説明

赤外線センサ付電話機および健康管理サービスシステム

【課題】利便性を向上させる。電話機に付加価値を付ける。
【解決手段】液晶画面付きの固定電話機、または、携帯電話機において、その受話部112に赤外線センサ107を内蔵し、通話時と同様に受話部112を利用者1の耳2に密着させることにより、鼓膜3及びその周辺から発する赤外線を検出し、体温を計測する。計測された体温は、電話機本体の液晶画面に表示し、目視、及び音声にて確認可能とし、状態によって外部組織などに連絡を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、利用者の体温を測定する機能を備えた赤外線センサ付電話機およびこの赤外線センサ付電話機を利用した健康管理サービスシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
健康管理の面から、体調の異常を感じた場合、まず体温を測定する行動がみられる。体温測定に用いられる体温計には、測定場所や測定方法によって、実測式、予測式、耳式などがあり、年齢や状況に応じて利用者に自由に選択されている。中でも、身体中心部に近い体温を測定でき、測定時間が短いことから耳式体温計が多数提供されている。
【0003】
耳式体温計は、プローブと呼ばれる部分を耳内に挿入し、検出部を鼓膜に垂直に向けることで、鼓膜、及び、その周辺から発する赤外線を検出し、測定した結果を液晶画面に表示し、目視で確認することにより体温測定が行われる(例えば、特許文献1,2,3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−336205号公報
【特許文献2】特開2003−61916号公報
【特許文献3】特開2003−302284号公報
【特許文献4】特開2005−34547号公報
【特許文献5】特開2008−194253号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、耳内部の測定は、測定状態が確認しにくく、プローブの挿入角度や深度などの測定条件に違いが生じ易いため、測定値が安定せず、ばらつきがみられる。この測定値のばらつきは、高めにでることも低めにでることもあり、傾向がつかみにくい。
【0006】
また、一般的な体温計は、高齢者や弱視者に対しては、測定結果の表示画面が小さく見にくいために誤読する可能性もある。
高齢化社会により、医療費の面からも個々の健康管理は重要である。
体温は、健康管理における健康状態の指標の一つではあるが、日々体温測定を測定値が安定するように実施し、記録を行うことは、特に高齢者にとっては手間のかかる作業であった。
【0007】
さらに、体温測定により異常状態が検出されたとしても、その情報を医療機関に提供するのは利用者の意思によるものであり、異常状態が検出された時点で、適切なアドバイスや、医療行為が受けられるとは限らない。
高齢化社会により、一人暮らし世帯の増加が見込まれ、健康管理とともに医療機関との連携が必要となっていくことが予想される。
【0008】
なお、先行技術として、引用文献4に示されているような、腕時計で測定したデータを携帯電話機に送信し、携帯電話機からインターネットを介してデータを受け取る方法、また、引用文献5に示されているような、便座に座ることで体温測定するものもあるが、前者は常に腕時計を携帯している必要があること、また,後者は自宅以外の場所では体温測定が不可能であることなど、いずれも利便性に欠けるものであった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような課題を解決するために、本発明に係る赤外線センサ付電話機(請求項1)は、利用者の耳に密着される受話部に内蔵された赤外線センサと、赤外線センサによって検出される利用者の鼓膜およびその周辺から発せられる赤外線に基づいて利用者の体温を測定する体温測定手段と、体温測定手段によって測定された体温を液晶画面に表示する表示手段と、体温測定手段によって測定された体温を音声変換し音声により通知する通知手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る赤外線センサ付電話機において、体温の測定に用いる赤外線センサは、体温の測定に必要な赤外線の検出が可能なセンサであればどのようなものでもよいが、例えば、耳からの体温測定に用いられている赤外放射体温計の主要な構成要素であるサーモバイル型赤外線センサを用いることができる。
