説明

走行計画生成装置

【課題】周囲に存在する障害物を検知する車載センサを各々搭載した複数の車両について、障害物の存在を推定する精度を向上させることが可能な走行計画生成装置を提供する。
【解決手段】重複度算出部22は複数の車両に各々搭載された周辺監視センサ10それぞれの検知可能領域D同士の重複度を算出し、走行計画生成部26は、重複度算出部22が算出した検知可能領域D同士の重複度を減少させる走行計画を生成するため、各車両の周辺監視センサ10の検知可能領域D同士の重複する部分が少なくなる走行計画を生成することが可能となり、各車両の周辺監視センサ10によって直接に障害物を検出することができる領域が拡大される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は走行計画生成装置に関し、特に、周囲に存在する障害物を検知する車載センサを各々搭載した複数の車両の走行計画を生成する走行計画生成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自車両の周囲を走行する車両の位置を検知してユーザーに通知する技術が特許文献1に開示されている。この技術では、自車両に搭載されているレーダ装置により取得された前方車両情報に加え、自車両の周辺を走行中の他車両に搭載されているレーダ装置によって取得された車両情報や当該他車両の位置情報を、車々間通信機を介して取得し、上記前方車両情報及び車々間通信機により取得された通信車両情報が示す車両位置をマッピング領域にマッピングして、車両位置の特定を行う。
【特許文献1】特開2005−115637号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した技術は、自車両に搭載されたレーダ装置のみでは全方位をカバーすることができないため、車々間通信機により取得された通信車両情報を併せて用いることにより、自車両のレーダ装置の検知可能領域から外れた領域の情報を補うものである。しかしながら、他車両に搭載されているレーダ装置も検知できない領域を有しているため、上記技術では、自車両及び他車両のいずれに搭載されたレーダ装置によっても、検知できていない車両が自車両の周辺に存在しているおそれがある。
【0004】
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、周囲に存在する障害物を検知する車載センサを各々搭載した複数の車両について、障害物の存在を推定する精度を向上させることが可能な走行計画生成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、周囲に存在する障害物を検知する車載センサを搭載した車両の走行計画を生成する走行計画生成装置であって、複数の車両に各々搭載された車載センサそれぞれの検知可能領域である車載センサ検知可能領域を取得する車載センサ検知領域取得手段と、車載センサ検知領域取得手段が取得した複数の車両に各々搭載された車載センサそれぞれの車載センサ検知可能領域に応じて、車両の走行計画を生成する走行計画生成手段と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
この構成によれば、車載センサ検知領域取得手段は複数の車両に各々搭載された車載センサそれぞれの検知可能領域である車載センサ検知可能領域を取得し、走行計画生成手段は車載センサ検知領域取得手段が取得した複数の車両に各々搭載された車載センサそれぞれの車載センサ検知可能領域に応じて、車両の走行計画を生成するため、当該車両は、各々の車両に搭載された車載センサの車載センサ検知可能領域に応じて走行することになり、障害物の存在を推定する精度を向上させることが可能となる。
【0007】
この場合、車両の仮走行計画を生成する仮走行計画生成手段をさらに備え、走行計画生成手段は、仮走行計画生成手段が生成した仮走行計画について、車載センサ検知領域取得手段が取得した複数の車両に各々搭載された車載センサそれぞれの車載センサ検知可能領域に応じて評価を行い、評価の結果が予め定められた基準を満たす仮走行計画を走行計画とすることが好適である。
【0008】
この構成によれば、仮走行計画生成手段は車両の仮走行計画を生成し、走行計画生成手段は、仮走行計画生成手段が生成した仮走行計画について、車載センサ検知領域取得手段が取得した複数の車両に各々搭載された車載センサそれぞれの車載センサ検知可能領域に応じて評価を行い、評価の結果が予め定められた基準を満たす仮走行計画を走行計画とするため、走行計画生成手段は車載センサ検知可能領域に応じた評価の基準を満たす良好な走行計画を採用することになり、さらに障害物の存在を推定する精度を向上させることが可能となる。
【0009】
この場合、基準を満たす仮走行計画とは、他の仮走行計画に比べて、車載センサ検知可能領域及び車載センサ検知可能領域からの情報に基づいて障害物の存在を推定可能な領域のいずれかが拡大される仮走行計画であることが好適である。
【0010】
この構成によれば、走行計画生成手段は、車載センサ検知可能領域及び車載センサ検知可能領域からの情報に基づいて障害物の存在を推定可能な領域のいずれかが拡大される仮走行計画を走行計画とするため、車載センサにより障害物を直接的又は間接的に検知することができる可能性が高くなり、障害物の存在を推定する精度を向上させることが可能となる。
【0011】
一方、複数の車両に各々搭載された車載センサそれぞれの車載センサ検知可能領域同士の重複度を算出する重複度算出手段をさらに備え、走行計画生成手段は、重複度算出手段が算出した車載センサ検知可能領域同士の重複度に応じて、車両の走行計画を生成することが好適である。
【0012】
この構成によれば、重複度算出手段は複数の車両に各々搭載された車載センサそれぞれの車載センサ検知可能領域同士の重複度を算出し、走行計画生成手段は、重複度算出手段が算出した車載センサ検知可能領域同士の重複度に応じて、車両の走行計画を生成するため、車両は車載センサ検知可能領域同士の重複度に応じて走行することが可能となる。
【0013】
この場合、走行計画生成手段は、重複度算出手段が算出した車載センサ検知可能領域同士の重複度を減少させる走行計画を生成することが好適である。
【0014】
この構成によれば、走行計画生成手段は、重複度算出手段が算出した車載センサ検知可能領域同士の重複度を減少させる走行計画を生成するため、各車両の車載センサの車載センサ検知可能領域同士の重複する部分が少なくなる走行計画を生成することが可能となり、結果として各車両の車載センサによって直接に障害物を検出することができる領域が拡大される。
【0015】
一方、複数の車両に各々搭載された車載センサそれぞれの車載センサ検知可能領域及び車両が走行することのできない走行不可領域のいずれかによって囲まれていない開領域を取得する開領域取得手段をさらに備え、走行計画生成手段は、開領域の少なくとも一部を、複数の車両に各々搭載された車載センサそれぞれの車載センサ検知可能領域及び車両が走行することのできない走行不可領域のいずれかによって囲まれている閉領域とする走行計画を生成することが好適である。
【0016】
