説明

質量分光計を使用した、化合物の分析のためのシステムおよび方法

本発明は、質量分光計の使用を通じて、物質を識別、および/または物質の識別を承認するためのシステム、方法、およびコンピュータプログラミングを提供する。既知の組成物の複数の検体が未知の組成物に加えられ、その組み合わせが分析される。分析の間に獲得されたデータは互いに比較される、および/または既知または見込みの参照データと比較される。未知の組成物から成る物質を識別するため、またはそのような物質の識別を承認するために、比較が使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は化合物の分析に関し、特に、質量分光計を使用した、化合物の分析のためのシステムおよび方法に関する。例えば、マルチプル反応モニタリング(multiple reaction monitoring)(MRM)の推移を使用した、マルチプルターゲットスクリーニング(multiple target screening)の質量分析におけるデータの収集に対して、新たなアプローチが提供される。本アプローチは、マルチプル標準添加法(multiple standard additions)の使用を通じたクロマトグラフの分離およびピーク統合における負担を軽減する。
【背景技術】
【0002】
質量分析は、質量分光分析とも呼ばれ、分子の質量測定を可能にする機器的アプローチである。質量分光計は、無機化学、有機化学、および有機生物化学の分析における多種多様な用途に対してとても重用になってきた。例としては、地質サンプルの年代特定、薬物テスト、および薬物の発見、石油産業、化学産業、および医薬産業におけるプロセス監視、表面分析、および未知のものの構造識別を含む。さらに、質量分析は継続的に改良されており、近年、分子生物学への用途において飛躍的に進歩しており、現在では、タンパク質、DNA、そしてウイルスでさえも分析することが可能である。
【0003】
質量分析システムは、一般的には、イオン源と、質量分析器と、コンピュータ、プロセッサ、または他のコントローラと結合されているか、またはそれらと一体のデータ収集デバイスとを含む。このようなデバイスの組み合わせは、質量電荷比(m/z)に従って、分子サイズの粒子をイオン化すること、分離すること、および測定することによって、質量分析計が化合物の分子重さを決定することを可能にする。イオンは、電荷の損失または獲得(例えば、電子放出、プロトン化、または脱プロトン化)のいずれかを誘発することによって、イオン化源において生成され得る。いったん、イオンが形成されると、イオンは質量分析器に導かれ、検出され得る。質量分光計を使用した、質量のイオン化および検出は、分子の重量情報を提供し得る質量電荷比(「m/z」)スペクトルを生成するために使用され得る。
【0004】
様々な用途においては、錯体マトリクス(complex matrices)における様々な化合物の同時分析を必要としている。サンプルの複雑さ、マトリクス、および検体の数により、クロマトグラフィは、適切なときに検体化合物の放出を分散させることによって、様々なマルチプル反応モニタリング(MRM)の推移を素早くスキャンする分光計固有の能力を補完する。今日使用されている標準的な方法は、化合物の検出に基づいて、抽出されたイオンのクロマトグラムまたはMRMのトレースにおけるピークとして結果を提供する。このような実験からデータを分析することに関して様々な課題が存在し、特に、クロマトグラムにおけるピークとして、関心の化合物を容易に識別する能力と、規制指針に対して化合物の存在または不在を確実に示す能力に関して課題が存在する。これらの課題は、食品および飲料、法医学、環境、薬物スクリーニング、臨床中毒学および臨床診断を含む、これらの実験を使用する様々なマーケットにおいて生産性を低下させ得る。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、質量分光計の使用を通じて、物質を識別、および/または物質の識別を承認するためのシステム、方法、およびコンピュータプログラミングを提供する。既知の組成物の複数の検体が未知の組成物に加えられ、その組み合わせが分析される。分析の間に獲得されたデータは互いに比較される、および/または既知または見込みの参照データと比較される。未知の組成物から成る物質を識別するため、またはそのような物質の識別を承認するために、比較が使用される。
【0006】
例えば、一局面において、本発明は、質量分光計を使用してイオンを分析する方法を提供し、該方法は、例えば、質量分光計において、未知の性質および未知の濃度のイオンを含む検体を提供することと、検体を有する質量分光計において、既知の性質および既知の濃度のイオンを含む複数の検体を提供することと、質量分光計を使用して、既知の検体と未知の検体とが組み合わされたものに含まれるイオンの質量および強度の特性を表すデータを獲得することと、質量分光計と関連するプロセッサを使用して、質量および強度の特性を表すデータを比較することと、比較を使用して、未知の性質および未知の濃度のイオンを含む検体が備える少なくとも1つの物質を識別することとを含む。
