説明

走査ヘッド及びプリンタ

【課題】面発光部の発光強度を高めずとも、効率よく光を出射することができる走査ヘッド及びプリンタを提供すること。
【解決手段】走査ヘッド2は、面状に発光する複数の面発光部22が一列に配列された面発光部アレイパネル20と、面発光部22にそれぞれ対向した複数の導光部60と、を備える。面発光部22は、絶縁性基板30上に形成された下部電極としての下部電極23と、下部電極23に積層された正孔輸送層24と、正孔輸送層24に積層された発光層25と、発光層25に積層された上部電極としての上部電極26と、を有する。導光部60は、面発光部22に対向した入射面63と、入射面63に対して傾斜した状態で入射面63に対向した対向反射面64と、入射面63と対向反射面64との間の挟角に相対する出射面61とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、スキャナ、その他の画像出力装置又は画像入力装置に適した構造を有する走査ヘッドに関するとともに、その走査ヘッドを有するプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
ページプリンタは普通紙にも印刷できることから、近年ページプリンタの開発が盛んになっている。従来のページプリンタには、レーザダイオードとポリゴンレンズを組み合わせたレーザ型走査ヘッドが用いられている。しかし、レーザ型走査ヘッドはレーザ光の照射点をポリゴンレンズによって移動させるため、印刷の高速化が難しいという問題点がある。
【0003】
一方、印刷の高速化を図るために、複数のLEDを用いたLED型走査ヘッドが開発されている。LED型走査ヘッドは複数のLEDを一列に配列するように実装させたものであり、これらLEDを同時に且つそれぞれ別個の強度で発光させることで感光体に対して走査を行う。しかしながら、さらなる高画質化の要求に伴い、複数のLEDの高密度実装技術に対して非常に高い精度が要求されるようになるとともに、その部品点数の増大が問題になってきた。
【0004】
このような問題を解決するために、有機エレクトロルミネッセンス素子を用いた走査ヘッドの提案がなされている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平9−226172号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、現状では、有機エレクトロルミネッセンス素子は、発光強度及び寿命に問題点がある。つまり、感光体が十分に感光する程度の光量が必要であるため、1ドット当たりの有機エレクトロルミネッセンス素子の発光強度が弱いと、1ドット当たりの露光時間を長くしなければならない。露光時間を長くするには、印刷速度を遅くしなければならい。一方、有機エレクトロルミネッセンス素子の1ドットあたりの発光強度を強くすれば1ドット当たりの露光時間が短くなり、印刷速度が速くなるが、有機エレクトロルミネッセンス素子の寿命が短くなるという問題点がある。
【0006】
有機エレクトロルミネッセンス素子のようなLEDの光束は発光点から空間的広がりをみせるので、LEDのドットからの入射光が感光体の所定の部分にのみ出射するように入射光に指向性を付与する光学系がLEDと感光体の間に設けられていることが好ましい。しかしこのような光学系の利用効率は光の取込角度(開口角)に依存しているので、LEDのような光拡散する光源では、その光利用効率は決して高くない。
【0007】
そこで、本発明は、上記のような問題点を解決しようとしてなされたものであり、面発光部の発光強度を高めずとも、効率よく光を出射することができる走査ヘッド及びそのドット照射素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するために、請求項1に記載の走査ヘッドは、面状に発光する複数の面発光部が一列に配列された面発光部アレイパネルと、前記複数の面発光部にそれぞれ対向した複数の導光部と、を備え、前記導光部が、前記面発光部に対向し、前記面発光部からの光が入射される入射面と、前記入射面からの光を反射する反射面と、前記反射面からの光を出射する出射面とを有することを特徴とする。
【0009】
請求項2にかかる発明では、請求項1に記載の走査ヘッドにおいて、前記導光部は、幅が前記出射面に近づくにつれて漸次広がっていく光調整部を有することを特徴とする。
【0010】
請求項3にかかる発明では、請求項1又は2に記載の走査ヘッドにおいて、
前記導光部は、高さが前記出射面に近づくにつれて漸次広がっていく光調整部を有することを特徴とする。
【0011】
請求項4にかかる発明では、請求項1から3の何れか一項に記載の走査ヘッドにおいて、前記面発光部の発光形状は前記出射面に近づくにつれて幅が広がっていく形状であることを特徴とする。
【0012】
請求項5にかかる発明では、請求項1から4の何れか一項に記載の走査ヘッドにおいて、
前記導光部における前記入射面及び前記出射面を除いた面が反射面であることを特徴とする。
【0013】
請求項6にかかる発明では、請求項1から5の何れか一項に記載の走査ヘッドにおいて、
前記出射面が凸面とされていることを特徴とする。
【0014】
請求項7にかかる発明では、請求項1から6の何れか一項に記載の走査ヘッドにおいて、
前記導光部が空洞とされていることを特徴とする。
【0015】
請求項8にかかる発明では、請求項1から7の何れか一項に記載の走査ヘッドにおいて、
前記面発光部が基板上に下部電極、有機EL層、上部電極の順に積層された有機エレクトロルミネッセンス素子であり、前記導光部の入射面が前記上部電極側において前記上部電極に対向していることを特徴とする。
【0016】
請求項9にかかる発明では、請求項1から8の何れか一項に記載の走査ヘッドにおいて、
