説明

質量分析計

イオンが使用時に移送される開口を有する複数の電極(2a)を含むイオンガイドまたは質量分析器(2)が開示される。擬ポテンシャル障壁がイオンガイドまたは質量分析器(2)の出口に作成される。擬ポテンシャル障壁の振幅または深さは、イオンの質量電荷比に反比例する。イオンをイオンガイドまたは質量分析器(2)の長さに沿って推進させるために、1つ以上の過渡DC電圧(4)がイオンガイドまたは質量分析器(2)の電極(2a)に印加される。電極(2a)に印加される過渡DC電圧(4)の振幅は、イオンがそれらの質量電荷比の逆順でイオンガイドまたは質量分析器(2)から出射されるように、時間と共に増加される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、質量分析計および質量分析の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
質量分析計に共通する要件は、イオンが中間圧力、すなわち、イオンがイオンガイドを通過する際にイオンおよびガス分子間の衝突が生じやすい圧力に維持された領域を通って転送されることである。イオンは、例えば、比較的高い圧力に維持されたイオン化領域から比較的低い圧力に維持された質量分析器に輸送される必要があり得る。約10-3〜101mbarの中間圧力で動作する無線周波数(radio frequency)(RF)輸送イオンガイドを使用して、イオンを中間圧力に維持された領域を通って輸送することが知られている。また、AC不均一電界(AC inhomogeneous electric field)による荷電粒子またはイオンに対する時間平均力を、荷電粒子またはイオンを電界のより弱い領域へ加速するようなものにすることが周知である。電界の極小値は、一般に擬ポテンシャル井戸(pseudo−potential well)または谷と呼ばれる。RFイオンガイドは、擬ポテンシャル井戸をイオンガイドの中心軸に沿って形成させて、イオンがイオンガイド内に半径方向に閉じ込められるようにすることによって、この現象を利用するように設計される。
【0003】
RFイオンガイドを使用して、イオンを半径方向に閉じ込め、およびイオンをイオンガイド内で衝突誘起解離またはフラグメンテーションさせることが知られている。イオンのフラグメンテーションは、通常、RFイオンガイドまたは専用のガス衝突セル内のいずれかにおいて10-3〜10-1mbarの範囲の圧力で実施される。
【0004】
また、RFイオンガイドを使用して、イオンをイオン移動度セパレータ(ion mobility separator)またはスペクトロメータ(spectrometer)内に半径方向に閉じ込めることが知られている。イオン移動度分離は、大気圧または10-1〜101mbarの範囲の圧力で実施され得る。
【0005】
異なる形態のRFイオンガイドが知られており、多極ロッドセットイオンガイドおよびリングスタック(ring stack)またはイオントンネル(ion tunnel)イオンガイドを含む。リングスタックまたはイオントンネルイオンガイドは、RF電圧の互いに反対の位相が隣り合う電極に印加される積層リング電極セット(stacked ring electrode set)を含む。擬ポテンシャル井戸は、イオンがイオンガイド内に半径方向に閉じ込められるようにイオンガイドの中心軸に沿って形成される。イオンガイドは、比較的高い移送効率を有する。
【0006】
イオンをイオンガイド内に半径方向に閉じ込めるために、RF電圧が細長いロッドセットに印加されるRFイオンガイドが米国特許公開公報2005/0253064に開示されている。静的な軸方向電界がイオンをイオンガイドの軸に沿って推進するように配置される。また、RF軸方向電界がイオンガイドの出口に配置される。RF軸方向電界は、イオンに対する障壁として作用する軸方向擬ポテンシャル障壁を生成する。擬ポテンシャル障壁の大きさは、イオンの質量電荷比の逆数に依存する。したがって、比較的低い質量電荷比を有するイオンは、比較的大きい振幅を有する擬ポテンシャル障壁を受けることになる。擬ポテンシャル障壁は、比較的低い質量電荷比を有するイオンに対しては静的な軸方向電界の影響を弱めるように作用するが、比較的高い質量電荷比を有するイオンに対しては静的な軸方向電界の影響を弱めるようには作用しない。したがって、比較的高い質量電荷比を有するイオンがイオンガイドから排出される。イオンは、イオンガイド内で操作され得るか、または静的または振動する電界の振幅を調節することによって質量選択的に排出され得る。
【0007】
上記公知のイオンガイドは、特定の質量電荷比を有するイオンに対して明確な半径方向安定性条件を有する。これは、維持される半径方向ポテンシャルがおよそ二次である性質(quadratic nature)によって決定される。したがって、イオンガイドの軸に沿った振動電界に何らかの変化があると、望ましくない半径方向の不安定性および/または共鳴効果が生じ、その結果、イオンがシステムから失われ得るという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、改善されたイオンガイドまたは質量分析器を提供することが所望される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によると、
複数の電極を含むイオンガイドと、
第1のACまたはRF電圧を前記複数の電極のうちの少なくともいくつかに印加して、使用時に、第1の振幅を有する複数の第1の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁(pseudo−potential barriers)、波形形状(corrugations)もしくは井戸(wells)が前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿って作成されるようにするための手段と、
イオンを前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿って駆動または推進する手段とを含む質量分析器であって、
前記質量分析器は、
第2のACまたはRF電圧を前記複数の電極のうちの1つ以上に印加して、使用時に、第2の振幅を有する1つ以上の第2の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸が前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿って作成されるようにする手段であって、前記第2の振幅は、前記第1の振幅と異なる、手段をさらに含む、質量分析器が提供される。
【0010】
一動作モードにおいて、質量電荷比≧M1を有するイオンが好ましくは前記イオンガイドを出て、他方質量電荷比<M2を有するイオンが好ましくは前記1つ以上の第2の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸によって前記イオンガイド内に軸方向にトラップまたは閉じ込められる。好ましくは、M1は、(i)<100、(ii)100〜200、(iii)200〜300、(iv)300〜400、(v)400〜500、(vi)500〜600、(vii)600〜700、(viii)700〜800、(ix)800〜900、(x)900〜1000、および(xi)>1000からなる群から選択される第1の範囲にある。好ましくは、M2は、(i)<100、(ii)100〜200、(iii)200〜300、(iv)300〜400、(v)400〜500、(vi)500〜600、(vii)600〜700、(viii)700〜800、(ix)800〜900、(x)900〜1000、および(xi)>1000からなる群から選択される第2の範囲にある。一実施形態によると、M1およびM2は同じ値を有し得る。
【0011】
一動作モードにおいて、イオンは、好ましくはそれらの質量電荷比の順またはそれらの質量電荷比の逆順で、前記質量分析器から逐次排出される。
【0012】
上記好適な実施形態によると、前記イオンガイドは、n個の軸方向セグメントを含み、ここでnは、(i)1〜10、(ii)11〜20、(iii)21〜30、(iv)31〜40、(v)41〜50、(vi)51〜60、(vii)61〜70、(viii)71〜80、(ix)81〜90、(x)91〜100、および(xi)>100からなる群から選択される。各軸方向セグメントは、好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20または>20個の電極を含む。前記軸方向セグメントのうちの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%の軸方向長さは、好ましくは(i)<1mm、(ii)1〜2mm、(iii)2〜3mm、(iv)3〜4mm、(v)4〜5mm、(vi)5〜6mm、(vii)6〜7mm、(viii)7〜8mm、(ix)8〜9mm、(x)9〜10mm、および(xi)>10mmからなる群から選択される。前記軸方向セグメントのうちの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%の間の間隔は、好ましくは(i)<1mm、(ii)1〜2mm、(iii)2〜3mm、(iv)3〜4mm、(v)4〜5mm、(vi)5〜6mm、(vii)6〜7mm、(viii)7〜8mm、(ix)8〜9mm、(x)9〜10mm、および(xi)>10mmからなる群から選択される。
【0013】
前記イオンガイドは、好ましくは(i)<20mm、(ii)20〜40mm、(iii)40〜60mm、(iv)60〜80mm、(v)80〜100mm、(vi)100〜120mm、(vii)120〜140mm、(viii)140〜160mm、(ix)160〜180mm、(x)180〜200mm、および(xi)>200mmからなる群から選択される長さを有する。
【0014】
前記イオンガイドは、好ましくは少なくとも(i)10〜20個の電極、(ii)20〜30個の電極、(iii)30〜40個の電極、(iv)40〜50個の電極、(v)50〜60個の電極、(vi)60〜70個の電極、(vii)70〜80個の電極、(viii)80〜90個の電極、(ix)90〜100個の電極、(x)100〜110個の電極、(xi)110〜120個の電極、(xii)120〜130個の電極、(xiii)130〜140個の電極、(xiv)140〜150個の電極、または(xv)>150個の電極を含む。
【0015】
上記好適な実施形態によると、前記複数の電極は、開口を有する電極を含み、イオンは、使用時に前記開口を通って移送される。前記電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%は、好ましくは実質的に円形、長方形、正方形または楕円形の開口を有する。
【0016】
一実施形態によると、前記電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%は、実質的に同じサイズであるか、または実質的に同じ面積を有する開口を有する。別の実施形態によると、前記電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%は、サイズまたは面積が前記イオンガイドの軸に沿った方向に漸進的により大きくおよび/またはより小さくなる開口を有する。
【0017】
上記好適な実施形態によると、前記電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%は、好ましくは(i)≦1.0mm、(ii)≦2.0mm、(iii)≦3.0mm、(iv)≦4.0mm、(v)≦5.0mm、(vi)≦6.0mm、(vii)≦7.0mm、(viii)≦8.0mm、(ix)≦9.0mm、(x)≦10.0mm、および(xi)>10.0mmからなる群から選択される内径または寸法を有する開口を有する。
【0018】
前記電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%は、好ましくは(i)5mm以下、(ii)4.5mm以下、(iii)4mm以下、(iv)3.5mm以下、(v)3mm以下、(vi)2.5mm以下、(vii)2mm以下、(viii)1.5mm以下、(ix)1mm以下、(x)0.8mm以下、(xi)0.6mm以下、(xii)0.4mm以下、(xiii)0.2mm以下、(xiv)0.1mm以下、および(xv)0.25mm以下からなる群から選択される軸方向距離だけ互いに間隔をあけられる。
【0019】
前記複数の電極のうちの少なくともいくつかは、開口を含み、かつ前記開口の内径または寸法の隣り合う電極間の中心間軸方向間隔に対する比は、(i)<1.0、(ii)1.0〜1.2、(iii)1.2〜1.4、(iv)1.4〜1.6、(v)1.6〜1.8、(vi)1.8〜2.0、(vii)2.0〜2.2、(viii)2.2〜2.4、(ix)2.4〜2.6、(x)2.6〜2.8、(xi)2.8〜3.0、(xii)3.0〜3.2、(xiii)3.2〜3.4、(xiv)3.4〜3.6、(xv)3.6〜3.8、(xvi)3.8〜4.0、(xvii)4.0〜4.2、(xviii)4.2〜4.4、(xix)4.4〜4.6、(xx)4.6〜4.8、(xxi)4.8〜5.0、および(xxii)>5.0からなる群から選択される。
【0020】
前記電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%は、好ましくは(i)5mm以下、(ii)4.5mm以下、(iii)4mm以下、(iv)3.5mm以下、(v)3mm以下、(vi)2.5mm以下、(vii)2mm以下、(viii)1.5mm以下、(ix)1mm以下、(x)0.8mm以下、(xi)0.6mm以下、(xii)0.4mm以下、(xiii)0.2mm以下、(xiv)0.1mm以下、および(xv)0.25mm以下からなる群から選択される厚さまたは軸方向長さを有する。
【0021】
他の一実施形態によると、前記イオンガイドは、セグメント化ロッドセット(segmented rod set)イオンガイドを含む。前記イオンガイドは、例えば、セグメント化四重極、六重極もしくは八重極イオンガイドまたは8個より多くのセグメント化ロッドセットを含むイオンガイドを含み得る。前記イオンガイドは、好ましくは(i)略または実質的に円形断面、(ii)略または実質的に双曲面、(iii)円弧または部分円形断面、(iv)略または実質的に長方形断面、および(v)略または実質的に正方形断面からなる群から選択される断面を有する複数の電極を含む。
【0022】
別の実施形態によると、前記イオンガイドは、複数のグループのプレート電極(plate electrodes)が前記イオンガイドの軸方向長さに沿って配置されるような複数のプレート電極を含み得る。各グループのプレート電極は、好ましくは第1のプレート電極および第2のプレート電極を含む。前記第1および第2のプレート電極は、好ましくは実質的に同じ平面内に配置され、かつ好ましくは前記イオンガイドの中心長軸のいずれか一方の側に配置される。前記質量分析器は、好ましくはイオンを前記イオンガイド内に第1の半径方向に閉じ込めるためにDC電圧またはポテンシャルを前記第1および第2のプレート電極に印加するための手段をさらに含む。
【0023】
各グループの電極は、好ましくは第3の電極および第4の電極をさらに含む。前記第3および第4の電極は、好ましくは実質的に同じ平面内に配置され、かつ好ましくは前記イオンガイドの中心長軸のいずれか一方の側に前記第1および第2の電極とは異なる方向に配置される。前記ACまたはRF電圧を印加するための手段は、好ましくはイオンを前記イオンガイド内に第2の半径方向に閉じ込めるために、前記ACまたはRF電圧を前記第3のおよび第4のプレート電極に印加するように構成される。第2の半径方向は、好ましくは第1の半径方向と直交する。
【0024】
前記イオンを駆動または推進するための手段は、好ましくは1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたは1つ以上のDC電圧もしくはポテンシャル波形を前記電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%に印加するための手段を含む。前記1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたは前記1つ以上のDC電圧もしくはポテンシャル波形は、好ましくは(i)1つのポテンシャルの山もしくは障壁、(ii)1つのポテンシャル井戸、(iii)複数のポテンシャルの山もしくは障壁、(iv)複数のポテンシャル井戸、(v)1つのポテンシャルの山もしくは障壁と1つのポテンシャル井戸の組み合わせ、または(vi)複数のポテンシャルの山もしくは障壁と複数のポテンシャル井戸の組み合わせを作成する。
【0025】
前記1つ以上の過渡DC電圧またはポテンシャル波形は、好ましくは繰り返し波形または方形波を含む。
【0026】
上記好適な実施形態によると、複数の軸方向DCポテンシャル井戸が好ましくは前記イオンガイドの長さに沿って平行移動されるか、または複数の過渡DCポテンシャルまたは電圧が前記イオンガイドの軸方向長さに沿って電極に漸進的に印加される。
【0027】
一実施形態によると、前記質量分析器は、好ましくは前記1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたは前記1つ以上のDC電圧もしくはポテンシャル波形の振幅、高さまたは深さを漸進的に増加するか、漸進的に低減するか、漸進的に変更するか、スキャンするか、直線的に増加するか、直線的に低減するか、段階的、漸進的もしくは他のやり方で増加するか、または段階的、漸進的もしくは他のやり方で低減するように構成または適合される第1の手段をさらに含む。
【0028】
前記第1の手段は、好ましくは前記1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたは前記1つ以上のDC電圧もしくはポテンシャル波形の振幅、高さまたは深さをx1ボルトだけ期間t1にわたって漸進的に増加するか、漸進的に低減するか、漸進的に変更するか、スキャンするか、直線的に増加するか、直線的に低減するか、段階的、漸進的もしくは他のやり方で増加するか、または段階的、漸進的もしくは他のやり方で低減するように構成または適合される。好ましくは、x1は、(i)<0.1V、(ii)0.1〜0.2V、(iii)0.2〜0.3V、(iv)0.3〜0.4V、(v)0.4〜0.5V、(vi)0.5〜0.6V、(vii)0.6〜0.7V、(viii)0.7〜0.8V、(ix)0.8〜0.9V、(x)0.9〜1.0V、(xi)1.0〜1.5V、(xii)1.5〜2.0V、(xiii)2.0〜2.5V、(xiv)2.5〜3.0V、(xv)3.0〜3.5V、(xvi)3.5〜4.0V、(xvii)4.0〜4.5V、(xviii)4.5〜5.0V、(xix)5.0〜5.5V、(xx)5.5〜6.0V、(xxi)6.0〜6.5V、(xxii)6.5〜7.0V、(xxiii)7.0〜7.5V、(xxiv)7.5〜8.0V、(xxv)8.0〜8.5V、(xxvi)8.5〜9.0V、(xxvii)9.0〜9.5V、(xxviii)9.5〜10.0V、および(xxix)>10.0Vからなる群から選択される。好ましくは、t1は、(i)<lms、(ii)1〜10ms、(iii)10〜20ms、(iv)20〜30ms、(v)30〜40ms、(vi)40〜50ms、(vii)50〜60ms、(viii)60〜70ms、(ix)70〜80ms、(x)80〜90ms、(xi)90〜100ms、(xii)100〜200ms、(xiii)200〜300ms、(xiv)300〜400ms、(xv)400〜500ms、(xvi)500〜600ms、(xvii)600〜700ms、(xviii)700〜800ms、(xix)800〜900ms、(xx)900〜1000ms、(xxi)1〜2s、(xxii)2〜3s、(xxiii)3〜4s、(xxiv)4〜5s、および(xxv)>5sからなる群から選択される。
【0029】
前記質量分析器は、好ましくは前記1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたは前記1つ以上のDC電圧もしくはポテンシャル波形が前記電極に印加される速度またはレート(rate)を漸進的に増加するか、漸進的に低減するか、漸進的に変更するか、スキャンするか、直線的に増加するか、直線的に低減するか、段階的、漸進的もしくは他のやり方で増加するか、または段階的、漸進的もしくは他のやり方で低減するように構成および適合される第2の手段をさらに含む。前記第2の手段は、好ましくは前記1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたは前記1つ以上のDC電圧もしくはポテンシャル波形が前記電極にx2m/sだけ期間t2にわたって印加される速度またはレートを漸進的に増加するか、漸進的に低減するか、漸進的に変更するか、スキャンするか、直線的に増加するか、直線的に低減するか、段階的、漸進的もしくは他のやり方で増加するか、または段階的、漸進的もしくは他のやり方で低減するように構成および適合される。好ましくは、x2は、(i)<1、(ii)1〜2、(iii)2〜3、(iv)3〜4、(v)4〜5、(vi)5〜6、(vii)6〜7、(viii)7〜8、(ix)8〜9、(x)9〜10、(xi)10〜11、(xii)11〜12、(xiii)12〜13、(xiv)13〜14、(xv)14〜15、(xvi)15〜16、(xvii)16〜17、(xviii)17〜18、(xix)18〜19、(xx)19〜20、(xxi)20〜30、(xxii)30〜40、(xxiii)40〜50、(xxiv)50〜60、(xxv)60〜70、(xxvi)70〜80、(xxvii)80〜90、(xxviii)90〜100、(xxix)100〜150、(xxx)150〜200、(xxxi)200〜250、(xxxii)250〜300、(xxxiii)300〜350、(xxxiv)350〜400、(xxxv)400〜450、(xxxvi)450〜500、および(xxxvii)>500からなる群から選択される。好ましくは、t2は、(i)<1ms、(ii)1〜10ms、(iii)10〜20ms、(iv)20〜30ms、(v)30〜40ms、(vi)40〜50ms、(vii)50〜60ms、(viii)60〜70ms、(ix)70〜80ms、(x)80〜90ms、(xi)90〜100ms、(xii)100〜200ms、(xiii)200〜300ms、(xiv)300〜400ms、(xv)400〜500ms、(xvi)500〜600ms、(xvii)600〜700ms、(xviii)700〜800ms、(xix)800〜900ms、(Xx)900〜1000ms、(xxi)1〜2s、(xxii)2〜3s、(xxiii)3〜4s、(xxiv)4〜5s、および(xxv)>5sからなる群から選択される。
【0030】
上記好適な実施形態によると、前記第1のACまたはRF電圧は、好ましくは(i)<50Vピークトゥピーク、(ii)50〜100Vピークトゥピーク、(iii)100〜150Vピークトゥピーク、(iv)150〜200Vピークトゥピーク、(v)200〜250Vピークトゥピーク、(vi)250〜300Vピークトゥピーク、(vii)300〜350Vピークトゥピーク、(viii)350〜400Vピークトゥピーク、(ix)400〜450Vピークトゥピーク、(x)450〜500Vピークトゥピーク、(xi)500〜550Vピークトゥピーク、(xxii)550〜600Vピークトゥピーク、(xxiii)600〜650Vピークトゥピーク、(xxiv)650〜700Vピークトゥピーク、(xxv)700〜750Vピークトゥピーク、(xxvi)750〜800Vピークトゥピーク、(xxvii)800〜850Vピークトゥピーク、(xxviii)850〜900Vピークトゥピーク、(xxix)900〜950Vピークトゥピーク、(xxx)950〜1000Vピークトゥピーク、および(xxxi)>1000Vピークトゥピークからなる群から選択される振幅を有する。
【0031】
上記好適な実施形態によると、前記第1のACまたはRF電圧は、好ましくは(i)<100kHz、(ii)100〜200kHz、(iii)200〜300kHz、(iv)300〜400kHz、(v)400〜500kHz、(vi)0.5〜1.0MHz、(vii)1.0〜1.5MHz、(viii)1.5〜2.0MHz、(ix)2.0〜2.5MHz、(x)2.5〜3.0MHz、(xi)3.0〜3.5MHz、(xii)3.5〜4.0MHz、(xiii)4.0〜4.5MHz、(xiv)4.5〜5.0MHz、(xv)5.0〜5.5MHz、(xvi)5.5〜6.0MHz、(xvii)6.0〜6.5MHz、(xviii)6.5〜7.0MHz、(xix)7.0〜7.5MHz、(xx)7.5〜8.0MHz、(xxi)8.0〜8.5MHz、(xxii)8.5〜9.0MHz、(xxiii)9.0〜9.5MHz、(xxiv)9.5〜10.0MHz、および(xxv)>10.0MHzからなる群から選択される周波数を有する。
【0032】
前記第1のACまたはRF電圧を印加するための手段は、好ましくは前記第1のACまたはRF電圧を前記複数の電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%に印加するように構成される。
【0033】
前記第1のACまたはRF電圧を印加するための手段は、好ましくは軸方向に隣り合う電極または軸方向に隣り合う電極グループに前記第1のACまたはRF電圧の互いに反対の位相を供給するように構成される。
【0034】
前記第1の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸は、好ましくは、使用時に、前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または95%に沿って作成される。
【0035】
前記複数の第1の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸は、好ましくは前記イオンガイドの中心長軸の少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または95%に沿って作成または提供される。
【0036】
前記複数の第1の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸は、好ましくは前記イオンガイドの上流部分および/または中間部分および/または下流部分に作成または提供される。
【0037】
一実施形態によると、前記イオンガイドは、好ましくは長さLを有し、かつ前記複数の第1の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸は、好ましくは前記イオンガイドの長さに沿って、(i)0〜0.1L、(ii)0.1〜0.2L、(iii)0.2〜0.3L、(iv)0.3〜0.4L、(v)0.4〜0.5L、(vi)0.5〜0.6L、(vii)0.6〜0.7L、(viii)0.7〜0.8L、(ix)0.8〜0.9L、および(x)0.9〜1.0Lからなる群から選択される変位(displacement)を有する1つ以上の領域または位置に作成または提供される。
【0038】
前記複数の第1の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸は、好ましくは前記イオンガイドの中心長軸から遠ざかるように半径方向に少なくともr mmだけ延伸し、ここで、rは、(i)<1、(ii)1〜2、(iii)2〜3、(iv)3〜4、(v)4〜5、(vi)5〜6、(vii)6〜7、(viii)7〜8、(ix)8〜9、(x)9〜10、および(xi)>10からなる群から選択される。
【0039】
一実施形態によると、質量電荷比が1〜100、100〜200、200〜300、300〜400、400〜500、500〜600、600〜700、700〜800、800〜900または900〜1000の範囲にあるイオンに対して、前記第1の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸のうちの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%の振幅、高さまたは深さは、好ましくは(i)<0.1V、(ii)0.1〜0.2V、(iii)0.2〜0.3V、(iv)0.3〜0.4V、(v)0.4〜0.5V、(vi)0.5〜0.6V、(vii)0.6〜0.7V、(viii)0.7〜0.8V、(ix)0.8〜0.9V、(x)0.9〜1.0V、(xi)1.0〜1.5V、(xii)1.5〜2.0V、(xiii)2.0〜2.5V、(xiv)2.5〜3.0V、(xv)3.0〜3.5V、(xvi)3.5〜4.0V、(xvii)4.0〜4.5V、(xviii)4.5〜5.0V、(xix)5.0〜5.5V、(xx)5.5〜6.0V、(xxi)6.0〜6.5V、(xxii)6.5〜7.0V、(xxiii)7.0〜7.5V、(xxiv)7.5〜8.0V、(xxv)8.0〜8.5V、(xxvi)8.5〜9.0V、(xxvii)9.0〜9.5V、(xxviii)9.5〜10.0V、および(xxix)>10.0Vからなる群から選択される。
【0040】
好ましくは、使用時に、1cm当たり少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の第1の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸が前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿って提供または作成される。
【0041】
前記複数の第1の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸は、好ましくは前記イオンガイドの軸方向長さに沿って、好ましくは前記複数の電極の軸方向位置に対応する極小値を有する。
【0042】
前記複数の第1の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸は、好ましくは前記イオンガイドの軸方向長さに沿って、好ましくは近接する電極間の軸方向距離または間隔の実質的に50%に対応する軸方向位置に位置付けられた極大値を有する。
【0043】
前記複数の第1の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸は、好ましくは特定の質量電荷比を有するイオンに対して実質的に同じ高さ、深さまたは振幅である極小値および/または極大値を有し、かつ前記極小値および/または極大値は、好ましくは前記複数の電極の軸方向変位または間隔と実質的に同じである周期(periodicity)、またはその倍数である周期を有する。
【0044】
一実施形態によると、前記質量分析器は、好ましくは前記電極に印加される前記第1のACまたはRF電圧の振幅を漸進的に増加するか、漸進的に低減するか、漸進的に変更するか、スキャンするか、直線的に増加するか、直線的に低減するか、段階的、漸進的もしくは他のやり方で増加するか、または段階的、漸進的もしくは他のやり方で低減するように構成および適合される第3の手段を含む。
【0045】
前記第3の手段は、好ましくは前記第1のACまたはRF電圧の振幅をx3ボルトだけ期間t3にわたって漸進的に増加するか、漸進的に低減するか、漸進的に変更するか、スキャンするか、直線的に増加するか、直線的に低減するか、段階的、漸進的もしくは他のやり方で増加するか、または段階的、漸進的もしくは他のやり方で低減するように構成および適合される。好ましくは、x3は、(i)<50Vピークトゥピーク、(ii)50〜100Vピークトゥピーク、(iii)100〜150Vピークトゥピーク、(iv)150〜200Vピークトゥピーク、(v)200〜250Vピークトゥピーク、(vi)250〜300Vピークトゥピーク、(vii)300〜350Vピークトゥピーク、(viii)350〜400Vピークトゥピーク、(ix)400〜450Vピークトゥピーク、(x)450〜500Vピークトゥピーク、(xi)500〜550Vピークトゥピーク、(xxii)550〜600Vピークトゥピーク、(xxiii)600〜650Vピークトゥピーク、(xxiv)650〜700Vピークトゥピーク、(xxv)700〜750Vピークトゥピーク、(xxvi)750〜800Vピークトゥピーク、(xxvii)800〜850Vピークトゥピーク、(xxviii)850〜900Vピークトゥピーク、(xxix)900〜950Vピークトゥピーク、(xxx)950〜1000Vピークトゥピーク、および(xxxi)>1000Vピークトゥピークからなる群から選択される。好ましくは、t3は、(i)<1ms、(ii)1〜10ms、(iii)10〜20ms、(iv)20〜30ms、(v)30〜40ms、(vi)40〜50ms、(vii)50〜60ms、(viii)60〜70ms、(ix)70〜80ms、(x)80〜90ms、(xi)90〜100ms、(xii)100〜200ms、(xiii)200〜300ms、(xiv)300〜400ms、(xv)400〜500ms、(xvi)500〜600ms、(xvii)600〜700ms、(xviii)700〜800ms、(xix)800〜900ms、(Xx)900〜1000ms、(xxi)1〜2s、(xxii)2〜3s、(xxiii)3〜4s、(xxiv)4〜5s、および(xxv)>5sからなる群から選択される。
【0046】