【0007】
関連する局面において、本発明は、質量および強度の特性を表すデータの比較を使用して、未知の性質および未知の濃度のイオンを含む検体に含まれる少なくとも1つの物質の識別が承認される、そのような方法を提供する。
【0008】
さらなる例として、別の局面において、本発明は、質量分析器によって分析されたイオンの質量および強度の特性を表すデータを比較することであって、該データは質量分光計によって検体の組み合わせを分析することによって獲得され、該検体は未知の性質および未知の濃度のイオンを含む少なくとも1つの検体を含み、複数の検体は既知の性質および既知の濃度のイオンを含む、ことと、未知の性質および未知の濃度のイオンを含む該少なくとも1つの検体に含まれる少なくとも1つの物質を識別するために、該比較を使用することとをデータプロセッサがもたらすように適合されているコンピュータプログラミング媒体を提供する。
【0009】
関連する局面において、本発明は、質量および強度の特性を表すデータの比較を使用して、未知の性質および未知の濃度のイオンを含む検体に含まれる少なくとも1つの物質の識別を承認することを、プログラミングがデータプロセッサにさせるようなプログラミングを提供する。
【0010】
従って、本発明は、従来技術のシステムにおいて必要とされている、人間が検討および比較する必要性によって課せられる比較的に低い効率性を低減する手段を提供する。本発明は直ちに計算される評価を可能にし、該直ちに計算される評価は、サンプル内の検体の存在に関する明確な表示を、手動でピークを検討することをほとんど必要とすることなく提供する。本発明は、特に、多くの場合に比較的多数の化合物を素早くスクリーンする必要がある環境、食品および飲料、法医学、臨床診断および臨床中毒学における、例えば、LC/MS/MS分析において、特段の利用可能性を見出している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、ここで、単なる例示によって、かつ、添付の図面を参考にして記述される。
【0012】
図1は、本発明を実装することにおける使用に適した質量分析システム10の基本構成要素を示す。システム10は、例えば、液体クロマトグラフィーカラム12を含むイオン源12を備えており、該イオン源12は、多段階の質量分析を行うことが可能である質量分光計14に結合されている。本発明は、MSおよびMS/MSまたは他のマルチMSの能力を有する、適切に制御された任意のシステム(例えば、3Dトラップまたは飛行時間(TOF)式の分析器)を使用して実装され得るということを当業者は理解するが、このようなシステムの例は、MDS Sciexによって販売されているQSTAR(登録商標)、API3000TMおよびAPI4000TMLC/MS/MSシステムを含む。データ獲得コントローラ54は、例えば、信号からの情報の抽出またはマルチプルLC/MSの実行の最大効率ために、MS/MSに対してMSの自動化された獲得を可能にする。
【0013】
コントローラまたはプロセッサ54は、質量分光計14によって獲得されるか、または提供されるデータ信号を受信すること、格納すること、および/またはそうでなければ処理することと、質量分光計14によって実行される動作の制御のために適合されたコマンド信号を提供することと、例えば、検体の分析の間に検出されたイオンに対応する質量および強度のデータを比較するためにデータ信号を処理することとに適合されている。プロセッサ54は、例えば、ユーザからシステムコマンドを受け取り、それを実装し、出力を表示または制御することなどに適した例示的な入/出力デバイスを含む、MSシステム10を制御することに適したユーザインターフェースをさらに提供し得る。特に、コントローラ54は、質量分光計14によって獲得されたデータを処理することと、質量分光計によって行われる質量分析を制御するのに用いるコマンド信号を質量分光計14に提供することとに適合され得、該コマンド信号は、そのようなデータの処理、ならびに本明細書に記述されているようなデータの整理および比較によって生成される情報に少なくとも部分的には基づいて決定される。
【0014】
コントローラまたはプロセッサ54は、本明細書において記述されている目的を達成することにおける使用に適した任意のデータ獲得および処理のシステムまたはデバイスを備え得る。プロセッサ54は、適切にプログラムされているか、もしくは適切にプログラム可能な一般的な目的もしくは特定の目的のコンピュータ、または関連するプログラミング、ならびにデータの獲得および制御のデバイスを有する他の自動データ処理装置を備え得る。プロセッサ54は、例えば、質量分析器14によって行われるイオン検出スキャンを制御および監視することと、例えば、本明細書において記述されているような、液体クロマトグラフィ(LC)カラム12によって提供されるイオンの質量分析器14によるそのような検出を表すデータを獲得および処理することとに適合されている。
