説明

走行履歴収集システム及び走行履歴収集方法

【課題】走行履歴データの精度を高くすることができるようにする。
【解決手段】現在地検出部と、現在地に基づいて特定された道路リンクが連続して接続されているかどうかを判断する道路リンク判定処理手段と、不連続の道路リンクについて取得された走行データに基づいて、車両が不連続の道路リンクを実際に走行したかどうかを判断する走行判定処理手段と、車両が不連続の道路リンクを実際に走行した場合に、走行履歴データを記録する走行履歴データ記録処理手段とを有する。この場合、マッチング処理に誤差があっても、誤った走行履歴データが記録されることがなくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行履歴収集システム及び走行履歴収集方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション装置においては、例えば、GPS(グローバルポジショニングシステム)によって車両の現在の位置、すなわち、現在地が検出されるとともに、ジャイロセンサによって検出された車両の旋回角に基づいて、車両の方位、すなわち、自車方位が検出され、データ記録部から地図データが読み出され、表示部に地図画面が形成され、該地図画面に、現在地を表す自車位置、自車位置の周辺の地図及び自車方位が表示されるようになっている。したがって、操作者である運転者は、前記地図画面に表示された自車位置、自車位置の周辺の地図及び自車方位に従って車両を走行させることができる。
【0003】
また、運転者が目的地を入力し、探索条件を設定すると、該探索条件に基づいて、経路探索処理が行われ、前記地図データに従って現在地で表される出発地から目的地までの経路が探索される。そして、探索された経路、すなわち、探索経路は前記地図画面に自車位置と共に表示され、探索経路の案内、すなわち、経路案内が行われる。したがって、運転者は表示された探索経路に沿って車両を走行させることができる。
【0004】
ところで、前記ナビゲーション装置においては、車両が走行した道路における車両の走行実績を表す走行データが読み込まれ、該走行データに基づいて、車両の走行履歴を表す走行履歴データが作成され、前記データ記録部に記録され、収集されるようになっている。また、走行履歴データは必要に応じてプローブデータとして情報センタに送られ、該情報センタから他の車両、すなわち、他車に提供される(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2001−209883号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来のナビゲーション装置においては、マッチング処理が行われ、読み込まれた現在地の軌跡、及び現在地の周辺の道路を構成する各道路リンクの形状、配列等に基づいて、現在地がいずれの道路リンク上に位置するかの判定が行われ、現在地が特定されるようになっているが、マッチング処理における誤差によって走行していない道路を走行したと認識してしまうことがある。
【0006】
図2は従来の走行データの収集状態を示す第1の図、図3は従来の走行データの例を示す第1の図、図4は従来の走行データの収集状態を示す第2の図、図5は従来の走行データの例を示す第2の図である。
【0007】
図において、Li(i=1、2、…)は道路リンク、C1は交差点、Pt(t=1、2、…)は、所定の周期、例えば、100〔ms〕で走行データが収集されるポイントである。前記交差点C1において、道路リンクL1、L2、L4が交差する。
【0008】
図2の例の場合、車両は、各ポイントP1〜P5で道路リンクL1を、ポイントP6〜P9で道路リンクL2を、ポイントP10〜P14で道路リンクL3を走行していることになり、各ポイントPtで、現在地及び自車方位が検出されるとともに、現在地及び自車方位によって特定される道路リンクLiのリンク番号が、データ記録部から読み出され、走行データとして収集される。また、前記リンク番号は、上り及び下りの別で各道路リンクLiに付与されている。そこで、リンク番号に基づいて車両の進行方向が、順方向及び逆方向の別で判定され、同様に、走行データとして収集される。
【0009】
そして、図3に示されるように、各ポイントPtに対応させて、リンク番号及び進行方向が、データ記録部の走行データファイルに、走行データとして記録され、走行履歴データファイルに、走行履歴データとしてそのまま記録される。
【0010】
ところで、前述されたように、マッチング処理における誤差によって走行していない道路を走行したと認識してしまうことがある。
【0011】
図4の例の場合、実際に車両は、図2の場合と同様に、道路リンクL1〜L3を順に走行しているのにかかわらず、マッチング処理の誤差によって、道路リンクL1〜L3のほかに道路リンクL4を走行したと認識されている。
【0012】
この場合、マッチング処理上、車両は、各ポイントP1〜P5で道路リンクL1を、ポイントP6で道路リンクL4を、ポイントP7〜P10で道路リンクL2を、ポイントP11〜P15で道路リンクL3を走行していることになり、各ポイントPtで、現在地及び自車方位が検出されるとともに、現在地及び自車方位によって特定される道路リンクLiのリンク番号がデータ記録部から読み出され、走行データとして収集される。図4の場合、ポイントP6で現在地及び自車方位が検出されるとともに、現在地及び自車方位によって特定される道路リンクL4のリンク番号がデータ記録部から読み出され、走行データとして収集される。
【0013】
そして、図5に示されるように、各ポイントPtに対応させて、リンク番号及び進行方向が、データ記録部の走行データファイルに、走行データとして記録され、走行履歴データファイルに、走行履歴データとしてそのまま記録される。
【0014】
