説明

超微小及び微小粒子を単離するための方法並びにその結果の粒子

【課題】粒子を単離するための方法の提供。
【解決手段】単離された粒子を作製するための方法であって、高度に分散されたコロイド状懸濁物の中に存在する粒子を封入材料により少なくとも実質的に封入し、当該封入粒子が当該懸濁物から分離しても独立且つ分離したまであり続けるようにする段階を含む方法。更には、前記封入材料で少なくとも実質的に封入された独立且つ分離した粒子。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は超微小粒子及び微小粒子並びにかかる粒子を作製及び単離するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
超微小粒子は当業界では約 100nm以下の直径を有するものと定義される。かかる粒子は従って慣用の粉末よりは小さいが、典型的な原子塊(clusters)よりは大きい。超微小粒子はその幾多の用途、例えばセラミック及び金属構築物、電子器具における導電路及び/又は導電層の形成、並びに触媒の製造における利用に基づき、多大な注目を浴びている。例えば、セラミック及び金属部品の形成における超微小粒子の利用は小さな粒度を供し、それ故当該部品に最適な物理特性(例えば強さ及び延性)を供与する。また、電子器具において、当該小粒子はより微細な導路の形成を可能にする。超微小粒子を製造するために利用されるプロセスのバリエーションはより大きないわゆる「微小」粒子をも供する。かかる粒子は 100nmより大きく、且つ1500nmより小さい直径を有する粒子として定義される。超微小粒子が所望される多くの用途にとって、微小粒子は同等に有用でありうる。
【0003】
しかしながら、超微小粒子及び微小粒子の粉末を、大きめのあまり有用でない粒子へと凝集してしまうことなく得ることは困難である。即ち、当業者はかかる凝集を防ぐために液体懸濁物中の超微小及び微小粒子を単離することは試みてきた。
【0004】
例えば、米国特許第 4,872,905号はスパッタリングプロセス及び液状基材を利用することにより粒子を獲得する方法を論じている。標的電極から発生した金属粒子は加熱液状油の蒸気と遭遇し、油蒸気により覆われ、そして液状油により捕捉されてしまう。有用な最終製品を得るために複雑な回収工程が必要とされる。特に、この液体は油分を薄くし、且つコロイド状懸濁物を形成するために2種類の溶媒、例えばケロセン及びアセトンと混合しなくてはならない。アセトン(又はその他の溶媒及び油よりも低い沸点を有する同等の溶媒)を溶液の加熱により除去し、そして油分被覆粒子を溶液内で沈降させる。この分離プロセスは4回まで実施する必要がありうる。更に、粒子を利用する前、油分被覆は例えば粒子をジオキサンの如き溶媒中で洗浄することにより除去せねばならない。油分が一旦溶けたら、これらの粒子は凝集する傾向にある。従って、当該特許の方法は凝集することなく超微小又は微小粒子を貯蔵する方法を供しうるが、粒子の実際の用途を促進するような状況で単離粒子を供与する手段は供しない。
【0005】
超微小及び微小粒子を取り扱う別の特許、米国特許第 4,877,647号には、金属粒子のコロイド状懸濁物を獲得するための方法が記載されている。真空中の気化金属は気体又は液体として存在しうる溶媒により捕捉されうる。典型的には外部冷却設備が供され、これにより捕捉金属原子及び原子塊を含む溶媒を気化槽の内部へと凍結させることができる。凍結マトリックスは溶媒内で金属粒子のコロイド状懸濁物が形成されるように槽内でゆっくり加熱する。しかしながら、溶媒の少なくとも30〜1000重量部という大過剰の溶媒が懸濁物を得るために必要とされる。好適な金属負荷範囲は0.02〜0.09モラーである。このレベルを超えると、金属粒子は凝集して沈殿する傾向にあるであろう。従って、米国特許第 4,877,647号に従って製造された超微小及び微小粒子は幾多の用途において利用することは難しく、なぜならこれらは必要とされる大量の溶媒とは別に且つ独立には利用できないからである。更に、溶媒量の削減は望ましくない凝集を供し、それ故粒子の有用性を破壊してしまう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、他のものから単離されたままであり続け、しかも取り扱いを助長し、且つ潜在的な用途を最大にする超微小及び微小粒子を製造するための方法についてのニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は粒子を単離するための方法に関する。当該方法は高度に分散されたコロイド状懸濁物として存在する粒子を封入材料で少なくとも実質的に封入し、この封入粒子が懸濁物から分離されても独立且つ分離したままであり続けるようにする工程を包括する。
【0008】
本発明は更に超微小粒子を単離するための方法であって、有機溶媒中の少なくとも一種の金属の超微小粒子の高度に分散されたコロイド状懸濁物を調製し、当該懸濁物に封入材料を、当該超微小粒子が当該封入材料により実質的に封入されるように添加し、次いで当該懸濁物からこの封入粒子を分離することを含む方法に関連する。
【0009】
本発明は更に封入材料で少なくとも実質的に封入された独立且つ分離した超微小及び微小粒子に関連し、ここで当該封入材料はアミン、エーテル、チオール、スルフィド、カルボン酸、ヒドロキシ酸、スルホン酸、ポリヒドロキシアルコール、オルガノシラン、チタネート、ジルコネート、ジルコアルミネート、カルボキシレート、スルフェート、スルホネート、アンモニウム塩、ピロル、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾル、ピロリン、ピロリジン、ピリジン、ピリミジン、プリン、トリアゾール、トリアジン及びそれらの誘導体から選ばれる少なくとも一種の化合物であり、かかる粒子は独立且つ分離されたままであり続ける状態で封入されている。
【0010】
以上の一般的な説明及び下記の詳細な説明は例示であり、そして請求の範囲の発明の更なる説明のために供するものと解すべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の方法は金属元素、非金属元素、無機化合物及び有機化合物の粒子に適用可能であり、これらの粒子は高度に分散されたコロイド状懸濁物を形成することができる。
【0012】
固体元素は例えば硼素、炭素、珪素及び主族元素、例えばアルミニウム、ベリリウム、マグネシウム等の、気相において原子及び塊状物質を形成することができ、適当な媒質の中でコントロール可能な状態で粒子を形成してコロイド状懸濁物を供することのできるものである。
【0013】
無機固体化合物、例えば金属の酸化物、スルフィド、セレニド、テルリド、ホスフィド、アンチモニド、フルオリド及びその他のハライド誘導体が適当な媒質中でコロイド状粒子を形成することで知られる。同様に、その他の無機化合物、例えばボライド、カーバイド、ニトリド及びシリコーンは超微小粒をコントロール可能態様で形成する。二成分、三成分及び四成分金属合金等並びに金属間化合物も適当な方法及び条件を利用して超微小粒子を形成できる。様々な方法により製造し得る有機及び無機顔料は共に、それらが媒質内でよく分散されていることを保ち、且つそれらを所望の粒子サイズ及び粒度分布において供するのに多大な肉体的及び革新的な努力を必要とする。かかる材料を独立粒子として保つ能力はそれ故その製造方法の効率性を高め、且つその機能特性を向上させる。
