説明

赤外線OPOレーザを用いた脂肪除去方法及び装置

本発明は、赤外線OPOレーザを用いた生体内の脂肪除去方法及び装置に関し、特に、エネルギー効率が高くて迅速な生体内の脂肪除去を行うために、約1,064nm波長のポンプレーザを光源として用いた赤外線OPO(Optical Parametric Oscillator)から発生される約2,300nm及び約1,980nmの二つの波長の赤外線レーザを生体内の脂肪に直接照射することで、生体内の脂肪をより効果的に除去することができる赤外線OPOレーザを用いた脂肪除去方法及び装置に関するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、赤外線OPOレーザを用いた生体内の脂肪除去方法及び装置に関し、特に、エネルギー効率が高くて迅速な生体内の脂肪除去を行うために、約1,064nm波長のポンプレーザを光源として用いた赤外線OPO(Optical Parametric Oscillator)から発生される約2,300nm及び約1,980nmの二つの波長の赤外線レーザを生体内の脂肪に直接照射することで、生体内の脂肪をより効果的に除去することができる赤外線OPOレーザを用いた脂肪除去方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(US patent 6,605,080 B1 (以下 「Altshuler et al.」という。))によれば、図1に示すように、930nm波長、1230nm波長、1700nm波長及び2300nm波長の光は生体脂肪に対する吸収が絶対的に高いのみならず、特に生体の大部分を構成する水に対する該当波長の吸収よりも2倍以上高いという利点を用いて、該当波長の光を生体外皮に照射すればnon-invasiveな方法でも体内脂肪に熱を加えることができ、それによって脂肪組職を破壊して体重減量が可能であることを提示している。しかし、臨床的に2300nm波長の赤外線光の場合、脂肪組職での吸収率のみならず外皮での絶対的吸収量が高くて、外皮を損傷することなく体内の脂肪を除去することは不可能であり、invasiveな方法のみで体内脂肪を溶かすことが可能であって、Altshuler et al.においても高出力の1,200nm波長や2,300nm波長の赤外線光のみを選択的に使用して効果的に脂肪組職を除去する方法を提示している。
【0003】
また、特許文献2(大韓民国登録特許公報第798635号(以下「Lee et al.」という。))は、肌の内外から選択的にレーザビームを照射することができ、同時にレーザダイオードから発振可能な波長のうち脂肪の吸収度の高い930nm波長のレーザを用いることで、脂肪を効率的に除去するようにしたレーザ装置を提案している。
【0004】
このような Lee et al.は、図2に示すように、レーザビームを出力するレーザ発振部110と、上記レーザ発振部110から出力されるレーザビームをガイドする第1光ファイバ112と、上記第1光ファイバ112の出力端に位置して光ファイバ112を介して案内されたレーザビームが発散されないように平行光に変換する第1平行光変換部120と、上記第1平行光変換部120から入射された平行レーザビームを線形偏光(Linear Polraization)に変換して透過させ、第2光ファイバ160から反射された後に屈折されて位相遅延された反射光が上記レーザ発振部110にフィードバック(feedback)されることを遮断する偏光子と、上記偏光子から入射された線形偏光されたレーザビームを円形偏光(Circular Polraization)の光に変換して透過させ、第2光ファイバ160から反射された円形偏光のレーザビームを線形偏光の光に変換して透過させる位相遅延器140と、上記位相遅延器140を通過して円形偏光されたレーザビームを収束する収束レンズ(Convergent lens)150と、上記収束レンズ150によって収束されたビームを肌の皮下脂肪にガイドする第2光ファイバ160、及び上記第2光ファイバ160の終端で反射された後にさらに上記偏光子で反射されるレーザビームのエネルギー量を測定し、設定されたエネルギー量に逹した場合にファイバ切断報知信号を出力するファイバ切断時期検出部170、及び上記ファイバ切断時期検出部170から受信したファイバ切断報知信号に基づいて警報信号を出力する警報器172を含んで構成される。
【0005】
それにより、Lee et al.の装置によれば、光ファイバ160に選択的に接触チップ194またはカニューレ180を備えることで肌の内外から選択的にレーザビームを照射することができ、レーザダイオードから発振可能な波長のうち脂肪の吸収度の高い930nm波長のレーザを用いることで、脂肪を効率的に除去できるようになる。
【0006】
しかしながら、930nm波長のレーザは図1からも確認できるように、脂肪に対する吸収度が0.1程度に過ぎず、水に対する吸収度と差が大きくなくて、脂肪組職を除去するのにエネルギー効率が落ちるのみならず、他の臓器に損傷を与えるおそれが高いという問題点がある。
【0007】
したがって、本発明者らは特定波長のレーザ光を用いて、よりエネルギー効率が高く、より迅速であり、他の臓器に損傷を与えるおそれが非常に小さい方式で生体内脂肪を除去することができる、赤外線OPOレーザを用いた生体内の脂肪除去方法及び装置を発明するに至った。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第6,605,080 B1号