この場合、走行データは、連続する道路リンクL1〜L3のほかに、道路リンクL1〜L3とは連続しない道路リンクL4について収集され、走行していない道路を走行したと認識されてしまう。したがって、誤った走行履歴データが記録され、走行履歴データの精度が低くなってしまう。
【0015】
本発明は、前記従来のナビゲーション装置の問題点を解決して、走行履歴データの精度を高くすることができる走行履歴収集システム及び走行履歴収集方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
そのために、本発明の走行履歴収集システムにおいては、現在地を検出する現在地検出部と、現在地に基づいて特定された道路リンクが連続して接続されているかどうかを判断する道路リンク判定処理手段と、道路リンクが連続して接続されていない場合に、不連続の道路リンクについて取得された走行データに基づいて、車両が不連続の道路リンクを実際に走行したかどうかを判断する走行判定処理手段と、車両が不連続の道路リンクを実際に走行した場合に、不連続の道路リンクについての走行履歴データを記録する走行履歴データ記録処理手段とを有する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、不連続の道路リンクについて取得された走行データに基づいて、車両が不連続の道路リンクを実際に走行したかどうかが判断され、車両が不連続の道路リンクを実際に走行した場合に、走行履歴データが記録されるので、マッチング処理に誤差があって、走行していない道路を走行したと認識されても、誤った走行履歴データが記録されることがなくなる。したがって、走行履歴データの精度を高くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
図1は本発明の第1の実施の形態におけるナビゲーションシステムを示す図である。
【0020】
図において、10はパワートレイン制御部としての自動変速機制御部であり、該自動変速機制御部10は、所定の変速比で変速を行うパワートレイン、例えば、自動変速機としての無段変速機(CVT)、有段変速機(オートマチックトランスミッション)、電動駆動装置等の制御を行う。
【0021】
そして、14は情報端末、例えば、車両に搭載された車載装置としてのナビゲーション装置、63はネットワーク、51は情報提供者としての情報センタであり、前記自動変速機制御部10、ナビゲーション装置14、ネットワーク63、情報センタ51等によってナビゲーションシステムが構成される。
【0022】
前記ナビゲーション装置14は、現在地を検出する現在地検出部としてのGPSセンサ15、地図データのほかに各種の情報が記録された情報記録部としてのデータ記録部16、入力された情報に基づいて、ナビゲーション処理等の各種の演算処理を行うナビゲーション処理部17、自車方位を検出する方位検出部としての方位センサ18、操作者である運転者が操作することによって所定の入力を行うための第1の入力部としての操作部34、図示されない画面に表示された画像によって各種の表示を行い、運転者に通知するための第1の出力部としての表示部35、音声によって所定の入力を行うための第2の入力部としての音声入力部36、音声によって各種の表示を行い、運転者に通知するための第2の出力部としての音声出力部37、及び通信端末として機能する送受信部としての通信部38を備え、前記ナビゲーション処理部17に、GPSセンサ15、データ記録部16、方位センサ18、操作部34、表示部35、音声入力部36、音声出力部37及び通信部38が接続される。
【0023】
また、前記ナビゲーション処理部17には、前記自動変速機制御部10、車両の前端の所定の箇所に取り付けられ、車両の前方を監視する前方監視装置48、車両の後端の所定の箇所に取り付けられ、車両の後方を撮影する撮像装置としての、かつ、後方監視装置としてのバックカメラ(後方監視カメラ)49、運転者によるアクセルペダルの操作をアクセル開度で検出するエンジン負荷検出部としてのアクセルセンサ42、運転者によるブレーキペダルの操作をブレーキ踏込量で検出する制動検出部としてのブレーキセンサ43、車速Sを検出する車速検出部としての車速センサ44等が接続される。なお、アクセルセンサ42、ブレーキセンサ43等は運転者による車両の操作情報を検出するための車両操作情報検出部を構成する。
【0024】
前記GPSセンサ15は、人工衛星によって発生させられた電波を受信することによって地球上における現在地を検出し、併せて時刻を検出する。本実施の形態においては、現在地検出部としてGPSセンサ15が使用されるようになっているが、該GPSセンサ15に代えて図示されない距離センサ、ステアリングセンサ、高度計等を単独で、又は組み合わせて使用することもできる。また、前記方位センサ18としてジャイロセンサ、地磁気センサ等を使用することができる。
【0025】
前記データ記録部16は、地図データファイルから成る地図データベースを備え、該地図データベースに地図データが記録される。該地図データには、交差点に関する交差点データ、ノードに関するノードデータ、道路リンク、走行レーン等に関する道路データ、探索用に加工された探索データ、施設に関する施設データ等が含まれるほか、地物に関する地物データが含まれる。なお、前記データ記録部16には、所定の情報を音声出力部37によって出力するためのデータも記録される。
【0026】
さらに、前記データ記録部16には、統計データファイルから成る統計データベース、走行履歴データファイルから成る走行履歴データベース等が形成され、前記統計データファイルに統計情報としての統計データが、前記走行履歴データファイルに走行履歴としての走行履歴データが、いずれも実績データとして記録される。
【0027】
