説明

走行管理情報提供システム

【課題】バリエーションに富んだ走行管理情報を与える情報提供システムの提供。
【解決手段】自動車の走行管理情報を情報利用者に提供するための走行管理情報提供システム(1)である。各SS(サービスステーション)(30)に設置され、自動車毎にSSにおいて提供されたサービス内容情報を日時とともに送信するPOS端末(31)と、POS端末(31)から受信したサービス内容情報を自動車(40)に対応する対応アドレス領域に累積的に記憶するSS用サーバ(21)と、情報利用者の情報端末(41)から接続可能な情報提供サーバ(2)と、を含み、情報利用者によってSS用サーバ(21)上の対応アドレス領域を示す情報に併せ所定情報を情報端末から情報提供サーバ(2)へ向けて送信させ、これを受けて情報提供サーバ(2)はSS用サーバ(21)から対応アドレス領域のサービス内容情報を抽出し所定情報を加工して走行管理情報を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の燃費などの走行管理情報を自動車の使用者である情報利用者に提供する走行管理情報提供システムに関し、特に、提供される情報の種類を増やすとともにその情報価値も大幅に高め得る走行管理情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の燃費などの走行管理情報は、日々の運行点検とともに該自動車の調子を知る上で重要な情報となる。また自動車の走行に伴って消耗及び/又は劣化する部品などの交換時期の目安を得る上でも重要な情報となる。従来、このような走行管理情報については、自動車ユーザ自らが記録ノートを作成するなどして個別に管理してきた。
【0003】
一方、近年のインターネット回線やこれと接続可能な無線携帯端末を利用した情報管理インフラの整備とともに、上記したような走行管理情報をかかるインフラを利用して所定のサーバ上で一元管理し、必要に応じてこれを個々の自動車ユーザに提供しようとする走行管理情報提供サービスが提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1では、インターネット回線とこれに接続された情報管理サーバ及び情報端末とを利用して、所定の自動車の自動車ユーザに該自動車の燃費を計算して提供する自動車情報管理システムが開示されている。自動車ユーザは、自ら使用する所定の自動車について、サービスステーションで給油時毎に給油量と累計走行距離とを情報端末に入力し情報管理サーバに逐次送信しておく。情報管理サーバはこれらを記憶しておいて、自動車ユーザの求めに応じて記憶した給油量と累計走行距離から燃費などの所定の走行管理情報を計算し該自動車ユーザの情報端末に返信するのである。自動車ユーザは特別な計算などを行わなくとも必要なときに走行管理情報を得ることができる。
【0005】
ところで、上記したような自動車情報管理システムのように、情報管理サーバ上で複数の自動車ユーザからの情報を一元管理することで、情報管理サーバの管理者は複数の自動車ユーザからの情報を比較するなどして横断的にこれらを取り扱うことが可能となる。一方、自動車ユーザにとっては、これら横断的に取り扱われる情報の提供を情報管理サーバの管理者から受けることでより便宜を得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−222797号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
複数の自動車ユーザからの横断的情報の価値をより高めるには、より多くの自動車ユーザの自動車情報管理システムの利用が必要である。また、自動車ユーザに新たな価値ある情報を提供するには、より多くの種類の情報を自動車ユーザから収集することが必要である。ここで特許文献1に開示の自動車情報管理システムでは、より多くの種類の情報を収集するためには、自動車ユーザに情報端末への情報の入力を更に多く強いることとなる。結果として、該システムの利用者の減少を招く恐れがあって、横断的情報の価値を高めることもできなくなってしまうのである。
