説明

走行車両

【解決手段】ゴルフカートは、エンジン29と電動モータ34とを備えたハイブリットシステムを搭載している。このハイブリットシステムを構成する各種機器のうち、充電器31と発電機30とエンジン29とマフラ41とが、後座席シート11の下方空間S(リアカウル9と後座席台10と後座席シート11とで囲まれた空間)で、着脱自在なケース40によりユニット化されて収納されている。このケース40は、上記各種機器から発生する騒音や、ゴルフカートに配設された各種センサに悪影響を及ぼし易いノイズを遮断する。
【効果】特にゴルフカートにおいて、動力の有効利用により運転効率を高めるとともに、防音効果及びノイズ防止効果を高めることができる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ゴルフカートなどの走行車両において、動力源の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のゴルフカートにおいては、ガソリンエンジン等の内燃機関を動力源として走行するものと、電動モータを動力源として走行するものとが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この種のゴルフカートにあっても、動力の有効利用により運転効率を高める動力節減対策ばかりではなく、上記動力源、特にガソリンエンジン等の内燃機関から発生する騒音を抑えて乗り心地を良くする防音対策や、上記動力源から発生するノイズ、特にゴルフカートに配設された各種センサに悪影響を及ぼし易いノイズを遮断するノイズ防止対策などに配慮する必要がある。
【0004】本発明は、各種走行車両、特にゴルフカートにおいて、動力の有効利用により運転効率を高めるとともに、防音効果及びノイズ防止効果を高めることを目的にしている。
【0005】
【課題を解決するための手段】後記実施形態の図面(図1R>1〜5)の符号を援用して本発明を説明する。請求項1の発明にかかる走行車両においては、エンジン(29)と電動モータ(34)とを備えたハイブリットシステム(H)を搭載し、このハイブリットシステム(H)を構成する各種機器(29,30,31,32,33,34,41等)のうち少なくともエンジン(29)を収納するケース(40)を設けている。
【0006】請求項2の発明において、請求項1の発明にかかるケース(40)は、収納室(45)と、この収納室(45)を介して連通する通風入口(46)及び通風出口(47)とを有している。この収納室(45)には、ハイブリットシステム(H)を構成する各種機器(29,30,31,32,33,34,41等)のうち前記エンジン(29)を含む複数の機器(29,30,31,41)を、それらの発生熱量の大小関係に応じて、通風入口(46)側から通風出口(47)側へ流れる通風方向(P)でその上流側から下流側へ順次並設している。
【0007】請求項3の発明においては、請求項2の発明にあって、前記通風出口(47)が排風ダクト(54)に接続されて連通され、前記エンジン(29)に設けた排気管(52)をこの通風出口(47)に延設して連通させている。
【0008】請求項4の発明においては、請求項2または請求項3の発明にあって、ハイブリットシステム(H)を構成する各種機器(29,30,31,32,33,34,41等)のうち前記ケース(40)に収納する複数の機器が、前記エンジン(29)のほかに、発電機(30)及び充電器(31)と、エンジン(29)に設けた排気管(52)に対し取り付けたマフラ(41)であり、この充電器(31)、発電機(30)、エンジン(29)、マフラ(41)の順に、前記通風方向(P)における上流側から下流側へ並設している。
【0009】請求項5の発明においては、請求項1から請求項4のうちいずれかの請求項の発明にかかるケース(40)を覆うカバー(9,10,11)を設けた。請求項6の発明においては、請求項5の発明にあって、前記ケース(40)が、座席シート(11)の下方に設けた空間(S)で車体(39)に設置され、前記カバー(9,10,11)が、この座席シート(11)の下方空間(S)を囲む車体の一部である。
