説明

走行ガイド付き載物台

【課題】 復元を短時間で行うことができ、元の状態に正確に復元することができ、復元のための作業乃至操作が簡単である走行ガイド付き載物台を提供すること。
【解決手段】 左右の前部ガイドベース(104,105)のそれぞれと左右の後部ガイドベース(204,205)のそれぞれとの分割点(P2)は、前部定盤(103)と後部定盤(203)との分割点(P1)よりも所定距離(L1)だけ前部ブロック側へと進入した点に位置決められており、かつ左右の前部ガイドレール(109)のそれぞれと左右の後部ガイドレール(209)のそれぞれとの分割点(P3)は、左右の前部ガイドベースのそれぞれと前記左右の後部ガイドベースのそれぞれとの分割点(P2)よりも所定距離(L2,L3)だけ前部ブロック側へと進入した点に位置決められている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、各種のパネル処理装置(例えば、液晶ガラス基板用レーザリペア装置、液晶マスクレーザリペア装置、液晶ディスプレイ欠陥検査装置、液晶マスク欠陥検査装置、太陽電池パネルパターンニング装置、等々)に好適な走行ガイド付載物台に係り、特に、分割可能な構成を採用することで陸送時や搬入時の通り抜け適性を向上させた走行ガイド付き載物台に関する。
【背景技術】
【0002】
走行ガイド付き載物台上に門型梁状支持機構(以下、「ガントリ」と言う)を、左右方向へと向けたままで、前後方向へと走行自在に搭載すると共に、このガントリに沿って、パネルリペア用ユニットやパネル検査用ユニットを走行自在とすることで、処理対象パネル面に沿って、パネルリペア用ユニットやパネル検査用ユニットをXY走査可能としたパネル処理装置(例えば、液晶ガラス基板用レーザリペア装置、液晶マスクレーザリペア装置、液晶ディスプレイ欠陥検査装置、液晶マスク欠陥検査装置、太陽電池パネルパターンニング装置等)は、従来より種々知られている。
【0003】
このようなパネル処理装置の1つである液晶ガラス基板用レーザリペア装置(以下、単に「レーザリペア装置」と言う)の一例が図6に示されている。
【0004】
同図に示されるように、このレーザリペア装置4は、走行ガイド付き載物台(詳細は後述する)41上にガントリ(詳細は後述する)5を左右方向へと向けたまま、前後方向へと走行可能に搭載すると共に、このガントリ5に沿って、レーザリペア用光学ユニットUを走行可能とすることで、処理対象パネル上において、パネルリペア用ユニットUをXY走査可能としたものである。
【0005】
図示の走行ガイド付載物台41は、処理対象パネルが載置される石定盤403と、この石定盤403上の左右両側縁部に沿って前後方向へと延設される左右のガイドベース404,405と、これら左右のガイドベース404,405のそれぞれの上に延設される互いに平行な2本のガイドレール(すなわち、左側ガイドベース404上の2本のガイドレール406,407、及び右側ガイドベース405上の2本のガイドレール408,409)と、複数の除振マウント402を介して石定盤403を支えるための架台401とを包含するものである。
【0006】
なお、左側ガイドベース404の上面には、2本のガイドレール406,407の他に、リニアモータの固定子410が、また外側面には、リニアスケール414(図示せず)が取り付けられている。同様に、右側ガイドベース405の上面にも、2本のガイドレール408,409の他に、リニアモータの固定子411が、また外側面には、リニアスケール414が取り付けられている。それらのリニアスケール414は、スケールリーダ414aにより位置情報の読み取りが行われる。
【0007】
図示の架台401は、それぞれ座板401aを介して床面に着座する複数本の脚柱401bと、それらの脚柱401bのうちの隣接するもの同士を繋ぐ脚柱間ビーム401cとから構成されている。架台401と石定盤403との間には、各脚柱401bの配置にそれぞれ対応させて除振マウント402が介在されている。除振マウント402は、当業者にはよく知られているように、圧縮空気を導入することで、その上に載せられた石定盤を、予め設定された空気圧に応じた揚力で持ち上げる作用を有する。
【0008】
図示の石定盤403は、所定の左右方向長及び前後方向長を有しかつ処理対象となるパネル(マザーガラス)が載置されるべき矩形状石定盤部分403aと、この矩形状石定盤部分403aの後端部の左右両側部のそれぞれから後方へと延設される左右の細長状石定盤部分403b,403bとを有する。そして、左右のガイドベース404,405は、矩形状石定盤部分403aの両側縁部とその後方へ続く左右の細長状石定盤部分403b,403bとに跨るようにしても、それらの全長に亘って延設されている。
【0009】
なお、矩形状石定盤部分403aの後端部の左右両側部のそれぞれから後方へと延設される左右の細長状石定盤部分403b,403bを設ける理由は、処理対象パネルの受け入れ又は払い出しの際に、ガントリ5を後退させて、レーザリペア機器Uの後方退避位置を確保する等のためには、左右のガイドレール406,407,408,409を矩形状石定盤部分403a後方まで延長する必要があるからである。
【0010】
上述の構成よりなる走行ガイド付載物台41とガントリ5との関係については、さらに、次のように説明される。
【0011】
左側ガイドベース404上には、リニアモータの可動子と一体をなす可動台501が、リニアモータの固定子410との間に生ずる磁力により、ガイドレール406,407に案内されつつ走行可能に搭載されている。右側ガイドベース405上には、リニアモータの可動子と一体をなす可動台502が、リニアモータの固定子411との間に生ずる磁力により、ガイドレール408,409に案内されつつ、走行可能に搭載されている。