前記質量分析器は、好ましくは前記電極に印加される前記第1のRFまたはAC電圧の周波数を漸進的に増加するか、漸進的に低減するか、漸進的に変更するか、スキャンするか、直線的に増加するか、直線的に低減するか、段階的、漸進的もしくは他のやり方で増加するか、または段階的、漸進的もしくは他のやり方で低減するように構成および適合される第4の手段をさらに含む。前記第4の手段は、好ましくは前記電極に印加される前記第1のRFまたはAC電圧の周波数をx4MHzだけ期間t4にわたって漸進的に増加するか、漸進的に低減するか、漸進的に変更するか、スキャンするか、直線的に増加するか、直線的に低減するか、段階的、漸進的もしくは他のやり方で増加するか、または段階的、漸進的もしくは他のやり方で低減するように構成および適合される。好ましくは、x4は、(i)<100kHz、(ii)100〜200kHz、(iii)200〜300kHz、(iv)300〜400kHz、(v)400〜500kHz、(vi)0.5〜1.0MHz、(vii)1.0〜1.5MHz、(viii)1.5〜2.0MHz、(ix)2.0〜2.5MHz、(x)2.5〜3.0MHz、(xi)3.0〜3.5MHz、(xii)3.5〜4.0MHz、(xiii)4.0〜4.5MHz、(xiv)4.5〜5.0MHz、(xv)5.0〜5.5MHz、(xvi)5.5〜6.0MHz、(xvii)6.0〜6.5MHz、(xviii)6.5〜7.0MHz、(xix)7.0〜7.5MHz、(xx)7.5〜8.0MHz、(xxi)8.0〜8.5MHz、(xxii)8.5〜9.0MHz、(xxiii)9.0〜9.5MHz、(xxiv)9.5〜10.0MHz、および(xxv)>10.0MHzからなる群から選択される。好ましくは、t4は、(i)<1ms、(ii)1〜10ms、(iii)10〜20ms、(iv)20〜30ms、(v)30〜40ms、(vi)40〜50ms、(vii)50〜60ms、(viii)60〜70ms、(ix)70〜80ms、(x)80〜90ms、(xi)90〜100ms、(xii)100〜200ms、(xiii)200〜300ms、(xiv)300〜400ms、(xv)400〜500ms、(xvi)500〜600ms、(xvii)600〜700ms、(xviii)700〜800ms、(xix)800〜900ms、(Xx)900〜1000ms、(xxi)1〜2s、(xxii)2〜3s、(xxiii)3〜4s、(xxiv)4〜5s、および(xxv)>5sからなる群から選択される。
【0047】
一実施形態によると、前記第2のACまたはRF電圧は、好ましくは(i)<50Vピークトゥピーク、(ii)50〜100Vピークトゥピーク、(iii)100〜150Vピークトゥピーク、(iv)150〜200Vピークトゥピーク、(v)200〜250Vピークトゥピーク、(vi)250〜300Vピークトゥピーク、(vii)300〜350Vピークトゥピーク、(viii)350〜400Vピークトゥピーク、(ix)400〜450Vピークトゥピーク、(x)450〜500Vピークトゥピーク、(xi)500〜550Vピークトゥピーク、(xxii)550〜600Vピークトゥピーク、(xxiii)600〜650Vピークトゥピーク、(xxiv)650〜700Vピークトゥピーク、(xxv)700〜750Vピークトゥピーク、(xxvi)750〜800Vピークトゥピーク、(xxvii)800〜850Vピークトゥピーク、(xxviii)850〜900Vピークトゥピーク、(xxix)900〜950Vピークトゥピーク、(xxx)950〜1000Vピークトゥピーク、および(xxxi)>1000Vピークトゥピークからなる群から選択される振幅を有する。
【0048】
前記第2のACまたはRF電圧は、好ましくは(i)<100kHz、(ii)100〜200kHz、(iii)200〜300kHz、(iv)300〜400kHz、(v)400〜500kHz、(vi)0.5〜1.0MHz、(vii)1.0〜1.5MHz、(viii)1.5〜2.0MHz、(ix)2.0〜2.5MHz、(x)2.5〜3.0MHz、(xi)3.0〜3.5MHz、(xii)3.5〜4.0MHz、(xiii)4.0〜4.5MHz、(xiv)4.5〜5.0MHz、(xv)5.0〜5.5MHz、(xvi)5.5〜6.0MHz、(xvii)6.0〜6.5MHz、(xviii)6.5〜7.0MHz、(xix)7.0〜7.5MHz、(xx)7.5〜8.0MHz、(xxi)8.0〜8.5MHz、(xxii)8.5〜9.0MHz、(xxiii)9.0〜9.5MHz、(xxiv)9.5〜10.0MHz、および(xxv)>10.0MHzからなる群から選択される周波数を有する。
【0049】
前記第2のACまたはRF電圧を印加するための手段は、好ましくは前記第2のACまたはRF電圧を前記複数の電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%および/または前記複数の電極のうちの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50または>50個に印加するように構成される。
【0050】
前記第2のACまたはRF電圧を印加するための手段は、好ましくは軸方向に隣り合う電極または軸方向に隣り合う電極グループに前記第2のACまたはRF電圧の互いに反対の位相を供給するように構成される。
【0051】
前記1つ以上の第2の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸は、好ましくは、使用時に、前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または95%に沿って作成される。
【0052】
前記1つ以上の第2の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸は、好ましくは前記イオンガイドの中心長軸の少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または95%に沿って作成または提供される。
【0053】
前記複数の第2の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸は、好ましくは前記イオンガイドの上流部分および/または中間部分および/または下流部分に作成または提供される。
【0054】
前記イオンガイドは、好ましくは長さLを有し、かつ前記複数の第2の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸は、好ましくは前記イオンガイドの長さに沿って、(i)0〜0.1L、(ii)0.1〜0.2L、(iii)0.2〜0.3L、(iv)0.3〜0.4L、(v)0.4〜0.5L、(vi)0.5〜0.6L、(vii)0.6〜0.7L、(viii)0.7〜0.8L、(ix)0.8〜0.9L、および(x)0.9〜1.0Lからなる群から選択される変位を有する1つ以上の領域または位置に作成または提供される。
【0055】
前記1つ以上の第2の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸は、好ましくは前記イオンガイドの中心長軸から遠ざかるように半径方向に少なくともr mmだけ延伸し、ここで、rは、(i)<1、(ii)1〜2、(iii)2〜3、(iv)3〜4、(v)4〜5、(vi)5〜6、(vii)6〜7、(viii)7〜8、(ix)8〜9、(x)9〜10、および(xi)>10からなる群から選択される。
【0056】
一実施形態によると、質量電荷比が1〜100、100〜200、200〜300、300〜400、400〜500、500〜600、600〜700、700〜800、800〜900または900〜1000の範囲にあるイオンに対して、前記1つ以上の第2の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸のうちの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%の振幅、高さまたは深さは、好ましくは(i)<0.1V、(ii)0.1〜0.2V、(iii)0.2〜0.3V、(iv)0.3〜0.4V、(v)0.4〜0.5V、(vi)0.5〜0.6V、(vii)0.6〜0.7V、(viii)0.7〜0.8V、(ix)0.8〜0.9V、(x)0.9〜1.0V、(xi)1.0〜1.5V、(xii)1.5〜2.0V、(xiii)2.0〜2.5V、(xiv)2.5〜3.0V、(xv)3.0〜3.5V、(xvi)3.5〜4.0V、(xvii)4.0〜4.5V、(xviii)4.5〜5.0V、(xix)5.0〜5.5V、(xx)5.5〜6.0V、(xxi)6.0〜6.5V、(xxii)6.5〜7.0V、(xxiii)7.0〜7.5V、(xxiv)7.5〜8.0V、(xxv)8.0〜8.5V、(xxvi)8.5〜9.0V、(xxvii)9.0〜9.5V、(xxviii)9.5〜10.0V、および(xxix)>10.0Vからなる群から選択される。
【0057】
好ましくは、使用時に、1cm当たり少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の第2の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸が前記イオンガイドの軸方向長さに沿って提供または作成される。
【0058】
前記1つ以上の第2の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸は、好ましくは前記イオンガイドの軸方向長さに沿って、前記複数の電極の軸方向位置に対応する極小値を有する。
【0059】
前記1つ以上の第2の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸は、好ましくは前記イオンガイドの軸方向長さに沿って、近接する電極間の軸方向距離または間隔の実質的に50%に対応する軸方向位置に位置付けられた極大値を有する。
【0060】
前記1つ以上の第2の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸は、好ましくは特定の質量電荷比を有するイオンに対して実質的に同じ高さ、深さまたは振幅である極小値および/または極大値を有する。前記極小値および/または極大値は、好ましくは前記複数の電極の軸方向変位または間隔と実質的に同じである周期、またはその倍数である周期を有する。
【0061】
上記好適な実施形態によると、前記第2の振幅は、好ましくは前記第1の振幅よりも小さいか、または大きい。好ましくは、前記第2の振幅の前記第1の振幅に対する比は、(i)<1、(ii)>1、(iii)1〜2、(iv)2〜3、(v)3〜4、(vi)4〜5、(vii)5〜6、(viii)6〜7、(ix)7〜8、(x)8〜9、(xi)9〜10、(xii)10〜11、(xiii)11〜12、(xiv)12〜13、(xv)13〜14、(xvi)14〜15、(xvii)15〜16、(xviii)16〜17、(xix)17〜18、(xx)18〜19、(xxi)19〜20、(xxii)20〜25、(xxiii)25〜30、(xxiv)30〜35、(xxv)35〜40、(xxvi)40〜45、(xxvii)45〜50、(xxviii)50〜60、(xxix)60〜70、(xxx)70〜80、(xxxi)80〜90、(xxxii)90〜100、および(xxxiii)>100からなる群から選択される。
【0062】
一実施形態によると、前記質量分析器は、前記複数の電極のうちの1つ以上に印加される前記第2のACまたはRF電圧の振幅を漸進的に増加するか、漸進的に低減するか、漸進的に変更するか、スキャンするか、直線的に増加するか、直線的に低減するか、段階的、漸進的もしくは他のやり方で増加するか、または段階的、漸進的もしくは他のやり方で低減するように構成および適合される第5の手段をさらに含む。
【0063】
前記第5の手段は、好ましくは前記第2のACまたはRF電圧の振幅をx5ボルトだけ期間t5にわたって漸進的に増加するか、漸進的に低減するか、漸進的に変更するか、スキャンするか、直線的に増加するか、直線的に低減するか、段階的、漸進的もしくは他のやり方で増加するか、または段階的、漸進的もしくは他のやり方で低減するように構成および適合される。好ましくは、x5は、(i)<50Vピークトゥピーク、(ii)50〜100Vピークトゥピーク、(iii)100〜150Vピークトゥピーク、(iv)150〜200Vピークトゥピーク、(v)200〜250Vピークトゥピーク、(vi)250〜300Vピークトゥピーク、(vii)300〜350Vピークトゥピーク、(viii)350〜400Vピークトゥピーク、(ix)400〜450Vピークトゥピーク、(x)450〜500Vピークトゥピーク、(xi)500〜550Vピークトゥピーク、(xxii)550〜600Vピークトゥピーク、(xxiii)600〜650Vピークトゥピーク、(xxiv)650〜700Vピークトゥピーク、(xxv)700〜750Vピークトゥピーク、(xxvi)750〜800Vピークトゥピーク、(xxvii)800〜850Vピークトゥピーク、(xxviii)850〜900Vピークトゥピーク、(xxix)900〜950Vピークトゥピーク、(xxx)950〜1000Vピークトゥピーク、および(xxxi)>1000Vピークトゥピークからなる群から選択される。好ましくは、t5は、(i)<1ms、(ii)1〜10ms、(iii)10〜20ms、(iv)20〜30ms、(v)30〜40ms、(vi)40〜50ms、(vii)50〜60ms、(viii)60〜70ms、(ix)70〜80ms、(x)80〜90ms、(xi)90〜100ms、(xii)100〜200ms、(xiii)200〜300ms、(xiv)300〜400ms、(xv)400〜500ms、(xvi)500〜600ms、(xvii)600〜700ms、(xviii)700〜800ms、(xix)800〜900ms、(Xx)900〜1000ms、(xxi)1〜2s、(xxii)2〜3s、(xxiii)3〜4s、(xxiv)4〜5s、および(xxv)>5sからなる群から選択される。
【0064】
前記質量分析器は、好ましくは前記複数の電極のうちの1つ以上に印加される前記第2のRFまたはAC電圧の周波数を漸進的に増加するか、漸進的に低減するか、漸進的に変更するか、スキャンするか、直線的に増加するか、直線的に低減するか、段階的、漸進的もしくは他のやり方で増加するか、または段階的、漸進的もしくは他のやり方で低減するように構成および適合される第6の手段をさらに含む。
【0065】
前記第6の手段は、好ましくは前記電極に印加される前記第2のRFまたはAC電圧の周波数をx6MHzだけ期間t6にわたって漸進的に増加するか、漸進的に低減するか、漸進的に変更するか、スキャンするか、直線的に増加するか、直線的に低減するか、段階的、漸進的もしくは他のやり方で増加するか、または段階的、漸進的もしくは他のやり方で低減するように構成および適合される。好ましくは、x6は、(i)<100kHz、(ii)100〜200kHz、(iii)200〜300kHz、(iv)300〜400kHz、(v)400〜500kHz、(vi)0.5〜1.0MHz、(vii)1.0〜1.5MHz、(viii)1.5〜2.0MHz、(ix)2.0〜2.5MHz、(x)2.5〜3.0MHz、(xi)3.0〜3.5MHz、(xii)3.5〜4.0MHz、(xiii)4.0〜4.5MHz、(xiv)4.5〜5.0MHz、(xv)5.0〜5.5MHz、(xvi)5.5〜6.0MHz、(xvii)6.0〜6.5MHz、(xviii)6.5〜7.0MHz、(xix)7.0〜7.5MHz、(xx)7.5〜8.0MHz、(xxi)8.0〜8.5MHz、(xxii)8.5〜9.0MHz、(xxiii)9.0〜9.5MHz、(xxiv)9.5〜10.0MHz、および(xxv)>10.0MHzからなる群から選択される。好ましくは、t6は、(i)<1ms、(ii)1〜10ms、(iii)10〜20ms、(iv)20〜30ms、(v)30〜40ms、(vi)40〜50ms、(vii)50〜60ms、(viii)60〜70ms、(ix)70〜80ms、(x)80〜90ms、(xi)90〜100ms、(xii)100〜200ms、(xiii)200〜300ms、(xiv)300〜400ms、(xv)400〜500ms、(xvi)500〜600ms、(xvii)600〜700ms、(xviii)700〜800ms、(xix)800〜900ms、(Xx)900〜1000ms、(xxi)1〜2s、(xxii)2〜3s、(xxiii)3〜4s、(xxiv)4〜5s、および(xxv)>5sからなる群から選択される。
【0066】
前記質量分析器は、好ましくは、第1のDC電圧を前記複数の電極のうちの1つ以上に印加して、使用時に、前記1つ以上の第2の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸が好ましくはDC軸方向ポテンシャル障壁または井戸を軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁または井戸と組み合わせて含むようにするための手段をさらに含む。
【0067】
一実施形態によると、前記質量分析器は、前記複数の電極のうちの1つ以上に印加される前記第1のDC電圧の振幅を漸進的に増加するか、漸進的に低減するか、漸進的に変更するか、スキャンするか、直線的に増加するか、直線的に低減するか、段階的、漸進的もしくは他のやり方で増加するか、または段階的、漸進的もしくは他のやり方で低減するように構成および適合される第7の手段をさらに含む。
【0068】
前記第7の手段は、好ましくは前記第1のDC電圧の振幅をx7ボルトだけ期間t7にわたって漸進的に増加するか、漸進的に低減するか、漸進的に変更するか、スキャンするか、直線的に増加するか、直線的に低減するか、段階的、漸進的もしくは他のやり方で増加するか、または段階的、漸進的もしくは他のやり方で低減するように構成および適合される。好ましくは、x7は、(i)<0.1V、(ii)0.1〜0.2V、(iii)0.2〜0.3V、(iv)0.3〜0.4V、(v)0.4〜0.5V、(vi)0.5〜0.6V、(vii)0.6〜0.7V、(viii)0.7〜0.8V、(ix)0.8〜0.9V、(x)0.9〜1.0V、(xi)1.0〜1.5V、(xii)1.5〜2.0V、(xiii)2.0〜2.5V、(xiv)2.5〜3.0V、(xv)3.0〜3.5V、(xvi)3.5〜4.0V、(xvii)4.0〜4.5V、(xviii)4.5〜5.0V、(xix)5.0〜5.5V、(xx)5.5〜6.0V、(xxi)6.0〜6.5V、(xxii)6.5〜7.0V、(xxiii)7.0〜7.5V、(xxiv)7.5〜8.0V、(xxv)8.0〜8.5V、(xxvi)8.5〜9.0V、(xxvii)9.0〜9.5V、(xxviii)9.5〜10.0V、および(xxix)>10.0Vからなる群から選択される。好ましくは、t7は、(i)<1ms、(ii)1〜10ms、(iii)10〜20ms、(iv)20〜30ms、(v)30〜40ms、(vi)40〜50ms、(vii)50〜60ms、(viii)60〜70ms、(ix)70〜80ms、(x)80〜90ms、(xi)90〜100ms、(xii)100〜200ms、(xiii)200〜300ms、(xiv)300〜400ms、(xv)400〜500ms、(xvi)500〜600ms、(xvii)600〜700ms、(xviii)700〜800ms、(xix)800〜900ms、(Xx)900〜1000ms、(xxi)1〜2s、(xxii)2〜3s、(xxiii)3〜4s、(xxiv)4〜5s、および(xxv)>5sからなる群から選択される。
【0069】
前記質量分析器は、好ましくは第3のACまたはRF電圧を前記複数の電極のうちの1つ以上に印加して、使用時に、第3の振幅を有する1つ以上の第3の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸が前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿って作成されるようにするための手段をさらに含む。前記第3の振幅は、好ましくは前記第1の振幅および/または前記第2の振幅と異なる。一実施形態によると、前記第3の振幅は、前記第2の振幅と同じであり得るが、前記第1の振幅とは異なり得る。
【0070】
前記第3のACまたはRF電圧は、好ましくは(i)<50Vピークトゥピーク、(ii)50〜100Vピークトゥピーク、(iii)100〜150Vピークトゥピーク、(iv)150〜200Vピークトゥピーク、(v)200〜250Vピークトゥピーク、(vi)250〜300Vピークトゥピーク、(vii)300〜350Vピークトゥピーク、(viii)350〜400Vピークトゥピーク、(ix)400〜450Vピークトゥピーク、(x)450〜500Vピークトゥピーク、(xi)500〜550Vピークトゥピーク、(xxii)550〜600Vピークトゥピーク、(xxiii)600〜650Vピークトゥピーク、(xxiv)650〜700Vピークトゥピーク、(xxv)700〜750Vピークトゥピーク、(xxvi)750〜800Vピークトゥピーク、(xxvii)800〜850Vピークトゥピーク、(xxviii)850〜900Vピークトゥピーク、(xxix)900〜950Vピークトゥピーク、(xxx)950〜1000Vピークトゥピーク、および(xxxi)>1000Vピークトゥピークからなる群から選択される振幅を有する。
【0071】
前記第3のACまたはRF電圧は、好ましくは(i)<100kHz、(ii)100〜200kHz、(iii)200〜300kHz、(iv)300〜400kHz、(v)400〜500kHz、(vi)0.5〜1.0MHz、(vii)1.0〜1.5MHz、(viii)1.5〜2.0MHz、(ix)2.0〜2.5MHz、(x)2.5〜3.0MHz、(xi)3.0〜3.5MHz、(xii)3.5〜4.0MHz、(xiii)4.0〜4.5MHz、(xiv)4.5〜5.0MHz、(xv)5.0〜5.5MHz、(xvi)5.5〜6.0MHz、(xvii)6.0〜6.5MHz、(xviii)6.5〜7.0MHz、(xix)7.0〜7.5MHz、(xx)7.5〜8.0MHz、(xxi)8.0〜8.5MHz、(xxii)8.5〜9.0MHz、(xxiii)9.0〜9.5MHz、(xxiv)9.5〜10.0MHz、および(xxv)>10.0MHzからなる群から選択される周波数を有する。
【0072】
前記第3のACまたはRF電圧を印加するための手段は、好ましくは前記第3のACまたはRF電圧を前記複数の電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%に印加するように構成される。
【0073】
前記第3のACまたはRF電圧を印加するための手段は、好ましくは軸方向に隣り合う電極または軸方向に隣り合う電極グループに前記第3のACまたはRF電圧の互いに反対の位相を供給するように構成される。
【0074】
前記1つ以上の第3の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸は、好ましくは、使用時に、前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または95%に沿って作成される。
【0075】
前記1つ以上の第3の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸は、好ましくは前記イオンガイドの中心長軸の少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または95%に沿って作成または提供される。
【0076】
前記1つ以上の第3の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸は、好ましくは前記イオンガイドの上流部分および/または中間部分および/または下流部分に作成または提供される。
【0077】
前記イオンガイドは、好ましくは長さLを有し、かつ前記1つ以上の第3の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸は、好ましくは前記イオンガイドの長さに沿って、(i)0〜0.1L、(ii)0.1〜0.2L、(iii)0.2〜0.3L、(iv)0.3〜0.4L、(v)0.4〜0.5L、(vi)0.5〜0.6L、(vii)0.6〜0.7L、(viii)0.7〜0.8L、(ix)0.8〜0.9L、および(x)0.9〜1.0Lからなる群から選択される変位を有する1つ以上の領域または位置に作成または提供される。
【0078】
前記1つ以上の第3の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸は、好ましくは前記イオンガイドの中心長軸から遠ざかるように半径方向に少なくともr mmだけ延伸し、ここで、rは、(i)<1、(ii)1〜2、(iii)2〜3、(iv)3〜4、(v)4〜5、(vi)5〜6、(vii)6〜7、(viii)7〜8、(ix)8〜9、(x)9〜10、および(xi)>10からなる群から選択される。
【0079】
一実施形態によると、質量電荷比が1〜100、100〜200、200〜300、300〜400、400〜500、500〜600、600〜700、700〜800、800〜900または900〜1000の範囲にあるイオンに対して、前記第3の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸のうちの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%の振幅、高さまたは深さは、(i)<0.1V、(ii)0.1〜0.2V、(iii)0.2〜0.3V、(iv)0.3〜0.4V、(v)0.4〜0.5V、(vi)0.5〜0.6V、(vii)0.6〜0.7V、(viii)0.7〜0.8V、(ix)0.8〜0.9V、(x)0.9〜1.0V、(xi)1.0〜1.5V、(xii)1.5〜2.0V、(xiii)2.0〜2.5V、(xiv)2.5〜3.0V、(xv)3.0〜3.5V、(xvi)3.5〜4.0V、(xvii)4.0〜4.5V、(xviii)4.5〜5.0V、(xix)5.0〜5.5V、(xx)5.5〜6.0V、(xxi)6.0〜6.5V、(xxii)6.5〜7.0V、(xxiii)7.0〜7.5V、(xxiv)7.5〜8.0V、(xxv)8.0〜8.5V、(xxvi)8.5〜9.0V、(xxvii)9.0〜9.5V、(xxviii)9.5〜10.0V、および(xxix)>10.0Vからなる群から選択される。
【0080】
一実施形態によると、使用時に、1cm当たり少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の第3の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸が前記イオンガイドの軸方向長さに沿って提供または作成される。
【0081】
前記1つ以上の第3の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸は、好ましくは前記イオンガイドの軸方向長さに沿って、好ましくは前記複数の電極の軸方向位置に対応する極小値を有する。
【0082】
前記1つ以上の第3の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸は、好ましくは前記イオンガイドの軸方向長さに沿って、好ましくは近接する電極間の軸方向距離または間隔の実質的に50%に対応する軸方向位置に位置付けられた極大値を有する。
【0083】
前記1つ以上の第3の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸は、好ましくは特定の質量電荷比を有するイオンに対して実質的に同じ高さ、深さまたは振幅である極小値および/または極大値を有し、かつ前記極小値および/または極大値は、前記複数の電極の軸方向変位または間隔と実質的に同じである周期、またはその倍数である周期を有する。
【0084】
前記第3の振幅は、好ましくは前記第1の振幅および/または前記第2の振幅よりも小さいか、または大きい。前記第3の振幅の前記第1の振幅に対する比は、好ましくは(i)<1、(ii)>1、(iii)1〜2、(iv)2〜3、(v)3〜4、(vi)4〜5、(vii)5〜6、(viii)6〜7、(ix)7〜8、(x)8〜9、(xi)9〜10、(xii)10〜11、(xiii)11〜12、(xiv)12〜13、(xv)13〜14、(xvi)14〜15、(xvii)15〜16、(xviii)16〜17、(xix)17〜18、(xx)18〜19、(xxi)19〜20、(xxii)20〜25、(xxiii)25〜30、(xxiv)30〜35、(xxv)35〜40、(xxvi)40〜45、(xxvii)45〜50、(xxviii)50〜60、(xxix)60〜70、(xxx)70〜80、(xxxi)80〜90、(xxxii)90〜100、および(xxxiii)>100からなる群から選択される。
【0085】
前記第3の振幅の前記第2の振幅に対する比は、好ましくは(i)<1、(ii)>1、(iii)1〜2、(iv)2〜3、(v)3〜4、(vi)4〜5、(vii)5〜6、(viii)6〜7、(ix)7〜8、(x)8〜9、(xi)9〜10、(xii)10〜11、(xiii)11〜12、(xiv)12〜13、(xv)13〜14、(xvi)14〜15、(xvii)15〜16、(xviii)16〜17、(xix)17〜18、(xx)18〜19、(xxi)19〜20、(xxii)20〜25、(xxiii)25〜30、(xxiv)30〜35、(xxv)35〜40、(xxvi)40〜45、(xxvii)45〜50、(xxviii)50〜60、(xxix)60〜70、(xxx)70〜80、(xxxi)80〜90、(xxxii)90〜100、および(xxxiii)>100からなる群から選択される。
【0086】
前記質量分析器は、前記複数の電極のうちの1つ以上に印加される前記第3のACまたはRF電圧の振幅を漸進的に増加するか、漸進的に低減するか、漸進的に変更するか、スキャンするか、直線的に増加するか、直線的に低減するか、段階的、漸進的もしくは他のやり方で増加するか、または段階的、漸進的もしくは他のやり方で低減するように構成および適合される第8の手段をさらに含み得る。
【0087】
前記第8の手段は、好ましくは前記第3のACまたはRF電圧の振幅をx8ボルトだけ期間t8にわたって漸進的に増加するか、漸進的に低減するか、漸進的に変更するか、スキャンするか、直線的に増加するか、直線的に低減するか、段階的、漸進的もしくは他のやり方で増加するか、または段階的、漸進的もしくは他のやり方で低減するように構成および適合される。好ましくは、x8は、(i)<50Vピークトゥピーク、(ii)50〜100Vピークトゥピーク、(iii)100〜150Vピークトゥピーク、(iv)150〜200Vピークトゥピーク、(v)200〜250Vピークトゥピーク、(vi)250〜300Vピークトゥピーク、(vii)300〜350Vピークトゥピーク、(viii)350〜400Vピークトゥピーク、(ix)400〜450Vピークトゥピーク、(x)450〜500Vピークトゥピーク、(xi)>500Vピークトゥピークからなる群から選択される。好ましくは、t8は、(i)<1ms、(ii)1〜10ms、(iii)10〜20ms、(iv)20〜30ms、(v)30〜40ms、(vi)40〜50ms、(vii)50〜60ms、(viii)60〜70ms、(ix)70〜80ms、(x)80〜90ms、(xi)90〜100ms、(xii)100〜200ms、(xiii)200〜300ms、(xiv)300〜400ms、(xv)400〜500ms、(xvi)500〜600ms、(xvii)600〜700ms、(xviii)700〜800ms、(xix)800〜900ms、(Xx)900〜1000ms、(xxi)1〜2s、(xxii)2〜3s、(xxiii)3〜4s、(xxiv)4〜5s、および(xxv)>5sからなる群から選択される。
【0088】
一実施形態によると、前記質量分析器は、好ましくは前記複数の電極のうちの1つ以上に印加される前記第3のRFまたはAC電圧の周波数を漸進的に増加するか、漸進的に低減するか、漸進的に変更するか、スキャンするか、直線的に増加するか、直線的に低減するか、段階的、漸進的もしくは他のやり方で増加するか、または段階的、漸進的もしくは他のやり方で低減するように構成および適合される第9の手段をさらに含む。
【0089】
前記第9の手段は、好ましくは前記複数の電極のうちの1つ以上に印加される前記第3のRFまたはAC電圧の周波数をx9MHzだけ期間t9にわたって漸進的に増加するか、漸進的に低減するか、漸進的に変更するか、スキャンするか、直線的に増加するか、直線的に低減するか、段階的、漸進的もしくは他のやり方で増加するか、または段階的、漸進的もしくは他のやり方で低減するように構成および適合される。好ましくは、x9は、(i)<100kHz、(ii)100〜200kHz、(iii)200〜300kHz、(iv)300〜400kHz、(v)400〜500kHz、(vi)0.5〜1.0MHz、(vii)1.0〜1.5MHz、(viii)1.5〜2.0MHz、(ix)2.0〜2.5MHz、(x)2.5〜3.0MHz、(xi)3.0〜3.5MHz、(xii)3.5〜4.0MHz、(xiii)4.0〜4.5MHz、(xiv)4.5〜5.0MHz、(xv)5.0〜5.5MHz、(xvi)5.5〜6.0MHz、(xvii)6.0〜6.5MHz、(xviii)6.5〜7.0MHz、(xix)7.0〜7.5MHz、(xx)7.5〜8.0MHz、(xxi)8.0〜8.5MHz、(xxii)8.5〜9.0MHz、(xxiii)9.0〜9.5MHz、(xxiv)9.5〜10.0MHz、および(xxv)>10.0MHzからなる群から選択される。好ましくは、t9は、(i)<1ms、(ii)1〜10ms、(iii)10〜20ms、(iv)20〜30ms、(v)30〜40ms、(vi)40〜50ms、(vii)50〜60ms、(viii)60〜70ms、(ix)70〜80ms、(x)80〜90ms、(xi)90〜100ms、(xii)100〜200ms、(xiii)200〜300ms、(xiv)300〜400ms、(xv)400〜500ms、(xvi)500〜600ms、(xvii)600〜700ms、(xviii)700〜800ms、(xix)800〜900ms、(Xx)900〜1000ms、(xxi)1〜2s、(xxii)2〜3s、(xxiii)3〜4s、(xxiv)4〜5s、および(xxv)>5sからなる群から選択される。
