらの注出温度が周囲の貯蔵温度よりも少なくとも5℃高いものである。そのような特定の実施形態では、洗剤との共注出が不可能な香料組成物は、中空の球体の形態であるが、洗剤との共注出が不可能な該香料組成物は、これらに限定するものではないが、シート、星、花、ディスク、長方形、正方形、若しくは他の任意形状を含めた、中空又は中実のいずれか好適な形状であってもよく、ここで、洗剤との共注出が不可能な香料組成物が、包装の出口よりも大きくなるように寸法設定され、かつ、流体洗濯洗剤中で浮揚可能なものである。特定の実施形態では、包装が透明であり、かつ、洗剤との共注出が不可能な香料組成物が多数の形状及び/又は色のうちのいずれか1つであることが有利な場合がある。特定の実施形態では、洗剤との共注出が不可能な香料組成物は、1つよりも多くの色を有してよい。特定の実施形態では、包装は、1つよりも多くの、洗剤との共注出が不可能な香料組成物を含有してよい。さらに、洗剤との共注出が不可能な香料組成物は、包装の構成要素に直接的又は間接的に添付されてよい。例えば、間接的添付方法は、賦香されたホットメルト接着剤を薄いプラスチックフィルム、例えばHDPEフィルム上で固まらせ、そのフィルムを次に接着テープなどの別個の接着材料を用いて包装要素に結合させるものである。ゆえに、洗剤との共注出が不可能な香料組成物の粘着性は、常に重要なわけではない。
【0042】
特定の実施形態では、洗剤との共注出が不可能な香料組成物は、香料とポリマー組成物とを含んでなり、流体洗濯洗剤が使われてしまったときに、又は流体洗濯洗剤の残留量しか容器内に残っていないときに、好ましくは洗剤との共注出が不可能な香料組成物中に依然として検出可能な量の香料が存在するように、好ましくは、洗剤との共注出が不可能な香料組成物は、持続的な方式で、すなわち、比較的一定した放出速度で長い時間にわたって香料を放出する能力を有する。そのような特定の好ましい実施形態では、洗剤との共注出が不可能な香料組成物の香料の放出は、流体洗濯洗剤と繰り返し接触させられたときでさえ、ほぼ無変化である。換言すれば、流体洗濯洗剤自体は、洗剤との共注出が不可能な香料組成物から香料を抜き出すことはない。
【0043】
特に指示のない限り、本明細書の語句「ポリマー組成物」は、洗剤との共注出が不可能な香料組成物中で香料を供給するために使用できる熱可塑性ポリマー組成物を指す。本明細書で使用するとき、用語「ポリマー組成物」は、包装プラスチックともポリマー洗剤補助剤とも異なる。好ましくは、「ポリマー組成物」は、ボトル作製に使用される包装プラスチックの軟化温度よりも少なくとも約10℃低い軟化温度を有するが、加えられる香料が存在しない場合には少なくとも最高約35℃までの温度で共注出不可能なままである。
【0044】
特定の実施形態では、洗剤との共注出が不可能な香料組成物の香料は、ヘッドスペース内への拡散によって放出される。そのような特定の実施形態では、洗剤との共注出が不可能な香料組成物は、所望により、透過性ライナー要素によって流体洗濯洗剤から隔てられていてもよいが、そのような要素は必須ではない。そのような特定の実施形態では、ライナーは、香料材料を透過するが、流体洗濯組成物は透過しない。一般に、洗剤との共注出が不可能な香料組成物は、流体洗濯洗剤と接触させることができる。
【0045】
一般に、洗剤との共注出が不可能な香料組成物と流体洗濯洗剤との重量比率は、広く変化させることができ、例えば、約0.01グラム〜約2グラム、より典型的には約0.05グラム〜約0.5グラムの、洗剤との共注出が不可能な香料組成物が、最大約3kgまでの流体洗濯洗剤を含んでなる製品を賦香するのに十分である。
【0046】
特定の実施形態では、洗剤との共注出が不可能な香料組成物は、約1重量%〜約80重量%、好ましくは約10重量%〜約60重量%の香料を含んでなる。そのような特定の実施形態では、洗剤との共注出が不可能な洗剤組成物の残部は、熱可塑性ポリマー、可塑剤、粘着付与剤、又はこれらのいずれかの組み合わせを含んでなる。
【0047】
製品が全体として、洗剤との共注出が不可能な香料組成物と、洗剤との共注出が可能な香料組成物との両方を含んでなるときには、洗剤との共注出が可能な組成物中の香料と、洗剤との共注出が不可能な香料組成物中の香料との重量比は、約0:1〜約1:0.00001である。
【0048】
製品が全体として、洗剤との共注出が不可能な香料組成物と、洗剤との共注出が可能な香料組成物との両方を含んでなり、これらの合計が製品中の全香料の100%と見なされるときには、洗剤との共注出が不可能な香料組成物の有効量は、製品中の全香料の約0.001重量%ほどの少量、より典型的には約0.01〜約3重量%(すなわち、重量で最大100分の3)であってよい。
【0049】
他の実施形態では、流体洗剤を賦香されていないものとすることができ、洗剤との共注出が不可能な組成物の好適な量は、全香料の100重量%を含んでなることになる。
【0050】
特定の好ましい実施形態では、洗剤との共注出が可能な香料組成物は、布地持続性(fabric substantive)の香料原料の最高約0.1%まで、好ましくは最高約50%まで、より好ましくは最高約100%までを含んでなってもよい。
【0051】
特定の実施形態では、例えば、洗剤との共注出が可能な香料の濃度を製品中の全香料の約20%未満、約10%未満、又はさらに約1%未満にすることによって、他の流体洗濯洗剤成分と相互作用を起こしやすい可能性のある洗剤との共注出が可能な香料の量を最小限に抑えることが有利な場合がある。そのような特定の実施形態では、洗剤との共注出が可能な香料をポリアミンシェル内にカプセル化することが有利な場合がある。
【0052】
好適なポリマー組成物は、広い極性範囲の多種多様な香料を効果的に供給可能であり、またさらに好ましくは、高密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、及びポリプロピレンなど、プラスチック包装構築材料に良好に接着する。好適なポリマー組成物は、その極性特徴の非常に精密な調整を可能にする添加剤をさらに含んでなってもよい。これによって、可塑化されたポリマーマトリックスに導入され得るあらゆる香料との適合性を最大限にすることが可能となり、それにより、本発明によるポリマー組成物が得られる。理論に束縛されるものではないが、香料の良好な組込み及び持続供給をもたらすには、可塑化されたポリマーマトリックスと香料との間の特定の極性の合致が必要と考えられている。
【0053】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、フィルム、シート、発泡体、又は接着剤から選択される材料へと形成されてよい。そのような特定の好ましい実施形態では、ポリマー組成物は、接着剤、好ましくは固化されたホットメルト接着剤へと形成される。
【0054】
特定の実施形態では、洗剤との共注出が不可能な香料組成物は、少なくとも1つの可塑剤、少なくとも1つの粘着付与剤、又はこれらのいずれかの組み合わせをさらに含んでなる、固化されたホットメルト接着剤である。
【0055】
特定の実施形態では、洗剤との共注出が不可能な香料組成物は、流体洗濯洗剤に不溶性である。
【0056】
洗剤との共注出が不可能な香料組成物は、いずれか好適な方法を使用して包装に添付されてよい。そのような特定の実施形態では、洗剤との共注出が不可能な香料組成物がそれに添付される包装の表面は、初めに局所的粗面処理にさらされる。そのような局所的粗面処理の方法は、当該技術分野において周知であり、例えば、本来は滑らかな包装プラスチックの擦過(abrasion)による。
【0057】
特定の実施形態では、好適なポリマー組成物を、好ましくは約100℃未満、場合によっては約70℃未満の低い適用温度を有するホットメルト接着剤として処方することができる。これは、処理温度が高いほど、組成物の製造中に組み込まれる香料のかなりの量を蒸発によって失う危険が大きくなるので、香料を組み込むために使用される材料にとって特に望ましい特性である。さらに、適用温度又は処理温度が高いほど、ポリマー組成物の処理に関係した安全上の危険を増大させることがある。好適なホットメルト接着剤の例は、U.S.6,084,010及びU.S.5,827,913に見ることができ、その開示全体を本明細書に参考として組み込む。
【0058】
固化され賦香されたホットメルト接着剤は、約85℃未満の処理温度で熱可塑性樹脂を香料で処理して均質な混合物を形成することにより、製造することができる。そのような特定の実施形態では、熱可塑性樹脂は、香料を含んでなる流体に加えられる。したがって、固化され賦香されたホットメルト接着剤を製造する方法は、約85℃未満の処理温度で熱可塑性樹脂を香料で処理して均質な混合物を形成する工程を含んでなる。特定の実施形態では、方法は、香料を含んでなる流体に熱可塑性樹脂を加えることによって熱可塑性樹脂を処理する工程を含んでなる。
【0059】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、a)エチレンと少なくとも1つのヘテロ原子を含んでなる少なくとも別のモノマーとのコポリマーと、b)少なくともヘテロ原子を含んでなる10%よりも多くの可塑剤とを含んでなる。そのような組成物は、フィルム、シート、発泡体、及び接着剤、好ましくは接着剤、より好ましくはホットメルト接着剤へと形成されてよい。これらのホットメルト接着剤組成物は、好ましくは、ほとんどの基材(プラスチックフィルム、発泡体、及び厚紙など)への接着性が良好である。
【0060】
好適なコポリマーは、ブロックコポリマー若しくは非ブロックコポリマー、グラフトコポリマー、側鎖若しくは架橋をもつコポリマー、又はエチレンモノマーが少なくとも1つのヘテロ原子を含んでなるモノマーとランダムに共重合したコポリマーであってよい。
【0061】
エチレンの好適なコポリマーは、例えば、エチレン−ビニルエステルコポリマー、エチレン−アクリル酸エステルコポリマー、エチレン−メタクリル酸エステルコポリマー、エチレン−アクリル酸コポリマー及びこれらの塩、エチレン−メタクリル酸コポリマー及びこれらの塩、エチレン−ビニルエステル−アクリル酸コポリマー、エチレン−ビニルエステル−メタクリル酸コポリマー、エチレン−ビニルエステル−無水マレイン酸コポリマー、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸コポリマー、エチレン−ビニルエステル−グリシジルメタクリレートコポリマー、エチレン−アクリル酸エステル−グリシジルメタクリレートコポリマー、エチレン−無水マレイン酸コポリマー、エチレン−グリシジルメタクリレートコポリマーである。
【0062】
コポリマー中に少なくとも1つのヘテロ原子を含んでなるモノマーは、好ましくは、コポリマーの総重量の10%〜90%、より好ましくは少なくとも14%、最も好ましくは少なくとも18%に相当する。
【0063】
特に好ましいコポリマーは、デュポン(Dupont)から商品名エルバックス(Elvax)(商標)として、アトフィナ(Atofina)からエバサン(Evathane)(商標)として、エクソン(Exxon)からエスコレン(Escorene)(商標)として、バイエル(Bayer)からレバプレン(Levapren)(商標)及びレバメルト(Levamelt)(商標)として販売されているようなエチレン−ビニルアセテートコポリマー、並びにアトフィナ(Atofina)から商品名ロートリル(Lotryl)(商標)として販売されているようなエチレン−アクリル酸エステルコポリマーである。
【0064】
用語「少なくともヘテロ原子を含んでなるモノマー」には、分子中に少なくともC−X結合を含んでなり、XがCでもHでもない、すべてのモノマーが含まれる。前記C−X結合は、好ましくは極性結合である。好ましくは、炭素原子は、N、S、F、Cl、又はO原子に結合している。より好ましくは前記極性結合は、カルボニル基の、より好ましくはエステル基の一部である。本発明のための好ましい、少なくともヘテロ原子を含んでなるモノマーは、ビニルアセテート、ビニルアルコール、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、アクリル酸及びこれから形成される塩、メタクリル酸及びこれから形成される塩、無水マレイン酸、グリシジルメタクリレート、及び一酸化炭素である。
【0065】
本発明のポリマー組成物のための第2の構成成分は、少なくとも1つのヘテロ原子を含んでなる可塑剤又は可塑剤のブレンドであり、その可塑剤又は可塑剤のブレンドは、エチレンと、少なくともヘテロ原子を含んでなる少なくとも別のモノマーとのコポリマーと適合性がある。用語「少なくともヘテロ原子を含んでなる可塑剤」には、分子中に少なくともC−X結合を含んでなり、XがCでもHでもない、すべての可塑剤が含まれる。前記C−X結合は、好ましくは極性結合である。好ましくは、炭素原子は、N、S、F、Cl、又はO原子に結合している。より好ましくは前記極性結合は、カルボニル基の、より好ましくはエステル基の一部である。
【0066】
本発明によるポリマー組成物で使用するのに好適な可塑剤は、その全体を本明細書に参考として組み込まれるWO2005/049717A2に記載されており、可塑剤としては、クエン酸エステル、低分子量ポリエステル、ポリエーテル、液体ロジンエステル、芳香族スルホンアミド、フタレート、ベンゾエート、スクロースエステル、多官能性アルコールの誘導体(多官能性とは、2つ以上のヒドロキシル基を有することを意味する)、アジペート、タータラート、セバケート、リン酸、脂肪酸、及び二酸のエステル、脂肪族アルコール及びジオール、エポキシ化植物油など、並びにこれらの混合物が挙げられる。以上で既に述べたように、適合性のある様々な可塑剤の様々な極性(当業者に既知の任意の方法、例えば、水/オクタノール分配係数によって測定可能)を使用して、香料の極性とのより良好な合致をもたらすようにポリマーマトリックスの極性を調整することができる。
【0067】
本発明のポリマー組成物は、好ましくは熱可塑性ポリマー組成物である。これらは、熱可塑性ポリマー組成物を製造するいずれか既知のプロセスを用いて製造することができ、典型的には、ポリマーを溶融させる工程と、次いで可塑剤と香料とを均質にブレンドして均質な塊を形成し、次いでその塊を冷却してポリマー組成物を得る工程とを含んでなる。熱可塑性組成物の中で好ましいのは、低い溶融温度及び粘度を有するもの、したがってホットメルトとして処理できるものである。これらのホットメルト系では、ブレンド時並びにその後の溶融状態での適用時の香料の損失が最小限に抑えられる。
【0068】