【0010】請求項7の発明においては、請求項1から請求項6のうちいずれかの請求項の発明にあって、前記ケース(40)が車体(39)に対し防振部(48)を介して支持されている。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態にかかる走行車両としてのゴルフカートを図面を参照して説明する。
【0012】<図1,2に示すゴルフカート1の概要>左右の前車輪3と左右の後車輪4とが懸架されたメインフレーム2上において、その前側に設けられた前座席台5の上部には運転席シート6と助手席シート7とが左右方向へ区分されて取り付けられている。この運転席シート6と助手席シート7との間にはコンソール8が取り付けられている。このメインフレーム2上の後側に設けられたリアカウル9の上部には後座席台10が取り付けられ、この後座席台10の上部には後座席シート11が左右方向へ一連に取り付けられている。このゴルフカート1は、5人乗りタイプであり、前記運転席シート6と助手席シート7とに各1人、前記後座席シート11に計3人乗り込むことができる。この運転席シート6の後側及び助手席シート7の後側にはそれぞれ、前座席ステー12により前背もたれ13が支持されている。この後座席シート11の後側には、左右両後座席ステー14により後背もたれ15が左右方向へ一連に支持されている。この運転席シート6の右外側と助手席シート7の左外側と後座席シート11の左右両外側とにはそれぞれアシストバー16が支持されている。
【0013】前記メインフレーム2上には、前記前座席台5とリアカウル9との間で後ステップ17が後座席シート11に対応して左右方向へ一連に取り付けられているとともに、この前座席台5の前方で前ステップ18が運転席シート6と助手席シート7とに対応して左右方向へ一連に取り付けられている。この前ステップ18の前側からはフロントカウル19が立設されている。このフロントカウル19と運転席シート6との間において、ハンドル20a等を有するステアリング機構20が設置されているとともに、このステアリング機構20の下部でブレーキペダル21とアクセルペダル22とが設置されている。
【0014】前記フロントカウル19の左右両側からフロントピラー23が上方へ延設されているとともに、前記後背もたれ15の左右両側で左右両後座席ステー14からリアピラー24が上方へ延設され、この左右両フロントピラー23の上端部と左右両リアピラー24の上端部との間にルーフ25が架設されている。前記リアカウル9の後方にはゴルフバッグを載せるためのバッグキャリア26が斜め後上方へ延設され、このバッグキャリア26の左右両側には傘やパターなどを入れるための収容袋27が取り付けられている。
【0015】<上記ゴルフカート1の動力源>この動力源としては、図3の電気ブロック図で概略的に示すシリーズハイブリットシステムHを搭載している。ちなみに、このゴルフカート1は後車輪駆動型であり、前記左右両前車輪3は前記ステアリング機構20のハンドル20aにより操舵される。
【0016】コントローラ28はエンジン29の回転数制御を行なう。このエンジン29は最も効率の高い条件で駆動される。このエンジン29の回転は連動部29aで発電機30に伝達される。この発電機30は交流を発電し、その交流が充電器31に入力される。この充電器31は、入力された交流を整流して直流に変換し、低電圧バッテリ32及び高電圧バッテリ33を充電する。この低電圧バッテリ32の電力は、電動モータ34以外の各種電装品(前記コントローラ28など)に供給される。この高電圧バッテリ33の電力は、電動モータ34に内蔵されたドライブ回路35に供給される。このドライブ回路35により電動モータ34が駆動される。この電動モータ34の回転は、連動部34aでミッションケース36に伝達され、さらに後車軸37を経て前記左右両後車輪4に伝達される。
【0017】<前記シリーズハイブリットシステムHの配置構造>図1,2に示すゴルフカート1においては、図4に示す後座席シート11の下方の空間Sにおいて、上側はこの後座席シート11で囲まれ、前後左右の各側は前記リアカウル9及び後座席台10で囲まれている。この空間Sの下側で開放されたメインフレーム2の内側にサブフレーム38が取着され、さらにこのサブフレーム38上に支持台39が取着されている。前記空間S内においてこの支持台39上の右側にはケース40が設置され、この支持台39上の左側には前記低電圧バッテリ32がこのケース40の左方で隣接して設置されている。図4(b)に概略的に示すように、このケース40内には、前述したシリーズハイブリットシステムHの主な構成機器であるエンジン29や発電機30や充電器31やバッテリ(低電圧バッテリ32及び高電圧バッテリ33)や電動モータ34のうち、エンジン29と発電機30と充電器31とが収納されているとともに、そのほかマフラ41も収納されている。この収納構造の詳細は後述する。
