説明

質量分析計

使用時にイオンが移送されるアパーチャを有する複数の電極を含む質量分析器(2)が提供される。複数の擬ポテンシャル波形が質量分析器(2)の軸に沿って生成される。擬ポテンシャル波形の振幅または深さは、イオンの質量電荷比に反比例する。イオンを質量分析器(2)の長さに沿って推進するために1つ以上の過渡DC電圧が質量分析器(2)の電極に印加される。電極に印加される過渡DC電圧の振幅は、時間とともに増加され、イオンは、質量電荷比の逆順に質量分析器(2)から射出される。2つのACまたはRF電圧が電極に印加される。第1のACまたはRF電圧は、最適な擬ポテンシャル波形を形成するように構成され、他方、第2のACまたはRF電圧は、質量分析器2内へのイオンの軸方向の最適な閉じ込めを実現するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、質量分析器およびイオンを質量分析する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
比較的高い圧力に維持され得る質量分析計のイオン化領域から比較的低い圧力に維持される質量分析器にイオンを移送することが必要である場合が多い。1つ以上の無線周波数(RF)イオンガイドを使用してイオンをイオン化領域から質量分析器へ輸送することが知られている。RFイオンガイドを約10-3〜1mbarの中間圧力で動作させることが知られている。
【0003】
また、不均一なACまたはRF電界の存在下で荷電粒子またはイオンにかかる時間平均力(time averaged force)は、電界がより弱い領域へ荷電粒子またはイオンを加速するようなものであることも知られている。電界における極小は、擬ポテンシャル谷または井戸と一般に称される。公知のRFイオンガイドは、擬ポテンシャル谷または井戸がRFイオンガイドの中心軸に沿って発生または生成されるように配置することによってこの現象を利用して、イオンがRFイオンガイド内にその中心から半径方向に閉じ込められるようにする。
【0004】
公知のRFイオンガイドは、イオンを効率よく閉じ込めかつ1つの領域から別の領域へ輸送する手段として使用される。公知のRFイオンガイドの中心軸に沿ったポテンシャルプロフィールは、実質的に一定であり、その結果、公知のRFイオンガイドは、すべてのイオンを最小の遅延で、かつ異なるイオン種を区別することなく輸送する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
改善された質量分析器を提供することが所望される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によると、
複数の電極を含むイオンガイドと、
第1の周波数および第1の振幅を有する第1のACまたはRF電圧を複数の電極のうちの少なくともいくつかに印加して、使用時に1つ以上の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形(corrugation)もしくは井戸がイオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿って生成されるようにするための手段と、
イオンを使用時にイオンガイド内に半径方向に閉じ込めるために、第2の周波数および第2の振幅を有する第2のACまたはRF電圧を複数の電極のうちの1つ以上に印加するための手段と、
イオンをイオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿っておよび/または通って駆動または推進して、一動作モードにおいて、第1の範囲内に質量電荷比を有するイオンがイオンガイドを出射し、他方、第2の異なる範囲内に質量電荷比を有するイオンが複数の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形もしくは井戸によってイオンガイド内に軸方向にトラップされるかまたは閉じ込められるようにする手段とを含む、質量分析器が提供される。
【0007】
質量分析器は、電界強度に伴うイオン移動度または変化率(rate)などの他の特性にしたがってではなく、イオンをその質量電荷比にしたがって分離するデバイスに関することが理解される。
【0008】
第1の周波数は第2の周波数と実質的に異なり得る。あるいは、第1の周波数は第2の周波数と実質的に同じであり得る。
【0009】
第1の周波数は、好ましくは、(i)<100kHz、(ii)100〜200kHz、(iii)200〜300kHz、(iv)300〜400kHz、(v)400〜500kHz、(vi)0.5〜1.0MHz、(vii)1.0〜1.5MHz、(viii)1.5〜2.0MHz、(ix)2.0〜2.5MHz、(x)2.5〜3.0MHz、(xi)3.0〜3.5MHz、(xii)3.5〜4.0MHz、(xiii)4.0〜4.5MHz、(xiv)4.5〜5.0MHz、(xv)5.0〜5.5MHz、(xvi)5.5〜6.0MHz、(xvii)6.0〜6.5MHz、(xviii)6.5〜7.0MHz、(xix)7.0〜7.5MHz、(xx)7.5〜8.0MHz、(xxi)8.0〜8.5MHz、(xxii)8.5〜9.0MHz、(xxiii)9.0〜9.5MHz、(xxiv)9.5〜10.0MHz、および(xxv)>10.0MHzからなる群から選択される。第2の周波数は、好ましくは、(i)<100kHz、(ii)100〜200kHz、(iii)200〜300kHz、(iv)300〜400kHz、(v)400〜500kHz、(vi)0.5〜1.0MHz、(vii)1.0〜1.5MHz、(viii)1.5〜2.0MHz、(ix)2.0〜2.5MHz、(x)2.5〜3.0MHz、(xi)3.0〜3.5MHz、(xii)3.5〜4.0MHz、(xiii)4.0〜4.5MHz、(xiv)4.5〜5.0MHz、(xv)5.0〜5.5MHz、(xvi)5.5〜6.0MHz、(xvii)6.0〜6.5MHz、(xviii)6.5〜7.0MHz、(xix)7.0〜7.5MHz、(xx)7.5〜8.0MHz、(xxi)8.0〜8.5MHz、(xxii)8.5〜9.0MHz、(xxiii)9.0〜9.5MHz、(xxiv)9.5〜10.0MHz、および(xxv)>10.0MHzからなる群から選択される。
【0010】
第1の振幅は第2の振幅と実質的に異なり得る。あるいは、第1の振幅は第2の振幅と実質的に同じであり得る。
【0011】
第1の振幅は、好ましくは、(i)<50Vピークトゥピーク、(ii)50〜100Vピークトゥピーク、(iii)100〜150Vピークトゥピーク、(iv)150〜200Vピークトゥピーク、(v)200〜250Vピークトゥピーク、(vi)250〜300Vピークトゥピーク、(vii)300〜350Vピークトゥピーク、(viii)350〜400Vピークトゥピーク、(ix)400〜450Vピークトゥピーク、(x)450〜500Vピークトゥピーク、および(xi)>500Vピークトゥピークからなる群から選択される。第2の振幅は、好ましくは、(i)<50Vピークトゥピーク、(ii)50〜100Vピークトゥピーク、(iii)100〜150Vピークトゥピーク、(iv)150〜200Vピークトゥピーク、(v)200〜250Vピークトゥピーク、(vi)250〜300Vピークトゥピーク、(vii)300〜350Vピークトゥピーク、(viii)350〜400Vピークトゥピーク、(ix)400〜450Vピークトゥピーク、(x)450〜500Vピークトゥピーク、および(xi)>500Vピークトゥピークからなる群から選択される。
【0012】
第1のACまたはRF電圧と第2のACまたはRF電圧との間の位相差は、好ましくは、(i)0〜10o、(ii)10〜20o、(iii)20〜30o、(iv)30〜40o、(v)40〜50o、(vi)50〜60o、(vii)60〜70o、(viii)70〜80o、(ix)80〜90o、(x)90〜100o、(xi)100〜110o、(xii)110〜120o、(xiii)120〜130o、(xiv)130〜140o、(xv)140〜150o、(xvi)150〜160o、(xvii)160〜170o、(xviii)170〜180o、(xix)180〜190o、(xx)190〜200o、(xxi)200〜210o、(xxii)210〜220o、(xxiii)220〜230o、(xxiv)230〜240o、(xxv)240〜250o、(xxvi)250〜260o、(xxvii)260〜270o、(xxviii)270〜280o、(xxix)280〜290o、(xxx)290〜300o、(xxxi)300〜310o、(xxxii)310〜320o、(xxxiii)320〜330o、(xxxiv)330〜340o、(xxxv)340〜350o、および(xxxvi)350〜360oからなる群から選択される。
【0013】
第1のACまたはRF電圧と第2のACまたはRF電圧との間の位相差は、(i)0o、(ii)90o、(iii)180o、および(iv)270oからなる群から選択され得る。
【0014】
イオンガイドは、好ましくは複数の第1のグループの電極を含み、各第1のグループの電極は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19もしくは20個の電極または複数の電極を含む。イオンガイドは、好ましくはm個の第1のグループの電極を含み、mは、(i)1〜10、(ii)11〜20、(iii)21〜30、(iv)31〜40、(v)41〜50、(vi)51〜60、(vii)61〜70、(viii)71〜80、(ix)81〜90、(x)91〜100、および(xi)>100からなる群から選択される。上記好ましい実施形態によると、1つ以上のまたは各第1のグループの電極における少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19もしくは20の電極または複数の電極には、第1のACまたはRF電圧の同じ位相が供給される。
【0015】
第1のグループの電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%の軸方向長さは、好ましくは、(i)<1mm、(ii)1〜2mm、(iii)2〜3mm、(iv)3〜4mm、(v)4〜5mm、(vi)5〜6mm、(vii)6〜7mm、(viii)7〜8mm、(ix)8〜9mm、(x)9〜10mm、(xi)10〜11mm、(xii)11〜12mm、(xiii)12〜13mm、(xiv)13〜14mm、(xv)14〜15mm、(xvi)15〜16mm、(xvii)16〜17mm、(xviii)17〜18mm、(xix)18〜19mm、(xx)19〜20mm、および(xxi)>20mmからなる群から選択される。
【0016】
第1のグループの電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%間の軸方向間隔は、好ましくは、(i)<1mm、(ii)1〜2mm、(iii)2〜3mm、(iv)3〜4mm、(v)4〜5mm、(vi)5〜6mm、(vii)6〜7mm、(viii)7〜8mm、(ix)8〜9mm、(x)9〜10mm、(xi)10〜11mm、(xii)11〜12mm、(xiii)12〜13mm、(xiv)13〜14mm、(xv)14〜15mm、(xvi)15〜16mm、(xvii)16〜17mm、(xviii)17〜18mm、(xix)18〜19mm、(xx)19〜20mm、および(xxi)>20mmからなる群から選択される。
【0017】
一実施形態によると、イオンガイドを形成する電極間の軸方向間隔と同じ周期を好ましくは有する軸方向擬ポテンシャル障壁、波形または井戸の規則的な周期アレイが好ましくは形成される。しかし、軸方向擬ポテンシャル障壁、波形または井戸が異なる周期を有し得るより好ましい実施形態も考えられ得る。
【0018】
1つ以上の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形もしくは井戸は、好ましくは、イオンガイドの軸方向長さに沿って極小を有し、極小は、好ましくは、第1のグループの電極の中間あるいは中心に対応する。
【0019】
1つ以上の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形もしくは井戸は、好ましくは、イオンガイドの軸方向長さに沿って極大を有し、極大は、好ましくは、第1のグループの電極間の軸方向距離または間隔の実質的に50%に対応する軸方向位置に位置する。
【0020】
1つ以上の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形もしくは井戸は、好ましくは、特定の質量電荷比を有するイオンに対して実質的に同じ高さ、深さまたは振幅である極小および/または極大を有する。極小および/または極大は、好ましくは、第1のグループの電極の軸方向配置または周期と実質的に同じ周期を有する。
【0021】
上記好ましい実施形態によると、イオンガイドは好ましくは複数の第2のグループの電極を含み、各第2のグループの電極は少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19もしくは20個の電極または複数の電極を含む。イオンガイドは、好ましくはn個の第2のグループの電極を含み、nは、(i)1〜10、(ii)11〜20、(iii)21〜30、(iv)31〜40、(v)41〜50、(vi)51〜60、(vii)61〜70、(viii)71〜80、(ix)81〜90、(x)91〜100、および(xi)>100からなる群から選択される。
【0022】
1つ以上のまたは各第2のグループの電極における少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19もしくは20個の電極または複数の電極には、好ましくは、第2のACまたはRF電圧の同じ位相が供給される。
【0023】
第2のグループの電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%の軸方向長さは、好ましくは、(i)<1mm、(ii)1〜2mm、(iii)2〜3mm、(iv)3〜4mm、(v)4〜5mm、(vi)5〜6mm、(vii)6〜7mm、(viii)7〜8mm、(ix)8〜9mm、(x)9〜10mm、(xi)10〜11mm、(xii)11〜12mm、(xiii)12〜13mm、(xiv)13〜14mm、(xv)14〜15mm、(xvi)15〜16mm、(xvii)16〜17mm、(xviii)17〜18mm、(xix)18〜19mm、(xx)19〜20mm、および(xxi)>20mmからなる群から選択される。
【0024】
第2のグループの電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%間の軸方向間隔は、好ましくは、(i)<1mm、(ii)1〜2mm、(iii)2〜3mm、(iv)3〜4mm、(v)4〜5mm、(vi)5〜6mm、(vii)6〜7mm、(viii)7〜8mm、(ix)8〜9mm、(x)9〜10mm、(xi)10〜11mm、(xii)11〜12mm、(xiii)12〜13mm、(xiv)13〜14mm、(xv)14〜15mm、(xvi)15〜16mm、(xvii)16〜17mm、(xviii)17〜18mm、(xix)18〜19mm、(xx)19〜20mm、および(xxi)>20mmからなる群から選択される。
【0025】
上記好ましい実施形態によると、軸方向に隣接する電極には、第2のACまたはRF電圧の互いに反対の位相が供給される。
【0026】
1つ以上の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形もしくは井戸は、好ましくは、イオンガイドの軸方向長さに沿って極小を有し、極小は、好ましくは、第2のグループの電極の中間あるいは中心に対応する。
【0027】
1つ以上の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形もしくは井戸は、好ましくは、イオンガイドの軸方向長さに沿って極大を有し、極大は、好ましくは、第2のグループの電極間の軸方向距離または間隔の実質的に50%に対応する軸方向位置に位置する。
【0028】
1つ以上の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形もしくは井戸は、好ましくは、特定の質量電荷比を有するイオンに対して実質的に同じ高さ、深さまたは振幅である極小および/または極大を有する。極小および/または極大は、好ましくは、第2のグループの電極の軸方向配置または周期と実質的に同じ周期を有する。
【0029】
上記好ましい実施形態によると、第1の範囲は、好ましくは、(i)<100、(ii)100〜200、(iii)200〜300、(iv)300〜400、(v)400〜500、(vi)500〜600、(vii)600〜700、(viii)700〜800、(ix)800〜900、(x)900〜1000、および(xi)>1000からなる群から選択される。第2の範囲は、好ましくは、(i)<100、(ii)100〜200、(iii)200〜300、(iv)300〜400、(v)400〜500、(vi)500〜600、(vii)600〜700、(viii)700〜800、(ix)800〜900、(x)900〜1000、および(xi)>1000からなる群から選択される。
【0030】
第1のACまたはRF電圧を複数の電極の少なくともいくつかに印加する手段は、好ましくは、1つ以上の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形もしくは井戸がイオンガイドの軸方向長さの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%に沿って生成されるように構成および適合される。
【0031】
1つ以上の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形もしくは井戸は、好ましくは、イオンガイドの中心長手方向軸の少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%に沿って生成または提供される。
【0032】
1つ以上の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形もしくは井戸は、好ましくは、イオンガイドの中心長手方向軸から半径方向に少なくともr mmだけ離れるように伸び、rは、(i)<1、(ii)1〜2、(iii)2〜3、(iv)3〜4、(v)4〜5、(vi)5〜6、(vii)6〜7、(viii)7〜8、(ix)8〜9、(x)9〜10、および(xi)>10からなる群から選択される。
【0033】
質量電荷比が1〜100、100〜200、200〜300、300〜400、400〜500、500〜600、600〜700、700〜800、800〜900または900〜1000の範囲にあるイオンに対して、軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形もしくは井戸のうちの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%の振幅、高さまたは深さは、好ましくは、(i)<0.1V、(ii)0.1〜0.2V、(iii)0.2〜0.3V、(iv)0.3〜0.4V、(v)0.4〜0.5V、(vi)0.5〜0.6V、(vii)0.6〜0.7V、(viii)0.7〜0.8V、(ix)0.8〜0.9V、(x)0.9〜1.0V、(xi)1.0〜1.5V、(xii)1.5〜2.0V、(xiii)2.0〜2.5V、(xiv)2.5〜3.0V、(xv)3.0〜3.5V、(xvi)3.5〜4.0V、(xvii)4.0〜4.5V、(xviii)4.5〜5.0V、(xix)5.0〜5.5V、(xx)5.5〜6.0V、(xxi)6.0〜6.5V、(xxii)6.5〜7.0V、(xxiii)7.0〜7.5V、(xxiv)7.5〜8.0V、(xxv)8.0〜8.5V、(xxvi)8.5〜9.0V、(xxvii)9.0〜9.5V、(xxviii)9.5〜10.0V、および(xxix)>10.0Vからなる群から選択される。
【0034】
使用時に、イオンガイドの軸方向長さに沿って、1cm当たり少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形もしくは井戸が好ましくは提供または生成される。
【0035】
上記好適な実施形態によると、複数の電極は、使用時にイオンが移送されるアパーチャを有する複数の電極を含む。電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%は、実質的に円形、長方形、正方形または楕円形のアパーチャを有するのが好ましい。電極の少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%は、実質的に同じサイズまたは実質的に同じ面積を有するアパーチャを有するのが好ましい。別の実施形態によると、電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%は、イオンガイドの軸に沿う方向にサイズまたは面積が漸進的により大きくおよび/またはより小さくなるアパーチャを有する。
【0036】
一実施形態によると、電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%は、(i)≦1.0mm、(ii)≦2.0mm、(iii)≦3.0mm、(iv)≦4.0mm、(v)≦5.0mm、(vi)≦6.0mm、(vii)≦7.0mm、(viii)≦8.0mm、(ix)≦9.0mm、(x)≦10.0mm、および(xi)>10.0mmからなる群から選択される内径または内寸法を有するアパーチャを有する。電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%は、(i)5mm以下、(ii)4.5mm以下、(iii)4mm以下、(iv)3.5mm以下、(v)3mm以下、(vi)2.5mm以下、(vii)2mm以下、(viii)1.5mm以下、(ix)1mm以下、(x)0.8mm以下、(xi)0.6mm以下、(xii)0.4mm以下、(xiii)0.2mm以下、(xiv)0.1mm以下、および(xv)0.25mm以下からなる群から選択される軸方向距離だけ互いに離間されるのが好ましい。
【0037】
上記好ましい実施形態によると、複数の電極のうちの少なくともいくつかは、アパーチャを含み、アパーチャの内径または内寸法と隣接する電極間の中心間軸方向間隔との比は、(i)<1.0、(ii)1.0〜1.2、(iii)1.2〜1.4、(iv)1.4〜1.6、(v)1.6〜1.8、(vi)1.8〜2.0、(vii)2.0〜2.2、(viii)2.2〜2.4、(ix)2.4〜2.6、(x)2.6〜2.8、(xi)2.8〜3.0、(xii)3.0〜3.2、(xiii)3.2〜3.4、(xiv)3.4〜3.6、(xv)3.6〜3.8、(xvi)3.8〜4.0、(xvii)4.0〜4.2、(xviii)4.2〜4.4、(xix)4.4〜4.6、(xx)4.6〜4.8、(xxi)4.8〜5.0、および(xxii)>5.0からなる群から選択される。
【0038】
電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%は、好ましくは、(i)5mm以下、(ii)4.5mm以下、(iii)4mm以下、(iv)3.5mm以下、(v)3mm以下、(vi)2.5mm以下、(vii)2mm以下、(viii)1.5mm以下、(ix)1mm以下、(x)0.8mm以下、(xi)0.6mm以下、(xii)0.4mm以下、(xiii)0.2mm以下、(xiv)0.1mm以下、および(xv)0.25mm以下からなる群から選択される厚さまたは軸方向長さを有する。
【0039】
別の実施形態によると、イオンガイドは、セグメント化ロッドセットイオンガイドを含み得る。イオンガイドは、例えば、セグメント化四重極、六重極もしくは八重極イオンガイドまたは8個よりも多くのセグメント化ロッドセットを含むイオンガイドを含み得る。イオンガイドは、(i)およそまたは実質的に円形である断面、(ii)およそまたは実質的に双曲である曲面、(iii)円弧形または一部円形である断面、(iv)およそまたは実質的に長方形である断面、および(v)およそまたは実質的に正方形である断面からなる群から選択される断面を有する複数の電極を含み得る。
【0040】
別の実施形態によると、イオンガイドは、複数のグループの電極を含み得、上記グループの電極がイオンガイドの軸方向長さに沿って軸方向に間隔をあけて配置され、各グループの電極は複数のプレート電極を含む。各グループの電極は、好ましくは第1のプレート電極および第2のプレート電極を含み、第1および第2のプレート電極は、実質的に同じ平面に配置され、かつイオンガイドの中心長手方向軸のいずれかの側に配置される。
