説明

走行路ユニット

【課題】 走行路上を走行させて遊技する電動玩具において、ユーザの利便性を向上させる。
【解決手段】 電車玩具101が走行する走行路ユニット112であって、走行路ユニット112上を電車玩具101が走行する際に、幅方向の電車玩具101の位置を規定する側壁部302と、側壁部302の中心位置に対して対象となるように配された線状の3つの電極309〜311であって、電極のペア309及び310と電極のペア310及び311とに、電源が供給されるように構成された電極309〜311と、を備え、前記電極のペア309及び310または310及び311は、電車玩具101がいずれかの方向に走行する際に、電車玩具101に設けられた電極のペア501及び502と接触するように、幅方向の位置及び間隔が規定されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動玩具が走行する走行路ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数の走行路ユニットを連結させることにより形成された走行路上を走る電動玩具が知られている。代表的なものとして、様々な形状・機能を有するレールを連結させることで走行路を形成し、そのうえを走行する電車玩具が知られている。
【0003】
一般的に、このような玩具では、電池により走行する構成となっているため、遊技中に電池が切れた場合、ユーザは、一旦、遊技を中断し、電池の交換を行わなければならない。特に、複数種類の電車玩具を有し、同時に複数の電車玩具を走行させて楽しむ場合には、電池の交換頻度が高まるため、ユーザにとっては著しく利便性が損なわれることとなる。
【0004】
このような問題を解決するために、例えば、特許文献1では、電車玩具内に蓄電機能を持たせ、レール上に充電装置を配することで、遊技中の電池切れによる電池の交換作業を排除し、利便性を向上させることとしている。
【特許文献1】特開2003−190655号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の場合、電車玩具が所定の走行方向を向いている場合のみ充電が可能であり、走行方向が反対の場合には、充電することができないという問題があった。
【0006】
このため、ユーザは、充電を行う際に、電車玩具の向きを事前に所定の走行方向に変えるか、電車玩具の向きに合わせて、充電装置の切り替えスイッチを操作しなければならなかった。また、充電装置が、切り替えスイッチにより電極を切り替える構成となっているため、回路構成が複雑であるという問題もあった。
【0007】
更に、上記特許文献1の場合、充電を行うにあたり、一旦、電車玩具の走行を停止させることが前提となっているため、ユーザは遊技を一旦中断する必要があった。
【0008】
このため、走行路上を走行させて遊技する電動玩具においては、電動玩具の走行方向に関わらず、走行中に充電可能な構成とすることで、ユーザの利便性を向上させることが望まれている。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、走行路上を走行させて遊技する電動玩具において、ユーザの利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために本発明に係る走行路ユニットは以下のような構成を備える。即ち、
電動玩具が走行する走行路ユニットであって、
前記走行路ユニット上を前記電動玩具が走行する際に、走行方向と略直交する幅方向の該電動玩具の走行位置を規定するために、前記走行路ユニット上の該走行方向に沿って設けられた2つの規定部材と、
前記2つの規定部材の中心位置に対して対象となるように、前記走行方向に沿って配された線状の複数の電極であって、該中心位置に対して、一方の領域に配された電極のペアと、他方の領域に配された電極のペアとに、それぞれ電源が供給されるように構成された複数の電極と、を備え、
前記電極のペアは、前記走行路ユニット上を前記電動玩具がいずれかの方向に走行する際に、前記電動玩具に設けられた電極のペアと接触するように、前記幅方向の位置及び間隔が規定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、走行路上を走行させて遊技する電動玩具において、ユーザの利便性を向上させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、必要に応じて添付図面を参照しながら本発明の各実施形態を詳細に説明する。
【0013】
[第1の実施形態]
