説明

走行履歴記録装置および走行履歴記録装置に用いるプログラム

【課題】車両の道路上の走行履歴を記録する技術において、ある特定の場所についての自らの走行履歴を記録したいというユーザのニーズに対応することができるようにする。
【解決手段】車両用ナビゲーション装置は、ユーザがあらかじめ指定した記録地点を含む範囲内に車両が進入する度に(110)、その記録地点を通って当該範囲を車両が離脱するまで(130、140)の各種走行関連情報を記録する(120)。その後、記録した走行関連情報のデータを、当該記録地点について今回より前に記録された走行関連情報のデータと組み合わせて、当該記録地点における車両の移動、停止等に関する特徴および車両の外部環境に関する特徴等を解析し(150)、その解析結果を表示し(160)、さらに、その解析結果のうち、当該記録地点における走行危険度、燃費の良否等に基づいて、当該記録地点に対応する施設のアイコン画像データを変化させる(170)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行履歴記録装置および走行履歴記録装置に用いるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の道路上の走行履歴を記録する装置が知られている。例えば、特許文献1、2には、車両の運転結果のデータを記録し、その運転結果のデータに基づいて、安全運転度の低い運転があったか否かを判定し、あった場合、その旨を乗員に通知する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2004−249821号公報
【特許文献2】特開2002−221428号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、これらの技術においては、どのような地点についての走行履歴を記録するかについての記載はない。したがって、ある特定の場所についての自らの走行履歴を記録したいというユーザのニーズには対応できない。
【0004】
本発明は上記点に鑑み、車両の道路上の走行履歴を記録する技術において、ある特定の場所についての自らの走行履歴を記録したいというユーザのニーズに対応することができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための本発明の特徴は、自車両の現在位置を検出する機能を有する走行履歴記録装置が、ユーザによる指定地点の入力を受け付け、受け付けた指定地点を自車両が通過しているときの自車両の走行に関する走行関連情報を、記憶媒体に記録することである。
【0006】
このように、ユーザが入力した指定地点の走行関連情報を記録するようになっていることで、走行履歴記録装置は、ある特定の場所についての自らの走行履歴を記録したいというユーザのニーズに対応することができるようになる。
【0007】
また、走行履歴記録装置は、自車両が指定地点を中心とする領域に入ってから出るまでの期間における自車両の走行に関する情報を、当該指定地点の走行関連情報として記憶媒体に記録するようになっていてもよい。このようになっていることで、その指定地点の前後の位置における走行に関する情報を記録することができる。
【0008】
また、走行履歴記録装置は、道路構造に従えば指定地点の通過を回避できない不可避領域を、道路構造を示す道路データに基づいて特定し、さらに、特定した不可避領域に自車両が入ってから出るまでの期間における自車両の走行に関する情報を、当該指定地点についての走行関連情報として記憶媒体に記録するようになっていてもよい。
【0009】
このようになっていることで、記録される指定地点についての走行関連情報には、その指定地点を通らないような走行に関する情報が含まれてしまう可能性がほとんどなくなる。すなわち、ほぼ確実に、その指定地点を通過したときおよびその前後の期間の走行に関する情報が記録される。
【0010】
また、走行履歴記録装置は、指定地点における自車両の走行停止時間を、走行関連情報として記録媒体に記録するようになっていてもよい。このようになっていることで、その指定地点において自車両が待たされた時間を記録することができる。
【0011】
また、走行履歴記録装置は、指定地点に自車両がどの道路から進入したか、または、自車両がどの道路を通って指定地点から退出したかの情報を、走行関連情報として記録媒体に記録するようになっていてもよい。このようになっていることで、記録された走行関連情報を用いて、後に、指定地点における走行履歴を、その指定地点への進入道路、または、指定地点への退出道路の違いによって解析することができる。
