説明

質量分析計

質量分析計の一部を構成するイオン移動度セパレータ(12)と直列である2つの平行な電極(9a、9b)を含むFAIMS装置を含む質量分析計が開示される。イオンは、電場強度に伴うイオン移動度の変化率に応じてFAIMS装置(9a、9b)において分離される。FAIMS装置(9a、9b)から前方に伝達されたイオンは、その後、複数の電極(12)と任意のイオントラップ領域(33)とを含むイオンセパレータ装置12に送られる。イオンは、AC又はRF電圧を電極(17)に印加することにより、イオンセパレータ内に半径方向に制限され、時間の関数として一定のままでありうるか又は経時的に変化しうる軸方向DC電圧勾配を印加することによりイオン移動度に応じて分離される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イオンを分離するための装置、イオン移動度セパレータ又はイオン移動度、質量分析計、イオン分離方法及び質量分析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
イオン移動度分離方法又はイオン移動度スペクトロメトリーは、大気圧においてイオン種を分離するために用いることができる方法である。この方法は、イオン移動度セパレータ又はスペクトロメータにおけるイオンの平均自由行程が粘性であってかつ分子状ではないように十分に小さいガス流という条件で、大気圧以下で用いることもできる。
【0003】
イオン移動度スペクトロメータは、分析検出器として用いられ、多くの異なる用途を有する。イオン移動度スペクトロメータは、時として、例えば、爆発物及び化学兵器の検出に用いられる場合もある。例えば、空港では爆発物の検出にイオン移動度スペクトロメータが用いられる場合があり、一部の政府機関では、薬物乱用の現場鑑識のための家宅捜索の際にイオン移動度スペクトロメータを携行している。農薬類、化学兵器及び工業用化学薬品の現場でのモニタリングは、イオン移動度スペクトロメータの別の用途である。
【0004】
イオン移動度セパレータは、複雑な生物学的混合物を質量分析による分析の前に迅速に分離するために用いることができる。
【0005】
公知のイオン移動度スペクトロメータは、イオン源、イオンゲート、ドリフトチューブ及びイオン検出器を含む。被分析試料は、イオン源においてイオン化され、その後、イオンゲートに受け渡されるもしくは伝達される。その後、イオンゲートはオンとオフのパルス状態になり、イオンの短いパルスをドリフトチューブ内に送ることを可能にする。ドリフトチューブは、ドリフトチューブの長さに沿って配置された複数の電極を含む。イオンをガスの対向流に逆らってドリフトチューブに沿わせかつ通過させて推進する又は進行させるために、比較的に高い強度のDC電場がドリフトチューブの長さに沿って保たれる。ドリフトチューブの出口領域に隣接してガス入口が設けられており、ドリフトチューブの入口領域に隣接してガス出口が設けられている。ガスは、イオンの移動方向と逆方向にドリフトチューブを流れるように構成されている。イオン化スペクトラムを変化させて選択性を変更するためにドリフトガスの流量を変動させてもよい。
【0006】
イオンパケットは、イオン移動度スペクトロメータのドリフトチューブを通じて、イオン化領域からドリフトチューブの出口領域に配置されたイオン検出器に推進される。イオンは、ガスの対向流に逆らって進行する際、ドリフト領域内でイオン移動度に応じて分離される。イオンが迅速に終端速度に達するのに十分な密度のドリフトガスによって又はこれに逆らってイオンを引っ張り、推進し又は進行させるために、電場が用いられる。終端速度は、印加された電場の強度におよそ比例している。終端速度は、イオン移動度に対しても比例している。したがって、イオンは、イオン移動度に応じて互いに分離が可能である。一般に、イオンのイオン移動度は、その断面積及び電荷に密接に関連している。
【0007】
気相中の試料のイオン移動度スペクトロメータに用いられるイオン化源には、放射性ニッケル、大気圧化学イオン化イオン源及び光イオン化イオン源が含まれる。最近では、エレクトロスプレーイオン化(「ESI」)を用いた、液体溶液中の極性試料のイオン移動度スペクトロメトリーが可能となっている。
【0008】
イオン移動度スペクトロメータは、周囲条件下において、簡単で安価なハイスループット・スクリーニングを実現する。
【0009】
最近になって、電場非対称性イオン移動度(Field Asymmetric Ion Mobility Spectrometry「FAIMS」)装置として知られる、従来のイオン移動度スペクトロメータの変形品が開発された。FAIMS装置は、異なる種のイオンが、イオン移動度自体ではなく、電場強度に伴うイオン移動度の変化率に応じてFAIMS装置内で分離される点で従来のイオン移動度スペクトロメータと異なっている。FAIMS装置は、大気圧及び周囲温度において気相イオンを分離することが可能であるが、広範囲の圧力及び温度にわたって動作することも可能である。
【0010】
電場非対称性イオン移動度スペクトロメトリー装置は、典型的には、例えば約10,000V/cmの電場強度を有しうる、比較的強いか又は高い周期電場を利用している。イオンを分離するために用いられる周期電場又は波形は非対称である、すなわち、印加された電場又は波形の正のピーク電圧の大きさと負のピーク電圧の大きさには差がある。正のピーク電圧又は負のピーク電圧のいずれかがより高い。
【0011】
電場非対称性イオン移動度スペクトロメトリー装置は、イオンが迅速に終端速度に達するのに十分な密度のガスによってイオンを引っ張る又は推進するために、電場を利用している。終端速度は、電場強度にほぼ比例する。しかし、この比例関係は高い電場強度において変化し、かつ化合物依存性である。したがって、イオンを互いから分離するために、電場強度に伴うイオン移動度の化合物特異的な変化を用いることができる。
【0012】
電場強度の変化に伴うイオン移動度の変化率は、イオン移動度に直接関連しているとは現在考えられていない。電場強度に伴う移動度の変化は、現在あまり良く理解されておらず、大部分は予測不可能であると一般に考えられている。イオン移動度の変化率は、強い電場の存在下におけるイオンの歪曲に対する感受性に依存している可能性がある。
【0013】
公知のFAIMS装置は、2つの金属プレート又は電極を含む。時間的に変化する非対称電場が金属プレート又は電極間で発生するように、非対称電圧又はポテンシャルが金属プレート又は電極に印加される。大きさ及び種類の異なるイオン混合物が2つの金属プレート又は電極間に導入される場合、適当な非対称電圧波形をプレート又は電極に印加することにより、ある種類のイオンは金属プレート又は電極の一方に向かってドリフトしかつそれに衝突しやすい一方で、他の種類のイオンはプレート又は電極間に位置したままとなりやすい状態が生じる。非対称電圧波形は、例えば、相対的に高い正電圧が相対的に短い時間印加され、相対的に低い負電圧が相対的に長い時間印加される(又はその逆も同様)方形波を含みうる。
【0014】
非対称電圧又は波形の印加によって生じる電場が比較的に弱い場合(例えば、電場強度が200V/cm未満である場合)、非対称電圧波形の印加中、イオンは前後に移動するか、又はさもなければプレート又は電極間で振動しやすくなる。イオンは、プレート又は電極のいずれかに向かって移動しにくくなる。しかし、非対称電圧又は波形の高電圧時に生じる電場が比較的に強いかあるいは高い(例えば、電場強度が、例えば約5000V/cmを超える)場合、イオンは、プレート又は電極のどちらか一方に向かってドリフトしやくなる。
【0015】
比較的に高強度の電場が印加される際のイオン移動度は、比較的低強度の電場が印加される際のイオン移動度とは異なっているため、イオンはプレート又は電極に向ってドリフトすることになる。電場においてイオンがいかに早く移動するかはイオン移動度により規定されるため、イオンは、比較的低強度の電場において移動するよりも、比較的高強度の電場において比例して遠くへ移動することになる(又はその逆も同様である)。
【0016】
典型的に印加される非対称電圧波形は、≧200kHzといった比較的高い周波数を有しやすい。電圧波形の各高電圧期中に若干の余分な距離を移動することにより、一方のプレートへのイオンの正味のドリフト(net drift)が生じる。
【0017】
電場強度と共に増加する移動度を示すイオンもあれば、電場強度と共に減少する移動度を示すイオンもある。その結果、非対称電圧波形の印加中、異なるイオンは、プレート又は電極間で反対方向に移動することができる。例えば、窒素又は酸素ガス中の塩化物イオンといったある種のイオンは、移動度が電場強度の関数として非常に大きく変化する。したがって、非対称波形の印加中、塩化物イオンは、プレート又は電極に向かって非常に急速にドリフトすることになる。一方、テトラプロピルアンモニウムイオンといった一部のイオンは、電場強度に伴ってごく小さいイオン移動度の相対変化しか示さず、よってプレート又は電極に向かって非常にゆっくりと移動する傾向がある。
【0018】
金属プレート又は電極の一方に向かうイオンの相対的な又は正味のドリフトは、小さい補償DC電圧をプレート又は電極に印加することによって停止あるいは均衡させることができる。補償電圧が特定の大きさ及び極性を有するように構成されている場合、特定のイオン種を、プレート又は電極の一方に向かってイオンに働く力を相殺する電気力を受けるように配置することができる。その結果、プレート又は電極の一方に向かうイオンの正味のドリフトは全体としてゼロとなる。イオンドリフトを逆にする又は補償するために印加される電圧は、一般に、補償電圧(「CV」)として知られている。
【0019】
塩化物イオンの移動度は高電場強度において著しく増加するため、塩化物イオンのドリフトを停止又は抑制するために必要な補償電圧は比較的高くなる。一方、テトラプロピルアンモニウムイオンのドリフトを停止又は抑制するために必要な補償電圧は比較的小さくなる。したがって、補償電圧を適切に選択及び設定することにより、ある種のイオンを選択し、ゼロの正味の力を受ける(よってプレート又は電極に衝突することなく、FAIMS装置を通過させる)ようにすることができる一方で、他のイオンの大半は非ゼロの正味の力を受けることになるためプレート又は電極の一方に衝突しやすくなり、ひいては装置から失われることは明らかである。
【0020】
FAIMS装置の2つのプレート又は電極間にイオンの混合物が配置され、高電圧の非対称波形がプレート又は電極に印加される場合、異なる種類のイオンが、それらのイオンに特有の速度でプレート又は電極に向かって移動し始めることになる。特定のDC補償電圧もプレート又は電極に印加される場合、ほとんどのイオンがプレートに衝突する一方、補償電圧が、非対称波形の印加によって生じるドリフトを釣り合わせる又は補償する電気力をもたらすのにちょうど適した電圧となっている一部のイオンは、プレート又は電極に向かってドリフトすることはない。かわりに、これらのイオンはFAIMS装置から出て来ることになる。したがって、FAIMS装置を用いてイオンの複雑な混合物を分離することが可能である。FAIMS装置のプレート又は電極間において均衡又は平衡状態にあるイオンの種類は、プレート又は電極に印加されるDC補償電圧を調整することにより選択又は変更がすることが可能である。
【0021】
FAIMS装置内のガス流によって搬送されるイオン混合物は、DC補償電圧を走査し(すなわち、さまざまに変化させ)、プレート又は電極間の空隙を通ってうまく搬送されたイオンを同時に検出することにより、いくつかのピークに分解することができる。異なる種類のイオンは、異なる特異的な特有のDC補償電圧でプレート又は電極間を移動又は通過する。このようにして観察されたピークのスペクトルは、補償電圧スペクトラムと呼ばれる。
【0022】
別の公知の電場非対称性イオン移動度スペクトロメトリー装置は、2つの平面電極の代わりに2つの同心円筒状電極を含む。非対称電圧波形及びDC補償電圧が、内側及び外側の円筒状電極に印加される。非対称波形の極性が、補償電圧がない場合に特定のイオン種を内側の円筒状電極に向かってドリフトさせるようなものである場合、イオンを内側の円筒状電極から離れるように反発させる追加の力を導入するように、適切なDC補償電圧の印加を構成することができる。したがって、電極に向かうドリフトは、バランスをとる補償電場によってある一定の半径距離において釣り合わされる。イオンが内側の円筒状電極により近い場合、イオンは、内側の円筒状電極から離れて、補償電場のバランスが保たれる半径方向の位置に向って移動する。同様に、イオンが外側の円筒状電極により近い場合、イオンは、外側の円筒状電極から離れて、補償電場のバランスが保たれる半径方向の位置に移動する。その結果、異なるイオン種は、2つの同心円筒状電極間において異なる固定された半径方向の位置にフォーカスされる。イオンは、分散、空間電荷イオン間反発力及びガスの乱流・運動効果により、理想的なあるいは理論的な半径方向の位置の周囲に分散される。
【0023】
同様のフォーカス効果は、同心球によって得ることができる。別の公知の電場非対称性イオン移動度スペクトロメトリー装置は、一方の端部で2つの同心半球の部分(section)として終わっている2つの同心円筒状電極を含む。この構成は、特定のイオンをFAIMS装置の一方の端部においてさらに濃縮させるために用いることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
公知のイオン移動度スペクトロメータ又はセパレータは、これらが、移動度の異なるイオンを例えば、典型的には20分の1、せいぜい50分の1といった、比較的に低いか又は乏しい分解能で分離することしかできないという点で、比較的乏しい分解能を欠点として有している。公知のイオン移動度スペクトロメータ又はセパレータの分解能を決定する要素としては、初期イオンパルス幅、イオン化及びドリフト領域の両方におけるイオン間のクーロン反発力による 広がり、イオンパケットの拡散による空間的広がり、及びドリフト領域におけるイオン−分子間反応がある。分解能に対するクーロンの寄与は、初期に発生したイオンの合計数によって決まる。
【0025】
一部の用途においては、公知のイオン移動度スペクトロメータ又はセパレータに固有の低分解能はあまりにも低く、偽陽性を招く可能性がある。例えば、イオン移動度スペクトロメータを爆発物や大量破壊兵器の神経ガスに用いられる生物化学品の検出に用いる場合、存在しうる別の無関係の化学品が検出され、目的の化学試薬と間違われる可能性がある。
【0026】
同様に、公知の電場非対称性イオン移動度スペクトロメトリー装置もまた、比較的低い分解能を欠点として有している、すなわち、これらは電場強度に対する異なる移動度感受性を有するイオンを、典型的には、20分の1、せいぜい50分の1しか分解することができない。一部の用途においては、この比較的低い分解能もまた、偽陽性を招く可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明の一局面によると、イオンをイオン移動度又は電場強度に伴うイオン移動度の変化率に応じて分離するための第1の装置と、イオンをイオン移動度又は電場強度に伴うイオン移動度の変化率に応じて分離するための第2の装置を含み、前記第1の装置の下流に第2の装置が配置される装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
前記第1の装置が、イオンをイオン電場強度に伴う移動度の変化率に応じて分離するように構成されていることが好ましい。上記の好適な実施形態によると、前記第1の装置が電場非対称性イオン移動度スペクトロメトリー(「FAIMS」)装置を含む。
【0029】
前記第1の装置が少なくとも第1の電極及び第2の電極を含み、使用時、イオンが前記第1及び第2の電極の間で受け取られるように配置されてもよい。一実施形態において、前記第1の電極が第1の平面プレート又は平面電極を含み、前記第2の電極が第2の平面プレート又は平面電極を含む。別の実施形態において、前記第1の電極が内側の円筒状電極を含み、前記第2の電極が外側の同心円筒状電極を含む。一実施形態によると、前記第1の電極が半球状の部分で終わり、かつ/又は前記第2の電極が半球状の部分で終わっていてもよい。ガス流を供給するための手段が設けられることが好ましく、前記ガス流は、前記第1の装置を通過するようにイオンを導く又は進行させる。
【0030】
前記第1の装置に非対称の周期電圧波形が印加されることが好ましく、前記非対称の周期電圧波形は正のピーク電圧及び負のピーク電圧を有する。前記正のピーク電圧が、(i)<100V、(ii)100〜500V、(iii)500〜1000V、(iv)1〜2kV、(v)2〜3kV、(vi)3〜4kV、(vii)4〜5kV、(viii)5〜6kV、(ix)6〜7kV、(x)7〜8kV、(xi)8〜9kV、(xii)9〜10kV、及び(xiii)>10kVからなる群より選ばれる振幅を有することが好ましい。前記負のピーク電圧が、(i)<100V、(ii)100〜500V、(iii)500〜1000V、(iv)1〜2kV、(v)2〜3kV、(vi)3〜4kV、(vii)4〜5kV、(viii)5〜6kV、(ix)6〜7kV、(x)7〜8kV、(xi)8〜9kV、(xii)9〜10kV、及び(xiii)>10kVからなる群より選ばれる振幅を有することが好ましい。
【0031】
前記正のピーク電圧の振幅の前記負のピーク電圧の振幅に対する比又は前記負のピーク電圧の振幅の前記正のピーク電圧の振幅に対する比が、(i)<1.5、(ii)1.5〜1.75、(iii)1.75〜2、(iv)2〜2.25、(v)2.25〜2.5、(vi)2.5〜2.75、(vii)2.75〜3、(viii)3〜3.25、(ix)3.25〜3.5、(x)3.5〜4、(xi)4〜5、(xii)5〜10、及び(xiii)>10からなる群より選ばれることが好ましい。
【0032】
前記非対称の周期電圧波形が、(i)<10V/cm、(ii)10〜50V/cm、(iii)50〜100V/cm、(iv)100〜500V/cm、(v)500〜1000V/cm、(vi)1〜2kV/cm、(vii)2〜3kV/cm、(viii)3〜4kV/cm、(ix)4〜5kV/cm、(x)5〜6kV/cm、(xi)6〜7kV/cm、(xii)7〜8kV/cm、(xiii)8〜9kV/cm、(xiv)9〜10kV/cm、及び(xv)>10kV/cmからなる群より選ばれる最大又は平均電場強度を有する電場を発生させることが好ましい。
【0033】
前記第1の装置にDC補償電圧が印加されることが好ましい。前記DC補償電圧が、(i)<5V、(ii)5〜10V、(iii)10〜15V、(iv)15〜20V、(v)20〜50V、(vi)50〜100V、及び(vii)>100Vからなる群より選ばれる振幅を有することが好ましい。前記DC補償電圧が、釣り合わせ又は相殺しなければ所望のイオンを前記第1の装置の電極に向かってドリフトさせる力を釣り合わせ又は相殺する働きをすることが好ましい。前記DC補償電圧が周期的に、直線的に、非直線的に、規則的に又は不規則に走査されてもよい。
【0034】
前記第1の装置が、使用時、(i)<0.0001ミリバール、(ii)0.0001〜0.0005ミリバール、(iii)0.0005〜0.001ミリバール、(iv)0.001〜0.005ミリバール、(v)0.005〜0.01ミリバール、(vi)0.01〜0.05ミリバール、(vii)0.05〜0.1ミリバール、(viii)0.1〜0.5ミリバール、(ix)0.5〜1ミリバール、(x)1〜5ミリバール、(xi)5〜10ミリバール、(xii)10〜50ミリバール、(xiii)50〜100ミリバール、(xiv)100〜500ミリバール、(xv)500〜1000ミリバール、及び(xvi)>1000ミリバールからなる群より選ばれる圧力で動作するように構成されていることが好ましい。