【0014】
本発明の一の態様に係る単離された金属粒を製造する初期工程は有機溶媒中の金属粒子の高度に分散されたコロイド状懸濁物の形成である。かかる懸濁物を調製する一の方法は米国特許第 4,877,647号に記載されている。その開示内容全体を引用することで本明細書に組入れる。
【0015】
この懸濁物はまず1又は複数種の金属を気化させて金属原子及び原子塊を得ることにより調製し得る。1又は複数種の金属は好ましくは21〜32, 39〜50及び/又は72〜82の原子番号を有する。金属原子及び原子塊を気化状態で有機溶媒蒸気中に捕捉させる。原子及び原子塊含有溶媒蒸気を凍結させるか又は実質的に凍結させてマトリックスを形成する。このマトリックスを、捕捉金属原子及び原子塊が沈殿しないように徐々に室温にまで温める。
【0016】
上記の金属全てが利用できうるが、超微小粒子を形成するための好適な金属はコバルト、ニッケル、銅、パラジウム、銀、プラチナ、金、錫、鉛及びそれらの混合物である。
【0017】
かかる方法において、1又は複数種の金属を好ましくは真空のもとで蒸発させ、ここで得られる金属原子及び原子塊は蒸気又は液状で有機溶媒と同時に凝縮し、凍結又は実質的に凍結したマトリックスを形成する。10-2torr未満、好ましくは10-4torr未満の真空度を採用してよい。固体マトリックスを形成するのに金属原子及び金属塊並びに溶媒を凝縮及び凍結させるために極度に低温の界面を必要とするため、真空チャンバーの内部上でマトリックスを形成するのに液体窒素冷却が利用されうる。金属原子及び原子塊並びに溶媒蒸気のマトリックスは完全に凍結させることが好ましく、なぜなら凍結又は固体マトリックスに関与するプロセスの方はコントロールし易く、そして部分凍結したマトリックスに関与するプロセスよりも良い結果を供するであろうからである。
【0018】
固体マトリックスは好ましくは室温にまでゆっくりと、例えば1〜4時間かけて温め、懸濁物を得る。他方、凍結点の約15℃以内に冷却された追加の溶媒を凍結マトリックスに添加するか、又は凍結マトリックスを類似の冷却溶媒を含む槽に移してよい。かかる凍結マトリックスの移動、又は溶媒の添加の際、溶媒を強力に撹拌し続けることが好ましい。この撹拌は凍結マトリックスの温度上昇をはやめ、そして原子凝集過程のコントロールに役立ち、それ故所望のサイズの粒子の獲得を可能にする。この撹拌は必要とされる溶媒の量を小さくもする。
【0019】
懸濁物を調製するための適当な装置には真空ポンプに接続されたロータリー又は静止反応槽アセンブリーが含まれる。この反応槽アセンブリーは使用する1又は複数種の金属を気化するための抵抗加熱源の備ったフラスコより成ってよい。電子銃等を抵抗加熱源の代わりに使用してよい。更に、当該反応槽アセンブリーには1又は複数の気化源が備っていてよい。溶媒をフラスコに導入するための、好ましくは溶媒をフラスコの壁に導いてマトリックスの形成を助長する入口が備っていてよい。外部冷却設備を蒸発して金属及びフラスコ壁上の溶媒を凝縮及び凍結するために備っているのが好ましい。
【0020】
溶媒内での極度に少ない金属負荷量では、金属はゼロ価の溶媒和原子又は小原子塊として存在する。溶媒和現象は原子又は原子塊と溶媒との強力な相互作用を特徴とし、金属から溶媒分子に至る、又はその逆の電子シフトを供する。電子のシフトは局在帯電を構築し、これは懸濁物に帯電安定性を供する。
【0021】
高い負荷量において、短寿命の溶媒和金属原子又は原子塊は大きめの塊を形成し、それ故界面の自由エネルギーを最小にすることによる熱力学的な平衡を求める。このことは、凝塊の度合いに応じ、超微小又は微小粒子の形成を招く。この現象は金属と溶媒の組合せ、溶媒の流速、濃度、温度及び金属の蒸発速度の適正な選択により高度にコントロール可能である。この方法により製造された粒子は高い安定性を特徴とする高度に分散されたコロイド状懸濁物として存在する。「安定」なコロイド状懸濁物は、沈降、凝集、又は独立して粒子のサイズの任意の変化が生ずることなく、数回、数週間又は数ヶ月にわたり媒質全体に均一に分散され続けているコロイド状粒子の分散体と定義される。溶媒は金属粒子同志の相互作用又は会合を防ぎ、そして一部の溶媒−金属対に関しては、その懸濁物は周囲条件において無期限に安定し続けうる。
【0022】
本明細書で用いる語「溶媒」とは当業界において溶媒と一般的に称呼され、且つ上記のコロイド状懸濁物を形成できる有機溶媒を包括する。極性有機溶媒の方が非極性溶媒に比しての金属原子及び原子塊を複合又は溶媒和するその優れた能力に基づき好ましいが、所望のコロイド状懸濁物を形成する任意の溶媒が適当である。溶媒の好適な誘電率は約10〜約55である。適当な溶媒にはケトン、アルコール、エーテル等が含まれる。その例には、限定することなく、アセトン、メチルエチルケトン、エタノール、プロパノール、ジメチルホルムアミド、トリエチルアミン、ベンズアルデヒド、アセトアルデヒド、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド等が含まれる。好適な溶媒はアセトン、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等である。金属原子の場合、溶媒は、反応槽チャンバー内での凝縮条件、即ち、溶媒の凍結点の25℃以内で原子と実質的に非反応性であるべきである。
【0023】
金属の気化原子及び原子塊から溶媒中の金属粒子のコロイド状懸濁物を製造するための類似の方法は、本発明において利用するのに、非金属元素、有機化合物及び無機化合物の粒子の懸濁物を形成する全ての方法と同等に適当である。かかる懸濁物の例には、限定することなく、ヒドロゾル、有機ゾル及びエアロゾルが含まれる。しかしながら、コロイド状懸濁物を形成するかかる全ての方法に共通することは、回収可能且つ有用な粒子の量と比べ、特にヒドロゾル及び有機ゾル系において、大過剰の溶媒が必要とされることにある。大量の溶媒が必要であることは、それが実用的な用途のための粒子の有用性を制約する点で問題である。
【0024】
本発明に従うと、封入材料を粒子の高度に分散されたコロイド状懸濁物に加え、そしてこれら粒子とイオンもしくは共有結合を形成させることにより、又は粒子の表面上に吸着させることによりこれら粒子を封入せしめる。本明細書で用いる「封入」なる語は熱力学的に駆動するプロセスを意味し、それにおいては封入材料分子は粒子を被覆又は覆う。即ち、封入材料は粒子を少なくとも部分的に覆うか、又は粒子のまわりに単層被膜又はさやの形状をとる。好ましくは、粒子の表層全体を封入する。最適には、被覆は直接的な粒子間相互作用を効率的に防ぎ、それ故粒子の凝集を防ぐ。(a)2個以上の粒子に対する単一の封入材料分子の吸着及び(b)分離した複数の粒子上に吸着した封入材料間の弱い相互作用の場合は大半の封入粒子間で弱い連結を供する。得られる相互作用は開放した三次元網目構造を構築し、そして封入粒子の網目構造が成長することで、これら網目構造を形成した粒子は凝集し始める。しかしながら、これらの粒子は封入により、この凝集過程を通じて独立且つ分離したままであり続ける。好ましくは、凝集物を懸濁物から沈降させ、それ故材料の回収がし易くする。懸濁物の沈降の後、材料を簡単な撹拌により容易に再分散させる。懸濁物から分離させても、粒子は周囲条件において独立物質として封入されたままであるが、より濃厚且つ有用な形態で入手できるようになる。