この構成によれば、開領域取得手段は複数の車両に各々搭載された車載センサそれぞれの車載センサ検知可能領域及び車両が走行することのできない走行不可領域のいずれかによって囲まれていない開領域を取得し、走行計画生成手段は、開領域の少なくとも一部を、複数の車両に各々搭載された車載センサそれぞれの車載センサ検知可能領域及び車両が走行することのできない走行不可領域のいずれかによって囲まれている閉領域とする走行計画を生成するため、障害物の存在を推定することが不可能な開領域を減少させ、障害物の存在を推定することが可能な閉領域とする走行計画を生成することが可能となり、障害物の存在を推定することができる領域を拡大することができる。
【0017】
また、複数の車両に各々搭載された車載センサそれぞれの車載センサ検知可能領域及び車両が走行することのできない走行不可領域のいずれかによって囲まれている閉領域内に存在する障害物を推定する車載センサ利用推定手段と、車載センサ利用推定手段による推定の推定誤差を取得する車載センサ利用推定誤差取得手段と、を備え、走行計画生成手段は、車載センサ利用推定誤差取得手段が取得した推定誤差に応じて、車両の走行計画を生成することが好適である。
【0018】
この構成によれば、車載センサ利用推定手段は、複数の車両に各々搭載された車載センサそれぞれの車載センサ検知可能領域及び車両が走行することのできない走行不可領域のいずれかによって囲まれている閉領域内に存在する障害物を推定し、車載センサ利用推定誤差取得手段は、車載センサ利用推定手段による推定の推定誤差を取得して、走行計画生成手段は、車載センサ利用推定誤差取得手段が取得した推定誤差に応じて、車両の走行計画を生成するため、障害物の存在の推定誤差を考慮した走行計画を生成することが可能となる。
【0019】
この場合、走行計画生成手段は、車載センサ利用推定誤差取得手段が取得した推定誤差を減少させる走行計画を生成することが好適である。
【0020】
この構成によれば、走行計画生成手段は、車載センサ利用推定誤差取得手段が取得した推定誤差を減少させる走行計画を生成するため、車載センサによる障害物の存在の推定誤差を考慮した走行計画を生成することが可能となり、障害物の存在を推定する精度を向上させることが可能となる。
【0021】
さらに、車両が走行する道路上に存在する障害物を検知する道路センサの検知可能領域である道路センサ検知可能領域を取得する道路センサ検知領域取得手段をさらに備え、走行計画生成手段は、道路センサ検知領域取得手段が取得した道路センサ検知可能領域に応じて、車両の走行計画を生成することが好適である。
【0022】
この構成によれば、道路センサ検知領域取得手段は車両が走行する道路上に存在する障害物を検知する道路センサの検知可能領域である道路センサ検知可能領域を取得し、走行計画生成手段は、道路センサ検知領域取得手段が取得した道路センサ検知可能領域に応じて、車両の走行計画を生成するため、道路センサの検知可能領域も考慮した走行計画を生成することが可能となる。
【0023】
この場合、複数の車両に各々搭載された車載センサそれぞれの車載センサ検知可能領域、道路センサの検知可能領域及び車両が走行することのできない走行不可領域のいずれかによって囲まれている閉領域に存在する障害物を推定する道路センサ利用推定手段と、道路センサ利用推定手段による推定の推定誤差を取得する道路センサ利用推定誤差取得手段と、を備え、走行計画生成手段は、道路センサ利用推定誤差取得手段が取得した推定誤差を減少させる走行計画を生成することが好適である。
【0024】
この構成によれば、道路センサ利用推定手段は複数の車両に各々搭載された車載センサそれぞれの車載センサ検知可能領域、道路センサの検知可能領域及び車両が走行することのできない走行不可領域のいずれかによって囲まれている閉領域に存在する障害物を推定し、道路センサ利用推定誤差取得手段は道路センサ利用推定手段による推定の推定誤差を取得して、走行計画生成手段は、道路センサ利用推定誤差取得手段が取得した推定誤差を減少させる走行計画を生成するため、道路センサによる障害物の存在の推定誤差を考慮した走行計画を生成することが可能となり、障害物の存在を推定する精度を向上させることが可能となる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の走行計画生成装置によれば、周囲に存在する障害物を検知する車載センサを各々搭載した複数の車両について、障害物の存在を推定する精度を向上させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態に係る走行計画生成装置について添付図面を参照して説明する。図1は、実施形態に係る走行制御装置の構成を示すブロック図である。走行計画生成装置1は、車群を形成する各々の車両に搭載され、周辺監視センサ10の検知可能領域内に存在する他車両などの障害物を直接検知するとともに、周辺監視センサ10で検知することができない自車両周辺の領域における他車両の存在を推定し、各々の車両の走行計画を生成する装置である。
【0027】
そのため、走行計画生成装置1は、自車両周辺に存在する他車両などを検知する周辺監視センサ10、道路情報や自車両の位置情報などを取得するカーナビゲーションシステム11、車群を形成する他車両と自車両との間で無線通信により相互に情報を交換すると共に道路インフラセンサからの情報を取得する通信機14、周辺監視センサ10、カーナビゲーションシステム11、及び通信機14から入力される情報に基づいて、車群を形成する各々の車両周辺の走行環境を検知・推定し、各々の車両の走行計画を生成する電子制御装置(以下「ECU」という)20、ECU20からの指令により車両の各機器を動作させて車両に走行計画に沿った走行を行わせるアクチュエータ30などを備えている。
【0028】
周辺監視センサ10は、自車両の周辺に存在する他車両などの障害物を検知するものである。すなわち、周辺監視センサ10は特許請求の範囲に記載の車載センサとして機能する。本実施形態では、車両の前後左右それぞれに4台の周辺監視センサ10を配置し、自車両の前方、後方、左右側方に存在する他車両を検知する構成とした。ただし、4台の周辺監視センサ10では、自車両の全周をカバーすることができず、自車両の周辺には、周辺監視センサ10それぞれの検知可能領域(車載センサ検知可能領域)外の領域、すなわち不感領域が存在する。周辺監視センサ10としては、ミリ波レーダ、レーザレーダ、ステレオカメラ等の画像センサや超音波センサなどが好適に用いられる。なお、異なるセンサを組み合わせて用いてもよい。周辺監視センサ10とECU20とは、例えばCAN(Controller Area Network)等の通信回線で接続されることにより、相互にデータの交換が可能となるように構成されており、周辺監視センサ10により検知された他車両の有無や他車両の位置情報などはこの通信回線を介してECU20へ出力される。
【0029】
ここで、ミリ波レーダやレーザレーダは、ミリ波帯の電波やレーザ光などの検出波を水平方向にスキャンしながら車両の前方へ照射し、他車両などの障害物表面で反射された反射波を受信して、他車両との距離、相対速度および方向を検知するものである。他車両の方向は反射波の角度、距離は電波を発射してから反射波が帰ってくるまでの時間、他車両の速度は反射波の周波数変化(ドップラー効果)を利用して検知する。
【0030】