【0012】
また、走行履歴記録装置は、地図の画像および当該地図上の指定地点を示す画像を表示するようになっていてもよい。このような場合、走行履歴記録装置は、記録媒体に記録された、指定地点についての走行関連情報に基づいて、当該指定地点を示す画像の表示形態を変更するようになっていてもよい。このようになっていることで、ユーザは、指定地点についての走行に関する情報を、その指定地点の地図上の位置と共に、視覚的に把握することができるようになる。
【0013】
また、本発明の特徴は、ユーザによる指定地点の入力を受け付ける受付手段、自車両の現在位置を検出する現在位置特定手段、および、前記受付手段が受け付けた前記指定地点を自車両が通過しているときの自車両の走行に関する走行関連情報を、記憶媒体に記録する走行関連情報記録手段として、コンピュータを機能させるプログラムとして把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態について説明する。図1に、本実施形態に係る車両用ナビゲーション装置1のハードウェア構成を示す。この車両用ナビゲーション装置1は、位置検出器11、画像表示装置12、操作スイッチ群13、スピーカ14、情報受信機15、地図データ取得部16、および制御回路17を有している。
【0015】
位置検出器11は、いずれも周知の図示しない地磁気センサ、ジャイロスコープ、車速センサ、およびGPS受信機等のセンサを有しており、これらセンサの各々の性質に基づいた、車両の現在位置や向きを特定するための情報を制御回路17に出力する。
【0016】
画像表示装置12は、制御回路17から出力された映像信号に基づいた映像をユーザに表示する。操作スイッチ群13は、車両用ナビゲーション装置1に設けられた複数のメカニカルスイッチ、画像表示装置12の表示面に重ねて設けられたタッチパネル等の入力装置から成り、ユーザによるメカニカルスイッチの押下、タッチパネルのタッチに基づいた信号を制御回路17に出力する。
【0017】
情報受信機15は、FM−VICS放送局、道路沿いに設置されたVICSビーコン等から無線送信された道路の渋滞情報、交通規制情報等を受信して制御回路17に出力する無線受信機である。また、情報受信機15は、天候の情報を送信する天候サーバから天候情報を受信する機能を有していてもよい。さらに情報受信機15は、イベント情報(祭り、大規模セール、踏切における列車の通過等の情報)を送信するイベント情報サーバからイベント情報を受信する機能を有していてもよい。
【0018】
地図データ取得部16は、ハードディスク等の書き換え可能な不揮発性の記憶媒体およびそれら記憶媒体に対してデータの読み出しを行う装置から成り、制御回路17が実行するプログラム、経路案内用の地図データ等を記憶している。
【0019】
地図データは、道路データおよび施設データを有している。道路データは、リンクの位置情報、種別情報、ノードの位置情報、種別情報、および、ノードとリンクとの接続関係の情報等を含んでいる。施設データは、施設毎のレコードを複数有しており、各レコードは、対象とする施設の名称情報、所在位置情報、土地地番情報、施設種類情報、アイコン画像情報等を示すデータを有している。アイコン画像情報は、地図上で当該施設を象徴的に表す絵柄または文字の画像データ(以下、アイコン画像データという)を示す情報である。
【0020】
制御回路(コンピュータに相当する)17は、図示しないCPU、RAM、ROM、およびフラッシュメモリ(あるいは、他の書き換え可能な不揮発性記憶媒体でもよい)を備え、ROM、地図データ取得部16から読み出した車両用ナビゲーション装置1の動作のためのプログラムを実行し、その実行の際にはRAM、ROM、フラッシュメモリ、および地図データ取得部16から情報を読み出し、RAM、フラッシュメモリ、および地図データ取得部16に対して情報の書き込みを行い、位置検出器11、画像表示装置12、操作スイッチ群13、スピーカ14、情報受信機15と信号の授受を行う。
【0021】