【0090】
前記質量分析器は、好ましくは第2のDC電圧を前記複数の電極のうちの1つ以上に印加して、使用時に、前記1つ以上の第3の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸がDC軸方向ポテンシャル障壁または井戸を軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁もしくは井戸と組み合わせて含むようにするための手段をさらに含む。
【0091】
前記質量分析器は、好ましくは前記複数の電極のうちの1つ以上に印加される前記第2のDC電圧の振幅を漸進的に増加するか、漸進的に低減するか、漸進的に変更するか、スキャンするか、直線的に増加するか、直線的に低減するか、段階的、漸進的もしくは他のやり方で増加するか、または段階的、漸進的もしくは他のやり方で低減するように構成および適合される第10の手段をさらに含む。
【0092】
前記第10の手段は、好ましくは前記第2のDC電圧の振幅をx10ボルトだけ期間t10にわたって漸進的に増加するか、漸進的に低減するか、漸進的に変更するか、スキャンするか、直線的に増加するか、直線的に低減するか、段階的、漸進的もしくは他のやり方で増加するか、または段階的、漸進的もしくは他のやり方で低減するように構成および適合される。好ましくは、x10は、(i)<0.1V、(ii)0.1〜0.2V、(iii)0.2〜0.3V、(iv)0.3〜0.4V、(v)0.4〜0.5V、(vi)0.5〜0.6V、(vii)0.6〜0.7V、(viii)0.7〜0.8V、(ix)0.8〜0.9V、(x)0.9〜1.0V、(xi)1.0〜1.5V、(xii)1.5〜2.0V、(xiii)2.0〜2.5V、(xiv)2.5〜3.0V、(xv)3.0〜3.5V、(xvi)3.5〜4.0V、(xvii)4.0〜4.5V、(xviii)4.5〜5.0V、(xix)5.0〜5.5V、(xx)5.5〜6.0V、(xxi)6.0〜6.5V、(xxii)6.5〜7.0V、(xxiii)7.0〜7.5V、(xxiv)7.5〜8.0V、(xxv)8.0〜8.5V、(xxvi)8.5〜9.0V、(xxvii)9.0〜9.5V、(xxviii)9.5〜10.0V、および(xxix)>10.0Vからなる群から選択される。好ましくは、t10は、(i)<1ms、(ii)1〜10ms、(iii)10〜20ms、(iv)20〜30ms、(v)30〜40ms、(vi)40〜50ms、(vii)50〜60ms、(viii)60〜70ms、(ix)70〜80ms、(x)80〜90ms、(xi)90〜100ms、(xii)100〜200ms、(xiii)200〜300ms、(xiv)300〜400ms、(xv)400〜500ms、(xvi)500〜600ms、(xvii)600〜700ms、(xviii)700〜800ms、(xix)800〜900ms、(Xx)900〜1000ms、(xxi)1〜2s、(xxii)2〜3s、(xxiii)3〜4s、(xxiv)4〜5s、および(xxv)>5sからなる群から選択される。
【0093】
一実施形態によると、前記質量分析器は、前記イオンガイドの前記電極のうちの少なくともいくつかに印加され、かつイオンを前記イオンガイド内に半径方向に閉じ込めるように作用するDC電圧またはポテンシャルの振幅を漸進的に増加するか、漸進的に低減するか、漸進的に変更するか、スキャンするか、直線的に増加するか、直線的に低減するか、段階的、漸進的もしくは他のやり方で増加するか、または段階的、漸進的もしくは他のやり方で低減するように構成および適合される第11の手段をさらに含む。
【0094】
前記第11の手段は、好ましくは前記少なくともいくつかの電極に印加される前記DC電圧またはポテンシャルの振幅をx11ボルトだけ期間t11にわたって漸進的に増加するか、漸進的に低減するか、漸進的に変更するか、スキャンするか、直線的に増加するか、直線的に低減するか、段階的、漸進的もしくは他のやり方で増加するか、または段階的、漸進的もしくは他のやり方で低減するように構成および適合される。好ましくは、x11は、(i)<0.1V、(ii)0.1〜0.2V、(iii)0.2〜0.3V、(iv)0.3〜0.4V、(v)0.4〜0.5V、(vi)0.5〜0.6V、(vii)0.6〜0.7V、(viii)0.7〜0.8V、(ix)0.8〜0.9V、(x)0.9〜1.0V、(xi)1.0〜1.5V、(xii)1.5〜2.0V、(xiii)2.0〜2.5V、(xiv)2.5〜3.0V、(xv)3.0〜3.5V、(xvi)3.5〜4.0V、(xvii)4.0〜4.5V、(xviii)4.5〜5.0V、(xix)5.0〜5.5V、(xx)5.5〜6.0V、(xxi)6.0〜6.5V、(xxii)6.5〜7.0V、(xxiii)7.0〜7.5V、(xxiv)7.5〜8.0V、(xxv)8.0〜8.5V、(xxvi)8.5〜9.0V、(xxvii)9.0〜9.5V、(xxviii)9.5〜10.0V、および(xxix)>10.0Vからなる群から選択される。好ましくは、t11は、(i)<lms、(ii)1〜10ms、(iii)10〜20ms、(iv)20〜30ms、(v)30〜40ms、(vi)40〜50ms、(vii)50〜60ms、(viii)60〜70ms、(ix)70〜80ms、(x)80〜90ms、(xi)90〜100ms、(xii)100〜200ms、(xiii)200〜300ms、(xiv)300〜400ms、(xv)400〜500ms、(xvi)500〜600ms、(xvii)600〜700ms、(xviii)700〜800ms、(xix)800〜900ms、(xx)900〜1000ms、(xxi)1〜2s、(xxii)2〜3s、(xxiii)3〜4s、(xxiv)4〜5s、および(xxv)>5sからなる群から選択される。
【0095】
前記質量分析器は、好ましくは一動作モードにおいて、前記イオンガイドを(i)<1.0×10-1mbar、(ii)<1.0×10-2mbar、(iii)<1.0×10-3mbar、および(iv)<1.0×10-4mbarからなる群から選択される圧力に維持するための手段をさらに含む。
【0096】
前記質量分析器は、一動作モードにおいて、前記イオンガイドを(i)>1.0×10-3mbar、(ii)>1.0×10-2mbar、(iii)>1.0×10-1mbar、(iv)>1mbar、(v)>10mbar、(vi)>100mbar、(vii)>5.0×10-3mbar、(viii)>5.0×10-2mbar、(ix)10-4〜10-3mbar、(x)10-3〜10-2mbar、および(xi)10-2〜10-1mbarからなる群から選択される圧力に維持するための手段をさらに含む。
【0097】
前記質量分析器は、好ましくは前記イオンガイドを通るガスフロー(gas flow)を漸進的に増加するか、漸進的に低減するか、漸進的に変更するか、スキャンするか、直線的に増加するか、直線的に低減するか、段階的、漸進的もしくは他のやり方で増加するか、または段階的、漸進的もしくは他のやり方で低減するように構成および適合される手段をさらに含む。
【0098】
一実施形態によると、一動作モードにおいて、イオンが好ましくは前記イオンガイド内にトラップされるが、実質的にフラグメンテーションされないように構成される。
【0099】
前記質量分析器は、前記イオンガイド内においてイオンを衝突により冷却するか、または実質的に熱化する(thermalising)ための手段をさらに含み得る。
【0100】
前記質量分析器は、一動作モードにおいて、前記イオンガイド内においてイオンを実質的にフラグメンテーションする手段をさらに含み得る。
【0101】
前記質量分析器は、前記イオンガイドの入口および/または出口に配置される1つ以上の電極をさらに含み得、一動作モードにおいて、前記1つ以上の電極がイオンをパルス化して前記イオンガイドへ入力および/またはそこから出力するように構成される。
【0102】
本発明の別の態様によると、上記質量分析器を含む質量分析計が提供される。
【0103】
前記質量分析計は、好ましくは(i)エレクトロスプレーイオン化(「ESI」)イオン源、(ii)大気圧光イオン化(「APPI」)イオン源、(iii)大気圧化学イオン化(「APCI」)イオン源、(iv)マトリックス支援レーザ脱離イオン化(「MALDI」)イオン源、(v)レーザ脱離イオン化(「LDI」)イオン源、(vi)大気圧イオン化(「API」)イオン源、(vii)シリコンを用いた脱離イオン化(「DIOS」)イオン源、(viii)電子衝突(「EI」)イオン源、(ix)化学イオン化(「CI」)イオン源、(x)電界イオン化(「FI」)イオン源、(xi)電界脱離(「FD」)イオン源、(xii)誘導結合プラズマ(「ICP」)イオン源、(xiii)高速原子衝撃(「FAB」)イオン源、(xiv)液体二次イオン質量分析(「LSIMS」)イオン源、(xv)脱離エレクトロスプレーイオン化(「DESI」)イオン源、(xvi)ニッケル−63放射性イオン源、および(xvii)サーモスプレーイオン源からなる群から選択されるイオン源を含む。
【0104】
前記質量分析計は、好ましくは連続またはパルス化イオン源を含む。
【0105】
前記質量分析計は、好ましくは前記質量分析器の上流および/または下流に配置される1つ以上の質量フィルタをさらに含む。前記1つ以上の質量フィルタは、好ましくは(i)四重極ロッドセット質量フィルタ、(ii)飛行時間質量フィルタまたは質量分析器、(iii)ウィーンフィルタ、および(iv)扇形磁場質量フィルタ(magnetic sector mass filter)または質量分析器からなる群から選択される。
【0106】
前記質量分析計は、好ましくは前記質量分析器の上流および/または下流に配置される1つ以上の第2のイオンガイドまたはイオントラップをさらに含む。前記1つ以上の第2のイオンガイドまたはイオントラップは、好ましくは
(i)四重極ロッドセット、六重極ロッドセット、八重極ロッドセットまたは8個より多くのロッドを含むロッドセットを含む多極ロッドセットもしくはセグメント化多極ロッドセットイオンガイドまたはイオントラップ、
(ii)開口を有する複数の電極または少なくとも2、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90もしくは100個の電極を含むイオントンネルもしくはイオンファネルイオンガイドまたはイオントラップであって、使用時にイオンは、前記開口を通って移送され、前記電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%は、実質的に同じサイズもしくは面積の開口を有するか、またはサイズまたは面積が漸進的により大きくおよび/またはより小さくなる開口を有する、イオントンネルもしくはイオンファネルイオンガイドまたはイオントラップ、
(iii)1スタックもしくはアレイの平面、プレートまたはメッシュ電極であって、前記1スタックもしくはアレイの平面、プレートまたはメッシュ電極は、複数のまたは少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19もしくは20個の平面、プレートまたはメッシュ電極を含むか、あるいは少なくとも前記平面、プレートまたはメッシュ電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%は、使用時にイオンが走行する平面内に一般に配置される、1スタックもしくはアレイの平面、プレートまたはメッシュ電極、および
(iv)イオントラップまたはイオンガイドであって、前記イオントラップまたはイオンガイドの長さに沿って軸方向に配置される複数のグループの電極を含み、各グループの電極は、(a)第1および第2の電極ならびにイオンを前記イオンガイド内に第1の半径方向に閉じ込めるためにDC電圧またはポテンシャルを前記第1および第2の電極に印加するための手段、および(b)第3および第4の電極ならびにイオンを前記イオンガイド内に第2の半径方向に閉じ込めるためにACまたはRF電圧を前記第3および第4の電極に印加するための手段を含み、前記第2の半径方向は、好ましくは前記第1の半径方向とは異なる、イオントラップまたはイオンガイドからなる群から選択される。
【0107】
一好適な実施形態によると、前記第2のイオンガイドまたはイオントラップは、好ましくはイオントンネルもしくはイオンファネルイオンガイドまたはイオントラップを含み、前記電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%は、(i)≦1.0mm、(ii)≦2.0mm、(iii)≦3.0mm、(iv)≦4.0mm、(v)≦5.0mm、(vi)≦6.0mm、(vii)≦7.0mm、(viii)≦8.0mm、(ix)≦9.0mm、(x)≦10.0mm、および(xi)>10.0mmからなる群から選択される内径または寸法を有する。
【0108】
前記第2のイオンガイドまたはイオントラップは、好ましくはイオンを前記第2のイオンガイドまたはイオントラップ内に半径方向に閉じ込めるためにACまたはRF電圧を前記第2のイオンガイドまたはイオントラップの前記複数の電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%に印加するように構成および適合される第4のACまたはRF電圧手段を含む。
【0109】
前記第2のイオンガイドまたはイオントラップは、好ましくは1ビームまたはグループのイオンを前記質量分析器から受け取り、そして前記ビームまたはグループのイオンを変換または分割して、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20個の別々のパケットのイオンが任意の特定の時刻に前記第2のイオンガイドまたはイオントラップ内に閉じ込めおよび/または隔離されるように構成および適合される。各パケットのイオンは、好ましくは前記第2のイオンガイドまたはイオントラップ内に形成される別々の軸方向ポテンシャル井戸内に別々に閉じ込めおよび/または隔離される。
【0110】
前記質量分析計は、一動作モードにおいて、少なくともいくつかのイオンを前記第2のイオンガイドまたはイオントラップの軸方向長さの少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%を通るか、またはそれに沿って上流および/または下流へ推進するように構成および適合される手段をさらに含む。
【0111】
一実施形態によると、前記質量分析計は、少なくともいくつかのイオンを前記第2のイオンガイドまたはイオントラップの軸方向長さの少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%に沿って下流および/または上流へ推進するために、1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたは1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャル波形を前記第2のイオンガイドまたはイオントラップを形成する前記電極に印加するように構成および適合される過渡DC電圧手段をさらに含む。
【0112】
一実施形態によると、前記質量分析計は、好ましくは少なくともいくつかのイオンを前記第2のイオンガイドまたはイオントラップの軸方向長さの少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%に沿って下流および/または上流へ推進するために、2つ以上の位相シフトACまたはRF電圧を前記第2のイオンガイドまたはイオントラップを形成する電極に印加するように構成および適合されるACまたはRF電圧手段をさらに含む。
【0113】
前記質量分析計は、好ましくは前記第2のイオンガイドまたはイオントラップの少なくとも一部を(i)>0.0001mbar、(ii)>0.001mbar、(iii)>0.01mbar、(iv)>0.1mbar、(v)>1mbar、(vi)>10mbar、(vii)>1mbar、(viii)0.0001〜100mbar、および(ix)0.001〜10mbarからなる群から選択される圧力に維持するように構成および適合される手段をさらに含む。
【0114】
前記質量分析計は、イオンを衝突誘起解離(「CID」)によってフラグメンテーションするように構成および適合される衝突、フラグメンテーションまたは反応デバイスをさらに含み得る。別の実施形態によると、前記質量分析計は、(i)表面誘起解離(「SID」)フラグメンテーションデバイス、(ii)電子移動解離フラグメンテーションデバイス、(iii)電子捕獲解離フラグメンテーションデバイス、(iv)電子衝突または衝撃解離フラグメンテーションデバイス、(v)光誘起解離(「PID」)フラグメンテーションデバイス、(vi)レーザ誘起解離フラグメンテーションデバイス、(vii)赤外放射誘起解離デバイス、(viii)紫外放射誘起解離デバイス、(ix)ノズル−スキマ間インターフェースフラグメンテーションデバイス、(x)インソースフラグメンテーションデバイス、(xi)イオン源衝突誘起解離フラグメンテーションデバイス、(xii)熱または温度源フラグメンテーションデバイス、(xiii)電界誘起フラグメンテーションデバイス、(xiv)磁場誘起フラグメンテーションデバイス、(xv)酵素消化または酵素分解フラグメンテーションデバイス、(xvi)イオン−イオン反応フラグメンテーションデバイス、(xvii)イオン−分子反応フラグメンテーションデバイス、(xviii)イオン−原子反応フラグメンテーションデバイス、(xix)イオン−メタステーブルイオン反応フラグメンテーションデバイス、(xx)イオン−メタステーブル分子反応フラグメンテーションデバイス、(xxi)イオン−メタステーブル原子反応フラグメンテーションデバイス、(xxii)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するためのイオン−イオン反応デバイス、(xxiii)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するためのイオン−分子反応デバイス、(xxiv)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するためのイオン−原子反応デバイス、(xxv)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するためのイオン−メタステーブルイオン反応デバイス、(xxvi)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するためのイオン−メタステーブル分子反応デバイス、および(xxvii)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するためのイオン−メタステーブル原子反応デバイスからなる群から選択される前記衝突、フラグメンテーションまたは反応デバイスをさらに含み得る。
【0115】
一実施形態によると、前記質量分析計は、好ましくは前記質量分析器のサイクル時間の間またはそれにわたって前記質量分析器と前記衝突、フラグメンテーションまたは反応セルとの間のポテンシャル差を漸進的に増加するか、漸進的に低減するか、漸進的に変更するか、スキャンするか、直線的に増加するか、直線的に低減するか、段階的、漸進的もしくは他のやり方で増加するか、または段階的、漸進的もしくは他のやり方で低減するように構成または適合される手段をさらに含む。
【0116】
一実施形態によると、前記質量分析計は、前記質量分析器の上流および/または下流に配置されるさらなる質量分析器をさらに含む。前記さらなる質量分析器は、好ましくは(i)フーリエ変換(「FT」)質量分析器、(ii)フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴(「FTICR」)質量分析器、(iii)飛行時間(「TOF」)質量分析器、(iv)直交加速飛行時間(「oaTOF」)質量分析器、(v)軸方向加速飛行時間質量分析器、(vi)扇形磁場質量分析計、(vii)ポールまたは3D四重極質量分析器、(viii)2Dまたは直線四重極質量分析器、(ix)ペニングトラップ質量分析器、(x)イオントラップ質量分析器、(xi)フーリエ変換オービトラップ、(xii)静電イオンサイクロトロン共鳴質量分析計、(xiii)静電フーリエ変換質量分析計、および(xiv)四重極ロッドセット質量フィルタまたは質量分析器からなる群から選択される。
【0117】
前記質量分析計は、好ましくは前記質量分析器のサイクル時間の間またはそれにわたって前記質量分析器の動作と同期して、前記さらなる分析器の質量電荷比移送ウィンドウ(mass to charge ratio transmission window)を漸進的に増加するか、漸進的に低減するか、漸進的に変更するか、スキャンするか、直線的に増加するか、直線的に低減するか、段階的、漸進的もしくは他のやり方で増加するか、または段階的、漸進的もしくは他のやり方で低減するように構成または適合される手段をさらに含む。
【0118】
本発明の一態様によると、イオンを質量分析する方法であって、
複数の電極を含むイオンガイドを準備するステップと、
第1のACまたはRF電圧を前記複数の電極のうちの少なくともいくつかに印加して、複数の第1の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸が前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿って作成されるようにするステップと、
イオンを前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿って駆動または推進するステップと、
第2のACまたはRF電圧を前記複数の電極のうちの1つ以上に印加して、1つ以上の第2の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸が前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿って作成されるようにするステップであって、前記第2の振幅は、前記第1の振幅と異なる、ステップとを含む方法が提供される。
【0119】
本発明の一態様によると、質量分析器であって、
開口を有する複数の電極を含むイオンガイドであって、使用時にイオンが前記開口を通って移送される、イオンガイドと、
イオンを前記イオンガイド内に半径方向に閉じ込めるために、第1のACまたはRF電圧を前記複数の電極のうちの1つ以上に印加するための手段と、
第2の異なるACまたはRF電圧を前記複数の電極のうちの1つ以上に印加して、使用時に、1つ以上の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸が前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿って作成されるようにする手段とを含む質量分析器が提供される。
【0120】
本発明の一態様によると、イオンを質量分析する方法であって、
開口を有する複数の電極を含むイオンガイドであって、イオンが前記開口を通って移送される、イオンガイドを準備するステップと、
イオンを前記イオンガイド内に半径方向に閉じ込めるために、第1のACまたはRF電圧を前記複数の電極のうちの1つ以上に印加するステップと、
第2の異なるACまたはRF電圧を前記複数の電極のうちの1つ以上に印加して、1つ以上の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸が前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿って作成されるようにするステップとを含む方法が提供される。
【0121】
本発明の一態様によると、質量分析器であって、
複数の電極を含むイオンガイドであって、前記複数の電極は、開口を有する電極を含み、使用時にイオンが前記開口を通って移送される、イオンガイドと、
第1のACまたはRF電圧を前記複数の電極のうちの少なくともいくつかに印加して、軸方向に隣り合うグループの電極に前記第1のACまたはRF電圧の互いに反対の位相が供給されるようにするための手段であって、使用時に、第1の振幅を有する複数の第1の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸が前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿って作成される手段と、
1つ以上の軸方向に隣り合うグループの電極に印加される前記第1のACまたはRF電圧の極性を反転して、使用時に、第2の振幅を有する1つ以上の第2の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸が前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿って作成されるようにするため手段であって、前記第2の振幅は、前記第1の振幅と異なる手段とを含む質量分析器が提供される。
【0122】
各電極グループは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または>10個の電極を含み得る。
【0123】
本発明の一態様によると、イオンを質量分析する方法であって、
複数の電極を含むイオンガイドであって、前記複数の電極は、開口を有する電極を含み、イオンが前記開口を通って移送される、イオンガイドを準備するステップと、
第1のACまたはRF電圧を前記複数の電極のうちの少なくともいくつかに印加して、軸方向に隣り合うグループの電極に前記第1のACまたはRF電圧の互いに反対の位相が供給されるようにするステップであって、第1の振幅を有する複数の第1の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸が前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿って作成されるステップと、
1つ以上の軸方向に隣り合うグループの電極に印加される前記第1のACまたはRF電圧の極性を反転して、第2の振幅を有する1つ以上の第2の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸が前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿って作成されるようにするステップであって、前記第2の振幅は、前記第1の振幅と異なる、ステップとを含む方法が提供される。
【0124】
本発明の一態様によると、質量分析器であって、
複数の電極を含むイオンガイドであって、前記複数の電極は、開口を有する電極を含み、使用時にイオンが前記開口を通って移送される、イオンガイドと、
第1のACまたはRF電圧を前記複数の電極のうちの少なくともいくつかに印加して、軸方向に隣り合う電極または軸方向に隣り合うグループの電極に前記第1のACまたはRF電圧の互いに反対の位相が供給されるようにするための手段であって、使用時に、第1の振幅を有する複数の第1の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸が前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿って作成される手段と、
イオンを前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿って駆動または推進するために1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたは1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャル波形を前記複数の電極に印加するための手段と、
1対の軸方向に隣り合う電極または1対の軸方向に隣り合うグループの電極に印加される前記第1のACまたはRF電圧の極性を反転して、使用時に、第2の振幅を有する1つ以上の第2の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸が前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿って作成されるようにするため手段であって、前記第2の振幅は、前記第1の振幅と異なる手段と、
前記1つ以上の第2の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸の振幅を漸進的に低減するために、前記第1のACまたはRF電圧の振幅を直線的に、段階的に、または他のやり方で漸進的に低減するための手段とを含む質量分析器が提供される。
【0125】
好ましくは前記第1のACまたはRF電圧の振幅を漸進的に低減するための手段は、前記第1のACまたはRF電圧の振幅をx12ボルトだけ期間t12にわたり漸進的に低減するように構成される。好ましくは、x12は、(i)<50Vピークトゥピーク、(ii)50〜100Vピークトゥピーク、(iii)100〜150Vピークトゥピーク、(iv)150〜200Vピークトゥピーク、(v)200〜250Vピークトゥピーク、(vi)250〜300Vピークトゥピーク、(vii)300〜350Vピークトゥピーク、(viii)350〜400Vピークトゥピーク、(ix)400〜450Vピークトゥピーク、(x)450〜500Vピークトゥピーク、(xi)500〜550Vピークトゥピーク、(xxii)550〜600Vピークトゥピーク、(xxiii)600〜650Vピークトゥピーク、(xxiv)650〜700Vピークトゥピーク、(xxv)700〜750Vピークトゥピーク、(xxvi)750〜800Vピークトゥピーク、(xxvii)800〜850Vピークトゥピーク、(xxviii)850〜900Vピークトゥピーク、(xxix)900〜950Vピークトゥピーク、(xxx)950〜1000Vピークトゥピーク、および(xxxi)>1000Vピークトゥピークからなる群から選択される。好ましくは、t12は、(i)<1ms、(ii)1〜10ms、(iii)10〜20ms、(iv)20〜30ms、(v)30〜40ms、(vi)40〜50ms、(vii)50〜60ms、(viii)60〜70ms、(ix)70〜80ms、(x)80〜90ms、(xi)90〜100ms、(xii)100〜200ms、(xiii)200〜300ms、(xiv)300〜400ms、(xv)400〜500ms、(xvi)500〜600ms、(xvii)600〜700ms、(xviii)700〜800ms、(xix)800〜900ms、(xx)900〜1000ms、(xxi)1〜2s、(xxii)2〜3s、(xxiii)3〜4s、(xxiv)4〜5s、および(xxv)>5sからなる群から選択される。
【0126】
本発明の一態様によると、イオンを質量分析する方法であって、
複数の電極を含むイオンガイドであって、前記複数の電極は、開口を有する電極を含み、イオンが前記開口を通って移送される、イオンガイドを準備するステップと、
第1のACまたはRF電圧を前記複数の電極のうちの少なくともいくつかに印加して、軸方向に隣り合う電極または軸方向に隣り合うグループの電極に前記第1のACまたはRF電圧の互いに反対の位相が供給されるようにするステップであって、第1の振幅を有する複数の第1の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸が前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿って作成されるステップと、
イオンを前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿って駆動または推進するために1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたは1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャル波形を前記複数の電極に印加するステップと、
1対の軸方向に隣り合う電極または1対の軸方向に隣り合うグループの電極に印加される前記第1のACまたはRF電圧の極性を反転して、第2の振幅を有する1つ以上の第2の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸が前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿って作成されるようにするステップであって、前記第2の振幅は、前記第1の振幅と異なるステップと、
前記1つ以上の第2の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸の振幅を漸進的に低減するために、前記第1のACまたはRF電圧の振幅を直線的に、段階的に、または他のやり方で漸進的に低減するステップとを含む方法が提供される。
【0127】
本発明の一態様によると、イオンガイドまたは質量分析器であって、
複数の電極と、
