説明

走査装置で全方向性光を照射する方法及び装置

コードの解読に用いる照明、特に暗視野照明を選択的に制御し、コードを解読するのに適切又は最適な光のレベルを判断するシステム及び方法を提供する。また、複数もしくは個々に制御可能な発光部分、例えば四分円弧に分割されるリング形状発光器を提供する。初めに、コードに対し初期設定の発光条件で照明が照射される。次に、取得画像データからのフィードバック情報を用いて、該コードを解読するのに適切かどうかが判断され、適切でない場合には、制御器が該コードに照射される光を調整して再度画像データを取得する。このプロセスは適切条件となるまで繰り返される。また、適切な条件を設定すべく、前記発光部分の作動、非作動をオペレータが手動で選択しても良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光器に関し、特に、画像取得装置及びマシンビジョンシステム用の発光器に関する。
【背景技術】
【0002】
マシンビジョンシステムは画像取得装置を使用し、該画像取得装置は読み込まれる被検体の情報を伝送するカメラセンサを備えている。該システムは、様々なアルゴリズムに従ってこの情報を読み取り、プログラムされた指令及び/又は認識機能を実行する。可視領域及び近可視領域において、センサによって画像を最も効果的に取得するには、被検体を適切に照射する必要がある。
【0003】
画像センサを用いてバーコードを走査する例では、適切な照射が非常に望まれる。バーコードの走査には、バーコードを含む被検体上の特定位置に画像取得センサ(CMOSカメラ、CCDなど)の照準を設ける必要があり、また該バーコードの画像を修正する必要がある。バーコードは、順に並べられた文字群又は記号群を表す一連の所定パターンを有し、付属のデータ処理装置(例えばマイクロコンピュータ)は、その文字群又は記号群から被検体に関する有用な情報(例えば、そのシリアルナンバー、タイプ、モデル、価格など)を取得できる。バーコードは様々な形及びサイズで利用できる。最も一般的に利用されているバーコードの2つのタイプは、幅や間隔が変化する縦縞の線からなる所謂一次元バーコード、及びドット又は矩形の二次元配列からなる所謂二次元バーコードである。
【0004】
バーコードやその他の被検体を読み込む場合には、使用される照明タイプが問題となる。バーコードやその他の被検体を対比色のインクや塗料を使って平坦面に印刷する場合には、散乱性の高角度「明視野」照明がセンサの特徴を最も際立たせることができる。ここで高角度とは、一般に走査する被検体表面に対しほぼ垂直(直角)又は垂直(直角)から概して45度未満の角度で被検体に当たる光を言う。このような照明はセンサの方へ戻ってくる相当量の反射光の影響を受け易い。例として、主に明視野照明を必要とするバーコードやその他の被検体は、物品や容器に貼り付けられた印刷ラベル又は物品や容器の比較的平滑な部分に表示される。
【0005】
逆に言えば、バーコード又はその他の被検体がより不規則な表面に設けられている場合、もしくは表面に直接エッチング又はピーニングによって形成されている場合には、高反射明視野照明を用いるのは適当でない。ピーニング表面/エッチング表面は、明視野照明を散乱させる二次元特性を有し、そのため取得画像が不鮮明になる。被検体が明らかにかかる二次元構造を有している場合には暗視野照明を照射するのが最適である。これは被検体表面(即ち、直角に対して約45度を超える角度)に対して特有の低角度(例えば、約45度以下)を有する照明である。このような低角度暗視野照明を用いることで、より好ましい画像取得をすべく二次元表面構造はより効果的に(明るい点として見えるインデントと影としての周囲を有する)コントラストがつけられる。
【0006】
カメラ画像センサの汎用性を十分に生かすため、被検体を選択的又は同時に照射すべくセンサは明視野照明と暗視野照明の両方を備えることが望ましい。ただし、暗視野照明は、被検体に対して低入射角度となるよう被検体に近づけて設ける必要がある。逆に、明視野照明は、確実に全領域を照射するため、比較的間隔をおいて設けるのが好ましい。
【0007】
更に、最新のセンサはもともと有する固有の視野内で解像度640×480(300K超)画素又は1280×1024(1.3M超)画素を有する。この解像度は被検体の画像を正確に取得する上で望ましい。ただし、視野中の全ての画素を取得する必要があるため、たとえ被検体が該視野中の比較的小さな部分(例えば、一次元バーコードの細長い縞)であっても処理速度が損なわれる場合がある。仮に視野が関心領域をほぼ取り囲むにすぎない大きさにまで狭められる場合には、カメラを関心領域に合わせるシステムが必要となる。同様に、既定の視野に複数のコード又は被検体を有する場合には、選択される被検体を判別するため視野の特定の部分に焦点を合わせる機能も必要となる。
【発明の開示】
【0008】
一側面では、本発明はデジタル方式で符号化したコードを解読するデジタル走査装置を提供するものである。該走査装置は光源を有し、該光源は、符号化したデータコードに暗視野照明を照射する個々に制御可能な複数の発光部分、光源によって照射される際に該符号化されたデータコードから反射される光を検出する画像センサ、及び個々に制御可能な発光部分の各々に接続された制御器を備えている。該制御器は個々に制御可能な発光部分を選択的に作動するようプログラムされ、光源によって符号化されたデータコードに照射される光を調整し、集められたデータを処理してコードを解読する。
【0009】
本発明の別の側面では、符号化されたデータコードを解読する方法を提供するものであり、該方法は、符号化されたデータコードに暗視野照明及び明視野照明の少なくとも一方を照射するため、該データコードのまわりに複数の個々に制御可能な発光部分を配列するステップ、個々に制御可能な発光部分の少なくとも一つを用いて符号化されたデータコードを照射するステップ、及び該コードの画像データセットを取得するステップを備えている。該画像データセットは解読に適しているかどうかを判断するため評価され、仮に画像データが解読に不適である場合には、照明の程度及び方向を変更するため発光部分が選択的に調整され、画像データの取得ステップ及び取得された画像データの評価ステップが、取得画像データがコードを解読するに適切なものとなるまで繰り返される。
【0010】
