説明

赤外線撮像装置および画像調整方法

【課題】天空反射に起因する赤外線画像信号の画質の急激な変動を抑制することが可能な赤外線撮像装置および画像調整方法を提供する。
【解決手段】移動体を検出する装置に用いられる赤外線撮像装置は、移動体を撮像してその移動体の画像を示す赤外線画像信号を出力する撮像部と、赤外線画像信号に示される画素の各々の画素値のうち、移動体で生じた天空反射に起因する所定の画素値を所定の画素値以外の画素値に変更する処理部と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、赤外線撮像装置および画像調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、一定の高さ、一定の角度で支持されている赤外線カメラを用いて道路上の車両を検出する車両検出装置が記載されている。
【0003】
特許文献1に記載の赤外線カメラは、赤外線画像信号を出力する。この赤外線カメラから出力される赤外線画像信号では、各画素の輝度レベルは被写体の赤外線の量が多いほど高くなる。また、赤外線カメラで車両が撮像されたときには、車両のフロントグラスで反射された天空からの赤外線が赤外線カメラで受け付けられる可能が高い。この場合、車両のフロントグラスからの赤外線の量は、ほぼ天空からの赤外線の量となる。車両のフロントグラスで反射された天空からの赤外線の量は、道路上の車両から発生される赤外線の量よりも小さい。このため、赤外線画像信号中の車両のフロントグラスの輝度レベルは、低輝度レベルとなる可能性が高い。
【0004】
特許文献1に記載の車両検出装置は、赤外線カメラから出力された赤外線画像信号中の低輝度レベルを検出する。赤外線画像信号中に低輝度レベルが検出されることにより、道路上の車両が検出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−348282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の車両検出装置において、大きな荷台を搭載した車両が赤外線カメラで撮像されたときに荷台が鏡面となって天空からの赤外線を反射する天空反射が発生した場合には、赤外線カメラの画像内の大部分を占める荷台部分が低輝度レベルとなる。
【0007】
赤外線カメラとしては、赤外線画像信号の画像全体の輝度レベルが季節や天候によって変動することがあるため、赤外線画像信号の輝度レベルに応じて画質を調整する自動調整機能を有する赤外線カメラが用いられる場合がある。画質の自動調整機能を有する赤外線カメラは、赤外線画像信号の全体の輝度レベルが低くなるほど画像全体の輝度を高くし、赤外線画像信号の輝度レベルが高くなるほど画像全体の輝度を低くする調整を行う。
【0008】
このため、画質の自動調整機能を有する赤外線カメラでは、天空反射に起因して赤外線画像信号中の大部分が低輝度レベルとなる場合、画像全体の輝度が大きく上げられ、赤外線画像信号の画質が大きく変動する。
【0009】
よって、車両が存在しない背景画像を示す背景画像信号と赤外線画像信号との差分を用いて車両を検出する車両検出装置では、天空反射に起因して赤外線画像信号の画質が大きく変動する場合に、画像全体で大きな差分が発生して車両が正しく検出されなくなってしまう。
【0010】
このため、天空反射に起因する赤外線画像信号の急激なレベル低下により、赤外線画像信号の画質が大きく変動する場合には、車両などの移動体を検出する精度が低下してしまうことがあるという問題があった。
【0011】
本発明の目的は、天空反射に起因する赤外線画像信号の画質の急激な変動を抑制する赤外線撮像装置および画像調整方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の赤外線撮像装置は、移動体を検出する装置に用いられる赤外線撮像装置であって、前記移動体を撮像して該移動体の画像を示す赤外線画像信号を出力する撮像手段と、前記赤外線画像信号に示される画素の各々の画素値のうち、前記移動体で生じた天空反射に起因する所定の画素値を、前記赤外線画像信号に含まれる前記所定の画素値以外の画素値に変更する処理手段と、を含む。
【0013】