【0025】
封入材料はアミン、エーテル、チオール、スルフィド、カルボン酸、ヒドロキシ酸、スルホン酸、ポリヒドロキシアルコール、オルガノシラン、チタネート、ジルコネート、ジルコアルミネート、カルボキシレート、スルフェート、スルホネート、アンモニウム塩、ピロル、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、ピロリン、ピロリジン、ピリジン、ピリミジン、プリン、トリアゾール、トリアジン及びこれらの化合物の任意の誘導体から選ばれる1又は複数種の化合物であってよい。これらの材料のうち、アミン、エーテル、チオール、スルフィド、カルボン酸、ヒドロキシ酸、スルホン酸、ポリヒドロキシアルコール又はそれらの誘導体が金属粒子のために好適である。オルガノシラン、チタネート、ジルコネート、ジルコアルミネート、カルボキシレート、スルフェート、スルホネート、アンモニウム塩又はそれらの誘導体は非金属粒子のために好適である。そしてピロル、ワラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、ピロリン、ピロリジン、ピリジン、ピリミジン、プリン、トリアゾール、トリアジン又はそれらの誘導体は金属及び一部の非金属のために適当であるが、金属のために好適である。適当な封入材料は粒子及び溶媒の特徴に基づき当業者により選定し得る。
【0026】
金属粒子のために好適な封入材料はトリエタノールアミン、エチレンジアミン、オレイン酸、マロン酸、ヒドロキシ酢酸、ジメチルスルホキシド、プロピレングリコール、ヘキサントリオール、ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジメチルホルムアミド、1−(2−シアノエチル)ピロル、3−(2−フリル)アクリロニトリル、3−チオフェンマロン酸、メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンゾキサゾール、6−アミノベンゾチアゾール、3−(2−アミノエチル)ピラゾル、1−ピロリジンブチロニトリル、3−ピリジンアクリル酸、4,6−ジヒドロキシピリミジン、6−メルカプトプリン、1−クロロベンゾトリアゾール、2,4,6−トリアリルオキシ−1,3,5−トリアジン及びそれらの誘導体から選ばれる1又は複数種の化合物である。特に好適なのはマロン酸、オレイン酸、1,2,6−ヘキサントリオール及びトリエタノールアミンである。
【0027】
自己集成型単層として知られる単層形成化合物、例えばアルカンチオール、ジアルキルスルフィド、ジアルキルジスルフィド、アルコール、アミン及びカルボン酸は金属及び非金属粒子の両者のために有用な封入材料である。この群の好適な化合物はウンデカンチオール及びジウンデシルジスルフィドである。
【0028】
ヒドロキシル化表層を有する非金属粒子、例えばシリカ、珪素、アルミナ等のための封入材料にはカップリング剤、例えばオルガノシラン、チタネート、ジルコネート及びジルコアルミネートが含まれる。このタイプの好適な封入材料はトリメチルエトキシシラン、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、及びネオアルコキシトリスネオデカノイルジルコネートが含まれる。
【0029】
両親媒型の封入材料、例えば界面活性剤、例えばカルボキシレート、スルフェート、スルホネート及びアンモニウム塩も非金属のために有用な封入材料である。好ましい両親媒型の封入材料はステアリン酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム、ジイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム及びセチルトリメチルアンモニウムブロミドである。
【0030】
封入材料はそれを懸濁物に添加する前に溶媒と混合してよく、又は同様に、封入材料を追加の溶媒と一緒に懸濁物に加えてよい。
【0031】
所定の懸濁物に添加すべき封入材料の量は懸濁物の約4〜8のアリコートサンプルの「滴定」により決定し得る。各懸濁物サンプルに漸増量の封入材料を単独で、又は溶液中で添加することが好ましい。1〜6時間後、二層、即ち、単離された封入粒子を含む第一「沈降」層と、透明から出発懸濁物に近い色の第二層が形成される。透明な第二層を有し、最少量の封入材料の添加したサンプルを、どれぐらいの量の封入材料を懸濁物に添加すべきかを決定するために加える。理論的には、この量は懸濁物中の粒子全てに完全な表層被覆を供するのに必要な最少限の量である。必要とされる実際の量は更に、懸濁物中に存在する粒子全ての総表面積及び粒子と封入材料との相互作用の性質に依存する。一部のエアゾール系においては、 in situ封入はコントロールしにくく、そして独立粒子を製造及び維持するうえで完璧に有効ではないことがある。
【0032】
単離された封入粒子を含む凝集体は懸濁物の溶媒から、任意の慣用の手段、例えば透明溶媒層のデカンテーション又は分別ろう斗もしくは類似の装置を利用する粒子を含む下層の分離により分離できうる。回収した粒子は封入されたままであり、少量の過剰封入材料及び残留溶媒が一緒である。従って回収された粒子は「インク」の形態をとっている。この「インク」は超微小又は微小粒子の濃厚なより有用な形態を構成し、個々の粒子は独立且つ分離したままである。この「インク」形態において、粒子はシールされた容器内で周囲条件において無期限的に単離されたままであり、そして大気中でも取り扱うことができる。「インク」中の過剰量の封入材料及び溶媒は窒素気流を吹き込むことにより又はその他の当業界公知の手段により溶媒を蒸発させることにより減らすことができる。
【0033】
より濃厚且つ有用な単離された超微小粒子の形態を供することに加えて、本発明は狭い粒度分布を有する粒子を供する。これは関与するコントロールされた原子凝集及び核形成過程、並びに溶媒和金属原子又は原子塊が界面の自由エネルギーを最少限にするために大きめの凝塊を形成することによる熱力学的平衡を求めるという現象に基づく。安定性も封入により授けられ、それは粒子間相互作用、それ故凝集を最少限にする。典型的には、本発明に従って形成される超微小粒子は20nm〜70nmの平均直径を、使用する1又は複数種の特定の金属及び採用する条件に依存して有するであろう。このプロセス条件の調整により作られる大きめの「微小」粒子は典型的には 100nm〜1500nmの直径を有するであろう。
【0034】