前記統計データは、過去に提供された交通情報の実績、すなわち、履歴を表す履歴情報であり、情報提供者としてのVICS(登録商標:Vehicle Information and Communication System)センタ等の図示されない道路交通情報センタ等によって過去に提供された交通情報、国土交通省によって提供された道路交通センサスによる交通量を表すデータである道路交通センサス情報、国土交通省によって提供された道路時刻表情報等を単独で、又は組み合わせて使用し、必要に応じて、加工し、統計処理を施すことによって作成される。なお、前記統計データに、渋滞状況を予測する渋滞予測情報等を加えることもできる。その場合、前記統計データを作成するに当たり、履歴情報に、日時、曜日、天候、各種イベント、季節、施設の情報(デパート、スーパーマーケット等の大型の施設の有無)等の詳細な条件が加えられる。
【0028】
前記統計データのデータ項目には、各道路リンクについてのリンク番号、走行方向を表す方向フラグ、情報の種類を表す情報種別、所定のタイミングごとの渋滞度、前記各道路リンクを走行したときの、所定のタイミングごとの所要時間を表すリンク所要時間、該リンク所要時間の各曜日ごとの平均的なデータ(例えば、曜日平均データ)等から成る。
【0029】
前記走行履歴データは、車両の走行履歴を表し、車両が走行した道路における車両の走行実績を表す走行データに基づいて作成され、前記データ記録部16に記録され、収集される。
【0030】
また、前記走行履歴データのデータ項目は、各道路リンクを走行したときの、所定のタイミングごとのリンク所要時間、各道路リンクを走行したときの、所定のタイミングごとの渋滞度等から成る。なお、前記統計データに、走行履歴データを加えることができる。また、本実施の形態において、渋滞度は、渋滞の度合いを表す渋滞指標として使用され、渋滞、混雑及び非渋滞の別で表される。
【0031】
また、走行履歴データは、必要に応じてプローブデータとして情報センタ51に送られ、該情報センタ51から他の車両、すなわち、他車に提供される。その場合、走行履歴データのうち、自車の走行履歴データによって自車履歴データが、他車の走行履歴データによって他車履歴データが構成される。
【0032】
前記データ記録部16は、前記各種のデータを記録するために、ハードディスク、CD、DVD、光ディスク等の図示されないディスクを備えるほかに、各種のデータを読み出したり、書き込んだりするための読出・書込ヘッド等の図示されないヘッドを備える。前記データ記録部16にメモリカード等を使用することができる。
【0033】
本実施の形態においては、前記データ記録部16に、前記地図データベース、統計データベース、走行履歴データベース等が配設されるようになっているが、情報センタ51において、前記地図データベース、統計データベース、走行履歴データベース等を配設することもできる。
【0034】
また、前記ナビゲーション処理部17は、ナビゲーション装置14の全体の制御を行う制御装置としての、かつ、演算装置としてのCPU31、該CPU31が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるRAM32、制御用のプログラムのほか、目的地までの経路の探索、経路案内等を行うための各種のプログラムが記録されたROM33、各種のデータ、プログラム等を記録するために使用される図示されないフラッシュメモリを備える。
【0035】
本実施の形態においては、前記ROM33に各種のプログラムを記録し、前記データ記録部16に各種のデータを記録することができるが、プログラム、データ等をディスク等に記録することもできる。この場合、ディスク等から前記プログラム、データ等を読み出してフラッシュメモリに書き込むことができる。したがって、ディスク等を交換することによって前記プログラム、データ等を更新することができる。また、前記自動変速機制御部10の制御用のプログラム、データ等も前記ディスク等に記録することができる。さらに、通信部38を介して前記プログラム、データ等を受信し、ナビゲーション処理部17のフラッシュメモリに書き込むこともできる。
【0036】
前記操作部34は、運転者が操作することによって、走行開始時の現在地を修正したり、出発地及び目的地を入力したり、通過点を入力したり、通信部38を作動させたりするためのものであり、前記操作部34として、表示部35とは独立に配設されたキーボード、マウス等を使用することができる。また、前記操作部34として、前記表示部35に形成された画面に画像で表示された各種のキー、スイッチ、ボタン等の画面操作部をタッチ又はクリックすることによって、所定の入力操作を行うことができるようにしたタッチパネルを使用することができる。
【0037】
前記表示部35としてディスプレイが使用される。そして、表示部35に形成された各種の画面に自車方位を表示したり、地図、探索経路、該探索経路に沿った案内情報、交通情報等を表示したり、探索経路における次の交差点までの距離、次の交差点における進行方向を表示したりすることができるだけでなく、前記画面操作部、操作部34、音声入力部36等の操作案内、操作メニュー、キーの案内を表示したり、FM多重放送の番組等を表示したりすることができる。
【0038】
また、音声入力部36は、図示されないマイクロホン等によって構成され、音声によって必要な情報を入力することができる。さらに、音声出力部37は、図示されない音声合成装置及びスピーカを備え、音声出力部37から、前記探索経路、案内情報、交通情報等が、例えば、音声合成装置によって合成された音声で出力される。
【0039】
前記通信部38は、前記道路交通情報センタから送信された現況の交通情報、一般情報等の各種の情報を、道路に沿って配設された電波ビーコン装置、光ビーコン装置等を介して電波ビーコン、光ビーコン等として受信するためのビーコンレシーバ、FM放送局を介してFM多重放送として受信するためのFM受信機等を備える。なお、前記交通情報には、渋滞情報、規制情報、駐車場情報、交通事故情報、サービスエリアの混雑状況情報等が含まれ、一般情報には、ニュース、天気予報等が含まれる。また、前記ビーコンレシーバ及びFM受信機は、ユニット化されてVICSレシーバとして配設されるようになっているが、別々に配設することもできる。