<電動玩具及び走行路の全体構成>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る走行路ユニット及び、該走行路ユニットを連結することにより形成された走行路上を走行する電動玩具の構成を示す図である。
【0014】
図1において、101は電動玩具の一例である電車玩具である。102は走行路である。
【0015】
連続した走行路は、複数の走行路ユニットを連結させることにより構成されている。図1の例では、一般的な走行路ユニット103〜109と、鉄橋を模した走行路ユニット110、111、ならびに、電車玩具101を充電するための充電機能を備える走行路ユニット112とが連結されることにより構成されている。
【0016】
なお、いずれの走行路ユニットも、先端位置と後端位置とに、凸部と凹部とが設けられており、これにより、他の走行路ユニットとの連結/取り外しができるように構成されている。
【0017】
また、側面位置にも、凸部と凹部とが設けられており、複数の走行路ユニットを並列に配置した場合に、相互に固定することができるようになっている。なお、走行路102を構成する走行路ユニットには用いられていないが、電車玩具101の走行方向を略90度変更させるためのT字型の走行路を有する走行路ユニットを用いた場合には、当該側面位置に設けられた凸部及び凹部が、他の走行路ユニットの先端位置または後端位置に設けられた凸部及び凹部に連結されることとなる。
【0018】
また、いずれの走行路ユニットにも、走行路の周囲に街並みを再現することができるように、街並み用のユニットが取付け可能な構成となっている。図1の例では、走行路ユニット104及び105に、家屋ユニット121及び122が取付けられ、走行路ユニット104には更に、街路樹ユニット123が取付けられている。
【0019】
また、走行路ユニット106及び107及び108には、柵ユニット125、126が取付けられている。更に、走行路ユニット108には、踏み切りユニット124が取付けられている。
【0020】
<走行路ユニットの構成>
次に、走行路ユニット103〜109の構成について説明する。図2は、走行路ユニット103〜109の外観構成を示す図である。なお、走行路ユニット103〜109以外の走行路ユニット(走行路ユニット110、111や、図1において図示されていないその他の走行路ユニット)も、基本的な機能は同じであるため、それらの説明は省略する。
【0021】
図2に示すように、走行路ユニット103〜109は、ベース部201を備え、ベース部201の中央部分には、電車玩具101が走行する走行路102が設けられている。
【0022】
走行路102は、側壁部202と底部203により形成されており、電車玩具101のハウジングの側面が側壁部202に接触することにより、電車玩具101の幅方向の走行位置が規制され、その結果、電車玩具101が走行路上を走行する構成となっている。なお、走行路102の側壁部202間の距離は、電車玩具101の幅よりも大きくなっている。これにより、電車玩具101は、幅方向にある程度の自由度をもって走行することが可能となっている。
【0023】
走行路ユニット103〜109は、更に、ベース部201の先端位置と後端位置とに、凸部204及び凹部205を備えている。凸部204は、他の走行路ユニットの凹部(不図示)と連結され、凹部205は、他の走行路ユニットの凸部(不図示)と連結されることで、連続した走行路が形成されることとなる。
【0024】
走行路ユニット103〜109は、更に、ベース部201の側面位置にも、凸部206及び凹部207を備えている。上述したように、側面位置に設けられた凸部206及び凹部207は、並行に配された他の走行路ユニットの側面位置に設けられた凹部及び凸部と連結されることにより、相互に固定される。
【0025】
208は、街並み用のユニットを取付けるための取付け孔であり、ベース部201上であって、走行路102の横に設けられている。
【0026】
<充電機能を備える走行路ユニットの構成>
次に、充電機能を備える走行路ユニット112の構成について説明する。図3は、充電機能を備える走行路ユニット112の外観構成を示す図である。
【0027】
図3において、301はベース部であり、走行路ユニット103〜109と同様に、側壁部302と底部303とにより形成された走行路102と、先端位置及び後端位置の凸部304及び凹部305と、側面位置の凸部306及び凹部307とを備える。
【0028】