【特許文献2】大韓民国登録特許公報第798635号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述した問題点を解決するために案出されたものであって、本発明の目的は、特定波長のレーザ光を用いてよりエネルギー効率が高く、より迅速であり、他の臓器に損傷を与えるおそれが非常に小さい方式でより効果的に生体内脂肪を除去することができる、赤外線OPOレーザを用いた脂肪除去方法及び装置を提供することにある。
【0010】
また本発明の目的は、除去しようとする脂肪組職の大きさ及び規模などによって赤外線OPOレーザの出力光を選択的に調節することで、効果的に脂肪を除去する方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために、一つの様態として本発明は、約1,064nmの波長を有するポンプ光を備え、上記ポンプ光を光源として約1,980nm波長及び約2,300nm波長のレーザ光を出力できるOPOレーザと、上記OPOレーザから出力された光を収束する収束レンズと、上記収束レンズによって収束されたレーザ光をガイドできる光ファイバと、内部に上記光ファイバの一端が挿入されるプラスチックニードルを含むことができるプラスチック−メタルニードル、及び上記プラスチック−メタルニードルが挿入されて脂肪が除去される部位の肌温度を測定及び監視し、測定された温度が既設定の安全温度以上であれば、上記肌を冷却させるかレーザの照射を中止させる温度調節部、を含むことを特徴とする赤外線OPOレーザを用いた脂肪除去装置に関するものである。
【0012】
また他の一つの様態として本発明は、約1,054nmないし約1,074nm範囲の波長を有するポンプ光を備え、上記ポンプ光を光源として約1,970nmないし約1,990nm範囲の波長及び約2,290nmないし約2,310nm範囲の波長のレーザ光を出力できるOPOレーザと、上記OPOレーザの出力光が進行する線上に着脱式で位置し、上記OPOレーザの出力光のうち約1,970nmないし約1,990nm範囲の波長の光は反射させ、約2,290nmないし約2,310nm範囲の波長の光のみ選択的に透過させる二色光フィルタと、上記二色光フィルタを通過したOPOレーザから出力された光を収束する収束レンズと、上記収束レンズによって収束されたレーザ光をガイドできる光ファイバ、及び内部に上記光ファイバの一端が挿入されるプラスチックニードルを含むことができるプラスチック−メタルニードル、を含むことができる赤外線OPOレーザを用いた脂肪除去装置に関するものである。
【0013】
さらに他の一つの様態として本発明は、ポンプ光をソースとするレーザと、上記レーザの出力を脂肪組職にガイドする光ファイバ、および上記光ファイバの一端が挿入されるニードルを含み、上記レーザは、約1,054nmないし約1,074nm範囲の波長を有するポンプ光を入力されて約1,970nmないし約1,990nm範囲の波長及び約2,290nmないし約2,310nm範囲の波長のレーザ光を出力できるOPOレーザであることを特徴とする赤外線OPOレーザを用いた脂肪除去装置に関するものである。
【0014】
好ましくは、上記ポンプ光は、ダイオードポンプソリッドステート(Diode Pumped Solid State)レーザの出力光であることを特徴とする。
【0015】
好ましくは、上記ポンプ光は、ファイバレーザの出力光であることを特徴とする。
【0016】
好ましくは、上記OPOレーザは、上記ポンプ光を入力されて上記OPOレーザの内部から発生する赤外線光を反射させる入力鏡装置と、上記入力鏡装置から入力されたポンプ光との相互作用を通じてOPOレーザ光を発生させて増幅させる非線形結晶、及び上記非線形結晶から発生した赤外線光の一部を出力させ、残りは反射させる出力鏡装置、を含むことを特徴とする。
【0017】
好ましくは、上記非線形結晶は、約1,064nm波長のポンプ光を入力されて約1,980nm波長及び約2,300nm波長のレーザ光を出力できる周期的に分極を反転させた強誘電体結晶であることを特徴とする。
【0018】
好ましくは、上記非線形結晶は、約1,064nm波長のポンプ光を入力されて約1,980nm波長及び約2,300nm波長のレーザ光を出力できる周期的に分極化するニオブ酸リチウム(PPLN;periodically poled Lithium Niobate(LiNbO3))強誘電体結晶であることを特徴とする。
【0019】
好ましくは、上記非線形結晶は、約1,064nm波長のポンプ光を入力されて約1,980nm波長及び約2,300nm波長のレーザ光を出力できるPPMgSLT(periodically poled MgO-doped Stoichiometric Lithium Tantalate(LiTaO3))であることを特徴とする。
【0020】
好ましくは、上記プラスチック−メタルニードルは、一端にハンドルが形成された肌貫通用メタルニードル、及び上記メタルニードルの周りを覆い、一端に光ファイバ固定具が形成され、他端に傾斜面が形成されたプラスチックニードル、またはプラスチック−メタルニードルの代りにニードルを覆うプラスチックがないメタルニードルのみを含むことを特徴とする。
【0021】
