説明

超低分子量エチレンポリマー

【課題】接着剤処方で、ワックス置換物、インク変性剤、油変性剤、粘度変性剤、繊維、加工助剤、シーラント等として有用なポリマーを提供する。
【解決手段】エチレンと少なくとも1種のエチレン性不飽和コモノマーとを、(n−ブチルアミド)ジメチル(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(IV)ジメチル等の束縛幾何学的触媒の存在下、少なくとも80℃の反応温度で反応させて、数平均分子量が11000以下であり且つゲル浸透クロマトグラフィーで測定した分子量分布が1.5〜2.5である、非流動性均一超低分子量エチレンポリマーを形成させて製造される。
【効果】同じ密度で相当するより高い分子量物質より長いラメラ及びより大きい結晶性構造を有する非流動性均一超低分子量エチレンポリマーが提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低い数平均分子量により明らかにされる、超低分子量を有するエチレンポリマーに関する。特に、本発明は、ゲル浸透クロマトグラフィにより測定されて11000以下の数平均分子量を有するエチレンポリマーに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、可溶性のバナジウム触媒を使用して製造される均一な線状エチレンオレフィンコポリマーを開示している。そのなかで、均一なコポリマーは、コモノマーが所定の分子内にランダムに分散しておりしかもすべてのコポリマー分子がコポリマー比に対して同じエチレンを有するポリマーとして定義されている。開示された均一なコポリマーは、中程度に高い分子量を有する。例えば、実施例に示されるように、均一なコポリマーは、ASTM D−1238に従って測定されるように、0.1g/10分より低い値から25g/10分より低い値のメルトインデックスを有する。
【0003】
特許文献2及び特許文献3は、単一部位重合触媒を使用して製造される実質的に線状のエチレンオレフィンコポリマーを開示している。開示された実質的に線状のコポリマーは、1000個の炭素当たり約0.01〜約3個の長鎖の枝分れを有することを特徴とする。Elstonの均一なコポリマーとは異なり、開示された実質的に線状のコポリマーは、ASTM D−1238に従って測定して、I10/Iに関わりのない分子量分布(M/M)を特徴とする。
【0004】
油添加物として使用される流動可能な超低分子量エチレンポリマーは、当業者に周知である。例えば、特許文献4は、ビスシクロペンタジエニルメタロセン触媒を使用して製造される1500〜7500の間の数平均分子量を有するエチレン/ブテンコポリマーを開示している。これらのポリマーは、ASTM法No.D97により測定して−30℃以下の流動点を示すといわれる。公開された出願に示されているように、これらの低い流動点を示すポリマーは、それらが添加される潤滑剤の流動点に悪影響を与えない。
【0005】
【特許文献1】米国特許3645992号明細書
【特許文献2】米国特許5272236号明細書
【特許文献3】米国特許5278272号明細書
【特許文献4】WO94/12193号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、接着剤処方で、そしてワックス置換物、インク変性剤、油変性剤、粘度変性剤、繊維、加工助剤、シーラント、コーキン剤として有用なポリマーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、同じ密度で相当するより高い分子量物質より長いラメラ及びより大きい程度の結晶組織を有する非流動性均一超低分子量エチレンポリマーを提供する。
本発明とその好ましい態様について下記する。
【0008】
1.ゲル浸透クロマトグラフィーで測定した数平均分子量が(M)が11000以下であり且つゲル浸透クロマトグラフィーで測定した分子量分布M/Mが1.5〜2.5であることを特徴とする非流動性均一超低分子量エチレンポリマー。
【0009】
2.該ポリマーが、エチレンと、エチレン性不飽和モノマー、共役又は非共役ジエン及びポリエンからなる群から選ばれた少なくとも1種のコモノマーとのコポリマーである上記1の超低分子量エチレンポリマー。
【0010】
3.該コモノマーが、C〜C20α−オレフィン、スチレン、アルキル置換スチレン、ビニルベンゾシクロブタン、1,4−ヘキサジエン及びナフテン族からなる群から選ばれるエチレン性不飽和モノマーである上記2の超低分子量エチレンポリマー。
【0011】
4.コモノマーが、C〜C20α−オレフィンであるエチレン性不飽和モノマーであり、そしてα−オレフィンが、1−プロペン、イソブチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−へプテン、4−メチル−1−ペンテン、及び1−オクテンからなる群からさらに選ばれる上記3の超低分子量エチレンポリマー。
【0012】
5.コモノマーが、C〜C20α−オレフィンであるエチレン性不飽和モノマーであり、そしてα−オレフィンが、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、及び1−オクテンからなる群からさらに選ばれる上記3の超低分子量エチレンポリマー。
【0013】
6.コモノマーが、C〜C20α−オレフィンであるエチレン性不飽和モノマーであり、そしてα−オレフィンが、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、及び1−オクテンからなる群からさらに選ばれる上記3の超低分子量エチレンポリマー。
【0014】
7.ポリマーが0.850〜0.869g/cmの密度を有する上記1の超低分子量エチレンポリマー。
8.ポリマーが0.870〜0.889g/cmの密度を有する上記1の超低分子量エチレンポリマー。
【0015】
9.ポリマーが0.890〜0.899g/cmの密度を有する上記1の超低分子量エチレンポリマー。
10.ポリマーが0.900〜0.919g/cmの密度を有する上記1の超低分子量エチレンポリマー。
【0016】
11.ポリマーが0.920〜0.949g/cmの密度を有する上記1の超低分子量エチレンポリマー。
12.透過電子顕微鏡を使用して観察したとき、長さが40ナノメートルより長いラメラを有することを特徴とする、0.900g/cmより小さい密度を有し、好ましくは上記1を満足する非流動性均一超低分子量半結晶性エチレン/α−オレフィンインターポリマー。
【0017】
13.ラメラの少なくとも60%が40ナノメートルより長い長さを有する上記12の超低分子量半結晶性エチレン/α−オレフィンインターポリマー。
14.ラメラの少なくとも20%が60ナノメートルより長い長さを有する上記13の超低分子量半結晶性エチレン/α−オレフィンインターポリマー。
【0018】
15.ラメラの少なくとも80%が40ナノメートルより長い長さを有する上記12の超低分子量半結晶性エチレン/α−オレフィンインターポリマー。
16.ラメラの少なくとも30%が60ナノメートルより長い長さを有する上記項15の超低分子量半結晶性エチレン/α−オレフィンインターポリマー。
【0019】
17.ラメラの少なくとも10%が80ナノメートルより長い長さを有する上記15の超低分子量半結晶性エチレン/α−オレフィンインターポリマー。
18.ラメラの少なくとも40%が60ナノメートルより長い長さを有する上記15の超低分子量半結晶性エチレン/α−オレフィンインターポリマー。
【0020】
19.ラメラの少なくとも20%が80ナノメートルより長い長さを有する上記15の超低分子量半結晶性エチレン/α−オレフィンインターポリマー。
20.ラメラの少なくとも5%が100ナノメートルより長い長さを有する上記15の超低分子量半結晶性エチレン/α−オレフィンインターポリマー。
【0021】
21.球晶を欠くこと、並びに透過電子顕微鏡を使用して観察したとき、100ナノメートルより長い平均長さをもつラメラを有することを特徴とする、少なくとも0.920g/cmの密度を有し、好ましくは上記1を満足する非流動性均一超低分子量エチレンポリマー。
【0022】
22.エチレンと少なくとも1種のエチレン性不飽和コモノマーとを、束縛幾何学的触媒の存在下少なくとも80℃の反応温度で反応させて、数平均分子量(M)が11000以下であり且つゲル浸透クロマトグラフィーで測定した分子量分布M/Mが1.5〜2.5であることを特徴とする非流動性均一超低分子量エチレンポリマーを形成することからなる方法。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1は均一エチレン/1−オクテンコポリマーの透過電子顕微鏡写真の特徴を示す簡単な図である。
図1(a)は0.86〜0.88g/cmの密度及び1g/10分のIを有する均一エチレン/1−オクテンコポリマーの透過電子顕微鏡写真の特徴の簡単な図である。
【0024】
図1(b)は0.88〜0.91g/cmの密度及び1g/10分のIを有する均一エチレン/1−オクテンコポリマーの透過電子顕微鏡写真の特徴の簡単な図である。
図1(c)は0.91〜0.93g/cmの密度及び1g/10分のIを有する均一エチレン/1−オクテンコポリマーの透過電子顕微鏡写真の特徴の簡単な図である。
【0025】
図1(d)は0.95g/cmより大きい密度及び1g/10分のIを有する均一エチレン/1−オクテンコポリマーの透過電子顕微鏡写真の特徴の簡単な図である。
図2は0.855g/cmの密度及び0.5g/10分のIを有する均一エチレン/1−オクテンコポリマーの90000倍の透過電子顕微鏡写真である。
【0026】
図3は、実施例1の超低分子量ポリマー(0.855g/cmの密度、4600のM及び350センチポイズの350°Fにおける溶融粘度を有するエチレン/1−オクテンコポリマー)の90000倍の透過電子顕微鏡写真である。
図4は、比較例Dのポリマー(0.870g/cmの密度及び1g/10分のIを有する実質的に線状のエチレン/1−オクテンコポリマー)の90000倍の透過電子顕微鏡写真である。
【0027】
図5は、比較例C2のポリマー(0.870g/cmの密度及び246g/10分のIを有するエチレン/1−オクテンコポリマー)の90000倍の透過電子顕微鏡写真である。
図6は、実施例2の超低分子量ポリマー(0.871g/cmの密度、9100のM及び4200センチポイズの350°Fにおける溶融粘度を有するエチレン/1−オクテンコポリマー)の90000倍の透過電子顕微鏡写真である。
【0028】
図7は、実施例3の超低分子量ポリマー(0.870g/cmの密度、4200のM及び355センチポイズの350°Fにおける溶融粘度を有するエチレン/1−オクテンコポリマー)の90000倍の透過電子顕微鏡写真である。
図8は、実施例4の超低分子量ポリマー(0.897g/cmの密度、8700のM及び5200センチポイズの350°Fにおける溶融粘度を有するエチレン/1−オクテンコポリマー)の90000倍の透過電子顕微鏡写真である。
【0029】
図9は、実施例17の超低分子量ポリマー(0.890g/cmの密度、4500のM及び350センチポイズの350°Fにおける溶融粘度を有するエチレン/1−オクテンコポリマー)の90000倍の透過電子顕微鏡写真である。
図10は、0.915g/cmの密度及び1g/10分のIを有する実質的に線状のエチレン/1−オクテンコポリマーの90000倍の透過電子顕微鏡写真である。
【0030】
図11は、実施例5の超低分子量ポリマー(0.929g/cmの密度、8900のM及び5600センチポイズの350°Fにおける溶融粘度を有するエチレン/1−オクテンコポリマー)の90000倍の透過電子顕微鏡写真である。
図12は、実施例18の超低分子量ポリマー(0.930g/cmの密度、4700のM及び400センチポイズの350°Fにおける溶融粘度を有するエチレン/1−オクテンコポリマー)の90000倍の透過電子顕微鏡写真である。
【0031】
図13は、0.960g/cmの密度及び1g/10分のIを有する実質的に線状のエチレンホモポリマーの90000倍の透過電子顕微鏡写真である。
図14は、実施例6の超低分子量ポリマー(0.963g/cmの密度、8000のM及び5200センチポイズの350°Fにおける溶融粘度を有するエチレン/1−オクテンコポリマー)の90000倍の透過電子顕微鏡写真である。
【0032】
図15は、実施例7の超低分子量ポリマー(0.968g/cmの密度、3700のM及び395センチポイズの350°Fにおける溶融粘度を有するエチレン/1−オクテンコポリマー)の90000倍の透過電子顕微鏡写真である。
