走行玩具
【課題】走行中に車両本体にかかる負荷が軽減され、且つ各車輪と接地面との間の摩擦が軽減されてスムーズにコーナリングを行い走行タイムを向上させる。
【解決手段】シャーシ3にボディ4が取り付けられた車両本体2を駆動モータ5で駆動して走行させる走行玩具1であって、シャーシ3は、中央連結部10と、前輪31aが配設され中央連結部10と回動可能に連結された前輪部30aと、後輪31bが配設され中央連結部10と回動可能に連結された後輪部30aと、前輪部30aが走行方向Xに向けて左右に揺動可能に連結されるとともに後輪部30bが走行方向Xに向けて左右に揺動可能に連結され、且つ前輪部30aと後輪部30bとの間でスライド移動可能に設けられたスライド部50とを備え、スライド部50が走行方向Xに向けて左右にスライド移動すると、これに連動して前輪部30aと後輪部30bとが同時に揺動する。
【解決手段】シャーシ3にボディ4が取り付けられた車両本体2を駆動モータ5で駆動して走行させる走行玩具1であって、シャーシ3は、中央連結部10と、前輪31aが配設され中央連結部10と回動可能に連結された前輪部30aと、後輪31bが配設され中央連結部10と回動可能に連結された後輪部30aと、前輪部30aが走行方向Xに向けて左右に揺動可能に連結されるとともに後輪部30bが走行方向Xに向けて左右に揺動可能に連結され、且つ前輪部30aと後輪部30bとの間でスライド移動可能に設けられたスライド部50とを備え、スライド部50が走行方向Xに向けて左右にスライド移動すると、これに連動して前輪部30aと後輪部30bとが同時に揺動する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャーシとボディからなる車両本体を駆動モータで駆動して走行させる走行玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、左右一対からなる前輪及び後輪を備えたシャーシにボディが取り付けられた車両本体を駆動モータで駆動し、例えば、1つの走行路ごとに壁で仕切られた専用のサーキットを走行させてタイムなどを競い合ったり、走行している様子を観賞したりして遊ぶ走行玩具が知られている。
【0003】
このような走行玩具は、直進するだけの簡素な構造であり、且つ四輪駆動させるものが多く、サーキットを走行させる際には、図11に示すように、車両本体201の側部が壁面203に沿って走行することでコーナーを曲がる。なお、その際、コーナリングをスムーズに行うために、車両本体201にはフロント及びリアバンパーに壁面203と接触させるガイドローラ202が設けられるなどの工夫がなされている。
【0004】
また、下記特許文献1に開示されたような走行玩具がある。図12に示すように、この走行玩具300は、シャーシ本体301の前部に平面略円弧状の膨出部302が形成され、この膨出部302の左右に設けられた一対の前輪軸支枠303に揺動ピン304を介して方向変換板305が配設されている。この走行玩具300では、膨出部302が壁面に当接した反動により方向変換板305が移動し、この方向変換板305の動きに連動して前輪軸支枠303が反対側へ揺動して前輪306の向きが変わり方向転換を行うことができる。
【特許文献1】特開昭60−179083号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したような従来の走行玩具では、図11に示すように、各コーナーにおいて、フロント及びリアバンパーに設けられたガイドローラ202が壁面203に接触することで車両本体201と壁面203との摩擦が軽減され、比較的スムーズなコーナリングが可能とされているが、壁面203に沿って強制的に車両本体201の向きを変えるため、走行方向と各車輪204,205の向きが異なり、各車輪204,205と接地面206との間の摩擦によりこれら各車輪204,205がそれぞれの車軸に対してスラスト方向に負荷を受けながらコーナリングを行うこととなる。これがタイムロスの原因となり、特に、各車輪204,205の路面追従性を向上させると更にその負荷が増して逆にタイムが低下することがあった。
また、前輪204が通った軌道よりも後輪205が内側を通るような内輪差の問題もタイムロスの原因の1つであった。
【0006】
さらに、各車輪204,205と接地面206との間の摩擦によりモータに負荷がかかり電池の消耗を早めていた。
【0007】
また、車両本体201には各コーナーごとに絶えず負荷がかかることから、車両本体201が損傷する虞があり、このため、車両本体201の耐久性を低下させていた。
【0008】
さらに、上記特許文献1に開示された走行玩具では、図12に示すように、前輪306の向きが変わることでコーナリング時のシャーシ本体301にかかる負荷が軽減されるとともに、車輪306と接地面との間の摩擦が軽減され、シャーシ本体301が壁面に沿ってスムーズに走行してコーナリングを行うこととなるが、例えば、走行路がコーナーから直線に移る場合など、再度膨出部302が壁面に当接するなどして前輪306の向きを復帰させなければ安定した走行ができないという問題があった。
【0009】
また、従来の走行玩具は、少なくとも各コーナーに車両本体の走行をガイドするための壁が設けられたサーキットでなければ走行させることが難しかった。ところが、このような壁を設けることは、車両本体に負荷がかかるだけでなく、壁に妨げられて走行中の様子が観賞し難いことがあった。
【0010】
そこで本発明は、上記課題を解消するために、コーナリング時に車両本体にかかる負荷が軽減されるとともに、各車輪と接地面との間の不要な摩擦が軽減されてスムーズにコーナリングを行うことができ、この結果、走行タイムを向上させ、また、電池の過度な消耗を抑えることが可能な走行玩具を提供することを第1の目的とし、車両本体の走行をガイドするための壁などを設けなくても走行可能な走行玩具を提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
本発明の請求項1記載の走行玩具1(101)は、前輪31a(121a)及び後輪31b(121b)を備えたシャーシ3(103)にボディ4が取り付けられて車両本体2(102)をなし、前記前輪31a(121a)と前記後輪31b(121b)のうち少なくとも一方を駆動モータ5で駆動して所定方向Xに走行させる走行玩具1(101)であって、
前記シャーシ3(103)は、中央連結部10(110)と、
前記前輪31a(121a)が配設され、前記中央連結部10(110)の前端部と連結された前輪部30a(120a)と、
前記後輪31b(121b)が配設され、前記中央連結部10(110)の後端部と連結された後輪部30b(120b)と、
前記前輪部30a(120a)が前端部に連結されるとともに前記後輪部30b(120b)が後端部に連結され、前記前輪部30a(120a)と前記後輪部30b(120b)との間で所定面内をスライド移動可能に設けられたスライド部50(130)とを具備し、
前記前輪部30a(120a)と前記後輪部30b(120b)のうちのいずれか一方が、前記中央連結部10(110)と回動可能に連結され且つ前記スライド部50(130)と前記走行方向Xに向けて左右に揺動可能に連結され、
前記スライド部50(130)が前記走行方向Xに向けて左右いずれかにスライド移動すると該スライド部50(130)のスライド移動に連動して前記前輪部30a(120a)又は前記後輪部31b(121b)が前記走行方向Xに向けて左右いずれかに揺動することを特徴とする。
【0012】
このような構成によれば、コーナリング時に車両本体2(102)が受ける遠心力によってスライド部50(130)がスライド移動し、これに連動して前輪部30a(120a)と後輪部30b(120b)のうちのいずれか一方が揺動することで車両本体2(102)の走行方向Xが変わり、各車輪31a,31b(121a,121b)と接地面81との間の摩擦を軽減させることが可能となる。また、コーナリング時にサーキットの壁面80から車両本体2(102)にかかる負荷を軽減させることが可能となる。したがって、スムーズにコーナリングを行うことが可能となるとともに、車両本体2(102)の損傷を抑えることが可能となる。
【0013】
請求項2記載の走行玩具1(101)は、左右一対からなる前輪31a(121a)及び後輪31b(121b)を備えたシャーシ3(103)にボディ4が取り付けられて車両本体2(102)をなし、前記一対の前輪31a,31a(121a,121a)と前記一対の後輪31b,31b(121b,121b)のうち少なくとも一方を駆動モータ5で駆動して所定方向Xに走行させる走行玩具1(101)であって、
前記シャーシ3(103)は、中央連結部10(110)と、
前記一対の前輪31a,31a(121a,121a)が配設され、前記中央連結部10(110)の前端部と回動可能に連結された前輪部30a(120a)と、
前記一対の後輪31b(121b)が配設され、前記中央連結部10(110)の後端部と回動可能に連結された後輪部30a(120a)と、
前記前輪部30a(120a)が前端部に前記走行方向Xに向けて左右に揺動可能に連結されるとともに前記後輪部30b(120b)が後端部に前記走行方向Xに向けて左右に揺動可能に連結され、且つ前記前輪部30a(120a)と前記後輪部30b(120b)との間で所定面内をスライド移動可能に設けられたスライド部50(130)とを具備し、
前記スライド部50(130)が前記走行方向Xに向けて左右いずれかにスライド移動すると該スライド部50(130)のスライド移動に連動して前記前輪部30a(120a)と前記後輪部30b(120b)とが同時に前記走行方向Xに向けて左右いずれかに揺動することを特徴とする。
【0014】
請求項3記載の走行玩具1(101)は、前記前輪部30a(120a)と前記後輪部30b(120b)とは、前記スライド部50(130)が前記走行方向Xに向けて左方に移動するとそれぞれ右方に揺動し、前記スライド部50(130)が前記走行方向Xに向けて右方に移動するとそれぞれ左方に揺動することを特徴とする。
【0015】
このような構成によれば、コーナリング時に車両本体2(102)が受ける遠心力によってスライド部50(130)がスライド移動し、これに連動して前輪部30a(120a)と後輪部30b(120b)とが揺動することで車両本体2(102)はカーブに沿って屈曲する。これにより、車両本体2(102)の走行方向Xが変わり、各車輪31a,31b(121a,121b)と接地面81との間の摩擦を軽減させることが可能となる。また、コーナリング時にサーキットの壁面80から車両本体2(102)にかかる負荷を軽減させることが可能となる。したがって、スムーズにコーナリングを行うことが可能となるとともに、車両本体2(102)の損傷を抑えることが可能となる。
【0016】
請求項4記載の走行玩具1は、前記スライド部50の両側部には、該スライド部50を前記走行方向Xに向けて左右にスライド移動可能となるように前記中央連結部10と連結するための抑止部53が設けられ、
前記抑止部53と前記中央連結部10との間に前記スライド部50のスライド移動を付勢する付勢部材70が介設されていることを特徴とする。
【0017】
このような構成によれば、走行方向Xに向けて左右にスライド移動したスライド部50を自動的に初期位置に復帰させることが可能となる。
【0018】
請求項5記載の走行玩具101は、前記前輪部120a及び前記後輪部120bの下方に配設され、前記前輪部120aが前端部に回動可能に連結されるとともに前記後輪部120bが後端部に回動可能に連結されて該前後輪部120a,120bを前記中央連結部110と共に上下から挟み込む底板部140を備え、
前記底板部140には、前記スライド部130を前記走行方向Xに向けて前後左右にスライド移動可能となるように該スライド部130と連結するための抑止部143が設けられていることを特徴とする。
【0019】
請求項6記載の走行玩具101は、前記スライド部130が前記走行方向Xに向けて前後いずれかにスライド移動すると前記前輪部120aと前記後輪部120bとがそれぞれ直進方向を向き、且つこの直進方向を向いた状態で保持されることを特徴とする。
【0020】
このような構成によれば、スライド部130を走行方向Xに向けて前後左右にのみスライド移動するように抑制することができ、任意に与えられた条件でスライド部130を自動的に前後左右に移動させることが可能となる。つまり、例えば、車両本体102が遠心力を受けるとスライド部130は左右に移動し、これに連動して前輪部120aと後輪部120bとが左右に揺動する。また、車両本体102が加速又は減速するとスライド部130は前後に移動し、前輪部120aと後輪部120bとが直進方向に復帰し、これと同時に、前輪部120aと後輪部120bとを直進方向を向いた状態で保持する。これにより、例えば、各コーナーにバンクが形成されたサーキットなどで車両本体102を走行させたときに、スムーズなコーナリングを行うことができ、コーナーを抜けた車両本体102は、スライド部130が自動的に初期位置に復帰して前輪部120aと後輪部102bとが直進方向を向くことで直進可能となる。
【0021】
請求項7記載の走行玩具1(101)は、前記前輪部30a(120a)と前記後輪部30b(120b)とが同一平面上に配設されていることを特徴とする。
【0022】
このような構成によれば、前輪部30a(120a)と後輪部30b(120b)との高低差を無くすことができ、車両本体2(102)の車高を低く構成することが可能となる。
【0023】
