説明

超伝導結晶粉末の製造方法及び超伝導線材の製造方法

【課題】本発明は、Bi−2212結晶粉末等を短時間、且つ容易に作製可能な方法を創案すると共に、Bi−2212結晶等の配向性が良好な超伝導線材を短時間、且つ容易に作製可能な方法を創案することを技術的課題とする。
【解決手段】本発明の超伝導結晶粉末の製造方法は、超伝導結晶物を用意する工程と、前記超伝導結晶物を破断する工程と、前記超伝導結晶物の破断面に粘着シートを貼り付ける工程と、前記粘着シートを前記超伝導結晶物から剥がす工程と、前記粘着シートから超伝導結晶粉末を採取する工程とを含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超伝導結晶粉末の製造方法及び超伝導線材の製造方法に関し、特にBi−2212単結晶粉末の製造方法及びBi−2212単結晶が長さ方向に配向した超伝導線材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
超伝導材料は、臨界温度(Tc)よりも低い温度で電気抵抗がゼロになる材料であり、送電ロスの小さい送電線、強磁場を発生させるコイル等への応用が検討されている。これらの用途には超伝導材料の線材化が不可欠である。
【0003】
現在、NbSnやNbTi等の合金系の超伝導材料が、強磁場を発生させるコイル等として実用化されている。しかし、この超伝導材料は、臨界温度が20K程度であるため、高価な冷媒である液体ヘリウムを用いる必要があり、ランニングコストの高騰を招来させるという課題を有している。
【0004】
一方、銅酸化物系の超伝導材料は、臨界温度が液体窒素の沸点(77K)より高いため、ランニングコストを低廉化することができる。しかし、銅酸化物系の超伝導材料は、セラミックスであるため、金属のように圧延したり、非晶質材料や樹脂のように軟化させて繊維化することが困難である。また、銅酸化物系の超伝導材料は、銅酸化物の面方向しか超伝導を示さない。よって、大きな電流を流すためには銅酸化物の結晶を配向させる必要がある。
【0005】
銅酸化物の結晶を配向させる方法としては、各種の方法が提案されている。例えば、特許文献1には、金属等の線材の上に蒸着等により銅酸化物の薄膜を形成する方法が開示されている。特許文献2には、金属の筒(シース)の中に銅酸化物を入れて圧延し、線材化する方法が開示されている。特許文献3には、Bi−Sr−Ca−Cu−O系非晶質材料にAlを添加、或いは酸素濃度を制御しながら熱処理することにより、Bi−2212結晶(BiSrCaCu結晶、但しxは任意の数)のウィスカを作製し、このウィスカをヘキサン等の有機溶媒に懸濁させた後、濾取して、Bi−2212結晶を配向する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2008−532230号公報
【特許文献2】特開平5−159645号公報
【特許文献3】特開平10−001313号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1、2に記載の方法は、長時間を要し、巨大な設備を必要とするため、超伝導線材の低廉化が困難である。また、特許文献3に記載の方法は、ウィスカが1時間当たりせいぜい数百μmしか成長しないため、長時間を要し、ウィスカの生成本数も限られるため、線材化に膨大な時間と労力を必要とする。
【0008】
そこで、本発明の技術的課題は、Bi−2212結晶粉末等を短時間、且つ容易に作製可能な方法を創案すると共に、Bi−2212結晶等の配向性が良好な超伝導線材を短時間、且つ容易に作製可能な方法を創案することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記技術的課題に対して鋭意検討した結果、a−b軸方向に成長した超伝導結晶物を破断すると、破断面にa−b軸面が露出し易く、この破断面に粘着シートを貼り付けて、剥がすことにより、単結晶の超伝導結晶粉末を選択的に採取し得ることを見出すと共に、単結晶の超伝導結晶粉末を溶媒に懸濁させた後、濾取すると、a−b軸面の方向に配向することを見出し、本発明として提案するものである。特に、超伝導結晶物又は超伝導結晶粉末が鱗片状であると、上記効果が顕著になる。
【0010】
すなわち、本発明の超伝導結晶粉末の製造方法は、超伝導結晶物を用意する工程と、前記超伝導結晶物を破断する工程と、前記超伝導結晶物の破断面に粘着シートを貼り付ける工程と、前記粘着シートを前記超伝導結晶物から剥がす工程と、前記粘着シートから超伝導結晶粉末を採取する工程とを含むことを特徴とする。