また、制御回路17は、車内の各種センサから(例えば車内LANを介して)信号を受け、その信号に基づいて作動するようになっている。信号を受ける対象のセンサとしては、例えば、車速センサ、車輪速センサ、加速度センサ、アクセル開度センサ、ブレーキ操作量を検出するブレーキ操作センサ、ステアリング舵角センサ、ウインカーの操作内容を検出するウインカー操作センサ、ホーン操作の有無を検出するホーン操作センサ、カメラまたは音波センサを用いて前後左右の車両までの距離を検出する車間距離センサ、ワイパーの操作内容を検出するワイパー操作センサ、トラクションコントロール装置の作動を検出するトラクションコントロール作動センサ、アンチロックブレーキ装置の作動を検出するABS作動センサ、変速機の操作内容を検出するトランスミッション操作センサ、車内の各種装置(オーディオ装置、シガーライタ)に対する操作があったことを検出する装置、車両の外部を撮影するカメラ等がある。
【0022】
制御回路17がプログラムを実行することによって行う具体的な処理としては、地図表示処理、現在位置特定処理、経路案内処理、地点記録処理等がある。
【0023】
地図表示処理は、地図データ取得部16中の道路データに基づいて地図画像を生成し、さらに、施設データ中の所在位置情報、アイコン画像情報等に基づいて、その地図画像上の該当する位置に、アイコン画像を重ね、その重ねた結果の画像を画像表示装置12に表示させる処理である。
【0024】
現在位置特定処理は、位置検出器11からの信号に基づいて、周知のマップマッチング等の技術を用いて車両の現在位置や向きを特定する処理である。
【0025】
誘導経路算出処理は、操作スイッチ群13からユーザによる目的地の入力を受け付け、現在位置から当該目的地までの最適な誘導経路を、地図データに基づいて算出し、算出された誘導経路、目的地、経由地および現在位置等を地図データの示す地図上に重ねた画像を、画像表示装置12に出力し、誘導経路に沿えば右左折することになる右左折交差点の手前に自車両が到達したとき等の必要時に、右折、左折等を指示する案内音声をスピーカ14に出力させ、地図表示処理を実行して画像表示装置12に地図を拡大表示させる処理である。
【0026】
図2に、地点記録処理のために制御回路17が実行するプログラム100のフローチャートを示す。制御回路17は、あらかじめ操作スイッチ群13を用いたユーザによる記録地点の指定を受け付ける。記録地点の指定は、画像表示装置12に表示された地図上の1点を操作スイッチ群13を用いて指定することで実現するようになっていてもよいし、施設データに基づいて画像表示装置12に表示された施設名称のリストから1つを選択することで実現するようになっていてもよい。
【0027】
制御回路17は、プログラム100の実行において、まずステップ110で、現在位置特定処理の結果に基づいて、自車両が記録地点の1つに近づいたか否かを判定し、近づいたと判定するまで、ステップ110の判定を繰り返す。記録地点に近づいたか否かは、記録地点を中心とする(または中心以外に含む)近傍領域に車両が進入したか否かで判定する。この近傍領域は、道路構造に従えば指定地点の通過を回避できない不可避領域である。制御回路17は、当該記録地点の不可避領域を特定するために、道路データを利用する。
【0028】
不可避領域は、記録地点が交差点である場合、その交差点を迂回する経路を含まず、かつ、その交差点を通過する経路を含むような領域である。具体的には、当該交差点のノードと、当該ノードに直接接続するリンクとを含み、他のリンクおよびノードを含まない領域は、不可避領域の一例である。
【0029】
車両が記録地点の1つに近づいたと判定すると、続いてステップ120で、当該記録地点についての走行関連情報の記録を開始する。そして、続いてステップ130で、自車両が当該記録地点から離隔したか否かの判定を、離隔したと判定するまで繰り返し、離隔したと判定すると、続いてステップ140で、当該走行関連情報の記録を終了する。ここで、自車両が記録地点から離隔したか否かは、上述の不可避領域を自車両が離脱したか否かによって判定する。したがって、記録地点の走行関連情報の記録は、自車両が不可避領域に進入してから退出するまで続けられる。記録する走行関連情報としては、大別して、環境情報、車両の走行状態情報、ユーザ操作情報がある。
【0030】
環境情報は、日時情報、すなわち、記録地点の通過日(日付、曜日、休日/平日の別等)、および不可避領域に対する進入時刻、退出時刻を含んでもよい。この情報と他の走行関連情報とを関連付けることで、当該記録地点における道路の危険度や運転状態を、日の種類別、および時間帯別で、把握することができるようになる。また、この進入時刻、退出時刻の情報を用いることで、どの時刻に進入すればその不可避領域における滞在時間(すなわち当該記録地点を抜けるためにかかる時間)が短くなるかを把握することができる。
【0031】
