説明

走行クレーンの免震支持装置

【課題】大地震が発生したとしても、脚部が浮き上がるように応答するロッキング現象を抑止することができ、被害を最小限に抑え得る走行クレーンの免震支持装置を提供する。
【解決手段】ブーム7は、運転休止時は起伏ドラムによるロープの巻上げにより枢着点Oを中心に上方へ回動させて起立させるようになっており、走行クレーン1の重心位置を前記走行方向と直角方向へ離間配置される脚部5の中間部に移行させる重心移行手段12を備え、該重心移行手段12により、運転休止時における前記ブーム7の起立動作に伴う走行クレーン1の重心位置変動を打ち消す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行クレーンの免震支持装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、港湾部等では、コンテナ等の荷物を船舶に積み降ろしするために大型の走行クレーンが使用されている。
【0003】
前記走行クレーンは、岸壁に敷設された走行レールに沿って車輪を介し走行可能となるよう、四本の脚部を走行方向並びに該走行方向と直角方向へ離間配置し、該脚部の上方に、該脚部の走行方向と直角方向へ延びるガーダと、該ガーダの先端部に枢着され且つ運転時はガーダの先端部から海側へ向け張り出すように配設されるブームとを設けてなる構成を有している。
【0004】
この種の走行クレーンにおいては、地震が発生した場合、特に、走行方向と直角方向の加振力が外力として走行クレーンに作用することになるため、平成7年1月に発生した阪神大震災以降、走行クレーンの耐震性を向上することが研究され、さまざまな制振構造や免震構造が開発されているが、港湾法の改正により、走行クレーンの免震支持装置の更なる性能向上が求められている。
【0005】
尚、前述の如き走行クレーンにおいて、地震発生時における脱輪防止の一般的技術水準を示すものとしては、例えば、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−235300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前述の如き走行クレーンにおいては、非常に大きな地震が起きた場合、該地震の加振力により、走行方向と直角方向にクレーンが揺れることで、該走行方向と直角方向に離間配置されるクレーンの脚部が左右交互に浮き上がるように応答する、いわゆるロッキング現象が発生し、浮き上がった側の脚部が着地する際、元の位置に戻らずに少し内側若しくは外側にずれ、その結果、車輪が走行レールから離脱する虞があった。
【0008】
そして、前記走行クレーンが運転時にブームをガーダの先端部から海側へ向け張り出した状態でも前述の如きロッキング現象は発生するが、特に運転休止時は、前記ブームを枢着点を中心に上方へ回動させて起立させるようになっており、走行方向と直角方向へ離間配置される脚部のうちブームの枢着点から遠い側、即ち陸側の脚部寄りにクレーンの重心位置が移動することから、地震の加振力により、走行方向と直角方向へ離間配置される脚部のうちブームの枢着点に近い側、即ち海側の脚部が浮き上がりやすくなり、前述の如きロッキング現象が更に発生しやすくなっていた。
【0009】
本発明は、斯かる実情に鑑み、大地震が発生したとしても、脚部が浮き上がるように応答するロッキング現象を抑止することができ、被害を最小限に抑え得る走行クレーンの免震支持装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、走行可能で且つ走行方向並びに該走行方向と直角方向へ離間配置される脚部の上方に、該脚部の走行方向と直角方向へ延びるガーダと、該ガーダの先端部に枢着され且つ運転時はガーダの先端部から張り出すように配設されるブームとが設けられ、該ブームを運転休止時は枢着点を中心に上方へ回動させて起立させる走行クレーンの免震支持装置において、
走行クレーンの重心位置を前記走行方向と直角方向へ離間配置される脚部の中間部に移行させる重心移行手段を備えたことを特徴とする走行クレーンの免震支持装置にかかるものである。
