説明

走行案内装置、走行案内方法及びコンピュータプログラム

【課題】バッテリを複数搭載している車両においてバッテリを預ける対象として最適な充電施設を案内することが可能となり、効率の良い充電を行うことを可能とした走行案内装置、走行案内方法及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】目的地が設定された場合に、車両の現在位置から目的地までの経路上にある充電施設をバッテリの充電委託が可能な充電施設候補として検出し、検出された一又は複数の充電施設候補から第1バッテリ7A又は第2バッテリ7Bを預けるのに最適な充電施設候補を案内対象充電施設として選択し、選択された案内対象充電施設を案内するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の車載バッテリを駆動源への電力供給源とする車両に対して、車載バッテリの充電を行う充電施設を案内する走行案内装置、走行案内方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、運転者は走行中に時々燃料計を見て燃料残量が少なくなってくると、自らの記憶にある給油施設(例えば、ガソリンスタンド)まで走行して給油を行っていた。また、ナビゲーションシステムを利用すれば、運転者の知らない土地であっても、ナビゲーションシステムによって自車位置を検出し、その付近の給油施設をナビゲーション画面上に表示することにより、運転者は表示されたナビゲーション画面を参照して最寄りの給油所の位置を探して給油を行うことも可能であった。
【0003】
ここで、バッテリから供給される電力に基づいて駆動されるモータを駆動源とする車両に対しては、車両周辺のバッテリを充電する為の充電施設を案内することのみではなく、効率よく充電を行うための充電施設を特定して案内することが行われていた。例えば、特開平10−170293号公報には、目的地までの誘導経路上に位置する複数の充電施設の内から、車両の充電回数が最少で且つ充電毎の充電量を均一とするために充電を行うべき充電施設を特定し、特定した充電施設を案内する技術について記載されている。
【特許文献1】特開平10−170293号公報(第5頁〜第7頁、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上記バッテリから供給される電力に基づいて駆動されるモータを駆動源とする車両においては、バッテリの充電を行うのに必要な充電時間はガソリン車の給油時間と比較して非常に長い。従って、目的地までの走行途中に充電施設に立ち寄ってバッテリの充電を行うこととすると、目的地への到着時刻が遅くなる問題がある。
【0005】
一方、近年においては、車両にバッテリを複数搭載し、バッテリを切り換えつつ走行することにより、航続距離を従来より長くする技術も考えられている。しかしながら、バッテリを車両に複数搭載することとすると、効率の良い充電を行うためにどのようなスケジュールで充電を行えば適切かを判定することが難しかった。
【0006】
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、バッテリを充電施設に預けて充電を委託する新たな充電方式を採用するに際して、バッテリを複数搭載している車両においてバッテリを預ける対象として最適な充電施設を案内することが可能となり、効率の良い充電を行うことを可能とした走行案内装置、走行案内方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため本願の請求項1に係る走行案内装置(1)は、駆動源(5)への電力供給源として用いる車載バッテリ(7A、7B)を複数個搭載した車両(2)の走行開始位置を取得する走行開始位置取得手段(33)と、前記車両の目的地を取得する目的地取得手段(33)と、前記車載バッテリを預けて充電を委託することができる充電施設候補の位置情報を取得する充電施設候補位置取得手段(33)と、前記走行開始位置から走行を開始して前記充電施設候補に前記車両が到達した際の前記車載バッテリのエネルギー残量を算出する残量算出手段(33)と、前記車両の走行開始位置と前記車両の目的地と前記充電施設候補の位置情報と前記残量算出手段により算出された前記車載バッテリのエネルギー残量とに基づいて、前記充電施設候補から前記車両が前記車載バッテリを預けるのに適した充電施設を選択する充電施設選択手段(33)と、前記充電施設選択手段によって選択された充電施設を案内する充電施設案内手段(33)と、を有することを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に係る走行案内装置(1)は、請求項1に記載の走行案内装置であって、前記充電施設選択手段(33)は、前記充電施設候補に前記車載バッテリ(7A、7B)を預けて、前記充電施設候補から前記目的地までの往復する場合に、前記車両(2)の駆動力を発生させる駆動源(5)で使用可能な往復使用可能エネルギー量を推定する往復使用可能エネルギー量推定手段(33)と、前記充電施設候補から前記目的地まで往復する場合に、前記車両の駆動力を発生させる駆動源の駆動に必要な往復必要エネルギー量を推定する往復必要エネルギー量推定手段(33)と、を備え、前記往復使用可能エネルギー量が前記往復必要エネルギー量以上となる充電施設候補を、前記車載バッテリを預けるのに適した充電施設として選択することを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に係る走行案内装置(1)は、請求項1又は請求項2に記載の走行案内装置であって、前記充電施設選択手段(33)は、前記走行開始位置から前記充電施設候補まで走行する場合に、前記車両の駆動力を発生させる駆動源(5)の駆動に必要な必要エネルギー量を推定する必要エネルギー量推定手段(33)と、前記必要エネルギー量推定手段によって推定された前記必要エネルギー量に基づいて、前記充電施設候補に車両が到達した際に前記複数個の車載バッテリ(7A、7B)の内、少なくとも1個以上の車載バッテリのエネルギー残量が0になるか否か判定するバッテリ残量判定手段(33)と、を備え、前記バッテリ残量判定手段によって前記車載バッテリのエネルギー残量が0になると判定された前記充電施設候補を、前記車載バッテリを預けるのに適した充電施設として選択することを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に係る走行案内装置(1)は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の走行案内装置であって、前記走行開始位置から目的地まで往復する経路を探索する経路探索手段(33)を有し、前記経路探索手段によって探索された経路の往路沿いに位置する充電施設を充電施設候補とすることを特徴とする。
尚、「往路沿いに位置する充電施設」とは、往路を形成するリンクに面する施設又はリンクから所定範囲内にある施設等が該当する。
【0011】
また、請求項5に係る走行案内方法は、駆動源(5)への電力供給源として用いる車載バッテリ(7A、7B)を複数個搭載した車両(2)の走行開始位置を取得する走行開始位置取得ステップ(S1)と、前記車両の目的地を取得する目的地取得ステップ(S1)と、前記車載バッテリを預けて充電を委託することができる充電施設候補の位置情報を取得する充電施設候補位置取得ステップ(S7)と、前記走行開始位置から走行を開始して前記充電施設候補に前記車両が到達した際の前記車載バッテリのエネルギー残量を算出する残量算出ステップ(S11)と、前記車両の走行開始位置と前記車両の目的地と前記充電施設候補の位置情報と前記残量算出ステップにより算出された前記車載バッテリのエネルギー残量とに基づいて、前記充電施設候補から前記車両が前記車載バッテリを預けるのに適した充電施設を選択する充電施設選択ステップ(S29、S30、S34、S35)と、前記充電施設選択ステップによって選択された充電施設を案内する充電施設案内ステップ(S31、S36)と、を有することを特徴とする。
【0012】