【0041】
この実施形態によると、イオンをイオンガイド内に第1の半径方向に閉じ込めるためにDC電圧またはポテンシャルを第1および第2のプレート電極に印加するための手段が好ましくはさらに設けられる。
【0042】
各グループの電極は、好ましくは、第3のプレート電極および第4のプレート電極をさらに含み、第3および第4のプレート電極は、好ましくは、第1および第2のプレート電極と実質的に同じ平面に配置され、かつ第1および第2のプレート電極に対して異なる向きにイオンガイドの中心長手方向軸のいずれかの側に配置される。
【0043】
第2のACまたはRF電圧を印加するための手段は、好ましくは、イオンをイオンガイド内に、第1の半径方向に好ましくは直交する第2の半径方向に閉じ込めるために第2のACまたはRF電圧を第3および第4のプレート電極に印加するように構成される。
【0044】
第1のACまたはRF電圧を印加する手段は、好ましくは、第1のACまたはRF電圧を複数の電極のうちの少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%に印加するように構成される。
【0045】
第2のACまたはRF電圧を印加する手段は、好ましくは、第2のACまたはRF電圧を複数の電極のうちの少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%に印加するように構成される。
【0046】
イオンガイドは、好ましくは、(i)<20mm、(ii)20〜40mm、(iii)40〜60mm、(iv)60〜80mm、(v)80〜100mm、(vi)100〜120mm、(vii)120〜140mm、(viii)140〜160mm、(ix)160〜180mm、(x)180〜200mm、および(xi)>200mmからなる群から選択される長さを有する。
【0047】
上記好ましい実施形態によると、イオンガイドは、少なくとも(i)10〜20個の電極、(ii)20〜30個の電極、(iii)30〜40個の電極、(iv)40〜50個の電極、(v)50〜60個の電極、(vi)60〜70個の電極、(vii)70〜80個の電極、(viii)80〜90個の電極、(ix)90〜100個の電極、(x)100〜110個の電極、(xi)110〜120個の電極、(xii)120〜130個の電極、(xiii)130〜140個の電極、(xiv)140〜150個の電極、または(xv)>150個の電極を含む。
【0048】
一実施形態によると、イオンを駆動または推進する手段は、イオンガイドの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%に沿って線形軸方向DC電界を生成するための手段を含む。
【0049】
一実施形態によると、イオンを駆動または推進する手段は、イオンガイドの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%に沿って非線形または階段状の軸方向DC電界を生成するための手段を含む。
【0050】
質量分析器は、好ましくは、軸方向DC電界を漸進的に増加させる、漸進的に低減させる、漸進的に変化させる、走査する、直線的に増加させる、直線的に低減させる、段階的、漸進的にもしくは他のやり方で増加させる、または段階的、漸進的にもしくは他のやり方で低減させるように構成および適合される手段をさらに含む。
【0051】
一実施形態によると、イオンを駆動または推進するための手段は、好ましくは、多相ACまたはRF電圧を電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%に印加するための手段を含む。
【0052】
一実施形態によると、イオンを駆動または推進する手段は、使用時にガスフローまたは差圧効果によってイオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿ってかつ/または通ってイオンを駆動または推進するように構成されるガスフロー手段を含む。
【0053】
上記好ましい実施形態によると、イオンを駆動または推進するための手段は、1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたは1つ以上のDC電圧もしくはポテンシャル波形を電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%に印加するための手段を含む。1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたは1つ以上のDC電圧もしくはポテンシャル波形は、好ましくは、1つ以上のポテンシャル山、障壁または井戸を生成する。1つ以上の過渡DC電圧またはポテンシャル波形は、好ましくは反復波形または方形波を含む。
【0054】
複数の軸方向DCポテンシャル山、障壁または井戸が、好ましくはイオンガイドの長さに沿って平行移動されるか、または好ましくは複数の過渡DCポテンシャルまたは電圧がイオンガイドの軸方向長さに沿って電極に漸進的に印加される。
【0055】
質量分析器は、好ましくは、1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたは1つ以上のDC電圧もしくはポテンシャル波形の振幅、高さまたは深さを漸進的に増加させる、漸進的に低減させる、漸進的に変化させる、走査する、直線的に増加させる、直線的に低減させる、段階的、漸進的にもしくは他のやり方で増加させる、または段階的、漸進的にもしくは他のやり方で低減させるように構成および適合される第1の手段をさらに含む。
【0056】
第1の手段は、好ましくは、1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたは1つ以上のDC電圧もしくはポテンシャル波形の振幅、高さまたは深さを期間t1にわたってx1ボルトだけ漸進的に増加させる、漸進的に低減させる、漸進的に変化させる、走査する、直線的に増加させる、直線的に低減させる、段階的、漸進的にもしくは他のやり方で増加させる、または段階的、漸進的にもしくは他のやり方で低減させるように構成および適合される。x1は、(i)<0.1V、(ii)0.1〜0.2V、(iii)0.2〜0.3V、(iv)0.3〜0.4V、(v)0.4〜0.5V、(vi)0.5〜0.6V、(vii)0.6〜0.7V、(viii)0.7〜0.8V、(ix)0.8〜0.9V、(x)0.9〜1.0V、(xi)1.0〜1.5V、(xii)1.5〜2.0V、(xiii)2.0〜2.5V、(xiv)2.5〜3.0V、(xv)3.0〜3.5V、(xvi)3.5〜4.0V、(xvii)4.0〜4.5V、(xviii)4.5〜5.0V、(xix)5.0〜5.5V、(xx)5.5〜6.0V、(xxi)6.0〜6.5V、(xxii)6.5〜7.0V、(xxiii)7.0〜7.5V、(xxiv)7.5〜8.0V、(xxv)8.0〜8.5V、(xxvi)8.5〜9.0V、(xxvii)9.0〜9.5V、(xxviii)9.5〜10.0V、および(xxix)>10.0Vからなる群から選択されるのが好ましい。t1は、(i)<1ms、(ii)1〜10ms、(iii)10〜20ms、(iv)20〜30ms、(v)30〜40ms、(vi)40〜50ms、(vii)50〜60ms、(viii)60〜70ms、(ix)70〜80ms、(x)80〜90ms、(xi)90〜100ms、(xii)100〜200ms、(xiii)200〜300ms、(xiv)300〜400ms、(xv)400〜500ms、(xvi)500〜600ms、(xvii)600〜700ms、(xviii)700〜800ms、(xix)800〜900ms、(xx)900〜1000ms、(xxi)1〜2s、(xxii)2〜3s、(xxiii)3〜4s、(xxiv)4〜5s、および(xxv)>5sからなる群から選択されるのが好ましい。
【0057】
質量分析器は、好ましくは、1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたは1つ以上のDCポテンシャルもしくは電圧波形が電極に印加される速度または率(rate)を漸進的に増加させる、漸進的に低減させる、漸進的に変化させる、走査する、直線的に増加させる、直線的に低減させる、段階的、漸進的にもしくは他のやり方で増加させる、または段階的、漸進的にもしくは他のやり方で低減させるように構成および適合される第2の手段をさらに含む。
【0058】
第2の手段は、好ましくは、1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたは1つ以上のDC電圧もしくはポテンシャル波形が電極に印加される速度または率を期間t2にわたってx2m/sだけ漸進的に増加させる、漸進的に低減させる、漸進的に変化させる、走査する、直線的に増加させる、直線的に低減させる、段階的、漸進的にもしくは他のやり方で増加させる、または段階的、漸進的にもしくは他のやり方で低減させるように構成および適合される。x2は、(i)<1、(ii)1〜2、(iii)2〜3、(iv)3〜4、(v)4〜5、(vi)5〜6、(vii)6〜7、(viii)7〜8、(ix)8〜9、(x)9〜10、(xi)10〜11、(xii)11〜12、(xiii)12〜13、(xiv)13〜14、(xv)14〜15、(xvi)15〜16、(xvii)16〜17、(xviii)17〜18、(xix)18〜19、(xx)19〜20、(xxi)20〜30、(xxii)30〜40、(xxiii)40〜50、(xxiv)50〜60、(xxv)60〜70、(xxvi)70〜80、(xxvii)80〜90、(xxviii)90〜100、(xxix)100〜150、(xxx)150〜200、(xxxi)200〜250、(xxxii)250〜300、(xxxiii)300〜350、(xxxiv)350〜400、(xxxv)400〜450、(xxxvi)450〜500、および(xxxvii)>500からなる群から選択されるのが好ましい。t2は、(i)<1ms、(ii)1〜10ms、(iii)10〜20ms、(iv)20〜30ms、(v)30〜40ms、(vi)40〜50ms、(vii)50〜60ms、(viii)60〜70ms、(ix)70〜80ms、(x)80〜90ms、(xi)90〜100ms、(xii)100〜200ms、(xiii)200〜300ms、(xiv)300〜400ms、(xv)400〜500ms、(xvi)500〜600ms、(xvii)600〜700ms、(xviii)700〜800ms、(xix)800〜900ms、(xx)900〜1000ms、(xxi)1〜2s、(xxii)2〜3s、(xxiii)3〜4s、(xxiv)4〜5s、および(xxv)>5sからなる群から選択されるのが好ましい。
【0059】
質量分析器は、好ましくは、電極に印加される第1のACまたはRF電圧の振幅を漸進的に増加させる、漸進的に低減させる、漸進的に変化させる、走査する、直線的に増加させる、直線的に低減させる、段階的、漸進的にもしくは他のやり方で増加させる、または段階的、漸進的にもしくは他のやり方で低減させるように構成および適合される第3の手段を含む。
【0060】
第3の手段は、好ましくは、第1のACまたはRF電圧の振幅を期間t3にわたってx3ボルトだけ漸進的に増加させる、漸進的に低減させる、漸進的に変化させる、走査する、直線的に増加させる、直線的に低減させる、段階的、漸進的にもしくは他のやり方で増加させる、または段階的、漸進的にもしくは他のやり方で低減させるように構成および適合される。x3は、(i)<50Vピークトゥピーク、(ii)50〜100Vピークトゥピーク、(iii)100〜150Vピークトゥピーク、(iv)150〜200Vピークトゥピーク、(v)200〜250Vピークトゥピーク、(vi)250〜300Vピークトゥピーク、(vii)300〜350Vピークトゥピーク、(viii)350〜400Vピークトゥピーク、(ix)400〜450Vピークトゥピーク、(x)450〜500Vピークトゥピーク、および(xi)>500Vピークトゥピークからなる群から選択されるのが好ましい。t3は、(i)<1ms、(ii)1〜10ms、(iii)10〜20ms、(iv)20〜30ms、(v)30〜40ms、(vi)40〜50ms、(vii)50〜60ms、(viii)60〜70ms、(ix)70〜80ms、(x)80〜90ms、(xi)90〜100ms、(xii)100〜200ms、(xiii)200〜300ms、(xiv)300〜400ms、(xv)400〜500ms、(xvi)500〜600ms、(xvii)600〜700ms、(xviii)700〜800ms、(xix)800〜900ms、(xx)900〜1000ms、(xxi)1〜2s、(xxii)2〜3s、(xxiii)3〜4s、(xxiv)4〜5s、および(xxv)>5sからなる群から選択されるのが好ましい。
【0061】
質量分析器は、好ましくは、電極に印加される第1のRFまたはAC電圧の周波数を漸進的に増加させる、漸進的に低減させる、漸進的に変化させる、走査する、直線的に増加させる、直線的に低減させる、段階的、漸進的にもしくは他のやり方で増加させる、または段階的、漸進的にもしくは他のやり方で低減させるように構成および適合される第4の手段を含む。
【0062】
第4の手段は、好ましくは、電極に印加される第1のRFまたはAC電圧の周波数を期間t4にわたってx4MHzだけ漸進的に増加させる、漸進的に低減させる、漸進的に変化させる、走査する、直線的に増加させる、直線的に低減させる、段階的、漸進的にもしくは他のやり方で増加させる、または段階的、漸進的にもしくは他のやり方で低減させるように構成および適合される。x4は、(i)<100kHz、(ii)100〜200kHz、(iii)200〜300kHz、(iv)300〜400kHz、(v)400〜500kHz、(vi)0.5〜1.0MHz、(vii)1.0〜1.5MHz、(viii)1.5〜2.0MHz、(ix)2.0〜2.5MHz、(x)2.5〜3.0MHz、(xi)3.0〜3.5MHz、(xii)3.5〜4.0MHz、(xiii)4.0〜4.5MHz、(xiv)4.5〜5.0MHz、(xv)5.0〜5.5MHz、(xvi)5.5〜6.0MHz、(xvii)6.0〜6.5MHz、(xviii)6.5〜7.0MHz、(xix)7.0〜7.5MHz、(xx)7.5〜8.0MHz、(xxi)8.0〜8.5MHz、(xxii)8.5〜9.0MHz、(xxiii)9.0〜9.5MHz、(xxiv)9.5〜10.0MHz、および(xxv)>10.0MHzからなる群から選択されるのが好ましい。t4は、(i)<1ms、(ii)1〜10ms、(iii)10〜20ms、(iv)20〜30ms、(v)30〜40ms、(vi)40〜50ms、(vii)50〜60ms、(viii)60〜70ms、(ix)70〜80ms、(x)80〜90ms、(xi)90〜100ms、(xii)100〜200ms、(xiii)200〜300ms、(xiv)300〜400ms、(xv)400〜500ms、(xvi)500〜600ms、(xvii)600〜700ms、(xviii)700〜800ms、(xix)800〜900ms、(xx)900〜1000ms、(xxi)1〜2s、(xxii)2〜3s、(xxiii)3〜4s、(xxiv)4〜5s、および(xxv)>5sからなる群から選択されるのが好ましい。
【0063】
質量分析器は、好ましくは、電極に印加される第2のACまたはRF電圧の振幅を漸進的に増加させる、漸進的に低減させる、漸進的に変化させる、走査する、直線的に増加させる、直線的に低減させる、段階的、漸進的にもしくは他のやり方で増加させる、または段階的、漸進的にもしくは他のやり方で低減させるように構成および適合される第5の手段を含む。
【0064】
第5の手段は、好ましくは、第2のACまたはRF電圧の振幅を期間t5にわたってx5ボルトだけ漸進的に増加させる、漸進的に低減させる、漸進的に変化させる、走査する、直線的に増加させる、直線的に低減させる、段階的、漸進的にもしくは他のやり方で増加させる、または段階的、漸進的にもしくは他のやり方で低減させるように構成および適合される。x5は、(i)<50Vピークトゥピーク、(ii)50〜100Vピークトゥピーク、(iii)100〜150Vピークトゥピーク、(iv)150〜200Vピークトゥピーク、(v)200〜250Vピークトゥピーク、(vi)250〜300Vピークトゥピーク、(vii)300〜350Vピークトゥピーク、(viii)350〜400Vピークトゥピーク、(ix)400〜450Vピークトゥピーク、(x)450〜500Vピークトゥピーク、および(xi)>500Vピークトゥピークからなる群から選択されるのが好ましい。t5は、(i)<1ms、(ii)1〜10ms、(iii)10〜20ms、(iv)20〜30ms、(v)30〜40ms、(vi)40〜50ms、(vii)50〜60ms、(viii)60〜70ms、(ix)70〜80ms、(x)80〜90ms、(xi)90〜100ms、(xii)100〜200ms、(xiii)200〜300ms、(xiv)300〜400ms、(xv)400〜500ms、(xvi)500〜600ms、(xvii)600〜700ms、(xviii)700〜800ms、(xix)800〜900ms、(xx)900〜1000ms、(xxi)1〜2s、(xxii)2〜3s、(xxiii)3〜4s、(xxiv)4〜5s、および(xxv)>5sからなる群から選択されるのが好ましい。
【0065】
質量分析器は、好ましくは、電極に印加される第2のRFまたはAC電圧の周波数を漸進的に増加させる、漸進的に低減させる、漸進的に変化させる、走査する、直線的に増加させる、直線的に低減させる、段階的、漸進的にもしくは他のやり方で増加させる、または段階的、漸進的にもしくは他のやり方で低減させるように構成および適合される第6の手段をさらに含む。
【0066】
第6の手段は、好ましくは、電極に印加される第2のRFまたはAC電圧の周波数を期間t6にわたってx6MHzだけ漸進的に増加させる、漸進的に低減させる、漸進的に変化させる、走査する、直線的に増加させる、直線的に低減させる、段階的、漸進的にもしくは他のやり方で増加させる、または段階的、漸進的にもしくは他のやり方で低減させるように構成および適合される。x6は、(i)<100kHz、(ii)100〜200kHz、(iii)200〜300kHz、(iv)300〜400kHz、(v)400〜500kHz、(vi)0.5〜1.0MHz、(vii)1.0〜1.5MHz、(viii)1.5〜2.0MHz、(ix)2.0〜2.5MHz、(x)2.5〜3.0MHz、(xi)3.0〜3.5MHz、(xii)3.5〜4.0MHz、(xiii)4.0〜4.5MHz、(xiv)4.5〜5.0MHz、(xv)5.0〜5.5MHz、(xvi)5.5〜6.0MHz、(xvii)6.0〜6.5MHz、(xviii)6.5〜7.0MHz、(xix)7.0〜7.5MHz、(xx)7.5〜8.0MHz、(xxi)8.0〜8.5MHz、(xxii)8.5〜9.0MHz、(xxiii)9.0〜9.5MHz、(xxiv)9.5〜10.0MHz、および(xxv)>10.0MHzからなる群から選択されるのが好ましい。t6は、(i)<1ms、(ii)1〜10ms、(iii)10〜20ms、(iv)20〜30ms、(v)30〜40ms、(vi)40〜50ms、(vii)50〜60ms、(viii)60〜70ms、(ix)70〜80ms、(x)80〜90ms、(xi)90〜100ms、(xii)100〜200ms、(xiii)200〜300ms、(xiv)300〜400ms、(xv)400〜500ms、(xvi)500〜600ms、(xvii)600〜700ms、(xviii)700〜800ms、(xix)800〜900ms、(xx)900〜1000ms、(xxi)1〜2s、(xxii)2〜3s、(xxiii)3〜4s、(xxiv)4〜5s、および(xxv)>5sからなる群から選択されるのが好ましい。
【0067】
一実施形態によると、質量分析器は、イオンガイドの電極のうちの少なくともいくつかに印加されるDC電圧またはポテンシャルの振幅を漸進的に増加させる、漸進的に低減させる、漸進的に変化させる、走査する、直線的に増加させる、直線的に低減させる、段階的、漸進的にもしくは他のやり方で増加させる、または段階的、漸進的にもしくは他のやり方で低減させるように構成および適合され、かつイオンをイオンガイド内に半径方向に閉じ込めるように作用する第7の手段をさらに含み得る。
【0068】
第7の手段は、好ましくは、少なくともいくつかの電極に印加されるDC電圧またはポテンシャルの振幅を期間t7にわたってx7ボルトだけ漸進的に増加させる、漸進的に低減させる、漸進的に変化させる、走査する、直線的に増加させる、直線的に低減させる、段階的、漸進的にもしくは他のやり方で増加させる、または段階的、漸進的にもしくは他のやり方で低減させるように構成および適合される。x7は、(i)<0.1V、(ii)0.1〜0.2V、(iii)0.2〜0.3V、(iv)0.3〜0.4V、(v)0.4〜0.5V、(vi)0.5〜0.6V、(vii)0.6〜0.7V、(viii)0.7〜0.8V、(ix)0.8〜0.9V、(x)0.9〜1.0V、(xi)1.0〜1.5V、(xii)1.5〜2.0V、(xiii)2.0〜2.5V、(xiv)2.5〜3.0V、(xv)3.0〜3.5V、(xvi)3.5〜4.0V、(xvii)4.0〜4.5V、(xviii)4.5〜5.0V、(xix)5.0〜5.5V、(xx)5.5〜6.0V、(xxi)6.0〜6.5V、(xxii)6.5〜7.0V、(xxiii)7.0〜7.5V、(xxiv)7.5〜8.0V、(xxv)8.0〜8.5V、(xxvi)8.5〜9.0V、(xxvii)9.0〜9.5V、(xxviii)9.5〜10.0V、および(xxix)>10.0Vからなる群から選択されるのが好ましい。t7は、(i)<1ms、(ii)1〜10ms、(iii)10〜20ms、(iv)20〜30ms、(v)30〜40ms、(vi)40〜50ms、(vii)50〜60ms、(viii)60〜70ms、(ix)70〜80ms、(x)80〜90ms、(xi)90〜100ms、(xii)100〜200ms、(xiii)200〜300ms、(xiv)300〜400ms、(xv)400〜500ms、(xvi)500〜600ms、(xvii)600〜700ms、(xviii)700〜800ms、(xix)800〜900ms、(xx)900〜1000ms、(xxi)1〜2s、(xxii)2〜3s、(xxiii)3〜4s、(xxiv)4〜5s、および(xxv)>5sからなる群から選択されるのが好ましい。
【0069】
一実施形態によると、質量分析器は、電極に印加される第1のRFまたはAC電圧の振幅を電極に印加される第2のRFまたはAC電圧の振幅と並行して漸進的に増加させる、漸進的に低減させる、漸進的に変化させる、走査する、直線的に増加させる、直線的に低減させる、段階的、漸進的にもしくは他のやり方で増加させる、または段階的、漸進的にもしくは他のやり方で低減させるように構成および適合される手段をさらに含み得る。
【0070】
質量分析器は、電極に印加される第1のRFまたはAC電圧の周波数を電極に印加される第2のRFまたはAC電圧の周波数と並行して漸進的に増加させる、漸進的に低減させる、漸進的に変化させる、走査する、直線的に増加させる、直線的に低減させる、段階的、漸進的にもしくは他のやり方で増加させる、または段階的、漸進的にもしくは他のやり方で低減させるように構成および適合される手段をさらに含み得る。
【0071】
質量分析器は、電極に印加される第1のRFまたはAC電圧と電極に印加される第2のRFまたはAC電圧との間の位相差を漸進的に増加させる、漸進的に低減させる、漸進的に変化させる、走査する、直線的に増加させる、直線的に低減させる、段階的、漸進的にもしくは他のやり方で増加させる、または段階的、漸進的にもしくは他のやり方で低減させるように構成および適合される手段をさらに含み得る。
【0072】
一実施形態によると、質量分析器は、一動作モードにおいて、イオンガイドを(i)<1.0×10-1mbar、(ii)<1.0×10-2mbar、(iii)<1.0×10-3mbar、および(iv)<1.0×10-4mbarからなる群から選択される圧力に維持するための手段をさらに含む。一実施形態によると、質量分析器は、一動作モードにおいて、イオンガイドを(i)>1.0×10-3mbar、(ii)>1.0×10-2mbar、(iii)>1.0×10-1mbar、(iv)>1mbar、(v)>10mbar、(vi)>100mbar、(vii)>5.0×10-3mbar、(viii)>5.0×10-2mbar、(ix)10-4〜10-3mbar、(x)10-3〜10-2mbar、および(xi)10-2〜10-1mbarからなる群から選択される圧力に維持するための手段をさらに含む。