【0011】
上記手段によれば、以下のような作用が得られる。
【0012】
前述の如く構成すると、重心移行手段により、走行方向と直角方向へ離間配置される脚部の中間部に走行クレーンの重心位置を移行させることが可能となるため、この状態で、非常に大きな地震が起きたとしても、クレーンの脚部が交互に浮き上がるように応答する、いわゆるロッキング現象が抑制され、浮き上がった側の脚部が着地する際に元の位置に戻らずに少し内側若しくは外側にずれるようなことが避けられ、その結果、車輪が走行レールから離脱する心配がなくなる。
【0013】
前記走行クレーンの免震支持装置においては、前記重心移行手段により、運転休止時における前記ブームの起立動作に伴う走行クレーンの重心位置変動を打ち消すよう構成することができ、このようにすると、走行クレーンが運転休止時にブームを起立させた場合、重心移行手段により、運転休止時におけるブームの起立動作に伴う走行クレーンの重心位置変動を打ち消すよう、走行方向と直角方向へ離間配置される脚部の中間部に走行クレーンの重心位置を移行させることが可能となるため、この状態で、非常に大きな地震が起きたとしても、走行方向と直角方向へ離間配置される脚部のうちブームの枢着点から遠い側の脚部寄りにクレーンの重心位置は移動していないことから、地震の加振力により、走行方向と直角方向へ離間配置される脚部のうちブームの枢着点に近い側の脚部が浮き上がりにくくなり、ロッキング現象を抑制する上で非常に有効となる。
【0014】
前記走行クレーンの免震支持装置においては、前記走行クレーンの機械室を前記脚部の走行方向と直角方向へ移動自在に配設することにより、前記重心移行手段を構成することができる。
【0015】
又、前記走行クレーンの免震支持装置においては、前記走行クレーンの機械室を、固定配置される第一機械室と、脚部の走行方向と直角方向へ移動自在に配設される第二機械室とに分割し、該第二機械室によって前記重心移行手段を構成することもでき、このようにすると、前記機械室全体を移動させることが構造上困難となる場合に有効となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の走行クレーンの免震支持装置によれば、大地震が発生したとしても、脚部が浮き上がるように応答するロッキング現象を抑止することができ、被害を最小限に抑え得るという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の走行クレーンの免震支持装置の第一実施例を示す全体概要構成図である。
【図2】本発明の走行クレーンの免震支持装置の第一実施例における重心移行手段としての機械室の駆動系の一例を示す図であって、(a)は機械室の側面図、(b)は重心移行用車輪の正面図、(c)は位置決め固定用のアンカーの詳細図である。
【図3】本発明の走行クレーンの免震支持装置の第一実施例における重心移行手段としての機械室の駆動系の他の例を示す図であって、(a)は機械室の側面図、(b)は機械室の平面図である。
【図4】本発明の走行クレーンの免震支持装置の第二実施例を示す全体概要構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0019】
図1及び図2は本発明の走行クレーンの免震支持装置の第一実施例であって、図1に示す走行クレーン1は、コンテナクレーンであって、岸壁2に敷設された走行レール3に沿って車輪4を介し走行可能となるよう、四本の脚部5を走行方向並びに該走行方向と直角方向へ離間配置し、該脚部5の上方に、該脚部5の走行方向と直角方向へ延びるガーダ6と、該ガーダ6の先端部に枢着され且つ運転時はガーダ6の先端部から海側へ向け張り出すように配設されるブーム7とを設け、前記ガーダ6とブーム7に沿ってトロリー8を、機械室9内の横行ドラム(図示せず)によるロープ牽引方式により横行可能に配設し、該トロリー8から吊り下げられるスプレッダ10を介してコンテナ11を搬送できるようにしてなる構成を有している。
【0020】