【0011】
第二に、本発明の超伝導結晶粉末の製造方法は、超伝導結晶物が、Bi系非晶質材料を熱処理してなることが好ましい。このようにすれば、超伝導結晶物を作製する際に、特許文献3に記載の方法のような特殊な雰囲気や長時間の熱処理が不要になり、短時間で鱗片状の超伝導結晶粉末(特にBi−2212単結晶粉末)を作製し易くなる。ここで、「〜系」とは、明示の成分を必須成分として含むことを指す。「非晶質材料」は、XRDのハロー、ピークの面積比から算出される結晶化度が20%以下、好ましくは10%以下のものを指す。
【0012】
第三に、本発明の超伝導結晶粉末の製造方法は、超伝導結晶物が、Bi−Sr−Cu−O系非晶質材料とCa系化合物を接触させた状態で熱処理してなることが好ましい。このようにすれば、超伝導結晶物を作製する際に、特許文献3に記載の方法のような特殊な雰囲気や長時間の熱処理が不要になり、短時間で鱗片状の超伝導結晶粉末(特にBi−2212単結晶粉末)を作製し易くなる。
【0013】
第四に、本発明の超伝導結晶粉末の製造方法は、超伝導結晶物が、Bi−Ca−Cu−O系非晶質材料とSr系化合物を接触させた状態で熱処理してなることが好ましい。このようにすれば、超伝導結晶物を作製する際に、特許文献3に記載の方法のような特殊な雰囲気や長時間の熱処理が不要になり、短時間で鱗片状の超伝導結晶粉末(特にBi−2212単結晶粉末)を作製し易くなる。
【0014】
第五に、本発明の超伝導結晶粉末の製造方法は、超伝導結晶物がBi−Sr−Cu−O系非晶質材料とBi−Ca−Cu−O系非晶質材料を接触させた状態で熱処理してなることが好ましい。このようにすれば、超伝導結晶物を作製する際に、特許文献3に記載の方法のような特殊な雰囲気や長時間の熱処理が不要になり、短時間で鱗片状の超伝導結晶粉末(特にBi−2212単結晶粉末)を作製し易くなる。
【0015】
第六に、本発明の超伝導結晶粉末の製造方法は、超伝導結晶粉末が実質的に単結晶であることが好ましい。ここで、「実質的に単結晶」とは、単結晶に不純物が付着した場合等を含む趣旨であり、例えば鱗片状の単結晶の表面に結晶や非晶質材料の小片等が付着した場合等を含む趣旨である。
【0016】
第七に、本発明の超伝導結晶粉末の製造方法は、超伝導結晶粉末の主結晶がBi−2212結晶であることが好ましい。ここで、「主結晶」とは、XRDによる結晶ピークから算出される結晶量が80%以上の結晶を指す。
【0017】
第八に、本発明の超伝導線材の製造方法は、上記の超伝導結晶粉末の製造方法により超伝導結晶粉末を得る工程と、前記超伝導結晶粉末を溶媒に懸濁させる工程と、前記溶媒に懸濁させた超伝導粉末を濾材で濾取する工程と、前記濾材を切断して、超伝導線材を得る工程とを含むことを特徴とする。
【0018】
第九に、本発明の超伝導線材の製造方法は、上記の超伝導結晶粉末の製造方法により超伝導結晶粉末を得る工程と、前記超伝導結晶粉末を溶媒に懸濁させる工程と、前記溶媒に懸濁させた超伝導粉末を濾材で濾取する工程と、前記濾材で濾取した超伝導結晶粉末を線材に付着させて、超伝導線材を得る工程とを含むことを特徴とする。
【0019】
第十に、本発明の超伝導線材の製造方法は、溶媒が有機溶媒であることが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明の超伝導結晶粉末の製造方法によれば、超伝導結晶物を破断すると、破断面にa−b軸面が露出し易くなる。そして、この破断面に粘着シートを貼り付けた後、剥がすと、単結晶の超伝導結晶粉末(特にBi−2212単結晶粉末)を容易に採取することができる。
【0021】
この超伝導結晶粉末は、数〜数百μmの鱗片状であるため、溶媒に懸濁させた後に、濾材により超伝導結晶粉末を濾取すると、濾材の表面に沿って、鱗片状の結晶が配向し易く、結果として濾材の表面に沿って、銅酸化物の超伝導層が形成されて、その方向に電流を流し易くなる。そして、線状の濾材を用いると、長さ方向に超伝導層が配向した超伝導線材を容易に得ることができる。また、帯状の濾材を線状に切断する場合でも、長さ方向に超伝導層が配向した超伝導線材を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】〔実施例1〕に係るBi−2212結晶物の破断面のSEM像である。
【図2】〔実施例1〕に係るBi−2212単結晶粉末のSEM像である。