【0012】
左側の可動台501と右側の可動台502との間には、門型梁部材(以下、「ガントリビーム」と言う)504が左右方向へと架け渡された状態で搭載されている。このガントリビーム504の側面にはガイドレール505及びリニアモータの固定子506が、また上面には互いに平行な2本のガイドレール507,508及びリニアモータの固定子509が延設されている。
【0013】
ガントリビーム504には、リニアモータの可動子と一体をなす可動台511が、固定子506,508との間に生ずる磁力により、ガイドレール505,507,508に案内されつつ、走行可能に搭載されている。そして、この可動台511には、レーザ光源及びレーザ出射用光学系を含むレーザリペア用ユニットUが搭載可能とされている。
【0014】
このように、レーザリペア装置4は、走行ガイド付き載物台41上にガントリ5を前後方向へと走行可能にかつ左右方向へと向けて搭載すると共に、このガントリ5に沿って、レーザリペア用ユニットUを左右方向へと走行可能とすることで、処理対象パネル上において、レーザリペア用ユニットUをXY走査可能としたものである。
【0015】
ところで、液晶ディスプレイパネルのTFT基板を製造する際には、1枚のマザーガラスに複数パネル分のTFT基板を作り込む、いわゆる「多面取り」が採用されるのが通例である。近年、液晶ディスプレイパネルの価格は、年々値下がりする傾向にあり、パネルメーカは、マザーガラスを大型化して、1枚のマザーガラスから生産できるTFT基板の枚数を増大させて生産効率を上げ、製造コストを低減させることで、パネルの値下がりに対応している。
【0016】
走行ガイド付き載物台41のサイズは、リペア対象となるマザーガラスのサイズに応じて増大し、リペア対象となるマザーガラスが第十世代対応のものになると、走行ガイド付き載物台41のサイズは、例えば(前後長)4300mm×(左右長)4300mmとなって、最早、そのままでは陸送や工場搬入に支障を来すこととなる。
【0017】
そこで、従来、装置全体を前部ブロックと後部ブロックとに2分割可能とすることで、陸送時や工場搬入時の通り抜け適性を向上させた走行ガイド付き載物台が種々知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2008−5669号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
しかしながら、装置全体を前部ブロックと後部ブロックとに2分割可能とすることで、陸送時や工場搬入時の通り抜け適性を向上させた従来の走行ガイド付き載物台にあっては、分割後の復元に時間がかかること、分割後に元の状態に正確に復元することが困難であること、分割後の復元のための作業乃至操作が複雑であること、と言った問題点があった。
【0019】
この発明は、上述の問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、復元を短時間で行うことができ、元の状態に正確に復元することができ、復元のための作業乃至操作が簡単である走行ガイド付き載物台を提供することにある。
【0020】
この発明のさらに他の目的並びに作用効果については、明細書の以下の記述を参照することにより、当業者であれば容易に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上述の[発明が解決しようとする課題]は、以下の構成を有する走行ガイド付き載物台により解決することができると考えられる。
【0022】
この走行ガイド付載物台は、定盤と、前記定盤上の左右両側縁部に沿って前後方向へと延設される左右のガイドベースと、前記左右のガイドベースの上に延設される1又は2以上の本数のガイドレールと、前記定盤を支えるための架台とを包含する走行ガイド付載物台であって、以下の特徴を有するものである。
【0023】
すなわち、この走行ガイド付き載物台は、その全体が、前側に位置する前部ブロックと後側に位置する後部ブロックとに前後2分割可能とされている。また、前記前部ブロックには、前部定盤と、左右の前部ガイドベースと、左右の前部ガイドレールと、前部架台とが含まれており、かつ前記後部ブロックには、後部定盤と、左右の後部ガイドベースと、左右の後部ガイドレールと、後部架台とが含まれている。
【0024】
さらに、前記左右の前部ガイドベースのそれぞれと前記左右の後部ガイドベースのそれぞれとの分割点は、前記前部定盤と前記後部定盤との分割点よりも所定距離だけ前記前部ブロック側へと進入した点に位置決められており、かつ前記左右の前部ガイドレールのそれぞれと前記左右の後部ガイドレールのそれぞれとの分割点は、前記左右の前部ガイドベースのそれぞれと前記左右の後部ガイドベースのそれぞれとの分割点よりも所定距離だけ前記前部ブロック側へと進入した点に位置決められている。
【0025】
このように構成されているため、両ブロックの分割面同士が向かい合う状態において、後部ブロックの側をジャッキ等で持ち上げ、そのまま前部ブロックに接近させ、定盤同士の分割点、ガイドベース同士の分割点、及びガイドレール同士の分割点がそれぞれ上下に整合する位置まで位置合わせしたのち、ジャッキを緩めて降下させれば、前部ブロック側定盤の後端部領域の上に、後部ブロック側のガイドベースの前端部領域が、前部ブロック側のガイドベースの後端部領域の上に、後部ブロック側のガイドレールが、それぞれ載って加重が支えられるから、定盤同士、ガイドベース同士、ガイドレール同士は独りでに垂直方向の位置合わせが行われて、突き合わせ整合状態となるから、その状態で適宜な締結手段にて前後のブロックを結合することで、元の状態に正確に復元することができ、復元を短時間で行うことができ、しかも復元のための作業乃至操作が簡単となる。