本発明に従って作られた濃厚な封入された単離粒子は様々な用途のために利用し得る。これらの粒子を基材の被覆のために用いる場合、添加剤、例えば融剤、並びに様々な界面処理技術が基材に対する被膜の高められた付着力を供する。適当な基材にはセラミック、金属、ガラス、ポリマーフィルム、及び様々なファイバーが含まれる。粒子「インク」は金属接続用途、例えば電子部品装着のためにも利用できうる。「インク」を被覆又は金属接点に適用する場合、慣用の被覆又は金属接続条件下で、封入材料は典型的には粒子から蒸発するか、又は洗い流すことのできる液体を形成し、超微小粒子同志が相互作用して連続層又は被膜を形成するようにする。また、ファイバー、例えばKevlar(登録商標)、ナイロン(登録商標)及び天然ファイバーを本発明の金属粒子「インク」の中に浸漬して導電性を授けることができうる。更に、金属粒子「インク」はハンダペース及びハンダ「インク」、又はその他の金属インクを形成するために使用してよい。本発明の金属粒子はセラミック、金属及び金属/セラミック複合体において所望の粒状構造を獲得するためにも使用できうる。特に、当業者の知識の範囲内の形成及び処理条件の操作を、強さ及び延性の如き特性を最適化するために様々な粒状構造を獲得するのに利用できうる。その他の用途は当業者に自明であろう。
【0035】
本発明は単に例示を目的とする下記の実施例により更に明らかとなるであろう。下記の実施例において、全ての部及びパーセンテージは何らかのことわりのない限り重量表示である。アルコールを除く溶媒は水素化リチウムアルミニウム(例えばBaker p403-05)により乾燥してある。低水分含量を有するアルコールは水素化リチウム(Aldrich 20, 104-9) で乾燥させた。ペルオキシドを含むと予測される溶媒、例えばテトラヒドロフランはまず塩化第一銅で処理してペルオキシドを除き、次いで水素化リチウムアルミニウムで乾燥させた。乾燥後、溶媒を真空蒸留し、そして徹底的に脱気し、特製溶媒槽の中で保存した。
【実施例】
【0036】
実施例1
金属粒子懸濁物の調製
3リットルのシリンダー状厚壁反応フラスコ及び5つの開口部を有し、超肉厚微小すり合わせ平板フランジをもつフラスコヘッドより成る反応槽アセンブリーをクランプで束ねた。このフラスコを三つ口インラインすりガラスジョイントの中央ジョイントを介して真空システムに接続した。1個のすり合わせジョイントは、Teflon(登録商標)製ニードルバルブを有する製品槽をフラスコ底部からコロイド状懸濁物を回収するために用いる細管棒に接続するのに用い、そして第三のすり合わせジョイントはペニーヘッドジョイントでシールした。残り2つの開口部であって、すり合わせジョイントの両側にあるものにはO−リングジョイントを取付けた。2本の電極をこれらの開口部に挿入し、そして抵抗加熱アルミナ被覆化タングステン製るつぼ(Syvania GTE Emissive Products 038314)を電極に取り付けた。
【0037】
蒸発させるべき金属をるつぼに装填した後のシステムを 1.0×10-6torr値がイオンゲージで得られるまで真空にした。次いでフラスコを液体窒素を含む Dewarの中に浸した。この反応槽及び主要マニホールドを孤立させ、そして溶媒槽を開放して蒸気相中の溶媒を反応槽に移した。十分な溶媒が反応槽の壁の上に付着した後、るつぼを加熱して金属をコントロール可能な速度で蒸発させ、金属蒸気のために適当な溶媒マトリックスができるようにした。金属原子及び小原子塊より成る金属蒸気をこの方式でマトリックスの中に捕捉させた。十分な金属が蒸発した後、反応槽を孤立させそして Dewar中の液体窒素を約2時間かけて蒸発させることにより凍結マトリックスをゆっくりと温めた。この温度上昇の際、原子及び原子塊から粒子が形成され始め、そして得られる製品は安定な高度に分散されたコロイド状懸濁物であった。この懸濁物を細管棒を介して製品槽に移し、この槽を反応槽と共に真空にして金属の気化の際に 1.0 ×10-6torrにおいて孤立させたままにした。ニードルバルブを開放する前に反応槽にドライアルゴンを充填した(0.5ppmの水分及び0.2ppm未満の酸素)。
【0038】
テトラヒドロフラン溶媒中の鉛、錫及び銅金属を利用する一連の実験を利用した。粒子サイズの測定は光子相関光度計により Malvern 4700 V4粒子サイズ分析器を利用して実施した。これらの実験の結果を表1にまとめる。
【0039】
【表1】

【0040】
金属の気化速度を変え、溶媒定数の流速を保つことにより懸濁物の粒子サイズはコントロールできうる。ガラス製品中の吸着水又は微量の酸素に対するささいな曝露でさえも懸濁物を不安定にすることが認められた。
【0041】
実施例2
金属粒子懸濁物の調製
ここでもロータリー反応槽を用い、銅、錫及び鉛についてのイソプロパノール溶媒における金属負荷効果を調べた。更に、錫−鉛合金の粒子は別々のるつぼからの2種類の金属の気化を交互にすることにより製造した。その結果を表2に示す。
【0042】
【表2】

【0043】
実施例3,4及び5
単離された粒子の調製
錫、鉛及び錫/鉛合金の下記のコロイド状懸濁物を、トリエタノールアミン中のマロン酸溶液(溶液D)と共に調製した(それぞれ懸濁物A,B及びC)。
【0044】
A.62nmの粒子サイズを有するイソプロパノール中の錫粒子懸濁物。
B. 221nmの粒子サイズを有するイソプロパノール中の鉛粒子懸濁物。
C.68nmの粒子サイズを有するイソプロパノール中の錫/鉛合金粒子懸濁物。
D.ビーカー中で、300.00gのトリエタノールアミン(J.T.Baker 9468-01) 及び 60.00gのマロン酸(Aldrich M129-6)をCowles刃で4時間85〜90℃で混合してマロン酸をトリエタノールアミンに溶かし、封入材料を形成した。
【0045】
実施例3
6本の試験管をアルゴン充満ドライボックス(0.5ppmの水分及び0.2ppm未満の酸素)の中に移し、そして下記の懸濁物及び溶液を含ませておいた。
【0046】
A−1.0.75mlのイソプロパノール中の溶液D 0.0315g(封入材料)
B−1.0.75mlのイソプロパノール中の溶液D 0.0310g(封入材料)
C−1.0.75mlのイソプロパノール中のトリエタノールアミン0.0330g(封入材料)
D−1.0.75mlのイソプロパノール中のトリエタノールアミン0.0322g(封入材料)
E−1.0.75mlのイソプロパノール中のマロン酸0.0074g(封入材料)
F−1.0.75mlのイソプロパノール中のマロン酸0.0071g(封入材料)
【0047】
3本の培養管内で下記のサンプルを上記のサンプルから一定量混合することにより調製した:
A−2. 5.0mlの懸濁物Cに封入材料C−1を添加した。
B−2. 5.0mlの懸濁物Cに封入材料E−1を添加した。
C−2. 5.0mlの懸濁物Cに 750mlのイソプロパノール中の50mlのオレイン酸を添加した。
【0048】
サンプルA−2,B−2及びC−2の内容物を栓をした培養管を振盪させることにより徹底的に混合した。この懸濁物は曇りはじめた。曇り度はA−2>B−2>C−2であった。このことはトリエタノールアミンがマロン酸よりも懸濁物内で粒子を封入及び凝集するのに優れた能力を有し、そしてマロン酸がオレイン酸よりも優れた封入及び凝集能力を有することを示した。
【0049】