【0040】
前記交通情報は、情報の種別を表す情報種別、メッシュを特定するためのメッシュ番号、二つの地点(例えば、交差点)間を連結する道路リンクを特定し、かつ、上り/下りの別を表すリンク番号、該リンク番号に対応させて提供される情報の内容を表すリンク情報を含み、例えば、交通情報が渋滞情報である場合、前記リンク情報は、前記道路リンクの始点から渋滞の先頭までの距離を表す渋滞先頭データ、渋滞度、渋滞区間を前記渋滞の先頭から渋滞の末尾までの距離を表す渋滞長、道路リンクを走行するのに必要な時間を表すリンク所要時間等から成る。
【0041】
そして、通信部38は、前記情報センタ51から、前記地図データ、統計データ、走行履歴データ等のデータのほか、交通情報、一般情報等の各種の情報をネットワーク63を介して受信することができる。
【0042】
そのために、前記情報センタ51は、サーバ53、該サーバ53に接続された通信部57及び情報記録部としてのデータベース(DB)58等を備え、前記サーバ53は、制御装置としての、かつ、演算装置としてのCPU54、RAM55、ROM56等を備える。また、前記データベース58に、前記データ記録部16に記録された各種のデータと同様のデータ、例えば、前記地図データ、統計データ、走行履歴データ等が記録される。さらに、情報センタ51は、前記道路交通情報センタから送信された現況の交通情報、一般情報等の各種の情報、及び複数の車両(自車又は他車)から収集した走行履歴データをリアルタイムに提供することができる。
【0043】
なお、前記ナビゲーションシステム、ナビゲーション処理部17、CPU31、54、サーバ53等は、単独で又は二つ以上組み合わせることによってコンピュータとして機能し、各種のプログラム、データ等に基づいて演算処理を行う。また、データ記録部16、RAM32、55、ROM33、56、データベース58、フラッシュメモリ等によって記録媒体が構成される。そして、演算装置として、CPU31、54に代えてMPU等を使用することもできる。
【0044】
次に、前記構成のナビゲーションシステムの基本動作について説明する。
【0045】
まず、運転者によって操作部34が操作され、ナビゲーション装置14が起動されると、CPU31の図示されないナビ初期化処理手段は、ナビ初期化処理を行い、GPSセンサ15によって検出された自車の現在地、方位センサ18によって検出された自車方位を読み込むとともに、各種のデータを初期化する。次に、前記CPU31の図示されないマッチング処理手段は、マッチング処理を行い、読み込まれた現在地の軌跡、及び現在地の周辺の道路を構成する各道路リンクの形状、配列等に基づいて、現在地がいずれの道路リンク上に位置するかの判定を行うことによって、現在地を特定する。
【0046】
続いて、CPU31の図示されない基本情報取得処理手段は、基本情報取得処理を行い、前記地図データを、データ記録部16から読み出して取得するか、又は通信部38を介して情報センタ51等から受信して取得する。なお、地図データを情報センタ51等から取得する場合、前記基本情報取得処理手段は、受信した地図データをフラッシュメモリに書き込む。
【0047】
そして、前記CPU31の図示されない表示処理手段は、表示処理を行い、前記表示部35に各種の画面を形成する。例えば、表示処理手段の地図表示処理手段は、地図表示処理を行い、表示部35に地図画面を形成し、該地図画面に周囲の地図を表示するとともに、現在地を自車位置として、車両の方位を自車方位として表示する。
【0048】
したがって、運転者は、前記地図、自車位置及び自車方位に従って車両を走行させることができる。
【0049】
また、運転者が操作部34を操作して目的地を入力すると、CPU31の図示されない目的地設定処理手段は、目的地設定処理を行い、目的地を設定する。なお、必要に応じて出発地を入力し、設定することもできる。また、あらかじめ所定の地点を登録しておき、登録された地点を目的地として設定することができる。続いて、運転者が操作部34を操作して探索条件を入力すると、CPU31の図示されない探索条件設定処理手段は、探索条件設定処理を行い、探索条件を設定する。
【0050】
このようにして、目的地及び探索条件が設定されると、CPU31の図示されない経路探索処理手段は、経路探索処理を行い、前記現在地、目的地、探索条件等を読み込むともに、データ記録部16から探索データ等を読み出し、現在地、目的地及び探索データに基づいて、現在地で表される出発地から目的地までの経路を前記探索条件で探索し、探索経路を表す経路データを出力する。このとき、各道路リンクごとに付与されたリンクコストの合計が最も小さい経路が探索経路とされる。
【0051】
また、道路に複数のレーンが形成されている場合で、かつ、走行レーンが検出されている場合、前記経路探索処理手段は、レーン単位の探索経路を探索する。その場合、前記経路データには走行レーンのレーン番号等も含まれる。
【0052】
続いて、前記CPU31の図示されない案内処理手段は、案内処理を行い、経路案内を行う。そのために、前記案内処理手段の経路表示処理手段は、経路表示処理を行い、前記経路データを読み込み、該経路データに従って前記地図画面に探索経路を表示する。レーン単位の探索経路が探索されている場合は、所定の地点、例えば、案内交差点において、レーン単位の経路案内が行われ、交差点拡大図に経路案内がされている走行レーンが表示される。また、必要に応じて、前記案内処理手段の音声出力処理手段は、音声出力処理を行い、音声出力部37から探索経路を音声で出力して経路案内を行う。