【図3】〔実施例3〕に係るBi−2212単結晶粉末のSEM像である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の超伝導結晶粉末の製造方法において、超伝導結晶物は、Bi系非晶質材料を熱処理してなることが好ましい。このようにすれば、固相反応により作製した超伝導結晶物に比較して、不純物(原料の未反応物等)が少なくなるため、超伝導結晶粉末を採取する際に、異種結晶が混入し難くなる。
【0024】
Bi系非晶質材料として、Bi−Sr−Ca−Cu−O系非晶質材料、Bi−Sr−Cu−O系非晶質材料、Bi−Ca−Cu−O系非晶質材料が挙げられる。
【0025】
本発明の超伝導結晶粉末の製造方法において、超伝導結晶物は、Bi系非晶質材料を単独又は他成分と接触させた状態で、700〜900℃で熱処理してなることが好ましい。このようにすれば、Bi−2212結晶が析出し易くなり、また表面から鱗片状に析出し易くなる。更に、Bi−2212結晶を短時間(例えば3〜50分)で析出させることが可能になる。
【0026】
Bi系非晶質材料の中でも、Bi−Sr−Ca−Cu−O系非晶質材料は、700〜900℃の熱処理により、短時間で超伝導結晶が析出するため、好ましい。更に、Bi−Sr−Ca−Cu−O系非晶質材料は、以下の組成範囲であることが好ましい。なお、以下の組成範囲の説明において、%表示は、特に断りがある場合を除き、モル%を意味する。
【0027】
Biは、超伝導結晶を形成する成分であり、その含有量は10〜30%、12〜28%、特に13〜25%が好ましい。Biの含有量が10%より少ないと、非晶質化し難くなると共に、非晶質材料中に超伝導結晶を析出させる際に、超伝導結晶以外の異種の結晶が析出し易くなる。一方、Biの含有量が30%より多いと、非晶質化し難くなる。
【0028】
SrOは、超伝導結晶を形成する成分であり、その含有量は20〜50%、22〜47%、特に23〜45%が好ましい。SrOの含有量が20%より少ないと、非晶質材料中に超伝導結晶を析出させる際に、超伝導結晶以外の異種の結晶が析出し易くなる。一方、SrOの含有量が50%より多いと、非晶質化し難くなる。
【0029】
CaOは、超伝導結晶を形成する成分であり、その含有量は5〜30%、7〜25%、特に8〜20%が好ましい。CaOの含有量が5%より少ないと、非晶質材料中に超伝導結晶を析出させる際に、超伝導結晶以外の異種の結晶が析出し易くなる。一方、CaOの含有量が30%より多いと、非晶質化し難くなる。
【0030】
CuOは、超伝導結晶を形成する成分であり、その含有量は20〜50%、特に22〜48%が好ましい。CuOの含有量が20%より少ないと、熱処理により、Bi系超伝導結晶が析出し難くなる。一方、CuOの含有量が50%より多いと、非晶質化し難くなる。
【0031】
Bi+SrO+CaO+CuOの含有量は95%以上、特に97%以上が好ましい。このようにすれば、熱処理により、超伝導結晶が析出し易くなる。ここで、「Bi+SrO+CaO+CuO」は、Bi、SrO、CaO、及びCuOの合量を指す。
【0032】
必要に応じて、以下の成分を添加してもよい。
【0033】
PbOは、超伝導結晶の臨界温度を上昇させる成分である。特に、Biの一部をPbOに置換すると、超伝導結晶の臨界温度が上昇する傾向がある。しかし、置換量が多過ぎると、均質な非晶質材料を作製し難くなる。よって、モル比PbO/(Bi+PbO)の値は0.2以下、0.15以下、特に0.005〜0.1が好ましい。ここで、「Bi+PbO」は、BiとPbOの合量を指す。
【0034】
TiOは、超伝導結晶に酸素欠陥を生じさせる成分である。特に、Biの一部をTiOに置換すると、超伝導結晶に酸素欠陥が生成し易くなる。しかし、置換量が多過ぎると、均質な非晶質材料を作製し難くなる。よって、モル比TiO/Biの値は0.2以下、0.15以下、特に0.005〜0.1が好ましい。
【0035】
SiOは、超伝導結晶に酸素欠陥を生じさせる成分である。特に、Biの一部をSiOに置換すると、超伝導結晶に酸素欠陥が生成し易くなる。しかし、置換量が多過ぎると、均質な非晶質材料を作製し難くなる。よって、モル比SiO/Biの値は0.2以下、0.15以下、特に0.1以下が好ましい。
【0036】
LiO、NaO、KOは、超伝導結晶に酸素欠陥を生じさせる成分である。特に、SrO又はCaOの一部をLiO、NaO、KOの何れかに置換すると、超伝導結晶に酸素欠陥が生成し易くなる。しかし、置換量が多過ぎると、非晶質材料が不安定になって、溶融時に非晶質材料が分相し易くなる。
【0037】
SrO又はCaOの一部をMgO、BaO、ZnOの何れかに置換することができる。但し、置換量が多過ぎると、超伝導結晶に置換成分を固溶させることが困難になる。よって、モル比(MgO+BaO+ZnO)/(SrO+CaO)の値は0.5以下、0.3以下、0.1以下、特に0.05以下が好ましい。ここで、「MgO+BaO+ZnO」は、MgO、BaO、及びZnOの合量を指す。