【0073】
一実施形態によると、質量分析器は、イオンガイドを通るガスフローを漸進的に増加させる、漸進的に低減させる、漸進的に変化させる、走査する、直線的に増加させる、直線的に低減させる、段階的、漸進的にもしくは他のやり方で増加させる、または段階的、漸進的にもしくは他のやり方で低減させるように構成および適合される手段をさらに含む。
【0074】
比較的高い質量電荷比を有するイオンが比較的低い質量電荷比を有するイオンより先に質量分析器を出射するよう、一動作モードにおいて、イオンは実質的に質量電荷比の逆順で質量分析器から出射するように配置される。
【0075】
一動作モードにおいて、イオンはイオンガイド内にトラップされるが、実質的にフラグメンテーションされないように好ましくは配置される。
【0076】
一実施形態によると、質量分析器は、イオンガイド内でイオンを衝突により冷却するか、または実質的に熱化するための手段をさらに含む。
【0077】
一実施形態によると、質量分析器は、一動作モードにおいて、イオンガイド内でイオンを実質的にフラグメンテーションする手段をさらに含む。
【0078】
質量分析器は、好ましくは、イオンガイドの入口および/または出口に配置される1つ以上の電極をさらに含み、一動作モードにおいて、イオンがパルス化されてイオンガイドへ入力および/またはそこから出力される。
【0079】
質量分析器は、好ましくは、(i)<1ms、(ii)1〜10ms、(iii)10〜20ms、(iv)20〜30ms、(v)30〜40ms、(vi)40〜50ms、(vii)50〜60ms、(viii)60〜70ms、(ix)70〜80ms、(x)80〜90ms、(xi)90〜100ms、(xii)100〜200ms、(xiii)200〜300ms、(xiv)300〜400ms、(xv)400〜500ms、(xvi)500〜600ms、(xvii)600〜700ms、(xviii)700〜800ms、(xix)800〜900ms、(xx)900〜1000ms、(xxi)1〜2s、(xxii)2〜3s、(xxiii)3〜4s、(xxiv)4〜5s、および(xxv)>5sからなる群から選択されるサイクル時間を有する。
【0080】
本発明の別の態様によると、上述の質量分析器を含む質量分析計が提供される。
【0081】
質量分析計は、好ましくは、(i)エレクトロスプレーイオン化(「ESI」)イオン源、(ii)大気圧光イオン化(「APPI」)イオン源、(iii)大気圧化学イオン化(「APCI」)イオン源、(iv)マトリックス支援レーザ脱離イオン化(「MALDI」)イオン源、(v)レーザ脱離イオン化(「LDI」)イオン源、(vi)大気圧イオン化(「API」)イオン源、(vii)シリコンを用いた脱離イオン化(「DIOS」)イオン源、(viii)電子衝突(「EI」)イオン源、(ix)化学イオン化(「CI」)イオン源、(x)電界イオン化(「FI」)イオン源、(xi)電界脱離(「FD」)イオン源、(xii)誘導結合プラズマ(「ICP」)イオン源、(xiii)高速原子衝撃(「FAB」)イオン源、(xiv)液体二次イオン質量分析(「LSIMS」)イオン源、(xv)脱離エレクトロスプレーイオン化(「DESI」)イオン源、(xvi)ニッケル−63放射性イオン源、および(xvii)サーモスプレーイオン源からなる群から選択されるイオン源をさらに含む。
【0082】
イオン源は、連続またはパルス化イオン源を含み得る。
【0083】
質量分析計は、質量分析器の上流および/または下流に配置される1つ以上の質量フィルタをさらに含み得る。1つ以上の質量フィルタは、(i)四重極ロッドセット質量フィルタ、(ii)飛行時間質量フィルタまたは質量分析器、(iii)ウィーンフィルタ、および(iv)磁場型質量フィルタまたは質量分析器からなる群から選択され得る。
【0084】
質量分析計は、質量分析器の上流および/または下流に配置される1つ以上の第2のイオンガイドまたはイオントラップを含み得る。
【0085】
1つ以上の第2のイオンガイドまたはイオントラップは、
(i)四重極ロッドセット、六重極ロッドセット、八重極ロッドセットもしくは8個より多くのロッドを含むロッドセットを含む多重極ロッドセットまたはセグメント化多重極ロッドセットイオンガイドまたはイオントラップ、
(ii)使用時にイオンが移送されるアパーチャを有する複数の電極または少なくとも2、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90もしくは100個の電極を含むイオントンネルもしくはイオンファンネルイオンガイドまたはイオントラップであって、電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%は、実質的に同じサイズまたは面積のアパーチャを有するか、またはサイズまたは面積が漸進的により大きくおよび/またはより小さくなるアパーチャを有する、イオントンネルもしくはイオンファンネルイオンガイドまたはイオントラップ、
(iii)平面、プレートまたはメッシュ電極のスタックまたはアレイであって、平面、プレートまたはメッシュ電極のスタックまたはアレイは、複数のまたは少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19もしくは20個の平面、プレートまたはメッシュ電極を含むか、または平面、プレートまたはメッシュ電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%は、使用時にイオンが走行する平面に概ね配置される、平面、プレートまたはメッシュ電極のスタックまたはアレイ、および
(iv)イオントラップまたはイオンガイドの長さに沿って軸方向に配置される複数のグループの電極を含むイオントラップまたはイオンガイドであって、各グループの電極は、(a)第1および第2の電極ならびにイオンをイオンガイド内に第1の半径方向に閉じ込めるためにDC電圧またはポテンシャルを第1および第2の電極に印加するための手段、および(b)第3および第4の電極ならびにイオンをイオンガイド内に第2の半径方向に閉じ込めるためにACまたはRF電圧を第3および第4の電極に印加するための手段を含む、イオントラップまたはイオンガイドからなる群から選択され得る。
【0086】
第2のイオンガイドまたはイオントラップは、イオントンネルもしくはイオンファンネルイオンガイドまたはイオントラップを含み得、電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%は、(i)≦1.0mm、(ii)≦2.0mm、(iii)≦3.0mm、(iv)≦4.0mm、(v)≦5.0mm、(vi)≦6.0mm、(vii)≦7.0mm、(viii)≦8.0mm、(ix)≦9.0mm、(x)≦10.0mm、および(xi)>10.0mmからなる群から選択される内径または内寸法を有する。
【0087】
第2のイオンガイドまたはイオントラップは、イオンを第2のイオンガイドまたはイオントラップ内に半径方向に閉じ込めるためにACまたはRF電圧を第2のイオンガイドまたはイオントラップの複数の電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%に印加するように構成および適合される第2のイオンガイドACまたはRF電圧手段を含み得る。
【0088】
第2のイオンガイドまたはイオントラップは、イオンのビームまたはグループを質量分析器から受け取り、イオンのビームまたはグループを変換または分割して、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20個の別々のパケットのイオンが任意の特定の時間に第2のイオンガイドまたはイオントラップ内に閉じ込められかつ/または隔離されるようにし、各パケットのイオンは、第2のイオンガイドまたはイオントラップ内に形成される別個の軸方向ポテンシャル井戸内に別々に閉じ込められかつ/または隔離されるように構成および適合され得る。
【0089】
質量分析計は、一動作モードにおいて、少なくともいくつかのイオンを第2のイオンガイドまたはイオントラップの軸方向長さの少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%を通るか、またはそれに沿って上流および/または下流へ推進するように構成および適合される手段をさらに含み得る。
【0090】
一実施形態によると、質量分析計は、少なくともいくつかのイオンを第2のイオンガイドまたはイオントラップの軸方向長さの少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%に沿って下流および/または上流へ推進するために、1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたは1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャル波形を第2のイオンガイドまたはイオントラップを形成する電極に印加するように構成および適合される過渡DC電圧手段をさらに含み得る。
【0091】
一実施形態によると、質量分析計は、少なくともいくつかのイオンを第2のイオンガイドまたはイオントラップの軸方向長さの少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%に沿って下流および/または上流へ推進するために、2つ以上の位相シフトACまたはRF電圧を第2のイオンガイドまたはイオントラップを形成する電極に印加するように構成および適合されるACまたはRF電圧手段を含み得る。
【0092】
質量分析計は、第2のイオンガイドまたはイオントラップの少なくとも一部を(i)>0.0001mbar、(ii)>0.001mbar、(iii)>0.01mbar、(iv)>0.1mbar、(v)>1mbar、(vi)>10mbar、(vii)>1mbar、(viii)0.0001〜100mbar、および(ix)0.001〜10mbarからなる群から選択される圧力に維持するように構成および適合される手段を含み得る。
【0093】
質量分析計は、イオンを衝突誘起解離(「CID」)によってフラグメンテーションするように構成および適合される衝突、フラグメンテーションまたは反応デバイスをさらに含み得る。別の実施形態によると、質量分析計は、(i)表面誘起解離(「SID」)フラグメンテーションデバイス、(ii)電子移動解離フラグメンテーションデバイス、(iii)電子捕獲解離フラグメンテーションデバイス、(iv)電子衝突または衝撃解離フラグメンテーションデバイス、(v)光誘起解離(「PID」)フラグメンテーションデバイス、(vi)レーザ誘起解離フラグメンテーションデバイス、(vii)赤外放射誘起解離デバイス、(viii)紫外放射誘起解離デバイス、(ix)ノズル−スキマ間インターフェースフラグメンテーションデバイス、(x)インソースフラグメンテーションデバイス、(xi)イオン源衝突誘起解離フラグメンテーションデバイス、(xii)熱または温度源フラグメンテーションデバイス、(xiii)電界誘起フラグメンテーションデバイス、(xiv)磁場誘起フラグメンテーションデバイス、(xv)酵素消化または酵素分解フラグメンテーションデバイス、(xvi)イオン−イオン反応フラグメンテーションデバイス、(xvii)イオン−分子反応フラグメンテーションデバイス、(xviii)イオン−原子反応フラグメンテーションデバイス、(xix)イオン−メタステーブルイオン反応フラグメンテーションデバイス、(xx)イオン−メタステーブル分子反応フラグメンテーションデバイス、(xxi)イオン−メタステーブル原子反応フラグメンテーションデバイス、(xxii)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するためのイオン−イオン反応デバイス、(xxiii)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するためのイオン−分子反応デバイス、(xxiv)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するためのイオン−原子反応デバイス、(xxv)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するためのイオン−メタステーブルイオン反応デバイス、(xxvi)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するためのイオン−メタステーブル分子反応デバイス、および(xxvii)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するためのイオン−メタステーブル原子反応デバイスからなる群から選択される衝突、フラグメンテーションまたは反応デバイスを含み得る。
【0094】
質量分析計は、好適な質量分析器のサイクル時間中またはそれにわたって質量分析器と衝突、フラグメンテーションまたは反応セルとの間のポテンシャル差を、漸進的に増加させる、漸進的に低減させる、漸進的に変化させる、走査する、直線的に増加させる、直線的に低減させる、段階的、漸進的にもしくは他のやり方で増加させる、または段階的、漸進的にもしくは他のやり方で低減させるように構成および適合される手段をさらに含み得る。
【0095】
一実施形態によると、質量分析計は、好適な質量分析器の下流に配置されるさらなる質量分析器をさらに含み得る。さらなる質量分析器は、(i)フーリエ変換(「FT」)質量分析器、(ii)フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴(「FTICR」)質量分析器、(iii)飛行時間(「TOF」)質量分析器、(iv)直交加速飛行時間(「oaTOF」)質量分析器、(v)軸方向加速飛行時間質量分析器、(vi)磁場型質量分析計、(vii)ポールまたは三次元四重極質量分析器、(viii)二次元または線形四重極質量分析器、(ix)ペニングトラップ質量分析器、(x)イオントラップ質量分析器、(xi)フーリエ変換オービトラップ、(xii)静電イオンサイクロトロン共鳴質量分析計、(xiii)静電フーリエ変換質量分析計、および(xiv)四重極ロッドセット質量フィルタまたは質量分析器からなる群から選択され得る。
【0096】
質量分析計は、さらなる分析器の質量電荷比移送ウィンドウを好適な質量分析器のサイクル時間中またはそれにわたって質量分析器の動作に同期して漸進的に増加させる、漸進的に低減させる、漸進的に変化させる、走査する、直線的に増加させる、直線的に低減させる、段階的、漸進的にもしくは他のやり方で増加させる、または段階的、漸進的にもしくは他のやり方で低減させるように構成および適合される手段をさらに含み得る。
【0097】
本発明の別の態様によると、イオンを質量分析する方法であって、
複数の電極を含むイオンガイドを準備する工程と、
第1の周波数および第1の振幅を有する第1のACまたはRF電圧を複数の電極のうちの少なくともいくつかに印加して、1つ以上の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形もしくは井戸がイオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿って生成されるようにする工程と、
イオンをイオンガイド内に半径方向に閉じ込めるために、第2の周波数および第2の振幅を有する第2のACまたはRF電圧を複数の電極のうちの1つ以上に印加する工程と、
イオンをイオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿っておよび/または通って駆動または推進して、一動作モードにおいて、第1の範囲内に質量電荷比を有するイオンがイオンガイドを出射し、他方、第2の異なる範囲内に質量電荷比を有するイオンが複数の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形もしくは井戸によってイオンガイド内に軸方向にトラップされるかまたは閉じ込められるようにする工程とを含む、方法が提供される。
【0098】
本発明の別の態様によると、イオンを質量分析する上述の方法を含む質量分析の方法が提供される。
【0099】
本発明の別の態様によると、
イオンガイドを含み、
使用時に異なる振幅および/または周波数および/または位相を有する2つのACまたはRF電圧がイオンガイドに印加され、複数の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形もしくは井戸がイオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿って生成される、質量分析器が提供される。
【0100】
本発明の別の態様によると、イオンを分析する方法であって、
イオンガイドを準備する工程と、
異なる振幅および/または周波数および/または位相を有する2つのACまたはRF電圧をイオンガイドに印加する工程であって、複数の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形もしくは井戸がイオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿って生成される工程とを含む、方法が提供される。
【0101】
上記好適な実施形態は、イオンガイドを含む質量分析器に関する。ここで、イオンは、その質量電荷比にしたがって分離される。これは、イオンをその質量電荷比にしたがって分離することなくイオンを移送するように構成される公知のイオンガイドとは対照的である。好適な質量分析器の特に有利な特徴は、好適な質量分析器が従来の質量分析器よりもはるかに高い圧力で動作され得ることである。
【0102】
好適な一実施形態によると、質量分析器は、スタックリングまたはイオントンネルイオンガイドを含む。スタックリングまたはイオントンネルイオンガイドは、好ましくは、使用時にイオンが移送されるアパーチャを有する複数の電極を含む。
【0103】
第1のACまたはRF電圧が好ましくは質量分析器の電極に印加され、印加されるACまたはRF電圧によって、好ましくは、複数の軸方向擬ポテンシャル波形または軸方向擬ポテンシャル山もしくは井戸が質量分析器の軸方向長さに沿って提供または生成される。軸方向擬ポテンシャル波形または軸方向擬ポテンシャル山は、好ましくは質量分析器の軸に沿って擬ポテンシャルの極小および極大が交番する形態をとる。
【0104】
擬ポテンシャル極小および極大は、好ましくは電極の軸方向間隔と同じ周期を有し得るか、または、より好ましくはグループの電極と同じ周期を有し得る。
【0105】
擬ポテンシャル極小および極大の相対的な振幅は、好ましくはリング電極のアパーチャのサイズと隣接するリング電極間の軸方向間隔との比に依存する。この比は、好ましくは比較的大きな振幅、高さまたは深さを有する軸方向擬ポテンシャル波形が生成されることを確実にするように最適化される。これにより、高分解能の質量分析器が提供され得る。
【0106】
イオンをイオンガイド内に半径方向に最適に閉じ込めるために、好ましくは第2のACまたはRF電圧がイオンガイドの電極に印加される。第2のACまたはRF電圧は、好ましくは、交互電極が好ましくは第2のACまたはRF電圧の互いに反対の位相に接続されるように電極に印加される。
【0107】
別の好ましい実施形態によると、質量分析器は、直線イオンガイドを含み得る。イオンガイドは、複数のグループの電極を含み得る。各グループの電極は、4つのプレート電極を含み得る。イオンをイオンガイド内に第1の半径方向に閉じ込めるために、プレート電極のうちの2つに好ましくはDC電圧またはポテンシャルが印加される。イオンをイオンガイド内に第2の半径方向に閉じ込めるために、プレート電極の他の2つに好ましくはACまたはRF電圧が印加される。第2の半径方向は、好ましくは第1の半径方向と直交する。
【0108】
上記好適な実施形態によると、異なる質量電荷比を有する一群のイオンが好ましくは質量分析器に導入される。次いで、イオンは、好ましくはその質量電荷比にしたがって異なる時間に質量分析器を出射するようにされる。
【0109】
イオン群は、質量分析器の入口端において実質的に同時に質量分析器に導入され得る。イオンは、好ましくは質量分析器の出口端において質量分析器から現れるように配置される。イオンは、好ましくは質量電荷比の逆順で質量分析器から現れる。
【0110】
上記好適な実施形態によると、質量分析器の軸に沿った軸方向擬ポテンシャル波動(undulations)または軸方向擬ポテンシャル波形は、好ましくは大きい振幅を有し、好ましくは従来のイオンガイドとは異なり、いくつかのイオンを軸方向にトラップすることができる。
【0111】
イオンは、好ましくは、1つ以上の過渡DC電圧またはポテンシャルを電極に印加するか、あるいは一定のDC軸方向電界を印加することによって、イオンガイドまたは質量分析器の長さに沿って駆動または推進される。したがって、イオンは、好ましくは、軸方向有効ポテンシャルにおける周期的なリップルに逆らってイオンガイドまたは質量分析器の長さに沿って駆動される。
【0112】
上記好ましい実施形態によると、軸方向擬ポテンシャル波形は、電極間隔を適切に選択し、適切な周波数および振幅を有する適切なRF電圧を慎重に注意深く印加することにより意図的に生成される。軸方向擬ポテンシャル波形は、好ましくは比較的大きい振幅を有する。
【0113】
軸方向有効ポテンシャルにおいて結果として生じるリップルは、好ましくは、印加されるRF電圧のあらゆる特定の値においてイオンの質量電荷比に反比例する。
【0114】
イオンガイドまたは質量分析器からイオンを走査射出するために種々のアプローチが採用され得る。種々の実施形態によると、イオンは、(i)駆動電界を一定に保ちながらRF振幅を走査すること、(ii)RF電圧の振幅を一定に保ちながら駆動電界を走査すること、(iii)RF振幅を一定に保ちながらイオンガイドまたは質量分析器に印加される1つ以上の過渡DC電圧の大きさを増加させること、(iv)1つ以上の過渡DC電圧の振幅を一定に保ちながらRF電圧の振幅を走査すること、または(v)上記方法のいずれかの組み合わせによって、イオンガイドまたは質量分析器から走査射出され得る。
【0115】
有効ポテンシャルにおけるリップルの大きさは、イオンガイドを形成する電極のアスペクト比(幅対間隔)に好ましくは依存する。一実施形態によると、複数の軸方向擬ポテンシャル波形を生成するために、共通の位相の振動RFポテンシャルが好ましくは複数の隣接する電極に印加される。イオンガイドまたは質量分析器のアスペクト比は、このように接続された隣接する電極の数を選択することによって決定され得る。
【0116】
したがって、振動RFポテンシャルにおける周期性は、サブセットの電極を形成するRF電極のグループ間に好ましくは確立される。質量電荷比に依存するリップルの大きさが大きいほど、質量分析器のポテンシャル分解能は高くなる。しかし,アスペクト比を増加させることによって所定のRF周波数および電圧に対するリップル振幅が増加する一方で、半径方向閉じ込め総有効ポテンシャルは低下する。これにより、イオン、特に質量電荷比が比較的高いイオンの閉じ込め作用が失われ得る。その結果、好適な質量分析器の動作の質量電荷比範囲が低減され得るか、または比較的に限定され得る。
【0117】
本発明の上記好ましい実施形態によると、追加のまたは第2のイオントラップ振動RFポテンシャルが好ましくは交互電極に印加される。この第2のRFポテンシャルは好ましくは上記好適な質量分析器によるイオンの半径方向閉じ込めを最大化することを目的とする。したがって、1つのイオントンネルイオンガイドまたは質量分析器のために、交互のリング電極が好ましくは追加のまたは第2のRFポテンシャルの互いに反対の位相に接続される。各グループが2つのペアのプレート電極を含む複数のグループのプレート電極を含むイオンガイドのために、交互のグループの電極が好ましくは追加のまたは第2のRFポテンシャルの互いに反対の位相に接続される。
【0118】
イオンの質量分析器内への半径方向閉じ込めを最適化するために電極に印加される追加のまたは第2のRFポテンシャルは、複数の軸方向擬ポテンシャル波形を生成するためにイオンガイドまたは質量分析器の電極に好ましくは印加されるRFポテンシャルとは異なる周波数および/または振幅を有し得る。追加のまたは第2のRFポテンシャルは質量電荷比が比較的高いイオンを質量分析器内に閉じ込めるように好ましくは作用する。質量電荷比が比較的高いイオンは、そうしなければ、イオンガイドまたは質量分析器の電極に衝突し、したがってシステムから失われる傾向を有し得る。追加のまたは第2のRFポテンシャルは、好ましくは、有効ポテンシャルプロフィールに大きな影響を及ぼすことなく比較的強い半径方向擬ポテンシャル障壁をイオンガイドまたは質量分析器の軸に沿って生成させる。
【0119】
上記好ましい実施形態の特別な利点は、2つの別個のRF信号を質量分析器の電極に印加することによって得られるさらなる自由度である。2つのRF信号の振幅および/または周波数および/または位相は異なり得る。これにより、閉じ込め、質量範囲および質量分離または質量分解能に関して質量分析器を最適化することが可能となる。