図16は、実施例13の超低分子量ポリマー(0.868g/cmの密度及び5290センチポイズの350°Fにおける溶融粘度を有するエチレン/1−ブテンコポリマー)の90000倍の透過電子顕微鏡写真である。
【0033】
図17は、実施例14の超低分子量ポリマー(0.887g/cmの密度及び5000センチポイズの350°Fにおける溶融粘度を有するエチレン/1−ブテンコポリマー)の90000倍の透過電子顕微鏡写真である。
図18は、それらの透過電子顕微鏡写真が図3(a)、3(b)、3(c)及び3(d)に示される、デジタル像分析により測定されるとき、エチレン/オクテンコポリマーに関する指示された範囲の長さを有するラメラの集団を表す棒グラフである。
【0034】
図19は、それらの透過電子顕微鏡写真が図3(a)、3(b)、3(c)及び3(d)に示されるエチレン/1−オクテンコポリマーに関する、デジタル像分析により測定される指示された範囲の長さを有するラメラの頻度、即ち指示された範囲の長さを有する全ラメラの%を表す棒グラフである。
図20は、それらの透過電子顕微鏡写真が図3(a)、3(b)、3(c)及び3(d)に示されるエチレン/1−オクテンコポリマーに関する、示差走査熱量測定により測定される溶融曲線の集まりである。
【0035】
図21は、それらの透過電子顕微鏡写真が図3(a)、3(b)、3(c)及び3(d)に示されるエチレン/1−オクテンコポリマーに関する、示差走査熱量測定により測定される結晶化曲線の集まりである。
図22は、比較例G及びH並びに実施例8及び10のエチレン/1−オクテンコポリマーに関する、示差走査熱量測定により測定される溶融曲線の集まりである。
【0036】
図23は、比較例G及びH並びに実施例8及び10のエチレン/1−オクテンコポリマーに関する、示差走査熱量測定により測定される結晶化曲線の集まりである。
図24は、(本発明のエチレン/1−オクテン及びエチレン/1−ブテンコポリマーの全%結晶化度)対(これらのコポリマーの密度)のプロットである。
図25は、実施例19の超低分子量ポリマー(0.920g/cmの密度、9800M及び5620センチポイズの350°Fにおける溶融粘度を有するエチレン/1−オクテンコポリマー)の90000倍の透過電子顕微鏡写真である。
【0037】
他に指示されない限り、以下のテスト法が使用される。
密度は、ASTM D−792に従って測定される。サンプルは、測定が行われる前、24時間周囲条件でアンニールされる。
メルトインデックス(I)は、ASTM D−1238、条件190℃/2.16kg(従来「条件(E)」として知られている)に従って測定される。
【0038】
分子量は、140℃のシステム温度で操作する、3個の混合孔度のカラム(Polymer Laboratories 103、104、105及び106)を備えたWaters 150℃高温度クロマトグラフィユニットのゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を使用して測定される。溶媒は、1,2,4−トリクロロベンゼンであり、それからサンプルの0.3重量%溶液が注入のために調製される。流速は1.0mL/分であり、注入サイズは100ミクロLである。
【0039】
分子量の測定は、それらの溶離体積に関連して狭い分子量分布ポリスチレン標準品(Polymer Laboratoriesから)を使用することにより帰納される。当量ポリエチレン分子量は、以下の式を誘導するために、ポリエチレン及びポリスチレンに関する適切なMark−Houwink係数(Journal of Polymer Science,Polymer Letters、6巻、(621)(1968)においてWilliams及びWordにより記述)を使用することにより決定される。
【0040】
ポリエチレン=a(Mポリスチレン)b
この式において、a=0.4316であり、b=1.0である。重量平均分子量Mは、以下の式:M=Σw(式中、w及びMは、それぞれGPCカラムから溶離するi番目のフラクションの重量フラクション及び分子量である)に従って通常のやり方で計算される。
【0041】
溶融粘度は、ディスポーザブルアルミニウムサンプルチェンバー中のBrookfield Laboratories DVII+粘度計を使用して以下のやり方に従って測定される。使用されるスピンドルは、10〜100000センチポイズの範囲の粘度を測定するのに好適なSC−31ホット・メルトスピンドルである。切断歯は、幅1インチ長さ5インチのサンプルチェンバー中に適合するのに十分なほど小さい片にサンプルを切断するのに使用される。サンプルをチェンバーに置き、それを次にBrookfield Thermoselに装入し、そしてベント針−ノーズプライヤーにより正しい位置に閉じこめる。サンプルチェンバーは、スピンドルが挿入されそして回転するとき、チェンバーが確実に回転しないようにBrookfield Thermoselの底に適合する、底部にノッチを有する。サンプルを350°Fに加熱し、溶融したサンプルがサンプルチェンバーの頂部から約1インチ下がるまで、追加のサンプルを添加する。粘度計の装置を下げ、スピンドルをサンプルチェンバー中にしずめる。粘度計のブラケットがThermoselと整列するまで、低下を続ける。粘度計を回転させ、30〜60%の範囲のトルクの読みにする剪断速度に設定する。読みは、約15分間1分毎に行われるか、又は値が安定化されるまで行い、最後の読みを記録する。
【0042】
結晶化%は、Perkin−Elmer DSC 7を使用して示差走査熱量測定により測定される。結晶化%は、式
%C=(A/292J/g)×100
(式中、%Cは結晶化%であり、Aは1g当たりのエチレンの溶解熱ジュール(J/g)を表す)
により計算できる。
【0043】
本発明の超低分子量エチレンポリマーは、ホモポリマー、又はエチレンと少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマー、共役又は非共役ジエン、ポリエンなどとのインターポリマーであろう。用語「インターポリマー」は、コポリマー又はターポリマーなどを示すのに本明細書で使用される。即ち、少なくとも1種の他のコモノマーは、エチレンと重合してインターポリマーを製造する。
【0044】
超低分子量エチレンポリマーがインターポリマーであるとき、好ましいコモノマーは、C〜C20α−オレフィン、特にプロペン、イソブチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、及び1−オクテンを含む。他の好ましいモノマーは、スチレン、又はアルキル置換スチレン、テトラフルオロエチレン、ビニルベンゾシクロブテン、1,4−ヘキサジエン、及びナフテン族(例えば、シクロペンテン、シクロヘキセン及びシクロオクテン)を含む。
【0045】
本発明の超低分子量エチレンポリマー、11000より小さい、好ましくは10000より小さい数平均分子量を特徴とする。本発明の方法を使用して、5000より小さい数平均分子量を得ることができる。しかし、概して、ポリマーの数平均分子量は2500より大きいであろう。
【0046】
数平均分子量は、超低分子量エチレンポリマーの350°Fにおける粘度に関する。超低分子量エチレンポリマーは、8200より小さい、好ましくは6000より小さい350°Fにおける溶融粘度を特徴とし、600センチポイズより小さい350°Fにおける溶融粘度が容易に得られる。
【0047】
さらに、超低分子量エチレンポリマーの数平均分子量は、メルトインデックス(I)に関係がある。しかし、本発明の超低分子量エチレンポリマーについて、メルトインデックスは測定されず、粘度の相関から計算されることに注意すべきである。超低分子量エチレンポリマーは、1000より大きい、好ましくは1300より大きい190℃における計算されたメルトインデックス(I)を特徴とし、少なくとも10000g/10分の計算されたメルトインデックスを有するポリマーを容易に得ることができる。
【0048】
超低分子量エチレンポリマーは、概して、0.850〜0.970g/cmの密度を有するだろう。使用される密度は、考えられる末端用途の関数である。例えば、ポリマーがワックスの置換物をめざすとき、0.910g/cmより大きい、好ましくは、0.920g/cmより大きい密度が適切であろう。逆に、ポリマーが接着剤の強さ付与成分をめざすとき、0.900g/cmより小さい、好ましくは0.895g/cmより小さい密度が適切であろう。超低分子量エチレンポリマーがエチレン及び芳香族コモノマー例えばスチレンのインターポリマーであるとき、インターポリマーの密度は1.10g/cmより小さいだろう。
【0049】
図1は、モノシクロペンタジエニルチタン単一部位触媒により製造された、1g/10分のIを有する均一エチレンホモポリマー及び均一エチレン/1−オクテンコポリマーの結晶性構造の簡単な図である。特に、図1(a)は、0.86〜0.88g/cmの密度を有する均一エチレン/1−オクテンコポリマーを示し、図1(b)は、0.88〜0.91g/cmの密度を有する均一エチレン/1−オクテンコポリマーを示し、図1(c)は、0.91〜0.93g/cmの密度を有する均一エチレン/1−オクテンコポリマーを示し、図1(d)は、0.95g/cmより大きい密度を有する均一エチレンホモポリマーを示している。図1(a)、1(b)、1(c)及び1(d)に示される図は、タイプI、タイプII、タイプIII及びタイプIVの形態として記述されてきたものの図である。
【0050】
背景として、エチレン/α−オレフィンコポリマーのα−コモノマーから短鎖枝分かれは、余りにも大きいので結晶性構造に入らず、そのため鎖の折りたたみ/たばねる工程を邪魔する。コモノマー挿入点間の鎖の長さがラメラ微結晶の最小の厚さの2倍より短いとき、定義によるポリマー鎖は、鎖の折り畳みメカニズムを介してもはや結晶化できない。むしろ、コモノマー挿入点間の鎖のセグメントは、簡単に互いにたばねられて結晶性の堅いセグメントを形成する。これらのたばなられた鎖は、ふさのついたミセルとして知られ、鎖の折り畳み工程により形成される微結晶即ちラメラと異なる特徴を有する。
【0051】
理論的には、ラメラ状微結晶の最小の厚さは、約40オングストロームである。例えば、D.R.Burfield及びN.Kashiwa,Makromol.Chem.186,2657(1985)参照。従って、2個のコモノマー挿入点間の鎖の長さは、ラメラ状微結晶に一つの折り畳みを形成するためには、少なくとも80オングストロームでなければならない。そのため、ポリマー鎖に沿うコモノマーの集団、分布及びサイズは、鎖の折り畳み/たばね工程、並びに得られる結晶の形態を支配するだろう。ポリマーの密度は、コモノマーの挿入に半比例する。従って、より多くコモノマーを挿入された低い密度のポリマーは、隣接する挿入点を分けるより少ない炭素を有するだろう。そのため、密度が低くなると、ラメラの集団も同様に低下する。
【0052】
ポリマーの密度が増大しそしてコモノマー挿入点の数が少なくなると、ラメラの長さ及び数が増す。さらに、ポリマーの密度が高くなると、長いラメラが形成し始め、それは隣接するポリマーの分子間のもつれの点を生じさせるだろう。このもつれるラメラは、「タイ(tie)鎖」と呼ばれる。高い密度においても、ラメラは球晶としてそれら自体を配列させ、即ちラメラは共通の核から放射するように見える。残存触媒はポリマー溶融物から結晶化するポリマー鎖に関する初めの点を成長させるものと思われる。
【0053】
図1(a)は、タイプIの形態として分類されるものを示している。この形態は、たば様の結晶、即ちふさのついたミセル101の存在を特徴とする。図1(b)は、タイプIIの形態として分類されるものを示している。この形態は、ふさのついたミセル101及びラメラ102の存在を特徴とする。図1(c)は、タイプIIIの形態として分類されるものを示している。この形態は、ふさのついたミセルの欠如を特徴とし、さらにより厚いラメラ102、タイ鎖103、及び球晶(図示せず)の存在を特徴とする。図1(d)は、タイプIVの形態として分類されるものを示している。この形態は、ふさのついたミセル及びタイ鎖の欠如を特徴とし、そしてなお厚いラメラ102及び球晶(図示せず)の存在を特徴とする。
【0054】
本発明の超低分子量エチレンポリマーは、図1(a)、1(b)、1(c)及び1(d)に示された高分子量エチレンポリマーのそれとは顕著に異なる結晶性構造を有する。図3〜9に示される透過電子顕微鏡写真により立証されるように、本発明の超低分子量エチレンポリマーは、同じ密度の高分子量ポリマーの特性より高い結晶性セグメントを示唆する分子構造を有する。
【0055】