同じようにして、A−1,D−1及びF−1の内容物を5.00mlの懸濁物Cに加えると、D−1を含むサンプルは大きめの粒子を形成し、最終的に大きな塊となり、一方その他のサンプルは曇った。A−1はトリエタノールアミンをマロン酸と一緒に含むが、トリエタノールアミンの量は粒子を封入するうえで重要である。これらの結果は添加すべき封入材料の量がアリコートサンプルを滴定することにより決定されうることを示唆する。
【0050】
実施例4
下記の封入溶液をアルゴン充満ドライボックスの中で調製した。
A−3.0.75mlのイソプロパノール中のマロン酸 6.8mg。
B−3.0.75mlのイソプロパノール中のオレイン酸30μl。
C−3.0.75mlのイソプロパノール中のトリエタノールアミン35.0mg。
D−3.0.75mlのイソプロパノール中の1,2,6−ヘキサントリオール30μl(蒸留且つ脱気済み)
【0051】
2.00mlの懸濁物Cを5個のポリエチレンバルブそれぞれに移した。このポリエチレンバルブのうちの4個に 300μlのA−3,B−3,C−3及びD−3の溶液を 1.5秒間隔で20μlの速度で添加し、その間懸濁物はマグネチックスターラー及びTeflon(登録商標)スターバーを用いて撹拌した。5個目のポリエチレンバルブはコントロールとして用いた。
【0052】
1滴を5個のバルブそれぞれから取り出し、粒度分析試験管中の2.00mlのイソプロパノールに加え、そして得られる溶液をよく混合し、懸濁物に封入材料を添加した効果を決定するために粒度分析のための用意をした。その結果を表3に示す。
【0053】
封入粒子同志間の相互作用は架橋した凝集、即ち、複数の封入粒子の凝集を及ぼし、これはコントロールサンプルよりも見かけ上大きい粒子サイズを供した。即ち、測定された粒子サイズは事実上凝集粒子の平均サイズであった(凝集体)。これは見かけ上大きなサイズがコントロールについて得られる粒子サイズの数倍である事実を反映する。これらのサンプルにおける多方式分布はこの結論の更なる確認を供した。1,2,6−ヘキサントリオール及びオレイン酸の双方は良好な封入材料であることが示されるが、比較的弱い凝集剤である。マロン酸及びトリエタノールアミンは良好な封入材料、且つ強力な凝集剤であることが示された。
【0054】
【表3】

【0055】
実施例5
250mlのプラスチックビーカー内で、 118mlの懸濁物A及び58mlの懸濁物をアルゴン充填ドライボックスの中で組合せた。この懸濁物をTeflon(登録商標)スターバー及びマグネチックスターラーを用いて混合した。約5mlのこの懸濁物を抜き取り、 1.2mlの1,2,6−ヘキサントリオール(蒸留、脱気済み)(封入材料)を溶かし、そしてこの溶液をビーカーにもどした。
【0056】
溶液は0.50mlの封入材料Dを7.50mlのイソプロパノールに溶かすことにより調製した。上記の 250mlのビーカーの内容物を30分撹拌した後、材料D及びイソプロパノールを含む4.00mlの溶液をビーカーに撹拌しながら徐々に加えた。10分後、この懸濁物は凝集し始めた。ビーカーにParafilm(登録商標)をかぶせ、そしてドライボックスの中に一夜そのまま放置した。透明層及びビーカーの底の濃色のけばだった層の二層が形成された。透明な上清液を分離し、約2mmの厚さの層が残った。ドライボックスから取り出した後、濡れたTeflon(登録商標)スターバーをビーカーから取り出した。Teflon(登録商標)スターバーが乾くと、その上に厚みのある金属性のフィルムが形成し始めた。濃色のけばだった層から回収した濃色「インク」状の材料は封入金属粒子を含み、そして様々な用途において周囲条件にて取り扱うことができる。
【0057】
実施例6
単離された粒子の調製及び用途
本発明の濃厚な単離された粒子の「インク」を銅製パッドを被覆するため及び金属インクとして使用するために調製した。
【0058】
イソプロパノール中の錫/鉛粒子の懸濁物を抵抗加熱源の備ったロータリー反応槽を用いて調製した。懸濁物中の粒子は5つの複製サンプルより光子相関光度計によって直径68nmと決定された。懸濁物中の金属負荷は2.76mg/mlの錫及び1.56mg/mlの鉛とした。
【0059】
イソプロパノール中の25%の1,2,6−ヘキサントリオール65mlの溶液を 325nmの懸濁物に、アルゴン充満ドライボックスの中でマグネチック撹拌棒により撹拌しながらゆっくりと加えた。イソプロパノール中の封入材料としてのトリエタノールアミン及びマロン酸(5:1の比)の 0.5%の溶液を 6.5mlの総容量につき50ml/sの速度で添加した。この添加は金属粒子の封入、漸次的な凝集及び沈降を誘導した。事実、上清液は透明となり、そして単離された封入粒子を構成する湿潤沈降物を透明上清液のデカンテーションにより回収した。
【0060】
封入粒子を含む沈降物の約3分の1をドライボックスから取り出した。フッ化錫(II)で飽和となった6.75mlの容量の無水メタノールを沈降物に加え、そして撹拌した。過剰の溶媒を周囲条件で蒸発させた。この材料をクラスト状となるまで乾燥させた。
【0061】
5滴のグリセロールを乾燥沈降物に加え、そしてその沈降物をスパチュラの先端で混合した。この混合物は流動状となり、そして無水メタノールで洗ってそれを濃縮した。過剰の溶媒をその混合物がほぼ乾燥するまで蒸発させた。少量の材料をトリエタノールアミン/マロン酸(5:1の比)と混合し、良好な再流動性となるようにした。自動液体分注機を用い、ドットを銅製クーポンの上に沈着し、そしてIRオーブン内で再流動化させたときに明るい金属性の沈着物となった。Super Nova表層マウントプリント回路板のパッド上に載せたパッドはやや粗い金属性沈着物をもつ平らな明るい被膜を形成した。パッドをドットを載せる前にトリエタノールアミン/マロン酸混合物で被覆したとき、その沈着物は滑らかとなり始めた。
【0062】
回収した単離封入粒子の別の部を金属インクとして使用した。このインクはガラススライド上に筆記するために用い、そしてこのインクを 180℃に加熱してインクの有機材料を除去するとガラススライド上に銘刻が生じた。
【0063】
実施例7
単離された粒子の適用
実施例1に記載の通りにして調製した厚みのある「インク」又はペーストを表層マウントプリント回路板に電子部品を装着するために用いた。トリエタノールアミン/マロン酸の量は再流動試験が、電子部品を取り付けるための融剤としての機能する十分な量の封入材料の存在を示すようになるまで調整した。自動分注機及びペーストプリンティング装置により、ドット又はパッドを回路板のパッド上にプリントした。電子部品を Quad Pick N Placeユニットで設置した。IR再流動化後、全ての部品が回路板に装着された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子を単離するための方法であって:
高度に分散されたコロイド状懸濁物中に存在する粒子を封入材料で少なくとも実質的に封入する;そして
前記懸濁物から独立且つ分離された封入粒子を分離する;
段階を含んで成る方法。
【請求項2】
