説明

走行データ処理装置および走行データ処理システム

【課題】複数の車両の走行データを統計処理し、その結果を地図上で可視化する。
【解決手段】走行データ取得端末20は、特定の車両の走行データを走行データ処理サーバ30に送信する。走行データ処理サーバ30は、当該走行データを受信して走行データ記憶部34に記録する。走行データ処理サーバ30は、走行データ記憶部34に記録された複数の車両の走行データを参照して所定の統計処理を行い、地図データ記憶部32に記録された地図データを取得して地図上の各領域の表示態様を決定する。地図情報表示端末80は、走行データ処理サーバ30より地図データを取得して表示装置90に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ処理技術に関し、特に、複数の車両の走行データに対する処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
貨物運送業、旅客運送業など車両を運行している運送関連企業において、安全な車両運行の実現は最重要の課題である。そのため運送関連企業では、車両運転手に対し安全運転を指導するために、各車両の運行状況を分析する必要性が高まっている。そこで、各車両の運行状況を分析するための情報であって、各車両の運行における挙動や走行位置等の走行データを蓄積するドライブレコーダが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−011909号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来技術においては、特定の車両の走行データを収集し、当該車両の挙動についての分析は可能であったものの、複数の車両の走行データを統計処理し、その結果を視覚的にわかりやすくユーザに提供できていなかった。当該統計処理の結果をわかりやすい形でユーザに提供することで、ユーザの利便性の向上および安全運行の実現を効果的に支援できると本発明者は考えた。
【0004】
本発明は、本発明者による上記着目に基づいて完成された発明であり、その主たる目的は、複数の車両の走行データを統計処理し、その結果を地図上で可視化する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の走行データ処理装置は、地図データを記憶する第1記憶部と、複数の車両の走行データを記憶する第2記憶部と、第2記憶部に記憶された複数の走行データから所定のイベントの発生を示すイベントデータを抽出するイベント抽出部と、同一の領域で発生したイベントのイベントデータに基づいて所定の統計処理を行い、第1記憶部より取得した地図データにおける領域の表示態様を決定する統計処理部とを備える。
【0006】
本発明の別の態様もまた、走行データ処理装置である。この装置は、地図データを記憶する第1記憶部と、複数の車両の走行データを記憶する第2記憶部と、第2記憶部に記憶された複数の走行データから所定のイベントの発生を示すイベントデータを抽出するイベント抽出部と、同一の地点で発生したイベントのイベントデータに基づいて所定の統計処理を行い、第1記憶部より取得した地図データにおける地点にイベントの発生を示すマークを配置する統計処理部とを備える。
【0007】
本発明のさらに別の態様は、走行データ処理システムである。この走行データ処理システムは、走行データ取得端末と、走行データ処理サーバと、地図情報表示端末とを備える。走行データ取得端末は、特定の車両の走行データを取得する走行データ取得部と、通信回線を介して走行データを走行データ処理サーバに送信する走行データ送信部とを有する。走行データ処理サーバは、地図データを記憶する第1記憶部と、複数の車両の走行データを記憶する第2記憶部と、走行データ取得端末から走行データを受信して第2記憶部に記録する走行データ受信部と、第2記憶部に記憶された複数の走行データから所定のイベントの発生を示すイベントデータを抽出するイベント抽出部と、同一の領域で発生したイベントのイベントデータに基づいて所定の統計処理を行い、第1記憶部より取得した地図データにおける領域の表示態様を決定する統計処理部とを有する。地図情報表示端末は、通信回線を介して走行データ処理サーバにアクセスして、表示態様が変更された地図データを取得する地図データ取得部と、取得された地図データを画面に表示させる地図データ表示部と、を有する。
【0008】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を装置、方法、システム、プログラム、プログラムを格納した記録媒体などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数の車両の走行データを統計処理し、その結果を地図上で可視化できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の実施の形態を説明する前に、まず本発明の概要を説明する。運送関連企業では、安全な車両運行を実現することは企業の死活問題である。そのためドライブレコーダ等を用いて、個々の車両運行における走行データの収集がなされることがある。また、多くの車両運転手が運転中に急ブレーキをする等の危険な挙動を行う地点は、例えば信号のない交差点や、見通しの悪いカーブなど多くの場合共通している。