【0026】
このとき、前記左右の前部ガイドレール及び前記左右の後部ガイドレールを、互いに平行な複数本のガイドレールとすると共に、前記複数本のガイドレールのそれぞれにおける前部ガイドレールと後部ガイドレールとの分割点の位置を、各ガイドレール毎に異なるように決めておけば、ガイドレール上を走行する可動台が安定走行することに加えて、ガイドレール上の継ぎ目が揃わないことから、継ぎ目を走行する際の振動が緩和される。
【0027】
また、前記後部架台と前記後部定盤との間に、前後方向へ距離を隔てて、前側除振マウントと後側除振マウントとを介在すると共に、前記前側除振マウントの作動気体圧を前記後側除振マウントの気体圧よりも高めに設定しておけば、ガイドレール上を可動台と共に走行する重量物であるガントリが、前部ブロックから後部ブロックへと移り変わったとしても、後部ブロック側ガイドレールの沈み込みを最小に留めることができる。
【0028】
また、前記定盤を、所定の左右方向長及び前後方向長を有しかつ処理対象となるパネルが載置されるべき矩形状定盤部分と、この矩形状定盤部分の後端部の左右両側部のそれぞれから後方へと延設される左右の細長状定盤部分とで構成すると共に、前記前部定盤と前記後部定盤との分割点を、前記矩形状定盤部分と前記細長状定盤部分との境界点に位置するように決めれば、処理対象となるパネルが置かれる矩形状定盤部分には、前後ブロック分割の影響が及ばないため、分割・復元の前後でステージ平坦度や平滑度に変化が生じないことに加え、後部ブロック側の重量が軽量化されることで、分割作業及び復元作業が容易となる。
【0029】
また、前記前部定盤と前記後部定盤との間には、両定盤同士が接近する方向へと締結力を作用させることが可能な締結具を設ければ、そもそも、前後ブロック間の垂直方向の動きは既に固定されているため、それだけで、前後ブロックを十分な強度で結合することができる。
【0030】
また、前記左右の前部ガイドベース及び前記左右の後部ガイドベース上には、リニアモータの固定子が配置れば、それらガイドベース上をガイドレールで案内されつつ走行する可動台側に、リニアモータの可動子を組み込むだけで、直動駆動力を発生させることができる。
【0031】
また、前記左右のガイドレールのそれぞれの上を移動する左右の前後方向可動台と、前記左右の可動台の間に架け渡されるガントリビームと、前記ガントリービームの上に延設された左右方向ガイドレールと、前記左右方向ガイドレールの上を移動する左右方向可動台とを包含する、XY走査機構付きの載物台を実現することができる。
【0032】
このとき、前記左右方向可動台上に、パネルリペア用ユニット、及び/又は、パネル検査用ユニットを搭載可能とすれば、パネルリペア装置、及び/又は、パネル検査装置を容易に実現することができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、復元を短時間で行うことができ、元の状態に正確に復元することができ、復元のための作業乃至操作が簡単である走行ガイド付き載物台を製作することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下に、本発明に係る走行ガイド付き載物台の好適な実施の一形態を添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0035】
[レーザリペア装置全体の概略構成]
本発明が適用された液晶ガラス基板用レーザリペア装置(以下、単に「レーザリペア装置」と言う)1の前部ブロック10、後部ブロック20、及びそれら10、20の組立状態を、それぞれ左前方から見た斜視図が、図1、図2、及び図3に示されている。
【0036】
図3から明らかなように、このレーザリペア装置1は、走行ガイド付き載物台11と、この走行ガイド付き載物台11の上を、その軸を左右方向へ向けたままで、前後方向へと走行するガントリ3と、ガントリ3に沿って走行するレーザリペア用ユニットUとを含んで構成されている。
【0037】
レーザリペア用ユニットUには、前述のように、レーザ光源及びレーザ出射用光学系が含まれており、載物台11上に載置される液晶ガラス基板(図示せず)に対してレーザビームを適宜に照射することにより、欠陥リペア処理を実行可能とされている。
【0038】
[走行ガイド付き載物台の構成]
本発明の要部である走行ガイド付き載物台11の全体は、図3に示されるように、前側に位置する前部ブロック10(図1参照)と後側に位置する後部ブロック20(図2参照)とに前後2分割されている。
【0039】
[前部ブロックの構成]
(1)全体構成について
前部ブロック10には、図1に示されるように、所定の左右方向長及び前後方向長を有しかつ処理対象となるパネル(この例では、液晶ガラス基板)が載置されるべき矩形状の前部石定盤(前部石定盤部分)103と、前部石定盤103上の左右両側縁部に沿って前後方向へと延設される左右の前部ガイドベース104,105と、左右の前部ガイドベース104,105の上に延設される1又は2以上の本数(この例では、互いに平行な2本)のガイドレール(すなわち、左側の前部ガイドベース104の上に延設される互いに平行な2本のガイドレール106,107と、右側の前部ガイドベース105の上に延設される互いに平行な2本のガイドレール108,109)と、前部石定盤103を支えるための前部架台101とを包含するものである。