【0008】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、自動車ユーザに過大な負担を掛けることなくより多くの種類の情報を収集できるようにして、より多くの自動車ユーザの自動車情報管理システムの利用を促し得て、提供される情報の種類を増やすとともにその情報価値も大幅に高め得るシステムの提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による走行管理情報提供システムは、自動車の走行管理情報を該自動車の使用者である情報利用者に提供するための走行管理情報提供システムであって、各サービスステーションに設置され、前記自動車毎に前記サービスステーションにおいて提供されたサービス内容情報を日時とともに送信するPOS端末と、前記POS端末から受信した前記サービス内容情報を前記自動車に対応する対応アドレス領域に累積的に記憶するSS用サーバと、前記情報利用者の情報端末から接続可能な情報提供サーバと、を含み、前記情報利用者によって前記SS用サーバ上の前記対応アドレス領域を示す情報に併せ所定情報を前記情報端末から前記情報提供サーバへ向けて送信させ、これを受けて前記情報提供サーバは前記SS用サーバから前記対応アドレス領域の前記サービス内容情報を抽出し前記所定情報を加工して前記走行管理情報を提供することを特徴とする。
【0010】
かかる発明によれば、各サービスステーションにおいて提供されたサービス内容情報を自動車ユーザ(情報利用者)に過大な負担を掛けることなく収集でき、より多くの自動車ユーザの自動車情報管理システムの利用を促し得て、提供される情報の種類を増やすとともにその情報価値も大幅に高め得るのである。
【0011】
上記した発明において、前記対応アドレス領域を示す情報は、前記SS用サーバにより管理される会員番号情報として前記情報利用者に与えられることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、走行管理情報提供システムを利用する以前のサービスステーションにおいて提供された過去の累積的に記憶されたサービス内容情報についても、自動車ユーザに過大な負担を掛けることなく収集できる。すなわち、より多くの自動車ユーザの自動車情報管理システムの利用を促し得て、提供される情報の種類を増やすとともにその情報価値も大幅に高め得るのである。
【0012】
上記した発明において、前記対応アドレス領域を示す情報は、前記POS端末から印字情報として前記情報利用者に発行されることを特徴としてもよい。また、前記印字情報は、2次元コードとして前記POS端末から発行される伝票に与えられることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、自動車ユーザの情報端末の操作を軽減できる。すなわち、より多くの自動車ユーザの自動車情報管理システムの利用を促し得て、提供される情報の種類を増やすとともにその情報価値も大幅に高め得るのである。
【0013】
上記した発明において、前記所定情報は、前記情報利用者によって前記情報提供サーバ上に累積的に記憶されることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、自動車ユーザに過大な負担を掛けることなく累積的に記憶された過去の所定情報をも使用できる。すなわち、より多くの自動車ユーザの自動車情報管理システムの利用を促し得て、提供される情報の種類を増やすとともにその情報価値も大幅に高め得るのである。
【0014】
上記した発明において、前記所定情報の加工は、前記情報端末から前記情報提供サーバへ向けて送信された画像情報の画像解析を含むことを特徴としてもよい。かかる発明によれば、自動車ユーザの情報端末の操作を軽減できる。すなわち、より多くの自動車ユーザの自動車情報管理システムの利用を促し得て、提供される情報の情報価値も大幅に高め得るのである。
【0015】
上記した発明において、前記サービス内容情報は前記自動車の給油量を示す給油情報を含み、前記所定情報は前記自動車の走行した距離を示す走行距離情報を含み、前記走行管理情報は燃費を示す情報を含むことを特徴としてもよい。かかる発明によれば、自動車ユーザの情報端末の操作を軽減しつつ、走行管理情報の最も重要な情報の1つである燃費情報を提供できる。すなわち、より多くの自動車ユーザの自動車情報管理システムの利用を促し得て、提供される情報の種類を増やすとともにその情報価値も大幅に高め得るのである。
【0016】
上記した発明において、前記情報提供サーバにおける前記走行管理情報の提供は、前記情報利用者の前記情報端末に送信して行うことを特徴としてもよい。かかる発明によれば、自動車ユーザに迅速に情報を提供できる。すなわち、より多くの自動車ユーザの自動車情報管理システムの利用を促し得て、情報の情報価値も大幅に高め得るのである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】従来型の走行管理情報提供システムを示す図である。