【0011】
また、本発明に係る赤外線センサ付き電話機は、固定電話機,携帯電話機などの区別はなく、受話部に赤外線センサを内蔵していれば種類は限られない。本発明に係る赤外線センサ付き電話機を携帯電話機とすれば、自宅以外の場所でも体温測定が可能となる。
【0012】
本発明の赤外線センサ付き電話機は、受話部を利用者の耳に密着させることにより、鼓膜、及び、その周辺から発せられる赤外線(熱線)を赤外線センサで検出し、その検出した赤外線に基づいて利用者の体温を測定する。
また、本発明の赤外線センサ付き電話機は、測定された体温を液晶画面に表示したり、音声変換し音声により通知したりする。
【0013】
本発明の赤外線センサ付き電話機において、測定された体温の通知は、「液晶画面」、「音声」、「液晶画面と音声」の組み合わせが可能であり、利用者の状態や希望にあった表示方法を選択することができる。
【0014】
なお、本発明の赤外線センサ付き電話機において、例えば、電話機本体にあらかじめ平熱などを入力しておき、測定値との温度差を認識し、「平熱時」、「微熱時」、「高熱時」に合わせて、液晶画面、音声など利用者が選択した方法で、警告などのメッセージを与えるようにすることも可能である。
また、一般に、電話機の液晶画面は体温計より面積が広く、この面積の広い電話機の液晶画面で測定された体温を表示したり、測定された体温を音声で確認することにより、誤認を避けることが可能になる。
【0015】
また、本発明の赤外線センサ付き電話機(請求項2)は、体温測定手段によって測定された体温を体温データとして通信回線を通じて送信するデータ送信手段を備えることを特徴とする。送信された体温データは、受信側で、管理、活用される。
【0016】
また、本発明の健康管理サービスシステム(請求項3)は、体温データを送信するデータ送信手段を備えた赤外線センサ付電話機と、この赤外線センサ付電話機から送信されてくる体温データを受信するデータ受信手段と、データ受信手段によって受信された体温データをもとにその体温データに応じた健康情報を生成し赤外線センサ付電話機に返信する健康情報返信手段とを備えることを特徴とする。例えば、登録されている平熱データと受診した体温データとの温度差を認識し、「平熱時」、「微熱時」、「高熱時」に合わせた健康情報を赤外線センサ付電話機に返信する。
【0017】
また、本発明の健康管理サービスシステム(請求項4)は、データ受信手段によって受信された体温データに基づいて、利用者の健康状態を判断し、異常状態を検出した場合、利用者と利用者が登録した人へその異常状態に合わせた健康情報を送信する個人宛健康情報送信手段を備えることを特徴とする。例えば、登録されている平熱データと受信したデータとを比較することで利用者の健康状態を判断し、異常状態を検出した場合、利用者と利用者が登録した家族、友人、知人などへ、「微熱」、「高熱」などの状態に合わせた健康情報を送信する。
【0018】
また、本発明の健康管理サービスシステム(請求項5)は、データ受信手段によって受信された体温データに基づいて、利用者の健康状態を判断し、異常状態を検出した場合、利用者が登録した医療機関へその異常状態に合わせた健康情報を送信する機関宛健康情報送信手段を備えることを特徴とする。例えば、登録されている平熱データと受信したデータとを比較することで利用者の健康状態を判断し、異常状態を検出した場合、利用者が登録した病院へ、「微熱」、「高熱」などの状態に合わせた健康情報を送信する。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る赤外線センサ付電話機によれば、利用者の耳に密着される受話部に赤外線センサを内蔵し、この赤外線センサによって検出される利用者の鼓膜およびその周辺から発せられる赤外線に基づいて利用者の体温を測定するようにし、この測定された体温を液晶画面に表示したり、音声変換し音声により通知するようにしたので、電話機を利用する毎に利用者の体温が測定され、また携帯電話機とすることにより、自宅以外の場所でも体温測定が可能となり、電話機に付加価値が付けられると共に、利便性が格段に向上する。
また、従来の耳式体温計による測定に比べて、プローブ部分を耳内に挿入する必要がなく、受話部を耳に密着して測定するため、違和感がなく抵抗感が生じにくく、その密着度などに大きな個人差は生じにくいため、一定の条件で体温測定が実行でき、測定値にばらつきが減り、正確な体温測定が安易に実行でき、健康時との差が正確に得られる。