本発明によるポリマー組成物が熱可塑性組成物であるときに好ましくは使用でき、かつ、好ましくは賦香されたホットメルト接着剤として使用するのに好適な他の任意成分は、本発明の組成物の接着能をさらに高めるための、ロジン誘導体、脂肪族樹脂、芳香族樹脂、又は脂肪族−芳香族混合樹脂などの粘着付与樹脂である。他のポリマー又はコポリマー、充填剤、架橋剤、顔料、染料、酸化防止剤及び他の安定化剤などのような更なる任意成分を添加して組成物に所望の特性を与えることもできる。
【0069】
ポリマー組成物は、また、中間工程又は最終工程として、ポリマー溶液を使用して調製されてもよい。この種類の調製は、当業者には周知であり、典型的には、選択されたポリマー、可塑剤、及び香料を有効な溶媒に溶解させる工程と、必要に応じて溶液又はゲルを調製するために加熱する工程とを含んでなる。次いで、溶媒を蒸発によって除去し、それによってその中に分散した香料を含有するポリマー組成物を提供することができる。
【0070】
あるいは、ポリマー組成物を水性エマルション又は分散液の形態で調製してもよい。ポリマーの水性エマルション又は分散液を得る技術は、当業者には周知である。例えば、選択されたポリマー、可塑剤、及び香料を、熱可塑性材料として合わせてブレンドすることができる。次いで、得られる溶融物を、好ましくはその融点よりも高い温度で、混合によって水に分散させることができ、当業者に既知の界面活性剤及び/又は安定化系を使用して、得られるエマルション又は分散液を安定化させることができる。
【0071】
特定の代替的な実施形態では、予め形成された水性ポリマー分散液又はエマルションを、選択された可塑剤及び香料とブレンドすることができる。これは、成分をポリマー分散液若しくはエマルションに直接加えることによって、又は、例えば、香料と可塑剤との水性分散液を形成し、これをポリマー分散液若しくはエマルションとブレンドすることによって、達成することができる。両方の手順が、ポリマー組成物の水性分散液の形成をもたらす。次いで、水を蒸発によって除去することができる。
【0072】
別の方法としては、可塑剤及び/又は香料の存在下でコポリマーを水分散液中に直接形成することもできる。このプロセスは、分散した香料及び/若しくは可塑剤を含有する水中のモノマー若しくはプレポリマーの溶液又は分散液と、それに続く、ポリマー分散液を形成するための開始(initiation)とを伴うことがある。必要ならば、後で、分散されたポリマー組成物を生成するために香料又は可塑剤を代替的に加えることもできる。
【0073】
ポリマー組成物は、そのレオロジー及びその接着特性ゆえに、選択された基材上に溶融状態で適用されて基材に直接接着するのに特に有用である。それらは、例えば、賦香されたヘッドスペースを作り出すために香料を放出することによって容器内のヘッドスペースを好適に修飾するために、好適な位置で容器の内表面に適用することができる。そのような放出は、「受動的」である。すなわち、人間の介入又は物理的変位を必要としない。特定の実施形態では、容器の内表面への適用は、容器を製造する間に実施されてよい。ポリマー組成物は、いずれか好適なホットメルトデリバリーシステムを使用して適用されてよい。これらのシステムは、典型的には、加工可能な粘度の材料を提供する温度でホットメルトを維持する溶融ユニットを含む。溶融ユニットは、典型的には、ホットメルトがグルーガン又はノズルに達するまでホットメルトをホースを通じて送り込むことができるポンピングシステムを備える。ノズルは、グルーの所望の適用形態(コーティング、ストライプ、ビーズ等)によって異なる幾何学形状を有することができる。典型的な実施形態では、グルーガンとしてスロットノズルを用いることができる。
【0074】
洗剤との共注出が不可能な香料組成物、又は本明細書の好ましい賦香されたホットメルト接着剤組成物などの材料に適用される、用語「実質的に可溶性」は、言及される材料の総量の少なくとも約80%、好ましくは少なくとも約90%が、容器内に存在する流体洗濯洗剤の総量に溶解することを意味する。
【0075】
洗剤との共注出が不可能な香料組成物の嗅覚特徴
特定の実施形態では、流体洗濯洗剤のニートな製品の香り(NPO:neat product odor)が、例えば、「素晴らしい芳香(fine fragrance)」の嗅覚コノテーションとは相異なる、良好な「清浄/爽やかな洗濯物」の嗅覚コノテーションを有することが有利である。これは、製品のNPOが、製品を使って洗浄した消費者の洗濯物の予想される匂いについての予測因子の役割を果たすはずであると、消費者が予想する可能性が高いという事実に起因すると考えられている。換言すれば、消費者心理では、嗅覚特徴の選択は、所望の最終用途に合致しなければならない。
【0076】
したがって、本明細書の洗剤との共注出が不可能な香料を、揮発性の香料原料(PRM:perfume raw materials)に焦点を当て、当該技術分野で「残留」若しくは「持続的」と呼ばれるPRMにはさほど焦点を当てずに、洗濯香料として処方すべきであることが好ましい。(以下でさらに説明する洗剤との共注出が可能な香料組成物について、逆もまた真である)。
【0077】
洗剤との共注出が不可能な香料において使用するのに好適なPRMとしては:メチルノニルアセトアルデヒド、デシルアルデヒド、若しくはラウリンアルデヒドなどのアルデヒディック(aldehydic);PTブシナール、ヘキシルシンナミックアルデヒド、ヘキシルサリチレート、ベンジルアセテート、若しくはペオニル(peonile)などのフローラル;オレンジ油、レモン油、レモニル(lemonile)、ゲルニルニトリル(gernyl nitrile)、若しくはジヒドロミルセノールなどのシトラス;フルテン(frutene)若しくはフロルアセテート(floracetate)などのフルーティ;ウンデカファートル(undecavertol)、メチルフェニルカルビニルアセテート、β,γ−ヘキセノール、若しくはトリプラールなどのグリーン;イソEスーパー、メチルセドリローン(methyl cedrylone)、若しくはパチョリなどのウッディ;又は、ハバノリド若しくはガラクソリドなどのムスキーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0078】
さらに、洗剤との共注出が不可能な香料が、製品全体の香りに「及ぶ」傾向にあるので、洗剤との共注出が不可能な香料自体が、製品の香りとブレンドし合う、より単純な「アコード」とは相異なる、完全に処方された香料を含んでなるべきであることが好ましい。
【0079】
洗剤との共注出が不可能な香料組成物又は本明細書の好ましい賦香されたホットメルト接着剤組成物などの材料に適用される、用語「実質的に不溶性」は、言及される材料の総量の約20%未満、好ましくは約10%未満が、容器内に存在する流体洗濯洗剤の総量に溶解することを意味する。
【0080】
本明細書で使用するとき、「残留量」は、もとの量の最大約5重量%まで、好ましくは最大約3重量%まで、より好ましくは最大約1重量%までを含むことが意図されている。
【0081】
流体洗濯洗剤
本製品は、流体洗濯洗剤を含んでなる。典型的には、流体洗濯洗剤の量は、洗剤との共注出が不可能な香料組成物を定義する際に、上記した重量比率に従う。流体洗剤は、典型的には、完全に洗剤で詰められたときに、それでも少なくとも約1ミリリットル、又はさらに少なくとも5ミリリットルのヘッドスペース容積を有するような十分な内部容量を有する包装内に、1リットル、1と1/2リットル、3リットル、又は5リットルの体積で提供される。
【0082】
特定の実施形態では、本明細書の流体洗濯洗剤は、注出可能な液体又はゲルである。そのような洗剤は、注出可能なままであれば、様々な粘度を有することができる。好適な粘度、粘度の測定、及び増粘剤/構造剤(structurants)については、WO05/012475、WO05/059077、及びWO05/026303に記載されており、これらの全体を本明細書に参考として組み込む。簡潔には、粘度は、指定された一定の低い応力下で、例えば、500ミクロンの隙間を有する40mmステンレス鋼平行プレートを備えたキャリメドCLS100粘度計(Carrimed CLS 100 Viscometer)を使用して測定される粘度を特定することによって、定量化することができる。反対に、明確に示さない限り、本明細書全体を通して述べられるすべての粘度は、好適には、剪断速度21s−1、温度25℃で測定される。
【0083】
好適な流体洗濯洗剤は、構造化された(structured)又は等方性のものであってよい。それらは、界面活性剤を使用して内部構造化(internally structured)されても、増粘剤を使用して外部構造化(externally structured)されてもよい。それらは、一緒に流れる1つ以上の相を有してよい。流体洗濯洗剤は、好ましくは少なくとも約90重量%の単一の流体相を含んでなり、単純な注出可能な液体又は注出可能なゲルである。ゆえに、本明細書の流体洗濯洗剤は、好ましくは、粘度によって特徴付けられる注出可能な液体から注出可能なゲルまでにわたる。
【0084】
特定の実施形態では、流体洗濯洗剤組成物は、好ましくは約1,500mPa未満、約1,000mPa未満、又はさらに約500mPa未満の粘度を有する、注出可能な液体である。
【0085】
特定の実施形態では、流体洗濯洗剤組成物は、好ましくは約1,500mPa〜約6,000mPa、約1,500mPa〜約4,000mPa、約1,500mPa〜約3,000mPa、又はさらに約1,500mPa〜約2,000mPaの粘度を有する、注出可能なゲルである。
【0086】
好適な流体洗濯洗剤は、残部の界面活性剤及び/又はビルダー及び/又はキャリアと共に包装から共注出が可能な少なくとも1つの材料を含んでなる。材料は、(1)洗剤との共注出が可能な香料組成物、(2)布地ケア添加剤、(3)洗濯特有の洗浄性添加剤、(4)布地洗濯に好適な酵素、(5)揮発性の悪臭化合物、又は(6)これらのいずれかの組み合わせから選択される。
【0087】
(1)洗剤との共注出が可能な香料組成物
本明細書の好適な流体洗濯洗剤には、洗剤との共注出が可能な香料組成物を含んでなるものが含まれる。洗剤との共注出が可能な香料組成物は、形態は様々であり、かつ、香油若しくは香料エマルションであってよく、又は香油と香料材料の微小粒子若しくはマイクロカプセル化物(microencapsulates)との両方を含んでなる混合物であることができる。
【0088】
洗剤との共注出が可能な香料組成物の好適な濃度は、流体洗剤組成物の約0.0001〜約10重量%、約0.001〜約2重量%、又はさらに約0.001〜約1重量%を構成する。特定の実施形態では、洗剤との共注出が可能な香料組成物は、0.01%〜約1%の香料マイクロカプセル及び/又はアミン利用若しくは他の布地持続性(fabric substantive)が高い香料を含んでなる。
【0089】
特定の実施形態では、洗剤との共注出が可能な香料組成物が、溶液、分散液、又は懸濁液を提供するために流体洗濯洗剤に完全に混合されることが有利な場合がある。そのような特定の実施形態では、貯蔵安定性を改善するために増粘剤を使用してよい。洗剤との共注出が可能な好ましい香料組成物は、当該技術分野において既知のプロフレグランス(pro-fragrances)若しくはプロ香料(pro-perfumes)を含めた既知の香料材料を含んでなる。例えば、エトキシ化ポリアルキレンイミンを含むβケトエステルプロフレグランスについて記載する、その全体が本明細書に参考として組み込まれるWO00/00580、及びシリコーンプロフレグランスについて記載する、その全体が本明細書に参考として組み込まれるWO99/46318を参照のこと。
【0090】
単純なアコード又は単一の香料化合物とは異なる、完全に処方された香料が好ましい。特定の実施形態では、洗剤との共注出が可能な香料組成物は、液体香料処方を香料マイクロカプセルと合わせた混合物を含んでなる。さらに、香料マイクロカプセル又はアミン利用香料供給を使用するときには、本発明は、従来の液体香料処方が流体洗剤に加えられない実施形態を含む。
【0091】
本明細書の香料マイクロカプセルは、それらが包装から洗濯洗剤組成物と共に注出可能であるように、本明細書の流体洗濯洗剤組成物中に分散又は懸濁されるのに十分に小さいサイズを有する離散粒子の形態を有する任意のカプセル化された香料である。「カプセル化された」は、一般に香料を閉囲する1つ以上のコーティング層が存在することを意味する。カプセル化物(encapsulate)内に収められた香料は、液体又は固体形態であることができ、均質又は不均質に分散していることができる。好適な粒径は、ナノメートルスケールからミクロンスケールまで、場合によってはミリメートルスケールにまでわたる。典型的な粒径は、1ミクロン〜1mmにわたる。本明細書の実施形態では、カプセル化された香料は、それがその上に付着される布地上に目に見える残留物をほとんど又は全く残さない。
【0092】
好ましい実施形態では、香料マイクロカプセルは、濾過によって布地に閉じ込められるのに好適な粒径を有することから、反対の正味表面電荷を有することによる(典型的には負に帯電した)布地への静電引力までにわたる、化学的及び/又は物理的メカニズムによって、洗剤で洗濯する間の布地上への付着が測定可能なほどに増加する。他の好ましい実施形態では、香料マイクロカプセルは、粘着性によって布地に接着するもの、より具体的には、粘着性粒子と一致する付着仕事量を有するものである。
【0093】
好適なカプセル化又はマイクロカプセル化された香料、すなわち、香料マイクロカプセルについては、U.S.2004/0072719、U.S.6,225,372、U.S.6,359,031、U.S.4,234,627、U.S.3,516,941、U.S.6,916,780、U.S.4,919,841、U.S.5,281,356、U.S.5,281,357、U.S.5,281,355、及びカーク・オスマーの工業化学百科事典(Kirk Othmer’s Encyclopedia of Chemical Technology)の芳香剤のカプセル化(Fragrance Encapsulation)の項に記載されており、これらの全体を本明細書に参考として組み込む。好適なカプセル化系としては、蝋、アミノプラスト、及びエマルション重合系が挙げられるが、これらに限定されない。コーティングは、カチオン性であっても、帯電していなくてもよい。洗剤との共注出が可能な香料組成物で使用するための香料をカプセル化する際には、例えば、セレッセンス・インターナショナル社(Celesscence International Ltd)から市販の香料負荷されたメラミン−ホルムアルデヒドカプセルスラリーに適用された特定のカチオン性コーティングを利用する、以上で参照したU.S.2004/0072719A1の実施例7で好適に教示されているように、(i)洗剤中への香料の拡散を低減又は制限すること、及び(ii)香料の布地持続性(fabric substantivity)を高めることが好ましい。一様なサイズの粒子は、その全体が本明細書に参考として組み込まれるU.S.6,890,592に記載されているようなプロセスによって作製することができる。