更に、請求項6に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに搭載され、駆動源(5)への電力供給源として用いる車載バッテリ(7A、7B)を複数個搭載した車両(2)の走行開始位置を取得する走行開始位置取得機能(S1)と、前記車両の目的地を取得する目的地取得機能(S1)と、前記車載バッテリを預けて充電を委託することができる充電施設候補の位置情報を取得する充電施設候補位置取得機能(S7)と、前記走行開始位置から走行を開始して前記充電施設候補に前記車両が到達した際の前記車載バッテリのエネルギー残量を算出する残量算出機能(S11)と、前記車両の走行開始位置と前記車両の目的地と前記充電施設候補の位置情報と前記残量算出機能により算出された前記車載バッテリのエネルギー残量とに基づいて、前記充電施設候補から前記車両が前記車載バッテリを預けるのに適した充電施設を選択する充電施設選択機能(S29、S30、S34、S35)と、前記充電施設選択機能によって選択された充電施設を案内する充電施設案内機能(S31、S36)と、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
前記構成を有する請求項1に記載の走行案内装置によれば、車載バッテリを充電施設に預けて充電を委託する新たな充電方式を採用するとともに、車載バッテリを預ける対象として最適な充電施設を案内することによって、車載バッテリを複数搭載している車両において効率の良い充電を行うことが可能となる。例えば、充電施設でのバッテリ充電のための待ち時間を削減できる。
【0014】
また、請求項2に記載の走行案内装置によれば、充電施設に預けない車載バッテリを電力供給源として、充電施設から目的地までの往復走行を完遂させることを可能とする充電施設を案内することが可能となる。
【0015】
また、請求項3に記載の走行案内装置によれば、車両にとって走行に使用しなくなった車載バッテリを充電施設に預ける車載バッテリとすることにより、車両が充電施設に到達した際に預けるのに最適なバッテリがある場合に、その充電施設を案内対象の充電施設とすることが可能となる。
【0016】
また、請求項4に記載の走行案内装置によれば、走行開始位置から目的地までの案内経路沿いにある充電施設を対象として、充電を委託する充電施設を選択するので、案内経路から外れることなく、車載バッテリを預けることができる充電施設を案内することが可能となる。その結果、車両は寄り道をすることなく車載バッテリを充電することが可能となる。
【0017】
また、請求項5に記載の走行案内方法によれば、車載バッテリを充電施設に預けて充電を委託する新たな充電方式を採用するとともに、車載バッテリを預ける対象として最適な充電施設を案内することによって、車載バッテリを複数搭載している車両において効率の良い充電を行うことが可能となる。例えば、充電施設でのバッテリ充電のための待ち時間を削減できる。
【0018】
更に、請求項6に記載のコンピュータプログラムによれば、車載バッテリを充電施設に預けて充電を委託する新たな充電方式を採用するとともに、車載バッテリを預ける対象として最適な充電施設をコンピュータに案内させることによって、車載バッテリを複数搭載している車両において効率の良い充電を行うことが可能となる。例えば、充電施設でのバッテリ充電のための待ち時間を削減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明に係る走行案内装置についてナビゲーション装置に具体化した一実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係るナビゲーション装置1を車載機として搭載した車両2の車両制御システム3の概略構成について図1及び図2を用いて説明する。図1は本実施形態に係る車両制御システム3の概略構成図、図2は本実施形態に係る車両制御システム3の制御系を模式的に示すブロック図である。尚、本実施形態に係る車両は、駆動モータへの電力供給源として用いることが可能なバッテリを複数搭載するとともに、複数の車載バッテリを駆動源への電力供給源とする車両とする。そして、複数のバッテリを電力供給源として用いる車両としては、モータのみを駆動源とする電気自動車や、モータとエンジンを併用して駆動源とするハイブリッド車両があるが、以下に説明する本実施形態では電気自動車を用いることとする。
【0020】
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る車両制御システム3は、車両2に対して設置されたナビゲーション装置1と、駆動モータ5と、複数個のバッテリ(本実施形態では第1バッテリ7Aと第2バッテリ7Bの2個)を備えたバッテリ装置6と、車両制御ECU9と、駆動モータ制御ECU10と、バッテリ制御ECU11とから基本的に構成されている。
【0021】
ここで、ナビゲーション装置1は、車両2の室内のセンターコンソール又はパネル面に備え付けられ、車両周辺の地図や目的地までの案内経路を表示する液晶ディスプレイ15や、経路案内に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ16等を備えている。そして、GPS等によって車両2の現在位置を特定するととともに、目的地が設定された場合においては目的地までの経路の探索、並びに設定された経路に従った案内を液晶ディスプレイ15やスピーカ16を用いて行う。また、本実施形態に係るナビゲーション装置1では、後述するようにナビゲーション装置1で設定された目的地まで走行するのに第1バッテリ7A及び第2バッテリ7Bのエネルギー量が不足する場合に、第1バッテリ7A及び第2バッテリ7Bを充電するのに適した充電施設を液晶ディスプレイ15やスピーカ16を用いて案内する。尚、ナビゲーション装置1の詳細な構成については後述する。
【0022】
また、駆動モータ5は第1バッテリ7A又は第2バッテリ7Bから供給される電力に基づいて回転運動するモータであり、車両2の駆動源として用いられる。駆動モータは第1バッテリ7A又は第2バッテリ7Bから供給された電力により駆動され、駆動モータ5のトルクである駆動モータトルクを発生する。そして、発生した駆動モータトルクは、デファレンシャルギヤ等のギヤユニット17を介して駆動輪18に出力され、車両2が駆動される。
更に、ブレーキ必要時及び制動停止時において、駆動モータ5は回生ブレーキとして機能し、車両慣性エネルギーを電気エネルギーとして回生する。
【0023】
また、バッテリ装置6は、複数個のバッテリ(本実施形態では第1バッテリ7Aと第2バッテリ7Bの2個)と、各バッテリ7A、7Bの間で電力供給対象を切り換える切り換え手段とを備える。ここで、第1バッテリ7A及び第2バッテリ7Bは充電と放電とを繰り返すことができる蓄電手段としての二次電池であり、鉛蓄電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池、ナトリウム硫黄電池等が用いられる。
【0024】
また、切り換え手段は、駆動モータ5へと電力を供給する供給源となるバッテリを、第1バッテリ7Aと第2バッテリ7Bとの間で切り換える手段であり、例えば図2に示す切り換えスイッチ20A、20Bから構成される。そして、切り換えスイッチ20AをON状態で切り換えスイッチ20BをOFF状態とすると、第1バッテリ7Aのみが駆動モータ5へと電力を供給する供給源となる。一方、切り換えスイッチ20BをON状態で切り換えスイッチ20AをOFF状態とすると、第2バッテリ7Bのみが駆動モータ5へと電力を供給する供給源となる。尚、これらの切り換えスイッチ20A、20Bはバッテリ制御ECU11によって制御される。また、バッテリ制御ECU11は、基本的に現在電力供給源となっているバッテリ(例えば、第1バッテリ7A)のSOC値(バッテリのエネルギー残量)が0となった場合に、他方(例えば、第2バッテリ7B)のバッテリへと電力供給源を切り換えるように制御する。
【0025】
更に、バッテリ装置6は車両2の側壁に設けられた充電コネクタ19と接続されている。そして、自宅や所定の充電設備を備えた充電施設において、充電コネクタ19をコンセント等の電力供給源に接続することにより、第1バッテリ7A及び第2バッテリ7Bの充電を行うことが可能となる。更に、第1バッテリ7A及び第2バッテリ7Bは上記駆動モータで発生した回生電力や発電機で発電された電力によっても充電される。
また、バッテリ装置6の備える第1バッテリ7A及び第2バッテリ7Bは、それぞれ独立して車両2から取り外し可能となっている。
【0026】