また、一般に、電話機の液晶画面は体温計より面積が広く、この面積の広い電話機の液晶画面で測定された体温を表示したり、測定された体温を音声で確認することにより、誤認を避けることが可能となる。
【0020】
また、本発明に係る健康管理サービスシステムによれば、赤外線センサ付電話機から送信されてくる体温データを受信し、この受信された体温データをもとにその体温データに合わせた健康情報を生成し赤外線センサ付電話機に返信するようにしたので、体温データに合わせた適切なアドバイスを外部組織から利用者へ与えることが可能となる。
また、通信機器で測定するため、証跡が残り、情報通信により、健在の確認、健康管理、非常事態の医療機関との連携など、高齢化社会を支えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る赤外線センサ付き電話機の一実施の形態の要部を示すブロック図である。
【図2】この赤外線センサ付電話機の受話部を利用者の耳に密着した状態を示す図である。
【図3】この赤外線センサ付電話機(固定電話機)の外観図および測定値の通知状況を示す図である。
【図4】この赤外線センサ付電話機に通知方法の選択機能を持たせた場合の体温の測定結果を知らせる処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】この赤外線センサ付電話機(携帯電話機)の外観図および測定値の通知状況を示す図である。
【図6】本発明に係る健康管理サービスシステムの一実施の形態の要部を示す図である。
【図7】この健康管理サービスシステムの具体的なシステム構成図である。
【図8】この健康管理サービスシステムで受けられる健康管理サービスを説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。先ず、本発明に係る赤外線センサ付電話機の実施の形態を説明し、次にこの赤外線センサ付電話機を利用した健康管理サービスシステムの実施の形態について説明する。これらの実施の形態は、本発明の最適な実施形態の例を示し、実施形態の個別の内容により本発明をなんら拘束するものではない。
【0023】
〔赤外線センサ付電話機〕
図1は本発明に係る赤外線センサ付き電話機の一実施の形態の要部を示すブロック図である。この赤外線センサ付電話機100は、制御部101と、記憶部102と、液晶画面103と、音声発生部(スピーカーなど)104と、表示部105と、音声変換部106と、赤外線センサ107と、体温換算部108と、通信部109と、外部入力部110とを備えており、記憶部102には制御部101と協働して各種機能を実現させるためのプログラムが格納されている。
【0024】
この赤外線センサ付電話機100において、赤外線センサ107は、図2に示すように、送受話器111の受話部112に内蔵されている。図3に赤外線センサ付電話機100の外観図を示す。この赤外線センサ付電話機100は固定電話機とされている。
【0025】
〔体温測定〕
この赤外線センサ付電話機100において、体温測定は、図2に示すように、送受話器111を取り上げ、受話部112を利用者1の耳2に密着させることによって行われる。この場合、受話部112を利用者1の耳2に密着させると、受話部112に内蔵されている赤外線センサ107によって利用者1の鼓膜3およびその周辺から発せられる赤外線(熱線)が検出される。この赤外線センサ107によって検出された赤外線は体温換算部108へ送られる。体温換算部108は、赤外線センサ107によって検出された赤外線の強度を、特許文献1〜3と同様の手法で、体温に換算する。
【0026】
制御部101は、体温換算部108からの換算された体温、すなわち測定された体温を表示部105へ送り、液晶画面103に測定値として表示する。また、測定された体温を音声変換部106へ送り、音声変換させ、音声発生部104から測定値として音声により通知する。なお、この際、制御部101は、測定中に音声を流すなどして、受話部112を一定の時間、耳2に密着させるように促す。
【0027】
これにより、赤外線センサ付電話機100を利用する毎に、利用者1の体温が測定され、電話機100に付加価値が付けられる。また、特許文献4のように腕時計を常に携帯する必要がなく、利便性が向上する。また、従来の耳式体温計による測定に比べて、プローブ部分を耳内に挿入する必要がなく、受話部112を耳2に密着して測定するため、違和感がなく抵抗感が生じにくく、その密着度などに大きな個人差は生じにくいため、一定の条件で体温測定が実行でき、測定値のばらつきが減り、正確な体温測定が安易に実行でき、健康時との差が正確に得られる。また、電話機100の液晶画面103は体温計より面積が広く、この面積の広い電話機100の液晶画面で測定された体温を表示したり、測定された体温を音声で確認することにより、誤認を避けることが可能となる。