【0018】前記後車軸37は前記ケース40の後方で支持され、前記左右両後車輪4はこの後車軸37の左右両端部に支持されている。前記電動モータ34はメインフレーム2の後端部左側に取着されたリアサブフレーム42上に設置されている。前記ミッションケース36はこのケース40の後方で前記サブフレーム38上に設置されている。前記高電圧バッテリ33は、前記バッグキャリア26の下方で、メインフレーム2の後端部に取着されたバッグキャリアフレーム43のバッテリブラケット44上に設置されている。
【0019】<前記ケース40及びその収納構造>図4R>4,5に示すように、このケース40は、鉄等の金属からなり、底壁40aと前壁40bと後壁40cと左壁40dと右壁40eと上壁40fとで囲まれる収納室45を有している。このケース40の前壁40bにおいて底壁40a付近には通風入口46が形成されているとともに、このケース40の後壁40cにおいて底壁40a付近には通風出口47が形成され、この通風入口46及び通風出口47は収納室45に連通している。この収納室45は通風入口46や通風出口47を除いて密閉状態にある。
【0020】特に図4(b)で概略的に示すように、前記サブフレーム38に取着された支持台39上には、複数の防振部48が取り付けられている。この各防振部48としては、ゴム部材など、各種従来周知のものを採用することができる。前記ケース40の底壁40aは、この各防振部48上に対し着脱部49を介して支持されている。この各着脱部49としては、ねじ締結など、各種従来周知のものを採用することができる。
【0021】前記通風入口46と通風出口47とを結ぶ領域Tで、この通風入口46と通風出口47との間に風当て部50が介在されている。この領域Tよりも上方で収納室45には、前記充電器31と発電機30とエンジン29とマフラ41とが、それらの発生熱量の大小関係に応じて、通風入口46側から通風出口47側へ流れる通風方向Pにあってその上流側から下流側へ順次並設された状態で、位置決めされて設置されている。すなわち、これらの各熱発生源(充電器31と発電機30とエンジン29とマフラ41)にあって、発生熱量の小さいものほど通風入口46側寄りに、発生熱量の大きいものほど通風出口47側寄りにそれぞれ配置している。
【0022】前記エンジン29は、内燃機関であって、吸気管51や排気管52や冷却ファン53などを備え、前述した連動部29a(図3参照)で発電機30を駆動するようになっている。なお、この内燃機関は、従来周知のガソリンエンジンであるため、その詳細は省略する。なお、図4(b)では示さないが、エンジン29と発電機30とは前述した連動部29a(図3参照)で互いに接続されている。
【0023】前記通風出口47には排風ダクト54がフランジ等で着脱自在に接続されて連通されている。この排風ダクト54は、この通風出口47から後方へ延設され、さらに前記バッグキャリアフレーム43の下方で左方へ曲げて延設されている。前記エンジン29の排気管52の途中経路には前記マフラ41が取り付けられている。この排気管52は通風出口47付近まで延設され、その末端口部52aが通風出口47付近で排風ダクト54に挿入されて連通されている。前記エンジン29の吸気管51は、前記通風入口46付近まで延設され、その末端口部51aが通風入口46に挿入されて連通されている。
【0024】なお、図4(b)や図5では示さないが、電気的配線については前記ケース40の内外に配設されている。
<本実施形態の特徴>本実施形態は下記*の特徴(後記する他の技術的思想以外)を有する。
【0025】* ゴルフカート1において、エンジン29と電動モータ34とを備えたハイブリットシステムHを搭載した。従って、動力の有効利用により運転効率を高めることができる。