例えば、図1(a)に基づいて、0.870g/cmの密度及び1g/10分のIを有する均一エチレン/1−オクテンコポリマーは、透過電子顕微鏡を使用してみたとき、ふさのついたミセルを示すが、ラメラはないことが予想されるだろう。しかし、(図6に示されるように)0.871g/cmの密度及び9100のMを有する本発明の超低分子量エチレンポリマー、そして(図7に示されるように)0.870g/cmの密度及び4300のMを有する本発明の超低分子量エチレンポリマーは、透過電子顕微鏡を使用してみたとき、ふさのついたミセル及び顕著な数のラメラの両者を示す。
【0056】
さらに、図1(d)に基づいて、0.960g/cmの密度及び1g/10分のIを有する均一エチレン/1−オクテンコポリマーは、透過電子顕微鏡を使用してみたとき、ラメラ及び球晶を示すことが予想されるだろう。しかし、(図14に示されるように)0.963g/cmの密度及び8000のMを有する本発明の超低分子量エチレン/1−オクテンポリマー、そして(図15に示されるように)0.968g/cmの密度及び3700のMを有する本発明の超低分子量エチレン/オクテンポリマーは、球晶を示さず、むしろ非常に長いラメラを示し、それはエピタキシアル結晶化から生ずるものと考えられる。エピタキシアル結晶化は、新しく形成された結晶が基体の結晶性構造をとる、存在する結晶性基体上の結晶の成長をいう。
【0057】
図2及び3の透過電子顕微鏡写真、図3、4、5、6及び7のそれら、並びに図13、14及び15のそれらの比較は、ポリマーの分子量が増大するにつれ、ラメラの数及び長さが増大することを示す。例えば、図3は、0.855g/cmの密度及び4600のMを有する本発明の超低分子量エチレン/1−オクテンポリマーが、肉眼で認められるラメラを有する(図1(a)に示される0.855g/cmの密度を有するポリマーのモデルとは対照的に)ことを示す。さらに、図1(c)に示されるモデルは、0.920g/cmの密度を有するコポリマーがラメラ及び球晶の存在を特徴とする結晶性構造を有することが予想されることを示唆しているのに対し、図11は、0.929g/cmの密度及び8900のMを有する本発明の超低分子量エチレン/1−オクテンポリマーが非常に長いラメラを有し、それはエピタキシアル結晶化を示唆していることを示すことを示している。
【0058】
透過電子顕微鏡写真に関するラメラの長さ及び集団は、当業者に周知の手段によりデジタル分析により測定できる。透過電子顕微鏡写真のあるもののデジタル像は、CCDビデオカメラを介して、Quantimet 570デジタル像アナライザー(Leica,Inc.から入手)を使用して得ることができる。白色トップハットフィルターが、バイナリーの検出前、即ちグレイの背景に対して白色を示すラメラについて、光学顕微鏡写真に適用できる。フィルターは、顕微鏡写真のラメラのサイズにより必要に応じサイズを変えることができる。検出の閾値は、得られるバイナリーを初めの像と肉眼的に比較することにより設定できる。バイナリーの最低の編集は、検出工程で出会う明らかな脱落又は包含を補正するためになされる。
【0059】
それらの透過電子顕微鏡写真が図4、5、6及び7に示されるエチレン/1−オクテンコポリマーの場合には、検出されるラメラの平均の長さ及び1立方ミクロメートル当たりのラメラの数が計算されている。図4の場合、平均ラメラの長さは、30ナノメートルであり、1立方ミクロメートル当たり20個のラメラの集団である。図5の場合、平均のラメラの長さは、54ナノメートルであり、1立方ミクロメートル当たり140個のラメラの集団である。図6の場合、平均のラメラの長さは、59ナノメートルであり、1立方ミクロメートル当たり240個のラメラの集団である。図7の場合、平均のラメラの長さは、66ナノメートルであり、1立方ミクロメートル当たり381個のラメラの集団である。これらの値は、それぞれ約0.870g/cmの密度、並びに9100及び4300のMを有する本発明の超低分子量エチレン/1−オクテンポリマーが、0.870g/cmの密度及び1g/10分のIを有する比較のポリマーよりそれぞれ12倍及び40倍より多い1立方マイクロメートル当たり多くのラメラを有する。
【0060】
図18は、デジタル像分析により測定される、それらの透過電子顕微鏡写真が図4、5、6及び7に示されるエチレン/オクテンコポリマーに関する指示された範囲の長さを有するラメラの集団を示す棒グラフである。表1は、図18を作成するために使用されたデータを数的に示す。
【0061】
【表1】

【0062】
図18及び表1に示されるように、0.870g/cmの密度及び1g/10分のIを有するエチレン/1−オクテンコポリマーは、それらは3より大きいアスペクト比をもつ若干の像を有するが(それらは40ナノメートルより小さい長さを有する1立方ミクロン当たり20個のラメラを有する)、それらは長さが40ナノメートルより大きいラメラを全く有しない。また示されるように、0.875g/cmの密度及び246g/10分のIを有するエチレン/1−オクテンコポリマーは、1g/10分のIを有するコポリマーより長さが40ナノメートルより小さいラメラを2倍多く有し、そして長さが40〜60、60〜80、及び80〜100ナノメートルの範囲のラメラを示す(100ナノメートルより大きい長さを有するラメラの数は顕著ではない)。また示されるように、0.871g/cmの密度及び9100のMを有するエチレン/1−オクテンコポリマーは、0.875/cmの密度及び246g/10分のIを有するエチレン/オクテンコポリマーより、40〜60ナノメートルの長さを有するラメラを2.2倍、80〜100ナノメートルの長さを有するラメラを3倍多く有する。また示されるように、0.870g/cmの密度及び4300のMを有するエチレン/1−オクテンコポリマーは、0.875g/cmの密度及び246g/10分のIを有するエチレン/オクテンコポリマーより、40〜60ナノメートルの長さを有するラメラを6倍、60〜80ナノメートルの長さを有するラメラを6倍、そして80〜100ナノメートルの長さを有するラメラを9.5倍多く有する。その上、0.870g/cmの密度及び4300のMを有するエチレン/オクテンコポリマーは、100〜120及び120〜140ナノメートルの範囲の顕著な数のラメラを有する。
【0063】
図19は、それらの透過電子顕微鏡写真が図4、5、6及び7に示されるエチレン/1−オクテンコポリマーに関する指示された範囲の長さを有するラメラの頻度、即ちデジタル像分析により測定されて、指示された範囲の長さを有するラメラの全数の%を示す棒グラフである。
【0064】
【表2】

【0065】
さらに詳しく、図19は、0.871g/cmの密度及び9100のMを有する本発明の超低分子量エチレン/1−オクテンポリマーについて、ラメラの80%は、40ナノメートルより長い長さを有し、ラメラの50%は、40〜60ナノメートルの長さを有し、ラメラの10%以上は、60〜80ナノメートルの長さを有し、ラメラの10%以上は、80〜100ナノメートルの長さを有することを示す。さらに、図19は、0.870g/cmの密度及び4300のMを有する本発明の超低分子量エチレン/1−オクテンポリマーについて、ラメラの80%以上は、40ナノメートルより長い長さを有し、ラメラの40%以上は、40〜60ナノメートルの長さを有し、ラメラの16%は、60〜80ナノメートルの長さを有し、ラメラの12%は、80〜100ナノメートルの長さを有し、ラメラの10%以上は100ナノメートルより長い長さを有することを示す。
【0066】
より高い密度では、本発明の超低分子量エチレンポリマーは、同様に、高分子量の比較物質のそれとは顕著に異なる結晶性構造を示す。例えば、図10は、0.915g/cmの密度及び1g/10分のIを有するエチレン/オクテンコポリマーはラメラを有するが、その若干のものはもつれているように見え、即ちタイプIII構造に相当する結晶性機構が図1(c)に示されることを明らかにする。対照的に、図11は、0.929g/cmの密度及び8900のMを有するエチレン/オクテンコポリマーがエピタキシアル結晶化を示す長いラメラを特徴とすることを明らかにする。高いポリマー密度において、超低分子量物質と高分子量物質との間の差異は、図13、14及び15において特に顕著である。
【0067】
本発明の超低分子量エチレンポリマーの特徴であるさらに非常に結晶性の物質の大部分(そしてさらに非常に無定形の物質の大部分)は、ポリマーの物理的な性質例えば溶融及び結晶化の性状に反映する。図20は、それらの透過電子顕微鏡写真が図4、5、6及び7に示されているエチレン/1−オクテンコポリマーについて示差走査熱量測定により得られる溶融曲線の集まりである。図21は、それらの透過電子顕微鏡写真図4、5、6及び7に示されているエチレン/1−オクテンコポリマーについて示差走査熱量測定により得られる結晶化曲線の集まりである。図22は、比較例G及びH並びに実施例8及び10のエチレン/1−オクテンコポリマーについて示差走査熱量測定により得られる溶融曲線の集まりである。図23は、比較例G及びH並びに実施例8及び10のエチレン/1−オクテンコポリマーについて示差走査熱量測定により得られる結晶化曲線の集まりである。
【0068】
図20及び22に画かれているように、コポリマーの分子量が増加するにつれ、溶融の性状は広がり、そしてピーク溶融温度は右にシフトする。図21及び23に画かれているように、コポリマーの分子量が低下するにつれ、結晶性溶融点は同様に右にシフトする。図20〜23は、本発明の低分子量は、それらの高分子量の相当物より大きな割合のさらに結晶性の高い物質(そしてより大きな割合のさらに無定形の高い物質)を有するという結論を支持する。これは、本発明の超低分子量物質が、等しい密度を有する対応する高分子量物質より高い温度で結晶化し始めることを示唆する。これは、ポリマー又は処方物が急速に固体化しなければならない(例えばホットメルト接着剤)、又は熱の適用でその構造の一体性を維持しなければならない(例えば高温度で消費者の機械洗浄及び乾燥を目的とする靴底)用途において利用できる。
【0069】
同様に、コモノマーの選択は、本発明の超低分子量ポリマーの高温度の性能に影響する。特に、モノマーの鎖の長さが増すにつれ、DSCにより測定される%結晶化度は、同様に、密度及びメルトインデックスが一定に保持されるとき、増加する。例えば、図16は、0.883g/cmの密度及び5000センチポイズの350°Fにおける溶融粘度(8200のM)を有するエチレン/1−オクテンポリマーが、0.887g/cmの密度及び5000センチポイズの350°Fにおける溶融粘度を有する本発明のエチレン/1−ブテンコポリマーより大きい全%結晶化度を有し、例えば28.18%対26.39%であることを示す。従って、α−オレフィンコモノマーが使用されとき、このコモノマーは、好ましくは、C〜C20α−オレフィン、さらに好ましくはC〜C20α−オレフィン、そして最も好ましくはC〜C20α−オレフィンであろう。
【0070】
本発明の超低分子量エチレンポリマーは、非流動性であることを特徴とする。即ち、本発明の超低分子量エチレンポリマーは、ASTM D−97により測定されて−30℃より高い流動点を有することを特徴とする。好ましくは、超低分子量エチレンポリマーの流動点は、室温(25℃)より高く、そしてより好ましくは50℃より高いだろう。
【0071】
本発明の超低分子量エチレンポリマーは、エチレンホモポリマー又はエチレン及び少なくとも1種の好適なコモノマーのインターポリマーであろう。好ましいコモノマーは、C〜C20α−オレフィン(特に、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン及び1−オクテン)、C〜C40非共役ジエン、スチレン、アルキル−置換スチレン、テトラフルオロエチレン、ナフテン族及びこれらの混合物を含む。
【0072】
エチレンプロピレンジエンターポリマー(EPDM)が製造されるとき、ジエンは、概して、6〜15個の炭素原子を有する非共役ジエンである。ターポリマーを製造するのに使用できる好適な非共役ジエンの代表的な例は、以下のものを含む。
【0073】
(a)直鎖脂環状ジエン、例えば1,4−ヘキサジエン;1,5−ヘプタジエン;及び1,6−オクタジエン;
(b)枝分かれ鎖脂環状ジエン、例えば5−メチル−1,4−ヘキサジエン;3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン;及び3,7−ジメチル−1,7−オクタジエン;
【0074】
(c)単環脂環状ジエン、例えば4−ビニルシクロヘキセン;1−アリル−4−イソプロピリデン;3−アリルシクロペンテン;4−アリルシクロヘキセン;及び1−イソプロペニル−4−ブテニルシクロヘキセン;
(d)多環脂環状縮合及び橋かけ環ジエン、例えばジシクロペンタジエン;アルケニル、アルキリデン、シクロアルケニル及びシクロアルキリデンノルボルネン、例えば5−メチレン−2−ノルボルネン;5−メチレン−6−メチル−2−ノルボルネン;5−メチレン−6,6−ジメチル−2−ノルボルネン;5−プロペニル−2−ノルボルネン;5−(3−シクロペンテニル)−2−ノルボルネン;5−エチリデン−2−ノルボルネン;5−シクロへキシリデン−2−ノルボルネンなど。