本発明の更に別の側面では、デジタル走査装置を提供するものであり、該デジタル走査装置は、解読されるコードを含む近接面に暗視野照明を照射するリング光源、該コードに光源から投射される光を選択的に変更するためリング光源に接続された制御器、及び該コードの画像データを取得する画像センサを備えている。該制御器は取得された画像データを評価するようプログラムされ、該画像データがコードを解読するのに十分であるかどうかを判断し、該データがコードを解読するに十分となるまで光源から投射される光を調整する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1に手持ち式走査システム100を示す。該システム100は典型的な手持ち式走査装置又は部品102を有し、該装置102はグリップ部104及び本体部106を有する。本明細書に記載したセンサ及びその他の機能部品は制御でき、画像データを内蔵プロセッサ109に送ることができる。このプロセッサは、走査ソフトウェアアプリケーション113を備え、該アプリケーションによって、照明を制御し、画像を取得し、画像データが使用可能データ(例えば、バーコード画像から読み取られる英数文字列)に解読される。該解読データはケーブル110を介して、(例えば)表示装置114、キーボード116、及びマウス118を備えるPC又はその他のデータ記録装置112に送ることができ、そこで記録することもできるし、適当なアプリケーション120を使用して更に処理することもできる。また、ケーブル110は走査装置のインターフェース及びコンピュータ112の適当なインターフェースに直接つなげることができる。この場合、コンピュータ用アプリケーション120は、様々な画像解析を実行し、必要に応じて照明を制御するよう機能する。内蔵プロセッサ、コンピュータ、又はその他のプロセッサに関する手持ち式走査装置のその配置構成は様々に変更可能である。例えば、ケーブル110を設けず無線相互接続にしても良い。同様に、図示したマイクロコンピュータは、携帯情報端末又はその他の小規模演算器などの内蔵プロセッサもしくは小型処理装置を備える他の処理装置で代用しても良い。
【0012】
走査アプリケーション113は、走査装置102からの入力に応答するよう改良しても良い。例えば、オペレータが装置102のトリガー122を切り替えると、内部カメラ画像センサ(150、図示し後述する)が物品132上の関心領域130の画像を読み取るようにする。典型的な関心領域は、物品132を識別するのに使用できる2次元バーコード134を有する。識別処理やその他の処理機能は、装置102からプロセッサ109に送信された画像データに基づき、走査アプリケーション113により実行される。
【0013】
関心領域130は、画像の取得と同時、又は画像取得の前に照射される。一実施形態では、装置102のスイッチ140は、本発明に係る新規な光導管142からなる発光器を操作するのに使用できる。また以下に記載の通り、発光器の操作は、走査ソフトウェアアプリケーション120によって、間接的に操作、制御することができる。受動の光導管142は光伝送材料からなる伸長した円筒で構成され、末端が傾斜した先端144となっている(本実施形態では)。更に以下記載の通り、この先端は、関心領域130に低角度暗視野照明を投射する内面反射を引き起こすよう設計される。上記のように、かかる暗視野照明は、一般に表面に対して約45度未満又は光軸と垂直に45度を超える角度で与えられる。中空管からなる光導管の中央を通って伸びているのは、カメラセンサ150(透視して示し、光学系と一体の)である。カメラの焦点は、その視野を先端144に近接近して、所望の関心領域に焦点を合わせることができるように選択される。このような方法では、精密な検知のため、該先端は関心領域に非常に近接又は接触して配置される場合もある。上記したように、本実施形態におけるバーコード134は、暗視野照明を使用して最適に検知されるものである。しかしながら以下更に説明するように、本発明に係る光導管は、直接照明、高角度照明により適したバーコード(例えば、比較的滑らかな面、つや消し面に高コントラストインクを使って印刷されたバーコード)に、明視野照明を照射することもできる。
【0014】
本発明の実施形態に係る光導管の別の実施例を図2に示す。内蔵プロセッサ109及び/又はコンピュータ112ならびに関連するアプリケーション113及び/又は、上記アプリケーションと同様の120を用いることができる。関連するケーブル210は、インターフェースを介してコンピュータとカメラ部220を相互接続する。該カメラ部は固定されたブラケット222に取り付けられる従来型のカメラでも良く、レンズ及び電気光学センサ組立体224(透視して示した)を備える。本実施形態では、光導管は固定リング226を介して通常の固定ネジ228を用いて移動可能に取り付けられる。固定ネジ228を用いているが、任意の固定方式が代用できることに留意されたい。透視して示したケーブル230は、光導管と一体の内部リング発光器をプロセッサ109又はコンピュータ112のいずれか一方と相互接続する。この構成とすることで、本発明の光導管を様々な既存カメラに後付けすることが可能となる。本明細書のいずれの実施形態においても、照明は、ストロボやトリガー機構といったカメラに標準の操作機能と一体としても良いし、あるいは走査アプリケーションによって制御しても良い。また更に以下で記載するように、発光器の特定機能を調節するために、別個の制御回路(図14及び図15参照)を設けても良い。図2の例では、発光器は搬送装置262に沿って移動する一部分又はその他の物品260を検知するものである。関心領域264は、例えば明視野照明を使用すると最適に検知されるバーコードとする。以下の通り、本発明の様々な実施形態に係る光導管は、暗視野照明だけでなく明視野照明を用いることもできる。図1及び図2の両方、並びに本明細書に記載したその他の図において、画像センサは、通常、例えば解像度が640×480画素又は1280×1024画素の市販のCMOS又はCCD画像センサである。ただし、他の解像度のものや他のセンサ型式も当然考え得る。
【0015】
図3を参照して、図1及び図2で説明した光導管310の変形例を示す。この光導管は外管312及び中に収納される内管314を備える。該内管314の最も内側の壁は、本実施例では、円形管腔又は導管の形状である。該導管は、関心領域320から基材に取り付けられ又は独立して配置されたセンサ330へ光が通る道である。該導管はカメラセンサの光学系と同等又はそれより大きい直径WLを有する。本実施形態では、該センサがリング発光器334も備える回路基板332に取り付けられることに留意されたい。該リング発光器334は、LEDの外側リング又はその他の適切な光源336、並びにLEDの内側リング又はその他の適切な光源から構成される。光源の数、内側外側リングのサイズ及び形は様々に変更可能である。このため、この「リング」との用語は、規則的及び不規則的なカーブ(卵状など)、及び/又は多角形(長方形、正方形など)の様々な周囲形状を表すよう広く解釈すべきである。例えば、いくつかの用途では、高さが幅より低い形状の受光器を有する長方形又は卵形の光導管を使用しても良い。こういったタイプの形状、特に卵形状では、管の幅に比例して決まる管の端からの特定距離まで暗視野領域が広がる。例えば、高さの2倍幅の導管の場合、光導管の側面からの照射角度は、上下からの光より導管の端からの光の方が遠く隔てた位置で集光させる。従って、暗視野照明は該導管から更に遠くへ広がり、増強され、より広い領域の暗視野照明を生じる。この特徴に加えて、卵形状及び長方形状では、その光導管の全体サイズを小さくできるため有利であり、さらに、構造がより強くかつ頑丈にできる。さらに、以下、図9を参照して説明するように、導管の形状は解読されるコードのサイズや形状に基づき選択することができる。
