説明

赤外線検出および表示のための方法および装置

本発明の態様は、赤外線(IR)検出のための方法および装置に関する。IR放射線を検出するためのフォトトランジスタを生産するために、有機層を利用することができる。IR検出器の波長範囲を、異なる波長の光子に対して感受性がある材料を組み込むことによって改変することができる。量子ドットの材料に関連する波長を有する光子の吸収を増強するために、フォトトランジスタの吸収層のホスト有機材料とは異なる波長の光子に対して感受性の材料の量子ドットを、吸収層に組み込むことができる。光伝導体構造をフォトトランジスタの代わりに用いることができる。光伝導体には、PbSe量子ドットまたはPbS量子ドットを組み込むことができる。光伝導体には有機材料およびOLED構造の一部を組み込むことができる。検出されたIR像をユーザーに表示することができる。有機材料を有機発光デバイスを作製するために用いることができる。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、任意の図、表、または図面が含まれ、いずれもその全内容物が参照により本明細書に組み入れられる、2007年5月14日に提出された米国特許出願第60/930,225号の恩典を主張し、かつ2006年9月29日に提出された米国特許出願第60/848,581号の恩典を主張する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
赤外線(IR)放射を検出するための多くの応用がある。IRは可視光(>0.7μm)より長い波長から約14μmまでの波長を有する放射線を指し、近IRは約0.7μmから約1.0μmの波長を指すサブセットである。一つの応用は、たとえば夜間に起こりうる暗い室内光の環境下でのIRの検出である。同様に、検出されたIR像をユーザーに見える波長でユーザーに表示することも有用でありうる。IR像を検出して、検出された像をユーザーに表示するための一つの一般的なデバイスは、暗視ゴーグルである。
【0003】
従来の暗視ゴーグルは、非常に高い動作電圧を必要とし、何千ドルもの費用がかかりうる複雑な電子光学デバイスである。典型的な暗視ゴーグルは自身の光源に依存する代わりに既存の光を増倍し、可視光から赤外線までの幅広いスペクトルの光に対して感受性である。対物レンズと呼ばれる従来のレンズは、いくつかの近赤外光が含まれる周囲の光を捕獲する。次に、集められた光は像増倍管に送られる。増倍管は高い電圧、たとえば約5,000ボルトを像-増倍管構成要素に出力する。像増倍管は光電陰極を有し、これは光エネルギーの光子を電子に変換するために用いられる。電子が管を通過すると、同様の電子が管内の原子から放出され、管の中のマイクロチャネルプレート(MCP)を用いることによって当初の電子数を何千倍も増幅する。光電陰極からの電子がMCPの最初の電極に当たると、それらは電極対のあいだに送られる5,000-Vバーストによりガラスマイクロチャネルの中に加速される。電子がマイクロチャネルを通過すると、それらは、縦続二次電子放出(cascaded secondary emission)と呼ばれるプロセスを用いて、他の何千もの電子をそれぞれのチャネルにおいて放出させる。これらの新しい電子はまた、他の原子と衝突して、連鎖反応を生じさせ、それによってごく少数が中に入ったチャネルを通り過ぎる何千もの電子が得られる。像増倍管の末端部で、電子はリン光体をコーティングしたスクリーンに命中する。これらの電子は、それらが通過したチャネルに関してその位置を維持し、これは電子が当初の光子と同じ整列で留まることから完全な像を提供する。電子のエネルギーによって、リン光体は励起状態に達して、光子を放出する。これらのリン光体は、スクリーン上で緑色の像を作成し、これが夜間視力の特徴付けとなる。緑色のリン光体の像は、接眼レンズと呼ばれるもう一つのレンズを通して見られ、これによって像を拡大して焦点を合わせることができる。暗視デバイスを、モニターのような電子的ディスプレイに接続してもよく、または接眼レンズを通して像を直接見てもよい。
【0004】
したがって、低い動作電圧で動作して、軽量で生産の費用効果が高いIRセンサー/検出器、およびIRセンサー/検出器-ディスプレイの組み合わせが必要である。
【発明の概要】
【0005】
簡単な概要