【0035】
前記第2の装置が、イオンをイオン移動度に応じて分離するように構成されていることが好ましい。前記第2の装置が、前記第1の装置から受け取られるイオン群を分離するように構成され、前記イオン群は電場強度に伴うイオン移動度の変化率に基づいて他のイオンから分離されたものであることが好ましい。前記第2の装置がイオン移動度セパレータ又はスペクトロメータを含むことが好ましい。
【0036】
前記第2の装置が複数の電極を含むことが好ましい。前記第2の装置が、(i)イオンが通過する開口部を有する複数の電極を含むイオン漏斗であって、前記開口部の直径が徐々に小さく又は大きくなっているイオン漏斗、(ii)イオンが通過する開口部を有する複数の電極を含むイオントンネルであって、前記開口部の直径が実質的に一定のままであるイオントンネル、及び(iii)プレート、リング又はワイヤループ電極のスタックからなる群より選ばれることが好ましい。
【0037】
前記第2の装置が複数の電極を含み、各電極が、使用時にイオンが通過する開口部を有することが好ましい。前記第2の装置が複数の電極を含み、各電極が、実質的に円形の開口部を有することが好ましい。前記第2の装置が複数の電極を含み、各電極が、使用時にイオンが通過する1つの開口部を有することが好ましい。
【0038】
前記第2の装置を構成する電極のうち少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は95%の電極の開口部の直径が、(i)10mm以下、(ii)9mm以下、(iii)8mm以下、(iv)7mm以下、(v)6mm以下、(vi)5mm以下、(vii)4mm以下、(viii)3mm以下、(ix)2mm以下、及び(x)1mm以下からなる群より選ばれることが好ましい。
【0039】
前記第2の装置が複数の電極を含み、前記第2の装置を構成する電極のうち少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は95%が、大きさ又は面積が実質的に同じ開口部を有することが好ましい。
【0040】
別の実施形態によると、前記第2の装置が、セグメント化されたロッドセットを含むことが好ましい。前記第2の装置が、(i)10〜20の電極、(ii)20〜30の電極、(iii)30〜40の電極、(iv)40〜50の電極、(v)50〜60の電極、(vi)60〜70の電極、(vii)70〜80の電極、(viii)80〜90の電極、(ix)90〜100の電極、(x)100〜110の電極、(xi)110〜120の電極、(xii)120〜130の電極、(xiii)130〜140の電極、(xiv)140〜150の電極、又は(xv)150を超える電極で構成されることが好ましい。
【0041】
前記第2の装置が複数の電極を含み、前記電極のうち少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は95%の電極の厚さが、(i)3mm以下、(ii)2.5mm以下、(iii)2.0mm以下、(iv)1.5mm以下、(v)1.0mm以下、及び(vi)0.5mm以下からなる群より選ばれることが好ましい。
【0042】
前記第2の装置が、(i)5cm未満、(ii)5〜10cm、(iii)10〜15cm、(iv)15〜20cm、(v)20〜25cm、(vi)25〜30cm、及び(vii)30cmを超える長さからなる群より選ばれる長さを有することが好ましい。
【0043】
前記第2の装置が複数の電極を含み、前記電極のうち少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%又は95%が、使用時にイオンが通過する開口部を有することが好ましい。
【0044】
前記第2の装置が複数の電極を含み、使用時、少なくとも一部のイオンを前記第2の装置の中心軸付近に制限するために、前記第2の装置の前記電極の少なくとも一部にAC又はRF電圧が印加されることが好ましい。前記AC又はRF電圧が、(i)<0.1MHz、(ii)0.1〜0.5MHz、(iii)0.5〜1MHz、(iv)1〜5MHz、及び(v)>5MHzからなる群より選ばれる範囲内の周波数を有することが好ましい。
【0045】
一実施形態によると、前記第2の装置の少なくとも一部に渡って1以上のDC電圧勾配が維持されることが好ましい。
【0046】
一実施形態によると、前記第2の装置が1つ以上の電極を含むドリフトチューブを含み、使用時、前記ドリフトチューブの少なくとも一部に沿って1以上の軸方向DC電圧勾配が維持される。
【0047】
一実施形態によると、前記DC電圧勾配が、(i)<10V/cm、(ii)10〜50V/cm、(iii)50〜100V/cm、(iv)100〜500V/cm、(v)500〜1000V/cm、(vi)1〜2kV/cm、(vii)2〜3kV/cm、(viii)3〜4kV/cm、(ix)4〜5kV/cm、(x)5〜6kV/cm、(xi)6〜7kV/cm、(xii)7〜8kV/cm、(xiii)8〜9kV/cm、(xiv)9〜10kV/cm、及び(xv)>10kV/cmからなる群より選ばれる最大又は平均電場強度を有する電場を生じさせる。
【0048】
特に好適な実施形態によると、前記第2の装置が複数の電極を含み、使用時、第1のイオン移動度を有する少なくとも一部のイオンが第2の異なるイオン移動度を有する他のイオンから分離されるように、1以上の過渡DC電圧又は1以上の過渡DC電圧波形が前記電極に徐々に印加される。前記1以上の過渡DC電圧又は前記1以上の過渡DC電圧波形が、前記1以上の過渡DC電圧又は前記1以上の過渡DC電圧波形が前記電極に徐々に印加される際に、前記1以上の過渡DC電圧又は前記1以上の過渡DC電圧波形により前記第1のイオン移動度を有するイオンのうち少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は95%が実質的に前記第2の装置に沿って移動されるようなものであることが好ましい。
【0049】
一実施形態によると、前記1以上の過渡DC電圧又は前記1以上の過渡DC電圧波形が、前記1以上の過渡DC電圧又は前記1以上の過渡DC電圧波形が前記電極に徐々に印加される際に、前記第1のイオン移動度を有するイオンよりも低い度合で印加された前記DC電圧により、前記第2のイオン移動度を有するイオンのうち少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は95%が前記第2の装置に沿って移動されるようなものである。前記1以上の過渡DC電圧又は前記1以上の過渡DC電圧波形が、前記第1のイオン移動度を有するイオンのうち少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は95%が前記第2のイオン移動度を有するイオンよりも高い速度で前記第2の装置に沿って移動されるようなものであることが好ましい。
【0050】
一実施形態によると、前記第2の装置が、イオンをイオン移動度に応じて分離するためのイオン移動度セパレータを含み、前記イオン移動度セパレータが複数の電極を含み、イオンが前記イオン移動度セパレータの領域に向かって移動されるように、使用時に1以上の過渡DC電圧又は1以上の過渡DC電圧波形が前記電極に徐々に印加され、少なくとも1つの電極がポテンシャルを有し、前記ポテンシャルは、第1のイオン移動度を有する少なくとも一部のイオンが該ポテンシャルを通過するが、第2の異なるイオン移動度を有する他のイオンが該ポテンシャルを通過しないようなものである。前記1以上の過渡DC電圧又は前記1以上の過渡DC電圧波形が、前記第1のイオン移動度を有するイオンのうち少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は95%が前記ポテンシャルを通過するようなものであることが好ましい。前記1以上の過渡DC電圧又は前記1以上の過渡DC電圧波形が、前記第2のイオン移動度を有するイオンのうち少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は95%が前記ポテンシャルを通過しないようなものであることが好ましい。
【0051】
前記少なくとも1つの電極が、ポテンシャルの山又は谷がもたらされるような電圧を与えられていることが好ましい。前記1以上の過渡DC電圧又は前記1以上の過渡DC電圧波形が、前記第1のイオン移動度を有するイオンのうち少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は95%が前記第2のイオン移動度を有するイオンよりも実質的に先に前記第2の装置を出射するようなものであることが好ましい。
【0052】
一実施形態によると、前記1以上の過渡DC電圧又は前記1以上の過渡DC電圧波形が、前記第2のイオン移動度を有するイオンのうち少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は95%が前記第1のイオン移動度を有するイオンよりも実質的に後に前記第2の装置を出射するようなものである。
【0053】
前記第1のイオン移動度を有するイオンの大部分が、前記第2のイオン移動度を有するイオンの大部分が前記第2の装置を出射するよりも時間t先に前記第2の装置を出射し、tが、(i)<1μ秒、(ii)1〜10μ秒、(iii)10〜50μ秒、(iv)50〜100μ秒、(v)100〜200μ秒、(vi)200〜300μ秒、(vii)300〜400μ秒、(viii)400〜500μ秒、(ix)500〜600μ秒、(x)600〜700μ秒、(xi)700〜800μ秒、(xii)800〜900μ秒、(xiii)900〜1000μ秒、(xiv)1.0〜1.1m秒(xv)1.1〜1.2m秒、(xvi)1.2〜1.3m秒、(xvii)1.3〜1.4m秒、(xviii)1.4〜1.5m秒、(xix)1.5〜1.6m秒、(xx)1.6〜1.7m秒、(xxi)1.7〜1.8m秒、(xxii)1.8〜1.9m秒、(xxiii)1.9〜2.0m秒、(xxiv)2.0〜2.5m秒、(xxv)2.5〜3.0m秒、(xxvi)3.0〜3.5m秒、(xxvii)3.5〜4.0m秒、(xxviii)4.0〜4.5m秒、(xxix)4.5〜5.0m秒、(xxx)5〜10m秒、(xxxi)10〜15m秒、(xxxii)15〜20m秒、(xxxiii)20〜25m秒、(xxxiv)25〜30m秒、及び(xxxv)>30m秒からなる群より選ばれる範囲に含まれることが好ましい。
【0054】
一実施形態によると、前記第2の装置が、イオンをイオン移動度に応じて分離するためのイオン移動度セパレータを含み、前記イオン移動度セパレータは、複数の電極を含み、(i)イオンが前記イオン移動度セパレータの領域に向かって移動され、少なくとも1つの電極が第1のポテンシャルを有し、前記第1のポテンシャルは、少なくとも一部の第1のイオン移動度及び第2の異なるイオン移動度を有するイオンが該ポテンシャルを通過するが、他の第3の異なるイオン移動度を有するイオンが該ポテンシャルを通過しないようなものであり、(ii)前記第1及び第2のイオン移動度を有するイオンが前記イオン移動度セパレータの領域に向かって移動され、少なくとも1つの電極が第2のポテンシャルを有し、前記第2のポテンシャルは、少なくとも一部の前記第1のイオン移動度を有するイオンが該ポテンシャルを通過が、他の前記第2の異なるイオン移動度を有するイオンが該ポテンシャルを通過しないようなものであるように、前記電極に、使用時に1以上の過渡DC電圧又は1以上の過渡DC電圧波形が徐々に印加される。
【0055】
前記1以上の過渡DC電圧又は前記1以上の過渡DC電圧波形及び前記第1のポテンシャルが、前記第1のイオン移動度を有するイオンのうち少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は95%が前記第1のポテンシャルを通過するようなものであることが好ましい。前記1以上の過渡DC電圧又は前記1以上の過渡DC電圧波形及び前記第1のポテンシャルが、前記第2のイオン移動度を有するイオンのうち少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は95%が前記第1のポテンシャルを通過するようなものであることが好ましい。
【0056】
一実施形態によると、前記1以上の過渡DC電圧又は前記1以上の過渡DC電圧波形及び前記第1のポテンシャルが、前記第3のイオン移動度を有するイオンのうち少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は95%が前記第1のポテンシャルを通過しないようなものである。
【0057】
前記1以上の過渡DC電圧又は前記1以上の過渡DC電圧波形及び前記第2のポテンシャルが、前記第1のイオン移動度を有するイオンのうち少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は95%が前記第2のポテンシャルを通過するようなものであることが好ましい。同様に、前記1以上の過渡DC電圧又は前記1以上の過渡DC電圧波形及び前記第2のポテンシャルが、前記第2のイオン移動度を有するイオンのうち少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は95%が前記第2のポテンシャルを通過しないようなものであることが好ましい。
【0058】
前記1以上の過渡DC電圧又は前記1以上の過渡DC電圧波形が、前記第2のイオン移動度を有するイオンのうち少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は95%が、前記第1及び第3のイオン移動度を有するイオンよりも実質的に先に前記イオン移動度セパレータを出射するようなものであることが好ましい。
【0059】
一実施形態によると、前記1以上の過渡DC電圧又は前記1以上の過渡DC電圧波形が、前記第1及び第3のイオン移動度を有するイオンのうち少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は95%が、前記第2のイオン移動度を有するイオンよりも実質的に後に、前記イオン移動度セパレータを出射するようなものである。
【0060】
前記第2のイオン移動度を有するイオンの大部分が、前記第1及び第3のイオン移動度を有するイオンの大部分が前記イオン移動度セパレータを出射するよりも時間t先に前記イオン移動度セパレータを出射し、tが、(i)<1μ秒、(ii)1〜10μ秒、(iii)10〜50μ秒、(iv)50〜100μ秒、(v)100〜200μ秒、(vi)200〜300μ秒、(vii)300〜400μ秒、(viii)400〜500μ秒、(ix)500〜600μ秒、(x)600〜700μ秒、(xi)700〜800μ秒、(xii)800〜900μ秒、(xiii)900〜1000μ秒、(xiv)1.0〜1.1m秒(xv)1.1〜1.2m秒、(xvi)1.2〜1.3m秒、(xvii)1.3〜1.4m秒、(xviii)1.4〜1.5m秒、(xix)1.5〜1.6m秒、(xx)1.6〜1.7m秒、(xxi)1.7〜1.8m秒、(xxii)1.8〜1.9m秒、(xxiii)1.9〜2.0m秒、(xxiv)2.0〜2.5m秒、(xxv)2.5〜3.0m秒、(xxvi)3.0〜3.5m秒、(xxvii)3.5〜4.0m秒、(xxviii)4.0〜4.5m秒、(xxix)4.5〜5.0m秒、(xxx)5〜10m秒、(xxxi)10〜15m秒、(xxxii)15〜20m秒、(xxxiii)20〜25m秒、(xxxiv)25〜30m秒、及び(xxxv)>30m秒からなる群より選ばれる範囲に含まれることが好ましい。
【0061】
一実施形態によると、前記第2の装置に印加される前記1以上の過渡DC電圧が、(i)ポテンシャルの山又は障壁、(ii)ポテンシャル井戸、(iii)ポテンシャルの山又は障壁とポテンシャル井戸との組み合わせ、(iv)多数のポテンシャルの山又は障壁、(v)多数のポテンシャル井戸、又は(vi)多数のポテンシャルの山又は障壁と多数のポテンシャル井戸との組み合わせを生じさせる。1以上の過渡DC電圧波形が方形波等の反復波形を含むことが好ましい。
【0062】
一実施形態によると、前記第2の装置に印加される前記1以上の過渡DC電圧波形が、中間領域によって分離された複数のポテンシャルピーク又は井戸を生じさせる。前記中間領域における前記DC電圧勾配が非ゼロである、例えば、中間領域において、前記DC電圧勾配が正又は負であることが好ましい。前記中間領域における前記DC電圧勾配が直線的であることが好ましい。あるいは、前記中間領域における前記DC電圧勾配は非直線的である。一実施形態によると、前記中間領域における前記DC電圧勾配が指数関数的に増加又は減少する。
【0063】
前記ポテンシャルピーク又は井戸の振幅が実質的に一定のままであることが好ましい。前記ポテンシャルピーク又は井戸の振幅が徐々に大きく又は小さくなってもよい。前記ポテンシャルピーク又は井戸の振幅が直線的に又は非直線的に増加又は減少してもよい。
【0064】
一実施形態によると、使用時、前記第2の装置の長さの少なくとも一部に沿って軸方向DC電圧勾配が維持され、前記軸方向電圧勾配が経時的に変化する。
【0065】
前記第2の装置が、第1の基準ポテンシャルに保たれた第1の電極と、第2の基準ポテンシャルに保たれた第2の電極と、第3の基準ポテンシャルに保たれた第3の電極とを含むイオン移動度セパレータを含み、
第1の時間t1において、前記第1の電極が前記第1の基準ポテンシャルより上又は下の第1のポテンシャルに保たれるように、前記第1の電極に第1のDC電圧が供給され、
それ以降の第2の時間t2において、前記第2の電極が前記第2の基準ポテンシャルより上又は下の第2のポテンシャルに保たれるように前記第2の電極に第2のDC電圧が供給され、
それ以降の第3の時間t3において、前記第3の電極が前記第3の基準ポテンシャルより上又は下の第3のポテンシャルに保たれるように前記第3の電極に第3のDC電圧が供給されることが好ましい。
【0066】
一実施形態によると、前記第1の時間t1において、前記第2の電極が前記第2の基準ポテンシャルにあり、前記第3の電極が前記第3の基準ポテンシャルにあり、
前記第2の時間t2において、前記第1の電極が前記第1のポテンシャルにあり、前記第3の電極が前記第3の基準ポテンシャルにあり、
前記第3の時間t3において、前記第1の電極が前記第1のポテンシャルにあり、前記第2の電極が前記第2のポテンシャルにある。
【0067】
一実施形態によると、前記第1の時間t1において、前記第2の電極が前記第2の基準ポテンシャルにあり、前記第3の電極が前記第3の基準ポテンシャルにあり、
前記第2の時間t2において、前記第1の電極が前記第1の基準ポテンシャルに戻されるように前記第1の電極には前記第1のDC電圧がもはや供給されず、前記第3の電極が前記第3の基準ポテンシャルにあり、
前記第3の時間t3において、前記第1の電極が前記第1の基準ポテンシャルにあり、前記第2の電極が前記第2の基準ポテンシャルに戻されるように前記第2の電極には前記第2のDC電圧がもはや供給されない。
【0068】
前記第1、第2及び第3の基準ポテンシャルが実質的に同じであることが好ましい。前記第1、第2及び第3のDC電圧が実質的に同じであることが好ましい。前記第1、第2及び第3のポテンシャルが実質的に同じであることが好ましい。
【0069】