【0016】
一般に、リング発光器の光源は、センサの外周及び/又はその光学系に比較的近接して設けられ、光源の数は、照明領域を満たし被検体に適切な光を照射するのに十分な数とされる。一般に、任意の光源群、もしくは任意のサイズ/形の周囲を発光するよう配列された一以上の連続光源(例えば、管)は、本明細書における「リング」光源であると広く解釈することができる。
【0017】
再び図3に戻ると、一実施形態では、該リングを外径が約2から3インチの円形にする。各リングは光導管312及び314の一方に位置を合わせて配列される。以下記載するように、一方のリングからの光が他方のリング中に漏れないよう、適切なバッフルで内側外側リングを互いに分離する。さらに図3を参照すると、外側LEDリング336は個別に制御可能な複数部分に分割しても良い。ここで、照明リング336が、円周全体からなる四分円弧380、382、384及び386を表す典型的な4つの部分を有する場合を示す。それぞれの四分円弧は発光制御器370に接続される。リング336は、以下に記載するその他の照明リング部分と同様に個々に制御可能な任意の数の部分に分割し、下記と同様に改良した照射状態を実現することができる。
【0018】
次に図3Aを参照して、光導管311及びリング全体の一部分からなる弓形発光器383を有する照明機器100の別の実施形態を示す。光導管311を弓形にした部分リング及び弓形発光器383は、特に小さな領域を照射する場合、例えば、照射すべきコードへ光導管全体を十分に近づけることができない場合に有効である。このようなタイプの光導管が役立つケースとしては、例えば、角又は角の近く、継ぎ目、もしくは丸い又はカーブした表面に設けられたコードを照射する必要がある場合がある。
【0019】
また再度図3を参照すると、既述の通り、各受動の光導管は光伝送材料で構成される。この材料は、アクリル、ガラス、又は可視光及び近可視光用の導波管として機能可能なその他の任意の材料で良い。各導管の壁厚を変更しても良い。一般に、厚さは約1/8インチから1/4インチである。ただし、もっと厚い又は薄い厚さも当然考えられる。また、外側の光導管の全長も様々に変更可能である。上記したように、所望の視野の焦点が先端340の端の近くであるが、該端を越えて現れるように設定される。一実施形態では、外側の光導管は約3から4インチの長さを有する。内側の光導管314は、外側の光導管とほぼ同じ長さにすることができるが、本実施形態では、図示の通り、光を先端340の内端から放出するように、内側の光導管が外側の光導管に対して引っ込んでいる。該先端の光伝送領域は点線342で示している。この内端の光出口は、外側の光導管312の不透明な全表面とは異なり伝送路を露出する及び/又は磨くことで形成できる。この光伝送路又は光伝送領域は、厚さTで示したように、だいたい(例えば)1/4インチまで広げることができ、厚さTは変更可能である。先端340の傾斜部350により生じる内面反射により、低角度照明352が開口領域342から放出する。同様に、内側の光導管314の開口先端360は直行し、明視野照明362を関心領域320に導くよう促す。内側に収容される光導管310の構造を、以下より詳細に説明する。はじめに、特に暗視野発光器を説明する図4について述べる。また、図3のリング発光器334及び制御器370についても概略的に述べる。光が漏れないように暗視野光導管を隔離するため、不透明コーティング塗料又はその他の適当な材料が使用できるが、光導管の全体又は一部分を被覆せず、特に、光導管の長さに沿ってほぼ全体が内面反射するよう表面が十分によく磨かれた場所を被覆しないまま残すことも考え得ることに留意する必要がある。
【0020】
次に図4を参照すると、CMOS、CCD又はその他の電気光学センサ414が回路基板412に設けられている。また、LEDの単一リング発光器又は他の光源410を回路基板412上、もしくは該基板から離して設けても良い。電気光学センサ及び光源410は、図3に示したものと同様の制御器及び/又は画像取得プロセッサと相互接続される。暗視野照明の光導管420の切断面を示す。光導管は画像センサ414及びそれに関連する光学系422を取り囲み、該光導管420を通って伝送される光源410に合わせて位置調整され、上記の通り暗視野照明を提供する。回路を保護するため、透明窓424が光学系422の前面に設けられている。上記したように、光導管420の先端430は角度A(約45度又はそれ以上)で傾斜され、光が内面反射によって光導管の内周面に沿って露出部の厚さTを通り抜けて反射される。光は所望の低角度(又は、光軸中心線CLに対して高角度(45度超))で伝送し、本実施形態では、暗視野照明パターン440が、0から1.25インチのDD範囲内に現れる。先端の角度A(本実施例では約45度)が、該先端を出る光の大まかな角度範囲を決定することに留意すべきである。実際には、角度に広がりがある傾向にあり、光の広がる角度は先端の角度から多少変化する場合もある。先端の角度Aは、光導管に使用する材料や該光導管の壁厚によって決まる光にとって最良の角度及び広がりを生じるように変更しても良い。
【0021】
図4に示したように、3から4インチの広範な明視野領域DBは暗視野領域を越えて広がっている。一実施形態では、該明視野領域は、他の様々な外側光源によって照射しない又は照射することができる。このため別の実施形態では、暗視野光源が外側に明視野発光器450及び/又は460をさらに備えていても良い。一実施形態において、明視野発光器はリング光源(光導管を有する又は有しない)450であり、該リング光源450は回路基板412(透視して示した基板拡張部分参照)に取り付けられていても取り付けられていなくとも良い。任意で設ける放射状に一定間隔で配置する外側の明視野リングの間隔は変更可能であり、暗視野光導管420に近接して設けても、あるいは図示したように、この光導管から離間して設けても良い。更に別の実施形態では、別の外側位置又は複数の外側位置に明視野発光器460を設けても良い。本明細書で用いる「外側」との用語は、例えば、導管の基部(例えば回路基板に隣接して)などでの、暗視野光導管の管腔内部の位置を含むものと広く解釈すべきことに留意されたい。この発光器は、明視野発光器のみ設けても良いし、明視野リング450と共に設けても良い。
