説明

赤外蛍光粒子およびそれを含んだインク組成物

【課題】インク化に適しており、バーコードシンボルやコードマーク用途において好適に機能する蛍光粒子を得ること。
【解決手段】AErYb1−x−y−sPO(式中、AはLi,Na,K,RbおよびCsから成る群から選択される少なくとも1種のアルカリ金属元素であり;yは0.001〜0.01;xは0.001〜0.1;sは0.1〜0.5である)で表されるリン酸金属塩を含んで成る赤外蛍光粒子であって、蛍光スペクトルの波長が800〜2000nmの範囲にあり、10ms以上の残光持続時間を有することを特徴とする赤外蛍光粒子。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は赤外蛍光粒子に関する。より詳細には、本発明は赤外波長領域の蛍光スペクトルを有する赤外蛍光粒子に関する。また、本発明は、かかる赤外蛍光粒子を含んで成る印刷用インク組成物にも関する。
【背景技術】
【0002】
近年、流通管理や偽造防止等の各種用途において自動認識技術が採用されており、光学的に読み取り可能なバーコードシンボルやコードマーク等の各種シンボル・マークが多く用いられている。かかるシンボル・マークの情報は、それらから発せられる光を光学的に検知することによって読み取ることができる。
【0003】
例えばクレジットカードなどの偽造防止用途についていえば、蛍光体含有インクの印刷により形成された潜像マークに対して光照射などによって蛍光体を励起せしめ、その蛍光体から発せられる光を受光して情報を読み取る、といったことが検討されている。特に、蛍光として目に見えない光である赤外光を利用することで偽造防止効果を高めることができると考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−297717号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本出願人は、これまでに各種のバーコードシンボルやコードマークに使用される蛍光体に関して発明を為してきており、それら発明の出願も行っている(特許化されたものとしては例えば特許3651913号がある)。
【0006】
上記特許3651913号の対象となっている蛍光体はErYb1−x−sなる一般式で表される含酸素酸塩化合物である。かかる蛍光体は赤外領域で発光が得られるものの、粒子サイズが数μmと大きくかつ残光持続時間が9ms前後と比較的短いものであった。従って、インク化やコードマーク用途における検出感度向上の点では懸念が残るものであった。例えば、ErYb1−x−sなる蛍光体は、出発原料から合成された粒子の平均粒径が5μm程度と比較的大きくなっており、インクジェットなどの各種印刷法に適しているとは決していえなかった。換言すれば、このような蛍光体を含むインクでは印刷品質が劣ってしまう虞があった。なぜなら、比較的大きいサイズの蛍光粒子を含んだインクにおいては、印刷された際にインクに含まれる粒子が基材中(基材が“紙”の場合では紙の繊維中)に浸透してしまう傾向を伴うことになり、最終的なバーコードシンボルやコードマーク用途にて蛍光粒子がその機能を十分に発揮できない虞があった。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものである。つまり、本願発明の主たる課題は、インク化に適しており、コードマーク用途としてより好適となる蛍光粒子を提供することである。この点、本願発明者らは、かかる課題に対して、従来技術の延長線上で対応するのではなく、新たな方向で対処し、それらの課題を解決するように試みた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明では、
下記の一般式で表わされるリン酸金属塩を含んで成る赤外蛍光粒子であって、
ErYb1−x−y−sPO(式中、AはLi,Na,K,RbおよびCsから成る群から選択される少なくとも1種のアルカリ金属元素であり;yは0.001〜0.01;xは0.001〜0.1;sは0.1〜0.5である)
蛍光スペクトルの波長が800〜2000nmの範囲にあり、10ms以上の残光持続時間を有することを特徴とする赤外蛍光粒子が提供される。
【0009】
本発明の特徴の1つは、リン酸金属塩において微量のアルカリ金属元素を添加し、Er量を制限していることである。
【0010】
本明細書で用いる「赤外蛍光粒子」とは、励起光(特に赤外領域の波長を有する励起光)を照射すると、赤外領域の波長を有する光のエネルギーを放射する蛍光粒子を意味している。従って、励起光の照射に際して、非常に短い時間で光のエネルギーが放射される場合は「蛍光」として光を発するが、長い時間にわたって光のエネルギーが放射される場合は「燐光」として光を発することになる。つまり、本発明の「赤外蛍光粒子」とは、「蛍光」または「燐光」などの光を放つ蛍光体から成る粒子のことを実質的に意味している。