一実施形態によると、前記第2の装置が、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30又は>30のセグメントを含むイオン移動度セパレータを含み、各セグメントが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30又は>30の電極を含み、1つのセグメント内の前記電極が実質的に同じDCポテンシャルに維持される。複数のセグメントが実質的に同じDCポテンシャルに維持されることが好ましい。各セグメントが、そのn番目後のセグメントと実質的に同じDCポテンシャルに保持され、nが、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30又は>30であることが好ましい。
【0070】
一実施形態によると、イオンがAC又はRF電場により前記第1の装置及び/又は前記第2の装置内で半径方向(radially)に制限される。イオンが擬ポテンシャル井戸において前記第1の装置及び/又は前記第2の装置内で半径方向に制限され、実ポテンシャル障壁又は井戸によって軸方向に移動されることが好ましい。
【0071】
一実施形態によると、イオンが前記第1の装置及び/又は前記第2の装置の長さの少なくとも一部に沿って進行するように、使用時、前記第1の装置及び/又は前記第2の装置の少なくとも一部の電極に1以上のAC又はRF電圧波形が印加される。イオンが前記第1の装置及び/又は前記第2の装置を通過する通過時間が、(i)20m秒以下、(ii)10m秒以下、(iii)5m秒以下、(iv)1m秒以下、及び(v)0.5m秒以下からなる群より選ばれることが好ましい。
【0072】
前記第2の装置が、使用時、(i)0.0001ミリバール以上、(ii)0.0005ミリバール以上、(iii)0.001ミリバール以上、(iv)0.005ミリバール以上、(v)0.01ミリバール以上、(vi)0.05ミリバール以上、(vii)0.1ミリバール以上、(viii)0.5ミリバール以上、(ix)1ミリバール以上、(x)5ミリバール以上、及び(xi)10ミリバール以上からなる群より選ばれる圧力に維持されることが好ましい。前記第2の装置が、使用時、(i)10ミリバール以下、(ii)5ミリバール以下、(iii)1ミリバール以下、(iv)0.5ミリバール以下、(v)0.1ミリバール以下、(vi)0.05ミリバール以下、(vii)0.01ミリバール以下、(viii)0.005ミリバール以下、(ix)0.001ミリバール以下、(x)0.0005ミリバール以下、及び(xi)0.0001ミリバール以下からなる群より選ばれる圧力に維持されることが好ましい。前記第2の装置が、使用時、(i)0.0001と10ミリバールとの間、(ii)0.0001と1ミリバールとの間、(iii)0.0001と0.1ミリバールとの間、(iv)0.0001と0.01ミリバールとの間、(v)0.0001と0.001ミリバールとの間、(vi)0.001と10ミリバールとの間、(vii)0.001と1ミリバールとの間、(viii)0.001と0.1ミリバールとの間、(ix)0.001と0.01ミリバールとの間、(x)0.01と10ミリバールとの間、(xi)0.01と1ミリバールとの間、(xii)0.01と0.1ミリバールとの間、(xiii)0.1と10ミリバールとの間、(xiv)0.1と1ミリバールとの間、及び(xv)1と10ミリバールとの間からなる群より選ばれる圧力に維持されることが好ましい。
【0073】
一実施形態によると、前記第1の装置及び/又は前記第2の装置が、使用時、前記第1の装置及び/又は前記第2の装置を通過するイオンに粘性抵抗がかかるような圧力に維持される。使用時、1以上の過渡DC電圧又は1以上の過渡DC電圧波形が、前記第1の装置及び/又は前記第2の装置に沿って、最初に第1の軸方向位置に供給され、その後、引き続き第2の異なる軸方向位置、そして第3の異なる軸方向位置に供給されることが好ましい。
【0074】
少なくとも一部のイオンが前記第1の装置及び/又は前記第2の装置に沿って進行するように、1以上の過渡DC電圧又は1以上の過渡DC電圧波形が前記第1の装置及び/又は前記第2の装置の一方の端部から前記第1の装置及び/又は前記第2の装置の別の端部に移動することが好ましい。前記第1の装置及び/又は前記第2の装置の電極に印加される1以上の過渡DC電圧又は1以上の過渡DC電圧波形が、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9又は10の異なる振幅を有することが好ましい。前記第1の装置及び/又は前記第2の装置の電極に印加される1以上の過渡DC電圧又は1以上の過渡DC電圧波形の振幅が、経時的にほぼ一定のままであることが好ましい。あるいは、前記第1の装置及び/又は前記第2の装置の電極に印加される1以上の過渡DC電圧又は1以上の過渡DC電圧波形の振幅が、経時的に変化してもよい。前記1以上の過渡DC電圧又は前記1以上の過渡DC電圧波形の振幅が、(i)経時的に増加、(ii)経時的に増加後、減少、(iii)経時的に減少、又は(iv)経時的に減少後、増加してもよい。
【0075】
前記第1の装置及び/又は前記第2の装置が、上流の入口領域と、下流の出口領域と中間領域とを含んでもよく、
前記入口領域において、前記1以上の過渡DC電圧又は前記1以上の過渡DC電圧波形の振幅が第1の振幅を有し、
前記中間領域において、前記1以上の過渡DC電圧又は前記1以上の過渡DC電圧波形の振幅が第2の振幅を有し、
前記出口領域において、前記1以上の過渡DC電圧又は前記1以上の過渡DC電圧波形の振幅が第3の振幅を有する。
【0076】
前記入口及び/又は出口領域が、前記第1の装置及び/又は前記第2の装置の合計軸方向長さの、(i)<5%、(ii)5〜10%、(iii)10〜15%、(iv)15〜20%、(v)20〜25%、(vi)25〜30%、(vii)30〜35%、(viii)35〜40%、及び(ix)40〜45%からなる群より選ばれる割合を含むことが好ましい。
【0077】
一実施形態によると、前記第1及び/又は第3の振幅が実質的にゼロであり、前記第2の振幅が実質的に非ゼロである。前記第2の振幅が前記第1の振幅より大きく、かつ/又は前記第2の振幅が前記第3の振幅より大きいことが好ましい。
【0078】
一実施形態によると、前記第1の装置及び/又は前記第2の装置の電極に印加される1以上の過渡DC電圧又は1以上の過渡DC電圧波形が、使用時、前記第1の装置及び/又は前記第2の装置に沿って第1の速度で進む。前記第1の速度が、(i)実質的に一定のままである、(ii)変化する、(iii)増加する、(iv)増加後、減少する、(v)減少する、(vi)減少後、増加する、(vii)実質的にゼロに減少する、(viii)方向が逆転する、又は(ix)実質的にゼロに減少後、方向が逆転することが好ましい。
【0079】
一実施形態によると、前記1以上の過渡DC電圧又は前記1以上の過渡DC電圧波形が、前記第1の装置及び/又は前記第2の装置内の一部のイオンを前記第1の装置及び/又は前記第2の装置に沿って第2の異なる速度で進ませる。前記1以上の過渡DC電圧又は前記1以上の過渡DC電圧波形が、前記第1の装置及び/又は前記第2の装置の一部のイオンを前記第1の装置及び/又は前記第2の装置に沿って第3の異なる速度で進ませることが好ましい。前記1以上の過渡DC電圧又は前記1以上の過渡DC電圧波形が、前記第1の装置及び/又は前記第2の装置内の一部のイオンを前記第1の装置及び/又は前記第2の装置に沿って第4の異なる速度で進ませることが好ましい。
【0080】
一実施形態によると、前記1以上の過渡DC電圧又は前記1以上の過渡DC電圧波形が、前記第1の装置及び/又は前記第2の装置内の一部のイオンを前記第1の装置及び/又は前記第2の装置に沿って第5の異なる速度で進ませる。前記第1の速度、及び前記第2及び/又は前記第3及び/又は前記第4及び/又は前記第5の速度の差が、(i)50m/秒以下、(ii)40m/秒以下、(iii)30m/秒以下、(iv)20m/秒以下、(v)10m/秒以下、(vi)5m/秒以下、及び(vii)1m/秒以下からなる群より選ばれることが好ましい。
【0081】
前記第1の速度が、(i)10〜250m/秒、(ii)250〜500m/秒、(iii)500〜750m/秒、(iv)750〜1000m/秒、(v)1000〜1250m/秒、(vi)1250〜1500m/秒、(vii)1500〜1750m/秒、(viii)1750〜2000m/秒、(ix)2000〜2250m/秒、(x)2250〜2500m/秒、(xi)2500〜2750m/秒、及び(xii)2750〜3000m/秒からなる群より選ばれることが好ましい。前記第2及び/又は前記第3及び/又は前記第4及び/又は前記第5の速度が、(i)10〜250m/秒、(ii)250〜500m/秒、(iii)500〜750m/秒、(iv)750〜1000m/秒、(v)1000〜1250m/秒、(vi)1250〜1500m/秒、(vii)1500〜1750m/秒、(viii)1750〜2000m/秒、(ix)2000〜2250m/秒、(x)2250〜2500m/秒、(xi)2500〜2750m/秒、及び(xii)2750〜3000m/秒からなる群より選ばれることが好ましい。
【0082】
一実施形態によると、前記第1の装置及び/又は前記第2の装置の電極に印加される1以上の過渡DC電圧又は1以上の過渡DC電圧波形が周波数を有し、前記周波数は、(i)実質的に一定のままである、(ii)変化する、(iii)増加する、(iv)増加後、減少する、(v)減少する、又は(vi)減少後、増加する。
【0083】
一実施形態によると、1以上の過渡DC電圧又は1以上の過渡DC電圧波形が、第1の装置及び/又は前記第2の装置の電極に印加され、かつ波長を有し、前記波長は、(i)実質的に一定のままである、(ii)変化する、(iii)増加する、(iv)増加後、減少する、(v)減少する、又は(vi)減少後、増加する。
【0084】
一実施形態によると、2以上の過渡DC電圧又は2以上の過渡DC電圧波形が、前記第1の装置及び/又は前記第2の装置に印加され、かつ前記第1の装置及び/又は前記第2の装置に沿って同時に進む。一実施形態によると、前記2以上の過渡DC電圧又は前記2以上の過渡DC電圧波形が、(i)同じ方向に、(ii)逆方向に、(iii)互いに向かって、又は(iv)互いから離れて移動するように構成されている。
【0085】
1以上の過渡DC電圧又は1以上の過渡DC電圧波形が前記第1の装置及び/又は前記第2の装置に沿って進み、少なくとも1つの実質的に定常の過渡DCポテンシャル電圧又は電圧波形が、前記第1の装置及び/又は前記第2の装置に沿った位置に供給されることが好ましい。
【0086】
1以上の過渡DC電圧又は1以上の過渡DC電圧波形が、繰り返し発生され、かつ、使用時に前記第1の装置及び/又は前記第2の装置に沿って進み、前記1以上の過渡DC電圧又は前記1以上の過渡DC電圧波形を発生させる周波数が、(i)実質的に一定のままである、(ii)変化する、(iii)増加する、(iv)増加後、減少する、(v)減少する、又は(vi)減少後、増加することが好ましい。
【0087】
一実施形態によると、使用時、前記第1の装置及び/又は前記第2の装置への入口において連続イオンビームが受け取られる。あるいは、一実施形態によると、使用時、前記第1の装置及び/又は前記第2の装置への入口においてイオンパケットが受け取られる。使用時、前記第1の装置及び/又は前記第2の装置の出口からイオンパルスが出て来ることが好ましい。
【0088】
一実施形態によると、上記装置はイオン検出器をさらに含み、前記イオン検出器は、使用時、前記第1の装置及び/又は前記第2の装置の出口から出て来る前記イオンパルスに対して実質的に位相が固定されるように構成されている。
【0089】
一実施形態によると、上記装置はドリフト領域内にイオンを注入するための電極を含む飛行時間質量分析器をさらに含み、前記電極は、使用時、前記第1の装置及び/又は前記第2の装置の出口から出て来る前記イオンパルスと実質的に同期して通電されるように構成されている。
【0090】
前記第1の装置及び/又は前記第2の装置が複数の電極を含み、前記電極のうち少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は95%が、DC電圧源、及びAC又はRF電圧源の両方に接続されていることが好ましい。一実施形態によると、前記第1の装置及び/又は前記第2の装置が複数の電極を含み、軸方向に隣接する電極に180度の位相差を有するAC又はRF電圧が供給される。
【0091】
一実施形態によると、前記第2の装置は、(i)<0.0001ミリバール、(ii)0.0001〜0.0005ミリバール、(iii)0.0005〜0.001ミリバール、(iv)0.001〜0.005ミリバール、(v)0.005〜0.01ミリバール、(vi)0.01〜0.05ミリバール、(vii)0.05〜0.1ミリバール、(viii)0.1〜0.5ミリバール、(ix)0.5〜1ミリバール、(x)1〜5ミリバール、(xi)5〜10ミリバール、(xii)10〜50ミリバール、(xiii)50〜100ミリバール、(xiv)100〜500ミリバール、(xv)500〜1000ミリバール、及び(xvi)>1000ミリバールからなる群より選ばれる圧力で動作するように構成されている。
【0092】
一実施形態によると、前記第2の装置はガス源を供給するための手段を含み、使用時、前記ガスが、前記第2の装置を通るイオンの移動方向に逆らって流れる。
【0093】
やや好適な実施形態によると、前記第1の装置は、イオンをイオン移動度に応じて分離するように構成されている、すなわち、好適な実施形態を参照して上記又は下記に説明される全ての局面を組み込んだイオン移動度セパレータ又はスペクトロメータを含んでもよい。同様に、やや好適な実施形態によると、前記第2の装置は、イオンを電場強度に伴うイオン移動度の変化率に応じて分離するように構成されてもよい、すなわち、FAIMS装置を含んでもよい。この場合も同様に、やや好適な実施形態によると、上記第2の装置は、好適な実施形態を参照して上記及び下記に説明される全ての局面を組み込んでいてもよい。
【0094】
前記第2の装置が、イオンをイオン移動度に応じて分離するためのドリフトチューブ又は領域を含み、前記第2の装置は、前記ドリフトチューブ又は領域を通過したイオンを検出するための前記ドリフトチューブ又は領域の出口に配置されたイオン検出器をさらに含むことが好ましい。
【0095】
一実施形態によると、前記第2の装置が、前記ドリフトチューブ又は領域の上流領域に配置されたゲート電極又はメッシュ電極を含み、前記ドリフトチューブ又は領域内にイオンをパルス化するために、前記ゲート電極又はメッシュ電極に周期的に電圧が印加される。前記第2の装置が、前記イオン検出器を遮断するために前記ドリフトチューブ又は領域の下流領域に配置された電極又はメッシュ電極を含んでもよい。
【0096】
一実施形態によると、前記第2の装置が、イオンをイオン移動度に応じて分離するためのドリフトチューブ又は領域を有し、前記第2の装置は、イオンを前記ドリフトチューブ又は領域内に直交加速するための直交加速電極をさらに含む。記第2の装置が、イオンを捕捉するためのイオントラップ領域及びイオンがイオン移動度に応じて分離されるドリフト領域を含んでもよい。前記トラップ領域が、前記トラップ領域内でイオンを軸方向に制限するための少なくとも1つの電極又はメッシュ電極を含み、使用時、イオンは、前記トラップ領域から前記ドリフト領域内に周期的に放出又はパルス排出されてもよい。使用時、イオンが前記トラップ領域内に蓄積される一方、他のイオンは、前記ドリフト領域内においてイオン移動度に応じて分離されることが好ましい。
【0097】
上記装置は、連続イオン源又はパルス状イオン源をさらに含むことが好ましい。一実施形態によると、(i)エレクトロスプレーイオン化(「ESI」)イオン源、(ii)大気圧光イオン化(「APPI」)イオン源、(iii)大気圧化学イオン化(「APCI」)イオン源、(iv)マトリックス支援レーザー脱離イオン化(「MALDI」)イオン源、(v)レーザー脱離イオン化(「LDI」)イオン源、(vi)大気圧イオン化(「API」)イオン源、(vii)シリコン上脱離イオン化(「DIOS」)イオン源、(viii)電子衝撃(「EI」)イオン源、(ix)化学イオン化(「CI」)イオン源、(x)電界イオン化(「FI」)イオン源、(xi)電界脱離(「FD」)イオン源、(xii)誘導結合プラズマ(「ICP」)イオン源、(xiii)高速原子衝撃(「FAB」)イオン源、(xiv)液体二次イオン質量分析(「LSIMS」)イオン源、(xv)脱離エレクトロスプレーイオン化(「DESI」)イオン源、及び(xvi)ニッケル63放射性イオン源(Nickel−63 radioactive ion source)からなる群より選ばれるイオン源を設けてもよい。
【0098】
上記装置は、被分析試料をイオン化の前に分離するための分離装置をさらに含んでもよい。前記分離装置が、(i)液体クロマトグラフィー装置、(ii)ガスクロマトグラフィー装置、(iii)超臨界流体クロマトグラフィー装置、(iv)キャピラリー電気泳動法装置、及び(v)キャピラリー電気泳動法クロマトグラフィー装置からなる群より選ばれることが好ましい。
【0099】
本発明の一局面によると、上記に説明した装置を含む質量分析計が提供される。前記第2の装置が、前記質量分析計の第1の真空室内に配置されていることが好ましい。一実施形態によると、上記質量分析計は、前記第2の装置の下流に第2の真空室をさらに含む。
【0100】
前記第1及び/又は第2の真空室内に1つ以上のAC又はRFイオンガイドが配置されることが好ましい。一実施形態によると、上記質量分析計は、前記第1の真空室の上流に配置されたさらなる真空室をさらに含む。
【0101】
一実施形態によると、上記質量分析計は、質量分析器をさらに含む。前記質量分析器が、(i)直交加速飛行時間質量分析器、(ii)軸方向加速飛行時間質量分析器、(iii)ポール(Paul)三次元四重極イオントラップ質量分析器、(iv)二次元又はリニア四重極イオントラップ質量分析器、(v)フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析器、(vi)扇形磁場質量分析器、(vii)四重極質量分析器、及び(viii)ペニングトラップ質量分析器からなる群より選ばれることが好ましい。
【0102】
一実施形態によると、上記質量分析計は、衝突又はフラグメンテーションセルをさらに含む。前記衝突又はフラグメンテーションセルが、前記衝突又はフラグメンテーションセル内でイオンを半径方向に制限するためのAC又はRF電場を発生させるためのAC又はRF手段を含むことが好ましい。前記衝突又はフラグメンテーションセルが、前記衝突又はフラグメンテーションセルの軸方向長さの少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は95%にわたって一定のDC電場を発生させるための手段を含むことが好ましい。イオンを前記衝突又はフラグメンテーションセルに沿ってかつこれを通過して進行させるための過渡又は時変DC電圧又はポテンシャル波形を発生させるための手段がさらに設けられることが好ましい。前記衝突又はフラグメンテーションセルは、表面誘起分解のための表面を含んでもよい。
【0103】
本発明の別の局面によると、第1の装置内において、イオンをイオン移動度又は電場強度に伴うイオン移動度の変化率に応じて分離し、その後