【図2】サービスステーション(SS)のPOSシステムを示す図である。
【図3】本発明による走行管理情報提供システムを含むシステムの図である。
【図4】本発明による走行管理情報提供システムの要部のフロー図である。
【図5】本発明による走行管理情報提供システムの要部のフロー図である。
【図6】本発明による走行管理情報提供システムの要部のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
参考として、従来型の走行管理情報提供システム及びガソリンを給油したり自動車のメンテナンスサービスを提供するサービスステーション(SS)に設けられるPOSシステムについて、図1及び図2をそれぞれ参照しつつ説明する。
【0019】
図1に示すように、システム100は、CPU101、ROM101a、RAM101b及び記憶装置102を内蔵するサーバ103を含む。サーバ103はその内部の通信装置104を介してインターネット回線50に接続されている。一方、自動車120の自動車ユーザ且つシステム100の利用者である情報利用者によって所有される携帯端末121は、無線通信により基地局51を介してインターネット回線50に接続されている。つまり、サーバ103と携帯端末121とは互いにインターネット回線50により接続されている。記憶装置102には、CPU101に実行させるプログラムとしての情報受信手段111と情報加工手段112と管理情報返信手段113とが書き込まれている。更に、記憶装置102は、データベース領域であるデータベース115を有する。
【0020】
自動車ユーザ(情報利用者)は、携帯端末121を操作してサーバ103にアクセスし、自動車120に関する情報、例えば、ガソリンなどの燃料の給油量、走行距離などの情報をサーバ103に向けて送信する。CPU101は、情報受信手段111によりこれをデータベース115に保存させる。また情報加工手段112により情報を加工し、例えば、走行距離をガソリンなどの燃料の給油量で除して燃費情報などに加工し、データベース115に走行管理情報として保存させる。別途、自動車ユーザは携帯端末121を操作してサーバ103にアクセスすることで、管理情報返信手段113からデータベース115の走行管理情報を自己の携帯端末112へ返信させることが出来る。このような従来型のシステム100で提供される走行管理情報は、自動車ユーザの与えた情報から加工される情報だけに限られる。
【0021】
次に、図2に示すように、POSシステム20は、系列店舗の情報を統括管理するサービスステーション(SS)用サーバ21’と、これに専用回線等で接続されるPOS端末31とからなる。SS用サーバ21’は、記憶装置22、通信装置27、CPU24、ROM25及びRAM26等を含む。記憶装置22には、CPU24に実行させるプログラムとしてのSS情報受信手段28が書き込まれている。更に、記憶装置22は、データベース領域であるデータベース23を有する。POS端末31は、自動車40に対してサービスを提供した場合に自動車40の自動車ユーザに対して伝票35’を発行する伝票発行手段33’を含む。
【0022】
サービスステーション30の従業員(又はその利用者など)は、サービスステーション(SS)30において自動車40に提供されたサービスに関する情報をPOS端末31を操作して入力する。POS端末31は、日時や必要に応じて顧客情報を示す情報とともに、このサービス情報をSS情報(サービス内容情報)としてSS用サーバ21’に向けて送信し、一方で、自動車ユーザには伝票35’を発行する。SS用サーバ21’はPOS端末31からSS情報を受信すると、そのSS情報受信手段28によりSS情報をデータベース23に逐次保存させる。つまり、SS用サーバ21’のデータベース23には、この伝票番号を含む情報として、同自動車ユーザの今までのサービスステーションで受けたサービスの情報(SS情報)が蓄積されるのである。なお、その他のサービスステーション30’及びPOS端末31’についてもサービスステーション30及びPOS端末31と同様である。
【0023】
次に、本発明の1つの実施の形態として、走行管理情報提供システムについて図3乃至図6を参照して詳細を説明する。
【0024】
図3に示すように、走行管理情報提供システム1は、その中核をなす情報提供サーバ2と、サービスステーション30(若しくは、30’)に備えられたPOS端末31(若しくは、31’)を統合して管理するSS用サーバ21とを含む。情報提供サーバ2とSS用サーバ21との間、SS用サーバ21とPOS端末31(及び31’)との間は、それぞれ専用回線等によって接続されている。また、情報提供サーバ2はインターネット回線などの既存の通信インフラである通信回線50に接続されている。