【0015】
コントローラまたはプロセッサ54は、本明細書において記述された目的のために、例えば、共通のハードウェアキャビネット内での包含または共通のバスタイプの接続部への接続によって、質量分析器または質量分光計14の一部分として組み込まれる必要はないということに留意されたい。コントローラまたはプロセッサ54は、適切なローカルまたは遠隔のインターネット接続によって、または本明細書において記述された目的に一致するその他任意の接続で質量分光計14に接続されるスタンドアロンのコンピュータとして提供され得る。
【0016】
従って、プロセッサ54は、適切に符号化された構築プログラミングによって自動的および/または対話的な制御に適合された1つ以上の自動的なデータ処理チップを備え、該プロセッサ54は、1つ以上のアプリケーションおよびオペレーティングシステムのプログラム、ならびに必要であるか、もしくは望ましい任意の揮発性または持続性のストレージ媒体を含む。当業者には理解されるように、いったん当業者たちが本開示に熟知するようになると、本発明を実装することに適した多種多様なプロセッサおよびプログラミング言語が、今や、購入可能となり、かつ、今後開発されていくことは疑いない。適切なプロセッサおよびプログラミングを備えているコントローラの例は、MDS Sciex of Ontario、Canadaによって販売されているQSTAR(登録商標)、API3000TMまたはAPI4000TMLC/MS/MSシステムに組み込まれているものである。
【0017】
本発明を実装することにおける使用に適したイオン源は、本明細書において開示されている目的と矛盾しない任意のLCカラムまたは他のイオン源12を備え得る。例えば、当業者には明白であるように、任意の液体クロマトグラフィまたは他の持続放出イオン源が役立つ。様々な特性のイオンの持続性または他の流れを生成するLCカラムおよび他のイオン源と組み合わせて実装されるときに、本発明は特に効果的である。
【0018】
質量分光計14は、本明細書において開示されている目的と矛盾しない任意のイオン検出器および/または他の質量分析器を備え得る。例えば、当業者には明白であるように、3Dイオントラップ、TOF検出器、および他のタイプの質量分光計が役立つ。本発明は、イオン群の繰り返しのもしくは循環的なスキャンまたは他のサンプリングが可能である質量分光計と組み合わせにおいて特に有益である。
【0019】
質量分光計14は検出器を備えており、該検出器は、検出されたイオンに従って、質量分光計14がデータ信号の信号を生成することを可能にする。そのようなデータ信号は、質量分光計14から成る質量分析器によって検出されたイオンの特性、例えば、質量電荷、飛行時間、および電荷強度のデータに直接的または間接的に対応する質量関連の信号を概ね含む。例えば、TOFプロセスが質量分析のために使用される実施形態に従って、様々なイオンが様々なときに検出器に到達する。例えば、より小さいイオンの速度がより速いので、より小さいイオンが最初に検出器に到達し得、より大きいイオンは時間が長くかかり得る。従って、m/zは、TOF質量分析器内のイオンの飛行時間を表す質量関連のデータ信号の使用を通じて、検出器へのイオンの到達時間に従って決定され得る。
【0020】
本実施形態において、分光計14は、テストサンプルから溶出している種を識別し、特徴付けるために、クロマトグラフィーシステムに結合される。従って、液体クロマトグラフ12の出力は質量分光計14に結合されることにより、分析のための標的検体を含むサンプルを提供する。そのような標的検体は、一般的には、未知の性質および濃度のイオンを含む。
【0021】
例えば、結合されたシステムを使用して分析を実行するために、溶出しているサンプルがイオン化され、イオン化された検体の一連の質量分光写真が、次のデータ分析のために、例えば、0.01〜10秒の範囲にある特定の時間間隔で取得される。サンプルは一般的にはマトリクス内で発見される。
【0022】
標的検体の検出および分析に関する信頼性は、注入の間の見込みのピーク比の比較を可能にするために、既知のレベルにおける一連の標準の注入を通じて高められ得る。そのような標準の注入は、既知の性質および濃度のイオンを含む検体として記述され得る。見込みのピーク比のそのような比較は、例えば、マトリクス効果を排除することによって、小さいピークを見つけることに関連する不確実性を低減させ得ることにより、ピーク検出の信頼性を高める。この方法に従って確認のために絶対的なピークエリアに依存する代わりに、2つ以上のピークの比およびピークエリアに関する差が考慮される。また、標準の注入における量に対するピークエリアの比は、実行ベースで内部で較正するために効果的に使用され得る。従って、本発明に従った方法は、各サンプルに対して最小の較正曲線を提供し得、データを検討するために必要とされる時間を減少させる。
【0023】
一部の状況において、分析の実行の間の様々なときに標準が共に注入される「エコー」アプローチを使用することと、iTRAQおよびiCATのような標識付け技術を使用することとは有利であり得る。