第1のACまたはRF電圧を前記複数の電極に印加して、少なくともいくつかの電極が、使用時に、前記第1のACまたはRF電圧の互いに反対の位相に維持されるようにするための手段と、
使用時に、前記イオンガイドまたは質量分析器の軸方向長さの少なくとも一部に沿って軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁を作成するために、1つ以上の電極の位相差または極性を変更、切り換え、変化またはスキャンするための手段とを含むイオンガイドまたは質量分析器が提供される。
【0128】
前記1つ以上の電極の位相差または極性を変更、切り換え、変化またはスキャンするための手段は、好ましくは前記位相差または極性をθ°だけ変更、切り換え、変化またはスキャンするように構成され、ここでθは、(i)<10、(ii)10〜20、(iii)20〜30、(iv)30〜40、(v)40〜50、(vi)50〜60、(vii)60〜70、(viii)70〜80、(ix)80〜90、(x)90、(xi)90〜100、(xii)100〜110、(xiii)110〜120、(xiv)120〜130、(xv)130〜140、(xvi)140〜150、(xvii)150〜160、(xviii)160〜170、(xix)170〜180、および(xx)180からなる群から選択される。
【0129】
本発明の一態様によると、イオンをガイドまたは質量分析する方法であって、
複数の電極を含むイオンガイドまたは質量分析器を準備するステップと、
第1のACまたはRF電圧を前記複数の電極に印加して、少なくともいくつかの電極が前記第1のACまたはRF電圧の互いに反対の位相に維持されるようにするステップと、
前記イオンガイドまたは質量分析器の軸方向長さの少なくとも一部に沿って軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁を作成するために、1つ以上の電極の位相差または極性を変更、切り換え、変化またはスキャンするステップとを含む方法が提供される。
【0130】
好ましくは、前記1つ以上の電極の位相差または極性を変更、切り換え、変化またはスキャンするステップは、前記位相差または極性をθ°だけ変更、切り換え、変化またはスキャンするステップを含み、ここでθは、(i)<10、(ii)10〜20、(iii)20〜30、(iv)30〜40、(v)40〜50、(vi)50〜60、(vii)60〜70、(viii)70〜80、(ix)80〜90、(x)90、(xi)90〜100、(xii)100〜110、(xiii)110〜120、(xiv)120〜130、(xv)130〜140、(xvi)140〜150、(xvii)150〜160、(xviii)160〜170、(xix)170〜180、および(xx)180からなる群から選択される。
【0131】
本発明の一好適な実施形態によると、イオンをイオンガイド内に半径方向に中心軸の回りに閉じ込めるように構成されるRFイオンガイドが提供される。1つ以上の擬ポテンシャル障壁が好ましくはイオンガイドの中心軸に沿った1つ以上のポイントで維持される。1つ以上の擬ポテンシャル障壁の大きさ(magnitude)は、好ましくはイオンの質量電荷比に依存する。1つ以上の擬ポテンシャル障壁は、イオンガイドの入口および/または出口に位置付けられ得る。1つ以上の擬ポテンシャル障壁がイオンガイドの長さに沿ってイオンガイドの入口と出口との間の1つ以上の位置に位置付けられ得る他の実施形態が考えられる。
【0132】
RFイオンガイドは、好ましくは開口を有する1スタックの環状電極を含む。使用時に、イオンは開口を通って移送される。イオンをイオンガイド内に半径方向に閉じ込めるために、RF電圧の互いに反対の位相が好ましくは交互する電極に印加される。イオンガイドは、好ましくはリングスタックまたはイオントンネルイオンガイドを含む。
【0133】
好ましくは、イオンは、好ましくはイオンガイドの電極に印加される1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたは1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャル波形によって、イオンガイドに沿っておよびそこを通って推進される。特定の質量電荷比値を有するイオンに対して、1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたは1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャル波形の振幅が実質的に実効擬ポテンシャル障壁(effective pseudo−potential barrier)よりも小さければ、これらのイオンは、擬ポテンシャル障壁を越えて、またはそこを通って駆動されることはない。その結果、これらのイオンは、イオンガイド内に閉じ込められたままになる。特定の質量電荷比値を有するイオンに対して、1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたは1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャル波形の振幅が実質的に実効擬ポテンシャル障壁よりも大きければ、これらのイオンは、擬ポテンシャル障壁を越えてまたは通って駆動されることになるので、イオンガイドを出ることになる。
【0134】
イオンは、イオンガイドの電極に印加される1つ以上の過渡DC電圧またはポテンシャルの振幅を増加するか、および/または擬ポテンシャル障壁の実効振幅を低減することによって、それらの質量電荷比の降順に擬ポテンシャル障壁を越えて漸進的に駆動され得る。擬ポテンシャル障壁の振幅は、印加RF電圧の振幅を低減するか、および/または印加RF電圧の周波数を増加することによって低減し得る。
【0135】
別の実施形態によると、擬ポテンシャル障壁は、さらなるDCポテンシャルを擬ポテンシャル障壁に近い電極に印加することによって増加され得る。この実施形態によると、障壁の振幅が質量電荷比依存擬ポテンシャル障壁および質量電荷比非依存DCポテンシャル障壁の組み合わせである。実効障壁の振幅は、RF電圧の振幅を低減するか、および/または印加RF電圧の印加周波数を増加するか、および/または印加DCポテンシャルの振幅を低減することによって低減され得る。軸方向にイオンガイドから質量選択的に排出されるイオンは、さらなる処理および/または解析のために前方へ移送され得る。
【0136】
別の実施形態によると、擬ポテンシャル障壁は、特定の質量電荷比を有するイオンが十分な軸方向エネルギー有するならば、イオンは、擬ポテンシャル障壁を乗り越え、そして上記好適なイオンガイドに入ることになるように、イオンガイドの入口に配置され得る。特定の質量電荷比を有するイオンが擬ポテンシャル障壁を乗り越えるのに不十分な軸方向エネルギーを有する場合、イオンは、好ましくはイオンガイドに入ることを防止され、そしてしたがってシステムから失われる。好適なイオンガイドは、低質量カットオフ特性に影響を与えるように使用され得る。この低質量カットオフの特性は、質量電荷比依存障壁の振幅を増加するか、および/またはイオンガイドに入るイオンの軸方向エネルギーを増加することによって変更され得る。
【0137】
特に好適な実施形態によると、第1のACまたはRF電圧が電極に印加され、軸方向に隣り合う電極が第1のACまたはRF電圧の互いに反対の位相に維持されるようにする。次いで、一対の電極の極性が切り換え、または反転され得る。したがって、ある時間において、複数の電極の極性は、+−+−+−+−から+−++−−+−へ変化するようにされ得る。その結果、イオンガイドのある部分または区分に沿った電極の実効厚さが有効に増加される。
【0138】
多相RF電圧が電極に印加され得るさらなる実施形態が考えられる。例えば、最初に120°位相差が隣り合う電極間に維持されるように、三相RF電圧が印加され得る。擬ポテンシャル障壁がイオンガイドまたは質量分析器のある領域または区分において電極間または多くの電極の位相関係を変更することによって作成され得る。例えば、イオンガイドまたは質量分析器のある区分に沿った位相関係またはパターンが123 123 123 123 123から123 331 112 223 123に変化するようにされ得る。この実施形態によると、イオンガイドまたは質量分析器のある部分または区分に沿った電極の実効厚さがやはり有効に増加される。したがって、そうでない場合にイオンガイドの長さに沿って形成される擬ポテンシャル波形形状の振幅よりも大きな振幅を有する擬ポテンシャル障壁がこの領域に作成されることになる。
【0139】
本発明の一態様によると、イオンガイドまたは質量分析器であって、
複数の電極と、
n−位相ACまたはRF電圧を前記複数の電極に印加するための手段であって、ここで、n≧2である手段と、
前記複数の電極の間の、そこでの、またはそれらの第1の位相関係または第1のアスペクト比を維持するための手段と、
使用時に、1つ以上の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸を前記イオンガイドまたは質量分析器の軸方向長さの少なくとも一部に沿って作成するために、前記複数の電極のサブセットの間の、そこでの、またはそれらの位相関係またはアスペクト比を変化させて、前記電極サブセットの間の、そこでの、またはそれらの第2の異なる位相関係または第2のアスペクト比が維持されるようにするための手段とを含むイオンガイドまたは質量分析器が提供される。
【0140】
好ましくは、nは、(i)2、(ii)3、(iii)4、(iv)5、(v)6、(vi)7、(vii)8、(viii)9、(ix)10、および(x)>10からなる群から選択される。
【0141】
前記第1の位相関係または第1のアスペクト比は、好ましくは第1の周期、パターン、シーケンスまたは値を有し、かつ前記第2の位相関係または第2のアスペクト比は、好ましくは第2の異なる周期、パターン、シーケンスまたは値を有する。
【0142】
本発明の一態様によると、イオンをガイドまたは質量分析する方法であって、
複数の電極を含むイオンガイドまたは質量分析器を準備するステップと、
n−位相ACまたはRF電圧を前記複数の電極に印加するステップであって、ここで、n≧2であるステップと、
前記複数の電極の間の第1の位相関係または第1のアスペクト比を維持するステップと、
1つ以上の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸を前記イオンガイドまたは質量分析器の軸方向長さの少なくとも一部に沿って作成するために、前記複数の電極のサブセットの間の、そこでの、またはそれらの位相関係またはアスペクト比を変化させて、前記電極サブセットの間の、そこでの、またはそれらの第2の異なる位相関係または第2のアスペクト比が維持されるようにするステップとを含む方法が提供される。
【0143】
本発明の別の態様によると、イオンガイドまたは質量分析器であって、
複数の電極と、
n−位相ACまたはRF電圧を前記複数の電極に印加するための手段であって、ここで、n≧2である手段と、
使用時に、1つ以上の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸を前記イオンガイドまたは質量分析器の軸方向長さの少なくとも一部に沿って作成するために、前記複数の電極のうちの1つ以上の電極の位相またはアスペクト比をスキャンするための手段とを含むイオンガイドまたは質量分析器が提供される。
【0144】
本発明の別の態様によると、イオンをガイドまたは質量分析する方法であって、
複数の電極を含むイオンガイドまたは質量分析器を準備するステップと、
n−位相ACまたはRF電圧を前記複数の電極に印加するステップであって、ここで、n≧2であるステップと、
使用時に、1つ以上の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸を前記イオンガイドまたは質量分析器の軸方向長さの少なくとも一部に沿って作成するために、前記複数の電極のうちの1つ以上の電極の位相またはアスペクト比をスキャンするステップとを含む方法が提供される。
【0145】
この実施形態によると、1つ以上の電極の位相は、漸進的に変更またはスキャンされ得る。1つ以上の電極の位相は、少なくともθ°だけスキャンされ得る。ここで、θは、(i)<10、(ii)10〜20、(iii)20〜30、(iv)30〜40、(v)40〜50、(vi)50〜60、(vii)60〜70、(viii)70〜80、(ix)80〜90、(x)90、(xi)90〜100、(xii)100〜110、(xiii)110〜120、(xiv)120〜130、(xv)130〜140、(xvi)140〜150、(xvii)150〜160、(xviii)160〜170、(xix)170〜180、および(xx)180からなる群から選択される。1つ以上の電極の位相が漸進的に変更またはスキャンされるにつれ、1つ以上の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸の高さは、好ましくは増加または低減する。
【0146】
上記好適な実施形態によると、積層リングイオンガイドの中心近くのイオンは、広い範囲の条件で安定した軌跡を有することになる。これは、四重極ロッドセットにおけるイオンに対する半径方向安定性条件とは対照的である。四重極ロッドセットにおいては、そのようなデバイスの軸に沿って振動電界の性質を変化させることによって、イオンの喪失を生じさせる望ましくない半径方向不安定性および/または共鳴が生じ得る。
【0147】
また、多重極ロッドセットは、上記好適な実施形態にかかる障壁デバイスまたは質量分析器に比べて、製造するには比較的大きくかつ高価である。したがって、上記好適な実施形態にかかるイオンガイドまたは質量分析器は、公知構成に比べて特に有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0148】
ここで、添付の図面を参照して、本発明の種々実施形態を、あくまで例として、説明する。
【0149】
ここで、図1を参照して本発明の一実施形態を説明する。この実施形態によると、RFリングスタックイオンガイド2が提供される。好ましくは、イオンガイドは、好ましくは使用時にDCポテンシャルに保持または維持される入口プレートまたは電極1、および複数の他の環状電極またはプレート2aを含む。変調された(RF)ポテンシャルの互いに反対の位相が、好ましくはイオンガイドを形成する交番電極またはプレート2aに印加される。好ましくは、イオンガイド2は、好ましくは使用時にDCポテンシャルに保持または維持される出口プレートまたは電極3を含む。
【0150】
上記好適な実施形態によると、図示のようにさらなる過渡DCポテンシャル4が好ましくはリング電極2aのうちの1つ以上に印加される。過渡DCポテンシャル4は、好ましくは比較的短い期間に1つ以上の電極2aに同時に印加される。次いで、DCポテンシャル4は、好ましくは1つ以上の隣接または後続の電極2aに切り換えまたは印加される。上記好適な実施形態によると、1つ以上の過渡DCポテンシャルもしくは電圧または1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャル波形は、好ましくはイオンをイオンガイド2の長さに沿って特定の方向に推進するために、イオンガイド2の電極2aのうちのいくつかまたはすべてに順次印加される。
【0151】
好ましくは、イオンガイド2は、好ましくは内径が5mmの一続きの環状電極2aを含む。図2は、x,y平面上で見た場合の積層リングイオンガイド2を示す。各電極2aは、好ましくは厚さが0.5mmであり、かつ隣り合う電極の中心間間隔が好ましくは1.5mmである。入口および出口電極1、3の開口の直径は、好ましくは2mmである。
【0152】
図3Aは、最大電圧が100Vであり、周波数が1MHzであるRF電圧がイオンガイド2に印加される場合に質量電荷比が100であるイオンが受けるようなイオンガイド2の中心軸に沿った時間平均または擬ポテンシャルのプロットを示す。図3Bは、質量電荷比が500であるイオンが受けるようなイオンガイド2の中心軸に沿った時間平均または擬ポテンシャルの比較用プロットを示す。
【0153】
図3Aおよび3Bに示すプロットは、図1に示されるような形状を有するイオンガイドの三次元コンピュータシミュレーション(SIMION)における電圧勾配を記録することによって得た。1周波数サイクルの間の最大電圧に相当する静的なDC電圧(static DC voltage)を各レンズ素子に印加した。次いで、擬ポテンシャルを、次式を使用して、記録された電界から直接計算した。
【0154】
【数1】

【0155】
ここで、qは、イオン(z.e)上の全電荷であり、eは、電子電荷であり、zは、電荷の数であり、mは、イオンの原子質量であり、Ωは、変調ポテンシャルの周波数であり、およびEは、記録された電界である。
【0156】
図4は、イオンガイド2の出口における領域であって、x軸(半径方向)に0〜1mm延びた領域について、好適なイオンガイド2内の半径方向および軸方向擬ポテンシャルをz軸の中心に沿って切断した(cut)ものを示す。電圧および周波数の条件は、質量電荷比が100であるイオンについては上記のとおりである。
【0157】
図3Aおよび図3Bから分かるように、z軸における軸方向擬ポテンシャルの波形形状は、比較的高い質量電荷比を有するイオンに対するものよりも比較的低い質量電荷比を有するイオンの方が大きい。図4から明らかなように、中心軸に沿った、軸方向擬ポテンシャル波形形状は、中心軸から半径方向に離れた位置の擬ポテンシャル波形形状の振幅と比べて、比較的低い振幅を有する。イオンは、1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたは1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャル波形をイオンガイド2の電極2aに印加することによって、イオンガイド2に沿って容易に推進され得る。
【0158】
図5は、本発明の一実施形態を示す。ここで、好ましくは、出口開口3の直前または直ぐ上流の最後の2つの環状プレートまたは電極5a、5bは、好ましくは先行する環状プレートまたは電極2aに印加される第1のRF電圧源と好ましくは異なる第2のRF電圧源によって駆動される。
【0159】
好ましくは最後の2つの環状プレートまたは電極5a、5bの一方または両方に印加される第2のRF電圧の振幅がその他のプレートまたは電極2aに印加される第1のRF電圧の振幅に対して増加される場合、イオントンネルイオンガイドまたは質量分析器2の出口における擬ポテンシャル波形形状の深さおよびしたがって擬ポテンシャル障壁の高さは、好ましくは増加される。
【0160】
別の実施形態によると、最後の2つの環状プレートまたは電極5a、5bの一方または両方に印加される第2のRF変調周波数は、イオンガイドまたは質量分析器2のその他の電極2aに印加される第1のRF電圧の変調周波数に対して低減され得る。
【0161】
図6Aは、質量電荷比が100であるイオンが受けるようなイオンガイドまたは質量分析器2の中心軸に沿った時間平均または擬ポテンシャルのプロットを示す。ここで、最大振幅が100Vであり、かつ周波数が1MHzである第1のRF電圧が環状プレートまたは電極2aに印加され、最大振幅が400VであるRF電圧がプレート5b(出口電極3の直ぐ上流に配置される)に印加され、および最大振幅が200Vである第3のRF電圧がプレート5a(電極5bの上流に配置される)に印加される。プレートまたは電極2a、5a、5bのすべてに印加される変調ポテンシャルの位相および周波数は、同一であった。図6Bは、質量電荷比が500より高いイオンが受けるようなイオンガイドまたは質量分析器2の中心軸に沿った時間平均または擬ポテンシャルを示す。
【0162】
図7は、イオンガイドまたは質量分析器2の出口における領域であって、x軸(半径方向)に0〜1mm延びた領域について、好適なイオンガイドまたは質量分析器2内の半径方向および軸方向擬ポテンシャルをz軸の中心に沿って切断したものを示す。電圧および周波数の条件は、質量電荷比が100であるイオンについての図6Aを参照する上記の記載のとおりである。
【0163】
イオンガイドまたは質量分析器2の出口において変調ポテンシャルの振幅を増加すると、その結果、好ましくはイオンの質量電荷比に反比例する振幅を有する擬ポテンシャル障壁が生成される。
【0164】
上記好適な実施形態によると、イオンは、好ましくは外部イオン源からイオンガイド中へ導入される。イオンは、例えば、パルス化してまたは連続してのいずれかによって時刻T0で導入され得る。イオンが導入されると、イオンガイドまたは質量分析器2に入ったイオンの軸方向エネルギーは、好ましくは、特定範囲内の質量電荷比を有するすべてのイオンが半径方向RF電界によって閉じ込められ、かつ好ましくは擬ポテンシャル障壁の存在によってイオンガイドまたは質量分析器2から出ることが防止されるように構成される。
【0165】
イオンガイドまたは質量分析器2内に閉じ込められたイオンの初期エネルギーの広がりは、冷却ガスをイオンガイドまたは質量分析器2のイオン閉じ込め領域内に導入することによって低減され得る。イオンガイドまたは質量分析器2は、好ましくは10-5〜101mbarの範囲またはより好ましくは10-3〜10-1mbarの範囲の圧力に維持される。イオンの運動エネルギー(kinetic energy)は、好ましくはイオンとガス分子との間の衝突の結果として低減されることになる。したがって、イオンは、熱エネルギー(thermal energies)に冷却することになる。
【0166】
一旦イオンがイオンガイドまたは質量分析器2内に蓄積されると、入口電極1に印加されるDC電圧は、イオンが入口を介してイオンガイドまたは質量分析器2から出ることを防止するために上昇され得る。
【0167】
別の実施形態によると、1つ以上の適切なポテンシャルをイオンガイドまたは質量分析器2の入口に配置された1つ以上の環状プレートまたは電極に印加することによって、1つ以上の擬ポテンシャル障壁がイオンガイドまたは質量分析器2の入口において形成され得る。
【0168】
初期時刻T0において、1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたは1つ以上のDC電圧もしくはポテンシャル波形が好ましくはイオンガイドまたは質量分析器2を形成する電極2aに印加される。一実施形態によると、1つ以上のDC電圧もしくはポテンシャルまたは1つ以上のDC電圧もしくはポテンシャル波形の振幅は、初期には、比較的低いか、または実質的にゼロであり得る。次いで、一実施形態によると、1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたは1つ以上のDC電圧もしくはポテンシャル波形の振幅は、漸進的に最終の最大値へ直線的に(ramped)増加され得るか、段階的に増加され得るか、または増加され得る。このように、イオンは、好ましくはイオンガイドまたは質量分析器2の出口に配置された擬ポテンシャル障壁に向かって推進されるか、駆動されるか、または平行移動される。イオンは、好ましくは質量電荷比の逆順でイオンガイドまたは質量分析器2を出るようにされる。すなわち、比較的高い質量電荷比を有するイオンが比較的低い質量電荷比を有するイオンより先にイオンガイドまたは質量分析器2を出る。上記プロセスは、一旦イオンガイドまたは質量分析器2からイオンが無くなると繰り返され得る。
【0169】
図8は、イオンガイドまたは質量分析器2の出口に配置された2つの環状プレートまたは電極5a、5bの直径が好ましくはイオンガイドまたは質量分析器2の残りの部分を含む電極2aの直径よりも小さい一実施形態を示す。質量選択的擬ポテンシャル障壁が好ましくは図5を参照して前述した実施形態と同様にイオンガイドまたは質量分析器2の出口に形成される。図8に示される実施形態は、好ましくは同様の振幅質量依存擬ポテンシャル障壁を生成するために必要な変調RFポテンシャルの振幅が図5の実施形態よりも小さいという利点を有する。
【0170】
図9Aおよび9Bを参照して、イオンガイドまたは質量分析器2内に質量電荷比依存擬ポテンシャル障壁を生成する好ましさが劣る好ましい方法を説明する。イオンガイドまたは質量分析器2は、好ましくは図1に示すイオンガイドまたは質量分析器2と同様である。しかし、印加されるRF電圧の振幅、または好ましくはリング電極2aに印加されるさらなるRFまたはAC電圧は、好ましくはイオンガイドまたは質量分析器2の出口へ向かってまたはイオンガイドまたは質量分析器2の長さに沿って漸進的に増加するように構成される。図9Bは、さらなる変調電圧の最大振幅6および最小振幅7を図9Aに示すようなイオンガイドまたは質量分析器2のレンズ素子の番号の関数としてプロットしたものを示す。
【0171】
レンズ素子nに印加されるさらなる時間変化ポテンシャルVnの一般形は、以下によって記述され得る。
【0172】
【数2】

【0173】
ここで、nは、レンズ素子のインデックス番号であり、f(n)は、素子nに対する振動の振幅を記述する関数であり、およびσは、変調周波数である。
【0174】
f(n)によって記述されるさらなる変調ポテンシャルの最大振幅がイオンガイドまたは質量分析器2の出口へ向かって図9Bに示すような非線形関数で増加するならば、質量電荷比依存擬ポテンシャル障壁が好ましくはイオンガイドまたは質量分析器2の出口に形成されることになり、好ましくは連続するリング電極2aに印加されるACまたはRF電圧の交番位相の結果として形成される上記のまたは任意の軸方向擬ポテンシャル波形形状に重畳される。
【0175】
別の実施形態によると、1つ以上の質量選択的擬ポテンシャル障壁が、リング電極2aの内径と、イオンガイドまたは質量分析器2の特定の領域または部分の内部でまたはそれに沿って隣接するリング電極間の間隔とのアスペクト比を変化させることによって、生成または作成され得る。アスペクト比の変化は、リング電極2aの機械的設計を変更することによって、および/または一続きの2つ以上の近接するリング電極の間の位相または位相関係を変化させることによって実現され得る。例えば、2つの近接するリング電極が変調ポテンシャルの同じ位相(変調されたポテンシャルの互いに反対の位相とは対照的)が供給されるように切り換えられるならば、イオンガイドまたは質量分析器2のこの領域または区分におけるアスペクト比も、実際には、変更されることになる。一実施形態によると、一対の電極の極性または位相は、イオンガイドまたは質量分析器2のある領域または区分の実効アスペクト比がイオンガイドまたは質量分析器2の残りの部分に沿って維持されるようなアスペクト比に対して変化するように切り換えまたは反転され得る。一実施形態によると、擬ポテンシャル障壁のアスペクト比およびしたがって高さは、近接する電極または電極群間の位相差を、例えば、180度から0度に連続的にまたはそれ以外で調節することによって、連続的にまたはそれ以外で調節され得る。これらの方法は、印加される変調ポテンシャルの振幅および/または周波数を変化させる手法と併用して使用され得る。
【0176】
図10は、好適なイオンガイドまたは質量分析器2が四重極質量フィルタなどのより高分解能の質量分析器11と直列に結合される本発明の一実施形態を示す。これにより、全体的に改善されたデューティサイクルおよび感度を有する質量分析計を提供することができる。好ましくは、イオン源からのイオンは、好ましくは好適なイオンガイドまたは質量分析器2の上流に位置するイオントラップ8内に蓄積される。次いで、イオンは、好ましくはイオントラップ8の出口に設けられたゲート電極9をパルス化することによってイオントラップ8から周期的に放出される。次いで、イオントラップ8から放出またはパルスとして出射されたイオンは、好ましくは好適なイオンガイドまたは質量分析器2に入るように方向付けられる。イオンは、好ましくは好適なイオンガイドまたは質量分析器2の出口に形成される擬ポテンシャル障壁が存在することによって、好適なイオンガイドまたは質量分析器2内に軸方向に閉じ込められたままである。一旦イオンが好適なイオンガイドまたは質量分析器2に入ると、DC障壁電圧が好ましくは好適なイオンガイドまたは質量分析器2の入口電極1に印加される。これにより、好ましくはイオンが入口電極1における開口を介して上流へ向かって好適なイオンガイドまたは質量分析器2を出ることが防止される。一旦イオンが好適なイオンガイドまたは質量分析器2内に蓄積されると、イオンを好適なイオンガイドまたは質量分析器2の出口へ向かって駆動または推進するために、1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたは1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャル波形が好ましくはイオンガイドまたは質量分析器2を形成する電極に重畳される。
【0177】
1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたは1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャル波形の振幅は、好ましくは時間とともに最終の最大電圧へ漸進的に増加される。好ましくは、イオンは、好ましくは好適なイオンガイドまたは質量分析器2の出口に配置された擬ポテンシャル障壁を、質量電荷比の降順で、越えるように推進、駆動または押進される。好適なイオンガイドまたは質量分析器2の出力は、好ましくはイオンの質量電荷比および時間の関数である。
【0178】
まず、比較的高い質量電荷比を有するイオンが好ましくは好適なイオンガイドまたは質量分析器2を出る。漸進的により低い質量電荷比を有するイオンが好ましくは後続してイオンガイドまたは質量分析器2を出る。特定の質量電荷比を有するイオンが好ましくは比較的短いまたは狭い期間にわたりイオンガイドまたは質量分析器2を出ることになる。一実施形態によると、好適なイオンガイドまたは質量分析器2の下流に配置されたスキャン四重極質量フィルタ/分析器11の質量電荷比移送ウィンドウは、好ましくはイオンガイドまたは質量分析器2を出るイオンの質量電荷比に同期するようにされる。その結果、スキャン四重極質量分析器11のデューティサイクルは、好ましくは増加される。イオン検出器12が好ましくは四重極質量分析器11の下流に配置され、イオンを検出する。
【0179】
別の実施形態によると、四重極質量フィルタ11の質量電荷比移送ウィンドウは、段階的にまたは他のやり方で増加され得る。これは、好ましくはイオンガイドまたは質量分析器2を出るイオンの質量電荷比に実質的に同期するようにされる。この実施形態によると、四重極質量フィルタ11の移送効率およびデューティサイクルは、特定の質量または質量電荷比を有するイオンだけが測定または分析されることが所望される一動作モードにおいて増加され得る。
【0180】
別の実施形態によると、好適なイオンガイドまたは質量分析器2は、図11に示すような直交加速飛行時間質量分析器4に結合され得る。好適なイオンガイドまたは質量分析器2は、好ましくはさらなるイオンガイド13を介して飛行時間質量分析器14に結合される。好適なイオンガイドまたは質量分析器2から受け取られたイオンを移送し、かつイオンを好ましくはイオンが受け取られた順番を維持するやり方で移送するために、1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたは1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャル波形が好ましくはさらなるイオンガイド13の電極に印加される。したがって、イオンは、好ましくは最適なやり方で前方の飛行時間質量分析器14へ移送される。好適なイオンガイドまたは質量分析器2および飛行時間質量分析器14を組み合わせることで、好ましくは質量分析計全体のデューティサイクルおよび感度が改善される。任意の特定の場合に好適なイオンガイドまたは質量分析器2から出力されるイオンは、好ましくは明確な質量電荷比を有する。
【0181】
さらなるイオンガイド13は、好ましくはイオンガイドまたは質量分析器2から現れるか、または受け取られるイオンを複数の別個のイオンパケットに区切る。好ましくは、さらなるイオンガイド13によって受け取られた各イオンパケットは、好ましくはさらなるイオンガイド13の長さに沿って連続して平行移動される別々の軸方向ポテンシャル井戸内にトラップされる。したがって、各軸方向ポテンシャル井戸は、好ましくは限定された範囲の質量電荷比を有するイオンを含む。軸方向ポテンシャル井戸は、好ましくは、イオンが直交加速飛行時間質量分析器14へ向かって、またはその中へ放出されるまで、さらなるイオンガイド13の長さに沿って継続的に輸送される。直交加速度パルスは、好ましくは、各パケットまたは井戸に存在するイオン(好ましくは、限定された範囲の質量電荷比を有する)の直交加速飛行時間質量分析器14中への移送を最大化するために、さらなるイオンガイド13からのイオンの到達に同期するようにされる。
【0182】
別の実施形態によると、擬ポテンシャル障壁は、好適なイオンガイドまたは質量分析器2の入口に位置付けられ得る。したがって、特定の質量電荷比を有するイオンが擬ポテンシャル障壁を乗り越えるのに十分な初期軸方向エネルギーを有するならば、イオンは、好適なイオンガイドまたは質量分析器2に入ることになる。しかし、特定の質量電荷比を有するイオンが擬ポテンシャル障壁を乗り越えるのに不十分な初期軸方向エネルギーを有するならば、イオンは、好ましくはイオンガイドまたは質量分析器2に入ることを防止され、そしてシステムから失われ得る。この実施形態によると、イオンガイドまたは質量分析器2は、低質量または質量電荷比カットオフを有するように動作され得る。低質量または質量電荷比カットオフの特性は、質量電荷比依存障壁の振幅を増加または変化させることによって、または好適なイオンガイドまたは質量分析器2に入るイオンの初期軸方向エネルギーを増加または変化させることによって、時間の関数として変更または変化させ得る。擬ポテンシャル障壁の大きさは、RF電圧を増加することによって、および/または電極に印加されるRF電圧の周波数を低減することによって増加され得る。