本発明の態様は、赤外線(IR)検出のための方法および装置に関する。特定の態様は、IR放射線の検出のためのフォトトランジスタを生産するために有機層を利用する。IR検出器の波長範囲は、異なる波長の光子に対して感受性である材料を組み込むことによって改変することが可能である。特定の態様において、量子ドットの材料に関連する波長を有する光子の吸収を増強するために、フォトトランジスタの吸収層のホスト有機材料とは異なる波長の光子に対して感受性がある材料の量子ドットを、吸収層に組み込むことができる。
【0006】
もう一つの態様において、光伝導体構造をフォトトランジスタの代わりに用いることができる。一つの態様において、光伝導体にはPbSe量子ドットまたはPbS量子ドットを組み込むことができる。もう一つの態様において、光伝導体には、有機材料を組み込むことができる。
【0007】
特定の態様はまた、検出されたIR像をユーザーに表示することを伴う。特定の態様において、有機材料を用いて有機発光デバイスを作製することができる。異なる波長で放出するさらなる材料を発光層に加えることができる。特定の態様において、ユーザーに対する有機発光デバイスの出力表示を増強するために、放出層のホスト有機材料とは異なる波長の光子の放出に関連する材料の量子ドットを放出層に組み込むことができる。好ましい態様において、IR検出は、フォトトランジスタによって達成され、検出されたIR像の表示は有機発光ダイオード(OLED)のような有機発光デバイスによって達成される。より好ましい態様において、フォトトランジスタおよびOLEDは直列である。
【0008】
本発明の態様は、暗視のための方法および装置に関する。一つの態様において、暗視デバイスは有機薄膜層を蒸着させることによって達成されうる。本発明のデバイスの態様は10〜15 Vのような低い動作電圧で作動させることができる。さらに、本発明のデバイスの特定の態様を製造する費用は、従来の暗視システムを製造する費用より低くなりうる。本発明の暗視デバイスの一つの態様において、有機フォトトランジスタは、有機発光ダイオード(OLED)のような有機発光デバイスと直列でありうる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】二次元赤外線像センサー/検出器、ピクセル化を行わない二次元赤外線像センサー/ディスプレイアレイ、およびセンサー/ディスプレイアレイの回路モデルの態様を示す。
【図2】本発明の態様に従うPNPバイポーラフォトトランジスタおよびNPNバイポーラフォトトランジスタを示す。
【図3】吸収層においてPbSe量子ドットを用いる赤外線画像/センサーディスプレイアレイの態様を示す。
【図4】放出層にCdSe量子ドットを組み込んでいる本発明のディスプレイデバイスの態様を示す。
【図5】本発明の様々な態様において用いることができる材料を示す。
【図6】光伝導体としてPbSe量子ドットを用いる態様を示す。
【図7】光伝導体として有機材料を用いる態様を示す。
【図8】光センサーとして光伝導体を用いる態様を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
詳細な開示
本発明の態様は、赤外線(IR)検出のための方法および装置に関する。特定の態様は、IR放射線を検出するためのフォトトランジスタを生産するために有機層を利用する。IR検出器の波長範囲は、異なる波長の光子に対して感受性がある材料を組み込むことによって改変することが可能である。特定の態様において、量子ドットの材料に関連する波長を有する光子の吸収を増強するために、フォトトランジスタの吸収層のホスト有機材料とは異なる波長の光子に対して感受性がある材料の量子ドットを、吸収層に組み込むことができる。
【0011】
もう一つの態様において、光伝導体構造を、フォトトランジスタの代わりに用いることができる。一つの態様において、光伝導体には、PbSe量子ドットまたはPbS量子ドットを組み込むことができる。もう一つの態様において、光伝導体には有機材料を組み込むことができる。
【0012】
特定の態様はまた、検出されたIR像をユーザーに表示することを伴う。特定の態様において、有機材料を用いて有機発光デバイスを作製することができる。異なる波長で放出するさらなる材料を発光層に加えることができる。特定の態様において、ユーザーに対する有機発光デバイスの出力表示を増強するために、放出層のホスト有機材料とは異なる波長の光子の放出に関連する材料の量子ドットを、放出層に組み込むことができる。好ましい態様において、IR検出はフォトトランジスタによって達成され、検出されたIR像の表示は有機発光ダイオード(OLED)のような有機発光デバイスによって達成される。より好ましい態様において、フォトトランジスタおよびOLEDは直列である。