【0011】
本発明は、収集された複数の車両の走行データを統計処理し、多くの車両運転手に共通して危険な領域または地点を地図上で可視化する技術を提案する。安全運行管理責任者や車両運転手に対し、統計処理の結果をわかりやすい形で提供することで、安全な車両運行を効果的に支援できると本発明者は考える。以下、実施の形態を説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施の形態における走行データ処理システム100の構成を示す。走行データ処理システム100は、記録媒体10と、走行データ取得端末20と、走行データ処理サーバ30と、通信ネットワーク70と、地図情報表示端末80と、表示装置90とを備える。通信ネットワーク70は、典型的には、LANや、WAN、インターネット等を含む通信回線である。
【0013】
記録媒体10は、車両運行における走行データを記録する媒体であり、典型的には、ドライブレコーダに搭載され、車両走行中の走行データが記録されたメモリーカードやDVD−RAM、DVD−RW、CD−RW等である。
【0014】
ここで、記録媒体10に走行データを記録する典型的な運用例について説明する。走行データを記録する対象の車両にはドライブレコーダが搭載されており、車両運転手は、1日の車両運行開始時に当該ドライブレコーダに記録媒体10をセットする。ドライブレコーダは、GPS受信機と加速度センサとを備えており、一定時間毎および/または所定の大きさ以上の加速度を検知したときに、時刻および車両の位置、加速度等を記録媒体10に記録する。なお、ドライブレコーダはカメラを備え、走行中の車外画像を撮影してもよい。この場合、所定の大きさ以上の加速度を検知したときには、当該検知時刻の前後所定の時間、例えば前後30秒の画像を走行データとして記録してもよい。
【0015】
図2は、記録媒体10に記録された走行データの構造を示す。同図の位置データ欄には、車両の位置を示す座標情報が記録される。座標情報には、GPS衛星からの電波信号により算出された経度および緯度の組が含まれ、同図ではX,Yとして示している。同図の加速度データ欄には、車両に搭載された加速度センサ等により検出された加速度情報(単位:m/s^2(^はべき乗を示す))が記録される。なお、同図の加速度情報は1つのみを例示しているが、多次元の加速度、例えば前後・左右・上下方向の加速度が取得できるときには、「前後加速度」・「左右加速度」・「上下加速度」等に分けて記録されてもよい。
【0016】
また図2は、車両が走行する位置の情報および加速度の情報を基本的には10秒ごとに記録していることを示している。しかし、同図では、9時24秒に所定の大きさ以上の加速度が検知されたため、当該時刻の走行データも第4レコードとして記録されている。また、前述したように走行データにはドライブレコーダのカメラにより撮影された画像データが含まれてもよい。画像データの利用については後述する。図1に戻る。
【0017】
走行データ取得端末20は、記録媒体10から走行データを取得して、当該走行データを走行データ処理サーバ30に送信する。典型的には記録媒体読み取り機能を備え、通信回線に接続されたPC等である。上述した運用例の場合、車両運転手は、一日の車両運行が終了すると、記録媒体10をドライブレコーダから取り出し、営業所に設置された走行データ取得端末20に記録媒体10をセットして、記録された走行データを読み込ませる。
【0018】
図3は、走行データ取得端末20の機能構成を示すブロック図である。走行データ取得端末20は、走行データ取得部22と、走行データ送信部24とを有する。本明細書のブロック図により示す構成は、ハードウェアコンポーネントでいえば、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0019】
走行データ取得部22は、記録媒体10より走行データを取得する。例えば、メモリカードリーダ機能を提供する。走行データ送信部24は、取得した走行データを、通信ネットワーク70を介して、走行データ処理サーバに送信する。図1に戻る。
【0020】
なお、走行データ取得端末20は、ドライブレコーダそのものであってもよい。この場合、走行データ取得端末20は、GPS受信機や加速度センサ等により位置情報や加速度情報等の走行データを自ら取得し、無線ネットワーク等を介して走行データ処理サーバ30に対し当該走行データをリアルタイムに送信してもよい。
【0021】
走行データ処理サーバ30は、複数の車両の走行データをもとに所定の統計処理を行い、その結果を地図データに反映する。走行データ処理サーバ30は、地図データ記憶部32と、走行データ記憶部34とを有する。走行データ処理サーバ30の構成および処理の詳細については後述する。
【0022】