【0024】
例えば、容易に統合されるレベルで、各サンプルに関する既知の量の標準を提供することによって、分析のサンプルごとの全実行時間を最小化することは、本発明を実行することに有利であり得る。例えば、これは、クロマトグラフィの分離への依存を減少させ、実行時間を減少させる。さらに、コントローラ16によって実行される自動データ検討プロセスは、非常に単純化され得、データ処理に費やされる時間を省く。
【0025】
図2は、図1に示されているシステムのようなシステムでの実装に適した、本発明に従った、データを処理するプロセス200の概略的流れ図である。
【0026】
204において、未知の性質および濃度のイオンを含む複数のイオンを含む1つ以上の検体が、分析のために質量分析器14に提供される。そのようなイオンは、例えば、LCカラムまたは他のイオン源12によって提供されるサンプルの注入によって質量分析器14に提供され得る。
【0027】
206において、既知の性質および濃度のイオンを含む1つ以上の検体、すなわち標準サンプルが、質量分析器14において提供される。このような標準検体は、202において提供される検体と同時に提供され得る。さらに、一連の複数の標準が繰り返し提供され得ることにより、様々な基準の導入が相殺される。このような標準の導入は重ねられ得る、および/または連続して行われ得る。
【0028】
208において、質量分析器14は、204、204において導入された検体を分析し、例えば、質量電荷比、TOF分析によって決定された飛行時間、および電荷の強度を含む、検出されたイオンの特性を表す出力信号を提供する。当業者には理解されているように、電荷の強度は、一般的には、検出されたイオンの相対的な数に対応する。
【0029】
210において、プロセッサは、テスト検体内に含まれる物質の識別を助けるために、206において質量分析器14によって提供されるデータを比較することにより、検出されたイオンの絶対的および/または相対的な量を決定し、例えば、そのような絶対値と相対値を互いに比較する。例えば、質量分析器14に通信するように連結されているコントローラ54に関連するプロセッサは、さらなる分析を助けるために、リアルタイムでデータを処理し得る。代替的に、同じまたは別のプロセッサが、例えば、後の処理のためにデータベースに格納された分析データを使用して、別のときに処理され得る。
【0030】
212において、プロセッサは、208、210において分析された物質が以前に識別されているかどうかについて決定を行い得る。
【0031】
208、210において分析された物質が以前に識別されていない場合には、214において、プロセッサはその物質の識別を行い得る。例えば、MS/MSの実行のMSの1つ以上のスキャンの間に検出された様々な質量電荷比のイオンに関するピーク値の比較における使用のために、実際または仮想の質量分析器を準備することによって、質量分析器14に関連するプロセッサは、分析された化合物における1つ以上の物質を識別し得る。
【0032】
溶出などを通じてイオンと関連するピークまたは他の値を比較する様々なプロセスが公知であり、疑いなく、他のプロセスが今後開発される。当業者には明らかであるように、当業者たちが本開示に熟知するようになると、多種多様なそのようなプロセスが本発明を実装することにおける使用に適したものとなる。
【0033】
208、210において分析された物質が以前にまたは試験的に識別されている場合には、216において、プロセッサは、以前のまたは試験的な識別を承認し得る。例えば、MS/MSの実行のMSの1つ以上のスキャンの間に検出された様々な質量電荷比のイオンに関するピーク値の比較における使用のために、実際または仮想の質量分析器を準備することによって、質量分析器14に関連するプロセッサは、以前の識別を承認し得る。そのような承認はまた、例えば、調査または参照データベース内に格納されている以前に獲得されたデータと、208において獲得されたデータを例えば比較することによって達成され得る。
【0034】
218、210において、テスト検体が使い果たされ、全データが処理されるまで、プロセス204〜216は繰り返される。
【0035】
他の局面において、本発明は、本明細書において記述されている方法およびプロセスに従って、質量分析器によって獲得されたデータをデータプロセッサに処理させることに適合されているコンピュータプログラミング媒体を提供する。当業者には明白であるように、多種多様なプログラミング言語および構造が使用され得ることにより、本発明を実装する。例えば、アセンブリ言語コード、または高級言語、例えば、Cバリアント、FORTRAN、またはCOBOLのうちの任意のものなどが使用され得ることにより、適切に適合された機械命令を備えている多種多様な適切なルーチン、モジュールおよびアプリケーションを実装する。当業者たちが本開示に熟知するようになると、適切な言語とプログラミング構造の組み合わせの選択は当業者には困難ではない。