【0183】
図12は、入口電極1の直後または直ぐ下流の第1の環状プレートまたは電極15が好ましくはイオンガイドまたは質量分析器2を形成または構成するその他の環状プレートまたは電極2aに好ましくは印加されるRF電圧源とは好ましくは別のまたは異なるRF電圧源によって好ましくは駆動される、さらなる実施形態を示す。第1の環状プレートまたは電極15に印加されるRF電圧の振幅がその他の環状プレートまたは電極2aに印加されるRF電圧の振幅に対して増加される場合、好適なイオンガイドまたは質量分析器2の入口における擬ポテンシャル障壁の高さは、好ましくは増加される。第1の環状プレートまたは電極15に印加されるRF変調周波数をイオンガイドまたは質量分析器2のその他の電極2aに印加されるポテンシャルの変調周波数に対して低減することによっても同様の効果が実現され得る。
【0184】
図13Aは、最大100Vで周波数が1MHzのRF電圧が環状プレートまたは電極2aに印加される場合に質量電荷比が100であるイオンが受けるような、図12に示す好適なイオンガイドまたは質量分析器2の中心軸に沿った時間平均ポテンシャルまたは擬ポテンシャルのプロットを示す。第1の環状プレートまたは電極15に印加された変調ポテンシャルの最大振幅は、400Vであった。環状プレートまたは電極2a、15のすべてに印加された変調ポテンシャルの位相および周波数は、同一であった。図13Bは、質量電荷比が500であるイオンが受けるような、イオンガイドまたは質量分析器2の中心軸に沿って対応する時間平均ポテンシャルまたは擬ポテンシャルを示す。
【0185】
図14は、好適なイオンガイドまたは質量分析器2の入口における領域であって、x軸(半径方向)に0〜1mm延びた領域について、好適なイオンガイドまたは質量分析器2内の半径方向および軸方向擬ポテンシャルの形態をz軸の中心に沿って切断したものを示す。電圧および周波数の条件は、図13を参照して前述した実施形態に対して前述したとおりである。
【0186】
イオンガイドまたは質量分析器2の入口において変調ポテンシャルの振幅を増加すると、その結果、イオンの質量電荷比に反比例する振幅を有する擬ポテンシャル障壁が生成される。十分な軸方向エネルギーを有するイオンは、擬ポテンシャル障壁を乗り越えることになり、および好適なイオンガイドまたは質量分析器2中へ移送されることになり、他方この障壁を乗り越えるのに不十分な軸方向エネルギーを有するイオンは、システムから失われることになる。
【0187】
一実施形態によると、低い質量電荷比移送特性は、好適なイオンガイドまたは質量分析器2の入口の近く、またはその場所に配置される1つ以上の第1の電極15に印加される変調ポテンシャルの振幅および/または周波数を変化させることによってスキャンされ得るか、変化するようにされ得るか、または段階的に変化するようにされ得る。
【0188】
図15に示すような別の実施形態によると、好適なイオンガイドまたは質量分析器2は、イオン移動度セパレータまたはスペクトロメータ15aに結合され得る。一好適な実施形態にかかるイオンガイドまたは質量分析器2は、イオン移動度セパレータまたはスペクトロメータ15aの下流に位置づけられ得、および比較的高い電荷状態のイオンの前方移送を可能にしつつ、比較的低い電荷状態を有するイオンの前方移送を防止するように使用され得る。イオン移動度セパレータまたはスペクトロメータ15aが質量分析計または質量分析器と組み合わされる場合、好適なイオンガイドまたは質量分析器2は、イオン移動度セパレータまたはスペクトロメータ15aの下流かつ質量分析計または質量分析器の上流に位置付けられ得る。好適なイオンガイドまたは質量分析器2は、後の質量分析のために比較的高い電荷状態を有するイオンの前方移送を可能にしつつ、比較的低い電荷状態を有するイオンの前方移送を防止するように使用され得る。
【0189】
イオン移動度セパレータまたはスペクトロメータ15aと組み合わせて使用する場合、好適なイオンガイドまたは質量分析器2の領域に設けられる擬ポテンシャル障壁の大きさまたは高さおよびしたがってイオンガイドまたは質量分析器2の低質量電荷比カットオフ特性は、イオンのイオン移動度セパレータまたはスペクトロメータ15a中へのパルス化またはイオンのイオン移動度セパレータまたはスペクトロメータ15aからの出現と同期してスキャンされ得る。所定のドリフト時刻にイオン移動度セパレータまたはスペクトロメータ15aから現れ、かつ所定レベルを下回る質量または質量電荷比を有するイオンは、好適なイオンガイドまたは質量分析器2を通る移送から除外または防止され得る。この実施形態の重要な用途は、同じ質量電荷比を有するが電荷状態の異なるイオンを区別することにある。
【0190】
図15を参照すると、イオン源からのイオンは、好ましくはイオントラップ8内に蓄積され得る。イオンは、イオントラップ8の出口に配置されたゲート電極9をパルス化することによって、イオントラップ8から周期的に放出され得る。次いで、イオンは、イオン移動度セパレータまたはスペクトロメータ15a中へパルス化され得る。次いで、イオンは、好ましくはイオン移動度セパレータまたはスペクトロメータ15aを通って走行する。次いで、イオンは、好ましくはイオン移動度セパレータまたはスペクトロメータ15aを通過する際に、それらのイオン移動度にしたがって時間的に分離される。比較的高いイオン移動度を有するイオンは、好ましくは比較的低いイオン移動度を有するイオンより先にイオン移動度セパレータまたはスペクトロメータ15aから出ることになる。
【0191】
イオンは、イオン移動度セパレータまたはスペクトロメータ15aを出ると、好ましくはイオン移動度セパレータまたはスペクトロメータ15aの出口電極16と好適なイオンガイドまたは質量分析器2への入口電極17との間のDCポテンシャル差を維持することによって加速される。好ましくは、好適なイオンガイドまたは質量分析器2に入るイオンは、好ましくはイオンの質量電荷比に依存する振幅を好ましくは有する擬ポテンシャル障壁を受けることになる。比較的低い質量電荷比を有するイオンは、好ましくは比較的高い振幅を有する擬ポテンシャル障壁を受けることになり、他方比較的高い質量電荷比を有するイオンは、好ましくは比較的低い振幅を有する擬ポテンシャル障壁を受けることになる。したがって、ある質量電荷比を下回るイオンは、好ましくは好適なイオンガイドまたは質量分析器2中へ移送されないことになる。好適なイオンガイドまたは質量分析器2から前方へ移送されるイオンは、好ましくは必要に応じてさらに処理される。例えば、イオンは、後の質量解析のための質量分析計へ移送され得る。好適なイオンガイドまたは質量分析器2に入ることを防止されたイオンは、好ましくはシステムから失われる。
【0192】
好適なイオンガイドまたは質量分析器2への入口内またはその場所に設けられた擬ポテンシャル障壁の大きさは、イオン移動度分離の際に漸進的に増加され得る。図16は、イオン移動度ドリフト時間の関数としての質量電荷比値のプロットを示す。図から分かるように、一価イオンおよび多価イオンは、2つの別個のバンドに分かれる。任意の与えられたドリフト時間において、イオン移動度セパレータまたはスペクトロメータ15aを出る一価イオンは、同時にイオン移動度セパレータまたはスペクトロメータ15aを出る多価イオンよりも低い質量電荷比を有することになる。したがって、好適なイオンガイドまたは質量分析器2への入口における擬ポテンシャル障壁の高さが図16に示すライン18に示されたよりも小さな質量電荷比値を有するイオンが除外されるようなドリフト時間でスキャンされるように構成されるならば、ほとんど多価イオンだけが好適なイオンガイドまたは質量分析器2に入ることになる。一価イオンは、好ましくは失われることになる。これにより、多価イオンの後段における検出に対して信号対ノイズを著しく改善するという利点が得られる結果となる。
【0193】
イオン移動度セパレータまたはスペクトロメータ15aは、ドリフト管を含み得る。ここで、軸方向電界は、ドリフト管の長さに沿って印加されるか、または維持される。あるいは、イオン移動度セパレータまたはスペクトロメータ15aは、開口を有する複数の電極を含むイオンガイドを含み得る。ここで、1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたは1つ以上のDC電圧もしくはポテンシャル波形がイオン移動度セパレータまたはスペクトロメータの電極に印加される。ACまたはRF電圧が電極に印加されて、イオンを中心軸に閉じ込め、それにより移送を最大化し得る。イオン移動度セパレータまたはスペクトロメータ15aに対する好適な動作圧力は、好ましくは10-2mbar〜102mbarの範囲内にあり、より好ましくは10-1mbar〜101mbarの範囲にある。
【0194】
イオン移動度にしたがって分離されたイオンのグループは、好ましくは1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたは1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャル波形をイオンガイドまたは質量分析器2を含む電極に印加することによって、分離を失わずに、好適なイオンガイドまたは質量分析器2を通って移送される。これは、好適なイオンガイドまたは質量分析器2がまた直交加速飛行時間質量分析器に結合される際に特に有利である。デューティサイクルは、質量分析器の直交サンプリングパルスをイオンの直交加速度電極への到達と同期させることによって改善され得る。
【0195】
複数の擬ポテンシャル障壁が好適なイオンガイドまたは質量分析器2内に、またはその長さに沿って生成または作成される他の実施形態が考えられる。これによって、好適なイオンガイドまたは質量分析器2内にトラップされたイオン群がより複雑なやり方で操作されることが可能になる。例えば、好適なイオンガイドまたは質量分析器2を充填する際に使用される第1のデバイスまたは領域の低質量電荷比カットオフ特性は、それと異なるより高い第2のデバイスまたは領域の低質量電荷比カットオフ特性(好適なイオンガイドまたは質量分析器2の出口におけるイオンの排出を可能にするために使用される)と組み合わされ得る。これにより、2つのカットオフ値の間の質量電荷比値を有するイオンが好適なイオンガイドまたは質量分析器2内にトラップされることが可能になる。
【0196】
図17は、好適なイオンガイドまたは質量分析器2が直交加速飛行時間質量分析器14に結合された実験構成を示す。イオンの連続ビームをエレクトロスプレーイオン化源から導入した。イオンは、アルゴン約10-1mbarの圧力に維持された第1の積層リングイオンガイド19を通るように構成された。イオンをイオンガイド19を通っておよびそれに沿って推進するために、振幅が2Vの過渡DCポテンシャルをイオンガイド19の長さに沿って印加および漸進的に平行移動した。イオンは、好ましくはDC専用出口プレート20における開口を介してイオンガイド19を出て、そして入口電極21を介して、アルゴン約10-2mbarに維持された好適な積層リングイオンガイドまたは質量分析器2に入る。イオンガイド19の出口プレート20と好適なイオンガイドまたは質量分析器2の入口プレート21との間のポテンシャル差を−2Vに維持した。好適なイオンガイドまたは質量分析器2を出る際に、イオンは、転送領域を通って、そして次いで直交加速飛行時間質量分析器14によって質量分析される。イオンを上流のイオンガイド19および好適なイオンガイドまたは質量分析器2内に半径方向に閉じ込めるために、イオンガイド19および好適なイオンガイドまたは質量分析器2の両方に、周波数が2MHzで200Vpk−pkのRF電圧を供給した。
【0197】
DC電圧の印加に加えて、好適なイオンガイドまたは質量分析器2への入口プレート21を独立した可変振幅を有する独立したRF源に結合した。RF源の周波数は、750MHzであった。実験中に、入口プレート21に印加される変調ポテンシャルの振幅を0Vから550Vpk−pkに増加した。
【0198】
図18A〜図18Eは、平均分子質量が1000であるポリエチレングリコールおよびトリアセチル−シクロデキストリン(ここで、[M+H]+=2034.6)を含む標準化合物の混合物を連続注入して得られた質量スペクトルを示す。
【0199】
図18Aは、入口プレート21に印加されたRF電圧の振幅が0Vであった場合に記録された質量スペクトルを示す。図18B〜図18Eは、入口プレート21に印加されたRF電圧の振幅を手動で0Vから最大の550Vpk−pkに増加した際に得られた質量スペクトルを示す。図18Eに示す質量スペクトルは、RF電圧を最大の550Vpk−pkに設定した場合に得られたものである。すべての質量スペクトルについて、その強度を同じ値に正規化して、直接に比較できるようにした。
【0200】
図18A〜図18Eから分かるように、入口プレート21に印加されるRF電圧の振幅が漸進的に増加されるにつれ、低質量電荷比イオンは、好適なイオンガイドまたは質量分析器2に入ることがより一層防止され、およびしたがって質量スペクトルに現れない。図18Eに示すように最大RF振幅の550Vpk−pkを印加した場合、質量電荷比<1800を有するイオンの大多数は、より高い質量電荷比を有するイオンに対応するピークが減衰されること無く、取り除かれたことが見て取れる。
【0201】
RFポテンシャルを入口プレート21に印加することによって、RFの振幅が増加されるにつれ大きさが増加する質量依存障壁が生成される。特定のRF振幅において、ある質量電荷比を下回るイオンは、この擬ポテンシャル障壁を乗り越えることができず、およびしたがって、好適なイオンガイドまたは質量分析器2に入ることが防止される。
【0202】
好適なイオンガイドまたは質量分析器2の近接する素子に印加されるACポテンシャルの周波数が異なるならば、質量選択的障壁を形成する変調ポテンシャルと好適なイオンガイドまたは質量分析器2内に半径方向にイオンを閉じ込めるために使用される変調ポテンシャルとの間に何らかの相互作用があり得る。この相互作用は、イオンガイドまたは質量分析器2のこれらの領域内のイオンの不安定性を招き得る。この相互作用が望ましくない場合、異なるACポテンシャルの領域は、ACポテンシャルではなく、DCポテンシャルによって供給される電極によって分離または遮蔽され得る。
【0203】
上記好適な実施形態によると、イオンは、好ましくはゲート電極を使用してパルス化されて好適なイオンガイドまたは質量分析器2中へ入力される。しかし、例えば、MALDIイオン源などのパルス化イオン源が使用される実施形態、および時刻T0がレーザの発射に対応する実施形態などの別の実施形態が考えられる。
【0204】
一実施形態によると、フラグメンテーション領域またはデバイスが質量分離領域の後または下流に設けられ得る。好適なイオンガイドまたは質量分析器2とフラグメンテーション領域またはデバイスとの間のポテンシャル差は、1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたは1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャル波形の振幅が好ましくは直線的-に増加されるにつれ、直線的に低減され得る。次いで、好適なイオンガイドまたは質量分析器2は、与えられた時刻に所望の質量電荷比範囲のイオンをフラグメンテーションするために最適化され得る。
【0205】
上記好適な実施形態によると、好ましくは1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたは1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャル波形の形態の電界が好ましくは擬ポテンシャル障壁を越えてまたは横断してイオンを駆動するように使用される。他の実施形態によると、イオンは、ガスフローによって生じる粘性抵抗(viscous drag)によって、擬ポテンシャル障壁を横断するよう駆動され得る。ガスフローによる粘性抵抗は、10-2mbarよりも大きい、好ましくは10-1mbarよりも大きいガス圧に対して著しくなる。また、ガスフローによる粘性抵抗は、電界による力(1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたは1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャル波形から導かれる力など)と組み合わされ得る。イオンにかかる粘性抵抗よる力および電界による力は、一斉に働くように構成され得るか、またはあるいは、互いに反対するように構成され得る。
【0206】
本発明を好適な実施形態を参照して説明してきたが、添付の特許請求の範囲に記載されるような発明の範囲を逸脱することなく種々の変更が形態および詳細においてなされ得ることが当業者に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0207】
【図1】図1は、本発明の一実施形態にかかるy,z平面における積層リングイオンガイドを示す。
【図2】図2は、本発明の一実施形態にかかるx,y平面における積層リングイオンガイドを示す。
【図3A】図3Aは、質量電荷比が100であるイオンが受けるイオンガイドの中心軸に沿った軸方向擬ポテンシャルのプロットを示す。
【図3B】図3Bは、質量電荷比が500であるイオンが受けるイオンガイドの中心軸に沿った軸方向擬ポテンシャルのプロットを示す。
【図4】図4は、図3Aに示す実施形態に対するものであって、かつ質量電荷比が100であるイオンが受ける軸方向および半径方向擬ポテンシャルの三次元プロットを示す。
【図5】図5は、質量電荷比依存障壁が好適なイオンガイドまたは質量分析器の出口に設けられる本発明の一実施形態を示す。
【図6A】図6Aは、図5に示すようなイオンガイドまたは質量分析器の中心線に沿った軸方向擬ポテンシャルであって、質量電荷比が100であるイオンが受けるような軸方向擬ポテンシャルの、イオンガイドまたは質量分析器に対する距離の関数としてのプロットを示す。
【図6B】図6Bは、図5に示すようなイオンガイドまたは質量分析器の中心線に沿った軸方向擬ポテンシャルであって、質量電荷比が500であるイオンが受けるような軸方向擬ポテンシャルの、イオンガイドまたは質量分析器に対する距離の関数としてのプロットを示す。
【図7】図7は、図6Aに示す実施形態に対するものであって、かつ質量電荷比が100であるイオンが受けるような軸方向および半径方向擬ポテンシャルの三次元プロットを示す。
【図8】図8は、質量電荷比依存障壁がイオンガイドまたは質量分析器の出口に形成され、かつ出口電極が比較的小さい開口を有するように構成される本発明の別の実施形態を示す。
【図9A】図9Aは、質量電荷比依存障壁がイオンガイドまたは質量分析器の出口に形成されるさらなる実施形態を示す。
【図9B】図9Bは、電極に印加されるさらなる時間変化ポテンシャルの最大および最小ポテンシャルを示す。
【図10】図10は、好適なイオンガイドまたは質量分析器が使用時にスキャンされる四重極ロッドセット質量分析器と結合される一実施形態を示す。
【図11】図11は、好適なイオンガイドまたは質量分析器が直交加速飛行時間質量分析器に結合される一実施形態を示す。
【図12】図12は、質量電荷比依存障壁が好適なイオンガイドまたは質量分析器の入口に形成される一実施形態を示す。
【図13A】図13Aは、図12に示すようなイオンガイドまたは質量分析器の中心線に沿った軸方向擬ポテンシャルであって、質量電荷比が100であるイオンの受けるような軸方向擬ポテンシャルのイオンガイドまたは質量分析器に対する距離の関数としてのプロットを示す。
【図13B】図13Bは、図12に示すようなイオンガイドの中心線に沿った軸方向擬ポテンシャルであって、質量電荷比が500であるイオンの受けるような軸方向擬ポテンシャルのイオンガイドまたは質量分析器に対する距離の関数としてのプロットを示す。
【図14】図14は、質量電荷比が100であるイオンの受けるような、図13Aに示されるような軸方向および半径方向擬ポテンシャルの三次元プロットを示す。
【図15】図15は、イオン移動度分離デバイスが好適なイオンガイドまたは質量分析器に結合される一実施形態を示す。
【図16】図16は、イオンの質量電荷比のイオン移動度デバイスを通るドリフト時間の関数としてのプロットを示し、低質量カットオフ動作に対するスキャンラインを示す。
【図17】図17は、図18A〜図18Eに示すような実験データを生成するために使用された実験構成を示す。
【図18A】図18Aは、軸方向擬ポテンシャル障壁が存在しない場合に得られた質量スペクトルを示す。
【図18B】図18Bは、軸方向擬ポテンシャル障壁が図17に示すような好適なイオンガイドまたは質量分析器の入口に設けられた場合に得られた質量スペクトルを示す。
【図18C】図18Cは、軸方向擬ポテンシャル障壁が図18Bに示す結果を得るために使用されたものよりも大きい大きさを有した場合に得られた質量スペクトルを示す。
【図18D】図18Dは、軸方向擬ポテンシャル障壁が図18Cに示す結果を得るために使用されたものよりも大きい大きさを有した場合に得られた質量スペクトルを示す。
【図18E】図18Eは、軸方向擬ポテンシャル障壁が図18Dに示す結果を得るために使用されたものよりも大きい大きさを有した場合に得られた質量スペクトルを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
質量分析器であって、
複数の電極を含むイオンガイドと、
第1のACまたはRF電圧を前記複数の電極のうちの少なくともいくつかに印加して、使用時に、第1の振幅を有する複数の第1の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸が前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿って作成されるようにするための手段と、
イオンを前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿って駆動または推進する手段とを含む質量分析器であって、
前記質量分析器は、
第2のACまたはRF電圧を前記複数の電極のうちの1つ以上に印加して、使用時に、第2の振幅を有する1つ以上の第2の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸が前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿って作成されるようにする手段であって、前記第2の振幅は、前記第1の振幅と異なる、手段をさらに含む、質量分析器。
【請求項2】
一動作モードにおいて、質量電荷比≧M1を有するイオンが前記イオンガイドを出て、他方質量電荷比<M2を有するイオンが前記1つ以上の第2の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸によって前記イオンガイド内に軸方向にトラップまたは閉じ込められる、請求項1に記載の質量分析器。
【請求項3】
前記M1は、(i)<100、(ii)100〜200、(iii)200〜300、(iv)300〜400、(v)400〜500、(vi)500〜600、(vii)600〜700、(viii)700〜800、(ix)800〜900、(x)900〜1000、および(xi)>1000からなる群から選択される第1の範囲にある、請求項2に記載の質量分析器。
【請求項4】
前記M2は、(i)<100、(ii)100〜200、(iii)200〜300、(iv)300〜400、(v)400〜500、(vi)500〜600、(vii)600〜700、(viii)700〜800、(ix)800〜900、(x)900〜1000、および(xi)>1000からなる群から選択される第2の範囲にある、請求項2または3に記載の質量分析器。
【請求項5】
一動作モードにおいて、イオンは、それらの質量電荷比の順またはそれらの質量電荷比の逆順で、前記質量分析器から逐次排出される、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項6】
前記イオンガイドは、n個の軸方向セグメントを含み、前記nは、(i)1〜10、(ii)11〜20、(iii)21〜30、(iv)31〜40、(v)41〜50、(vi)51〜60、(vii)61〜70、(viii)71〜80、(ix)81〜90、(x)91〜100、および(xi)>100からなる群から選択される、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項7】
各軸方向セグメントは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20または>20個の電極を含む、請求項6に記載の質量分析器。
【請求項8】
前記軸方向セグメントのうちの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%の軸方向長さは、(i)<1mm、(ii)1〜2mm、(iii)2〜3mm、(iv)3〜4mm、(v)4〜5mm、(vi)5〜6mm、(vii)6〜7mm、(viii)7〜8mm、(ix)8〜9mm、(x)9〜10mm、および(xi)>10mmからなる群から選択される、請求項6または7に記載の質量分析器。
【請求項9】
前記軸方向セグメントのうちの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%の間の間隔は、(i)<1mm、(ii)1〜2mm、(iii)2〜3mm、(iv)3〜4mm、(v)4〜5mm、(vi)5〜6mm、(vii)6〜7mm、(viii)7〜8mm、(ix)8〜9mm、(x)9〜10mm、および(xi)>10mmからなる群から選択される、請求項6、7または8に記載の質量分析器。
【請求項10】
前記イオンガイドは、(i)<20mm、(ii)20〜40mm、(iii)40〜60mm、(iv)60〜80mm、(v)80〜100mm、(vi)100〜120mm、(vii)120〜140mm、(viii)140〜160mm、(ix)160〜180mm、(x)180〜200mm、および(xi)>200mmからなる群から選択される長さを有する、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項11】
前記イオンガイドは、少なくとも(i)10〜20個の電極、(ii)20〜30個の電極、(iii)30〜40個の電極、(iv)40〜50個の電極、(v)50〜60個の電極、(vi)60〜70個の電極、(vii)70〜80個の電極、(viii)80〜90個の電極、(ix)90〜100個の電極、(x)100〜110個の電極、(xi)110〜120個の電極、(xii)120〜130個の電極、(xiii)130〜140個の電極、(xiv)140〜150個の電極、または(xv)>150個の電極を含む、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項12】
前記複数の電極は、開口を有する電極を含み、イオンは、使用時に前記開口を通って移送される、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項13】
前記電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%は、実質的に円形、長方形、正方形または楕円形の開口を有する、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項14】
前記電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%は、実質的に同じサイズであるか、または実質的に同じ面積を有する開口を有する、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項15】
前記電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%は、サイズまたは面積が前記イオンガイドの軸に沿った方向に漸進的により大きくおよび/またはより小さくなる開口を有する、請求項1〜13のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項16】
前記電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%は、(i)≦1.0mm、(ii)≦2.0mm、(iii)≦3.0mm、(iv)≦4.0mm、(v)≦5.0mm、(vi)≦6.0mm、(vii)≦7.0mm、(viii)≦8.0mm、(ix)≦9.0mm、(x)≦10.0mm、および(xi)>10.0mmからなる群から選択される内径または寸法を有する開口を有する、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項17】
前記電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%は、(i)5mm以下、(ii)4.5mm以下、(iii)4mm以下、(iv)3.5mm以下、(v)3mm以下、(vi)2.5mm以下、(vii)2mm以下、(viii)1.5mm以下、(ix)1mm以下、(x)0.8mm以下、(xi)0.6mm以下、(xii)0.4mm以下、(xiii)0.2mm以下、(xiv)0.1mm以下、および(xv)0.25mm以下からなる群から選択される軸方向距離だけ互いに間隔をあけられる、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項18】
前記複数の電極のうちの少なくともいくつかは、開口を含み、かつ前記開口の内径または寸法の隣り合う電極間の中心間軸方向間隔に対する比は、(i)<1.0、(ii)1.0〜1.2、(iii)1.2〜1.4、(iv)1.4〜1.6、(v)1.6〜1.8、(vi)1.8〜2.0、(vii)2.0〜2.2、(viii)2.2〜2.4、(ix)2.4〜2.6、(x)2.6〜2.8、(xi)2.8〜3.0、(xii)3.0〜3.2、(xiii)3.2〜3.4、(xiv)3.4〜3.6、(xv)3.6〜3.8、(xvi)3.8〜4.0、(xvii)4.0〜4.2、(xviii)4.2〜4.4、(xix)4.4〜4.6、(xx)4.6〜4.8、(xxi)4.8〜5.0、および(xxii)>5.0からなる群から選択される、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項19】
前記電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%は、(i)5mm以下、(ii)4.5mm以下、(iii)4mm以下、(iv)3.5mm以下、(v)3mm以下、(vi)2.5mm以下、(vii)2mm以下、(viii)1.5mm以下、(ix)1mm以下、(x)0.8mm以下、(xi)0.6mm以下、(xii)0.4mm以下、(xiii)0.2mm以下、(xiv)0.1mm以下、および(xv)0.25mm以下からなる群から選択される厚さまたは軸方向長さを有する、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項20】
前記イオンガイドは、セグメント化ロッドセットイオンガイドを含む、請求項1〜11のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項21】
前記イオンガイドは、セグメント化四重極、六重極もしくは八重極イオンガイドまたは8個より多くのセグメント化ロッドセットを含むイオンガイドを含む、請求項20に記載の質量分析器。
【請求項22】
前記イオンガイドは、(i)略または実質的に円形断面、(ii)略または実質的に双曲面、(iii)円弧または部分円形断面、(iv)略または実質的に長方形断面、および(v)略または実質的に正方形断面からなる群から選択される断面を有する複数の電極を含む、請求項20または21に記載の質量分析器。
【請求項23】
前記イオンガイドは、複数のプレート電極を含み、複数のグループのプレート電極は、前記イオンガイドの軸方向長さに沿って配置される、請求項1〜11のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項24】
各グループのプレート電極は、第1のプレート電極および第2のプレート電極を含み、前記第1および第2のプレート電極は、実質的に同じ平面内に配置され、かつ前記イオンガイドの中心長軸のいずれか一方の側に配置される、請求項23に記載の質量分析器。
【請求項25】
前記質量分析器は、イオンを前記イオンガイド内に第1の半径方向に閉じ込めるためにDC電圧またはポテンシャルを前記第1および第2のプレート電極に印加するための手段をさらに含む、請求項24に記載の質量分析器。
【請求項26】
各グループの電極は、第3の電極および第4の電極をさらに含み、前記第3および第4の電極は、実質的に同じ平面内に配置され、かつ前記イオンガイドの中心長軸のいずれか一方の側に前記第1および第2の電極とは異なる方向に配置される、請求項24または25に記載の質量分析器。
【請求項27】
前記ACまたはRF電圧を印加するための手段は、イオンを前記イオンガイド内に第2の半径方向に閉じ込めるために、前記ACまたはRF電圧を前記第3のおよび第4のプレート電極に印加するように構成される、請求項26に記載の質量分析器。
【請求項28】
前記イオンを駆動または推進するための手段は、1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたは1つ以上のDC電圧もしくはポテンシャル波形を前記電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%に印加するための手段を含む、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項29】