ステレオカメラは、他車両などの障害物の画像を取得する一対のCCDカメラと、取得した画像から画像認識によって他車両を検出する画像処理部とを有しており、CCDカメラが撮像した画像内からエッジ抽出やパターン認識処理などによって他車両を抽出するものである。また、左右の取得画像中における障害物位置の違いを基にして三角測量方式により他車両との距離および自車両からの横変位を求め、前のフレーム時に求めた距離に対する変化量から相対速度を求める。
【0031】
カーナビゲーションシステム11は、GPS(Global Positioning System)12によって受信されたGPS衛星信号に基づき自車位置を検出する。また、車速信号に基づいて走行距離を算出すると共に、ジャイロセンサからの信号に応じて車両進行方向を検出する。また、カーナビゲーションシステム11は、内蔵しているハードディスクやDVDディスクなどの地図情報記憶装置13から、自車両が走行している道路の車線構成や道路曲率などの道路情報に加えて、自車両が走行している道路の周辺に存在する車両が走行することのできない走行不可領域に関する情報を取得する。カーナビゲーションシステム11も、ECU20と接続されており、取得された自車位置情報や道路情報、走行不可領域などはECU20へ出力される。
【0032】
通信機14は、自車両と他車両との間で無線通信により相互に周辺監視センサ10の検知結果や検知可能領域などの情報を交換するものである。また、通信機14は、路側帯等に設置された道路インフラセンサから当該道路インフラセンサの検知結果や検知可能領域などの情報を取得するものである。通信機14は、他車両から送信された該他車両に搭載されている周辺監視センサの検知結果や検知可能領域情報及び道路インフラセンサの検知結果や検知可能領域情報などを受信する受信機と、自車両に搭載されている周辺監視センサ10の検知結果や検知可能領域情報などを他車両に送信する送信機とを有して構成されている。
【0033】
通信機14とECU20も、上述した通信回線で接続されることにより、相互にデータの交換が可能となるように構成されている。通信機14により受信された他車両に搭載されている周辺監視センサの検知結果や検知可能領域情報などは通信回線を介してECU20に伝送される。また、自車両に搭載されている周辺監視センサ10の検知結果や検知可能領域情報などは通信回線を介して通信機14に伝送される。
【0034】
ECU20は、ハードウェアとしては、演算を行うマイクロプロセッサ、マイクロプロセッサに各処理を実行させるためのプログラム等を記憶するROM、演算結果などの各種データを記憶するRAM及び12Vバッテリによってその記憶内容が保持されるバックアップRAM等により構成されている。
【0035】
図1に示すように、ECU20は、当該プログラムにより実行される機能ブロックとして、検知領域取得部21、重複度算出部22、開領域・閉領域取得部23、物体推定部24、仮走行計画生成部25及び走行計画生成部26を有している。
【0036】
検知領域取得部21は、複数の車両に各々搭載された周辺監視センサそれぞれの検知可能領域を取得するためのものである。また、検知領域取得部21は、道路インフラセンサの検知可能領域を取得するためのものである。すなわち、検知領域取得部21は、特許請求の範囲に記載の車載センサ検知領域取得手段及び道路センサ検知領域取得手段として機能する。
【0037】
重複度算出部22は、車群を形成する複数の車両に各々搭載された周辺監視センサ10それぞれの検知可能領域同士の重複度を算出するためのものである。すなわち、特許請求の範囲に記載の重複度算出手段として機能する。
【0038】
開領域・閉領域取得部23は、車群を形成する複数の車両に各々搭載された周辺監視センサ10それぞれの検知可能領域、道路インフラセンサの検知可能領域、及び車両が走行することのできない走行不可領域のいずれかによって囲まれていない開領域を取得するためのものである。また、開領域・閉領域取得部23は、車両に各々搭載された車載センサそれぞれの検知可能領域、道路インフラセンサの検知可能領域、及び車両が走行することのできない走行不可領域のいずれかによって囲まれている閉領域を取得するためのものである。すなわち、開領域・閉領域取得部23は、特許請求の範囲に記載の開領域取得手段として機能する。
【0039】
物体推定部24は、複数の車両に各々搭載された周辺監視センサ10それぞれの検知可能領域、道路インフラセンサの検知可能領域、及び車両が走行することのできない走行不可領域のいずれかによって囲まれている閉領域に存在する障害物を推定するためのものである。すなわち、物体推定部24は、特許請求の範囲に記載の車載センサ利用推定手段及び道路センサ利用推定手段として機能する。
【0040】
また、物体推定部24は、閉領域に存在する障害物を推定する他に、当該推定の推定誤差を取得する。したがって、物体推定部24は、特許請求の範囲に記載の車載センサ利用推定手段及び道路センサ利用推定手段として機能する。
【0041】
仮走行計画生成部25は、複数の前記車両それぞれの仮走行計画を生成するためのものである。すなわち、仮走行計画生成部25は、特許請求の範囲に記載の仮走行計画生成手段として機能する。
【0042】
走行計画生成部26は、周辺監視センサ10それぞれの検知可能領域及び道路インフラセンサの検知可能領域に応じて、複数の車両それぞれの走行計画を生成するためのものである。具体的には、走行計画生成部26は、仮走行計画生成部25が生成した仮走行計画から、周辺監視センサ10及び道路インフラセンサの検知可能領域、あるいは周辺監視センサ10、道路インフラセンサの検知可能領域及び走行不可領域のいずれかによって囲まれている閉領域が拡大するような仮走行計画を採用することにより走行計画を生成する。すなわち、走行計画生成部26は、特許請求の範囲に記載の走行計画生成手段として機能する。
【0043】
アクチュエータ30は、具体的にはスロットル開度を調整するアクセルアクチュエータ、ブレーキの制動量を調整するブレーキアクチュエータ、ステアリングを駆動するステアリングアクチュエータ等からなり、走行計画生成部26が生成した走行計画に沿って車両を走行させるためのものである。
【0044】
以下、本実施形態の走行計画生成装置の動作について説明する。
【0045】
(処理手順1−検知可能領域同士の重複度を減少させる際の動作)
以下、本実施形態の走行計画生成装置における検知可能領域同士の重複度を減少させる際の動作について説明する。図2及び3は、実施形態に係る実施形態に係る走行計画生成装置による検知可能領域同士の重複度を減少させる際の動作を示すフロー図である。なお、以下に説明する処理手順1〜4の処理は、ECU20によって行われるものであり、電源がオンされてからオフされるまでの間、所定のタイミングで繰り返し実行される。
【0046】
図4は、実施形態に係る走行計画生成装置による検知可能領域同士の重複度を減少させる際の動作を示す平面図である。図4に示すように、周辺監視センサ10等からなる本実施形態の走行計画生成装置1が搭載された先頭車両VF、追従車両VM及び後尾車両VBが、車両が走行することのできない走行不可領域Iを両側に有する道路を進行方向lに沿って車群をなして走行している。以下の走行計画の生成は、先頭車両VF、追従車両VM及び後尾車両VBに搭載された走行計画生成装置1のいずれかが、他の車両の周辺監視センサ10等の検知結果に基づいて車群を代表して行う。
【0047】