なお、充電機能を備える走行路ユニット112の場合、走行路102を形成する側壁部302間の距離は、走行路ユニット103〜109の場合と比べて、やや小さくなっている。これは、電車玩具101が充電機能を備える走行路ユニット112の走行路102上を通過する場合に、確実に充電が行われるように(つまり、後述する走行路ユニット112の電極と、電車玩具101の電極とが確実に接触するように)、電車玩具101の幅方向の走行位置を、規定するためである。
【0029】
充電機能を備える走行路ユニット112は、更に、走行路102の底部303上に、線状の電極309〜311が走行路102に沿って配されている。電車玩具101の電極が走行路102上の電極309〜311と接触することにより、電車玩具101は、走行中に充電を行う。
【0030】
更に、ベース部301上には、充電ユニット312が設けられ、電極309〜311に対して、電力を供給している。なお、充電ユニット312の回路構成については、後述する。
【0031】
<電車玩具101の構成>
次に、図4及び図5を用いて、電車玩具101の外観構成について説明する。図4は、電車玩具101を上方から見た場合の外観構成を示す図であり、図5は、電車玩具101を下方から見た場合の外観構成を示す図である。
【0032】
図4において、401はハウジングである。また、402は前輪、403は後輪である。電車玩具101の場合、後輪403が不図示のギアを介して、不図示のモータに連結されており、これにより、走行路102上を走行させることが可能となっている。
【0033】
図5において、500は電極部であり、電極501と502とから構成されている。電極501及び502は、それぞれ、円筒形状を有している。具体的には、電車玩具101の走行方向に対して所定の曲率を有し、かつ、電車玩具101の走行方向に直交する方向に対しては、平坦な形状を有している。電極501、502が円筒形状を有していることにより、走行路ユニット112の電極309〜311との接触を確実にすることができる。
【0034】
電極501及び502は、電車玩具101が走行路ユニット112以外の走行路ユニット上を走行する際には、当該走行路ユニットの走行路の底部と接触することがないように高さが調整されているものとする。また、電車玩具101が走行路ユニット112上を走行する際には、走行路ユニット112の電極309〜311のうちのいずれか2つ(電極309と電極310、または電極310と電極311)とに接触するように高さが調整されているものとする。
【0035】
<充電時の電車玩具101と走行路ユニット112との位置関係>
次に、充電のために、電車玩具101が走行路ユニット112上を走行する場合の、電車玩具101の電極501及び502と、走行路ユニット112の電極309〜311との位置関係について、図6、図7を用いて説明する。
【0036】
図6は、電車玩具101が走行路ユニット112上を走行する場合の、電車玩具101の電極501及び502と、走行路ユニット112の電極309〜311との幅方向の位置関係を示した平面図である。
【0037】
はじめに、電車玩具101が走行路ユニット112に対して矢印601方向に走行した場合について説明する。図6に示すように、電車玩具101のハウジング401の側面が、側壁部302に接触することにより、電車玩具101は幅方向の走行位置が規定される。
【0038】
これにより、走行路ユニット112を走行する際の、電車玩具101の電極501及び502の幅方向の位置も規定されることとなる。
【0039】
電車玩具101が矢印601方向に走行する場合、電極501は、走行路ユニット112の電極311上を通過するように構成されている。具体的には、電車玩具101のハウジング401の走行方向左側側面から電極501までの距離と、走行路ユニット112の側壁部302(電極311に近い方の側壁部)から電極311までの距離とが、略等しくなるように構成されている。
【0040】
更に、電車玩具101が矢印601方向に走行する場合、電極502は、走行路ユニット112の電極310上を通過するように構成されている。具体的には、電車玩具101のハウジング401の走行方向左側側面から電極502までの距離と、走行路ユニット112の側壁部302から電極310までの距離とが、略等しくなるように構成されている。
【0041】
この結果、電車玩具101が矢印601方向に走行する場合、電極501は電極311と、電極502は電極310と、それぞれ接触することとなる。
【0042】
一方、電車玩具101が矢印602方向に走行する場合、電極501は、走行路ユニット112の電極309上を通過するように構成されている。具体的には、電車玩具101のハウジング401の走行方向左側側面から電極501までの距離と、走行路ユニット112の側壁部302(電極309に近い方の側壁部)から電極309までの距離とが、略等しくなるように構成されている。