前記1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたは前記1つ以上のDC電圧もしくはポテンシャル波形は、(i)1つのポテンシャルの山もしくは障壁、(ii)1つのポテンシャル井戸、(iii)複数のポテンシャルの山もしくは障壁、(iv)複数のポテンシャル井戸、(v)1つのポテンシャルの山もしくは障壁と1つのポテンシャル井戸との組み合わせ、または(vi)複数のポテンシャルの山もしくは障壁と複数のポテンシャル井戸との組み合わせを作成する、請求項28に記載の質量分析器。
【請求項30】
前記1つ以上の過渡DC電圧またはポテンシャル波形は、繰り返し波形または方形波を含む、請求項28または29に記載の質量分析器。
【請求項31】
使用時に、複数の軸方向DCポテンシャル井戸が前記イオンガイドの長さに沿って平行移動されるか、または複数の過渡DCポテンシャルまたは電圧が前記イオンガイドの軸方向長さに沿って電極に漸進的に印加される、請求項28、29または30に記載の質量分析器。
【請求項32】
前記質量分析器は、前記1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたは前記1つ以上のDC電圧もしくはポテンシャル波形の振幅、高さまたは深さを漸進的に増加するか、漸進的に低減するか、漸進的に変更するか、スキャンするか、直線的に増加するか、直線的に低減するか、段階的、漸進的もしくは他のやり方で増加するか、または段階的、漸進的もしくは他のやり方で低減するように構成または適合される第1の手段をさらに含む、請求項28〜31のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項33】
前記第1の手段は、前記1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたは前記1つ以上のDC電圧もしくはポテンシャル波形の振幅、高さまたは深さをx1ボルトだけ期間t1にわたって漸進的に増加するか、漸進的に低減するか、漸進的に変更するか、スキャンするか、直線的に増加するか、直線的に低減するか、段階的、漸進的もしくは他のやり方で増加するか、または段階的、漸進的もしくは他のやり方で低減するように構成または適合される、請求項32に記載の質量分析器。
【請求項34】
前記x1は、(i)<0.1V、(ii)0.1〜0.2V、(iii)0.2〜0.3V、(iv)0.3〜0.4V、(v)0.4〜0.5V、(vi)0.5〜0.6V、(vii)0.6〜0.7V、(viii)0.7〜0.8V、(ix)0.8〜0.9V、(x)0.9〜1.0V、(xi)1.0〜1.5V、(xii)1.5〜2.0V、(xiii)2.0〜2.5V、(xiv)2.5〜3.0V、(xv)3.0〜3.5V、(xvi)3.5〜4.0V、(xvii)4.0〜4.5V、(xviii)4.5〜5.0V、(xix)5.0〜5.5V、(xx)5.5〜6.0V、(xxi)6.0〜6.5V、(xxii)6.5〜7.0V、(xxiii)7.0〜7.5V、(xxiv)7.5〜8.0V、(xxv)8.0〜8.5V、(xxvi)8.5〜9.0V、(xxvii)9.0〜9.5V、(xxviii)9.5〜10.0V、および(xxix)>10.0Vからなる群から選択される、請求項33に記載の質量分析器。
【請求項35】
前記t1は、(i)<lms、(ii)1〜10ms、(iii)10〜20ms、(iv)20〜30ms、(v)30〜40ms、(vi)40〜50ms、(vii)50〜60ms、(viii)60〜70ms、(ix)70〜80ms、(x)80〜90ms、(xi)90〜100ms、(xii)100〜200ms、(xiii)200〜300ms、(xiv)300〜400ms、(xv)400〜500ms、(xvi)500〜600ms、(xvii)600〜700ms、(xviii)700〜800ms、(xix)800〜900ms、(xx)900〜1000ms、(xxi)1〜2s、(xxii)2〜3s、(xxiii)3〜4s、(xxiv)4〜5s、および(xxv)>5sからなる群から選択される、請求項33または34に記載の質量分析器。
【請求項36】
前記質量分析器は、前記1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたは前記1つ以上のDC電圧もしくはポテンシャル波形が前記電極に印加される速度またはレートを漸進的に増加するか、漸進的に低減するか、漸進的に変更するか、スキャンするか、直線的に増加するか、直線的に低減するか、段階的、漸進的もしくは他のやり方で増加するか、または段階的、漸進的もしくは他のやり方で低減するように構成および適合される第2の手段をさらに含む、請求項28〜35のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項37】
前記第2の手段は、前記1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたは前記1つ以上のDC電圧もしくはポテンシャル波形が前記電極にx2m/sだけ期間t2にわたって印加される速度またはレートを漸進的に増加するか、漸進的に低減するか、漸進的に変更するか、スキャンするか、直線的に増加するか、直線的に低減するか、段階的、漸進的もしくは他のやり方で増加するか、または段階的、漸進的もしくは他のやり方で低減するように構成および適合される、請求項36に記載の質量分析器。
【請求項38】
前記x2は、(i)<1、(ii)1〜2、(iii)2〜3、(iv)3〜4、(v)4〜5、(vi)5〜6、(vii)6〜7、(viii)7〜8、(ix)8〜9、(x)9〜10、(xi)10〜11、(xii)11〜12、(xiii)12〜13、(xiv)13〜14、(xv)14〜15、(xvi)15〜16、(xvii)16〜17、(xviii)17〜18、(xix)18〜19、(xx)19〜20、(xxi)20〜30、(xxii)30〜40、(xxiii)40〜50、(xxiv)50〜60、(xxv)60〜70、(xxvi)70〜80、(xxvii)80〜90、(xxviii)90〜100、(xxix)100〜150、(xxx)150〜200、(xxxi)200〜250、(xxxii)250〜300、(xxxiii)300〜350、(xxxiv)350〜400、(xxxv)400〜450、(xxxvi)450〜500、および(xxxvii)>500からなる群から選択される、請求項37に記載の質量分析器。
【請求項39】
前記t2は、(i)<1ms、(ii)1〜10ms、(iii)10〜20ms、(iv)20〜30ms、(v)30〜40ms、(vi)40〜50ms、(vii)50〜60ms、(viii)60〜70ms、(ix)70〜80ms、(x)80〜90ms、(xi)90〜100ms、(xii)100〜200ms、(xiii)200〜300ms、(xiv)300〜400ms、(xv)400〜500ms、(xvi)500〜600ms、(xvii)600〜700ms、(xviii)700〜800ms、(xix)800〜900ms、(Xx)900〜1000ms、(xxi)1〜2s、(xxii)2〜3s、(xxiii)3〜4s、(xxiv)4〜5s、および(xxv)>5sからなる群から選択される、請求項37または38に記載の質量分析器。
【請求項40】
前記第1のACまたはRF電圧は、(i)<50Vピークトゥピーク、(ii)50〜100Vピークトゥピーク、(iii)100〜150Vピークトゥピーク、(iv)150〜200Vピークトゥピーク、(v)200〜250Vピークトゥピーク、(vi)250〜300Vピークトゥピーク、(vii)300〜350Vピークトゥピーク、(viii)350〜400Vピークトゥピーク、(ix)400〜450Vピークトゥピーク、(x)450〜500Vピークトゥピーク、(xi)500〜550Vピークトゥピーク、(xxii)550〜600Vピークトゥピーク、(xxiii)600〜650Vピークトゥピーク、(xxiv)650〜700Vピークトゥピーク、(xxv)700〜750Vピークトゥピーク、(xxvi)750〜800Vピークトゥピーク、(xxvii)800〜850Vピークトゥピーク、(xxviii)850〜900Vピークトゥピーク、(xxix)900〜950Vピークトゥピーク、(xxx)950〜1000Vピークトゥピーク、および(xxxi)>1000Vピークトゥピークからなる群から選択される振幅を有する、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項41】
前記第1のACまたはRF電圧は、(i)<100kHz、(ii)100〜200kHz、(iii)200〜300kHz、(iv)300〜400kHz、(v)400〜500kHz、(vi)0.5〜1.0MHz、(vii)1.0〜1.5MHz、(viii)1.5〜2.0MHz、(ix)2.0〜2.5MHz、(x)2.5〜3.0MHz、(xi)3.0〜3.5MHz、(xii)3.5〜4.0MHz、(xiii)4.0〜4.5MHz、(xiv)4.5〜5.0MHz、(xv)5.0〜5.5MHz、(xvi)5.5〜6.0MHz、(xvii)6.0〜6.5MHz、(xviii)6.5〜7.0MHz、(xix)7.0〜7.5MHz、(xx)7.5〜8.0MHz、(xxi)8.0〜8.5MHz、(xxii)8.5〜9.0MHz、(xxiii)9.0〜9.5MHz、(xxiv)9.5〜10.0MHz、および(xxv)>10.0MHzからなる群から選択される周波数を有する、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項42】
前記第1のACまたはRF電圧を印加するための手段は、前記第1のACまたはRF電圧を前記複数の電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%に印加するように構成される、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項43】
前記第1のACまたはRF電圧を印加するための手段は、軸方向に隣り合う電極または軸方向に隣り合う電極グループに前記第1のACまたはRF電圧の互いに反対の位相を供給するように構成される、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項44】
前記第1の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸は、使用時に、前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または95%に沿って作成される、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項45】
前記複数の第1の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸は、前記イオンガイドの中心長軸の少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または95%に沿って作成または提供される、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項46】
前記複数の第1の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸は、前記イオンガイドの上流部分および/または中間部分および/または下流部分に作成または提供される、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項47】
前記イオンガイドは、長さLを有し、かつ前記複数の第1の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸は、前記イオンガイドの長さに沿って、(i)0〜0.1L、(ii)0.1〜0.2L、(iii)0.2〜0.3L、(iv)0.3〜0.4L、(v)0.4〜0.5L、(vi)0.5〜0.6L、(vii)0.6〜0.7L、(viii)0.7〜0.8L、(ix)0.8〜0.9L、および(x)0.9〜1.0Lからなる群から選択される変位を有する1つ以上の領域または位置に作成または提供される、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項48】
前記複数の第1の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸は、前記イオンガイドの中心長軸から遠ざかるように半径方向に少なくともr mmだけ延伸し、前記rは、(i)<1、(ii)1〜2、(iii)2〜3、(iv)3〜4、(v)4〜5、(vi)5〜6、(vii)6〜7、(viii)7〜8、(ix)8〜9、(x)9〜10、および(xi)>10からなる群から選択される、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項49】
質量電荷比が1〜100、100〜200、200〜300、300〜400、400〜500、500〜600、600〜700、700〜800、800〜900または900〜1000の範囲にあるイオンに対して、前記第1の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸のうちの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%の振幅、高さまたは深さは、(i)<0.1V、(ii)0.1〜0.2V、(iii)0.2〜0.3V、(iv)0.3〜0.4V、(v)0.4〜0.5V、(vi)0.5〜0.6V、(vii)0.6〜0.7V、(viii)0.7〜0.8V、(ix)0.8〜0.9V、(x)0.9〜1.0V、(xi)1.0〜1.5V、(xii)1.5〜2.0V、(xiii)2.0〜2.5V、(xiv)2.5〜3.0V、(xv)3.0〜3.5V、(xvi)3.5〜4.0V、(xvii)4.0〜4.5V、(xviii)4.5〜5.0V、(xix)5.0〜5.5V、(xx)5.5〜6.0V、(xxi)6.0〜6.5V、(xxii)6.5〜7.0V、(xxiii)7.0〜7.5V、(xxiv)7.5〜8.0V、(xxv)8.0〜8.5V、(xxvi)8.5〜9.0V、(xxvii)9.0〜9.5V、(xxviii)9.5〜10.0V、および(xxix)>10.0Vからなる群から選択される、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項50】
使用時に、1cm当たり少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の第1の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸が前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿って提供または作成される、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項51】
前記複数の第1の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸は、前記イオンガイドの軸方向長さに沿って、前記複数の電極の軸方向位置に対応する極小値を有する、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項52】
前記複数の第1の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸は、前記イオンガイドの軸方向長さに沿って、近接する電極間の軸方向距離または間隔の実質的に50%に対応する軸方向位置に位置付けられた極大値を有する、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項53】
前記複数の第1の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸は、特定の質量電荷比を有するイオンに対して実質的に同じ高さ、深さまたは振幅である極小値および/または極大値を有し、かつ前記極小値および/または極大値は、前記複数の電極の軸方向変位または間隔と実質的に同じである周期、またはその倍数である周期を有する、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項54】
前記質量分析器は、前記電極に印加される前記第1のACまたはRF電圧の振幅を漸進的に増加するか、漸進的に低減するか、漸進的に変更するか、スキャンするか、直線的に増加するか、直線的に低減するか、段階的、漸進的もしくは他のやり方で増加するか、または段階的、漸進的もしくは他のやり方で低減するように構成および適合される第3の手段をさらに含む、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項55】
前記第3の手段は、前記第1のACまたはRF電圧の振幅をx3ボルトだけ期間t3にわたって漸進的に増加するか、漸進的に低減するか、漸進的に変更するか、スキャンするか、直線的に増加するか、直線的に低減するか、段階的、漸進的もしくは他のやり方で増加するか、または段階的、漸進的もしくは他のやり方で低減するように構成および適合される、請求項54に記載の質量分析器。
【請求項56】
前記x3は、(i)<50Vピークトゥピーク、(ii)50〜100Vピークトゥピーク、(iii)100〜150Vピークトゥピーク、(iv)150〜200Vピークトゥピーク、(v)200〜250Vピークトゥピーク、(vi)250〜300Vピークトゥピーク、(vii)300〜350Vピークトゥピーク、(viii)350〜400Vピークトゥピーク、(ix)400〜450Vピークトゥピーク、(x)450〜500Vピークトゥピーク、(xi)500〜550Vピークトゥピーク、(xxii)550〜600Vピークトゥピーク、(xxiii)600〜650Vピークトゥピーク、(xxiv)650〜700Vピークトゥピーク、(xxv)700〜750Vピークトゥピーク、(xxvi)750〜800Vピークトゥピーク、(xxvii)800〜850Vピークトゥピーク、(xxviii)850〜900Vピークトゥピーク、(xxix)900〜950Vピークトゥピーク、(xxx)950〜1000Vピークトゥピーク、および(xxxi)>1000Vピークトゥピークからなる群から選択される、請求項55に記載の質量分析器。
【請求項57】
前記t3は、(i)<1ms、(ii)1〜10ms、(iii)10〜20ms、(iv)20〜30ms、(v)30〜40ms、(vi)40〜50ms、(vii)50〜60ms、(viii)60〜70ms、(ix)70〜80ms、(x)80〜90ms、(xi)90〜100ms、(xii)100〜200ms、(xiii)200〜300ms、(xiv)300〜400ms、(xv)400〜500ms、(xvi)500〜600ms、(xvii)600〜700ms、(xviii)700〜800ms、(xix)800〜900ms、(Xx)900〜1000ms、(xxi)1〜2s、(xxii)2〜3s、(xxiii)3〜4s、(xxiv)4〜5s、および(xxv)>5sからなる群から選択される、請求項55または56に記載の質量分析器。
【請求項58】
前記質量分析器は、前記電極に印加される前記第1のACまたはRF電圧の周波数を漸進的に増加するか、漸進的に低減するか、漸進的に変更するか、スキャンするか、直線的に増加するか、直線的に低減するか、段階的、漸進的もしくは他のやり方で増加するか、または段階的、漸進的もしくは他のやり方で低減するように構成および適合される第4の手段をさらに含む、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項59】
前記第4の手段は、前記電極に印加される前記第1のRFまたはAC電圧の周波数をx4MHzだけ期間t4にわたって漸進的に増加するか、漸進的に低減するか、漸進的に変更するか、スキャンするか、直線的に増加するか、直線的に低減するか、段階的、漸進的もしくは他のやり方で増加するか、または段階的、漸進的もしくは他のやり方で低減するように構成および適合される、請求項58に記載の質量分析器。
【請求項60】
前記x4は、(i)<100kHz、(ii)100〜200kHz、(iii)200〜300kHz、(iv)300〜400kHz、(v)400〜500kHz、(vi)0.5〜1.0MHz、(vii)1.0〜1.5MHz、(viii)1.5〜2.0MHz、(ix)2.0〜2.5MHz、(x)2.5〜3.0MHz、(xi)3.0〜3.5MHz、(xii)3.5〜4.0MHz、(xiii)4.0〜4.5MHz、(xiv)4.5〜5.0MHz、(xv)5.0〜5.5MHz、(xvi)5.5〜6.0MHz、(xvii)6.0〜6.5MHz、(xviii)6.5〜7.0MHz、(xix)7.0〜7.5MHz、(xx)7.5〜8.0MHz、(xxi)8.0〜8.5MHz、(xxii)8.5〜9.0MHz、(xxiii)9.0〜9.5MHz、(xxiv)9.5〜10.0MHz、および(xxv)>10.0MHzからなる群から選択される、請求項59に記載の質量分析器。
【請求項61】
前記t4は、(i)<1ms、(ii)1〜10ms、(iii)10〜20ms、(iv)20〜30ms、(v)30〜40ms、(vi)40〜50ms、(vii)50〜60ms、(viii)60〜70ms、(ix)70〜80ms、(x)80〜90ms、(xi)90〜100ms、(xii)100〜200ms、(xiii)200〜300ms、(xiv)300〜400ms、(xv)400〜500ms、(xvi)500〜600ms、(xvii)600〜700ms、(xviii)700〜800ms、(xix)800〜900ms、(Xx)900〜1000ms、(xxi)1〜2s、(xxii)2〜3s、(xxiii)3〜4s、(xxiv)4〜5s、および(xxv)>5sからなる群から選択される、請求項59または60に記載の質量分析器。
【請求項62】
前記第2のACまたはRF電圧は、(i)<50Vピークトゥピーク、(ii)50〜100Vピークトゥピーク、(iii)100〜150Vピークトゥピーク、(iv)150〜200Vピークトゥピーク、(v)200〜250Vピークトゥピーク、(vi)250〜300Vピークトゥピーク、(vii)300〜350Vピークトゥピーク、(viii)350〜400Vピークトゥピーク、(ix)400〜450Vピークトゥピーク、(x)450〜500Vピークトゥピーク、(xi)500〜550Vピークトゥピーク、(xxii)550〜600Vピークトゥピーク、(xxiii)600〜650Vピークトゥピーク、(xxiv)650〜700Vピークトゥピーク、(xxv)700〜750Vピークトゥピーク、(xxvi)750〜800Vピークトゥピーク、(xxvii)800〜850Vピークトゥピーク、(xxviii)850〜900Vピークトゥピーク、(xxix)900〜950Vピークトゥピーク、(xxx)950〜1000Vピークトゥピーク、および(xxxi)>1000Vピークトゥピークからなる群から選択される振幅を有する、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項63】
前記第2のACまたはRF電圧は、(i)<100kHz、(ii)100〜200kHz、(iii)200〜300kHz、(iv)300〜400kHz、(v)400〜500kHz、(vi)0.5〜1.0MHz、(vii)1.0〜1.5MHz、(viii)1.5〜2.0MHz、(ix)2.0〜2.5MHz、(x)2.5〜3.0MHz、(xi)3.0〜3.5MHz、(xii)3.5〜4.0MHz、(xiii)4.0〜4.5MHz、(xiv)4.5〜5.0MHz、(xv)5.0〜5.5MHz、(xvi)5.5〜6.0MHz、(xvii)6.0〜6.5MHz、(xviii)6.5〜7.0MHz、(xix)7.0〜7.5MHz、(xx)7.5〜8.0MHz、(xxi)8.0〜8.5MHz、(xxii)8.5〜9.0MHz、(xxiii)9.0〜9.5MHz、(xxiv)9.5〜10.0MHz、および(xxv)>10.0MHzからなる群から選択される周波数を有する、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項64】
前記第2のACまたはRF電圧を印加するための手段は、前記第2のACまたはRF電圧を前記複数の電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%および/または前記複数の電極のうちの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50または>50個に印加するように構成される、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項65】
前記第2のACまたはRF電圧を印加するための手段は、軸方向に隣り合う電極または軸方向に隣り合う電極グループに前記第2のACまたはRF電圧の互いに反対の位相を供給するように構成される、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項66】
前記1つ以上の第2の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸は、使用時に、前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または95%に沿って作成される、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項67】
前記1つ以上の第2の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸は、前記イオンガイドの中心長軸の少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または95%に沿って作成または提供される、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項68】
前記複数の第2の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸は、前記イオンガイドの上流部分および/または中間部分および/または下流部分に作成または提供される、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項69】
前記イオンガイドは、長さLを有し、かつ前記複数の第2の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸は、前記イオンガイドの長さに沿って、(i)0〜0.1L、(ii)0.1〜0.2L、(iii)0.2〜0.3L、(iv)0.3〜0.4L、(v)0.4〜0.5L、(vi)0.5〜0.6L、(vii)0.6〜0.7L、(viii)0.7〜0.8L、(ix)0.8〜0.9L、および(x)0.9〜1.0Lからなる群から選択される変位を有する1つ以上の領域または位置に作成または提供される、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項70】
前記1つ以上の第2の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸は、前記イオンガイドの中心長軸から遠ざかるように半径方向に少なくともr mmだけ延伸し、前記rは、(i)<1、(ii)1〜2、(iii)2〜3、(iv)3〜4、(v)4〜5、(vi)5〜6、(vii)6〜7、(viii)7〜8、(ix)8〜9、(x)9〜10、および(xi)>10からなる群から選択される、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項71】
質量電荷比が1〜100、100〜200、200〜300、300〜400、400〜500、500〜600、600〜700、700〜800、800〜900または900〜1000の範囲にあるイオンに対して、前記1つ以上の第2の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸のうちの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%の振幅、高さまたは深さは、(i)<0.1V、(ii)0.1〜0.2V、(iii)0.2〜0.3V、(iv)0.3〜0.4V、(v)0.4〜0.5V、(vi)0.5〜0.6V、(vii)0.6〜0.7V、(viii)0.7〜0.8V、(ix)0.8〜0.9V、(x)0.9〜1.0V、(xi)1.0〜1.5V、(xii)1.5〜2.0V、(xiii)2.0〜2.5V、(xiv)2.5〜3.0V、(xv)3.0〜3.5V、(xvi)3.5〜4.0V、(xvii)4.0〜4.5V、(xviii)4.5〜5.0V、(xix)5.0〜5.5V、(xx)5.5〜6.0V、(xxi)6.0〜6.5V、(xxii)6.5〜7.0V、(xxiii)7.0〜7.5V、(xxiv)7.5〜8.0V、(xxv)8.0〜8.5V、(xxvi)8.5〜9.0V、(xxvii)9.0〜9.5V、(xxviii)9.5〜10.0V、および(xxix)>10.0Vからなる群から選択される、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項72】
使用時に、1cm当たり少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の第2の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸が前記イオンガイドの軸方向長さに沿って提供または作成される、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項73】
前記1つ以上の第2の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸は、前記イオンガイドの軸方向長さに沿って、前記複数の電極の軸方向位置に対応する極小値を有する、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項74】
前記1つ以上の第2の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸は、前記イオンガイドの軸方向長さに沿って、近接する電極間の軸方向距離または間隔の実質的に50%に対応する軸方向位置に位置付けられた極大値を有する、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項75】
前記1つ以上の第2の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸は、特定の質量電荷比を有するイオンに対して実質的に同じ高さ、深さまたは振幅である極小値および/または極大値を有し、かつ前記極小値および/または極大値は、前記複数の電極の軸方向変位または間隔と実質的に同じである周期、またはその倍数である周期を有する、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項76】
前記第2の振幅は、前記第1の振幅よりも小さいか、または大きい、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項77】
前記第2の振幅の前記第1の振幅に対する比は、(i)<1、(ii)>1、(iii)1〜2、(iv)2〜3、(v)3〜4、(vi)4〜5、(vii)5〜6、(viii)6〜7、(ix)7〜8、(x)8〜9、(xi)9〜10、(xii)10〜11、(xiii)11〜12、(xiv)12〜13、(xv)13〜14、(xvi)14〜15、(xvii)15〜16、(xviii)16〜17、(xix)17〜18、(xx)18〜19、(xxi)19〜20、(xxii)20〜25、(xxiii)25〜30、(xxiv)30〜35、(xxv)35〜40、(xxvi)40〜45、(xxvii)45〜50、(xxviii)50〜60、(xxix)60〜70、(xxx)70〜80、(xxxi)80〜90、(xxxii)90〜100、および(xxxiii)>100からなる群から選択される、請求項76に記載の質量分析器。
【請求項78】
前記質量分析器は、前記複数の電極のうちの1つ以上に印加される前記第2のACまたはRF電圧の振幅を漸進的に増加するか、漸進的に低減するか、漸進的に変更するか、スキャンするか、直線的に増加するか、直線的に低減するか、段階的、漸進的もしくは他のやり方で増加するか、または段階的、漸進的もしくは他のやり方で低減するように構成および適合される第5の手段をさらに含む、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項79】
前記第5の手段は、前記第2のACまたはRF電圧の振幅をx5ボルトだけ期間t5にわたって漸進的に増加するか、漸進的に低減するか、漸進的に変更するか、スキャンするか、直線的に増加するか、直線的に低減するか、段階的、漸進的もしくは他のやり方で増加するか、または段階的、漸進的もしくは他のやり方で低減するように構成および適合される、請求項78に記載の質量分析器。
【請求項80】