前提として、以下のような処理により、先頭車両VF、追従車両VM及び後尾車両VBの周辺監視センサ10による検知情報が継続管理されている(S101)。図4に示すような検知・推定対象マップがECU20(又は周辺装置)のメモリ内に確保されており、具体的には、1容量(例えば2バイト)当たり10cm四方(100cm)の正方形の単位領域により構成された横50m縦200mの領域(2Mバイト)がメモリ上に配置される。ここで単位領域には、単位領域が走行可能領域であること、車両により占有されている領域であること、周辺監視センサ10の検知可能領域であること等の情報が取得されるたびに1ずつ数値が加算されて書き込まれる。
【0048】
ナビゲーションシステム11から取得した道路情報に基づいて、車両が走行することができる走行可能領域及び車両が走行することができない走行不可領域Iが、単位領域に1ずつ数値を書き込むことによって検知・推定対象領域マップ上に配置される。車々間通信可能な先頭車両VF、追従車両VM及び後尾車両VBの位置が車々間通信により取得され、この車両が占めている領域が、単位領域に1ずつ数値を書き込むことによって検知・推定対象領域マップ上に配置される。先頭車両VF、追従車両VM及び後尾車両VBの周辺監視センサ10の検知可能領域Dと、検知可能領域D内で直接検知された車群に属さない他車両等の障害物の占めている領域が、単位領域に1ずつ数値を書き込むことによって検知・推定対象領域マップ上に配置される。
【0049】
本実施形態では、ECU20の物体推定部24は、通信機14により受信された他車両に搭載されている周辺監視センサ10の検知可能領域Dと、自車両に搭載されている周辺監視センサ10の検知可能領域Dと、走行不可領域Iとによって囲まれた不感閉領域が形成されるときに、該不感閉領域に対する車両の出入りを継続的に管理することにより、周辺監視センサ10で直接検知することができない不感閉領域内の車両の台数を継続して推定する。
【0050】
以下の手順にしたがって、周辺監視センサ10の検知可能領域Dの重複度分布が求められる。図2に示すように、重複度算出部22は、上記の検知・推定対象マップを一旦リセットし、上記2バイト当たり10cm四方の正方形の単位領域により構成された横50m縦200mの領域における単位領域に書き込んだ全ての数値を0とする(S102)。
【0051】
重複度算出部22は、ナビゲーションシステム11から取得した道路情報に基づいて、車群周辺の走行可能領域を取得し、走行可能領域に属する各々の単位領域の数値を1だけ増加させることによって走行可能領域を検知・推定対象マップに配置する(S103)。
【0052】
重複度算出部22は、先頭車両VF、追従車両VM及び後尾車両VBの位置が通信機14による車々間通信により取得され、この車両が占めている領域に属する各々の単位領域の数値を1だけ増加させることによって各車両の占めている領域を検知・推定対象マップに配置する(S104)。
【0053】
重複度算出部22は、先頭車両VF、追従車両VM及び後尾車両VBそれぞれの周辺監視センサ10の検知可能領域Dが通信機14による車々間通信により取得され、この検知可能領域Dに属する各々の単位領域の数値を1だけ増加させることによって検知可能領域Dを検知・推定対象マップに配置する(S105)。これにより、検知・推定対象マップには、取得した情報量の多少に応じた数字が単位領域ごとに書き込まれ、検知・推定対象マップにおける重複度分布(情報の冗長度の分布)が求められる。図4の例では、先頭車両VF、追従車両VM及び後尾車両VBそれぞれの検知可能領域Dが他の検知可能領域Dと重複していない領域を重複度L1とすると、追従車両VMの右側方及び後方に検知可能領域D同士が二重に重複した重複度L2の領域が存在し、追従車両VMの右側方に検知可能領域D同士が三重に重複した重複度L3の領域が存在する。
【0054】
以下の手順にしたがって、時間平均重複度が求められる。重複度算出部22は、ステップS101〜S105で求めた検知・推定対象マップにおける重複度分布の各々の単位領域に書き込んだ全ての数値を検知・推定対象マップ全面にわたって平均化し、領域平均重複度とする(S106)。
【0055】
重複度算出部22は、先頭車両VF、追従車両VM及び後尾車両VBそれぞれの走行計画生成装置1の走行計画生成部26で生成される走行計画、周辺監視センサ10により検知された各々の車両の動作等に基づき、車群を構成する各車両の単位時間(例えば1秒)後の状態を推定する(S107)。
【0056】
重複度算出部22は、規定時間(例えば10秒)に達するまで、推定された単位時間後の各車両の状態について、上述したように単位時間後ごとに領域平均重複度を求める(S106〜S108)。重複度算出部22は、規定時間までの全ての領域平均重複度の時間軸での平均を求めて時間平均重複度を求める(S109)。
【0057】
以下の手順にしたがって、車群を形成する先頭車両VF、追従車両VM及び後尾車両VBごとの平均重複度が求められる。重複度算出部22は、まず、車両ごとの総情報量を示す重複度合計値を初期化して0とする(S110)。重複度算出部22は、一の車両について、車両の占有領域におけるステップS101〜S105で求めた重複度分布値の全てを、重複度合計値に加算する(S111)。重複度算出部22は、当該車両に搭載されている周辺監視センサ10の検知可能領域DにおけるステップS101〜S105で求めた重複度分布値の全てを、重複度合計値に加算する(S112)。重複度算出部22は、重複度合計値を、当該車両の占有領域及び検知可能領域Dの面積で除算することにより、平均重複値を求める(S113)。重複度算出部22は、車群を形成する先頭車両VF、追従車両VM及び後尾車両VBの全ての車両について、ステップS110〜S113の処理を行う(S114)。
【0058】
図3に示すように、走行計画生成装置1は、上記のようにして求めた重複度分布の高い領域から順番に以下の処理を実施し、検知・推定対象マップの領域全体の重複度を低下させる走行計画を生成する。
【0059】
仮走行計画生成部25は、検知・推定対象マップ内の全領域の中で最も重複度の高い領域である最高重複度地点を求める(S115)。図4の例では、重複度L3となる追従車両VMの右側方の地点が最高重複度地点となる。仮走行計画生成部25は、最高重複度地点を車両の占有領域又は検知可能領域Dに含む先頭車両VF、追従車両VM及び後尾車両VBのいずれかの中で、上記ステップS110〜S114で求めた平均重複度が最も高い車両を選択する(S116)。
【0060】
仮走行計画生成部25は、平均重複度が最も高い車両の走行計画に関して、最高重複度地点を通過しないような仮走行計画を生成する(S117)。具体的には、仮走行計画生成部25は、平均重複度が最も高い車両の前方が最高重複度地点であれば減速を行う走行計画を生成し、平均重複度が最も高い車両の左側方が最高重複度地点であれば右側に車線変更をする走行計画を生成する。例えば、図4の例では、先頭車両VFは加速Aを行い、後尾車両VBは減速Sを行う。
【0061】
走行計画生成部26は、仮走行計画生成部25が生成した仮走行計画に対して安全上の評価を確認し、評価値が安全基準値を満たさない場合は、当該仮走行計画を破棄し、以下のステップS119〜S120を行わない(S118)。
【0062】