【0094】
他の実施形態では、洗剤との共注出が可能な香料組成物は、液体香料処方を、任意で液体香料と予め混合された、アミノ又はポリアミノ官能性化合物と合わせた混合物を含んでなる。本明細書の香料の布地付着を向上させるためのポリアミノ又はポリイミン化合物のそのような使用は、集合的に、「アミン利用(amine-assisted)香料デリバリーマトリックス」に関わるもの、又は代替語「アミン利用香料」と呼ばれる。
【0095】
本明細書のアミン利用香料又は香料デリバリーシステムには、香料化合物若しくは香料化合物の混合物と有機アミン若しくはポリアミンとの間の化学的及び/又は物理的相互作用によって、流体洗剤の存在下で洗濯されたときの布地上への付着が改善された、あらゆる香料化合物又は香料化合物の混合物が含まれる。アミン若しくはポリアミンは、香料化合物とは別個に又は香料化合物と一緒に、洗剤に加えることができる。好ましくは、アミン若しくはポリアミンは、香料化合物とのプレミックスの形態ではなく、別個に洗剤に加えられる。アミン若しくはポリアミンは、好ましくは少なくとも1つ、より好ましくは複数の1級及び/又は2級アミン部分を含んでなる。アミン利用香料又はアミン若しくはポリアミン利用香料デリバリーシステムを含んでなる好ましい実施形態では、アミンは、低い蒸気圧を有し、例えば少なくとも200℃の標準沸点を有していて固有の香りがほとんど又は全くなく、また好ましくは、10%水溶液中で8よりも大きいpHでアニオン性である少なくとも1つのイオン化可能な非アミン部分を含んでなる不揮発性の高分子アミンである。本明細書のアミン利用香料は、一般に、そのような実施形態の必須の高分子アミノ官能性香料付着向上材料として酵素タンパク質を含まない。さらに、本明細書のアミン利用香料は、一般に、悪臭のある低沸点アミン不純物、例えばトリメチルアミンを、多くても非常に低い濃度で、好ましくは1ppb未満含んでなる。本明細書の実施形態では、アミン利用香料は、それがその上に付着される布地上に目に見える残留物をほとんど又は全く残さない。
【0096】
アミン利用香料デリバリー及び/又は香料マイクロカプセルを含んでなる本発明の実施形態では、少なくとも約0.001重量分画(重量で1000分の1)の洗剤との共注出が可能な香料組成物が、ポリアミン利用デリバリーマトリックス、香料マイクロカプセル、又はこれらのいずれかの組み合わせに組み込まれる。洗剤との共注出が可能な香料組成物として、又はその一部として使用するための、アミン若しくはポリアミン利用香料システムは、それらの全体を本明細書に参考として組み込まれる、次の特許文献に開示されているが、U.S.2003211960、U.S.2003073607、U.S.2004097397、U.S.2003228992、U.S.2003211963、U.S.2004116320、U.S.2005009727、U.S.2005043205、U.S.6,451,751、U.S.6,511,948、U.S.6,699,823、U.S.6,790,815、U.S.2005043208、U.S.6,740,713、U.S.6,764,986、WO01/04084、及びEP1067117、これらの全体を本明細書に組み込む。
【0097】
洗剤との共注出が可能な香料組成物の処方に好適な香料化合物としては、特に、濡れた及び/又は乾いた布地の改善された香りを保証するために布地上に少なくとも部分的に付着可能な実施形態では(その全体を参考として組み込まれる米国特許第5,780,404号に「持続的香料」として記載されている香料化合物)、ベンゾフェノン、ベンジルアセテート、ベンジルアセトン、シトロネロール、シトロネリルエステル(アセテート、ホルメート、プロピオネート)、シス−3−ヘキセノール、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、ダマスコーン(α、β、δ)、ダマセノン、ダマセノン全体(damascenone total)、オイゲノール、ゲラニオール、ゲラニルエステル(アセテート、ホルメート、プロピオネート、ブチレート、チグレート、フェニルアセテート)、ゲラニルニトリル、ヘキシルシンナミックアルデヒド、イオノン(α、β、AB、γメチル)、リナロール、ラウリンアルデヒド、リナリルアセテート、リリアール、メチルジヒドロジャスモネート、ネロール、フェニルエチルアセテート、フェニルエチルエステル(ホルメート、アセテート、イソブチレート、イソバレレート、フェニルアセテート)、フェニルヘキサノール、OTBCA、PTBCA、ロサルバ、テトラヒドロリナロール、ウンデシレンアルデヒド、アミルシンナミックアルデヒド、アミルサリチレート、アニスアルデヒド、アネトール、オーランチオール、ベンジルアルコール、ベンジルエステル(ブチレート、アセテート、プロピオネート、サリチレート、ベンゾエート)、シス−ジャスモン、ジヒドロイソジャスモネート、フロールアセテート(flor acetate)、フルテン(frutene)、γデカラクトン、ヘリオナル、ヒドロキシシトロネラール、インドール、ノナラクトン、メチルベンゾエート、メチルアントラニレート、ジャスモラクトン、ウンデカラクトン、サイマール、ジメチルベンジルカルビノール、フローラルオゾン(floralozone)、フロルヒドラル、リラール、マイヨール(mayol)、マジャントール(majantol)、ムゲタノール(mugetanol)、オンシダール(oncidal)、テトラヒドロムグオール(tetrahydromuguol)、シス−3−ヘキセニルアセテート、ネオブテノン(neobutenone)、ガラクソリド、テルピネオール、ヘリオトロピン、バニリン、ジヒドロミルセノール、βメチルナフチルケトン、シトロネリルニトリル、デシルアルデヒド、マンダリル(mandaril)、ミルセニルアセテート、ミルセン、メチルノニルアセトアルデヒド、メチルオクチルアセトアルデヒド、ノニルアルデヒド、オクチルアルデヒド、オクチルアルコール、テトラヒドロミルセノール、テルピニルアセテート、αピネン、βピネン、カンフェン、ジペンテン、ユーカリプトール、フェンキルアセテート、フェンキルアルコール、テルピノレン、カルボン、メチルカビコール、メチルアミルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルサリチレート、クマライン、イソEスーパー、ベルトフィックス(vertofix)、イソγスーパー(iso gamma super)、アンブロックス(ambrox)、セタロックス(cetalox)、バクダノール(bacdanol)、サンジノール(sanjinol)、ダルタノール(dartanol)、ジャバノール(javanol)、カシュメラン(cashmeran)、カリオフィレン、ヒドロキシアンブラン(hydroxyambran)、イロン、イソブチルキノリン、ロリシア、LRG201、メチルセドリローン(methyl cedrylone)、アンブロセニド(ambrocenide)、カラナール(karanal)、ノルリンバノール(norlimbanol)、オリボン(orivone)、ポリサントール(polysantol)、ニルバノール(nirvanol)、シス−3−ヘキセニルサリチレート、ジフェニルオキシド、リグストラール、メチルへプチンカーボネート、メチルオクチンカーボネート、メチルフェニルカルビニルアセテート、カロン(calone)、フローラルオゾン(floralozone)、アリルアミルグリコレート、アリルカプロエート、アリルシクロヘキシルプロピオネート、アリルヘプトエート(allyl heptoate)、アミルアセテート、アミルプロピオネート、ベンズアルデヒド、ドデカラクトン、エチルアセテート、エチルアセトアセテート、エチルメチルフェニルグリシデート、エチル−2−メチルプロピオネート、エチル−2−メチルブチレート、エチルマルトール、マルトール、エチルバニリン、アンブレットリド、カシュメラン(cashmeran)、エチレンブラシレート、エキサルトリド、ムセノンδ(muscenone delta)、イソオイゲノール、トナリド、ムスクケトン、エキサルテックス(exaltex)、エキサルトリド、インドール、ムスクキシロール、ムスクプラス(musk plus)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0098】
洗剤との共注出が可能な香料の特定の実施形態で使用するための他の好適な香料としては、比較的高い蒸気圧、具体的には約260℃よりも高い沸点を有するもの;高い疎水性、具体的には約3.0よりも大きいClogP(オクタノール/水)を有するもの;及び低い臭気検出閾値、具体的には約50ppb未満、を有する香料が挙げられる;U.S.6,458,754、WO99/55819A、EP1073705Bを参照のこと;なお、これらの全体を本明細書に参考として組み込む。
【0099】
(2)布地ケア添加剤
本明細書の流体洗濯洗剤には、布地ケア添加剤を含んでなる実施形態が含まれる。そのような実施形態における布地ケア添加剤の好適な濃度は、流体洗濯洗剤の約0.0001重量%〜約20重量%、より典型的には約0.1重量%〜約5重量%である。いくらかの洗浄特性を有する洗浄性添加剤とは異なり、布地ケア添加剤は、特に色付きの布地の、布地特性及び/若しくは布地快適性特性を維持又は改善するのに役立つ材料である。布地ケア添加剤としては、布地保形助剤、布地柔軟仕上げ剤若しくはコンディショナー、静電気防止剤、保湿剤、布地肌触り改善剤、しわ低減剤、ピリング防止剤、及び染料定着剤などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0100】
好適な布地ケア添加剤としては、カチオン性布地柔軟仕上げ剤(四級アンモニウム布地柔軟化剤など)、カチオン性ヒドロキシエチルセルロースなどのカチオン性ガム、ゼネラル・エレクトリック(General Electric)、ダウ・コーニング(Dow Corning)、及び他の供給元から市販されているアミノシリコーンなどのシリコーンポリマー若しくはコポリマー、塩素捕捉剤、ポリエチレンマイクロビーズ、ポリビニルピリジンN−オキシドなどの染料定着剤、移染防止剤、又はこれらのいずれかの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0101】
特定の実施形態では、流体洗濯洗剤は、染料定着剤材料を含んでなる。好適な染料定着剤は、参考として組み込まれるWO00/27958の35頁に記載されており、チバ(Ciba)及びクラリアント(Clariant)によって市販されている。
【0102】
特定の実施形態では、流体洗濯洗剤は、シリコーンポリマー又はシリコーンのブレンド、例えば、少なくとも1つのアミノ官能性シリコーンを含んでなるブレンドを含んでなる。好適なアミノ官能性シリコーンについては、例えば、WO05/007790、WO04/046452、WO04/042136、WO04041987、及びWO04/041912に記載されており、これらの全体を参考として組み込む。WO04/041983に記載されているように、コアセルベート相形成ポリマーを加えてもよい。他の好適なアミノシリコーンを使用してもよく、そのような材料は、ダウ・コーニング(Dow Corning)、ワッカー・ケミー(Wacker Chemie)、及び他の供給元から市販されている。シリコーンコポリマー又はそのブレンド、特に、無黄変アミノシリコーンを含有するものは、布地柔軟性を改善し、絹のような感触を提供し、形状保持を改善することができる。
【0103】
特定の実施形態では、流体洗濯洗剤は、カチオン性シリコーンポリマーを含んでなる。好適なカチオン性シリコーンポリマーについては、例えば、U.S.6,903,061に記載されており、その全体を参考として組み込む。そのような特定の実施形態では、カチオン性シリコーンポリマーは、1つ以上のポリシロキサン単位、好ましくは、50〜200の重合度nを有する式−{(CHSiO}−のポリジメチルシロキサン単位と、少なくとも1つのジ四級単位(diquaternary unit)を含んでなる有機ケイ素非含有単位とを含んでなる。特定の好ましい実施形態では、選択されたカチオン性シリコーンポリマーは、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアンモニウム単位から選択される、0.50〜1.0重量分画の前記有機ケイ素非含有単位を有する。
【0104】
選択されたカチオン性シリコーンポリマーはまた、有機ケイ素非含有単位全体の0.0〜0.20重量分画、特定の実施形態では非ゼロ量の、−NHCH(CH)CHO(AO)CHCH(CH)NH−単位を含有することができ、式中、AOは、エチレンオキシ、プロピレンオキシ、ブチレンオキシ、及びこれらの混合物を表し、aは、5〜70である。
【0105】
選択されたカチオン性シリコーンポリマーはまた、有機ケイ素非含有単位全体の0.0重量分画から、特定の実施形態では非ゼロ量から、0.20重量分画までの、−NRを含有することができ、式中、Rはアルキル、ヒドロキシアルキル、又はフェニルである。これらの単位は、エンドキャップと考えることができる。
【0106】
さらに、選択されたカチオン性シリコーンポリマーは一般に、四級部分の電荷の均衡を保つために、無機及び有機陰イオンから選択される陰イオン、より好ましくは飽和及び不飽和のC〜C20カルボキシレート及びこれらの混合物から選択される陰イオンを含有しており、したがって、カチオン性シリコーンポリマーはまた、四級部分の電荷の均衡を保つ割合でこのような陰イオンを含んでなる。
【0107】
概念的に、本明細書の選択されたカチオン性シリコーンポリマーは、布地持続性でない(non-fabric-substantive)が表面エネルギーを改変させる、ポリシロキサン単位で構成された「ループ(loops)」と、布地持続性(fabric-substantive)の「フック(hooks)」とを含む非架橋又は「直鎖」ブロックコポリマーとして考えるのが便利である。
【0108】
特定の実施形態では、流体洗濯洗剤は、ポリマー移染抑制剤を含んでなってよい。ポリマー移染抑制剤は、当該技術分野で、洗濯プロセスの間の移染を低減又は防止することで知られている。本明細書で有用なポリマー移染抑制剤としては、ポリビニルピロリドン及びそのコポリマーが挙げられる。
【0109】
特定の代替的な実施形態では、流体洗濯洗剤は、布地ケア添加剤として四級アンモニウム布地柔軟化剤を含んでなってよい。そのような特定の実施形態では、組成物は、組成物の約0.1〜約10重量%、約1重量%〜約10重量%、約1重量%〜約4重量%、又は約1.5重量%〜約3重量%の、次の一般式:
【化1】