また、車両制御ECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)9は、車両2の全体の制御を行う電子制御ユニットである。また、駆動モータ5の制御を行う為の駆動モータ制御ECU10、バッテリ7A、7Bの制御を行う為のバッテリ制御ECU11が接続されるとともに、ナビゲーション装置1が備える後述のナビゲーションECU33に接続されている。
そして、車両制御ECU9は、演算装置及び制御装置としてのCPU21、並びにCPU21が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるRAM22、制御用のプログラム等が記録されたROM23等の内部記憶装置を備えている。
【0027】
また、駆動モータ制御ECU10及びバッテリ制御ECU11は、図示しないCPU、RAM、ROM等からなり、それぞれ駆動モータ5、バッテリ装置6の制御を行う。
【0028】
続いて、ナビゲーション装置1の構成について図3を用いて説明する。
図3に示すように本実施形態に係るナビゲーション装置1は、車両2の現在位置を検出する現在位置検出部31と、各種のデータが記録されたデータ記録部32と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーションECU(走行開始位置取得手段、目的地取得手段、充電施設候補位置取得手段、残量算出手段、施設選択手段、充電施設案内手段、往復使用可能エネルギー量推定手段、往復必要エネルギー量推定手段、必要エネルギー量推定手段、バッテリ残量判定手段、経路探索手段)33と、ユーザからの操作を受け付ける操作部34と、ユーザに対して車両周辺の地図や充電施設の案内を表示する液晶ディスプレイ15と、経路案内に関する音声ガイダンスや充電施設の案内を出力するスピーカ16と、プログラムを記憶した記憶媒体であるDVDを読み取るDVDドライブ37、プローブセンタやVICSセンタ等の情報センタとの間で通信を行う通信モジュール38と、から構成されている。
【0029】
以下に、ナビゲーション装置1を構成する各構成要素について順に説明する。
現在位置検出部31は、GPS41、車速センサ42、ステアリングセンサ43、ジャイロセンサ44等からなり、現在の車両2の位置、方位、車両2の走行速度、現在時刻等を検出することが可能となっている。ここで、特に車速センサ42は、車両2の移動距離や車速を検出する為のセンサであり、車両2の駆動輪の回転に応じてパルスを発生させ、パルス信号をナビゲーションECU33に出力する。そして、ナビゲーションECU33は発生するパルスを計数することにより駆動輪の回転速度や移動距離を算出する。尚、上記5種類のセンサをナビゲーション装置1が全て備える必要はなく、これらの内の1又は複数種類のセンサのみをナビゲーション装置1が備える構成としても良い。
【0030】
また、データ記録部32は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記録された車両パラメータDB46、地図情報DB47、所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。
【0031】
ここで、車両パラメータDB46は、車両2に関する各種パラメータを記憶するDBである。具体的には、前面投影面積A[m]、駆動機構慣性重量Wr[kN]、車重M[kg]、駆動輪の転がり抵抗係数μr、空気抵抗係数μl、コーナリング抵抗Rc[kN]等が記憶される。また、車重Mに関しては、第1バッテリ7A及び第2バッテリ7Bの両方を搭載した場合の重量と、第1バッテリ7A及び第2バッテリ7Bのいずれか一方のみを搭載した場合の重量がそれぞれ記憶される。尚、各車両パラメータは後述するようにナビゲーションECU33によって、車両2が目的地や充電施設まで走行する際に駆動モータ5で消費される消費エネルギー量を推定するのに用いられる。
また、車両パラメータDB46には、バッテリ7A、7Bの充電を行う際の充電速度についても記憶される。尚、本実施形態では充電を行う充電施設の場所や種類に関わらず、充電速度は固定の値とする。尚、充電施設毎の充電速度を後述の地図情報DB47に記憶するようにしても良い。
【0032】
ここで、地図情報DB47は、経路案内、交通情報案内及び地図表示に必要な各種地図データが記録されている。具体的には、レストランや駐車場等の施設に関する施設データ、道路(リンク)形状に関するリンクデータ、ノード点に関するノードデータ、各交差点に関する交差点データ、経路を探索するための探索データ、地点を検索するための検索データ、地図、道路、交通情報等の画像を液晶ディスプレイ15に描画するための画像描画データ等から構成されている。また、特に本実施形態に係るナビゲーション装置1は、充電施設に関する充電施設情報についても記録されている。ここで、充電施設とは、駆動源への電力供給源とするバッテリに電力を供給する為の専用の充電設備を備えた補給施設を示し、例えば、自動車充電ステーション、ガソリンスタンド、ショッピングセンタ等が該当する。更に、上記充電施設では、ユーザがバッテリを預けて充電を委託すること(以下、充電委託システムという)も可能である。この充電委託システムでは、車両2が備える複数のバッテリの内からSOC値が低下したバッテリを充電施設に預けることによって、車両2が目的地を経由して再び充電施設へと戻ってくる間の時間で、預けたバッテリを充電してもらうことが可能となる。このバッテリの充電委託システムを行うことによって、ユーザはバッテリの充電を行っている間、充電施設で待機する必要がなくなる。尚、充電委託システムの詳細については後述する。
また、地図情報DB47に記憶される充電施設情報としては、充電施設の位置座標、施設名称、充電施設の営業時間等がある。そして、ナビゲーションECU33は充電施設情報に基づいて、後述するように第1バッテリ7A及び第2バッテリ7Bを預けるのに適した充電施設を選択する。
【0033】
一方、ナビゲーションECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)33は、目的地が選択された場合に走行開始位置から目的地までの誘導経路を設定する誘導経路設定処理、ナビゲーション装置1で設定された目的地まで走行するのに第1バッテリ7A及び第2バッテリ7Bのエネルギー量が不足する場合に、車両の走行開始位置から目的地までの往路沿い且つ復路沿いにあって往路走行中及び復路走行中に立ち寄ることができ、更にバッテリ7A、7Bを預けて充電を委託することができる充電施設(以下、充電施設候補という)を検索する充電施設候補検索処理、検出された充電施設候補の中から第1バッテリ7A又は第2バッテリ7Bを預けて充電を委託するのに適した充電施設(以下、対象充電施設という)を選択する充電施設選択処理、選択された対象充電施設について液晶ディスプレイ15等を用いて案内する充電施設案内処理等のナビゲーション装置1の全体の制御を行う電子制御ユニットである。そして、演算装置及び制御装置としてのCPU51、並びにCPU51が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM52、制御用のプログラムのほか、充電施設案内処理プログラム(図6〜図8参照)等が記録されたROM53、ROM53から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ54等の内部記憶装置を備えている。
【0034】
操作部34は、案内開始地点としての走行開始位置及び案内終了地点としての目的地を入力する際等に操作され、各種のキー、ボタン等の複数の操作スイッチ(図示せず)から構成される。そして、ナビゲーションECU33は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。尚、液晶ディスプレイ15の前面に設けたタッチパネルによって構成することもできる。
【0035】
また、液晶ディスプレイ15には、道路を含む地図画像、交通情報、操作案内、操作メニュー、キーの案内、現在位置から目的地までの誘導経路、誘導経路に沿った案内情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。また、車両2の第1バッテリ7A又は第2バッテリ7Bを充電するのに適した充電施設の案内を表示する。
【0036】
