説明

超伝導磁気分離型流体処理装置

【課題】高速・高効率の高度流体処理をコンパクトかつ安価な費用で行うことのできる超伝導磁気分離型の流体処理装置を提供する。
【解決手段】磁性の付与された被分離物質を含む流体から被分離物質を分離する超伝導磁気分離型の流体処理装置において、流体を超伝導コイルのボア内で磁気分離する前に超伝導コイルの外周に沿って流すことで超伝導コイルの外磁場により被分離物質を磁化するための磁化用流路と、超伝導コイルの下に設けられると共に、磁化された被分離物質が凝集し沈降する沈降槽と、超伝導コイルのボア中で磁気分離するために、沈降槽の上澄み流体を取り出してボア中に送るための手段とを備える。また、中央から放射状に延びた複数の磁性ワイヤからなる傘型の磁気フィルターを超伝導コイルのボア内に設け、磁性ワイヤで誘導、捕獲された被分離物質を磁気フィルターの中央部又は周辺部から吸引する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超伝導磁気分離による流体処理装置に係り、特に超伝導磁石の外磁場を利用して分離効率を上げる流体処理装置に関する。
【0002】
本明細書及び特許請求の範囲において用いられる「被分離物質」は、任意の物理的、化学的、又は機械的な手段によって磁性が付与された物質、その集合体又は凝集体を意味する。よって、「磁性の付与された被分離物質」なる用語は、凝集剤を使用して、又は使用せずに磁性被分離物質を凝集させた所謂「磁性フロック」も包含するものとする。また、「磁性の付与された被分離物質」として、吸着、浄化等の物理・化学的機能をもった機能性酸化鉄粉などの粉体や、磁性イオン液体などの液体も考えられる。明細書及び特許請求の範囲において用いられる「流体」は廃水等の液体、排気等の気体、及び流動可能な粉体等の固体を包含し、広く「分離すべき物質を含んだ流体」を意味する。よって本発明の「流体処理」は、分離すべき物質を含んだ廃水、排気、粉体などから当該物質を分離する処理を意味する。以下では説明のため廃水処理を中心に述べるがこれに限定されるものではない。
【背景技術】
【0003】
染色工場、食品工場、製紙工場、半導体工場などから出る産業廃水や生活排水中には、COD原因物質やBOD原因物質などの水質汚濁原因物質が懸濁物質、コロイダル物質及び溶解物質の形態にて存在している。このような廃水の処理には、濾過、沈殿、吸着、磁気分離等の物理的処理法、オゾン、過酸化水素、紫外線等により酸化分解させる物理化学的処理法、活性汚泥法、生物膜処理法等の生物処理法などが用いられてきた。
【0004】
例えば、活性汚泥法による廃水処理は、典型的には好気性微生物を高濃度に含む活性汚泥に廃水を入れた混合液を曝気することにより混合液中に溶解した溶存酸素を利用して微生物が廃水中の汚濁物質を分解するプロセスである。しかし、活性汚泥法による廃水処理では、大掛かりな曝気槽を必要とし、また、余剰汚泥も発生する。
【0005】
また、例えば、磁気分離による廃水処理では、超伝導磁石の高磁場内に磁性ワイヤからなる磁気フィルターを設置して、高勾配磁場を作り出し、磁性の付与された被分離物質を強い磁気力で捕獲、分離していた(例えば、特許文献1参照)。凝集沈殿法とこの磁気分離技術を組み合わせて、主に廃水中の懸濁物質やコロイダル物質を除去する技術も提案されている。図11は、凝集沈殿法と磁気分離を組み合わせた従来の廃水処理システムの一例を示す。まず、凝集槽100において凝集剤を用いて廃水中の汚濁物質を磁性体と絡めて磁性フロックを形成させる。次に、沈殿槽102において重い磁性フロックは沈殿させて分離し、汚泥槽106で処理する。沈殿槽102の上澄み水は超伝導磁気分離装置104に送って磁性フロックを分離し、処理水は排水又はリサイクルする。
【0006】
【特許文献1】特願平10−35872号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
凝集沈殿法と磁気分離を組み合わせた従来の廃水処理システムでは、超伝導磁気分離装置とは別に沈殿槽を必要とし、十分コンパクトなシステムではなかった。
【0008】
従って、本発明の目的は、この問題を解消し、高速・高効率の高度流体処理をコンパクトかつ安価な費用で行うことのできる超伝導磁気分離型の流体処理装置を提供することである。
【0009】