【0025】
SS用サーバ21及びPOS端末31については、図2に示すPOSシステム20とほぼ同様である。SS用サーバ21はPOS端末31と接続される一方、情報提供サーバ2とも専用回線等によって接続されている。またSS用サーバ21はSS情報検索手段29を更に含んでいる。詳細は後述するが、情報提供サーバ2からSS情報要求信号を受信すると、SS情報検索手段29は、データベース23からSS情報要求信号に対応したSS情報を検索し、これを返信する。
【0026】
POS端末31は、自動車40に対してサービスを提供した場合に自動車40の自動車ユーザに対して紙媒体としての伝票35を発行する伝票発行手段33を含んでいるが、ここでは、伝票35毎に伝票番号を生成し、この伝票番号と共に情報提供サーバ2へアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)を2次元コードなどで印字する機能を含めて有する。
【0027】
これとともにPOS端末31は、後述する自動車ユーザに対応した識別符号とともに、伝票番号、SS情報をSS用サーバ21に送信し、これを受けてSS用サーバ21はSS情報受信手段28によりSS情報を自動車ユーザ毎にデータベース23に逐次保存させデータベースを作成する。
【0028】
自動車40を日常的に又は継続的に使用する自動車ユーザ(情報利用者)の所有する携帯端末41は、情報及び伝票番号を入力可能な図示しない入力装置を備えている。かかる入力装置として、例えば文字入力のために配列された複数のキーや、デジタルカメラの機能と二次元コードの読取り機能とを有する装置を備える。また、後述するように、自動車ユーザに向けて返信された走行管理情報を表示するための表示装置も備える。この携帯端末41は通信回線50に接続された基地局51を介して情報提供サーバ2に接続可能である。なお、携帯端末41の代わりに、他のモバイル端末やパーソナルコンピュータなど、他の通信可能な情報端末であってもよい。
【0029】
情報提供サーバ2は記憶装置3、通信装置7、CPU4、ROM5及びRAM6等を含む。ここでは図示しないが、情報提供サーバ2には、これを管理するためのモニタ装置及びキーボードなどの入出力装置等が接続されている。
【0030】
記憶装置3は、CPU4を介して情報提供サーバ2に実行させるためのプログラムである情報受信手段11、SS情報抽出手段12、及び、管理情報作成手段13を含む。更に、記憶装置3は、そのデータベース領域であるデータベース15を含む。情報受信手段11、SS情報抽出手段12、及び、管理情報作成手段13の詳細については後述する。
【0031】
次に、システム1の動作について、図3を参照しつつ、図4乃至図6によりその詳細を説明する。
【0032】
図3及び図4に示すように、自動車40の自動車ユーザ(情報利用者)は、自動車40でサービスステーション30に赴き、自動車40に関するサービスの提供、例えば、給油、洗車、タイヤなどの部品交換、車検などのサービスを受ける。すると、サービスステーション30の従業員(又はその自動車ユーザ)の操作によりPOS端末31からこのサービスに関する内容の情報が自動車ユーザを識別する識別符号(会員番号など)とともに入力される(S1)。この自動車ユーザを識別する識別符号は、サービスステーション30毎又は一定の団体やグループ毎のSS会員カードや、クレジットカードによって与えられる。伝票発行手段33は伝票番号を生成し(S2)、POS端末31は、日時、伝票番号、自動車ユーザを識別する識別符号とともにサービスに関する内容の情報をSS情報(サービス内容情報)として、SS用サーバ21に向けて送信する(S3)。これとともに、自動車ユーザに対して伝票35を発行する(S4)。一方、SS用サーバ21では、POS端末31から送信されたSS情報を自動車ユーザを識別する識別符号に対応させてデータベース23に蓄積する。
【0033】
ところで、給油などの所定のサービスを提供した場合、伝票発行手段33は、情報提供サーバ2へアクセスするためのURLを伝票35に印刷し自動車ユーザに発行する。URLは2次元コードなどで与えられることが好ましい。
【0034】