【0011】
ある好適な態様では、本発明の赤外蛍光粒子の平均粒径は3μm以下となっており、例えばその平均粒径が0.1〜3μmとなっている。このように比較的小さい平均粒径は、上記の本発明の特徴、即ち、「微量のアルカリ金属元素を添加し、Er量を制限している」といった事項に起因し得る。
【0012】
本発明の赤外蛍光粒子においてアルカリ金属元素AはLiまたはNaであることが好ましい。ここで、例えばアルカリ金属元素AがNaまたはLiである場合、一般式中のyが0.002〜0.009であって、xが0.01〜0.1であることが好ましい(かかる場合sは0.15〜0.35であってよい)。
【0013】
別のある好適な態様では、本発明の赤外蛍光粒子における一般式中のyが0.003〜0.008であり、xが0.05〜0.1であり、そして、sが0.15〜0.35となっている。
【0014】
更に別のある好適な態様では、本発明の赤外蛍光粒子が光学読取システムにおけるバーコードシンボルやコードマークなどに使用される粒子となっている。
【0015】
本願発明においては、赤外蛍光粒子、樹脂成分および溶媒成分を含んで成る印刷用インク組成物も提供される。かかる印刷用インク組成物は、その成分として上述の赤外蛍光粒子を含んでいることを特徴の1つとしている。つまり、本発明の印刷用インク組成物には、AErYb1−x−y−sPO(式中、AはLi,Na,K,RbおよびCsから成る群から選択される少なくとも1種のアルカリ金属元素であり;yは0.001〜0.01;xは0.001〜0.1;sは0.1〜0.5である)で表わされたリン酸金属塩の赤外蛍光粒子であって、蛍光スペクトルの波長が800〜2000nmの範囲にあって、10ms以上の残光持続時間を有する赤外蛍光粒子が含まれている。
【0016】
本明細書で用いる「印刷用インク組成物」における「印刷」とは、光学的な読み取りが可能なシンボル(例えば一次元シンボルおよび二次元シンボル)ないしはマーク等の形成に際して実施される印刷のことを実質的に指しており、例えば、インクジェット印刷を始め、オフセット印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷、熱転写印刷、凸版印刷、タンポン印刷などの各種印刷法を挙げることができる。
【0017】
ある好適な態様では、本発明の印刷用インク組成物は、可視領域の光を反射または吸収する粉末を更に含んで成る。
【0018】
本発明の印刷用インク組成物の別の好適な態様では、樹脂成分が紫外線硬化型樹脂となっている。
【0019】
更に別の好適な態様では、本発明の印刷用インク組成物が光学読取システムの潜像マークを形成するためのインク組成物となっている。
【発明の効果】
【0020】
本発明の赤外蛍光粒子においては「微量のアルカリ金属元素が添加され、Er量が制限されていること」に主に起因して、蛍光スペクトル波長800〜2000nmの発光につき残光持続時間が10ms以上と長くなっているだけでなく、平均粒径が3μm以下とサイズが小さくなっている。特定の理論に拘束されるわけではないが、Er量を制限しつつ微量のアルカリ金属元素が添加されることによって「母体であるリン酸イットリウムにエルビウムおよびイッテルビウムが加えられたことで生じる構造歪み」が効果的に修正され、かかる構造歪みに起因していた“嵩高さ”や“残光持続時間の低下”が低減されるからであると考えられる。ちなみに残光持続時間が長くなると、蛍光と励起光とが時間的に相互に分離され易くなり、光学読取システムにおいてノイズが減る、即ち、S/N比が向上するといった効果が奏され得る。
【0021】
また、上述のような“構造歪みの修正”は、蛍光強度に対しても有利に働くことになり、光学読取システムにおいて充分な発光出力が得られることになる。つまり、本発明の赤外蛍光粒子が使用された光学読取システムにおいては“読み取り”が更に確実なものとなり得る。
【0022】
また、本発明の印刷用インク組成物においては、サイズダウンが図れた赤外蛍光粒子を含んでいるため、印刷品質が向上し得る。具体的には、本発明の赤外蛍光粒子を含んだインクにおいては「印刷された際に紙などの基材中に粒子が浸透する」などといった不都合を回避することができ、その結果、バーコードシンボルやコードマーク用途において赤外蛍光粒子としての機能が損なわれることがない。更にいえば、本発明の赤外蛍光粒子では約0.1μm〜約1μmと極めて小さい粒子サイズも実現可能であるので、バーコードシンボルやコードマークなどの赤外発光層の薄層化にも効果的に寄与し得る。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】光学読取システムの典型的態様を示した図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る赤外蛍光粒子および印刷用インク組成物について詳細に説明する。
【0025】