【0013】
本発明の態様は、暗視のための方法および装置に関する。一つの態様において、暗視デバイスは有機薄膜層の蒸着によって達成されうる。本発明のデバイスの態様は、10〜15Vのような低い動作電圧で作動させることができる。さらに、本発明のデバイスの特定の態様を製造する費用は、従来の暗視システムを製造する費用より低くなりうる。本発明の暗視デバイスの一つの態様において、有機フォトトランジスタは、有機発光ダイオード(OLED)のような有機発光デバイスと直列でありうる。
【0014】
好ましくは、赤外光に対して透過性である電極を用いて、IR放射線をフォトトランジスタの中に入らせる。IRセンサー/検出器の態様、IRセンサー-ディスプレイの組み合わせの態様、およびIRセンサー-ディスプレイの組み合わせの回路モデルの概略図を図1に示す。有機材料の層を用いて作製されたPNPバイポーラフォトトランジスタを図1の左側に示す。ここで、CuPcはn-層であり、PTCBIはp-層である。吸収層と放出層を指す、光を表す屈曲した矢印(IRを吸収して緑色を放出する)が示されるが、それぞれIR光は上部から入り、図1において示されるデバイスの底部から可視光が放出される。図1の中央において、OLEDと共に左側に示すフォトトランジスタの集積化を示す。IR像はフォトトランジスタの電極層(NiO)の上部に入射して、CuPc層を通過し、吸収層(PTCBI)の中に入ることができる。
【0015】
赤外光で光励起されると、フォトトランジスタにおいて電荷キャリアが生成され、OLEDの中に注入され、次にこれが可視域で光子を生成する。有機薄膜の伝導性が低いことにより、電場は光励起領域内に限定され、可視光子は励起領域内で生成されると考えられる。その結果、広い領域のデバイスが赤外線像に曝露されれば、可視像が生成されると考えられうる。好ましくは可視光に対して透過性である電極を底部に用いて、そこで出力像が放出される。示される態様において、可視光に対して透過性であるITOを電極として用いる。他の材料も同様に用いることができる。中央部に示される集積デバイスの回路図を図1の右側に示す。特定の態様において、デバイスを作動させるために電子機器は必要ない。一つの態様において、フォトトランジスタおよび発光デバイスの動作電圧は、総動作電圧が20V未満となりうるように、10V未満である。このデバイスは非常に軽量に作ることが可能である。
【0016】
一つの態様において、ガラスを製造基板として用いることができる。フォトトランジスタおよびOLEDの組み合わせ全体は、非常に薄く、たとえば1μm未満でありうる。次に、薄層を有するガラス基板を、暗視ゴーグルの一部にすることができ、そこでIR像を受信するように薄層を配置して、ユーザーはガラスまたはプラスチック基板から放出された可視像を見るように配置される。
【0017】
図2は、図1のPNPバイポーラトランジスタおよびNPNフォトトランジスタを示し、これらもまた、本発明に従って利用することができる。
【0018】
本発明のIR検出器-ディスプレイの組み合わせの特定の態様の製造技法をこれから記述する。この製造技法は、いかなるパターン形成も必要としない。本開示の恩典を有する当業者に明らかであるように、他の製造技術と共に他の材料も同様に本発明に従って利用することができる。デバイスを、シート抵抗200Ω/スクエアを有する酸化インジウム-スズの100 nm薄層を予めコーティングしたガラス基板またはプラスチック基板上で成長させる。基板を溶媒によって脱脂した後、酸素プラズマおよびUV-オゾン周囲大気に曝露することによって洗浄する。層は全て、真空を乱すことなく、連続して真空下で蒸着成長させる。酸化インジウム-スズ(ITO)層の上部での第一の蒸着工程において、図1の中央部に示される集積PNPフォトトランジスタおよびOLEDを製造するために、厚さ10 nmのCuPcをホール注入層として蒸着させる。次に、厚さ50 nmのNPD層を成長させて、ホール輸送層として作用させる。次に、厚さ60 nmのAlq3放出層を蒸着させる。次に、LiF(2 nm)/NiO(10 nm)電荷生成層を蒸着させる。これによってOLEDが得られる。その後、発光デバイスの上部でフォトトランジスタを製造するために、厚さ40 nmのCuPc層、厚さ50 nmのPTCBI層、厚さ40 nmのCuPc層、および1000 nmのNiO層を蒸着させる。