また、環境情報は、どの道路を用いて当該記録地点に進入し、どの道路を用いて当該記録地点から退出したかを示す走行道路情報を含んでもよい。このような走行道路情報を用いることで、記録地点における走行履歴を、その指定地点への進入道路、または、指定地点への退出道路の違いによって解析することができる。例えば、この情報と進入時刻、退出時刻の情報とを関連付けることで、どの道路から進入すれば、または、どの道路から退出すれば、最も早く当該記録地点を通過することができるかを把握することができる。
【0032】
また、環境情報は、当該記録地点を通過したときの渋滞情報および規制情報を含んでいてもよい。この情報は、情報受信機15から取得する。この情報および日時情報を関連付けることで、当該記録地点において、どういった日時にどういった渋滞、規制が発生しているのかを把握し、通過する場合の効率の悪い時間を予測することができる。
【0033】
また、環境情報は、当該記録地点を通過したときの天候情報を含んでいてもよい。この情報は、情報受信機15から取得する。この情報と、進入時刻、退出時刻等の情報とを組み合わせることで、天候による、当該記録地点の滞在時間の違いや危険運転度のレベルを判断することができる。
【0034】
また、環境情報は、当該記録地点を通過したときのイベント情報(祭り、大規模セール、踏切における列車の通過等の情報)を含んでいてもよい。この情報は、情報受信機15から取得する。この情報と進入時刻、退出時刻の情報を組み合わせることにより、記録地点を通過するための効率が悪い時間帯を把握することができる。
【0035】
車両の走行状態情報は、当該不可避領域における、車速情報、ブレーキ操作センサ等によって検出可能なブレーキ情報、車輪速センサ、トラクションコントロール作動センサ、ABS作動センサ等によって検出可能な車両の横滑り情報、ステアリング舵角センサ等によって検出可能な右左折ポイント情報、車両の走行停止時間情報、アクセル開度センサ等によって検出可能なアクセルオン回数情報、加速度センサによって検出可能な加減速情報等を含む。
【0036】
この停止時間情報は、当該不可避領域内において、車速がゼロであった総時間を示す。このような停止時間情報により、当該記録地点において自車両が待たされた時間を記録することができるようになる。
【0037】
ユーザ操作情報は、車両内のオーディオ機器、車両用ナビゲーション装置1自体、シガーライタ、ウインカー、ステアリング、ブレーキング、ウインドウ、ホーンを利用する操作の有無の情報である。この情報により、当該記録地点におけるユーザの運転集中度を把握することができる。
【0038】
走行関連情報の記録が終了すると、続いてステップ150で、その記録した走行関連情報のデータの解析を行う。ここで、解析は、直前のステップ120〜140で記録された走行関連情報のみならず、過去に当該記録地点を自車両が通過した際に記録された走行関連情報を用いる。
【0039】
例えば、当該記録地点における運転危険度を算出する。例えば、当該記録地点の複数回の通過のそれぞれについて、その通過時の走行が危険であったか否かを判定し、危険な走行が行われた比率が高いほど、その記録地点の運転危険度が高いと判定する。
【0040】
各回における危険か否かの判定基準としては、例えば、その回における通過速度が所定速度より高く、かつ、減速量が所定量より多ければ、その回の走行は危険であったとしてもよい。また、その回におけるブレーキの操作回数が所定回数以上であれば、その回の走行は危険であったとしてもよい。また、その回における当該車両のタイヤの横滑り度(例えばTRC値)が所定度合以上であれば、その回の走行は危険であったとしてもよい。また、その回における運転操作以外の操作(例えばオーディオ操作、シガーライタ操作)の時間または回数が所定量以上あれば、運転に対する集中力が低いとし、その回の走行は危険であったとしてもよい。また、なお、この操作時間または操作回数と比較する所定量は、その回における車両の停車時間が長いほど大きくなるようになっていてもよい。
【0041】
また、解析においては、例えば、運転燃費効率を算出する。運転燃費効率は、例えば、複数回の当該地点通過の際の車両の停車平均時間(エンジンをかけたままの停止時間)が短いほど、運転燃費効率を高い値に算出する。また例えば、複数回の当該地点通過の際のアクセルオン回数(またはオフ回数)の平均値が低いほど、運転燃費効率を高い値に算出する。
【0042】