第1の装置の下流に配置されている第2の装置において、イオンをイオン移動度又は電場強度に伴うイオン移動度の変化率に応じて分離することを含むイオン分離方法が提供される。
【0104】
本発明のさらなる局面によると、上記に説明したイオンの分離方法を含む質量分析方法が提供される。
【0105】
上記の好適な実施形態は、イオン移動度セパレータ又はスペクトロメータと直列に接続された電場非対称性イオン移動度スペクトロメトリー装置を含む装置に関する。
【0106】
被分析試料は、まず、イオン源においてイオン化されることが好ましい。その後、イオンは、これらが好ましくは電場強度に伴うイオン移動度の変化率に応じて分離される電場非対称性イオン移動度スペクトロメトリー(「FAIMS」)装置を好ましくは含む第1の装置内に送られることが好ましい。同様の電場強度依存イオン移動度を有するイオンがFAIMS装置から出て来ることが好ましく、その後、好ましくはイオンをイオン移動度に応じて分離するためのイオン移動度セパレータ又はスペクトロメータを含む第2の装置に送られる又は伝達されることが好ましい。イオン移動度セパレータ又はスペクトロメータは、ドリフトチューブを含むことが好ましい。その後、イオンは、イオン移動度セパレータ又はスペクトロメータにおいてイオン移動度に応じて分離されることが好ましい。その後、これらのイオンの少なくとも一部はイオン検出器によって検出されることが好ましい。
【0107】
一般に、イオンの移動度は、その断面積に反比例し、かつその電荷に比例している。したがって、イオン移動度セパレータ又はスペクトロメータのドリフトチューブを通るイオンのドリフト時間は、ドリフトチューブの長さにほぼ比例し、かつドリフトチューブの長さに沿って維持されるイオン移動度及び電場強度に反比例していることが好ましい。よって、イオン移動度セパレータ又はスペクトロメータを通るイオンのドリフト時間は、イオンの断面積におよそ比例している。
【0108】
一方、FAIMS装置における電場強度に伴うイオン移動度の変化率は、通常予測不可能である。これは、イオン移動度にも、イオンの断面積にも、イオンの電荷にも直接比例しているとは考えられていない。
【0109】
したがって、イオン移動度セパレータ又はスペクトロメータにおけるイオンの分離を決定するパラメータは、電場非対称性イオン移動度スペクトロメトリー装置におけるイオンの分離を決定するパラメータとは全く異なる。したがって、好適な実施形態によると、まずFAIMS装置を通過させ、その後、イオン移動度セパレータ又はスペクトロメータを通過させることにより、イオンを様々に分離することができる。したがって、FAIMS装置のイオン分離特性は、イオン移動度セパレータ又はスペクトロメータのイオン分離特性と、少なくともある程度、異なるとともに相互補完的である。FAIMS装置をイオン移動度セパレータ又はスペクトロメータと直列に組み合わせることにより、より大きい又は高い総合イオン分離能力又は特異性が実現される。したがって、上記の好適な実施形態によると、イオンは、はるかに大きい分解能で分離される。
【0110】
上記の好適な実施形態において、イオンは、まず、電場非対称性イオン移動度スペクトロメトリー装置を通過することが好ましい。FAIMS装置から出て来るイオンは、その後、好ましくはドリフトチューブを含むイオン移動度セパレータ又はスペクトロメータを通過するように導かれるか又は配置されることが好ましい。移動度セパレータ又はイオン移動度スペクトロメータは、電場非対称性イオン移動度スペクトロメトリー装置から前方へ伝達された全てのイオンを分離及び検出することが好ましい。
【0111】
電場非対称性イオン移動度スペクトロメトリー装置は、異なる設定に切り替えるか、又は、ある範囲の異なる設定全体もしくは設定間で走査することができる。このようにすれば、イオン源から出て来るイオンの二次元的な分離を行うことができる。実質上、一方の軸又は次元においてイオンはイオン移動度に応じて分離され、他方の軸又は次元においてイオンは電場強度に伴うイオン移動度の変化率に応じて分離されると考えられる。
【0112】
本発明の特定の実施形態において、イオン移動度セパレータ又はスペクトロメータのドリフトチューブは、大気圧より低い圧力で維持されうる。イオン移動度セパレータ又はスペクトロメータは、複数の電極を含むことが好ましく、上記装置の中心軸付近にイオンを半径方向に制限する働きをするAC又はRF電場を発生させるために、電極の少なくとも一部にAC又はRF電圧が印加されることが好ましい。AC又はRF電場は、セグメント化された多重極ロッドセットの隣接するロッド間又はリングスタックの隣接するリング間に印加又は維持されることが好ましい。ドリフトチューブは、好ましくは1000ミリバールと10‐4ミリバールとの間、さらに好ましくは100ミリバールと10‐3ミリバールとの間、さらに好ましくは10ミリバールと10‐2ミリバールとの間、さらに好ましくは1ミリバールと10‐1ミリバールとの間の圧力で維持される。
【0113】
一実施形態において、イオン移動度セパレータ又はスペクトロメータは、大気圧より低い圧力で保持されてもよく、上記装置の中心軸付近にイオンを放射状に制限するためにAC又はRF電場を用いてもよい。しかし、イオンをイオン移動度セパレータ又はスペクトロメータのドリフトチューブを通って推進するために、イオン移動度セパレータ又はスペクトロメータの長さに沿って維持される軸方向DC電圧勾配の代わりに、DC進行電圧波、又は時変もしくは過渡DCポテンシャル電圧もしくはポテンシャル波形を電極に印加してもよい。進行波の振幅及び過渡電圧波形の速度は、一部のイオンが、印加されたDC電圧によって実質的には捕捉されず、その代わりに装置の出口方向に近づけられ、装置に印加されている連続的なDC電圧の作用を受けるように調整してもよい。移動度の高いイオンは、移動度の低いイオンよりも滑落しにくい。その結果、イオン移動度の高いイオンは、イオン移動度が比較的に低いイオンよりも、イオン移動度セパレータ又はスペクトロメータのドリフトチューブの端部に向かって早く駆り立てられやすい。したがって、この方法は、移動度に応じてイオンを分離するために用いることができる。
【0114】
別のやや好適な実施形態によると、イオンは、まず、ドリフトチューブを含むイオン移動度セパレータを通過し、その後、イオン移動度セパレータの下流に配置された電場非対称性イオン移動度スペクトロメトリー装置を通過してもよい。電場非対称性イオン移動度スペクトロメトリー装置を通過したイオンは、電場非対称性イオン移動度スペクトロメトリー装置の出口に配置された検出器によって検出されてもよい。同様のイオン分離がそれに応じて行なわれうるが、好適な実施形態とは逆の順番又は方法で行なわれる。すなわち、イオン移動度セパレータは、FAIMS装置の下流に配されることが好ましいが、やや好ましくはFAIMS装置の上流に配置されてもよい。
【0115】
一実施形態によると、FAIMS装置とイオン移動度セパレータとの組み合わせから出て来るイオンは、次に、さらなる分析のために、質量分析計の主要ハウジング又は本体に通過させてもよい。質量分析計において、イオンは、質量電荷比に応じてさらに分離された後、検出されることが好ましい。これにより、さらに大きな特異性が実現される。したがって、元の被分析材料が複雑な混合物を含んでいる場合であっても、特定のイオンを高い信頼度で検出及び定量することができる。また、これにより、質量電荷比を正確に求めることにより、特定のイオンを複雑な混合物から分離し、同定することが可能となる。
【0116】
一実施形態において、質量分析計は、イオンがマスフィルタされて特定のイオンが通過した後、イオンフラグメンテーション装置又は衝突セルにおいてフラグメント化されるタンデム質量分析計を備えていてもよい。得られる生成物、娘イオン又はフラグメントイオンに対し、次に、質量分析が行われることが好ましい。これにより、さらに大きい特異性が実現され、その上、元の被分析材料が非常に複雑な混合物である場合においても、特定のイオンを非常に高い信頼度で検出及び定量することが可能となる。対応するフラグメントイオンの質量電荷比を求めることにより、特定のイオンを非常に複雑な混合物から分離し、同定することも可能となる。
【0117】
質量分析計は、四重極質量マスフィルタ、3次元四重極イオントラップ、リニア四重極イオントラップ、飛行時間質量分析計、直交加速飛行時間質量分析計、扇形磁場質量分析計又はフーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析計を含みうる。タンデム質量分析計は、上記のあらゆる組合せを含みうる。
【0118】
フラグメンテーション手段又はフラグメンテーションセルは、ガス衝突セルを含むことが好ましい。ガス衝突セルは、イオンを半径方向に制限するためにAC又はRF電場を用いることができ、ガス衝突セルを通ってイオンを進行させるために軸方向DC電場及び/又は進行もしくは過渡DC電圧波を用いることができる。衝突セルは、イオンを捕捉するための手段又は表面誘起分解のための表面を含みうる。
【0119】
上記イオン化源は、放射線イオン化源、エレクトロスプレーイオン化イオン源(ESI)、大気圧化学イオン化イオン源(APCI)、大気圧光イオン化イオン源(APPI)、大気圧レーザー脱離/イオン化イオン源(AP−LDI)、大気圧マトリックス支援レーザー脱離/イオン化イオン源(AP−MALDI)又はシリコン上大気圧脱離/イオン化イオン源(AP−DIOS)を含む気相イオン化源を含みうる。
【0120】
さらなる実施形態において、被分析試料は、イオン化のためにイオン源に搬送される前にクロマトグラフィーによってまず分離されてもよい。クロマトグラフィー分離のための手段は、ガスクロマトグラフィー、超臨界流体クロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、キャピラリー電気泳動法又はキャピラリー電気泳動クロマトグラフィーを含みうる。
【0121】
以下に、本発明の様々な実施形態について、説明の目的でのみ示すその他の構成とともに、単に例示として、添付の図面を用いて説明する。
【0122】
図1は、公知のイオン移動度スペクトロメータの構成を示している。イオンは、イオン源1において生成又は発生され、その後、ドリフトチューブを含むイオン移動度スペクトロメータ2内に導かれる。ドリフトチューブは、ドリフトチューブの長さに沿って配置された複数の環状電極8を含む。イオンを強制的に又は推進的にドリフトチューブの長さに沿わせかつ通過させるために、ドリフトチューブの長さに沿って一定のDC電圧が維持される。イオン移動度スペクトロメータ2への入口に配置された第1のメッシュ電極5aに電圧又はゲートポテンシャルを印加することにより、イオン移動度スペクトロメータ2に入射するイオンが、ドリフトチューブ内に又はさらにこれに沿って進むことが最初は防止される。
【0123】
イオンゲートとして作用する第1のメッシュ電極5aは、比較的低い電圧に周期的にパルス化され、それにより、イオンパケットが、第1のメッシュ電極5aを通過して、ドリフトチューブひいてはイオン移動度スペクトロメータ2の本体に入射することが可能となる。
【0124】
ドリフトチューブ2に入射するイオンパケットは、電極8に沿って又はこれらの両端で維持される一定の軸方向DC電場を受ける。イオンは、結果として生じる軸方向電場の作用下で、ガスの向流又は逆流に逆らってドリフトチューブ2の出口端部に向かってドリフトさせられる。ガスの向流又は逆流は、ドリフトチューブ2の出口に向かって配置されたポートを介してガス流3を導入することによって維持される。ガスは、イオン移動度スペクトロメータ2を通過するイオンの進行方向に逆らって、ポートから流出してイオン移動度スペクトロメータ2の入口領域に向かって流れる。その後、ガスは、イオン移動度スペクトロメータ2の入口領域に隣接するさらなるポートを通ってドリフトチューブ2を出射して、イオン移動度スペクトロメータ2を収容するチャンバを出射する。
【0125】
イオンは、ドリフトチューブ又はイオン移動度スペクトロメータ2の出口に到達する際、プレート又はイオン検出器6に衝突するように配置される。イオン検出器6は、第2のメッシュ電極5bにより、ドリフトチューブ2から電気的に遮断され、また逆も同様である。イオン検出器6からの出力イオン電流は、増幅器7によって増幅される。
【0126】
図1に示すイオン移動度スペクトロメータ2は、イオンをイオン移動度に応じて分離し、検出するのに有効である。最も小さい断面、したがって最も高い移動度を有するイオンは、イオン移動度スペクトロメータ2の出口端部に移動し、よってイオン検出器6により検出される最初のイオンになる傾向がある。
【0127】
図2は、公知の電場非対称性イオン移動度スペクトロメトリー(「FAIMS」)スペクトロメータを示している。イオンは、イオン源1において生成又は発生され、その後、2つの平行な金属電極9a、9bの間を通るように導かれる。イオンをイオン源1から2つの電極9a、9bの間の空隙内にかつこれを通って導く又は案内するために、ガス流を用いることができる。
【0128】
非対称周期電圧波形12及びDC補償電圧が、2つの平行な金属電極9a、9bに印加される。電場強度の関数として特異的に変化するイオン移動度を有するイオンは2つの電極9a、9bの間を通過する一方、他の全てのイオンは2つの電極9a、9bの一方に向かって移動しやすくなる。2つの電極9a、9bの一方に向かって移動するイオンは、破棄されるか、又はさもなければシステムから失われることになる。
【0129】
FAIMS装置又はFAIMSスペクトロメータによって前方へ伝達されるイオンは、その後、FAIMS装置の出口に配置されたプレート又はイオン検出器10によって検出される。イオン検出器10から出力されるイオン電流は、増幅器11によって増幅される。
【0130】
図3は、本発明の第1の実施形態を示し、イオン移動度スペクトロメータ2に接続されたFAIMS装置を示している。イオンは、イオン源1において生成また発生され、その後、好ましくは、電場非対称性イオン移動度スペクトロメトリー(「FAIMS」)装置に導かれるか、又はさもなければ伝達される。FAIMS装置は、2つの平行な金属電極9a、9bを含むことが好ましい。しかし、別の実施形態によると、FAIMS装置は、同心円筒状電極又はその他の構成を含みうる。
【0131】
イオンをイオン源から2つの電極9a、9bの間の空隙内にかつこれを通って導くために、ガス流を用いることが好ましい。2つの電極9a、9bに、非対称周期波形及びDC補償電圧が印加されることが好ましい。電場強度の関数として、すなわち電場強度が変更されると特異的に変化するイオン移動度を有するイオンは、電極9a、9b間を前方に伝達され、FAIMS装置の出口から出て来ることが好ましい。その他の全てのイオンは、2つの電極9a、9bの一方に向かって移動しやすくなり、よって、破棄されるか、又はさもなければシステムから失われる。FAIMS装置を通過したイオンは、その後、好ましくは軸方向に配置されかつ好ましくはFAIMS装置の下流にあるイオン移動度スペクトロメータ2内に導かれることが好ましい。
【0132】
イオン移動度スペクトロメータ2は、複数の環状電極8を含むドリフトチューブを含むことが好ましい。しかし、他の実施形態によると、電極は、棒電極又はワイヤループを含みうる。
【0133】
イオン移動度スペクトロメータ2への入口に、第1のメッシュ電極5aが配置されることが好ましい。第1のメッシュ電極5aは、ゲート電極として作用することが好ましく、第1のメッシュ電極に適当なゲート電圧が印加された場合に、イオンがイオン移動度スペクトロメータ2に沿って又はその中にさらに進むことが防止される。したがって、第1のメッシュ電極5aは、イオンゲートとして用いられることが好ましく、イオンの通過を可能にするために比較的低い電圧に周期的にパルス化されることが好ましい。
【0134】
イオン移動度スペクトロメータ2の長さに沿って、一定のDC電圧勾配が維持されることが好ましい。イオン移動度スペクトロメータ2内にパルス化されたイオンパケットは、一定の軸方向DC電場の作用下で、好ましくはガスの向流又は逆流に逆らって、ドリフトチューブ又はイオン移動度スペクトロメータ2の出口端部へドリフトするように配置されることが好ましい。
【0135】
ガスの向流又は逆流は、ドリフトチューブ又はイオン移動度スペクトロメータ2の出口領域に隣接して位置するポートを介してガス流3を導入することにより得られることが好ましい。ガスは、イオン移動度スペクトロメータ2を通るイオンの進行方向に逆らって、ドリフトチューブ又はイオン移動度スペクトロメータ2の入口に向かって流れることが好ましく、その後、ドリフトチューブ又はイオン移動度スペクトロメータ2の入口領域に隣接するポートを通ってドリフトチューブ又はイオン移動度スペクトロメータ2を出射する。
【0136】
ドリフトチューブ又はイオン移動度スペクトロメータ2の出口に到達するイオンは、プレート又はイオン検出器6上で検出されることが好ましい。イオン検出器6は、第2のメッシュ電極5bによって、ドリフトチューブ2から遮断され、またその逆も同様であることが好ましい。検出器6から出力されるイオン電流は、増幅器7によって増幅されることが好ましい。
【0137】
図3に示すFAIMS装置とイオン移動度セパレータ又はスペクトロメータとの組み合わせは、従来の構成よりも大きい分解能で、イオンをイオン移動度に応じて分離及び検出することを可能にすることが好ましい。
【0138】
図4は、本発明の第2の実施形態を示している。本実施形態の多くの局面は、図3を参照して上記に説明した第1の実施形態と同様である。本実施形態によると、イオンは、イオン源1において生成又は発生されることが好ましく、その後、電場非対称性イオン移動度スペクトロメトリー(「FAIMS」)装置に導かれる又は伝達されることが好ましい。FAIMS装置は、2つの平行な金属電極9a、9bを含むことが好ましいが、別の実施形態によると、FAIMS装置は、2つの同心円筒状電極又はその他の電極構成を含みうる。2つの電極9a、9bの間の空隙内にかつこれを通ってイオンを導くために、ガス流を用いることが好ましい。非対称周期波形及びDC補償電圧が2つの電極9a、9bに印加されることが好ましい。電場強度が変更されるにつれて特異的に変化するイオン移動度を有するイオンは、電極9a、9b間を前方に伝達されることが好ましく、かつFAIMS装置の出口から出て来ることが好ましい。他の全てのイオンは、2つの電極9a、9bの一方へ移動しやすくなり、よって、好ましくは、破棄されるか、又はさもなければシステムから失われる。
【0139】
FAIMS装置を通って前方に伝達されたイオンは、イオン移動度スペクトロメータ12内に導かれることが好ましい。イオン移動度スペクトロメータ12は、好ましくはイオン移動度スペクトロメータ12内へのイオンの最初の進行方向に対して直交して配置されたドリフトチューブを含むことが好ましい。イオン移動度スペクトロメータ12によって受け取られたイオンは、好ましくはイオン移動度スペクトロメータ12の入口開口部に対向して配置された第1のプレート又はイオン検出器14に進むことができる。イオン検出器14から出力されるイオン電流は、第1の増幅器15によって増幅されることが好ましい。
【0140】
一動作モードにおいては、好ましくはイオン移動度スペクトロメータ12の入口領域に配置された直交加速電極13に周期的に電圧が印加されることが好ましい。直交加速電極13と、イオン移動度スペクトロメータ12の一部を構成するドリフトチューブへの入口に好ましくは設けられた第1のメッシュ電極16aとの間に電場が発生されることが好ましい。直交電場は、イオン移動度スペクトロメータ12の入口領域内のイオンパケットを、好ましくはドリフトチューブ又はドリフト領域を含むイオン移動度スペクトロメータ12の主要部内に直交加速させることが好ましい。