《本発明の赤外蛍光粒子》
本発明の赤外蛍光粒子は、一般式AErYb1−x−y−sPOで表わされるリン酸金属塩を含んで成る。かかる一般式の「A」は、アルカリ金属元素(第1族元素)を示しており、特にLi(リチウム)、Na(ナトリウム)、K(カリウム)、Rb(ルビジウム)およびCs(セシウム)から成る群から選択される少なくとも1種のアルカリ金属元素である。一般式における「Er」はエルビウム元素、「Yb」はイッテルビウム元素、「Y」はイットリウム元素、「P」はリン元素、そして、「O」は酸素元素をそれぞれ示している。
【0026】
上記一般式におけるyは0.001〜0.01の範囲である。即ち、0.001≦y≦0.01である。上記一般式におけるxは0.001〜0.1の範囲である。即ち、0.001≦x≦0.1である。上記一般式におけるsは0.1〜0.5の範囲である。即ち、0.1≦s≦0.5である。
【0027】
ここで、上記一般式におけるyは、好ましくは0.002〜0.01、より好ましくは0.002〜0.009、更に好ましくは0.003〜0.008である。上記一般式におけるxは、好ましくは0.01〜0.1であり、より好ましくは0.05〜0.1である。上記一般式におけるsは、好ましくは0.15〜0.5であり、より好ましくは0.15〜0.35である。
【0028】
本発明の赤外蛍光粒子は、リン酸塩組成中にて微量のアルカリ金属元素が添加されており、それに伴って、Er量(エルビウム量)が制限されていることを特徴の1つとしている。
【0029】
本発明の赤外蛍光粒子は800nm〜2000nmの波長領域で発光する。より具体的には、本発明の赤外蛍光粒子においては蛍光スペクトルのピーク波長が800〜2000nmの赤外領域の範囲にある。かかる蛍光スペクトルのピーク波長は好ましくは1300nm〜1700nmの範囲、より好ましくは1500nm〜1600nmの範囲にある。一方、本発明の粒子を発光せしめる励起光についていえば、そのピーク波長は700〜1900nmの範囲にあることが好ましく、より好ましくは700nm〜1100nmの範囲、更に好ましくは900nm〜1100nmの範囲にある。
【0030】
本発明の赤外蛍光粒子は、10ms以上の残光持続時間を有している。好ましくは本発明の赤外蛍光粒子の残光持続時間は10ms〜30ms、より好ましくは11ms〜20ms、更に好ましくは12ms〜15ms(例えば12.5〜14.5ms)である。この点、上記特許3651913号で開示されたErYb1−x−sなる蛍光体における残光持続時間が9ms前後ないしはそれ以下(例えば5〜10ms程度)となり得ることに鑑みると、本発明の赤外蛍光粒子(12ms〜15ms)は、従来の粒子よりも約1.2倍〜3倍長い残光持続時間を有している。尚、ここでいう「残光持続時間」は、励起光照射停止後の蛍光強度が1/10にまで低下するまでの時間を計測することによって得られる時間をいう。
【0031】
本発明の赤外蛍光粒子は、その有する組成に起因してサイズダウンが図られている。具体的には、本発明の赤外蛍光粒子の平均粒径は0.1μm〜3μm程度となっており、好ましくは0.1μm〜2μm程度、より好ましくは0.1μm〜1.5μm程度、更に好ましくは0.3μm〜1μm程度(例えば0.1〜1μm)である。このように平均粒径が小さくなるのは、リン酸塩組成中に微量のアルカリ金属元素が添加されていること(特にEr量を制限しつつアルカリ金属元素が微量添加されこと)に起因している。平均粒径が小さいと、印刷用インク組成物に含まれる粒子として好適なものとなり(特に、インク組成物が印刷された際の粒子沈降が抑制され)、ひいては、バーコードシンボルやコードマーク用途における赤外蛍光粒子として望ましい粒子となる。尚、本明細書にいう「平均粒径」とは、粒子の電子顕微鏡写真または光学顕微鏡写真に基づいて例えば300個の粒子の粒径を測定し、その数平均として算出した粒径を実質的に意味している(ここでの“粒径”は、粒子のあらゆる方向における長さのうち最大となる長さのことを実質的に指している)。
【0032】
本発明の赤外蛍光粒子に含まれるアルカリ金属元素Aは、粒径に効果的に影響を与えるだけでなく、残光持続時間にも効果的に影響を与えることができる。これは、「エルビウムおよびイッテルビウム(特にエルビウム)が加えられたことで生じ得るリン酸イットリウム母体の構造歪み」を修正し、かかる歪みに起因していた“嵩高さ”や“残光時間低下”を減じることができるからであると考えられる。アルカリ金属元素としてはイオン半径が小さいことが好ましく、それゆえ、Li(リチウム)および/またはNa(ナトリウム)が好ましい。
【0033】