また、スピーカ16は、ナビゲーションECU33からの指示に基づいて誘導経路に沿った走行を案内する音声ガイダンスや、交通情報の案内を出力する。また、車両2の第1バッテリ7A又は第2バッテリ7Bを充電するのに適した充電施設の案内を出力する。
【0037】
また、DVDドライブ37は、DVDやCD等の記録媒体に記録されたデータを読み取り可能なドライブである。そして、読み取ったデータに基づいて地図情報DB47の更新等が行われる。
【0038】
また、通信モジュール38は、交通情報センタ、例えば、VICS(登録商標:Vehicle Information and Communication System)センタやプローブセンタ等から送信された渋滞情報、規制情報、駐車場情報、交通事故情報等の各情報から成る交通情報を受信する為の通信装置であり、例えば携帯電話機やDCMが該当する。尚、本実施形態では通信モジュール38を介して外部の情報センタから充電施設情報を取得することも可能である。
【0039】
次に、図4及び図5を用いて充電委託システムの詳細について説明する。
ここで、図4及び図5は車両2が出発地71から目的地72まで往復する場合であって、第1バッテリ7A及び第2バッテリ7Bがいずれも満充電の状態であっても目的地72までの往復経路を走行するのにエネルギー量が不足する状況を例に挙げて説明する。
【0040】
そして、先ず上記状況下において充電委託システムを使用しない場合について図4を用いて説明する。充電委託システムを使用しない場合には、目的地72までの往路走行中又は目的地72からの復路走行中のいずれかに充電施設に立ち寄って、バッテリ7A、7Bの充電を行う必要がある。
例えば、図4に示すように、車両2が復路走行中に走行経路上にある充電施設73に立ち寄って充電を行うこととすると、充電施設73でバッテリ7A、7Bの充電を行っている間、ユーザは充電施設73で待機しなければならない。その結果、充電施設73で待ち時間が発生する。
【0041】
次に、上記状況下において充電委託システムを使用する場合について図5を用いて説明する。充電委託システムを使用する場合には、目的地72までの往路走行中に往路沿いにある充電施設に立ち寄って第1バッテリ7A又は第2バッテリ7Bを預けて充電を委託し、その後、目的地72からの復路走行中に同じ充電施設に立ち寄って預けていた第1バッテリ7A又は第2バッテリ7Bを回収する必要がある。
例えば、図5に示すように、車両2が復路走行中に往路沿いにある充電施設73に立ち寄り、その時点でSOC値が0となっている第1バッテリ7Aを預けて充電を委託することとすると、充電施設73で第1バッテリ7Aの充電を行っている間でも、車両2は走行を継続することができる。そして、復路走行中に再び充電施設73に立ち寄って預けていた第1バッテリ7Aを回収し、車両2に搭載することによって、ユーザは充電施設73で待ち時間が発生することなく出発地から目的地までの往復することが可能となる。
【0042】
続いて、前記構成を有するナビゲーション装置1においてナビゲーションECU33が実行する充電施設案内処理プログラムについて図6〜図8に基づき説明する。図6〜図8は本実施形態に係る充電施設案内処理プログラムのフローチャートである。ここで、充電施設案内処理プログラムは、ナビゲーション装置1において目的地が設定された場合に実行され、走行開始位置からナビゲーション装置1で設定された目的地まで走行するのに第1バッテリ7A及び第2バッテリ7Bのエネルギー量が不足する場合に、第1バッテリ7A又は第2バッテリ7Bを充電するのに適した充電施設を案内する処理を実行するプログラムである。尚、以下の図6〜図8にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーション装置1が備えているRAM52やROM53に記憶されており、CPU51により実行される。
【0043】
先ず、充電施設案内処理プログラムではステップ(以下、Sと略記する)1において、CPU51は、車両2の走行開始位置及び目的地を取得する。尚、本実施形態では走行開始位置は車両2の現在位置とする。従って、CPU51は、現在位置検出部31により車両2の現在位置を取得する。また、取得した車両2の現在位置を地図上で特定するマップマッチングも行われる。一方、目的地はナビゲーション装置1に対して現在設定されている目的地であり、CPU51はRAM52から現在設定されている目的地に関する情報を読み出すことにより車両の目的地を取得する。尚、上記S1が走行開始位置取得手段及び目的地取得手段の処理に相当する。
【0044】
次に、S2においてCPU51は、地図情報DB47に記憶されたリンクデータやノードデータ及びVICSセンタから取得した交通情報(渋滞、道路規制)等に基づいて、走行開始位置(車両2の現在位置)から目的地までの往路と、目的地から走行開始位置までの復路とをそれぞれ探索する。そして、経路探索の結果に基づいて往路と復路からなる案内経路(即ち、走行予定経路)を特定する。尚、経路探索処理は、公知のダイクストラ法等を用いて行う。また、往路と復路は同一の経路でなくても良い。また、上記S2が経路探索手段の処理に相当する。
【0045】
続いて、S3においてCPU51は、車両パラメータDB46を読み出し、車両2に関する各種パラメータ情報を取得する。具体的には、前面投影面積A[m]、駆動機構慣性重量Wr[kN]、車重M[kg]、駆動輪の転がり抵抗係数μr、空気抵抗係数μl、コーナリング抵抗Rc[kN]等である。尚、車重Mに関しては、第1バッテリ7A及び第2バッテリ7Bの両方を搭載した場合の重量と、第1バッテリ7A及び第2バッテリ7Bのいずれか一方のみを搭載した場合の重量をそれぞれ取得する。
更に、S3においてCPU51は、前記S2で特定された走行予定経路全体の経路情報を取得する。ここで、取得される経路情報としては、走行予定経路中にある、交差点に関する情報(位置、信号の有無、車線数に関する情報を含む)、傾斜区間に関する情報(傾斜角度に関する情報(勾配等)を含む)、カーブに関する情報(開始点、終了点、旋回半径に関する情報を含む)、渋滞情報(渋滞の開始点、渋滞長、渋滞度、走行予定経路を構成する各リンクの平均車速)等である。そして、これらの経路情報は、地図情報DB47から読み出すこと、又は通信モジュール38を介してプローブセンタやVICSセンタと通信を行うことにより取得する。
【0046】
また、S4においてCPU51は、前記S2で特定された走行予定経路を走行する際に駆動モータ5の駆動に必要なエネルギー量(以下、必要エネルギー量という)を推定する。ここで、車両の走行に基づいて駆動源(本実施形態では駆動モータ5)で消費される消費エネルギー量は、車両に生じる空気抵抗Rl、転がり抵抗Rr、勾配抵抗Ri、加速抵抗Ro等の各種走行抵抗に依存することが一般に知られている。ここで、各種走行抵抗Ro、Rr、Rl、Riに基づく駆動モータ5の消費エネルギーEo、Er、El、Eiは、前記S3で取得した車両情報及び走行予定経路の経路情報に基づいて算出される。尚、具体手的な算出方法に関しては既に公知であるので、詳細な説明は省略する。また、車重は、第1バッテリ7A及び第2バッテリ7Bの両方を搭載した場合の重量が用いられる。
そして、走行予定経路を走行する際に駆動モータ5の駆動に必要なトータルの必要エネルギー量Enは、走行予定経路の走行中にバッテリ7に蓄えられると推定される回生エネルギーのエネルギー量Ereを考慮すると、以下の式(1)で表される。
n=Eo+Er+El+Ei−Ere・・・・(1)
尚、回生エネルギーのエネルギー量Ereは、前記S3で取得した走行予定経路の経路情報に基づいて、走行予定経路中にある降坂路や制動が予測される地点(交差点、カーブ、渋滞エリア)を考慮して算出される。
【0047】
S5においてCPU51は、車両2に搭載された第1バッテリ7Aと第2バッテリ7Bの各SOC値についてバッテリ制御ECU11から取得する。
【0048】
S6においてCPU51は、前記S5で取得した各SOC値と前記S4で推定された必要エネルギー量とを比較することによって、途中に充電施設でバッテリ7A、7Bを充電することなく走行開始位置から目的地までを往復することができるか否か判定する。具体的には、第1バッテリ7Aと第2バッテリ7Bの各SOC値の合計が、前記S4で推定された必要エネルギー量以上となる場合に、途中に充電施設でバッテリ7A、7Bを充電することなく走行開始位置から目的地までを往復することができると判定される。