【0075】
好ましいジエンは、1,4−ヘキサジエン;ジシクロペンタジエン;5−エチリデン−2−ノルボルネン;5−メチレン−2−ノルボルネン;7−メチル−1,6−オクタジエン;4−ビニルシクロヘキセンなどからなる群から選ばれる。使用できる一つの好ましい共役ジエンは、ピペリレンである。
【0076】
最も好ましいモノマーは、エチレン、又はエチレン、プロピレン及びエチリデンノルボルネンの混合物、又はエチレン及びC〜Cα−オレフィン混合物、さらに特にC〜C、そして最も特に1−オクテンである。
【0077】
本発明の超低分子量エチレンポリマーは、束縛幾何学的触媒を使用して製造できる。束縛幾何学的金属錯体及びそれらの製法は、前記した米国特許5278272、5272236、5470993、5374696、5231106、5055438、5057475、5096867、5064802、及び5132380号に開示されている。これらで定義されているとおり、束縛幾何学的触媒は次のように表記することができる:
【0078】
元素同期律表の3族(但しスカンジウムを除く)、4〜10族又はランタニド系列の金属及び束縛誘発性基を置換した非局在化π−結合基を含む金族配位錯体であり、該錯体が金属原子の周りに束縛された幾何学的形状をしており、非極在化置換π−結合基の中心と少なくとも1つの残存置換基の中心の間の金属の角度が、束縛誘発性置換基を欠く非局在化π−結合基を含む以外は同じ錯体における角度より小さく、且つ該錯体は2以上の非極在化置換π−結合基をもち、その1つが環状の非極在化置換π−結合基である触媒。
【0079】
EP−A−514828では、前記の束縛幾何学的触媒のボラン誘導体が開示され、そしてそれらの製法が教示され請求されている。米国特許第5453410号では、カチオン性束縛幾何学的触媒及びアルモキサンの組合せが、好適なオレフィン重合触媒として開示されている。
【0080】
チタンが+4酸化状態で存在する束縛幾何学的金属錯体の例は、以下のものを含むが、それらに限定されない。
(n−ブチルアミド)ジメチル(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(IV)ジメチル;
(n−ブチルアミド)ジメチル(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(IV)ジベンジル;
【0081】
(t−ブチルアミド)ジメチル(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(IV)ジメチル;
(t−ブチルアミド)ジメチル(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(IV)ジベンジル;
(シクロドデシルアミド)ジメチル(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(IV)ジベンジル;
【0082】
(2,4,6−トリメチルアニリド)ジメチル(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(IV)ジベンジル;
(1−アダマンチルアミド)ジメチル(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(IV)ジベンジル;
(t−ブチルアミド)ジメチル(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(IV)ジメチル;
【0083】
(t−ブチルアミド)ジメチル(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(IV)ジベンジル;
(1−アダマンチル−アミド)ジメチル(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(IV)ジメチル;
(n−ブチルアミド)ジイソプロポキシ(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(IV)ジメチル;
【0084】
(n−ブチルアミド)ジイソプロポキシ(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(IV)ジベンジル;
(シクロドデシルアミド)ジイソプロポキシ(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(IV)ジメチル;
(シクロドデシルアミド)ジイソプロポキシ(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(IV)ジベンジル;
【0085】
(2,4,6−トリメチルアニリド)ジイソプロポキシ(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(IV)ジメチル;
(2,4,6−トリメチルアニリド)ジイソプロポキシ(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(IV)ジベンジル;
(シクロドデシルアミド)ジメトキシ(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(IV)ジメチル;
【0086】
(シクロドデシルアミド)ジメトキシ(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(IV)ジメチル;
(シクロドデシルアミド)ジメトキシ(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(IV)ジベンジル;
(1−アダマンチル−アミド)ジイソプロポキシ(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(IV)ジベンジル;
【0087】
(1−アダマンチル−アミド)ジイソプロポキシ(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(IV)ジメチル;
(n−ブチルアミド)ジメトキシ(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(IV)ジメチル;
(n−ブチルアミド)ジメトキシ(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(IV)ジベンジル;
【0088】
(2,4,6−トリメチルアニリド)ジメトキシ(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(IV)ジメチル;
(2,4,6−トリメチルアニリド)ジメトキシ(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(IV)ジベンジル;
(1−アダマンチル−アミド)ジメトキシ(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(IV)ジメチル;
【0089】
(1−アダマンチル−アミド)ジメトキシ(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(IV)ジベンジル;
(n−ブチルアミド)エトキシメチル(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(IV)ジメチル;
(n−ブチルアミド)エトキシメチル(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(IV)ジベンジル;
【0090】
(シクロドデシルアミド)ジメトキシ(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(IV)ジメチル;
(シクロドデシルアミド)ジメトキシ(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(IV)ジベンジル;
(2,4,6−トリメチルアニリド)エトキシメチル(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(IV)ジメチル;
【0091】
(2,4,6−トリメチルアニリド)エトキシメチル(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(IV)ジベンジル;
(シクロドデシルアミド)ジメチルシ(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(IV)ジメチル;
(1−アダマンチル−アミド)エトキシメチル(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(IV)ジメチル;及び
【0092】
(1−アダマンチル−アミド)エトキシメチル(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(IV)ジベンジル。
チタンが+3酸化状態で存在する束縛幾何学的金属錯体の例は、以下のものを含むが、これらに限定されない。
(n−ブチルアミド)ジメチル(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(III)2−N,N−ジメチルアミノ)ベンジル;
【0093】
(t−ブチルアミド)ジメチル(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(III)2−N,N−ジメチルアミノ)ベンジル;
(シクロドデシルアミド)ジメチル(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(III)2−N,N−ジメチルアミノ)ベンジル;
(2,4,6−トリメチルアニリド)ジメチル(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(III)2−N,N−ジメチルアミノ)ベンジル;
【0094】
(1−アダマンチルアミド)ジメチル(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(III)2−N,N−ジメチルアミノ)ベンジル;
(t−ブチルアミド)ジメチル(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(III)2−N,N−ジメチルアミノ)ベンジル;
(n−ブチルアミド)ジイソプロポキシ(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(III)2−N,N−ジメチルアミノ)ベンジル;
【0095】
(シクロドデシルアミド)ジイソプロポキシ(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(III)2−N,N−ジメチルアミノ)ベンジル;
(2,4,6−トリメチルアニリド)ジイソプロポキシ(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(III)2−N,N−ジメチルアミノ)ベンジル;
(1−アダマンチルアミド)ジイソプロポキシ(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(III)2−N,N−ジメチルアミノ)ベンジル;
【0096】
(n−ブチルアミド)ジメトキシ(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(III)2−N,N−ジメチルアミノ)ベンジル;
(シクロドデシルアミド)ジメトキシ(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(III)2−N,N−ジメチルアミノ)ベンジル;
(1−アダマンチルアミド)ジメトキシ(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(III)2−N,N−ジメチルアミノ)ベンジル;
【0097】
(2,4,6−トリメチルアニリド)ジメトキシ(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(III)2−N,N−ジメチルアミノ)ベンジル;
(n−ブチルアミド)エトキシメチル(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(III)2−N,N−ジメチルアミノ)ベンジル;