赤外蛍光粒子に含まれるアルカリ金属元素がNa(ナトリウム)および/またはLi(リチウム)の場合、一般式中のyが好ましくは0.002〜0.009であり、より好ましくは0.003〜0.008であり、更に好ましくは0.004〜0.0075である。かかる場合、Er(エルビウム)に関する一般式中のxは、それぞれ、好ましくは0.01〜0.1であり、より好ましくは0.03〜0.09であり、更に好ましくは0.05〜0.08である。ここで、本願発明者らは、Erは残光時間への影響を与え、その添加量が少ないと所望の発光強度とならない一方、添加量が多いと濃度消光により発光強度が小さくかつ残光時間が短くなるということを見出している。それゆえ、上記Er量(即ち一般式中のxの数値)は、かかる知見に基づき、アルカリ金属元素量との兼ね合いをも踏まえて好適に調整されたものであるといえる。
【0034】
本発明の赤外蛍光粒子は、平均粒径が小さくかつ残光持続時間が長いので、光学読取システムのシンボル(例えば一次元シンボルおよび二次元シンボル)ないしはマーク等の用途に好適に使用され得る。つまり、本発明の赤外蛍光粒子はバーコードシンボルやコードマークなどを構成する粒子として好適に使用することができる。なお、「光学読取システム」とは、いわゆる自動認識技術で採用されているシステムのことであって、特に光の照射で発せられる蛍光を光学的に検知して情報を読み取るシステムのことを指している(図1には光学読取システムの典型的態様の1つを示しておく)。かかる光学読取システムを例示すれば、バーコードシンボルやコードマークなどを用いた流通管理システムや偽造防止システムなどを挙げることができる。
【0035】
(赤外蛍光粒子の製造方法)
本発明の赤外蛍光粒子は、各種の原料元素を含んだ化合物粉体を混合した後で熱処理などを施すことによって得ることができる。より具体的に言えば次のようになる。まず、「アルカリ金属Aの化合物から成る原料粉末」と「エルビウムErの化合物から成る原料粉末」と「イッテルビウムYbの化合物から成る原料粉末」と「イットリウムYの化合物から成る原料粉末」と「オルトリン酸(HPO)またはリン酸塩(EHPO:Eはアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属またはNHなど)」とを混合する。そして、得られた混合物を約400℃〜約1500℃の温度(好ましくは600℃〜800℃の温度)で焼成した後、空冷する。次いで、約50℃以上(好ましくは90℃以上)の水熱で焼成物を処理することで洗浄した後、乾燥に付すことによって、本発明の赤外蛍光粒子を得ることができる。
【0036】
アルカリ金属A,エルビウムEr、イッテルビウムYbおよびイットリウムYのそれぞれの原料化合物は、これらの酸化物、塩化物、炭酸塩、硝酸塩、酢酸塩などを用いることができる。例示すると、アルカリ金属Aの化合物としては塩化ナトリウム(NaCl)や炭酸リチウム(LiCO)などを用いることができ;エルビウムErの化合物としては酸化エルビウム(Er)などを用いることができ;イッテルビウムYbの化合物としては酸化イッテルビウム(Yb)などを用いることができ;イットリウムYの化合物としては酸化イットリウム(Y)などを用いることができる。これらの化合物は、焼成前に鉱酸(例えば希硫酸、希塩酸および/または希硝酸など)に溶解させて使用してもよい。
【0037】
上記の焼成は、例えば、原料混合物をルツボに仕込んで大気中で400℃〜1500℃(好ましくは650℃〜850℃)で0.5時間〜10時間程度(好ましくは1〜3時間)加熱することによって行うことができる。
【0038】
《本発明の印刷用インク組成物》
次に、本発明の印刷用インク組成物について説明する。
【0039】
本発明の印刷用インク組成物は、赤外蛍光粒子、樹脂成分および溶媒成分を含んで成る。これら各種成分を混合することによって印刷用インク組成物を得ることができる。ここで“赤外蛍光粒子”とは上述した粒子のことである。つまり、本発明の印刷用インク組成物に含まれる赤外蛍光粒子は、AErYb1−x−y−sPO(式中、AはLi,Na,K,RbおよびCsから成る群から選択される少なくとも1種のアルカリ金属元素であり;yは0.001〜0.01;xは0.001〜0.1;sは0.1〜0.5である)で表わされるリン酸金属塩を含んで成る粒子であって、蛍光スペクトルの波長が800〜2000nmの範囲にあって、10ms以上の残光持続時間を有する粒子である。その他、含有される赤外蛍光粒子は種々の特徴を有しているが、これらについては上記《本発明の赤外蛍光粒子》で言及しているので、重複を避けるため説明を省略する。
【0040】
インク組成物に含まれる樹脂成分は、水溶性樹脂や紫外線硬化型樹脂などのバインダ樹脂(結合剤樹脂)であることが好ましい。
【0041】
水溶性樹脂としては、例えば、アクリル酸系重合体、ポリビニルアルコ−ル、ポリビニルピロリドン、脂肪酸アクリレ−ト、グリセリンおよびポリエチレングリコ−ルから成る群から選択される少なくとも1種以上の樹脂を挙げることができる。ちなみに、ポリエチレングリコ−ルの場合、ナカライテスク社製のポリエチレングリコ−ル#400、ポリエチレングリコ−ル#300、ポリエチレングリコ−ル#600などの市販品を使用してよい。また、ポリビニルアルコ−ルの場合では、クラレ社製のPVA203、PVA205、PVA207、PVA105、PVA110、信越化学工業社製のPA−0510、MA−05などの市販品を使用してよい。