前記粒子が 100nm以下の直径を有する超微小粒子である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記粒子が 100nmより大きく、且つ1500nm未満の直径を有する微小粒子である、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記粒子が21〜32, 39〜50又は72〜82の原子番号を有する少なくとも一種の金属を含んで成る、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記粒子が有機化合物、固体非金属元素、酸化金属、スルフィド、セレニド、テルリド、ホスフィド、アンチモニド、フルオリド、ボライド、カーバイド、ニトリド及びシリシドより選ばれる少なくとも一種の化合物を含んで成る、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記封入材料がアミン、エーテル、チオール、スルフィド、カルボン酸、ヒドロキシ酸、スルホン酸、ポリヒドロキシアルコール、オルガノシラン、チタネート、ジルコネート、ジルコアルミネート、カルボキシレート、スルフェート、スルホネート、アンモニウム塩、ピロル、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾル、ピロリン、ピロリジン、ピリジン、ピリミジン、プリン、トリアゾール、トリアジン及びそれらの誘導体から選ばれる少なくとも一種の化合物である、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記封入材料が、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、オレイン酸、マロン酸、ヒドロキシ酢酸、ジメチルスルホキシド、プロピレングリコール、ヘキサントリオール、ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジメチルホルムアミド、1−(2−シアノエチル)ピロル、3−(2−フリル)アクリロニトリル、3−チオフェンマロン酸、メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンゾキサゾール、6−アミノベンゾチアゾール、3−(2−アミノエチル)ピラゾル、1−ピロリジンブチロニトリル、3−ピリジンアクリル酸、4,6−ジヒドロキシピリミジン、6−メルカプトプリン、1−クロロベンゾトリアゾール、2,4,6−トリアリルオキシ−1,3,5−トリアジン、ウンデカンチオール、ジウンデシルジスルフィド、トリメチル−エトキシシラン、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、ネオアルコキシトリスネオデカノイルジルコネート、ステアリン酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム、ジイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム及びセチルトリメチルアンモニウムブロミド並びにそれらの誘導体から選ばれる少なくとも一種の化合物である、請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記封入材料がマロン酸、オレイン酸、1,2,6−ヘキサントリオール及びトリエタノールアミンから選ばれる少なくとも一種の化合物である、請求項7記載の方法。
【請求項9】
金属粒子を単離するための方法であって:
有機溶媒中の少なくとも一種の金属を含んで成る粒子の高度に分散されたコロイド状懸濁物を調製する;
前記懸濁物に封入材料を添加して前記粒子を当該封入材料で少なくとも実質的に封入する;そして
前記懸濁物から独立の封入粒子を分離する;
段階を含んで成る方法。
【請求項10】
前記有機溶媒が極性有機液体である、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記金属粒子が 100nm以下の直径を有する超微小粒子である、請求項9記載の方法。
【請求項12】
前記金属粒子が 100nmより大きく、且つ1500nm未満の直径を有する微小粒子である、請求項9記載の方法。
【請求項13】
前記封入粒子を、前記添加段階の後、且つ前記分離段階の前に前記懸濁物から沈降させる、請求項9記載の方法。
【請求項14】
前記高度に分散されたコロイド状懸濁物が:
1又は複数種の金属を気化させて1又は複数種の金属の原子及び原子塊を得る;
気化状態の前記原子及び原子塊を前記有機溶媒内に捕捉する;
前記原子及び原子塊含有溶媒を凍結又は実質的に凍結させて固体マトリックスを形成する;そして
前記捕捉された金属原子及び原子塊により形成されることで得られる粒子を沈殿させることなく前記固体マトリックスを実質的に室温にまで温める;
段階により調製される、請求項9記載の方法。
【請求項15】
前記固体マトリックスを、前記溶媒を撹拌しながら前記固体マトリックスの凍結点の15℃以内に冷却された溶媒を添加し、そして当該溶媒及びマトリックスを実質的に室温にまで温めることによって温める、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記固体マトリックスを、前記溶媒を撹拌しながら前記固体マトリックスの凍結点の15℃以内に冷却された溶媒と接触させ、そして当該溶媒及びマトリックスを実質的に室温にまで温めることによって温める、請求項14記載の方法。
【請求項17】
前記粒子が21〜32, 39〜50又は72〜82の原子番号を有する少なくとも一種の金属を含んで成る、請求項14記載の方法。
【請求項18】
前記粒子がコバルト、ニッケル、銅、パラジウム、銀、プラチナ、金、錫及び鉛から選ばれる少なくとも一種の金属を含んで成る、請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記封入材料がアミン、エーテル、チオール、スルフィド、カルボン酸、ヒドロキシ酸、スルホン酸、ポリヒドロキシアルコール、ピロル、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾル、ピロリン、ピロリジン、ピリジン、ピリミジン、プリン、トリアゾール、トリアジン及びそれらの誘導体から選ばれる少なくとも一種の化合物である、請求項9記載の方法。
【請求項20】
前記封入材料が、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、ウンデカンチオール、ジウンデシルジスルフィド、オレイン酸、マロン酸、ヒドロキシ酢酸、ジメチルスルホキシド、プロピレングリコール、ヘキサントリオール、ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジメチルホルムアミド、1−(2−シアノエチル)ピロル、3−(2−フリル)アクリロニトリル、3−チオフェンマロン酸、メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンゾキサゾール、6−アミノベンゾチアゾール、3−(2−アミノエチル)ピラゾル、1−ピロリジンブチロニトリル、3−ピリジンアクリル酸、4,6−ジヒドロキシピリミジン、6−メルカプトプリン、1−クロロベンゾトリアゾール、2,4,6−トリアリルオキシ−1,3,5−トリアジン並びにそれらの誘導体から選ばれる少なくとも一種の化合物である、請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記封入材料がマロン酸、オレイン酸、1,2,6−ヘキサントリオール及びトリエタノールアミンから選ばれる少なくとも一種の化合物である、請求項20記載の方法。