前記出射面の面積が前記入射面の面積よりも小さいことを特徴とする。
【0017】
請求項10記載のプリンタは、
面状に発光する複数の面発光部が配列された面発光部アレイパネルと、
前記面発光部に対向し、前記面発光部からの光が入射される入射面と、前記入射面からの光を反射する反射面と、前記反射面からの光を出射する出射面とを有する導光部と、
を有することを特徴とする。
【0018】
請求項11にかかる発明では、請求項10記載のプリンタにおいて、
前記導光部は、幅が前記導光部の前記出射面に近づくにつれて漸次広がっていく光調整部を有することを特徴とする。
【0019】
請求項12にかかる発明では、請求項10又は11に記載のプリンタにおいて、
前記導光部は、高さが前記導光部の前記出射面に近づくにつれて漸次広がっていく光調整部を有することを特徴とする。
【0020】
請求項13にかかる発明では、請求項10から12の何れか一項に記載のプリンタにおいて、
前記面発光部の発光形状は前記出射面に近づくにつれて幅が広がっていく形状であることを特徴とする。
【0021】
請求項14にかかる発明では、請求項10から13の何れか一項に記載のプリンタにおいて、
前記出射面が凸面とされていることを特徴とする。
【0022】
請求項15にかかる発明では、請求項10から14の何れか一項に記載のプリンタにおいて、
前記導光部が空洞とされていることを特徴とする。
【0023】
請求項16にかかる発明では、請求項10から15の何れか一項に記載のプリンタにおいて、
前記出射面の面積が前入射面の面積よりも小さいことを特徴とする。
【0024】
請求項1、請求項10に係る発明によれば、面発光部から発した光が導光部の入射面に入射し、入射した光が反射面で反射し、反射した光が出射面から出射する。このように導光部の出射面が入射面に対して別の面であるから、入射面を大きくしても出射面が大きくならない。そして、入射面を大きくしつつ、面発光部の発光面積を大きくすれば、面発光部の単位面積当たりの発光強度を高めずとも、出射面における単位面積当たりの強度が高くなる。そのため、露光時間を短くすることができる。また、面発光部の単位面積当たりの発光強度を高くしなくても良いので、面発光部の長寿命化を図ることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、面発光部の単位面積当たりの発光強度を高めずとも、出射面における単位面積当たりの強度が高くすることができる。そのため、露光時間を短くすることができ、面発光部の長寿命化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0027】
図1は、画像出力装置1を示す斜視図である。図1に示すように、この画像出力装置1においては、走査ヘッド2は、その光出射部が感光ドラム3の母線に対向するように且つその長手方向がローラ状の感光ドラム3の回転軸と平行になるように配置されている。そして、走査ヘッド2の光出射部と感光ドラム3の母線との間にはロッドレンズアレイ4が設けられている。ロッドレンズアレイ4は感光ドラム3の半径方向の線上を光軸とする複数のロッドレンズを走査ヘッド2の光出射部に沿って一列又は複数列に配列させたものであり、ロッドレンズアレイ4によって走査ヘッド2の光出射部からの光が感光ドラム3の母線に結像される。ロッドレンズアレイ4のロッドレンズは、屈折率が一様なロッドレンズであっても良いし、中心線から半径方向外周部に向かって屈折率が変化していくGRINレンズ(Gradient Index Rod Lens)であっても良い。ロッドレンズアレイ4のロッドレンズとしてセルフォック(登録商標)レンズを用いても良い。
【0028】
図2は、走査ヘッド2のうち3ドット分の構成を示した斜視図である。走査ヘッド2は、面発光部アレイパネル20と、面発光部アレイパネル20の発光面21上に一列に配列された複数の導光部60と、を具備する。
【0029】
図3は、面発光部アレイパネル20の発光面21の平面図であり、図4は、図3の切断線IV−IVを通り絶縁性基板30の厚さ方向に沿った面の矢視断面図であり、図5は、図3の切断線V−Vを通り絶縁性基板30の厚さ方向に沿った面の矢視断面図である。図3〜図5に示すように、面発光部アレイパネル20は、平面視して略楔状の発光形状をした複数の面発光部22を絶縁性基板30上に一列に配列したものとされ、これら面発光部22から発した光が絶縁性基板30と反対側の面(発光面21)に向けて照射される。
【0030】
面発光部22は、有機エレクトロルミネッセンス素子を有する。即ち、面発光部22は、絶縁性基板30上に形成された下部電極23と、下部電極23上に積層された有機EL層と、上部電極26と、を備える。
【0031】
有機EL層は、例えば図4に示すように、正孔輸送層24と発光層25とで構成される。正孔輸送層24は、例えば、導電性高分子であるPEDOT(ポリチオフェン)及びドーパントであるPSS(ポリスチレンスルホン酸)を含む。発光層25は、例えば、ポリフルオレン系発光材料からなる。なお、面発光部22が有機エレクトロルミネッセンス素子として発光するのであれば、下部電極23と上部電極26との間の有機EL層が正孔輸送層24と発光層25の二層構造となっていなくても良い。例えば、下部電極23と上部電極26との間の層が、下部電極23から順に正孔輸送層、発光層、電子輸送層となる三層構造であっても良いし、発光層からなる一層構造であっても良いし、発光層と電子輸送層であっても良いし、これらの層構造において適切な層間に電子又は正孔の輸送層が介在した積層構造であっても良いし、その他の積層構造であっても良い。また、下部電極23をカソード、上部電極26をアノードとした場合では、下部電極23が電子輸送性の電荷輸送層、上部電極26側に正孔輸送性の電荷輸送層を配置させる。
【0032】