を有する四級アンモニウム布地柔軟化剤を含有し、式中、R及びRは独立してC〜Cアルキル、C〜Cヒドロキシアルキル、ベンジル、及び−(CO)Hから成る群から選択され、ここでxは約2〜約5の値を有し;Xは陰イオンであり;(1)R及びRはそれぞれC〜C14アルキルであり、又は(2)RはC〜C22アルキルであり、RはC〜C10アルキル、C〜C10ヒドロキシアルキル、ベンジル、及び−(CO)Hから成る群から選択され、ここでxは約2〜約5の値である。
【0110】
特定の実施形態では、四級アンモニウム布地柔軟化剤は、モノ−長鎖アルキル四級アンモニウム界面活性剤から選択されるが、前述の式で、式中、R、R、及びRは、それぞれメチルであり、Rは、C〜C18アルキルである。
【0111】
特定の実施形態では、四級アンモニウム界面活性剤は、クロリド、ブロミド、及びメチルサルフェートC8〜16アルキルトリメチルアンモニウム塩、並びにC8〜16アルキルジ(ヒドロキシエチル)−メチルアンモニウム塩から選択される。上記のうち、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド、ミリスチルトリメチルアンモニウムクロリド、ココナッツトリメチルアンモニウムクロリド、及びメチルサルフェートは特に好ましい。ウイトコ(Witco)から市販されているラウリルトリメチルアンモニウムクロリドであるアドゲン(ADOGEN)412(商標)は、好ましい柔軟化剤である。
【0112】
特定の実施形態では、四級アンモニウム界面活性剤は、ジ−C〜C14アルキルジメチルアンモニウムクロリド又はメチルサルフェートから選択され、特に好ましいのは、ジ−C12〜C14アルキルジメチルアンモニウムクロリドである。この部類の物質は、布地に静電防止効果を提供するのに特に適する。
【0113】
一実施形態では、四級アンモニウム柔軟化剤は、トリメチルアミン及び/又はジメチルアミン不純物を10ppm未満、より好ましくは2ppm未満含有する。
【0114】
特定の実施形態では、流体洗濯洗剤中の洗浄剤と四級アンモニウム柔軟化剤との重量比は、約3:1〜約20:1である。
【0115】
特定の実施形態では、本発明の流体洗剤組成物には、布地ケア添加剤として塩素捕捉剤が含まれる。本明細書で使用するとき、用語「塩素捕捉剤」は、溶液中若しくは布地/溶液境界面で遊離塩素(Cl及び/若しくは次亜塩素酸塩)を非活性化することのできる任意の化合物又は材料を指す。非活性化は、塩素捕捉剤によって塩素種を塩化物などへと直接還元することによって、又は、塩素捕捉剤と塩素種とを組み合わせて、遊離塩素よりも染料又は塩素漂白に敏感な織物繊維についての酸化力が低い種をもたらすことによって、起こすことができる。そのような酸化力の低い種としては、例えば、塩素付加物、例えば、塩素捕捉剤がアミノ窒素部分を含有するときにはクロラミンが挙げられる。本明細書で有用な塩素捕捉剤は、典型的には、容易にハロゲン化される部分、例えば3価窒素、又は塩素若しくは次亜塩素酸塩による攻撃の影響をすぐに受けやすい、他の非窒素電子リッチ部位若しくは部分を含有する。本明細書で有用な塩素捕捉剤としては、最も急速に反応する傾向にある非ポリマータイプと、香りと結び付かないことがわかっているので好ましい場合のあるポリマータイプとが挙げられる。好適な塩素捕捉剤は、窒素含有であっても、窒素非含有であってもよい。
【0116】
組成物は、組成物の約0.1重量%〜約20重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約10重量%、より好ましくは約1重量%〜約10重量%、より好ましくは約1.5重量%〜約5重量%の塩素捕捉剤を含有してよい。選択された濃度は、好ましくは、給水中の環境塩素濃度を十分になくす(又はほぼなくす)ものである。必要とされる塩素捕捉剤の実際の量は、選択された分子、洗浄水がすすぎまで持ち越される程度、製品の用量、及びすすぎ水中の残留塩素の濃度に基づいて変わることになる。特定の実施形態では、1つよりも多くの塩素捕捉剤の混合物を使用してよい。
【0117】
(3)洗濯特有の洗浄性添加剤
特定の実施形態では、流体洗濯洗剤は、洗濯特有の洗浄性添加剤を含んでなる。そのような実施形態における洗濯特有の洗浄性添加剤の好適な濃度は、流体洗濯洗剤の約0.0001重量%〜約20重量%である。
【0118】
本明細書で使用するとき、そのような洗濯特有の洗浄性添加剤は、布地ケアとは異なる、主に洗濯洗浄又は最終結果で有用な特性を有し、シャンプーや便器洗浄剤など、他の洗浄組成物にはあまり適していない、界面活性剤、ビルダー、又は酵素以外の化合物である。蛍光増白剤は、そのような添加剤の一例である。他の洗濯特有の洗浄性添加剤としては、洗濯汚れ放出ポリマー、並びにアルコキシ化ポリアルキレンイミン及びその誘導体から選択されるような洗濯汚れ懸濁ポリマーなどが挙げられる。市販の洗濯特有のポリマー洗浄性添加剤は、BASF、ローム&ハース(Rohm & Haas)、日本触媒(Nippon Shokubai)、及び他の供給元から入手可能である。
【0119】
(4)布地洗濯に好適な酵素
特定の実施形態では、流体洗濯洗剤は、少なくとも1つの酵素を含んでなる。酵素の適切は、例えば、約0.001〜約1重量%の範囲とすることができ、望ましい場合さらに高くすることもできる。酵素の量は主に、使用される特定の酵素によって決まり、そのような酵素調合物は、様々な量の活性酵素を含んでなることができる。好適な酵素の例としては、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ケラタナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β−グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、及び既知のアミラーゼ、又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。他の種類の酵素も含まれてよい。酵素は、植物、動物、細菌、真菌、及び酵母起源のような任意の好適な起源であってよい。それらの選択は、一般に、pH活性及び/又は安定性の最適条件、熱安定性、活性な洗剤に対する安定性、ビルダーなどを含めたいくつかの因子によって左右される。好ましい酵素の組み合わせは、アミラーゼと共に、プロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ及び/又はセルラーゼのような従来の洗浄性酵素の反応混液(cocktail)を含んでなる。洗浄性酵素については、U.S.6,579,839にさらに詳細に記載されており、その全体を本明細書に参考として組み込む。特定の実施形態では、流体洗濯洗剤は、合計2つ以上の洗浄性酵素を約0.001重量%〜約5重量%、好ましくは約0.01〜約1重量%含有する。
【0120】
好適なプロテアーゼとしては、エスペラーゼ(Esperase)(登録商標)、アルカレーゼ(Alcalase)(登録商標)、エヴァレーゼ(Everlase)(登録商標)、及びサヴィナーゼ(Savinase)(登録商標)(ノボザイムズ(Novozymes))などのバチルス(Bacillus)(例えば、サブチリス、レンタス、リケニフォルミス、アミロリケファシエンス(BPN、BPN’)、アルカロフィルス(alcalophilus))、BLAP、及びこれらの変異型由来のサブチリシンが挙げられる。他の好適なプロテアーゼについては、EP130756、WO91/06637、WO95/10591、及びWO99/20726に記載されており、これらの全体を本明細書に参考として組み込む。
【0121】
好適なアミラーゼ(α及び/又はβ)については、WO94/02597及びWO96/23873に記載されており、これらの全体を参考として組み込む。アミラーゼの好適な市販例は、ピュラフェクトOx Am(Purafect Ox Am)(登録商標)、及びターマミル(Termamyl)(登録商標)、ナタラーゼ(Natalase)(登録商標)、バン(Ban)(登録商標)、フンガミル(Fungamyl)(登録商標)、及びデュラミル(Duramyl)(登録商標)である。アミラーゼにはまた、例えば、英国特許明細書第1,296,839号に記載のα−アミラーゼも含まれる。
【0122】
好適なセルラーゼには、細菌性又は真菌性セルラーゼの両方が含まれる。好ましくは、それらは、5〜9.5のpH最適条件を有しており、それらには、細菌性又は真菌性セルラーゼ、例えば、フミコーラ・インソレンス(Humicola insolens)、特にDSM1800、例えば、50Kda及び約43kD[ケアザイム(Carezyme)(登録商標)]によって産生されるものが含まれる。他の好適なセルラーゼは、トリコデルマロンギブラキアタム(Trichoderma longibrachiatum)由来のEGIIIセルラーゼである。好適なセルラーゼはまた、U.S.4,435,307にも開示されており、その全体を参考として組み込む。
【0123】
好適なリパーゼとしては、シュードモナス(Pseudomonas)及びクロモバクター(Chromobacter)群によって産生されるものが挙げられる。フミコーララヌギノサ(Humicola lanuginosa)に由来する、ノボ(Novo)から市販されているリポラーゼ(LIPOLASE)酵素。他の好適なリパーゼとしては、例えば、ノボザイムス(Novozymes)のリポラーゼウルトラ(Lipolase Ultra)(登録商標)、リポプライム(Lipoprime)(登録商標)、及びリペックス(Lipex)(登録商標)が挙げられる。クチナーゼ[EC3.1.1.50]及びエステラーゼも好適である。また、日本、名古屋のアレアリオ製薬(Areario Pharmaceutical Co. Ltd.)から商品名リパーゼP「アマノ(Amano)」として入手可能な、日本特許出願53,20487(Japanese Patent Application 53,20487)のリパーゼ(以下、「アマノ−P」と呼ぶ)も参照のこと。他の市販のリパーゼとしては、アマノ−CES、すなわち、クロモバクタービスコサム(Chromobacter viscosum)由来のリパーゼ、例えば、日本、タガタ(Tagata)の東洋醸造株式会社(Toyo Jozo Co.)から市販されているクロモバクタービスコサム変異型リポリチカム(Chromobacter viscosum var. lipolyticum)NRRLB3673;またさらに、米国のU.S.バイオケミカル社(U.S. Biochemical Corp.)及びオランダのジオシンス社(Diosynth Co.)の他のクロモバクタービスコサムリパーゼ、並びにシュードモナスグラディオリ(Pseudomonas gladioli)由来のリパーゼが挙げられる。
【0124】