請求項8記載の走行玩具1(101)は、前記ボディ4は、前記シャーシ3(103)を構成している前記中央連結部10(110)、前記前輪部30a(120a)、前記後輪部30b(120b)、前記スライド部50(130)のうちのどれかに取り付けられていることを特徴とする。
【0024】
このような構成によれば、シャーシ3(103)を構成している各部のうちのどれか1つにボディ4が取り付けられることにより、各部の連動動作を妨げることなくボディ4を取り付けることが可能となる。
【発明の効果】
【0025】
本発明による走行玩具によれば、コーナリング時に車両本体が受ける遠心力によってスライド部がスライド移動し、これに連動して前輪部と後輪部とが揺動することで車両本体はカーブに沿って屈曲する。これにより、車両本体の走行方向が変わり、前輪及び後輪と接地面との間の摩擦を軽減させることが可能となる。また、前輪部と後輪部とが共に揺動することで内輪差の問題が解消される。さらに、コーナリング時にサーキットの壁面から車両本体にかかる負荷を軽減させることが可能となる。したがって、スムーズにコーナリングを行うことが可能となり、この結果、走行タイムを大幅に向上させることができるようになる。また、車両本体の損傷を抑えることが可能となり、耐久性が向上する。
【0026】
さらに、前輪及び後輪と接地面との間の摩擦を軽減させることで駆動モータにかかる負荷が軽減され、電池の過度な消耗を抑えることができるようになる。
【0027】
また、中央連結部とスライド部との間に付勢部材が介設されていることによって、左右方向にスライド移動したスライド部を自動的に初期位置に復帰させることが可能となる。例えば、走行中の車両本体がコーナーを抜けて直線コースに移った場合などに、コーナリング時にはスライド移動していたスライド部が初期位置に復帰することで車両本体を直進させることができる。
【0028】
さらに、抑止部によってスライド部が走行方向に向けて前後左右にのみスライド移動するように抑制されることで、例えば、各コーナーにバンクが形成されたようなサーキットを走行させてもスライド部を自動的に前後左右に移動させることが可能となり、車両本体は自動的に好適なコーナリングを行うこととなる。これにより、走行路ごとに仕切る壁などが排除されたサーキットでも走行可能となり、車両本体が壁面から負荷を受けることなく走行可能となるだけでなく、壁を無くしたことで見栄えがよくなり、さらに、走行中の様子が観賞しやすくなるという効果が得られる。
【0029】
また、前輪部と後輪部とが同一平面内に配設されていることによって高低差を無くすことができ、車両本体の車高を低く構成することが可能となる。これにより、車両本体を安定して走行させることができる。
【0030】
さらに、シャーシを構成している中央連結部、前輪部、後輪部、スライド部のうちのどれか1つにボディが取り付けられていることにより、各部の連動動作を妨げることなくボディを取り付けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の走行玩具を各実施の形態ごとに図面を参照して具体的に説明する。
【0032】
まず、第1の実施の形態について説明する。
図1は本発明に係る走行玩具の第1の実施の形態を示す斜視図、図2は同分解斜視図、図3(a)〜(c)は同実施の形態の動作を示す平面図、図4は同実施の形態の走行中の動作を示す平面図である。
【0033】
この第1の実施の形態による走行玩具1は、図1に示すように、シャーシ3にボディ4が取り付けられた車両本体2を駆動モータ5で駆動して、1つの走行路ごとに壁で仕切られたり、或いは、走行路面上に走行ガイドが設けられたような専用のサーキットで競走させたり、走行タイムを競い合ったり、走行中の様子を観賞したりして遊ぶものである。
【0034】
図1,2に示すように、シャーシ3は、中央連結部10と、前輪部30aと、後輪部30bと、スライド部50と、底板部60と、付勢部材70とで略構成されている。なお、図中矢線Xは車両本体2の走行方向を示したものであるが、以下、この走行方向Xと平行する向きを前後方向とし、走行方向Xと水平面内で直交する向きを左右方向として説明する。
【0035】
中央連結部10は、前後に長い略矩形の胴部11を有し、この胴部11の前後端部には、前端及び後端連結部12,16が設けられている。前端連結部12は、略有底円筒状の突部13の上縁にフランジ14が形成されたものであり、突部13内の底面上にクラウンギア15が配設されている。また、後端連結部16は、前端連結部12と同様に、略有底円筒状の突部17の上縁にフランジ18が形成されたものであり、突部17内の底面上にクラウンギア19が配設されている。さらに、胴部11の下部中央には、前端側から後端側にかけて中央シャフト20が前後方向に沿って配設されている。また、中央シャフト20の両端にはピニオン21,21が固着され、各ピニオン21,21の近傍にプーリ22,22が設けられている。これらのピニオン21,21は、前端及び後端連結部12,16の各クラウンギア15,19と接続される。中央シャフト20の後端側には、ピニオン21とプーリ22との間にスパーギア23が設けられている。このスパーギア23は、シャーシ3を組み立てた状態で駆動モータ5のギアと接続される。また、胴部11には、側方シャフト24が中央シャフト20と直交して設けられ、この胴部11を左右に貫通している。
なお、この中央連結部10には、前記ボディ4が着脱自在に取り付けられる。
【0036】
前輪部30aは、左右一対からなる前輪31a,31aと、この一対の前輪31a,31aが配設される基台34aとを有している。なお、左右の前輪31a,31aは、中途位置にピニオン33aが設けられた車軸32aの両端に固着されている。基台34aは、略平板状に形成され、その左右両側部には、軸受36aなどを介して車軸32aを回転自在に軸支する側板35a,35aが対向して設けられている。また、基台34aの前端部には、左右両端部にガイドローラ38a,38aを備えたフロントバンパー37aが設けられている。さらに、基台34aの後端部には、同一平面上における後方に突出した突出部39aが設けられ、この突出部39aの裏面には、後述するスライド部50の長孔55に挿通可能な径の連結ピン40aが鉛直下向きに突設されている。また、基台34aの略中央には略円形の大孔部41aが形成されている。
【0037】
後輪部30bは、左右一対からなる後輪31b,31bと、この一対の後輪31b,31bが配設される基台34bとを有している。なお、左右の後輪31b,31bは、中途位置にピニオン33bが設けられた車軸32bの両端に固着されている。基台34bは、略平板状に形成され、その左右両側部には、軸受36bなどを介して車軸32bを回転自在に軸支する側板35b,35bが対向して設けられている。また、基台34bの後端部には、左右両端部にガイドローラ38b,38bを備えたリアバンパー37bが設けられている。さらに、基台34bの前端部には、同一平面上における前方に突出した突出部39bが設けられ、この突出部39bの裏面には、スライド部50の長孔55に挿通可能な径の連結ピン40bが鉛直下向きに突設されている。また、基台34bの略中央には略円形の大孔部41bが形成されている。
【0038】
これらの前輪部30aと後輪部30bとは、シャーシ3の組み立て状態において同一平面上に配設される。
【0039】
スライド部50は、左右両側部に、駆動モータ5を駆動するための図示しない電池(単3形)が1つずつ内蔵される電池収納部51が設けられ、左右の電池収納部51,51の間に中間板52が設けられて各収納部51,51を連結している。また、左右の電池収納部51,51の上面には、挿通孔54が形成された矩形板状の抑止部53,53が対向して設けられている。さらに、中間板52の前端部及び後端部には、前後方向に長い長孔55,55がそれぞれ形成されている。
【0040】
底板部60は、前後方向に長く形成され、前端部が前記前輪部30aの下方に配置されるとともに、後端部が前記後輪部30bの下方に配置される。底板部60の前端部及び後端部には、小孔部61,61が形成され、前記中央連結部10の前端及び後端連結部12,16の各クラウンギア15,19の回転軸が挿通される。また、底板部60上の所定位置には、上部に略半円形の切欠きが形成されたシャフト保持部62,62が前後方向に並んで突設されている。
【0041】
付勢部材70は、所定長さのバネ71の両端にストッパ72,72が設けられてなり、前記中央連結部10の胴部11の左右両側面の外側にて側方シャフト14に挿通装着される。
【0042】
次に、上述した各部を組み立ててシャーシを形成するまでの手順について説明する。
【0043】
図2に示すように、まず、スライド部50の前側の長孔55に前輪部30aの連結ピン40aを挿通し、後側の長孔55に後輪部30bの連結ピン40bを挿通する。このとき、前輪部30a及び後輪部30bは、スライド部50に対してそれぞれ前後方向に向けて左右に揺動可能となっている。また、前輪部30aと後輪部30bとは同一平面上に並べて配置する。
【0044】
次いで、付勢部材70を中央連結部10の両側面から突出している側方シャフト14に外側から挿入装着する。
【0045】
次いで、中央連結部10をスライド部50の中間板52上に前後方向に沿って配設し、前端連結部12を前輪部30aの車軸32aの下方を通して突部13を大孔部41aに挿通するとともに、後端連結部16を後輪部30bの車軸32bの下方を通して突部17を大孔部41bに挿通する。このとき、前輪部30a及び後輪部30bは、中央連結部10の前端及び後端連結部12,16と水平面上を回動可能に連結されている。
【0046】
そして、中央連結部10の側方シャフト14をスライド部50の各抑止部53,53の挿通孔54,54に内側から挿通する。このとき、スライド部50は中央連結部10に対して左右方向にスライド移動可能となっている。
【0047】
最後に、底板部60をスライド部50、前輪部30a、後輪部30bの下方に配置し、シャフト保持部62,62の切欠きに中央連結部10の中央シャフト20の各プーリ22,22を嵌め込み、且つ前後の小孔部61,61に前輪部30a及び後輪部30bの裏面に表出している前端及び後端連結部12,16の各クラウンギア15,19の回転軸を挿通する。さらに、この底板部60を前端及び後端連結部12,16にネジなどで固定する。
これでシャーシ3の組み立てが完了する。なお、上述した手順は、シャーシ3を組み立てる一例であり、この手順以外で組み立てることも可能である。
【0048】
次に、スライド部がスライド移動したときのシャーシの動作について説明する。
【0049】
図3(a)に示すように、スライド部50が初期位置にあるときは、このスライド部50の中心は中心線Cと一致している。また、前輪部30a及び後輪部30bの各車軸32a,32bは中心線Cと直交している。つまり、この状態では車両本体2(シャーシ3)は直進する。なお、通常、スライド部50は、両側部の付勢部材70によってこの状態で保持されている。
【0050】
図3(b)に示すように、スライド部50が右側の付勢力に抗して中心線Cの左方に移動すると、前輪部30a及び後輪部30bは同時に中心線Cの右方に揺動する。このとき、各車軸32a,32bは、中心線Cの右方に傾斜した状態となる。つまり、この状態では車両本体2は右方に方向転換する。
なお、各車軸32a,32bのピニオン33a,33bには、図3(a)の場合と同様の駆動力がクラウンギア15,19から伝達される。
【0051】
図3(c)に示すように、スライド部50が左側の付勢力に抗して中心線Cの右方に移動すると、前輪部30a及び後輪部30bは同時に中心線Cの左方に揺動する。このとき、各車軸32a,32bは、中心線Cの左方に傾斜した状態となる。つまり、この状態では車両本体2は左方に方向転換する。
なお、この場合、図3(b)と同様に、各車軸32a,32bのピニオン33a,33bには、図3(a)の場合と同様の駆動力がクラウンギア15,19から伝達される。
【0052】
次に、車両本体(図中、ボディは省略)がコーナリングを行うときの動作について説明する。
【0053】
図4は専用のサーキットを走行している車両本体2が、コーナーを抜けて再度直線コースに戻るときの動作を示している。なお、図中矢線は車両本体2の走行方向Xである。
【0054】
図4に示すように、まず、車両本体2がコーナーに差しかかると、フロントバンパー37aのガイドローラ38aが壁面80と接触する。これにより、前輪部30a(及び後輪部30b)が僅かに図中左方に揺動して走行方向Xが転換するともに、車両本体2が遠心力を受ける。
【0055】
次いで、車両本体2が遠心力を受けることによってスライド部50が右方にスライド移動する。このスライド部50のスライド移動に連動して前輪部30a及び後輪部30bが左方に揺動し、車両本体2が壁面80のカーブに沿って屈曲する。このとき、走行方向Xが左方に転換していく。
【0056】
そして、車両本体2がコーナーを抜けると、車両本体2が受ける遠心力が弱まり、付勢部材70の付勢力によってスライド部50が初期位置に復帰する。そして、スライド部50の移動に連動して前輪部30a及び後輪部30bが直進方向を向いて車両本体2は直進する。
【0057】
この第1の実施の形態によれば、コーナリング時に車両本体2が受ける遠心力によってスライド部50がスライド移動し、これに連動して前輪部30aと後輪部30bとが揺動することで車両本体2はカーブに沿って屈曲する。これにより、車両本体2の走行方向Xが変わり、前輪31a及び後輪31bと接地面81との間の摩擦を軽減させることが可能となる。また、前輪部30aと後輪部30bとが共に揺動することで内輪差の問題が解消される。さらに、コーナリング時にサーキットの壁面80から車両本体2にかかる負荷を軽減させることが可能となる。したがって、スムーズにコーナリングを行うことが可能となるとともに、車両本体2の損傷を抑えることが可能となる。