好ましくは、上記温度調節部は、脂肪組職が除去される部位の肌を撮影するカメラと、上記脂肪組職が除去される部位の肌から放射される赤外線を受光して温度を測定する温度センサと、上記脂肪組職が除去される部位の肌を冷却させる冷却器、及び上記カメラ、温度センサ及び冷却器と連結され、温度を色で表現するための色テーブルと安全温度が設定されて上記温度センサから入力された測定温度を色に変換し、上記測定温度が安全温度以上であれば、上記冷却器を制御して上記脂肪組職が除去される部位の肌温度を下げるかレーザの照射を停止させるプロセッサ、を含むことを特徴とする。
【0022】
好ましくは、上記温度調節部は、上記プロセッサに連結されて上記カメラの撮影映像上に測定温度に該当する色を表示するディスプレイをさらに含むことを特徴とする。
【0023】
また他の一つの様態として本発明は、
(a)肌に流入口を形成するようにプラスチック−メタルニードルを皮下脂肪層に挿入する流入口形成ステップと、
(b)上記プラスチック−メタルニードルを皮下に挿入した後、メタルニードルを抜いて、挿入されているプラスチックニードル内に光ファイバを挿入する挿入ステップ、及び
(c)約1,054nmないし約1,074nm範囲の波長のポンプ光を入力されて約1,970nmないし約1,990nm範囲の波長及び約2,290nmないし約2,310nm範囲の波長のレーザ光を出力するOPOレーザから出力された光を収束レンズで収束し、光ファイバを介して脂肪層内に移送されるようにして脂肪を除去する脂肪除去ステップ、を含むことを特徴とする赤外線OPOレーザを用いた脂肪除去方法に関するものである。
【0024】
好ましくは、(d)上記脂肪除去ステップで脂肪溶解が行われる部位の肌温度を温度調節部によって表示、監視及び調節される温度調節ステップ、及び(e)上記脂肪除去ステップで除去された脂肪の残留物をプラスチックニードル内部を通して外部に排出させる溶解された脂肪除去ステップ、をさらに含むことを特徴とする。
【0025】
好ましくは、上記脂肪除去ステップにおいて、上記プラスチックニードルの内部に挿入された光ファイバのレーザの照射方向を、患者の真皮から遠い方へ指向させることを特徴とする。
【0026】
好ましくは、上記脂肪除去ステップは、脂肪層の厚い部位の脂肪を除去するためにOPOレーザの出力光のうち水分に対する吸収度の高い約1,970nmないし約1,990nm範囲の波長の光と約2,290nmないし約2,310nm範囲の波長の光を同時に厚い脂肪層の中心部に照射させるステップを含むことを特徴とする。
【0027】
好ましくは、上記脂肪除去ステップは、脂肪層の薄い部位の脂肪を除去するためにOPOレーザと収束レンズとの間に、上記OPOレーザの出力光のうち約1,970nmないし約1,990nm範囲の波長の光は反射させ、約2,290nmないし約2,310nm範囲の波長の光のみ選択的に透過させる二色光フィルタを装着させる出力光調節ステップを含むことを特徴とする。
【0028】
好ましくは、上記温度調節ステップは、脂肪が除去される部位の肌映像及び温度をカメラ及び温度センサを通じて連続的に入力される測定ステップと、プロセッサを通じて上記測定ステップで入力された温度を色テーブルによって変換して表現される色相を上記映像の上に合成する変換ステップと、上記測定ステップで入力された温度を安全温度と比較して、入力された温度が安全温度以上であるか否かを判断する比較ステップ、及び上記比較ステップの判断結果、入力された温度が安全温度以上であれば、冷却器を作動させて安全温度以下に維持させるか、レーザの照射を停止させる制御ステップ、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、赤外線OPOレーザを通じて同時に発生される約1,980nm波長及び約2,300nm波長の赤外線光をいずれも脂肪除去に利用することができるので、エネルギー効率が非常に高いという効果がある。
【0030】
さらに、本発明によれば、赤外線OPOレーザの出力光のうち約1,980nm波長の赤外線光は水分に対する吸収度が非常に高く、約2,300nm波長の赤外線光は脂肪に対する吸収度が非常に高い特性があるので、水分を多く含有している、大規模であるか厚い脂肪組職の場合、脂肪組職に含まれた水分とともに脂肪除去が可能であって、約2,300nm波長の赤外線光のみで脂肪を破壊するときよりも短時間で効果的に脂肪を破壊できるという有用な効果がある。
【0031】
また、本発明によれば、脂肪層が薄い場合にも、選択的に二色フィルタを用いて約2,300nm波長の赤外線光のみでも脂肪を除去することができ、 脂肪除去施術中に変化される脂肪組職の規模によって施術装備自体を変更する必要がなくてより効率的であり、このような約2,300nm波長の赤外線光は脂肪に対する吸収度が非常に高いから相対的に浸透深さが短くなって、周辺組職に影響を与えないので、肌や筋肉に隣接する脂肪においても安全に脂肪のみを除去できるという長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】先行文献1(特許文献1)に記載のレーザ光の脂肪と水に対する吸収度データである。
【図2】先行文献2(特許文献2)に記載の装置の構成を概略的に示す構成図である。
【図3】本発明の一実施例に係る赤外線OPOレーザを用いた脂肪除去装置の具体的な実施例を示す構成図である。
【図4】本発明の一実施例による赤外線OPOレーザを用いた脂肪除去装置の構成を例示的に示す構成図である。
【図5】本発明の一実施例による赤外線OPOレーザを用いた脂肪除去装置の構成を例示的に示す構成図である。
【図6】本発明の一実施例に係るプラスチック−メタルニードルの構成を例示する構成図である。
【図7】本発明に係る温度調節部の構成を例示する構成図である。