本明細書で有用な好適なカルボヒドラーゼとしては、例えば、マンナナーゼ(例えば、U.S.6,060,299に開示)、ペクチン酸リアーゼ(例えば、PCT国際特許出願WO99/27083に開示のもの)、シクロマルトデキストリングルカノトランスフェラーゼ(例えば、PCT国際特許出願WO96/33267に開示のもの)、及びキシログルカナーゼ(例えば、PCT国際特許出願WO99/02663に開示のもの)が挙げられる。
【0125】
強化剤を含む本明細書で有用な漂白酵素としては、例えば、ペルオキシダーゼ、ラッカーゼ、オキシゲナーゼ(例えば、カテコール1,2ジオキシゲナーゼ、リポキシゲナーゼ(例えば、PCT国際特許出願WO95/26393に開示のもの)、及び(非ヘム)ハロペルオキシダーゼが挙げられる。
【0126】
広範な酵素材料及びそれらを合成洗剤組成物に組み込む手段は、U.S.3,553,139、U.S.4,101,457、U.S.4,507,219、及びU.S.4,261,868に開示されており、これらの全体を参考として組み込む。
【0127】
特定の実施形態では、酵素は、タンパク質分解酵素、脂肪分解酵素、デンプン分解酵素(amlyolytic enzyme)、セルロース分解酵素、又はこれらのいずれかの組み合わせから選択される。そのような特定の実施形態では、酵素は、少なくとも1つのプロテアーゼを含んでなる。
【0128】
特定の実施形態では、流体洗濯洗剤自体が香料を含有してよい。そのような特定の実施形態では、これらの香料は、酵素不安定化作用があってよく、アルデヒド、ケトン、及び/又はテルペンから選択される。これらの香料材料は、洗剤との共注出が不可能な香料組成物中に、洗剤との共注出が可能な香料組成物中のこれらの材料の濃度に比べて高い濃度で存在してよい。
【0129】
特定の実施形態では、酵素不安定化作用のある香料原料は、洗剤との共注出が不可能な香料組成物に優先的に組み込まれ、その流体洗濯洗剤中の濃度は、比例して低下する。換言すれば、洗濯洗剤製品中の酵素不安定化作用のある香料原料の総量の大部分は、洗剤との共注出が可能な香料組成物ではなく、洗剤との共注出が不可能な香料組成物に組み込まれる。
【0130】
特定の実施形態では、少なくとも1つの酵素が流体洗濯洗剤に含まれるときには、組成物は、酵素安定剤をさらに含んでなってよい。酵素は、カルシウム及び/又はマグネシウム化合物、ホウ素化合物及び置換されたホウ酸、芳香族ホウ酸エステル、ペプチド及びペプチド誘導体、ポリオール、低分子量カルボキシレート、比較的疎水性の有機化合物[例えば、特定のエステル、ジアルキルグリコールエーテル、アルコール、又はアルコールアルコキシレート]、カルシウムイオン源に加えてアルキルエーテルカルボキシレート、ベンズアミジン次亜塩素酸塩、低脂肪族アルコール及びカルボン酸、N,N−ビス(カルボキシメチル)セリン塩;(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステルコポリマー及びPEG;リグニン化合物、ポリアミドオリゴマー、グリコール酸又はその塩;ポリヘキサメチレンビグアニド又はN,N−ビス−3−アミノ−プロピル−ドデシルアミン又は塩;及びその混合物のようなあらゆる既知の安定剤系を使用して安定化できる。典型的には、洗剤は、最終組成物1リットル当たり、約1〜約30、好ましくは約2〜約20、より好ましくは約5〜約15、最も好ましくは約8〜約12mmolのカルシウムイオンを含んでなる。これは、存在する酵素の量及びそのカルシウム又はマグネシウムイオンへの感応性に依存して幾分変化する可能性がある。これらに限定されないが、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、リンゴ酸カルシウム、マレイン酸カルシウム、水酸化カルシウム、ギ酸カルシウム、酢酸カルシウム、及び対応するマグネシウム塩を含むあらゆる水溶性カルシウム又はマグネシウム塩が、カルシウム又はマグネシウムイオン源として使用可能である。多くの場合、酵素スラリー及び処方水中のカルシウムに起因する少量の、一般には1リットル当たり約0.05〜約0.4mmolのカルシウムイオンもまた、組成物中に存在する。
【0131】
カルシウム及び/又はマグネシウムイオンの前述の濃度は、酵素安定性をもたらすのに十分であるが、グリース除去性能の追加措置を提供するためにより多くのカルシウム及び/又はマグネシウムイオンを組成物に追加してもよいことを理解すべきである。したがって、流体洗濯洗剤は、約0.05重量%〜約2重量%の水溶性のカルシウムイオン源若しくはマグネシウムイオン源、又はその両方を含んでなる。言うまでもなく、量は、組成物中で使用される酵素の量及び種類によって異なる場合がある。
【0132】
本発明の一実施形態では、洗剤との共注出が不可能な香料組成物は、酵素不安定化作用のある香料アルデヒド、ケトン、及び/又はテルペンを、少なくとも0.005%、より好ましくは少なくとも3%の濃度で、かつ、洗剤との共注出が可能な香料組成物中のこれらの材料の濃度に対して少なくとも約1:0.1、好ましくは約1:0.001、最も好ましくは約1:0.00001の濃度比で含んでなる。
【0133】
(5)揮発性の悪臭化合物
特定の実施形態では、より低コストの洗浄剤を使用することが有利な場合があり、これらの洗浄剤のうち特定のものは、低濃度のトリメチルアミン、イオウ化合物、ある程度の酸敗を有する脂肪質材料、及び分枝鎖脂肪族化合物などの悪臭不純物である場合がある。不純物の濃度は、大きく異なることがあり、例えば、トリメチルアミンは、10億分の1(part per billion)の濃度で香りによって検出可能な場合があるが、揮発性の低い悪臭不純物は、香りによって検出できるまでに流体洗剤中に最高1%以上の濃度で存在することがある。しばしば揮発性の悪臭化合物を含んでなる洗剤成分としては、アルキルベンゼンスルホン酸及びその誘導体、菜種由来のもの及び低い分枝レベルを有する特定の合成アルコール由来のものを含めた、脂肪酸及びその誘導体;アルカノールアミンを含めた溶媒;並びに、β−脱離やホフマン分解反応などにさらされた、しばしば揮発性オレフィン不純物の生成を伴う、アルキルトリメチルアンモニウムハライドなどの特定のアミノ官能性化合物が挙げられる。さらに、揮発性の悪臭化合物は、しばしば、流体洗濯洗剤についての特定のpH範囲ではより容易に知覚可能であり、そのような範囲は、一般に約5〜約12、より典型的には約6〜約9である。
【0134】
低コスト成分を含んでなる特定の実施形態では、流体洗濯洗剤は、香料をさらに含んでなるが、特定の代替的な実施形態では、流体洗濯洗剤は、香料を含まない。
【0135】
その他の補助剤
本明細書の流体洗濯洗剤は、一般に、従来の洗浄性界面活性剤を約1〜約80重量%、好ましくは約5〜約50重量%の濃度で含んでなる。洗浄性界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、双性、両性、若しくはカチオン性、又はこれらのいずれか適合性のある混合物であってよい。好ましい界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、及びアニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤との混合物、又は非イオン性界面活性剤がなく、「粘度増強剤」、より具体的には、その全体を本明細書に参考として組み込まれるU.S.6,730,650にすべて開示されているような炭酸ナトリウム及び/若しくは塩化ナトリウムによって濃厚化された、アルキルポリエトキシサルフェートとアルキルベンゼンスルホネートとの混合物など、非イオン性界面活性剤をもたないアニオン性界面活性剤の混合物が挙げられる。特定の実施形態では、本明細書の流体洗濯洗剤が、その全体を参考として組み込まれるWO00/27958A1で定義かつ開示されるように、約8〜9.2の親水性指数HIcを有することが好ましい。理論によって制限されることを意図したものではないが、そのような親水性指数は、洗剤との共注出が不可能な香料組成物と流体洗濯洗剤との適合性を改善する。より一般的には、好適な洗剤界面活性剤については、U.S.5,466,802、U.S.3,664,961、U.S.3,919,678、U.S.4,222,905、及びU.S.4,239,659に記載されており、これらの開示全体を参考として組み込む。
【0136】
特定の実施形態では、流体洗濯洗剤は、最高約90重量%までの1つ以上の洗浄性界面活性剤、洗浄性ビルダー、酵素安定剤、抑泡剤、キレート剤、不透明化剤、増粘剤、顔料、又はこれらのいずれかの組み合わせを含んでなる。
【0137】
本明細書に用いるのに好適なアニオン性界面活性剤としては、約10〜約20個の炭素原子を含有するアルキル基とスルホン酸若しくは硫酸エステル基とをその分子構造内に有する有機イオウ反応生成物の、水溶性塩、好ましくは、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、及びアルキルアンモニウム塩が挙げられる。(用語「アルキル」には、アシル基のアルキル部分が含まれる。)この合成界面活性剤群の例は、a)アルキル硫酸ナトリウム、アルキル硫酸カリウム、及びアルキル硫酸エタノールアミン、特に、獣脂又はココヤシ油のグリセリドの還元によって生成されるような高級アルコール(C〜C18炭素原子)を硫酸化することによって得られるもの;b)アルキルポリエトキシレート硫酸ナトリウム、アルキルポリエトキシレート硫酸カリウム、及びアルキルポリエトキシレート硫酸エタノールアミン、特に、アルキル基が10〜22個、好ましくは12〜18個の炭素原子を含有し、かつ、ポリエトキシレート鎖が1〜15個、好ましくは1〜6個のエトキシレート部分を含有するもの;並びに、c)アルキル基が直鎖若しくは分枝鎖構成で約9〜約15個の炭素原子を含有する、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム及びアルキルベンゼンスルホン酸カリウム、例えば、その全体を参考として組み込まれるU.S.2,220,099及び2,477,383に記載されている種類のものである。とりわけ価値があるのは、アルキル基の平均炭素原子数が約11〜13個のC11〜C13LASと略される、直鎖アルキルベンゼンスルホネートである。
【0138】
好ましい非イオン性界面活性剤は、式R(OCOHのものであり、式中、Rは、C10〜C16アルキル基若しくはC〜C12アルキルフェニル基であり、nは3〜約80である。特に好ましいのは、C12〜C15アルコールと、アルコール1モル当たり約5〜約20モルのエチレンオキシドとの縮合生成物であり、例えば、C12〜C13アルコールをアルコール1モル当たり約6.5モルのエチレンオキシドで縮合したものである。他の好適な非イオン性界面活性剤としては、次式:
【化2】