前記ブーム7は、運転休止時は図示していない起伏ドラムによるロープの巻上げにより枢着点Oを中心に上方へ回動させて起立させるようになっており、走行クレーン1の重心位置を前記走行方向と直角方向へ離間配置される脚部5の中間部に移行させる重心移行手段12を備え、該重心移行手段12により、運転休止時における前記ブーム7の起立動作に伴う走行クレーン1の重心位置変動を打ち消すよう構成してある。尚、前記重心移行手段12を構成する機械室9は、図1の実線で示す如く、ガーダ6上の陸側へ後退する位置に固定された状態では、走行方向と直角方向へ離間配置される脚部5の中間部に走行クレーン1の重心位置が設定されるようにしてある。
【0021】
本第一実施例の場合、前記重心移行手段12は、前記走行クレーン1の機械室9を前記脚部5の走行方向と直角方向へ移動自在に配設することによって構成してある。
【0022】
前記機械室9を重心移行手段12とした場合、例えば、図2(a)に示す如く、前記ガーダ6の上面に、前記脚部5の走行方向と直角方向へ延びるガイドレール13を設け、該ガイドレール13上を転動する重心移行用車輪14を機械室9の底部に取り付け、図2(b)に示す如く、前記重心移行用車輪14に、減速機15aが一体化されたギヤードモータ15を駆動装置として取り付けるようにすれば、該ギヤードモータ15を回転駆動することにより、前記機械室9を脚部5の走行方向と直角方向へ移動させることができる。
【0023】
更に、前記機械室9は単に移動させるだけではなく、所定位置(走行クレーン1の運転時に陸側へ後退させる位置と走行クレーン1の運転休止時に海側へ前進させる位置)に固定する必要があるため、前記機械室9の底部には、図2(c)に示す如く、位置決め固定用のアンカー16を取り付けてある。該アンカー16は、前記機械室9の底部に固着されたブラケット17に、上下方向へ延びる短冊状金具18をリンクレバー19の押し下げ・引き上げ動作と連動させて昇降自在に設けてなる構成を有し、一方、前記ガーダ6上の機械室9を固定すべき位置に凹溝20を凹設し、該凹溝20内に基礎金具21を埋設し、前記短冊状金具18が凹溝20の上方に位置するよう前記機械室9を移動させ、前記短冊状金具18をリンクレバー19の引き上げ動作により下降させて凹溝20内に挿入した状態で、前記基礎金具21に穿設された孔21aと、前記短冊状金具18に穿設された孔18aとに連結ピン22を嵌入することにより、前記機械室9を前記所定位置に固定できるようにしてある。
【0024】
次に、上記第一実施例の作用を説明する。
【0025】
先ず、走行クレーン1の通常の運転時、ブーム7は、図1の実線で示す如く、ガーダ6の先端部から海側へ向け張り出すように配設されていると共に、重心移行手段12を構成する機械室9は、図1の実線で示す如く、ガーダ6上の陸側へ後退する位置に固定されており、走行方向と直角方向へ離間配置される脚部5の中間部に走行クレーン1の重心位置が設定されている。この状態で、非常に大きな地震が起きたとしても、クレーンの脚部5が交互に浮き上がるように応答する、いわゆるロッキング現象が抑制され、浮き上がった側の脚部5が着地する際に元の位置に戻らずに少し内側若しくは外側にずれるようなことが避けられ、その結果、車輪4が走行レール3から離脱する心配がなくなる。
【0026】
これに対し、前記走行クレーン1が運転休止時にブーム7を、図1の仮想線で示す如く、起立させた場合、重心移行手段12を構成する機械室9は、図1の仮想線で示す如く、ガーダ6上の海側へ前進する位置に移動させる。
【0027】
ここで、前記機械室9を移動させる際には、図2(c)の仮想線で示す如く、リンクレバー19を押し下げて短冊状金具18を上昇させた状態で、図2(b)に示すギヤードモータ15を前進方向へ回転駆動すると、重心移行用車輪14がガイドレール13上を転動し、前記機械室9が脚部5の走行方向と直角方向海側へ移動し、前記短冊状金具18が凹溝20の上方に位置したら、前記ギヤードモータ15の回転駆動を停止し、該短冊状金具18をリンクレバー19の引き上げ動作により下降させて凹溝20内に挿入した状態で、前記基礎金具21に穿設された孔21aと、前記短冊状金具18に穿設された孔18aとに連結ピン22を嵌入すると、前記機械室9がガーダ6上の海側へ前進する位置に固定される。