【図8】本発明に係る温度調節部の構成を例示する構成図である。
【図9】本発明に係る赤外線OPOレーザを用いた脂肪除去装置を用いて脂肪を除去する方法を説明する説明図である。
【図10】本発明に係る赤外線OPOレーザを用いた脂肪除去方法を例示するフローチャートである。
【図11】本発明に係る赤外線OPOレーザを用いた脂肪除去方法を例示するフローチャートである。
【図12】本発明に係る赤外線OPOレーザを用いた脂肪除去方法を例示するフローチャートである。不要な改行
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明に係る赤外線OPOレーザを用いた脂肪除去方法及び装置の好ましい実施例を添付の図面を参照して説明する。この過程で図面に示された線の厚さや構成要素の大きさなどは、説明の明瞭性と便宜上、誇張されて図示されることもある。また、後述する用語は本発明における機能を考慮して定義された用語であって、これは使用者、運用者の意図または慣例によって変わり得る。したがって、このような用語に対する定義は本明細書の全般にわたった内容に基づいてなされるべきである。
【0034】
一方、本明細書に使用される「約」(英語の「around」、「about」または「approximately」に該当)は一般的に、与えられた値や範囲の5%以内、好ましくは3%以内、より好ましくは1%以内であることを意味する。本明細書に記載の数値は概略の意味であり、「約」という用語は特に断りのない限り、推定できるという意味である。
【実施例】
【0035】
図3は、本発明の一実施例に係る赤外線OPOレーザを用いた脂肪除去装置の具体的な実施例を示す構成図であり、図4及び図5は、本発明の一実施例に係る赤外線OPOレーザを用いた脂肪除去装置の構成を例示的に示す構成図である。
【0036】
図3ないし図5をを参照すれば、本発明の一実施例に係る赤外線OPOレーザを用いた脂肪除去装置は、OPOレーザ20、収束レンズ40、光ファイバ50、プラスチック−メタルニードルまたはメタルニードル60及び温度調節部70を含むことができる。また、選択的に、二色光フィルタ30をさらに含んでもよい。
【0037】
OPOレーザ20は、約1,064nm波長を出力するDPSS(Diode Pumped Solid State)レーザまたは約1,054nmないし約1,074nm波長を出力するファイバ(Fiber)レーザのポンプ光を光源として、約1,970nmないし約1,990nm波長及び約2,290nmないし約2,310nm波長のレーザ光を出力する役割をする。
【0038】
収束レンズ40は、上記OPOレーザ(20)から出力された光を収束する役割をする。
光ファイバ50は、上記収束レンズ40によって収束されたレーザ光を脂肪組職にガイドする役割をする。
【0039】
プラスチック−メタルニードル60は、内部に上記光ファイバ50の一端が挿入されるプラスチックニードルを含むことができるように構成され、選択的にプラスチック−メタルニードルの代りにメタルニードルのみを用いて光ファイバを挿入することもできる。
温度調節部70は、上記プラスチック−メタルニードル60が挿入されて脂肪組職が除去される部位の肌温度を接触式または非接触式で測定及び監視し、測定された温度が設定された安全温度以上であれば、上記肌を冷却させるかまたはレーザの出力を減少または遮断する役割をする。
【0040】
二色光フィルタ30は選択的に着脱されるものであって、上記OPOレーザ20の出力光が進行する線上に着脱式で位置し、上記OPOレーザ20の出力光のうち約1,970nmないし約1,990nm波長の光は反射させ、約2,290nmないし約2,310nm波長の光のみ選択的に透過させる役割をする。
【0041】
これを各構成要素別により詳細に説明すれば、下記の通りである。
【0042】
上記OPOレーザ20は、図4に例示的に示すように、約1,064nm波長のポンプ光を入力されてOPOレーザ20の内部から発生する赤外線光を反射させる入力鏡装置21と、上記入力鏡装置21から入力されたポンプ光との相互作用を通じて約1,980nm波長と約2,300nm波長のOPOレーザ光を発生させて増幅させる非線形結晶22と、上記非線形結晶22から発生した赤外線光の一部を出力させ、残りは反射させる出力鏡装置23と、を含むことができる。
【0043】
したがって、上記構成によって、2種類の波長のレーザ光を同時に出力することができる。
【0044】
ここで、上述した約1,064nm波長のポンプ光としてファイバレーザを使用すると、より安定した出力と小型化が可能であり、このとき、上述した非線形結晶22は、約 1,064nm波長のポンプ光を入力されて約1,980nm波長及び約2,300nm波長のレーザ光を出力するPPLN(LiNbO3)及び/またはPPMgSLT(LiTaO3)のように周期的に分極を反転させた強誘電体結晶を使用することが好ましい。
【0045】
このとき、上述したOPOレーザ20の出力光のうち約1,980nm波長の赤外線光は、図1から確認できるように、約3,100nm波長の次に水に対する吸収が高い波長の光であり、約2,300nm波長の赤外線光は脂肪に対する吸収度が最も高い波長であることが分かる。生体内の脂肪組職は単純に脂肪のみからなるのではなく、多量の水分を含んでいるので、上述したOPOレーザ20の出力光である約1,980nm波長と約2,300nm波長の赤外線光をいずれも脂肪組職に照射すれば、高いエネルギー効率で短時間で脂肪破壊ができるようになる。