のポリヒドロキシ脂肪酸アミドが挙げられ、式中、Rは、C17アルキル又はアルケニルであり、Rは、メチル基であり、Zは、還元糖又はそのアルコキシ化誘導体から誘導されるグリシチルである。好適な例としては、N−メチルN−1−デオキシグルシチルココアミド(deoxyglucityl cocoamide)、及びN−メチルN−1デオキシグルシチルオレアミド(deoxyglucityl oleamide)が挙げられる。ポリヒドロキシ脂肪酸アミドを製造するプロセスは既知であり、ウィルソン(Wilson)のU.S.2,965,576、及びシュワルツ(Schwartz)のU.S.2,703,798に見ることができ、これらの開示全体を本明細書に参考として組み込む。
【0139】
ここに記載したアニオン性及び非イオン性界面活性剤に加えて、本発明の組成物はまた、典型的には界面活性(surfactancy)を改善するために加えられる、カチオン性、両性、又は双性の界面活性剤を含有してもよい。好ましいカチオン性界面活性剤としては、アミンオキシド、例えば、C〜C16アルキルジメチルアミンN−オキシド、又はアミノ官能界面活性剤が挙げられる。
【0140】
エトキシ化アルキルサルフェート(AESなど)などの補助界面活性剤及び/又は非イオン性界面活性剤と組み合わせた、LAS(直鎖アルキルベンゼンスルホネート)などの界面活性剤の混合物が、好ましくは本明細書で使用される。
【0141】
流体洗濯洗剤に好適な界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、双性界面活性剤、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。流体洗濯洗剤に好適なビルダーとしては、水溶性ビルダー及び非水溶性ビルダーが挙げられる。水溶性の洗浄性ビルダーが好ましい。布地洗濯のための好適な酵素としては、プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、及びこれらの混合物が挙げられ、また、酵素安定剤(プロピレングリコール、ホウ酸、及び/又はホウ砂など)を使用してもよい。本明細書の流体洗濯洗剤で使用するのに好適な他の従来の材料としては、不透明化剤、抑泡剤、キレート剤、布地に安全な酸化剤若しくは漂白剤、酸化防止剤、光安定剤、抗菌剤、又はこれらのいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0142】
本発明による液体洗剤組成物はまた、水性キャリアを含有しており、特定の実施形態では、キャリアは、濃厚化されていても濃厚化されていなくてもよく、特定の実施形態では、キャリアは、従来のヒドロトロープをさらに含んでよい。一般に、本明細書の組成物中で使用される水性キャリアの量は、比較的多い。好ましくは、本発明の組成物は、約40%〜約80%の水性液体キャリアを含んでなる。最もコスト的に有効な種類の水性非界面活性液体キャリアは言うまでもなく水自体である。それ故に、水性非界面活性液体キャリア構成成分は、一般に、完全でないとしてもほとんど水で構成される。アルカノール、ジオール、ポリオール、エーテル、アミン、アルカノールアミン、及び類似の溶媒など、他の水混和性キャリアを、共溶媒又は安定剤として流体洗剤組成物に加えてよい。したがって、存在する場合には、有機溶媒を含めた、本明細書の液体洗剤製品の水性液体キャリア成分は一般に、組成物の約30重量%〜93重量%、より好ましくは約35重量%〜約50重量%にわたる濃度で存在する水を含んでなる。特定の実施形態では、あらゆる非水溶媒の濃度が最小限に抑えられており、例えば、約10%以下、好ましくは約5%以下、より好ましくは約1%以下の非水溶媒が流体洗濯洗剤中に存在する。
【0143】
特定の実施形態では、流体洗濯洗剤は、本明細書の組成物の洗濯/漂白使用の間に直面するカルシウム若しくは他のイオンの効果、すなわち水硬度を打ち消す役割を果たす洗剤ビルダー材料を含んでなる。好適な洗剤ビルダーについては、U.S.4,321,165に記載されており、その全体を本明細書に参考として組み込む。そのような材料の例としては、アルカリ金属、シトレート、サクシネート、マロネート、カルボキシメチルサクシネート、カルボキシレート、ポリカルボキシレート、及びポリアセチルカルボキシレートが挙げられるが、これらに限定されない。具体的な例としては、オキシジコハク酸、メリト酸、ベンゼンポリカルボン酸、C10〜C22脂肪酸及びクエン酸のナトリウム、カリウム、及びリチウム塩が挙げられる。その他の例は、モンサント(Monsanto)からデクエスト(Dequest)の商標名で市販されているような有機ホスホン酸塩系の金属イオン封鎖剤、及びアルカンヒドロキシホスホン酸塩である。クエン酸塩及びC12〜C18脂肪酸石鹸が、きわめて好ましい。特に好ましいビルダーはクエン酸である。
【0144】
他の好適な有機ビルダーとしては、ビルダーの特性を有することで知られている、より高分子量のポリマー及びコポリマーが挙げられる。例えば、このような物質としては、BASFからソカラン(Sokalan)の商標で市販されているものなど、適切なポリアクリル酸、ポリマレイン酸、及びポリアクリル/ポリマレイン酸コポリマー、並びにこれらの塩が挙げられる。
【0145】
組成物を利用する場合、その組成物は、有機ビルダー材料の組成物の最大30重量%まで、好ましくは約1重量%〜約20重量%、より好ましくは約3重量%〜約10重量%含んでなってもよい。当該技術分野において既知のあらゆる種類の洗剤ビルダーが、本発明の洗剤組成物で使用可能であり、ビルダーの種類及び濃度は、最終組成物が、20℃の水中約1重量%〜約10重量%の濃度で約7.0〜約9.0の初期pHを有するように選択されるべきである。
【0146】
本発明の趣旨及び範囲内で他の実施形態が可能である。そのような実施形態には、計量デバイスとして使用できるキャップ又はオーバーキャップを有する製品が含まれる。そのような計量デバイスに添付された、洗剤との共注出が不可能な香料組成物の別個の部分を含めることが可能である。さらに、多区画ボトル、例えば、洗剤との共注出が不可能な香料組成物が、一方若しくは両方の区画のヘッドスペースを賦香するために存在する、2区画ボトルを本発明に含めることが可能である。完全に透明な、濁りを帯びた、又は不透明な(例えば、不透明化剤若しくはパールエッセンス剤を組み込んだ結果として、又は流体洗剤がもともと濁りを帯びている場合)流体洗濯洗剤製品と併せて、本発明を使用することが可能である。さらに、いわゆる「分相(split phase)」流体など、1つよりも多くの流体相を含んでなる流体洗濯洗剤製品と併せて本発明を使用することも可能である。
【0147】
本明細書で使用するとき、用語「周囲貯蔵温度」は、約0℃〜約50℃、好ましくは約5℃〜約40℃、より好ましくは約10℃〜約30℃の範囲、好適には約25℃である。
【0148】
本明細書で使用するとき、用語「共注出可能(copourable)」は、言及される材料が室温で流体洗濯洗剤と共に包装から流れ出ることを意味する。共注出可能な材料の例としては、流体洗濯洗剤に溶解する、又は流体洗濯洗剤に懸濁可能な材料が挙げられる。好ましい共注出可能な香料としては、周囲の貯蔵温度で判定されるときに、液体洗剤中で乳化可能な香料、液体洗剤に溶解する香料、又は組成物中に小さな粒子(例えば、ナノメートルスケールから約2ミリメートルまでのサイズを有する)として懸濁可能な香料が挙げられる。
【0149】
本明細書で使用するとき、用語「流体」は、周囲温度で注出可能な組成物を含むことが意図されている。そのような組成物としては、液体及びゲルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0150】
本明細書で使用するとき、用語「ヘッドスペース」は、接近可能なヘッドスペースを指し、包装若しくは容器の内容物の香りをユーザーによって検出可能にする、包装若しくは容器内の流体洗濯洗剤の上方に位置する蒸気を含むことが意図されている。好ましくは、ヘッドスペースは、包装のクロージャを開ける際の消費者による嗅覚的サンプリングに適した場所で包装内に配置される。典型的なヘッドスペース容積は、5%〜10%、好適には8%v/v(体積/体積)であり、換言すれば、包装は、好適には92体積%の流体洗剤と8体積%のヘッドスペースとを含んでなる。
【0151】
本明細書の用語「粘着付与剤」又は「粘着付与樹脂」は、接着剤、より具体的にはホットメルト接着剤の技術分野で使用される通りである。US4,623,698を参照のこと。粘着付与剤は、任意で、洗剤との共注出が不可能な香料組成物を製造するときに、その粘着性を改善するために添加される。粘着付与剤は、商標名エルバックス(ELVAX)としてデュポン(Dupont)、又は商標名フォラリン(FORALYN)としてイーストマン(Eastman)などの供給元から市販されている。
【実施例】
【0152】
(実施例1)
英国でボールド2イン1オーシャンクリア(Bold 2 in 1 Ocean Clear)として市販されている流体洗濯洗剤製品のボトル24本を、スーパーマーケットで購入する。ラベルによれば、これら各ボトルは、20回の標準洗浄を提供し、1.5リットルの流体洗濯洗剤を含有する。各ボトルは、下面で、構造プラスチックとして高密度ポリエチレンから製造されていることが識別される。各ボトルは、少なくとも50ミリリットルのヘッドスペース容積を有しており、このヘッドスペースは、流体洗濯洗剤のすぐ上に位置する。本明細書に参考として組み込まれるUS4,550,862に記載されているものに類似する、やはり高密度ポリエチレンで製造されたことが確認される、一体型注出口を含んでなるトランジションカラーが、各ボトルの最上部に添付されており、雄ねじ付きクロージャが、各トランジションカラー/注出口に螺入される。
【0153】
クロージャを除去し、洗剤を注出する。トランジションカラーをこじ開ける。クロージャ、ボトル、及びトランジションカラーを、手で数回十分に洗浄し、真空オーブン内で乾燥させる。ボトル、クロージャ、及びトランジションカラーは、3人の香料製造者の審査団によって無臭と判定される。
【0154】
各トランジションカラーの下面を、プラスチックの爪やすりを曲げることによって作られたツールを用いてわずかに粗面処理する。
【0155】
スパチュラを使用して、表1の列Aによる洗剤との共注出が不可能な香料組成物を、75℃で(軟らかい粘稠な蜂蜜状の稠度)、各トランジションカラーの粗面処理された下面部分に適用して、表面積約2.3cm、推定厚さ約1〜1.5mmの環状パッチを形成する。各トランジションカラーに適用される洗剤との共注出が不可能な香料組成物の重量は、0.2gであり、洗剤との共注出が不可能な香料組成物は、表2の香料を0.1g含んでなり、すなわち、洗剤との共注出が不可能な香料組成物のパーセンテージとしての香料濃度は、したがって50重量%である。
【0156】
洗剤との共注出が不可能な香料組成物を負荷されたトランジションカラーを、ボトル上の所定の位置に押し戻す。
【0157】
ボトルを、表4の洗剤との共注出が可能な香料組成物を含む、表3列Bの流体洗剤処方で満たす。クロージャを再び添付させて、本発明による洗濯洗剤製品の調製を完了する。
【0158】
以上は、第1の実施形態を構成する。本発明による、表1及び表3の他の列の組成物から調製可能な他の実施形態。本発明は、表1〜5に示される組成物のいずれかの組み合わせからの実施形態を含む。
【表1】