走行計画生成部26は、仮走行計画により車両が走行した場合を仮定して、上述のステップS106〜S109の処理を行い、仮走行計画についての仮時間平均重複度を算出する(S119)。走行計画生成部26は、仮時間平均重複度が時間平均重複度を下回った場合には(S120)、当該仮走行計画を採用する(S121)。
【0063】
仮走行計画生成部25及び走行計画生成部26は、先頭車両VF、追従車両VM及び後尾車両VBのいずれかの中で平均重複度の高い車両から順番に上述のステップS117〜S121を実行する(S122)。仮走行計画生成部25及び走行計画生成部26は、検知・推定対象マップの全領域の中で最も重複度の高い領域から順番に上述のステップS116〜S122の処理を繰り返す(S123)。
【0064】
(処理手順2−新たな不感閉領域を生成させる際の動作)
以下、本実施形態の走行計画生成装置における新たな不感閉領域を生成させる際の動作について説明する。
【0065】
図5及び図6は、実施形態に係る走行計画生成装置による新たな不感閉領域を生成させる際の動作を示すフロー図である。図7は、実施形態に係る走行計画生成装置による新たな不感閉領域を生成させる際の動作を示す平面図である。図7に示すように、周辺監視センサ10等からなる本実施形態の走行計画生成装置1が搭載された先頭車両VF及び追従車両VMが、車両が走行することのできない走行不可領域Iを両側に有する道路を進行方向lに沿って車群をなして走行している。以下の走行計画の生成は、先頭車両VF及び追従車両VMに搭載された走行計画生成装置1のいずれかが、他の車両の周辺監視センサ10等の検知結果に基づいて車群を代表して行う。
【0066】
図5に示すように、前提として、上述の処理手順1のステップ101と同様の処理により、先頭車両VF及び追従車両VMの周辺監視センサ10による検知情報が継続管理されている(S201)。図7の例では、検知・推定対象マップにおいて、先頭車両VFの後方及び追従車両VMの左前方に、それぞれの周辺監視センサ10の検知可能領域D及び走行不可領域Iのいずれかによって囲まれている領域である不感閉領域Acが形成されている。ECU20の物体推定部24は、当該不感閉領域Acに対する車両の出入りを継続的に管理することにより、周辺監視センサ10で直接検知することができない不感閉領域内の車両の台数を継続して推定する。一方、検知・推定対象マップにおいて、先頭車両VFの前方、右側方及び追従車両VMの右前方には、それぞれの周辺監視センサ10の検知可能領域D及び走行不可領域Iのいずれによっても囲まれていない不感開領域Aoが形成されている。
【0067】
以下の手順にしたがって、時間平均不感開領域面積が求められる。開領域・閉領域取得部23は、その時点での不感開領域Aoの面積である不感開領域面積を求める(S202)。開領域・閉領域取得部23は、先頭車両VF及び追従車両VMそれぞれの走行計画生成装置1の走行計画生成部26で生成される走行計画、周辺監視センサ10により検知された各々の車両の動作等に基づき、車群を構成する各車両の単位時間(例えば1秒)後の状態を推定する(S203)。
【0068】
開領域・閉領域取得部23は、規定時間(例えば10秒)に達するまで、推定された単位時間後の各車両の状態について、上述したように単位時間後ごとに不感開領域面積を求める(S202〜S204)。開領域・閉領域取得部23は、規定時間までの全ての不感開領域面積の時間軸での平均を求めて時間平均不感開領域面積を求める(S205)。
【0069】
開領域・閉領域取得部23は、不感開領域Acの境界線に従って以下の処理を繰り返し行い、分断候補線とその分断効果率を算出する。開領域・閉領域取得部23は、不感開領域Acの境界線のいずれかの端点を分断開始点として選択する(S206)。また、開領域・閉領域取得部23は、不感開領域Acの境界線のいずれかの端点を分断終了点として同様に選択する(S207)。開領域・閉領域取得部23は、分断開始点と分断終了点とを結んで分断候補線dとし、検知可能領域D、走行不可領域I及び分断候補線dのいずれかによって囲まれる領域を新不感閉領域として導出する(S208)。
【0070】
開領域・閉領域取得部23は、新不感閉領域が規定値以下の面積(例えば10m以下)であれば、分断候補線dの対象外とし、以下のステップS210〜S211を行わない(S209)。開領域・閉領域取得部23は、新不感閉領域の面積をステップS208で結んだ分断候補線dの長さで除算したものを分断効果率として算出する(S210)。開領域・閉領域取得部23は、分断効果率が規定値(例えば1など)未満のものは(S211)、分断候補線dの対象外とする(S212)。開領域・閉領域取得部23は、不感開領域Acの境界線上の全ての点に関して、分断開始点と分断終了点の全ての組合せに対して上述のステップS206〜S212の処理を繰り返し二重ループとなるように実施する(S213)。
【0071】
仮走行計画生成部25及び走行計画生成部26は、全ての分断候補線dに関して、分断効果率の高い順番に以下の処理を行い、不感開領域Aoを効率良く分断して新たな不感閉領域を生成させることができる車群の走行計画を生成する。
【0072】
図6に示すように、仮走行計画生成部25は、先頭車両VF及び追従車両VMのいずれかの内で分断候補線dに最も近い車両を選択する(S214)。仮走行計画生成部25は、不感開領域Aoを分断して新たな不感閉領域を生成させることができる仮走行計画を生成する(S215)。具体的には、仮走行計画生成部25は、例えば、当該車両の後方に分断候補線dがあれば減速を実施する仮走行計画を生成し、当該車両の左側方に分断候補線dがあれば左側に車線変更を行う仮走行計画を生成する。図7の例では、先頭車両VFの右側方に分断候補線dがあるため、仮走行計画生成部25は、先頭車両VFに右側に車線変更Cを行わせる仮走行計画を生成する。
【0073】
走行計画生成部26は、仮走行計画生成部25が生成した仮走行計画に対して安全上の評価を確認し、評価値が安全基準値を満たさない場合は、当該仮走行計画を破棄し、以下のステップS217〜S219を行わない(S216)。
【0074】
走行計画生成部26は、仮走行計画により車両が走行した場合を仮定して、上述のステップS202〜S205の処理を行い、仮走行計画についての仮時間平均不感開領域面積を算出する(S217)。走行計画生成部26は、仮時間平均不感開領域面積が時間平均不感開領域面積を下回った場合には(S218)、当該仮走行計画を採用する(S219)。
【0075】
仮走行計画生成部25及び走行計画生成部26は、先頭車両VF及び追従車両VMのいずれかの中で分断候補線dに近い車両から順番に上述のステップS215〜S219を実行する(S220)。仮走行計画生成部25及び走行計画生成部26は、全ての分断候補線dの中から分断効果率の高いものから順番に上述のステップS214〜S220の処理を繰り返す(S221)。
【0076】
(処理手順3−不感閉領域に存在する物体の推定誤差を減少させるための動作)
以下、本実施形態の走行計画生成装置における不感閉領域に存在する物体の推定誤差を減少させるための動作について説明する。
【0077】