【0022】
次に図5を参照し、明視野発光器のみを有する光導管を示す。回路基板510はセンサ514を取り囲む複数のLED512が配置され、該センサ514は、関連する光学系516及びそれらを保護する窓518を有する。光導管520はリング発光器LED512と光学的に連通している。光導管520の先端522は湾曲でも平坦でも良く、明視野光の散乱を促進するため拡散(例えばつや消しした)表面構造としても良い。本明細書に記載したその他の明視野光導管も、同様の先端構造及び表面にすることができることに留意すべきである。光導管の壁(内側と外側)522は、不透明の非透過性材料で被覆しても良いし、あるいは透過性のままとしても良い。様々な位置で光導管520の外周を取り囲んでいるのは、個々の誘導ロッド/レンズ530(ロッド状構造を解り易くするため部分的に断面を示した)の各セットであり、該ロッド/レンズはそれぞれ個々のLED532又はLED532群と光学的に連通している。センサの視野が制限されるため、また、適切に読み取るためには被検体を視野内に保持しておく必要があるため、LED532は、一般に特異で目立つ色の照準点を被検体のある物品上に投射する。例えば、照明全体では白色光であるが、青ドット、赤ドット、又は緑ドットの原色を照準LEDは照射できる。本明細書における照準点ロッドは断面図では円形であるが、三角形、四角形、又はその他照準点を示すに足る如何なる形状でも良いことに留意されたい。
【0023】
図5の明視野発光器で得られる二つの典型的な照射パターンを、それぞれ図6及び図7に示す。図6において、カメラセンサの視野は点線602で示したように長方形であるが、円形の明視野発光器は円形照明パターン604を投射する。これは、被検体が円形の外形を有し、視野に角が必要無い場合、或いはコード/被検体に方向性が無い場合に望ましい。走査アプリケーション及び/又は画像取得回路は、高速処理のため、このような角内にあるデータを削除するよう設定できる。ユーザが被検体に対して発光器を適切に配置するため、照明パターン604の周囲には4つの照準ドット610が設けられている。これらの照準ドットは、ユーザが機器の照射及び視野を物体に適切に向けられるように、ユーザにただちにフィードバック情報を与える。同様に、図7に示したように正方形の光導管を用いる場合、正方形の照明パターン710が得られる。この照射パターン710は対応する視野602内に収まっている。この場合も、ユーザが機器を適切な方向に確実に向けられるように照準ドット712が使用される。本実施形態において、暗視野照明領域DB1は、通常、光導管の先端522から約0から12インチに及ぶ。
【0024】
図8は、更に詳細に、本発明の実施形態に係る入れ子式光導管を示す。LEDの内側リング802及びLEDの外側リング804は回路基板806に取り付けられ、該回路基板はセンサ810も備えている。該センサに関連する光学系812は窓領域814内に備え付けられる。上記したように、外側の光導管820は先端822を有しており、該先端822は、開口部の厚さTを通って、範囲DD2を有する暗視野照明の内面反射光を生じるように傾斜されている。本実施形態では、範囲DD2は0から1.25インチの範囲を有する。光導管820の壁は非透過性、不透明コーティング材で被覆され、LEDのリング804がバッフル830によってシールされている。該バッフル830は、内側のLEDリング802及び関連する内側の明視野光導管840に対してこの発光源(LEDのリング804)を隔離する。明視野光導管は暗視野光導管820の内側に収容され、その先端842は開口厚Tの邪魔にならないよう引っ込められている。該先端842は丸めても、角度を付けても、平らでも良い。本実施形態では、それらは適切な明視野照明パターンを生じ、暗視野発光器の先端822に対して距離DB2を0から6インチまで広げる。このようにして明視野の被検体は機器に認識され、更に十分に照射される。ところで被検体を認識するためには、光導管アセンブリにより構成される管腔の内径は、少なくとも検知される被検体と同等の大きさの直径である必要がある。とは言うものの、特定の実施形態では、管腔の内径の方が小さいこと、及び被検体がセンサに与えられた最大視野より大きい場合に、その全ての全画像を取得するため、機器が画像の周りを移動しながら形成される画像の断片を組み合わせる手段を走査アプリケーションに備えることが考えられる。また上記の通り、被検体及び/又は取得画像の品質に応じて、暗視野照明リングLED804を作動させるか、明視野照明リングLED802を作動させるか、制御器は自動で判断でき、又は手動で判断することもできる。一組の周囲LED850は、上記の如く照準ドットを照射するロッド形状のレンズ852と連通する。
【0025】
また、概して上記したように、光導管はセンサに固有の視野を制限するのに使用することができる。図9は長方形断面の光導管904を有する走査装置902を示す。この光導管は暗視野発光器にも明視野発光器にも(又は組合せ発光器にも)できる。本実施例では、物品910は長くて狭い被検体912、即ち一次元バーコードを備える。発光器は該バーコードに対して、そのサイズ及び形に似たパターンを投射する。このように照明領域を物品910に向ける際、ユーザは自然に長方形の照明パターンをバーコードに合わせるよう誘導される。即ち、ユーザは、削られた視野の位置に関するフィードバック情報、通常、被検体の外形に一致する明領域として現れるフィードバック情報を速やかに受け取る。被検体は削られた領域によって適切に輪郭が表され、この領域から外れる何れの情報も取得データストリームから省くことができ、このため画像処理を高速に行える。
【0026】
図10を参照すると、照明領域は実質的に狭い長方形1004であるが、点線1002で示したカメラの全視野は広い四角形である。また、本実施例では、この長方形は一次元バーコードの形状に一致している。その他の様々な形状及びサイズの照明領域を、全視野に対して選択的に設けることができる。小さな円形、楕円形、四角形、及び複雑な幾何学形状の全てが考えられる。これらの形状に合わせて光導管は適切な形状に構成される。更に、上記の通り、これらの光導管は暗視野、明視野、もしくは明視野と暗視野を組み合わせた構造を備えることができる。同様に、狭められた視野(又は、「削られた視野」)発光器は、被検体に対する位置調整をさらに補助するため照準ドットを備えることができる。