(シクロドデシルアミド)エトキシメチル(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(III)2−N,N−ジメチルアミノ)ベンジル;
【0098】
(2,4,6−トリメチルアニリド)エトキシメチル(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(III)2−N,N−ジメチルアミノ)ベンジル;及び
(1−アダマンチルアミド)エトキシメチル(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(III)2−N,N−ジメチルアミノ)ベンジル。
チタンが+2酸化状態で存在する束縛幾何学的金属錯体の例は、以下のものを含むが、これらに限定されない。
【0099】
(n−ブチルアミド)ジメチル(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン;
(n−ブチルアミド)ジメチル(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ペンタジエン;
(t−ブチルアミド)ジメチル(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン;
【0100】
(t−ブチルアミド)ジメチル(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ペンタジエン;
(シクロドデシルアミド)ジメチル(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ペンタジエン;
(シクロドデシルアミド)ジメチル(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン;
【0101】
(シクロドデシルアミド)ジメチル(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(II)1,3−ペンタジエン;
(2,4,6−トリメチルアニリド)ジメチル(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン;
(2,4,6−トリメチルアニリド)ジメチル(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(II)1,3−ペンタジエン;
【0102】
(2,4,6−トリメチルアニリド)ジメチル(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(II)ジメチル;
(1−アダマンチルアミド)ジメチル(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン;
(1−アダマンチルアミド)ジメチル(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(II)1,3−ペンタジエン;
【0103】
(t−ブチルアミド)ジメチル(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン;
(t−ブチルアミド)ジメチル(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン;
(t−ブチルアミド)ジメチル(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(II)1,3−ペンタジエン;
【0104】
(n−ブチルアミド)ジイソプロポキシ(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン;
(n−ブチルアミド)ジイソプロポキシ(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(II)1,3−ペンタジエン;
(シクロドデシルアミド)ジイソプロポキシ(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン;
【0105】
(シクロドデシルアミド)ジイソプロポキシ(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(II)1,3−ペンタジエン;
(2,4,6−トリメチルアニリド)ジイソプロポキシ(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン;
(2,4,6−トリメチルアニリド)ジイソプロポキシ(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(II)1,3−ペンタジエン;
【0106】
(1−アダマンチルアミド)ジイソプロポキシ(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン;
(1−アダマンチルアミド)ジイソプロポキシ(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(II)1,3−ペンタジエン;
(n−ブチルアミド)ジメトキシ(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン;
【0107】
(n−ブチルアミド)ジメトキシ(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(II)1,3−ペンタジエン;
(シクロドデシルアミド)ジメトキシ(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン;
(シクロドデシルアミド)ジメトキシ(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(II)1,3−ペンタジエン;
【0108】
(2,4,6−トリメチルアニリド)ジメトキシ(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン;
(2,4,6−トリメチルアニリド)ジメトキシ(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(II)1,3−ペンタジエン;
(1−アダマンチルアミド)ジメトキシ(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン;
【0109】
(1−アダマンチルアミド)ジメトキシ(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(II)1,3−ペンタジエン;
(n−ブチルアミド)エトキシメチル(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン;
(n−ブチルアミド)エトキシメチル(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(II)1,3−ペンタジエン;
【0110】
(シクロドデシルアミド)エトキシメチル(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン;
(シクロドデシルアミド)エトキシメチル(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(II)1,3−ペンタジエン;
(2,4,6−トリメチルアニリド)エトキシメチル(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン;
【0111】
(2,4,6−トリメチルアニリド)エトキシメチル(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(II)1,3−ペンタジエン;
(1−アダマンチルアミド)エトキシメチル(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン;及び
(1−アダマンチルアミド)エトキシメチル(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン(II)1,3−ペンタジエン。
【0112】
錯体は、周知の合成技術の使用により製造できる。反応は、−100℃から300℃、好ましくは−78℃から100℃、最も好ましくは0〜50℃の温度で好適な非干渉溶媒中で行われる。還元剤は、金属を高い酸化状態から低いものに還元するために使用できる。好適な還元剤の例は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム及び亜鉛、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の合金例えばナトリウム/水銀アマルガム及びナトリウム/カリウム合金、ナトリウムナフタレニド、カリウムグラファイト、リチウムアルキル、リチウム又はカリウムアルカジエニル、及びグリニャール試薬である。
【0113】
錯体の形成に好適な反応媒体は、脂肪族及び芳香族の炭化水素、エーテル、及び環状エーテル、特に枝分かれ鎖炭化水素例えばイソブタン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン及びこれらの混合物;環状及び脂環状の炭化水素例えばシクロヘキサン、シクロヘプタン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロへプタン及びこれらの混合物;芳香族及びヒドロカルビル置換芳香族化合物例えばベンゼン、トルエン及びキシレン、C1〜4ジアルキルエーテル、(ポリ)アルキレングリコールのC1〜4ジアルキルエーテル誘導体及びテトラヒドロフランを含む。前記の混合物も好適である。
【0114】
好適な活性化共触媒及び活性化技術は、以下の文献で種々の金属錯体について既に教示されている。EP−A−277003、米国特許A第5153157、5064802号、EP−A−468651(米国出願第07/547718号に相当)、EP−A−520732(米国出願第07/876268号に相当)、WO95/00683(米国出願第08/82201号に相当)、及びEP−A−520732(1992年5月1日に出願された米国出願第07/884966号に相当)。
【0115】
本発明で使用に好適な活性化共触媒は、ペルフッ素化トリ(アリール)硼素化合物、そして最も特にトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン;非ポリマー状且つ相溶性且つ非配位性のイオン形成性化合物(酸化条件下のこれらの化合物の使用を含む)、特に相溶性且つ非干渉性アニオンのアンモニウム−、ホスホニウム−、オキソニウム−、カルボニウム−、シリリウム−又はスルホニウム−塩、及び相溶性且つ非配位性アニオンのフェロセニウム塩の使用を含む。好適な活性化技術は、バルク電解(以下にさらに詳細に説明される)の使用を含む。前記の活性化共触媒及び技術の組合せも同様に使用できる。
【0116】
活性化共触媒として使用できる硼素化合物の例(但しこれらに限定されない)は、以下の通りである。
トリ置換アンモニウム塩、例えばトリメチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(sec−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムn−ブチルトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムベンジルトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(4−(t−ブチルジメチルシリル)−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(4−(トリイソプロピルシリル)−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムペンタフルオロフェノキシトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチル−2,4,6−トリメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、ジメチルオクタデシルアンモニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、及びN,N−ジメチル−2,4,6−トリメチルアニリニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート;ジ置換アンモニウム塩例えば;ジ−(i−プロピル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート及びジシクロヘキシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;