下部電極23は、有機EL層の光に対して反射性を示すことが好ましく、アノードとして適用される場合、正孔輸送層24に対して正孔を輸送しやすい材料からなり、例えば、アルミニウム、クロム、チタン等の金属を含むことが好ましい。またこのような反射性導電体層を下層に設け、その上層に正孔輸送層24に接するように、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム、酸化インジウム(In23)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、及びカドミウム−錫酸化物(CdSnO)の少なくと
も一種を含む透明導電体層を配置させた積層体でもよい。
【0033】
上部電極26は、有機EL層の光に対して透過性を示し、カソードとして適用される場合、電子輸送性の電荷輸送層に接する面に設けられる、例えば、インジウム、マグネシウム、カルシウム、リチウム、バリウム、希土類金属の少なくとも一種を含む単体又は合金で形成されているアノードよりも仕事関数の低い材料で1〜20nm、望ましくは5〜12nm程度の厚さの電子輸送膜と、カソードとしてのシート抵抗を低くするために30〜200nmの厚さの錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム、酸化インジウム(In23)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、及びカドミウ
ム−錫酸化物(CdSnO)の少なくとも一種を含む透明導電体層と、の積層体であり、アノード電極として適用される場合、正孔輸送性の電荷輸送層に接する面に錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム、酸化インジウム(In23)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、及びカドミウム−錫酸化物(CdSnO)の少なくとも一種を含む透明導電体層で構成される。
【0034】
これら面発光部22が別々に発光するように、上部電極26と下部電極23のうちの少なくとも一方が面発光部22ごとに電気的に絶縁されるように別々に形成されている。本実施形態では、下部電極23が面発光部22ごとに別々に形成され、上部電極26が全ての面発光部22に共通してべた一面に成膜されている。
【0035】
正孔輸送層24は、面発光部22ごとに別々に形成されていても良いし、全ての面発光部22に共通してべた一面に成膜されていても良い。発光層25も、面発光部22ごとに別々に形成されていても良いし、全ての面発光部22に共通してべた一面に成膜されていても良い。また、正孔輸送層24を全ての面発光部22に共通してべた一面に成膜し、発光層25を面発光部22ごとに異なる色に発光する発光層として別々に形成されていても良い。本実施形態では、正孔輸送層24及び発光層25がともに、面発光部22ごとに別々に形成されている。
【0036】
本実施形態では、下部電極23、正孔輸送層24及び発光層25が面発光部22ごとに別々に形成されているが、下部電極23、正孔輸送層24及び発光層25が絶縁膜28によって面発光部22ごとに仕切られており、平面視して下部電極23、正孔輸送層24及び発光層25が絶縁膜28によって囲繞されている。絶縁膜28は、窒化珪素、酸化珪素といった無機物からなるか、又は、ポリイミドといった感光性樹脂からなる。また、面発光部22が発光層25において発光するが、或る面発光部22の発光層25で発光した光が隣りの面発光部22の発光層25等に伝播しないように、絶縁膜28が遮光性を有するとより好ましい。
【0037】
絶縁膜28及び上部電極26は、表面が平滑な透明の封止膜29によって覆われ、下部電極23、正孔輸送層24、発光層25及び絶縁膜28が封止膜29によって封止されている。面発光部22がトップエミッション型の有機エレクトロルミネッセンス素子であるので、封止膜29の表面が面発光部22の出射面となる。
【0038】
1つの面発光部22につき1つの導光部60が対向し、1つの面発光部22とそれに対向する1つの導光部60からドット照射素子が構成される。以下、導光部60について説明する。これら導光部60は透明な材料からなり、透光性を有する。図1〜図5に示すように、導光部60は、四角錐体とされている。
【0039】
導光部60の4つの側面のうち1つは面発光部22からの光が入射される入射面63であり、底面は入射面63からの光を出射する出射面61である。出射面61と入射面63以外の面は、いずれも面発光部22の光を反射する反射面であり、入射面63の対側の対向反射面64と、入射面63の周縁と対向反射面64の周縁との間の側反射面65,66とで構成されている。対向反射面64が入射面63に対して傾斜した状態で入射面63に対向している。出射面61は、対向反射面64と入射面63との挟角である頂角62に相対する面であり、出射面61と入射面63との挟角がほぼ直角とされている。側反射面65,66は、ともに入射面63に対して直交しており且つ対向反射面64に接する辺が頂角62から出射面61にかけて所定の仰角θ(θ>0゜)を持っている略楔形状であると同時に側反射面65,66の間の挟角γ(γ>0゜)となっているため、底面である出射面61に平行に切断した面の断面積が、頂角62から出射面61にかけて、つまり出射面61に近づくにつれて、漸次大きくなる錐体とされている。また、導光部60の入射面63の面積は出射面61の面積よりも大きい。
【0040】
これらの反射面64〜66には、面発光部22の光に対して反射率の高い材料(例えば、金属、合金等)からなる反射膜70が成膜されている。反射膜70は導光部60ごとに別々に形成されている。したがって、反射膜70の対向反射面64、側反射面65,66を被膜している形状はいずれも略楔形状である。
【0041】