また、従来の汎用の超伝導磁気分離装置は、磁気フィルターの洗浄のため、一旦超伝導磁石を停止して磁気フィルターを逆洗するか、又は取り出して洗浄して再装着し、その後再励磁を行っていたので、時間、経済及び操作上非常に効率が悪かった。
【0010】
よって、本発明の別の目的は、高効率の磁気フィルターを備え連続運転できる低コストの超伝導磁気分離型の流体処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明は、磁性の付与された被分離物質を含む流体から被分離物質を超伝導コイルのボア内で磁気分離する超伝導磁気分離型流体処理装置において、流体を超伝導コイルのボア内で磁気分離する前に超伝導コイルの外周に沿って流すことで超伝導コイルの外磁場により被分離物質を磁化するための磁化用流路と、超伝導コイルの下に設けられると共に、磁化された被分離物質が凝集し沈降する沈降槽と、超伝導コイルのボア中で磁気分離するため、沈降槽の上澄み流体を取り出してボア中に送るための手段とを備える。
【0012】
上記の磁化用流路は、流体が円筒状の超伝導コイルの外周に沿って上方から下方に流れるようにするのが好ましいが、ルートはこれに限定されるものではない。例えば、側方から入って超伝導コイルの外周に沿って進み反対側の側方から出るようにしてもよいし、超伝導コイルの軸方向端部から入って軸方向に流れて反対側の端部から出るようにしてもよいし、また、超伝導コイルの軸方向端部の前方又は後方にできる外磁場の中を通るようにしてもよい。
【0013】
上記の沈降槽は、設置スペースを小さくする観点から、超伝導コイルの下に配置するのが好ましい。このような配置により、超伝導磁石と沈降槽が一体となったコンパクトな装置が実現できる。別法として、超伝導コイルの近くに沈降槽を配置してもよい。沈降槽の大きさは全体システムの処理能力等を考慮して適宜設計できる。磁気の作用で凝集力が強まり被分離物質の沈降速度が増すので、従来システムの沈殿槽よりサイズを小さくできる。
【0014】
沈降槽の上澄み流体は、より細やかな被分離物質を除去する場合にはポンプ等の任意の手段によって適当な流路を介して超伝導コイルのボア中に送り、沈降しなかった被分離物質を流体から磁気分離する。この流路は任意のルートを通すことができるが、上記の磁化用流路のすぐ外周に下方から上方に流れるように設けるのが、装置全体をコンパクトにする観点から好ましい。
【0015】
本発明の磁気分離で用いる超伝導磁石はソレノイドコイル型とするのが好ましいが、別の種類の超伝導磁石、例えば二極型又は四極型などの任意の型の超伝導磁石を採用することもできる。
【0016】
被分離物質が超伝導コイルの外磁場で磁化されることにより、被分離物質間に磁気力が作用して迅速に更に大きく凝集して沈降する。沈降槽の上澄み流体は磁気分離装置に導入して磁気分離する。
【0017】
超伝導コイルの外周に沿った磁化用流路を流れる被分離物質の一部は、超伝導コイルの上部近辺で該コイル側の流路壁に磁気力の作用で付着する場合もある。よって、本発明の超伝導磁気分離型流体処理装置では、磁化用流路に付着した被分離物質を除去するための手段をさらに備えてもよい。
【0018】
磁化用流路に付着した被分離物質を除去するための手段としては、例えば、非磁性のパイプ状の吸引器を移動させながらポンプで吸い出す機構、ワイパーで集めて吸い出す機構、磁化用流路を分割・移動可能に構成して磁化用流路自体を超伝導コイルから離す機構、磁化用流路に付着した被分離物質を例えばワイパー状の部材で沈降槽にかき落とす機構などが採用できる。
【0019】
また、本発明は磁性の付与された被分離物質を含む流体から被分離物質を沈降させて分離するための沈降槽型流体処理装置も提供する。この沈降槽型流体処理装置では、超伝導磁気分離装置の超伝導コイルの外磁場の影響下で被分離物質が磁化されるように沈降槽を超伝導コイルの外面に隣接して配置する。沈降槽は好ましくは超伝導コイルの上部に配置される。
【0020】
また、本発明の超伝導磁気分離型流体処理装置では、中央から放射状に延びた複数の磁性ワイヤからなる傘型の磁気フィルターを超伝導コイルのボア内に設け、磁性ワイヤで誘導、捕獲された被分離物質を磁気フィルターの中央部又は周辺部から吸引することもできる。
【0021】