【0019】
図3を参照するもう一つの特定の態様において、フォトトランジスタのPTCBI層をPbSまたはPbSe量子ドット層に置換する。PbSまたはPbSeは、PTCBI層とは異なる波長の光子を吸収する。例として、約1μmの波長までの光子を吸収するPTCBI層を作製することができ、検出のための波長範囲を拡大するために、約1μmから約3μmまでの範囲の波長を有する光子を吸収するPbSe量子ドット層、またはPbS量子ドット層を作製することができる。他の波長範囲は、吸収層における材料を適当に選択することによって達成されうる。
【0020】
図4を参照するさらに特定の態様において、図1または図3の発光デバイスの60 nmのAlq3層を、50 nm Alq3層およびCdSe量子ドット層に置換する。量子ドット層の材料は、Alq3層によって放出される光とは異なる波長の光の放出を助長しうる。したがって、本発明に従って他の材料も同様に利用することができる。
【0021】
図5は、本発明の態様と共に利用することができる材料の構造を示す。図5において、トリス-(8-ヒドロキシキノリン)アルミニウム(Alq3)、4-4'-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニル-アミノ]ビフェニル(NPD)、銅フタロシアニン(CuPc)、およびペリレン-3,4!8,10-テトラ-カルボン酸-ジイミド-ジ〜2,6-イソプロピ〜フェニル(PTCDI)の構造を示す。
【0022】
有機材料層から主に製造されるフォトトランジスタおよびフォトトランジスタ/OLEDの組み合わせに向けられる例示的な態様を記述してきたが、さらなる態様は、フォトトランジスタおよび/または発光デバイスのために無機材料を利用する。本発明に従ってフォトトランジスタおよび/または発光デバイスを製造するために用いることができる無機材料の例には、アモルファスシリコン、ゲルマニウム、およびダイヤモンド様炭素が含まれるがこれらに限定されるわけではない。薄膜のアモルファスシリコンは、IRを吸収するためにPbSeまたはPbSを有する可能性がある。無機OLEDには可視光を放出するためにZnOを用いることができる。吸収層に無機材料を用いることによって、約1μmから4μmの範囲の波長のIRを検出することができる。図1、2、3、および4において示される構造と類似の構造を有するフォトトランジスタおよび/またはOLEDを製造するためのこれらの材料および技術は、当業者に公知である。このように、無機フォトトランジスタを有機OLEDと共に組み込むことができ、有機フォトトランジスタを無機OLEDと共に組み込むことができる。
【0023】
本発明の態様は、光伝導体を組み込むことが可能である。特定の態様において、光伝導体を、上記の態様において記述されるフォトトランジスタと取り替えることができる。図6は、PbSe量子ドットを組み込んでいる光伝導体デバイスを示す。PbSe量子ドットを用いて、1μmから3μmの波長の光子を感知することができる。光伝導体構造は、二つの電極のあいだに整列させた光伝導性材料で形成されうる。一つの態様において、一つの電極を金(Au)で形成し、第二の電極をITOで形成することができる。一つの態様において、PbS量子ドットをPbSe量子ドット層の代わりに用いることができる。作動において、IR光線の吸収を通して、キャリアを量子ドット(QD)層において光励起させることができる。キャリアは、OLED素子まで移動して、たとえば緑色の光を放出する。特に、電子をOLED素子の放出層に注入して、これをホールと再結合させて光を放出させてもよい。
【0024】
図6において示される態様において、光伝導体を、OLED素子上で形成することができる。OLED素子をガラス基板上で形成し、基板上に形成されたITO層、ホール輸送層として作用するITO層上に形成されたCuPc層、ホール輸送層として作用するCuPc層上に形成されたNPD層、NPD層上に形成されたAlq層、およびAlq層上に形成された電荷生成のためのLiF/NiO層を組み込むことができる。光伝導体は、LiF/NiO層上に金層を蒸着させること、金層上に光伝導性材料層を形成させること、および光伝導性材料層上にITO層を形成させることによって、LiF/NiO層上で形成することが可能である。