【0040】
(2)石定盤について
前部石定盤103は、この例では、前後方向長3100mm×左右方向長4300mmからなる表面が平滑な矩形状部材とされ、その厚みは350mm程度に設定されている。また、石材としては、公知の黒御影石等々が採用されている。なお、定盤の材質としては、必ずしも、石材に限られるものではなく、例えば、スチール製角パイプを組み合わせて溶接で接合したような金属製のものでもよい。
【0041】
(3)左右の前部ガイドベースについて
左右の前部ガイドベース104,105は、この例にあっては、所定の長さ(例えば、2400mm)、幅(例えば、305mm)、及び厚み(例えば、170mm)を有する細長状の部材であって、その材質としては、鉄等の剛性の高い金属、石材等が使用されている。なお、この例では、左右の前部ガイドベース104,105は、同一形状である。
【0042】
左右の前部ガイドベース104,105は、それぞれその先端を前部石定盤103の先端にほぼ一致させ、かつその後端については、前部石定盤103の後端103aよりも所定距離L1だけ後退した位置と一致するようにして、前部石定盤103上に、図示しないボルト等の締結具にてしっかりと固定されている。換言すれば、左右の前部ガイドベース104,105の各後端と前部石定盤103の後端103aとの間には、所定距離L1が確保されている。
【0043】
(4)左側2本のガイドレールについて
左側の前部ガイドベース104上に延設される2本のガイドレール106,107は、互いに長さの異なるものであり、短い方のガイドレール106は、その先端を当該前部ガイドベース104の先端にほぼ一致させ、かつその後端については、当該前部ガイドベース104の後端104aよりも所定距離L3だけ後退した位置と一致するようにして、当該前部ガイドベース104の上に、図示しないボルト等の締結具にてしっかりと固定されている。換言すれば、ガイドレール106の後端と前部ガイドベース104の後端104aとの間には、所定距離L3が確保されている。
【0044】
また、長い方のガイドレール107は、その先端を当該前部ガイドベース104の先端にほぼ一致させ、かつその後端については、当該前部ガイドベース104の後端104aよりも所定距離L2だけ後退した位置と一致するようにして、当該前部ガイドベース104の上に、図示しないボルト等の締結具にてしっかりと固定されている。換言すれば、ガイドレール107の後端と前部ガイドベース104の後端104aとの間には、所定距離L3が確保されている。
【0045】
その結果、短い方のガイドレール106の後端の位置と長い方のガイドレール107の後端の位置とは、前部ガイドベース104の長手方向において不一致となるように決められている。
【0046】
(5)右側2本のガイドレールについて
右側の前部ガイドベース105上に延設される2本のガイドレール108,109は、互いに長さの異なるものであり、短い方のガイドレール108は、その先端を当該前部ガイドベース105の先端にほぼ一致させ、かつその後端については、当該前部ガイドベース105の後端105aよりも所定距離L3だけ後退した位置と一致するようにして、当該前部ガイドベース105の上に、図示しないボルト等の締結具にてしっかりと固定されている。換言すれば、ガイドレール108の後端と前部ガイドベース105の後端105aとの間には、所定距離L3が確保されている。
【0047】
また、長い方のガイドレール109は、その先端を当該前部ガイドベース105の先端にほぼ一致させ、かつその後端については、当該前部ガイドベース105の後端105aよりも所定距離L2だけ後退した位置と一致するようにして、当該前部ガイドベース105の上に、図示しないボルト等の締結具にてしっかりと固定されている。換言すれば、ガイドレール109の後端と前部ガイドベース105の後端105aとの間には、所定距離L3が確保されている。
【0048】
その結果、短い方のガイドレール108の後端の位置と長い方のガイドレール109の後端の位置とは、前部ガイドベース105の長手方向において不一致となるように決められている。
【0049】
(6)架台について
前部架台101は、それぞれ座板101aを介して床面に着座する9本の脚柱101bと、それらの脚柱101bのうちの隣接するもの同士を繋ぐ脚柱間ビーム101cとを包含するものである。脚柱101b及び脚柱間ビーム101cの材質としては、例えばスチール製角パイプ等が使用される。
【0050】
(7)除振マウントについて
前部架台101と前部石定盤103との間には、9本の脚柱101bの配置に対応させて、除振マウント102が介在されている。除振マウント102は、当業者にはよく知られているように、圧縮された空気を導入することで、その上に載せられた石定盤を、予め設定された空気圧に応じた揚力で持ち上げる作用を有する。
【0051】
[後部ブロックの構成]
(1)全体構成について
後部ブロック20には、図2に示されるように、それぞれ細長状を有する左右の後部石定盤203A,203Bと、左右の後部石定盤203A,203Bの上に延設される左右の後部ガイドベース204,205と、左右の後部ガイドベース204,205の上に延設される1又は2以上の本数(この例では互いに平行な2本)の後部ガイドレール(すなわち、左側の後部ガイドベース204上に延設される互いに平行な2本のガイドレール206,207と、右側の後部ガイドベース205上に延設される互いに平行な2本のガイドレール208,209)と、左右の後部石定盤203A,203Bを支えるための後部架台201とを包含している。