【0028】
これにより、運転休止時におけるブーム7の起立動作に伴う走行クレーン1の重心位置変動が打ち消され、走行方向と直角方向へ離間配置される脚部5の中間部に走行クレーン1の重心位置を移行させることが可能となるため、この状態で、非常に大きな地震が起きたとしても、走行方向と直角方向へ離間配置される脚部5のうちブーム7の枢着点Oから遠い側、即ち陸側の脚部5寄りにクレーンの重心位置は移動していないことから、地震の加振力により、走行方向と直角方向へ離間配置される脚部5のうちブーム7の枢着点Oに近い側、即ち海側の脚部5が浮き上がりにくくなり、クレーンの脚部5が左右交互に浮き上がるように応答するロッキング現象が抑制され、前述と同様、浮き上がった側の脚部5が着地する際に元の位置に戻らずに少し内側若しくは外側にずれるようなことが避けられ、その結果、車輪4が走行レール3から離脱する心配がなくなる。
【0029】
尚、前記走行方向と直角方向へ離間配置される脚部5の中間部に走行クレーン1の重心位置が設定されるということは、運転休止時において、陸側の脚部5における車輪4と、海側の脚部5における車輪4とに均等に荷重が作用することを意味し、陸側の脚部5における車輪4のみに荷重が集中せず、走行クレーン1並びに岸壁2に敷設される走行レール3双方にとって好ましいと言える。
【0030】
こうして、ブーム7を起立させた状態で大地震が発生したとしても、脚部5が浮き上がるように応答するロッキング現象を抑止することができ、被害を最小限に抑え得る。
【0031】
図3(a)及び図3(b)は本発明の走行クレーンの免震支持装置の第一実施例における重心移行手段12としての機械室9の駆動系の他の例を示す図であって、前記ガーダ6の上面に、前記脚部5の走行方向と直角方向へ延びるガイドレール13を設け、該ガイドレール13上を転動する重心移行用車輪14を機械室9の底部に取り付け、ガーダ6上に図示していないブラケットを介して第一ウインチ23と第二ウインチ24とを、それらの回転軸が前記ガイドレール13と直交する水平方向へ延びるよう配設し、前記第一ウインチ23から繰り出される第一ワイヤロープ23aの端部を機械室9の前面(海側の面)に接続し、第二ウインチ24から繰り出される第二ワイヤロープ24aを機械室9の底部を貫通させ、ガーダ6上に配設されるシーブ25,26に掛け回し、該第二ワイヤロープ24aの端部を機械室9の背面(陸側の面)に接続し、前記重心移行用車輪14には、ブレーキ(図示せず)を取り付けるようにしたものである。
【0032】
図3に示す例の場合、重心移行用車輪14のブレーキ(図示せず)を解除した状態で、第一ウインチ23によって第一ワイヤロープ23aを巻き取りつつ、第二ウインチ24によって第二ワイヤロープ24aを繰り出すと、機械室9がガイドレール13に沿って脚部5の走行方向と直角方向海側へ移動し、所定位置で前記重心移行用車輪14のブレーキ(図示せず)を作動させると、前記機械室9がガーダ6上の海側へ前進する位置に固定される。
【0033】
又、重心移行用車輪14のブレーキ(図示せず)を解除した状態で、前述とは逆に、第一ウインチ23によって第一ワイヤロープ23aを繰り出しつつ、第二ウインチ24によって第二ワイヤロープ24aを巻き取ると、機械室9がガイドレール13に沿って脚部5の走行方向と直角方向陸側へ移動し、所定位置で前記重心移行用車輪14のブレーキ(図示せず)を作動させると、前記機械室9がガーダ6上の陸側へ後退する位置に固定される。
【0034】
尚、図3に示す例において、前記重心移行用車輪14にブレーキを取り付ける代わりに、図2(c)に示すようなアンカー16を機械室9の底部に取り付けても良い。又、図2に示す例において、前記機械室9の底部にアンカー16を取り付ける代わりに、前記重心移行用車輪14にブレーキを取り付けることもできる。
【0035】
