説明

走馬灯

【課題】本発明は、内筒の初期回転作動を迅速かつ、確実に行なわしめることが出来るのみならず、外気の温度に左右されることなく常に一定速度でもって内筒を安定的に回転作動せしめ、走馬絵を外筒に投影せしめることが出来、しかも、必要に応じて低発熱蛍光灯などの低発熱性照明灯を用いて省エネルギ−・高寿命化を図ることが出来る、走馬灯を提供するものである。
【解決手段】中空基台1上に所要の照明灯2と、該照明灯2を囲繞する回転自在な走馬絵付き透光性内筒3と、該内筒3を囲繞する透光性外筒8とが同心状に順次配設され、上記内筒3の上端部には排気口6と羽根体7を備えた天板5が取付けられると共に、基台1内には送風孔10より内筒3内に送風して羽根体7に当てつつ内筒3を回転作動せしめるファン14が内設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として広告灯やサイン灯、あるいは照明灯として好適に使用する走馬灯に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、この種の走馬灯としては、所要の基台上に電球・ガス灯・ア−ク灯などの照明灯と、該照明灯を囲繞する回転自在な走馬絵付き透光性内筒と、該内筒を囲繞する透光性外筒とが同心状に順次配設され、上記内筒の上端部には排気口と羽根体を備えた天板が取付けられた基本構成よりなるものが知られている(実開昭62−164312号公報、実開平2−37700号公報、実開平4−25105号公報参照)。
そして、上述の如き基本構成を有する従来の走馬灯は、電灯などの照明灯を点灯せしめて内筒内に光と熱を発生せしめ、発生した熱により内筒内に上昇気流を生起せしめると共に、上昇気流を順次羽根体に当てて排気せしめることにより内筒を回転作動せしめ、走馬絵を外筒に回転投影せしめるものである。
【特許文献1】実開昭62−164312号公報
【特許文献2】実開平2−37700号公報
【特許文献1】実開平4−25105号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記従来の走馬灯は、電球・ガス灯・ア−ク灯などの照明灯の発熱を利用して内筒を回転せしめるものであるから、発熱により内筒内に上昇気流を生起せしめるまでに時間がかかり、ひいては、内筒の初期回転作動が遅くなるのみならず、内筒を回転作動せしめるさいにおいても回転速度が外気の温度に左右されるものであって、常に一定速度で安定的に回転作動せしめずらいものである。また、電球・ガス灯・ア−ク灯などの照明灯は高発熱性を有するものであるから、省エネルギ−や寿命などの点において問題があるものである。このため、近時の低発熱電球や低発熱蛍光灯等の低発熱性照明灯を使用することが考えられるが、これらの低発熱性照明灯はその発熱量が低いために内筒内に適正な上昇気流を生起せしめることが出来ず、到底採択使用することが出来ないものである。
【0004】
本発明は、従来の問題点を解決し、内筒の初期回転作動を迅速かつ、確実に行なわしめることが出来るのみならず、外気の温度に左右されることなく常に一定速度でもって内筒を安定的に回転作動せしめ、走馬絵を外筒に投影せしめることが出来、しかも、必要に応じて低発熱蛍光灯などの低発熱性照明灯を用いて省エネルギ−・高寿命化を図ることが出来る、走馬灯を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、本発明の請求項1記載の発明は、中空基台上に所要の照明灯と、該照明灯を囲繞する回転自在な走馬絵付き透光性内筒と、該内筒を囲繞する透光性外筒とが同心状に順次配設され、上記内筒の上端部には排気口と羽根体を備えた天板が取付けられると共に、基台内には送風孔より内筒内に送風して羽根体に当てつつ内筒を回転作動せしめるファンが内設されてなることを特徴とする、走馬灯を要旨とするものである

【0006】
請求項2記載の発明は、基台にはその内部に内筒と外筒との間の空気をファンにより吸気せしめるべく所要の吸気孔が形成されてなることを特徴とする、請求項1記載の走馬灯を要旨とするものである。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の走馬灯において、外筒にはその上端部を閉塞せしめるべく閉塞板が取付けられてなることを特徴とする、走馬灯を要旨とするものである