【0049】
前記S6の判定の結果、途中に充電施設でバッテリ7A、7Bを充電することなく走行開始位置から目的地までを往復することができると判定された場合(S6:YES)には、案内を行うことなく当該充電施設案内処理プログラムを終了する。一方、途中に充電施設でバッテリ7A、7Bを充電しなければ走行開始位置から目的地までを往復することができないと判定された場合(S6:NO)には、S7へと移行する。
【0050】
S7においてCPU51は、地図情報DB47に基づいて、前記S2で特定された走行予定経路の往路沿い且つ復路沿いにあって往路走行中及び復路走行中に立ち寄ることができる充電施設を検索する。そして、検索の結果、検出された全ての充電施設をバッテリの充電委託が可能な充電施設候補として特定する。更に、特定された充電施設候補に関する各種情報(位置情報等)を地図情報DB47から取得する。尚、上記S7が充電施設候補位置取得手段の処理に相当する。
尚、「往路沿い且つ復路沿いに位置する充電施設」とは、往路を形成するリンク及び復路を形成するリンクのいずれにも面する施設、又は往路を形成するリンク及び復路を形成するリンクのいずれからも所定距離内にある施設等が該当する。
【0051】
S8においてCPU51は、前記S7の検索結果に基づいて、充電施設候補となる充電施設が少なくとも1か所以上があるか否か判定する。そして、充電施設候補があると判定された場合(S8:YES)には、S10へと移行する。それに対して、充電施設候補が無いと判定された場合(S8:NO)、即ち、走行予定経路上に充電施設が無いと判定された場合には、S9へと移行する。
【0052】
S9においてCPU51は、バッテリ7A、7Bを充電することができる充電施設が存在せず、目的地まで往復することができない旨を液晶ディスプレイ15やスピーカ16を用いて案内する。また、目的地を変更することや、予備のバッテリを積むことを勧める案内しても良い。更に、現在、第1バッテリ7A及び第2バッテリ7Bが満充電状態でない場合には、走行開始前に充電を行うことを勧める案内をしても良い。その後、当該当該充電施設案内処理プログラムを終了する。
【0053】
ここで、以下のS10〜S26の処理は、前記S7で検出された全ての充電施設候補を対象にして実行される。具体的には、走行開始位置から近い充電施設候補から順に処理対象として選択されて、以下のS10〜S26の処理が実行される。
先ず、S10においてCPU51は、走行開始位置から処理対象の充電施設候補までの走行に必要な必要エネルギー量を推定する。尚、必要エネルギー量の推定方法に関しては前記S4と同様であるので省略する。尚、上記S10が必要エネルギー量推定手段の処理に相当する。
【0054】
次に、S11においてCPU51は、前記S5で取得した各SOC値と前記S10で推定された必要エネルギー量とに基づいて、処理対象の充電施設候補への車両到着時の第1バッテリ7A及び第2バッテリ7BのSOC値を算出する。尚、上記S11が残量算出手段の処理に相当する。
【0055】
その後、S12においてCPU51は、処理対象の充電施設候補から目的地までの往復走行に必要な往復所要時間を推定する。具体的には、走行予定経路を構成する各リンクの平均旅行時間と目的地での予定滞在時間の合計時間が往復所要時間として推定される。また、平均旅行時間は地図情報DB47から取得される。
【0056】
次に、S13においてCPU51は、処理対象の充電施設候補に第1バッテリ7A又は第2バッテリ7Bを預けてから回収するまでに、充電することが可能な充電可能エネルギー量を推定する。具体的には、“充電施設での充電速度(Wh/時)に前記S12で推定した往復所要時間を乗じた値”及び“預ける対象のバッテリの最大容量からそのバッテリの預ける時のSOC値を引いた値”の内、大きい方の値(同値である場合にはその同値の値)が充電可能エネルギー量として推定される。尚、本実施形態では、充電速度は充電を実行する充電施設の場所や種類に関わらず固定値とし、CPU51は充電速度の値を車両パラメータDB46から読み出すことにより取得する。一方、充電速度が充電施設の場所や種類によって異なるとする場合には、施設毎の充電速度を取得するように構成する。
【0057】
続いて、S14においてCPU51は、処理対象の充電施設候補に第1バッテリ7A又は第2バッテリ7Bを預けた場合に、充電施設候補から目的地までの往復走行中に駆動モータ5で使用可能な往復使用可能エネルギー量Euseを推定する。具体的には、“処理対象の充電施設候補への到着時の第1バッテリ7A及び第2バッテリ7BのSOC値の合計値に前記S13で推定された充電可能エネルギー量を加算し、その加算値に対して処理対象の充電施設候補から走行開始位置までの復路走行に必要なエネルギー量を引いた値”及び“充電施設候補に到着した際における預けない方のバッテリのSOC値”の内、小さい方の値(同値である場合にはその同値の値)が往復使用可能エネルギー量Euseとして推定される。尚、充電施設候補から走行開始位置までの復路走行に必要なエネルギー量の推定方法に関しては、前記S4と同様であるので省略する。尚、上記S14が往復使用可能エネルギー量推定手段の処理に相当する。
尚、上記S14では、充電施設候補でバッテリ7A、7Bを回収した後に走行開始位置まで戻る為の走行に必要なエネルギー量についても考慮して、往復使用可能エネルギー量Euseを算出する。従って、往復使用可能エネルギー量Euseが後述の往復必要エネルギー量Enesを上回る場合には、走行開始位置から目的地までの往復走行を完遂させることが可能となることを意味する。
【0058】
更に、S15においてCPU51は、処理対象の充電施設候補から目的地までの往復走行に必要な往復必要エネルギー量Enesを推定する。尚、往復必要エネルギー量Enesの推定方法に関しては前記S4と同様であるので省略する。但し、前記S15における往復必要エネルギー量Enesの算出に際して、車重は第1バッテリ7A及び第2バッテリ7Bの内、処理対象の充電施設候補で預けない方のバッテリのみを搭載した状態の重量が用いられる。尚、上記S15が往復必要エネルギー量推定手段の処理に相当する。
【0059】
次に、S16においてCPU51は、前記S14で推定した往復使用可能エネルギー量Euseと前記S15で推定された往復必要エネルギー量Enesとを比較することによって、往復使用可能エネルギー量Euseが往復必要エネルギー量Enes以上であるか否か判定する。
【0060】
前記S16の判定の結果、往復使用可能エネルギー量Euseが往復必要エネルギー量Enes以上であると判定された場合(S16:YES)には、S17へと移行する。一方、往復使用可能エネルギー量Euseが往復必要エネルギー量Enesを下回っていると判定された場合(S16:NO)には、S19へと移行する。
【0061】
S17においてCPU51は、処理対象の充電施設候補を、車両2がバッテリ7A、7Bを預けて充電委託のみ行うのに適した充電施設の一つとして特定する。
そして、S18においてCPU51は、処理対象の充電施設候補に対して案内候補フラグ1をONする。尚、案内候補フラグ1及び後述の案内候補フラグ2及び案内候補フラグ3はRAM52に格納される。
【0062】
尚、上記S18で処理対象の充電施設候補に対して案内候補フラグ1がONされる場合は、目的地までの往路走行時にその充電施設で第1バッテリ7A又は第2バッテリ7Bを預けて充電を委託し、目的地からの復路走行時にその充電施設で第1バッテリ7A又は第2バッテリ7Bを回収して車両に搭載することによって、充電施設に預ける以外にバッテリの充電を行うことなく走行開始位置まで駆動モータ5による走行が可能な条件を満たす場合である。
ここで、上記条件を満たす例として図9及び図10を用いて説明する。尚、以下の例では、第1バッテリ7A及び第2バッテリ7Bの容量が同一であり、満充電時のエネルギー量をそれぞれ1.0とする。
例えば、図9に示す例では、走行開始前のバッテリ7A、7BのSOC値が計2.0であり、出発地81から処理対象の充電施設候補82までの必要走行エネルギー量が1.2であり、充電施設候補82から目的地83までの必要走行エネルギー量が0.3であり、充電施設候補82において第1バッテリ7Aを預けてから回収するまでに充電できる充電可能エネルギー量が1.0である。図9に示す状況では、前記S14で推定される往復使用可能エネルギー量Euse=0.6となる。また、前記S15で推定される往復必要エネルギー量Enes=0.6となる(即ちS16:YES)。