【0038】
は、Bi系非晶質材料の安定性を高める成分であり、その含有量は0〜10%、特に0〜5%が好ましい。Bの含有量が多過ぎると、所望の超伝導結晶が析出し難くなる。
【0039】
上記成分以外にも、Bi−Sr−Ca−Cu−O系非晶質材料の熱的安定性を高める目的や超伝導結晶を析出し易くする目的のために、他の成分を10%以下、5%以下、特に2%以下の範囲で添加してもよい。
【0040】
Bi−Sr−Cu−O系非晶質材料は、Ca系化合物又はBi−Ca−Cu−O系非晶質材料と接触した状態で熱処理すると、Bi−Sr−Cu−O系非晶質材料中にCaが拡散して、超伝導結晶が短時間で析出すると共に、Caの拡散方向に超伝導結晶が配向し易くなる。このように得られた超伝導結晶物を破断すると、配向面に沿って超伝導結晶が配向しているため、大きな結晶粒子を採取し易くなる。
【0041】
Ca系化合物として、CaCO、CaO、Ca(OH)、Ca(NO、CaCl、CaSO、Ca(CHCOO)の何れかが好ましい。これらのCa系化合物は、熱処理後に超伝導結晶を構成する成分以外の元素が殆ど残留しない。よって、これらのCa系化合物を用いると、超伝導結晶が成長し易くなる。
【0042】
Bi−Sr−Cu−O系非晶質材料は、Ca系化合物又はBi−Ca−Cu−O系非晶質材料と接触した状態で熱処理する場合、以下の組成範囲であることが好ましい。なお、以下の組成範囲の説明において、%表示は、特に断りがある場合を除き、モル%を意味する。
【0043】
Biは、超伝導結晶を形成する成分であり、その含有量は8〜27%、10〜25%、特に11.5〜23%が好ましい。Biの含有量が8%より少ないと、非晶質化し難くなると共に、Bi−Sr−Cu−O系非晶質材料中にCaが拡散する前に、異種結晶が析出し易くなり、結果として超伝導結晶が析出し難くなる。一方、Biの含有量が27%より多いと、非晶質化し難くなる。
【0044】
SrOは、超伝導結晶を形成する成分であり、その含有量は33〜65%、35〜63%、特に37〜60%が好ましい。SrOの含有量が33%より少ないと、Bi−Sr−Cu−O系非晶質材料中にCaを拡散させても、Srの含有量が少な過ぎて、超伝導結晶が析出し難くなる。一方、SrOの含有量が65%より多いと、非晶質化し難くなる。
【0045】
CaOは、超伝導結晶を形成する成分であり、その含有量は0〜5%、特に0〜3%が好ましい。CaOの含有量が5%より多いと、Bi−Sr−Cu−O系非晶質材料中にCaが十分に存在した状態になるため、熱処理した場合、無秩序に結晶化して、超伝導結晶の配向性を制御し難くなる。
【0046】
CuOは、超伝導結晶を形成する成分であり、その含有量は15〜47%、17〜45%、特に18〜42%が好ましい。CuOの含有量が15%より少ないと、Bi−Sr−Cu−O系非晶質材料中にCaが拡散する前に、異種結晶が析出し易くなり、結果として超伝導結晶が析出し難くなる。一方、CuOの含有量が47%より多いと、非晶質化し難くなる。
【0047】
Bi+SrO+CaO+CuOの含有量は95%以上、特に97%以上が好ましい。このようにすれば、熱処理により、超伝導結晶が析出し易くなる。
【0048】
必要に応じて、以下の成分を添加してもよい。
【0049】
PbOは、超伝導結晶の臨界温度を上昇させる成分である。特に、Biの一部をPbOに置換すると、超伝導結晶の臨界温度が上昇する傾向がある。しかし、置換量が多過ぎると、均質な非晶質材料を作製し難くなる。よって、モル比PbO/(Bi+PbO)の値は0.2以下、0.15以下、特に0.005〜0.1が好ましい。ここで、「Bi+PbO」は、BiとPbOの合量を指す。
【0050】
TiOは、超伝導結晶に酸素欠陥を生じさせる成分である。特に、Biの一部をTiOに置換すると、超伝導結晶に酸素欠陥が生成し易くなる。しかし、置換量が多過ぎると、均質な非晶質材料を作製し難くなる。よって、モル比TiO/Biの値は0.2以下、0.15以下、特に0.005〜0.1が好ましい。
【0051】
SiOは、超伝導結晶に酸素欠陥を生じさせる成分である。特に、Biの一部をSiOに置換すると、超伝導結晶に酸素欠陥が生成し易くなる。しかし、置換量が多過ぎると、均質な非晶質材料を作製し難くなる。よって、モル比SiO/Biの値は0.2以下、0.15以下、特に0.1以下が好ましい。
【0052】