【0052】
(2)左右の石定盤について
左右の後部石定盤203A,203Bは、この例にあっては、所定の長さ(例えば、1200mm)、幅(例えば、400mm)、及び前部石定盤103と同一の厚み(例えば、350mm)を有する上面が平坦な細長状の部材である。なお、この例では、左右の後部石定盤203A,203Bは同一形状であり、石材としては、公知の黒御影石等々が採用されている。なお、定盤の材質としては、必ずしも、石材に限られるものではなく、金属製のものでもよい。
【0053】
左側の後部石定盤203Aの先端部両側面には、後述する前後両ブロック結合時のボルト締め作業に供するための作業用空所212が凹設され、また同後部石定盤203Aの先端面には、上記の作業用空所212と連通する左右のボルト孔群213a,213bが前後方向へと向けて貫通形成されている。同様にして、右側の後部石定盤203Bの先端部両面には、後述する前後両ブロック結合時のボルト締め作業に供するための作業用空所212が凹設され、また同後部石定盤203Bの先端面には、上記の作業用空所212と連通する左右のボルト孔群214a,214bが前後方向へと向けて貫通形成されている。
【0054】
一方、左右の後部石定盤203A,203Bの先端面と対向する前部石定盤103の後端面にも、図示しないが、左右のボルト孔群(タップ孔)が設けられている。したがって、後述するように、予め用意された六角孔付きボルトaを作業用空所212側からボルト孔群213a,213b,214a,214bを構成する各ボルト孔に挿入して、左右の後部石定盤203A,203Bの先端面から突出させると共に、これを前部石定盤103の対向端面に設けられた図示しないタップ孔にねじ込み、作業用空所212の側面から六角孔付きレンチでボルトaを締め付けることで、前後の石定盤103,203同士が接近する方向の強力な締め付け力を容易に生成可能となる。
【0055】
(3)左右のガイドベースについて
左右の後部ガイドベース204,205は、この例にあっては、所定の長さ(例えば、1895mm)を有すると共に、左右の前部ガイドベース104,105に対応する幅(例えば、305mm)、及び厚み(例えば、170mm)を有する細長状の部材であって、その材質としては、鉄等の剛性の高い金属、石材等が使用されている。なお、この例では、左右の後部ガイドベース204,205は、同一形状である。
【0056】
左右の後部ガイドベース204,205は、それぞれその後端を左右の後部石定盤203A,203Bの後端にほぼ一致させ、かつその先端については、左右の後部石定盤203A,203Bの先端203a(図4参照)よりも所定距離L1だけ前進した位置と一致するようにして、左右の後部石定盤203A,203B上に、図示しないボルト等の締結具にてしっかりと固定されている。換言すれば、左右の後部ガイドベース204,205の各先端204a,205a(図4参照)と左右の後部石定盤203A,203Bの先端203aとの間には、所定距離L1が確保されている。
【0057】
(4)左側2本のガイドレールについて
左側の後部ガイドベース204上に延設される2本のガイドレール206,207は、互いに長さの異なるものであり、長い方のガイドレール206は、その後端を当該後部ガイドベース204(図4参照)の後端にほぼ一致させ、かつその先端については、当該後部ガイドベース204の先端204aよりも所定距離L3だけ前進した位置と一致するようにして、当該後部ガイドベース204の上に、図示しないボルト等の締結具にてしっかりと固定されている。換言すれば、ガイドレール206の先端と後部ガイドベース204の先端204aとの間には、所定距離L3が確保されている。
【0058】
また、短い方のガイドレール207は、その先端を当該後部ガイドベース204の後端にほぼ一致させ、かつその先端については、当該前部ガイドベース204の先端204a(図4参照)よりも所定距離L2だけ前進した位置と一致するようにして、当該後部ガイドベース204の上に、図示しないボルト等の締結具にてしっかりと固定されている。換言すれば、ガイドレール207の先端と後部ガイドベース204の先端204a(図4参照)との間には、所定距離L2が確保されている。
【0059】
その結果、長い方のガイドレール206の先端の位置と短い方のガイドレール207の先端の位置とは、後部ガイドベース204の長手方向において不一致となるように決められている。
【0060】
(5)右側2本のガイドレールについて
右側の後部ガイドベース205上に延設される2本のガイドレール208,209は、互いに長さの異なるものであり、長い方のガイドレール208は、その後端を当該後部ガイドベース205(図4参照)の後端にほぼ一致させ、かつその先端については、当該後部ガイドベース205の先端205aよりも所定距離L3だけ前進した位置と一致するようにして、当該後部ガイドベース205の上に、図示しないボルト等の締結具にてしっかりと固定されている。換言すれば、ガイドレール208の先端と後部ガイドベース205の先端205aとの間には、所定距離L3が確保されている。
【0061】
また、短い方のガイドレール209は、その先端を当該後部ガイドベース205の後端にほぼ一致させ、かつその先端については、当該前部ガイドベース205の先端205a(図4参照)よりも所定距離L2だけ前進した位置と一致するようにして、当該後部ガイドベース205の上に、図示しないボルト等の締結具にてしっかりと固定されている。換言すれば、ガイドレール209の先端と後部ガイドベース205の先端205a(図4参照)との間には、所定距離L2が確保されている。
【0062】