【0141】
直交加速されたイオンは、好ましく第1のメッシュ電極16aを通過し、その後、イオン移動度スペクトロメータ12に入射するイオンの最初の方向に対して好ましくは直交して配置されたドリフトチューブにイオンパケットが入射することが好ましい。
【0142】
ドリフトチューブ又はイオン移動度スペクトロメータ12の長さに沿って軸方向DC電場が維持されることが好ましい。イオンは、軸方向DC電場の作用下で、好ましくはガスの向流又は逆流に逆らって、ドリフトチューブ又はイオン移動度スペクトロメータ12の出口端部にドリフトさせられることが好ましい。
【0143】
ガスの向流又は逆流は、ドリフトチューブ又はイオン移動度スペクトロメータ12の出口領域に隣接したポートを介してガス流18を導入することにより得られることが好ましい。ガスは、ドリフトチューブ又はイオン移動度スペクトロメータ12の入口領域に向かって流れた後、第1のイオン検出器14の付近に位置するポートを通ってドリフトチューブ又はイオン移動度スペクトロメータ12を出射することが好ましい。
【0144】
ドリフトチューブ又はイオン移動度スペクトロメータ12の出口に到達するイオンは、第2のプレート又はイオン検出器20上で検出されることが好ましく、第2のプレート又はイオン検出器20から出力されるイオン電流は、第2の増幅器21によって増幅されることが好ましい。
【0145】
図4を参照して図示及び説明した実施形態によると、イオンは、まず、電場強度の関数としてのイオン移動度に応じて電場非対称性イオン移動度スペクトロメータ装置において分離され、その後、イオン移動度に応じて分離及び検出されることが好ましい。
【0146】
図5は、ドリフトチューブ又はイオン移動度スペクトロメータ12が部分真空下又は部分真空状態で維持されることが好ましい、すなわち、イオンがガスの向流に逆らう移動を好まないという点を除いて、図4を参照して上記に図示及び説明した実施形態と多くの点で同様の本発明の第3の実施形態を示している。
【0147】
イオンは、イオン源1において生成又は発生されることが好ましく、その後、電場非対称性イオン移動度スペクトロメトリー又はFAIMS装置に導かれる又は伝達されることが好ましい。FAIMS装置は、2つの平行な金属電極9a、9bを含むことが好ましいが、別の実施形態によると、FAIMS装置は、2つの同心円筒状電極又は別の電極構成を含みうる。FAIMS装置を構成する2つの電極9a、9bの間の空隙内にかつこれを通ってイオンを導くために、ガス流を用いることが好ましい。非対称周期波形及びDC補償電圧が2つの電極9a、9bに印加されることが好ましい。電場強度が変更されると特異的に変化するイオン移動度を有するイオンは、電極9a、9b間を前方に伝達されることが好ましく、かつFAIMS装置の出口から出て来ることが好ましい。他の全てのイオンは、2つの電極9a、9bの一方へ移動しやすくなり、よって、破棄されるか、又はさもなければシステムから失われやすくなる。
【0148】
FAIMS装置を通過したイオンは、イオン移動度スペクトロメータ12のドリフトチューブ内に導かれることが好ましい。
【0149】
イオン移動度スペクトロメータ12のドリフトチューブは、ポンプポート22を介してガス23を除去することが好ましい真空ポンプによって、好ましくは0.1〜1ミリバールの圧力の部分真空下又は部分真空状態で維持されることが好ましい真空室内に含まれることが好ましい。FAIMS装置によって伝達されたイオンは、真空室内に吸引されることが好ましい。一動作モードにおいて、イオンは、その後、第1のプレート又はイオン検出器14を通過し、そこで検出されてもよい。第1のプレート又はイオン検出器14から出力されるイオン電流は、その後、第1の増幅器15によって増幅されることが好ましい。
【0150】
別の動作モードにおいて、イオン移動度スペクトロメータ12の入口と第1のイオン検出器14との間に配置された直交加速電極13に電圧が周期的に印加されることが好ましい。イオン移動度スペクトロメータ12に入射するイオンは、直交加速電極13と、好ましくはドリフトチューブへの入口に配置された第1のメッシュ電極16aとの間に維持される電場によって直交加速されることが好ましい。第1のメッシュ電極16aに印加される電圧は周期的に低下させることが好ましく、イオンパケットが、好ましくは第1のメッシュ電極16aを通過することが好ましい。その後、イオンパケットはイオン移動度スペクトロメータ12を好ましくは構成する環状電極17の間に好ましくは軸方向DC電場が維持されたドリフトチューブの部分に入射することが好ましい。別の実施形態によると、ドリフトチューブ又はドリフト領域を構成する電極17は、棒電極又はワイヤを含みうる。
【0151】
リング又は環状電極17のスタック又は列に一連のDC電圧を印加することにより、イオン移動度スペクトロメータ12及びイオン移動度スペクトロメータ12を構成する電極17の長さに沿って軸方向DC電場が維持されることが好ましい。
【0152】
図3及び図4を参照して図示及び説明した第1及び第2の実施形態ならびに図5を参照して図示及び説明した第3の実施形態を含む本発明の全ての実施形態において、好ましくはイオン移動度スペクトロメータ12の長さに沿って配置されたリング、環状もしくは棒電極17のスタックもしくは列における隣接するリングもしくは環状電極17(又は棒もしくは別の電極構成)間に、好ましくはAC又はRF電圧を印加することもできる。
【0153】
イオン移動度スペクトロメータ12内のイオンは、イオン移動度スペクトロメータ12の電極17に対して印加されたAC又はRF電場の作用下でリング、環状又は棒電極17のスタック又は列の中心軸の周りの領域に制限される一方、同時に、印加された軸方向DC電場の作用下でドリフトチューブ又はイオン移動度スペクトロメータ12の出口領域に向かってドリフトさせられることが好ましい。
【0154】
AC又はRF電場によってイオンを半径方向に制限することにより、イオンが上記中心軸から離れて移動すること及びリングもしくは棒電極17、又はさもなければシステムから失われることが防止されることが好ましい。ドリフトチューブ又はイオン移動度スペクトロメータ12の出口領域に到達するイオンは、第2のプレート又はイオン検出器20上で検出されることが好ましく、第2のプレート又はイオン検出器20から出力されるイオン電流は、第2の増幅器21によって増幅されることが好ましい。
【0155】
第2のイオン検出器20は、第2のメッシュ電極16bにより、ドリフトチューブ又はイオン移動度スペクトロメータ12から遮断され、また逆も同様であることが好ましい。
【0156】
図5に示すFAIMS装置とイオン移動度スペクトロメータとの組み合わせにより、電場非対称性イオン移動度スペクトロメータ装置においてまず分離されたイオンが、その後イオン移動度に応じて分離及び検出されることが可能となることが好ましい。
【0157】
図6は、図4を参照して上記に図示及び説明した第2の実施形態と同様の本発明の第4の実施形態を示している。イオンは、イオン源1において生成又は発生され、その後、電場非対称性イオン移動度スペクトロメトリー(「FAIMS」)装置に導かれるか、又は伝達されることが好ましい。FAIMS装置は、2つの平行な金属電極9a、9bを含むことが好ましいが、別の実施形態によると、FAIMS装置は2つの同心円筒状電極又は別の電極構成を含みうる。FAIMS装置によって前方に伝達されたイオンは、イオン移動度セパレータ装置内に導かれることが好ましく、一動作モードにおいては、第1のプレート又はイオン検出器14に進むことができる。第1のプレート又はイオン検出器14から出力されるイオン電流は、増幅器15によって増幅されることが好ましい。
【0158】
別の動作モードにおいては、イオン移動度セパレータ12の入口と第1のイオン検出器14との間に配置された直交加速電極13に電圧が周期的に印加されることが好ましい。イオンは、直交加速電極13と、好ましくはイオン移動度セパレータ12のドリフトチューブへの入口に配置された第1のメッシュ電極16aとの間に維持された電場によって直交加速されることが好ましい。イオンパケットが、イオン移動度セパレータのドリフトチューブ内にパルス化されることが好ましく、かつ第1のメッシュ電極16aを通過することが好ましい。
【0159】
ドリフトチューブ又はイオン移動度セパレータ装置を構成する電極17にDC電圧を印加することにより、イオン移動度スペクトロメータの長さに沿って軸方向DC電場が維持されることが好ましい。イオンは、好ましくはガスの向流又は逆流に逆らって、ドリフトチューブ又はイオン移動度セパレータの出口端部にドリフトすることが好ましい。ガスの向流又は逆流は、ドリフトチューブ又はイオン移動度セパレータ12の出口領域に隣接するポートを介してガス流18を導入することにより得られることが好ましい。ガスは、ドリフトチューブ又はイオン移動度セパレータ12の入口領域に向かって流れた後、第1のイオン検出器14の近傍に位置するポートを通ってドリフトチューブ又はイオン移動度セパレータ12を出射する。
【0160】
本実施形態において、ドリフトチューブ又はイオン移動度セパレータの出口に到達するイオンは、その後、質量分析計の第1の真空室24内に吸引されることが好ましい。すなわち、イオンは、その後、第1、第2及び第3の実施形態のように、ドリフトチューブ又はイオン移動度セパレータ12の出口のすぐ近くに配置された第2のイオン検出器によって直接検出されないことが好ましい。
【0161】
イオンは、その後、質量分析計の第1の真空室24から第2の真空室25内に進むことが好ましい。AC又はRFイオンガイド26が、第2の真空室25内に設けられていることが好ましく、かつ質量分析計の主要ハウジング内にイオンを案内するためのイオンガイドとして作用することが好ましい。
【0162】
本実施形態によると、電場非対称性イオン移動度スペクトロメトリー装置においてまず分離されたイオンは、その後、イオン移動度セパレータにおいてさらに分離された後、引き続き質量分析計において質量分析及び検出される。
【0163】
図7は、ドリフトチューブ又はイオン移動度セパレータ12が真空室内に配置されていることが好ましい、すなわち、ドリフトチューブ又はイオン移動度セパレータを通過するイオンが好ましくはガスの逆流に逆らって流れないという点を除いて、図6を参照して上記に説明した第4の実施形態と同様の本発明の第5の実施形態を示している。
【0164】
イオンは、イオン源1において生成又は発生されることが好ましく、かつ、その後、電場非対称性イオン移動度スペクトロメトリー(「FAIMS」)装置に導かれる又は伝達されることが好ましい。FAIMS装置は、2つの平行な金属電極9a、9bを含むことが好ましいが、別の実施形態によると、FAIMS装置は、2つの同心円筒状電極又は別の電極構成を含みうる。
【0165】
FAIMS装置から前方に伝達されたイオンは、その後、ドリフトチューブを含むイオン移動度セパレータ12を初段として含む質量分析計内に導かれることが好ましい。
【0166】
ドリフトチューブ又はイオン移動度スペクトロメータ12は、真空ポート22aを介してガス23を除去する真空ポンプにより、0.1〜1ミリバールの圧力の部分真空下で維持されることが好ましい真空室内に含まれることが好ましい。一動作モードにおいては、真空室内に吸引されたイオンは、好ましくはイオン移動度セパレータ12への入口に対向して配置されたプレート又はイオン検出器14に進むことができる。プレート又はイオン検出器14から出力されるイオン電流は、増幅器によって増幅されることが好ましい。
【0167】
好ましくはイオン移動度セパレータ12の入口領域とイオン検出器14との間に配置された直交加速電極13に周期的に電圧が印加されることが好ましい。イオンは、上記に説明した実施形態と同様に、第1のメッシュ電極16aを通ってドリフトチューブ又はイオン移動度セパレータの本体内に周期的に直交加速されることが好ましい。
【0168】
ドリフトチューブ又はイオン移動度セパレータ12の長さに沿って軸方向DC電場が維持されることが好ましい。軸方向DC電場は、好ましくはドリフトチューブ、ドリフト領域又はイオン移動度セパレータ12を構成するリング、プレート、環状、ワイヤ又は棒電極17のスタック又は列に一連のDC電圧を印加することにより得られることが好ましい。
【0169】
リング、環状又はその他の電極17のスタック又は列における隣接するリング又は電極17の間に、上記に説明した実施形態と同様に、AC又はRF電圧が印加されることも好ましい。
【0170】
イオンは、AC又はRF電場の作用下でリング又は電極のスタックの中心軸の周りの領域に半径方向に制限されることが好ましく、一方、同時に、軸方向DC電場の作用下でドリフトチューブ又はイオン移動度スペクトロメータ12の出口端部にドリフトさせられることが好ましい。
【0171】
ドリフトチューブ又はイオン移動度セパレータ12を構成する電極17に印加されるAC又はRF電場によってイオンを制限することにより、イオンがイオン移動度セパレータの中心軸から離れて移動すること及びリングもしくは電極17、又はさもなければシステムから失われることが防止されることが好ましい。
【0172】
本実施形態においては、ドリフトチューブ又はイオン移動度セパレータの出口領域に到達するイオンは、質量分析計のさらなる真空室25内に吸引されることが好ましい。AC又はRFイオンガイド26が、さらなる真空室25に設けられていることが好ましく、かつ質量分析計のさらなるハウジングにイオンを案内する働きをすることが好ましい。
【0173】
本実施形態によると、電場非対称性イオン移動度スペクトロメトリー装置においてまず分離されたイオンは、その後、イオン移動度セパレータにおいてさらに分離された後、引き続き質量分析計において質量分析及び検出される。
【0174】
図8は、本発明の第6の実施形態を示し、同図は、図7を参照して上記に説明した第5の実施形態と同様である。イオンは、イオン源1において生成又は発生される。イオン源1において発生されたイオンは、電場非対称性イオン移動度スペクトロメトリー又はFAIMS装置の2つの平行な金属電極9a、9bの間を通るように導かれることが好ましい。別の実施形態によると、FAIMS装置は、2つの同心円筒状電極又は別の電極構成を含みうる。
【0175】
FAIMS装置によって伝達されたイオンの少なくとも一部が、質量分析計の最初の真空室29内に吸引されることが好ましい。最初の真空室29は、ポート30を介して排気されることが好ましい。
【0176】
最初の真空室29に入射するイオンは、その後、ガス23が排出されるポート22を介して、好ましくは最初の真空室29よりも相対的に低圧に排気された別の真空室内に吸引されることが好ましい。
【0177】
一動作モードにおいては、イオンは、ドリフトチューブ又はイオン移動度セパレータ12を収容する真空室の入口と対向して配置されたプレート又はイオン検出器14に進む。プレート又はイオン検出器14から出力されるイオン電流は、増幅器15によって増幅されることが好ましい。
【0178】
一動作モードにおいては、イオン移動度セパレータ12を収容する真空室の入口とイオン検出器14との間に配置されたプレート又は直交加速電極13に、周期的に電圧が印加されること好ましい。イオンは、結果として生じる直交電場によって、好ましくはドリフトチューブ又はイオン移動度セパレータ12の入口に配置された第1のメッシュ電極16aを通って直交加速されることが好ましい。
【0179】
ドリフトチューブ又はイオン移動度セパレータ12を構成する電極17に沿って、軸方向DC電場が維持されることが好ましい。軸方向DC電場は、イオン移動度セパレータ12を構成するリング、環状、ワイヤ、プレート又は棒電極17のスタック又は列に一連のDC電圧を印加することにより維持されることが好ましい。
【0180】
リング、環状、プレート、ワイヤ又は棒電極17のスタック又は列における隣接するリング又は電極17の間にAC又はRF電圧が印加されることが好ましい。イオンは、AC又はRF電場の作用下でリング、環状、プレート、ワイヤ又は棒電極17のスタック又は列の中心軸の周りの領域に制限されることが好ましく、一方、同時に、印加された軸方向DC電場の作用下でドリフトチューブ又はイオン移動度セパレータ12の出口端部へドリフトさせられることが好ましい。
【0181】
印加されたAC又はRF電場によってイオンを半径方向に制限することにより、イオンが上記中心軸から離れて移動すること及びリングもしくは電極17、又はさもなければシステムから失われることが防止されることが好ましい。
【0182】
本実施形態においては、ドリフトチューブ又はイオン移動度セパレータ12の出口に到達するイオンは、その後、質量分析計のさらなる真空室25内に吸引されることが好ましい。さらなる真空室25は、AC又はRFイオンガイド26を含むことが好ましい。
【0183】
本実施形態によると、電場非対称性イオン移動度スペクトロメトリー装置においてまず分離されたイオンは、その後、イオン移動度セパレータにおいてさらに分離された後、引き続き質量分析計において質量分析及び検出されることが好ましい。
【0184】
図9は、図8を参照して上記に説明した第6の実施形態と同様の本発明の第7の実施形態を示している。イオンは、イオン源1において生成又は発生される。イオン源1において発生されたイオンは、電場非対称性イオン移動度スペクトロメトリー(「FAIMS」)装置の2つの平行な金属電極9a、9bの間を進むように導かれるが、別の実施形態によると、FAIMS装置は、2つの同心円筒状電極又は別の構成もしくは電極を含みうる。FAIMS装置によって伝達されたイオンは、好ましくはポート31を介して排気される、質量分析計の最初の真空室内に吸引されることが好ましい。少なくとも一部のイオンが、その後、ドリフトチューブ又はイオン移動度セパレータ12を含むさらなる真空室内に吸引されることが好ましい。さらなる真空室は、真空ポート32を介して相対的に低圧に排気されることが好ましい。
【0185】
このさらなる真空室に入射するイオンは、ドリフトチューブ又はイオン移動度スペクトロメータの最初の領域に設けられたイオントラップ領域33において捕捉及び貯留されうる。イオントラップ領域は、ドリフトチューブ又はイオン移動度セパレータ12への入口に配置された第1のメッシュ電極16a及び/又は第1のメッシュ電極16aの下流に、かつ部分的にドリフトチューブ又はイオン移動度セパレータ12の長さに沿って配置された第3のメッシュ電極16cにトラップ電圧を印加することにより形成されることが好ましい。
【0186】
イオントラップ領域33は、ドリフトチューブ又はイオン移動度セパレータ12の本体を構成する電極17と好ましくは実質的に同様の一連の電極を含むことが好ましい。
【0187】
ドリフトチューブ又はイオン移動度セパレータ12の上流のイオントラップ領域33における隣接する電極間及び/又はドリフトチューブ又はイオン移動度セパレータ12の本体を構成する電極17に、AC又はRF電圧が印加されることが好ましい。AC又はRF電圧は、ドリフトチューブ又はイオン移動度セパレータ12の中心軸の付近にイオンを制限する働きをすることが好ましい。
【0188】
イオントラップ領域33の出口端部又は領域において、電極、好ましくは、さらなる(第3の)メッシュ電極16cを適当なDC電圧を印加した状態で用いてイオントラップ領域33内にイオンを捕捉することが好ましい。イオンパケットがトラップ領域33から出て、ドリフトチューブ又はイオン移動度セパレータ12の本体内に進むことを可能にするために、さらなる(第3の)メッシュ電極16cが維持される電圧は、より低い電圧に周期的にパルス化されうる。
【0189】