LiO、NaO、KOは、超伝導結晶に酸素欠陥を生じさせる成分である。特に、SrO又はCaOの一部をLiO、NaO、KOの何れかに置換すると、超伝導結晶に酸素欠陥が生成し易くなる。しかし、置換量が多過ぎると、非晶質材料が不安定になって、溶融時に非晶質材料が分相し易くなる。
【0053】
SrO又はCaOの一部をMgO、BaO、ZnOの何れかに置換することができる。但し、置換量が多過ぎると、超伝導結晶に置換成分を固溶させることが困難になる。よって、モル比(MgO+BaO+ZnO)/(SrO+CaO)の値は0.5以下、0.3以下、0.1以下、特に0.05以下が好ましい。ここで、「MgO+BaO+ZnO」は、MgO、BaO、及びZnOの合量を指す。
【0054】
は、Bi系非晶質材料の安定性を高める成分であり、その含有量は0〜10%、特に0〜5%が好ましい。Bの含有量が多過ぎると、所望の超伝導結晶が析出し難くなる。
【0055】
上記成分以外にも、Bi−Sr−Cu−O系非晶質材料の熱的安定性を高める目的や超伝導結晶を析出し易くする目的のために、他の成分を10%以下、5%以下、特に2%以下の範囲で添加してもよい。
【0056】
Bi−Ca−Cu−O系非晶質材料は、Sr系化合物又はBi−Sr−Cu−O系非晶質材料と接触した状態で熱処理すると、Bi−Ca−Cu−O系非晶質材料中にSrが拡散して、超伝導結晶が短時間で析出すると共に、Srの拡散方向に超伝導結晶が配向し易くなる。このように得られた超伝導結晶物を破断すると、配向面に沿って超伝導結晶が配向しているため、大きな結晶粒子を採取し易くなる。
【0057】
Sr系化合物として、SrCO、SrO、Sr(OH)、Sr(NO、SrCl、SrSO、Sr(CHCOO)の何れかが好ましい。これらのSr系化合物は、熱処理後に超伝導結晶を構成する成分以外の元素が殆ど残留しない。よって、これらのSr系化合物を用いると、超伝導結晶が成長し易くなる。
【0058】
Bi−Ca−Cu−O系非晶質材料は、Sr系化合物又はBi−Sr−Cu−O系非晶質材料と接触した状態で熱処理する場合、以下の組成範囲であることが好ましい。なお、以下の組成範囲の説明において、%表示は、特に断りがある場合を除き、モル%を意味する。
【0059】
Biは、超伝導結晶を形成する成分であり、その含有量は10〜40%、11〜38%、特に11.5〜35%が好ましい。Biの含有量が10%より少ないと、非晶質化し難くなると共に、Bi−Ca−Cu−O系非晶質材料中にSrが拡散する前に、異種結晶が析出し易くなり、結果として超伝導結晶が析出し難くなる。一方、Biの含有量が40%より多いと、非晶質化し難くなる。
【0060】
SrOは、超伝導結晶を形成する成分であり、その含有量は0〜5%、特に0〜3%が好ましい。SrOの含有量が5%より多いと、Bi−Ca−Cu−O系非晶質材料中にSrが十分に存在した状態になるため、熱処理した場合、無秩序に結晶化して、超伝導結晶の配向性を制御し難くなる。
【0061】
CaOは、超伝導結晶を形成する成分であり、その含有量は10〜40%、12〜38%、特に15〜35%が好ましい。CaOの含有量が10%より少ないと、Bi−Ca−Cu−O系非晶質材料中にSrを拡散させても、Caが少な過ぎて、超伝導結晶が析出し難くなる。一方、CaOの含有量が40%より多いと、非晶質化し難くなる。
【0062】
CuOは、超伝導結晶を形成する成分であり、その含有量は30〜70%、特に32〜68%が好ましい。CuOの含有量が30%より少ないと、Bi−Ca−Cu−O系非晶質材料中にSrが拡散する前に、異種結晶が析出し易くなり、結果として超伝導結晶が析出し難くなる。一方、CuOの含有量が70%より多いと、非晶質化し難くなる。
【0063】
Bi+SrO+CaO+CuOの含有量は95%以上、特に97%以上が好ましい。このようにすれば、熱処理により、超伝導結晶が析出し易くなる。
【0064】
上記成分以外にも、Bi−Ca−Cu−O系非晶質材料の熱的安定性を高める目的や超伝導結晶を析出し易くする目的のために、他の成分を10%以下、5%以下、特に2%以下の範囲で添加してもよい。
【0065】
必要に応じて、以下の成分を添加してもよい。
【0066】
PbOは、超伝導結晶の臨界温度を上昇させる成分である。特に、Biの一部をPbOに置換すると、超伝導結晶の臨界温度が上昇する傾向がある。しかし、置換量が多過ぎると、均質な非晶質材料を作製し難くなる。よって、モル比PbO/(Bi+PbO)の値は0.2以下、0.15以下、特に0.005〜0.1が好ましい。ここで、「Bi+PbO」は、BiとPbOの合量を指す。
【0067】