【0053】
なお、前記情報センタ51において経路探索処理を行うことができる。その場合、CPU31は現在地、目的地、探索条件等を情報センタ51に送信する。該情報センタ51は、現在地、目的地、探索条件等を受信すると、CPU54の図示されない経路探索処理手段は、CPU31と同様の経路探索処理を行い、データベース58から探索データ等を読み出し、現在地、目的地及び探索データに基づいて、出発地から目的地までの経路を前記探索条件で探索し、探索経路を表す経路データを出力する。続いて、CPU54の図示されない送信処理手段は、送信処理を行い、前記経路データをナビゲーション装置14に送信する。したがって、ナビゲーション装置14において、前記基本情報取得処理手段が情報センタ51からの経路データを受信すると、前記案内処理手段は、前述されたような経路案内を行う。
【0054】
そして、探索経路上に案内交差点が存在する場合、車両が案内交差点より所定の距離(例えば、X〔m〕)だけ手前の経路案内地点に到達すると、前記案内処理手段の交差点拡大図表示処理手段は、交差点拡大図表示処理を行い、地図画面の所定の領域に前述されたような交差点拡大図を形成し、交差点拡大図による経路案内を行い、該交差点拡大図に、案内交差点の周辺の地図、探索経路、案内交差点において目印になる施設等の陸標、レーン単位の経路案内が行われている場合には走行レーン等を表示する。また、必要に応じて、前記音声出力処理手段は、音声出力部37から、例えば、「この先X〔m〕で左方向です。」のような音声を出力し、経路案内を行う。
【0055】
ところで、前記ナビゲーション装置14においては、前述されたように、車両が走行した道路における車両の走行実績を表す走行データが読み込まれ、該走行データに基づいて走行履歴データが作成され、前記データ記録部16に記録され、収集されるようになっている。
【0056】
そのために、前記CPU31の図示されない走行履歴収集処理手段は、走行履歴収集処理を行い、走行データに基づいて走行履歴データを作成し、データ記録部16に記録する。
【0057】
図6は本発明の第1の実施の形態における走行履歴収集処理手段の動作を示すメインフローチャートである。
【0058】
まず、走行履歴収集処理手段の初期化処理手段は、初期化処理を行い、走行データの各変数を初期化し、値nに零(0)をセットする。続いて、前記走行履歴収集処理手段の走行履歴記録処理手段は、走行履歴記録処理を行い、現在、車両が走行している道路リンクL(n)について、走行データを読み込み、該走行データに基づいて走行履歴データを作成し、記録する。
【0059】
そして、走行履歴収集処理手段は、運転者がイグニッションスイッチをオフにすることによってアクセサリスイッチがオフにされたかどうかを判断し、アクセサリスイッチがオフにされた場合、処理を終了する。
【0060】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 変数を初期化する。
ステップS2 走行履歴記録処理を行う。
ステップS3 値nをインクリメントする。
ステップS4 アクセサリスイッチがオフにされたかどうかを判断する。アクセサリスイッチがオフにされた場合は処理を終了し、オフにされない(オンである)場合はステップS2に戻る。
【0061】
次に、図6のステップS2における走行履歴記録処理のサブルーチンについて説明する。
【0062】
図7は本発明の第1の実施の形態における走行履歴記録処理のサブルーチンを示す図、図8は本発明の第1の実施の形態における走行データの収集状態を示す図、図9は本発明の第1の実施の形態における走行データの第1の例を示す図、図10は本発明の第1の実施の形態における走行データの第2の例を示す図、図11は本発明の第1の実施の形態における走行データの第3の例を示す図である。
【0063】
図において、Li(i=1、2、…)は道路リンク、C1は交差点、Pt(t=1、2、…)は、所定の周期、例えば、100〔ms〕で走行データが収集されるポイントである。前記交差点C1において、道路リンクL1、L2、L4が交差する。
【0064】
この場合、車両は、各ポイントP1〜P5で道路リンクL1を、ポイントP6、P7で道路リンクL4を、ポイントP8〜P11で道路リンクL2を、ポイントP12〜P16で道路リンクL3を走行していることになり、各ポイントPtで、現在地及び自車方位が検出されるとともに、現在地及び自車方位によって特定される道路リンクLiのリンク番号がデータ記録部から読み出され、走行データとして収集される。
【0065】
そのために、まず、走行履歴記録処理手段の道路リンク特定処理手段は、道路リンク特定処理を行い、現在地及び自車方位を読み込み、かつ、データ記録部16から道路データを読み出し、現在地及び自車方位によって、道路データに基づいて、車両が走行している道路リンクを特定する。
【0066】
次に、前記走行履歴記録処理手段の走行データ取得処理手段は、走行データ取得処理を行い、特定された道路リンクのリンク番号をデータ記録部16から読み出し、走行データとして収集する。また、前述されたように、前記リンク番号は、上り及び下りの別で各道路リンクLiに付与されている。そこで、前記走行データ取得処理手段は、リンク番号に基づいて車両の進行方向を、順方向及び逆方向の別で判定し、同様に、走行データとして収集する。そして、前記走行履歴記録処理手段の走行データ記録処理手段は、走行データ記録処理を行い、収集した走行データをデータ記録部16の走行データファイルに記録する。
【0067】
