説明

質量分析計

完全に平坦な形態を有し、要素は平坦な非導電性基板に配置され、扇形とりわけ90°の扇形として構成される、イオンのためのエネルギーフィルター(k)と、イオン化チャンバー(b)と、電子およびイオンを加速するための電極(g、h、j)と、イオンの検出器(l)と、エネルギーフィルター(k)とを含むことを特徴とする質量分析計は、基板に、ドープした小さな半導体プレートおよび配線のフォトリソグラフィーおよびエッチングにより作られ、前記の部品は第2の平坦な非導電性基板により覆われている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定するガスのためのフィードチャンネルを備えたイオン化チャンバーと、測定するガスをイオン化するための電子源と、イオン化する電子を加速するための電極と、イオンを加速/減速することによりイオンを質量に応じて分離するための電極と、分離したイオンのための検出器(またはディテクター)と、金属ワイヤーによる配線(wiring)とを有する質量分析計(または質量分析器、mass spectrometer)に関する。
【背景技術】
【0002】
質量分析計は多種の用途で用いられている。質量分析計は、以前は主として科学的目的に用いられていたが、しかし、今日では、環境保護、有害なガスを検出するための空気の品質(または大気質、air quality)の測定、プロセス監視およびプロセス制御、例えば空港でのセキュリティーチェック等に関連した益々多くの用途がある。小さい寸法を有し、従って運搬が容易で、至る所で利用可能な質量分析計がこれらの用途にとりわけ適している。大規模な用途についての更なる要件はこれら質量分析計がコスト効率よく製造可能であることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
四重極質量分離器(quadruple mass separator)(国際公開公報第WO 2004/013890号、英国特許公開公報第234908号)は小さい寸法という点で区別される。このような四重極質量分離器の場合の不都合は、電極の配置の極めて厳しい要件であり、この結果、マイクロシステムエンジニアリングで汎用されているエッチング法および堆積法により分離器を製造できない。システムが、互いに正確に適合した態様で位置合わせおよび配置する必要がある複数の要素を含むことから、高価で複雑な個々のシステム処理が必要である。
【0004】
更なる質量分析計では、磁場分離器(または磁界分離器、magnetic separator)が用いられている(国際公開公報第WO 96/16430号)。しかしながら、これらは磁場分離器のために非常に高い強度が存在する必要がある一方で、イオン化またはイオン光学系に影響を与えないように、他の場所では磁場はシールドされていないといけないことから、所定の最小サイズが必要である。
【0005】
マイクロシステムエンジニアリングに従って製造した質量分析計(YOON H Jらによる"Fabrication of a novel micro time-of-flight mass spectrometer", SENSORS AND ACTUA-TORS A, ELSEVIER SEQUOIA S.A., LAUSANNE, CH, vol. 97-98, 2002年4月1日,441頁-447頁, XP004361634(ISSN: 0924-4247))では、用いられる基板は、パターニングの可能性が多種多様であるという利点を有するがしかし、基板を加熱する大きな漏洩電流が流れるという不都合を有するシリコンである。更なる不都合は、二酸化シリコンから成る絶縁中間層を用いても信号の破損(signal corruption)を引き起こす高い誘電率である。さらに、イオンが動く方向への連続的な加速のみが起こり、それによりイオンの速度に応じた選択を改善できる電界を通るイオンの動く方向に垂直な時間変動加速(time-variant acceleration)が起こらず、この結果、全てのイオンが検出器を通過しイオン電流の測定は時間分解される(temporally resolved)必要がある。加えて、従来から知られている質量分析計は、完結した形態では構成されておらず、図11に示すように分離器と検出器は別々の要素である。
【0006】
従来から知られている更なる小型化された質量分析計(国際公開公報第WO 96/11492号)も同様にマイクロシステムエンジニアリングによる完結した平面上の形態とはなっておらず、質量分析のための外部磁石を備えている。別の既知の質量分析計(国際公開公報第WO 96/16340号)の対応する不都合は既に上述した。
【0007】