TiOは、超伝導結晶に酸素欠陥を生じさせる成分である。特に、Biの一部をTiOに置換すると、超伝導結晶に酸素欠陥が生成し易くなる。しかし、置換量が多過ぎると、均質な非晶質材料を作製し難くなる。よって、モル比TiO/Biの値は0.2以下、0.15以下、特に0.005〜0.1が好ましい。
【0068】
SiOは、超伝導結晶に酸素欠陥を生じさせる成分である。特に、Biの一部をSiOに置換すると、超伝導結晶に酸素欠陥が生成し易くなる。しかし、置換量が多過ぎると、均質な非晶質材料を作製し難くなる。よって、モル比SiO/Biの値は0.2以下、0.15以下、特に0.1以下が好ましい。
【0069】
LiO、NaO、KOは、超伝導結晶に酸素欠陥を生じさせる成分である。特に、SrO又はCaOの一部をLiO、NaO、KOの何れかに置換すると、超伝導結晶に酸素欠陥が生成し易くなる。しかし、置換量が多過ぎると、非晶質材料が不安定になって、溶融時に非晶質材料が分相し易くなる。
【0070】
SrO又はCaOの一部をMgO、BaO、ZnOの何れかに置換することができる。但し、置換量が多過ぎると、超伝導結晶に置換成分を固溶させることが困難になる。よって、モル比(MgO+BaO+ZnO)/(SrO+CaO)の値は0.5以下、0.3以下、0.1以下、特に0.05以下が好ましい。ここで、「MgO+BaO+ZnO」は、MgO、BaO、及びZnOの合量を指す。
【0071】
は、Bi系非晶質材料の安定性を高める成分であり、その含有量は0〜10%、特に0〜5%が好ましい。Bの含有量が多過ぎると、所望の超伝導結晶が析出し難くなる。
【0072】
上記成分以外にも、Bi−Ca−Cu−O系非晶質材料の熱的安定性を高める目的や超伝導結晶を析出し易くする目的のために、他の成分を10%以下、5%以下、特に2%以下の範囲で添加してもよい。
【0073】
上記のBi系非晶質材料は、溶融法等で作製可能である。溶融法であれば、任意の形状に成形可能である。しかし、Bi系非晶質材料の厚みが数mm(例えば3mm)より大きくなると、内部を冷却し難くなるため、内部が失透し易くなり、結果として、Bi系非晶質材料を作製し難くなる。よって、成形方法として、ツインロール等でフィルム形状(例えば3mm以下)に成形することが好ましい。このようにすれば、急冷により非晶質化し易くなると共に、表面積が大きくなるため、鱗片状の結晶が析出し易くなる。
【0074】
上記により得られた超伝導結晶物に対して、折り割り、或いはハンマー等で衝撃を加えると、超伝導結晶物が破断して、超伝導結晶物に破断面が形成される。この破断面には、鱗片状の超伝導結晶が露出した状態になる。
【0075】
この破断面に粘着シート(例えば、スコッチテープ等の粘着テープ等)を貼り付けた後、超伝導結晶物から粘着シートを剥がすと、単結晶の超伝導結晶粉末を容易に採取することができる。なお、乳鉢等で超伝導結晶物を物理的に粉砕すると、多結晶体の超伝導結晶粉末が得られ易くなる。
【0076】
本発明の超伝導線材の製造方法は、上記超伝導結晶粉末を溶媒に懸濁させる工程と、溶媒に懸濁させた超伝導結晶粉末を濾材で濾取する工程と、濾材を切断して、超伝導線材を得る工程、或いは濾材で濾取した超伝導結晶粉末を線材に付着させて、超伝導線材を得る工程とを含むことを特徴とする。
【0077】
超伝導結晶粉末を溶媒に懸濁させる溶媒は、Bi−2212結晶等の超伝導結晶を腐食、変質させないものであれば、概ね使用可能である。特に、アルコール(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等)、炭化水素(ヘキサン、石油エーテル、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等)、エーテル(ジエチルエーテル、エチルメチルエーテル等)、エステル(酢酸エチル、酢酸メチル等)、ケトン(アセトン、エチルメチルケトン等)の有機溶媒が、揮発性が高いため、好ましい。更に、溶媒に対して、分散性を高めるために界面活性剤を添加してもよく、濾取後に超伝導結晶粉末同士の接着性を高めるために接着剤等を添加してもよい。
【0078】
超伝導結晶粉末を濾材で濾取する前に、超伝導結晶粉末の構成成分を含む溶液により、超伝導結晶粉末を表面処理することが好ましい。このようにすれば、焼き固める際に、超伝導結晶が成長して、超伝導結晶粉末間の空隙が小さくなり易いと共に、超伝導結晶粉末同士の接着性が向上し易くなる。
【0079】
溶媒に懸濁させた超伝導結晶粉末(例えばBi−2212単結晶粉末)を濾材で濾取すると、濾材の表面に沿ってBi−2212結晶を配向させることが可能になる。濾材として、紙、金属メッシュ、メンブランフィルター等が使用可能である。