図5に示すように、URLを与えられた伝票35を受け取った自動車ユーザは、システム1を利用するためにこのURLの2次元コードを携帯端末41によって読み取って(S11)アクセスする。情報提供サーバ2の情報受信手段11は携帯端末41に伝票番号の入力を促し、これに従って、自動車ユーザは、携帯端末41から伝票番号を送信する(S12)。なお、URLを伝票番号に対応付けして2次元コードを作成し、伝票35に印刷することで、携帯端末41から伝票番号を送信するステップ(S12)を省略することも出来る。また、例えば、サービスステーション30の電話番号や所在地、サービスの提供の日時、サービスの数量や単価などのサービスステーション30で得られる情報に対応付けて2次元コードを作成してもよい。さらに、アクセスコードに対応する画像認識や音声認識の手法を用いて2次元コードに変えて、システム1へアクセスさせる方法であってもよい。
【0035】
情報提供サーバ2は、伝票番号を受信すると(S13)、情報受信手段11によって、携帯端末41に向けて自動車ユーザの自動車に関する所定情報を入力させるための入力画面データを返信する(S14)。携帯端末41は、これを受信し(S15)、入力画面を表示装置に表示させる(S16)。表示装置に表示された入力画面に従って自動車ユーザは所定情報を携帯端末41に入力し(S17)、携帯端末41から所定情報を情報提供サーバ2に送信する(S18)。情報提供サーバ2は情報受信手段11によりこれを受信すると(S19)、SS情報抽出手段12によって、あらかじめ関連付けされたこの所定情報に関連する情報をSS用サーバ21から抽出すべく、SS用サーバ21に伝票番号とともにSS情報要求信号を送信する(S20)。
【0036】
更に、図6を参照すると、前記したように、情報提供サーバ2はSS情報抽出手段12によってSS情報要求信号を伝票番号とともにSS用サーバ21に向けて送信する(S31)。SS用サーバ21はこれを受信し(S32)、SS情報検索手段29によって、受信した伝票番号と同じ伝票番号を含むSS情報をデータベース23において検索する(S33)。SS用サーバ21のデータベース23には、自動車ユーザを識別する識別符号毎に今までのサービスステーションで受けたサービスの情報(SS情報)が個別データベースとして蓄積されている。そこで、SS情報検索手段29は受信した伝票番号と同じ伝票番号を含む個別データベースから必要なSS情報を抽出し情報提供サーバ2に返信する(S34)。情報提供サーバ2は、SS情報抽出手段12によってこのSS情報を受信する(S35)。
【0037】
再び図5を参照すると、情報提供サーバ2は、管理情報作成手段13によって、携帯端末41から得られた所定情報と、SS情報抽出手段12によってSS用サーバ21から得られたSS情報とを合わせて加工し、走行管理情報を作成する(S21)。この走行管理情報は、携帯端末41に向けて返信される(S22)。走行管理情報を受信した携帯端末41は(S23)、これを表示装置に表示させて自動車ユーザ(情報利用者)に与えるのである(S24)。
【0038】
上記実施例における情報サービスの例として、例えば、携帯端末41から入力される所定情報を自動車40の1回の給油で走行した距離とした場合、走行管理情報として燃費を自動車ユーザに提供し得る。詳細には、情報受信手段11によって、所定情報として1回の給油で走行した距離を入力させるための入力画面データを携帯端末41に返信する(S14)。自動車ユーザは、表示装置に表示された入力画面に従って距離の数値を携帯端末41に入力し(S17)、情報提供サーバ2に送信するのである(S18)。これを受信した情報提供サーバ2は、SS情報抽出手段12によって、給油した油量を送信するようSS情報要求信号を伝票番号とともにSS用サーバ21に向けて送信するのである(S31)。SS用サーバ21のSS情報検索手段29は、データベース23から受信した伝票番号に対応する個別データベースとしてのSS情報から油量を抽出し情報提供サーバ2に返信する(S34)。情報提供サーバ2は、1回の給油で走行した距離を油量で除して燃費を計算し、これを自動車ユーザに提供するのである。
【0039】
ここでSS用サーバ21のSS情報検索手段29は、データベース23から受信した伝票番号と同じ伝票番号のSS情報からリッター当たりのガソリンの値段を情報提供サーバ2に返信することもできる(S34)。かかる情報を情報提供サーバ2が受信することで、自動車ユーザは追加の携帯端末41の操作をすることなく、走行距離当たりの単価をも知ることが出来るようになるのである。
【0040】