本明細書の導入部に記した種類の質量分析計は、マイクロシステムエンジニアリングで汎用される方法により製造可能なマイクロシステムで使用するように開発された(独国特許公開公報第197 20 278号公報)。この質量分析計は僅かに非常に小さい寸法を有する。しかし、当該質量分析計は測定するガスをイオン化するための独立した絶縁グリッドを要し、一方で銅および/またはニッケルからなる電気的に接触し通じている電気的に成長させた構造を形成する必要があることから、製造は極めて複雑である。個々の要素は別々に、適切な構成技術および接続技術を用いてモノリシック(または一体となった)システムを形成するように接続する必要がある合計4つの基板上に構成される。
【0008】
本発明の目的は、簡潔かつコスト効率よく製造でき、大量生産に適した本明細書の導入部分に記した種類の質量分析計を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本明細書の導入部分に記した種類の質量分析計の場合、本発明による解決策は、
−完結した平面状の形態に構成される。
−要素は平面状の非導電性基板に配置される。
−イオン用のエネルギーフィルターを有し、該エネルギーフィルターは扇形(または区域、sector)、とりわけ90°の扇形に配置される。
−イオン化チャンバーと、電子およびイオンを加速するための電極と、イオンのための検出器と、エネルギーフィルターとが、フォトリソグラフィーと基板に付設したドープした半導体ダイのエッチングとにより作られ、配線と上述した部品とが第2の平坦な非導電性基板により覆われている。
という事実より成る。
【0010】
この場合、「扇形(または区域、sector)」はイオンが移動する円弧状の部分(section)を意味すると解すべきである。
【0011】
加速/減速(加速および/または減速)によるイオンの質量に応じた分離を伴う質量分析計の機能は、電極の場による加速の結果として、重量が異なるイオンが異なる速度に達し、分離はこれらの速度の差に基づいて為されるという事実に基づく。しかしながら、対応する通過できるイオンビームは単色ではなく、熱運動のためにより大きなまたはより小さい初期速度を有する。より大きなまたはより小さな質量を有するイオンも含む。これらの非単色イオンをフィルターで除去(filter out)するように、異なる電位、とりわけ反対の電位を有する2つの電極間でイオンがこの電極間のチャンネル(区域)から逸れるエネルギーフィルターを備える。この方法を用いることにより高い精度を得ることができる。
【0012】
従来の二重集束質量分析計(double-focusing mass spectrometer)(国際公開公報第WO 96/11492号公報)と対照的に、ここでは外部磁場による逸れは免除される。本発明では、質量/エネルギーによるイオンの分離は平面上の構造の内部に生ずる電界によってのみもたらされる。
【0013】
本発明の、特段の利点は、質量分析計が完全に平面状の形態に形成され、マイクロエレクトロニクスの技術を用いてウエハーから製造することができることである。要素は、初期に金属接続配線が設けられている平坦な非導電性基板に配置される。イオン化チャンバーと、電子およびイオンを加速するための電極と、イオンの検出器と、エネルギーフィルターとが、基板に設けた半導体ダイおよび配線のフォトリソグラフィーおよびエッチングにより作られ、全ての要素は1つのフォトリソグラフィーおよびエッチング工程で作られる。その後、閉じたユニットを得るように、要素は平坦な非導電性基板により覆われる。
【0014】
1つの好都合な実施形態では、電子源は熱エミッター(thermal emitter)である。別の好都合な実施形態では、電子源は貴ガスのためのフィードチャンネル(または供給チャンネル)とプラズマを生成し維持するためにマイクロ波を導入するためのマイクロ波ラインとを備えたプラズマチャンバーを有し、フィードチャンネルとマイクロ波ラインとは、同様に他の部品と一緒に半導体ダイのエッチングにより作られる。
【0015】
1つの好都合な実施形態では、加速/減速によるイオンの質量に応じた分離のための電極は、飛行時間型質量分離器(time-of-flight mass separator)として設置および配置される。イオンビームは第1ゲート電極の配置においてパルスを生ずる。このようにして、短いイオンのパルスのみが、イオンの異なる速度に応じてパルスが発散(diverge)するドリフトパス(drift pass)を通る。イオンパルスは第2の電極ゲートにおいて調査される。この場合、異なる伝播時間が異なる質量に対応する。そして、エネルギーフィルターは、正確に1つのエネルギーを有するイオンのみが検出器に到達し、そこで記録されることを確かにする。
【0016】