図4は本発明の走行クレーンの免震支持装置の第二実施例であって、図中、図1と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、基本的な構成は図1に示すものと同様であるが、本第二実施例の特徴とするところは、図4に示す如く、機械室9を、固定配置される第一機械室9aと、脚部5の走行方向と直角方向へ移動自在に配設される第二機械室9bとに分割し、該第二機械室9bによって重心移行手段12を構成した点にある。
【0036】
前記第二機械室9bの内部には、ブーム7の起伏装置27を設置してあるが、その他の電気品等を設置することもできる。
【0037】
又、前記第二機械室9bを脚部5の走行方向と直角方向へ移動させるための駆動系は、図2や図3に示すものと同様な構造を採用すれば良い。
【0038】
図4に示す第二実施例のように構成すると、図1に示す第一実施例の場合と同様、ブーム7をガーダ6の先端部から海側へ向け張り出すように配設した状態、或いはブーム7を起立させた状態で大地震が発生したとしても、脚部5が浮き上がるように応答するロッキング現象を抑止することができ、被害を最小限に抑え得ることに加え、前記機械室9全体を移動させることが構造上困難となる場合に有効となる。
【0039】
因みに、陸側の脚部5と海側の脚部5とのスパンが約30[m]程度となる規模の走行クレーン1において、ブーム7を起立させた際の走行クレーン1の重心位置を海側の脚部5からの水平距離として表し、図4に示す第二機械室9bの重量を約90[t]として該第二機械室9bを最大限海側へ移動させた場合(図4の仮想線を参照)、本発明者等の試算では、前記機械室9全体が固定配置される従来の走行クレーン1と比較して、図4に示す第二実施例のように構成した走行クレーン1の重心位置は約10[%]海側へ移行可能となることが確認された。
【0040】
又、前述の例では、重心移行手段12として既存の機械室9を利用したが、別途、質量を準備して重心移行手段12とすることも可能である。更に又、前記質量の移動は、ガーダ6上でも良いし、例えば水平材(図示せず)の上でも良い。
【0041】
尚、本発明の走行クレーンの免震支持装置は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0042】
1 走行クレーン
3 走行レール
4 車輪
5 脚部
6 ガーダ
7 ブーム
9 機械室
9a 第一機械室
9b 第二機械室
12 重心移行手段
O 枢着点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行可能で且つ走行方向並びに該走行方向と直角方向へ離間配置される脚部の上方に、該脚部の走行方向と直角方向へ延びるガーダと、該ガーダの先端部に枢着され且つ運転時はガーダの先端部から張り出すように配設されるブームとが設けられ、該ブームを運転休止時は枢着点を中心に上方へ回動させて起立させる走行クレーンの免震支持装置において、
走行クレーンの重心位置を前記走行方向と直角方向へ離間配置される脚部の中間部に移行させる重心移行手段を備えたことを特徴とする走行クレーンの免震支持装置。
【請求項2】
前記重心移行手段により、運転休止時における前記ブームの起立動作に伴う走行クレーンの重心位置変動を打ち消すよう構成した請求項1記載の走行クレーンの免震支持装置。
【請求項3】
前記走行クレーンの機械室を前記脚部の走行方向と直角方向へ移動自在に配設することにより、前記重心移行手段を構成した請求項1又は2記載の走行クレーンの免震支持装置。
【請求項4】
前記走行クレーンの機械室を、固定配置される第一機械室と、脚部の走行方向と直角方向へ移動自在に配設される第二機械室とに分割し、該第二機械室によって前記重心移行手段を構成した請求項1又は2記載の走行クレーンの免震支持装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−82506(P2013−82506A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−221523(P2011−221523)
【出願日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【出願人】(000198363)IHI運搬機械株式会社 (292)
【Fターム(参考)】