【0028】
なお、この例では、測定された体温(測定値)を液晶画面103に表示すると共に、音声発生部104から音声で通知するようにしたが、液晶画面103に表示させるのみとしたり、音声発生部104から音声で通知するのみとしてもよい。また、赤外線センサ付電話機100の本体にあらかじめ平熱などを入力しておき、制御部101において測定値との温度差を認識し、「平熱時」、「微熱時」、「高熱時」に合わせて、液晶画面103での表示、音声発生部104からの音声など、利用者が選択した方法で警告などのメッセージを発するようにしてもよい。
【0029】
図4に赤外線センサ付電話機100に通知方法の選択機能を持たせた場合の体温の測定結果を知らせる処理のフローチャートを例示する。このフローチャートの実行に際し、利用者1は、平熱を測定し(ステップS101)、その測定した平熱を平熱データとして記憶部102に記憶させておく(ステップS102)。
【0030】
この場合、赤外線センサ付電話機100の制御部101は、通知方法が「画面表示」として指定されていれば、通知方法として「画面表示」を選択し(ステップS103,S104)、その選択された通知方法での体温の測定処理を行う(ステップS105〜S108)。測定処理では、ステップS105で体温測定を行い、ステップS106でその測定された体温を平熱データと照合する。そして、この平熱データとの照合結果、すなわち平熱値と測定値との温度差から、「平熱時」、「微熱時」、「高熱時」を含めて発熱の有無を判断し(ステップS107)、その結果を液晶画面103に表示する(ステップS108)。利用者1はその結果を確認する(ステップS119)。
【0031】
また、通知方法が「画面表示/音声通知」として指定されていれば、制御部101は、通知方法として「画面表示/音声通知」を選択し(ステップS103,S109)、その選択された通知方法での体温の測定処理を行う(ステップS110〜S113)。この測定処理では、ステップS110で体温測定を行い、ステップS111でその測定された体温を平熱データと照合する。そして、この平熱データとの照合結果、すなわち平熱値と測定値の温度差から、「平熱時」、「微熱時」、「高熱時」を含めて発熱の有無を判断し(ステップS112)、その結果を液晶画面103に表示すると共に、音声発生部104から音声で通知する(ステップS108)。この例では、スピーカー又は受話器に音声通知を行う。利用者1はその結果を確認する(ステップS119)。
【0032】
また、通知方法が「音声通知」として指定されていれば、制御部101は、通知方法として「音声通知」を選択し(ステップS103,S114)、その選択された通知方法での体温の測定処理を行う(ステップS115〜S118)。この測定処理では、ステップS115で体温測定を行い、ステップS116でその測定された体温を平熱データと照合する。そして、この平熱データとの照合結果、すなわち平熱値と測定値との温度差から、「平熱時」、「微熱時」、「高熱時」を含めて発熱の有無を判断し(ステップS117)、その結果を音声発生部104から音声で通知する(ステップS108)。この例では、スピーカー又は受話器に音声通知を行う。利用者1はその結果を確認する(ステップS119)。
【0033】
なお、この実施の形態では、赤外線センサ付電話機100を固定電話機としたが、携帯電話機としてもよい、図5に携帯電話機とした場合の図2に対応する図を示す。赤外線センサ付電話機100を携帯電話機とした場合、自宅以外の場所でも体温測定が可能となり、利便性がさらに向上する。以下、携帯電話機と固定電話機とを区別するために、固定電話機とした赤外線センサ付電話機100を100Aとし、携帯電話機とした赤外線センサ付電話機100を100Bとする
【0034】
〔健康管理サービスシステム〕