移動電界分離器(または進行波分離器、traveling field separator)では、測定部分に、一方の端部から他方の端部にイオンを「移動させる(travel)」電圧(AC)が印加された、比較的多くの電極を備えている。電界の「移動速度(traveling speed)」に対応した速度を正確に有するイオンのみが電圧が印加されていない電極を常に通過し移動する。調和していない他の全てのイオンは電圧を印加した電極間を移動し、結果として側面に逸れる。
【0017】
イオンの検出器は、好都合にはファラデー検出器として具体化される。より優れた感度(sensitivity)を有する別の好都合な実施形態では、イオンの検出器は電子倍増管(または電子増幅器、electron multiplier)として具体化される。
【0018】
電子を加速するための電極は、スクリーン開口(screen opening)を備え、異なる電位を与えることが可能な2つの電極であってよい。これらの電極も同様に半導体材料より製造することが可能であり、この結果、既知の文献(独国公開特許公報第197 20 278号公報)にある、製造が困難な従来から知られている電極加速するためのグリッド配置が避けられる。
【0019】
質量分析計は好都合にはマイクロコントローラを有し、これにより前記質量分析器を制御する。
【0020】
配線の金属導体と電極とは好都合には、半導体−金属共晶接触(または、共晶半導体−金属接触、eutectic semiconductor-metal contact)により電気的に接続される。この目的のために、適当な金属から成るバンプが対応する位置のワイヤーまたはコンダクタトラック(conductor track)に配置され、前記バンプは半導体ダイと結合して、半導体−金属共晶接触を形成する。
【0021】
とりわけ、共晶接触に好都合な金属は金である。
【0022】
非導電性基板は好都合には、ホウケイ酸ガラスまたは石英ガラスである。
【0023】
本発明は、また質量分析計の製造方法によっても区別される。これらの方法に従うと、金属配線が平坦な非導電性基板に設けられ、半導体電極と接触するための金属パッドが前記配線に配置される。そして、ボンディングの際に半導体材料が金属パッドのみと接触し、配線と接触しないように、配線に対応する凹部が半導体ダイにエッチングされる。その後、半導体ダイが基板に付設され、フォトリソグラフィー用のマスクがその上に配置される。この場合、マスクの配線および金パッドに対する位置合わせ(または整列、alignment)は、シリコンダイにとって透明な波長を有する光を用いて光学的に実施できる。この場合、シリコンには約1.2μmの波長が適切である。対応する露出およびマスクの除去の後、半導体ダイは質量分析計の要素を製造するように、1工程で部分的にエッチングされる。続いて、半導体ダイは第2の非導電性基板により覆われる。
【0024】
この場合、例えば電極対の電極を互いに接触させるように、予め、第2の非導電性基板に更なる配線を設けることができる。
【0025】
以下に添付の図を参照しながら好都合な実施形態に基づいて本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は、配線と非導電性基板を除く、質量分析計の好都合な実施形態の本質的な部品の配置を示す。
【図2】図2は、図1のA−A線に沿った断面を示し、非導電性基板を付随的に示す。
【図3】図3は、別の実施形態を図1と同様の図で示す。
【図4】図4は、図3のA−A線に対応する断面を図2と同様の図で示す。
【図5】図5および図6は、第3の実施形態の図1および図2ならびに図3および図4に対応する図を示す。
【図6】図5および図6は、第3の実施形態の図1および図2ならびに図3および図4に対応する図を示す。
【図7】図7は、加速電極の配列の平面図を示す。
【図8】図8は、図7のA−A線に沿った断面を示す。
【図9】図9は、本発明の質量分析計の製造の原理を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、本実施形態ではドープしたシリコンより成り、対応する部品(または要素)はエッチングにより作られた、完成した半導体ダイを示す。この質量分析計は、イオン化チャンバーbに導かれるサンプルガスのためのフィードチャンネルaを有する。イオン化に必要な、一般的には70eVのエネルギーを有する電子がプラズマチャンバーdから引き出されて、異なる電位の2つのスクリーン開口cの間で加速される。スクリーン開口の間の領域全体がシステム側に排気される。貴ガスがチャンネルcを介してプラズマチャンバーdに供給される。プラズマを生成し、これにより所望の電子を開放(liberate)するように、貴ガスがマイクロ波導体(またはマイクロウェーブ導体、microwave conductor)fにより励起される。プラズマチャンバーの圧力は、チャンネルeまたは接続したキャピラリー(または毛細管)の上方に向かう不活性ガスの圧力を用いて制御する。