続いて、前記走行履歴記録処理手段の道路リンク判定処理手段は、道路リンク判定処理を行い、車両の走行方向における一つ先の道路リンクを走行するようになったかどうか、すなわち、現在走行している道路リンクが変化したかどうかを判断する。そして、車両が現在走行している道路リンクが変化した場合、前記道路リンク判定処理手段は、連続する3個のリンクLA〜LCの走行データを取得するために、現在走行している道路リンクL(n)をLAとし、一つ前に走行していた道路リンクL(n−1)をLBとし、二つ前に走行していた道路リンクL(n−2)をLCとする。本実施の形態においては、マッチング処理上では、時間が経過するのに伴って車両は道路リンクL1、L4、L2、L3の順に走行するので、現在、道路リンクL2を走行している場合、
LA=L2
LB=L4
LC=L1
になる。
【0068】
そして、前記道路リンク判定処理手段は、車両が走行する道路リンクLA〜LCが連続して接続されているかどうかを判断する。そして、道路リンクLA〜LCが連続して接続されている場合、前記走行履歴記録処理手段の走行履歴データ記録処理手段は、走行履歴データ記録処理を行い、各ポイントPtごとに、道路リンクLA〜LCのリンク番号及び進行方向を対応させて、走行履歴データとして走行履歴データファイルに記録する。
【0069】
なお、前記道路リンクLA〜LCが連続して接続されているかどうかは、道路リンクLCの終了地点と道路リンクLBの開始地点とが同じであり、かつ、道路リンクLBの終了地点と道路リンクLAの開始地点とが同じであるかどうかによって判断され、道路リンクLCの終了地点と道路リンクLBの開始地点とが同じであり、かつ、道路リンクLBの終了地点と道路リンクLAの開始地点とが同じである場合に、連続して接続されていると判断され、道路リンクLCの終了地点と道路リンクLBの開始地点とが異なるか、又は、道路リンクLBの終了地点と道路リンクLAの開始地点とが異なる場合に、連続して接続されていないと判断される。
【0070】
そして、前記道路リンクLA〜LCが連続して接続されていない場合、前記道路リンク判定処理手段は、不連続の道路リンクLBを走行したと判断し、前記走行履歴記録処理手段の進行方向取得処理手段は、進行方向取得処理を行い、道路リンクLBに対応する各ポイントPtにおける各進行方向を読み込むことによって取得する。
【0071】
続いて、前記走行履歴記録処理手段の走行判定処理手段は、走行判定処理を行い、道路リンクLBについて取得された走行データに基づいて車両が実際に道路リンクLBを走行したかどうかを判断する。すなわち、走行判定処理手段は、各ポイントPtにおける各進行方向に、順方向及び逆方向の両方の向きがあるかどうかによって、車両が実際に道路リンクLBを走行したかどうかを判断する。両方の向きがある場合、走行判定処理手段は、車両が実際に道路リンクLBを走行したと判断し、走行履歴データ記録処理手段は、各ポイントPtごとに、道路リンクLA〜LCのリンク番号及び進行方向を対応させて、走行履歴データとして走行履歴データファイルに記録する。両方の向きがない場合、走行判定処理手段は、車両が実際には道路リンクLBを走行していないと判断し、走行履歴データ記録処理手段は道路リンクLBについての走行履歴データを記録しない。
【0072】
本実施の形態においては、道路リンクL1の終了地点と道路リンクL4の開始地点とは同じであるが、道路リンクL4の終了地点と道路リンクL2の開始地点とが異なるので、前記道路リンクL1、L4、L2は連続しておらず、前記進行方向取得処理手段は、道路リンクL4に対応する各ポイントP6、P7における各進行方向を読み込む。
【0073】
そして、前記走行判定処理手段は、各ポイントP6、P7における各進行方向に、順方向及び逆方向の両方の向きがあるかどうかを判断し、車両が実際に道路リンクL4を走行したかどうかを判断するが、図9に示される走行データの場合、ポイントP6における進行方向が順方向であり、ポイントP7における進行方向が逆方向であるので、両方の向きがある。したがって、前記走行判定処理手段は、車両が実際に道路リンクL4を走行したと判断する。そして、走行履歴データ記録処理手段は、道路リンクL4を往復して走行したと判断し、各ポイントP6、P7ごとに、道路リンクL4及び道路リンクL4における進行方向を対応させて、走行履歴データとして、走行履歴データファイルに記録する。
【0074】
また、図10に示されるように、ポイントP6、P7における進行方向がいずれも順方向である場合、及び図11に示されるように、ポイントP6、P7における進行方向がいずれも逆方向である場合には、両方の向きがない。したがって、前記走行判定処理手段は、車両が実際には道路リンクL4を走行していないと判断する。そして、走行履歴データ記録処理手段は、各ポイントP6、P7については、走行履歴データを記録しない。
【0075】
このように、道路リンクLA〜LCが連続して接続されているかどうかが判断され、道路リンクLA〜LCが連続して接続されていない場合、道路リンクLBに対応する各ポイントPtにおける各進行方向に両方の向きがあるかどうかによって、車両が実際に道路リンクLBを走行したかどうかが判断され、両方の向きがあり、車両が実際に道路リンクLBを走行した場合に、道路リンクLBについての走行履歴データを記録し、両方の向きがなく、車両が実際には道路リンクLBを走行していない場合に、道路リンクLBについての走行履歴データを記録しないようになっているので、マッチング処理に誤差があって、走行していない道路を走行したと認識されても、誤った走行履歴データが記録されることがなくなる。したがって、走行履歴データの精度を高くすることができる。
【0076】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS2−1 道路リンクを特定し、進行方向を判定する。
ステップS2−2 道路リンクが変化したかどうかを判断する。道路リンクが変化した場合はステップS2−3に、道路リンクが変化していない場合はリターンする。
ステップS2−3 道路リンクLAに道路リンクL(n)をセットし、道路リンクLBに道路リンクL(n−1)をセットし、道路リンクLCに道路リンクL(n−2)をセットする。