図6は本発明に係る健康管理サービスシステムの一実施の形態の要部を示す図である。この健康管理サービスシステムにおいて、利用者1は、異常状態が生じた時の健康情報の第1の通知先として、家族,訪問看護,友人,知人など300(以下、家族などの個人300という)を健康管理サイト200に登録する。また、異常状態が生じた時の健康情報の第2の通知先として、医療機関400を健康管理サイト200に登録する。また、異常状態が生じた時の健康情報の第2の通知先として、利用者1の所在地の近隣の病院やかかりつけ医など500(以下、近隣病院など500という)を登録する。
【0035】
なお、この健康管理サービスシステムにおいて、医療機関400は、前もって、このサービスに登録を協力し、その中から利用者1が選択した病院である。また、利用者1は、健康管理サイト200に登録している利用者である。また、利用者1は、上述した通知先の登録に加えて、健康管理サイト200に平熱などの個人情報も登録する。これらの登録は赤外線センサ付電話機100(100A,100B)を利用して行う。
【0036】
図7にこの健康管理サービスシステムの具体的なシステム構成図を示す。利用者1が利用する赤外線センサ付電話機100(100A,100B)はネットワークNW1を介して健康管理サイト200と接続される。医療機関400はネットワークNW2を介して健康管理サイト200と接続される。
【0037】
健康管理サイト200は、情報受信部201と、情報制御部202と、情報DB(データベース)203と、情報送信部204とを備え、医療機関400は、情報受信部401と、情報制御部402と、情報DB(データベース)403と、情報表示部404と、連絡手段(電話など)404とを備え、健康管理サイト200の情報送信部204からの情報がネットワークNW2を介して医療機関400の情報送信部401へ送られる。また、健康管理サイト200の情報送信部204からの情報および医療機関400の連絡手段405からの情報は、ネットワークNW3を介して利用者1の赤外線センサ付電話機100(100A,100B)へ送られる。
【0038】
家族などの個人300は、情報受信端末301を所有しており、この情報受信端末301と健康管理サイト200とがネットワークNW2を介して接続される。近隣病院など500は、情報受信端末501を所有しており、この情報受信端末501と健康管理サイト200とがネットワークNW2を介して接続される。
【0039】
この健康管理サービスシステムにおいて、利用者1が赤外線センサ付電話機100で測定した体温は(図8:ステップS201)、赤外線センサ付電話機100の液晶画面103に表示されると共に(ステップS202)、赤外線センサ付電話機100の送信機能(通信部109)により、健康管理サイト200に体温データとして送信される。
【0040】
健康管理サイト200は、送信されてきた体温データを情報受信部201で受信し(ステップS203)、情報DB203に一定期間保存する(ステップS204)。この保存されている体温データは、利用者1と利用者1が登録した家族などの個人300が、遠隔で確認することが可能である。
【0041】
また、健康管理サイト200は、送信されたきた体温データを登録されている利用者1の平熱データと照合する(ステップS205)。そして、この平熱データとの照合結果、すなわち登録されている平熱値と測定値との温度差から、「平熱時」、「微熱時」、「高熱時」を含めて発熱の有無を判断し(ステップS206)、「平熱時」、「微熱時」、「高熱時」に合わせた規定のメッセージや健康管理のアドバイスなどの健康情報を赤外線センサ付電話機100に返信する(ステップS207)。
【0042】
また、健康管理サイト200は、平熱値と測定値との温度差から高熱など異常が確認された場合、利用者1だけではなく、登録されている家族などの個人300へもその異常状態に合わせた健康情報を通知する(ステップS207)。この家族などの個人300へ異常状態に合わせた健康情報を通知する機能が本発明でいう個人宛健康情報送信手段に相当する。これにより、家族、友人、知人などは、利用者1の安否を確認する行動を取ることができる(ステップS209)。
【0043】
また、健康管理サイト200は、平熱値と測定値との温度差から高熱など異常が確認された場合、利用者1だけではなく、登録されている医療機関400へもその異常状態に合わせた健康情報を通知する(ステップS210)。この医療機関400へ異常状態に合わせた健康情報を通知する機能が本発明でいう機関宛健康情報送信手段に相当する。これにより、利用者1は状況に即した対応を医療機関400から受けることができる(ステップS211)。
【0044】