【0117】
トリ置換ホスホニウム塩、例えばトリフェニルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(o−トリル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート及びトリ(2,6−ジメチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;
【0118】
ジ置換オキソニウム塩、例えばジフェニルオキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジ(o−オクチル)オキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、及びジ(2,6−ジメチルフェニル)オキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;
【0119】
ジ置換スルホニウム塩、例えばジフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジ(o−オクチル)スルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、及びビス(2,6−ジメチルフェニル)スルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート。
【0120】
最も好ましい活性化共触媒は、トリスペンタフルオロフェニルボランである。
アルモキサン、特にメチルアルモキサン又はトリイソブチルアルミニウム変性メチルアルモキサンも好適な活性剤であり、そして本発明の金属錯体を活性化するのに使用できる。
【0121】
使用される金属錯体:活性化共触媒のモル比は、好ましくは1:1000−2:1、さらに好ましくは1:5−1.5:1、最も好ましくは1:2−1:1に及ぶ。金属錯体がトリスペンタフルオロフェニルボラン及びトリスイソブチルアルミニウム変性メチルアンモキサンにより活性化される好ましい場合には、チタン;硼素:アルミニウムのモル比は、概して、1:10:50−1:0.5:0.1、最も代表的には約1:3:5である。
【0122】
支持体、特にシリカ、アルミナ、又はポリマー(特にポリ(テトラフルオロエチレン)又はポリオレフィン)が使用でき、そして望ましくは触媒が気相重合工程で使用されるとき用いられる。支持体は、好ましくは、1:100000−1:10、さらに好ましくは1:50000−1:20、最も好ましくは1:10000−1:30の触媒(金属に基づく):支持体の重量比をもたらす量で使用される。
【0123】
いつも、個々の成分並びに回収された触媒成分は、酸素及び水素から保護されねばならない。そのため、触媒成分及び触媒は、酸素及び水分のない環境で製造且つ回収されねばならない。好ましくは、それゆえ、反応は乾燥不活性ガス例えば窒素の存在下に行われる。
【0124】
一般に、重合は、チーグラー−ナッタ又はカミンスキー−シンのタイプの重合反応に関する条件、即ち大気圧−3500気圧(34.5kPa)に及ぶ反応槽圧力で行うことができる。反応層温度は、80℃より高くなければならず、概して100〜250℃好ましくは100〜150℃でなければならず、高い反応槽温度即ち100℃より高い反応槽温度が、概して、低分子量ポリマーの形成に好ましい。
【0125】
反応槽温度に関連して、水素:エチレンのモル比はポリマーの分子量に影響し、多い水素のレベルは、低分子量ポリマーを生ずる。所望のポリマーが1g/10分のIを有するとき、水素:エチレンのモル比は概して0:1であろう。所望のポリマーが1000g/10分のIを有するとき、水素:エチレンのモル比は概して0.45:1−0.7:1であろう。水素:エチレンのモル比の上限は、約2.2−2.5:1である。
【0126】
一般に、重合工程は、10〜1000psi(70〜7000kPa)、最も好ましくは40〜60psi(300〜400kPa)のエチレンの差圧で実施される。重合は、80〜250℃、好ましくは90〜170℃、最も好ましくは95〜140℃の温度で行われる。
殆どの重合反応においては、使用される触媒:重合可能な化合物のモル比は、10−12:1−10−1:1、さらに好ましくは10−9:1−10−5:1である。
【0127】
溶液重合の条件は、反応のそれぞれの成分の溶媒を利用する。好ましい溶媒は、鉱油、及び反応温度で液体である種々の炭化水素を含む。有用な溶媒の例は、アルカン、例えばペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン及びノナン、並びにケロセン及びExxon Chemicals Inc.から入手されるIsopar E(商標)を含むアルカンの混合物;シクロアルカン、例えばシクロペンタン及びシクロヘキサン;芳香族、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン及びジエチルベンゼンを含む。
【0128】
溶媒は、反応槽の相の分離を防ぐのに十分な量で存在するだろう。溶媒が熱を吸収するように機能するとき、より少ない溶媒がより小さい断熱反応槽に導かれる。溶媒:エチレンの比(重量に基づく)は、概して2.5:1−12:1であり、その点を超えると、触媒の能率は低下する。最も代表的な溶媒:エチレンの比(重量基準)は、5:1−10:1である。
【0129】
重合は、バッチ式又は連続式の重合工程として実施でき、連続式の重合工程は、実質的に線状のポリマーの製造に要求される。連続式の工程では、エチレン、コモノマー、及び任意に溶媒及びジエンが連続的に反応帯に供給され、そしてポリマー生成物は連続的にそれから取り出される。
【0130】
本発明の超低分子量ポリマーは、さらに、不活性支持体例えばシリカに支持された上記の触媒を使用してスラリー重合工程で製造できる。実際上の制限として、スラリー重合は、ポリマー生成物が実質的に不溶である液体希釈剤で生ずる。概して、スラリー重合用の希釈剤は、5個より少ない炭素原子の1種以上の炭化水素である。所望ならば、飽和炭化水素、例えばエタン、プロパン又はブタンは、希釈剤として全部又は一部使用できる。同様に、コモノマー又は異なるコモノマーの混合物が、希釈剤として全部又は一部使用できる。概して、希釈剤は、重合されるべき1種以上のコモノマーの少なくとも大部分を占める。
【0131】
本発明の超低分子量ポリマーは、第一の反応層で重合でき、第二のポリマー(高分子量のもの及び/又は異なる密度のもの及び/又は不均一のもの)は、超低分子量ポリマーが生成されるそれに直列又は並列で接続している第二の重合槽で重合されて、所望の性質を有する反応槽内ポリマーブレンドを製造する。少なくとも1種の成分が本発明の超低分子量ポリマーであるブレンドを製造するためにこの記述の教示に従って採用できる二重反応槽工程の例は、米国特許出願第07/904770号に相当するWO94/00500、並びに1993年1月29日に出願されたUSSN08/10958に開示されている。
【0132】
添加物例えば抗酸化剤(例えば立体障害フェノール(例えばIrganox(商標)1010、Irganox(商標)1076)、ホスファイト(例えばIrgafos(商標)168)、抗ブロック添加剤、顔料、及び充填剤も、それらが所望の処分の性質を干渉しない限り、変性された処方に含まれることができる。
【0133】
当業者は、本明細書に開示された本発明が、特に開示されない成分なしに実施できることを理解するだろう。以下の実施例は、本発明のさらなる説明を提供し、それを制限するものと解釈してはならない。反対のことを述べない限り、すべての部及び%は、重量基準で表示される。
【0134】
実施例;
触媒製造 1
パート1:TiCl(DME)1.5の製造
装置(R−1とよぶ)をフード中に設置し、窒素によりパージした。それは、フラッシュを備えた底部バルブ、5口の頂部、ポリテトラフルオロエチレンガスケット、クランプ及び撹拌コンポーネント(ベアリング、シャフト及びパドル)を備えた10L容釜からなった。頚部には、以下のものを備えた。撹拌コンポーネントは中心の頚部におかれ、外側の頚部は、ガス入口/出口を頂部に備えた還流凝縮器、溶媒用の入口、熱電対、及びストッパーを有した。乾燥且つ脱酸素ジメトキシエタン(DME)をフラスコに添加した(約5L)。ドライボックス中で、700gのTiClを秤量して平衡粉末添加漏斗中に入れ、漏斗のキャップをし、ドライボックスから取り出し、ストッパーの位置で反応釜に付けた。TiClを撹拌しつつ約10分かけて添加した。添加完了後、追加のDMEをフラスコ中にTiClの残りを洗い流すのに使用した。添加漏斗をストッパーに代え、そして混合物を添加還流した。色は紫から淡青色に変わった。混合物を約5時間加熱し、室温に冷却し、固体を放置して沈澱させ、そして上澄液を固体からデカンテーションした。TiCl(DME)1.5が淡青色の固体としてR−1に残った。
【0135】
パート2:[(Me)SiMeN−t−Bu][MgCl]の製造
装置(R−2とよぶ)をR−1について記述されたように設置した。但しフラスコのサイズは30Lであった。頂部に、7個の頚部を備えた。中心の頚部に撹拌器を備え、外側の頚部は、窒素の入口/出口を頂部に備えた凝縮器、真空アダプター、試薬添加管、熱電対及びストッパーを備えた。フラスコに、4.5Lのトルエン、1.14kgの(MeH)SiMeNH−t−Bu及び3.46gのEtO中の2Mi−PrMgClを入れた。混合物を次に加熱し、エーテルを−78℃に冷却したトラップ中に沸騰させて入れた。4時間後、混合物の温度は75℃に達した。この時点で、ヒーターを切り、DMEを高温且つ撹拌溶液に添加して、白色固体の形成をもたらした。溶液を放置して室温に冷却し、物質を放置して沈澱させ、上澄液を固体からデカンテーションした。[(Me)SiMeN−t−Bu][MgCl]が、黄白色の固体としてR−2に残った。
【0136】
パート3:[(η−Me)SiMeN−t−Bu]TiMeの製造
R−1及びR−2の物質をDME(R−1中のDME3L及びR−2中の5L)中でスラリー化した。R−1の内容物を、10Lフラスコの底部バルブ並びに30Lフラスコの頂部の開口の一つに接続した輸送管を使用してR−2に移した。R−1の残りの物質を、追加のDMEを使用して洗い流した。混合物は、急速に濃赤/褐色に濃くなり、R−2の温度は21℃から32℃に上昇した。20分後、160mLのCHClを滴下漏斗をへて添加して、色が緑/褐色に変化した。これは、THF中の3M MeMgCl3.46kgの添加を伴い、温度は22℃から52℃に上昇した。混合物を30分間撹拌し、次に6Lの溶媒を真空下除いた。Isopar E(6L)をフラスコに添加した。この真空/溶媒添加サイクルを繰り返し、4Lの溶媒を取り出し、5LのIsopar Eを加えた。最後の真空の段階において、さらなる1.2Lの溶媒を取り出した。物質を一晩放置して沈澱させ、次に液層を、他の30Lガラス釜(R−3)中にデカンテーションした。R−3中の溶媒を真空下取り出して、褐色の固体が残り、それをIsopar Eにより再抽出し、この物質を貯蔵シリンダーに移した。分析は、溶液(17.23L)はチタンが0.1534Mであることを示し、これは2.644モルの[(η−Me)SiMeN−t−Bu]TiMeに等しい。R−2中の残りの固体をさらにIsopar Eにより抽出し、溶液をR−3に移し、次に真空下乾燥しそしてIsopar Eにより再抽出した。この溶液を貯蔵瓶に移し、分析は0.1403Mのチタンの濃度、並びに4.3Lの体積を示した(0.6032モル[(η−Me)SiMeN−t−Bu]TiMe)。これは、[(η−Me)SiMeN−t−Bu]TiMeの3.2469モル即ち1063gの合計収量を示す。これは、TiClとして添加されたチタンに基づいて合計72%の収率である。
【0137】
触媒の製造2
パート1:TiCl(DME)1.5の製造
装置(R−1とよぶ)をフード中に設置し、窒素によりパージした。それは、フラッシュを備えた底部バルブ、5口の頂部、ポリテトラフルオロエチレンガスケット、クランプ及び撹拌コンポーネント(ベアリング、シャフト及びパドル)を備えた10L容ガラス釜からなった。頚部には、以下のものを備えた。撹拌コンポーネントは中心の頚部におかれ、外側の頚部は、ガス入口/出口を頂部に備えた還流凝縮器、溶媒用の入口、熱電対、及びストッパーを有した。乾燥且つ脱酸素ジメトキシエタン(DME)をフラスコに添加した(約5.2L)。ドライボックス中で、300gのTiClを秤量して平衡粉末添加漏斗中に入れ、漏斗のキャップをし、ドライボックスから取り出し、ストッパーの位置で反応釜に付けた。TiClを撹拌しつつ約10分かけて添加した。添加完了後、追加のDMEをフラスコ中にTiClの残りを洗い流すのに使用した。この工程を次に325gの追加のTiClにより繰り返し、合計625gとした。添加漏斗をストッパーに代え、そして混合物を添加還流した。色は紫から淡青色に変わった。混合物を約5時間加熱し、室温に冷却し、固体を放置して沈澱させ、そして上澄液を固体からデカンテーションした。TiCl(DME)1.5が淡青色の固体としてR−1に残った。