【0027】
次に、明視野発光器の実施例に関して図11を参照すると、LEDのリング1102は回路基板1104上に設けられ、該回路基板はセンサ1106も備える。該回路基板は、走査ソフトウェアアプリケーションを有する制御器又は画像取得装置に相互接続される。明視野照明パターンは光導管1120の先端から距離DB3に広がる。本実施例では距離DB3は約6から8インチであるが、その他の距離も当然考えられる。走査ソフトウェアアプリケーションは、所望の領域に入らない画素アドレス情報を通じて、又はこれらの画素が適切に照射されていない(例えば、非常に暗い)ため認識しないことで、所望の視野から外れる画素を削除するよう調整される。また、長方形を引き延ばした形状の光導管1120のほか、適切な光学系1110及び窓1112が設けられている。
【0028】
次に図12及び図13を参照し、能動的な暗視野照明システムを備える走査システム1200の別の実施形態を示す。ここで、図3、図4及び図8を参照して説明した如く、照射面と反対側の光導管の端に照明リングを設け、光導管を通して光りを誘導するのではなく、照明リング1202を、照射面に近接して、不透明カバー又は導管1206の端のカバー1204の内側に設ける。導管1206の役割は、照射面の近くに照明リング1202を配置することにあり、従って、導管1206は上記のような透過性材料で構成する必要はない。ただし、透明管材料であれば、解読するコード上に読み取り器を視覚的に配置するのに役立つ。不透明カバー1204は、照明リング1202を支える形及び大きさにされ、上部不透明表面1220及び外側の不透明表面1224を備える。内側の表面1226は、照明リング1202を構成する光発光ダイオード(LED)などの個々の発光部を受けるため、開口しておくか複数の取り付け穴を備える。不透明表面1220及び1224は、照明リング1202からの光が、走査システム1200の近辺の下にある照射表面に直接送られるのを防止し、照明リング1202からの光を光導管1206の内部に向ける替わりに中央に向け誘導する。従って、図13に示したように、光が光導管1206を出る際、該光は斜光し照射面に暗視野照明を供給している。また上記の通り、明視野照明部は、能動の暗視野光導管と組み合わせて設けることも可能である。
【0029】
図3を参照して上記したように、任意の暗視野照明リング及び図3、図3A、図4及び図8に示した弓形の発光器と同様に、図13の照明リング1202は個々に制御可能な部分に分割しても良い。これらの発光器は、以下総称して「照明リング」と記載する。ただし、図3Aを参照して既述の通り、以下の記載はリング及び弓形の発光部分の何れにも同じように適用できる。個々に制御可能な部分は、図3に示した四分円弧380、382、384及び386のように4つの部分から構成しても、あるいは別の方法で複数の部分としても良い。例えば、別の実施形態では、リング発光器は半分に分割しても、もっと多くの任意の部分に分割しても良く、個々別々のLEDからなる部分を備えている。どのように分割するかに関係なく、分割部分は制御器370(図3)によって別個に制御又は処理され、以下に記載するように、所望の暗視野照明パターンを実現する。さらに、以下記載するように、制御器370は、これら何れの発光器部からの発光も選択的に作動又は調整でき、センサ330の露出時間を変更でき、もしくはカメラの焦点を変えることができる。
【0030】
再度図1、図2及び図3、更に図14を参照し、図3、図4、図8及び図13に関して記載したリング発光器を制御するのに用いる制御システムのブロック図を示す。上記の通り、走査装置(100、200又は1200)は走査アプリケーション113を有する内蔵プロセッサ109を備える。該プロセッサ109は、発光部380、382、384及び386の作動を制御するリング発光器382に接続された制御器370を備える。更に制御器370は、画像データを取得する画像センサ330、以下記載のように発光選択データを送るだけでなく画像データを記録し読み出すメモリ371、並びにホストコンピュータ112へデータを転送及びホストコンピュータからデータを受信する送信器/受信器372に接続される。また、ユーザ選択入力374はデータを送るため制御器370に接続され、以下記載するように、発光条件又はその他のパラメータを手動で選択できる。
【0031】
手持ち式装置(図1及び図12)及び固定式装置(図2)のいずれも、作動中、内蔵プロセッサ109は、フィードバック情報の評価に基づき適正又は最適化された発光状態を維持するよう作動される。かかる状態を達成するため、走査光は走査アプリケーション113及び制御器370によって制御され、四分円弧380、382、384及び386などの各発光部分を個々に制御し、個々の部分を選択的に作動したりしなかったり、選択部分を暗くしたり明るくしたり、もしくは照射面への光の露出時間を変更する。例えば、金属面や曲面を照射する場合、もしくは高反射面を照射する場合には、走査光を再度方向調整することが有効な場合がある。例えば、金属面又は類似粒状表面を照射する場合、照明を材料の粒に沿った方向に向けるとより効果的であることが観測されている。粒状面全体にわたって照明を暗く又は作動しない機能を兼ね備えていれば、極めて改善された画像が取得できる。さらに、曲面を照射する場合には、適切な方向に該曲面を照射することで結果が改善される。同様に、反射面に照射する場合には、発光条件を調整することが有効である。
【0032】
走査アプリケーション113は、例えば初期化処理が必要な場合がある。該初期化処理では、個々に制御される発光部分380、382、384及び386が、画像品質がバーコード又はその他のコードを解読するのに十分であると判断されるまで、即ち、最適画像品質を実現するのがどの設定であるかを判断するため、様々なプリセットON/OFFの組合せが繰り返される。この処理中、センサ330により取得される画像データ形式のフィードバック情報は、制御器370によって評価される。例えば、センサ330によって取得される画像データは、個々の四分円弧380、382、384及び386のそれぞれに異なる有効な設定を求めるため処理され、好適及び/又は最適な画像が取得されると、その特定の設定が連続してデータを取得すべく選択される。画像は、既知基準を評価すること、又は検知される関心領域中の十分な広い部分全体における最大コントラストを検出することに基づき最適化することができる。
【0033】