【請求項22】
請求項2記載の方法に従って形成された単離された超微小粒子。
【請求項23】
請求項3記載の方法に従って形成された単離された微小粒子。
【請求項24】
請求項9記載の方法に従って形成された単離された粒子。
【請求項25】
100nm以下の直径を有する、封入材料で少なくとも実質的に封入された独立且つ分離した超微小粒子であって、当該封入材料がアミン、エーテル、チオール、スルフィド、カルボン酸、ヒドロキシ酸、スルホン酸、ポリヒドロキシアルコール、オルガノシラン、チタネート、ジルコネート、ジルコアルミネート、カルボキシレート、スルフェート、スルホネート、アンモニウム塩、ピロル、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾル、ピロリン、ピロリジン、ピリジン、ピリミジン、プリン、トリアゾール、トリアジン及びそれらの誘導体から選ばれる、前記超微小粒子。
【請求項26】
100nmより大きく、且つ1500nm未満の直径を有する、封入材料で少なくとも実質的に封入された独立且つ分離した微小粒子であって、当該封入材料がアミン、エーテル、チオール、スルフィド、カルボン酸、ヒドロキシ酸、スルホン酸、ポリヒドロキシアルコール、オルガノシラン、チタネート、ジルコネート、ジルコアルミネート、カルボキシレート、スルフェート、スルホネート、アンモニウム塩、ピロル、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾル、ピロリン、ピロリジン、ピリジン、ピリミジン、プリン、トリアゾール、トリアジン及びそれらの誘導体から選ばれる前記微小粒子。
【請求項27】
前記封入材料が、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、オレイン酸、マロン酸、ヒドロキシ酢酸、ジメチルスルホキシド、プロピレングリコール、ヘキサントリオール、ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジメチルホルムアミド、1−(2−シアノエチル)ピロル、3−(2−フリル)アクリロニトリル、3−チオフェンマロン酸、メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンゾキサゾール、6−アミノベンゾチアゾール、3−(2−アミノエチル)ピラゾル、1−ピロリジンブチロニトリル、3−ピリジンアクリル酸、4,6−ジヒドロキシピリミジン、6−メルカプトプリン、1−クロロベンゾトリアゾール、2,4,6−トリアリルオキシ−1,3,5−トリアジン、ウンデカンチオール、ジウンデシルジスルフィド、トリメチル−エトキシシラン、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、ネオアルコキシトリスネオデカノイルジルコネート、ステアリン酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム、ジイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム及びセチルトリメチルアンモニウムブロミド並びにそれらの誘導体から選ばれる少なくとも一種の化合物である、請求項25記載の粒子。
【請求項28】
前記封入材料がマロン酸、オレイン酸、1,2,6−ヘキサントリオール及びトリエタノールアミンから選ばれる少なくとも一種の化合物である、請求項27記載の粒子。
【請求項29】
前記封入材料が、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、オレイン酸、マロン酸、ヒドロキシ酢酸、ジメチルスルホキシド、プロピレングリコール、ヘキサントリオール、ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジメチルホルムアミド、1−(2−シアノエチル)ピロル、3−(2−フリル)アクリロニトリル、3−チオフェンマロン酸、メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンゾキサゾール、6−アミノベンゾチアゾール、3−(2−アミノエチル)ピラゾル、1−ピロリジンブチロニトリル、3−ピリジンアクリル酸、4,6−ジヒドロキシピリミジン、6−メルカプトプリン、1−クロロベンゾトリアゾール、2,4,6−トリアリルオキシ−1,3,5−トリアジン、ウンデカンチオール、ジウンデシルジスルフィド、トリメチル−エトキシシラン、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、ネオアルコキシトリスネオデカノイルジルコネート、ステアリン酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム、ジイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム及びセチルトリメチルアンモニウムブロミド並びにそれらの誘導体から選ばれる少なくとも一種の化合物である、請求項26記載の粒子。
【請求項30】
前記封入材料がマロン酸、オレイン酸、1,2,6−ヘキサントリオール及びトリエタノールアミンから選ばれる少なくとも一種の化合物である、請求項29記載の粒子。
【請求項31】
前記超微小粒子が21〜32, 39〜50又は72〜82の原子番号を有する少なくとも一種の金属を含んで成る、請求項25記載の粒子。
【請求項32】
前記微小粒子が21〜32, 39〜50又は72〜82の原子番号を有する少なくとも一種の金属を含んで成る、請求項26記載の粒子。
【請求項33】
ファイバーを被覆する方法であって:
前記ファイバーに封入材料で少なくとも実質的に被覆された超微小粒子又は微小粒子を適用する;
段階を含んで成る方法。
【請求項34】
前記封入材料がアミン、エーテル、チオール、スルフィド、カルボン酸、ヒドロキシ酸、スルホン酸、ポリヒドロキシアルコール、オルガノシラン、チタネート、ジルコネート、ジルコアルミネート、カルボキシレート、スルフェート、スルホネート、アンモニウム塩、ピロル、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾル、ピロリン、ピロリジン、ピリジン、ピリミジン、プリン、トリアゾール、トリアジン及びそれらの誘導体から選ばれる少なくとも一種の化合物である、請求項33記載の方法。
【請求項35】