図8は、実施形態に係る走行計画生成装置による不感閉領域に存在する物体の推定誤差を減少させるための動作を示すフロー図である。図9は、実施形態に係る走行計画生成装置による不感閉領域に存在する物体の推定誤差を減少させるための動作を示す平面図である。図9に示すように、周辺監視センサ10等からなる本実施形態の走行計画生成装置1が搭載された先頭車両VF、追従車両VM及び後尾車両VBが、車両が走行することのできない走行不可領域Iを両側に有する道路を進行方向lに沿って車群をなして走行している。以下の走行計画の生成は、先頭車両VF、追従車両VM及び後尾車両VBに搭載された走行計画生成装置1のいずれかが、他の車両の周辺監視センサ10等の検知結果に基づいて車群を代表して行う。
【0078】
図8に示すように、前提として、上述の処理手順1のステップ101と同様の処理により、先頭車両VF及び追従車両VMの周辺監視センサ10による検知情報が継続管理されている(S301)。図9の例では、検知・推定対象マップにおいて、先頭車両VF及び追従車両VMの間に不感閉領域Ac1,Ac2が形成され、追従車両VM及び後尾車両VBの間に不感閉領域Ac3,Ac4が形成されている。ECU20の物体推定部24は、当該不感閉領域Ac1〜Ac4に対する車両の出入りを継続的に管理することにより、周辺監視センサ10で直接検知することができない不感閉領域内の車両の台数を継続して推定する。
【0079】
以下の手順にしたがって、時間平均不感閉領域推定誤差が求められる。物体推定部24は、その時点での不感閉領域Ac1〜Ac4内に存在する障害物の推定誤差である不感閉領域推定誤差を求める(S302)。具体的には、物体推定部24は、全ての不感閉領域Ac1〜Ac4の推定誤差(推定存在最大車両台数と推定存在最小台数の差)の平均を求める。
【0080】
物体推定部24は、先頭車両VF、追従車両VM及び後尾車両VRそれぞれの走行計画生成装置1の走行計画生成部26で生成される走行計画、周辺監視センサ10により検知された各々の車両の動作等に基づき、車群を構成する各車両の単位時間(例えば1秒)後の状態を推定する(S303)。
【0081】
物体推定部24は、規定時間(例えば10秒)に達するまで、推定された単位時間後の各車両の状態について、上述したように単位時間後ごとに不感閉領域推定誤差を求める(S302〜S304)。物体推定部24は、規定時間までの全ての不感閉領域推定誤差の時間軸での平均を求めて時間平均不感閉領域推定誤差を求める(S305)。
【0082】
仮走行計画生成部25及び走行計画生成部26は、全ての不感閉領域Ac1〜Ac4に関して、推定誤差の大きい順番に以下の処理を行い、推定誤差を最小にできる車群の走行計画を生成する。
【0083】
仮走行計画生成部25は、不感閉領域Ac1〜Ac4の内のいずれかの不感閉領域の内で最も推定誤差の大きい不感閉領域について、先頭車両VF、追従車両VM及び後尾車両VRのいずれかの内で当該不感閉領域に最も近い車両を選択する(S306)。図9の例では、不感閉領域Ac1が最も推定誤差が大きい不感閉領域となる。仮走行計画生成部25は、推定誤差を小さくすることができる仮走行計画を生成する(S307)。具体的には、仮走行計画生成部25は、例えば、当該車両の後方に不感閉領域があれば減速を実施する仮走行計画を生成し、当該車両の左側方に不感閉領域があれば左側に車線変更を行う仮走行計画を生成する。図7の例では、追従車両VMの左側方に不感閉領域Ac1があるため、仮走行計画生成部25は、追従車両MFに左側に車線変更Cを行わせる仮走行計画を生成する。
【0084】
走行計画生成部26は、仮走行計画生成部25が生成した仮走行計画に対して安全上の評価を確認し、評価値が安全基準値を満たさない場合は、当該仮走行計画を破棄し、以下のステップS309〜S311を行わない(S308)。
【0085】
走行計画生成部26は、仮走行計画により車両が走行した場合を仮定して、上述のステップS302〜S305の処理を行い、仮走行計画についての仮時間平均不感閉領域推定誤差を算出する(S309)。走行計画生成部26は、仮時間平均不感閉領域推定誤差が時間平均不感閉領域推定誤差を下回った場合には(S310)、当該仮走行計画を採用する(S311)。
【0086】
仮走行計画生成部25及び走行計画生成部26は、先頭車両VF、追従車両VM及び後尾車両VRのいずれかの中で当該不感閉領域に近い車両から順番に上述のステップS307〜S311を実行する(S312)。仮走行計画生成部25及び走行計画生成部26は、全ての不感閉領域の中から推定誤差の大きいものから順番に上述のステップS306〜S312の処理を繰り返す(S313)。
【0087】
(処理手順4−実施形態に係る走行計画生成装置によるインフラセンサ通過後の不感閉領域に存在する物体の推定誤差を減少させるための動作)
以下、本実施形態の走行計画生成装置におけるインフラセンサ通過後の不感閉領域に存在する物体の推定誤差を減少させるための動作について説明する。
【0088】
図10は、実施形態に係る走行計画生成装置によるインフラセンサ通過後の不感閉領域に存在する物体の推定誤差を減少させるための動作を示すフロー図である。図11は、実施形態に係る走行計画生成装置によるインフラセンサ通過後の不感閉領域に存在する物体の推定誤差を減少させるための動作を示す平面図である。図11に示すように、周辺監視センサ10等からなる本実施形態の走行計画生成装置1が搭載された先頭車両VF及び追従車両VMが、車両が走行することのできない走行不可領域Iを両側に有する道路を進行方向lに沿って車群をなして走行している。以下の走行計画の生成は、先頭車両VF及び追従車両VMに搭載された走行計画生成装置1のいずれかが、他の車両の周辺監視センサ10等の検知結果に基づいて車群を代表して行う。
【0089】
図11に示すように、前提として、上述の処理手順1のステップ101と同様の処理により、先頭車両VF及び追従車両VMの周辺監視センサ10による検知情報が継続管理されている(S401)。ECU20の物体推定部24は、先頭車両VF及び追従車両VMの周辺監視センサ10の検知可能領域Dと走行不可領域Iとによって囲まれた不感閉領域が形成されるときに、該不感閉領域に対する車両の出入りを継続的に管理することにより、周辺監視センサ10で直接検知することができない不感閉領域内の車両の台数を継続して推定する。図11の例では、先頭車両VF及び追従車両VMからなる車群は、道路インフラセンサSの近傍を通過しつつある。
【0090】
検知領域取得部21は、道路インフラセンサSの検知可能領域(道路センサ検知可能領域)Dを、通信機14によりインフラセンサSから取得する(S402)。あるいは、検知領域取得部21は、道路インフラセンサSの検知可能領域Dを、ナビゲーションシステム11から取得する。
【0091】
以下の手順にしたがって、道路インフラセンサSの通過以降の時間平均不感領域推定誤差が求められる。物体推定部24は、先頭車両VF及び追従車両VMそれぞれの走行計画生成装置1の走行計画生成部26で生成される走行計画、周辺監視センサ10により検知された各々の車両の動作等に基づき、道路インフラセンサSの検知可能領域Dを車群の先頭車両VFが通過した直後の車群を構成する各車両の状態を推定する(S403)。
【0092】
物体推定部24は、道路インフラセンサSの検知可能領域Dを車群の先頭車両VFが通過した直後の時点において、先頭車両VF及び追従車両VMの周辺監視センサ10の検知可能領域D、道路インフラセンサSの検知可能領域D、及び走行不可領域Iのいずれかによって囲まれた不感閉領域が形成されるときに、当該不感領域内に存在する障害物の推定誤差である不感閉領域推定誤差を求める(S404)。具体的には、物体推定部24は、全ての不感閉領域の推定誤差(推定存在最大車両台数と推定存在最小台数の差)の平均を求める。