【0058】
また、前輪31a及び後輪31bと接地面81との間の摩擦を軽減させることで駆動モータ5にかかる負荷が軽減され、電池の過度な消耗を抑えることができるようになる。
【0059】
さらに、中央連結部10とスライド部50との間に付勢部材70が介設されていることによって、左右方向にスライド移動したスライド部50を自動的に初期位置に復帰させることが可能となる。したがって、走行中の車両本体2がコーナーを抜けて直線コースに移った場合に、コーナリング時にはスライド移動していたスライド部50が初期位置に復帰し、これに連動して前輪部30aと後輪部30bとが直進方向を向いて車両本体2を直進させることができる。
【0060】
また、前輪部30aと後輪部30bとが同一平面内に配設されていることによって、前輪部30aと後輪部30bとの高低差を無くすことができ、車両本体2の車高を低く構成することが可能となる。これにより、車両本体2の安定した走行が可能となる。
【0061】
さらに、シャーシ3を構成している中央連結部10、前輪部30a、後輪部30b、スライド部50のうちのどれか1つにボディ4が取り付けられることにより、ボディ4が各部の連動動作を妨げることなくボディ4を取り付けることが可能となる。特に、ボディ4が中央連結部10に取り付けられると、前輪部30a及び後輪部30bはボディ4に対して動作的に切り離された状態となり、車両本体2は遠心力を効果的に受けるようになる。
【0062】
次に、第2の実施の形態について説明する。
図5は本発明に係る走行玩具の第2の実施の形態を示す分解斜視図、図6は同実施の形態の動力伝達機構を示す斜視図、図7(a)〜(c)及び図8(a)〜(c)は同実施の形態の動作を示す底面図、図9は同実施の形態の走行中の動作を示す平面図である。
なお、以下で説明する第2の実施の形態において、上述した第1の実施の形態と同等あるいは同一箇所には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0063】
この第2の実施の形態による走行玩具101は、シャーシにボディが取り付けられた車両本体を走行させるものであり、図5に示すように、シャーシ103は、中央連結部110と、前輪部120aと、後輪部120bと、スライド部130と、底板部140とで略構成されている。なお、図中矢線Xは車両本体102の走行方向を示したものであるが、以下、この走行方向Xと平行する向きを前後方向とし、走行方向Xと水平面内で直交する向きを左右方向として説明する。
【0064】
中央連結部110は、前後方向に長い胴部111を有し、この胴部111の前後端部に前端及び後端連結孔112,113が設けられている。前端連結孔112は、後述する前輪部120aの連結突部127aが挿通可能な径に形成され、一方、後端連結孔113は、後述する後輪部120bの連結突部127bが挿通可能な径に形成されている。また、胴部111の上面には、駆動モータ5が収納される略矩形の凹部114が設けられている。
なお、この中央連結部110には、図示しないボディが着脱自在に取り付けられる。
【0065】
中央連結部110の下部には、シャーシ103を組み立てた状態で図6に示すような動力伝達機構を構成するための機構の一部が設けられている。この動力伝達機構は、図6に示すように、胴部111の前端側から後端側にかけて中央シャフト115が前後方向に沿って配設されている。中央シャフト115の両端には小径のベベルギア116,116が固着されている。また、中央シャフト115の前端側には、スパーギア117がベベルギア116の後側に近接して固着されている。このスパーギア117は、前記駆動モータ5のギアと接続される。
【0066】
前輪部120aは、図5に示すように、左右一対からなる前輪121aと、この一対の前輪121a,121aが配設される筐体122aとを有している。左右の前輪121a,121aは、中途位置に小径のベベルギア123aが設けられた車軸124aの両端に固着されている。筐体122aは、後端面が開口した有底の略矩形筒状をなし、その左右両側面に、図示しない軸受を介して車軸124aを回転自在に軸支している。なお、図示しないが、筐体122aの前端部にはフロントバンパーが設けられていてもよい。また、フロントバンパーの左右両端部にガイドローラを備えた構成としてもよい。さらに、筐体122aの後端には、この筐体122aの底面が後方に突出して突出部125aが設けられている。この突出部125aには、前後方向に長い長孔126aが形成されている。また、筐体122aの上面における略中央には、略円柱状の前述した連結突部127aが設けられ、筐体122aの下面における略中央には、連結突部128aが前記連結突部127aと同軸的に設けられている。
【0067】
前輪部120aの筐体122a内には、シャーシ103を組み立てた状態で図6に示すような動力伝達機構を構成するための一部機構が設けられている。この動力伝達機構は、図6に示すように、筐体122a内における底面上には、ベベルギア129aが連結突部127aと同軸的に配設され、前記車軸124aの下方に配置され、車軸124aに固着されたベベルギア123aと接続されている。また、ベベルギア129aは、前記中央シャフト115の前端側のベベルギア116とも接続されている。
【0068】
後輪部120bは、図5に示すように、左右一対からなる後輪121bと、この一対の後輪121b,121bが配設される筐体122bとを有している。左右の後輪121b,121bは、中途位置に小径のベベルギア123bが設けられた車軸124bの両端に固着されている。筐体122bは、前端面が開口した有底の略矩形筒状をなし、その左右両側面に、図示しない軸受を介して車軸124bを回転自在に軸支している。なお、図示しないが、この後輪部120bにも前記前輪部120aと同様に、筐体122bの後端部にリアバンパーが設けられていてもよい。また、リアバンパーの左右両端部にガイドローラを備えた構成としてもよい。さらに、筐体122bの前端には、この筐体122bの底面が前方に突出して突出部125bが設けられている。この突出部125bには、前後方向に長い長孔126bが形成されている。また、筐体122bの上面における略中央には、略円柱状の前述した連結突部127bが設けられ、筐体122bの下面における略中央には、連結突部128bが前記連結突部127bと同軸的に設けられている。
【0069】
後輪部120bの筐体122b内には、シャーシ103を組み立てた状態で図6に示すような動力伝達機構を構成するための一部機構が設けられている。この動力伝達機構は、図6に示すように、筐体122b内における上面上には、ベベルギア129bが連結突部128bと同軸的に配設され、前記車軸124bの上方に配設され、車軸124bに固着されたベベルギア123bと接続されている。また、ベベルギア129bは、前記中央シャフト115の後端側のベベルギア116とも接続されている。
【0070】
スライド部130は、図5に示すように、左右両側部に、駆動モータ5を駆動するための図示しない電池(単3形)が1つずつ内蔵される電池収納部131が設けられ、左右の電池収納部131,131の間に中間板132が設けられて各収納部131,131を連結している。さらに、中間板132の裏面における前端部及び後端部には、前述した前輪部120a及び後輪部120bの各長孔126a,126bに挿通可能な径のピン133,133が鉛直下向きに突設されている。
【0071】
底板部140は、前後方向に長く形成され、前端部が前記前輪部120aの下方に配置されるとともに、後端部が前記後輪部120bの下方に配置される。この底板部140の前端部及び後端部には、前輪部120a及び後輪部120bの各連結突部128a,128bが挿通可能な径の連結孔141,141が形成されている。また、この底板部140には、各頂点が前後及び左右方向を向いた略矩形の抑止孔142,142が前後方向に並んで形成されている。さらに、各抑止孔142,142には、シャーシを組み立てた状態で前記スライド部130のピン133,133がそれぞれ挿通され、これら抑止孔142とピン133とでスライド部130のスライド移動を抑制する抑止部143を形成している。
【0072】
次に、上述した各部を組み立ててシャーシを形成するまでの手順について説明する。
【0073】
図5に示すように、まず、前輪部120a及び後輪部120bの各連結突部128a,128bを底板部140の連結孔141,141に挿通する。このとき、前輪部120a及び後輪部120bは底板部140に水平面内で回動可能に連結されている。前輪部120aと後輪部120bは、底板部140上において同一平面上に配置されている。
【0074】
次いで、スライド部130の前側のピン133を前輪部120aの長孔126aに挿通し、更に、底板部140の前側の抑止孔142にまで挿通する。同様に、スライド部140の後側のピン133を後輪部120bの長孔126bに挿通し、更に、底板部140の後側の抑止孔142にまで挿通する。このとき、前輪部120a及び後輪部120bは、それぞれ前後方向に向けて左右に揺動可能となっている。
【0075】
最後に、中央連結部110の前端連結孔112及び後端連結孔113に前輪部120a及び後輪部120bの各連結突部127a,127bを挿通しながら中央連結部110を上方から取り付ける。そして、前輪部120a、スライド部130、後輪部120bを中央連結部110と底板部140によって上下から挟み込む。このとき、前輪部120a及び後輪部120bは、中央連結部110と底板部140に回動可能に連結されるとともに、スライド部130に左右に揺動可能に連結されている。そして、底板部140を前輪部120a及び後輪部120bにネジなどで固定する。
これでシャーシ103の組み立てが完了する。なお、上述した手順は、シャーシ103を組み立てる一例であり、この手順以外で組み立てることも可能である。
【0076】
次に、スライド部がスライド移動したときのシャーシの動作について説明する。
【0077】
まず、スライド部が走行方向(前後方向)に向けて左右にスライド移動する場合について説明する。
図7(a)に示すように、スライド部130が初期位置にあるときは、このスライド部130の中心は中心線Cと一致している。また、前輪部120a及び後輪部120bの各車軸124a,124bは中心線Cと直交している。つまり、この状態では車両本体102(シャーシ103)は直進する。
【0078】
図7(b)に示すように、スライド部130が中心線Cに対して左方に移動すると、前輪部120a及び後輪部120bは同時に中心線Cの右方に揺動する。このとき、前輪121a及び後輪121bを接続している各車軸124a,124bは、中心線Cの右方に傾斜した状態となる。また、スライド部130のピン133,133が抑止孔142,142の左端に当接することで、このスライド部130がこれ以上左方に移動することを防いでいる。つまり、この状態では車両本体102は右方に方向転換する。
なお、各車軸121a,121bが傾斜してもこれら各車軸121a,121bに固着されたベベルギア123a,123bには、図7(a)の場合と同様の駆動力がベベルギア129a,129bから伝達される(図6参照)。
【0079】
図7(c)に示すように、スライド部130が中心線Cに対して右方に移動すると、前輪部120a及び後輪部120bは同時に中心線Cの左方に揺動する。このとき、各車軸124a,124bは中心線Cの左方に傾斜した状態となる。また、スライド部130のピン133,133が抑止孔142,142の右端に当接することで、このスライド部130がこれ以上右方に移動することを防いでいる。つまり、この状態では車両本体102は左方に方向転換する。
なお、この場合も、図7(b)と同様に、各車軸121a,121bに固着されたベベルギア123a,123bには、図7(a)の場合と同様の駆動力がベベルギア129a,129bから伝達される(図6参照)。
【0080】
次いで、スライド部が走行方向に向けて前後にスライド移動する場合について説明する。
図8(a)に示すように、スライド部130が初期位置にあるときは、このスライド部130の水平方向の中心は中心線Oと一致している。また、前輪部120a及び後輪部120bの各車軸124a,124bの向きは中心線Oと平行である。つまり、この状態では車両本体102(シャーシ103)は直進する。
【0081】
図8(b)に示すように、スライド部130が中心線Oに対して前方に移動すると、前輪部120a及び後輪部120bの各車軸124a,124bの向きが中心線Oと平行となり、前輪部120a及び後輪部120bは直進方向を向いた状態となる。また、スライド部130のピン133,133が抑止孔142,142の前端に当接することで、このスライド部130がこれ以上前方に移動することを防ぎ、且つスライド部130をこの位置に保持している。つまり、この状態では車両本体102は直進し、更に、この直進走行が継続する。
【0082】
図8(c)に示すように、スライド部130が中心線Oに対して後方に移動すると、各車軸124a,124bの向きが中心線Oと平行となり、前輪部120a及び後輪部120bは直進方向を向いた状態となる。また、スライド部130のピン133,133が抑止孔142,142の後端に当接することで、このスライド部130がこれ以上後方に移動することを防ぎ、且つスライド部130をこの位置に保持している。つまり、上記同様に、この状態では車両本体102は直進し、更に、この直進走行が継続する。