【0026】* 上記ゴルフカート1において、ハイブリットシステムHを構成する各種機器のうち、エンジン29と発電機30と充電器31とマフラ41とをケース40に収納した。このケース40は、上記各種機器から発生する騒音や、ゴルフカート1に配設された各種センサに悪影響を及ぼし易いノイズを遮断する。特に、エンジン29に対しては、防音対策及びノイズ防止対策としての効果が顕著である。
【0027】* ケース40は、ハイブリットシステムHを構成する各種機器(エンジン29、発電機30、充電器31、マフラ41)を収納する収納室45と、この収納室45を介して連通する通風入口46及び通風出口47とを有している。この通風入口46から導入された空気は収納室45を通って通風出口47から排出される。この空気の流れにより、熱発生源ともなる上記各種機器の冷却効率を高めることができる。
【0028】* 収納室45には、熱発生源でもある上記各種機器(エンジン29、発電機30、充電器31、マフラ41)を、それらの発生熱量の大小関係に応じて、通風入口46から通風出口47側へ流れる通風方向Pでその上流側から下流側へ順次並設した。例えば、充電器31、発電機30、エンジン29、マフラ41の順に並設している。このように発生熱量の小さい機器ほど通風入口46側寄りに配置すると、この通風入口46側から通風出口47側へ流れる空気の温度上昇を抑え、通風出口47側寄りに配置された機器に対する冷却も十分に行なうことができる。従って、熱発生源ともなる上記各種機器の冷却効率をより一層高めることができる。
【0029】* ケース40の通風出口47に排風ダクト54を接続して連通させた。従って、通風入口46から導入されて通風出口47から排出される空気をこの排風ダクト54により円滑に排出することができる。
【0030】* エンジン29の排気管52を通風出口47まで延設してこの通風出口47及び上記排風ダクト54に連通させた。そのため、通風出口47からの空気の排出と、排気管52からの排気とを排風ダクト54を通して同時に行なうことができる。従って、防音効果をより一層高めることができる。また、この排気管52の末端口部52aではその周囲で排気の噴流による負圧が生じるため、その吸引力により、通風出口47からの空気の排出をより一層円滑に行なうことができる。
【0031】* ケース40はカバー(リアカウル9と後座席台10と後座席シート11)により覆われている。このケース40とカバーとによる二重遮蔽構造により、ケース40に収納された上記各種機器(エンジン29、発電機30、充電器31、マフラ41)に対する防音効果及びノイズ防止効果をより一層発揮することができる。
【0032】* ケース40は、後座席シート11の下方で、この座席シート11とそれを載設する支持体であるリアカウル9及び後座席台10とで囲まれた空間Sにおいて、支持台39に設置されている。この後座席シート11の下方空間Sは、既存構造をそのまま利用して上記二重遮蔽構造を容易に実現できる最適なスペースである。また、この下方空間Sは、ゴルフカート1に配設された各種センサから比較的離れた位置にある。従って、前記防音効果及びノイズ防止効果をより一層発揮することができる。さらに、この下方空間Sではケース40の組付けも行い易い。
【0033】* ケース40は車体の一部である支持台39に対し防振部48で支持されている。この防振部48があるため、ケース40の振動が支持台39に伝わりにくくなる。従って、前述した防音効果と相俟って、乗り心地を良くすることができる。
【0034】〔他の実施形態〕前記実施形態以外にも下記*のように構成してもよい。
* 前記実施形態では、エンジン29で発電機30を駆動してこの発電機30で発電した電力により電動モータ34が後車輪4を駆動するシリーズハイブリットシステムHを採用した。図示しないが、そのほか、エンジンと電動モータとが車輪を駆動するパラレルハイブリットシステムを採用する。このパラレルハイブリットシステムにおいても、上記シリーズハイブリットシステムHと同じく、エンジンと発電機と充電器とバッテリと電動モータとを主な構成機器として備え、このエンジンと発電機と充電器とをケースに収納する。
【0035】* 上記シリーズハイブリットシステムHを構成する各種機器(エンジン29、発電機30、充電器31、低電圧バッテリ32、高電圧バッテリ33、電動モータ34、マフラ41など)のうち、例えば電動モータ34もケース40に収納する。