地図データ記憶部32は、地図データを、それぞれが座標データで特定される複数の領域に分割して記憶する。図4は、地図データ記憶部32が記憶する地図データのイメージを示す。同図の実線は地図上の道路を示し、同図の破線は地図が複数の領域に分割されていることを示す。なお、同図において、建物等の表示は説明の簡明化のため省略しているが、道路以外の地図上の情報も当然に含まれてよい。分割された各領域は、経度や緯度等の座標情報でそれぞれ特定される。具体的には、走行データ処理サーバ30は、それぞれの領域を地図記号等で示した画像情報と、それぞれの領域の境界を示す経度・緯度情報を記憶してもよい。
【0023】
なお、図4では、以降の説明の便宜のため、行および列のそれぞれに記号を割り振っている。以下の説明では、各領域をこれらの記号により特定する。例えば、1行1列目の領域は「領域1−A」と表記し、3行3列目の領域は、「領域3−C」と表記する。図1に戻る。
【0024】
走行データ記憶部34は、複数の車両の走行データを記憶する。図5は、走行データ記憶部34に記録された走行データの構造を示す。図2の走行データと比較すると明らかなように、同図には車両名欄が含まれ、複数の車両の走行データを示している。同図における他の欄の意味は図2と同様である。図1に戻る。
【0025】
地図情報表示端末80は、走行データ処理サーバ30による統計処理の結果が反映された地図データを取得して、当該地図データを表示装置90に表示させる。地図情報表示端末80は、典型的には、運送関連企業の本社や営業所に設置され、ネットワークに接続されたPCである。図6は、地図情報表示端末80の機能構成を示すブロック図である。地図情報表示端末80は、地図データ取得部82と、地図データ表示部84とを有する。地図データ取得部82は、通信ネットワーク70を介して、走行データ処理サーバ30から地図データを取得する。地図データ表示部84は、取得した地図データを表示装置90に表示させる。
【0026】
図7は、表示装置90に表示された地図情報を示す。同図において、色が最も濃い領域である領域3−Aおよび領域2−Cは、複数の車両の運行において多くの危険な挙動があった領域(以下、「危険度4領域」と呼ぶ。)を示している。逆に、色に変化がない領域である領域2−A等は、危険な挙動が少ない領域(以下、「危険度1領域」と呼ぶ。)を示している。このように同図では、地図上の領域に付した色の濃さによって、車両の運行において注意すべき領域およびその程度を示している。図1に戻る。
【0027】
ここで、走行データ処理サーバ30を中心として、走行データ処理システム100の処理の流れを説明する。走行データ取得端末20は、特定の車両の走行データを走行データ処理サーバ30に送信する。走行データ処理サーバ30は、当該走行データを受信して、走行データ記憶部34に記録する。走行データ処理サーバ30は、走行データ記憶部34に記録された複数の車両の走行データを参照して所定の統計処理を行い、地図データ記憶部32に記録された地図データを取得して地図上の各領域の表示態様を決定する。地図情報表示端末80は、走行データ処理サーバ30より地図データを取得して、表示装置90に表示させる。以下、走行データ処理サーバ30の構成について詳細に説明する。
【0028】
図8は、走行データ処理サーバ30の機能構成を示すブロック図である。走行データ処理サーバ30は、既述した地図データ記憶部32および走行データ記憶部34と、走行データ受信部36と、イベント抽出部38と、統計処理部40とを含む。走行データ受信部36は、走行データ取得端末20から車両の走行データを受信して走行データ記憶部34に記録する。
【0029】
イベント抽出部38は、走行データ記憶部34に記憶された複数の走行データから所定のイベントの発生を示すイベントデータを抽出する。イベントとは、典型的には、車両運行における衝突事故や急ブレーキ、急発進等の危険な挙動を意味する。これら危険な挙動は加速度の変化として現れるため、イベント抽出部38は、走行データを参照して、所定の閾値以上の加速度を示す加速度データに対応付けられた位置データをイベントデータとして抽出してもよい。また、図2の説明において既述したように多次元の加速度が取得できる場合には、それぞれの加速度の大きさに応じてイベントデータを抽出してもよい。なお、イベント抽出の基準となる閾値は、急ブレーキや急発進発生時の一般的な加速度の大きさを当該閾値としてもよいが、車両の種類や運行する道路の状況によっても異なるため、実験により閾値を定めてもよい。
【0030】
統計処理部40は、同一の領域で発生したイベントのイベントデータに基づいて所定の統計処理を行い、地図データ記憶部32より取得した地図データにおける各領域の表示態様を決定する。統計処理部40は、領域判定部42と、変更判定部44と、表示態様変更部46とを含む。
【0031】
領域判定部42は、イベントの発生位置が地図データのいずれの領域であるかを特定する。既述したように、各領域は経度・緯度等の座標データにより特定され、また、イベントの発生位置も経度・緯度等の座標データにより特定できる。そのため、領域判定部42は、例えば、各領域の境界の座標データと、イベントの座標データとを比較することにより、イベントの発生位置が属する地図データの領域を特定する。