【0046】
すなわち、脂肪層903の厚い脂肪部位では水分に対する吸収が多い約1,980nmレーザ及び脂肪に対する吸収が特別に高い約2,300nmレーザを使用して、厚い脂肪の中心部で安全に多くの量の脂肪を分解させることができる。一方、肌と深い層の筋肉に近い部位の比較的薄くなった脂肪層903の脂肪分解は、図5に例示するように、二色光フィルタ30を用いて上述した2つの波長のうち約1,980nm波長の光は反射させ、脂肪を優先的に分解させる約2,300nm波長の光のみ選択的に透過させて出力させるので、肌と筋肉に損傷を与えることなく、肌と筋肉に隣接した脂肪をできるだけ多く分解できるようになるのだ。
このように、脂肪組職は二つ の波長の両方に対して吸収係数が非常に高いから、浸透深さが短くなって、周辺の他の組職を損傷するおそれが少なく、脂肪組職の除去を短時間で行うことができる。
【0047】
図6は、本発明の一実施例に係るプラスチック−メタルニードルの構成を例示する構成図である。図6を参照すれば、プラスチック−メタルニードル60は、一端にハンドル62が形成されたニードルタイプの肌貫通用メタルニードル61、及び上記メタルニードル61の周りを覆う円筒状で一端に光ファイバ50の固定具64が形成され、他端に傾斜面65が形成された、生体に反応を起こさないレーザがよく通過するプラスチックタイプのプラスチックニードル63から構成される。
このような構成によって、プラスチック−メタルニードル60のメタルニードル61を抜くと、多様な形態のレーザ光ファイバ50に入れ替え挿入して脂肪層903にレーザを照射できるようにする。
【0048】
ここで、光ファイバ50は、その先端部分が30゜、45゜、60゜、90゜、120゜、180゜などの多様な角度でレーザを照射できるように傾いており、照射するファイバの先端も約1mm長さから約40mm長さまで多様であって、照射するレーザの出力と治療する脂肪の部位と厚さによって多様な光ファイバ50から構成されていて、必要な種類の光ファイバ50を必要によって挿入して施術できるようになる。
また、メタルニードル61の直径は、肌に刺して挿入しても肌に傷を残さない16G-24Gを用いることが好ましい。
【0049】
このようなプラスチック−メタルニードル60の使用は、図6に示すように、プラスチック−メタルニードル60を皮下脂肪層903に挿入してプラスチック−メタルニードル60のメタルニードル61を抜き取れば、レーザが容易に通過できるプラスチックニードル63のみ脂肪層903に残るようになり、このようなプラスチックニードル63の先端の傾斜面65を必要なだけ長くデザインして、傾斜面65を脂肪層903の深い方向に向けるようにし、ファイバを傾斜面65までのみ挿入してレーザを脂肪層903の深い方向に向けるようにした後、約1,980nm及び約2,300nmのレーザを必要に応じて同時にまたは順次に発振させて脂肪を分解する。
【0050】
このような方式で、脂肪分解後にはプラスチックニードル63のみを残して光ファイバ50は除去した後、プラスチックニードル63を通じて分解された脂肪溶液を吸い込んで抽出することができる。このように、一部位の脂肪分解作業が終われば、図9に例示するように、隣の部位に移して同じ施術を繰り返してもよい。但し、このステップで、プラスチックニードルの代りにメタルニードルのみを用いてもよい。
【0051】
図7及び図8は、本発明の一実施例に係る赤外線OPOレーザを用いた装置に用いられる温度調節部の構成を例示する構成図である。図7及び図8を参照すれば、温度調節部70は、カメラ71、温度センサ72、冷却器73及びプロセッサ74を含むことができる。また、ディスプレイ75をさらに含んでもよい。
【0052】
カメラ71は、脂肪組職が除去される部位の肌を撮影する。
温度センサ72は、上記脂肪組職が除去される部位の肌から放射される赤外線を受光して温度を測定する役割をする。
【0053】
冷却器73は、上記脂肪組職が除去される部位の肌を冷却させる役割をする。
【0054】
プロセッサ74は、カメラ71、温度センサ72及び冷却器73と連結され、 温度を色で表現するための色テーブルとやけどや脂肪以外の組職に損傷を与えないように肌温度を提案する安全温度が設定されて上記温度センサ72から入力された測定温度を色に変換し、上記測定温度が安全温度以上であれば上記冷却器73を制御して、上記脂肪組職が除去される部位の肌温度を下げる役割をする。
【0055】
ディスプレイ75は、上記プロセッサ74に連結されて上記カメラ71の撮影映像上に測定温度に該当する色を表示する役割をする。
また、選択的に図7及び図8に示されてはいないが、本発明の一実施例に係る温度調節部70は、肌の温度が安全温度である44℃以上に上昇すれば自動でレーザの照射を中止させる制御装置を構成するか、プロセッサ74にこのような作動のためのプログラムをプログラムして含んでもよい。
【0056】
これら構成要素についてより具体的に説明すれば、上記温度センサ72は、パイロメータ(Pyrometer)センサ、放射(Radiation)センサなどのような非接触式で肌の表面温度を測定できるものであり、肌表面と肌の真皮層または脂肪層903の最表面に温度センサ72のチップを直接挿入して接触式で肌の温度を直接測定できる方法も含まれてもよい。
【0057】
上記冷却器73は、上述したプロセッサ74の制御によって肌表面の温度を下げるためにスプレーする温度降下スプレー、または冷風機または肌に接触される接触冷却方式で電気を供給されて冷却するペルティエ(Peltier)素子を用いた冷却板などから構成されてもよい。