固定式カメラの配置では、この調整工程は通常一度実行され、その選択された設定が連続して取得される画像それぞれに適用される。また、手持ち式走査装置では、物品に対する該装置の角度や方向が変化し易い場合、例えば環境条件が変化するときに、各走査毎に動的に調整が為されても良いし、或いはオペレータが初期化モードを選択することによって選択的に調整が実行されても良い。ただし、手持ち式操作の場合であっても、いつもほぼ同じ位置、及び/又は同じ動作環境、若しくは既知の使用条件のセットで走査が繰り返される場合には、一定の設定をすることは有効である。
【0034】
例えば図3、図4及び図8に示したように、明視野照明及び暗視野照明の両者を備える実施形態では、走査アプリケーション113は特定の用途に最も適する照明タイプに応じて明視野照明と暗視野照明を選択するようプログラムすることができる。明視野照明と暗視野照明間の選択は、上記の通り、フィードバック情報に基づき画像プロセッサによって自動的に為されても良いし、オペレータによって手動で選択されても良い。
【0035】
再度図1、図2、図3、図13及び特に図15を参照して、発光条件を選択する代表的な手順を説明するフローチャートを示す。上記の通り、走査システム100は予め設定された初期発光条件1301、例えば、予め設定された一連の発光変更条件、或いは、予め選択された汎用の設定条件、若しくはメモリ371から読み出される「キャッシュ」した設定条件を用いて初期化される。該メモリに記録される設定条件は、例えば、解読処理が最後又は以前成功したことに基づく設定、概して動作環境が成功であると統計的に判断される設定、若しくは一連の成功した処理に基づき決まる平均の設定とすることができる。初期設定は、照明リングの四分円弧380、382、384及び386などの様々に個々制御される発光部分を作動する又は作動しない、暗視野光又は明視野光を照射する又は照射しない、若しくは、発光部分に用いられるアナログ信号を変更することによって、信号を変調したパルス幅を適用することによって、又は当業者であれば自明のその他の様々な方法によって、これら発光部分の任意の輝度レベルを調整することができる。また、センサ330の露出時間、カメラの焦点距離は最適条件とするため変更することもできる。
【0036】
コードが照射された後、ステップ1302において、画像データセットがセンサ330により取得され、ステップ1303においてこのデータセットが評価される。ステップ1303における画像データの評価は、コードの解読を試行する処理からなり、或いは別の方法では、取得データ中の白黒画素のコントラストが所望範囲内にあるかどうかを判断するため、当該分野で既知のヒストグラム又はその他の統計的分析に基づき取得データセットを統計的に評価することからなる。ステップ1302において取得されたデータセットが解読可能であると判断されると、ステップ1306において「グッドリード(good read)」が認識され、コードが解読され処理を終了する。また、ステップ1301において認識される設定は、上記の通り、後ほど読み出すためメモリ371に記録又はキャッシュされる。
【0037】
解読に適するデータは、コード全体を読み込んだもの又は部分的に読み込んだもの何れに基づくものでも良く、該データは、パリティチェック、チェックサム、及び予想される文字数又は当業者に自明のその他のパラメータなど既知のコード基準などの誤り訂正方法を用いて再構成される。
【0038】
ステップ1304において、画像データセットが解読不適の場合には、制御器370は明視野照明又は暗視野照明の選択を変えることで、作動され又は非作動とされる個々に制御可能な発光部分の設定を変えることで、もしくは照射光の明るさを調整することで、発光の設定を変更する。上記の通り、これらのパラメータは、取得されるデータセットの解析によって又はユーザの選択によって、予め設けられたパラメータのセットに基づき決定されても良い。ステップ1305において新たな設定が選択されたあと、ステップ1302において新たな画像データセットが取得され、「適する(good)」データセットが取得されるまでステップ1303からステップ1305が繰り返され、コードが解読される。
【0039】
図14に示したように、発光の変更を自動的に制御する工程として説明したが、制御器370はユーザ選択入力374を介してユーザからの手動によるコマンドを受けることも可能である。ユーザ選択入力は、例えば、走査装置に設けられた単一又は複数スイッチからの入力信号、他のソフトウェア又は走査装置に設けられたハードウェアベースのユーザインターフェースを介して与えられる入力信号、あるいは送信器/受信器372を介して制御器に接続されるコンピュータ112のソフトウェアを介して与えられる入力信号を受信できる。発光条件を選択するためユーザ用のインターフェースを設けるその他の様々な方法が当業者にとって明らかである。例えば上記の通り、照明リングの個々の四分円弧又は各部分を作動すること、予め設定された一連の各部分を選択すること、照明の明るさを変更すること、明視野照明と暗視野照明を選択すること、もしくは予め設定された1セットの変更可能な照明条件を入力して初期化処理を再起動することを、ユーザ選択入力372を介してユーザは手動で選択できる。当業者であれば明らかなように、その他の手動による選択がユーザインプットを介して入力可能である。
【0040】
以上、本発明を例示する実施形態を詳細に説明した。本発明の精神及び範囲を逸脱せずに様々な変更や追加を成すことが可能である。例えば、制御システムとして特定構成を有するブロック図を示したが、これは簡略化した記載であり、ハードウェアを構成する様々な方法を用いることができることは、当業者であれば明らかである。さらに、上記実施形態の何れかに記載された特徴のどれも他の特徴と組み合わせることができ、様々な光導管配列とすることが当然に考えられる。同様に、様々なデータ処理装置、走査アプリケーションプログラム及び/又はハードウェアシステムを組合せて照明制御及び画像取得しても良い。最後に、本明細書で記載した光導管は回路基板上に全ての発光器を備えることができ、該回路基板はセンサ及び該センサを発光器と連通可能とする制御機能も備える。また、発光器、光導管、カメラは全て、一以上の制御器を介して相互接続され、或いは全てが適当なインターフェースを介して共通のコンピュータ又はプロセッサに接続された分離した構成とすることができる。センサ、光学系、発光器及び光導管の様々な組合せが当然考えられる。例えば、センサはプロセッサ及び光源、又は分離できるこれら構成部品の何れか/全てと同じ回路基板に設けても良い。適当なインターフェース及び付属装置が、本明細書に記載した様々な構成部品間の接続を容易にするため設け得ることは当業者であれば自明である。加えて、明視野光導管が暗視野光導管の内側に収容されるように記載したが、明視野発光器を暗視野光導管の外側に配置することによって、これら二つの光導管を逆にすることも当然考えられる。同様に、光導管(又はこれ用の光源)は、その周囲に沿って非照射の部分を有する断続的リングとして設けても良い。従って、本明細書は単なる例示として解釈すべきもので、その他本発明の範囲を限定することを示すものではない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施形態に係る受動の光導管発光器を用いる手持ち式走査システム及び被検体の透視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る受動の光導管発光器を用いる固定式走査システム及び被検体の透視図である。