本発明の画像調整方法は、移動体を検出する装置に用いられる赤外線撮像装置の画像調整方法であって、前記移動体を撮像して該移動体の画像を示す赤外線画像信号を出力する撮像ステップと、前記赤外線画像信号に示される画素の各々の画素値のうち、前記移動体で生じた天空反射に起因する所定の画素値を、前記赤外線画像信号に含まれる前記所定の画素値以外の画素値に変更する処理ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、天空反射に起因する赤外線画像信号の画質の急激な変動を抑制することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態における赤外線撮像装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】天空反射が発生していないときの赤外線強度データのヒストグラムを例示する図である。
【図3】天空反射が発生したときの赤外線強度データのヒストグラムを例示する図である。
【図4】図3に示した天空反射部分の度数をゼロにしたヒストグラムを示す図である。
【図5】図4に示した赤外線強度の各階級に天空反射部分の度数を均等に分配したヒストグラムを示す図である。
【図6】赤外線撮像装置の画像調整方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本実施形態における赤外線撮像装置の構成例を示すブロック図である。
【0018】
赤外線撮像装置10は、車両などの移動体を検出する検出装置に用いられる。赤外線撮像装置10は、移動体を撮像してその移動体の画像を構成する複数の画素の画素値を示す赤外線画像信号を生成する。また、赤外線撮像装置10は、赤外線画像信号に示される各画素の画素値の度数分布を用いて、赤外線画像信号にて示される画像の輝度およびコントラストを調整する自動調整機能を有する。
【0019】
本実施形態では、赤外線撮像装置10は、撮像部10Aと処理部10Bとを備える。撮像部10Aは、赤外線受光部11と、A/D(Analog / Digital)変換部12と、を備える。処理部10Bは、フレームメモリ13と、分布変換部14と、画像生成部15と、出力部16と、を備える。
【0020】
撮像部10Aは、一般的に撮像手段と呼ぶことができる。
【0021】
撮像部10Aは、車両を撮像して車両の画像を示す赤外線画像信号を出力する。赤外線画像信号は、各画素の赤外線の強度(量)を示す赤外線強度データとして用いられる。
【0022】
赤外線受光部11は、赤外線を受光し、その受光した赤外線の強度(量)を画素値として画素ごとに示した赤外線画像信号へ変換する。赤外線受光部11は、画素ごとに赤外線を受光する赤外線受光素子を備える。赤外線受光素子としては、例えばマイクロボロメータが用いられる。
【0023】
赤外線受光部11は、赤外線受光素子ごとに蓄積された電荷を電気信号に変換して赤外線画像信号を生成する。例えば、赤外線の強度が高いほど、赤外線受光素子に蓄積される電荷は多くなる。赤外線受光部11は、受光された赤外線の強度をアナログ信号の赤外線画像信号に変換し、その赤外線画像信号をA/D変換部12へ出力する。
【0024】
A/D変換部12は、アナログ信号である赤外線画像信号をデジタル信号に変換する。A/D変換部12は、変換後の赤外線画像信号を、赤外線強度データとしてフレームメモリ13へ出力する。
【0025】
処理部10Bは、一般的に処理手段と呼ぶことができる。
【0026】
処理部10Bは、赤外線強度データに示される各画素の赤外線強度(画素値)のうち、移動体で生じた天空反射の赤外線強度(所定の画素値)を、赤外線強度データに含まれる天空反射の赤外線強度以外の赤外線強度に変更する。移動体で生じた天空反射とは、例えば、車両の荷台などが鏡面となって空からの赤外線を反射し、その反射された赤外線が撮像部10Aに入射された状況をいう。
【0027】
フレームメモリ13は、画像信号ごとに赤外線強度データを記憶するメモリである。
【0028】
分布変換部14は、一般的に変更手段と呼ぶことができる。
【0029】
分布変換部14は、赤外線強度データに含まれる天空反射の赤外線強度を、天空反射の赤外線強度とは異なる赤外線強度に変更する。具体的には、分布変換部14は、変更後の赤外線強度データに示される複数の画素値の度数分布が、フレームメモリ13内の赤外線強度データに含まれた天空反射の赤外線強度以外の赤外線強度の度数分布に一致または近づくように、天空反射の赤外線強度を変更する。分布変換部14は、例えば、CPU(Central Processing Unit)により実現される。