面発光部22は、図3に示すように導光部60の入射面63に対してほぼ同一の寸法の相似形状であり、一端31から他端32にかけて、つまり出射面61に近づくにつれて、幅が広くなる楔状に面発光する。面発光部22の面積は、導光部60の入射面63の面積の80%〜110%、好ましくは85%〜99%である。面発光部22が楔状に面発光するために、上部電極26と下部電極23のうち各面発光部22ごとに別々に形成された電極、本実施形態では下部電極23が楔状に形成されている。各面発光部22は、隣接する面発光部22に対応する導光部60に光が出射されないように、全面が、対応する各導光部60の入射面63に重なっていることが好ましい。
【0042】
そして、導光部60の入射面63が面発光部22の出射面に対向するように当接し、導光部60の入射面63が面発光部22の発光形状に重なり、導光部60の頂角62が面発光部22の一端31の頂点近傍に位置し、導光部60の出射面61が面発光部22の他端32の底辺と平行になっている。面発光部22の一端31から他端32にかかる主軸方向は、面発光部22の法線方向から見た導光部60の主軸Axの方向に一致している。
このように、導光部60の対向反射面64は、導光部60の幅Wの方向の長さが、頂角62から出射面61にかけて、つまり出射面61に近づくにつれて、漸次長くなる。導光部60の側反射面65,66は、導光部60の高さHの方向の長さが、頂角62から出射面61にかけて、つまり出射面61に近づくにつれて、漸次長くなる。
【0043】
なお、導光部60の形成方法としては、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、シクロオレフィンポリマー、シリコンゴムの一種であるポリジメチルシロキサン樹脂をレジストパターン上に流し込み、固めて作製したものをモールドするようなナノインプリント技術を用いることができる。
【0044】
図1に示すように、複数の導光部60の出射面61が走査ヘッド2の光出射部となり、これら導光部60の主軸Axがロッドレンズアレイ4の光軸と一致するように導光部60の出射面61がロッドレンズアレイ4の入射面に対向している。
【0045】
面発光部アレイパネル20の一方の面には駆動回路80が設けられ、面発光部22の配線33が駆動回路80に接続され、駆動回路80によって配線33を通じて下部電極23ごとに順次発光電圧が印加される。上部電極26が一定電圧に保たれ、例えば上部電極26が接地されている。
【0046】
上述した走査ヘッド2を駆動するには、画像信号に基づいて駆動回路80により面発光部22ごとに下部電極23に発光電圧を印加する。各面発光部22は、下部電極23と上部電極26との電位差に従った強度で発光層25において発光する。この時、下部電極23と上部電極26とに重なる部分の発光層25の形状が楔状であるから、面発光部22が楔状に発光する。面発光部22から発した光が導光部60の入射面63に入射する。入射した光は、側反射面65,66との間の挟角γ及び仰角θのために、入射面63、対向反射面64、側反射面65,66での反射及び面発光部22の下部電極23等の反射部材での反射を繰り返している間に、出射面61のある方向に向けて進行するような指向性を付与されて導光部60内を伝播して導光部60の出射面61から導光部60の主軸Axに概ね沿うように出射する。このように導光部60自体が入射光の指向性を調整する光調整部として機能する。そのため、導光部60の入射面63に入射した光が効率よく出射面61から出射する。各導光部60の出射面61から出射した光がロッドレンズアレイ4によって感光ドラム3の母線に結像され、感光ドラム3の側面に像が形成される。
【0047】
以上のように、本実施形態によれば、導光部60の出射面61の面積が入射面63の面積よりも小さいため、面発光部22から導光部60の入射面63に入射した光が収束された状態で出射面61から出射する。面発光部22の単位面積当たりの発光強度が低くても、導光部60の出射面61では高強度で光が出射する。そのため、感光ドラム3の感度を上げずとも、短い露光時間で感光ドラム3が感光し、そのため感光ドラム3を高速に回転させることができ、強いてはプリント時間を短縮することができる。
【0048】
また、導光部60の出射面61から出射する光の強度を上げるために、面発光部22の発光強度を高めることが考えられるが、面発光部22の発光強度を高めることは面発光部22の寿命を縮めることにつながる。しかしながら、本実施形態では、面発光部22から導光部60の入射面63に入射した光が収束された状態で出射面61から出射するので、面発光部22の発光面積を大きくすることによっても、導光部60の出射面61から出射する光の強度を上げられる。面発光部22の発光面積を大きくしたものとしても、それに合わせて導光部60の入射面63の面積を大きくすれば、導光部60の出射面61の面積を大きくせずとも、導光部60の出射面61での光強度が高まる。そのため、ドット径が大きくならず、高解像度の画像を形成することができる。
【0049】
また、導光部60に入射された光が導光部60の出射面61に向けて進行しやすいように導光部60の形状を設定したので、導光部60の入射面から取り込んだ光を効率よく出射することができ、さらに、導光部60の主軸Axでの光強度が強くなるような指向性が付与されたため、ロッドレンズアレイ4に効率よく入射することができ、光の利用効率が向上するので、感光ドラム3の感度を上げずとも、短い露光時間で感光ドラム3が感光し、感光ドラム3を高速に回転させることができ、強いてはプリント時間を短縮することができる。
【0050】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。以下、各種変形例について説明する。
【0051】
〔変形例1〕