【0036】* 一つの機器で発電機の機能と充電器の機能とを持つ充電発電機(ゼネレータ)を採用する。
* 一つの機器で発電機の機能と電動機の機能とを持つ発電電動機(ゼネレータモータ)を採用する。この場合には、この発電電動機をケースに収納する。
【0037】〔他の技術的思想〕前記実施形態から把握できる技術的思想(請求項以外)を記載する。
(イ) 請求項1において、ハイブリットシステムHは、エンジン29で発電機30を駆動し、この発電機30で発電した電力により電動モータ34が車輪(後車輪4)を駆動する。従って、運転の高効率化を容易に実現することができる。
【0038】(ロ) 請求項1において、ハイブリットシステムHは、エンジン29と電動モータ34とが車輪(後車輪4)を駆動する。従って、運転の高効率化を容易に実現することができる。
【0039】(ハ) 請求項1から請求項7のうちいずれかの請求項、または上記(イ)または(ロ)において、ケース40は、車体(支持台39)に対し着脱部49を介して支持されている。そのため、ケース40と、このケース40に収納された各種機器(エンジン29、発電機30、充電器31、マフラ41)とをユニット化することができる。従って、車体(支持台39)との間の組付け及び分解を容易行なうことがきる。
【0040】(ニ) 請求項2または請求項3または請求項4において、ケース40の収納室45には風当て部50を設けた。通風入口46から導入された空気がこの風当て部50に当たるため、収納室45内での空気の流れが変化し易くなる。従って、冷却効率をより一層高めることができる。
【0041】(ホ) 請求項2または請求項3または請求項4において、ハイブリットシステムHを構成する各種機器のうちケース40に収納される機器(エンジン29、発電機30、充電器31、マフラ41)は、通風入口46と通風出口47とを結ぶ領域Tよりも上方で収納室45に設置され、この領域Tで通風入口46と通風出口47との間に風当て部50を介在させた。通風入口46から導入された空気がこの風当て部50に当たって上方へ流れた後に下方へ流れて通風出口47から排出されるため、収納室45内での空気の流れが変化し易くなる。従って、冷却効率をより一層高めることができる。
【0042】(ヘ) 請求項2または請求項3または請求項4または上記(ニ)または(ホ)において、エンジン29に設けた吸気管51を通風入口46に延設して連通させている。従って、吸気管51への空気の吸入を円滑に行なうことができるとともに、この吸引力により、通風入口46から収納室45への空気の導入も円滑に行なうことができる。
【0043】
【発明の効果】請求項1の発明にかかる走行車両(例えばゴルフカート1)によれば、ハイブリットシステム(H)の採用により動力を有効利用して運転効率を高めることができるばかりではなく、このハイブリットシステム(H)のうち少なくともエンジン(29)をケース(40)に収納したので、防音効果及びノイズ防止効果を高めることができる。
【0044】請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加え、ケース(40)内の収納室(45)で通風入口(46)から通風出口(47)へ流れる空気により、ハイブリットシステム(H)の各種機器(エンジン29等)に対する冷却効率を高めることができるばかりではなく、ケース(40)内での各種機器(エンジン29等)の配置関係も発生熱量の大小関係に応じて配慮したので、上記冷却効率をより一層高めることができる。
【0045】請求項3の発明によれば、請求項2の発明の効果に加え、通風出口(47)からの空気の排出を排風ダクト(54)により円滑に行なうことができるばかりではなく、この排風ダクト(54)で排気管(52)からの排気も同時に行って、防音効果をより一層高めることができる。
【0046】請求項4の発明によれば、請求項2または請求項3の発明の効果に加え、通風入口(46)側から通風出口(47)側へ流れる空気の温度上昇を抑えて通風出口(47)側寄りに配置された機器に対する冷却も十分に行い、ハイブリットシステム(H)の各種機器(充電器31、発電機30、エンジン29、マフラ41)に対する冷却効率をより一層高めることができる。