その結果、長い方のガイドレール208の先端の位置と短い方のガイドレール209の先端の位置とは、後部ガイドベース205の長手方向において不一致となるように決められている。
【0063】
(6)架台について
後部架台201は、それぞれ座板201aを介して床面に着座する4本の脚柱201bと、それらの脚柱201bのうちの隣接するもの同士を繋ぐ脚柱間ビーム201cとを包含するものである。脚柱201b及び脚柱間ビーム201cの材質としては、例えばスチール製角パイプ等が使用される。
【0064】
(7)除振マウントについて
後部架台201と後部石定盤203A,203Bとの間には、4本の脚柱201bの配置に対応させて、4個の除振マウント202a,202bが介在されている。除振マウント102は、当業者にはよく知られているように、圧縮された空気を導入することで、その上に載せられた石定盤を、予め設定された空気圧に応じた揚力で持ち上げるものである。それら4個の除振マウントのうちの前側に位置する左右2個の除振マウント202aの空気圧は、後側に位置する左右2個の除振マウント202bの空気圧よりも高目に設定されている。そのため、後述するように、ガントリ3が前部ブロック10から後部ブロック20へと移行して、後部ブロック20側に大なる荷重が加わったとしても、上述の除振マウント202a,202bの設定圧相違作用によって、前後の石定盤同士の繋ぎ目、前後のガイドベース同士の繋ぎ目、前後のガイドレール同士の繋ぎ目に生ずる歪みが軽減されることとなる。
【0065】
[ガントリの構成]
図1及び図3に示されるように、ガントリ3は、左側ガイドベース104,204上を走行する可動台301と、右側ガイドベース105,205上を走行する可動台302と、それら2つの可動台301,302の間に架け渡されるガントリビーム304と、ガントリビーム304上を走行する可動台310とから概略構成される。可動台310には、この例では、レーザリペアユニットUが搭載される。
【0066】
左右の可動台301,302の前後方向の動きは、左側固定子110,210及び右側固定子111,211と、左右の可動台301,302に組み込まれた可動子(図示せず)との間で作用するリニアモータ駆動力により実現される。可動台310の左右方向の動きは、左右方向の固定子306,309と可動台310に組み込まれた可動子(図示せず)との間で作用するリニアモータ駆動力により実現される。
【0067】
上記の前後動作は、左側ガイドベース104,204上の左側ガイドレール106,206と右側ガイドレール107,207と、右側ガイドベース105,205上の左側ガイドレール108,208と右側ガイドレール109,209とにより案内される。
【0068】
[走行ガイド付き載物台の作用]
以上の構成よりなる走行ガイド付き載物台によれば、その全体が、前側に位置する前部ブロック10と後側に位置する後部ブロック20とに前後2分割可能とされると共に、前部ブロック10には、前部石定盤103と、左右の前部ガイドベース104,105と、左右の前部ガイドレール(106,107、及び108,109)と、前部架台101とが含まれており、かつ後部ブロック20には、後部石定盤(203A,203B)と、左右の後部ガイドベース204,205と、左右の後部ガイドレール(206,207、及び208,209)と、後部架台201とが含まれており、さらに、左右の前部ガイドベース104,105のそれぞれと左右の後部ガイドベース204,205のそれぞれとの分割点P2は、前部石定盤103と後部石定盤(203A,203B)との分割点P1よりも所定距離L1だけ前部ブロック10側へと進入した点に位置決められており、かつ左右の前部ガイドレール(106,107、及び108,109)のそれぞれと前記左右の後部ガイドレール(206,207、及び208,209)のそれぞれとの分割点P3は、左右の前部ガイドベース104,105のそれぞれと左右の後部ガイドベース204,205のそれぞれとの分割点P2よりも所定距離(L2,L3)だけ前部ブロック側10へと進入した点に位置決められることとなる。
【0069】
そのため、図4に示されるよう、両ブロック10,20の分割面同士が向かい合う状態において、後部ブロック20の側をジャッキ等で持ち上げ、そのまま前部ブロック10に接近させ、石定盤同士の分割点P1、ガイドベース同士の分割点P2、及びガイドレール同士の分割点P3がそれぞれ上下に整合する位置まで位置合わせしたのち、ジャッキを緩めて降下させれば、前部ブロック側石定盤103の後端部領域の上に、後部ブロック側のガイドベース204,205の前端部領域が、前部ブロック側のガイドベース104,105の後端部領域の上に、後部ブロック側のガイドレール206,207,208,209が、それぞれ載って加重が支えられるから、石定盤同士、ガイドベース同士、ガイドレール同士は独りでに垂直方向の位置合わせが行われて、突き合わせ整合状態となるから、その状態で、所定本数の六角孔付きボルトaをボルト孔群201a,213b,214a,214bを介して、後部ブロック20側から前部ブロック10側へと通して、作業用空所212内で六角レンチにて締め付けるだけで、前後のブロック10,20をしっかりと結合することができ、元の状態に正確に復元することができると共に、復元を短時間で行うことができ、しかも復元のための作業乃至操作が簡単であると言う利点がある。
【0070】