【0120】
2つのRF信号の形態は、2つのRF信号が用いられる場合に4つの異なる組み合わせを取る。各電極は、接頭語nおよびpによって一意的に識別され得る。電極は、好ましくは1からnまでに連続的に番号付けされる。また、電極は、好ましくはp個のサブセットの電極にグループ化される。したがって、例えば、最初の4つの電極(n=1、2、3および4)は、第1のサブセットの電極p=1を形成し得る。次の4つの電極(n=5、6、7および8)は、第2のサブセットの電極p=2を形成し得る。続く4つの電極(n=9、10、11および12)は、第3のサブセットの電極p=3を形成し得る。1つの電極に印加されるRF信号は以下によって得られる。
【0121】
【数1】

【0122】
2つのRF電圧は、好ましくは別個の周波数ω1およびω2ならびに対応する振幅AおよびBをそれぞれ有する。これに加えて、2つのRF信号間に位相差が導入され得ることを表す位相項φも存在する。ω1=ω2である最も単純なケースにおいて、不要なトラップ作用を回避し、電極間のピークトゥピーク電圧差を最小限とするために、ω2に対するω1の90度の位相シフトが好ましくは用いられ得る。
【0123】
半径方向距離Rおよび軸方向位置Z.πの関数としてのRFリングスタックまたはイオントンネルイオンガイド内の擬ポテンシャルΨ(R,Z)は、以下によって与えられる。
【0124】
【数2】

【0125】
ここで、m/zは、イオンの質量電荷比であり、eは、電荷であり、Voは、ピークRF電圧であり、ωは、印加RF電圧の角周波数であり、Roは、電極内のアパーチャの半径であり、Zo.πは、隣接するリング電極間の中心間間隔であり、I0は、0次の第1種変形ベッセル関数であり、I1は、1次の第1種変形ベッセル関数である。
【0126】
上記等式から明らかなように、好ましくは質量分析器の長さに沿って生成または形成される軸方向擬ポテンシャル波形の振幅、高さまたは深さは、イオンの質量電荷比に反比例する。したがって、例えば質量電荷比が1000であるイオンが受ける軸方向擬ポテンシャル波形は、質量電荷比がより低い100であるイオンが受ける軸方向擬ポテンシャル波形の振幅、高さまたは深さの10%である振幅、高さまたは深さを有する。したがって、イオンが質量分析器の長さに沿って駆動される場合、質量電荷比が100であるイオンは、質量電荷比がより高い1000であるイオンよりも軸方向運動に対してより大きな抵抗を実際に受ける。なぜなら、質量電荷比100のイオンは、比較的大きな振幅、高さまたは深さを有する軸方向擬ポテンシャル波形を受けるが、質量電荷比1000のイオンは、比較的低い振幅、高さまたは深さしか有しない軸方向擬ポテンシャル波形を受けるからである。
【0127】
上記好適な実施形態によると、イオンは、好ましくは1つ以上の過渡DCポテンシャルもしくは電圧またはDCポテンシャルもしくは電圧波形をイオンガイドまたは質量分析器の電極に漸進的に印加することによって、質量分析器の軸方向長さを通ってまたはそれに沿って進められるかまたは推進される。質量分析器の長さに沿ってイオンが前進する速度は、好ましくは質量分析器の長さに沿って生成される軸方向擬ポテンシャル波形の振幅、高さまたは深さに対する、電極に印加される1つ以上の過渡DCポテンシャルもしくは電圧またはDCポテンシャルもしくは電圧波形の振幅に依存する。
【0128】
イオンが緩衝ガスに繰り返し衝突した結果として熱化された場合、電極に印加される1つ以上の過渡DCポテンシャルもしくは電圧またはDCポテンシャルもしくは電圧波形の振幅が固定されると、質量分析器の長さに沿ったイオンの前進は、イオンが受ける軸方向擬ポテンシャル波形の振幅、高さまたは深さに依存する。しかし、軸方向擬ポテンシャル波形の振幅、高さまたは深さは、イオンの質量電荷比に依存する。したがって、質量分析器の長さに沿ったイオンの前進は、イオンの質量電荷比に依存し、したがってイオンは質量分析されることになる。
【0129】
特定の質量電荷比を有するイオンに対して、印加される1つ以上の過渡DCポテンシャルもしくは電圧またはDCポテンシャルもしくは電圧波形の振幅が軸方向擬ポテンシャル波形の振幅、高さまたは深さよりも実質的に小さい場合、これらのイオンは、1つ以上の過渡DCポテンシャルもしくは電圧またはDCポテンシャルもしくは電圧波形を質量分析器の電極に印加することによっては質量分析器の長さに沿って駆動されない。
【0130】
特定の質量電荷比を有するイオンに対して、印加される1つ以上の過渡DCポテンシャルもしくは電圧またはDCポテンシャルもしくは電圧波形の振幅が軸方向擬ポテンシャル波形の振幅、高さまたは深さよりも実質的に大きい場合、これらのイオンは、質量分析器の長さに沿って駆動される。イオンは、好ましくは1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたはDCポテンシャルもしくは電圧波形が電極に漸進的に印加される速度または率と実質的に同じ速度または率で質量分析器の長さに沿って駆動される。
【0131】
特定の質量電荷比を有するイオンに対して、1つ以上の過渡DCポテンシャルもしくは電圧またはDCポテンシャルもしくは電圧波形の振幅が軸方向擬ポテンシャル波形の振幅、高さまたは深さがおよそ同様である場合、これらのイオンは、なおも質量分析器の長さに沿って駆動され得るが、その平均速度は、1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたはDCポテンシャルもしくは電圧波形が電極に漸進的に印加される速度または率よりもいくらか小さい。
【0132】
好ましくは、比較的高い質量電荷比を有するイオンが受ける軸方向擬ポテンシャル波形の振幅、高さまたは深さは、好ましくは比較的低い質量電荷比を有するイオンが受ける軸方向擬ポテンシャル波形の振幅、高さまたは深さよりも低い。したがって、特定の振幅を有する1つ以上の過渡DCポテンシャルもしくは電圧またはDCポテンシャルもしくは電圧波形が電極に印加されると、比較的高い質量電荷比を有するイオンは、1つ以上の過渡DCポテンシャルもしくは電圧またはDCポテンシャルもしくは電圧波形が電極に印加される速度または率に好ましくは実質的に対応する速度または率で質量分析器の軸に沿って進められる。しかし、比較的低い質量電荷比を有するイオンは、質量分析器の長さに沿って進められない。なぜなら、これらのイオンに対する軸方向擬ポテンシャル波形の振幅、高さまたは深さは、電極に印加される1つ以上の過渡DCポテンシャルもしくは電圧またはDCポテンシャルもしくは電圧波形の振幅よりも大きいからである。
【0133】
中間の質量電荷比を有するイオンは、質量分析器の軸に沿って前進するが、その速度または率は、好ましくは1つ以上の過渡DCポテンシャルもしくは電圧またはDCポテンシャルもしくは電圧波形が電極に印加される速度または率よりも小さい。したがって、適切な振幅を有する1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたはDCポテンシャルもしくは電圧波形が電極に印加されると、質量電荷比1000を有するイオンは、質量電荷比100を有するイオンよりも短い時間で質量分析器の長さを横断する。
【0134】
上記好適な実施形態によると、好ましくは質量分析器の長さに沿って形成または生成される軸方向擬ポテンシャル波形の振幅、高さまたは深さは、好ましくは質量分析器を形成する電極の内部アパーチャ(そこを通ってイオンが移送される)の直径と隣接する電極間の間隔との比(Ro/Zo)を最小化することによって、例えば、電極のアパーチャの直径をできるだけ小さくし、かつ/または隣接する電極間の間隔をできるだけ大きくすること(イオンが質量分析器内に半径方向に閉じ込められることをなおも確実にしつつ)によって、最大化され得る。その結果、好ましくは質量分析器の中心軸に沿って生成または形成される比較的大きな振幅、高さまたは深さの擬ポテンシャル波形は、好ましくは質量分析器の中心軸に沿ったイオンの運動に対する抵抗を増加させ、かつ好ましくは軸方向擬ポテンシャル波形に沿っておよびわたってならびにしたがってイオンガイドの長さに沿ってイオンを推進またはスイープ(sweep)するために1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたはDC電圧もしくはポテンシャル波形が好ましくは電極に印加される場合に好ましくは生じる質量電荷比分離プロセスの有効性を強化する。
【0135】
上記好適な実施形態によると、一群のイオンが時間T0においてパルス化されて好適な質量分析器へ入力され得る。時間T0において、好ましくは電極に印加される1つ以上の過渡DCポテンシャルもしくは電圧またはDCポテンシャルもしくは電圧波形の振幅は、好ましくは極小またはゼロ値に設定され得る。次いで、1つ以上の過渡DCポテンシャルもしくは電圧またはDCポテンシャルもしくは電圧波形の振幅は、好適な質量分析器の走査期間にわたって最終の極大振幅に漸進的に走査されるか、増大されるか、増加されるか、または段階的に増加され得る。まず、比較的高い質量電荷比を有するイオンが質量分析器から好ましくは現れる。電極に印加される1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたはDCポテンシャルもしくは電圧波形の振幅が好ましくは時間とともに増加されるにつれ、漸進的により低い質量電荷比を有するイオンが質量分析器から現れる。したがって、イオンは、好ましくは時間の関数としてその質量電荷比の逆順に質量分析器から出射するようにされ、比較的高い質量電荷比を有するイオンが比較的低い質量電荷比を有するイオンよりも先に好適な質量分析器から出射する。一旦1グループのイオンがその質量電荷比にしたがって分離され、すべてのイオンが質量分析器を出射すると、そのプロセスが好ましくは繰り返され、1つ以上のさらなるグループのイオンが好ましくは質量分析器に入力され、次いでその後に後続の走査期間において質量分析される。
【0136】
パルスまたはグループのイオンを質量分析器に注入する時間間隔は、1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたはDCポテンシャルもしくは電圧波形の振幅が極小値から極大値に増加される期間に実質的に同期して変化され得る。したがって、好適な質量分析器の分離時間またはサイクル時間は、質量分析器の分離能または分解能に著しく影響を与えずに、例えば数十ミリ秒から数秒まで変化または設定され得る。
【0137】
利点として、好適な質量分析器は、例えば10-3mbar〜10-1mbarの範囲であり得る比較的高い動作圧力においてイオンをその質量電荷比にしたがって分離することができる。このような動作圧力は、<10-5mbarの圧力で典型的には動作する従来の質量分析器の動作圧力(この圧力は十分に低く、ガス分子の平均自由行程が質量分析器内のイオンの飛行行程よりも実質的に長くなる)よりも実質的に高いことが理解される。
【0138】
好適な質量分析器の動作圧力範囲は、従来の質量分析計におけるイオンガイドおよびガス衝突セルの動作圧力と実質的に同等である。当業者は、好適な質量分析器の比較的高い動作圧力が回転ポンプまたはスクロールポンプなどの粗引きポンプを使用して実現され得ることを理解するであろう。したがって、好適な質量分析器は、ターボ分子ポンプまたは拡散ポンプなどの高価な高級真空ポンプを必ずしも設けなくともイオンを質量分析することができる。
【0139】
好適な質量分析器に受け取られた実質的にすべてのイオンは前方へ移送されるため、好適な質量分析器は好ましくは非常に高い移送効率を有する。
【0140】
好適な質量分析器は、好適な質量分析器の上流に配置または設けられ得るイオン格納領域またはイオントラップと組み合わされ得るか、またはそれに結合され得る。イオン格納領域またはイオントラップは、イオンを蓄積または格納するように構成されつつ、他のイオンは、好ましくは好適な質量分析器によって質量分析され得る。上流イオントラップおよび好適な質量分析器を含む質量分析計は、好ましくは比較的高いデューティサイクルを有する。
【0141】
一実施形態によると、イオン格納領域またはイオントラップは、好適な質量分析器の上流に設けられ得、第2またはさらなる質量分析器が好適な質量分析器の下流に設けられ得る。第2またはさらなる質量分析器は、直交加速飛行時間質量分析器または四重極ロッドセット質量分析器のいずれか一方を含み得る。この実施形態によると、好ましくは高いデューティサイクル、高い移送効率および向上した質量分解能を有する質量分析計が提供される。
【0142】
好適な質量分析器は、様々な種類の質量分析器に結合され得る。好適な質量分析器は、適宜固定または設定され得る期間またはサイクル時間にわたって質量電荷比の逆順でイオンを移送できるので、好ましくは好適な質量分析器を変化するまたは異なるサイクル時間を有し得る種々の他のデバイスに結合することができる。例えば、好適な質量分析器は、好適な質量分析器の下流に配置される飛行時間質量分析器に結合され得る。この場合、好適な質量分析器は、数十ミリ秒の質量分離またはサイクル時間を有するように構成され得る。あるいは、好適な質量分析器は、走査されるように構成される、好適な質量分析器の下流に配置される四重極ロッドセット質量分析器に結合され得る。この場合、好適な質量分析器は、数百ミリ秒の質量分離またはサイクル時間で動作され得る。
【0143】
好適な質量分析器は、軸方向加速飛行時間質量分析器、直交加速飛行時間質量分析器、三次元四重極イオントラップ、線形四重極イオントラップ、四重極ロッドセット質量フィルタもしくは質量分析器、磁場型質量分析器、イオンサイクロトロン共鳴質量分析器、またはオービトラップ質量分析器と組み合わせられるかまたは結合され得る。さらなる質量分析器は、イオンを質量分析するために質量依存性共鳴周波数のフーリエ変換を使用し得るフーリエ変換質量分析器を含み得る。特に好適な実施形態によると、好適な質量分析器は、直交加速飛行時間質量分析器または四重極ロッドセット質量分析器のいずれか一方と組み合わせられるかまたは結合され得る。
【0144】
一実施形態によると、好適な質量分析器は、直交加速飛行時間質量分析器の上流に設けられ得る。従来の直交加速飛行時間質量分析器において、ほぼ同じエネルギーを有するイオンは、直交加速電界が周期的に印加される直交加速領域を通るように配置される。直交加速電界が印加される直交加速領域の長さ、イオンのエネルギー、および直交加速電界の印加の周波数は、飛行時間質量分析器における後の分析のためにイオンをサンプリングするためのサンプリングデューティサイクルを決定する。直交加速領域に入射した、ほぼ同じエネルギーを有するが質量電荷比の異なるイオンは、直交加速領域を通る際の速度が異なる。したがって、質量分析器のドリフト領域または飛行時間領域中へイオンを直交加速するために直交加速電界が印加される時間に、いくつかのイオンは、直交加速領域をすでに超えて通過しているが、他のイオンはまだ直交加速領域に到達していない場合があり得る。したがって、従来の直交加速飛行時間質量分析器においては、質量電荷比の異なるイオンが異なるサンプリングデューティサイクルを有することが明らかである。
【0145】
上記好適な実施形態によると、イオンは、好ましくは一続きのイオンパケットとして好適な質量分析器から放出される。ここで、各パケットにおけるイオンは、好ましくは比較的狭い範囲の質量電荷比を有し、したがってまた比較的狭い広がりの速度を有する。上記好適な実施形態によると、好適な質量分析器から放出される1イオンパケット内のすべてのイオンは、好ましくは直交加速電界が印加されるのと実質的に同時に飛行時間質量分析器の直交加速領域内に到着するように配置され得る。その結果、上記好適な実施形態によると、高いサンプリングデューティサイクルが実現され得る。
【0146】
高い総サンプリングデューティサイクルを実現するために、各イオンパケットは、好ましくは、1パケットにおけるイオンが飛行時間質量分析器の直交加速領域に到着する時間が十分に短くてイオンが軸方向に著しく分散するのに十分な時間を有さないように、好適な質量分析器から放出される。したがって、イオンのいずれの軸方向分散も、好ましくは直交加速電界が後で印加される直交加速領域の長さよりも短い。上記好適な実施形態によると、イオンが好適な質量分析器から放出されるポイントと飛行時間質量分析器の直交加速領域との距離は、好適な質量分析器から放出されるいずれのイオンパケットにおけるイオンのエネルギーおよびイオンの質量電荷比範囲に対しても比較的短いように構成され得る。
【0147】
好適な質量分析器から放出される各イオンパケット内のイオンの質量電荷比範囲は、好ましくは比較的狭いように構成される。直交加速電界は、好ましくは飛行時間質量分析器の直交加速領域にイオンが到着することに同期して印加される。上記好適な実施形態によると、好適な質量分析器から放出される1パケットのイオンにおけるすべてのイオンに対して実質的に100%のサンプリングデューティサイクルが実現可能である。好適な質量分析器から放出される各後続のイオンパケットに同じ条件が適用されるならば、実質的に100%の総サンプリングデューティサイクルが上記好適な実施形態によると実現され得る。
【0148】
一実施形態によると、好適な質量分析器が、好ましくは、実質的に100%のサンプリングデューティサイクルが得られるように直交加速飛行時間質量分析器に結合される。高いサンプリングデューティサイクルが確実に得られるように補助するために、イオンガイドが好適な質量分析器の下流かつ直交加速飛行時間質量分析器の上流に設けられ得る。イオンは、好ましくは好適な質量分析器を出射するように配置され、好ましくはイオンガイドによって受け取られる。好ましくは、好適な質量分析器から現れるイオンは、好ましくはイオンガイドの長さに沿って輸送または平行移動される複数の軸方向実ポテンシャル井戸のうちの1つにトラップされる。一実施形態によると、好ましくは、1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたはDC電圧もしくはポテンシャル波形が、1つ以上の軸方向実ポテンシャル井戸またはポテンシャル障壁が好ましくはイオンガイドの軸または長さに沿って移動するように、イオンガイドの電極に印加され得る。好ましくは、好適な質量分析器および下流のイオンガイドは、好適な質量分析器の出口から現れるイオンが好ましくはイオンガイドの長さに沿ってまたは通って一続きのパケットまたは別々の軸方向ポテンシャル井戸となって輸送または平行移動されるように十分に接近して結合される。イオンは、好ましくは、好適な質量分析器の出口から現れたのと実質的に同じ順番でイオンガイドの長さに沿って輸送または平行移動される。好ましくはまた、イオンガイドおよび直交加速飛行時間質量分析器は、イオンガイドから放出される各イオンパケットが好ましくは直交加速飛行時間質量分析器によって好ましくは実質的に100%サンプリングデューティサイクルでサンプリングされるように接近して結合される。
【0149】
例として、好適な質量分析器のサイクル時間は、10msであり得る。好適な質量分析器の出口から現れる1パケットのイオンは、好ましくは好適な質量分析器のサイクル時間中にイオンガイド内に生成される200個の軸方向実ポテンシャル井戸のうちの1つにおいて収集されるかまたは軸方向に平行移動されるように配置され得る。したがって、イオンガイドにおいて生成される各軸方向ポテンシャル井戸は、好ましくは50μs期間にわたってイオンを受け取る。一実施形態によると、イオンガイドにおける各波または軸方向ポテンシャル井戸の生成速度は、好ましくは直交加速飛行時間質量分析器のサイクル時間に対応する。好ましくは、イオンガイドからのイオンパケットの放出と直交加速電圧パルスの飛行時間質量分析器のプッシャ電極(pusher electrode)への印加との間の遅延時間は、好ましくは質量分析器のサイクル時間にわたって漸進的に低減される。なぜなら、イオンガイドの出口から放出されるイオンの平均質量電荷比は、好ましくは時間とともに低減するからである。
【0150】
イオン源が好ましくは好適な質量分析器の上流に設けられる。イオン源は、レーザ脱離イオン化([LDI」)イオン源、マトリックス支援レーザ脱離イオン化(「MALDI」)イオン源、またはシリコンを用いた脱離イオン化(「DIOS」)イオン源などのパルス化イオン源を含み得る。あるいは、イオン源は、連続イオン源を含み得る。連続イオン源が設けられる場合、イオンを格納し、イオンを好適な質量分析器中へ周期的に放出するためのイオントラップが好ましくはイオン源の下流かつ好適な質量分析器の上流に設けられ得る。連続イオン源は、エレクトロスプレーイオン化(「ESI」)イオン源、大気圧化学イオン化(「APCI」)イオン源、電子衝突(「EI」)イオン源、大気圧光イオン化(「APPI」)イオン源、化学イオン化(「CI」)イオン源、脱離エレクトロスプレーイオン化(「DESI」)イオン源、大気圧MALDI(「AP−MALDI」)イオン源、高速原子衝撃(「FAB」)イオン源、液体二次イオン質量分析(「LSIMS」)イオン源、電界イオン化(「FI」)イオン源、または電界脱離(「FD」)イオン源を含み得る。他の連続または擬連続イオン源を使用してもよい。
【0151】
質量分析計は、一実施形態によると好適な質量分析器の上流に設けられ得る衝突、フラグメンテーションまたは反応セルをさらに含み得る。一動作モードにおいて、衝突、フラグメンテーションまたは反応セルに入射したイオンの少なくともいくつかは、複数のフラグメント、娘、生成または付加イオンが好ましくは形成されるようにフラグメンテーションまたは反応が起こされる。その結果得られるフラグメント、娘、生成または付加イオンは、次いで好ましくは衝突、フラグメンテーションまたは反応セルから前方の好適な質量分析器へ移送または渡される。フラグメント、娘、生成または付加イオンは、好ましくは好適な質量分析器によって質量分析される。
【0152】
一実施形態によると、質量フィルタが、衝突、フラグメンテーションまたは反応セルの上流に設けられ得る。質量フィルタは、一動作モードにおいて、1つ以上の特定の質量電荷比を有するイオンを移送しつつ、すべての他のイオンを実質的に減衰させるように構成され得る。一実施形態によると、特定の親または前駆イオンが、質量フィルタに選択されて前方に移送されつつ、すべての他のイオンは実質的に減衰され得る。選択された親または前駆イオンは、次いで好ましくは衝突、フラグメンテーションまたは反応セルに入射する際にフラグメンテーションまたは反応が起こされる。その結果得られるフラグメント、娘、付加または生成イオンは、次いで好ましくは好適な質量分析器に渡され、イオンは、好ましくは好適な質量分析器を通る際に一時的に分離される。
【0153】
第2の質量フィルタが好適な質量分析器の下流に設けられ得る。第2の質量フィルタは、1つ以上の特定の質量電荷比を有する特定のフラグメント、娘、生成または付加イオンだけが第2の質量フィルタによって前方へ移送されるように構成され得る。第1の質量フィルタおよび/または第2の質量フィルタは、四重極ロッドセット質量フィルタを含み得る。しかし、他の好ましさがやや低い好ましい実施形態によると、第1の質量フィルタおよび/または第2の質量フィルタは、別の種類の質量フィルタを含み得る。
【0154】
上記好適な実施形態に係る質量分析器は、四重極ロッドセット質量分析器などの従来の質量分析器に比べて、質量分析器によって受け取られる複数または実質的にすべてのフラグメントイオンが好ましくはその後に検出されるという点で特に有利である。したがって、好適な質量分析器は、質量分析でき、かつ非常に高い移送効率でイオンを前方へ移送することができる。反対に、従来の走査型四重極ロッドセット質量分析器は、特定の時点に特定の質量電荷比を有するイオンを移送できるだけであり、したがって、その移送効率は比較的低い。
【0155】
好適な質量分析器は、例えば、2つ以上の特定のフラグメントイオンの相対的存在度を高い精度で測定することを可能にする。四重極ロッドセット質量分析器は、分析を確定するために異なるフラグメントイオンを移送するように切り替わるようにプログラムされ得るが、各特定のフラグメントイオンの測定のためのデューティサイクルがこれに対応して低減することは避けられない。これにより、各特定のフラグメントイオンに対する感度が失われる。反対に、好適な質量分析器は、異なるフラグメントイオンを時間について分離でき、次いで、デューティサイクルまたは感度を失わずに、イオン種が記録または検出され得る。
【0156】
分析の特異性は、フラグメンテーションの前に対象となる可能性のないいずれの親または前駆イオンも除去することによってさらに向上され得る。一実施形態によると、イオンは、好ましくは衝突、フラグメンテーションまたは反応セルの上流に位置する質量フィルタを通るように配置され得る。質量フィルタは、四重極ロッドセット質量フィルタを含み得るが、他の種類の質量フィルタがまた考えられる。質量フィルタは、一動作モードにおいて、実質的にすべてのイオンを移送するように設定され得る。すなわち、質量フィルタは、非分解またはイオンガイド動作モードで動作するように構成され得る。あるいは、別の動作モードにおいて、質量フィルタは、特定の対象の親または前駆イオンだけを移送するように設定され得る。