【0047】請求項5の発明によれば、請求項1から請求項4のうちいずれかの請求項の発明の効果に加え、ケース(40)とカバー(9,10,11)とによる二重遮蔽構造により、防音効果及びノイズ防止効果をより一層発揮することができる。
【0048】請求項6の発明によれば、請求項5の発明の効果に加え、座席シート(11)の下方空間(S)で車体の一部をカバーとして利用しているので、既存構造を利用して上記二重遮蔽構造を容易に実現することができる。
【0049】請求項7の発明によれば、請求項1から請求項6のうちいずれかの請求項の発明の効果に加え、ケース(40)の振動が車体(39)に伝わりにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態にかかるゴルフカートを示す斜視図である。
【図2】 本実施形態にかかるゴルフカートを示す側面図である。
【図3】 上記ゴルフカートに採用したハイブリットシステムの原理を示すブロック図である。
【図4】 (a)は上記ゴルフカートの動力源を主に示す部分側面図であり、(b)はこの動力源であるハイブリットシステムを構成する各種機器のうちエンジン等を収納するケースを概略的に示す断面図である。
【図5】 上記ゴルフカートの動力源を主に示す部分平面図である。
【符号の説明】
1…ゴルフカート(走行車両)、9…リアカウル(カバーである支持体)、10…後座席台(カバーである支持体)、11…後座席シート(カバーである座席シート)、29…エンジン、30…発電機、31…充電器、32…低電圧バッテリ、33…高電圧バッテリ、34…電動モータ、39…支持台(車体の一部)、40…ケース、41…マフラ、45…収納室、46…通風入口、47…通風出口、48…防振部、52…排気管、54…排風ダクト、S…空間、P…通風方向、H…ハイブリットシステム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 エンジンと電動モータとを備えたハイブリットシステムを搭載した走行車両において、このハイブリットシステムを構成する各種機器のうち少なくともエンジンを収納するケースを設けたことを特徴とする走行車両。
【請求項2】 前記ケースは、収納室と、この収納室を介して連通する通風入口及び通風出口とを有し、この収納室には、ハイブリットシステムを構成する各種機器のうち前記エンジンを含む複数の機器を、それらの発生熱量の大小関係に応じて、通風入口側から通風出口側へ流れる通風方向でその上流側から下流側へ順次並設したことを特徴とする請求項1に記載の走行車両。
【請求項3】 前記通風出口は排風ダクトに接続されて連通され、前記エンジンに設けた排気管をこの通風出口に延設して連通させたことを特徴とする請求項2に記載の走行車両。
【請求項4】 ハイブリットシステムを構成する各種機器のうち前記ケースに収納する複数の機器は、前記エンジンのほかに、発電機及び充電器と、エンジンに設けた排気管に対し取り付けたマフラであり、この充電器、発電機、エンジン、マフラの順に、前記通風方向における上流側から下流側へ並設したことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の走行車両。
【請求項5】 前記ケースを覆うカバーを設けたことを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれかの請求項に記載の走行車両。
【請求項6】 前記ケースは、座席シートの下方に設けた空間で車体に設置され、前記カバーは、この座席シートの下方空間を囲む車体の一部であることを特徴とする請求項5に記載の走行車両。
【請求項7】 前記ケースは、車体に対し防振部を介して支持されていることを特徴とする請求項1から請求項6のうちいずれかの請求項に記載の走行車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2001−199249(P2001−199249A)
【公開日】平成13年7月24日(2001.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−11631(P2000−11631)
【出願日】平成12年1月20日(2000.1.20)
【出願人】(000006781)ヤンマーディーゼル株式会社 (3,810)