従って、車両2は充電施設候補82でSOC値が0である第1バッテリ7Aを預けて1.0のエネルギー量を充電委託することによって、充電施設に預ける以外にバッテリの充電を行うことなく出発地81から目的地83までの往復走行が可能となる。以上より、図9に示す例では、処理対象の充電施設候補は、車両2がバッテリ7A、7Bを預けて充電委託のみ行うのに適した充電施設として特定される。
【0063】
また、図10に示す例では、走行開始前のバッテリ7A、7BのSOC値が計2.0であり、出発地91から処理対象の充電施設候補92までの必要走行エネルギー量が0.8であり、充電施設候補92から目的地93までの必要走行エネルギー量が0.3であり、充電施設候補92において第1バッテリ7Aを預けてから回収するまでに充電できる充電可能エネルギー量が0.8である。図10に示す状況では、前記S14で推定される往復使用可能エネルギー量Euse=1.0となる。また、前記S15で推定される往復必要エネルギー量Enes=0.6となる(即ちS16:YES)。
従って、車両2は充電施設候補92でSOC値が0.2である第1バッテリ7Aを預けて0.2以上のエネルギー量を充電委託することによって、他に充電を行うことなく出発地91から目的地93までの往復走行が可能となる。尚、図10では最小必要充電エネルギー量である0.2のみを委託した場合を示す。以上より、図10に示す例では、処理対象の充電施設候補92は、車両2がバッテリ7A、7Bを預けて充電委託のみ行うのに適した充電施設として特定される。
【0064】
一方、S19においてCPU51は、車両が処理対象の充電施設候補に滞在し、預ける対象でない方のバッテリをその充電施設で充電することについて考慮した往復使用可能エネルギー量Euse´を新たに推定する。具体的には、預ける対象でない方のバッテリにおいて、最大容量と処理対象の充電施設候補へと到着した際のSOC値の差分を算出し、前記S14で推定された往復使用可能エネルギー量Euseに対してその差分を加算することにより往復使用可能エネルギー量Euse´を算出する。
【0065】
次に、S20においてCPU51は、前記S19で推定された往復使用可能エネルギー量Euse´と前記S15で推定された往復必要エネルギー量Enesとを比較することによって、往復使用可能エネルギー量Euse´が往復必要エネルギー量Enes以上となるか否か判定する。
【0066】
そして、車両が処理対象の充電施設候補に滞在し、預ける対象でない方のバッテリをその充電施設で充電することによって、往復使用可能エネルギー量Euse´が前記S15で推定された往復必要エネルギー量Enes以上になると判定された場合(S20:YES)には、S21へと移行する。それに対して、預ける対象でない方のバッテリを充電施設で充電したとしても、往復使用可能エネルギー量Euse´が前記S15で推定された往復必要エネルギー量Enesを下回ると判定された場合(S20:NO)には、S24へと移行する。
【0067】
S21においてCPU51は、処理対象の充電施設候補を、車両2がバッテリ7A、7Bを預けて充電委託し、且つ滞在して通常のバッテリ充電を行うのに適した充電施設の一つとして特定する。
そして、S22においてCPU51は、処理対象の充電施設候補に対して案内候補フラグ2をONする。
【0068】
尚、上記S22で処理対象の充電施設候補に対して案内候補フラグ2がONされる場合は、目的地までの往路走行時にその充電施設で、預けない対象のバッテリを後述する必要時間充電するとともに、預ける対象のバッテリを預けて充電を委託し、目的地からの復路走行時にその充電施設で預けたバッテリを回収して車両に搭載することによって、走行開始位置まで駆動モータ5による走行が可能な条件を満たす場合である。
その後、S23においてCPU51は、処理対象の充電施設候補に滞在し、預ける対象にないバッテリを充電する必要のある充電時間を算出する。具体的には、前記S14で推定される往復使用可能エネルギー量Euseが、前記S15で推定される往復必要エネルギー量Enesに対して不足するエネルギー量をバッテリに充電するのに必要な充電時間を算出する。尚、算出された充電時間はRAM52等に記憶される。
【0069】
ここで、上記条件を満たす例として図11を用いて説明する。
例えば、図11に示す例では、走行開始前のバッテリ7A、7BのSOC値が計2.0であり、出発地101から処理対象の充電施設候補102までの必要走行エネルギー量が1.2であり、充電施設候補102から目的地103までの必要走行エネルギー量が0.3であり、充電施設候補102において第1バッテリ7Aを預けてから回収するまでに充電できる充電可能エネルギー量が0.8である。図11に示す状況では、前記S14で推定される往復使用可能エネルギー量Euse=0.4となる。また、往復必要エネルギー量Enes=0.6となる(即ちS16:NO)。ここで、充電施設候補102で第2バッテリ7Bを前記S23で算出した充電時間充電を行い、その結果、第2バッテリ7Bに0.2が新たに充電されることにより、往復使用可能エネルギー量Euse´=0.6となる(即ちS20:YES)。
従って、車両2は充電施設候補102で第2バッテリ7Bに0.2の充電(満充電)を行い、SOC値が0である第1バッテリ7Aを預けて0.8のエネルギー量を充電委託することによって、出発地101から目的地103までの往復走行が可能となる。以上より、図11に示す例では、処理対象の充電施設候補102は、車両2がバッテリ7A、7Bを預けて充電委託し、且つ滞在して通常のバッテリ充電を行うのに適した充電施設として特定される。
【0070】
一方、S24においてCPU51は、処理対象の充電施設候補を、車両2がバッテリ7A、7Bを預けて充電委託するのに適さず、通常のバッテリ充電のみを行う充電施設として特定する。
そして、S25においてCPU51は、処理対象の充電施設候補に対して案内候補フラグ3をONする。
【0071】
続いて、S26においてCPU51は、処理対象の充電施設候補に滞在し、バッテリ7A、7Bを充電する必要のある充電時間を算出する。具体的には、その充電施設から目的地を経由して走行開始位置まで戻るのに必要な必要走行エネルギー量を第1バッテリ7A及び第2バッテリ7Bに充電する為の充電時間を算出する。尚、算出された充電時間はRAM52等に記憶される。
【0072】
尚、上記S25で処理対象の充電施設候補に対して案内候補フラグ3がONされる場合は、目的地までの往路走行時にその充電施設で、バッテリを預けると途中でバッテリのエネルギー量が不足し、走行開始位置まで往復できない場合である。
ここで、上記条件を満たす例として図12を用いて説明する。
例えば、図12に示す例では、走行開始前のバッテリ7A、7BのSOC値が計1.9であり、出発地111から処理対象の充電施設候補112までの必要走行エネルギー量が0.8であり、充電施設候補112から目的地113までの必要走行エネルギー量が0.6であり、充電施設候補112において第1バッテリ7Aを預けてから回収するまでに充電できる充電可能エネルギー量が0.9である。図12に示す状況では、前記S14で推定される往復使用可能エネルギー量Euseは第2バッテリ7Bの最大容量である1.0となる。また、往復必要エネルギー量Enes=1.2となる(即ちS16:NO)。ここで、充電施設候補112に車両2が到着した時点では第2バッテリ7Bは満充電状態であり、それ以上充電することができないので、往復使用可能エネルギー量Euse´=1.0となる(即ちS20:NO)。
従って、車両2は第1バッテリ7Aを預けずに充電施設候補112で第1バッテリ7AにS26で算出した充電時間充電を行い、その結果、第1バッテリ7Aに0.9の充電(満充電)が行われることによって、出発地111から目的地113までの往復走行が可能となる。以上より、図12に示す例では、処理対象の充電施設候補112は、車両2がバッテリ7A、7Bを預けて充電委託するのに適さず、通常のバッテリ充電のみを行う充電施設として特定される。
【0073】
そして、上記S10〜S26の処理が、前記S7で検出された全ての充電施設候補に対して行われた後には、S27へと移行する。一方、処理の行われていない充電施設候補がある場合には、S10へと戻り、未処理の充電施設候補を対象としてS10〜S26の処理を実行する。