図6〜図8は、面発光部22の発光形状と導光部60の形状を変形した変形例を示す図である。各図において、(a)は、面発光部22の発光形状を導光部60とともに示した平面図であり、(b)は、(a)の切断線B−Bを通り絶縁性基板30の厚さ方向に沿った面の矢視断面図である。また、図面をわかりやすくするために、面発光部22の各層の図示を省略する。
【0052】
図6(a)に示すように、面発光部22は一端31における挟角がγ(γ>0゜)に設定されているため、出射面61に近づくにつれて、幅が途中まで広くなり、途中から幅が一定となるように他端32の対辺の両隣の辺34、34が互いに平行となっている五角形になっている。導光部60の入射面63の形状が面発光部22の発光形状とほぼ相似形とされ、面発光部22の面積は、導光部60の入射面63の面積の80%〜110%、好ましくは85%〜99%である。また各面発光部22は、隣接する面発光部22に対応する導光部60に光が出射されないように、全面が、対応する各導光部60の入射面63に重なっていることが好ましい。このように、導光部60も、面発光部22同様に、挟角がγとなっている。そして、図6(b)に示すように、導光部60の対向反射面64が、頂角62から出射面61にかけて所定の仰角θを持って傾斜している傾斜反射面64aと、辺34、34に対応し且つ入射面63に対し平行な平行反射面64bと、に分かれている。このため出射面61に平行な断面積が頂角62側から辺34、34に達するまでにかけて漸次大きくなっているが、他端32の対辺の両隣の辺34、34間に対応する部分の断面積が一様となっている。そして、傾斜反射面64aと、側反射面65,66と、入射面63とによって囲まれた部分が入射光の指向性を調整する光調整部として機能する。
【0053】
図7(a)に示すように、面発光部22の発光形状は一端31から他端32にかけて、つまり出射面61に近づくにつれて、幅が広くなっている台形とされ、一端31が短辺、他端32が短辺より長い長辺となっている。面発光部22は側辺間同士の傾斜角がγ(γ>0゜)に設定されている。図7の場合にも、導光部60の入射面63の形状が面発光部22の発光形状とほぼ相似形とされている。導光部60には、出射面61と対向する位置に上底面64cが形成され、上底面64cの一辺は、入射面63に対向し入射面63に対する仰角θの傾斜反射面64dの一辺と接している。面発光部22の面積は、導光部60の入射面63の面積の80%〜110%、好ましくは85%〜99%である。また各面発光部22は、隣接する面発光部22に対応する導光部60に光が出射されないように、全面が、対応する各導光部60の入射面63に重なっていることが好ましい。このような発光形状の面発光部22の場合、導光部60については、図7(a)及び図7(b)に示すように、導光部60が四角錐台とされ、つまり出射面61に近づくにつれて、導光部60の幅及び高さが高くなるので、出射面61に平行な断面積が入射面63と対向反射面64との間の挟角側から出射面61にかけて大きくなっている。このため、導光部60自体が入射光の指向性を調整する光調整部として機能する。
【0054】
図8(a)に示す面発光部22は、面発光部22の発光形状は一端31から他端32の途中までにかけてつまり出射面61の途中まで出射面61に近づくにつれて、幅が広くなっている六角形とされ、一端31が短辺となり、他端32がその短辺に対向し且つ短辺より長い長辺となっている。面発光部22は一端31寄りの側辺間同士の傾斜角がγ(γ>0゜)に設定されている。他端32の長辺の両隣の辺34、34が互いに平行となっている。図8の場合にも、導光部60の入射面63の形状が面発光部22の発光形状とほぼ相似形とされている。面発光部22の面積は、導光部60の入射面63の面積の80%〜110%、好ましくは85%〜99%である。また各面発光部22は、隣接する面発光部22に対応する導光部60に光が出射されないように、全面が、対応する各導光部60の入射面63に重なっていることが好ましい。このような発光形状の面発光部22の場合、導光部60については、図8(b)に示すように、対向反射面64が、入射面63に対して所定の仰角θを持って傾斜している傾斜反射面64aと、辺34、34に対応し且つ入射面63に対し平行な平行反射面64bと、出射面61と対向する位置に設けられた上底面64cと、に分かれている。したがって、出射面61に平行な断面積が傾斜反射面64aにかけて大きくなっているが、他端32の対辺の両隣の辺34、34に対応する部分の断面積が一様となっている。そして、傾斜反射面64aと、側反射面65,66と、入射面63とによって囲まれた部分が入射光の指向性を調整する光調整部として機能する。
【0055】
なお、下部電極23と上部電極26とに重なる部分の発光層25の形状或いは、全面が上部電極26及び発光層25で覆われている下部電極23の形状を適宜変更することで、図6(a)、図7(a)、図8(a)に示すような形状で面発光部22を発光させることができる。
【0056】
図6〜図8の何れの場合でも、導光部60の入射面63の面積が出射面61の面積以上であることが好ましく、面発光部22の単位面積当たりの発光強度が低くても、導光部60の出射面61では高強度で光が出射する。また、導光部60は、入射面63と対向反射面64との間の挟角側から出射面61にかけて大きくなっているから、出射面61に対して垂直な方向への光の指向性が高くなる。
【0057】
〔変形例2〕
上記各実施形態及び変形例では導光部60の出射面61が平坦面となっていたが、その出射面61がレンズ面として機能しても良い。例えば、図9に示すように、出射面61を凸面とすることで、集光レンズ面として機能させても良い。出射面61がレンズ面として機能するので、図1に示すようなロッドレンズアレイ4がなくとも、感光ドラム3の母線に集光することができる。なお、図6〜図8の場合でも、出射面61を凸面としても良い。
【0058】
〔変形例3〕