【0030】
本実施形態では、分布変換部14は、フレームメモリ13に記憶された赤外線強度データの第1のヒストグラム(度数分布)H1を作成する。
【0031】
図2は、天空反射が生じていないときの赤外線強度データのヒストグラムH1を例示する観念図である。図3は、天空反射が生じたときの赤外線強度データのヒストグラムH1を例示する観念図である。図2および図3では、横軸が、赤外線強度の階級であり、縦軸が、各階級の度数(画素数)である。図2および図3では、赤外線強度の階級は左から右に大きくなる。
【0032】
図3に示すように、天空反射の発生に起因して左端の赤外線強度の低い階級の度数Vが大きくなっている。これは、天空反射の赤外線強度は、地上の物体から発生される赤外線強度よりも低いからである。
【0033】
そして分布変換部14は、ヒストグラムH1の赤外線強度の各階級のうち、天空反射の赤外線強度に該当する階級の度数Vをゼロにした第2のヒストグラムH2を作成する。
【0034】
図4は、図3に示した天空反射部分の度数Vを「0」にしたヒストグラムH2を示す図である。
【0035】
さらに分布変換部14は、赤外線強度データに含まれる赤外線強度の各階級のうち、天空反射の赤外線強度の階級の度数Vを、天空反射の赤外線強度と異なる赤外線強度の階級ごとに均等となるように分配する。分布変換部14は、例えば、赤外線強度データに示された赤外線強度の各階級のうち、度数が大きい方の階級から順に天空反射の赤外線強度の度数Vを配分して第3のヒストグラムH3を作成する。
【0036】
図5は、図3に示した天空反射部分の度数Vを、図4に示した度数が「1」以上の赤外線強度の階級に均等に分配したヒストグラムH3を示す図である。
【0037】
分布変換部14は、赤外線強度データに示された天空反射の赤外線強度を除去した第3のヒストグラムH3を画像生成部15に供給する。
【0038】
画像生成部15は、一般的に調整手段と呼ぶことができる。
【0039】
画像生成部15は、分布変換部14から第3のヒストグラムH3を用いて、赤外線強度データにて示された画像の画質を調整する。
【0040】
本実施形態では、画像生成部15は、分布変換部14から第3のヒストグラムH3を受け付けると、第3のヒストグラムH3とフレームメモリ13内の赤外線強度データとを用いて、8bit(ビット)の画像データを生成する。具体的には、画像生成部15は、第3のヒストグラムH3を用いて、フレームメモリ13に記憶された赤外線強度データが含む天空反射の赤外線強度を、天空反射の赤外線強度と異なる赤外線強度に変更する。そして画像生成部15は、ヒストグラムH3を用いて変更後の赤外線強度データにて示された画像の輝度およびコントラストを調整して画像データを生成する。
【0041】
例えば、画像生成部15は、変更後の赤外線強度データに含まれる赤外線強度の中心強度(中心温度)と強度範囲(温度範囲)を求め、その中心強度と強度範囲とを用いて画像の輝度およびコントラストを調整するための画像データ変換情報(例えば、トーンカーブ)を算出する。そして画像生成部15は、その画像データ変換情報を用いて変更後の赤外線強度データに含まれる赤外線強度を画素ごとに変換して画像データを生成する。画像生成部15は、画像データを生成すると、その画像データを出力部16に出力する。
【0042】
出力部16は、画像生成部15から画像データを受け付けると、その画像データを映像信号に変換する。出力部16は、その映像信号を、例えば車両の位置または速度を検出する車両検出装置へ送信する。
【0043】
次に赤外線撮像装置10の画像調整方法について説明する。
【0044】
図6は、画像調整方法の処理手順例を示すフローチャートである。図6では、赤外線受光部11は、240×360の画素で構成されるものとする。
【0045】
まず、赤外線受光部11では、画素ごとに設けられた赤外線受光素子が赤外線を受光して赤外線受光素子ごとに蓄積された電荷をアナログ信号の赤外線画像信号(電気信号)に変換し、その赤外線画像信号をA/D変換部12に出力する(ステップS1)。