【図3】本発明の実施形態に係る受動の光導管及びリング発光器の概略断面図である。
【図3A】光導管及び弓形形状を有する照明リングを備える手持ち式走査システムの透視図である。
【図4】本発明の実施形態に係る暗視野照明の受動の光導管を有するセンサの側断面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る明視野照明の受動の光導管及び照準発光器を有するセンサの側断面図である。
【図6】図5の明視野照明の光導管によって投射された円形照明パターンの平面図である。
【図7】センサの全視野を取り囲む図5の明視野照明の光導管によって投射された長方形/正方形の照明パターンの平面図である。
【図8】本発明の実施形態に係る暗視野照明の受動の光導管及び照準発光器の内側に収容された明視野照明の受動の光導管を有するセンサの側断面図である。
【図9】センサの視野を修正又は制限して照射する別の実施形態に係る受動の光導管を用いる手持ち式走査システムの斜視図である。
【図10】修正/制限されたセンサの視野を囲む図9の光導管によって投射される長方形照明パターンの平面図である。
【図11】所定の明視野パターン、例えば図9の明視野パターンとするのに用いられるセンサ及び受動の光導管発光器の側断面図である。
【図12】本発明の別の実施形態に係る暗視野照明の能動の光導管を示す平面図である。
【図13】図12の暗視野照明の能動の光導管を有するセンサの側断面図である。
【図14】本発明の何れかの実施形態に従って構成された照明リングを備える走査装置の制御システムのブロック図である。
【図15】図14の制御システムによって発光パラメータを選択するステップを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0042】
100、1200 走査システム
102、902 走査装置
104 グリップ部
106 本体部
109 プロセッサ
110、210、230 ケーブル
112 コンピュータ
113 走査アプリケーション
114 表示装置
116 キーボード
118 マウス
120 アプリケーション
122 トリガー
130、264、320 関心領域
132、260、910 物品
134 バーコード
140 スイッチ
142、310、311、312、314、420、520、820、840、904、1120、1206 光導管
144、340、430、522、822、842 先端
150 カメラセンサ
220 カメラ部
222 ブラケット
224 電気光学センサ組立体
226 固定リング
228 固定ネジ
262 搬送装置
264、320 関心領域
330、514、810、1106 センサ
332、412、510、806、1104 回路基板
334 発光器
336、802、804、1102 リング
342 開口領域
350 傾斜部
352 低角度照明
360 開口先端
362 明視野照明
370 制御器
371 メモリ
372 送信器/受信器
374 ユーザ選択入力
380、382、384、386 四分円弧
383 弓型発光器
410 光源
414 電気光学センサ
422、516、812、1110 光学系
424、518、814、1112 窓
440 暗視野照明パターン
450、460 明視野発光器
512、532、850 LED
530 誘導ロッド/レンズ
602 視野
604、710 照明パターン
610、712 照準ドット
830 バッフル
852 レンズ
912 被検体
1002 点線
1004 長方形
1202 照明リング
1204 カバー
1220、1224 不透明表面
1226 内側の表面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
符号化されたデータコードに暗視野照明を照射する複数の個々に制御可能な発光部分を有する光源と、
該光源によって照射される際、前記符号化されたデータコードから反射される画像データを検出する画像センサと、
前記個々に制御可能な発光部分の各々に接続され、該発光部分を選択的に作動するようプログラムされ、前記光源によって前記符号化されたデータコードに照射される光を調整し、前記画像センサによって集められる前記画像データを処理して前記コードを解読する制御器と、を備えるデジタル方式で符号化されたコードを解読するデジタル走査装置。
【請求項2】
前記個々に制御可能な発光部分が円形リングの一部からなる請求項1に記載のデジタル走査装置。
【請求項3】
前記円形リングの一部が四円分弧からなる請求項2に記載のデジタル走査装置。
【請求項4】
前記個々に制御可能な発光部分が複数の電気的に接続された個々の発光部分からなる請求項2に記載のデジタル走査装置。
【請求項5】
前記個々に制御可能な発光部分が長方形のリングを構成する請求項1に記載のデジタル走査装置。
【請求項6】
前記個々に制御可能な発光部分が卵形リングを構成する請求項1に記載のデジタル走査装置。
【請求項7】
前記個々に制御可能な発光部分が楕円形リングを構成する請求項1に記載のデジタル走査装置。
【請求項8】
前記画像センサによって取得される前記データを評価し、コードの解読を最適化するため前記個々に制御可能な発光部分から前記データコードに照射される光を変更するよう更に前記制御器がプログラムされている請求項1に記載のデジタル走査装置。
【請求項9】
前記光源が受動の光導管からなる請求項1に記載のデジタル走査装置。
【請求項10】
前記走査装置が手持ち式走査装置である請求項1に記載のデジタル走査装置。
【請求項11】
前記走査装置が固定式走査装置である請求項1に記載のデジタル走査装置。
【請求項12】
前記光源が能動の光導管からなる請求項1に記載のデジタル走査装置。
【請求項13】
前記個々に制御可能な発光部分の少なくとも一つを作動するよう手動で選択するため前記制御器に接続される手動制御手段を更に備える請求項1に記載のデジタル走査装置。
【請求項14】