【0028】
チャンバー壁とイオン光学系gとの間の電界により、イオンがイオン化チャンバーbから更なるスクリーン開口に向け引き出され、所定のエネルギーで加速され集束される。イオンビームは第1ゲートの電気的配列hにおいてパルス化される(またはパルスとなる)。従って、短いイオンパルスのみが、イオンの異なる速度のためにパルスが発散するドリフトパスiを通る。イオンパルスは第2の電極配置jでサンプル調査される。エネルギーフィルターkは、正確に1つのエネルギーを有するイオンのみが検出器lに到達し、記録されることを確実にする。
【0029】
図3および図4は、図1および図2の実施形態と加速電極の領域が異なる別の実施形態を示す。AC電圧を移動電界分離器の電極mに印加し、その結果、電圧が印加されている電極の間を通って動くイオンは外側に逸れてビームから取り除かれる。後方の電極において電圧が存在しないそれぞれの場合に電極を通過する、正確に適正な速度を有するイオンのみが、四分円形(円の四分の1の形状、quadrant shaped)のチャンネルの両側の2つの電極が、正確に所定のエネルギーを有するイオンのみを通過させるように反対の電位であるエネルギーフィルターkに到達する。そして、これらのイオンは、また検出器lに衝突する。
【0030】
図5および6の実施形態は、貴ガスプラズマの代わりに、イオン化に必要な電子の開放のために熱エミッタnを用いることが、図1および2の実施形態と異なる。
【0031】
図7および8は、本発明に係る質量分析計の電極領域を示す。ホウケイ酸ガラス1がシステムのキャリアとして機能し、電極を電気的に相互接続するように金属コンダクタ2が前記ホウケイ酸ガラスに配置されている。金属コンダクタトラック2とシリコン電極4との電気的な接続は、金−シリコン共晶接触5を用いて為される。コンダクタトラック2とシリコン電極4との間の接触部の金パッド3が、接合の際に高濃度のドープがなされたシリコンと合金化し、その結果オーミック接触を生ずる。この場合、断面での電極の構造を図8に示す。
【0032】
図9は、質量分析計の製造の原理を示す。切欠き8はシリコンダイのエッチングにより作られ、前記切欠きは、完成した質量分析計において、キャリア基板1のコンダクタトラック2とシリコンダイ6との間に所望の距離を与える。これは、基板1とシリコンダイ6とを平坦な形態に接合可能とするために必要である。この場合、エッチングピット8の深さは、基板1とシリコンダイ6とが一緒に接合された際に金パッド3がエッチングピット8の底に接触するように構成される。Iに従って、作られた配置は、次に工程IIで接合される。工程IIIでは、対応するマスクを付け、エッチングに曝した後、所望の構造を作る。I、IIおよびIIIに示す上部基板7は、これらの工程の際には実際はまだ存在していない。上部基板7は、同様に導体(またはコンダクタ)を有し、そしてIVの際に前記の配置に接合され、上部基板7に配置された導体により電極が接続される。
【0033】
質量分析計の製造はウエハーでの均一な工程により行うことができる。図示する完成した質量分析計は5x10mm程度の寸法を有することが可能である。小さい寸法のために、真空ポンプの必要なポンプ容量も同様に低い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験するガスのためのフィードチャンネル(a)を有するイオン化チャンバー(b)と、
試験するガスをイオン化するための電子源(d、n)と、
イオン化する電子を加速する電極(c)と、
イオンの加速/減速によるイオンの質量に応じた分離のための電極(g、h、j、m)と、
分離したイオンの検出器(l)と、
金属導体による配線と、
を有する質量分析計であって、
要素が平坦な非導電性基板(l)に配置され、
イオンのためのエネルギーフィルター(k)を有し、該エネルギーフィルターは90°の扇形として配置され、
前記質量分析計は完全に平坦な形態に構成され、
イオン化チャンバー(b)と電子およびイオンを加速するための電極(g、h、j、m)とイオンのための検出器(l)とエネルギーフィルター(f)とが、基板(l)に設けたドープした半導体ダイ(6)と配線(2)との単一工程のフォトリソグラフィーおよびエッチングにより作られ、前記部品が第2の平坦な非導電性基板(7)により覆われていることを特徴とする質量分析器。
【請求項2】
電子源(n)が熱エミッタであることを特徴とする請求項2に記載の質量分析計。
【請求項3】
電子源が、貴ガスのためのフィードチャンネル(e)と、プラズマを生じさせて維持するためにマイクロ波を導入するためのマイクロ波ライン(f)と、を備えたプラズマチャンバー(d)を有し、
プラズマチャンバー(d)とフィードチャンネル(e)とマイクロ波ライン(f)とが半導体ダイ(6)のエッチングにより作られることを特徴とする請求項1に記載の質量分析計。