【0138】
パート2:[(Me)SiMeN−t−Bu][MgCl]の製造
装置(R−2とよぶ)をR−1について記述されたように設置した。但しフラスコのサイズは30Lであった。頂部に、7個の頚部を備えた。中心の頚部に撹拌器を備え、外側の頚部は、窒素の入口/出口を頂部に備えた凝縮器、真空アダプター、試薬添加管、熱電対及びストッパーを備えた。フラスコに、7Lのトルエン、3.09gのEtO中の2.17Mi−PrMgCl、250mLのTHF及び1.03kgの(MeH)SiMeNH−t−Buを入れた。混合物を次に加熱し、エーテルを−78℃に冷却したトラップ中に沸騰させて入れた。3時間後、混合物の温度は80℃に達した。このとき白色の沈澱が形成された。温度を次に30分かけて90℃に上げ、この温度に2時間保持した。このとき、ヒーターを切り、2LのDMEを高温且つ撹拌溶液に添加して、追加の沈澱の形成を生じさせた。溶液を放置して室温に冷却し、物質を放置して沈澱させ、上澄液を固体からデカンテーションした。追加の洗浄をトルエンの追加により行い、数分間撹拌し、固体を沈澱させ、トルエン溶液をデカンテーションした。[(Me)SiMeN−t−Bu][MgCl]が、黄白色の固体としてR−2に残った。
【0139】
パート3:[(η−Me)SiMeN−t−Bu]Ti(η−1,3−ペンタジエン)の製造
R−1及びR−2の物質をDME中でスラリー化した(混合物の合計の体積は、R−1中で約5L及びR−2中で12Lであった)。R−1の内容物を、10Lフラスコの底部バルブ並びに30Lフラスコの頂部の開口の一つに接続した輸送管を使用してR−2に移した。R−1の残りの物質を、追加のDMEを使用して洗い流した。混合物は、急速に濃赤/褐色に濃くなり、15分後、1050mLの1,3−ペンタジエン及び2.60kgのTHF中の2.03Mn−BuMgClを同時に添加した。この添加中のフラスコ中で達した最高温度は、53℃であった。混合物を2時間撹拌し、次に11Lの溶媒を真空下除いた。ヘキサンを次に22Lの合計体積でフラスコに添加した。物質を放置して沈澱させ、液層(12L)を他の30Lガラス釜(R−3)中にデカンテーションした。追加の15Lの生成物溶液を、R−2へヘキサンを添加することにより集め、50分間撹拌し、再び放置して沈澱させ、デカンテーションした。この物質をR−3の最初の抽出物と合わせた。R−3の溶媒を真空下取り出して、赤/黒色の固体が残り、それを次にトルエンにより抽出した。この物質を貯蔵シリンダーに移した。分析は、溶液(11.75L)はチタンが0.255Mであることを示し、これは3.0モル即ち1095gの[(η−Me)SiMeN−t−Bu]Ti(η−1,3−ペンタジエン)に等しい。これは、TiClとして添加されたチタンに基づいて74%の収率である。
【0140】
実施例 1〜14及び比較例 C1〜C4
実施例1〜14及び比較例C1〜C4のポリマー生成物は、連続的に撹拌する反応槽を使用して溶液重合工程で生成される。添加物(例えば、抗酸化剤、顔料など)は、ペレット化段階中、又は製造後次の押し出しの何れかでインターポリマー生成物中に配合できる。実施例1〜7及び比較例C1〜C2は、それぞれ1250ppmのステアリン酸カルシウム、500ppmのIrganox(商標)1076立体障害ポリフェノール安定剤(Ciba−Geigy Corporationから入手)、及び800ppmのPEPQ(テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホニト)(Clariant Corporationから入手)により安定化された。実施例8〜14及び比較例C3〜C4は、それぞれ500ppmのIrganox(商標)1076、800ppmのPEPQ、及び100ppmの水(殺触媒剤として)により安定化された。
【0141】
エチレン及び水素を合わせて一つの流れにし、希釈剤混合物、C〜C10飽和炭化水素の混合物、例えばIsopar−E炭化水素混合物(Exxon Chemical Companyから入手)及びコモノマー中に導入した。実施例1〜11及び比較例C1〜C4では、コモノマーは1−オクテンであり;実施例13〜14では、コモノマーは1−ブテンであり;そして実施例12はコモノマーを有しなかった。反応槽供給混合物は、反応槽に連続的に注入された。
【0142】
金属錯体及び共触媒は、合わせて単一の流れにし、また反応槽に連続的に注入された。実施例1〜7及び比較例C1〜C2では、触媒は上記の触媒記述1のように製造された。実施例8〜14及び比較例C3〜C4では、触媒は上記の触媒記述2のように製造された。実施例1〜14及び比較例C1〜C4では、共触媒は、Boulder ScientificからIsopar(商標)E混合炭化水素中の3重量%溶液として入手できるトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランであった。アルミニウムは、Akzo Nobel Chemical Inc.から2重量%のアルミニウム濃度で入手されるヘプタン中変性メチルアルモキサン(MMAO タイプ3A)の溶液の形で提供された。重合反応槽中への導入前に、反応するのに十分な滞留時間を金属錯体に与えた。実施例1〜14及び比較例C1〜C4の重合反応について、反応層の圧力を約475psig(3380kPa)に一定に保持した。実施例1〜14及び比較例C1〜C4のそれぞれにおいて、定常状態に達した後、反応層のエチレン内容物を表1に示される条件に維持した。
【0143】
重合後、反応層を出る流れを分離器中に導入し、溶融したポリマーを、未反応コモノマー、未反応エチレン、未反応水素、及び希釈剤混合物の流れから分離する。溶融ポリマーを次にストランド切断するか、又はペレット化し、そして水浴又はペレット化器中で冷却した後、固体のペレットを集める。表3〜表6は、重合条件及び得られるポリマーの性質を示す。
【0144】
【表3】

【0145】
【表4】

【0146】
【表5】

【0147】
【表6】

【0148】
式による溶融粘度補正に基づいて計算
=3.6126(10log(η)−6.6928)/−1.1363)−9.3185
(式中、η=350°Fにおける溶融粘度)
【0149】
実施例 15〜16及び比較例 C5
実施例15〜16及び比較例C5のポリマー生成物は、周知の再循環ループ反応槽を使用して溶液重合工程で製造された。それぞれのポリマーは、2000ppmのIrganox(商標)1076立体障害ポリフェノール安定剤(Ciba−Geigy Corporationから入手)、及び35ppmの脱イオン水(殺触媒剤として)より安定化された。
【0150】
エチレン及び水素(並びに分離器から再循環されたエチレン及び水素)は、一つの流れに合わされ、希釈剤混合物、C〜C10飽和炭化水素の混合物、例えばIsopar(商標)E(Exxon Chemical Companyから入手)及びコモノマー1−オクテン中に導入される。
【0151】
金属錯体及び共触媒は、合わせて単一の流れにし、また反応槽に連続的に注入された。上記の触媒の製造2のように製造された。一次共触媒、Boulder ScientificからIsopar(商標)E混合炭化水素中の3重量%溶液として入手できるトリス(ペンタフオロフェニル)ボランであり、二次共触媒は、アルミニウムは、Akzo Nobel Chemical Inc.から2重量%のアルミニウム濃度を有するヘプタン中の溶液として入手できる変性メチルアルモキサン(MMAO タイプ3A)であった。
【0152】
重合反応槽中への導入前に、反応するのに十分な滞留時間を金属錯体に与えた。反応槽の圧力を約475psig(3380kPa)に一定に保持した。
重合後、反応槽を出る流れを分離器中に導入し、溶融したポリマーを、未反応コモノマー、未反応エチレン、未反応水素、及び希釈剤混合物の流れから分離する。溶融ポリマーを次にストランド切断するか、又はペレット化し、そして水浴又はペレット化器中で冷却した後、固体のペレットを集める。表7は、重合条件及び得られるポリマーの性質を示す。
【0153】
【表7】

【0154】
式による溶融粘度補正に基づいて計算
=3.6126(10log(η)−6.6928)/−1.1363)−9.3185
=10[(logη+10.46)/3.56)]
(式中、η=350°Fにおける溶融粘度)
【0155】
但し、実施例17〜19は、実施例1〜14に関して上述されたやり方に従って製造された。特に、実施例17及び18は、触媒の製造2に従って製造された触媒を使用して製造された。使用される添加物は、1000ppmのIrganox(商標)1076立体障害ポリフェノール安定剤(Ciba−Geigy Corporationから入手)、及び100ppmの水であった。実施例18の場合、Isopar(商標)E混合炭化水素よりむしろエチルベンゼンが溶媒として利用された。
【0156】
実施例19は、触媒の製造1に従って製造された触媒を使用して製造された。使用した添加物は、1250ppmのステアリン酸カルシウム、500ppmのIrganox(商標)1076立体障害ポリフェノール安定剤(Ciba−Geigy Corporationから入手)、及び800ppmのPEPQ(テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホニト)(Clariant Corporationから入手)であった。
使用された実験の条件及び得られるポリマーの性質は、以下の表8に示される。
【0157】
【表8】

【0158】
式による溶融粘度補正に基づいて計算
=3.6126(10log(η)−6.6928)/−1.1363)−9.3185
=10[(logη+10.46)/3.56)]
(式中、η=350°Fにおける溶融粘度)
【0159】
比較例
4L容のオートクレーブ撹拌反応槽に、865.9gのIsopar(商標)E(Exxon Chemical Companyから入手)及び800.4gの1−オクテンを入れた。反応槽を120℃に加熱し、水素75ccシリンダーから加えた。水素を添加してシリンダー中に250psig(1800kPa)の圧力低下を生じさせた。反応槽を次に450psig(3200kPa)のエチレンに加圧した。触媒を1cc/分の速度で加えた。触媒は、上記の触媒の製造1で製造され、そして0.005Mの触媒の製造1、Isopar E炭化水素混合物中のトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランの0.015M溶液1.5mL(Isopar E炭化水素混合物中のトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランの3重量%溶液は、Boulder Scientificから入手)、Isopar E炭化水素混合物中の変性メチルアルモキサン(MMAO タイプ3A)の0.05M溶液1.5mL(2重量%のアルミニウム含量を有するヘプタン中のMMAO タイプ3Aの溶液は、Akzo Nobel Chemical Inc.から入手)、及び19.5mLのIsopar E炭化水素混合物の比で他の共触媒と混合された。エチレンを要求に応じ供給した。反応槽の温度及び圧力をそれぞれ120℃及び450psig(3200kPa)に設定した。反応を23.1分続けた。次に、撹拌を止め、反応槽の内容物をガラス採集釜に移した。反応槽の生成物を一晩真空で乾燥した。
【0160】
このようにして製造したエチレン/オクテン生成物は、0.867g/cmの密度、842g/10分の190℃におけるIを有した。
以下の追加の比較例は、米国特許第5272236及び5278272号の教示に従って製造されたエチレン/1−オクテンの実質的に線状のポリマーを表す。比較例の性状及び若干の代表的な性質は、表9に示される。
【0161】
【表9】

【0162】
透過電子顕微鏡写真の調製及びそれらのデジタル分析