【0032】
変更判定部44は、地図データの各領域における表示態様の変更有無を判定する。以下、変更判定部44において表示態様の変更有無を判定する基準の具体例を示す。
1.地図データの同一の領域で発生したイベント数が所定の閾値以上であること。例えば、イベント数が10以上であること。
2.イベント抽出部38により抽出されたイベントの総数に対する同一の領域で発生したイベント数の割合が所定の閾値以上であること。例えば、イベント総数の10%以上であること。
【0033】
3.同一の領域で発生した1以上のイベントにおける加速度の平均値が所定の閾値以上であること。例えば、加速度の平均値が100(m/s^2)以上であること。
4.同一の領域で発生した1以上のイベントにおける加速度の最大値が所定の閾値以上であること。例えば、加速度の最大値が150(m/s^2)以上であること。
5.同一の領域で発生した1以上のイベントのうち、第1の閾値以上の加速度を持つイベントの割合が第2の閾値以上であること。
【0034】
上述した判定基準の5について図5の走行データを用いて具体例を示す。イベント抽出部38は、例えば、加速度が50以上のレコードの位置データおよび加速度データをイベントデータとして抽出する。この場合、図5の第1、第4、第6、第7、第8レコードの位置データが抽出される。次に、領域判定部42では、これらの発生位置はいずれも同一の領域であると判定されたとする。変更判定部44は、例えば、第1の閾値として加速度が100以上のイベントデータの割合、この場合は40%を算出する。変更判定部44は、例えば第2の閾値が20%であった場合、これらのイベントが発生した領域の表示態様を変更するように判定する。すなわち、この判定基準の場合、変更判定部44は、同一の領域で発生したイベントにおける特に危険度が高いイベントの割合に基づき、表示態様の変更有無を判定する。
【0035】
なお、上述の判定基準における閾値はいずれも、注意を喚起すべき領域として必要十分な領域の表示態様を変更できる値が望ましい。これらの閾値は、運送関連企業の経験値をもとに定めてもよいが、車両の種類や運行する道路の状況によっても異なるため、実験により閾値を定めてもよい。また、変更判定部44は、これらの閾値を段階的に複数設けて、変更の有無に加えて変更の程度、例えば中程度の危険度を有する領域を示す変更や、非常に危険度の高い領域を示す変更等を判定してもよい。
【0036】
段階的に複数設けた閾値の具体例を説明する。なお、図7で示したように、危険度1領域から危険度4領域までの4段階に分けるものとし、上述した5つの判定基準に対応付けて示す。
1.危険度1領域は5未満、危険度2領域は5以上10未満、危険度3領域は10以上20未満、危険度4領域は20以上。
2.危険度1領域は3%未満、危険度2領域は3%以上6%未満、危険度3領域は6%以上10%未満、危険度4領域は10%以上。
【0037】
3.危険度1領域は25未満、危険度2領域は25以上50未満、危険度3領域は50以上75未満、危険度4領域は75以上。
4.危険度1領域は75未満、危険度2領域は75以上100未満、危険度3領域は100以上150未満、危険度4領域は150以上。
5.第1の閾値である100以上の加速度を持つイベントの割合が、危険度1領域は0%、危険度2領域は0%より大きく5%未満、危険度3領域は5%以上10%未満、危険度4領域は10%以上。
【0038】
表示態様変更部46は、地図データの各領域のうち変更判定部44により表示態様を変更するように判定された領域の表示態様を変更する。例えば、図7で示すように、各領域の色彩を変更してもよく、各領域に所定のマークを配置してもよい。つまり、表示態様変更部46は、安全運行管理責任者や車両運転手の注意を喚起できるように地図データの各領域の表示態様を変更する。また、変更判定部44により変更の程度についても判定された場合には、当該判定に対応する表示態様に変更する。例えば、危険度の高い領域ほど、色を濃く変更し、また、危険度の高い領域ほど大きなマークを配置する。
【0039】
本実施の形態によれば、収集された複数の車両の走行データから危険な挙動を示すイベントを抽出し、抽出したイベントを統計処理して、その結果を地図上で可視化できる。具体的には、複数の車両や運転手にとって共通して危険と考えられる地図上の領域(以下、「危険領域」と呼ぶ。)を導出して、その領域を地図上で明確に示すことができる。言い換えれば、複数の走行データを収集して図5のような単なる表形式として示すのではなく、図7のように危険領域を地図上に展開することで、ユーザに対しわかりやすい形で情報提供できる。これにより、運送関連企業の安全運行管理責任者や車両運転手に、危険領域について注意を喚起でき、安全な車両運行を効率的に支援できる。
【0040】