【0157】
好適な質量分析器は、好ましくは受け取ったすべてのイオンを前方へ移送するが、単位質量(つまり、質量電荷比100において分解能100、または質量電荷比200において分解能200、または質量電荷比500において分解能500など)の分解能を有し得る四重極ロッドセット質量分析器などの従来の質量分析器よりも低い特異性を有し得る。
【0158】
本発明の一実施形態によると、さらなる質量フィルタまたは質量分析器が好適な質量分析器の下流に位置され得る。さらなる質量フィルタまたは質量分析器は、好ましくはイオン検出器の上流に配置される。さらなる質量フィルタまたは質量分析器は、四重極ロッドセット質量フィルタまたは質量分析器を含み得るが、他の種類の質量フィルタまたは質量分析器もまた考えられる。さらなる質量フィルタまたは質量分析器は、実質的にすべてのイオンが前方へ移送される非分解動作モードで動作され得る。あるいは、さらなる質量フィルタまたは質量分析器は、対象イオンだけが前方へ移送される質量フィルタリング動作モードで動作され得る。さらなる質量フィルタまたは質量分析器がすべてのイオンを移送するように設定される場合、次いで好ましくは好適な質量分析器だけを使用してイオンを質量分解する。
【0159】
一実施形態において、さらなる質量フィルタまたは質量分析器は、1つ以上の特定の親またはフラグメントイオンを移送するように構成され得る。さらなる質量フィルタまたは質量分析器は、好適な質量分析器の分離サイクル時間の過程中、あらかじめ選択された時間にあらかじめ選択された質量電荷比を有する多くのイオンを移送するように切り替えられるように構成され得る。あらかじめ選択された質量電荷比は、一連の特定の対象の親またはフラグメントイオンの質量電荷比に対応し得る。あらかじめ選択された時間は、好ましくは特異的に選択された親またはフラグメントイオンの好適な質量分析器からの出射時間を含むか、またはそれらに対応するように設定される。その結果、実質的にデューティサイクルを損失することなく、したがって実質的に感度を損失することもなく、多くの親またはフラグメントイオンがさらなる質量フィルタまたは質量分析器の特異性を用いて測定され得る。
【0160】
一実施形態によると、好適な質量分析器の下流に配置されるさらなる質量フィルタまたは質量分析器が好ましくは好適な質量分析器のサイクル時間にわたって好適な質量分析器の動作に実質的に同期して走査されるように構成される。時間の関数としてのさらなる質量フィルタまたは質量分析器の質量電荷比移送ウィンドウにおける走査則または漸進的変化は、時間の関数としての好適な質量分析器から出射するイオンの質量電荷比間の関係にできるだけ接近して一致するように構成され得る。その結果、好適な質量分析器から出射した多くの親またはフラグメントイオンが好ましくはその後にさらなる質量フィルタまたは質量分析器を通って前方へ移送され得る。さらなる質量フィルタまたは質量分析器は、好ましくは好適な質量分析器のサイクル時間にわたって高い質量電荷比から低い質量電荷比へ走査するように構成される。なぜなら、好適な質量分析器は、好ましくは質量電荷比の逆順でイオンを出力するからである。
【0161】
四重極ロッドセット質量フィルタまたは質量分析器は、四重極ロッドセットの長さに応じた最大走査速度を有する。最大走査速度は、通常1000ダルトンの走査に対して100msのオーダーであり得る。したがって、四重極ロッドセット質量フィルタまたは質量分析器が好適な質量分析器の下流に設けられる場合、好適な質量分析器は、好適な質量分析器および四重極ロッドセット質量分析器の動作が好ましくは同期され得るように数百ミリ秒(数十ミリ秒ではなく)のオーダーのサイクル時間で動作され得る。
【0162】
一実施形態によると、イオンを受け取り、格納するための手段、パルス状のイオンを放出するための手段、イオンパルスを受け取り、その質量電荷比にしたがってイオンを分離する好適な質量分析器、好適な質量分析器の下流に配置される四重極ロッドセット質量フィルタ、およびイオン検出器を含む質量分析計が好ましくは提供され得る。一実施形態によると、質量分析計は、第1の四重極ロッドセット質量フィルタまたは分析器、イオンを受け取り、フラグメンテーションし、格納し、パルス状にして放出するための手段、イオンパルスを受け取る好適な質量分析器、好適な質量分析器の下流に配置される第2の四重極ロッドセット質量フィルタまたは分析器、およびイオンを検出するための手段を含み得る。
【0163】
一動作モードにおいて、イオンは、ガス衝突セルによって受け取られ、かつその内部でフラグメンテーションされ得る。衝突セルは、10-4mbar〜1mbar、より好ましくは10-3〜10-1mbarの圧力に維持され得る。衝突セルは、好ましくはRFイオンガイドを含む。イオンは、好ましくは、イオンが背景ガス分子と衝突する場合でさえ、ガス衝突セルの中心軸の近傍に閉じ込められるように配置される。ガス衝突セルは、イオンが衝突セル内に半径方向に閉じ込められるようにACまたはRF電圧が近接するロッドに印加される多重極ロッドセットイオンガイドを含み得る。
【0164】
別の実施形態によると、ガス衝突セルは、使用時にイオンが移送されるアパーチャを有する複数の電極を含むリングスタックまたはイオントンネルイオンガイドを含み得る。ACまたはRF電圧の互いに反対の位相が好ましくは近接または隣接するリングまたは電極間に印加され、好ましくは半径方向擬ポテンシャル井戸の生成によってイオンがガス衝突セル内に半径方向に閉じ込められる。
【0165】
好ましさがやや低い好ましい実施形態によると、衝突セルは、別の種類のRFイオンガイドを含み得る。
【0166】
一動作モードにおけるイオンは、好ましくは少なくとも10eVのエネルギーで衝突セルに入射するようにされ得る。イオンは、衝突セル内でガス分子と多数回衝突し得、フラグメンテーションが引き起こされ得る。
【0167】
ガス衝突セルは、一動作モードにおいてイオンを格納し、かつパルス状のイオンを放出するために使用され得る。プレートまたは電極が衝突セルの出口に配置され得、イオンが衝突セルから出射することを実質的に防止するポテンシャル障壁が生成されるようなポテンシャルに維持され得る。正イオンについて、衝突セル内にイオンをトラップするために、衝突セルの他の電極に対して約+10Vのポテンシャルが維持され得る。イオンが衝突セルの入口を介して衝突セルから出射することを防止するために、同様のプレートまたは電極が衝突セルへの入口に設けられ得、同様のポテンシャルに維持され得る。衝突セルの入口および/または出口におけるプレートまたは電極上のポテンシャルが衝突セルを形成する他の電極に対して0Vまたは0V未満に瞬間的に低下される場合、イオンは、好ましくは衝突セルからパルス状に出射される。次いで、イオンは、衝突セルから前方の好適な質量分析器へ移送され得る。
【0168】
一実施形態によると、好適な質量分析器の電極に印加される1つ以上の過渡DCポテンシャルもしくは電圧またはDCポテンシャルもしくは電圧波形の振幅は、好ましくは、好適な質量分析器の下流に配置される四重極ロッドセット質量フィルタまたは質量分析器の動作に同期して、時間とともに比較的低い振幅から比較的高い振幅へと漸進的に増加される。四重極ロッドセット質量フィルタは、好適な質量分析器のサイクル時間に同期して質量または質量電荷比を走査するか、またはそれにおいて段階的に低減されるように構成され得る。
【図面の簡単な説明】
【0169】
【図1】図1は、本発明の好適な実施形態に係る質量分析器を示す。
【図2】図2は、質量電荷比が100であるイオンに対する好適な質量分析器の長さに沿った軸方向擬ポテンシャル波形の振幅または深さを示す。
【図3】図3は、質量電荷比が1000であるイオンに対する好適な質量分析器の長さに沿った軸方向擬ポテンシャル波形の振幅または深さを示す。
【図4】図4は、好適な質量分析器が転送レンズを介して直交加速飛行時間質量分析器に結合される本発明の実施形態を示す。
【図5】図5は、質量分析器がサイクル時間100msで動作された場合の質量電荷比が311および556であるイオンの質量クロマトグラムを示す。
【図6】図6は、質量分析器がサイクル時間1秒で動作された場合の質量電荷比が311および556であるイオンの質量クロマトグラムを示す。
【図7】図7は、好適な質量分析器が走査型四重極ロッドセット質量フィルタまたは質量分析器に結合される別の実施形態を示す。
【図8】図8は、好適な質量分析器がイオントンネルイオンガイドを介して直交加速飛行時間質量分析器に結合される別の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0170】
ここで、添付の図面を参照し、本発明の種々の実施形態を、あくまで例として、説明する。
【0171】
ここで、図1を参照して本発明の一実施形態に係る質量分析器を説明する。質量分析器は、好ましくは、使用時にイオンが移送されるアパーチャを有する複数のリング電極を含むイオンガイド2を含む。図1には図示されていないが、電極は、好ましくは各グループが複数の電極を含むグループとして配置される。1つのグループのすべての電極は、好ましくは第1のACまたはRF電圧の同じ位相に接続される。近接または隣接するグループは、好ましくは第1のACまたはRF電圧の互いに反対の位相に接続される。また、隣接する電極は、好ましくは第2のACまたはRF電圧源の互いに反対の位相に接続される。入口電極3が好ましくはイオンガイド2の入口に設けられ、出口電極4が好ましくはイオンガイド2の出口に設けられる。ゲート電極1が必要に応じて入口電極3の上流に配置され得る。入口電極3およびゲート電極1は、一実施形態によると、同じ構成要素を含み得る。
【0172】
イオンは、好ましくは、例えばゲート電極1のポテンシャルを瞬間的に下げることによって、周期的にパルス化されてイオンガイド2中へ入力される。イオンガイド2に入ったイオンは、好ましくはRFの不均一な場(RF inhomogeneous field)を受ける。このRFの不均一な場は、半径方向擬ポテンシャル井戸の生成によりイオンをイオンガイド2内に半径方向に閉じ込めるように作用する。好適な質量分析器は、好ましくは中間圧力に維持されることが有利である。
【0173】
上記好適な実施形態によると、1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたはDC電圧もしくはポテンシャル波形が好ましくはイオンガイド2を含む電極に印加される。図1は、特定の時点でイオンガイド2の2つの電極に同時に印加される過渡DC電圧を示す。1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたはDC電圧もしくはポテンシャル波形が好ましくはイオンガイド2の長さに沿って電極に漸進的に印加される。この1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたはDC電圧もしくはポテンシャル波形は、好ましくは1つの過渡DC電圧またはポテンシャルがいずれか特定の電極に比較的短期間印加されるだけとなるように、イオンガイド2を形成する電極に印加される。次いで、この1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたはDC電圧もしくはポテンシャル波形は、好ましくは1つ以上の隣接する電極に切り替えられるか、または印加される。
【0174】
1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたはDC電圧もしくはポテンシャル波形を電極に漸進的に印加することによって、好ましくは1つ以上の過渡DCポテンシャル山または実ポテンシャル山がイオンガイド2の長さに沿って平行移動される。これにより、好ましくは少なくともいくつかのイオンがイオンガイド2の長さに沿って、1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたはDC電圧もしくはポテンシャル波形が電極に漸進的に印加される方向と同じ方向に推進または進められる。
【0175】
第2のACまたはRF電圧は、好ましくは一定して電極に印加される。イオンガイドの軸に沿って隣接する電極は、好ましくは第2のACまたはRF電圧源の互いに反対の位相に維持される。これにより、好ましくは、半径方向擬ポテンシャル井戸の生成によりイオンが質量分析器2内に半径方向に閉じ込められる。さらに、第1のACまたはRF電圧源をイオンガイド2の長さに沿って複数の電極に印加することによって、好ましくは複数の時間平均軸方向擬ポテンシャル波形またはポテンシャル山、障壁もしくは谷がイオンガイド2の軸方向長さに沿って形成または生成される。
【0176】
図2は、図1に示すようなリングスタックまたはイオントンネルイオンガイド2を含む質量分析器内において比較的低い質量電荷比100を有するイオンが受ける軸方向擬ポテンシャル波形もしくは山または擬ポテンシャル障壁の振幅もしくは深さを示す。イオンガイド2の電極は、周波数が2.7MHzでありかつピークトゥピーク電圧が400Vである1つのRF電圧源に接続されるとしてモデル化した。リング電極の中心間間隔は、1.5mmであるとしてモデル化し、リング電極の内径は、3mmであるとしてモデル化した。
【0177】
図3は、図1に示すようなリングスタックまたはイオントンネルイオンガイド2を含む質量分析器内において比較的高い質量電荷比1000を有するイオンが受ける軸方向擬ポテンシャル波形もしくは山または擬ポテンシャル障壁の、低減された振幅もしくは深さを示す。イオンガイド2の電極は、周波数が2.7MHzでありかつピークトゥピーク電圧が400Vの1つのRF電圧源に接続されるとしてモデル化した。リング電極の中心間間隔は、1.5mmであるとしてモデル化し、リング電極の内径は、3mmであるとしてモデル化した。
【0178】
図2および図3に示す時間平均または軸方向擬ポテンシャル波形または擬ポテンシャル障壁の極小は、リング電極の軸方向位置または変位に対応する。図2および図3から明らかなように、軸方向擬ポテンシャル波形または擬ポテンシャル障壁の振幅または深さは、イオンの質量電荷比に反比例する。例えば、比較的低い質量電荷比100を有するイオンが受ける軸方向擬ポテンシャル波形の振幅は、約5Vであるが(図2参照)、比較的高い質量電荷比1000を有するイオンが受ける軸方向擬ポテンシャル波形の振幅は、ほんの約0.5Vである(図3参照)。
【0179】
軸方向擬ポテンシャル波形または擬ポテンシャル障壁の有効深さ、高さまたは振幅は、イオンの質量電荷比に依存する。その結果、イオンがイオンガイド2の長さに沿って駆動、突き進められまたは進められる場合、比較的高い質量電荷比1000を有するイオンは(軸方向擬ポテンシャル波形の振幅、高さまたは深さは、比較的高い質量電荷比を有するイオンに対して比較的低い)、好ましくは比較的低い質量電荷比100を有するイオン(軸方向擬ポテンシャル波形の振幅、高さまたは深さは、比較的低い質量電荷比を有するイオンに対して比較的高い)に比べて、受ける軸方向抵抗が小さい。
【0180】
イオンは、好ましくはイオンガイド2の電極に漸進的に印加される1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたはDC電圧もしくはポテンシャル波形によって、好ましくはイオンガイド2の長さに沿って駆動される。上記好適な実施形態によると、電極に印加される1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたはDC電圧もしくはポテンシャル波形の振幅は、好ましくは質量分析器の動作の1サイクルにわたって漸進的に増加されて、だんだんとより低い質量電荷比を有するイオンが軸方向擬ポテンシャル波形に打ち克つようになり始め、したがってイオンガイド2の長さに沿って推進または駆動され、最終的にはイオンガイド2の出口から排出される。
【0181】
図4は、好適な質量分析器2が転送レンズ6を介して直交加速飛行時間質量分析器7に結合される本発明の一実施形態を示す。イオン源(図示せず)からのイオンは、好ましくは、好適な質量分析器2の上流に配置されるイオントラップ5に蓄積される。次いで、イオンは、好ましくは、イオントラップ5の出口に配置されたゲート電極1をパルス動作させることによりイオントラップ5から周期的に放出される。イオンがイオントラップ5から放出される際に、好ましくはイオンガイド2の電極に印加される1つ以上の過渡DCポテンシャルもしくは電圧またはDCポテンシャルもしくは電圧波形の振幅は、好ましくは極小値に、さらに好ましくは0Vに設定される。次いで、質量分析器2の電極に印加される1つ以上の過渡DCポテンシャルもしくは電圧またはDCポテンシャルもしくは電圧波形の振幅は、好ましくは、好適な質量分析器2のサイクル時間にわたって0Vまたは極小値から最終の極大値または電圧に直線的に増大または増加される。好適な質量分析器2のサイクル時間は、例えば、10ms〜1sの範囲内にあり得る。好適な質量分析器2のサイクル時間中、イオンは、好ましくは、質量電荷比の逆順に好適な質量分析器2から現れる。質量分析器2を出射したイオンは、好ましくは転送レンズ6を通過し、次いで好ましくは直交加速飛行時間質量分析器7を収容する前方の真空チャンバへ移送される。イオンは、好ましくは直交加速飛行時間質量分析器7によって質量分析される。
【0182】
図4は、好適な質量分析器2の電極に印加される1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたはDCポテンシャルもしくは電圧波形の振幅がどのように質量分析器の連続した3回の動作サイクルにわたって好ましくは直線的に増加するかも示す。イオンをパルス化して好適な質量分析器2に入力するためにゲート電極1に印加される対応する電圧パルスもまた示される。
【0183】
質量分析器2の有効性を実証するために実験を行った。ロイシンエンケファリン(M+=556)およびスルファジメトキシン(M+=311)の混合物を実質的に図4に示すように構成された質量分析計に注入した。イオンは、800μsのゲートパルス中にイオントラップ5から好適な質量分析器2のイオンガイド2へパルス化されて入力されるように構成された。好適な質量分析器2のゲートパルス間の期間およびしたがってサイクル時間は、100msに設定された。イオンガイド2の電極に印加される1つ以上の過渡DCポテンシャルもしくは電圧またはDCポテンシャルもしくは電圧波形の振幅は、ゲートパルス間の100msサイクル時間にわたって0Vから2Vへ直線的に増大または増加された。
【0184】
図5は、質量電荷比が311および556のイオンについて得られた再構成質量クロマトグラムを示す。質量クロマトグラムは、質量分析器2の100msサイクル時間にわたって得られた飛行時間データから再構成された。再構成質量クロマトグラムは、質量電荷比311のイオンが質量電荷比556のイオンよりも好適な質量分析器2の長さを横断するのにより長い時間がかかったことを示す。
【0185】
次いで、ゲートパルスの幅を800μsから8msに増加して実験を繰り返した。また、好適な質量分析器2のゲートパルス間の時間およびしたがってサイクル時間は、100msから1sに増加された。図6は、質量電荷比が311および556であるイオンについて得られた再構成質量クロマトグラムを示す。質量クロマトグラムは、質量分析器2の1sサイクル時間にわたって得られた飛行時間データから再構成された。再構成質量クロマトグラムは、やはり質量電荷比311のイオンが質量電荷比556のイオンよりも好適な質量分析器2の長さを横断するのにより長い時間がかかったことを示した。
【0186】
いくつかの実施形態によると、好適な質量分析器2は、中間質量電荷比分解能を有し得る。しかし、好適な質量分析器2は、好ましくは好適な質量分析器2の下流に配置される四重極ロッドセット質量分析器8などの分解能の比較的高い走査/ステップ型質量分析器に結合され得る。図7は、好適な質量分析器2が四重極ロッドセット質量分析器8の上流に設けられる実施形態を示す。イオン検出器9が好ましくは四重極ロッドセット質量分析器8の下流に配置される。四重極ロッドセット質量分析器8の質量電荷比移送ウィンドウは、好ましくは、好適な質量分析器2から現れるイオンの期待される質量電荷比に同期して使用時に走査される。好適な質量分析器2を下流に配置される四重極質量分析器8に結合することによって、好ましくは質量分析計の総機器デューティサイクルおよび感度が向上する。
【0187】
好適な質量分析器2の出力は、好ましくは、時間にともなうイオンの質量電荷比の関数である。任意の与えられた時間において、好適な質量分析器2を出射するイオンの質量電荷比範囲は、好ましくは比較的狭い。したがって、特定の質量電荷比を有するイオンは、好ましくは比較的短時間にわたって質量分析器2を出射する。したがって、走査型四重極ロッドセット質量分析器8の質量電荷比移送ウィンドウは、走査型四重極ロッドセット質量分析器8のデューティサイクルが好ましくは増加されるように、任意の特定の時点において好適な質量分析器2を出射するイオンの期待される質量電荷比範囲と同期され得る。
【0188】
図7は、好適な質量分析器2の電極に印加される1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたはDCポテンシャルもしくは電圧波形の振幅がどのように質量分析器の3回の連続した動作サイクルにわたって直線的に好ましく増加するかも示す。イオンをパルス化して好適な質量分析器2へ入力するためにゲート電極1に印加される対応する電圧パルスも示される。
【0189】
別の実施形態によると、四重極ロッドセット質量分析器8の質量電荷比移送ウィンドウは、直線的にではなく、段階的に増加され得る。四重極ロッドセット質量分析器8の質量電荷比移送ウィンドウは、限られた個数の所定値で、または限られた個数の所定値に、好適な質量分析器2を出射するイオンの放出に実質的に同期して段階的に増加され得る。これにより、四重極ロッドセット質量フィルタ8の移送効率およびデューティサイクルを、ある質量電荷比を有するある特定のイオンだけが対象となり、かつその測定、検出または分析が所望される動作モードにおいて、増加することが可能となる。
【0190】
図8に、好適な質量分析器2がイオンガイド10を介して直交加速飛行時間質量分析器7に結合される本発明の別の実施形態を示す。この実施形態によると、総デューティサイクルおよび感度の向上した質量分析計が好ましくは提供される。イオンガイド10は、好ましくはそれぞれがアパーチャを有する複数の電極を含む。イオンをイオンガイド10の長さに沿って推進または平行移動させるために、1つ以上の過渡DCポテンシャルもしくは電圧またはDCポテンシャル電圧波形が好ましくはイオンガイド10の電極に印加される。イオンガイド10は、好ましくは、好適な質量分析器2から現れるイオンを有効にサンプリングするように構成される。その結果、好ましくは、任意の時点に好適な質量分析器2からパケットとして現れる比較的狭い範囲の質量電荷比を有するイオンが、好ましくはイオンガイド10内に形成または生成される複数の軸方向実ポテンシャル井戸のうちの1つにトラップされるように配置される。好ましくは、イオンガイド10内に形成または生成される軸方向実ポテンシャル井戸は、好ましくはイオンガイド10の長さに沿って連続して平行移動される。イオンのパケットは、好ましくは、あるポテンシャル井戸におけるイオンが好ましくは隣接するポテンシャル井戸へ通り抜けないようなイオンガイド10内の離散ポテンシャル井戸にトラップされる。
【0191】
イオンガイド10において形成または生成される軸方向ポテンシャル井戸は、好ましくは、イオンガイド10の長さに沿って連続して平行移動される。軸方向ポテンシャル井戸がイオンガイド10の下流端に達すると、その軸方向ポテンシャル井戸内に含まれるイオンのパケットが好ましくは放出され、イオンのパケットは、好ましくは前方の直交加速飛行時間質量分析器7へ移送される。直交加速抽出パルスは、好ましくは、直交加速飛行時間質量分析器7の抽出電極11に印加される。直交加速抽出パルスは、好ましくは直交加速飛行時間質量分析器7のドリフトまたは飛行時間領域中へのイオンパケットのサンプリング効率を最大化するために、イオンガイド10からのイオンパケットの放出と同期するようにされる。
【0192】
図8は、好適な質量分析器2の電極に印加される1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたはDCポテンシャルもしくは電圧波形の振幅がどのように質量分析器の3回の連続した動作サイクルにわたって好ましくは直線的に増加するかも示す。イオンをパルス化して好適な質量分析器2へ入力するためにゲート電極1に印加される対応する電圧パルスも示される。
【0193】
種々のさらなる実施形態が考えられる。一実施形態によると、質量分析器2は、長方形、正方形または楕円形のアパーチャを有するリング電極を含み得る。別の実施形態によると、質量分析器2は、セグメント化多重極ロッドセットイオンガイドを含み得る。
【0194】