【0083】
次に、車両本体(図中、ボディは省略)がコーナリングを行うときの動作について説明する。
【0084】
図9は専用のサーキットを走行している車両本体102が、コーナーを抜けて再度直線コースに戻るときの動作を示している。なお、図中矢線は車両本体102の走行方向Xである。また、このサーキットには走行路ごとにコースを仕切る壁が設けられるかわりに、各コーナーにバンクが形成されている。
【0085】
図9に示すように、まず、車両本体102がコーナーに差しかかると、バンクの傾斜により急速に減速し、それまで走行方向Xに向けて後方にあったスライド部130が前方にスライド移動して初期位置に復帰する。また、車両本体102は、バンクの傾斜に沿ってコーナーの内側を向こうとする。これにより、前輪部120a(及び後輪部120b)が僅かに図中左方に揺動して走行方向Xが転換するともに、車両本体102が遠心力を受ける。
【0086】
次いで、車両本体102が遠心力を受けることによってスライド部130が右方にスライド移動する。このスライド部130のスライド移動に連動して前輪部120a及び後輪部120bが左方に揺動し、車両本体102がカーブに沿って屈曲する。このとき、走行方向Xが左方に転換していく。
【0087】
そして、車両本体102がコーナーを抜けるとともに、バンクの傾斜も緩やかになり車両本体102が急速に加速を始める。これにより、スライド部130が走行方向Xに向けて後方にスライド移動し、前輪部120a及び後輪部120bが直進方向を向いた状態となる。すなわち、車両本体102は直進し、且つその直進走行を継続する。
各コーナーにおいて、車両本体102が上述したような動作を繰り返すことで、車両本体102を走行路ごとに仕切った壁などが無いサーキットでも走行させることが可能となる。また、その際には、各コーナーでのスムーズなコーナリングが可能となる。
【0088】
この第2の実施の形態によれば、上記した第1の実施の形態による効果と同様に、コーナリング時に車両本体102が受ける遠心力によってスライド部130がスライド移動し、これに連動して前輪部120aと後輪部120bとが揺動することで車両本体102はカーブに沿って屈曲する。これにより、車両本体102の走行方向Xが変わり、前輪121a及び後輪121bと接地面81との間の摩擦を軽減させることが可能となる。また、前輪部120aと後輪部120bとが共に揺動することで内輪差の問題が解消される。さらに、コーナリング時にサーキットの壁面80から車両本体102にかかる負荷を軽減させることが可能となる。したがって、スムーズにコーナリングを行うことが可能となるとともに、車両本体102の損傷を抑えることが可能となる。
【0089】
また、前輪121a及び後輪121bと接地面81との間の摩擦を軽減させることで駆動モータ5にかかる負荷が軽減され、電池の過度な消耗を抑えることができるようになる。
【0090】
さらに、スライド部130のピン133が底板部の抑止孔142に挿入された抑止部143が設けられていることにより、このスライド部130を走行方向Xに向けて前後左右にのみスライド移動するように抑制することができ、各コーナーにバンクが形成されたような専用のサーキットを走行させることでスライド部130を自動的に前後左右に移動させることが可能となる。これにより、車両本体102は、自動的に好適なコーナリングを行うこととなる。したがって、走行路ごとに仕切る壁などが排除されたサーキットでも走行可能となる。これにより、車両本体102が壁面80から負荷を受けることなく走行可能となるだけでなく、壁を無くしたことで見栄えがよくなり、また、走行中の様子が観賞しやすくなるという効果が得られる。
【0091】
さらに、上記した第1の実施の形態による効果と同様に、前輪部120aと後輪部120bとが同一平面内に配設されていることによって、前輪部120aと後輪部120bとの高低差を無くすことができ、車両本体102の車高を低く構成することが可能となる。これにより、車両本体102の安定した走行が可能となる。
【0092】
また、上記した第1の実施の形態による効果と同様に、シャーシ103を構成している中央連結部110、前輪部120a、後輪部120b、スライド部130のうちのどれか1つにボディが取り付けられることにより、各部の連動動作を妨げることなくボディを取り付けることが可能となる。特に、ボディが中央連結部110に取り付けられると、前輪部120a及び後輪部120bはボディに対して動作的に切り離された状態となり、車両本体102は遠心力を効果的に受けることができるようになる。
【0093】
さらに、車両本体102に駆動モータ5からの駆動力を伝達するための動力伝達機構に、両端に固着されたベベルギア116,116を介して中央シャフト115に動力を伝達するベベルギア129a,129bが同軸且つ対称位置に設けられていることで前輪部120a及び後輪部120bに安定して動力を伝達することが可能となる。
【0094】
なお、上述した第1の実施の形態では、前輪部30a及び後輪部30bには、それぞれガイドローラ38a,38bを備えたフロントバンパー37a及びリアバンパー37bが設けられた構成としているが、これらのバンパー37a,37bやガイドローラ38a,38bを設けなくても車両本体2が壁面80などから受ける負荷を軽減して走行させることが可能となる。したがって、車両本体2を構成する部品点数を抑えることができ、車両本体2の軽量化が可能となる。
【0095】
また、上述した第2の実施の形態では、各コーナーに壁などを設ける代わりにバンクを形成したサーキットを走行させているが、車両本体102を上記構成とすることで、図10に示すように、例えば、ハーフパイプ状のコースなどの特殊なコースを走行させることも可能となる。その際、車両本体102を低速で走行させることにより、図10(a)に示すように、重力によってスライド部130が走行方向Xに向けて左右にスライド移動し、車両本体102は常にコースの中央に向かって走行する。なお、このようなコースは一例であり、これ以外でも様々なコースを走行させることが可能となる。
【0096】
さらに、上述した第1,第2の実施の形態では、前輪部30a(120a)と後輪部30b(120b)とが共に揺動する構成としたが、前輪部30a(120a)と後輪部30b(120b)のうちのいずれか一方を揺動可能とした構成としてもよい。これにより、スライド部50(130)が走行方向Xに向けて左右にスライド移動すると、前輪部30a(120a)と後輪部30b(120b)のうちのいずれか一方が左右に揺動して車両本体2(102)の走行方向Xが変わり、車両本体2(102)をカーブに沿って走行させることが可能となる。したがって、上記した第1,第2の実施の形態と同様に、前輪31a(121a)及び後輪31b(121b)と接地面81との間の摩擦を軽減させることが可能となる。また、コーナリング時にサーキットの壁面80から車両本体2(102)にかかる負荷を軽減させることが可能となる。したがって、スムーズにコーナリングを行うことが可能となるとともに、車両本体2(102)の損傷を抑えることが可能となる。
【0097】
また、上述した第1,第2の実施の形態では、前輪部30a(120a)と後輪部30b(120b)とが同一平面上に配設された構成としているが、前輪部30a(120a)と後輪部30b(120b)とが高さを変えて配設される構成としてもよい。これにより、前輪部30a(120a)と後輪部30b(120b)とを上下に重なるように近接させても基台(筐体)34a(122a),34b(122a)同士が衝突しないので車両本体2(102)の全長を短く構成することが可能となり、コンパクトな走行玩具1(101)を得ることができる。
【0098】
さらに、上述した第1,第2の実施の形態では、スライド部50(130)が走行方向Xに向けて左右にスライド移動すると前輪部30a(120a)と後輪部30b(120b)とが同方向に揺動する構成としているが、前輪部30a(120a)及び後輪部30b(120b)がそれぞれ異なる方向に揺動する構成としてもよい。つまり、スライド部50(130)が左右に移動すると前輪部30a(120a)及び後輪部30b(120b)は、各車軸32a,32b(124a,124b)が常に平行な状態で揺動する構成としてもよい。これにより、車両本体2(102)が斜めに走行するなどのように、これまでとは異なる特殊な走行が可能となる。
【0099】
また、上述した第1,第2の実施の形態では、前輪部30a(120a)と後輪部30b(120b)とは同角度揺動しているが、これら前輪部30a(120a)と後輪部30b(120b)の揺動角度が異なる構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明に係る走行玩具の第1の実施の形態を示す斜視図である。
【図2】同分解斜視図である。
【図3】(a)同実施の形態の動作を示す平面図である。 (b)同実施の形態の動作を示す平面図である。 (c)同実施の形態の動作を示す平面図である。
【図4】同実施の形態のコーナリング時の動作を示す平面図である。
【図5】本発明に係る走行玩具の第2の実施の形態を示す分解斜視図である。
【図6】同実施の形態の動力伝達機構を示す斜視図である。
【図7】(a)同実施の形態の動作を示す底面図である。 (b)同実施の形態の動作を示す底面図である。 (c)同実施の形態の動作を示す底面図である。
【図8】(a)同実施の形態の動作を示す底面図である。 (b)同実施の形態の動作を示す底面図である。 (c)同実施の形態の動作を示す底面図である。
【図9】同実施の形態のコーナリング時の動作を示す平面図である。
【図10】(a)同実施の形態を他のコースで走行させたときの動作を示す平面図である。 (b)図10(a)におけるA−A断面図
【図11】従来の走行玩具のコーナリング時の動作を示す平面図である。
【図12】従来の走行玩具の底面図である。
【符号の説明】
【0101】
1,101…走行玩具
2,102…車体本体
3,103…シャーシ
4…ボディ
5…駆動モータ
10,110…中央連結部
30a,120a…前輪部
30b,120b…後輪部
31a,121a…前輪
31b,121b…後輪
50,130…スライド部
53,143…抑止部
70…付勢部材
140…底板部
X…走行方向
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャーシとボディからなる車両本体を駆動モータで駆動して走行させる走行玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、左右一対からなる前輪及び後輪を備えたシャーシにボディが取り付けられた車両本体を駆動モータで駆動し、例えば、1つの走行路ごとに壁で仕切られた専用のサーキットを走行させてタイムなどを競い合ったり、走行している様子を観賞したりして遊ぶ走行玩具が知られている。
【0003】
このような走行玩具は、直進するだけの簡素な構造であり、且つ四輪駆動させるものが多く、サーキットを走行させる際には、図11に示すように、車両本体201の側部が壁面203に沿って走行することでコーナーを曲がる。なお、その際、コーナリングをスムーズに行うために、車両本体201にはフロント及びリアバンパーに壁面203と接触させるガイドローラ202が設けられるなどの工夫がなされている。
【0004】
また、下記特許文献1に開示されたような走行玩具がある。図12に示すように、この走行玩具300は、シャーシ本体301の前部に平面略円弧状の膨出部302が形成され、この膨出部302の左右に設けられた一対の前輪軸支枠303に揺動ピン304を介して方向変換板305が配設されている。この走行玩具300では、膨出部302が壁面に当接した反動により方向変換板305が移動し、この方向変換板305の動きに連動して前輪軸支枠303が反対側へ揺動して前輪306の向きが変わり方向転換を行うことができる。
【特許文献1】特開昭60−179083号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したような従来の走行玩具では、図11に示すように、各コーナーにおいて、フロント及びリアバンパーに設けられたガイドローラ202が壁面203に接触することで車両本体201と壁面203との摩擦が軽減され、比較的スムーズなコーナリングが可能とされているが、壁面203に沿って強制的に車両本体201の向きを変えるため、走行方向と各車輪204,205の向きが異なり、各車輪204,205と接地面206との間の摩擦によりこれら各車輪204,205がそれぞれの車軸に対してスラスト方向に負荷を受けながらコーナリングを行うこととなる。これがタイムロスの原因となり、特に、各車輪204,205の路面追従性を向上させると更にその負荷が増して逆にタイムが低下することがあった。
また、前輪204が通った軌道よりも後輪205が内側を通るような内輪差の問題もタイムロスの原因の1つであった。
【0006】
さらに、各車輪204,205と接地面206との間の摩擦によりモータに負荷がかかり電池の消耗を早めていた。
【0007】
また、車両本体201には各コーナーごとに絶えず負荷がかかることから、車両本体201が損傷する虞があり、このため、車両本体201の耐久性を低下させていた。
【0008】