【0043】
更に、電車玩具101が矢印602方向に走行する場合、電極502は、走行路ユニット112の電極310上を通過するように構成されている。具体的には、電車玩具101のハウジング401の走行方向左側側面から電極502までの距離と、走行路ユニット112の側壁部302から電極310までの距離とが、略等しくなるように構成されている。
【0044】
この結果、電車玩具101が矢印602方向に走行する場合、電極501は電極309と、電極502は電極310と、それぞれ接触することとなる。
【0045】
上述した位置関係を、図7を用いて更に詳細に説明する。図7は、電車玩具101が矢印601方向に走行した場合の、電車玩具101及び走行路ユニット112の断面図である。
【0046】
図7において、l1は、走行路ユニット112の側壁部302(電極311に近い方の側壁部)から電極311までの距離を示している。l3は、走行路ユニット112の側壁部302から電極310までの距離を示している。
【0047】
また、L1は、電車玩具101のハウジング401の走行方向左側側面から電極501までの距離を示している。L2は、電車玩具101のハウジング401の走行方向左側側面から電極502までの距離を示している。
【0048】
更に、l2は、走行路ユニット112の側壁部302(電極309に近い方の側壁部)から電極309までの距離を、l4は、走行路ユニット112の側壁部302(電極309に近い方の側壁部)から電極310までの距離をそれぞれ示している。
【0049】
上述したように、電車玩具101のハウジング401の走行方向左側側面から電極501までの距離と、走行路ユニット112の側壁部302から電極311までの距離とは、略等しいことから、
l1=L1 (1)
が成り立つ。
【0050】
また、電車玩具101のハウジング401の走行方向左側側面から電極502までの距離と、走行路ユニット112の側壁部302から電極310までの距離とは、略等しいことから、
l3=L2 (2)
が成り立つ。
【0051】
更に、電車玩具101が矢印602方向に走行する場合の、電車玩具101のハウジング401の走行方向左側側面から電極501までの距離と、走行路ユニット112の側壁部302から電極309までの距離とは、略等しいことから、
l2=L1 (3)
が成り立つ。
【0052】
また、電車玩具101が矢印602方向に走行する場合の、電車玩具101のハウジング401の走行方向左側側面から電極502までの距離と、走行路ユニット112の側壁部302から電極310までの距離とは、略等しいことから、
l4=L2 (4)
が成り立つ。
【0053】
したがって、上記(1)〜(4)式より、l1=l2、l3=l4が導き出され、更に、l3−l1=l4−l2が導き出される。
【0054】
つまり、電極309〜311は、側壁部302間の幅方向中心位置に対して対象となるように走行方向に沿って配されており、該中心位置に対して、一方の領域(幅方向中心位置に対して左側領域)に配された電極のペアと、他方の領域(幅方向中心位置に対して右側領域)に配された電極のペアとがそれぞれ電車玩具に設けられた電極のペアといずれかの走行方向の際に接触するように、幅方向の位置及び間隔が規定されている。
【0055】
具体的には、電極310は、走行路ユニット112の走行路102の幅方向中央部に位置し、電極309と電極311は、電極310との距離が互いに等しくなるように配置されている。なお、本実施の形態では、電極310が走行路102の幅方向略中央部に設けられているため、電極310はそれぞれのペアでの共通電極となる。つまり、本実施の形態では、一方の領域(幅方向中心位置に対して左側領域)に配された電極のペアは電極309、310であり、他方の領域(幅方向中心位置に対して右側領域)に配された電極のペアは電極310、311となる。
【0056】
また、電車玩具101の電極502は、ハウジング401の幅方向中央部に位置し、電極501は、電極309と電極310との間の距離(及び電極310と電極311との間の距離)と等しくなるように、電極501から離れて配置されている。
【0057】
続いて、電車玩具101の電極501及び502と、走行路ユニット112の電極309〜311との断面方向の位置関係について説明する。
【0058】
図7に示すように、走行路ユニット112のベース部301上に配置された電極309〜311は、それぞれ、底部303から上方に突き出ている。これにより、電車玩具101が走行路ユニット112上を矢印601方向に走行している間、電極501、502は電極310、311に接触することとなる(矢印602方向に走行している間、電極501、502は、電極309、310に接触することとなる)。