一実施形態によると、イオンは、イオン源から好適な質量分析器2中へ直接パルス化されて入力され得る。例えば、MALDIイオン源または別のパルス化イオン源が設けられ得、イオンは、レーザビームがイオン源の標的プレートに発射されるたびに好適な質量分析器2中へパルス化されて入力され得る。
【0195】
一実施形態によると、衝突、フラグメンテーションまたは反応セルが好適な質量分析器2の上流および/または下流に設けられ得る。一実施形態によると、好適な質量分析器のイオンガイド2の電極に印加される1つ以上の過渡DCポテンシャルもしくは電圧またはDC電圧もしくはポテンシャル波形の振幅が好ましくは漸進的に増大または増加されるにつれ、好適な質量分析器2と衝突、フラグメンテーションまたは反応セルとの間のポテンシャル差は、好適な質量分析器2のサイクル時間にわたって漸進的に低下または低減され得る。この実施形態によると、好適な質量分析器2を出射するイオンのエネルギーは、好ましくは、質量分析器2の下流に設けられる衝突、フラグメンテーションまたは反応セルにおけるその後のフラグメンテーションのために最適化される。
【0196】
本発明を好適な実施形態を参照して説明してきたが、添付の特許請求の範囲に記載されるような発明の範囲を逸脱することなく種々の変更が形態および詳細においてなされ得ることが当業者には理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電極を含むイオンガイドと、
第1の周波数および第1の振幅を有する第1のACまたはRF電圧を前記複数の電極のうちの少なくともいくつかに印加して、使用時に1つ以上の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形もしくは井戸が前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿って生成されるようにするための手段と、
イオンを使用時に前記イオンガイド内に半径方向に閉じ込めるために、第2の周波数および第2の振幅を有する第2のACまたはRF電圧を1つ以上の電極に印加するための手段と、
イオンを前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿っておよび/または通って駆動または推進して、一動作モードにおいて、第1の範囲内に質量電荷比を有するイオンが前記イオンガイドを出射し、他方、第2の異なる範囲内に質量電荷比を有するイオンが前記複数の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形もしくは井戸によって前記イオンガイド内に軸方向にトラップされるかまたは閉じ込められるようにする手段とを含む、質量分析器。
【請求項2】
前記第1の周波数は前記第2の周波数と実質的に異なる、請求項1に記載の質量分析器。
【請求項3】
前記第1の周波数は前記第2の周波数と実質的に同じである、請求項1に記載の質量分析器。
【請求項4】
前記第1の周波数は、(i)<100kHz、(ii)100〜200kHz、(iii)200〜300kHz、(iv)300〜400kHz、(v)400〜500kHz、(vi)0.5〜1.0MHz、(vii)1.0〜1.5MHz、(viii)1.5〜2.0MHz、(ix)2.0〜2.5MHz、(x)2.5〜3.0MHz、(xi)3.0〜3.5MHz、(xii)3.5〜4.0MHz、(xiii)4.0〜4.5MHz、(xiv)4.5〜5.0MHz、(xv)5.0〜5.5MHz、(xvi)5.5〜6.0MHz、(xvii)6.0〜6.5MHz、(xviii)6.5〜7.0MHz、(xix)7.0〜7.5MHz、(xx)7.5〜8.0MHz、(xxi)8.0〜8.5MHz、(xxii)8.5〜9.0MHz、(xxiii)9.0〜9.5MHz、(xxiv)9.5〜10.0MHz、および(xxv)>10.0MHzからなる群から選択される、請求項1、2または3のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項5】
前記第2の周波数は、(i)<100kHz、(ii)100〜200kHz、(iii)200〜300kHz、(iv)300〜400kHz、(v)400〜500kHz、(vi)0.5〜1.0MHz、(vii)1.0〜1.5MHz、(viii)1.5〜2.0MHz、(ix)2.0〜2.5MHz、(x)2.5〜3.0MHz、(xi)3.0〜3.5MHz、(xii)3.5〜4.0MHz、(xiii)4.0〜4.5MHz、(xiv)4.5〜5.0MHz、(xv)5.0〜5.5MHz、(xvi)5.5〜6.0MHz、(xvii)6.0〜6.5MHz、(xviii)6.5〜7.0MHz、(xix)7.0〜7.5MHz、(xx)7.5〜8.0MHz、(xxi)8.0〜8.5MHz、(xxii)8.5〜9.0MHz、(xxiii)9.0〜9.5MHz、(xxiv)9.5〜10.0MHz、および(xxv)>10.0MHzからなる群から選択される、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項6】
前記第1の振幅は前記第2の振幅と実質的に異なる、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項7】
前記第1の振幅は前記第2の振幅と実質的に同じである、請求項1〜5のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項8】
前記第1の振幅は、(i)<50Vピークトゥピーク、(ii)50〜100Vピークトゥピーク、(iii)100〜150Vピークトゥピーク、(iv)150〜200Vピークトゥピーク、(v)200〜250Vピークトゥピーク、(vi)250〜300Vピークトゥピーク、(vii)300〜350Vピークトゥピーク、(viii)350〜400Vピークトゥピーク、(ix)400〜450Vピークトゥピーク、(x)450〜500Vピークトゥピーク、および(xi)>500Vピークトゥピークからなる群から選択される、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項9】
前記第2の振幅は、(i)<50Vピークトゥピーク、(ii)50〜100Vピークトゥピーク、(iii)100〜150Vピークトゥピーク、(iv)150〜200Vピークトゥピーク、(v)200〜250Vピークトゥピーク、(vi)250〜300Vピークトゥピーク、(vii)300〜350Vピークトゥピーク、(viii)350〜400Vピークトゥピーク、(ix)400〜450Vピークトゥピーク、(x)450〜500Vピークトゥピーク、および(xi)>500Vピークトゥピークからなる群から選択される、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項10】
前記第1のACまたはRF電圧と前記第2のACまたはRF電圧との間の位相差は、(i)0〜10o、(ii)10〜20o、(iii)20〜30o、(iv)30〜40o、(v)40〜50o、(vi)50〜60o、(vii)60〜70o、(viii)70〜80o、(ix)80〜90o、(x)90〜100o、(xi)100〜110o、(xii)110〜120o、(xiii)120〜130o、(xiv)130〜140o、(xv)140〜150o、(xvi)150〜160o、(xvii)160〜170o、(xviii)170〜180o、(xix)180〜190o、(xx)190〜200o、(xxi)200〜210o、(xxii)210〜220o、(xxiii)220〜230o、(xxiv)230〜240o、(xxv)240〜250o、(xxvi)250〜260o、(xxvii)260〜270o、(xxviii)270〜280o、(xxix)280〜290o、(xxx)290〜300o、(xxxi)300〜310o、(xxxii)310〜320o、(xxxiii)320〜330o、(xxxiv)330〜340o、(xxxv)340〜350o、および(xxxvi)350〜360oからなる群から選択される、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項11】
前記第1のACまたはRF電圧と前記第2のACまたはRF電圧との間の位相差は、(i)0o、(ii)90o、(iii)180o、および(iv)270oからなる群から選択される、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項12】
前記イオンガイドは、複数の第1のグループの電極を含み、各第1のグループの電極は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19もしくは20個の電極または複数の電極を含む、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項13】
前記イオンガイドは、m個の第1のグループの電極を含み、前記mは、(i)1〜10、(ii)11〜20、(iii)21〜30、(iv)31〜40、(v)41〜50、(vi)51〜60、(vii)61〜70、(viii)71〜80、(ix)81〜90、(x)91〜100、および(xi)>100からなる群から選択される、請求項12に記載の質量分析器。
【請求項14】
1つ以上のまたは各第1のグループの電極における少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19もしくは20の電極または複数の電極には、前記第1のACまたはRF電圧の同じ位相が供給される、請求項12および13に記載の質量分析器。
【請求項15】
前記第1のグループの電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%の軸方向長さは、(i)<1mm、(ii)1〜2mm、(iii)2〜3mm、(iv)3〜4mm、(v)4〜5mm、(vi)5〜6mm、(vii)6〜7mm、(viii)7〜8mm、(ix)8〜9mm、(x)9〜10mm、(xi)10〜11mm、(xii)11〜12mm、(xiii)12〜13mm、(xiv)13〜14mm、(xv)14〜15mm、(xvi)15〜16mm、(xvii)16〜17mm、(xviii)17〜18mm、(xix)18〜19mm、(xx)19〜20mm、および(xxi)>20mmからなる群から選択される、請求項12、13または14に記載の質量分析器。
【請求項16】
前記第1のグループの電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%間の軸方向間隔は、(i)<1mm、(ii)1〜2mm、(iii)2〜3mm、(iv)3〜4mm、(v)4〜5mm、(vi)5〜6mm、(vii)6〜7mm、(viii)7〜8mm、(ix)8〜9mm、(x)9〜10mm、(xi)10〜11mm、(xii)11〜12mm、(xiii)12〜13mm、(xiv)13〜14mm、(xv)14〜15mm、(xvi)15〜16mm、(xvii)16〜17mm、(xviii)17〜18mm、(xix)18〜19mm、(xx)19〜20mm、および(xxi)>20mmからなる群から選択される、請求項12〜15のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項17】
前記1つ以上の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形もしくは井戸は、前記イオンガイドの軸方向長さに沿って極小を有し、前記極小は、前記第1のグループの電極の中間あるいは中心に対応する、請求項12〜16のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項18】
前記1つ以上の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形もしくは井戸は、前記イオンガイドの軸方向長さに沿って極大を有し、前記極大は、第1のグループの電極間の軸方向距離または間隔の実質的に50%に対応する軸方向位置に位置する、請求項12〜17のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項19】
前記1つ以上の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形もしくは井戸は、特定の質量電荷比を有するイオンに対して実質的に同じ高さ、深さまたは振幅である極小および/または極大を有し、前記極小および/または極大は、前記第1のグループの電極の軸方向配置または周期と実質的に同じ周期を有する、請求項12〜18のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項20】
前記イオンガイドは複数の第2のグループの電極を含み、各第2のグループの電極は少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19もしくは20個の電極または複数の電極を含む、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項21】
前記イオンガイドは、n個の第2のグループの電極を含み、前記nは、(i)1〜10、(ii)11〜20、(iii)21〜30、(iv)31〜40、(v)41〜50、(vi)51〜60、(vii)61〜70、(viii)71〜80、(ix)81〜90、(x)91〜100、および(xi)>100からなる群から選択される、請求項20に記載の質量分析器。
【請求項22】
1つ以上のまたは各第2のグループの電極における少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19もしくは20個の電極または複数の電極には、前記第2のACまたはRF電圧の同じ位相が供給される、請求項20および21に記載の質量分析器。
【請求項23】
前記第2のグループの電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%の軸方向長さは、(i)<1mm、(ii)1〜2mm、(iii)2〜3mm、(iv)3〜4mm、(v)4〜5mm、(vi)5〜6mm、(vii)6〜7mm、(viii)7〜8mm、(ix)8〜9mm、(x)9〜10mm、(xi)10〜11mm、(xii)11〜12mm、(xiii)12〜13mm、(xiv)13〜14mm、(xv)14〜15mm、(xvi)15〜16mm、(xvii)16〜17mm、(xviii)17〜18mm、(xix)18〜19mm、(xx)19〜20mm、および(xxi)>20mmからなる群から選択される、請求項20、21または22に記載の質量分析器。
【請求項24】
前記第2のグループの電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%間の軸方向間隔は、(i)<1mm、(ii)1〜2mm、(iii)2〜3mm、(iv)3〜4mm、(v)4〜5mm、(vi)5〜6mm、(vii)6〜7mm、(viii)7〜8mm、(ix)8〜9mm、(x)9〜10mm、(xi)10〜11mm、(xii)11〜12mm、(xiii)12〜13mm、(xiv)13〜14mm、(xv)14〜15mm、(xvi)15〜16mm、(xvii)16〜17mm、(xviii)17〜18mm、(xix)18〜19mm、(xx)19〜20mm、および(xxi)>20mmからなる群から選択される、請求項20〜23のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項25】
軸方向に隣接する電極には、前記第2のACまたはRF電圧の互いに反対の位相が供給される、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項26】
前記1つ以上の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形もしくは井戸は、前記イオンガイドの軸方向長さに沿って極小を有し、前記極小は、前記第2のグループの電極の中間あるいは中心に対応する、請求項20〜25のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項27】
前記1つ以上の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形もしくは井戸は、前記イオンガイドの軸方向長さに沿って極大を有し、前記極大は、第2のグループの電極間の軸方向距離または間隔の実質的に50%に対応する軸方向位置に位置する、請求項20〜26のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項28】
前記1つ以上の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形もしくは井戸は、特定の質量電荷比を有するイオンに対して実質的に同じ高さ、深さまたは振幅である極小および/または極大を有し、前記極小および/または極大は、前記第2のグループの電極の軸方向配置または周期と実質的に同じ周期を有する、請求項20〜27のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項29】
前記第1の範囲は、(i)<100、(ii)100〜200、(iii)200〜300、(iv)300〜400、(v)400〜500、(vi)500〜600、(vii)600〜700、(viii)700〜800、(ix)800〜900、(x)900〜1000、および(xi)>1000からなる群から選択される、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項30】
前記第2の範囲は、(i)<100、(ii)100〜200、(iii)200〜300、(iv)300〜400、(v)400〜500、(vi)500〜600、(vii)600〜700、(viii)700〜800、(ix)800〜900、(x)900〜1000、および(xi)>1000からなる群から選択される、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項31】
前記第1のACまたはRF電圧を前記複数の電極の少なくともいくつかに印加する手段は、1つ以上の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形もしくは井戸が前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%に沿って生成されるように構成および適合される、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項32】
前記1つ以上の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形もしくは井戸は、前記イオンガイドの中心長手方向軸の少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%に沿って生成または提供される、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項33】
前記1つ以上の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形もしくは井戸は、前記イオンガイドの中心長手方向軸から半径方向に少なくともr mmだけ離れるように伸び、前記rは、(i)<1、(ii)1〜2、(iii)2〜3、(iv)3〜4、(v)4〜5、(vi)5〜6、(vii)6〜7、(viii)7〜8、(ix)8〜9、(x)9〜10、および(xi)>10からなる群から選択される、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項34】
質量電荷比が1〜100、100〜200、200〜300、300〜400、400〜500、500〜600、600〜700、700〜800、800〜900または900〜1000の範囲にあるイオンに対して、前記軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形もしくは井戸のうちの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%の振幅、高さまたは深さは、(i)<0.1V、(ii)0.1〜0.2V、(iii)0.2〜0.3V、(iv)0.3〜0.4V、(v)0.4〜0.5V、(vi)0.5〜0.6V、(vii)0.6〜0.7V、(viii)0.7〜0.8V、(ix)0.8〜0.9V、(x)0.9〜1.0V、(xi)1.0〜1.5V、(xii)1.5〜2.0V、(xiii)2.0〜2.5V、(xiv)2.5〜3.0V、(xv)3.0〜3.5V、(xvi)3.5〜4.0V、(xvii)4.0〜4.5V、(xviii)4.5〜5.0V、(xix)5.0〜5.5V、(xx)5.5〜6.0V、(xxi)6.0〜6.5V、(xxii)6.5〜7.0V、(xxiii)7.0〜7.5V、(xxiv)7.5〜8.0V、(xxv)8.0〜8.5V、(xxvi)8.5〜9.0V、(xxvii)9.0〜9.5V、(xxviii)9.5〜10.0V、および(xxix)>10.0Vからなる群から選択される、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項35】
使用時に、前記イオンガイドの軸方向長さに沿って、1cm当たり少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形もしくは井戸が提供または生成される、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項36】
前記複数の電極は、使用時にイオンが移送されるアパーチャを有する複数の電極を含む、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項37】
前記電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%は、実質的に円形、長方形、正方形または楕円形のアパーチャを有する、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項38】
前記電極の少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%は、実質的に同じサイズまたは実質的に同じ面積を有するアパーチャを有する、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項39】
前記電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%は、前記イオンガイドの軸に沿う方向にサイズまたは面積が漸進的により大きくおよび/またはより小さくなるアパーチャを有する、請求項1〜37のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項40】
前記電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%は、(i)≦1.0mm、(ii)≦2.0mm、(iii)≦3.0mm、(iv)≦4.0mm、(v)≦5.0mm、(vi)≦6.0mm、(vii)≦7.0mm、(viii)≦8.0mm、(ix)≦9.0mm、(x)≦10.0mm、および(xi)>10.0mmからなる群から選択される内径または内寸法を有するアパーチャを有する、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項41】
前記電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%は、(i)5mm以下、(ii)4.5mm以下、(iii)4mm以下、(iv)3.5mm以下、(v)3mm以下、(vi)2.5mm以下、(vii)2mm以下、(viii)1.5mm以下、(ix)1mm以下、(x)0.8mm以下、(xi)0.6mm以下、(xii)0.4mm以下、(xiii)0.2mm以下、(xiv)0.1mm以下、および(xv)0.25mm以下からなる群から選択される軸方向距離だけ互いに離間される、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項42】
前記複数の電極のうちの少なくともいくつかは、アパーチャを含み、前記アパーチャの内径または内寸法と隣接する電極間の中心間軸方向間隔との比は、(i)<1.0、(ii)1.0〜1.2、(iii)1.2〜1.4、(iv)1.4〜1.6、(v)1.6〜1.8、(vi)1.8〜2.0、(vii)2.0〜2.2、(viii)2.2〜2.4、(ix)2.4〜2.6、(x)2.6〜2.8、(xi)2.8〜3.0、(xii)3.0〜3.2、(xiii)3.2〜3.4、(xiv)3.4〜3.6、(xv)3.6〜3.8、(xvi)3.8〜4.0、(xvii)4.0〜4.2、(xviii)4.2〜4.4、(xix)4.4〜4.6、(xx)4.6〜4.8、(xxi)4.8〜5.0、および(xxii)>5.0からなる群から選択される、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項43】