また、健康管理サイト200に登録されている医療機関400と利用者1の所在地が遠隔であり、かつ、重体の可能性があるような場合には、健康管理サイト200または医療機関400から、利用者1が希望し登録している近隣病院など500に緊急情報が送信される。これにより、利用者1は状況に即した対応を近隣病院など500から迅速に受けることができる。
【0045】
また、健康管理サイト200に登録している利用者1に対して、体温測定時以外でも健康異常を感じた際には、利用者1から健康管理サイト200に連絡をすることで、体温測定による異常時と同じ健康管理サービスを受けることもできる。
【0046】
なお、上述した実施の形態では、登録された平熱値と測定値との温度差から「平熱時」、「微熱時」、「高熱時」を含めて発熱の有無を判断するようにしたが、必ずしも登録された平熱値と測定値との比較によらなくてもよく、過去のデータとを比較し、利用者の健康状態を判断するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の赤外線センサ付電話機および健康管理サービスシステムは、利用者の体温を測定する機能を備えた赤外線センサ付電話機およびこの赤外線センサ付電話機を利用した健康管理サービスシステムとして、医療や介護などの様々な分野で利用することが可能である。
【符号の説明】
【0048】
1…利用者、2…耳、3…鼓膜、100(100A,100B)…赤外線センサ付電話機、101…制御部、102…記憶部、103…液晶画面、104…音声発生部(スピーカーなど)、105…表示部、106…音声変換部、107…赤外線センサ、108…体温換算部、109…通信部、110…外部入力部、111…送受話器、112…受話部、200…健康管理サイト、201…情報受信部、202…情報制御部、203…情報DB(データベース)、204…情報送信部、300…家族などの個人、301…情報受信端末(電話など)、400…医療機関、401…情報受信部、402…情報制御部、403…情報DB(データベース)、404…情報表示部、404…連絡手段(電話など)、500…近隣病院など、501…情報受信端末(電話など)、NW1〜NW3…ネットワーク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の耳に密着される受話部に内蔵された赤外線センサと、
前記赤外線センサによって検出される前記利用者の鼓膜およびその周辺から発せられる赤外線に基づいて前記利用者の体温を測定する体温測定手段と、
前記体温測定手段によって測定された体温を液晶画面に表示する表示手段と、
前記体温測定手段によって測定された体温を音声変換し音声により通知する通知手段と
を備えることを特徴とする赤外線センサ付電話機。
【請求項2】
請求項1に記載された赤外線センサ付電話機において、
前記体温測定手段によって測定された体温を体温データとして通信回線を通じて送信するデータ送信手段
を備えることを特徴とする赤外線センサ付電話機。
【請求項3】
請求項2に記載された赤外線センサ付電話機と、
この赤外線センサ付電話機から送信されてくる体温データを受信するデータ受信手段と、
前記データ受信手段によって受信された体温データをもとにその体温データに合わせた健康情報を生成し前記赤外線センサ付電話機に返信する健康情報返信手段と
を備えることを特徴とする健康管理サービスシステム。
【請求項4】
請求項3に記載された健康管理サービスシステムにおいて、
前記データ受信手段によって受信された体温データに基づいて、前記利用者の健康状態を判断し、異常状態を検出した場合、前記利用者と前記利用者が登録した人へその異常状態に合わせた健康情報を送信する個人宛健康情報送信手段
を備えることを特徴とする健康管理サービスシステム。
【請求項5】
請求項3又は4に記載された健康管理サービスシステムにおいて、
前記データ受信手段によって受信された体温データに基づいて、前記利用者の健康状態を判断し、異常状態を検出した場合、前記利用者が登録した医療機関へその異常状態に合わせた健康情報を送信する機関宛健康情報送信手段
を備えることを特徴とする健康管理サービスシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−5975(P2013−5975A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−141770(P2011−141770)
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】