【0059】
なお、図7に示すように、電極309〜311の断面は円形状を有している。これは、断面が角型形状の場合と比べて、電車玩具101の電極501、502との接触が確実となるためである。
【0060】
<電車玩具101及び走行路ユニット112の回路構成>
次に、電車玩具101の蓄電機能及び走行路ユニット112の充電機能に関わる回路構成について説明する。
【0061】
図8は、電車玩具101の蓄電機能及び走行路ユニット112の充電機能に関わる回路構成を示す図である。
【0062】
図8の走行路ユニット112において、801はスイッチ部であり、充電モードと非充電モードとを切り替える。充電モード中は、電車玩具101が走行路ユニット112上を通過するたびに、充電が行われる。一方、非充電モード中は、電車玩具101が走行路ユニット112上を通過しても、充電が行われることはない。
【0063】
802は電源部であり、本実施形態においては電池により構成される。ただし、電源部802は電池に限られず、例えば、家庭用電源を取り込む構成や、充電池を搭載し、手回し充電器等で充電される構成であってもよい。
【0064】
803は充電回路部であり、スイッチ部801が充電モードであった場合には、電源部802より供給される電力を、充電回路部803を介して電極のペア(電極309と310、及び電極310と311)に提供する。
【0065】
一方、図8の電車玩具101において、811はスイッチ部であり、電車玩具101のオン(走行)とオフ(非走行)とを切り替える。なお、充電モードと非充電モードとを切り替えるスイッチとしてもよい。その場合、充電モード中は、電車玩具101が走行路ユニット112上を通過するたびに、充電が行われる。一方、非充電モード中は、電車玩具101が走行路ユニット112上を通過しても、充電が行われることはない。
【0066】
813はキャパシタであり、走行路ユニット112の充電回路部803を介して供給される電力を蓄積する。本実施形態では、キャパシタ813として、コイン型ポリアセンキャパシタを用いることとする。812はモータであり、キャパシタ813より供給される電力により動作する。
【0067】
以上の説明から明らかなように、本実施形態では、充電機能を備える走行路ユニットにおいて、3本の電極を所定の位置関係に配置するとともに、電車玩具の電極を当該走行路ユニットの電極の配置にあわせて配置する構成とすることで、電車玩具の向きに関わらず、充電を行うことが可能となった。また、電車の向きに関わらず充電可能であるため、複数の走行路ユニットを組み合わせて走行路を作成するときに、走行路ユニットの向きを気にする必要がなくなり、ユーザの利便性が向上することとなる。
【0068】
また、電車玩具の向きに合わせて電極を切り替える切り替えスイッチが不要となったため、充電装置の回路構成を簡素化することが可能となった。更に、ユーザにとっては、電極の切り替え操作を行う必要がなくなり、利便性が向上することとなる。
【0069】
また、本実施形態では、充電機能を備える走行路ユニットの走行路を形成する側壁部の間隔を、電車玩具のハウジングの幅方向の長さと略等しい長さにすることで、充電機能を備える走行路ユニット上を走行する際の電車玩具の幅方向の走行位置を規定することが可能となった。この結果、電車玩具の電極と走行路ユニットの電極との幅方向のずれが抑制され、確実に充電することが可能となった。
【0070】
また、充電機能を備える走行路ユニットの電極を、走行路上に所定の長さにわたって配置する構成とし、更に、走行路ユニットの電極の断面を円形状にすることで、電車玩具が走行中であっても、充電するのに充分な時間を確保することが可能となるとともに、走行路ユニットの電極と電車玩具の電極とを確実に接触させることが可能となった。
【0071】
この結果、ユーザは遊技を中断することなく、電車玩具を走行させたままでも充電を行うことが可能となり、更に利便性が向上することとなる。
【0072】
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、電動玩具として電車玩具を用いた場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、所定の走行路上を走行する電動玩具であれば、他の電動玩具であってもよい。
【0073】
具体的には、自動車や船、飛行機等の乗り物を模した電動玩具であってもよいし、それ以外の電動玩具であってもよい。
【0074】