【0042】
紫外線硬化型樹脂としては、例えば、エポキシアクリレ−ト、ポリエステルアクリレ−ト、ポリエ−テルアクリレ−ト、ウレタンアクリレ−ト、アクリルアルキレ−トおよびアルキドアクリレ−ト等の多価アクリロイル基ペンダントタイプの樹脂から成る群から選択される少なくとも1種以上の紫外線硬化型樹脂を挙げることができる。紫外線硬化型樹脂が用いられる場合では、それと併せて光開始剤や紫外線吸収剤なども用いることが好ましく、また、粘度調整のための(好適な印刷条件または塗布条件を得るための)硬化剤も用いることが好ましい。
【0043】
本発明においては樹脂成分は特に水溶性樹脂および紫外線硬化型樹脂にのみ限定されるわけではない。例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリカ−ボネ−ト樹脂、ポリビニルブチラ−ル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリルシリコ−ン樹脂、アルキッド樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチルアクリレ−ト樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂およびこれらの変性樹脂などから成る群から選択される少なくとも1種以上の樹脂なども使用することができる。
【0044】
インク組成物に含まれる溶媒成分は、水、アルコール(例えばエタノールおよびメチルエチルケトンなど)、ケトン、エステル、エーテル、芳香族炭化水素系溶剤および脂肪族系炭化水素系溶剤から成る群から選択される少なくとも1種以上の溶媒であることが好ましい。溶媒成分には、必要に応じて、消泡剤、保湿剤および/または電気伝導度調節剤(例えばLiNOまたはLiCl)なども添加されていてもよい。
【0045】
本発明のインク組成物は、可視領域の光を反射または吸収する粉末を更に含んで成ることが好ましい。ここでいう「可視領域の光を反射または吸収する粉末」とは、例えば、酸化チタン、酸化アルミナ、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛および酸化イットリウムから成る群から選択される少なくとも1種の粉末を挙げることができる。このような粉末が含まれていることによって、最終的なバーコードシンボルやコードマーク用途において効果的に意匠性を担保することができる。例えば、バーコードシンボルやコードマーク(即ち赤外蛍光層)の色を、それが形成される基材と同じ色にすることができ、その結果、シンボルやマークを潜像として形成することができる。尚、インク組成物に含まれる「可視領域の光を反射または吸収する粉末」の含有率(インク組成物の全体の重量基準)は、好ましくは0.1〜10重量%の範囲内であり、より好ましくは0.5〜5重量%の範囲内である。
【0046】
(水溶性樹脂を用いたインク組成物について)
水溶性樹脂につき上記で例示した樹脂は、インクジェットプリンタによる印刷・印字にとって好適である。水溶性樹脂を樹脂成分として用いる場合、インク組成物に含まれる赤外蛍光粒子は0.1〜2μmの平均粒径を有するものが好ましく、より好ましくは0.3〜1μmの平均粒径を有するものである。このような粒径の場合、インク組成物中での粒子の沈降を効果的に防止でき、「印刷されたインクの粒子が基材中へと浸透する」などといった不都合を回避できる。その結果、バーコードシンボルやコードマーク用途における赤外蛍光粒子としての機能低下を効果的に防止することができる。また、赤外蛍光粒子に対する樹脂成分の比、即ち、樹脂成分/赤外蛍光粒子の配合比(重量基準)は、好ましくは0.3〜2.0の範囲であり、より好ましくは0.5〜1.0の範囲である。樹脂成分/赤外蛍光粒子の配合比がそのような数値範囲にあると、インク組成物中での粒子の沈降をより効果的に防止できる。また、インク組成物に含まれる赤外蛍光粒子の含有率(インク組成物の全体の重量基準)は、好ましくは3〜20重量%の範囲内であり、より好ましくは5〜10重量%の範囲内である。このような場合であっても同様に、インク組成物中での粒子沈降をより効果的に防止できる。
【0047】
(紫外線硬化型樹脂を用いたインク組成物について)