【0074】
そして、S27においてCPU51は、RAM52から前記S18、S22、S25で充電施設候補毎に対して設定された案内候補フラグ1、案内候補フラグ2及び案内候補フラグ3を読み出す。そして、前記S7で検出された全ての充電施設候補の内、案内候補フラグ1がONに設定されている充電施設候補があるか否か判定する。
【0075】
その結果、案内候補フラグ1がONに設定されている充電施設候補があると判定された場合(S27:YES)には、S28へと移行する。それに対して、案内候補フラグ1がONに設定されている充電施設候補がないと判定された場合(S27:NO)には、S32へと移行する。
【0076】
S28においてCPU51は、案内候補フラグ1がONに設定されている充電施設候補が複数あるか否か判定する。そして、案内候補フラグ1がONに設定されている充電施設候補が複数あると判定された場合(S28:YES)には、最も走行開始位置から近い充電施設候補を、車両2がバッテリ7A、7Bを預けて充電委託のみ行うのに最も適した充電施設(案内対象充電施設)として選択する(S29)。
一方、案内候補フラグ1がONに設定されている充電施設候補が一箇所のみであると判定された場合(S28:NO)には、その充電施設候補を、車両2がバッテリ7A、7Bを預けて充電委託のみ行うのに最も適した充電施設(案内対象充電施設)として選択する(S30)。
【0077】
従って、例えば、図13に示すように、走行開始位置から目的地までの往路沿いに充電施設候補として充電施設Aと充電施設Bが位置する場合であって、充電施設Aと充電施設Bのそれぞれに対して案内候補フラグ1がONに設定されている場合には、走行開始位置に近い充電施設Aが案内対象充電施設として選択される。それにより、車両は充電時間を長く確保することができる。また、不要なバッテリを搭載して走行する距離を短縮できる。
また、図14に示すように、走行開始位置から目的地までの往路沿いに充電施設候補として充電施設Cと充電施設Dと充電施設Eが位置する場合であって、充電施設Cに対して案内候補フラグ2がONに設定され、充電施設Dに対して案内候補フラグ1がONに設定され、充電施設Eに対して案内候補フラグ3がONに設定されている場合には、充電施設Dが案内対象充電施設として選択される。
【0078】
次に、S31においてCPU51は、前記S29又はS30で選択された案内対象充電施設に関する情報(充電施設の位置座標、充電施設の名称、走行開始位置から充電施設までの経路など)を液晶ディスプレイ15やスピーカ16を用いて案内する。具体的には、案内対象充電施設において、第1バッテリ7A及び第2バッテリ7Bの内、対象となるバッテリを預けて充電を委託するように案内する。更に、充電を委託する際の最小必要充電エネルギー量(即ち、走行終了時にバッテリ7A、7Bの充電量を0とするための充電量)を案内しても良い。その後、当該当該充電施設案内処理プログラムを終了する。
【0079】
一方、S32においてCPU51は、前記S7で検出された全ての充電施設候補の内、案内候補フラグ2がONに設定されている充電施設候補があるか否か判定する。
【0080】
その結果、案内候補フラグ2がONに設定されている充電施設候補があると判定された場合(S32:YES)には、S33へと移行する。それに対して、案内候補フラグ2がONに設定されている充電施設候補がないと判定された場合(S32:NO)、即ち案内候補フラグ3がONに設定されている充電施設候補のみが存在する場合には、S37へと移行する。
【0081】
S33においてCPU51は、案内候補フラグ2がONに設定されている充電施設候補が複数あるか否か判定する。そして、案内候補フラグ2がONに設定されている充電施設候補が複数あると判定された場合(S33:YES)には、前記S23で算出された充電時間が最も少なくなる充電施設候補を、車両2がバッテリ7A、7Bを預けて充電委託し、且つ滞在して通常のバッテリ充電を行うのに最も適した充電施設(案内対象充電施設)として選択する(S34)。
一方、案内候補フラグ2がONに設定されている充電施設候補が一箇所のみであると判定された場合(S33:NO)には、その充電施設候補を、車両2がバッテリ7A、7Bを預けて充電委託し、且つ滞在して通常のバッテリ充電を行うのに最も適した充電施設(案内対象充電施設)として選択する(S35)。
【0082】
続いて、S36においてCPU51は、前記S34又はS35で選択された案内対象充電施設に関する情報(充電施設の位置座標、充電施設の名称、充電時間、走行開始位置から充電施設までの経路など)を液晶ディスプレイ15やスピーカ16を用いて案内する。具体的には、案内対象充電施設に滞在し、第1バッテリ7A及び第2バッテリ7Bの内、預ける対象でない方のバッテリを前記S23で算出された充電時間以上充電するとともに、預ける対象のバッテリを該充電施設に預けて充電を委託するように案内する。更に、充電を委託する際の最小必要充電エネルギー量(即ち、走行終了時にバッテリ7A、7Bの充電量を0とするための充電量)を案内しても良い。その後、当該当該充電施設案内処理プログラムを終了する。
【0083】
それに対して、S37においてCPU51は、前記S7で検出された全ての充電施設候補を、車両2がバッテリ7A、7Bを預けて充電委託するのに適さず、通常のバッテリ充電のみを行う充電施設(案内対象充電施設)として選択する。
【0084】
続いて、S38においてCPU51は、前記S37で選択された案内対象充電施設に関する情報(充電施設の位置座標、充電施設の名称、充電時間、走行開始位置から充電施設までの経路など)を液晶ディスプレイ15やスピーカ16を用いて案内する。具体的には、案内対象充電施設においてバッテリを預けずに、施設に滞在して第1バッテリ7A及び第2バッテリ7Bを前記S26で算出された充電時間以上充電を行うことを案内する。その後、当該当該充電施設案内処理プログラムを終了する。
【0085】
以上詳細に説明した通り、本実施形態に係るナビゲーション装置1、ナビゲーション装置1による走行案内方法及びナビゲーション装置1で実行されるコンピュータプログラムでは、目的地が設定された場合に、車両2の現在位置から目的地までの経路上にある充電施設をバッテリの充電委託が可能な充電施設候補として検出し(S7)、検出された一又は複数の充電施設候補から第1バッテリ7A又は第2バッテリ7Bを預けるのに最適な充電施設候補を案内対象充電施設として選択し(S29、S30、S34、S35)、選択された案内対象充電施設を案内する(S31、S36)ので、バッテリ7A、7Bを充電施設に預けて充電を委託する新たな充電方式を採用するとともに、バッテリ7A、7Bを預ける対象として最適な充電施設を案内することによって、バッテリ7A、7Bを複数搭載している車両において効率の良い充電を行うことが可能となる。例えば、充電施設でのバッテリ充電のための待ち時間を削減できる。
また、ナビゲーション装置1は、充電施設候補から目的地までを往復するのに使用可能な往復使用可能エネルギー量が往復必要エネルギー量以上となる充電施設候補を、バッテリ7A、7Bを預けるのに適した充電施設として選択するので、充電施設に預けないバッテリ7A、7Bを電力供給源として、充電施設から目的地までの往復走行を完遂させることを可能とする充電施設を案内することが可能となる。
また、走行開始位置から目的地までの往路沿いにある充電施設を対象として、充電を委託する充電施設を選択するので、案内経路から外れることなく、バッテリ7A、7Bを預けることができる充電施設を案内することが可能となる。その結果、車両は寄り道をすることなくバッテリを充電することが可能となる。
【0086】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、本実施形態では、本願発明をモータのみを駆動源とする電気自動車が備えるナビゲーション装置に適用した例について説明しているが、モータとエンジンを併用して駆動源とするプラグインハイブリッド車両が備えるナビゲーション装置にも適用することが可能である。その際には、前記S6の判定処理において、走行開始位置から目的地までの往復経路を駆動モータ5のみを駆動源とした所謂EV走行で走行できるか否かを判定するように構成する。
【0087】
尚、CPU51は充電施設候補から案内対象充電施設を選択する際において、各充電施設候補に車両が到達した際のSOC値に基づいて選択するように構成しても良い。具体的には、以下の処理をS11以降に実行する。