【0058】
上記ディスプレイ75は、上記カメラ71の撮影映像上に測定温度に該当する色を表示できるものであれば、公知の構成要素を用いても特別に制限されない。
脂肪の分解は、施術中の温度の変化が重要であるので、これをモニタリングすることが重要である。したがって、温度調節部70は、カメラ71及び温度センサ72を用いて脂肪組職が除去される部位の肌表面の映像及び温度を獲得し、獲得した映像と温度を入力されてプロセッサ74で色テーブルによって温度を色に変換して入力される映像に合成し、これをディスプレイ75を通じて表示し、入力された測定温度と設定された安全温度(約44℃)とを比較して、測定温度が安全温度以上であれば、冷却器73を作動させて肌温度を安全温度以下に維持させるように構成される。
【0059】
図10ないし図12は、本発明に係る赤外線OPOレーザを用いた脂肪除去方法を例示するフローチャートである。図10ないし図12を参照して、赤外線OPOレーザを用いた脂肪除去装置を用いて皮下脂肪階を除去する方法を説明する。一方、重複する内容の説明は省略する。
【0060】
図10に示されるように、赤外線OPOレーザを用いた脂肪除去方法は、流入口形成ステップS10、挿入ステップS20及び脂肪除去ステップS30を含む。また、温度調節ステップS40及び溶解された脂肪除去ステップS50をさらに含んでもよい。または、S10及びS20ステップの代りに、メタルニードル挿入ステップS10'及び光ファイバ挿入ステップS20'を含んでもよい。
【0061】
流入口形成ステップS10は、患者の肌に流入口を形成してプラスチック−メタルニードル60を皮下脂肪層に挿入するステップである。挿入ステップS20は、上記プラスチック−メタルニードル60を皮下に挿入した後、メタルニードル61を抜いて、挿入されているプラスチックニードル63内に光ファイバ50を挿入するステップである。
【0062】
一方、メタルニードル挿入ステップS10'は、患者の肌に流入口を形成してメタルニードルを皮下脂肪層に挿入するステップである。光ファイバ挿入ステップS20'は、メタルニードル内に光ファイバ50を挿入するステップである。
【0063】
脂肪除去ステップS30は、約1,054nmないし約1,074nm範囲の波長のポンプ光を入力されて、約1,970nmないし約1,990nm範囲の波長及び約2,290nmないし約2,310nm範囲の波長のレーザ光を出力するOPOレーザ20から出力された光を収束レンズ40で収束して、光ファイバ50を介して脂肪層内に移送されるようにして脂肪を除去するステップである。
また、温度調節ステップS40は、上記脂肪除去ステップS30で脂肪溶解が行われる部位の肌温度を温度調節部70によって表示、監視及び調節するステップである。
【0064】
溶解された脂肪除去ステップS50は、上記脂肪除去ステップS30で除去された脂肪の残留物をプラスチックニードル63の内部を通して外部に排出させるステップである。
【0065】
ここで、脂肪除去ステップS30を図11を参照してより具体的に説明すれば、脂肪除去ステップS30は、脂肪層903の厚い部位の脂肪を除去するために1,064nm波長のポンプ光を入力し、OPOレーザを通じて約1,980nm波長と約2,300nm波長のレーザ光を出力し、ファイバを介して脂肪層内に出力光を移送する。このとき、脂肪層903の薄い部位の脂肪を除去することを希望する場合には、OPOレーザ20と収束レンズ40との間に二色光フィルタ30を装着させる出力光調節ステップS31をさらに含んでもよいが、この場合、OPOレーザ20の出力光のうち約1,970nmないし約1,990nm範囲の波長の光は反射させ、2,290nmないし約2,310nm範囲の波長のレーザ光のみを出力してファイバを介して脂肪層内に出力光を移送する。
【0066】
このとき、上記プラスチックニードル63の傾斜面65は、図9に示すように、上記OPOレーザ20の出力光を患者の真皮から遠い方へ志向させるようにして施術することが好ましい。
【0067】
また、温度調節ステップS40を図12を参照してより具体的に説明すれば、脂肪が除去される部位の肌映像及び温度をカメラ71と温度センサ72を通じて連続的に入力される測定ステップS41と、プロセッサ74を通じて上記測定ステップS41で入力された温度を色テーブルによって変換して表現される色相を上記映像の上に合成する変換ステップS42と、上記測定ステップS41で入力された温度を安全温度と比較し、入力された温度が安全温度以上であるか否かを判断する比較ステップS43、及び上記比較ステップS43の判断結果、入力された温度が安全温度以上であれば、冷却器73を作動させて安全温度以下に維持させるか、レーザの照射を停止させるか、レーザ出力を減少させる制御ステップS44から構成されることができる。
【0068】
以上、ここでは本発明を特定の実施例について図示して説明したが、本発明がそれらに限定されるのではなく、本発明の特許請求の範囲は本発明の精神と分野を逸脱しない限度内で本発明が種々に改造及び変形できるということを、当業界における通常の知識を有する者は容易に知り得る。

【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明に係る赤外線OPOレーザを用いた生体内脂肪除去方法及び装置は、より効率的で効果的に生体内に存在する脂肪を除去することができ、多様な医療分野及び美容分野などに適用されることができる。