上記各実施形態及び変形例では導光部60が樹脂、ガラス等の透明な固体材料からなっているが、図10〜図12に示すように、導光部60に対応する部分160が空洞とされ、その空洞導光部160が空気等の気体からなっていても良い。空洞導光部160を形成するために、ガラス等の対向基板190の一方の面に複数の空洞導光部160を凹設し、これら空洞導光部160の内壁面に反射膜170を成膜し、1つの面発光部22につき1つの空洞導光部160が相対させ、空洞導光部160が形成された面を面発光部アレイパネル20の発光面21に貼り付けている。空洞導光部160は対向基板160の側端面まで形成されており、空洞導光部160の一端部が開口部161として開口している。上述したように、空洞導光部160の形状は上記導光部60と同形状とされ、空洞導光部160は、その開口面積が開口部161から他端部162にかけて小さくなる錐体とされている。空洞導光部160のうち面発光部22に面する部分163が入射面となり、その対側の面164が対向反射面となり、開口部161が出射面となり、側反射面165,166にも反射膜170が成膜され側反射面165,166も反射面とされている。図10に示すような場合でも、空洞導光部160の開口部161の面積が面発光部22の発光面積よりも小さく、面発光部22の単位面積当たりの発光強度が低くても、空洞導光部160の開口部161では高強度で光が出射する。また、空洞導光部160は、その開口面積が開口部161から他端部162にかけて小さくなるので、光の指向性が高くなる。なお、空洞導光部160の形状を、図2に示すような導光部60の形状だけなく、図6〜図8に示すような導光部60の形状としても良い。また、空洞導光部160の開口部161を透明な凸面で閉塞しても良い。
【0059】
〔変形例4〕
上記各実施形態及び変形例では、導光部60は出射面61に平行な断面の面積が頂角62から出射面61にかけて大きくなる錐体であるが、図13の示すように、導光部60が入射面63及び対向反射面64がともに矩形状とされた形状であっても良い。導光部60の表面には、面発光部アレイパネル20に面した入射面63及び出射面61を除いて反射膜が成膜されている。この場合、面発光部22の発光形状を矩形状とし、面発光部22の発光形状を導光部60の入射面63の形状と同じにすると良い。導光部60に入射された光が導光部60の出射面61に向けて進行しやすいように導光部60の形状なので、導光部60の入射面から取り込んだ光を効率よく出射することができ、さらに、導光部60の主軸Axでの光強度が強くなるような指向性が付与される。
なお、図10〜図12に示した空洞導光部160の形状を、図13に示すような導光部60の形状としても良い。この場合、空洞導光部160の開口部161を透明な凸面で閉塞しても良い。
【0060】
〔変形例5〕
上記各実施形態及び変形例では、反射膜70は、導光部60ごとに別々に形成されているが、例えば図14、図15に示すように、各導光部60を覆う連続した膜であってもよい。反射膜70は、図14において、斜線でハッチングされている部分であり、面発光部22ばかりでなく導光部60間を含め面発光部アレイパネル20の発光面21上面を全体的に覆っているので面発光部アレイパネル20の上面からの漏れ光を抑えることができる。
【0061】
〔変形例6〕
上記各実施形態及び変形例では、走査ヘッド2をプリンタヘッドとして用いたが、画像入力装置において走査ヘッド2を線状撮像素子(ラインセンサ)と組み合わせ、ライン状に光を照射する照射ヘッドとして走査ヘッド2を用いても良い。
【0062】
〔変形例7〕
上記各実施形態及び変形例では、出射面61又は開口部161に近づくにつれて導光部60の高さが開口部161が仰角θ(θ>0゜)によって漸次高くなっていったがこれに限らず、図16に示すように、対向反射面64又は対向反射面164が、入射面63又は入射面163に対して平行に位置していても、側面65,66同士の傾斜角γ(γ>0゜)があれば、導光部60の主軸Axでの光強度が強くなるような指向性が付与される。
【0063】
〔変形例8〕
上記各実施形態及び変形例では、面発光部22がトップエミッション型の有機エレクトロルミネッセンス素子であったが、絶縁性基板30における面発光部22が有機エレクトロルミネッセンス素子が設けられている面の反対側の面になる、いわゆるボトムエミッション型の有機エレクトロルミネッセンス素子であっても良い。つまり、絶縁性基板30一方の面に有機エレクトロルミネッセンス素子が設けられており、対向面に導光部60又は空洞導光部160が設けられている。この場合、面発光部22からの光が導光部60又は空洞導光部160の入射面に伝達するまでに絶縁性基板30の厚さだけ拡散してしまうので、有機エレクトロルミネッセンス素子の出射面の面積に対する導光部60又は空洞導光部160の入射面の面積を十分広くすることが好ましい。
【0064】
〔変形例9〕
また、上記各実施形態及び変形例では、有機エレクトロルミネッセンス素子を面発光部22に用いたが、無機エレクトロルミネッセンス素子を面発光部22に用いても良い。
【実施例1】
【0065】
以下、実施例を挙げて、本発明について更に具体的に説明する。
【0066】
図19中のXは、図17に示す比較例Xとして、仰角θ=0゜、傾斜角γ=0(対向反射面64が矩形)゜、出射面の幅Wを10μm、出射面の高さHを10μm、導光部60の出射面から反対側の面までの長さLが200μmとした四角柱の導光部60の面発光部22の発光強度(単位はW/sr m2)に対する導光部60の出射面61の発光強度(単位はW/sr m2)の割合を計算した値である。なお、導光部60の屈折率を1.0とし、面発光部22は、導光部60の下面形状と同一形状、同一寸法に設定されている。
【0067】