前記x5は、(i)<50Vピークトゥピーク、(ii)50〜100Vピークトゥピーク、(iii)100〜150Vピークトゥピーク、(iv)150〜200Vピークトゥピーク、(v)200〜250Vピークトゥピーク、(vi)250〜300Vピークトゥピーク、(vii)300〜350Vピークトゥピーク、(viii)350〜400Vピークトゥピーク、(ix)400〜450Vピークトゥピーク、(x)450〜500Vピークトゥピーク、(xi)500〜550Vピークトゥピーク、(xxii)550〜600Vピークトゥピーク、(xxiii)600〜650Vピークトゥピーク、(xxiv)650〜700Vピークトゥピーク、(xxv)700〜750Vピークトゥピーク、(xxvi)750〜800Vピークトゥピーク、(xxvii)800〜850Vピークトゥピーク、(xxviii)850〜900Vピークトゥピーク、(xxix)900〜950Vピークトゥピーク、(xxx)950〜1000Vピークトゥピーク、および(xxxi)>1000Vピークトゥピークからなる群から選択される、請求項79に記載の質量分析器。
【請求項81】
前記t5は、(i)<1ms、(ii)1〜10ms、(iii)10〜20ms、(iv)20〜30ms、(v)30〜40ms、(vi)40〜50ms、(vii)50〜60ms、(viii)60〜70ms、(ix)70〜80ms、(x)80〜90ms、(xi)90〜100ms、(xii)100〜200ms、(xiii)200〜300ms、(xiv)300〜400ms、(xv)400〜500ms、(xvi)500〜600ms、(xvii)600〜700ms、(xviii)700〜800ms、(xix)800〜900ms、(Xx)900〜1000ms、(xxi)1〜2s、(xxii)2〜3s、(xxiii)3〜4s、(xxiv)4〜5s、および(xxv)>5sからなる群から選択される、請求項79または80に記載の質量分析器。
【請求項82】
前記質量分析器は、前記複数の電極のうちの1つ以上に印加される前記第2のRFまたはAC電圧の周波数を漸進的に増加するか、漸進的に低減するか、漸進的に変更するか、スキャンするか、直線的に増加するか、直線的に低減するか、段階的、漸進的もしくは他のやり方で増加するか、または段階的、漸進的もしくは他のやり方で低減するように構成および適合される第6の手段をさらに含む、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項83】
前記第6の手段は、前記電極に印加される前記第2のACまたはRF電圧の周波数をx6MHzだけ期間t6にわたって漸進的に増加するか、漸進的に低減するか、漸進的に変更するか、スキャンするか、直線的に増加するか、直線的に低減するか、段階的、漸進的もしくは他のやり方で増加するか、または段階的、漸進的もしくは他のやり方で低減するように構成および適合される、請求項82に記載の質量分析器。
【請求項84】
前記x6は、(i)<100kHz、(ii)100〜200kHz、(iii)200〜300kHz、(iv)300〜400kHz、(v)400〜500kHz、(vi)0.5〜1.0MHz、(vii)1.0〜1.5MHz、(viii)1.5〜2.0MHz、(ix)2.0〜2.5MHz、(x)2.5〜3.0MHz、(xi)3.0〜3.5MHz、(xii)3.5〜4.0MHz、(xiii)4.0〜4.5MHz、(xiv)4.5〜5.0MHz、(xv)5.0〜5.5MHz、(xvi)5.5〜6.0MHz、(xvii)6.0〜6.5MHz、(xviii)6.5〜7.0MHz、(xix)7.0〜7.5MHz、(xx)7.5〜8.0MHz、(xxi)8.0〜8.5MHz、(xxii)8.5〜9.0MHz、(xxiii)9.0〜9.5MHz、(xxiv)9.5〜10.0MHz、および(xxv)>10.0MHzからなる群から選択される、請求項83に記載の質量分析器。
【請求項85】
前記t6は、(i)<1ms、(ii)1〜10ms、(iii)10〜20ms、(iv)20〜30ms、(v)30〜40ms、(vi)40〜50ms、(vii)50〜60ms、(viii)60〜70ms、(ix)70〜80ms、(x)80〜90ms、(xi)90〜100ms、(xii)100〜200ms、(xiii)200〜300ms、(xiv)300〜400ms、(xv)400〜500ms、(xvi)500〜600ms、(xvii)600〜700ms、(xviii)700〜800ms、(xix)800〜900ms、(Xx)900〜1000ms、(xxi)1〜2s、(xxii)2〜3s、(xxiii)3〜4s、(xxiv)4〜5s、および(xxv)>5sからなる群から選択される、請求項83または84に記載の質量分析器。
【請求項86】
前記質量分析器は、第1のDC電圧を前記複数の電極のうちの1つ以上に印加して、使用時に、前記1つ以上の第2の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸がDC軸方向ポテンシャル障壁または井戸を軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁もしくは井戸と組み合わせて含むようにするための手段をさらに含む、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項87】
前記質量分析器は、前記複数の電極のうちの1つ以上に印加される前記第1のDC電圧の振幅を漸進的に増加するか、漸進的に低減するか、漸進的に変更するか、スキャンするか、直線的に増加するか、直線的に低減するか、段階的、漸進的もしくは他のやり方で増加するか、または段階的、漸進的もしくは他のやり方で低減するように構成および適合される第7の手段をさらに含む、請求項86に記載の質量分析器。
【請求項88】
前記第7の手段は、前記第1のDC電圧の振幅をx7ボルトだけ期間t7にわたって漸進的に増加するか、漸進的に低減するか、漸進的に変更するか、スキャンするか、直線的に増加するか、直線的に低減するか、段階的、漸進的もしくは他のやり方で増加するか、または段階的、漸進的もしくは他のやり方で低減するように構成および適合される、請求項87に記載の質量分析器。
【請求項89】
前記x7は、(i)<0.1V、(ii)0.1〜0.2V、(iii)0.2〜0.3V、(iv)0.3〜0.4V、(v)0.4〜0.5V、(vi)0.5〜0.6V、(vii)0.6〜0.7V、(viii)0.7〜0.8V、(ix)0.8〜0.9V、(x)0.9〜1.0V、(xi)1.0〜1.5V、(xii)1.5〜2.0V、(xiii)2.0〜2.5V、(xiv)2.5〜3.0V、(xv)3.0〜3.5V、(xvi)3.5〜4.0V、(xvii)4.0〜4.5V、(xviii)4.5〜5.0V、(xix)5.0〜5.5V、(xx)5.5〜6.0V、(xxi)6.0〜6.5V、(xxii)6.5〜7.0V、(xxiii)7.0〜7.5V、(xxiv)7.5〜8.0V、(xxv)8.0〜8.5V、(xxvi)8.5〜9.0V、(xxvii)9.0〜9.5V、(xxviii)9.5〜10.0V、および(xxix)>10.0Vからなる群から選択される、請求項88に記載の質量分析器。
【請求項90】
前記t7は、(i)<1ms、(ii)1〜10ms、(iii)10〜20ms、(iv)20〜30ms、(v)30〜40ms、(vi)40〜50ms、(vii)50〜60ms、(viii)60〜70ms、(ix)70〜80ms、(x)80〜90ms、(xi)90〜100ms、(xii)100〜200ms、(xiii)200〜300ms、(xiv)300〜400ms、(xv)400〜500ms、(xvi)500〜600ms、(xvii)600〜700ms、(xviii)700〜800ms、(xix)800〜900ms、(Xx)900〜1000ms、(xxi)1〜2s、(xxii)2〜3s、(xxiii)3〜4s、(xxiv)4〜5s、および(xxv)>5sからなる群から選択される、請求項88または89に記載の質量分析器。
【請求項91】
前記質量分析器は、第3のACまたはRF電圧を前記複数の電極のうちの1つ以上に印加して、使用時に、第3の振幅を有する1つ以上の第3の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸が前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿って作成され、かつ前記第3の振幅は、前記第1の振幅および/または前記第2の振幅と異なるようにするための手段をさらに含む、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項92】
前記第3のACまたはRF電圧は、(i)<50Vピークトゥピーク、(ii)50〜100Vピークトゥピーク、(iii)100〜150Vピークトゥピーク、(iv)150〜200Vピークトゥピーク、(v)200〜250Vピークトゥピーク、(vi)250〜300Vピークトゥピーク、(vii)300〜350Vピークトゥピーク、(viii)350〜400Vピークトゥピーク、(ix)400〜450Vピークトゥピーク、(x)450〜500Vピークトゥピーク、(xi)500〜550Vピークトゥピーク、(xxii)550〜600Vピークトゥピーク、(xxiii)600〜650Vピークトゥピーク、(xxiv)650〜700Vピークトゥピーク、(xxv)700〜750Vピークトゥピーク、(xxvi)750〜800Vピークトゥピーク、(xxvii)800〜850Vピークトゥピーク、(xxviii)850〜900Vピークトゥピーク、(xxix)900〜950Vピークトゥピーク、(xxx)950〜1000Vピークトゥピーク、および(xxxi)>1000Vピークトゥピークからなる群から選択される振幅を有する、請求項91に記載の質量分析器。
【請求項93】
前記第3のACまたはRF電圧は、(i)<100kHz、(ii)100〜200kHz、(iii)200〜300kHz、(iv)300〜400kHz、(v)400〜500kHz、(vi)0.5〜1.0MHz、(vii)1.0〜1.5MHz、(viii)1.5〜2.0MHz、(ix)2.0〜2.5MHz、(x)2.5〜3.0MHz、(xi)3.0〜3.5MHz、(xii)3.5〜4.0MHz、(xiii)4.0〜4.5MHz、(xiv)4.5〜5.0MHz、(xv)5.0〜5.5MHz、(xvi)5.5〜6.0MHz、(xvii)6.0〜6.5MHz、(xviii)6.5〜7.0MHz、(xix)7.0〜7.5MHz、(xx)7.5〜8.0MHz、(xxi)8.0〜8.5MHz、(xxii)8.5〜9.0MHz、(xxiii)9.0〜9.5MHz、(xxiv)9.5〜10.0MHz、および(xxv)>10.0MHzからなる群から選択される周波数を有する、請求項91または92に記載の質量分析器。
【請求項94】
前記第3のACまたはRF電圧を印加するための手段は、前記第3のACまたはRF電圧を前記複数の電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%に印加するように構成される、請求項91、92または93に記載の質量分析器。
【請求項95】
前記第3のACまたはRF電圧を印加するための手段は、軸方向に隣り合う電極または軸方向に隣り合う電極グループに前記第3のACまたはRF電圧の互いに反対の位相を供給するように構成される、請求項91〜94のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項96】
前記1つ以上の第3の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸は、使用時に、前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または95%に沿って作成される、請求項91〜95のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項97】
前記1つ以上の第3の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸は、前記イオンガイドの中心長軸の少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または95%に沿って作成または提供される、請求項91〜96のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項98】
前記1つ以上の第3の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸は、前記イオンガイドの上流部分および/または中間部分および/または下流部分に作成または提供される、請求項91〜97のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項99】
前記イオンガイドは、長さLを有し、かつ前記1つ以上の第3の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸は、前記イオンガイドの長さに沿って、(i)0〜0.1L、(ii)0.1〜0.2L、(iii)0.2〜0.3L、(iv)0.3〜0.4L、(v)0.4〜0.5L、(vi)0.5〜0.6L、(vii)0.6〜0.7L、(viii)0.7〜0.8L、(ix)0.8〜0.9L、および(x)0.9〜1.0Lからなる群から選択される変位を有する1つ以上の領域または位置に作成または提供される、請求項91〜98のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項100】
前記1つ以上の第3の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸は、前記イオンガイドの中心長軸から遠ざかるように半径方向に少なくともr mmだけ延伸し、前記rは、(i)<1、(ii)1〜2、(iii)2〜3、(iv)3〜4、(v)4〜5、(vi)5〜6、(vii)6〜7、(viii)7〜8、(ix)8〜9、(x)9〜10、および(xi)>10からなる群から選択される、請求項91〜99のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項101】
質量電荷比が1〜100、100〜200、200〜300、300〜400、400〜500、500〜600、600〜700、700〜800、800〜900または900〜1000の範囲にあるイオンに対して、前記第3の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸のうちの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%の振幅、高さまたは深さは、(i)<0.1V、(ii)0.1〜0.2V、(iii)0.2〜0.3V、(iv)0.3〜0.4V、(v)0.4〜0.5V、(vi)0.5〜0.6V、(vii)0.6〜0.7V、(viii)0.7〜0.8V、(ix)0.8〜0.9V、(x)0.9〜1.0V、(xi)1.0〜1.5V、(xii)1.5〜2.0V、(xiii)2.0〜2.5V、(xiv)2.5〜3.0V、(xv)3.0〜3.5V、(xvi)3.5〜4.0V、(xvii)4.0〜4.5V、(xviii)4.5〜5.0V、(xix)5.0〜5.5V、(xx)5.5〜6.0V、(xxi)6.0〜6.5V、(xxii)6.5〜7.0V、(xxiii)7.0〜7.5V、(xxiv)7.5〜8.0V、(xxv)8.0〜8.5V、(xxvi)8.5〜9.0V、(xxvii)9.0〜9.5V、(xxviii)9.5〜10.0V、および(xxix)>10.0Vからなる群から選択される、請求項91〜100のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項102】
使用時に、1cm当たり少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の第3の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸が前記イオンガイドの軸方向長さに沿って提供または作成される、請求項91〜101のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項103】
前記1つ以上の第3の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸は、前記イオンガイドの軸方向長さに沿って、前記複数の電極の軸方向位置に対応する極小値を有する、請求項91〜102のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項104】
前記1つ以上の第3の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸は、前記イオンガイドの軸方向長さに沿って、近接する電極間の軸方向距離または間隔の実質的に50%に対応する軸方向位置に位置付けられた極大値を有する、請求項91〜103のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項105】
前記1つ以上の第3の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸は、特定の質量電荷比を有するイオンに対して実質的に同じ高さ、深さまたは振幅である極小値および/または極大値を有し、かつ前記極小値および/または極大値は、前記複数の電極の軸方向変位または間隔と実質的に同じである周期、またはその倍数である周期を有する、請求項91〜104のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項106】
前記第3の振幅は、前記第1の振幅および/または前記第2の振幅よりも小さいか、または大きい、請求項91〜105のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項107】
前記第3の振幅の前記第1の振幅に対する比は、(i)<1、(ii)>1、(iii)1〜2、(iv)2〜3、(v)3〜4、(vi)4〜5、(vii)5〜6、(viii)6〜7、(ix)7〜8、(x)8〜9、(xi)9〜10、(xii)10〜11、(xiii)11〜12、(xiv)12〜13、(xv)13〜14、(xvi)14〜15、(xvii)15〜16、(xviii)16〜17、(xix)17〜18、(xx)18〜19、(xxi)19〜20、(xxii)20〜25、(xxiii)25〜30、(xxiv)30〜35、(xxv)35〜40、(xxvi)40〜45、(xxvii)45〜50、(xxviii)50〜60、(xxix)60〜70、(xxx)70〜80、(xxxi)80〜90、(xxxii)90〜100、および(xxxiii)>100からなる群から選択される、請求項91〜106のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項108】
前記第3の振幅の前記第2の振幅に対する比は、(i)<1、(ii)>1、(iii)1〜2、(iv)2〜3、(v)3〜4、(vi)4〜5、(vii)5〜6、(viii)6〜7、(ix)7〜8、(x)8〜9、(xi)9〜10、(xii)10〜11、(xiii)11〜12、(xiv)12〜13、(xv)13〜14、(xvi)14〜15、(xvii)15〜16、(xviii)16〜17、(xix)17〜18、(xx)18〜19、(xxi)19〜20、(xxii)20〜25、(xxiii)25〜30、(xxiv)30〜35、(xxv)35〜40、(xxvi)40〜45、(xxvii)45〜50、(xxviii)50〜60、(xxix)60〜70、(xxx)70〜80、(xxxi)80〜90、(xxxii)90〜100、および(xxxiii)>100からなる群から選択される、請求項91〜107のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項109】
前記質量分析器は、前記複数の電極のうちの1つ以上に印加される前記第3のACまたはRF電圧の振幅を漸進的に増加するか、漸進的に低減するか、漸進的に変更するか、スキャンするか、直線的に増加するか、直線的に低減するか、段階的、漸進的もしくは他のやり方で増加するか、または段階的、漸進的もしくは他のやり方で低減するように構成および適合される第8の手段をさらに含む、請求項91〜108のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項110】
前記第8の手段は、前記第3のACまたはRF電圧の振幅をx8ボルトだけ期間t8にわたって漸進的に増加するか、漸進的に低減するか、漸進的に変更するか、スキャンするか、直線的に増加するか、直線的に低減するか、段階的、漸進的もしくは他のやり方で増加するか、または段階的、漸進的もしくは他のやり方で低減するように構成および適合される、請求項109に記載の質量分析器。
【請求項111】
前記x8は、(i)<50Vピークトゥピーク、(ii)50〜100Vピークトゥピーク、(iii)100〜150Vピークトゥピーク、(iv)150〜200Vピークトゥピーク、(v)200〜250Vピークトゥピーク、(vi)250〜300Vピークトゥピーク、(vii)300〜350Vピークトゥピーク、(viii)350〜400Vピークトゥピーク、(ix)400〜450Vピークトゥピーク、(x)450〜500Vピークトゥピーク、(xi)500〜550Vピークトゥピーク、(xxii)550〜600Vピークトゥピーク、(xxiii)600〜650Vピークトゥピーク、(xxiv)650〜700Vピークトゥピーク、(xxv)700〜750Vピークトゥピーク、(xxvi)750〜800Vピークトゥピーク、(xxvii)800〜850Vピークトゥピーク、(xxviii)850〜900Vピークトゥピーク、(xxix)900〜950Vピークトゥピーク、(xxx)950〜1000Vピークトゥピーク、および(xxxi)>1000Vピークトゥピークからなる群から選択される、請求項110に記載の質量分析器。
【請求項112】
前記t8は、(i)<1ms、(ii)1〜10ms、(iii)10〜20ms、(iv)20〜30ms、(v)30〜40ms、(vi)40〜50ms、(vii)50〜60ms、(viii)60〜70ms、(ix)70〜80ms、(x)80〜90ms、(xi)90〜100ms、(xii)100〜200ms、(xiii)200〜300ms、(xiv)300〜400ms、(xv)400〜500ms、(xvi)500〜600ms、(xvii)600〜700ms、(xviii)700〜800ms、(xix)800〜900ms、(Xx)900〜1000ms、(xxi)1〜2s、(xxii)2〜3s、(xxiii)3〜4s、(xxiv)4〜5s、および(xxv)>5sからなる群から選択される、請求項110または111に記載の質量分析器。
【請求項113】
前記質量分析器は、前記複数の電極のうちの1つ以上に印加される前記第3のRFまたはAC電圧の周波数を漸進的に増加するか、漸進的に低減するか、漸進的に変更するか、スキャンするか、直線的に増加するか、直線的に低減するか、段階的、漸進的もしくは他のやり方で増加するか、または段階的、漸進的もしくは他のやり方で低減するように構成および適合される第9の手段をさらに含む、請求項91〜112のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項114】
前記第9の手段は、前記複数の電極のうちの1つ以上に印加される前記第3のRFまたはAC電圧の周波数をx9MHzだけ期間t9にわたって漸進的に増加するか、漸進的に低減するか、漸進的に変更するか、スキャンするか、直線的に増加するか、直線的に低減するか、段階的、漸進的もしくは他のやり方で増加するか、または段階的、漸進的もしくは他のやり方で低減するように構成および適合される、請求項113に記載の質量分析器。
【請求項115】
前記x9は、(i)<100kHz、(ii)100〜200kHz、(iii)200〜300kHz、(iv)300〜400kHz、(v)400〜500kHz、(vi)0.5〜1.0MHz、(vii)1.0〜1.5MHz、(viii)1.5〜2.0MHz、(ix)2.0〜2.5MHz、(x)2.5〜3.0MHz、(xi)3.0〜3.5MHz、(xii)3.5〜4.0MHz、(xiii)4.0〜4.5MHz、(xiv)4.5〜5.0MHz、(xv)5.0〜5.5MHz、(xvi)5.5〜6.0MHz、(xvii)6.0〜6.5MHz、(xviii)6.5〜7.0MHz、(xix)7.0〜7.5MHz、(xx)7.5〜8.0MHz、(xxi)8.0〜8.5MHz、(xxii)8.5〜9.0MHz、(xxiii)9.0〜9.5MHz、(xxiv)9.5〜10.0MHz、および(xxv)>10.0MHzからなる群から選択される、請求項114に記載の質量分析器。
【請求項116】
前記t9は、(i)<1ms、(ii)1〜10ms、(iii)10〜20ms、(iv)20〜30ms、(v)30〜40ms、(vi)40〜50ms、(vii)50〜60ms、(viii)60〜70ms、(ix)70〜80ms、(x)80〜90ms、(xi)90〜100ms、(xii)100〜200ms、(xiii)200〜300ms、(xiv)300〜400ms、(xv)400〜500ms、(xvi)500〜600ms、(xvii)600〜700ms、(xviii)700〜800ms、(xix)800〜900ms、(Xx)900〜1000ms、(xxi)1〜2s、(xxii)2〜3s、(xxiii)3〜4s、(xxiv)4〜5s、および(xxv)>5sからなる群から選択される、請求項114または115に記載の質量分析器。
【請求項117】
前記質量分析器は、第2のDC電圧を前記複数の電極のうちの1つ以上に印加して、使用時に、前記1つ以上の第3の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸がDC軸方向ポテンシャル障壁または井戸を軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁もしくは井戸と組み合わせて含むようにするための手段をさらに含む、請求項91〜116のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項118】
前記質量分析器は、前記複数の電極のうちの1つ以上に印加される前記第2のDC電圧の振幅を漸進的に増加するか、漸進的に低減するか、漸進的に変更するか、スキャンするか、直線的に増加するか、直線的に低減するか、段階的、漸進的もしくは他のやり方で増加するか、または段階的、漸進的もしくは他のやり方で低減するように構成および適合される第10の手段をさらに含む、請求項117に記載の質量分析器。
【請求項119】
前記第10の手段は、前記第2のDC電圧の振幅をx10ボルトだけ期間t10にわたって漸進的に増加するか、漸進的に低減するか、漸進的に変更するか、スキャンするか、直線的に増加するか、直線的に低減するか、段階的、漸進的もしくは他のやり方で増加するか、または段階的、漸進的もしくは他のやり方で低減するように構成および適合される、請求項118に記載の質量分析器。
【請求項120】
前記x10は、(i)<0.1V、(ii)0.1〜0.2V、(iii)0.2〜0.3V、(iv)0.3〜0.4V、(v)0.4〜0.5V、(vi)0.5〜0.6V、(vii)0.6〜0.7V、(viii)0.7〜0.8V、(ix)0.8〜0.9V、(x)0.9〜1.0V、(xi)1.0〜1.5V、(xii)1.5〜2.0V、(xiii)2.0〜2.5V、(xiv)2.5〜3.0V、(xv)3.0〜3.5V、(xvi)3.5〜4.0V、(xvii)4.0〜4.5V、(xviii)4.5〜5.0V、(xix)5.0〜5.5V、(xx)5.5〜6.0V、(xxi)6.0〜6.5V、(xxii)6.5〜7.0V、(xxiii)7.0〜7.5V、(xxiv)7.5〜8.0V、(xxv)8.0〜8.5V、(xxvi)8.5〜9.0V、(xxvii)9.0〜9.5V、(xxviii)9.5〜10.0V、および(xxix)>10.0Vからなる群から選択される、請求項119に記載の質量分析器。
【請求項121】
前記t10は、(i)<1ms、(ii)1〜10ms、(iii)10〜20ms、(iv)20〜30ms、(v)30〜40ms、(vi)40〜50ms、(vii)50〜60ms、(viii)60〜70ms、(ix)70〜80ms、(x)80〜90ms、(xi)90〜100ms、(xii)100〜200ms、(xiii)200〜300ms、(xiv)300〜400ms、(xv)400〜500ms、(xvi)500〜600ms、(xvii)600〜700ms、(xviii)700〜800ms、(xix)800〜900ms、(Xx)900〜1000ms、(xxi)1〜2s、(xxii)2〜3s、(xxiii)3〜4s、(xxiv)4〜5s、および(xxv)>5sからなる群から選択される、請求項119または120に記載の質量分析器。
【請求項122】
前記質量分析器は、前記イオンガイドの前記電極のうちの少なくともいくつかに印加され、かつイオンを前記イオンガイド内に半径方向に閉じ込めるように作用するDC電圧またはポテンシャルの振幅を漸進的に増加するか、漸進的に低減するか、漸進的に変更するか、スキャンするか、直線的に増加するか、直線的に低減するか、段階的、漸進的もしくは他のやり方で増加するか、または段階的、漸進的もしくは他のやり方で低減するように構成および適合される第11の手段をさらに含む、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項123】
前記第11の手段は、前記少なくともいくつかの電極に印加される前記DC電圧またはポテンシャルの振幅をx11ボルトだけ期間t11にわたって漸進的に増加するか、漸進的に低減するか、漸進的に変更するか、スキャンするか、直線的に増加するか、直線的に低減するか、段階的、漸進的もしくは他のやり方で増加するか、または段階的、漸進的もしくは他のやり方で低減するように構成および適合される、請求項122に記載の質量分析器。
【請求項124】
前記x11は、(i)<0.1V、(ii)0.1〜0.2V、(iii)0.2〜0.3V、(iv)0.3〜0.4V、(v)0.4〜0.5V、(vi)0.5〜0.6V、(vii)0.6〜0.7V、(viii)0.7〜0.8V、(ix)0.8〜0.9V、(x)0.9〜1.0V、(xi)1.0〜1.5V、(xii)1.5〜2.0V、(xiii)2.0〜2.5V、(xiv)2.5〜3.0V、(xv)3.0〜3.5V、(xvi)3.5〜4.0V、(xvii)4.0〜4.5V、(xviii)4.5〜5.0V、(xix)5.0〜5.5V、(xx)5.5〜6.0V、(xxi)6.0〜6.5V、(xxii)6.5〜7.0V、(xxiii)7.0〜7.5V、(xxiv)7.5〜8.0V、(xxv)8.0〜8.5V、(xxvi)8.5〜9.0V、(xxvii)9.0〜9.5V、(xxviii)9.5〜10.0V、および(xxix)>10.0Vからなる群から選択される、請求項123に記載の質量分析器。
【請求項125】
前記t11は、(i)<lms、(ii)1〜10ms、(iii)10〜20ms、(iv)20〜30ms、(v)30〜40ms、(vi)40〜50ms、(vii)50〜60ms、(viii)60〜70ms、(ix)70〜80ms、(x)80〜90ms、(xi)90〜100ms、(xii)100〜200ms、(xiii)200〜300ms、(xiv)300〜400ms、(xv)400〜500ms、(xvi)500〜600ms、(xvii)600〜700ms、(xviii)700〜800ms、(xix)800〜900ms、(xx)900〜1000ms、(xxi)1〜2s、(xxii)2〜3s、(xxiii)3〜4s、(xxiv)4〜5s、および(xxv)>5sからなる群から選択される、請求項123または124に記載の質量分析器。
【請求項126】
前記質量分析器は、一動作モードにおいて、前記イオンガイドを(i)<1.0×10-1mbar、(ii)<1.0×10-2mbar、(iii)<1.0×10-3mbar、および(iv)<1.0×10-4mbarからなる群から選択される圧力に維持するための手段をさらに含む、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項127】
前記質量分析器は、一動作モードにおいて、前記イオンガイドを(i)>1.0×10-3mbar、(ii)>1.0×10-2mbar、(iii)>1.0×10-1mbar、(iv)>1mbar、(v)>10mbar、(vi)>100mbar、(vii)>5.0×10-3mbar、(viii)>5.0×10-2mbar、(ix)10-4〜10-3mbar、(x)10-3〜10-2mbar、および(xi)10-2〜10-1mbarからなる群から選択される圧力に維持するための手段をさらに含む、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項128】
前記質量分析器は、前記イオンガイドを通るガスフローを漸進的に増加するか、漸進的に低減するか、漸進的に変更するか、スキャンするか、直線的に増加するか、直線的に低減するか、段階的、漸進的もしくは他のやり方で増加するか、または段階的、漸進的もしくは他のやり方で低減するように構成および適合される手段をさらに含む、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項129】
一動作モードにおいて、イオンが前記イオンガイド内にトラップされるが、実質的にフラグメンテーションされないように構成される、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項130】