また、本実施の形態によれば、イベントを抽出後、様々な統計処理により、危険領域を適切に導出できる。例えば、イベント数が多い地図上の領域を導出することで、危険な挙動が多い領域を導出できる。また、抽出イベント総数に対するイベント数の比率が高い地図上の領域を導出することで、他の領域と比較して危険な挙動が多い領域を導出できる。また、加速度の平均値または最大値が高い地図上の領域を導出することで、危険な挙動の程度が大きい領域を導出できる。また、大きな加速度を持つイベントの割合が大きい地図上の領域を導出することで、危険な挙動の程度およびその割合が大きい領域を導出できる。
【0041】
さらにまた、本実施の形態によれば、走行データ処理サーバ30は、ASP(Application Service Provider)の形態で、走行データ取得端末20および地図情報表示端末80(以下、「クライアント端末」と呼ぶ。)に対し、走行データの統計処理サービス・地図データ提供サービスを提供できる。これにより、クライアント端末側、典型的には運送関連企業側は、通信ネットワーク70にアクセスができれば、本サービスを享受できる。例えば、走行データ処理サーバ30においてWebインタフェースを提供することにより、クライアント側はWebブラウザを搭載したPCのみの準備で本サービスを享受でき、設備投資額を低減できる。
【0042】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0043】
第1の変形例について説明する。上述した実施の形態では、抽出したイベントデータの加速度に基づき様々な統計処理を実施した。本変形例では、危険の大きさを示す複数段階の危険値に基づき統計処理を実施する。本変形例においても、図1で示した走行データ処理システム100の構成および図8で示した走行データ処理サーバ30の構成は、上述した実施の形態と同様である。
【0044】
危険値は、図2で示した走行データの1レコードごとに決定されてよく、典型的には、加速度の大きさに基づき複数段階の危険値のいずれかが決定される。加速度を危険値にマッピングするのは、図1に図示しないドライブレコーダでもよく、走行データ取得端末20の図示しない危険値変換部でもよく、走行データ処理サーバ30の図示しない危険値変換部でもよい。ドライブレコーダが変換する場合には、図2で示した走行データには、危険値欄が追加される一方で、加速度データ欄は排除されてもよい。最終的に走行データ記憶部34に記録される走行データにおいては、少なくとも危険値のデータが含まれる。
【0045】
危険値が例えば1から10の10段階の場合には、各走行データは、その加速度の大きさに基づき、1から10のいずれかの危険値にマッピングされる。各危険値と加速度の範囲との関係は、運行関連企業の経験により定められてもよいし、実験により定められてもよい。
【0046】
本変形例においては、イベント抽出部38は、所定の閾値以上の危険値を持つ走行データをイベントとして抽出し、変更判定部44は、危険値の大きさをもとに変更有無の判定を行う。その判定基準の具体例を以下示す。
1.同一の領域で発生した1以上のイベントにおける危険値の平均値が所定の閾値以上であること。
2.同一の領域で発生した1以上のイベントにおける危険値の最大値が所定の閾値以上であること。
3.同一の領域で発生した1以上のイベントのうち、第1の閾値以上の危険値を持つイベントの割合が第2の閾値以上であること。
【0047】
本変形例においても、上述した実施の形態と同様の効果が得られる。さらに、既述したように多次元の加速度データが取得される場合にも、複数の加速度データを一つの危険値で集約できる。これにより、走行データ処理サーバでの統計処理における処理負荷が低減し、ハードウェア資源の使用量が低減される。
【0048】
次に第2の変形例について説明する。上述した実施の形態では、イベントが発生した地図上の領域における表示態様を変更することで、統計処理の結果を可視化した。本変形例では、イベントが発生した地図上の地点にマークを配置することで、統計処理の結果を可視化する。本変形例においても、図1で示した走行データ処理システムの構成は、上述した実施の形態と同様である。
【0049】
図9は、第2の変形例における表示装置90に表示される地図情報を示す。同図の黒丸は、走行データ処理サーバ30によって走行データが統計処理された結果、危険と考えられる地図上の地点(以下、「危険地点」と呼ぶ。)を示している。
【0050】
図10は、第2の変形例における走行データ処理サーバ30の機能構成を示すブロック図である。本変形例の統計処理部40は、地図上の同一の地点で発生したイベントのイベントデータに基づいて所定の統計処理を行い、地図データ記憶部32より取得した地図データにおける各地点にマークを配置する。統計処理部40は、地点判定部48と、マーキング判定部50と、マーキング部52とを含む。なお、統計処理部40以外の各機能ブロックの機能およびデータ構造は上述した実施の形態と同様であるため、以下説明を省略する。
【0051】