【0093】
物体推定部24は、規定時間(例えば10秒)に達するまで、推定された単位時間(例えば1秒)後の各車両の状態について、上述したように単位時間後ごとに不感閉領域推定誤差を求める(S403〜S405)。物体推定部24は、規定時間までの全ての不感閉領域推定誤差の時間軸での平均を求めて時間平均不感閉領域推定誤差を求める(S406)。
【0094】
仮走行計画生成部25及び走行計画生成部26は、道路インフラセンサSの検知可能領域Dを車群の先頭車両VFが通過した後に形成される全ての不感閉領域に関して、道路インフラセンサSの検知可能領域Dと重なるか否かを判定し、道路インフラセンサSの検知可能領域D外となる不感閉領域を以下の処理の対象外とする(S407)。
【0095】
仮走行計画生成部25及び走行計画生成部26は、ステップS407の処理で残った全ての不感閉領域に対し、処理手順3のステップS306〜S313と同様にして、道路インフラセンサSの通過後の推定誤差を最小にすることができる走行計画を生成する(S408)。なお、この場合の時間平均不感閉領域推定誤差の算出は、上述したステップS403〜S405の処理により行われる。図11の例では、走行計画生成部26は、道路インフラセンサSのある右方向に推定誤差をより少なくする不感閉領域を生成するために、先頭車両VFに右方向への車線変更を行わせるための走行計画を生成する。
【0096】
本実施形態では、検知領域取得部21は複数の車両に各々搭載された周辺監視センサ10それぞれの検知可能領域Dを取得し、走行計画生成部26は検知領域取得部21が取得した複数の車両に各々搭載された周辺監視センサ10それぞれの検知可能領域Dに応じて、複数の車両それぞれの走行計画を生成するため、周辺監視センサ10を搭載した各々の車両は検知可能領域Dに応じて走行することになり、障害物の存在を推定する精度を向上させることが可能となる。
【0097】
また、仮走行計画生成部25は複数の車両それぞれの仮走行計画を生成し、走行計画生成部26は、仮走行計画生成部25が生成した仮走行計画について、検知領域取得部21が取得した複数の車両に各々搭載された周辺監視センサ10それぞれの検知可能領域Dに応じて評価を行い、評価の結果が予め定められた基準を満たす仮走行計画を走行計画とするため、走行計画生成部26は検知可能領域Dに応じた評価の基準を満たす良好な走行計画を採用することになり、さらに障害物の存在を推定する精度を向上させることが可能となる。
【0098】
さらに、走行計画生成部26は、検知可能領域D及び不感閉領域からの情報に基づいて、検知可能領域D及び不感閉領域のいずれかが拡大される仮走行計画を走行計画とするため、周辺監視センサ10により障害物を直接的又は間接的に検知することができる可能性が高くなり、障害物の存在を推定する精度を向上させることが可能となる。
【0099】
一方、重複度算出部22は複数の車両に各々搭載された周辺監視センサ10それぞれの検知可能領域D同士の重複度を算出し、走行計画生成部26は、重複度算出部22が算出した検知可能領域D同士の重複度に応じて、複数の車両それぞれの走行計画を生成するため、周辺監視センサ10を搭載した各々の車両は検知可能領域D同士の重複度に応じて走行することが可能となる。
【0100】
特に、走行計画生成部26は、重複度算出部22が算出した検知可能領域D同士の重複度を減少させる走行計画を生成するため、各車両の周辺監視センサ10の検知可能領域D同士の重複する部分が少なくなる走行計画を生成することが可能となり、各車両の周辺監視センサ10によって直接に障害物を検出することができる領域が拡大される。
【0101】
一方、開領域・閉領域取得部23は複数の車両に各々搭載された周辺監視センサ10それぞれの検知可能領域D及び車両が走行することのできない走行不可領域Iのいずれかによって囲まれていない不感開領域Aoを取得し、走行計画生成部26は、不感開領域Aoの少なくとも一部を、周辺監視センサ10それぞれの検知可能領域D及び車両が走行することのできない走行不可領域Iのいずれかによって囲まれている不感閉領域Acとする走行計画を生成するため、障害物の存在を推定することが不可能な不感開領域Aoを減少させ、障害物の存在を推定することが可能な不感閉領域Acとする走行計画を生成することが可能となり、障害物の存在を推定することができる領域を拡大することができる。
【0102】
また、物体推定部24は、複数の車両に各々搭載された周囲監視センサ10それぞれの検知可能領域D及び車両が走行することのできない走行不可領域Iのいずれかによって囲まれている不感閉領域Ac内に存在する障害物を推定すると共に、推定の推定誤差を取得して、走行計画生成部26は、物体推定部24が取得した推定誤差に応じて、複数の車両それぞれの走行計画を生成するため、障害物の存在の推定誤差を考慮した走行計画を生成することが可能となる。
【0103】
特に、走行計画生成部26は、物体推定部24が取得した推定誤差を減少させる走行計画を生成するため、周囲監視センサ10による障害物の存在の推定誤差を考慮した走行計画を生成することが可能となり、障害物の存在を推定する精度を向上させることが可能となる。
【0104】
一方、検知領域取得部21は車両が走行する道路上に存在する障害物を検知する道路インフラセンサSの検知可能領域Dを取得し、走行計画生成部26は、検知領域取得部21が取得した検知可能領域Dに応じて、複数の車両それぞれの走行計画を生成するため、道路インフラセンサSの検知可能領域Dも考慮した走行計画を生成することが可能となる。
【0105】
特に、物体推定部24は複数の車両に各々搭載された周囲監視センサ10それぞれの検知可能領域D、道路インフラセンサSの検知可能領域D及び車両が走行することのできない走行不可領域Iのいずれかによって囲まれている不感閉領域に存在する障害物を推定すると共に推定の推定誤差を取得して、走行計画生成部26は、物体推定部24が取得した推定誤差を減少させる走行計画を生成するため、道路インフラセンサSによる障害物の存在の推定誤差を考慮した走行計画を生成することが可能となり、障害物の存在を推定する精度を向上させることが可能となる。
【0106】
さらに、本実施形態では、検知可能領域Dの重複度、推定誤差が大きい領域に属する車両から順番に当該状況を回避する走行計画が生成され、検知可能領域Dの重複度、推定誤差が大きい領域に対して順番に当該状況を回避する走行計画が生成されるため、効率良く、障害物の存在を推定する精度を向上させるための走行計画を生成し、実際に車群を形成する車両に実行させることができる。
【0107】
加えて、本実施形態によれば、各々の車両が本実施形態の走行計画生成装置1を搭載することにより、互いに車両等の障害物を検知する精度が向上する走行計画により車群を形成して走行することが可能となる。このため、本実施形態の走行計画生成装置1によれば、単に互いの走行計画を生成するだけの装置に比べて、安全性の向上のために車両同士が互いに車群を形成して走行する動機付けを高めることができる。