1つの変形実施例として、情報提供サービス会員として登録された会員毎に情報提供サーバ2のデータベース15を構築し得る。かかる場合、サービスステーション30においての給油毎に自動車40のオドメータに表示された数値を所定情報として情報提供サービス会員を特定するための、例えばサービス会員番号などとともに携帯端末41に入力、情報提供サーバ2に送信させ、データベース15にこのサービス会員番号に対応させて蓄積させてもよい。ある給油時にオドメータに表示された数値を所定情報として携帯端末41に入力すると、前回給油時のオドメータに表示された数値はサービス会員番号に対応させて蓄積されたデータベース15から得られるから、前回の給油から今回の給油の間に走行した距離を算出できるのである。一方、情報提供サーバ2は、今回の給油量をSS用サーバ21のデータベース23からSS情報として抽出できる。つまり、情報提供サーバ2は、給油量と今回の給油で走行した距離を知ることが出来るから、走行管理情報として燃費を算出し、自動車ユーザの携帯端末41に表示させ得るのである。
【0041】
上記の場合、携帯端末41の個体識別符号などをサービス会員番号の代わりに用いることで、サービス会員番号を携帯端末41に入力することを省略しつつ、自動車40に対応する所定情報を累積的にデータベース15に蓄積させ得る。
【0042】
更に、1つの変形実施例として、上記したSS会員カードやクレジットカードを有する自動車ユーザ、すなわち、識別符号(会員番号など)を有する自動車ユーザの全てについて、本情報提供サービスの対象者としても良い。かかる場合、上記した情報提供サーバ2の情報提供サービス会員毎のデータベース15について、情報提供サービス会員と識別符号とを対応させてデータベースを構築できる。このとき、自動車ユーザは所定情報を携帯端末41に入力することなく、SS用サーバ21から自動的に情報提供サーバ2に送り、データベース15のデータベースを作成し得る。
【0043】
上記の場合、情報提供サービス会員の会員番号を自動車40のナンバープレートの車番と対応させても良い。かかる場合、サービスステーション30において、ナンバープレートの映像から車番を認識するとともに、SS用サーバ21からこの車番とともに所定情報を自動的に情報提供サーバ2に送信し、データベース15に車番と対応したデータベースを作成し得るのである。
【0044】
更に、1つの変形実施例として、自動車40の計器類に表示される情報などを車載コンピュータ等を介して無線通信によりSS用サーバ21に送出するよう、車載機を自動車40に搭載しても良い。
【0045】
更に、1つの変形実施例として、オドメータに表示された数値について、情報提供サーバ2に情報受信手段11などに画像解析手段を与え、携帯端末41のデジタルカメラ機能を用いて取得したオドメータの画像情報を所定情報として送信させてもよい。画像解析手段によりオドメータの画像情報から数値情報を変換して得られるのである。かかる場合、自動車ユーザの情報の入力ミスを防止し、より正確な走行管理情報を与え得る。このような画像解析による所定情報の加工は、他の情報の加工にも可能であり、より正確な走行管理情報の提供をし得る。
【0046】
更に、1つの変形実施例として、燃費の算出について、前回給油時のオドメータに表示された数値がデータベース15に蓄積されていない場合、例えば、前回給油を系列店舗以外の店舗で行った場合などは、これを所定情報として携帯端末41から送信させる。また、今回の給油を系列店舗以外の店舗で行うと、さらに今回のオドメータの数値、給油量、ガソリン単価等を所定情報として携帯端末41より送信させる。これによれば、系列店舗以外の店舗で自動車40にサービスを提供した場合であっても上記したと同様の走行管理情報の算出が可能となる。
【0047】
更に、1つの変形実施例として、上記した燃費以外の情報サービスについて、ブレーキパッド、タイヤ、ワイパーブレードなどの消耗品についての推奨される交換時期や経過年数についての情報や、交換時期が近づいたことを知らせるアラート情報などを走行管理情報として自動車ユーザに提供することもできる。また、タイヤの空気圧、エンジンオイルの汚れ、ウォッシャー液の残量など、安全点検の項目についての点検結果をSS情報として、これに基づく次回の点検などを推奨する時期を走行管理情報としてもよい。例えば、SS情報として前回交換したエンジンオイルのグレード、所定情報としてオイル交換の時期を標準より早めにしたいなどの自動車ユーザの好みを得れば、自動車ユーザの好みを反映したエンジンオイルの推奨交換時期を走行管理情報として与えることができる。オイル点検の結果、自動車40の所定期間内の平均走行距離、最近の走行距離などをSS情報として追加すればさらに実情に沿った推奨交換時期を提供できる。
【0048】
更に、1つの変形実施例として、走行管理情報をSS用サーバ21から自動車ユーザに提供するようにしてもよい。
【0049】