さらに、上記特許文献1に開示された走行玩具では、図12に示すように、前輪306の向きが変わることでコーナリング時のシャーシ本体301にかかる負荷が軽減されるとともに、車輪306と接地面との間の摩擦が軽減され、シャーシ本体301が壁面に沿ってスムーズに走行してコーナリングを行うこととなるが、例えば、走行路がコーナーから直線に移る場合など、再度膨出部302が壁面に当接するなどして前輪306の向きを復帰させなければ安定した走行ができないという問題があった。
【0009】
また、従来の走行玩具は、少なくとも各コーナーに車両本体の走行をガイドするための壁が設けられたサーキットでなければ走行させることが難しかった。ところが、このような壁を設けることは、車両本体に負荷がかかるだけでなく、壁に妨げられて走行中の様子が観賞し難いことがあった。
【0010】
そこで本発明は、上記課題を解消するために、コーナリング時に車両本体にかかる負荷が軽減されるとともに、各車輪と接地面との間の不要な摩擦が軽減されてスムーズにコーナリングを行うことができ、この結果、走行タイムを向上させ、また、電池の過度な消耗を抑えることが可能な走行玩具を提供することを第1の目的とし、車両本体の走行をガイドするための壁などを設けなくても走行可能な走行玩具を提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
本発明の請求項1記載の走行玩具1(101)は、前輪31a(121a)及び後輪31b(121b)を備えたシャーシ3(103)にボディ4が取り付けられて車両本体2(102)をなし、前記前輪31a(121a)と前記後輪31b(121b)のうち少なくとも一方を駆動モータ5で駆動して所定方向Xに走行させる走行玩具1(101)であって、
前記シャーシ3(103)は、中央連結部10(110)と、
前記前輪31a(121a)が配設され、前記中央連結部10(110)の前端部と連結された前輪部30a(120a)と、
前記後輪31b(121b)が配設され、前記中央連結部10(110)の後端部と連結された後輪部30b(120b)と、
前記前輪部30a(120a)が前端部に連結されるとともに前記後輪部30b(120b)が後端部に連結され、前記前輪部30a(120a)と前記後輪部30b(120b)との間で所定面内をスライド移動可能に設けられたスライド部50(130)とを具備し、
前記前輪部30a(120a)と前記後輪部30b(120b)のうちのいずれか一方が、前記中央連結部10(110)と回動可能に連結され且つ前記スライド部50(130)と前記走行方向Xに向けて左右に揺動可能に連結され、
前記スライド部50(130)が前記走行方向Xに向けて左右いずれかにスライド移動すると該スライド部50(130)のスライド移動に連動して前記前輪部30a(120a)又は前記後輪部31b(121b)が前記走行方向Xに向けて左右いずれかに揺動することを特徴とする。
【0012】
このような構成によれば、コーナリング時に車両本体2(102)が受ける遠心力によってスライド部50(130)がスライド移動し、これに連動して前輪部30a(120a)と後輪部30b(120b)のうちのいずれか一方が揺動することで車両本体2(102)の走行方向Xが変わり、各車輪31a,31b(121a,121b)と接地面81との間の摩擦を軽減させることが可能となる。また、コーナリング時にサーキットの壁面80から車両本体2(102)にかかる負荷を軽減させることが可能となる。したがって、スムーズにコーナリングを行うことが可能となるとともに、車両本体2(102)の損傷を抑えることが可能となる。
【0013】
請求項2記載の走行玩具1(101)は、左右一対からなる前輪31a(121a)及び後輪31b(121b)を備えたシャーシ3(103)にボディ4が取り付けられて車両本体2(102)をなし、前記一対の前輪31a,31a(121a,121a)と前記一対の後輪31b,31b(121b,121b)のうち少なくとも一方を駆動モータ5で駆動して所定方向Xに走行させる走行玩具1(101)であって、
前記シャーシ3(103)は、中央連結部10(110)と、
前記一対の前輪31a,31a(121a,121a)が配設され、前記中央連結部10(110)の前端部と回動可能に連結された前輪部30a(120a)と、
前記一対の後輪31b(121b)が配設され、前記中央連結部10(110)の後端部と回動可能に連結された後輪部30a(120a)と、
前記前輪部30a(120a)が前端部に前記走行方向Xに向けて左右に揺動可能に連結されるとともに前記後輪部30b(120b)が後端部に前記走行方向Xに向けて左右に揺動可能に連結され、且つ前記前輪部30a(120a)と前記後輪部30b(120b)との間で所定面内をスライド移動可能に設けられたスライド部50(130)とを具備し、
前記スライド部50(130)が前記走行方向Xに向けて左右いずれかにスライド移動すると該スライド部50(130)のスライド移動に連動して前記前輪部30a(120a)と前記後輪部30b(120b)とが同時に前記走行方向Xに向けて左右いずれかに揺動することを特徴とする。
【0014】
請求項3記載の走行玩具1(101)は、前記前輪部30a(120a)と前記後輪部30b(120b)とは、前記スライド部50(130)が前記走行方向Xに向けて左方に移動するとそれぞれ右方に揺動し、前記スライド部50(130)が前記走行方向Xに向けて右方に移動するとそれぞれ左方に揺動することを特徴とする。
【0015】
このような構成によれば、コーナリング時に車両本体2(102)が受ける遠心力によってスライド部50(130)がスライド移動し、これに連動して前輪部30a(120a)と後輪部30b(120b)とが揺動することで車両本体2(102)はカーブに沿って屈曲する。これにより、車両本体2(102)の走行方向Xが変わり、各車輪31a,31b(121a,121b)と接地面81との間の摩擦を軽減させることが可能となる。また、コーナリング時にサーキットの壁面80から車両本体2(102)にかかる負荷を軽減させることが可能となる。したがって、スムーズにコーナリングを行うことが可能となるとともに、車両本体2(102)の損傷を抑えることが可能となる。
【0016】
請求項4記載の走行玩具1は、前記スライド部50の両側部には、該スライド部50を前記走行方向Xに向けて左右にスライド移動可能となるように前記中央連結部10と連結するための抑止部53が設けられ、
前記抑止部53と前記中央連結部10との間に前記スライド部50のスライド移動を付勢する付勢部材70が介設されていることを特徴とする。
【0017】
このような構成によれば、走行方向Xに向けて左右にスライド移動したスライド部50を自動的に初期位置に復帰させることが可能となる。
【0018】
請求項5記載の走行玩具101は、前記前輪部120a及び前記後輪部120bの下方に配設され、前記前輪部120aが前端部に回動可能に連結されるとともに前記後輪部120bが後端部に回動可能に連結されて該前後輪部120a,120bを前記中央連結部110と共に上下から挟み込む底板部140を備え、
前記底板部140には、前記スライド部130を前記走行方向Xに向けて前後左右にスライド移動可能となるように該スライド部130と連結するための抑止部143が設けられていることを特徴とする。
【0019】
請求項6記載の走行玩具101は、前記スライド部130が前記走行方向Xに向けて前後いずれかにスライド移動すると前記前輪部120aと前記後輪部120bとがそれぞれ直進方向を向き、且つこの直進方向を向いた状態で保持されることを特徴とする。
【0020】
このような構成によれば、スライド部130を走行方向Xに向けて前後左右にのみスライド移動するように抑制することができ、任意に与えられた条件でスライド部130を自動的に前後左右に移動させることが可能となる。つまり、例えば、車両本体102が遠心力を受けるとスライド部130は左右に移動し、これに連動して前輪部120aと後輪部120bとが左右に揺動する。また、車両本体102が加速又は減速するとスライド部130は前後に移動し、前輪部120aと後輪部120bとが直進方向に復帰し、これと同時に、前輪部120aと後輪部120bとを直進方向を向いた状態で保持する。これにより、例えば、各コーナーにバンクが形成されたサーキットなどで車両本体102を走行させたときに、スムーズなコーナリングを行うことができ、コーナーを抜けた車両本体102は、スライド部130が自動的に初期位置に復帰して前輪部120aと後輪部102bとが直進方向を向くことで直進可能となる。
【0021】
請求項7記載の走行玩具1(101)は、前記前輪部30a(120a)と前記後輪部30b(120b)とが同一平面上に配設されていることを特徴とする。
【0022】
このような構成によれば、前輪部30a(120a)と後輪部30b(120b)との高低差を無くすことができ、車両本体2(102)の車高を低く構成することが可能となる。
【0023】
請求項8記載の走行玩具1(101)は、前記ボディ4は、前記シャーシ3(103)を構成している前記中央連結部10(110)、前記前輪部30a(120a)、前記後輪部30b(120b)、前記スライド部50(130)のうちのどれかに取り付けられていることを特徴とする。
【0024】
このような構成によれば、シャーシ3(103)を構成している各部のうちのどれか1つにボディ4が取り付けられることにより、各部の連動動作を妨げることなくボディ4を取り付けることが可能となる。
【発明の効果】
【0025】
本発明による走行玩具によれば、コーナリング時に車両本体が受ける遠心力によってスライド部がスライド移動し、これに連動して前輪部と後輪部とが揺動することで車両本体はカーブに沿って屈曲する。これにより、車両本体の走行方向が変わり、前輪及び後輪と接地面との間の摩擦を軽減させることが可能となる。また、前輪部と後輪部とが共に揺動することで内輪差の問題が解消される。さらに、コーナリング時にサーキットの壁面から車両本体にかかる負荷を軽減させることが可能となる。したがって、スムーズにコーナリングを行うことが可能となり、この結果、走行タイムを大幅に向上させることができるようになる。また、車両本体の損傷を抑えることが可能となり、耐久性が向上する。
【0026】
さらに、前輪及び後輪と接地面との間の摩擦を軽減させることで駆動モータにかかる負荷が軽減され、電池の過度な消耗を抑えることができるようになる。
【0027】
また、中央連結部とスライド部との間に付勢部材が介設されていることによって、左右方向にスライド移動したスライド部を自動的に初期位置に復帰させることが可能となる。例えば、走行中の車両本体がコーナーを抜けて直線コースに移った場合などに、コーナリング時にはスライド移動していたスライド部が初期位置に復帰することで車両本体を直進させることができる。
【0028】
さらに、抑止部によってスライド部が走行方向に向けて前後左右にのみスライド移動するように抑制されることで、例えば、各コーナーにバンクが形成されたようなサーキットを走行させてもスライド部を自動的に前後左右に移動させることが可能となり、車両本体は自動的に好適なコーナリングを行うこととなる。これにより、走行路ごとに仕切る壁などが排除されたサーキットでも走行可能となり、車両本体が壁面から負荷を受けることなく走行可能となるだけでなく、壁を無くしたことで見栄えがよくなり、さらに、走行中の様子が観賞しやすくなるという効果が得られる。
【0029】
また、前輪部と後輪部とが同一平面内に配設されていることによって高低差を無くすことができ、車両本体の車高を低く構成することが可能となる。これにより、車両本体を安定して走行させることができる。
【0030】
さらに、シャーシを構成している中央連結部、前輪部、後輪部、スライド部のうちのどれか1つにボディが取り付けられていることにより、各部の連動動作を妨げることなくボディを取り付けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の走行玩具を各実施の形態ごとに図面を参照して具体的に説明する。
【0032】
まず、第1の実施の形態について説明する。
図1は本発明に係る走行玩具の第1の実施の形態を示す斜視図、図2は同分解斜視図、図3(a)〜(c)は同実施の形態の動作を示す平面図、図4は同実施の形態の走行中の動作を示す平面図である。
【0033】
この第1の実施の形態による走行玩具1は、図1に示すように、シャーシ3にボディ4が取り付けられた車両本体2を駆動モータ5で駆動して、1つの走行路ごとに壁で仕切られたり、或いは、走行路面上に走行ガイドが設けられたような専用のサーキットで競走させたり、走行タイムを競い合ったり、走行中の様子を観賞したりして遊ぶものである。
【0034】
図1,2に示すように、シャーシ3は、中央連結部10と、前輪部30aと、後輪部30bと、スライド部50と、底板部60と、付勢部材70とで略構成されている。なお、図中矢線Xは車両本体2の走行方向を示したものであるが、以下、この走行方向Xと平行する向きを前後方向とし、走行方向Xと水平面内で直交する向きを左右方向として説明する。
【0035】
中央連結部10は、前後に長い略矩形の胴部11を有し、この胴部11の前後端部には、前端及び後端連結部12,16が設けられている。前端連結部12は、略有底円筒状の突部13の上縁にフランジ14が形成されたものであり、突部13内の底面上にクラウンギア15が配設されている。また、後端連結部16は、前端連結部12と同様に、略有底円筒状の突部17の上縁にフランジ18が形成されたものであり、突部17内の底面上にクラウンギア19が配設されている。さらに、胴部11の下部中央には、前端側から後端側にかけて中央シャフト20が前後方向に沿って配設されている。また、中央シャフト20の両端にはピニオン21,21が固着され、各ピニオン21,21の近傍にプーリ22,22が設けられている。これらのピニオン21,21は、前端及び後端連結部12,16の各クラウンギア15,19と接続される。中央シャフト20の後端側には、ピニオン21とプーリ22との間にスパーギア23が設けられている。このスパーギア23は、シャーシ3を組み立てた状態で駆動モータ5のギアと接続される。また、胴部11には、側方シャフト24が中央シャフト20と直交して設けられ、この胴部11を左右に貫通している。