【0080】
超伝導結晶粉末を濾材で濾取した後、再度、熱処理して超伝導結晶粉末同士を焼き固めてもよいし、樹脂でコートして超伝導結晶粉末を固定してもよい。
【0081】
濾材として、線材になる大きさの濾材を使用してもよく、帯状の濾材を使用してもよい。
【0082】
帯状の濾材をレーザースクライブや機械的スクライブにより切断すれば、超伝導線材を得ることができる。また、濾材で濾取した超伝導結晶粉末を例えばテープ線材等の線材に接着させたり、2本以上の線材で濾材を挟み込むことにより、超伝導線材を作製することもできる。線材の材質は、ガラスやプラスチック等の非導電性の線材でもよいが、金属、特に電気伝導性が高い銀が好ましい。なお、線材の材質として金属を用いると、超伝導部分が断線した場合にバイパスとして作用することができる。
【0083】
得られた超伝導線材の表面をテープで被覆してもよく、樹脂等でコートしてもよい。このようにすれば、超伝導線材の強度を高めることができる。
【実施例】
【0084】
実施例を用いて、本発明を詳細に説明する。なお、以下の実施例は単なる例示である。本発明は、以下の実施例に何ら限定されない。
【0085】
〔実施例1〕
以下のようにして、Bi−Sr−Cu−O系非晶質材料を作製した。組成として、モル%で、Bi 14.3%、SrO 57.1%、CuO 28.6%になるように原料を調合し、ライカイ器で混合粉砕した後、アルミナルツボに投入して、800℃で3時間仮焼きした。次に、アルミナルツボを1250℃の電気炉に移し、30分間溶融した後、得られた融液をツインロールで急冷して、厚さ約0.3mmのフィルムを得た。なお、このフィルムを乳鉢で粉砕して、XRDを測定したところ、非晶質であることが確認された。
【0086】
以下のようにして、Bi−Ca−Cu−O系非晶質材料を作製した。組成として、モル%で、Bi 20.0%、CaO 40.0%、CuO 40.0%になるように原料を調合し、ライカイ器で混合粉砕した後、アルミナルツボに投入して、800℃で3時間仮焼きした。次に、このアルミナルツボを1250℃の電気炉に移し、30分間溶融した後、得られた融液をツインロールで急冷して、厚さ約0.3mmのフィルムを得た。なお、このフィルムを乳鉢で粉砕して、XRDを測定したところ、非晶質であることが確認された。
【0087】
次に、Bi−Sr−Cu−O系非晶質材料からなるフィルムを約10mm角に切断したシート2枚と、Bi−Ca−Cu−O系非晶質材料からなるフィルムを約10mm角に切断したシート1枚を用意した。続いて、Bi−Ca−Cu−O系非晶質材料からなるフィルムをBi−Sr−Cu−O系非晶質材料からなるフィルムで両面を挟んだ状態で、830℃に設定した電気炉に30分間投入して、熱処理した後、室温になるまで放冷した。熱処理後の試料の一部を乳鉢で粉砕して、XRDを測定したところ、Bi−2212結晶が析出していることが確認された。
【0088】
更に、熱処理後の試料を厚み方向に折り割った。Bi−2212結晶物の破断面のSEM像を図1に示す。次に、この破断面にスコッチテープを貼り付けて、スコッチテープの上からピンセットで擦った後、スコッチテープテープを剥がして、Bi−2212結晶物の表面からBi−2212単結晶粉末を採取した。なお、このBi−2212単結晶粉末をSEM観察したところ、鱗片状の単結晶であることが確認された(図2参照)。
【0089】
次に、得られたBi−2212単結晶粉末0.1gを20mLのエタノールに懸濁させた後、濾紙でBi−2212単結晶粉末を濾取し、50℃で1時間乾燥した。その後、濾紙を1mm幅に切断することにより、長さ方向にBi−2212単結晶粉末が配向した超伝導線材を作製した。
【0090】
〔実施例2〕
〔実施例1〕により得られた超伝導線材を幅2mm、厚さ0.1mmの銀のテープ線材2本で挟み、その周囲をビニールテープで被覆した。
【0091】
〔実施例3〕
モル%濃度で、Bi 25.0%、CaO 25.0%、CuO 50.0%になるように原料を調合し、ライカイ器で混合粉砕した後、アルミナルツボに投入して、800℃で3時間仮焼きした。次に、このアルミナルツボを1250℃の電気炉に移し、30分間溶融した後、得られた融液をツインロールで急冷して、厚さ約0.3mmのフィルムを得た。なお、このフィルムを乳鉢で粉砕して、XRDを測定したところ、非晶質であることが確認された。
【0092】