また、左右の前部ガイドレール(106,107、及び108,109)及び左右の後部ガイドレール(206,207、及び208,209)は、互いに平行な2本のガイドレールとなっていることに加えて、2本のガイドレールのそれぞれにおける前部ガイドレールと後部ガイドレールとの分割点の位置P3は、各ガイドレール毎に異なるように決められているため、ガイドレール上を走行する可動台301,302が安定走行することに加えて、ガイドレール上の継ぎ目が左右方向に揃わないことから、継ぎ目を走行する際の振動が緩和される。
【0071】
また、後部架台201と後部石定盤203A,203Bとの間には、前後方向へ距離を隔てて、前側除振マウント202aと後側除振マウント202bとが介在されると共に、前側除振マウント202aの空気圧を後側除振マウント202bの空気圧よりも高めに設定しているため、ガイドレール上を可動台301,302と共に走行する重量物であるガントリ3が、前部ブロック10から後部ブロック2へと移り変わったとしても、後部ブロック側ガイドレール(206,207、及び208,209)の沈み込みを最小に留めることができる。
【0072】
また、石定盤の全体は、所定の左右方向長及び前後方向長を有しかつ処理対象となるパネルが載置されるべき矩形状石定盤部分403a(図6参照)と、この矩形状定盤部分の後端部の左右両側部のそれぞれから後方へと延設される左右の細長状石定盤部分403b,403b(図6参照)とで構成されると共に、前部石定盤と後部石定盤との分割点P1は、矩形状石定盤部分と細長状石定盤部分との境界点に位置するように決められているため、処理対象となるパネルが置かれる矩形状定盤部分403a(図6参照)には、前後ブロック分割の影響が及ばないため、分割・復元の前後でステージ平坦度や平滑度に変化が生じないことに加え、後部ブロック20側の重量が軽量化されることで、分割作業及び復元作業が容易となる。
【0073】
また、前部石定盤103と左右の後部細長状石定盤203A,203Bとの間には、両定盤同士が接近する方向へと締結力を作用させることが可能な締結具としてのボルトaを設けているため、そもそも、前後ブロック間の垂直方向の動きは既に固定されているため、それだけで、前後ブロックを十分な強度で結合することができる。
【0074】
また、左右の前部ガイドベース104,105及び左右の後部ガイドベース204,205上には、リニアモータの固定子110,111,210,211が配置れているため、それらガイドベース上をガイドレールで案内されつつ走行する可動台301,302側に、リニアモータの可動子を組み込むだけで、直動駆動力を発生させることができる。
【0075】
また、左右のガイドレールのそれぞれの上を移動する左右の前後方向可動台301,302と、左右の可動台301,302の間に架け渡されるガントリビーム304と、ガントリービーム304の上に延設された左右方向ガイドレール305,307,308と、左右方向ガイドレール305,307,308の上を移動する左右方向可動台310とを包含することから、XY走査機構付きの載物台を実現することができ、このとき、左右方向可動台310上に、パネルリペア用ユニットU、及び/又は、パネル検査用ユニットを搭載することによって、パネルリペア装置、及び/又は、パネル検査装置を容易に実現することができる。
【0076】
[実施形態の変形]
本発明は、ユニットUを変更するだけで、液晶マスクレーザリペア装置、液晶ディスプレイ欠陥検査装置、液晶マスク欠陥検査装置、太陽電池パネルパターンニング装置等の他のパネル処理装置にも適用できることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明の走行ガイド付き載物台は、例えば第十世代対応の液晶ガラス基板用レーザリペア装置に応用することで、陸送時や工場搬入時の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明が適用された液晶ガラス基板用レーザリペア装置の前部ブロックの左前方から見た斜視図である。
【図2】本発明が適用された液晶ガラス基板用レーザリペア装置の後部ブロックの左前方から見た斜視図である。
【図3】本発明が適用された液晶ガラス基板用レーザリペア装置の組立状態の左前方から見た斜視図である。
【図4】結合前のジャッキアップ状態を模式的に示す説明図である。
【図5】結合後の状態を模式的に示す説明図である。
【図6】従来の液晶ガラス基板用レーザリペア装置の一例を示す左前方から見た斜視図である。
【符号の説明】
【0079】
1,4 液晶ガラス基板用レーザリペア装置
3,5 ガントリ
10 前部ブロック
11,41 走行ガイド付き載物台
20 後部ブロック
101 前部架台
101a 座板
101b 脚柱
101c 脚柱間ビーム
102 除振マウント
103 前部石定盤
104 前部左側ガイドベース
105 前部右側ガイドベースス
106,107 前部左側ガイドベース上のガイドレール
108,109 前部右側ガイドベース上のガイドレール
110 前部左側ガイドベース上の固定子
111 前部右側ガイドベース上の固定子
201 後部架台
201a 座板
201b 脚柱
201c 脚柱間ビーム
202a 後部ブロックの前側除振マウント
202b 後部ブロックの後側除振マウント
203A 後部左側細長状石定盤
203B 後部右側細長状石定盤
204 後部左側ガイドベース
205 後部右側ガイドベース
206,207 後部左側ガイドベース上のガイドレール
208,209 後部右側ガイドベース上のガイドレール
210 後部左側ガイドベース上の固定子
211 後部右側ガイドベース上の固定子
212 作業用空所
213a,213b 後部左側細長状石定盤の左右のボルト孔群
214a,214b 後部右側細長状石状盤の左右のボルト孔群
301 前部左側ガイドベース上の可動台