なお、この中央連結部10には、前記ボディ4が着脱自在に取り付けられる。
【0036】
前輪部30aは、左右一対からなる前輪31a,31aと、この一対の前輪31a,31aが配設される基台34aとを有している。なお、左右の前輪31a,31aは、中途位置にピニオン33aが設けられた車軸32aの両端に固着されている。基台34aは、略平板状に形成され、その左右両側部には、軸受36aなどを介して車軸32aを回転自在に軸支する側板35a,35aが対向して設けられている。また、基台34aの前端部には、左右両端部にガイドローラ38a,38aを備えたフロントバンパー37aが設けられている。さらに、基台34aの後端部には、同一平面上における後方に突出した突出部39aが設けられ、この突出部39aの裏面には、後述するスライド部50の長孔55に挿通可能な径の連結ピン40aが鉛直下向きに突設されている。また、基台34aの略中央には略円形の大孔部41aが形成されている。
【0037】
後輪部30bは、左右一対からなる後輪31b,31bと、この一対の後輪31b,31bが配設される基台34bとを有している。なお、左右の後輪31b,31bは、中途位置にピニオン33bが設けられた車軸32bの両端に固着されている。基台34bは、略平板状に形成され、その左右両側部には、軸受36bなどを介して車軸32bを回転自在に軸支する側板35b,35bが対向して設けられている。また、基台34bの後端部には、左右両端部にガイドローラ38b,38bを備えたリアバンパー37bが設けられている。さらに、基台34bの前端部には、同一平面上における前方に突出した突出部39bが設けられ、この突出部39bの裏面には、スライド部50の長孔55に挿通可能な径の連結ピン40bが鉛直下向きに突設されている。また、基台34bの略中央には略円形の大孔部41bが形成されている。
【0038】
これらの前輪部30aと後輪部30bとは、シャーシ3の組み立て状態において同一平面上に配設される。
【0039】
スライド部50は、左右両側部に、駆動モータ5を駆動するための図示しない電池(単3形)が1つずつ内蔵される電池収納部51が設けられ、左右の電池収納部51,51の間に中間板52が設けられて各収納部51,51を連結している。また、左右の電池収納部51,51の上面には、挿通孔54が形成された矩形板状の抑止部53,53が対向して設けられている。さらに、中間板52の前端部及び後端部には、前後方向に長い長孔55,55がそれぞれ形成されている。
【0040】
底板部60は、前後方向に長く形成され、前端部が前記前輪部30aの下方に配置されるとともに、後端部が前記後輪部30bの下方に配置される。底板部60の前端部及び後端部には、小孔部61,61が形成され、前記中央連結部10の前端及び後端連結部12,16の各クラウンギア15,19の回転軸が挿通される。また、底板部60上の所定位置には、上部に略半円形の切欠きが形成されたシャフト保持部62,62が前後方向に並んで突設されている。
【0041】
付勢部材70は、所定長さのバネ71の両端にストッパ72,72が設けられてなり、前記中央連結部10の胴部11の左右両側面の外側にて側方シャフト14に挿通装着される。
【0042】
次に、上述した各部を組み立ててシャーシを形成するまでの手順について説明する。
【0043】
図2に示すように、まず、スライド部50の前側の長孔55に前輪部30aの連結ピン40aを挿通し、後側の長孔55に後輪部30bの連結ピン40bを挿通する。このとき、前輪部30a及び後輪部30bは、スライド部50に対してそれぞれ前後方向に向けて左右に揺動可能となっている。また、前輪部30aと後輪部30bとは同一平面上に並べて配置する。
【0044】
次いで、付勢部材70を中央連結部10の両側面から突出している側方シャフト14に外側から挿入装着する。
【0045】
次いで、中央連結部10をスライド部50の中間板52上に前後方向に沿って配設し、前端連結部12を前輪部30aの車軸32aの下方を通して突部13を大孔部41aに挿通するとともに、後端連結部16を後輪部30bの車軸32bの下方を通して突部17を大孔部41bに挿通する。このとき、前輪部30a及び後輪部30bは、中央連結部10の前端及び後端連結部12,16と水平面上を回動可能に連結されている。
【0046】
そして、中央連結部10の側方シャフト14をスライド部50の各抑止部53,53の挿通孔54,54に内側から挿通する。このとき、スライド部50は中央連結部10に対して左右方向にスライド移動可能となっている。
【0047】
最後に、底板部60をスライド部50、前輪部30a、後輪部30bの下方に配置し、シャフト保持部62,62の切欠きに中央連結部10の中央シャフト20の各プーリ22,22を嵌め込み、且つ前後の小孔部61,61に前輪部30a及び後輪部30bの裏面に表出している前端及び後端連結部12,16の各クラウンギア15,19の回転軸を挿通する。さらに、この底板部60を前端及び後端連結部12,16にネジなどで固定する。
これでシャーシ3の組み立てが完了する。なお、上述した手順は、シャーシ3を組み立てる一例であり、この手順以外で組み立てることも可能である。
【0048】
次に、スライド部がスライド移動したときのシャーシの動作について説明する。
【0049】
図3(a)に示すように、スライド部50が初期位置にあるときは、このスライド部50の中心は中心線Cと一致している。また、前輪部30a及び後輪部30bの各車軸32a,32bは中心線Cと直交している。つまり、この状態では車両本体2(シャーシ3)は直進する。なお、通常、スライド部50は、両側部の付勢部材70によってこの状態で保持されている。
【0050】
図3(b)に示すように、スライド部50が右側の付勢力に抗して中心線Cの左方に移動すると、前輪部30a及び後輪部30bは同時に中心線Cの右方に揺動する。このとき、各車軸32a,32bは、中心線Cの右方に傾斜した状態となる。つまり、この状態では車両本体2は右方に方向転換する。
なお、各車軸32a,32bのピニオン33a,33bには、図3(a)の場合と同様の駆動力がクラウンギア15,19から伝達される。
【0051】
図3(c)に示すように、スライド部50が左側の付勢力に抗して中心線Cの右方に移動すると、前輪部30a及び後輪部30bは同時に中心線Cの左方に揺動する。このとき、各車軸32a,32bは、中心線Cの左方に傾斜した状態となる。つまり、この状態では車両本体2は左方に方向転換する。
なお、この場合、図3(b)と同様に、各車軸32a,32bのピニオン33a,33bには、図3(a)の場合と同様の駆動力がクラウンギア15,19から伝達される。
【0052】
次に、車両本体(図中、ボディは省略)がコーナリングを行うときの動作について説明する。
【0053】
図4は専用のサーキットを走行している車両本体2が、コーナーを抜けて再度直線コースに戻るときの動作を示している。なお、図中矢線は車両本体2の走行方向Xである。
【0054】
図4に示すように、まず、車両本体2がコーナーに差しかかると、フロントバンパー37aのガイドローラ38aが壁面80と接触する。これにより、前輪部30a(及び後輪部30b)が僅かに図中左方に揺動して走行方向Xが転換するともに、車両本体2が遠心力を受ける。
【0055】
次いで、車両本体2が遠心力を受けることによってスライド部50が右方にスライド移動する。このスライド部50のスライド移動に連動して前輪部30a及び後輪部30bが左方に揺動し、車両本体2が壁面80のカーブに沿って屈曲する。このとき、走行方向Xが左方に転換していく。
【0056】
そして、車両本体2がコーナーを抜けると、車両本体2が受ける遠心力が弱まり、付勢部材70の付勢力によってスライド部50が初期位置に復帰する。そして、スライド部50の移動に連動して前輪部30a及び後輪部30bが直進方向を向いて車両本体2は直進する。
【0057】
この第1の実施の形態によれば、コーナリング時に車両本体2が受ける遠心力によってスライド部50がスライド移動し、これに連動して前輪部30aと後輪部30bとが揺動することで車両本体2はカーブに沿って屈曲する。これにより、車両本体2の走行方向Xが変わり、前輪31a及び後輪31bと接地面81との間の摩擦を軽減させることが可能となる。また、前輪部30aと後輪部30bとが共に揺動することで内輪差の問題が解消される。さらに、コーナリング時にサーキットの壁面80から車両本体2にかかる負荷を軽減させることが可能となる。したがって、スムーズにコーナリングを行うことが可能となるとともに、車両本体2の損傷を抑えることが可能となる。
【0058】
また、前輪31a及び後輪31bと接地面81との間の摩擦を軽減させることで駆動モータ5にかかる負荷が軽減され、電池の過度な消耗を抑えることができるようになる。
【0059】
さらに、中央連結部10とスライド部50との間に付勢部材70が介設されていることによって、左右方向にスライド移動したスライド部50を自動的に初期位置に復帰させることが可能となる。したがって、走行中の車両本体2がコーナーを抜けて直線コースに移った場合に、コーナリング時にはスライド移動していたスライド部50が初期位置に復帰し、これに連動して前輪部30aと後輪部30bとが直進方向を向いて車両本体2を直進させることができる。
【0060】
また、前輪部30aと後輪部30bとが同一平面内に配設されていることによって、前輪部30aと後輪部30bとの高低差を無くすことができ、車両本体2の車高を低く構成することが可能となる。これにより、車両本体2の安定した走行が可能となる。
【0061】
さらに、シャーシ3を構成している中央連結部10、前輪部30a、後輪部30b、スライド部50のうちのどれか1つにボディ4が取り付けられることにより、ボディ4が各部の連動動作を妨げることなくボディ4を取り付けることが可能となる。特に、ボディ4が中央連結部10に取り付けられると、前輪部30a及び後輪部30bはボディ4に対して動作的に切り離された状態となり、車両本体2は遠心力を効果的に受けるようになる。
【0062】
次に、第2の実施の形態について説明する。
図5は本発明に係る走行玩具の第2の実施の形態を示す分解斜視図、図6は同実施の形態の動力伝達機構を示す斜視図、図7(a)〜(c)及び図8(a)〜(c)は同実施の形態の動作を示す底面図、図9は同実施の形態の走行中の動作を示す平面図である。
なお、以下で説明する第2の実施の形態において、上述した第1の実施の形態と同等あるいは同一箇所には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0063】
この第2の実施の形態による走行玩具101は、シャーシにボディが取り付けられた車両本体を走行させるものであり、図5に示すように、シャーシ103は、中央連結部110と、前輪部120aと、後輪部120bと、スライド部130と、底板部140とで略構成されている。なお、図中矢線Xは車両本体102の走行方向を示したものであるが、以下、この走行方向Xと平行する向きを前後方向とし、走行方向Xと水平面内で直交する向きを左右方向として説明する。
【0064】
中央連結部110は、前後方向に長い胴部111を有し、この胴部111の前後端部に前端及び後端連結孔112,113が設けられている。前端連結孔112は、後述する前輪部120aの連結突部127aが挿通可能な径に形成され、一方、後端連結孔113は、後述する後輪部120bの連結突部127bが挿通可能な径に形成されている。また、胴部111の上面には、駆動モータ5が収納される略矩形の凹部114が設けられている。
なお、この中央連結部110には、図示しないボディが着脱自在に取り付けられる。
【0065】
中央連結部110の下部には、シャーシ103を組み立てた状態で図6に示すような動力伝達機構を構成するための機構の一部が設けられている。この動力伝達機構は、図6に示すように、胴部111の前端側から後端側にかけて中央シャフト115が前後方向に沿って配設されている。中央シャフト115の両端には小径のベベルギア116,116が固着されている。また、中央シャフト115の前端側には、スパーギア117がベベルギア116の後側に近接して固着されている。このスパーギア117は、前記駆動モータ5のギアと接続される。
【0066】
前輪部120aは、図5に示すように、左右一対からなる前輪121aと、この一対の前輪121a,121aが配設される筐体122aとを有している。左右の前輪121a,121aは、中途位置に小径のベベルギア123aが設けられた車軸124aの両端に固着されている。筐体122aは、後端面が開口した有底の略矩形筒状をなし、その左右両側面に、図示しない軸受を介して車軸124aを回転自在に軸支している。なお、図示しないが、筐体122aの前端部にはフロントバンパーが設けられていてもよい。また、フロントバンパーの左右両端部にガイドローラを備えた構成としてもよい。さらに、筐体122aの後端には、この筐体122aの底面が後方に突出して突出部125aが設けられている。この突出部125aには、前後方向に長い長孔126aが形成されている。また、筐体122aの上面における略中央には、略円柱状の前述した連結突部127aが設けられ、筐体122aの下面における略中央には、連結突部128aが前記連結突部127aと同軸的に設けられている。