地点判定部48は、複数のイベントの発生位置を地図上の所定の地点に集約可能かを判定する。つまり、イベントの発生位置は個々のイベントによって厳密には異なることが多いが、近い位置で発生したイベントは同一の地点で発生したイベントであると判定する。具体的には、地図データにおける所定の地点を示す座標データと、イベントデータの発生位置を示す座標データとの差異が所定の閾値以内であることを条件として、当該所定の地点をイベントの発生位置とする。なお、この閾値についても、運行関連企業の経験に基づき定めてもよいし、実験により定めてもよい。例えば、発生位置が法定速度の時速60キロメートルで2秒の位置の差、つまり17メートルの範囲内のイベントは、同一の地点で発生したと判定してもよい。
【0052】
既述したように、多くの車両運転手が運転中に急ブレーキをする等の危険な挙動を行う地点は多くの場合共通している。ただし、現実にブレーキを踏むタイミングには個人差があるため、実際には同一交差点等での急ブレーキであっても厳密なイベント発生位置は異なることが多い。したがって、ある範囲内で発生しているイベントは同一の位置で発生したと判定した方が、より妥当な統計処理の結果を得られることが多い。別の観点から言えば、厳密に位置の際を判定した場合、地図上に非常に多くのマークが配置されることになり、可読性を落とす場合もある。地点判定部48は、イベント発生位置の調整を実現することで、統計処理部40における統計処理の結果をより現実に即したものにし、また、結果を表示する際の可読性を向上させる。
【0053】
また、地図データにおける所定の地点はあらかじめ静的に決定されていてもよい。例えば、信号のない交差点や見通しの悪いカーブ、慢性的に渋滞が発生する地点等、車両運行において危険と考えられる地点は、あらかじめ経験に基づき決定できる場合も多い。このような地点の座標情報をあらかじめ図示しない記憶部に記録しておき、地点判定部48は、イベントの発生位置を集約する際に、当該座標情報を参照してもよい。他の例として、地図データにおける所定の位置は、イベントの発生位置に応じて動的に決定されてもよい。例えば、複数のイベントの発生地点が近い場合、それらのイベントからの距離が最小となる座標を、最小二乗法等によって算出してもよい。地点判定部48は、動的に算出した座標と各イベントの座標データとの差異に基づき、複数のイベントの発生位置を集約できるか判定してもよい。
【0054】
マーキング判定部50は、地図データの各地点へのマーク配置の有無を判定する。マーキング判定部50においてマーク配置の有無を判定する基準については、実施の形態における変更判定部44の判定基準として既述した内容と同様である。ただし、マーキング判定部50においては、同一の領域ではなく、同一の地点で発生したイベントおよび地点判定部48により同一の地点で発生したこととされたイベントが基準となる。また、変更判定部44と同様に、マーキング判定部50においても、判定基準の閾値を段階的に複数設けて、マーク配置の有無に加えてマークの態様についても判定してよい。
【0055】
マーキング部52は、マーキング判定部50によりマークを配置するように判定された地点にマークを配置する。具体的には、地図データ記憶部32より取得した地図データにマークの画像データを付加する。また、複数の態様のマークを記憶しておき、マーキング判定部50によりマークの態様についても判定された場合には、当該判定に対応するマークを配置してもよい。
【0056】
さらに、走行データとして走行中の画像を撮影した走行画像データが追加されてもよい。この場合、マーキング部52は、地図データにマークの画像データを付加する際に、例えばハイパーリンクを使用してマークの画像データと走行画像データとを関連付ける。これにより図9の地図情報が表示された際、ユーザは地図上のマークをクリック等することで実際の走行中の画像を確認できる。この画像は、イベント発生時刻の前後所定の時間、例えば前後30秒にドライブレコーダで撮影された車外画像であってもよい。
【0057】
なお、交差点に配置するマークについては、交差点への進入コース毎にマークが配置されてもよい。交差点においては進入コース毎に危険度が異なる場合もあるからである。また交差点への進入コース毎にマークを配置することは、走行画像データがマークに関連付けられる際に特に有効である。すなわち、交差点への進入コース毎に撮影された画像は異なり、進入コース毎の画像を車両運転手等に確認させることで安全運行をさらに効果的に支援できる。
【0058】
本変形例においても、収集された複数の車両の走行データから危険な挙動を示すイベントを抽出し、抽出したイベントを統計処理して、その結果を地図上で可視化できる。具体的には、複数の車両や車両運転手にとって共通する危険地点を導出して、その地点を地図上で明確に示すことができる。これにより、運送関連企業の安全運行管理責任者や車両運転手に、危険地点について注意を喚起でき、安全な車両運行を支援できる。また、様々な統計処理により、危険地点を適切に導出できること、およびASPの形態による効果も、上述した実施の形態と同様である。
【0059】
さらにまた、本変形例においては、配置する各マークと走行画像データとを関連付けることができる。これにより、統計処理の結果の情報提供だけでなく、実際の車両走行における具体的な静止画または動画を提供でき、より一層の注意喚起を実現し、安全な車両運行をさらに効果的に支援できる。