第3のメッシュ電極16cに印加される電圧はリセットすることができ、よって、イオントラップ領域33にさらなるイオンが蓄積及び捕捉されうる。さらなるイオンは、先のイオンパケットがイオン移動度に応じて分離されかつ/又は引き続き分析される間、ほぼ連続的にイオントラップ領域33に到達することができる。
【0190】
イオントラップ領域33から出射されるイオンは、ドリフトチューブ又はイオン移動度セパレータ12内に進むことが好ましい。ドリフトチューブ又はイオン移動度セパレータ12の長さに沿って軸方向DC電場が維持されることが好ましい。軸方向DC電場は、ドリフトチューブ又はイオン移動度セパレータ12を構成するリング、環状、プレート、ワイヤ又は棒電極17のスタック又は列に一連のDC電圧を印加することにより維持されることが好ましい。
【0191】
ドリフトチューブ又はイオン移動度セパレータ12を構成するリング、環状、プレート、ワイヤ又は棒電極17のスタック又は列における隣接するリング又は電極17の間にAC又はRF電圧が印加されることが好ましい。イオンは、AC又はRF電場の作用下でリングのスタック又はイオン移動度セパレータ12の中心軸の周りの領域に制限されることが好ましく、一方、同時に、軸方向DC電場の作用下でドリフトチューブ又はイオン移動度セパレータ12の出口端部にドリフトさせられることが好ましい。
【0192】
AC又はRF電場による制限により、イオンがトラップ領域32及び/又はドリフトチューブ又はイオン移動度セパレータ12の中心軸から離れて移動すること及び電極17、又はさもなければシステムから失われることが防止されることが好ましい。
【0193】
本実施形態において、ドリフトチューブ又はイオン移動度セパレータの出口に到達するイオンは、質量分析計のさらなる真空室25内に吸引されることが好ましい。さらなる真空室25は、AC又はRFイオンガイドを含むことが好ましい。
【0194】
本実施形態によると、FAIMS装置においてまず分離されたイオンは、IMS装置又はイオン移動度ドリフトチューブにおいてさらに分離されることが好ましい。イオンは、その後、引き続き質量分析計において質量分析及び検出される。
【0195】
上記に説明した全ての実施形態に等しく適用可能なさらなる実施形態によると、イオン移動度セパレータ又はスペクトロメータの長さに沿って一定の軸方向DC電圧勾配を印加もしくは維持することに加えて又はその代わりに、時変電圧勾配を印加することができる。特に、1以上の過渡DC電圧又は1以上の過渡DC電圧波形を、第1のイオン移動度を有する少なくとも一部のイオンが第2の異なるイオン移動度を有する他のイオンから分離されるように、ドリフトチューブ又はイオン移動度セパレータを構成する電極に徐々に印加することができる。
【0196】
好適な実施形態を参照して本発明を説明したが、添付の請求項に記載された本発明の範囲から逸脱することなく、形態及び詳細において様々な変更を行なうことができることが当業者には理解される。
【図面の簡単な説明】
【0197】
【図1】図1は、公知のイオン移動度スペクトロメータを示す。
【図2】図2は、公知の電場非対称性イオン移動度スペクトロメトリー装置を示す。
【図3】図3は、FAIMS装置が、イオンがイオン移動度スペクトロメータを通って軸方向に加速されるイオン移動度スペクトロメータと直列に設けられている本発明の第1の実施形態を示す。
【図4】図4は、FAIMS装置が、イオンがイオン移動度スペクトロメータを通って直交加速されるイオン移動度スペクトロメータと直列に設けられている本発明の第2の実施形態を示す。
【図5】図5は、FAIMS装置が、真空室内で相対的に低圧に維持されたイオン移動度スペクトロメータと直列に設けられている本発明の第3の実施形態を示す。
【図6】図6は、FAIMS装置が、質量分析計の主要ハウジングの上流に配置されたイオン移動度セパレータと直列に設けられている本発明の第4の実施形態を示す。
【図7】図7は、FAIMS装置が、質量分析計の初段を構成するイオン移動度セパレータと直列に設けられている本発明の第5の実施形態を示す。
【図8】図8は、FAIMS装置が、質量分析計の一部を構成するイオン移動度セパレータと直列に設けられ、イオン移動度セパレータは最初の真空室の下流の真空室に配置されている本発明の第6の実施形態を示す。
【図9】図9は、FAIMS装置が、質量分析計の一部を構成するイオン移動度セパレータと直列に設けられ、イオンが最初の真空室からイオン移動度セパレータ内に吸引される本発明の第7の実施形態を示す。
【符号の説明】
【0198】
1・・・イオン源
9・・・電極
12・・イオン移動度スペクトロメータ
16・・メッシュ電極
17・・電極
25・・真空室
26・・イオンガイド
33・・イオントラップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオンをイオン移動度又は電場強度に伴うイオン移動度の変化率に応じて分離するための第1の装置と、
イオンをイオン移動度又は電場強度に伴うイオン移動度の変化率に応じて分離するための第2の装置を含み、
前記第2の装置が、前記第1の装置の下流に配置されている装置。
【請求項2】
前記第1の装置が、イオンを電場強度に伴うイオン移動度の変化率に応じて分離するように構成されている請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の装置が、電場非対称性イオン移動度スペクトロメトリー(Field Asymmetric Ion Mobility Spectrometry「FAIMS」)装置を含む請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の装置が、少なくとも第1の電極及び第2の電極を含み、イオンが、使用時に、前記第1及び第2の電極の間に受け取られるように配置される請求項1、2又は3に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の電極が、第1の平面プレート又は平面電極を含み、前記第2の電極が、第2の平面プレート又は平面電極を含む請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第1の電極が、内側の円筒状電極を含み、前記第2の電極が、外側の同心円筒状電極を含む請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記第1の電極が、半球部分で終わり、及び/又は、前記第2の電極が、半球部分で終わる請求項5又は6に記載の装置。
【請求項8】
さらに、ガス流を供給するための手段を含み、前記ガス流は、前記第1の装置を通過するようにイオンを導く又は進行させる先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
さらに、前記第1の装置に非対称周期電圧波形を印加するための手段を含み、前記非対称周期電圧波形は正のピーク電圧及び負のピーク電圧を有する先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
前記正のピーク電圧が、(i)<100V、(ii)100〜500V、(iii)500〜1000V、(iv)1〜2kV、(v)2〜3kV、(vi)3〜4kV、(vii)4〜5kV、(viii)5〜6kV、(ix)6〜7kV、(x)7〜8kV、(xi)8〜9kV、(xii)9〜10kV、及び(xiii)>10kVからなる群より選ばれる振幅を有する請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記負のピーク電圧が、(i)<100V、(ii)100〜500V、(iii)500〜1000V、(iv)1〜2kV、(v)2〜3kV、(vi)3〜4kV、(vii)4〜5kV、(viii)5〜6kV、(ix)6〜7kV、(x)7〜8kV、(xi)8〜9kV、(xii)9〜10kV、及び(xiii)>10kVからなる群より選ばれる振幅を有する請求項10又は11に記載の装置。
【請求項12】
前記正のピーク電圧の振幅の前記負のピーク電圧の振幅に対する比又は前記負のピーク電圧の振幅の前記正のピーク電圧の振幅に対する比が、(i)<1.5、(ii)1.5〜1.75、(iii)1.75〜2、(iv)2〜2.25、(v)2.25〜2.5、(vi)2.5〜2.75、(vii)2.75〜3、(viii)3〜3.25、(ix)3.25〜3.5、(x)3.5〜4、(xi)4〜5、(xii)5〜10、及び(xiii)>10からなる群より選ばれる請求項9、10又は11に記載の装置。
【請求項13】
前記非対称周期電圧波形が、(i)<10V/cm、(ii)10〜50V/cm、(iii)50〜100V/cm、(iv)100〜500V/cm、(v)500〜1000V/cm、(vi)1〜2kV/cm、(vii)2〜3kV/cm、(viii)3〜4kV/cm、(ix)4〜5kV/cm、(x)5〜6kV/cm、(xi)6〜7kV/cm、(xii)7〜8kV/cm、(xiii)8〜9kV/cm、(xiv)9〜10kV/cm、及び(xv)>10kV/cmからなる群より選ばれる最大又は平均電場強度を有する電場を発生させる請求項9〜12のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
さらに、前記第1の装置にDC補償電圧を印加するための手段を含む先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項15】
前記DC補償電圧が、(i)<5V、(ii)5〜10V、(iii)10〜15V、(iv)15〜20V、(v)20〜50V、(vi)50〜100V、及び(vii)>100Vからなる群より選ばれる振幅を有する請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記DC補償電圧が、釣り合わせ又は相殺しなければ所望のイオンを前記第1の装置の電極に向かってドリフトさせる力に対して釣り合わせ又は相殺する働きをする請求項14又は15に記載の装置。
【請求項17】
前記DC補償電圧が走査される請求項14、15又は16に記載の装置。
【請求項18】
前記DC補償電圧が、周期的に、直線的に、非直線的に、規則的に又は不規則に走査される請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記第1の装置が、使用時、(i)<0.0001ミリバール、(ii)0.0001〜0.0005ミリバール、(iii)0.0005〜0.001ミリバール、(iv)0.001〜0.005ミリバール、(v)0.005〜0.01ミリバール、(vi)0.01〜0.05ミリバール、(vii)0.05〜0.1ミリバール、(viii)0.1〜0.5ミリバール、(ix)0.5〜1ミリバール、(x)1〜5ミリバール、(xi)5〜10ミリバール、(xii)10〜50ミリバール、(xiii)50〜100ミリバール、(xiv)100〜500ミリバール、(xv)500〜1000ミリバール、及び(xvi)>1000ミリバールからなる群より選ばれる圧力で動作するように構成されている先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項20】
前記第2の装置が、イオンをイオン移動度に応じて分離するように構成されている先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項21】
前記第2の装置が、前記第1の装置から受け取られるイオン群を分離するように構成され、前記イオン群は電場強度に伴うイオン移動度の変化率に基づいて他のイオンから分離されたものである先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項22】
前記第2の装置が、イオン移動度セパレータ又はイオン移動度スペクトロメータを含む先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項23】
前記第2の装置が、複数の電極を含む請求項20、21又は22に記載の装置。
【請求項24】
前記第2の装置が、(i)イオンが通過する開口部を有する複数の電極を含むイオン漏斗であって、前記開口部の直径が徐々に小さく又は大きくなっているイオン漏斗、(ii)イオンが通過する開口部を有する複数の電極を含むイオントンネルであって、前記開口部の直径が実質的に一定のままであるイオントンネル、及び(iii)プレート、リング又はワイヤループ電極のスタックからなる群より選ばれる先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項25】
前記第2の装置が、複数の電極を含み、各電極が、使用時にイオンが通過する開口部を有する先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項26】
前記第2の装置が、複数の電極を含み、各電極が、実質的に円形の開口部を有する先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項27】
前記第2の装置が、複数の電極を含み、各電極が、使用時にイオンが通過する単一の開口部を有する先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項28】
前記第2の装置を構成する電極のうち少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は95%の電極の開口部の直径が、(i)10mm以下、(ii)9mm以下、(iii)8mm以下、(iv)7mm以下、(v)6mm以下、(vi)5mm以下、(vii)4mm以下、(viii)3mm以下、(ix)2mm以下、及び(x)1mm以下からなる群より選ばれる請求項25、26又は27に記載の装置。
【請求項29】
前記第2の装置が、複数の電極を含み、前記第2の装置を構成する電極のうち少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は95%が、大きさ又は面積が実質的に同じ開口部を有する先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項30】
前記第2の装置が、セグメント化されたロッドセットを含む先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項31】
前記第2の装置が、(i)10〜20の電極、(ii)20〜30の電極、(iii)30〜40の電極、(iv)40〜50の電極、(v)50〜60の電極、(vi)60〜70の電極、(vii)70〜80の電極、(viii)80〜90の電極、(ix)90〜100の電極、(x)100〜110の電極、(xi)110〜120の電極、(xii)120〜130の電極、(xiii)130〜140の電極、(xiv)140〜150の電極、又は(xv)150を超える電極で構成される先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項32】
前記第2の装置が、複数の電極を含み、前記電極のうち少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は95%の電極の厚さが、(i)3mm以下、(ii)2.5mm以下、(iii)2.0mm以下、(iv)1.5mm以下、(v)1.0mm以下、及び(vi)0.5mm以下からなる群より選ばれる先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項33】
前記第2の装置が、(i)5cm未満、(ii)5〜10cm、(iii)10〜15cm、(iv)15〜20cm、(v)20〜25cm、(vi)25〜30cm、及び(vii)30cmを超える長さからなる群より選ばれる長さを有する先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項34】
前記第2の装置が、複数の電極を含み、前記電極のうち少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%又は95%が、使用時にイオンが通過する開口部を有する先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項35】
前記第2の装置が、複数の電極を含み、使用時、少なくとも一部のイオンを前記第2の装置の中心軸付近に制限するために、前記第2の装置の前記電極の少なくとも一部にAC又はRF電圧が印加される先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項36】
前記AC又はRF電圧が、(i)<0.1MHz、(ii)0.1〜0.5MHz、(iii)0.5〜1MHz、(iv)1〜5MHz、及び(v)>5MHzからなる群より選ばれる範囲内の周波数を有する請求項35に記載の装置。
【請求項37】
前記第2の装置の少なくとも一部に渡って1以上のDC電圧勾配が維持される先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項38】
前記第2の装置が、1つ以上の電極を含むドリフトチューブを含み、使用時、前記ドリフトチューブの少なくとも一部に沿って1以上の軸方向DC電圧勾配が維持される先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項39】
前記DC電圧勾配が、(i)<10V/cm、(ii)10〜50V/cm、(iii)50〜100V/cm、(iv)100〜500V/cm、(v)500〜1000V/cm、(vi)1〜2kV/cm、(vii)2〜3kV/cm、(viii)3〜4kV/cm、(ix)4〜5kV/cm、(x)5〜6kV/cm、(xi)6〜7kV/cm、(xii)7〜8kV/cm、(xiii)8〜9kV/cm、(xiv)9〜10kV/cm、及び(xv)>10kV/cmからなる群より選ばれる最大又は平均電場強度を有する電場を生じさせる請求項37又は38に記載の装置。
【請求項40】
前記第2の装置が、複数の電極を含み、使用時、第1のイオン移動度を有する少なくとも一部のイオンが第2の異なるイオン移動度を有する他のイオンから分離されるように、1以上の過渡DC電圧又は1以上の過渡DC電圧波形が前記電極に徐々に印加される先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項41】
前記1以上の過渡DC電圧又は前記1以上の過渡DC電圧波形が、前記1以上の過渡DC電圧又は前記1以上の過渡DC電圧波形が前記電極に徐々に印加される際に、前記1以上の過渡DC電圧又は前記1以上の過渡DC電圧波形により、前記第1のイオン移動度を有するイオンのうち少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は95%が実質的に前記第2の装置に沿って移動されるようなものである請求項40に記載の装置。
【請求項42】
前記1以上の過渡DC電圧又は前記1以上の過渡DC電圧波形が、前記1以上の過渡DC電圧又は前記1以上の過渡DC電圧波形が前記電極に徐々に印加される際に、前記第1のイオン移動度を有するイオンよりも低い度合で印加された前記DC電圧により、前記第2のイオン移動度を有するイオンのうち少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は95%が前記第2の装置に沿って移動されるようなものである請求項40又は41に記載の装置。
【請求項43】