【0025】
図7は、有機材料を組み込んでいる光伝導体デバイスを示す。図7を参照すると、OLED素子と共に組み込まれている場合、光伝導体の電極の一つを消失させることができる。特に、光伝導性材料を、OLEDのホール輸送層に直接接触させることができる。一つの態様において、チタニルフタロシアニン(TiOPc)を光伝導体デバイスの光伝導性材料として用いることができる。TiOPcは0.8μmで波長を吸収することから、IR光線に反応しうる。OLED素子は、ガラス基板上に形成させることが可能であり、これには、基板上に形成されたITO層、ITO層上に形成されたLiF/NiO層、LiF/NiO層上に形成されたAlq層、およびAlq層上に形成されたNPD層が含まれうる。光伝導性材料は、電極を介在することなく、NPD層上に直接形成させることが可能である。
【0026】
図8は光センサーとして光伝導体を組み込んでいる態様を示す。光伝導体は、非常に大きいゲインまたは増幅を有することができ、シグナルを増幅するために理想的である。光伝導性デバイスには、二つの層、電荷輸送層と増感剤とが含まれる。NPDは電荷輸送層として用いることができ、PbSe、PbS、および/またはInAs量子ドットは、光子吸収のために利用することができる。
【0027】
作動において、キャリアをTiOPc層において光励起させることができる。キャリアはOLED素子まで移動して、たとえば緑色の光を放出する。特に、ホールをNPD層に注入して電子と再結合させて、光を放出する。
【0028】
本発明の態様において、光伝導体におけるゲインは、100,000もの大きさとなりうる。
【0029】
フォトトランジスタの代わりに光伝導体を組み込んでいる態様の場合、製造は、三層のNPNまたはPNP構造の代わりに単層デバイスである光伝導体の態様により、より少ないプロセス工程を伴う可能性がある。
【0030】
本明細書において参照または引用された全ての特許、特許出願、仮出願、および刊行物は、本明細書の明白な教示とそれらが矛盾しない程度に、全ての図および表が含まれるその全内容物が参照により本明細書に組み入れられる。
【0031】
本明細書において記述される実施例および態様は、例示的な目的のためであるに過ぎず、それに照らして様々な改変または変更が当業者に示唆され、それらも本出願の趣旨および範囲に含まれると理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収層および発光層の少なくとも一つが有機材料を含む、吸収層と発光層とを含む赤外線(IR)検出器。
【請求項2】
吸収層が組み込まれているフォトトランジスタを含む、請求項1記載のIR検出器。
【請求項3】
吸収層が組み込まれている光伝導体を含む、請求項1記載のIR検出器。
【請求項4】
吸収層が、有機材料と、吸収層の第一の有機材料とは異なる波長の光子に対して感受性の材料の量子ドットとを含む、請求項1記載のIR検出器。
【請求項5】
発光層が、有機材料と、発光層の有機材料とは異なる波長の光子の放出に関連する材料の量子ドットとを含む、請求項1記載のIR検出器。
【請求項6】
ユーザーに出力像を表示するためのディスプレイを含むIR検出器であって、発光層がディスプレイに組み込まれている、請求項1記載のIR検出器。
【請求項7】
ディスプレイが有機発光ダイオード(OLED)を含む、請求項6記載のIR検出器。
【請求項8】
フォトトランジスタを含むIR検出器であって、吸収層が該フォトトランジスタに組み込まれ、該フォトトランジスタとOLEDが直列である、請求項7記載のIR検出器。
【請求項9】
フォトトランジスタがPNPバイポーラトランジスタである、請求項2記載のIR検出器。
【請求項10】
フォトトランジスタがNPNバイポーラトランジスタである、請求項2記載のIR検出器。
【請求項11】
フォトトランジスタがIR光に対して透過性の第一の電極を含み、検出されるIR光が第一の電極を通過して、該フォトトランジスタの吸収層に入り、該IR光が電荷キャリアを生成するように吸収層において吸収され、光子を生成するように該電荷キャリアがOLEDの中に注入され、該OLEDが生成された光子に対して透過性の第二の電極を含み、生成された光子が第二の電極を通過する、請求項8記載のIR検出器。