紫外線硬化型樹脂を樹脂成分として用いる場合、インク組成物に含まれる赤外蛍光粒子は0.1〜1.5μmの平均粒径を有するものが好ましく、より好ましくは0.1〜1μmの平均粒径を有するものである。一般的には粒径0.1〜1μm程度の極めて微細な赤外蛍光粒子を含有したインク組成物を紙上など基材に印刷した場合、かかる粒子が基材中に浸透してしまい赤外蛍光粒子の作用効果が発揮されないおそれがあるものの、紫外線硬化型樹脂はかかる不都合を回避することができる。つまり、紫外線硬化型樹脂が樹脂成分として使用されていると、紫外線硬化型樹脂を迅速に硬化させることができるので、「微細な赤外蛍光粒子が紙等の基材中に浸透する現象」を効果的に抑制することができる。紫外線硬化型樹脂の重量(100)に対する赤外蛍光粒子の含有量は、好ましくは10〜60重量%の範囲内であり、より好ましくは30〜55重量%、更に好ましくは25〜35重量%の範囲内である。これによってインク組成物中での粒子沈降をより効果的に防止でき、「印刷されたインクの粒子が基材中へと浸透する」などといった不都合を回避できる。その結果、バーコードシンボルやコードマーク用途における赤外蛍光粒子としての機能低下を効果的に防止することができる。
【0048】
特に紫外線硬化型樹脂を用いる場合についていえば、インク粒子の顕著なサイズダウンに起因して、以下のような望ましい「樹脂成分」と「粒径」と「粒子含量」との組み合わせが存在し、これによって、インク組成物中での粒子沈降を特に効果的に防止できる:

・樹脂成分:アクリレート系樹脂
・赤外蛍光粒子の粒径:0.1〜1μm
・粒子含有量(樹脂成分重量100に対する粒子含有量):30〜55重量
【0049】
(水溶性樹脂および紫外線硬化型樹脂以外の樹脂を用いたインク組成物について)
水溶性樹脂および紫外線硬化型樹脂以外の樹脂成分として、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリカ−ボネ−ト樹脂、ポリビニルブチラ−ル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリルシリコ−ン樹脂、アルキッド樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチルアクリレ−ト樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂およびこれらの変性樹脂などから成る群から選択される少なくとも1種以上の樹脂を用いてもよい。このような樹脂が用いられる場合、インク組成物に含まれる赤外蛍光粒子は0.1〜10μmの平均粒径を有するものが好ましく、より好ましくは1〜8μmの平均粒径を有するものである。樹脂の重量に対する赤外蛍光粒子の含有量は、好ましくは30〜90重量%の範囲内であり、より好ましくは60〜85重量%の範囲内である。このようなパラメータによって、インク組成物中での粒子沈降を効果的に防止でき、「印刷されたインクの粒子が基材中へと浸透する」などといった不都合を回避できる。その結果、バーコードシンボルやコードマーク用途における赤外蛍光粒子としての機能低下を効果的に防止することができる。溶剤成分としては、中沸点溶剤(キシレン、酢酸ブチル、酢酸セロソルブ等)または高沸点溶剤(エチレングリコ−ルモノブチルエ−テル、シクロヘキサノン等)が好ましい。より好ましくは、高沸点溶剤と中沸点溶剤とを混合したものである。
【0050】
(印刷について)
調製されたインク組成物は、スクリ−ン印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、凸版印刷、タンポン印刷などの印刷法を実施することによって、プラスチック製ベ−スフィルム(例えばポリエチレンテレフタレ−トフィルム)や紙などの基材に対して直接印刷されたり、あるいは磁性層等に対して印刷されたりする。これによって、肉眼では見えないステルスバ−コ−ド等の赤外蛍光層(即ち、赤外発光層)が印刷されたカタログ等の印刷物や、プリペイドカ−ド、IDカ−ドまたは磁気カ−ドなどを得ることができる。
【0051】
印刷された赤外蛍光層の厚さは、印刷法によって異なり得るものであり、スクリ−ン印刷の場合では1〜20μm厚さにするのが好ましく、より好ましくは2〜8μm厚さである。
【0052】
また、オフセット印刷、グラビア印刷、凸版印刷ではいずれの場合も0.2〜4μm厚さにするのが好ましく、より好ましくは0.5〜2μm厚さである。更にいえば、タンポン印刷の場合では0.2〜10μm厚さにするのが好ましく、より好ましくは0.5〜5μm厚さである。
【0053】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されず、種々の改変がなされ得ることを当業者は容易に理解されよう。
【実施例】
【0054】
本発明につき実施例を挙げて説明する。以下では「赤外蛍光粒子」を便宜上「赤外発光粒子」と称す。
【0055】
[実施例1]
(赤外発光粒子の調製)