前記質量分析器は、前記イオンガイド内のイオンを衝突により冷却するか、または実質的に熱化するための手段をさらに含む、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項131】
前記質量分析器は、一動作モードにおいて、前記イオンガイド内のイオンを実質的にフラグメンテーションする手段をさらに含む、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項132】
前記質量分析器は、前記イオンガイドの入口および/または出口に配置される1つ以上の電極をさらに含み、一動作モードにおいて、前記1つ以上の電極がイオンをパルス化して前記イオンガイドへ入力および/またはそこから出力するように構成される、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項133】
先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器を含む質量分析計。
【請求項134】
前記質量分析計は、(i)エレクトロスプレーイオン化(「ESI」)イオン源、(ii)大気圧光イオン化(「APPI」)イオン源、(iii)大気圧化学イオン化(「APCI」)イオン源、(iv)マトリックス支援レーザ脱離イオン化(「MALDI」)イオン源、(v)レーザ脱離イオン化(「LDI」)イオン源、(vi)大気圧イオン化(「API」)イオン源、(vii)シリコンを用いた脱離イオン化(「DIOS」)イオン源、(viii)電子衝突(「EI」)イオン源、(ix)化学イオン化(「CI」)イオン源、(x)電界イオン化(「FI」)イオン源、(xi)電界脱離(「FD」)イオン源、(xii)誘導結合プラズマ(「ICP」)イオン源、(xiii)高速原子衝撃(「FAB」)イオン源、(xiv)液体二次イオン質量分析(「LSIMS」)イオン源、(xv)脱離エレクトロスプレーイオン化(「DESI」)イオン源、(xvi)ニッケル−63放射性イオン源、および(xvii)サーモスプレーイオン源からなる群から選択されるイオン源をさらに含む、請求項133に記載の質量分析計。
【請求項135】
前記質量分析計は、連続またはパルス化イオン源をさらに含む、請求項133または134に記載の質量分析計。
【請求項136】
前記質量分析計は、前記質量分析器の上流および/または下流に配置される1つ以上の質量フィルタをさらに含む、請求項133、134または135のいずれかに記載の質量分析計。
【請求項137】
前記1つ以上の質量フィルタは、(i)四重極ロッドセット質量フィルタ、(ii)飛行時間質量フィルタまたは質量分析器、(iii)ウィーンフィルタ、および(iv)扇形磁場質量フィルタまたは質量分析器からなる群から選択される、請求項136に記載の質量分析計。
【請求項138】
前記質量分析計は、前記質量分析器の上流および/または下流に配置される1つ以上の第2のイオンガイドまたはイオントラップをさらに含む、請求項133〜137のいずれかに記載の質量分析計。
【請求項139】
前記1つ以上の第2のイオンガイドまたはイオントラップは、
(i)四重極ロッドセット、六重極ロッドセット、八重極ロッドセットまたは8個より多くのロッドを含むロッドセットを含む多極ロッドセットもしくはセグメント化多極ロッドセットイオンガイドもまたはイオントラップ、
(ii)開口を有する複数の電極または少なくとも2、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90もしくは100個の電極を含むイオントンネルもしくはイオンファネルイオンガイドまたはイオントラップであって、使用時にイオンは、前記開口を通って移送され、前記電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%は、実質的に同じサイズもしくは面積の開口を有するか、またはサイズもしくは面積が漸進的により大きくおよび/またはより小さくなる開口を有する、イオントンネルもしくはイオンファネルイオンガイドまたはイオントラップ、
(iii)1スタックもしくはアレイの平面、プレートまたはメッシュ電極であって、前記スタックもしくはアレイの平面、プレートまたはメッシュ電極は、複数のまたは少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19もしくは20個の平面、プレートまたはメッシュ電極を含むか、または少なくとも前記平面、プレートまたはメッシュ電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%は、使用時にイオンが走行する平面内に一般に配置される、1スタックもしくはアレイの平面、プレートまたはメッシュ電極、および
(iv)イオントラップまたはイオンガイドであって、前記イオントラップまたはイオンガイドの長さに沿って軸方向に配置される複数のグループの電極を含み、各グループの電極は、(a)第1および第2の電極ならびにイオンを前記イオンガイド内に第1の半径方向に閉じ込めるためにDC電圧またはポテンシャルを前記第1および第2の電極に印加するための手段、および(b)第3および第4の電極ならびにイオンを前記イオンガイド内に第2の半径方向に閉じ込めるためにACまたはRF電圧を前記第3および第4の電極に印加するための手段を含む、イオントラップまたはイオンガイドからなる群から選択される、請求項138に記載の質量分析計。
【請求項140】
前記第2のイオンガイドまたはイオントラップは、イオントンネルもしくはイオンファネルイオンガイドまたはイオントラップを含み、前記電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%は、(i)≦1.0mm、(ii)≦2.0mm、(iii)≦3.0mm、(iv)≦4.0mm、(v)≦5.0mm、(vi)≦6.0mm、(vii)≦7.0mm、(viii)≦8.0mm、(ix)≦9.0mm、(x)≦10.0mm、および(xi)>10.0mmからなる群から選択される内径または寸法を有する、請求項138または139に記載の質量分析計。
【請求項141】
前記第2のイオンガイドまたはイオントラップは、イオンを前記第2のイオンガイドまたはイオントラップ内に半径方向に閉じ込めるためにACまたはRF電圧を前記第2のイオンガイドまたはイオントラップの前記複数の電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%に印加するように構成および適合される第4のACまたはRF電圧手段をさらに含む、請求項138、139または140に記載の質量分析計。
【請求項142】
前記第2のイオンガイドまたはイオントラップは、1ビームまたはグループのイオンを前記質量分析器から受け取り、そして前記ビームまたはグループのイオンを変換または分割して、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20個の別々のパケットのイオンが任意の特定の時刻に前記第2のイオンガイドまたはイオントラップ内に閉じ込めおよび/または隔離されるようにし、かつ各パケットのイオンは、前記第2のイオンガイドまたはイオントラップ内に形成される別々の軸方向ポテンシャル井戸内に別々に閉じ込めおよび/または隔離されるように構成および適合される、請求項138〜141のいずれかに記載の質量分析計。
【請求項143】
前記質量分析計は、一動作モードにおいて、少なくともいくつかのイオンを前記第2のイオンガイドまたはイオントラップの軸方向長さの少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%を通るか、またはそれに沿って上流および/または下流へ推進するように構成および適合される手段をさらに含む、請求項138〜142のいずれかに記載の質量分析計。
【請求項144】
前記質量分析計は、少なくともいくつかのイオンを前記第2のイオンガイドまたはイオントラップの軸方向長さの少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%に沿って下流および/または上流へ推進するために、1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたは1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャル波形を前記第2のイオンガイドまたはイオントラップを形成する前記電極に印加するように構成および適合される過渡DC電圧手段をさらに含む、請求項138〜143のいずれかに記載の質量分析計。
【請求項145】
前記質量分析計は、少なくともいくつかのイオンを前記第2のイオンガイドまたはイオントラップの軸方向長さの少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%に沿って下流および/または上流へ推進するために、2つ以上の位相シフトACまたはRF電圧を前記第2のイオンガイドまたはイオントラップを形成する電極に印加するように構成および適合されるACまたはRF電圧手段をさらに含む、請求項138〜144のいずれかに記載の質量分析計。
【請求項146】
前記質量分析計は、前記第2のイオンガイドまたはイオントラップの少なくとも一部を(i)>0.0001mbar、(ii)>0.001mbar、(iii)>0.01mbar、(iv)>0.1mbar、(v)>1mbar、(vi)>10mbar、(vii)>1mbar、(viii)0.0001〜100mbar、および(ix)0.001〜10mbarからなる群から選択される圧力に維持するように構成および適合される手段をさらに含む、請求項138〜145のいずれかに記載の質量分析計。
【請求項147】
前記質量分析計は、イオンを衝突誘起解離(「CID」)によってフラグメンテーションするように構成および適合される衝突、フラグメンテーションまたは反応デバイスをさらに含む、請求項133〜146のいずれかに記載の質量分析計。
【請求項148】
前記質量分析計は、(i)表面誘起解離(「SID」)フラグメンテーションデバイス、(ii)電子移動解離フラグメンテーションデバイス、(iii)電子捕獲解離フラグメンテーションデバイス、(iv)電子衝突または衝撃解離フラグメンテーションデバイス、(v)光誘起解離(「PID」)フラグメンテーションデバイス、(vi)レーザ誘起解離フラグメンテーションデバイス、(vii)赤外放射誘起解離デバイス、(viii)紫外放射誘起解離デバイス、(ix)ノズル−スキマ間インターフェースフラグメンテーションデバイス、(x)インソースフラグメンテーションデバイス、(xi)イオン源衝突誘起解離フラグメンテーションデバイス、(xii)熱または温度源フラグメンテーションデバイス、(xiii)電界誘起フラグメンテーションデバイス、(xiv)磁場誘起フラグメンテーションデバイス、(xv)酵素消化または酵素分解フラグメンテーションデバイス、(xvi)イオン−イオン反応フラグメンテーションデバイス、(xvii)イオン−分子反応フラグメンテーションデバイス、(xviii)イオン−原子反応フラグメンテーションデバイス、(xix)イオン−メタステーブルイオン反応フラグメンテーションデバイス、(xx)イオン−メタステーブル分子反応フラグメンテーションデバイス、(xxi)イオン−メタステーブル原子反応フラグメンテーションデバイス、(xxii)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するためのイオン−イオン反応デバイス、(xxiii)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するためのイオン−分子反応デバイス、(xxiv)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するためのイオン−原子反応デバイス、(xxv)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するためのイオン−メタステーブルイオン反応デバイス、(xxvi)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するためのイオン−メタステーブル分子反応デバイス、および(xxvii)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するためのイオン−メタステーブル原子反応デバイスからなる群から選択される衝突、フラグメンテーションまたは反応デバイスをさらに含む、請求項133〜147のいずれかに記載の質量分析計。
【請求項149】
前記質量分析計は、前記質量分析器のサイクル時間の間またはそれにわたって前記質量分析器と前記衝突、フラグメンテーションまたは反応セルとの間のポテンシャル差を漸進的に増加するか、漸進的に低減するか、漸進的に変更するか、スキャンするか、直線的に増加するか、直線的に低減するか、段階的、漸進的もしくは他のやり方で増加するか、または段階的、漸進的もしくは他のやり方で低減するように構成または適合される手段をさらに含む、請求項147または148に記載の質量分析計。
【請求項150】
前記質量分析器の上流および/または下流に配置されるさらなる質量分析器をさらに含む、請求項133〜149のいずれかに記載の質量分析計。
【請求項151】
前記さらなる質量分析器は、(i)フーリエ変換(「FT」)質量分析器、(ii)フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴(「FTICR」)質量分析器、(iii)飛行時間(「TOF」)質量分析器、(iv)直交加速飛行時間(「oaTOF」)質量分析器、(v)軸方向加速飛行時間質量分析器、(vi)扇形磁場質量分析計、(vii)ポールまたは3D四重極質量分析器、(viii)2Dまたは直線四重極質量分析器、(ix)ペニングトラップ質量分析器、(x)イオントラップ質量分析器、(xi)フーリエ変換オービトラップ、(xii)静電イオンサイクロトロン共鳴質量分析計、(xiii)静電フーリエ変換質量分析計、および(xiv)四重極ロッドセット質量フィルタまたは質量分析器からなる群から選択される、請求項150に記載の質量分析計。
【請求項152】
前記質量分析計は、前記質量分析器のサイクル時間の間またはそれにわたって前記質量分析器の動作と同期して、前記さらなる分析器の質量電荷比移送ウィンドウを漸進的に増加するか、漸進的に低減するか、漸進的に変更するか、スキャンするか、直線的に増加するか、直線的に低減するか、段階的、漸進的もしくは他のやり方で増加するか、または段階的、漸進的もしくは他のやり方で低減するように構成または適合される手段をさらに含む、請求項150または151に記載の質量分析計。
【請求項153】
イオンを質量分析する方法であって、
複数の電極を含むイオンガイドを準備するステップと、
第1のACまたはRF電圧を前記複数の電極のうちの少なくともいくつかに印加して、複数の第1の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸が前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿って作成されるようにするステップと、
イオンを前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿って駆動または推進するステップと
第2のACまたはRF電圧を前記複数の電極のうちの1つ以上に印加して、1つ以上の第2の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸が前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿って作成されるようにするステップであって、前記第2の振幅は、前記第1の振幅と異なる、ステップとを含む方法。
【請求項154】
質量分析器であって、
開口を有する複数の電極を含むイオンガイドであって、使用時にイオンが前記開口を通って移送される、イオンガイドと、
イオンを前記イオンガイド内に半径方向に閉じ込めるために、第1のACまたはRF電圧を前記複数の電極のうちの1つ以上に印加するための手段と、
第2の異なるACまたはRF電圧を前記複数の電極のうちの1つ以上に印加して、使用時に、1つ以上の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸が前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿って作成されるようにする手段とを含む質量分析器。
【請求項155】
イオンを質量分析する方法であって、
開口を有する複数の電極を含むイオンガイドであって、イオンが前記開口を通って移送される、イオンガイドを準備するステップと、
イオンを前記イオンガイド内に半径方向に閉じ込めるために、第1のACまたはRF電圧を前記複数の電極のうちの1つ以上に印加するステップと、
第2の異なるACまたはRF電圧を前記複数の電極のうちの1つ以上に印加して、1つ以上の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸が前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿って作成されるようにするステップとを含む方法。
【請求項156】
質量分析器であって、
複数の電極を含むイオンガイドであって、前記複数の電極は、開口を有する電極を含み、使用時にイオンが前記開口を通って移送される、イオンガイドと、
第1のACまたはRF電圧を前記複数の電極のうちの少なくともいくつかに印加して、軸方向に隣り合うグループの電極に前記第1のACまたはRF電圧の互いに反対の位相が供給されるようにするための手段であって、使用時に、第1の振幅を有する複数の第1の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸が前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿って作成される、手段と、
1つ以上の軸方向に隣り合うグループの電極に印加される前記第1のACまたはRF電圧の極性を反転して、使用時に、第2の振幅を有する1つ以上の第2の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸が前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿って作成されるようにするための手段であって、前記第2の振幅は、前記第1の振幅と異なる、手段とを含む質量分析器。
【請求項157】
各電極グループは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または>10個の電極を含む、請求項156に記載の質量分析器。
【請求項158】
イオンを質量分析する方法であって、
複数の電極を含むイオンガイドであって、前記複数の電極は、開口を有する電極を含み、イオンが前記開口を通って移送される、イオンガイドを準備するステップと、
第1のACまたはRF電圧を前記複数の電極のうちの少なくともいくつかに印加して、軸方向に隣り合うグループの電極に前記第1のACまたはRF電圧の互いに反対の位相が供給されるようにするステップであって、第1の振幅を有する複数の第1の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸が前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿って作成される、ステップと、
1つ以上の軸方向に隣り合うグループの電極に印加される前記第1のACまたはRF電圧の極性を反転して、第2の振幅を有する1つ以上の第2の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸が前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿って作成されるようにするステップであって、前記第2の振幅は、前記第1の振幅と異なる、ステップとを含む方法。
【請求項159】
質量分析器であって、
複数の電極を含むイオンガイドであって、前記複数の電極は、開口を有する電極を含み、使用時にイオンが前記開口を通って移送される、イオンガイドと、
第1のACまたはRF電圧を前記複数の電極のうちの少なくともいくつかに印加して、軸方向に隣り合う電極または軸方向に隣り合うグループの電極に前記第1のACまたはRF電圧の互いに反対の位相が供給されるようにするための手段であって、使用時に、第1の振幅を有する複数の第1の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸が前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿って作成される、手段と、
イオンを前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿って駆動または推進するために1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたは1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャル波形を前記複数の電極に印加するための手段と、
1対の軸方向に隣り合う電極または1対の軸方向に隣り合うグループの電極に印加される前記第1のACまたはRF電圧の極性を反転して、使用時に、第2の振幅を有する1つ以上の第2の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸が前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿って作成されるようにするため手段であって、前記第2の振幅は、前記第1の振幅と異なる、手段と
前記1つ以上の第2の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸の振幅を漸進的に低減するために、前記第1のACまたはRF電圧の振幅を直線的に、段階的に、または他のやり方で漸進的に低減するための手段とを含む質量分析器。
【請求項160】
前記第1のACまたはRF電圧の振幅を漸進的に低減するための手段は、前記第1のACまたはRF電圧の振幅をx12ボルトだけ期間t12にわたり漸進的に低減するように構成される、請求項159に記載の質量分析器。
【請求項161】
前記x12は、(i)<50Vピークトゥピーク、(ii)50〜100Vピークトゥピーク、(iii)100〜150Vピークトゥピーク、(iv)150〜200Vピークトゥピーク、(v)200〜250Vピークトゥピーク、(vi)250〜300Vピークトゥピーク、(vii)300〜350Vピークトゥピーク、(viii)350〜400Vピークトゥピーク、(ix)400〜450Vピークトゥピーク、(x)450〜500Vピークトゥピーク、(xi)500〜550Vピークトゥピーク、(xxii)550〜600Vピークトゥピーク、(xxiii)600〜650Vピークトゥピーク、(xxiv)650〜700Vピークトゥピーク、(xxv)700〜750Vピークトゥピーク、(xxvi)750〜800Vピークトゥピーク、(xxvii)800〜850Vピークトゥピーク、(xxviii)850〜900Vピークトゥピーク、(xxix)900〜950Vピークトゥピーク、(xxx)950〜1000Vピークトゥピーク、および(xxxi)>1000Vピークトゥピークからなる群から選択される、請求項160に記載の質量分析器。
【請求項162】
前記t12は、(i)<1ms、(ii)1〜10ms、(iii)10〜20ms、(iv)20〜30ms、(v)30〜40ms、(vi)40〜50ms、(vii)50〜60ms、(viii)60〜70ms、(ix)70〜80ms、(x)80〜90ms、(xi)90〜100ms、(xii)100〜200ms、(xiii)200〜300ms、(xiv)300〜400ms、(xv)400〜500ms、(xvi)500〜600ms、(xvii)600〜700ms、(xviii)700〜800ms、(xix)800〜900ms、(Xx)900〜1000ms、(xxi)1〜2s、(xxii)2〜3s、(xxiii)3〜4s、(xxiv)4〜5s、および(xxv)>5sからなる群から選択される、請求項160または161に記載の質量分析器。
【請求項163】
イオンを質量分析する方法であって、
複数の電極を含むイオンガイドであって、前記複数の電極は、開口を有する電極を含み、イオンが前記開口を通って移送される、イオンガイドを準備するステップと、
第1のACまたはRF電圧を前記複数の電極のうちの少なくともいくつかに印加して、軸方向に隣り合う電極または軸方向に隣り合うグループの電極に前記第1のACまたはRF電圧の互いに反対の位相が供給されるようにするステップであって、第1の振幅を有する複数の第1の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸が前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿って作成される、ステップと、
イオンを前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿って駆動または推進するために1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたは1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャル波形を前記複数の電極に印加するステップと、
1対の軸方向に隣り合う電極または1対の軸方向に隣り合うグループの電極に印加される前記第1のACまたはRF電圧の極性を反転して、第2の振幅を有する1つ以上の第2の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸が前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿って作成されるようにするステップであって、前記第2の振幅は、前記第1の振幅と異なる、ステップと
前記1つ以上の第2の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸の振幅を漸進的に低減するために、前記第1のACまたはRF電圧の振幅を直線的に、段階的に、または他のやり方で漸進的に低減するステップとを含む方法。
【請求項164】
イオンガイドまたは質量分析器であって、
複数の電極と、
第1のACまたはRF電圧を前記複数の電極に印加して、少なくともいくつかの電極が、使用時に、前記第1のACまたはRF電圧の互いに反対の位相に維持されるようにするための手段と、
使用時に、前記イオンガイドまたは質量分析器の軸方向長さの少なくとも一部に沿って軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁を作成するために、1つ以上の電極の位相差または極性を変更、切り換え、変化またはスキャンするための手段とを含むイオンガイドまたは質量分析器。
【請求項165】
前記1つ以上の電極の位相差または極性を変更、切り換え、または変化するための手段は、前記位相差または極性をθ°だけ変更、切り換え、変化またはスキャンするように構成され、前記θは、(i)<10、(ii)10〜20、(iii)20〜30、(iv)30〜40、(v)40〜50、(vi)50〜60、(vii)60〜70、(viii)70〜80、(ix)80〜90、(x)90、(xi)90〜100、(xii)100〜110、(xiii)110〜120、(xiv)120〜130、(xv)130〜140、(xvi)140〜150、(xvii)150〜160、(xviii)160〜170、(xix)170〜180、および(xx)180からなる群から選択される、請求項164に記載のイオンガイドまたは質量分析器。
【請求項166】
イオンをガイドまたは質量分析する方法であって、
複数の電極を含むイオンガイドまたは質量分析器を準備するステップと、
第1のACまたはRF電圧を前記複数の電極に印加して、少なくともいくつかの電極が前記第1のACまたはRF電圧の互いに反対の位相に維持されるようにするステップと、
前記イオンガイドまたは質量分析器の軸方向長さの少なくとも一部に沿って軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁を作成するために、1つ以上の電極の位相差または極性を変更、切り換え、変化またはスキャンするステップとを含む方法。
【請求項167】
前記1つ以上の電極の位相差または極性を変更、切り換え、または変化するステップは、前記位相差または極性をθ°だけ変更、切り換え、変化またはスキャンするステップを含み、前記θは、(i)<10、(ii)10〜20、(iii)20〜30、(iv)30〜40、(v)40〜50、(vi)50〜60、(vii)60〜70、(viii)70〜80、(ix)80〜90、(x)90、(xi)90〜100、(xii)100〜110、(xiii)110〜120、(xiv)120〜130、(xv)130〜140、(xvi)140〜150、(xvii)150〜160、(xviii)160〜170、(xix)170〜180、および(xx)180からなる群から選択される、請求項166に記載の方法。
【請求項168】
イオンガイドまたは質量分析器であって、
複数の電極と、
n−位相ACまたはRF電圧を前記複数の電極に印加するための手段であって、前記n≧2である、手段と、
前記複数の電極の間の、そこでの、またはそれらの第1の位相関係または第1のアスペクト比を維持するための手段と、
使用時に、1つ以上の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸を前記イオンガイドまたは質量分析器の軸方向長さの少なくとも一部に沿って作成するために、前記複数の電極のサブセットの間の、そこでの、またはそれらの位相関係またはアスペクト比を変化させて、前記電極サブセットの間の、そこでの、またはそれらの第2の異なる位相関係または第2のアスペクト比が維持されるようにするための手段とを含むイオンガイドまたは質量分析器。
【請求項169】
前記nは、(i)2、(ii)3、(iii)4、(iv)5、(v)6、(vi)7、(vii)8、(viii)9、(ix)10、および(x)>10からなる群から選択される、請求項168に記載のイオンガイドまたは質量分析器。
【請求項170】
前記第1の位相関係または第1のアスペクト比は、第1の周期、パターン、シーケンスまたは値を有し、かつ前記第2の位相関係または第2のアスペクト比は、第2の異なる周期、パターン、シーケンスまたは値を有する、請求項168または169に記載のイオンガイドまたは質量分析器。
【請求項171】
イオンをガイドまたは質量分析する方法であって、
複数の電極を含むイオンガイドまたは質量分析器を準備するステップと、
n−位相ACまたはRF電圧を前記複数の電極に印加するステップであって、前記n≧2である、ステップと、
前記複数の電極の間の、そこでの、またはそれらの第1の位相関係または第1のアスペクト比を維持するステップと、
1つ以上の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸を前記イオンガイドまたは質量分析器の軸方向長さの少なくとも一部に沿って作成するために、前記複数の電極のサブセットの間の、そこでの、またはそれらの位相関係またはアスペクト比を変化させて、前記電極サブセットの間の、そこでの、またはそれらの第2の異なる位相関係または第2のアスペクト比が維持されるようにするステップとを含む方法。
【請求項172】
イオンガイドまたは質量分析器であって、
複数の電極と、
n−位相ACまたはRF電圧を前記複数の電極に印加するための手段であって、前記n≧2である、手段と、
使用時に、1つ以上の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸を前記イオンガイドまたは質量分析器の軸方向長さの少なくとも一部に沿って作成するために、前記複数の電極のうちの1つ以上の電極の位相またはアスペクト比をスキャンするための手段とを含むイオンガイドまたは質量分析器。
【請求項173】
イオンをガイドまたは質量分析する方法であって、
複数の電極を含むイオンガイドまたは質量分析器を準備するステップと、
n−位相ACまたはRF電圧を前記複数の電極に印加するステップであって、前記n≧2である、ステップと、
使用時に、1つ以上の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形形状もしくは井戸を前記イオンガイドまたは質量分析器の軸方向長さの少なくとも一部に沿って作成するために、前記複数の電極のうちの1つ以上の電極の位相またはアスペクト比をスキャンするステップとを含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図18D】
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【図18E】
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【公表番号】特表2009−535761(P2009−535761A)
【公表日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−507174(P2009−507174)
【出願日】平成19年4月30日(2007.4.30)
【国際出願番号】PCT/GB2007/001589
【国際公開番号】WO2007/125354
【国際公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(504142097)マイクロマス ユーケー リミテッド (57)
【Fターム(参考)】