前記電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%は、(i)5mm以下、(ii)4.5mm以下、(iii)4mm以下、(iv)3.5mm以下、(v)3mm以下、(vi)2.5mm以下、(vii)2mm以下、(viii)1.5mm以下、(ix)1mm以下、(x)0.8mm以下、(xi)0.6mm以下、(xii)0.4mm以下、(xiii)0.2mm以下、(xiv)0.1mm以下、および(xv)0.25mm以下からなる群から選択される厚さまたは軸方向長さを有する、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項44】
前記イオンガイドは、セグメント化ロッドセットイオンガイドを含む、請求項1〜35のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項45】
前記イオンガイドは、セグメント化四重極、六重極もしくは八重極イオンガイドまたは8個よりも多くのセグメント化ロッドセットを含むイオンガイドを含む、請求項44に記載の質量分析器。
【請求項46】
前記イオンガイドは、(i)およそまたは実質的に円形である断面、(ii)およそまたは実質的に双曲である曲面、(iii)円弧形または一部円形である断面、(iv)およそまたは実質的に長方形である断面、および(v)およそまたは実質的に正方形である断面からなる群から選択される断面を有する複数の電極を含む、請求項44または45に記載の質量分析器。
【請求項47】
前記イオンガイドは、複数のグループの電極を含み、前記グループの電極が前記イオンガイドの軸方向長さに沿って軸方向に間隔をあけて配置され、各グループの電極は複数のプレート電極を含む、請求項1〜35のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項48】
各グループの電極は、第1のプレート電極および第2のプレート電極を含み、前記第1および第2のプレート電極は、実質的に同じ平面に配置され、かつ前記イオンガイドの中心長手方向軸のいずれかの側に配置される、請求項47に記載の質量分析器。
【請求項49】
イオンを前記イオンガイド内に第1の半径方向に閉じ込めるためにDC電圧またはポテンシャルを前記第1および第2のプレート電極に印加するための手段をさらに含む、請求項48に記載の質量分析器。
【請求項50】
各グループの電極は、第3のプレート電極および第4のプレート電極をさらに含み、前記第3および第4のプレート電極は、前記第1および第2のプレート電極と実質的に同じ平面に配置され、かつ前記第1および第2のプレート電極に対して異なる向きに前記イオンガイドの中心長手方向軸のいずれかの側に配置される、請求項48または49に記載の質量分析器。
【請求項51】
前記第2のACまたはRF電圧を印加するための手段は、イオンを前記イオンガイド内に第2の半径方向に閉じ込めるために前記第2のACまたはRF電圧を前記第3および第4のプレート電極に印加するように構成される、請求項50に記載の質量分析器。
【請求項52】
前記第1のACまたはRF電圧を印加する手段は、前記第1のACまたはRF電圧を前記複数の電極のうちの少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%に印加するように構成される、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項53】
前記第2のACまたはRF電圧を印加する手段は、前記第2のACまたはRF電圧を前記複数の電極のうちの少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%に印加するように構成される、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項54】
前記イオンガイドは、(i)<20mm、(ii)20〜40mm、(iii)40〜60mm、(iv)60〜80mm、(v)80〜100mm、(vi)100〜120mm、(vii)120〜140mm、(viii)140〜160mm、(ix)160〜180mm、(x)180〜200mm、および(xi)>200mmからなる群から選択される長さを有する、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項55】
前記イオンガイドは、少なくとも(i)10〜20個の電極、(ii)20〜30個の電極、(iii)30〜40個の電極、(iv)40〜50個の電極、(v)50〜60個の電極、(vi)60〜70個の電極、(vii)70〜80個の電極、(viii)80〜90個の電極、(ix)90〜100個の電極、(x)100〜110個の電極、(xi)110〜120個の電極、(xii)120〜130個の電極、(xiii)130〜140個の電極、(xiv)140〜150個の電極、または(xv)>150個の電極を含む、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項56】
前記イオンを駆動または推進する手段は、前記イオンガイドの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%に沿って線形軸方向DC電界を生成するための手段を含む、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項57】
前記イオンを駆動または推進する手段は、前記イオンガイドの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%に沿って非線形または階段状の軸方向DC電界を生成するための手段を含む、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項58】
前記軸方向DC電界を漸進的に増加させる、漸進的に低減させる、漸進的に変化させる、走査する、直線的に増加させる、直線的に低減させる、段階的、漸進的にもしくは他のやり方で増加させる、または段階的、漸進的にもしくは他のやり方で低減させるように構成および適合される手段をさらに含む、請求項56または57に記載の質量分析器。
【請求項59】
前記イオンを駆動または推進するための手段は、多相ACまたはRF電圧を前記電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%に印加するための手段を含む、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項60】
前記イオンを駆動または推進する手段は、使用時にガスフローまたは差圧効果によって前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿ってかつ/または通ってイオンを駆動または推進するように構成されるガスフロー手段を含む、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項61】
前記イオンを駆動または推進するための手段は、1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたは1つ以上のDC電圧もしくはポテンシャル波形を前記電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%に印加するための手段を含む、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項62】
前記1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたは1つ以上のDC電圧もしくはポテンシャル波形は、1つ以上のポテンシャル山、障壁または井戸を生成する、請求項61に記載の質量分析器。
【請求項63】
前記1つ以上の過渡DC電圧またはポテンシャル波形は、反復波形または方形波を含む、請求項61または62に記載の質量分析器。
【請求項64】
使用時に、複数の軸方向DCポテンシャル山、障壁または井戸が前記イオンガイドの長さに沿って平行移動されるか、または複数の過渡DCポテンシャルまたは電圧が前記イオンガイドの軸方向長さに沿って電極に漸進的に印加される、請求項61、62または63に記載の質量分析器。
【請求項65】
前記1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたは前記1つ以上のDC電圧もしくはポテンシャル波形の振幅、高さまたは深さを漸進的に増加させる、漸進的に低減させる、漸進的に変化させる、走査する、直線的に増加させる、直線的に低減させる、段階的、漸進的にもしくは他のやり方で増加させる、または段階的、漸進的にもしくは他のやり方で低減させるように構成および適合される第1の手段をさらに含む、請求項61〜64のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項66】
前記第1の手段は、前記1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたは前記1つ以上のDC電圧もしくはポテンシャル波形の振幅、高さまたは深さを期間t1にわたってx1ボルトだけ漸進的に増加させる、漸進的に低減させる、漸進的に変化させる、走査する、直線的に増加させる、直線的に低減させる、段階的、漸進的にもしくは他のやり方で増加させる、または段階的、漸進的にもしくは他のやり方で低減させるように構成および適合される、請求項65に記載の質量分析器。
【請求項67】
前記x1は、(i)<0.1V、(ii)0.1〜0.2V、(iii)0.2〜0.3V、(iv)0.3〜0.4V、(v)0.4〜0.5V、(vi)0.5〜0.6V、(vii)0.6〜0.7V、(viii)0.7〜0.8V、(ix)0.8〜0.9V、(x)0.9〜1.0V、(xi)1.0〜1.5V、(xii)1.5〜2.0V、(xiii)2.0〜2.5V、(xiv)2.5〜3.0V、(xv)3.0〜3.5V、(xvi)3.5〜4.0V、(xvii)4.0〜4.5V、(xviii)4.5〜5.0V、(xix)5.0〜5.5V、(xx)5.5〜6.0V、(xxi)6.0〜6.5V、(xxii)6.5〜7.0V、(xxiii)7.0〜7.5V、(xxiv)7.5〜8.0V、(xxv)8.0〜8.5V、(xxvi)8.5〜9.0V、(xxvii)9.0〜9.5V、(xxviii)9.5〜10.0V、および(xxix)>10.0Vからなる群から選択される、請求項66に記載の質量分析器。
【請求項68】
前記t1は、(i)<1ms、(ii)1〜10ms、(iii)10〜20ms、(iv)20〜30ms、(v)30〜40ms、(vi)40〜50ms、(vii)50〜60ms、(viii)60〜70ms、(ix)70〜80ms、(x)80〜90ms、(xi)90〜100ms、(xii)100〜200ms、(xiii)200〜300ms、(xiv)300〜400ms、(xv)400〜500ms、(xvi)500〜600ms、(xvii)600〜700ms、(xviii)700〜800ms、(xix)800〜900ms、(xx)900〜1000ms、(xxi)1〜2s、(xxii)2〜3s、(xxiii)3〜4s、(xxiv)4〜5s、および(xxv)>5sからなる群から選択される、請求項66または67に記載の質量分析器。
【請求項69】
前記1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたは前記1つ以上のDCポテンシャルもしくは電圧波形が前記電極に印加される速度または率を漸進的に増加させる、漸進的に低減させる、漸進的に変化させる、走査する、直線的に増加させる、直線的に低減させる、段階的、漸進的にもしくは他のやり方で増加させる、または段階的、漸進的にもしくは他のやり方で低減させるように構成および適合される第2の手段をさらに含む、請求項61〜68のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項70】
前記第2の手段は、前記1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたは前記1つ以上のDC電圧もしくはポテンシャル波形が前記電極に印加される速度または率を期間t2にわたってx2m/sだけ漸進的に増加させる、漸進的に低減させる、漸進的に変化させる、走査する、直線的に増加させる、直線的に低減させる、段階的、漸進的にもしくは他のやり方で増加させる、または段階的、漸進的にもしくは他のやり方で低減させるように構成および適合される、請求項69に記載の質量分析器。
【請求項71】
前記x2は、(i)<1、(ii)1〜2、(iii)2〜3、(iv)3〜4、(v)4〜5、(vi)5〜6、(vii)6〜7、(viii)7〜8、(ix)8〜9、(x)9〜10、(xi)10〜11、(xii)11〜12、(xiii)12〜13、(xiv)13〜14、(xv)14〜15、(xvi)15〜16、(xvii)16〜17、(xviii)17〜18、(xix)18〜19、(xx)19〜20、(xxi)20〜30、(xxii)30〜40、(xxiii)40〜50、(xxiv)50〜60、(xxv)60〜70、(xxvi)70〜80、(xxvii)80〜90、(xxviii)90〜100、(xxix)100〜150、(xxx)150〜200、(xxxi)200〜250、(xxxii)250〜300、(xxxiii)300〜350、(xxxiv)350〜400、(xxxv)400〜450、(xxxvi)450〜500、および(xxxvii)>500からなる群から選択される、請求項70に記載の質量分析器。
【請求項72】
前記t2は、(i)<1ms、(ii)1〜10ms、(iii)10〜20ms、(iv)20〜30ms、(v)30〜40ms、(vi)40〜50ms、(vii)50〜60ms、(viii)60〜70ms、(ix)70〜80ms、(x)80〜90ms、(xi)90〜100ms、(xii)100〜200ms、(xiii)200〜300ms、(xiv)300〜400ms、(xv)400〜500ms、(xvi)500〜600ms、(xvii)600〜700ms、(xviii)700〜800ms、(xix)800〜900ms、(xx)900〜1000ms、(xxi)1〜2s、(xxii)2〜3s、(xxiii)3〜4s、(xxiv)4〜5s、および(xxv)>5sからなる群から選択される、請求項70または71に記載の質量分析器。
【請求項73】
前記電極に印加される前記第1のACまたはRF電圧の振幅を漸進的に増加させる、漸進的に低減させる、漸進的に変化させる、走査する、直線的に増加させる、直線的に低減させる、段階的、漸進的にもしくは他のやり方で増加させる、または段階的、漸進的にもしくは他のやり方で低減させるように構成および適合される第3の手段をさらに含む、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項74】
前記第3の手段は、前記第1のACまたはRF電圧の振幅を期間t3にわたってx3ボルトだけ漸進的に増加させる、漸進的に低減させる、漸進的に変化させる、走査する、直線的に増加させる、直線的に低減させる、段階的、漸進的にもしくは他のやり方で増加させる、または段階的、漸進的にもしくは他のやり方で低減させるように構成および適合される、請求項73に記載の質量分析器。
【請求項75】
前記x3は、(i)<50Vピークトゥピーク、(ii)50〜100Vピークトゥピーク、(iii)100〜150Vピークトゥピーク、(iv)150〜200Vピークトゥピーク、(v)200〜250Vピークトゥピーク、(vi)250〜300Vピークトゥピーク、(vii)300〜350Vピークトゥピーク、(viii)350〜400Vピークトゥピーク、(ix)400〜450Vピークトゥピーク、(x)450〜500Vピークトゥピーク、および(xi)>500Vピークトゥピークからなる群から選択される、請求項74に記載の質量分析器。
【請求項76】
前記t3は、(i)<1ms、(ii)1〜10ms、(iii)10〜20ms、(iv)20〜30ms、(v)30〜40ms、(vi)40〜50ms、(vii)50〜60ms、(viii)60〜70ms、(ix)70〜80ms、(x)80〜90ms、(xi)90〜100ms、(xii)100〜200ms、(xiii)200〜300ms、(xiv)300〜400ms、(xv)400〜500ms、(xvi)500〜600ms、(xvii)600〜700ms、(xviii)700〜800ms、(xix)800〜900ms、(xx)900〜1000ms、(xxi)1〜2s、(xxii)2〜3s、(xxiii)3〜4s、(xxiv)4〜5s、および(xxv)>5sからなる群から選択される、請求項74または75に記載の質量分析器。
【請求項77】
前記電極に印加される前記第1のRFまたはAC電圧の周波数を漸進的に増加させる、漸進的に低減させる、漸進的に変化させる、走査する、直線的に増加させる、直線的に低減させる、段階的、漸進的にもしくは他のやり方で増加させる、または段階的、漸進的にもしくは他のやり方で低減させるように構成および適合される第4の手段をさらに含む、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項78】
前記第4の手段は、前記電極に印加される前記第1のRFまたはAC電圧の周波数を期間t4にわたってx4MHzだけ漸進的に増加させる、漸進的に低減させる、漸進的に変化させる、走査する、直線的に増加させる、直線的に低減させる、段階的、漸進的にもしくは他のやり方で増加させる、または段階的、漸進的にもしくは他のやり方で低減させるように構成および適合される、請求項77に記載の質量分析器。
【請求項79】
前記x4は、(i)<100kHz、(ii)100〜200kHz、(iii)200〜300kHz、(iv)300〜400kHz、(v)400〜500kHz、(vi)0.5〜1.0MHz、(vii)1.0〜1.5MHz、(viii)1.5〜2.0MHz、(ix)2.0〜2.5MHz、(x)2.5〜3.0MHz、(xi)3.0〜3.5MHz、(xii)3.5〜4.0MHz、(xiii)4.0〜4.5MHz、(xiv)4.5〜5.0MHz、(xv)5.0〜5.5MHz、(xvi)5.5〜6.0MHz、(xvii)6.0〜6.5MHz、(xviii)6.5〜7.0MHz、(xix)7.0〜7.5MHz、(xx)7.5〜8.0MHz、(xxi)8.0〜8.5MHz、(xxii)8.5〜9.0MHz、(xxiii)9.0〜9.5MHz、(xxiv)9.5〜10.0MHz、および(xxv)>10.0MHzからなる群から選択される、請求項78に記載の質量分析器。
【請求項80】
前記t4は、(i)<1ms、(ii)1〜10ms、(iii)10〜20ms、(iv)20〜30ms、(v)30〜40ms、(vi)40〜50ms、(vii)50〜60ms、(viii)60〜70ms、(ix)70〜80ms、(x)80〜90ms、(xi)90〜100ms、(xii)100〜200ms、(xiii)200〜300ms、(xiv)300〜400ms、(xv)400〜500ms、(xvi)500〜600ms、(xvii)600〜700ms、(xviii)700〜800ms、(xix)800〜900ms、(xx)900〜1000ms、(xxi)1〜2s、(xxii)2〜3s、(xxiii)3〜4s、(xxiv)4〜5s、および(xxv)>5sからなる群から選択される、請求項78または79に記載の質量分析器。
【請求項81】
前記電極に印加される前記第2のACまたはRF電圧の振幅を漸進的に増加させる、漸進的に低減させる、漸進的に変化させる、走査する、直線的に増加させる、直線的に低減させる、段階的、漸進的にもしくは他のやり方で増加させる、または段階的、漸進的にもしくは他のやり方で低減させるように構成および適合される第5の手段をさらに含む、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項82】
前記第5の手段は、前記第2のACまたはRF電圧の振幅を期間t5にわたってx5ボルトだけ漸進的に増加させる、漸進的に低減させる、漸進的に変化させる、走査する、直線的に増加させる、直線的に低減させる、段階的、漸進的にもしくは他のやり方で増加させる、または段階的、漸進的にもしくは他のやり方で低減させるように構成および適合される、請求項81に記載の質量分析器。
【請求項83】
前記x5は、(i)<50Vピークトゥピーク、(ii)50〜100Vピークトゥピーク、(iii)100〜150Vピークトゥピーク、(iv)150〜200Vピークトゥピーク、(v)200〜250Vピークトゥピーク、(vi)250〜300Vピークトゥピーク、(vii)300〜350Vピークトゥピーク、(viii)350〜400Vピークトゥピーク、(ix)400〜450Vピークトゥピーク、(x)450〜500Vピークトゥピーク、および(xi)>500Vピークトゥピークからなる群から選択される、請求項82に記載の質量分析器。
【請求項84】
前記t5は、(i)<1ms、(ii)1〜10ms、(iii)10〜20ms、(iv)20〜30ms、(v)30〜40ms、(vi)40〜50ms、(vii)50〜60ms、(viii)60〜70ms、(ix)70〜80ms、(x)80〜90ms、(xi)90〜100ms、(xii)100〜200ms、(xiii)200〜300ms、(xiv)300〜400ms、(xv)400〜500ms、(xvi)500〜600ms、(xvii)600〜700ms、(xviii)700〜800ms、(xix)800〜900ms、(xx)900〜1000ms、(xxi)1〜2s、(xxii)2〜3s、(xxiii)3〜4s、(xxiv)4〜5s、および(xxv)>5sからなる群から選択される、請求項82または83に記載の質量分析器。
【請求項85】
前記電極に印加される前記第2のRFまたはAC電圧の周波数を漸進的に増加させる、漸進的に低減させる、漸進的に変化させる、走査する、直線的に増加させる、直線的に低減させる、段階的、漸進的にもしくは他のやり方で増加させる、または段階的、漸進的にもしくは他のやり方で低減させるように構成および適合される第6の手段をさらに含む、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項86】
前記第6の手段は、前記電極に印加される前記第2のRFまたはAC電圧の周波数を期間t6にわたってx6MHzだけ漸進的に増加させる、漸進的に低減させる、漸進的に変化させる、走査する、直線的に増加させる、直線的に低減させる、段階的、漸進的にもしくは他のやり方で増加させる、または段階的、漸進的にもしくは他のやり方で低減させるように構成および適合される、請求項85に記載の質量分析器。
【請求項87】
前記x6は、(i)<100kHz、(ii)100〜200kHz、(iii)200〜300kHz、(iv)300〜400kHz、(v)400〜500kHz、(vi)0.5〜1.0MHz、(vii)1.0〜1.5MHz、(viii)1.5〜2.0MHz、(ix)2.0〜2.5MHz、(x)2.5〜3.0MHz、(xi)3.0〜3.5MHz、(xii)3.5〜4.0MHz、(xiii)4.0〜4.5MHz、(xiv)4.5〜5.0MHz、(xv)5.0〜5.5MHz、(xvi)5.5〜6.0MHz、(xvii)6.0〜6.5MHz、(xviii)6.5〜7.0MHz、(xix)7.0〜7.5MHz、(xx)7.5〜8.0MHz、(xxi)8.0〜8.5MHz、(xxii)8.5〜9.0MHz、(xxiii)9.0〜9.5MHz、(xxiv)9.5〜10.0MHz、および(xxv)>10.0MHzからなる群から選択される、請求項86に記載の質量分析器。
【請求項88】
前記t6は、(i)<1ms、(ii)1〜10ms、(iii)10〜20ms、(iv)20〜30ms、(v)30〜40ms、(vi)40〜50ms、(vii)50〜60ms、(viii)60〜70ms、(ix)70〜80ms、(x)80〜90ms、(xi)90〜100ms、(xii)100〜200ms、(xiii)200〜300ms、(xiv)300〜400ms、(xv)400〜500ms、(xvi)500〜600ms、(xvii)600〜700ms、(xviii)700〜800ms、(xix)800〜900ms、(xx)900〜1000ms、(xxi)1〜2s、(xxii)2〜3s、(xxiii)3〜4s、(xxiv)4〜5s、および(xxv)>5sからなる群から選択される、請求項86または87に記載の質量分析器。