【符号の説明】
【0070】
10 ポンプ光出力レーザ
20 OPOレーザ
21 入力鏡装置
22 非線形結晶
23 出力鏡装置
30 二色光フィルタ
40 収束レンズ
50 光ファイバ
60 プラスチック−メタルニードル、メタルニードル
61 メタルニードル
62 ハンドル
63 プラスチックニードル
64 固定具
65 傾斜面
70 温度調節部
71 カメラ
72 温度センサ
73 冷却器
74 プロセッサ
75 ディスプレイ
901 肌層
902 筋肉層
903 脂肪層
S10 流入口形成ステップ
S20 挿入ステップ
S30 脂肪除去ステップ
S31 出力光調節ステップ
S40 温度調節ステップ
S41 測定ステップ
S42 変換ステップ
S43 比較ステップ
S44 制御ステップ
S50 溶解された 脂肪除去 ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
約1,064nmの波長を有するポンプ光を発生するためのポンプ光源を備え、前記ポンプ光を光源として約1,980nm波長及び約2,300nm波長のレーザ光を出力できるOPOレーザと、
前記OPOレーザから出力された光を収束する収束レンズと、
前記収束レンズによって収束されたレーザ光をガイドできる光ファイバと、
内部に前記光ファイバの一端が挿入されるプラスチックニードルを含むことができるプラスチック−メタルニードルまたはメタルニードル、及び
前記プラスチック−メタルニードルが挿入されて脂肪が除去される部位の肌温度を測定及び監視し、測定された温度が既設定の安全温度以上であれば、前記肌を冷却させるかレーザの照射を中止させる温度調節部、
を含むことを特徴とする赤外線OPOレーザを用いた脂肪除去装置。
【請求項2】
約1,054nmないし約1,074nm範囲の波長を有するポンプ光を備え、前記ポンプ光を光源として約1,970nmないし約1,990nm範囲の波長及び約2,290nmないし約2,310nm範囲の波長のレーザ光を出力できるOPOレーザと、
前記OPOレーザの出力光が進行する線上に着脱式で位置し、前記OPOレーザの出力光のうち約1,970nmないし約1,990nm範囲の波長の光は反射させ、約2,290nmないし約2,310nm範囲の波長の光のみ選択的に透過させる二色光フィルタと、
前記二色光フィルタを通過したOPOレーザから出力された光を収束する収束レンズと
前記収束レンズによって収束されたレーザ光をガイドできる光ファイバ、及び
内部に前記光ファイバの一端が挿入されるプラスチックニードルまたはメタルニードルを含むことができるプラスチック−メタルニードル、
を含むことを特徴とする赤外線OPOレーザを用いた脂肪除去装置。
【請求項3】
ポンプ光を光源とするレーザと、前記レーザの出力を脂肪組職にガイドする光ファイバ、および前記光ファイバの一端が挿入されるニードルを含む脂肪除去装置において、
前記レーザは、約1,054nmないし約1,074nm範囲の波長を有するポンプ光を入力されて約1,970nmないし約1,990nm範囲の波長及び約2,290nmないし約2,310nm範囲の波長のレーザ光を出力できるOPOレーザであることを特徴とする赤外線OPOレーザを用いた脂肪除去装置。
【請求項4】
前記ポンプ光は、ダイオードポンプソリッドステート(Diode Pumped Solid State)レーザの出力光であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の赤外線OPOレーザを用いた脂肪除去装置。
【請求項5】
前記ポンプ光は、ファイバレーザの出力光であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の赤外線OPOレーザを用いた脂肪除去装置。
【請求項6】
前記OPOレーザは、
前記ポンプ光を入力されて前記OPOレーザの内部から発生する赤外線光を反射させる入力鏡装置と、
前記入力鏡装置から入力されたポンプ光との相互作用を通じてOPOレーザ光を発生させて増幅させる非線形結晶、及び
前記非線形結晶から発生した赤外線光の一部を出力させ、残りは反射させる出力鏡装置、を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の赤外線OPOレーザを用いた脂肪除去装置。
【請求項7】
前記非線形結晶は、約1,064nm波長のポンプ光を入力されて約1,980nm波長及び約2,300nm波長のレーザ光を出力できる周期的に分極を反転させた強誘電体結晶であることを特徴とする請求項6に記載の赤外線OPOレーザを用いた脂肪除去装置。
【請求項8】
前記非線形結晶は、約1,064nm波長のポンプ光を入力されて約1,980nm波長及び約2,300nm波長のレーザ光を出力できる周期的に分極化するニオブ酸リチウム(PPLN;periodically poled Lithium Niobate(LiNbO3))であることを特徴とする請求項6に記載の赤外線OPOレーザを用いた脂肪除去装置。
【請求項9】
前記非線形結晶は、約1,064nm波長のポンプ光を入力されて約1,980nm波長及び約2,300nm波長のレーザ光を出力できるPPMgSLT(periodically poled MgO-dopedStoichiometric LithiumTantalate(LiTaO3))であることを特徴とする請求項6に記載の赤外線OPOレーザを用いた脂肪除去装置。
【請求項10】
前記プラスチック−メタルニードルとメタルニードルは、