前記封入材料が、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、オレイン酸、マロン酸、ヒドロキシ酢酸、ジメチルスルホキシド、プロピレングリコール、ヘキサントリオール、ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジメチルホルムアミド、1−(2−シアノエチル)ピロル、3−(2−フリル)アクリロニトリル、3−チオフェンマロン酸、メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンゾキサゾール、6−アミノベンゾチアゾール、3−(2−アミノエチル)ピラゾル、1−ピロリジンブチロニトリル、3−ピリジンアクリル酸、4,6−ジヒドロキシピリミジン、6−メルカプトプリン、1−クロロベンゾトリアゾール、2,4,6−トリアリルオキシ−1,3,5−トリアジン、ウンデカンチオール、ジウンデシルジスルフィド、トリメチル−エトキシシラン、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、ネオアルコキシトリスネオデカノイルジルコネート、ステアリン酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム、ジイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム及びセチルトリメチルアンモニウムブロミド並びにそれらの誘導体から選ばれる少なくとも一種の化合物である、請求項34記載の方法。
【請求項36】
前記粒子が21〜32, 39〜50又は72〜82の原子番号を有する少なくとも一種の金属を含んで成る、請求項33記載の方法。
【請求項37】
基体の上に被覆を施すための方法であって:
前記基体に封入材料で少なくとも実質的に被覆された独立した超微小粒子又は微小粒子を含んで成る組成物を適用する;
段階を含んで成る方法。
【請求項38】
前記封入材料がアミン、エーテル、チオール、スルフィド、カルボン酸、ヒドロキシ酸、スルホン酸、ポリヒドロキシアルコール、オルガノシラン、チタネート、ジルコネート、ジルコアルミネート、カルボキシレート、スルフェート、スルホネート、アンモニウム塩、ピロル、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾル、ピロリン、ピロリジン、ピリジン、ピリミジン、プリン、トリアゾール、トリアジン及びそれらの誘導体から選ばれる少なくとも一種の化合物である、請求項37記載の方法。
【請求項39】
前記封入材料が、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、オレイン酸、マロン酸、ヒドロキシ酢酸、ジメチルスルホキシド、プロピレングリコール、ヘキサントリオール、ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジメチルホルムアミド、1−(2−シアノエチル)ピロル、3−(2−フリル)アクリロニトリル、3−チオフェンマロン酸、メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンゾキサゾール、6−アミノベンゾチアゾール、3−(2−アミノエチル)ピラゾル、1−ピロリジンブチロニトリル、3−ピリジンアクリル酸、4,6−ジヒドロキシピリミジン、6−メルカプトプリン、1−クロロベンゾトリアゾール、2,4,6−トリアリルオキシ−1,3,5−トリアジン、ウンデカンチオール、ジウンデシルジスルフィド、トリメチル−エトキシシラン、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、ネオアルコキシトリスネオデカノイルジルコネート、ステアリン酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム、ジイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム及びセチルトリメチルアンモニウムブロミド並びにそれらの誘導体から選ばれる少なくとも一種の化合物である、請求項38記載の方法。
【請求項40】
前記粒子が21〜32, 39〜50又は72〜82の原子番号を有する少なくとも一種の金属を含んで成る、請求項37記載の方法。
【請求項41】
基体に金属を接続するための方法であって:
前記基体に封入材料で少なくとも実質的に被覆された独立した超微小粒子又は微小粒子を適用する;そして
前記接続すべき金属を前記独立した超微小粒子又は微小粒子と接触するように設置する;
段階を含んで成る方法。
【請求項42】
前記封入材料がアミン、エーテル、チオール、スルフィド、カルボン酸、ヒドロキシ酸、スルホン酸、ポリヒドロキシアルコール、オルガノシラン、チタネート、ジルコネート、ジルコアルミネート、カルボキシレート、スルフェート、スルホネート、アンモニウム塩、ピロル、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾル、ピロリン、ピロリジン、ピリジン、ピリミジン、プリン、トリアゾール、トリアジン及びそれらの誘導体から選ばれる少なくとも一種の化合物である、請求項41記載の方法。
【請求項43】
前記封入材料が、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、オレイン酸、マロン酸、ヒドロキシ酢酸、ジメチルスルホキシド、プロピレングリコール、ヘキサントリオール、ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジメチルホルムアミド、1−(2−シアノエチル)ピロル、3−(2−フリル)アクリロニトリル、3−チオフェンマロン酸、メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンゾキサゾール、6−アミノベンゾチアゾール、3−(2−アミノエチル)ピラゾル、1−ピロリジンブチロニトリル、3−ピリジンアクリル酸、4,6−ジヒドロキシピリミジン、6−メルカプトプリン、1−クロロベンゾトリアゾール、2,4,6−トリアリルオキシ−1,3,5−トリアジン、ウンデカンチオール、ジウンデシルジスルフィド、トリメチル−エトキシシラン、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、ネオアルコキシトリスネオデカノイルジルコネート、ステアリン酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム、ジイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム及びセチルトリメチルアンモニウムブロミド並びにそれらの誘導体から選ばれる少なくとも一種の化合物である、請求項42記載の方法。
【請求項44】
前記粒子が21〜32, 39〜50又は72〜82の原子番号を有する少なくとも一種の金属を含んで成る、請求項41記載の方法。

【公開番号】特開2009−1907(P2009−1907A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−177875(P2008−177875)
【出願日】平成20年7月8日(2008.7.8)
【分割の表示】特願平9−532653の分割
【原出願日】平成9年3月3日(1997.3.3)
【出願人】(508172029)
【Fターム(参考)】