この磁気フィルターは中央から放射状に延びた複数のワイヤから構成するのが、被分離物質を効率よく吸引する観点から好ましいが、強度等の観点から網目状に構成してもよい。傘形状は、磁性ワイヤにより生成される磁気勾配の大きさ、磁性ワイヤの表面積、流体の流速などを考慮して適宜設計できる。超伝導磁石のボア中には1個又は複数個の磁気フィルターを任意の位置に配置できる。
【0022】
被分離物質を効率的に集める観点から、1個以上の傘型磁気フィルターをそのフィルター面が超伝導コイルのボア内の磁力線の方向に沿うように配置するのが好ましい。また、回転ベルト式磁気フィルター装置を本発明の流体処理装置の上流側に設けて更に効率を上げることもできる。
【発明の効果】
【0023】
上述したように、本発明の超伝導磁気分離型流体処理装置では、超伝導コイルの外磁場により被分離物質を磁化して更に大きく凝集させ、迅速に沈降又は付着させるので、被分離物質の沈降速度及び分離速度が従来の沈殿槽に比べて格段に速くなり、別途の沈殿槽及びそのためのスペースが不要となり、適宜使用し得る凝集剤も沈降速度の増大に伴って場合によっては不要となり、全体の流体処理の速度、効率が上がり、コストを削減できる。
【0024】
また、中央から放射状に延びた複数の磁性ワイヤからなる傘型の磁気フィルターを超伝導コイルのボア内に備えることにより、従来の平面状の磁気フィルターに比べて磁性ワイヤの捕獲表面積が増えるので、フィルター当たりの捕獲量が増える。加えて、磁性ワイヤで誘導、捕獲された被分離物質を磁気フィルターの中央部又は周辺部から吸引することにより、運転を中断することなく連続的に使用できるので処理効率が上がる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、例として廃水処理について、本発明の実施の形態を図1〜図10に基づいて説明する。
図1は、本発明による超伝導磁気分離型の流体処理装置10の正面断面図を示す。図2はその側面断面図である。図中の矢印は廃水の流れる方向を表す。担磁槽(図示せず)で担磁させた被分離物質を含んだ廃水を流体取入口22から取り入れ、超伝導ソレノイドコイル12の外周に沿って設けられた磁化用流路18に通す。この磁化用流路18には超伝導ソレノイドコイル12の発生する外磁場(漏れ磁場)が作用しており、被分離物質がさらに強く磁化する。磁化した被分離物質を含む廃水はソレノイドコイル12の下に設けられた沈降槽16に入れられる。沈降槽16では磁化した被分離物質が磁気力の作用で相互に引きつけあって迅速に更に凝集して大きくなり、重力の作用で沈殿する。沈殿物は沈降物取出口26からポンプ等によって吸引されて処理設備(図示せず)に送られる。一方、沈降槽16の上澄み水は磁化用流路18の外側に設けられた戻り流路20を通って上澄み流体取出口24から取り出され、超伝導磁石のボア14中に送られ、更に磁気フィルター等により磁気分離される。
【0026】
超伝導磁石の上部付近において磁化用流路18の壁面に付着した被分離物質は、図3に示すような被分離物質除去器30等により除去できる。被分離物質除去器30は例えば塩化ビニール製のパイプ32に吸引用の穴34が複数設けられ、ポンプ(図示せず)によりフレキシブル管36から吸い出す構成である。被分離物質がよく付着する超伝導磁石の上側近辺において、この被分離物質除去器30を磁化用流路18の超伝導磁石側壁面に沿って移動させて吸引する。
【0027】
超伝導磁石における磁気分離は、ボア内に磁性ワイヤなどを配置しない空心型のオープンフィルター方式や、磁性ワイヤからなる磁気フィルターをボア内に配置した磁気フィルター方式などの任意の方式で行なうことができる。
【0028】
図4は、本発明による沈降槽型流体処理装置の断面図である。超伝導磁気分離装置の超伝導コイル12の上部に沈降槽28が配置される。図中の矢印で示されるように、磁性が付与された被分離物質を含む廃水が沈降槽28の中央上部から入れられ、外側上部から上澄み水が取り出される。沈降槽28内で磁性被分離物質は超伝導コイル12の外磁場の作用で磁化することにより、迅速に凝集して超伝導コイル12の上部に沈降し付着する。超伝導コイル12の上部に付着した被分離物質は、上記被分離物質除去器30等の任意の除去手段により取り除かれる。沈降槽28から取り出した上澄み水は、更に超伝導コイル12のボア14内に送り込んで磁気フィルター等により磁気分離してもよい。