続いてステップ160において、解析結果を画像表示装置12に表示させる。このとき、上述の運転危険度、運転燃費効率に加え、図3に示すような、当該記録地点の複数回の通過の各回毎の走行関連情報と、その統計値(例えば平均値)とを、表形式で表すようになっていてもよい。このような表によって、各回間の天候または通過時間の違いと、道路状況、通過所要時間、待ち時間の対応関係を、ユーザが把握することができる。また、このような表によって、オーディオ操作などの有無と運転危険度との関係を把握することができる。また、このような表によって、各回間での通過速度の速かった回、遅かった回、急ブレーキなど危険操作があった回、またその時間等の統計情報を把握することができる。これらのデータをドライバに通知することにより、ドライバ自らが自分の運転を振り返り分析し、その分析結果を安全運転に生かすことができる。
【0043】
続いてステップ170では、ステップ150で解析した結果に基づいて、当該記録地点に対応するアイコン画像データを切り替える。具体的には、当該記録地点に対応する施設データ中のアイコン画像情報が示すアイコン画像データを、当該記録地点の運転危険度の低、中、高のいずれかに対応させて、または、当該記録地点の運転燃費の良、普通、悪のいずれかに対応させて、図4に示すような3種類のアイコン21、22、23のうちから1つ選択する。
【0044】
このように、走行関連情報に基づいて、当該記録地点を示すアイコンの表示形態を変更することで、ユーザは、当該記録地点についての走行に関する情報を、その記録地点の地図上の位置と共に、視覚的に把握することができるようになる。ステップ170の後、プログラム100の実行は終了する。
【0045】
以上のようなプログラム100を制御回路17に実行させることで、車両用ナビゲーション装置1は、ユーザがあらかじめ指定した記録地点を含む範囲内に車両が進入する度に(ステップ110参照)、その記録地点を通って当該範囲を車両が離脱するまで(ステップ130、140参照)の各種走行関連情報を記録する(ステップ120参照)。そして、当該範囲を車両が離脱して記録が終了すると、記録した走行関連情報のデータを、当該記録地点について今回より前に記録された走行関連情報のデータと組み合わせて、当該記録地点における車両の移動、停止等に関する特徴および車両の外部環境に関する特徴等を解析し(ステップ150参照)、その解析結果を画像表示装置12を用いて表示し(ステップ160参照)、さらに、その解析結果のうち、当該記録地点における走行危険度、燃費の良否等に基づいて、当該記録地点に対応する施設のアイコン画像データを変化させる(ステップ170参照)。
【0046】
このように、ユーザが入力した記録地点の走行関連情報を記録するようになっていることで、車両用ナビゲーション装置1は、ある特定の場所についての自らの走行履歴を記録したいというユーザのニーズに対応することができるようになる。
【0047】
また、走行関連情報記録を行う範囲は、記録地点を中心とする、道路構造に従えば指定地点の通過を回避できない不可避領域となっている。このようになっていることで、記録地点についての走行関連情報には、その記録地点を通らないような走行に関する情報が含まれてしまう可能性がほとんどなくなる。すなわち、ほぼ確実に、その記録地点を通過したときおよびその前後の期間の走行に関する情報が記録される。
【0048】
なお、上記の実施形態において、車両用ナビゲーション装置1が走行履歴記録装置の一例に相当し、操作スイッチ群13(または操作スイッチ群13からの信号を受け付ける制御回路17)が受付手段の一例に相当し、位置検出器11(または位置検出器11からの信号に基づいて現在位置を特定する制御回路17)が現在位置特定手段の一例に相当し、画像表示装置12(または画像表示装置12を制御する制御回路17)が画像表示手段の一例に相当する。また、制御回路17が、プログラム100のステップ110〜140を実行することで、走行関連情報記録手段の一例として機能し、ステップ170を実行することで変更手段として機能する。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の各発明特定事項の機能を実現し得る種々の形態を包含するものである。
【0049】
例えば、車両用ナビゲーション装置1は、必ずしもプログラム100のステップ150、160、170の処理を行う必要はない。すなわち、車両用ナビゲーション装置1は、指定された記録地点の走行関連情報を記録すれば足りる。記録された情報は、後にユーザ自身が解析するようになっていてもよいし、無線通信等によって走行関連情報を解析する解析サーバに送信されるようになっていてもよい。
【0050】