ステップS2−4 道路リンクLA〜LCが連続して接続されているかどうかを判断する。道路リンクLA〜LCが連続して接続されている場合はステップS2−5に、連続して接続されていない場合はステップS2−6に進む。
ステップS2−5 リンク番号及び進行方向を走行履歴データとして記録し、リターンする。
ステップS2−6 進行方向取得処理を行う。
ステップS2−7 両方の向きがあるかどうかを判断する。両方の向きがある場合はステップS2−8に進み、ない場合はリターンする。
ステップS2−8 リンク番号及び進行方向を走行履歴データとして記録し、リターンする。
【0077】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0078】
図12は本発明の第2の実施の形態における走行履歴記録処理のサブルーチンを示す図、図13は本発明の第2の実施の形態における通過速度算出処理のサブルーチンを示す図、図14は本発明の第2の実施の形態における走行データの収集状態を示す図、図15は本発明の第2の実施の形態における走行データの例を示す図である。
【0079】
この場合、マッチング処理上、第1の実施の形態と同様に、図14に示されるように、車両は、各ポイントP1〜P5で道路リンクL1を、ポイントP6、P7で道路リンクL4を、ポイントP8〜P11で道路リンクL2を、ポイントP12〜P16で道路リンクL3を走行し、各ポイントPtで、現在地及び自車方位が検出されるとともに、現在地及び自車方位によって特定される道路リンクLiのリンク番号がデータ記録部から読み出され、走行データとして収集される。
【0080】
そのために、まず、走行履歴記録処理手段の道路リンク特定処理手段は、道路リンク特定処理を行い、現在地及び自車方位を読み込み、かつ、データ記録部16から道路データを読み出し、現在地及び自車方位によって、道路データに基づいて、車両が走行している道路リンクを特定する。
【0081】
次に、前記走行履歴記録処理手段の走行データ取得処理手段は、走行データ取得処理を行い、特定された道路リンクのリンク番号をデータ記録部16から読み出し、走行データとして収集するとともに、リンク番号に基づいて車両の進行方向を、順方向及び逆方向の別で判定し、同様に、走行データとして収集する。そして、前記走行履歴記録処理手段の走行データ記録処理手段は、走行データ記録処理を行い、収集した走行データをデータ記録部16の走行データファイルに記録する。
【0082】
続いて、前記走行履歴記録処理手段の道路リンク判定処理手段は、道路リンク判定処理を行い、現在走行している道路リンクが変化したかどうかを判断する。そして、車両が現在走行している道路リンクが変化した場合、前記道路リンク判定処理手段は、連続する3個のリンクLA〜LCの走行データを取得するために、現在走行している道路リンクL(n)をLAとし、一つ前に走行していた道路リンクL(n−1)をLBとし、さらに、一つ前に走行していた道路リンクL(n−2)をLCとする。本実施の形態においては、マッチング処理上では、時間が経過するのに伴って車両は道路リンクL1、L4、L2、L3の順に走行するので、現在、道路リンクL2を走行している場合、
LA=L2
LB=L4
LC=L1
になる。
【0083】
続いて、前記走行履歴記録処理手段の通過速度算出処理手段は、通過速度算出処理を行い、道路リンクLBの通過速度Viを算出する。そのために、通過速度算出処理手段は、CPU31が内蔵する時計から、例えば、車両が道路リンクLAに進入した時点で、車両が道路リンクLCの終了地点(道路リンクLBの開始地点)に到達した時刻te(i−2)、及び車両が道路リンクLAの開始地点(道路リンクLBの終了地点)に到達した時刻ts(i)を読み込み、道路リンクLBを通過する際の通過時間τi
τi=ts(i)−te(i−2)
を算出する。
【0084】
また、通過速度算出処理手段は、道路データにおける道路リンクLBのリンク長εiを読み出し、通過速度Vi
Vi=εi/τi
を算出する。
【0085】
次に、前記走行データ記録処理手段は、通過速度Viを走行データとしてデータ記録部16の走行データファイルに記録する。
【0086】
続いて、前記走行履歴記録処理手段の走行判定処理手段は、走行判定処理を行い、道路リンクLBについて取得された走行データに基づいて車両が実際に道路リンクLBを走行したかどうかを判断する。すなわち、走行判定処理手段は、通過速度Viが閾値Vth(本実施の形態においては、100〔km/h〕)より高いかどうかによって、車両が実際に道路リンクLBを走行したかどうかを判断する。通過速度Viが閾値Vth以下である場合、走行判定処理手段は、車両が実際に道路リンクLBを走行したと判断し、走行履歴データ記録処理手段は、各ポイントPtごとに、道路リンクLA〜LCのリンク番号及び進行方向を走行履歴データとして、走行履歴データファイルに記録する。通過速度Viが閾値Vthより高い場合、走行判定処理手段は、車両が実際には道路リンクLBを走行していないと判断し、走行履歴データ記録処理手段は道路リンクLBについての走行履歴データを記録しない。
【0087】
なお、車両が実際に道路リンクLBを走行した場合、前記各ポイントP6、P7で現在地及び自車方位が検出されるタイミングは十分に異なり、通過時間τiは十分に長くなり、前記通過速度Viが実際の車速に近い値を採り、閾値Vthより高くなることはない。ところが、車両が実際に道路リンクLBを走行していない場合、各ポイントP6、P7で現在地及び自車方位が検出されるタイミングはほぼ同じであり、通過時間τiは極めて短くなり、前記通過速度Viが実際の車速より、極めて高い値を採り、閾値Vthより高くなる。
【0088】