一端にハンドルが形成された肌貫通用メタルニードル、及び
前記メタルニードルの周りを覆い、一端に光ファイバ固定具が形成され、他端に傾斜面が形成されたプラスチックニードル、を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の赤外線OPOレーザを用いた脂肪除去装置。
【請求項11】
前記温度調節部は、
脂肪組職が除去される部位の肌を撮影するカメラと、
前記脂肪組職が除去される部位の肌から放射される赤外線を受光して温度を測定する温度センサと、
前記脂肪組職が除去される部位の肌を冷却させる冷却器、及び
前記カメラ、温度センサ及び冷却器と連結され、温度を色で表現するための色テイブルと安全温度が設定されて前記温度センサから入力された測定温度を色に変換し、前記測定温度が安全温度以上であれば、前記冷却器を制御して前記脂肪組職が除去される部位の肌温度を下げるかレーザの照射を中止させるプロセッサ、を含むことを特徴とする請求項1に記載の赤外線OPOレーザを用いた脂肪除去装置。
【請求項12】
前記温度調節部は、
前記プロセッサに連結されて前記カメラの撮影映像上に測定温度に該当する色を表示するディスプレイをさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の赤外線OPOレーザを用いた脂肪除去装置。
【請求項13】
肌に流入口を形成するようにプラスチック−メタルニードルを皮下脂肪層に挿入する流入口形成ステップと、
前記プラスチック−メタルニードルを皮下に挿入した後、メタルニードルを抜いて、挿入されているプラスチックニードル内に光ファイバを挿入する挿入ステップとメタルニードルのみを皮下に挿入して光ファイバを挿入するステップ、及び
約1,054nmないし約1,074nm範囲の波長のポンプ光を入力されて約1,970nmないし約1,990nm範囲の波長及び約2,290nmないし約2,310nm範囲の波長のレーザ光を出力するOPOレーザの出力を収束レンズで収束し、光ファイバを介して脂肪層内に移送されるようにして脂肪を除去する脂肪除去ステップ、
を含むことを特徴とする赤外線OPOレーザを用いた脂肪除去方法。
【請求項14】
前記脂肪除去ステップで脂肪溶解が行われる部位の肌温度を温度調節部によって表示、監視及び調節される温度調節ステップ、及び
前記脂肪除去ステップで除去された脂肪の残留物をプラスチックニードルの内部を通して外部に排出させる溶解された脂肪除去ステップ、をさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の赤外線OPOレーザを用いた脂肪除去方法。
【請求項15】
前記脂肪除去ステップにおいて、前記プラスチックニードルの内部に挿入された光ファイバのレーザの照射方向を、患者の真皮から遠い方へ指向させることを特徴とする請求項13または14に記載の赤外線OPOレーザを用いた脂肪除去方法。
【請求項16】
前記脂肪除去ステップは、脂肪層の薄い部位の脂肪を除去するためにOPOレーザと収束レンズとの間に、前記OPOレーザの出力光のうち約1,970nmないし約1,990nm範囲の波長の光は反射させ、約2,290nmないし約2,310nm範囲の波長の光のみ選択的に透過させる二色光フィルタを装着させる出力光調節ステップを含むことを特徴とする請求項13または14に記載の赤外線OPOレーザを用いた脂肪除去方法。
【請求項17】
前記温度調節ステップは、
脂肪が除去される部位の肌映像及び温度をカメラ及び温度センサを通じて連続的に入力される測定ステップと、
プロセッサを通じて前記測定ステップで入力された温度を色テーブルによって変換して表現される色相を前記映像の上に合成する変換ステップと、
前記測定ステップで入力された温度を安全温度と比較し、入力された温度が安全温度以上であるか否かを判断する比較ステップ、及び
前記比較ステップの判断結果、入力された温度が安全温度以上であれば、冷却器を作動させて安全温度以下に維持させるか、レーザの照射を停止させるか、レーザ照射の出力を下げる制御ステップ、を含むことを特徴とする請求項14に記載の赤外線OPOレーザを用いた脂肪除去方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2013−514125(P2013−514125A)
【公表日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−544347(P2012−544347)
【出願日】平成22年11月2日(2010.11.2)
【国際出願番号】PCT/KR2010/007669
【国際公開番号】WO2011/074778
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(512158479)インダストリー−アカデミック コーオペレイション ファウンデイション,タングク ユニバーシティ (1)
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRY−ACADEMIC COOPERATION FOUNDATION,DANKOOK UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】DankookUniv,#126,Jukjeon−dong,Suji−gu,Yongin−si,Gyeonggi−do 448−701,Rupublic of Korea
【Fターム(参考)】