透過電子顕微鏡写真は、実施例及び比較例の特定のポリマーからとられ、そして上記の図に示される。それぞれの場合、ポリマーは、厚さ125ミル(0.318cm)及び直径1インチ(2.5cm)を有する圧縮成形のプラークに形成された。プラークを15℃/分の速度で冷却した。結晶性構造は、四酸化ルテニウムによる無定形ポリエチレンの選択的酸化により明らかにされた。ポリマーフィルムを、水100mL中の次亜塩素酸ナトリウムの5.35重量%溶液10mL及び0.2gの塩化ルテニウムの溶液から発生した四酸化ルテニウム蒸気に120分間曝した。厚さ1000オングストロームを有するプラークの断片を、Reichert Jung Ultracut Eミクロトームにより室温で切断し、そしてポリビニルFormvar支持体(支持体は、Electron Microscopy Sciencesから入手)を有する200銅メッシュグリッド上に置いた。顕微鏡検査は、100キロボルトの加速電圧で操作されるJEOL 2000FX TEMでなされた。得られた顕微鏡写真は、図に示され、1mmは0.01111ミクロメートルを表す。
【0163】
透過電子顕微鏡写真のあるもののデジタル像は、CCDビデオカメラを介してQuantimet 570のデジタル像分析器(Leica,Inc.から入手)を使用して得られた。白色トップハットフィルターを、バイナリー即ち灰色の背景に対して白色で示されるラメラの検出前に光学顕微鏡写真に適用した。フィルターは、サイズが約6ナノメートルのディスクであった。検出の閾値は、初めの像として得られるバイナリーとを肉眼で比較することにより設定された。バイナリーの最小のエディティングは、検出工程で遭遇する明らかな脱落又は包含を補正するのになされた。
【0164】
示されたラメラの長さを測定した。以下の範囲の長さのそれぞれのラメラが係数された。40ナノメートル以下、40〜60ナノメートル、60〜80ナノメートル、80〜100ナノメートル、100〜120ナノメートル、120〜140ナノメートル、140〜160ナノメートル、160〜180ナノメートル、180〜200ナノメートル、そして200ナノメートル以上。平均のラメラの長さを測定した。断面のすべてのラメラが焦点に合っている。即ち他のラメラにより隠されているラメラがないため、1立方ミクロン当たりのラメラの数は、1立方ミクロン当たりのラメラの数に断面の厚さ即ち1000オングストロームをかけることにより求められた。
【図面の簡単な説明】
【0165】
【図1】均一エチレン/1−オクテンコポリマーの透過電子顕微鏡写真の特徴の簡単な図。
【図2】0.855g/cmの密度及び0.5g/10分のIを有するエチレン/1−オクテンコポリマーの90000倍の透過電子顕微鏡写真。
【図3】実施例1の超低分子量ポリマー(0.855g/cmの密度、4600のM及び350センチポイズの350°Fにおける溶融粘度を有するエチレン/1−オクテンコポリマー)の90000倍の透過電子顕微鏡写真。
【図4】比較例Dのポリマー(0.870g/cmの密度及び1g/10分のIを有する実質的に線状のエチレン/1−オクテンコポリマー)の90000倍の透過電子顕微鏡写真。
【図5】比較例C2のポリマー(0.870g/cmの密度及び246g/10分のIを有するエチレン/1−オクテンコポリマー)の90000倍の透過電子顕微鏡写真。
【図6】実施例2の超低分子量ポリマー(0.871g/cmの密度、9100のM及び4200センチポイズの350°Fにおける溶融粘度を有するエチレン/1−オクテンコポリマー)の90000倍の透過電子顕微鏡写真。
【図7】実施例3の超低分子量ポリマー(0.870g/cmの密度、4200のM及び355センチポイズの350°Fにおける溶融粘度を有するエチレン/1−オクテンコポリマー)の90000倍の透過電子顕微鏡写真。
【図8】実施例4の超低分子量ポリマー(0.897g/cmの密度、8700のM及び5200センチポイズの350°Fにおける溶融粘度を有するエチレン/1−オクテンコポリマー)の90000倍の透過電子顕微鏡写真。
【図9】実施例17の超低分子量ポリマー(0.890g/cmの密度、4500のM及び350センチポイズの350°Fにおける溶融粘度を有するエチレン/1−オクテンコポリマー)の90000倍の透過電子顕微鏡写真。
【図10】0.915g/cmの密度及び1g/10分のIを有する実質的に線状のエチレン/1−オクテンコポリマーの90000倍の透過電子顕微鏡写真。
【図11】実施例5の超低分子量ポリマー(0.929g/cmの密度、8900のM及び5600センチポイズの350°Fにおける溶融粘度を有するエチレン/1−オクテンコポリマー)の90000倍の透過電子顕微鏡写真。
【図12】実施例18の超低分子量ポリマー(0.930g/cmの密度、4700のM及び400センチポイズの350°Fにおける溶融粘度を有するエチレン/1−オクテンコポリマー)の90000倍の透過電子顕微鏡写真。
【図13】0.960g/cmの密度及び1g/10分のIを有する実質的に線状のエチレンホモポリマーの90000倍の透過電子顕微鏡写真。
【図14】実施例6の超低分子量ポリマー(0.963g/cmの密度、8000のM及び5200センチポイズの350°Fにおける溶融粘度を有するエチレン/1−オクテンコポリマー)の90000倍の透過電子顕微鏡写真。
【図15】実施例7の超低分子量ポリマー(0.968g/cmの密度、3700のM及び395センチポイズの350°Fにおける溶融粘度を有するエチレン/1−オクテンコポリマー)の90000倍の透過電子顕微鏡写真。
【図16】実施例13の超低分子量ポリマー(0.868g/cmの密度及び5290センチポイズの350°Fにおける溶融粘度を有するエチレン/1−ブテンコポリマー)の90000倍の透過電子顕微鏡写真。
【図17】実施例14の超低分子量ポリマー(0.887g/cmの密度及び5000センチポイズの350°Fにおける溶融粘度を有するエチレン/1−ブテンコポリマー)の90000倍の透過電子顕微鏡写真。
【図18】透過電子顕微鏡写真が図4、5、6及び7に示される、デジタル像分析により測定されるとき、エチレン/オクテンコポリマーに関する指示された範囲の長さを有するラメラの集団を表す棒グラフ。
【図19】透過電子顕微鏡写真が図4、5、6及び7に示されるエチレン/1−オクテンコポリマーに関する、デジタル像分析により測定される指示された範囲の長さを有するラメラの頻度、即ち指示された範囲の長さを有する全ラメラの%を表す棒グラフ。
【図20】透過電子顕微鏡写真が図4、5、6及び7に示されるエチレン/1−オクテンコポリマーに関する、示差走査熱量測定により測定される溶融曲線のグラフ。
【図21】透過電子顕微鏡写真が図4、5、6及び7に示されるエチレン/1−オクテンコポリマーに関する、示差走査熱量測定により測定される結晶化曲線のグラフ。
【図22】比較例G及びH並びに実施例8及び10のエチレン/1−オクテンコポリマーに関する、示差走査熱量測定により測定される溶融曲線のグラフ。
【図23】比較例G及びH並びに実施例8及び10のエチレン/1−オクテンコポリマーに関する、示差走査熱量測定により測定される結晶化曲線のグラフ。
【図24】(本発明のエチレン/1−オクテン及びエチレン/1−ブテンコポリマーの全%結晶化度)対(これらのコポリマーの密度)のプロットグラフ。
【図25】実施例19の超低分子量ポリマー(0.920g/cmの密度、9800M及び5620センチポイズの350°Fにおける溶融粘度を有するエチレン/1−オクテンコポリマー)の90000倍の透過電子顕微鏡写真。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲル浸透クロマトグラフィーで測定した数平均分子量が(M)が11000以下であり且つゲル浸透クロマトグラフィーで測定した分子量分布M/Mが1.5−2.5であることを特徴とする非流動性均一超低分子量エチレンポリマー。
【請求項2】
該ポリマーが、エチレンと、エチレン性不飽和モノマー、共役又は非共役ジエン及びポリエンからなる群から選ばれた少なくとも1種のコモノマーとのコポリマーである請求項1の超低分子量エチレンポリマー。
【請求項3】
該コモノマーが、C〜C20α−オレフィン、スチレン、アルキル置換スチレン、ビニルベンゾシクロブタン、1,4−ヘキサジエン及びナフテン族からなる群から選ばれるエチレン性不飽和モノマーである請求項2の超低分子量エチレンポリマー。
【請求項4】
コモノマーが、C〜C20α−オレフィンであるエチレン性不飽和モノマーであり、そしてα−オレフィンが、1−プロペン、イソブチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−へプテン、4−メチル−1−ペンテン、及び1−オクテンからなる群からさらに選ばれる請求項3の超低分子量エチレンポリマー。
【請求項5】
コモノマーが、C〜C20α−オレフィンであるエチレン性不飽和モノマーであり、そしてα−オレフィンが、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、及び1−オクテンからなる群からさらに選ばれる請求項3の超低分子量エチレンポリマー。
【請求項6】
コモノマーが、C〜C20α−オレフィンであるエチレン性不飽和モノマーであり、そしてα−オレフィンが、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、及び1−オクテンからなる群からさらに選ばれる請求項3の超低分子量エチレンポリマー。
【請求項7】
ポリマーが0.850〜0.869g/cmの密度を有する請求項1の超低分子量エチレンポリマー。
【請求項8】
ポリマーが0.870〜0.889g/cmの密度を有する請求項1の超低分子量エチレンポリマー。
【請求項9】
ポリマーが0.890〜0.899g/cmの密度を有する請求項1の超低分子量エチレンポリマー。
【請求項10】
ポリマーが0.900〜0.919g/cmの密度を有する請求項1の超低分子量エチレンポリマー。
【請求項11】
ポリマーが0.920〜0.949g/cmの密度を有する請求項1の超低分子量エチレンポリマー。
【請求項12】
透過電子顕微鏡を使用して観察したとき、長さが40ナノメートルより長いラメラを有することを特徴とする、0.900g/cmより小さい密度を有する非流動性均一超低分子量半結晶性エチレン/α−オレフィンインターポリマー。
【請求項13】
ラメラの少なくとも60%が40ナノメートルより長い長さを有する請求項12の超低分子量半結晶性エチレン/α−オレフィンインターポリマー。
【請求項14】
ラメラの少なくとも20%が60ナノメートルより長い長さを有する請求項13の超低分子量半結晶性エチレン/α−オレフィンインターポリマー。
【請求項15】
ラメラの少なくとも80%が40ナノメートルより長い長さを有する請求項12の超低分子量半結晶性エチレン/α−オレフィンインターポリマー。
【請求項16】
ラメラの少なくとも30%が60ナノメートルより長い長さを有する請求項15の超低分子量半結晶性エチレン/α−オレフィンインターポリマー。
【請求項17】
ラメラの少なくとも10%が80ナノメートルより長い長さを有する請求項15の超低分子量半結晶性エチレン/α−オレフィンインターポリマー。
【請求項18】
ラメラの少なくとも40%が60ナノメートルより長い長さを有する請求項15の超低分子量半結晶性エチレン/α−オレフィンインターポリマー。
【請求項19】
ラメラの少なくとも20%が80ナノメートルより長い長さを有する請求項15の超低分子量半結晶性エチレン/α−オレフィンインターポリマー。
【請求項20】
ラメラの少なくとも5%が100ナノメートルより長い長さを有する請求項15の超低分子量半結晶性エチレン/α−オレフィンインターポリマー。
【請求項21】
球晶を欠くこと、並びに透過電子顕微鏡を使用して観察したとき、100ナノメートルより長い平均長さをもつラメラを有することを特徴とする、少なくとも0.920g/cmの密度を有する非流動性均一超低分子量エチレンポリマー。
【請求項22】
エチレンと少なくとも1種のエチレン性不飽和コモノマーとを、束縛幾何学的触媒の存在下少なくとも80℃の反応温度で反応させて、数平均分子量(M)が11000以下であり且つゲル浸透クロマトグラフィーで測定した分子量分布M/Mが1.5〜2.5であることを特徴とする非流動性均一超低分子量エチレンポリマーを形成することからなる方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2006−28526(P2006−28526A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−253070(P2005−253070)
【出願日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【分割の表示】特願平9−526309の分割
【原出願日】平成9年1月22日(1997.1.22)
【出願人】(502130582)ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレーテッド (21)
【Fターム(参考)】