【0060】
なお、実施の形態および本変形例の統計処理部40が組み合わせられてもよい。言い換えれば、統計処理部40は、領域判定部42と、変更判定部44と、表示態様変更部46と、地点判定部48と、マーキング判定部50と、マーキング部52とを備えてもよい。この場合、走行データ処理サーバ30は、車両の運行における危険領域および危険地点を併せて安全運行管理責任者等に提供できる。これにより、安全運行責任者は、まず、注意すべき地図上の領域を特定したうえで、さらにその領域の中で注意すべき地点についても把握できる。特に地図の縮尺を変化させて表示する際に、縮尺が小さい状態で広範囲から危険領域を特定しておき、縮尺を大きくして詳細に危険地点を確認する等の使い方が可能になり、ユーザの利便性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の実施の形態における走行データ処理システムの構成を示す図である。
【図2】記録媒体に記録された走行データの構造を示す図である。
【図3】走行データ取得端末の機能構成を示すブロック図である。
【図4】地図データ記憶部が記憶する地図データのイメージを示す図である。
【図5】走行データ記憶部に記録された走行データの構造を示す。
【図6】地図情報表示端末の機能構成を示すブロック図である。
【図7】表示装置に表示された地図情報を示す。
【図8】走行データ処理サーバの機能構成を示すブロック図である。
【図9】第2の変形例における表示装置に表示される地図情報を示す図である。
【図10】第2の変形例における走行データ処理サーバの機能構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0062】
10 記録媒体、20 走行データ取得端末、22 走行データ取得部、24 走行データ送信部、30 走行データ処理サーバ、32 地図データ記憶部、34 走行データ記憶部、36 走行データ受信部、38 イベント抽出部、40 統計処理部、42 領域判定部、44 変更判定部、46 表示態様変更部、48 地点判定部、50 マーキング判定部、52 マーキング部、70 通信ネットワーク、80 地図情報表示端末、82 地図データ取得部、84 地図データ表示部、90 表示装置、100 走行データ処理システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図データを記憶する第1記憶部と、
複数の車両の走行データを記憶する第2記憶部と、
前記第2記憶部に記憶された複数の走行データから所定のイベントの発生を示すイベントデータを抽出するイベント抽出部と、
同一の領域で発生したイベントのイベントデータに基づいて所定の統計処理を行い、前記第1記憶部より取得した地図データにおける前記領域の表示態様を決定する統計処理部と、
を備えることを特徴とする走行データ処理装置。
【請求項2】
前記第1記憶部は、前記地図データを、それぞれが座標データで特定される複数の領域に分割して記憶し、
前記イベント抽出部により抽出されるイベントデータには、車両の走行位置を示す座標データが含まれ、
前記統計処理部は、イベントの発生位置が前記複数の領域のいずれであるかを判定する領域判定部を含み、
前記領域判定部は、前記複数の領域それぞれを特定する座標データと、前記イベントデータに含まれる座標データとに基づき、イベントが発生した領域を特定することを特徴とする請求項1に記載の走行データ処理装置。
【請求項3】
前記複数の走行データには、車両の走行位置を示す座標データと、車両の走行における加速度の大きさを示す加速度データとがそれぞれ含まれ、
前記イベント抽出部は、前記複数の走行データを参照し、所定の閾値以上の加速度を示す走行データに含まれる座標データを前記イベントデータとして抽出することを特徴とする請求項1または2に記載の走行データ処理装置。
【請求項4】
前記複数の走行データには、車両の走行位置を示す座標データと、車両の走行における加速度の大きさと対応する複数段階の危険値データとがそれぞれ含まれ、
前記イベント抽出部は、前記複数の走行データを参照し、所定の閾値以上の危険値を示す走行データに含まれる座標データを前記イベントデータとして抽出することを特徴とする請求項1または2に記載の走行データ処理装置。
【請求項5】
前記統計処理部は、
前記表示態様の変更有無を判定する変更判定部と、
前記変更判定部により前記表示態様を変更するように判定されたことを条件として、前記表示態様を変更する表示態様変更部と、
を含み、
前記変更判定部は、前記同一の領域で発生したイベント数が所定の閾値以上であることを条件として、前記表示態様を変更するよう判定することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の走行データ処理装置。
【請求項6】
前記統計処理部は、
前記表示態様の変更有無を判定する変更判定部と、
前記変更判定部により前記表示態様を変更するように判定されたことを条件として、前記表示態様を変更する表示態様変更部と、
を含み、