前記1以上の過渡DC電圧又は前記1以上の過渡DC電圧波形が、前記第1のイオン移動度を有するイオンのうち少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は95%が前記第2のイオン移動度を有するイオンよりも高い速度で前記第2の装置に沿って移動されるようなものである請求項40、41又は42に記載の装置。
【請求項44】
前記第2の装置が、イオンをイオン移動度に応じて分離するためのイオン移動度セパレータを含み、前記イオン移動度セパレータが複数の電極を含み、イオンが前記イオン移動度セパレータの領域に向かって移動されるように、使用時に1以上の過渡DC電圧又は1以上の過渡DC電圧波形が前記電極に徐々に印加され、少なくとも1つの電極がポテンシャルを有し、前記ポテンシャルは、第1のイオン移動度を有する少なくとも一部のイオンが該ポテンシャルを通過するが、第2の異なるイオン移動度を有する他のイオンが該ポテンシャルを通過しないようなものである先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項45】
前記1以上の過渡DC電圧又は前記1以上の過渡DC電圧波形が、前記第1のイオン移動度を有するイオンのうち少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は95%が前記ポテンシャルを通過するようなものである請求項44に記載の装置。
【請求項46】
前記1以上の過渡DC電圧又は前記1以上の過渡DC電圧波形が、前記第2のイオン移動度を有するイオンのうち少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は95%が前記ポテンシャルを通過しないようなものである請求項44又は45に記載の装置。
【請求項47】
前記少なくとも1つの電極が、ポテンシャルの山又は谷がもたらされるような電圧を与えられている請求項44、45又は46に記載の装置。
【請求項48】
前記1以上の過渡DC電圧又は前記1以上の過渡DC電圧波形が、前記第1のイオン移動度を有するイオンのうち少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は95%が前記第2のイオン移動度を有するイオンよりも実質的に先に前記第2の装置を出射するようなものである請求項40〜47のいずれかに記載の装置。
【請求項49】
前記1以上の過渡DC電圧又は前記1以上の過渡DC電圧波形が、前記第2のイオン移動度を有するイオンのうち少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は95%が前記第1のイオン移動度を有するイオンよりも実質的に後に前記第2の装置を出射するようなものである請求項40〜48のいずれかに記載の装置。
【請求項50】
前記第1のイオン移動度を有するイオンの大部分が、前記第2のイオン移動度を有するイオンの大部分が前記第2の装置を出射するよりも時間t先に前記第2の装置を出射し、tが、(i)<1μ秒、(ii)1〜10μ秒、(iii)10〜50μ秒、(iv)50〜100μ秒、(v)100〜200μ秒、(vi)200〜300μ秒、(vii)300〜400μ秒、(viii)400〜500μ秒、(ix)500〜600μ秒、(x)600〜700μ秒、(xi)700〜800μ秒、(xii)800〜900μ秒、(xiii)900〜1000μ秒、(xiv)1.0〜1.1m秒(xv)1.1〜1.2m秒、(xvi)1.2〜1.3m秒、(xvii)1.3〜1.4m秒、(xviii)1.4〜1.5m秒、(xix)1.5〜1.6m秒、(xx)1.6〜1.7m秒、(xxi)1.7〜1.8m秒、(xxii)1.8〜1.9m秒、(xxiii)1.9〜2.0m秒、(xxiv)2.0〜2.5m秒、(xxv)2.5〜3.0m秒、(xxvi)3.0〜3.5m秒、(xxvii)3.5〜4.0m秒、(xxviii)4.0〜4.5m秒、(xxix)4.5〜5.0m秒、(xxx)5〜10m秒、(xxxi)10〜15m秒、(xxxii)15〜20m秒、(xxxiii)20〜25m秒、(xxxiv)25〜30m秒、及び(xxxv)>30m秒からなる群より選ばれる範囲に含まれる請求項40〜49のいずれかに記載の装置。
【請求項51】
前記第2の装置が、イオンをイオン移動度に応じて分離するためのイオン移動度セパレータを含み、前記イオン移動度セパレータは、複数の電極を含み、
(i)イオンが前記イオン移動度セパレータの領域に向かって移動され、少なくとも1つの電極が第1のポテンシャルを有し、前記第1のポテンシャルは、少なくとも一部の第1のイオン移動度及び第2の異なるイオン移動度を有するイオンが該ポテンシャルを通過するが、他の第3の異なるイオン移動度を有するイオンが該ポテンシャルを通過しないようなものであり、
(ii)前記第1及び第2のイオン移動度を有するイオンが前記イオン移動度セパレータの領域に向かって移動され、少なくとも1つの電極が第2のポテンシャルを有し、前記第2のポテンシャルは、少なくとも一部の前記第1のイオン移動度を有するイオンが該ポテンシャルを通過するが、他の前記第2の異なるイオン移動度を有するイオンが該ポテンシャルを通過しないようなものであるように、
前記電極に、使用時に1以上の過渡DC電圧又は1以上の過渡DC電圧波形が徐々に印加される先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項52】
前記1以上の過渡DC電圧又は前記1以上の過渡DC電圧波形及び前記第1のポテンシャルが、前記第1のイオン移動度を有するイオンのうち少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は95%が前記第1のポテンシャルを通過するようなものである請求項51に記載の装置。
【請求項53】
前記1以上の過渡DC電圧又は前記1以上の過渡DC電圧波形及び前記第1のポテンシャルが、前記第2のイオン移動度を有するイオンのうち少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は95%が前記第1のポテンシャルを通過するようなものである請求項51又は52に記載の装置。
【請求項54】
前記1以上の過渡DC電圧又は前記1以上の過渡DC電圧波形及び前記第1のポテンシャルが、前記第3のイオン移動度を有するイオンのうち少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は95%が前記第1のポテンシャルを通過しないようなものである請求項51、52又は53に記載の装置。
【請求項55】
前記1以上の過渡DC電圧又は前記1以上の過渡DC電圧波形及び前記第2のポテンシャルが、前記第1のイオン移動度を有するイオンのうち少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は95%が前記第2のポテンシャルを通過するようなものである請求項51〜54のいずれかに記載の装置。
【請求項56】
前記1以上の過渡DC電圧又は前記1以上の過渡DC電圧波形及び前記第2のポテンシャルが、前記第2のイオン移動度を有するイオンのうち少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は95%が前記第2のポテンシャルを通過しないようなものである請求項51〜55のいずれかに記載の装置。
【請求項57】
前記1以上の過渡DC電圧又は前記1以上の過渡DC電圧波形が、前記第2のイオン移動度を有するイオンのうち少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は95%が、前記第1及び第3のイオン移動度を有するイオンよりも実質的に先に前記イオン移動度セパレータを出射するようなものである請求項51〜56のいずれかに記載の装置。
【請求項58】
前記1以上の過渡DC電圧又は前記1以上の過渡DC電圧波形が、前記第1及び第3のイオン移動度を有するイオンのうち少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は95%が、前記第2のイオン移動度を有するイオンよりも実質的に後に、前記イオン移動度セパレータを出射するようなものである請求項51〜57のいずれかに記載の装置。
【請求項59】
前記第2のイオン移動度を有するイオンの大部分が、前記第1及び第3のイオン移動度を有するイオンの大部分が前記イオン移動度セパレータを出射するよりも時間t先に前記イオン移動度セパレータを出射し、tが、(i)<1μ秒、(ii)1〜10μ秒、(iii)10〜50μ秒、(iv)50〜100μ秒、(v)100〜200μ秒、(vi)200〜300μ秒、(vii)300〜400μ秒、(viii)400〜500μ秒、(ix)500〜600μ秒、(x)600〜700μ秒、(xi)700〜800μ秒、(xii)800〜900μ秒、(xiii)900〜1000μ秒、(xiv)1.0〜1.1m秒(xv)1.1〜1.2m秒、(xvi)1.2〜1.3m秒、(xvii)1.3〜1.4m秒、(xviii)1.4〜1.5m秒、(xix)1.5〜1.6m秒、(xx)1.6〜1.7m秒、(xxi)1.7〜1.8m秒、(xxii)1.8〜1.9m秒、(xxiii)1.9〜2.0m秒、(xxiv)2.0〜2.5m秒、(xxv)2.5〜3.0m秒、(xxvi)3.0〜3.5m秒、(xxvii)3.5〜4.0m秒、(xxviii)4.0〜4.5m秒、(xxix)4.5〜5.0m秒、(xxx)5〜10m秒、(xxxi)10〜15m秒、(xxxii)15〜20m秒、(xxxiii)20〜25m秒、(xxxiv)25〜30m秒、及び(xxxv)>30m秒からなる群より選ばれる範囲に含まれる請求項51〜58のいずれかに記載の装置。
【請求項60】
前記第2の装置に印加される前記1以上の過渡DC電圧が、(i)ポテンシャルの山又は障壁、(ii)ポテンシャル井戸、(iii)ポテンシャルの山又は障壁とポテンシャル井戸との組み合わせ、(iv)多数のポテンシャルの山又は障壁、(v)多数のポテンシャル井戸、又は(vi)多数のポテンシャルの山又は障壁と多数のポテンシャル井戸との組み合わせを生じさせる請求項40〜59のいずれかに記載の装置。
【請求項61】
前記1以上の過渡DC電圧波形が、反復波形を含む請求項40〜60のいずれかに記載の装置。
【請求項62】
前記1以上の過渡DC電圧波形が、方形波を含む請求項61に記載の装置。
【請求項63】
前記第2の装置に印加される前記1以上の過渡DC電圧波形が、中間領域によって分離された複数のポテンシャルピーク又は井戸を生じさせる請求項40〜62のいずれかに記載の装置。
【請求項64】
前記中間領域における前記DC電圧勾配が、非ゼロである請求項63に記載の装置。
【請求項65】
前記中間領域における前記DC電圧勾配が、正又は負である請求項64に記載の装置。
【請求項66】
前記中間領域における前記DC電圧勾配が、直線的である請求項64又は65に記載の装置。
【請求項67】
前記中間領域における前記DC電圧勾配が、非直線的である請求項64又は65のいずれかに記載の装置。
【請求項68】
前記中間領域における前記DC電圧勾配が、指数関数的に増加又は減少する請求項67に記載の装置。
【請求項69】
前記ポテンシャルピーク又は井戸の振幅が、実質的に一定のままである請求項63〜68のいずれかに記載の装置。
【請求項70】
前記ポテンシャルピーク又は井戸の振幅が、徐々に大きく又は小さくなる請求項63〜68のいずれかに記載の装置。
【請求項71】
前記ポテンシャルピーク又は井戸の振幅が、直線的に又は非直線的に増加又は減少する請求項70に記載の装置。
【請求項72】
使用時、前記第2の装置の長さの少なくとも一部に沿って軸方向DC電圧勾配が維持され、前記軸方向電圧勾配が経時的に変化する請求項40〜71のいずれかに記載の装置。
【請求項73】
前記第2の装置が、第1の基準ポテンシャルに保たれた第1の電極と、第2の基準ポテンシャルに保たれた第2の電極と、第3の基準ポテンシャルに保たれた第3の電極とを含むイオン移動度セパレータを含み、
第1の時間t1において、前記第1の電極が前記第1の基準ポテンシャルより上又は下の第1のポテンシャルに保たれるように、前記第1の電極に第1のDC電圧が供給され、
第2のそれ以降の時間t2において、前記第2の電極が前記第2の基準ポテンシャルより上又は下の第2のポテンシャルに保たれるように前記第2の電極に第2のDC電圧が供給され、
第3のそれ以降の時間t3において、前記第3の電極が前記第3の基準ポテンシャルより上又は下の第3のポテンシャルに保たれるように前記第3の電極に第3のDC電圧が供給される先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項74】
前記第1の時間t1において、前記第2の電極が前記第2の基準ポテンシャルにあり、前記第3の電極が前記第3の基準ポテンシャルにあり、
前記第2の時間t2において、前記第1の電極が前記第1のポテンシャルにあり、前記第3の電極が前記第3の基準ポテンシャルにあり、
前記第3の時間t3において、前記第1の電極が前記第1のポテンシャルにあり、前記第2の電極が前記第2のポテンシャルにある請求項73に記載の装置。
【請求項75】
前記第1の時間t1において、前記第2の電極が前記第2の基準ポテンシャルにあり、前記第3の電極が前記第3の基準ポテンシャルにあり、
前記第2の時間t2において、前記第1の電極が前記第1の基準ポテンシャルに戻されるように前記第1の電極には前記第1のDC電圧がもはや供給されず、前記第3の電極が前記第3の基準ポテンシャルにあり、
前記第3の時間t3において、前記第1の電極が前記第1の基準ポテンシャルにあり、前記第2の電極が前記第2の基準ポテンシャルに戻されるように前記第2の電極には前記第2のDC電圧がもはや供給されない請求項73に記載の装置。
【請求項76】
前記第1、第2及び第3の基準ポテンシャルが、実質的に同じである請求項73、74又は75のいずれかに記載の装置。
【請求項77】
前記第1、第2及び第3のDC電圧が、実質的に同じである請求項73〜76いずれかに記載の装置。
【請求項78】
前記第1、第2及び第3のポテンシャルが、実質的に同じである請求項73〜77のいずれかに記載の装置。
【請求項79】
前記第2の装置が、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30又は>30のセグメントを含むイオン移動度セパレータを含み、各セグメントが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30又は>30の電極を含み、1つのセグメント内の前記電極が実質的に同じDCポテンシャルに維持される先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項80】
複数のセグメントが、実質的に同じDCポテンシャルに維持される請求項79に記載の装置。
【請求項81】
各セグメントが、そのn番目後のセグメントと実質的に同じDCポテンシャルに保持され、nが、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30又は>30である請求項79又は80に記載の装置。
【請求項82】
イオンが、AC又はRF電場により前記第1の装置及び/又は前記第2の装置内で半径方向(radially)に制限される先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項83】
イオンが、擬ポテンシャル井戸において前記第1の装置及び/又は前記第2の装置内で半径方向に制限され、実ポテンシャル障壁又は井戸によって軸方向に移動される先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項84】
イオンが前記第1の装置及び/又は前記第2の装置の長さの少なくとも一部に沿って進行するように、使用時、前記第1の装置及び/又は前記第2の装置の少なくとも一部の電極に1以上のAC又はRF電圧波形が印加される先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項85】
イオンの前記第1の装置及び/又は前記第2の装置を通る通過時間が、(i)20m秒以下、(ii)10m秒以下、(iii)5m秒以下、(iv)1m秒以下、及び(v)0.5m秒以下からなる群より選ばれる先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項86】
前記第2の装置が、使用時、(i)0.0001ミリバール以上、(ii)0.0005ミリバール以上、(iii)0.001ミリバール以上、(iv)0.005ミリバール以上、(v)0.01ミリバール以上、(vi)0.05ミリバール以上、(vii)0.1ミリバール以上、(viii)0.5ミリバール以上、(ix)1ミリバール以上、(x)5ミリバール以上、及び(xi)10ミリバール以上からなる群より選ばれる圧力に維持される先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項87】
前記第2の装置が、使用時、(i)10ミリバール以下、(ii)5ミリバール以下、(iii)1ミリバール以下、(iv)0.5ミリバール以下、(v)0.1ミリバール以下、(vi)0.05ミリバール以下、(vii)0.01ミリバール以下、(viii)0.005ミリバール以下、(ix)0.001ミリバール以下、(x)0.0005ミリバール以下、及び(xi)0.0001ミリバール以下からなる群より選ばれる圧力に維持される先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項88】
前記第2の装置が、使用時、(i)0.0001と10ミリバールとの間、(ii)0.0001と1ミリバールとの間、(iii)0.0001と0.1ミリバールとの間、(iv)0.0001と0.01ミリバールとの間、(v)0.0001と0.001ミリバールとの間、(vi)0.001と10ミリバールとの間、(vii)0.001と1ミリバールとの間、(viii)0.001と0.1ミリバールとの間、(ix)0.001と0.01ミリバールとの間、(x)0.01と10ミリバールとの間、(xi)0.01と1ミリバールとの間、(xii)0.01と0.1ミリバールとの間、(xiii)0.1と10ミリバールとの間、(xiv)0.1と1ミリバールとの間、及び(xv)1と10ミリバールとの間からなる群より選ばれる圧力に維持される先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項89】
前記第1の装置及び/又は前記第2の装置が、使用時、前記第1の装置及び/又は前記第2の装置を通過するイオンに粘性抵抗がかかるような圧力に維持される先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項90】
使用時、1以上の過渡DC電圧又は1以上の過渡DC電圧波形が、前記第1の装置及び/又は前記第2の装置に沿って、最初に第1の軸方向位置に供給され、その後、引き続き第2の異なる軸方向位置、そして第3の異なる軸方向位置に供給される先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項91】
少なくとも一部のイオンが前記第1の装置及び/又は前記第2の装置に沿って進行するように、1以上の過渡DC電圧又は1以上の過渡DC電圧波形が前記第1の装置及び/又は前記第2の装置の一方の端部から前記第1の装置及び/又は前記第2の装置の別の端部に移動する先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項92】