また、上記第1の実施形態では、走行路を側壁部により形成することとしたが、本発明はこれに限定されず、例えば、レールにより走行路を形成するようにしてもよい。
【0075】
また、上記第1の実施形態では、電極を3本用いる場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、電極を4本用いる場合であっても同様である。
【0076】
この場合も、線状の電極を、側壁部302間の幅方向中心位置に対して対象となるように走行方向に沿って配し、該中心位置に対して、一方の領域に配された電極のペアと他方の領域に配された電極のペアとが、それぞれ電車玩具に設けられた電極のペアと接触するように幅方向の位置及び間隔を規定することで、電車玩具の向きに関わらず、充電を行うことが可能となる。この結果、上記第1の実施形態と同様の効果を享受することができる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る走行路ユニット及び、該走行路ユニットを連結することにより形成された走行路上を走行する電動玩具の構成を示す図である。
【図2】走行路ユニット103〜109の外観構成を示す図である。
【図3】充電機能を備える走行路ユニット112の外観構成を示す図である。
【図4】電車玩具101を上方から見た場合の外観構成を示す図である。
【図5】電車玩具101を下方から見た場合の外観構成を示す図である。
【図6】電車玩具101が走行路ユニット112上を走行する場合の、電車玩具101の電極501及び502と、走行路ユニット112の電極309〜311との幅方向の位置関係を示した平面図である。
【図7】電車玩具101が矢印601方向に走行した場合の、電車玩具101及び走行路ユニット112の断面図である。
【図8】電車玩具101の蓄電機能及び走行路ユニット112の充電機能に関わる回路構成を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動玩具が走行する走行路ユニットであって、
前記走行路ユニット上を前記電動玩具が走行する際に、走行方向と略直交する幅方向の該電動玩具の走行位置を規定するために、前記走行路ユニット上の該走行方向に沿って設けられた2つの規定部材と、
前記2つの規定部材の中心位置に対して対象となるように、前記走行方向に沿って配された線状の複数の電極であって、該中心位置に対して、一方の領域に配された電極のペアと、他方の領域に配された電極のペアとに、それぞれ電源が供給されるように構成された複数の電極と、を備え、
前記電極のペアは、前記走行路ユニット上を前記電動玩具がいずれかの方向に走行する際に、前記電動玩具に設けられた電極のペアと接触するように、前記幅方向の位置及び間隔が規定されていることを特徴とする走行路ユニット。
【請求項2】
前記2つの規定部材は、前記電動玩具のハウジングの前記幅方向の長さに略等しい間隔で配された側壁部であることを特徴とする請求項1に記載の走行路ユニット。
【請求項3】
前記複数の電極は3つの電極から構成されており、
1つの電極は、前記中心位置に配され、残りの2つの電極は、該中心位置から等距離であって、該中心位置からの距離が、前記電動玩具に設けられた電極のペアの幅方向の間隔と等しくなるように配されていることを特徴とする請求項1に記載の走行路ユニット。
【請求項4】
前記複数の電極は4つの電極から構成されており、
2つの電極は、他の2つの電極と、前記中心位置に対して対象となるように配され、かつ、該中心位置からの距離は、前記電動玩具に設けられた電極のペアの前記中心位置からの距離と等しくなるように配され、かつ、該2つの電極間の距離は、該電動玩具に設けられた電極のペアの幅方向の間隔と等しくなるように配されていることを特徴とする請求項1に記載の走行路ユニット。
【請求項5】
前記複数の電極は、それぞれ、断面が円形状となっていることを特徴とする請求項1に記載の走行路ユニット。
【請求項6】
前記走行路ユニットは、他の走行路ユニットと連結することで、走行路を延長できるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の走行路ユニット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2010−131124(P2010−131124A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−308975(P2008−308975)
【出願日】平成20年12月3日(2008.12.3)
【出願人】(000135748)株式会社バンダイ (246)
【Fターム(参考)】