前記変更判定部は、前記イベント抽出部により抽出されたイベントの総数に対する前記同一の領域で発生したイベント数の割合が所定の閾値以上であることを条件として、前記表示態様を変更するよう判定することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の走行データ処理装置。
【請求項7】
前記統計処理部は、
前記表示態様の変更有無を判定する変更判定部と、
前記変更判定部により前記表示態様を変更するように判定されたことを条件として、前記表示態様を変更する表示態様変更部と、
を含み、
前記変更判定部は、前記同一の領域で発生した1以上のイベントにおける前記加速度の平均値が所定の閾値以上であることを条件として、前記表示態様を変更するよう判定することを特徴とする請求項3に記載の走行データ処理装置。
【請求項8】
前記統計処理部は、
前記表示態様の変更有無を判定する変更判定部と、
前記変更判定部により前記表示態様を変更するように判定されたことを条件として、前記表示態様を変更する表示態様変更部と、
を含み、
前記変更判定部は、前記同一の領域で発生した1以上のイベントにおける前記加速度の最大値が所定の閾値以上であることを条件として、前記表示態様を変更するよう判定することを特徴とする請求項3に記載の走行データ処理装置。
【請求項9】
前記統計処理部は、
前記表示態様の変更有無を判定する変更判定部と、
前記変更判定部により前記表示態様を変更するように判定されたことを条件として、前記表示態様を変更する表示態様変更部と、
を含み、
前記変更判定部は、前記同一の領域で発生した1以上のイベントのうち前記加速度の大きさが第1の閾値以上であるイベントの割合を算出し、当該割合が第2の閾値以上であることを条件として、前記表示態様を変更するよう判定することを特徴とする請求項3に記載の走行データ処理装置。
【請求項10】
地図データを記憶する第1記憶部と、
複数の車両の走行データを記憶する第2記憶部と、
前記第2記憶部に記憶された複数の走行データから所定のイベントの発生を示すイベントデータを抽出するイベント抽出部と、
同一の地点で発生したイベントのイベントデータに基づいて所定の統計処理を行い、前記第1記憶部より取得した地図データにおける前記地点にイベントの発生を示すマークを配置する統計処理部と、
を備えることを特徴とする走行データ処理装置。
【請求項11】
前記イベント抽出部により抽出されるイベントデータには、車両の走行位置を示す座標データが含まれ、
前記統計処理部は、複数のイベントの発生位置を地図上の所定の地点に集約可能であるかを判定する地点判定部を含み、
前記地点判定部は、前記地図データにおける所定の地点を示す座標データと、前記複数のイベントそれぞれのイベントデータに含まれる座標データとの差異が所定の閾値以内であることを条件として、前記複数のイベントの発生位置を前記所定の地点に集約することを特徴とする請求項10に記載の走行データ処理装置。
【請求項12】
走行データ取得端末と、
走行データ処理サーバと、
地図情報表示端末と、
を備え、
前記走行データ取得端末は、
特定の車両の走行データを取得する走行データ取得部と、
通信回線を介して前記走行データを前記走行データ処理サーバに送信する走行データ送信部と、
を有し、
前記走行データ処理サーバは、
地図データを記憶する第1記憶部と、
複数の車両の走行データを記憶する第2記憶部と、
前記走行データ取得端末から走行データを受信して前記第2記憶部に記録する走行データ受信部と、
前記第2記憶部に記憶された複数の走行データから所定のイベントの発生を示すイベントデータを抽出するイベント抽出部と、
同一の領域で発生したイベントのイベントデータに基づいて所定の統計処理を行い、前記第1記憶部より取得した地図データにおける前記領域の表示態様を決定する統計処理部と、
を有し、
前記地図情報表示端末は、通信回線を介して前記走行データ処理サーバにアクセスして、前記表示態様が変更された地図データを取得する地図データ取得部と、
前記取得された地図データを画面に表示させる地図データ表示部と、
を有することを特徴とする走行データ処理システム。
【請求項13】
地図データを記憶する第1記憶機能と、
複数の車両の走行データを記憶する第2記憶機能と、
前記第2記憶機能において記憶された複数の走行データから所定のイベントの発生を示すイベントデータを抽出するイベント抽出機能と、
同一の領域で発生したイベントのイベントデータに基づいて所定の統計処理を行い、前記第1記憶機能から取得した地図データにおける前記領域の表示態様を決定する統計処理機能と、
をコンピュータに実現させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−110205(P2009−110205A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−280923(P2007−280923)
【出願日】平成19年10月29日(2007.10.29)
【出願人】(302049334)ジクー・データシステムズ株式会社 (9)
【Fターム(参考)】