また、1つの付随実施例として、システム1を利用するモチベーションについて、ポイント制度、ゲーム、抽選などをシステム1の利用に付随させ、サービスの対価の割引や景品を提供しても良い。
【0050】
本実施例によれば、伝票番号によりSS用サーバ21のデータベース23の自動車40に対応するSS情報と、情報提供サーバ2のデータベース15の自動車40に対応する所定情報とを組み合わせて加工することができる。つまり、自動車ユーザに新たな情報の入力を強いることなく、より多くの情報を収集でき、より多くの自動車ユーザの自動車情報管理システムの利用を促し得て、提供される情報の種類を増やすとともにその情報価値も大幅に高め得るのである。
【0051】
また、情報提供サーバ2のデータベース15の自動車40に対応する所定情報は、自動車ユーザが直接、入手し得る情報である。一方、SS用サーバ21のデータベース23の自動車40に対応するSS情報は、かかる情報に限定されない。よって、これらの情報を互いに組み合わせて加工することで、より多くの情報を収集でき、より多くの自動車ユーザの自動車情報管理システムの利用を促し得て、提供される情報の種類を増やすとともにその情報価値も大幅に高め得るのである。
【0052】
ここまで本発明による代表的実施例及びこれに基づく変形例を説明したが、本発明は必ずしもこれら実施例及び変形例に限定されるものではなく、当業者であれば、添付した特許請求の範囲を逸脱することなく種々の代替実施例及び改変例を見出すことができるであろう。
【符号の説明】
【0053】
1 システム
2 情報提供サーバ
21 SS用サーバ
31 POS端末
40 自動車
41 携帯端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の走行管理情報を該自動車の使用者である情報利用者に提供するための走行管理情報提供システムであって、
各サービスステーションに設置され、前記自動車毎に前記サービスステーションにおいて提供されたサービス内容情報を日時とともに送信するPOS端末と、
前記POS端末から受信した前記サービス内容情報を前記自動車に対応する対応アドレス領域に累積的に記憶するSS用サーバと、
前記情報利用者の情報端末から接続可能な情報提供サーバと、
を含み、
前記情報利用者によって前記SS用サーバ上の前記対応アドレス領域を示す情報に併せ所定情報を前記情報端末から前記情報提供サーバへ向けて送信させ、これを受けて前記情報提供サーバは前記SS用サーバから前記対応アドレス領域の前記サービス内容情報を抽出し前記所定情報を加工して前記走行管理情報を提供することを特徴とする走行管理情報提供システム。
【請求項2】
前記対応アドレス領域を示す情報は、前記SS用サーバにより管理される会員番号情報として前記情報利用者に与えられることを特徴とする請求項1記載の走行管理情報提供システム。
【請求項3】
前記対応アドレス領域を示す情報は、前記POS端末から印字情報として前記情報利用者に発行されることを特徴とする請求項1又は2に記載の走行管理情報提供システム。
【請求項4】
前記印字情報は、2次元コードとして前記POS端末から発行される伝票に与えられることを特徴とする請求項3記載の走行管理情報提供システム。
【請求項5】
前記所定情報は、前記情報利用者によって前記情報提供サーバ上に累積的に記憶されることを特徴とする請求項1乃至4のうちの1つに記載の走行管理情報提供システム。
【請求項6】
前記所定情報の加工は、前記情報端末から前記情報提供サーバへ向けて送信された画像情報の画像解析を含むことを特徴とする請求項1乃至5のうちの1つに記載の走行管理情報提供システム。
【請求項7】
前記サービス内容情報は前記自動車の給油量を示す給油情報を含み、前記所定情報は前記自動車の走行した距離を示す走行距離情報を含み、前記走行管理情報は燃費を示す情報を含むことを特徴とする請求項1乃至6のうちの1つに記載の走行管理情報提供システム。
【請求項8】
前記情報提供サーバにおける前記走行管理情報の提供は、前記情報利用者の前記情報端末に送信して行うことを特徴とする請求項1乃至7のうちの1つに記載の走行管理情報提供システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−123571(P2012−123571A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−273046(P2010−273046)
【出願日】平成22年12月7日(2010.12.7)
【出願人】(000186913)昭和シェル石油株式会社 (322)