図19中のYは、図18に示す実施例Yの形状(三角形側面を底面とみなすと三角柱)を有し、仰角θ=2.86゜、傾斜角γ=0゜(対向反射面64が矩形)、出射面の幅Wを10μm、出射面の高さHを10μm、導光部60の出射面から反対側の面までの長さLが200μmとした直方体の導光部の面発光部22の発光強度(単位はW/sr m2)に対する導光部60の出射面61の発光強度(単位はW/sr m2)の割合を計算した値である。なお、導光部60の屈折率を1.0とし、面発光部22は、導光部60の下面形状と同一形状、同一寸法に設定されている。
【0068】
図19中のZは、図18に示す実施例Zの形状(三角形側面を底面とみなすと三角柱)を有し、仰角θ=5.72゜、傾斜角γ=0゜(対向反射面64が矩形)、出射面の幅Wを10μm、出射面の高さHを10μm、導光部60の出射面から反対側の面までの長さLが200μmとした直方体の導光部60の面発光部22の発光強度(単位はW/sr m2)に対する導光部60の出射面61の発光強度(単位はW/sr m2)の割合を計算した値である。なお、導光部60の屈折率を1.0とし、面発光部22は、導光部60の下面形状と同一形状、同一寸法に設定されている。
【0069】
このように仰角θを0゜より大きくするほど、単位面積当たりの出射強度が上昇することができる。換言すれば、仰角が大きくなると、出射面61の出射光の指向性が向上し、その出射光の強度が増幅している。全放射エネルギーの出射効率は30〜50%であり、この効率も角度θの最適化によって効率が上げられる。例えば、入射面63の面積(面発光部22の発光面積)を出射面61の面積の10倍としたとすると、出射効率が50%なら、電流密度を5倍にできることになる。
【実施例2】
【0070】
比較例として、図17に示す、仰角θ=0゜、傾斜角γ=0(対向反射面64が矩形)゜、出射面の幅Wを10μm、出射面の高さHを10μm、導光部60の出射面から反対側の面までの長さLが200μmとした四角柱の導光部60の場合において、導光部の出射面から出射した光の放射角度と光度との関係をシミュレーションにより求めた。導光部の条件としては、導光部の屈折率を1.0とした。その結果を図20(a)のpolaグラフに示す。最大放射光度は1740程度であった。
【0071】
形状が図10の導光部と同様の構造の導光部において、出射面から出射した光の放射角度と光度との関係をシミュレーションにより求めた。導光部の条件としては、図10における出射面161の幅Wを10μm、出射面の高さHを10μmとし、導光部の頂角162から出射面161までの長さLが200μmであり、導光部60の屈折率を1.0とした。その結果を図20(b)に示す。なお、図10では、反射面165,166が直角三角形となっているが、本実施例では、反射面165,166に相当する側反射面が、対向反射面164と同一形状、同一寸法の二等辺三角形に設定されている。最大放射光度は3100程度であった。
【0072】
形状が図10の導光部と同様の構造の他の導光部において、出射面から出射した光の放射角度と光度との関係をシミュレーションにより求めた。導光部の条件としては、図10における出射面161の幅Wを20μm、出射面の高さHを20μmとし、導光部の頂角162から出射面161までの長さLが200μmであり、導光部60の屈折率を1.0とした。その結果を図20(c)に示す。なお、図10では、反射面165,166が直角三角形となっているが、本実施例では、反射面165,166に相当する側反射面が、対向反射面164と同一形状、同一寸法の二等辺三角形に設定されている。最大放射光度は3690程度であった。
【0073】
図20(a)〜(c)の何れにおいても、グラフの半径が光度を表し、中心角が放射角度を表す。このように、仰角θ及び傾斜角γを増大するほど、最大放射光度を増大することができる。
【0074】
上記各実施形態、上記各変形例の画像出力装置1をコピー機等に用いられるプリンタに適用することができる。図21に示すように、電子写真型プリンタ301は、画像出力装置1の走査ヘッド2、感光ドラム3、ロッドレンズアレイ4に加え、印刷記録媒体となる複数の用紙205が収納された給紙カセット201、給紙カセット201から1枚づつ用紙205を搬出する給紙ローラ202、感光体ドラム3の周面に形成された静電潜像をトナー画像に現像する現像器208、用紙205の搬送タイミングを感光体ドラム3上に形成されたトナー画像と一致させる為の待機ロール203、トナー画像を用紙に転写する転写器206、転写器206で感光体ドラム3から用紙に転写されたトナー画像を用紙に熱定着する定着ロール204、及び感光体ドラム3に残留するトナーを除去するクリーナ207を備えている。
【0075】
フレームメモリに記憶された画像データはD/Aコンバータで対応する階調のアナログ信号に変換され、オペアンプで所定の電位に増幅され、駆動回路80内のシフトレジスタに出力される。駆動回路80では、画像データがクロック信号の出力に同期してシフトレジスタ内を順次転送され、1行分の画像データがアナログシフトレジスタに格納されると、ラッチ回路に転送され、ラッチ回路に転送されたデータが所定のタイミングの同期信号に基づいて発光輝度制御回路に取り込まれ、有機エレクトロルミネッセント素子27がデータに応じた発光輝度で発光するような電流データ又は電圧データに変調されて、有機エレクトロルミネッセント素子27に出力する。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】画像出力装置1の斜視図である。
【図2】走査ヘッド2のうち3ドット分の構成を示した斜視図である。
【図3】4ドット分の面発光部アレイパネル20の発光面21の平面図である。
【図4】図3の切断線IV−IVに沿った面の矢視断面図である。
【図5】図3の切断線V−Vに沿った面の矢視断面図である。
【図6】(a)は変形例におけるドット照射素子を示した平面図であり、(b)は(a)の切断線B−Bに沿った断面図である。