【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の発明は上述のように構成されているから、照明灯を点灯せしめると共に
、ファンを回転作動せしめて送風孔より内筒内に送風し、順次羽根体に当てて排気せしめつつ内筒を回転作動せしめ、走馬絵を外筒に回転投影せしめることが出来るものであって
、ひいては、照明灯の発熱作用により上昇気流を生起せしめつつ内筒を回転作動せしめる従来例に比して、内筒の初期回転作動を迅速、かつ、確実に行なわしめることが出来るのみならず、外気の温度に左右されることなく常に一定の速度でもって内筒を安定的に回転作動せしめ、走馬絵を外筒に回転投影せしめることができ、しかも、必要に応じて低発熱性蛍光灯などの低発熱性照明灯を使用して省エネルギ−のみならず照明灯の寿命を著しくアップせしめることが出来るものである。
【0009】
請求項2記載の発明は上述のように構成されているから、吸気孔より内筒と外筒との間
の空気を基台内に吸気してファンの回転作動をスム−ズに行なわしめることが出来る。
【0010】
請求項3記載の発明は上述のように構成されているから、ファンの送風作動により基台内と内筒内と内外筒間との間に気流を循環せしめることが出来るものであって、ひいては
、照明灯の発熱によって生起する熱気流を外部に逃がすことなく有効に利用せしめることができ、ファンの負荷を低減せしめることが出来るものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面に示す一実施例に基づいて詳細に説明する。
【0012】
図1乃至図3は本発明の一実施例を示すもので、同図中、1は所要の幅と高さを備えた略楕円形状の中空基台、2は該基台1上の中心に点灯自在に立設された所要の高さを有する管形蛍光灯製照明灯、3は該照明灯2を囲繞すべく被嵌された所要の外径を有する透光性内筒で、該内筒3はその外表面に切絵など所要の走馬絵(図示略)が形成されると共に
、照明灯2の頂部にピポット軸受機構4を介して同心状に回転自在に支承されている。5は上記内筒3を構成する天板、6は該天板5に所定ピッチでもつて放射状に形成された排気口、7は該各排気口6の一側縁に沿って起立形成された羽根体、8は内筒3を囲繞すべく基台1の外周縁に両側一対の支柱9を介して立設された透光性外筒、10は内筒3の内周下に位置すべく基台1の上壁に同心円状に形成された所要数の送風孔、11は内筒3と外筒8との間に位置すべく基台1の上壁に同心円状に形成された所要数の吸気孔、12は該吸気孔11より吸気して内筒3内に送風せしめるべく基台1内に回転自在に配設されたファンである。
【0013】
次に、上述の如く構成された実施例の作動について説明する。
先ず、照明灯2を点灯せしめると共に、ファン12を回転作動せしめる。そして、ファン12の回転作動により吸気孔11より吸気しつつ送風孔10を通して内筒3内に送風し
、順次羽根体7に当てて排気口6より排気せしめつつ内筒3を所定方向に回転作動せしめ
、内筒3の走馬絵を外筒8に回転投影せしめる。
このさい、内筒3はファン12の送風作用により羽根体7を介して回転作動せしめるものであるから、従来例に比して、内筒3の初期回転作動を迅速、かつ、確実に行なわしめることが出来るのみならず、外気の温度に左右されることなく常に一定の速度でもって内筒3を安定的に回転作動せしめ、走馬絵を外筒8に回転投影せしめることが出来、しかも
、照明灯2は高発熱性のみならず低発熱性のものを有効に採択使用することが出来るものである。
【0014】
図4は本発明の他の実施例を示すもので、外筒8の上端部を閉塞せしめるべく閉塞板13が取付けられた点が上記実施例と相違し、他の部分は同一であり、同一符号は同一部分を示す。
【0015】
そして、上述の如く構成された実施例は、前記実施例と同様に、照明灯2を点灯せしめると共に、ファン12を回転作動せしめて吸気孔11より吸気しつつ送風孔10より内筒3内に送風せしめ、順次羽根体7に当てて排気口6より排気せしめつつ内筒3を所定方向に回転作動せしめ、内筒3の走馬絵を外筒8に回転投影せしめる。このさい、外筒8の上端部は閉塞板13により閉塞せしめられているから、ファン12の回転作動により送風孔10・排気口6・吸気孔11を通して基台1内と内筒3内と内外筒3・8間との間に気流を循環せしめることが出来るものであって、ひいては、照明灯2の発熱によって生起する熱気流を外部に逃がすことなく有効に利用せしめ、ファン12の負荷を低減せしめることが出来るものである。
【0016】
なお、上記実施例において、照明灯2は管形蛍光灯製とされているが、これに限定されるものではなく、電球、あるいはLED使用のライトなど公知の照明灯を採択使用することができ、また、かかる照明灯も高発熱性のみならず低発熱性のものを適宜使用することが出来る。また、内筒3に形成せしめる走馬絵は、切絵のみならずこれに類した走馬絵、あるいは内筒3自体の外表面に所要の絵や模様等を刻設せしめてもよいものである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施例を示す一部破砕斜視図である。
【図2】本発明の一実施例を示す一部破砕断面図である。
【図3】実施例の照明灯2にピポット軸受機構4を介して内筒3を回転自在に支承せしめた状態を示す一部拡大断面図である。
【図4】本発明の他の実施例を示す一部破砕断面図である。
【符号の説明】
【0018】
1 基台
2 照明灯
3 内筒
5 天板
6 排気口
7 羽根体
8 外筒
10 送風孔
11 吸気孔
12 ファン
13 閉塞板


【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空基台上に所要の照明灯と、該照明灯を囲繞する回転自在な走馬絵付き透光性内筒と
、該内筒を囲繞する透光性外筒とが同心状に順次配設され、上記内筒の上端部には排気口と羽根体を備えた天板が取付けられると共に、基台内には送風孔より内筒内に送風して羽根体に当てつつ内筒を回転作動せしめるファンが内設されてなることを特徴とする、走馬灯。
【請求項2】
基台にはその内部に内筒と外筒との間の空気をファンにより吸気せしめるべく所要の吸気孔が形成されてなることを特徴とする、請求項1記載の走馬灯。
【請求項3】
請求項2記載の走馬灯において、外筒にはその上端部を閉塞せしめるべく閉塞板が取付けられてなることを特徴とする、走馬灯。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−335335(P2007−335335A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−168248(P2006−168248)
【出願日】平成18年6月19日(2006.6.19)
【出願人】(390007526)
【出願人】(595013667)株式会社ファースト (3)
【Fターム(参考)】