次に、Bi−Ca−Cu−O系非晶質材料からなるフィルムを約10mm角に切断したシート5枚を用意した。この5枚のシートの表面上にSrCO粉末を目開き37μmの篩から篩落とし、薄く堆積させた。続いて、このシート5枚をSrCO粉末が上方になるように積層した上で、830℃に設定した電気炉に60分間投入して、熱処理した後、室温になるまで放冷した。熱処理後の試料の一部を乳鉢で粉砕して、XRDを測定したところ、Bi−2212結晶が析出していることが確認された。
【0093】
更に、熱処理後の試料を厚み方向に折り割った。次に、この破断面にスコッチテープを貼り付けて、スコッチテープの上からピンセットで擦った後、スコッチテープテープを剥がして、Bi−2212結晶物の表面からBi−2212単結晶粉末を採取した。なお、このBi−2212単結晶粉末をSEM観察したところ、鱗片状の単結晶であることが確認された(図3参照)。
【0094】
続いて、得られたBi−2212単結晶粉末0.1gを20mLのエタノールに懸濁させた後、濾紙でBi−2212単結晶粉末を濾取し、50℃で1時間乾燥した。その後、濾紙を1mm幅に切断することにより、長さ方向にBi−2212単結晶粉末が配向した超伝導線材を作製した。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明の超伝導結晶粉末の製造方法によれば、高純度のBi−2212単結晶粉末を短時間、且つ容易に作製可能である。また、本発明の超伝導線材の製造方法によれば、長さ方向に配向した超伝導線材を容易、且つ安価に作製可能である。よって、得られた超伝導線材は、送電ケーブルや強磁場発生用コイル等に好適である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
超伝導結晶物を用意する工程と、
前記超伝導結晶物を破断する工程と、
前記超伝導結晶物の破断面に粘着シートを貼り付ける工程と、
前記粘着シートを前記超伝導結晶物から剥がす工程と、
前記粘着シートから超伝導結晶粉末を採取する工程とを含むことを特徴とする超伝導結晶粉末の製造方法。
【請求項2】
前記超伝導結晶物が、Bi系非晶質材料を熱処理してなることを特徴とする請求項1に記載の超伝導結晶粉末の製造方法。
【請求項3】
前記超伝導結晶物が、Bi−Sr−Cu−O系非晶質材料とCa系化合物を接触させた状態で熱処理してなることを特徴とする請求項1又は2に記載の超伝導結晶粉末の製造方法。
【請求項4】
前記超伝導結晶物が、Bi−Ca−Cu−O系非晶質材料とSr系化合物を接触させた状態で熱処理してなることを特徴とする請求項1又は2に記載の超伝導結晶粉末の製造方法。
【請求項5】
超伝導結晶物がBi−Sr−Cu−O系非晶質材料とBi−Ca−Cu−O系非晶質材料を接触させた状態で熱処理してなることを特徴とする請求項1又は2に記載の超伝導結晶粉末の製造方法。
【請求項6】
前記超伝導結晶粉末が実質的に単結晶であることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の超伝導結晶粉末の製造方法。
【請求項7】
前記超伝導結晶粉末の主結晶がBi−2212結晶であることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の超伝導結晶粉末の製造方法。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか一項に記載の超伝導結晶粉末の製造方法により超伝導結晶粉末を得る工程と、
前記超伝導結晶粉末を溶媒に懸濁させる工程と、
前記溶媒に懸濁させた超伝導粉末を濾材で濾取する工程と、
前記濾材を切断して、超伝導線材を得る工程とを含むことを特徴とする超伝導線材の製造方法。
【請求項9】
請求項1〜7の何れか一項に記載の超伝導結晶粉末の製造方法により超伝導結晶粉末を得る工程と、
前記超伝導結晶粉末を溶媒に懸濁させる工程と、
前記溶媒に懸濁させた超伝導粉末を濾材で濾取する工程と、
前記濾材で濾取した超伝導結晶粉末を線材に付着させて、超伝導線材を得る工程とを含むことを特徴とする超伝導線材の製造方法。
【請求項10】
前記溶媒が有機溶媒であることを特徴とする請求項8又は9に記載の超伝導線材の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−18676(P2013−18676A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−152697(P2011−152697)
【出願日】平成23年7月11日(2011.7.11)
【出願人】(000232243)日本電気硝子株式会社 (1,447)
【Fターム(参考)】