また、走行関連情報等の更新が必要なデータは、地図データ取得部16に限らず、他の、車両用ナビゲーション装置1の主電源の供給が停止してもデータを保持し続けることができる記憶媒体(例えばフラッシュメモリ、EEPROM、バックアップRAM)に記憶されるようになっていてもよい。その場合、データ記憶部15の記憶媒体は、HDD等の書き込み可能な記憶媒体である必要はなく、DVD、CD−ROM等の書き込み不可能な記憶媒体であってもよい。
【0051】
また、上記の実施形態において、制御回路17がプログラムを実行することで実現している各機能は、それらの機能を有するハードウェア(例えば回路構成をプログラムすることが可能なFPGA)を用いて実現するようになっていてもよい。
【0052】
また、走行履歴記録装置は、車両用ナビゲーション装置1である必要はなく、受け付けた指定地点を自車両が通過しているときの自車両の走行に関する走行関連情報を、記憶媒体に記録する装置であれば、どのようなものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施形態に係る車両用ナビゲーション装置1のハードウェア構成図である。
【図2】制御回路17が実行するプログラム100のフローチャートである。
【図3】画像表示装置12が表示する解析結果表を示す図である。
【図4】地点のアイコンの種類を示す図である。
【符号の説明】
【0054】
1…車両用ナビゲーション装置、11…位置検出器、12…画像表示装置、
13…操作スイッチ群、14…スピーカ、15…情報受信機、
16…地図データ取得部、17…制御回路、21〜23…アイコン、
100…プログラム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによる指定地点の入力を受け付ける受付手段と、
自車両の現在位置を検出する現在位置特定手段と、
前記受付手段が受け付けた前記指定地点を自車両が通過しているときの自車両の走行に関する走行関連情報を、記憶媒体に記録する走行関連情報記録手段と、を備えた走行履歴記録装置。
【請求項2】
前記走行関連情報記録手段は、自車両が前記指定地点を中心とする領域に入ってから出るまでの期間における自車両の走行に関する情報を、前記走行関連情報として前記記憶媒体に記録することを特徴とする請求項1に記載の走行履歴記録装置。
【請求項3】
前記走行関連情報記録手段は、道路構造に従えば前記指定地点の通過を回避できない不可避領域を、道路構造を示す道路データに基づいて特定し、さらに、特定した前記不可避領域に自車両が入ってから出るまでの期間における自車両の走行に関する情報を、前記走行関連情報として前記記憶媒体に記録することを特徴とする請求項1または2に記載の走行履歴記録装置。
【請求項4】
前記走行関連情報記録手段は、前記指定地点における自車両の走行停止時間を、前記走行関連情報として前記記録媒体に記録することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の走行履歴記録装置。
【請求項5】
前記走行関連情報記録手段は、前記指定地点に自車両がどの道路から進入したか、または、自車両がどの道路を通って前記指定地点から退出したかの情報を、前記走行関連情報として前記記録媒体に記録することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の走行履歴記録装置。
【請求項6】
地図の画像および前記地図上の前記指定地点を示す画像を表示する画像表示手段と、
前記走行関連情報記録手段によって前記記録媒体に記録された、前記指定地点についての前記走行関連情報に基づいて、前記指定地点を示す画像の表示形態を変更する変更手段と、を備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の走行履歴記録装置。
【請求項7】
ユーザによる指定地点の入力を受け付ける受付手段、
自車両の現在位置を検出する現在位置特定手段、および、
前記受付手段が受け付けた前記指定地点を自車両が通過しているときの自車両の走行に関する走行関連情報を、記憶媒体に記録する走行関連情報記録手段として、コンピュータを機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−70128(P2008−70128A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−246434(P2006−246434)
【出願日】平成18年9月12日(2006.9.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】