先ず、CPU51は、前記S11で算出された充電施設候補への車両到着時の第1バッテリ7A及び第2バッテリ7BのSOC値に基づいて、到着時に第1バッテリ7A又は第2バッテリ7BのいずれかのSOC値が0となる充電施設候補があるか否か判定する。
そして、判定の結果、到着時に第1バッテリ7A又は第2バッテリ7BのいずれかのSOC値が0となる充電施設候補があると判定された場合には、到着時に第1バッテリ7A又は第2バッテリ7BのいずれかのSOC値が0となる充電施設候補であって、且つ、走行開始位置に最も近い充電施設候補を案内対象充電施設として選択する。
一方、到着時に第1バッテリ7A又は第2バッテリ7BのいずれかのSOC値が0となる充電施設候補が無いと判定された場合には、到着時に第1バッテリ7A及び第2バッテリ7BのSOC値が最も少なくなる充電施設候補を対象充電施設として選択する。即ち、車両にとって不要となった車載バッテリを充電施設に預ける車載バッテリとすることにより、効率の良い充電を行うことが可能となる。
【0088】
また、本実施形態では第1バッテリ7Aと第2バッテリ7Bの2個のバッテリを搭載した車両が備えるナビゲーション装置に適用した例について説明しているが、3個以上のバッテリを搭載した車両が備えるナビゲーション装置に適用することも可能である。その場合には、複数個のバッテリを同時に一の充電施設に預けて充電を委託することも可能である。更に、複数の充電施設に対してそれぞれ異なるバッテリを預けて充電を委託することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本実施形態に係る車両制御システムの概略構成図である。
【図2】本実施形態に係るバッテリ装置の概略構成図である。
【図3】本実施形態に係る車両制御システムの制御系を模式的に示すブロック図である。
【図4】従来の充電システムを説明する説明図である。
【図5】本実施形態に係る充電委託システムを説明する説明図である。
【図6】本実施形態に係る充電施設案内処理プログラムのフローチャートである。
【図7】本実施形態に係る充電施設案内処理プログラムのフローチャートである。
【図8】本実施形態に係る充電施設案内処理プログラムのフローチャートである。
【図9】案内候補フラグ1がONに設定される充電施設候補の例を示した模式図である。
【図10】案内候補フラグ1がONに設定される充電施設候補の例を示した模式図である。
【図11】案内候補フラグ2がONに設定される充電施設候補の例を示した模式図である。
【図12】案内候補フラグ3がONに設定される充電施設候補の例を示した模式図である。
【図13】充電施設候補から案内対象充電施設を選択する例を示した図である。
【図14】充電施設候補から案内対象充電施設を選択する例を示した図である。
【符号の説明】
【0090】
1 ナビゲーション装置
2 車両
3 車両制御システム
5 駆動モータ
6 バッテリ装置
7A 第1バッテリ
7B 第2バッテリ
15 ディスプレイ
16 スピーカ
33 ナビゲーションECU
51 CPU
52 RAM
53 ROM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源への電力供給源として用いる車載バッテリを複数個搭載した車両の走行開始位置を取得する走行開始位置取得手段と、
前記車両の目的地を取得する目的地取得手段と、
前記車載バッテリを預けて充電を委託することができる充電施設候補の位置情報を取得する充電施設候補位置取得手段と、
前記走行開始位置から走行を開始して前記充電施設候補に前記車両が到達した際の前記車載バッテリのエネルギー残量を算出する残量算出手段と、
前記車両の走行開始位置と前記車両の目的地と前記充電施設候補の位置情報と前記残量算出手段により算出された前記車載バッテリのエネルギー残量とに基づいて、前記充電施設候補から前記車両が前記車載バッテリを預けるのに適した充電施設を選択する充電施設選択手段と、
前記充電施設選択手段によって選択された充電施設を案内する充電施設案内手段と、を有することを特徴とする走行案内装置。
【請求項2】
前記充電施設選択手段は、
前記充電施設候補に前記車載バッテリを預けて、前記充電施設候補から前記目的地までの往復する場合に、前記車両の駆動力を発生させる駆動源で使用可能な往復使用可能エネルギー量を推定する往復使用可能エネルギー量推定手段と、
前記充電施設候補から前記目的地まで往復する場合に、前記車両の駆動力を発生させる駆動源の駆動に必要な往復必要エネルギー量を推定する往復必要エネルギー量推定手段と、
を備え、
前記往復使用可能エネルギー量が前記往復必要エネルギー量以上となる充電施設候補を、前記車載バッテリを預けるのに適した充電施設として選択することを特徴とする請求項1に記載の走行案内装置。
【請求項3】
前記充電施設選択手段は、
前記走行開始位置から前記充電施設候補まで走行する場合に、前記車両の駆動力を発生させる駆動源の駆動に必要な必要エネルギー量を推定する必要エネルギー量推定手段と、
前記必要エネルギー量推定手段によって推定された前記必要エネルギー量に基づいて、前記充電施設候補に車両が到達した際に前記複数個の車載バッテリの内、少なくとも1個以上の車載バッテリのエネルギー残量が0になるか否か判定するバッテリ残量判定手段と、
を備え、
前記バッテリ残量判定手段によって前記車載バッテリのエネルギー残量が0になると判定された前記充電施設候補を、前記車載バッテリを預けるのに適した充電施設として選択することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の走行案内装置。
【請求項4】
前記走行開始位置から目的地まで往復する経路を探索する経路探索手段を有し、
前記経路探索手段によって探索された経路の往路沿いに位置する充電施設を充電施設候補とすることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の走行案内装置。
【請求項5】
駆動源への電力供給源として用いる車載バッテリを複数個搭載した車両の走行開始位置を取得する走行開始位置取得ステップと、
前記車両の目的地を取得する目的地取得ステップと、
前記車載バッテリを預けて充電を委託することができる充電施設候補の位置情報を取得する充電施設候補位置取得ステップと、
前記走行開始位置から走行を開始して前記充電施設候補に前記車両が到達した際の前記車載バッテリのエネルギー残量を算出する残量算出ステップと、
前記車両の走行開始位置と前記車両の目的地と前記充電施設候補の位置情報と前記残量算出ステップにより算出された前記車載バッテリのエネルギー残量とに基づいて、前記充電施設候補から前記車両が前記車載バッテリを預けるのに適した充電施設を選択する充電施設選択ステップと、
前記充電施設選択ステップによって選択された充電施設を案内する充電施設案内ステップと、を有することを特徴とする走行案内方法。
【請求項6】
コンピュータに搭載され、
駆動源への電力供給源として用いる車載バッテリを複数個搭載した車両の走行開始位置を取得する走行開始位置取得機能と、
前記車両の目的地を取得する目的地取得機能と、
前記車載バッテリを預けて充電を委託することができる充電施設候補の位置情報を取得する充電施設候補位置取得機能と、
前記走行開始位置から走行を開始して前記充電施設候補に前記車両が到達した際の前記車載バッテリのエネルギー残量を算出する残量算出機能と、
前記車両の走行開始位置と前記車両の目的地と前記充電施設候補の位置情報と前記残量算出機能により算出された前記車載バッテリのエネルギー残量とに基づいて、前記充電施設候補から前記車両が前記車載バッテリを預けるのに適した充電施設を選択する充電施設選択機能と、
前記充電施設選択機能によって選択された充電施設を案内する充電施設案内機能と、
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−107203(P2010−107203A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−276315(P2008−276315)
【出願日】平成20年10月28日(2008.10.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】