【0067】
前輪部120aの筐体122a内には、シャーシ103を組み立てた状態で図6に示すような動力伝達機構を構成するための一部機構が設けられている。この動力伝達機構は、図6に示すように、筐体122a内における底面上には、ベベルギア129aが連結突部127aと同軸的に配設され、前記車軸124aの下方に配置され、車軸124aに固着されたベベルギア123aと接続されている。また、ベベルギア129aは、前記中央シャフト115の前端側のベベルギア116とも接続されている。
【0068】
後輪部120bは、図5に示すように、左右一対からなる後輪121bと、この一対の後輪121b,121bが配設される筐体122bとを有している。左右の後輪121b,121bは、中途位置に小径のベベルギア123bが設けられた車軸124bの両端に固着されている。筐体122bは、前端面が開口した有底の略矩形筒状をなし、その左右両側面に、図示しない軸受を介して車軸124bを回転自在に軸支している。なお、図示しないが、この後輪部120bにも前記前輪部120aと同様に、筐体122bの後端部にリアバンパーが設けられていてもよい。また、リアバンパーの左右両端部にガイドローラを備えた構成としてもよい。さらに、筐体122bの前端には、この筐体122bの底面が前方に突出して突出部125bが設けられている。この突出部125bには、前後方向に長い長孔126bが形成されている。また、筐体122bの上面における略中央には、略円柱状の前述した連結突部127bが設けられ、筐体122bの下面における略中央には、連結突部128bが前記連結突部127bと同軸的に設けられている。
【0069】
後輪部120bの筐体122b内には、シャーシ103を組み立てた状態で図6に示すような動力伝達機構を構成するための一部機構が設けられている。この動力伝達機構は、図6に示すように、筐体122b内における上面上には、ベベルギア129bが連結突部128bと同軸的に配設され、前記車軸124bの上方に配設され、車軸124bに固着されたベベルギア123bと接続されている。また、ベベルギア129bは、前記中央シャフト115の後端側のベベルギア116とも接続されている。
【0070】
スライド部130は、図5に示すように、左右両側部に、駆動モータ5を駆動するための図示しない電池(単3形)が1つずつ内蔵される電池収納部131が設けられ、左右の電池収納部131,131の間に中間板132が設けられて各収納部131,131を連結している。さらに、中間板132の裏面における前端部及び後端部には、前述した前輪部120a及び後輪部120bの各長孔126a,126bに挿通可能な径のピン133,133が鉛直下向きに突設されている。
【0071】
底板部140は、前後方向に長く形成され、前端部が前記前輪部120aの下方に配置されるとともに、後端部が前記後輪部120bの下方に配置される。この底板部140の前端部及び後端部には、前輪部120a及び後輪部120bの各連結突部128a,128bが挿通可能な径の連結孔141,141が形成されている。また、この底板部140には、各頂点が前後及び左右方向を向いた略矩形の抑止孔142,142が前後方向に並んで形成されている。さらに、各抑止孔142,142には、シャーシを組み立てた状態で前記スライド部130のピン133,133がそれぞれ挿通され、これら抑止孔142とピン133とでスライド部130のスライド移動を抑制する抑止部143を形成している。
【0072】
次に、上述した各部を組み立ててシャーシを形成するまでの手順について説明する。
【0073】
図5に示すように、まず、前輪部120a及び後輪部120bの各連結突部128a,128bを底板部140の連結孔141,141に挿通する。このとき、前輪部120a及び後輪部120bは底板部140に水平面内で回動可能に連結されている。前輪部120aと後輪部120bは、底板部140上において同一平面上に配置されている。
【0074】
次いで、スライド部130の前側のピン133を前輪部120aの長孔126aに挿通し、更に、底板部140の前側の抑止孔142にまで挿通する。同様に、スライド部140の後側のピン133を後輪部120bの長孔126bに挿通し、更に、底板部140の後側の抑止孔142にまで挿通する。このとき、前輪部120a及び後輪部120bは、それぞれ前後方向に向けて左右に揺動可能となっている。
【0075】
最後に、中央連結部110の前端連結孔112及び後端連結孔113に前輪部120a及び後輪部120bの各連結突部127a,127bを挿通しながら中央連結部110を上方から取り付ける。そして、前輪部120a、スライド部130、後輪部120bを中央連結部110と底板部140によって上下から挟み込む。このとき、前輪部120a及び後輪部120bは、中央連結部110と底板部140に回動可能に連結されるとともに、スライド部130に左右に揺動可能に連結されている。そして、底板部140を前輪部120a及び後輪部120bにネジなどで固定する。
これでシャーシ103の組み立てが完了する。なお、上述した手順は、シャーシ103を組み立てる一例であり、この手順以外で組み立てることも可能である。
【0076】
次に、スライド部がスライド移動したときのシャーシの動作について説明する。
【0077】
まず、スライド部が走行方向(前後方向)に向けて左右にスライド移動する場合について説明する。
図7(a)に示すように、スライド部130が初期位置にあるときは、このスライド部130の中心は中心線Cと一致している。また、前輪部120a及び後輪部120bの各車軸124a,124bは中心線Cと直交している。つまり、この状態では車両本体102(シャーシ103)は直進する。
【0078】
図7(b)に示すように、スライド部130が中心線Cに対して左方に移動すると、前輪部120a及び後輪部120bは同時に中心線Cの右方に揺動する。このとき、前輪121a及び後輪121bを接続している各車軸124a,124bは、中心線Cの右方に傾斜した状態となる。また、スライド部130のピン133,133が抑止孔142,142の左端に当接することで、このスライド部130がこれ以上左方に移動することを防いでいる。つまり、この状態では車両本体102は右方に方向転換する。
なお、各車軸121a,121bが傾斜してもこれら各車軸121a,121bに固着されたベベルギア123a,123bには、図7(a)の場合と同様の駆動力がベベルギア129a,129bから伝達される(図6参照)。
【0079】
図7(c)に示すように、スライド部130が中心線Cに対して右方に移動すると、前輪部120a及び後輪部120bは同時に中心線Cの左方に揺動する。このとき、各車軸124a,124bは中心線Cの左方に傾斜した状態となる。また、スライド部130のピン133,133が抑止孔142,142の右端に当接することで、このスライド部130がこれ以上右方に移動することを防いでいる。つまり、この状態では車両本体102は左方に方向転換する。
なお、この場合も、図7(b)と同様に、各車軸121a,121bに固着されたベベルギア123a,123bには、図7(a)の場合と同様の駆動力がベベルギア129a,129bから伝達される(図6参照)。
【0080】
次いで、スライド部が走行方向に向けて前後にスライド移動する場合について説明する。
図8(a)に示すように、スライド部130が初期位置にあるときは、このスライド部130の水平方向の中心は中心線Oと一致している。また、前輪部120a及び後輪部120bの各車軸124a,124bの向きは中心線Oと平行である。つまり、この状態では車両本体102(シャーシ103)は直進する。
【0081】
図8(b)に示すように、スライド部130が中心線Oに対して前方に移動すると、前輪部120a及び後輪部120bの各車軸124a,124bの向きが中心線Oと平行となり、前輪部120a及び後輪部120bは直進方向を向いた状態となる。また、スライド部130のピン133,133が抑止孔142,142の前端に当接することで、このスライド部130がこれ以上前方に移動することを防ぎ、且つスライド部130をこの位置に保持している。つまり、この状態では車両本体102は直進し、更に、この直進走行が継続する。
【0082】
図8(c)に示すように、スライド部130が中心線Oに対して後方に移動すると、各車軸124a,124bの向きが中心線Oと平行となり、前輪部120a及び後輪部120bは直進方向を向いた状態となる。また、スライド部130のピン133,133が抑止孔142,142の後端に当接することで、このスライド部130がこれ以上後方に移動することを防ぎ、且つスライド部130をこの位置に保持している。つまり、上記同様に、この状態では車両本体102は直進し、更に、この直進走行が継続する。
【0083】
次に、車両本体(図中、ボディは省略)がコーナリングを行うときの動作について説明する。
【0084】
図9は専用のサーキットを走行している車両本体102が、コーナーを抜けて再度直線コースに戻るときの動作を示している。なお、図中矢線は車両本体102の走行方向Xである。また、このサーキットには走行路ごとにコースを仕切る壁が設けられるかわりに、各コーナーにバンクが形成されている。
【0085】
図9に示すように、まず、車両本体102がコーナーに差しかかると、バンクの傾斜により急速に減速し、それまで走行方向Xに向けて後方にあったスライド部130が前方にスライド移動して初期位置に復帰する。また、車両本体102は、バンクの傾斜に沿ってコーナーの内側を向こうとする。これにより、前輪部120a(及び後輪部120b)が僅かに図中左方に揺動して走行方向Xが転換するともに、車両本体102が遠心力を受ける。
【0086】
次いで、車両本体102が遠心力を受けることによってスライド部130が右方にスライド移動する。このスライド部130のスライド移動に連動して前輪部120a及び後輪部120bが左方に揺動し、車両本体102がカーブに沿って屈曲する。このとき、走行方向Xが左方に転換していく。
【0087】
そして、車両本体102がコーナーを抜けるとともに、バンクの傾斜も緩やかになり車両本体102が急速に加速を始める。これにより、スライド部130が走行方向Xに向けて後方にスライド移動し、前輪部120a及び後輪部120bが直進方向を向いた状態となる。すなわち、車両本体102は直進し、且つその直進走行を継続する。
各コーナーにおいて、車両本体102が上述したような動作を繰り返すことで、車両本体102を走行路ごとに仕切った壁などが無いサーキットでも走行させることが可能となる。また、その際には、各コーナーでのスムーズなコーナリングが可能となる。
【0088】
この第2の実施の形態によれば、上記した第1の実施の形態による効果と同様に、コーナリング時に車両本体102が受ける遠心力によってスライド部130がスライド移動し、これに連動して前輪部120aと後輪部120bとが揺動することで車両本体102はカーブに沿って屈曲する。これにより、車両本体102の走行方向Xが変わり、前輪121a及び後輪121bと接地面81との間の摩擦を軽減させることが可能となる。また、前輪部120aと後輪部120bとが共に揺動することで内輪差の問題が解消される。さらに、コーナリング時にサーキットの壁面80から車両本体102にかかる負荷を軽減させることが可能となる。したがって、スムーズにコーナリングを行うことが可能となるとともに、車両本体102の損傷を抑えることが可能となる。
【0089】
また、前輪121a及び後輪121bと接地面81との間の摩擦を軽減させることで駆動モータ5にかかる負荷が軽減され、電池の過度な消耗を抑えることができるようになる。
【0090】
さらに、スライド部130のピン133が底板部の抑止孔142に挿入された抑止部143が設けられていることにより、このスライド部130を走行方向Xに向けて前後左右にのみスライド移動するように抑制することができ、各コーナーにバンクが形成されたような専用のサーキットを走行させることでスライド部130を自動的に前後左右に移動させることが可能となる。これにより、車両本体102は、自動的に好適なコーナリングを行うこととなる。したがって、走行路ごとに仕切る壁などが排除されたサーキットでも走行可能となる。これにより、車両本体102が壁面80から負荷を受けることなく走行可能となるだけでなく、壁を無くしたことで見栄えがよくなり、また、走行中の様子が観賞しやすくなるという効果が得られる。
【0091】
さらに、上記した第1の実施の形態による効果と同様に、前輪部120aと後輪部120bとが同一平面内に配設されていることによって、前輪部120aと後輪部120bとの高低差を無くすことができ、車両本体102の車高を低く構成することが可能となる。これにより、車両本体102の安定した走行が可能となる。
【0092】
また、上記した第1の実施の形態による効果と同様に、シャーシ103を構成している中央連結部110、前輪部120a、後輪部120b、スライド部130のうちのどれか1つにボディが取り付けられることにより、各部の連動動作を妨げることなくボディを取り付けることが可能となる。特に、ボディが中央連結部110に取り付けられると、前輪部120a及び後輪部120bはボディに対して動作的に切り離された状態となり、車両本体102は遠心力を効果的に受けることができるようになる。
【0093】