まず、塩化ナトリウム(NaCl)10重量部と、リン酸2水素ナトリウム(NaHPO)260.0 重量部と、酸化エルビウム(Er)9.4重量部と、酸化イッテルビウム(Yb )10.9重量部と、酸化イットリウム(Y)50.2重量部とを充分に混合した。得られた混合物をアルミナ製蓋付きルツボに充填した後、電気炉に入れ、室温から700℃まで一定昇温速度で2時間かけて昇温し、次いで、700℃で2時間焼成した。焼成終了後、空気中で焼成物を炉冷した。引き続いて、ルツボに100℃の熱湯を入れて煮沸して水洗した後で、乾燥を実施することによって赤外発光粒子を得た。かかる赤外発光粒子は0.8μmの平均粒径を有しており、その組成はNa0.005Er0.075Yb0.250.67PO4であった。
【0056】
上記の組成は、赤外発光粒子を王水で溶解して得られた試料に対してICP発光分析装置を用いて測定した結果である(以下の実施例2〜4および比較例1も同様である)。
【0057】
(印刷用インク組成物の調製および印刷)
得られた赤外発光粒子を用いて印刷用インク組成物を調製した。具体的には下記の各種成分を3本ロールで約1時間混練して印刷用インク組成物を得た。

赤外発光粒子(粒子径0.8μm):37.5重量部
ノプコマ−4510(サンノプコ社製;脂肪族5官能アクリレ−ト、紫外線硬化型樹脂):18.0重量部
フォトマ−4149SN(ヘンケル社製;脂肪族3官能アクリレ−ト、紫外線硬化型樹脂):10.6重量部
フォトマ−6008(ヘンケル社製;ポリウレタン系3官アクリレ−ト、紫外線硬化型樹脂):44.4重量部
イルガキュア907(チバガイギ−社製;光重合開始剤):2.1重量部
ダロキュア1173(EMケミカル社製;光重合開始剤):3.1重量部
ドデシルアミン:0.5重量部
ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェ−ト:0.5重量部

得られたインク組成物を用いてオフセット印刷を実施し、紙上に赤外発光層を形成した。得られた赤外発光層の厚さは約1.0μmであった。
【0058】
[実施例2]
実施例1における赤外発光粒子の調製において、塩化ナトリウムを炭酸ナトリウムへと変更したこと以外は、実施例1と同様に実施した。得られた赤外発光粒子は約1.2μmの平均粒径を有しており、その組成がNa0.005Er0.075Yb0.250.67PO4 であった。
【0059】
次いで、上記赤外発光粒子を用いて印刷用インク組成物を調製した。具体的には、実施例1におけるインク組成物の調製において、実施例1の粒子に変えて上記で得られた粒子を用いたこと以外は実施例1と同様に実施した。
【0060】
得られたインク組成物を用いてオフセット印刷を実施し、紙上に赤外発光層を形成した。得られた赤外発光層の厚さは約1.2μmであった。
【0061】
[実施例3]
実施例1における赤外発光粒子の調製において、塩化ナトリウム10重量部およびリン酸2水素ナトリウム260.0重量部を、リン酸2水素アンモニウム〔(NH)HPO〕162.0重量部および炭酸リチウム(LiCO)39.6重量部へと変更したこと以外は実施例1と同様に実施した。得られた赤外発光粒子は、約0.6μmの平均粒径を有しており、組成がLi0.007Er0.073Yb0.250.67PO4 であった。
【0062】
次いで、上記赤外発光粒子を用いて印刷用インク組成物を調製した。具体的には、実施例1におけるインク組成物の調製において、実施例1の粒子に変えて上記で得られた粒子を用いたこと以外は実施例1と同様に実施した。
【0063】
得られたインク組成物を用いてオフセット印刷を実施し、紙上に赤外発光層を形成した。得られた赤外発光層の厚さは約1.0μmであった。
【0064】
[実施例4]
実施例1における赤外発光粒子の調製において、焼成温度を700℃から800℃へと変更したこと以外は、実施例1と同様に実施した。得られた赤外発光粒子は約1.4μmの平均粒径を有しており、組成がNa0.005Er0.075Yb0.250.67PO4 であった。
【0065】
次いで、上記赤外発光粒子を用いて印刷用インク組成物を調製した。具体的には、実施例1におけるインク組成物の調製において、実施例1の粒子に変えて上記で得られた粒子を用いたこと以外は実施例1と同様に実施した。
【0066】
得られたインク組成物を用いてオフセット印刷を実施し、紙上に赤外発光層を形成した。得られた赤外発光層の厚さは約2.0μmであった。
【0067】
[実施例5]
実施例1で得られた赤外発光粒子(Na0.005Er0.075 Yb0.250.67 PO4と、粒子径0.8μm)42.1重量部と、クラレPVA205(クラレ社製;ビニルアルコ−ル樹脂)10.5重量部と、水52.7重量部と、ドデシルアミン0.5重量部とから成る組成物をボ−ルミルで96時間混合してインク組成物を調製した。かかるインク組成物を用いてスクリ−ン印刷を実施して紙上に赤外発光層を形成した。得られた赤外発光層の厚さは約3μmであった。
【0068】
[比較例1]
特許3651913号に記載された「ErYb1−x−s組成から成る赤外蛍光体粒子」を得た。得られた赤外蛍光体の粒子径は3.2μmであった。
【0069】