【0029】
図5は、本発明による磁気フィルター40の正面図であり、図6はその側面図である。複数の磁性ワイヤ42が中央から放射状に延びており、全体の形状が傘状である。磁性の付与された被分離物質を含んだ廃水は、例えば磁気フィルター40の凹部側(図6において右側)から入り、磁性ワイヤ42の表面上に捕獲され、浄化された水が凸部側(図6において左側)に流れ出る。被分離物質を磁性ワイヤ42に引き付ける磁気力は、被分離物質の磁化の強さと磁気勾配の積に比例し、この磁性ワイヤ42の近傍で高勾配磁場が発生するので、強い磁気力(捕獲力)が得られる。また、傘形状にすることにより、平板状のフィルターに比べて磁性ワイヤの総表面積を大きくすることができる。廃水に含まれる被分離物質がこの磁性ワイヤ42の表面上に捕獲されていき、一定量捕獲されると捕獲力が低下するが、磁気フィルター40の中央の吸引部44から被分離物質をポンプ等で吸引することにより、連続的に捕獲可能となる。磁性ワイヤ42を放射状に配置してあるので、中央で吸引することによりすべての磁性ワイヤ42から吸引できるので効率的である。
【0030】
被分離物質を含んだ廃水を磁気フィルター40の凸部側から凹部側(図6において左側から右側)に流すこともできる。この場合にはフィルターの周辺部にて被分離物質を吸引するとよい。
【0031】
図7は、図1及び2に示した本発明の磁気分離型流体処理装置10において、図5及び図6に示した磁気フィルター40を用いた態様を示す。図7では、超伝導磁石のボア14内に磁気フィルター40を1つ配置しているが、複数配置してもよい。磁気フィルター40の中央部から吸引された被分離物質は、沈降槽16の沈殿物と共に汚泥槽(図示せず)等に運ばれて処理される。磁気フィルター40を通過した浄化水は排水又はリサイクルされる。
【0032】
超伝導ソレノイドコイルのボア内の磁場強度の分布を計算した結果を図8に示す(磁場強度の単位:テスラ)。z=±220付近が超伝導コイルの端である。図8から分かるように、超伝導コイルの入口端部付近(z=−220)まではボアの中心軸に近づくような内向きの磁力が加わり、入口端部を過ぎればボアの中心軸から遠ざかるような外向きの磁力が加わる。そしてボア中央の側壁付近で磁場が最大になっている。よって、内向きに磁力が加わる領域においては、傘型磁気フィルターの中央の吸引部を下流側に配置してこの中央の吸引部から吸引し、外向きに磁力が加わる領域においては、中央の吸引部を上流側に配置してフィルターの周辺部から吸引するのが効率的である。また、磁力線の観点から説明すると、図8から分かるように、超伝導コイルの入口端部付近(z=−220)までは磁力線(図中に示された等磁場線に直交)がボアの中心に向かって集まり、入口端部を過ぎればz=0の中央付近まで外側に広がっている。この中央の側壁付近の磁場が最大である。このような磁力線に沿って、傘型磁気フィルターのフィルター面を配置すると磁性被分離物質を効率的に誘導、捕獲できることが分かった。図9に傘型磁気フィルターの配置例を示す。内向きに磁力が加わる領域では傘型磁気フィルター50、52、54により被分離物質を誘導、捕獲して中央付近に集める。集められた被分離物質は漏斗状の非磁性ガイド64によって吸引管66に吸い込まれる。外向きに磁力が加わる領域においては、傘型磁気フィルター50、52、54及びガイド64を外れて通り過ぎた被分離物質が、逆向きの傘型磁気フィルター56、58、60によって中央の周壁付近に集められる。中央周壁付近に集められた被分離物質は旋回可能な吸引管68によってボア内流路壁の全周から吸引される。
【0033】
図10は回転ベルト式磁気フィルター装置80を本発明の流体処理装置10の上流側に設けた図である。回転ベルト式磁気フィルター装置80は、超伝導磁石の作る外磁場(A)を利用して廃水中の磁性被分離物質を回転式フィルターベルト82に付着させて運び除去部88で取り除く。回転式フィルターベルト82はメッシュ状の磁性ワイヤから成り、モータ(図示せず)駆動されるローラ84及び86により回転させる。磁性ワイヤは例えば磁性のあるステンレスワイヤなどが使用でき、ワイヤ径、メッシュ形状は捕捉効率、機械的強度等を考慮して適宜設計される。除去部88では、水又は空気の噴射などにより被分離物質90をフィルターベルト82から取り除く。この除去部88は、好ましくは超伝導磁石の作る外磁場(A)のほとんど無い場所に設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明による超伝導磁気分離型の流体処理装置の概略を示す正面断面図である。