本実施の形態においては、道路リンクL1の終了地点と道路リンクL4の開始地点とは同じであるが、道路リンクL4の終了地点と道路リンクL2の開始地点とが異なるので、前記道路リンクL1、L4、L2は連続しておらず、前記通過速度算出処理手段は、道路リンクL4を通過する際の通過速度Viを算出する。
【0089】
そして、前記走行判定処理手段は、通過速度Viが閾値Vthより高いかどうかによって、車両が実際に道路リンクL4を走行したかどうかが判断されるが、図15に示される走行データのポイントP6、P7における進行方向に係わらず、マッチング処理の誤差でポイントP6、P7の走行データが取得されたと判断することができる。
【0090】
次に、図12のフローチャートについて説明する。
ステップS2−11 道路リンクを特定し、進行方向を判定する。
ステップS2−12 道路リンクが変化したかどうかを判断する。道路リンクが変化した場合はステップS2−13に、道路リンクが変化していない場合はリターンする。
ステップS2−13 通過速度算出処理を行う。
ステップS2−15 通過速度Viが閾値Vthより高いかどうかを判断する。通過速度Viが閾値Vthより高い場合はリターンし、通過速度Viが閾値Vth以下である場合はステップS2−16に進む。
ステップS2−16 リンク番号及び進行方向を走行履歴データとして記録し、リターンする。
【0091】
次に、図13のフローチャートについて説明する。
ステップS2−14−1 道路リンクLBの通過時間τiを算出する。
ステップS2−14−2 リンク長εiを取得する。
ステップS2−14−3 通過速度Viを算出し、リターンする。
【0092】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるナビゲーションシステムを示す図である。
【図2】従来の走行データの収集状態を示す第1の図である。
【図3】従来の走行データの例を示す第1の図である。
【図4】従来の走行データの収集状態を示す第2の図である。
【図5】従来の走行データの例を示す第2の図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における走行履歴収集処理手段の動作を示すメインフローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施の形態における走行履歴記録処理のサブルーチンを示す図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態における走行データの収集状態を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態における走行データの第1の例を示す図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態における走行データの第2の例を示す図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態における走行データの第3の例を示す図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態における走行履歴記録処理のサブルーチンを示す図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態における通過速度算出処理のサブルーチンを示す図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態における走行データの収集状態を示す図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態における走行データの例を示す図である。
【符号の説明】
【0094】
10 自動変速機制御部
14 ナビゲーション装置
15 GPSセンサ15
31 CPU
51 情報センタ
63 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在地を検出する現在地検出部と、現在地に基づいて特定された道路リンクが連続して接続されているかどうかを判断する道路リンク判定処理手段と、道路リンクが連続して接続されていない場合に、不連続の道路リンクについて取得された走行データに基づいて、車両が不連続の道路リンクを実際に走行したかどうかを判断する走行判定処理手段と、車両が不連続の道路リンクを実際に走行した場合に、不連続の道路リンクについての走行履歴データを記録する走行履歴データ記録処理手段とを有することを特徴とする走行履歴収集システム。
【請求項2】
前記走行データは進行方向の向きであり、前記走行判定処理手段は、進行方向の向きに基づいて車両が不連続の道路リンクを実際に走行したかどうかを判断する請求項1に記載の走行履歴収集システム。
【請求項3】
前記走行データは道路リンクの通過速度であり、前記走行判定処理手段は、通過速度に基づいて車両が不連続の道路リンクを実際に走行したかどうかを判断する請求項1に記載の走行履歴収集システム。
【請求項4】
現在地に基づいて特定された道路リンクが連続して接続されているかどうかを判断し、道路リンクが連続して接続されていない場合に、不連続の道路リンクについて取得された走行データに基づいて、車両が不連続の道路リンクを実際に走行したかどうかを判断し、車両が不連続の道路リンクを実際に走行した場合に、不連続の道路リンクについての走行履歴データを記録することを特徴とする走行履歴収集方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−33178(P2007−33178A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−215627(P2005−215627)
【出願日】平成17年7月26日(2005.7.26)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】