前記第1の装置及び/又は前記第2の装置の電極に印加される1以上の過渡DC電圧又は1以上の過渡DC電圧波形が、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9又は10の異なる振幅を有する先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項93】
前記第1の装置及び/又は前記第2の装置の電極に印加される1以上の過渡DC電圧又は1以上の過渡DC電圧波形の振幅が、経時的にほぼ一定のままである先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項94】
前記第1の装置及び/又は前記第2の装置の電極に印加される1以上の過渡DC電圧又は1以上の過渡DC電圧波形の振幅が、経時的に変化する先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項95】
前記1以上の過渡DC電圧又は前記1以上の過渡DC電圧波形の振幅が、(i)経時的に増加する、(ii)経時的に増加後、減少する、(iii)経時的に減少する、又は(iv)経時的に減少後、増加する請求項94に記載の装置。
【請求項96】
前記第1の装置及び/又は前記第2の装置が、上流の入口領域と、下流の出口領域と、中間領域とを含み、
前記入口領域において、前記1以上の過渡DC電圧又は前記1以上の過渡DC電圧波形の振幅が第1の振幅を有し、
前記中間領域において、前記1以上の過渡DC電圧又は前記1以上の過渡DC電圧波形の振幅が第2の振幅を有し、
前記出口領域において、前記1以上の過渡DC電圧又は前記1以上の過渡DC電圧波形の振幅が第3の振幅を有する先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項97】
前記入口及び/又は出口領域が、前記第1の装置及び/又は前記第2の装置の合計軸方向長さの、(i)<5%、(ii)5〜10%、(iii)10〜15%、(iv)15〜20%、(v)20〜25%、(vi)25〜30%、(vii)30〜35%、(viii)35〜40%、及び(ix)40〜45%からなる群より選ばれる割合を含む請求項96に記載の装置。
【請求項98】
前記第1及び/又は第3の振幅が実質的にゼロであり、前記第2の振幅が実質的に非ゼロである請求項96又は97に記載の装置。
【請求項99】
前記第2の振幅が前記第1の振幅より大きく、及び/又は前記第2の振幅が前記第3の振幅より大きい請求項96、97又は98に記載の装置。
【請求項100】
前記第1の装置及び/又は前記第2の装置の電極に印加される1以上の過渡DC電圧又は1以上の過渡DC電圧波形が、使用時、前記第1の装置及び/又は前記第2の装置に沿って第1の速度で進む先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項101】
前記第1の速度が、(i)実質的に一定のままである、(ii)変化する、(iii)増加する、(iv)増加後、減少する、(v)減少する、(vi)減少後、増加する、(vii)実質的にゼロに減少する、(viii)方向が逆転する、又は(ix)実質的にゼロに減少後、方向が逆転する請求項100に記載の装置。
【請求項102】
前記1以上の過渡DC電圧又は前記1以上の過渡DC電圧波形が、前記第1の装置及び/又は前記第2の装置内の一部のイオンを前記第1の装置及び/又は前記第2の装置に沿って第2の異なる速度で進ませる請求項100又は101に記載の装置。
【請求項103】
前記1以上の過渡DC電圧又は前記1以上の過渡DC電圧波形が、前記第1の装置及び/又は前記第2の装置の一部のイオンを前記第1の装置及び/又は前記第2の装置に沿って第3の異なる速度で進ませる請求項100、101又は102に記載の装置。
【請求項104】
前記1以上の過渡DC電圧又は前記1以上の過渡DC電圧波形が、前記第1の装置及び/又は前記第2の装置内の一部のイオンを前記第1の装置及び/又は前記第2の装置に沿って第4の異なる速度で進ませる請求項100〜103のいずれかに記載の装置。
【請求項105】
前記1以上の過渡DC電圧又は前記1以上の過渡DC電圧波形が、前記第1の装置及び/又は前記第2の装置内の一部のイオンを前記第1の装置及び/又は前記第2の装置に沿って第5の異なる速度で進ませる請求項100〜104のいずれかに記載の装置。
【請求項106】
前記第1の速度、及び前記第2及び/又は前記第3及び/又は前記第4及び/又は前記第5の速度の差が、(i)50m/秒以下、(ii)40m/秒以下、(iii)30m/秒以下、(iv)20m/秒以下、(v)10m/秒以下、(vi)5m/秒以下、及び(vii)1m/秒以下からなる群より選ばれる請求項100〜105のいずれかに記載の装置。
【請求項107】
前記第1の速度が、(i)10〜250m/秒、(ii)250〜500m/秒、(iii)500〜750m/秒、(iv)750〜1000m/秒、(v)1000〜1250m/秒、(vi)1250〜1500m/秒、(vii)1500〜1750m/秒、(viii)1750〜2000m/秒、(ix)2000〜2250m/秒、(x)2250〜2500m/秒、(xi)2500〜2750m/秒、及び(xii)2750〜3000m/秒からなる群より選ばれる請求項100〜106のいずれかに記載の装置。
【請求項108】
前記第2及び/又は前記第3及び/又は前記第4及び/又は前記第5の速度が、(i)10〜250m/秒、(ii)250〜500m/秒、(iii)500〜750m/秒、(iv)750〜1000m/秒、(v)1000〜1250m/秒、(vi)1250〜1500m/秒、(vii)1500〜1750m/秒、(viii)1750〜2000m/秒、(ix)2000〜2250m/秒、(x)2250〜2500m/秒、(xi)2500〜2750m/秒、及び(xii)2750〜3000m/秒からなる群より選ばれる請求項100〜107に記載の装置。
【請求項109】
前記第1の装置及び/又は前記第2の装置の電極に印加される1以上の過渡DC電圧又は1以上の過渡DC電圧波形が周波数を有し、前記周波数は、(i)実質的に一定のままである、(ii)変化する、(iii)増加する、(iv)増加後、減少する、(v)減少する、又は(vi)減少後、増加する先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項110】
1以上の過渡DC電圧又は1以上の過渡DC電圧波形が、第1の装置及び/又は前記第2の装置の電極に印加され、かつ波長を有し、前記波長は、(i)実質的に一定のままである、(ii)変化する、(iii)増加する、(iv)増加後、減少する、(v)減少する、又は(vi)減少後、増加する先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項111】
2以上の過渡DC電圧又は2以上の過渡DC電圧波形が、前記第1の装置及び/又は前記第2の装置に印加され、かつ前記第1の装置及び/又は前記第2の装置に沿って同時に進む先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項112】
前記2以上の過渡DC電圧又は前記2以上の過渡DC電圧波形が、(i)同じ方向に、(ii)逆方向に、(iii)互いに向かって、又は(iv)互いから離れて移動するように構成されている請求項111に記載の装置。
【請求項113】
1以上の過渡DC電圧又は1以上の過渡DC電圧波形が前記第1の装置及び/又は前記第2の装置に沿って進み、少なくとも1つの実質的に定常の過渡DCポテンシャル電圧又は電圧波形が、前記第1の装置及び/又は前記第2の装置に沿った位置に供給される先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項114】
1以上の過渡DC電圧又は1以上の過渡DC電圧波形が、繰り返し発生され、かつ、使用時に前記第1の装置及び/又は前記第2の装置に沿って進み、前記1以上の過渡DC電圧又は前記1以上の過渡DC電圧波形を発生させる周波数が、(i)実質的に一定のままである、(ii)変化する、(iii)増加する、(iv)増加後、減少する、(v)減少する、又は(vi)減少後、増加する先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項115】
使用時、前記第1の装置及び/又は前記第2の装置への入口において連続イオンビームが受け取られる先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項116】
使用時、前記第1の装置及び/又は前記第2の装置への入口においてイオンパケットが受け取られる先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項117】
使用時、前記第1の装置及び/又は前記第2の装置の出口からイオンパルスが出て来る先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項118】
さらに、イオン検出器を含み、前記イオン検出器は、使用時、前記第1の装置及び/又は前記第2の装置の出口から出て来る前記イオンパルスに対して実質的に位相が固定されるように構成されている請求項117に記載の装置。
【請求項119】
さらに、ドリフト領域内にイオンを注入するための電極を含む飛行時間質量分析器を含み、前記電極は、使用時、前記第1の装置及び/又は前記第2の装置の出口から出て来る前記イオンパルスと実質的に同期して通電されるように構成されている請求項117又は118に記載の装置。
【請求項120】
前記第1の装置及び/又は前記第2の装置が複数の電極を含み、前記電極のうち少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は95%が、DC電圧源、及びAC又はRF電圧源の両方に接続されている先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項121】
前記第1の装置及び/又は前記第2の装置が複数の電極を含み、軸方向に隣接する電極に180度の位相差を有するAC又はRF電圧が供給される先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項122】
前記第2の装置が、(i)<0.0001ミリバール、(ii)0.0001〜0.0005ミリバール、(iii)0.0005〜0.001ミリバール、(iv)0.001〜0.005ミリバール、(v)0.005〜0.01ミリバール、(vi)0.01〜0.05ミリバール、(vii)0.05〜0.1ミリバール、(viii)0.1〜0.5ミリバール、(ix)0.5〜1ミリバール、(x)1〜5ミリバール、(xi)5〜10ミリバール、(xii)10〜50ミリバール、(xiii)50〜100ミリバール、(xiv)100〜500ミリバール、(xv)500〜1000ミリバール、及び(xvi)>1000ミリバールからなる群より選ばれる圧力で動作するように構成されている先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項123】
前記第2の装置が、ガス源を供給するための手段を含み、使用時、前記ガスが、前記第2の装置を通るイオンの移動方向に逆らって流れる先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項124】
前記第1の装置が、イオンをイオン移動度に応じて分離するように構成されている先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項125】
前記第2の装置が、イオンを電場強度に伴うイオン移動度の変化率に応じて分離するように構成されている先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項126】
前記第2の装置が、イオンをイオン移動度に応じて分離するためのドリフトチューブ又は領域を含み、前記第2の装置は、さらに、前記ドリフトチューブ又は領域を通過したイオンを検出するための前記ドリフトチューブ又は領域の出口に配置されたイオン検出器を含む先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項127】
前記第2の装置が、前記ドリフトチューブ又は領域の上流領域に配置されたゲート電極又はメッシュ電極を含み、前記ドリフトチューブ又は領域内にイオンをパルス化するために、前記ゲート電極又はメッシュ電極に周期的に電圧が印加される請求項126に記載の装置。
【請求項128】
前記第2の装置が、前記イオン検出器を遮断するために前記ドリフトチューブ又は領域の下流領域に配置された電極又はメッシュ電極を含む請求項126又は127に記載の装置。
【請求項129】
前記第2の装置が、イオンをイオン移動度に応じて分離するためのドリフトチューブ又は領域を有し、前記第2の装置は、さらに、イオンを前記ドリフトチューブ又は領域内に直交加速するための直交加速電極を含む先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項130】
前記第2の装置が、イオンを捕捉するためのイオントラップ領域及びイオンがイオン移動度に応じて分離されるドリフト領域を含む先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項131】
前記トラップ領域が、前記トラップ領域内でイオンを軸方向に制限するための少なくとも1つの電極又はメッシュ電極を含み、使用時、イオンは、前記トラップ領域から前記ドリフト領域内に周期的に放出又はパルス排出される請求項130に記載の装置。
【請求項132】
使用時、イオンが前記トラップ領域内に蓄積される一方、他のイオンは、前記ドリフト領域内においてイオン移動度に応じて分離される請求項130又は131に記載の装置。
【請求項133】
さらに、連続イオン源を含む先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項134】
さらに、パルス状イオン源を含む請求項1〜132のいずれかに記載の装置。
【請求項135】
さらに、(i)エレクトロスプレーイオン化(「ESI」)イオン源、(ii)大気圧光イオン化(「APPI」)イオン源、(iii)大気圧化学イオン化(「APCI」)イオン源、(iv)マトリックス支援レーザー脱離イオン化(「MALDI」)イオン源、(v)レーザー脱離イオン化(「LDI」)イオン源、(vi)大気圧イオン化(「API」)イオン源、(vii)シリコン上脱離イオン化(「DIOS」)イオン源、(viii)電子衝撃(「EI」)イオン源、(ix)化学イオン化(「CI」)イオン源、(x)電界イオン化(「FI」)イオン源、(xi)電界脱離(「FD」)イオン源、(xii)誘導結合プラズマ(「ICP」)イオン源、(xiii)高速原子衝撃(「FAB」)イオン源、(xiv)液体二次イオン質量分析(「LSIMS」)イオン源、(xv)脱離エレクトロスプレーイオン化(「DESI」)イオン源、及び(xvi)ニッケル63放射性イオン源(Nickel−63 radioactive ion source)からなる群より選ばれるイオン源を含む先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項136】
さらに、被分析試料をイオン化の前に分離するための分離装置を含む先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項137】
前記分離装置が、(i)液体クロマトグラフィー装置、(ii)ガスクロマトグラフィー装置、(iii)超臨界流体クロマトグラフィー装置、(iv)キャピラリー電気泳動法装置、及び(v)キャピラリー電気泳動法クロマトグラフィー装置からなる群より選ばれる請求項136に記載の装置。
【請求項138】
先行する請求項のいずれかに記載の装置を含む質量分析計。
【請求項139】
前記第2の装置が、前記質量分析計の第1の真空室内に配置されている請求項138に記載の質量分析計。
【請求項140】
さらに、前記第2の装置の下流に第2の真空室を含む請求項139に記載の質量分析計。
【請求項141】
さらに、前記第1及び/又は第2の真空室内に配置された1つ以上のAC又はRFイオンガイドを含む請求項139又は140に記載の質量分析計。
【請求項142】
さらに、前記第1の真空室の上流に配置されたさらなる真空室を含む請求項139、140又は141のいずれかに記載の質量分析計。
【請求項143】
さらに、質量分析器を含む請求項138〜142のいずれかに記載の質量分析計。
【請求項144】
前記質量分析器が、(i)直交加速飛行時間質量分析器、(ii)軸方向加速飛行時間質量分析器、(iii)ポール(Paul)三次元四重極イオントラップ質量分析器、(iv)二次元又はリニア四重極イオントラップ質量分析器、(v)フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析器、(vi)扇形磁場質量分析器、(vii)四重極質量分析器、及び(viii)ペニングトラップ質量分析器からなる群より選ばれる請求項143に記載の質量分析計。
【請求項145】
さらに、衝突又はフラグメンテーションセルを含む請求項138〜144のいずれかに記載の質量分析計。
【請求項146】
前記衝突又はフラグメンテーションセルが、前記衝突又はフラグメンテーションセル内でイオンを半径方向に制限するためのAC又はRF電場を発生させるためのAC又はRF手段を含む請求項145に記載の質量分析計。
【請求項147】
前記衝突又はフラグメンテーションセルが、前記衝突又はフラグメンテーションセルの軸方向長さの少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は95%にわたって一定のDC電場を発生させるための手段を含む請求項145又は146記載の質量分析計。
【請求項148】
さらに、イオンを前記衝突又はフラグメンテーションセルに沿ってかつこれを通過して進行させるための過渡又は時変DC電圧又はポテンシャル波形を発生させるための手段を含む請求項145、146又は147のいずれかに記載の質量分析計。
【請求項149】
前記衝突又はフラグメンテーションセルが、表面誘起分解のための表面を含む請求項145〜148のいずれかに記載の質量分析計。
【請求項150】
第1の装置内において、イオンをイオン移動度又は電場強度に伴うイオン移動度の変化率に応じて分離し、その後
第1の装置の下流に配置されている第2の装置において、イオンをイオン移動度又は電場強度に伴うイオン移動度の変化率に応じて分離することを含むイオン分離方法。
【請求項151】
請求項150に記載の方法を含む質量分析方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2007−534126(P2007−534126A)
【公表日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−508963(P2007−508963)
【出願日】平成17年4月20日(2005.4.20)
【国際出願番号】PCT/GB2005/001488
【国際公開番号】WO2005/104182
【国際公開日】平成17年11月3日(2005.11.3)
【出願人】(504142097)マイクロマス ユーケー リミテッド (57)
【Fターム(参考)】