次いで、上記比較例の赤外発光粒子を用いて印刷用インク組成物を調製した。具体的には、実施例1におけるインク組成物の調製において、実施例1の粒子に変えて上記の比較例粒子を用いたこと以外は実施例1と同様に実施した。
【0070】
得られたインク組成物を用いてオフセット印刷を実施し、紙上に赤外発光層を形成した。得られた赤外発光層の厚さは約1.8μmであった。
【0071】
〈発光強度および残光時間の評価〉
実施例1〜5および比較例1で得られた赤外発光微粒子の印刷物につき発光強度および残光時間を評価した。
【0072】
発光強度は、波長980nmの光源で励起を行い、Si検出器で発光を受光することにより測定した。また、比較例1の発光強度を100として表示した。残光時間は、初期発光強度が1/10になるまでの時間とした。結果を以下の表1に示す。
【0073】
【表1】

【0074】
上記表1の結果を参照すると分かるように、“残光時間”については、従来技術の比較例が10.5[ms]あったのに対して本発明の実施例が平均して13.7[ms]であった(即ち、本発明の粒子の残光持続時間は従来品よりも約25%〜約35%増加する結果であった)。また、“相対発光強度”に関しては従来技術の比較例の100に対して本発明の実施例が平均して115.2となった(即ち、残光持続時間が10ms〜15ms程度の条件下における本発明の粒子の発光強度は、従来品よりも約10%〜約20%増加する結果となった)。以上より、本発明の赤外蛍光粒子は相対発光強度および残光時間の点で従来粒子よりも優れていることが理解できるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明に係る赤外蛍光粒子は、流通管理システムや偽造防止システムのバーコードシンボルやコードマークに使用することができる。また、本発明に係る印刷用インク組成物は、そのようなバーコードシンボルやコードマークの形成原料として用いることができる。
【符号の説明】
【0076】
10…バーコードシンボル/コードマーク(赤外発光層)
20…基材(例えば紙)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤外蛍光粒子であって、下記の一般式で表わされるリン酸金属塩を含んで成り、
ErYb1−x−y−sPO(式中、AはLi,Na,K,RbおよびCsから成る群から選択される少なくとも1種のアルカリ金属元素であり;yは0.001〜0.01;xは0.001〜0.1;sは0.1〜0.5である)
蛍光スペクトルの波長が800〜2000nmの範囲にあり、10ms以上の残光持続時間を有することを特徴とする、赤外蛍光粒子。
【請求項2】
前記アルカリ金属元素AがLiまたはNaであることを特徴とする、請求項1に記載の赤外蛍光粒子。
【請求項3】
前記アルカリ金属元素AがNaまたはLiであって、前記一般式中のyが0.002〜0.009であり、xが0.01〜0.1であることを特徴とする、請求項1または2に記載の赤外蛍光粒子。
【請求項4】
前記赤外蛍光粒子が0.1〜3μmの平均粒径を有していることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の赤外蛍光粒子。
【請求項5】
前記一般式中のyが0.003〜0.008であって、xが0.05〜0.1であって、また、sが0.15〜0.35であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の赤外蛍光粒子。
【請求項6】
光学読取システムに使用される粒子であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の赤外蛍光粒子。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の赤外蛍光粒子、樹脂成分および溶媒成分を含んで成ることを特徴とする印刷用インク組成物。
【請求項8】
可視領域の光を反射または吸収する粉末を更に含んで成ることを特徴とする、請求項7に記載の印刷用インク組成物。
【請求項9】
前記樹脂成分が紫外線硬化型樹脂であることを特徴とする、請求項7または8に記載の印刷用インク組成物。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2012−177032(P2012−177032A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−40545(P2011−40545)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【特許番号】特許第4755730号(P4755730)
【特許公報発行日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(000005810)日立マクセル株式会社 (2,366)
【Fターム(参考)】