解読に成功するよう作動された発光部分に関するデータを記録するメモリを更に備える請求項1に記載のデジタル走査装置。
【請求項15】
前記個々に制御可能な発光部分の明るさを変更するよう更に前記制御器がプログラムされている請求項1に記載のデジタル走査装置。
【請求項16】
前記画像センサの露出時間を変更するよう更に前記制御器がプログラムされている請求項1に記載のデジタル走査装置。
【請求項17】
(a)照射面に暗視野照明と明視野照明の少なくとも一方を照射するため、複数の個々に制御可能な発光部分を符号化されたデータコードの周囲に配列するステップと、
(b)前記個々に制御可能な発光部分の少なくとも一つを用いて前記符号化されたデータコードを照射するステップと、
(c)画像データセットを取得するステップと、
(d)該画像データセットを評価し、解読に適しているかを判断するステップと、
(e)前記個々に制御可能な発光部分から照射される光を変更するため発光パラメータを選択的に変更し、前記符号化されたデータコードへの前記照明を変更するステップと、
(f)前記画像データセットが解読に適したものとなるまでステップ(d)及びステップ(e)を繰り返すステップと、
を備える符号化されたデータコードを解読する方法。
【請求項18】
前記個々に制御可能な発光部分を四分円弧にして前記照射面のまわりに配列するステップを更に備える請求項17に記載の方法。
【請求項19】
解読に適すると認識された前記選択的に作動及び非作動とされる発光部分の設定を記録するステップ(g)を更に備える請求項17に記載の方法。
【請求項20】
ステップ(b)が、記録された照明の前記設定を読み出すことを備える請求項17に記載の方法。
【請求項21】
ステップ(b)が、前記発光部分を各々作動するため初期設定パラメータを読み出すことを備える請求項17に記載の方法。
【請求項22】
ステップ(d)が、前記コードを解読するため前記取得された画像データを評価することを備える請求項17に記載の方法。
【請求項23】
ステップ(d)が、明暗画素の相対強度を評価すべく前記取得された画像データを評価することを備える請求項17に記載の方法。
【請求項24】
ステップ(a)が、前記発光部分を四分円弧に配列することを備え、続くステップ(b)が該四分円弧の一以上の組合せを逐次作動することを備える請求項17に記載の方法。
【請求項25】
ステップ(a)が、明視野照明及び暗視野照明の各々を選択的に照射することを備える請求項17に記載の方法。
【請求項26】
ステップ(e)が、前記照明の明るさを変更するため、前記個々に制御可能な発光部分の少なくとも一つに適用される信号を調節することによって照射される光を変更することを備える請求項17に記載の方法。
【請求項27】
ステップ(e)が、前記コードを照射する露出時間を変更することを備える請求項17に記載の方法。
【請求項28】
ステップ(e)が、焦点を変更することを備える請求項17に記載の方法。
【請求項29】
ステップ(e)が、前記個々に制御可能な発光部分の少なくとも一つを選択的に作動することを備える請求項17に記載の方法。
【請求項30】
解読されるコードを含む近接面に暗視野照明を照射するリング光源と、
該光源から投射される光を選択的に変更するため、該リング光源に接続された制御器と、
前記コードの画像データを取得するため該制御器に接続された画像センサとを備え、
該画像データを評価して該画像データが前記コードを解読するのに十分であるかどうかを判断し、前記画像データが前記コードを解読するのに十分となるまで前記光源から投射される光を変更するよう前記制御器がプログラムされているデジタル走査装置。
【請求項31】
発光条件を記録するため前記制御器に接続されたメモリを更に備える請求項30に記載のデジタル走査装置。
【請求項32】
前記データの統計的分析に基づき、前記コードを解読するのに該データが十分であるかどうか判断するよう更に前記制御器がプログラムされている請求項30に記載のデジタル走査装置。
【請求項33】
前記コードの解読ができるか試行することによって、該コードを解読するのに前記データが十分であるか否かを判断するよう更に前記制御器がプログラムされている請求項30に記載のデジタル走査装置。
【請求項34】
明視野照明を前記近接面に照射するため明視野光源を更に備え、該明視野光源を選択的に作動して前記コードを照射するよう更に前記制御器がプログラムされている請求項30に記載のデジタル走査装置。
【請求項35】
前記リング光源が受動の光導管からなる請求項30に記載のデジタル走査装置。
【請求項36】
前記リング光源が能動の光導管からなる請求項30に記載のデジタル走査装置。
【請求項37】
前記リング光源が複数の個々に制御可能な発光部分からなる請求項30に記載のデジタル走査装置。
【請求項38】
前記コードから反射される光を検出するため、及び前記発光条件を変更すべく前記制御器にフィードバック情報を与えるため、該制御器に接続された画像センサを更に備える請求項30に記載のデジタル走査装置。
【請求項39】
弓形光源と、
該光源から投射される光を選択的に変更するため、該弓形光源に接続された制御器と、
コードに関する画像データを取得するため、該制御器に接続された画像センサとを備え、
前記画像データを評価して該画像データが前記コードを解読するのに十分であるか否かを判断し、該画像データが該コードを解読するのに十分となるまで前記光源から投射される光を変更するよう前記制御器がプログラムされているデジタル走査装置。
【請求項40】
前記弓形光源がリングの一部からなる請求項39に記載のデジタル走査装置。
【請求項41】
前記弓形光源がリングからなる請求項39に記載のデジタル走査装置。
【請求項42】
前記弓形光源が複数の個々に制御可能な発光部分からなる請求項39に記載のデジタル走査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図3A】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2007−509442(P2007−509442A)
【公表日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−536784(P2006−536784)
【出願日】平成16年10月21日(2004.10.21)
【国際出願番号】PCT/US2004/034872
【国際公開番号】WO2005/043449
【国際公開日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【出願人】(500576452)コグネックス・テクノロジー・アンド・インベストメント・コーポレーション (14)
【Fターム(参考)】