【図7】(a)は別の変形例におけるドット照射素子を示した平面図であり、(b)は(a)の切断線B−Bに沿った断面図である。
【図8】(a)は別の変形例におけるドット照射素子を示した平面図であり、(b)は(a)の切断線B−Bに沿った断面図である。
【図9】別の変形例における走査ヘッド2のうち3ドット分の構成を示した斜視図である。
【図10】別の変形例における走査ヘッド2のうち3ドット分の構成を示した斜視図である。
【図11】図10の走査ヘッド2のうち1ドットの縦断面を示した断面図である。
【図12】図11の断面に直交する断面を示した断面図である。
【図13】別の変形例における走査ヘッド2のうち3ドット分の構成を示した斜視図である。
【図14】別の変形例における面発光部アレイパネル20の発光面21の平面図である。
【図15】別の変形例における図14の切断線XV−XVに沿った面の矢視断面図である。
【図16】別の変形例における走査ヘッド2のうち3ドット分の構成を示した斜視図である。
【図17】比較例の導光部の形状を示す斜視図である。
【図18】本発明の実施例の導光部の形状を示す斜視図である。
【図19】入射面63と対向反射面64との間の挟角の角度θと、出射強度/発光強度との関係を示したグラフである。
【図20】導光部60の出射面61から出射した光の放射角度と光度との関係を示したグラフである。
【図21】本発明の実施形態の走査ヘッド2を用いたプリンタの概念図である。
【符号の説明】
【0077】
2 走査ヘッド
20 面発光部アレイパネル
22 面発光部
23 下部電極
24 正孔輸送層
25 発光層
26 上部電極
30 絶縁性基板
60 導光部
61 出射面
63 入射面
64 対向反射面
65 側反射面
66 側反射面
301 プリンタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
面状に発光する複数の面発光部が一列に配列された面発光部アレイパネルと、
前記複数の面発光部にそれぞれ対向した複数の導光部と、を備え、
前記導光部が、前記面発光部に対向し、前記面発光部からの光が入射される入射面と、前記入射面からの光を反射する反射面と、前記反射面からの光を出射する出射面とを有することを特徴とする走査ヘッド。
【請求項2】
前記導光部は、幅が前記出射面に近づくにつれて漸次広がっていく光調整部を有することを特徴とする請求項1に記載の走査ヘッド。
【請求項3】
前記導光部は、高さが前記出射面に近づくにつれて漸次広がっていく光調整部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の走査ヘッド。
【請求項4】
前記面発光部の発光形状は前記出射面に近づくにつれて幅が広がっていく形状であることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の走査ヘッド。
【請求項5】
前記導光部における前記入射面及び前記出射面を除いた面が反射面であることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の走査ヘッド。
【請求項6】
前記出射面が凸面とされていることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の走査ヘッド。
【請求項7】
前記導光部が空洞とされていることを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の走査ヘッド。
【請求項8】
前記面発光部が基板上に下部電極、有機EL層、上部電極の順に積層された有機エレクトロルミネッセンス素子であり、前記導光部の入射面が前記上部電極側において前記上部電極に対向していることを特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載の走査ヘッド。
【請求項9】
前記出射面の面積が前記入射面の面積よりも小さいことを特徴とする請求項1から8の何れか一項に記載の走査ヘッド。
【請求項10】
面状に発光する複数の面発光部が配列された面発光部アレイパネルと、
前記面発光部に対向し、前記面発光部からの光が入射される入射面と、前記入射面からの光を反射する反射面と、前記反射面からの光を出射する出射面とを有する導光部と、
を有することを特徴とするプリンタ。
【請求項11】
前記導光部は、幅が前記導光部の前記出射面に近づくにつれて漸次広がっていく光調整部を有することを特徴とする請求項10記載のプリンタ。
【請求項12】
前記導光部は、高さが前記導光部の前記出射面に近づくにつれて漸次広がっていく光調整部を有することを特徴とする請求項10又は11に記載のプリンタ。
【請求項13】
前記面発光部の発光形状は前記出射面に近づくにつれて幅が広がっていく形状であることを特徴とする請求項10から12の何れか一項に記載のプリンタ。
【請求項14】
前記出射面が凸面とされていることを特徴とする請求項10から13の何れか一項に記載のプリンタ。
【請求項15】
前記導光部が空洞とされていることを特徴とする請求項10から14の何れか一項に記載のプリンタ。
【請求項16】
前記出射面の面積が前入射面の面積よりも小さいことを特徴とする請求項10から15の何れか一項に記載のプリンタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2006−248219(P2006−248219A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−19193(P2006−19193)
【出願日】平成18年1月27日(2006.1.27)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】