【請求項89】
前記イオンガイドの前記電極のうちの少なくともいくつかに印加されるDC電圧またはポテンシャルの振幅を漸進的に増加させる、漸進的に低減させる、漸進的に変化させる、走査する、直線的に増加させる、直線的に低減させる、段階的、漸進的にもしくは他のやり方で増加させる、または段階的、漸進的にもしくは他のやり方で低減させるように構成および適合され、かつイオンを前記イオンガイド内に半径方向に閉じ込めるように作用する第7の手段をさらに含む、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項90】
前記第7の手段は、前記少なくともいくつかの電極に印加される前記DC電圧またはポテンシャルの振幅を期間t7にわたってx7ボルトだけ漸進的に増加させる、漸進的に低減させる、漸進的に変化させる、走査する、直線的に増加させる、直線的に低減させる、段階的、漸進的にもしくは他のやり方で増加させる、または段階的、漸進的にもしくは他のやり方で低減させるように構成および適合される、請求項89に記載の質量分析器。
【請求項91】
前記x7は、(i)<0.1V、(ii)0.1〜0.2V、(iii)0.2〜0.3V、(iv)0.3〜0.4V、(v)0.4〜0.5V、(vi)0.5〜0.6V、(vii)0.6〜0.7V、(viii)0.7〜0.8V、(ix)0.8〜0.9V、(x)0.9〜1.0V、(xi)1.0〜1.5V、(xii)1.5〜2.0V、(xiii)2.0〜2.5V、(xiv)2.5〜3.0V、(xv)3.0〜3.5V、(xvi)3.5〜4.0V、(xvii)4.0〜4.5V、(xviii)4.5〜5.0V、(xix)5.0〜5.5V、(xx)5.5〜6.0V、(xxi)6.0〜6.5V、(xxii)6.5〜7.0V、(xxiii)7.0〜7.5V、(xxiv)7.5〜8.0V、(xxv)8.0〜8.5V、(xxvi)8.5〜9.0V、(xxvii)9.0〜9.5V、(xxviii)9.5〜10.0V、および(xxix)>10.0Vからなる群から選択される、請求項90に記載の質量分析器。
【請求項92】
前記t7は、(i)<1ms、(ii)1〜10ms、(iii)10〜20ms、(iv)20〜30ms、(v)30〜40ms、(vi)40〜50ms、(vii)50〜60ms、(viii)60〜70ms、(ix)70〜80ms、(x)80〜90ms、(xi)90〜100ms、(xii)100〜200ms、(xiii)200〜300ms、(xiv)300〜400ms、(xv)400〜500ms、(xvi)500〜600ms、(xvii)600〜700ms、(xviii)700〜800ms、(xix)800〜900ms、(xx)900〜1000ms、(xxi)1〜2s、(xxii)2〜3s、(xxiii)3〜4s、(xxiv)4〜5s、および(xxv)>5sからなる群から選択される、請求項90または91に記載の質量分析器。
【請求項93】
前記電極に印加される前記第1のRFまたはAC電圧の振幅を前記電極に印加される前記第2のRFまたはAC電圧の振幅と並行して漸進的に増加させる、漸進的に低減させる、漸進的に変化させる、走査する、直線的に増加させる、直線的に低減させる、段階的、漸進的にもしくは他のやり方で増加させる、または段階的、漸進的にもしくは他のやり方で低減させるように構成および適合される手段をさらに含む、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項94】
前記電極に印加される前記第1のRFまたはAC電圧の周波数を前記電極に印加される前記第2のRFまたはAC電圧の周波数と並行して漸進的に増加させる、漸進的に低減させる、漸進的に変化させる、走査する、直線的に増加させる、直線的に低減させる、段階的、漸進的にもしくは他のやり方で増加させる、または段階的、漸進的にもしくは他のやり方で低減させるように構成および適合される手段をさらに含む、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項95】
前記電極に印加される前記第1のRFまたはAC電圧と前記電極に印加される前記第2のRFまたはAC電圧との間の位相差を漸進的に増加させる、漸進的に低減させる、漸進的に変化させる、走査する、直線的に増加させる、直線的に低減させる、段階的、漸進的にもしくは他のやり方で増加させる、または段階的、漸進的にもしくは他のやり方で低減させるように構成および適合される手段をさらに含む、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項96】
一動作モードにおいて、前記イオンガイドを(i)<1.0×10-1mbar、(ii)<1.0×10-2mbar、(iii)<1.0×10-3mbar、および(iv)<1.0×10-4mbarからなる群から選択される圧力に維持するための手段をさらに含む、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項97】
一動作モードにおいて、前記イオンガイドを(i)>1.0×10-3mbar、(ii)>1.0×10-2mbar、(iii)>1.0×10-1mbar、(iv)>1mbar、(v)>10mbar、(vi)>100mbar、(vii)>5.0×10-3mbar、(viii)>5.0×10-2mbar、(ix)10-4〜10-3mbar、(x)10-3〜10-2mbar、および(xi)10-2〜10-1mbarからなる群から選択される圧力に維持するための手段をさらに含む、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項98】
前記イオンガイドを通るガスフローを漸進的に増加させる、漸進的に低減させる、漸進的に変化させる、走査する、直線的に増加させる、直線的に低減させる、段階的、漸進的にもしくは他のやり方で増加させる、または段階的、漸進的にもしくは他のやり方で低減させるように構成および適合される手段をさらに含む、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項99】
比較的高い質量電荷比を有するイオンが比較的低い質量電荷比を有するイオンより先に前記質量分析器を出射するように、一動作モードにおいて、イオンが実質的に質量電荷比の逆順で前記質量分析器から出射するように配置される、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項100】
一動作モードにおいて、イオンが前記イオンガイド内にトラップされるが、実質的にフラグメンテーションされないように配置される、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項101】
前記イオンガイド内のイオンを衝突により冷却するか、または実質的に熱化するための手段をさらに含む、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項102】
一動作モードにおいて、前記イオンガイド内のイオンを実質的にフラグメンテーションする手段をさらに含む、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項103】
前記イオンガイドの入口および/または出口に配置される1つ以上の電極をさらに含み、一動作モードにおいて、イオンがパルス化されて前記イオンガイドへ入力および/またはそこから出力される、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項104】
前記質量分析器は、(i)<1ms、(ii)1〜10ms、(iii)10〜20ms、(iv)20〜30ms、(v)30〜40ms、(vi)40〜50ms、(vii)50〜60ms、(viii)60〜70ms、(ix)70〜80ms、(x)80〜90ms、(xi)90〜100ms、(xii)100〜200ms、(xiii)200〜300ms、(xiv)300〜400ms、(xv)400〜500ms、(xvi)500〜600ms、(xvii)600〜700ms、(xviii)700〜800ms、(xix)800〜900ms、(xx)900〜1000ms、(xxi)1〜2s、(xxii)2〜3s、(xxiii)3〜4s、(xxiv)4〜5s、および(xxv)>5sからなる群から選択されるサイクル時間を有する、先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器。
【請求項105】
先行する請求項のいずれかに記載の質量分析器を含む質量分析計。
【請求項106】
(i)エレクトロスプレーイオン化(「ESI」)イオン源、(ii)大気圧光イオン化(「APPI」)イオン源、(iii)大気圧化学イオン化(「APCI」)イオン源、(iv)マトリックス支援レーザ脱離イオン化(「MALDI」)イオン源、(v)レーザ脱離イオン化(「LDI」)イオン源、(vi)大気圧イオン化(「API」)イオン源、(vii)シリコンを用いた脱離イオン化(「DIOS」)イオン源、(viii)電子衝突(「EI」)イオン源、(ix)化学イオン化(「CI」)イオン源、(x)電界イオン化(「FI」)イオン源、(xi)電界脱離(「FD」)イオン源、(xii)誘導結合プラズマ(「ICP」)イオン源、(xiii)高速原子衝撃(「FAB」)イオン源、(xiv)液体二次イオン質量分析(「LSIMS」)イオン源、(xv)脱離エレクトロスプレーイオン化(「DESI」)イオン源、(xvi)ニッケル−63放射性イオン源、および(xvii)サーモスプレーイオン源からなる群から選択されるイオン源をさらに含む、請求項105に記載の質量分析計。
【請求項107】
連続またはパルス化イオン源をさらに含む、請求項105または106に記載の質量分析計。
【請求項108】
前記質量分析器の上流および/または下流に配置される1つ以上の質量フィルタをさらに含む、請求項105、106または107のいずれかに記載の質量分析計。
【請求項109】
前記1つ以上の質量フィルタは、(i)四重極ロッドセット質量フィルタ、(ii)飛行時間質量フィルタまたは質量分析器、(iii)ウィーンフィルタ、および(iv)磁場型質量フィルタまたは質量分析器からなる群から選択される、請求項108に記載の質量分析計。
【請求項110】
前記質量分析器の上流および/または下流に配置される1つ以上の第2のイオンガイドまたはイオントラップをさらに含む、請求項105〜109のいずれかに記載の質量分析計。
【請求項111】
前記1つ以上の第2のイオンガイドまたはイオントラップは、
(i)四重極ロッドセット、六重極ロッドセット、八重極ロッドセットもしくは8個より多くのロッドを含むロッドセットを含む多重極ロッドセットまたはセグメント化多重極ロッドセットイオンガイドまたはイオントラップ、
(ii)使用時にイオンが移送されるアパーチャを有する複数の電極または少なくとも2、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90もしくは100個の電極を含むイオントンネルもしくはイオンファンネルイオンガイドまたはイオントラップであって、前記電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%は、実質的に同じサイズまたは面積のアパーチャを有するか、またはサイズまたは面積が漸進的により大きくおよび/またはより小さくなるアパーチャを有する、イオントンネルもしくはイオンファンネルイオンガイドまたはイオントラップ、
(iii)平面、プレートまたはメッシュ電極のスタックまたはアレイであって、前記平面、プレートまたはメッシュ電極のスタックまたはアレイは、複数のまたは少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19もしくは20個の平面、プレートまたはメッシュ電極を含むか、または前記平面、プレートまたはメッシュ電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%は、使用時にイオンが走行する平面に概ね配置される、平面、プレートまたはメッシュ電極のスタックまたはアレイ、および
(iv)イオントラップまたはイオンガイドの長さに沿って軸方向に配置される複数のグループの電極を含むイオントラップまたはイオンガイドであって、各グループの電極は、(a)第1および第2の電極ならびにイオンを前記イオンガイド内に第1の半径方向に閉じ込めるためにDC電圧またはポテンシャルを前記第1および第2の電極に印加するための手段、および(b)第3および第4の電極ならびにイオンを前記イオンガイド内に第2の半径方向に閉じ込めるためにACまたはRF電圧を前記第3および第4の電極に印加するための手段を含む、イオントラップまたはイオンガイドからなる群から選択される、請求項110に記載の質量分析計。
【請求項112】
前記第2のイオンガイドまたはイオントラップは、イオントンネルもしくはイオンファンネルイオンガイドまたはイオントラップを含み、前記電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%は、(i)≦1.0mm、(ii)≦2.0mm、(iii)≦3.0mm、(iv)≦4.0mm、(v)≦5.0mm、(vi)≦6.0mm、(vii)≦7.0mm、(viii)≦8.0mm、(ix)≦9.0mm、(x)≦10.0mm、および(xi)>10.0mmからなる群から選択される内径または内寸法を有する、請求項110または111に記載の質量分析計。
【請求項113】
前記第2のイオンガイドまたはイオントラップは、イオンを前記第2のイオンガイドまたはイオントラップ内に半径方向に閉じ込めるためにACまたはRF電圧を前記第2のイオンガイドまたはイオントラップの前記複数の電極のうちの少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%に印加するように構成および適合される第2のイオンガイドACまたはRF電圧手段をさらに含む、請求項110、111または112に記載の質量分析計。
【請求項114】
前記第2のイオンガイドまたはイオントラップは、イオンのビームまたはグループを前記質量分析器から受け取り、前記イオンのビームまたはグループを変換または分割して、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20個の別々のパケットのイオンが任意の特定の時間に前記第2のイオンガイドまたはイオントラップ内に閉じ込められかつ/または隔離されるようにし、各パケットのイオンは、前記第2のイオンガイドまたはイオントラップ内に形成される別個の軸方向ポテンシャル井戸内に別々に閉じ込められかつ/または隔離されるように構成および適合される、請求項110〜113のいずれかに記載の質量分析計。
【請求項115】
一動作モードにおいて、少なくともいくつかのイオンを前記第2のイオンガイドまたはイオントラップの軸方向長さの少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%を通るか、またはそれに沿って上流および/または下流へ推進するように構成および適合される手段をさらに含む、請求項110〜114のいずれかに記載の質量分析計。
【請求項116】
少なくともいくつかのイオンを前記第2のイオンガイドまたはイオントラップの軸方向長さの少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%に沿って下流および/または上流へ推進するために、1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャルまたは1つ以上の過渡DC電圧もしくはポテンシャル波形を前記第2のイオンガイドまたはイオントラップを形成する前記電極に印加するように構成および適合される過渡DC電圧手段をさらに含む、請求項110〜115のいずれかに記載の質量分析計。
【請求項117】
少なくともいくつかのイオンを前記第2のイオンガイドまたはイオントラップの軸方向長さの少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%に沿って下流および/または上流へ推進するために、2つ以上の位相シフトACまたはRF電圧を前記第2のイオンガイドまたはイオントラップを形成する電極に印加するように構成および適合されるACまたはRF電圧手段をさらに含む、請求項110〜116のいずれかに記載の質量分析計。
【請求項118】
前記第2のイオンガイドまたはイオントラップの少なくとも一部を(i)>0.0001mbar、(ii)>0.001mbar、(iii)>0.01mbar、(iv)>0.1mbar、(v)>1mbar、(vi)>10mbar、(vii)>1mbar、(viii)0.0001〜100mbar、および(ix)0.001〜10mbarからなる群から選択される圧力に維持するように構成および適合される手段をさらに含む、請求項110〜117のいずれかに記載の質量分析計。
【請求項119】
イオンを衝突誘起解離(「CID」)によってフラグメンテーションするように構成および適合される衝突、フラグメンテーションまたは反応デバイスをさらに含む、請求項105〜118のいずれかに記載の質量分析計。
【請求項120】
(i)表面誘起解離(「SID」)フラグメンテーションデバイス、(ii)電子移動解離フラグメンテーションデバイス、(iii)電子捕獲解離フラグメンテーションデバイス、(iv)電子衝突または衝撃解離フラグメンテーションデバイス、(v)光誘起解離(「PID」)フラグメンテーションデバイス、(vi)レーザ誘起解離フラグメンテーションデバイス、(vii)赤外放射誘起解離デバイス、(viii)紫外放射誘起解離デバイス、(ix)ノズル−スキマ間インターフェースフラグメンテーションデバイス、(x)インソースフラグメンテーションデバイス、(xi)イオン源衝突誘起解離フラグメンテーションデバイス、(xii)熱または温度源フラグメンテーションデバイス、(xiii)電界誘起フラグメンテーションデバイス、(xiv)磁場誘起フラグメンテーションデバイス、(xv)酵素消化または酵素分解フラグメンテーションデバイス、(xvi)イオン−イオン反応フラグメンテーションデバイス、(xvii)イオン−分子反応フラグメンテーションデバイス、(xviii)イオン−原子反応フラグメンテーションデバイス、(xix)イオン−メタステーブルイオン反応フラグメンテーションデバイス、(xx)イオン−メタステーブル分子反応フラグメンテーションデバイス、(xxi)イオン−メタステーブル原子反応フラグメンテーションデバイス、(xxii)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するためのイオン−イオン反応デバイス、(xxiii)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するためのイオン−分子反応デバイス、(xxiv)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するためのイオン−原子反応デバイス、(xxv)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するためのイオン−メタステーブルイオン反応デバイス、(xxvi)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するためのイオン−メタステーブル分子反応デバイス、および(xxvii)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するためのイオン−メタステーブル原子反応デバイスからなる群から選択される衝突、フラグメンテーションまたは反応デバイスをさらに含む、請求項105〜119のいずれかに記載の質量分析計。
【請求項121】
前記質量分析器のサイクル時間中またはそれにわたって前記質量分析器と前記衝突、フラグメンテーションまたは反応セルとの間のポテンシャル差を漸進的に増加させる、漸進的に低減させる、漸進的に変化させる、走査する、直線的に増加させる、直線的に低減させる、段階的、漸進的にもしくは他のやり方で増加させる、または段階的、漸進的にもしくは他のやり方で低減させるように構成および適合される手段をさらに含む、請求項119または120に記載の質量分析計。
【請求項122】
前記質量分析器の下流に配置されるさらなる質量分析器をさらに含む、請求項105〜121のいずれかに記載の質量分析計。
【請求項123】
前記さらなる質量分析器は、(i)フーリエ変換(「FT」)質量分析器、(ii)フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴(「FTICR」)質量分析器、(iii)飛行時間(「TOF」)質量分析器、(iv)直交加速飛行時間(「oaTOF」)質量分析器、(v)軸方向加速飛行時間質量分析器、(vi)磁場型質量分析計、(vii)ポールまたは三次元四重極質量分析器、(viii)二次元または線形四重極質量分析器、(ix)ペニングトラップ質量分析器、(x)イオントラップ質量分析器、(xi)フーリエ変換オービトラップ、(xii)静電イオンサイクロトロン共鳴質量分析計、(xiii)静電フーリエ変換質量分析計、および(xiv)四重極ロッドセット質量フィルタまたは質量分析器からなる群から選択される、請求項122に記載の質量分析計。
【請求項124】
前記さらなる分析器の質量電荷比移送ウィンドウを前記質量分析器のサイクル時間中またはそれにわたって前記質量分析器の動作に同期して漸進的に増加させる、漸進的に低減させる、漸進的に変化させる、走査する、直線的に増加させる、直線的に低減させる、段階的、漸進的にもしくは他のやり方で増加させる、または段階的、漸進的にもしくは他のやり方で低減させるように構成および適合される手段をさらに含む、請求項122または123に記載の質量分析計。
【請求項125】
イオンを質量分析する方法であって、
複数の電極を含むイオンガイドを準備する工程と、
第1の周波数および第1の振幅を有する第1のACまたはRF電圧を前記複数の電極のうちの少なくともいくつかに印加して、1つ以上の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形もしくは井戸が前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿って生成されるようにする工程と、
イオンを前記イオンガイド内に半径方向に閉じ込めるために、第2の周波数および第2の振幅を有する第2のACまたはRF電圧を前記複数の電極のうちの1つ以上に印加する工程と、
イオンを前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿っておよび/または通って駆動または推進して、一動作モードにおいて、第1の範囲内に質量電荷比を有するイオンが前記イオンガイドを出射し、他方、第2の異なる範囲内に質量電荷比を有するイオンが前記複数の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形もしくは井戸によって前記イオンガイド内に軸方向にトラップされるかまたは閉じ込められるようにする工程とを含む、方法。
【請求項126】
請求項125に記載のイオンを質量分析する方法を含む、質量分析の方法。
【請求項127】
イオンガイドを含み、
使用時に異なる振幅および/または周波数および/または位相を有する2つのACまたはRF電圧が前記イオンガイドに印加され、複数の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形もしくは井戸が前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿って生成される、質量分析器。
【請求項128】
イオンを分析する方法であって、
イオンガイドを準備する工程と、
異なる振幅および/または周波数および/または位相を有する2つのACまたはRF電圧を前記イオンガイドに印加する工程であって、複数の軸方向時間平均または擬ポテンシャル障壁、波形もしくは井戸が前記イオンガイドの軸方向長さの少なくとも一部に沿って生成される工程とを含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−543311(P2009−543311A)
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−518951(P2009−518951)
【出願日】平成19年7月9日(2007.7.9)
【国際出願番号】PCT/GB2007/002561
【国際公開番号】WO2008/007069
【国際公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(504142097)マイクロマス ユーケー リミテッド (57)
【Fターム(参考)】