【0036】
本発明の様々な特徴および構成要素の特定の組み合わせが本明細書において記述されているが、開示された特徴および構成要素のサブセット、および/またはこれらの特徴および構成要素の代替的な組み合わせが、要望に応じて利用され得るということが当業者には明白である。
【0037】
本発明の上で記述された実施形態は、本発明の例示であることが意図されており、本発明の範囲を逸脱することなく、そこに代替および改変が当業者によって加えられ得、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲のみによって定義される。従って、本発明は、上で述べられた厳密な実施形態、または方法論もしくは構成には限定されない。プロセス自体に必要とされるか、またはプロセス自体に内在する範囲を除いて、図面を含む本開示において記述された方法またはプロセスのステップまたは段階に関する特定の順序は、意図または暗示されていない。多くの場合において、記述された方法の目的、効果、または趣旨を変えることなく、プロセスのステップの順序は変更され得る。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】図1は、本発明を実装することにおける使用に適した質量分析システムの概略的ブロック図である。
【図2】図2は、本発明に従った、データを処理するプロセスの概略的流れ図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
質量分光計を使用してイオンを分析する方法であって、
該質量分光計において、未知の性質および未知の濃度のイオンを含む検体を提供することと、
該検体を有する該質量分光計において、既知の性質および既知の濃度のイオンを含む複数の検体を提供することと、
該質量分光計を使用して、既知の検体と未知の検体とが組み合わされたものに含まれるイオンの質量および強度の特性を表すデータを獲得することと、
該質量分光計と関連するプロセッサを使用して、質量および強度の特性を表す該データを比較することと、
該比較を使用して、未知の性質および未知の濃度のイオンを含む該検体に含まれる少なくとも1つの物質を識別することと
を包含する、方法。
【請求項2】
質量分光計を使用してイオンを分析する方法であって、
質量分光計において、未知の性質および未知の濃度のイオンを含む検体を提供することと、
該検体を有する該質量分光計において、既知の性質および既知の濃度のイオンを含む複数の検体を提供することと、
該質量分光計を使用して、既知の検体と未知の検体とが組み合わされたものに含まれるイオンの質量および強度の特性を表すデータを獲得することと、
該質量分光計と関連するプロセッサを使用して、質量および強度の特性を表す該データを比較することと、
該比較を使用して、未知の性質および未知の濃度のイオンを含む該検体に含まれる少なくとも1つの物質の識別を承認することと
を包含する、方法。
【請求項3】
質量分光計によって分析されたイオンの質量および強度の特性を表すデータを比較することであって、該データは質量分光計によって検体の組み合わせを分析することによって獲得され、該検体は未知の性質および未知の濃度のイオンを含む少なくとも1つの検体を含み、複数の検体は既知の性質および既知の濃度のイオンを含む、ことと、
該比較を使用することにより、未知の性質および未知の濃度のイオンを含む該少なくとも1つの検体に含まれる少なくとも1つの物質を識別することと
をデータプロセッサに行わせるように適合されているコンピュータプログラミング媒体。
【請求項4】
質量分光計によって分析されたイオンの質量および強度の特性を表すデータを比較することであって、該データは質量分光計によって検体の組み合わせを分析することによって獲得され、該検体は未知の性質および未知の濃度のイオンを含む少なくとも1つの検体を含み、複数の検体は既知の性質および既知の濃度のイオンを含む、ことと、
未知の性質および未知の濃度のイオンを含む該少なくとも1つの検体に含まれる少なくとも1つの物質の識別を承認するために、該比較を使用することと
をデータプロセッサに行わせるように適合されているコンピュータプログラミング媒体。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−542728(P2008−542728A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−513882(P2008−513882)
【出願日】平成18年6月2日(2006.6.2)
【国際出願番号】PCT/CA2006/000895
【国際公開番号】WO2006/128297
【国際公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【出願人】(505377197)エムディーエス インコーポレイテッド ドゥーイング ビジネス スルー イッツ エムディーエス サイエックス ディヴィジョン (12)
【Fターム(参考)】