【請求項12】
生成された光子が可視域に存在する、請求項11記載のIR検出器。
【請求項13】
第二の電極を通過する生成された光子が出力像を生じさせ、出力像が第一の電極に入射する赤外線像に対応する、請求項12記載のIR検出器。
【請求項14】
吸収層がPbSe量子ドットを含む、請求項1記載のIR検出器。
【請求項15】
吸収層がPTCBを含む、請求項1記載のIR検出器。
【請求項16】
発光層がAlq3を含む、請求項1記載のIR検出器。
【請求項17】
発光層がCdSe量子ドット層を含む、請求項1記載のIR検出器。
【請求項18】
吸収層がPbS量子ドットを含む、請求項1記載のIR検出器。
【請求項19】
吸収層が有機材料を含み、発光層が無機材料を含む、請求項1記載のIR検出器。
【請求項20】
発光層が有機材料を含み、吸収層が無機材料を含む、請求項1記載のIR検出器。
【請求項21】
約1μm〜約4μmの範囲の波長を検出することができる、請求項19記載のIR検出器。
【請求項22】
約1μm〜約3μmの範囲の波長を検出することができる、請求項14記載のIR検出器。
【請求項23】
光伝導体を含むIR検出器であって、吸収層が該光伝導体に組み込まれ、該光伝導体とOLEDが直列である、請求項22記載のIR検出器。
【請求項24】
光伝導体がOLEDのホール輸送層に直接接触している、請求項23記載のIR検出器。
【請求項25】
以下の段階を含む、赤外線(IR)を検出する方法:
吸収層および発光層の少なくとも一つが有機材料を含む、吸収層と発光層とを含むIR検出器を提供する段階;
IR検出器にIR光を入射させる段階;および
入射IR光の指標として発光層によって放出された光を受信する段階。
【請求項26】
第一の電極;
第一のトランジスタ層、第二のトランジスタ層、および第三のトランジスタ層がバイポーラトランジスタを形成する、第一のトランジスタ層、第二のトランジスタ層、第三のトランジスタ層;ならびに
第二の電極
を含む、フォトトランジスタを含む赤外線(IR)検出器であって、
前記第一の電極に入射したIR光が第一の電極を通過して、前記第二のトランジスタ層に吸収され、
吸収された光子によって電荷キャリアが生成され、かつ電荷キャリアが前記第一および第二の電極によって収集されて電流を生じる、赤外線(IR)検出器。
【請求項27】
ユーザーが暗視ゴーグルを装着した場合にユーザーの眼の近位に存在する基板;
吸収層および発光層の少なくとも一つが有機材料を含む、吸収層と発光層とを含み、入射したIR像を受信しかつIR像に対応する可視像をユーザーに出力するための、基板上の薄層
を含む、暗視ゴーグル。
【請求項28】
薄層がフォトトランジスタを含み、吸収層が該フォトトランジスタに組み込まれている、請求項27記載の暗視ゴーグル。
【請求項29】
薄層が光伝導体を含み、吸収層が該光伝導体に組み込まれている、請求項27記載の暗視ゴーグル。
【請求項30】
薄層が有機発光ダイオード(OLED)を含み、発光層が該OLEDに組み込まれている、請求項27記載の暗視ゴーグル。
【請求項31】
検出されるIR光がIR光に対して透過性である第一の電極を通過して吸収層に入り、該IR光が電荷キャリアを生成するように吸収層において吸収され、光子を生成するように該電荷キャリアがOLEDに注入され、生成された光子が該生成された光子に対して透過性である第二の電極を通過し、生成された光子が可視域に存在し、第二の電極を通過する生成された光子が第一の電極に入射する赤外線像に対応する可視出力像を生じる、請求項30記載の暗視ゴーグル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2010−506386(P2010−506386A)
【公表日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−530671(P2009−530671)
【出願日】平成19年10月1日(2007.10.1)
【国際出願番号】PCT/US2007/080104
【国際公開番号】WO2008/042859
【国際公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願人】(507371168)ユニバーシティ オブ フロリダ リサーチ ファンデーション インコーポレーティッド (38)
【Fターム(参考)】