さらに、車両本体102に駆動モータ5からの駆動力を伝達するための動力伝達機構に、両端に固着されたベベルギア116,116を介して中央シャフト115に動力を伝達するベベルギア129a,129bが同軸且つ対称位置に設けられていることで前輪部120a及び後輪部120bに安定して動力を伝達することが可能となる。
【0094】
なお、上述した第1の実施の形態では、前輪部30a及び後輪部30bには、それぞれガイドローラ38a,38bを備えたフロントバンパー37a及びリアバンパー37bが設けられた構成としているが、これらのバンパー37a,37bやガイドローラ38a,38bを設けなくても車両本体2が壁面80などから受ける負荷を軽減して走行させることが可能となる。したがって、車両本体2を構成する部品点数を抑えることができ、車両本体2の軽量化が可能となる。
【0095】
また、上述した第2の実施の形態では、各コーナーに壁などを設ける代わりにバンクを形成したサーキットを走行させているが、車両本体102を上記構成とすることで、図10に示すように、例えば、ハーフパイプ状のコースなどの特殊なコースを走行させることも可能となる。その際、車両本体102を低速で走行させることにより、図10(a)に示すように、重力によってスライド部130が走行方向Xに向けて左右にスライド移動し、車両本体102は常にコースの中央に向かって走行する。なお、このようなコースは一例であり、これ以外でも様々なコースを走行させることが可能となる。
【0096】
さらに、上述した第1,第2の実施の形態では、前輪部30a(120a)と後輪部30b(120b)とが共に揺動する構成としたが、前輪部30a(120a)と後輪部30b(120b)のうちのいずれか一方を揺動可能とした構成としてもよい。これにより、スライド部50(130)が走行方向Xに向けて左右にスライド移動すると、前輪部30a(120a)と後輪部30b(120b)のうちのいずれか一方が左右に揺動して車両本体2(102)の走行方向Xが変わり、車両本体2(102)をカーブに沿って走行させることが可能となる。したがって、上記した第1,第2の実施の形態と同様に、前輪31a(121a)及び後輪31b(121b)と接地面81との間の摩擦を軽減させることが可能となる。また、コーナリング時にサーキットの壁面80から車両本体2(102)にかかる負荷を軽減させることが可能となる。したがって、スムーズにコーナリングを行うことが可能となるとともに、車両本体2(102)の損傷を抑えることが可能となる。
【0097】
また、上述した第1,第2の実施の形態では、前輪部30a(120a)と後輪部30b(120b)とが同一平面上に配設された構成としているが、前輪部30a(120a)と後輪部30b(120b)とが高さを変えて配設される構成としてもよい。これにより、前輪部30a(120a)と後輪部30b(120b)とを上下に重なるように近接させても基台(筐体)34a(122a),34b(122a)同士が衝突しないので車両本体2(102)の全長を短く構成することが可能となり、コンパクトな走行玩具1(101)を得ることができる。
【0098】
さらに、上述した第1,第2の実施の形態では、スライド部50(130)が走行方向Xに向けて左右にスライド移動すると前輪部30a(120a)と後輪部30b(120b)とが同方向に揺動する構成としているが、前輪部30a(120a)及び後輪部30b(120b)がそれぞれ異なる方向に揺動する構成としてもよい。つまり、スライド部50(130)が左右に移動すると前輪部30a(120a)及び後輪部30b(120b)は、各車軸32a,32b(124a,124b)が常に平行な状態で揺動する構成としてもよい。これにより、車両本体2(102)が斜めに走行するなどのように、これまでとは異なる特殊な走行が可能となる。
【0099】
また、上述した第1,第2の実施の形態では、前輪部30a(120a)と後輪部30b(120b)とは同角度揺動しているが、これら前輪部30a(120a)と後輪部30b(120b)の揺動角度が異なる構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明に係る走行玩具の第1の実施の形態を示す斜視図である。
【図2】同分解斜視図である。
【図3】(a)同実施の形態の動作を示す平面図である。 (b)同実施の形態の動作を示す平面図である。 (c)同実施の形態の動作を示す平面図である。
【図4】同実施の形態のコーナリング時の動作を示す平面図である。
【図5】本発明に係る走行玩具の第2の実施の形態を示す分解斜視図である。
【図6】同実施の形態の動力伝達機構を示す斜視図である。
【図7】(a)同実施の形態の動作を示す底面図である。 (b)同実施の形態の動作を示す底面図である。 (c)同実施の形態の動作を示す底面図である。
【図8】(a)同実施の形態の動作を示す底面図である。 (b)同実施の形態の動作を示す底面図である。 (c)同実施の形態の動作を示す底面図である。
【図9】同実施の形態のコーナリング時の動作を示す平面図である。
【図10】(a)同実施の形態を他のコースで走行させたときの動作を示す平面図である。 (b)図10(a)におけるA−A断面図
【図11】従来の走行玩具のコーナリング時の動作を示す平面図である。
【図12】従来の走行玩具の底面図である。
【符号の説明】
【0101】
1,101…走行玩具
2,102…車体本体
3,103…シャーシ
4…ボディ
5…駆動モータ
10,110…中央連結部
30a,120a…前輪部
30b,120b…後輪部
31a,121a…前輪
31b,121b…後輪
50,130…スライド部
53,143…抑止部
70…付勢部材
140…底板部
X…走行方向
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前輪及び後輪を備えたシャーシにボディが取り付けられて車両本体をなし、前記前輪と前記後輪のうち少なくとも一方を駆動モータで駆動して所定方向に走行させる走行玩具であって、
前記シャーシは、中央連結部と、
前記前輪が配設され、前記中央連結部の前端部と連結された前輪部と、
前記後輪が配設され、前記中央連結部の後端部と連結された後輪部と、
前記前輪部が前端部に連結されるとともに前記後輪部が後端部に連結され、前記前輪部と前記後輪部との間で所定面内をスライド移動可能に設けられたスライド部とを具備し、
前記前輪部と前記後輪部のうちのいずれか一方が、前記中央連結部と回動可能に連結され且つ前記スライド部と前記走行方向に向けて左右に揺動可能に連結され、
前記スライド部が前記走行方向に向けて左右にスライド移動すると前記前輪部又は前記後輪部が揺動することを特徴とする走行玩具。
【請求項2】
左右一対からなる前輪及び後輪を備えたシャーシにボディが取り付けられて車両本体をなし、前記一対の前輪と前記一対の後輪のうち少なくとも一方を駆動モータで駆動して所定方向に走行させる走行玩具であって、
前記シャーシは、中央連結部と、
前記一対の前輪が配設され、前記中央連結部の前端部と回動可能に連結された前輪部と、
前記一対の後輪が配設され、前記中央連結部の後端部と回動可能に連結された後輪部と、
前記前輪部が前端部に前記走行方向に向けて左右に揺動可能に連結されるとともに前記後輪部が後端部に前記走行方向に向けて左右に揺動可能に連結され、且つ前記前輪部と前記後輪部との間で所定面内をスライド移動可能に設けられたスライド部とを具備し、
前記スライド部が前記走行方向に向けて左右にスライド移動すると前記前輪部と前記後輪部とが同時に揺動することを特徴とする走行玩具。
【請求項3】
前記前輪部と前記後輪部とは、前記スライド部が前記走行方向に向けて左方に移動するとそれぞれ右方に揺動し、前記スライド部が前記走行方向に向けて右方に移動するとそれぞれ左方に揺動することを特徴とする請求項2記載の走行玩具。
【請求項4】
前記スライド部の両側部には、該スライド部を前記走行方向に向けて左右にスライド移動可能となるように前記中央連結部と連結するための抑止部が設けられ、
前記抑止部と前記中央連結部との間に前記スライド部のスライド移動を付勢する付勢部材が介設されていることを特徴とする請求項2又は3記載の走行玩具。
【請求項5】
前記前輪部及び前記後輪部の下方に配設され、前記前輪部が前端部に回動可能に連結されるとともに前記後輪部が後端部に回動可能に連結されて該前後輪部を前記中央連結部と共に上下から挟み込む底板部を備え、
前記底板部には、前記スライド部を前記走行方向に向けて前後左右にスライド移動可能となるように該スライド部と連結するための抑止部が設けられていることを特徴とする請求項2又は3記載の走行玩具。
【請求項6】
前記スライド部が前記走行方向に向けて前後にスライド移動すると前記前輪部と前記後輪部とがそれぞれ直進方向を向き、且つこの状態で保持されることを特徴とする請求項5記載の走行玩具。
【請求項7】
前記前輪部と前記後輪部とが同一平面上に配設されていることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6の何れか1つに記載の走行玩具。
【請求項8】
前記ボディは、前記シャーシを構成している前記中央連結部、前記前輪部、前記後輪部、前記スライド部のうちのどれかに取り付けられていることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7の何れか1つに記載の走行玩具。
【請求項1】
前輪及び後輪を備えたシャーシにボディが取り付けられて車両本体をなし、前記前輪と前記後輪のうち少なくとも一方を駆動モータで駆動して所定方向に走行させる走行玩具であって、
前記シャーシは、中央連結部と、
前記前輪が配設され、前記中央連結部の前端部と連結された前輪部と、
前記後輪が配設され、前記中央連結部の後端部と連結された後輪部と、
前記前輪部が前端部に連結されるとともに前記後輪部が後端部に連結され、前記前輪部と前記後輪部との間で所定面内をスライド移動可能に設けられたスライド部とを具備し、
前記前輪部と前記後輪部のうちのいずれか一方が、前記中央連結部と回動可能に連結され且つ前記スライド部と前記走行方向に向けて左右に揺動可能に連結され、
前記スライド部が前記走行方向に向けて左右にスライド移動すると前記前輪部又は前記後輪部が揺動することを特徴とする走行玩具。
【請求項2】
左右一対からなる前輪及び後輪を備えたシャーシにボディが取り付けられて車両本体をなし、前記一対の前輪と前記一対の後輪のうち少なくとも一方を駆動モータで駆動して所定方向に走行させる走行玩具であって、
前記シャーシは、中央連結部と、
前記一対の前輪が配設され、前記中央連結部の前端部と回動可能に連結された前輪部と、
前記一対の後輪が配設され、前記中央連結部の後端部と回動可能に連結された後輪部と、
前記前輪部が前端部に前記走行方向に向けて左右に揺動可能に連結されるとともに前記後輪部が後端部に前記走行方向に向けて左右に揺動可能に連結され、且つ前記前輪部と前記後輪部との間で所定面内をスライド移動可能に設けられたスライド部とを具備し、
前記スライド部が前記走行方向に向けて左右にスライド移動すると前記前輪部と前記後輪部とが同時に揺動することを特徴とする走行玩具。
【請求項3】
前記前輪部と前記後輪部とは、前記スライド部が前記走行方向に向けて左方に移動するとそれぞれ右方に揺動し、前記スライド部が前記走行方向に向けて右方に移動するとそれぞれ左方に揺動することを特徴とする請求項2記載の走行玩具。
【請求項4】
前記スライド部の両側部には、該スライド部を前記走行方向に向けて左右にスライド移動可能となるように前記中央連結部と連結するための抑止部が設けられ、
前記抑止部と前記中央連結部との間に前記スライド部のスライド移動を付勢する付勢部材が介設されていることを特徴とする請求項2又は3記載の走行玩具。
【請求項5】
前記前輪部及び前記後輪部の下方に配設され、前記前輪部が前端部に回動可能に連結されるとともに前記後輪部が後端部に回動可能に連結されて該前後輪部を前記中央連結部と共に上下から挟み込む底板部を備え、
前記底板部には、前記スライド部を前記走行方向に向けて前後左右にスライド移動可能となるように該スライド部と連結するための抑止部が設けられていることを特徴とする請求項2又は3記載の走行玩具。
【請求項6】
前記スライド部が前記走行方向に向けて前後にスライド移動すると前記前輪部と前記後輪部とがそれぞれ直進方向を向き、且つこの状態で保持されることを特徴とする請求項5記載の走行玩具。
【請求項7】
前記前輪部と前記後輪部とが同一平面上に配設されていることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6の何れか1つに記載の走行玩具。
【請求項8】
前記ボディは、前記シャーシを構成している前記中央連結部、前記前輪部、前記後輪部、前記スライド部のうちのどれかに取り付けられていることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7の何れか1つに記載の走行玩具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−89787(P2007−89787A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−282452(P2005−282452)
【出願日】平成17年9月28日(2005.9.28)
【出願人】(591056994)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月28日(2005.9.28)
【出願人】(591056994)
【Fターム(参考)】
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