A/D変換部12は、赤外線受光部11からアナログ信号の赤外線画像信号を受け付けると、その赤外線画像信号をデジタル信号に変換して赤外線強度データDを生成する(ステップS2)。A/D変換部12は、例えば、1画素ごとに赤外線画像信号を16bit(ビット)で表現した赤外線強度データDをフレームメモリ13へ出力する。
【0046】
フレームメモリ13は、240×360×16bitの赤外線強度データDを記憶し、その赤外線強度データDを、分布変換部14と画像生成部15とへ出力する(ステップS3)。
【0047】
分布変換部14は、フレームメモリ13から赤外線強度データDを受け付けると、赤外線強度データDのヒストグラムとして階級数が216個のヒストグラムH1を作成する(ステップS4)。例えば、分布変換部14は、図3または図4に示したようなヒストグラムH1を作成する。
【0048】
そして分布変換部14は、ヒストグラムH1における赤外線強度の各階級のうち、天空反射の強度閾値a以下の階級の度数Vを算出し、その度数Vを「0」としたヒストグラムH2を作成する(ステップS5)。なお、天空反射の強度閾値aは、天空反射の赤外線強度の範囲内での上限値である。分布変換部14は、例えば、図4に示したヒストグラムH1を、図5に示したヒストグラムH2に変換する。
【0049】
さらに分布変換部14は、ヒストグラムH2における赤外線強度の各階級のうち、度数が「1」以上の階級のそれぞれに度数Vを均等に分配してヒストグラムH3を作成する(ステップ6)。分布変換部14は、度数の大きい階級から順番に度数Vを1つずつ分配する。例えば、分布変換部14は、図5に示したヒストグラムH2を、図6に示したヒストグラムH3に変換する。
【0050】
分布変換部14は、ヒストグラムH3を作成すると、そのヒストグラムH3を画像生成部15へ出力する(ステップS7)。
【0051】
画像生成部15は、ヒストグラムH3を用いて赤外線画像信号の中心温度と温度範囲とを求め、その中心温度と温度範囲とを用いて赤外線画像信号の輝度およびコントラストを調整して8ビットの画像データを生成する(ステップS8)。画像生成部15は、その生成された画像データを出力部16に出力する。
【0052】
出力部16は、画像生成部15から画像データを受け付けると、その画像データを映像信号として、例えばNTSC(National Television System Committee)信号に変換し、その映像信号を外部の装置へ送信する(ステップS9)。例えば、出力部16は、道路上の車両の位置または速度を検出する車両検出装置に映像信号を送信する。
【0053】
本実施形態によれば、撮像部10Aが、移動体を撮像してその移動体の画像を示す赤外線画像信号を赤外線強度データとして出力し、処理部10Bは、赤外線強度データに含まれる複数の赤外線強度(画素値)のうち、例えば道路を走行中の車両の荷台で生じた天空反射の赤外線強度(所定の画素値)を、赤外線強度データに含まれる天空反射の赤外線強度以外の赤外線強度に変更する。なお、図3に示すように、天空反射の赤外線強度は、車両などの地上の物体から発生される赤外線強度よりも低い。
【0054】
このため、赤外線撮像装置10は、赤外線強度データに含まれる複数の赤外線強度のうち、天空反射の赤外線強度を、天空反射の赤外線強度よりも高い、画像内の物体から発生された赤外線強度に変更する。
【0055】
例えば、赤外線撮像装置10において、道路上の車両が撮像されているときに画像内の大部分を占める車両の荷台部分で天空反射が生じた場合には、赤外線強度データに含まれる多数の画素の天空反射の赤外線強度は、画像内の荷台周辺の赤外線強度に変更される。
【0056】
よって、本実施形態によれば、赤外線撮像装置10は、天空反射に起因する赤外線画像信号の急激なレベル低下を防止することができる。さらに、画質の自動調整機能を有する赤外線撮像装置10では、天空反射に起因して赤外線画像信号の急激なレベル低下する場合に赤外線画像信号の画質の急激な変動を抑制することが可能となる。
【0057】
また、本実施形態では、分布変換部14は、赤外線強度データに含まれる複数の赤外線強度の度数分布が、変更前の赤外線強度データに含まれた天空反射の赤外線強度以外の赤外線強度の度数分布(例えばヒストグラム2)に一致または近づくように、天空反射の赤外線強度を変更する。そして画像生成部15は、変更された後の赤外線強度データに含まれた赤外線強度の度数分布(例えばヒストグラムH3)を求め、その度数分布を用いて赤外線画像信号の画像の輝度およびコントラストを調整する。