【請求項4】
加速/減速によるイオンの質量に応じた分離のための電極(g、h、j)が、飛行時間型質量分離器として設置および配置されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の質量分析計。
【請求項5】
電極(g)が、第2の非導電性基板により覆われていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の質量分析計。
【請求項6】
イオンのための検出器(l)が、ファラデー検出器として設けられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の質量分析計。
【請求項7】
イオンのための検出器(l)が、電子倍増管として設けられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の質量分析計。
【請求項8】
電子を加速するための電極(c)が、スクリーン開口を備えかつ異なる電圧が印可される2つの電極であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の質量分析計。
【請求項9】
マイクロコントローラを有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の質量分析計。
【請求項10】
金属導体(2)と電極(4)とが、金属−半導体共晶接触により電気的に接続されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の質量分析計。
【請求項11】
金属導体(2)と電極(4)とが、金−半導体共晶接触により電気的に接続されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の質量分析計。
【請求項12】
半導体材料が、ドープされたシリコンであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の質量分析計。
【請求項13】
非導電性基板(1、7)が、ホウケイ酸ガラスまたは石英ガラスから成ることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の質量分析計。
【請求項14】
試験するガスのフィードチャンネルを有する、前記ガスのイオン化チャンバーと、ガスをイオン化する電子のための電子源と、電子を加速するための電極と、イオン化チャンバーから出てきたイオンを集束および加速するため、ならびに加速/減速による前記イオンの質量に応じた分離のための電極と、イオンのための検出器と、前記要素のための金属導体の形態の接続配線と、イオンのためのエネルギーフィルターと、を有し、前記エネルギーフィルターが扇形に設置されている質量分析計の製造方法であって、
金属配線を平坦な非導電性基板に設け、
半導体電極と接続するための金属パッドを前記配線に配置し、
配線に対応する凹部を半導体ダイにエッチングし、
半導体ダイを基板に取り付け、
局部的に実質的にエッチングした半導体ダイに、概ね1.2μmよりも長い波長を有する光を用いてフォトリソグラフィー用のマスクを光学的に位置合わせし、
次いで半導体ダイを第2の非導電性基板で覆う製造方法。
【請求項15】
第2の非導電性基板に更に配線を設けることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項16】
半導体材料としてドープしたシリコンを用いることを特徴とする請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
金属パッドの金属として金を用いることを特徴とする請求項14〜16のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2010−519687(P2010−519687A)
【公表日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−549804(P2009−549804)
【出願日】平成20年2月19日(2008.2.19)
【国際出願番号】PCT/EP2008/001287
【国際公開番号】WO2008/101669
【国際公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(504109610)バイエル・テクノロジー・サービシーズ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (75)
【氏名又は名称原語表記】Bayer Technology Services GmbH
【Fターム(参考)】