【表2】

【表3−1】

【表3−2】

【表3−3】

【表4】

【表5】

【0159】
(実施例2)
ボールド2イン1(Bold 2 in 1)製品を、米国で販売されている「タイド・ウィズ・ア・タッチ・オブ・ダウニー(Tide with a touch of Downy)」に置き換えて、実施例1の手順に従う。包装に、”100液量オンス(3.12Qt.)又は2.95リットルの印を付ける。ヘッドスペース容積は、8%v/v(体積/体積)である。
【0160】
(実施例3)
表4の洗剤との共注出が可能な香料組成物を除去し、表3のルパゾールHF(Lupasol HF)を除去して、実施例1実施形態Aに従う。
【0161】
(実施例4)
洗剤との共注出が不可能な香料組成物は、ラベル作製材料を含まない以下の成分を含んでなる:
−30%エルバックス(ELVAX)(=ポリマー)、デュポン(Dupont)より
−15%フォラリン(Foralyn)5020(=液体可塑剤)、イーストマン(Eastman)より
−5%クリスタレックス(Kristalex)(=固体可塑剤)、イーストマン(Eastman)より
−50%香料
香料は、実施例1の表2の香料である。
【0162】
溶融物の調製
手順は、ドラフト内で実施される。エルバックス(ELVAX)及びクリスタレックス(Kristalex)の固体ペレットをアルミニウムカップに加える。フォラリン(Foralyn)を混合物に加える。カップをホットプレート上に置く。温度を200℃に設定する。ペレットは、5〜10分で溶融する。スパチュラで激しく攪拌して混合物を均質にする。
【0163】
次いで、そのカップ内の均質な混合物を、100℃に設定された第2のホットプレート上に置く。香料を加え始める。蒸発による香料のわずかな損失を補うために、わずかに過剰な、例えば、目標量を3〜4%超える香料を使用する。数滴の香料をカップに一度に加える。煙状の蒸気が生じる場合、ホットプレートの設定を、例えば5℃に相当して、わずかに下げる。混合物が均質にならず、煙状の蒸気が観察されない場合、混合物を均質にするために、より高い温度設定を有する別のホットプレートを使用して混合物の温度を急速に上昇させることができる。すべての香料が吸収されて溶融物を形成し、かつ、溶融物が均質になるまで、混合を継続する。
【0164】
洗剤との共注出が不可能な香料組成物を負荷されたラベルの作製
ラベル作製材料及び装置は、次の通り:
−ポリエステルフィルム(エフレギド(Efflegid)1−H100)
−シリコーン・ノンスティック・シート(ゼネラル・エレクトリック・シリコーンズ(General Electric Silicones)H180)
−粘着テープ(Sticky tape)(幅2.56cmの標準粘着性両面接着テープ(Regular stick double-sided adhesive tape)、3Mヘルスケア(3M Health Care)より)
−パスタマシン(マルカート・アトラス・パスタバイク(Marcato Atlas Pastabike)、モデル150mm−デラックス、
意匠登録番号(Reg design no);1048534)
この実験に関わる概念は、洗剤との共注出が不可能な香料組成物を、初めに、次の連続相:片側に保護層を備えた両面接着テープ;ポリエステルフィルム;固化され賦香されたホットメルトノンスティックシリコーンシートを含んでなる、サンドイッチ構造の形態で調製することである。そのような構造は、いずれか好適なサイズに切断することができ、また、単に粘着テープから保護層を除去し、サンドイッチと包装要素とを接触させ、最後にシリコーンノンスティックシートを除去して固化されたホットメルトの賦香された表面を露出させることによって、トランジションカラーなどの包装構成要素に添付することができる。
【0165】
ある長さのポリエステルフィルムと、ノンスティックシートの1つとを取る。「溶融物の調製」に基づいて調製された溶融物をフィルムとシートとの間に注ぎながら、それらフィルム及びシートを向かい合わせて設定7でパスタマシンに送り込む。これで、いずれか好適なサイズに切断された、ある長さの材料が得られる(以下参照)。廃棄物には、典型的には、構造の両側の1cmと共に、製品の初めと終わりの4cmが含まれる。廃棄領域では、賦香されたホットメルトの厚さは、均一ではない。
【0166】
包装の構成要素への適用
全部で規定の質量の、例えば0.2gのホットメルトを、液体洗濯洗剤ボトルのトランジション片又はトランジションカラー上に加えることを望む場合、パスタストリップ作製で調製した固化された溶融物の単位面積当たりの量(g/m)を知る必要がある。
【0167】
単位面積当たりの量を決定するためには、処分された廃棄物を有するパスタマシンからの製品を取り扱う。固化された溶融物片を切断する。定規で測定することによってその面積を決定し、いずれか好適な秤で計量して既知の被覆フィルム質量を引くことによってその質量を決定する。単位をそれぞれm及びグラムに変換する。単位面積当たりの固化された溶融物の量を計算する(g/m)。この量を「gsm」と略す。固化された溶融物のいくつかの(例えば、3〜5個の)サンプルを使用して、決定を繰り返す。一様な結果が得られる。
【0168】
例えば、包装上、例えば液体洗濯洗剤ボトルのトランジションカラー上に洗剤との共注出が不可能な香料組成物を提供するのに0.2gのホットメルトが必要な場合、計算された「gsm」を0.2で割る。この数に10を乗じると、固化され賦香された溶融物ストリップから切り取られ、基材、例えば、トランジションカラー上に置かれたはずの、表面(cm)が得られる。
【0169】
(実施例5)
注出不可能な香料組成物の処方
成分
−20%エルバックス(ELVAX)250
−10%エルバックス(ELVAX)40W
−20%フォラリン(Foralyn)5020F
−50%香料
【0170】
混合物の調製
エルバックス(ELVAX)250及びエルバックス40Wの固体ペレットをアルミニウムカップに加え、また、フォラリン(Foralyn)5020Fを混合物に加える。次いで、この混合物をホットプレート上に置く。ホットプレートの温度を予め200℃に設定する。5〜10分待った後、ペレットが溶融したときに、スパチュラを使用して混合物を激しく攪拌して混合物を均質にする。混合物が均質になったら、それを数秒間混合せずにホットプレート上のそのカップ内で寝かせる。
【0171】
次いで、そのカップ内の混合物を、温度が予め100℃に設定された第2のホットプレートに移す。
【0172】
香料の添加を開始する。数滴の香料をカップに一度に加える。煙状の蒸気が生じた場合、カップを持ち上げることによって温度を2〜3度低下させる。混合物が均質にならず、煙状の蒸気が観察されない場合、混合物を均質にするために、わずかに高い温度に予め設定された別のホットプレートを使用して混合物の温度を上昇させることができる。
【0173】
すべての香料が吸収されて溶融物になり、かつ、溶融物が均質になるまで、混合を継続する。
【0174】
ボトルへの適用
混合物がまだ温かく液体である間に、きれいなスパチュラで必要な量を取り、トランジションカラー又は注出口の表面上に均一な層を直接適用する。
【0175】
必要な場合、接着性を高めるために、コーティングされるべき包装表面を、紙やすりを使用して処理することができる。
【0176】
次いで、包装表面、例えば、トランジションカラーを周囲温度25℃まで冷却させる。
【0177】
(実施例6)
次の修正を加えて、実施例1の方法にしたがって製品を調製する:表2の香料を表7の香料で置き換えて、表1列Aの洗剤との共注出が不可能な香料組成物を調製する。洗剤との共注出が可能な香料組成物1を、表4の香料組成物ではなく表6の香料組成物に置き換えて、表3列Bの流体洗濯洗剤を使用する。
【表6】

【表7】

【0178】
(実施例7)
次の修正を加えて、実施例1の方法にしたがって製品を調製する:表2の香料を表9の香料で置き換えて、表1列Aの洗剤との共注出が不可能な香料組成物を調製する。洗剤との共注出が可能な香料1を、表4ではなく表8で示し、表3列Bの流体洗濯洗剤を使用する。
【表8】

【表9】

【0179】
(実施例8)
次の修正を加えて、実施例1の方法にしたがって製品を調製する:表2の香料を表10の香料で置き換えて、表1列Aの洗剤との共注出が不可能な香料組成物を調製する。表3列Cの流体洗濯洗剤を使用する。ただし、洗剤との共注出が可能な香料が、濃度0.3%で組み込まれ、かつ、表11の処方を有する。
【表10】