【0058】
このため、赤外線撮像装置10は、赤外線強度データに含まれる赤外線強度の度数分布を用いて赤外線強度の中心強度と強度範囲を求め、その中心強度と強度範囲を用いて赤外線画像信号の画質を適切に調整することが可能となる。よって、赤外線撮像装置10は、季節や天候によって赤外線強度の中心強度と強度範囲が変動しても、その変動に応じて赤外線画像信号の画質を調整することが可能となる。
【0059】
さらに赤外線撮像装置10は、赤外線強度データに含まれる赤外線強度の度数分布が、変更前の赤外線強度データに含まれる天空反射の赤外線強度以外の赤外線強度の度数分布に一致または近づくように、変更前の赤外線強度データに示された天空反射の赤外線強度を変更する。
【0060】
このため、変更後の赤外線強度データに含まれる赤外線強度の中心強度および強度範囲は、変更前の赤外線強度データに含まれた天空反射の赤外線強度以外の赤外線強度の中心強度および強度範囲とほぼ等しくなる。よって、赤外線撮像装置10は、赤外線強度データに含まれる天空反射の赤外線強度を除去しつつ、赤外線画像信号の画質を適切に調整することが可能となる。
【0061】
したがって、赤外線撮像装置10は、天空反射の発生に関わらず、季節や天候に応じて適切に赤外線画像信号の調整を行うことができる。よって、赤外線撮像装置10からの赤外線画像信号を用いて物体の検出を行う検出装置は、天空反射の発生に関わらず、対象物体の検出を精度良く行うことが可能となる。
【0062】
以上説明した実施形態において、図示した構成は単なる一例であって、本発明はその構成に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0063】
10 赤外線撮像装置
10A 撮像部
10B 処理部
11 赤外線受光部
12 A/D変換部
13 フレームメモリ
14 分布変換部
15 画像生成部
16 出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体を検出する装置に用いられる赤外線撮像装置であって、
前記移動体を撮像して該移動体の画像を示す赤外線画像信号を出力する撮像手段と、
前記赤外線画像信号に示される画素の各々の画素値のうち、前記移動体で生じた天空反射に起因する所定の画素値を、前記赤外線画像信号に含まれる前記所定の画素値以外の画素値に変更する処理手段と、を含む赤外線撮像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の赤外線撮像装置において、
前記処理手段は、
前記赤外線画像信号に示される複数の画素値の度数分布が前記所定の画素値以外の画素値の度数分布に一致または近づくように前記所定の画素値を変更する変更手段と、
前記変更手段が変更した後の赤外線画像信号に含まれる画素値の度数分布を用いて前記赤外線画像信号にて示される画像の画質を調整する調整手段と、を含む、赤外線撮像装置。
【請求項3】
移動体を検出する装置に用いられる赤外線撮像装置の画像調整方法であって、
前記移動体を撮像して該移動体の画像を示す赤外線画像信号を出力する撮像ステップと、
前記赤外線画像信号に示される画素の各々の画素値のうち、前記移動体で生じた天空反射に起因する所定の画素値を、前記赤外線画像信号に含まれる前記所定の画素値以外の画素値に変更する処理ステップと、を含む、画像調整方法。
【請求項4】
請求項3に記載の画像調整方法において、
前記処理ステップは、
前記赤外線画像信号に示される複数の画素値の度数分布が前記所定の画素値以外の画素値の度数分布に一致または近づくように前記所定の画素値を変更する変更ステップと、
前記変更された後の赤外線画像信号に含まれる画素値の度数分布を用いて前記赤外線画像信号にて示される画像の画質を調整する調整ステップと、を含む、画像調整方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−199605(P2012−199605A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−60513(P2011−60513)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】