【図2】図1に示す流体処理装置の側面断面図である。
【図3】本発明の流体処理装置で用いる被分離物質除去器を示す。
【図4】本発明による沈降槽型流体処理装置の断面図である。
【図5】本発明による超伝導磁気分離型流体処理装置で用いる傘型磁気フィルターの正面図である。
【図6】図5の傘型磁気フィルターの側面図である。
【図7】図1及び2に示す超伝導磁気分離型の流体処理装置において、図5及び6に示す傘型磁気フィルターを用いた態様を示す。
【図8】超伝導ソレノイドコイルのボア内の磁場を計算した結果を示す。
【図9】複数個の傘型磁気フィルターを超伝導磁石のボア内に配置した様子を示す。
【図10】本発明の流体処理装置の上流側に回転ベルト式磁気フィルター装置を設けた構成を示す。
【図11】従来の廃水処理システムの構成を示す説明図である。
【符号の説明】
【0035】
10 超伝導磁気分離型流体処理装置
12 超伝導ソレノイドコイル
14 ボア
16 沈降槽
18 磁化用流路
20 戻り流路
22 流体取入口
24 上澄み流体取出口
26 沈降物取出口
28 沈降槽
30 被分離物質除去器
40 磁気フィルター
42 磁性ワイヤ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性が付与された被分離物質を含む流体から被分離物質を超伝導コイルのボア内で磁気分離する超伝導磁気分離型流体処理装置であって、
流体を超伝導コイルのボア内で磁気分離する前に超伝導コイルの外周に沿って流すことで超伝導コイルの外磁場により被分離物質を磁化するための磁化用流路と、
超伝導コイルの下に設けられると共に、磁化された被分離物質が凝集し沈降する沈降槽と、
超伝導コイルのボア内で磁気分離するため、沈降槽の上澄み流体を取り出してボア中に送るための手段と、
を備えた超伝導磁気分離型流体処理装置。
【請求項2】
磁化用流路に付着した被分離物質を除去するための手段をさらに含む請求項1に記載の超伝導磁気分離型流体処理装置。
【請求項3】
磁性の付与された被分離物質を含む流体から被分離物質を沈降させて分離するための沈降槽型流体処理装置であって、
超伝導磁気分離装置の超伝導コイルの外磁場の影響下で被分離物質が磁化されるように沈降槽を超伝導コイルの外面に隣接して配置した沈降槽型流体処理装置。
【請求項4】
中央から放射状に延びた複数の磁性ワイヤからなる傘型の磁気フィルターを超伝導コイルのボア内に備え、磁性ワイヤで誘導、捕獲された被分離物質を磁気フィルターの中央部又は周辺部から吸引する請求項1又は2に記載の超伝導磁気分離型流体処理装置。
【請求項5】
磁性の付与された被分離物質を含む流体から被分離物質を超伝導コイルのボア内で磁気分離する超伝導磁気分離型流体処理装置であって、
中央から放射状に延びた複数の磁性ワイヤからなる傘型の磁気フィルターを超伝導コイルのボア内に備え、磁性ワイヤで誘導、捕獲された被分離物質を磁気フィルターの中央部又は周辺部から吸引する超伝導磁気分離型流体処理装置。
【請求項6】
傘型磁気フィルターのフィルター面が超伝導コイルのボア内の磁力線の方向に沿うように1個以上の傘型磁気フィルターを配置する請求項4又は5に記載の超伝導磁気分離型流体処理装置。
【請求項7】
回転ベルト式磁気フィルター装置を上流側に設けた請求項1〜6のいずれか一項に記載の流体処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−106854(P2009−106854A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−281849(P2007−281849)
【出願日】平成19年10月30日(2007.10.30)
【出願人】(501128298)仁木工芸株式会社 (4)
【出願人】(390013457)株式会社辰巳エヤーエンジニアリング (13)
【出願人】(502355130)二葉商事株式会社 (5)
【出願人】(507358675)株式会社エムエスエンジニアリング (1)