【表11】

【0180】
本明細書のパーセンテージ及び比率は、特に指定のない限り、すべて重量によるものであり、例えば、「%」の後の表記「v/v」は、体積によるパーセンテージを意味する。
【図面の簡単な説明】
【0181】
【図1】洗剤との共注出が不可能な香料組成物を、包装のトランジション構成要素の周囲の内側底面の周りに付着し、かつ、均一に分散した小さな点として示す。
【図2】包装のトランジション構成要素の周囲の内側底面に付着し、かつ、該内側底面全体を覆う、洗剤との共注出が不可能な香料組成物を示す。
【図3】洗剤との共注出が不可能な香料組成物を、包装のトランジション構成要素の注ぎ口の内部表面に付着した矩形として示す。
【図4】包装のトランジション構成要素の注ぎ口の内部底面に付着した、洗剤との共注出が不可能な香料組成物を示す。
【図5】洗剤との共注出が不可能な香料組成物を、香料が表面に吸着又は添付した、寸法r>rの浮揚可能な中実又は中空の球体として示す。
【図6】洗剤との共注出が不可能な香料組成物を、香料が表面に吸着又は添付した、寸法r>rの浮揚可能な中実又は中空の球体として示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯洗剤製品であって、
(a)包装と、
前記包装が、
(1)容器と、
(2)クロージャとを
含んでなり、
(b)周囲の貯蔵温度で注出可能であり、かつ、包装から流体洗濯洗剤と共に注出可能な少なくとも1つの材料を含んでなる流体洗濯洗剤と、
前記材料が、
(1)洗剤との共注出が可能な香料組成物;
(2)布地ケア添加剤;
(3)洗濯特有の洗浄性添加剤;
(4)酵素;
(5)揮発性の悪臭化合物;及び
(6)それらのいずれかの組み合わせから選択されてなり、
(c)ヘッドスペースと、並びに
(d)洗剤との共注出が不可能な香料組成物とを含んでなるものであり、
ここで、前記流体洗濯洗剤、前記ヘッドスペース、及び前記洗剤との共注出が不可能な香料組成物が合わせて包装内に収められてなることにより、前記包装の50%(v/v)よりも多くが前記流体洗濯洗剤で満たされているときに、前記包装が上下逆さまにされると、前記流体洗濯洗剤が、前記洗剤との共注出が不可能な香料組成物を濡らすことができるものである、洗濯洗剤製品。
【請求項2】
前記洗剤との共注出が不可能な香料組成物からの香料の放出が受動的であり、前記包装が、圧搾圧力を加えることなく前記流体洗濯洗剤が流れ出るのに十分な寸法を有する注ぎ口を備えてなる、請求項1に記載の洗濯洗剤製品。
【請求項3】
前記洗剤との共注出が可能な香料組成物中の香料と、前記洗剤との共注出が不可能な香料組成物中の香料との重量比が約0:1〜約1:0.00001である、請求項2に記載の洗濯洗剤製品。
【請求項4】
前記洗剤との共注出が不可能な香料組成物が、前記包装の内部に添付されており、
ここで、前記洗剤との共注出が不可能な香料組成物(d)が溶融可能であるとき、前記洗剤との共注出が不可能な香料組成物の注出温度が周囲の貯蔵温度よりも少なくとも約5℃高いものである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の洗濯洗剤製品。
【請求項5】
前記包装が、トランジション構成要素をさらに含んでなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の洗濯洗剤製品。
【請求項6】
前記共注出が不可能な香料組成物が、トランジション構成要素内に配置される、請求項6に記載の洗濯洗剤製品。
【請求項7】
前記洗剤との共注出が不可能な香料組成物が、固化され賦香されたホットメルト接着剤である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の洗濯洗剤製品。
【請求項8】
前記ホットメルト接着剤が、少なくとも1つの可塑剤、少なくとも1つの粘着付与剤、又はそれらのいずれかの組み合わせを含む、請求項7に記載の洗濯洗剤製品。
【請求項9】
前記ホットメルト接着剤組成物が、前記流体洗濯洗剤に不溶性である、請求項7又は8に記載の洗濯洗剤製品。
【請求項10】
前記洗剤との共注出が不可能な香料組成物が、前記包装の出口よりも大きな寸法を有し、かつ、前記流体洗濯洗剤中で浮揚可能な固体に添付されてなり、
ここで、前記香料組成物(d)が溶融可能であるときには、これらの注出温度が周囲の貯蔵温度よりも少なくとも5℃高いものである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の洗濯洗剤製品。
【請求項11】
洗濯洗剤製品であって、
(a)包装と、
前記包装が、
(1)容器と、
(2)クロージャとを含んでなり、
(b)周囲の貯蔵温度で注出可能であり、かつ、包装から流体洗濯洗剤と共に注出可能な少なくとも1つの材料を含んでなる流体洗濯洗剤と
前記材料が、洗剤との共注出が可能な香料組成物であり;前記洗濯洗剤製品は、さらに、
(c)ヘッドスペースと、並びに
(d)洗剤との共注出が不可能な香料組成物と
を含んでなるものであり、
ここで、前記洗剤との共注出が可能な香料組成物の香料の少なくとも約0.0001重量分画が、アミン利用デリバリーマトリックス、香料マイクロカプセル、又はこれらのいずれかの組み合わせに組み込まれるものである、洗濯洗剤製品。
【請求項12】
洗濯洗剤製品であって、
(a)包装と
前記包装が、
(1)容器と、
(2)クロージャとを含んでなり、
(b)周囲の貯蔵温度で注出可能であり、かつ、包装から流体洗濯洗剤と共に注出可能な少なくとも1つの材料を含んでなる流体洗濯洗剤と、
前記材料が、布地ケア添加剤であり、
(c)ヘッドスペースと、並びに
(d)洗剤との共注出が不可能な香料組成物と
を含んでなる、請求項1〜10のいずれか1項に記載の洗濯洗剤製品。
【請求項13】
前記布地ケア添加剤は、シリコーンポリマー、カチオン性布地柔軟仕上げ剤、染料定着剤、移染防止剤、カチオン性ガム、及びこれらの混合物から選択される、請求項12に記載の洗濯洗剤製品。
【請求項14】
洗濯洗剤製品であって、
(a)包装と、
前記包装が、
(1)容器と、
(2)クロージャとを含んでなり、
(b)周囲の貯蔵温度で注出可能であり、かつ、包装から流体洗濯洗剤と共に注出可能な少なくとも1つの材料を含んでなる流体洗濯洗剤と
前記材料が、洗濯特有の洗浄性添加剤であり、
(c)ヘッドスペースと、並びに
(d)洗剤との共注出が不可能な香料組成物と
を含んでなる、請求項1〜10のいずれか一項に記載の洗濯洗剤製品。
【請求項15】
前記洗濯特有の洗浄性添加剤が、蛍光増白剤、布地洗濯と適合性のある非染色性染料、布地と適合性のある漂白剤、洗濯汚れ放出ポリマー、洗濯汚れ懸濁ポリマー、又はこれらのいずれかの組み合わせから選択される、請求項14に記載の洗濯洗剤製品。
【請求項16】
洗濯洗剤製品であって、
(a)包装と、
前記包装が、
(1)容器と、
(2)クロージャとを含んでなり、
(b)周囲の貯蔵温度で注出可能であり、かつ、包装から流体洗濯洗剤と共に注出可能な少なくとも1つの材料を含んでなる流体洗濯洗剤と、
前記材料が、酵素であり、
(c)ヘッドスペースと、並びに
(d)洗剤との共注出が不可能な香料組成物とを含んでなる、請求項1〜10のいずれか一項に記載の洗濯洗剤製品。
【請求項17】
前記酵素が、タンパク質分解酵素、脂肪分解酵素、デンプン分解酵素、セルロース分解酵素、又はこれらのいずれかの組み合わせから選択される、請求項16に記載の洗濯洗剤製品。
【請求項18】
前記酵素が、少なくとも1つのプロテアーゼを含んでなる、請求項17に記載の洗濯洗剤製品。
【請求項19】
前記洗剤との共注出が不可能な香料組成物中に、酵素不安定化作用のある香料アルデヒド、ケトン、及び/又はテルペンを、前記洗剤との共注出が可能な香料組成物中のこれらの材料の濃度に比べて高い濃度でさらに含んでなる、請求項16〜18のいずれか一項に記載の洗濯洗剤製品。
【請求項20】
前記洗濯洗剤製品中の酵素不安定化作用のある香料原料の総量の半分よりも多くが、前記洗剤との共注出が不可能な香料組成物に組み込まれる、請求項19に記載の洗濯洗剤製品。
【請求項21】
洗濯洗剤製品であって、
(a)包装と、
前記包装が、
(1)容器と、
(2)クロージャとを含んでなり、
(b)周囲の貯蔵温度で注出可能であり、かつ、包装から流体洗濯洗剤と共に注出可能な少なくとも1つの材料を含んでなる流体洗濯洗剤と、
前記材料が、揮発性の悪臭化合物であり、
(c)ヘッドスペースと、並びに
(d)洗剤との共注出が不可能な香料組成物とを含んでなる、請求項1〜10のいずれか一項に記載の洗濯洗剤製品。
【請求項22】
前記揮発性の悪臭化合物が、脂肪酸由来の悪臭化合物、合成アミン由来の悪臭化合物、酵素由来の悪臭化合物、及びこれらの混合物から選択される、請求項21に記載の洗濯洗剤製品。
【請求項23】
前記洗剤との共注出が不可能な香料組成物が、自己接着性である、請求項1〜22のいずれか一項に記載の洗濯洗剤製品。
【請求項24】
前記洗剤との共注出が不可能な香料組成物が、前記洗剤との共注出が不可能な香料組成物を包装に添付する接着剤をさらに含んでなる、請求項1〜22のいずれか一項に記載の洗濯洗剤製品。
【請求項25】
前記洗剤との共注出が不可能な香料組成物中の香料の量が、前記洗剤との共注出が不可能な香料組成物の約1〜80重量%、より好ましくは10〜60重量%であり、前記洗剤との共注出が不可能な香料組成物の残部が、熱可塑性ポリマー、可塑剤、粘着付与剤、又はこれらのいずれかの組み合わせを含んでなる、請求項23又は24に記載の洗濯洗剤製品。
【請求項26】
前記洗剤との共注出が可能な香料組成物及び前記洗剤との共注出が不可能な香料組成物のうちの少なくとも1つが、少なくとも5つの構成成分を含んでなる、請求項1〜25のいずれか一項に記載の洗濯洗剤製品。
【請求項27】
前記洗剤との共注出が可能な香料組成物が、前記洗剤との共注出が不可能な香料組成物の嗅覚特徴に合致する嗅覚特徴を有する、請求項26に記載の洗濯洗剤製品。
【請求項28】
前記洗剤との共注出が可能な香料組成物が、前記洗剤との共注出が不可能な香料組成物の嗅覚特徴とは異なる嗅覚特徴を有する、請求項26に記載の洗濯洗剤製品。
【請求項29】
前記流体洗濯洗剤が、最高90重量%の1つ以上の洗浄性界面活性剤、洗浄性ビルダー、酵素安定剤、抑泡剤、キレート剤、増粘剤、不透明化剤、顔料、又はこれらのいずれかの組み合わせをさらに含んでなる、請求項1〜28のいずれか一項に記載の洗濯洗剤製品。
【請求項30】
約100℃未満の処理温度で熱可塑性樹脂を香料で処理して、均質な混合物を形成する工程を含んでなる、固化され賦香されたホットメルト接着剤の製造方法。
【請求項31】
香料を含んでなる流体に前記熱可塑性樹脂を加えることによって前記熱可塑性樹脂を処理する工程を含んでなる、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
約8〜約9.2の親水性指数HIcを有する洗浄性界面活性剤をさらに含んでなる、請求項1〜29のいずれか一項に記載の洗濯洗剤製品。
【請求項33】
約5〜約50重量%の前記洗浄性界面活性剤を含んでなる、請求項32に記載の洗濯洗剤製品。
【請求項34】
流体洗濯洗剤製品における、洗剤との共注出が不可能な香料組成物と合わせた、洗剤との共注出が可能な香料組成物の使用であって、前記洗剤との共注出が可能な香料組成物が、アミノ官能性化合物を含んでなる非カプセル化香料組成物とカプセル化香料組成物とのうちの1つ以上を含んでなり、それによって、前記洗剤を含んでなる包装の開封時及びその後の前記洗剤使用時の両方の消費者満足感を改善しながら、同時に総香料濃度及び/又は無駄になる香料の損失を低減する、使用。
【請求項35】
流体洗濯洗剤製品における、前記製品の前記注出可能な流体洗濯洗剤と直接接触させることのできる、洗剤との共注出が不可能な香料組成物の使用であって、前記洗剤との共注出が不可能な香料組成物が1つ以上の酵素反応性香料化合物を含んでなり、流体洗濯洗剤中の前記化合物の濃度が低減されており、それによって前記香料の安定性を改善する、使用。
【請求項36】
酵素を含んでなる流体洗濯洗剤製品における、前記製品の注出可能な洗濯洗剤と直接接触させることのできる、洗剤との共注出が不可能な香料組成物の使用であって、前記洗剤との共注出が不可能な香料組成物が1つ以上の酵素反応性香料化合物を含んでなり、前記流体洗濯洗剤中の前記化合物の濃度が低減されており、それによって前記香料及び前記酵素の一方又は両方の安定性を改善する、使用。
【請求項37】
流体洗濯洗剤製品における、前記製品の前記注出可能な洗濯洗剤と直接接触させることのできる、洗剤との共注出が不可能な香料組成物の使用であって、前記注出可能な洗剤が悪臭グレードの洗剤原料を含んでなり、それによって前記製品の消費者受容を改善する、使用。
【請求項38】
包装された流体洗濯洗剤組成物と、洗剤との共注出が不可能な香料組成物とを含んでなる洗濯洗剤製品であって、前記洗剤との共注出が不可能な香料組成物が、前記包装のトランジションカラー若しくは注出口上に添付されるか、又は前記包装から注出するには大きすぎる寸法を有する物体として存在する、洗濯洗剤製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−507129(P2009−507129A)
【公表日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−530157(P2008−530157)
【出願日】平成18年9月5日(2006.9.5)
【国際出願番号】PCT/US2006/034670
【国際公開番号】WO2007/030511
【国際公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】