【0108】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態においては、走行計画生成装置は、車群に属する全車両についての走行計画を生成したが、本発明はこれに限定されることはなく、走行計画生成装置が車群における一台の車両の走行計画のみを生成するものも本発明の範囲に含まれ、効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】実施形態に係る走行計画生成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態に係る走行計画生成装置による検知可能領域同士の重複度を減少させる際の動作を示すフロー図である。
【図3】実施形態に係る走行計画生成装置による検知可能領域同士の重複度を減少させる際の動作を示すフロー図である。
【図4】実施形態に係る走行計画生成装置による検知可能領域同士の重複度を減少させる際の動作を示す平面図である。
【図5】実施形態に係る走行計画生成装置による新たな不感閉領域を生成させる際の動作を示すフロー図である。
【図6】実施形態に係る走行計画生成装置による新たな不感閉領域を生成させる際の動作を示すフロー図である。
【図7】実施形態に係る走行計画生成装置による新たな不感閉領域を生成させる際の動作を示す平面図である。
【図8】実施形態に係る走行計画生成装置による不感閉領域に存在する物体の推定誤差を減少させるための動作を示すフロー図である。
【図9】実施形態に係る走行計画生成装置による不感閉領域に存在する物体の推定誤差を減少させるための動作を示す平面図である。
【図10】実施形態に係る走行計画生成装置によるインフラセンサ通過後の不感閉領域に存在する物体の推定誤差を減少させるための動作を示すフロー図である。
【図11】実施形態に係る走行計画生成装置によるインフラセンサ通過後の不感閉領域に存在する物体の推定誤差を減少させるための動作を示す平面図である。
【符号の説明】
【0110】
1…走行計画生成装置、10…周辺監視センサ、11…ナビゲーションシステム、12…GPS、13…地図情報記憶装置、14…通信機、20…ECU、21…検知領域取得部、22…重複度算出部、23…開領域・閉領域取得部、24…物体推定部、25…仮走行計画生成部、26…走行計画生成部、30…アクチュエータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲に存在する障害物を検知する車載センサを搭載した車両の走行計画を生成する走行計画生成装置であって、
複数の前記車両に各々搭載された前記車載センサそれぞれの検知可能領域である車載センサ検知可能領域を取得する車載センサ検知領域取得手段と、
前記車載センサ検知領域取得手段が取得した複数の前記車両に各々搭載された前記車載センサそれぞれの前記車載センサ検知可能領域に応じて、前記車両の走行計画を生成する走行計画生成手段と、
を備えた走行計画生成装置。
【請求項2】
前記車両の仮走行計画を生成する仮走行計画生成手段をさらに備え、
前記走行計画生成手段は、前記仮走行計画生成手段が生成した前記仮走行計画について、前記車載センサ検知領域取得手段が取得した複数の前記車両に各々搭載された前記車載センサそれぞれの前記車載センサ検知可能領域に応じて評価を行い、前記評価の結果が予め定められた基準を満たす前記仮走行計画を前記走行計画とする、請求項1に記載の走行計画生成装置。
【請求項3】
前記基準を満たす前記仮走行計画とは、他の前記仮走行計画に比べて、前記車載センサ検知可能領域及び前記車載センサ検知可能領域からの情報に基づいて障害物の存在を推定可能な領域のいずれかが拡大される前記仮走行計画である、請求項1又は2に記載の走行計画生成装置。
【請求項4】
複数の前記車両に各々搭載された前記車載センサそれぞれの前記車載センサ検知可能領域同士の重複度を算出する重複度算出手段をさらに備え、
前記走行計画生成手段は、前記重複度算出手段が算出した前記車載センサ検知可能領域同士の重複度に応じて、前記車両の前記走行計画を生成する、請求項2又は3に記載の走行計画生成装置。
【請求項5】
前記走行計画生成手段は、前記重複度算出手段が算出した前記車載センサ検知可能領域同士の重複度を減少させる前記走行計画を生成する、請求項4に記載の走行計画生成装置。
【請求項6】
複数の前記車両に各々搭載された前記車載センサそれぞれの前記車載センサ検知可能領域及び前記車両が走行することのできない走行不可領域のいずれかによって囲まれていない開領域を取得する開領域取得手段をさらに備え、
前記走行計画生成手段は、前記開領域の少なくとも一部を、複数の前記車両に各々搭載された前記車載センサそれぞれの前記車載センサ検知可能領域及び前記車両が走行することのできない走行不可領域のいずれかによって囲まれている閉領域とする前記走行計画を生成する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の走行計画生成装置。
【請求項7】
複数の前記車両に各々搭載された前記車載センサそれぞれの前記車載センサ検知可能領域及び前記車両が走行することのできない走行不可領域のいずれかによって囲まれている閉領域内に存在する障害物を推定する車載センサ利用推定手段と、
前記車載センサ利用推定手段による推定の推定誤差を取得する車載センサ利用推定誤差取得手段と、
を備え、
前記走行計画生成手段は、前記車載センサ利用推定誤差取得手段が取得した推定誤差に応じて、前記車両の前記走行計画を生成する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の走行計画生成装置。
【請求項8】
前記走行計画生成手段は、前記車載センサ利用推定誤差取得手段が取得した推定誤差を減少させる前記走行計画を生成する、請求項7に記載の走行計画生成装置。
【請求項9】
前記車両が走行する道路上に存在する障害物を検知する道路センサの検知可能領域である道路センサ検知可能領域を取得する道路センサ検知領域取得手段をさらに備え、
前記走行計画生成手段は、前記道路センサ検知領域取得手段が取得した前記道路センサ検知可能領域に応じて、前記車両の走行計画を生成する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の走行計画生成装置。
【請求項10】
複数の前記車両に各々搭載された前記車載センサそれぞれの前記車載センサ検知可能領域、前記道路センサの検知可能領域及び前記車両が走行することのできない走行不可領域のいずれかによって囲まれている閉領域に存在する障害物を推定する道路センサ利用推定手段と、
前記道路センサ利用推定手段による推定の推定誤差を取得する道路センサ利用推定誤差取得手段と、
を備え、
前記走行計画生成手段は、前記道路センサ利用推定誤差取得手段が取得した推定誤差を減少させる前記走行計画を生成する、請求項9に記載の走行計画生成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−42999(P2009−42999A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−206883(P2007−206883)
【出願日】平成19年8月8日(2007.8.8)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】