302 前部右側ガイドベース上の可動台
303 リニアスケール
303a リニアリーダ
304 ガントリビーム
305,307,308 ガイドレール
306,309 ガントリビーム上の固定子
310 ガントリビーム上の可動台
401 架台
401a 座板
401b 脚柱
401c 脚柱間ビーム
402 除振マウント
403 石定盤
403a 矩形状石定盤部分
403b 細長状石状盤部分
404,405 ガイドベース
406,407 左側ガイドベース上のガイドレール
408,409 右側ガイドベース上のガイドレール
410,411 リニアモータの固定子
414 リニアスケール
414a リニアリーダ
501,502 可動台
504 ガントリビーム
505,507,508 ガイドレール
506,509 リニアモータの固定子
U レーザリペアユニット
a ボルト
P1 前部石定盤と後部石定盤との分割点
P2 前部ガイドベースと後部ガイドベースとの分割点
P3 前部ガイドレールと後部ガイドベースとの分割点
L1 ガイドベースの前進又は後退距離
L2,L3 ガイドレールの前進又は後退距離
F 床面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
定盤と、
前記定盤上の左右両側縁部に沿って前後方向へと延設される左右のガイドベースと、
前記左右のガイドベースの上に延設される1又は2以上の本数のガイドレールと、
前記定盤を支えるための架台とを包含する走行ガイド付載物台であって、
前記走行ガイド付載物台の全体は、
前側に位置する前部ブロックと後側に位置する後部ブロックとに前後2分割可能とされており、
前記前部ブロックには、前部定盤と、左右の前部ガイドベースと、左右の前部ガイドレールと、前部架台とが含まれており、かつ前記後部ブロックには、後部定盤と、左右の後部ガイドベースと、左右の後部ガイドレールと、後部架台とが含まれており、
前記左右の前部ガイドベースのそれぞれと前記左右の後部ガイドベースのそれぞれとの分割点は、前記前部定盤と前記後部定盤との分割点よりも所定距離だけ前記前部ブロック側へと進入した点に位置決められており、かつ
前記左右の前部ガイドレールのそれぞれと前記左右の後部ガイドレールのそれぞれとの分割点は、前記左右の前部ガイドベースのそれぞれと前記左右の後部ガイドベースのそれぞれとの分割点よりも所定距離だけ前記前部ブロック側へと進入した点に位置決められている、ことを特徴とする走行ガイド付載物台。
【請求項2】
前記左右の前部ガイドレール及び前記左右の後部ガイドレールは、互いに平行な複数本のガイドレールをそれぞれ包含し、かつ
前記複数本のガイドレールのそれぞれにおける前部ガイドレールと後部ガイドレールとの分割点の位置は、各ガイドレール毎に異なるように決められている、ことを特徴とする請求項1に記載の走行ガイド付載物台。
【請求項3】
前記後部架台と前記後部定盤との間には、前後方向へ距離を隔てて、前側除振マウントと後側除振マウントとが介在され、かつ前記前側除振マウントの作動気体圧は前記後側除振マウントの気体圧よりも高めに設定されている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の走行ガイド付載物台。
【請求項4】
前記定盤は、所定の左右方向長及び前後方向長を有しかつ処理対象となるパネルが載置されるべき矩形状定盤部分と、この矩形状定盤部分の後端部の左右両側部のそれぞれから後方へと延設される左右の細長状定盤部分とを有し、かつ
前記前部定盤と前記後部定盤との分割点は、前記矩形状定盤部分と前記細長状定盤部分との境界点に位置決められている、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の走行ガイド付載物台。
【請求項5】
前記前部定盤と前記後部定盤との間には、両定盤同士が接近する方向へと締結力を作用させることが可能な締結具が設けられている、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の走行ガイド付載物台。
【請求項6】
前記左右の前部ガイドベース及び前記左右の後部ガイドベース上には、リニアモータの固定子が配置されている、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の走行ガイド付載物台。
【請求項7】
前記左右のガイドレールのそれぞれの上を移動する左右の前後方向可動台と、
前記左右の可動台の間に架け渡されるガントリビームと、
前記ガントリービームの上に延設された左右方向ガイドレールと、
前記左右方向ガイドレールの上を移動する左右方向可動台とを包含する、ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の走行ガイド付載物台。
【請求項8】
前記左右方向可動台上には、パネルリペア用ユニット、及び/又は、パネル検査用ユニットが搭載可能とされている、ことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の走行ガイド付載物台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−131696(P2010−131696A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−308911(P2008−308911)
【出願日】平成20年12月3日(2008.12.3)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】