超微小粒子の製造方法
【課題】 粒子径1μm以下、特に粒子径1μm以下からnmオーダーの超微小粒子の製造方法を提供する。
【解決手段】 有機ポリマー原料及びグラファイトのいずれかから選ばれる原料を、超臨界水あるいは亜臨界水を用いて水熱反応し、粒子径1μm以下の超微小粒子を得る製造方法であり、前記ポリマー原料は原料ポリマー及び又は重合性の原料モノマーであり、前記ポリマー原料が、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ノルボルネン樹脂の群から選ばれる1種または2種以上の原料である。
【解決手段】 有機ポリマー原料及びグラファイトのいずれかから選ばれる原料を、超臨界水あるいは亜臨界水を用いて水熱反応し、粒子径1μm以下の超微小粒子を得る製造方法であり、前記ポリマー原料は原料ポリマー及び又は重合性の原料モノマーであり、前記ポリマー原料が、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ノルボルネン樹脂の群から選ばれる1種または2種以上の原料である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒子径1μm以下の超微粒子、好ましくは粒子径1μm以下からnmオーダーの超微小粒子の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、有機ポリマーの粒子径1μm以下の超微小粒子の需要が多く成っている。
ところがこのような1μm以下の有機ポリマー超微小粒子の製造方法としては、大きなポリマーを一旦合成し、それをミルなどを用い、より小さな粒子に加工している。この方法では、最終生産物に比べ原料ポリマーの大部分を損失してしまい、生産効率が非常に悪い。また最終生産物の粒子径を効率良く均一にすることが困難である。
【0003】
また従来、粒子径1μm以下の微粒子を乳化重合により作製する方法が提供されている。例えば、特許文献1にあるように乳化重合は水中で界面活性剤を入れて、微粒子を成長させるもので、1μm以下の微粒子を作製できる。しかし、この重合方法では、重合時に粒子径を安定にするために、粒子分に対して数%の界面活性剤を添加しなければならず、工程上、その洗浄工程が必要であり、またその界面活性剤の残渣は製品に悪影響を及ぼしたりする。
【0004】
また、界面活性剤を使用しないソープフリー乳化重合法がある。重合時に生成する低分子量のポリマーに界面活性剤と同様な役目をさせるものであるが、この方法ではこの効果を示すポリマー種が限定されてしまう。
【0005】
【特許文献1】特公平6−78398号
【0006】
最近、特許文献2にあるように、高分子重合溶液を二酸化炭素及び極性有機溶媒を用いて超臨界相に溶解させ、急速膨張させることにより微粒子を製造する方法があるが、製造される粒子径は10〜12μmとなり、粒子径1μm以下の微粒子はできていない。
【0007】
【特許文献2】特開平8−104830号
【0008】
また、特許文献3においても、超臨界状態の二酸化炭素中で合成されているが、製造される粒子径は1.4μm〜6.2μmとなり、粒子径1μm以下の微粒子はできていない。
【0009】
【特許文献3】特開平8−113652号
【0010】
更に、特許文献4では、超臨界二酸化炭素中で、粒子径が0.1〜50μmとサブミクロンの高分子微粒子が合成されているが、カルボキシル基を有するものに限定される。また、特許文献5では、超臨界二酸化炭素中で、粒子径が0.5μm付近のサブミクロンのアクリル系高分子微粒子が合成されているが、ラジカル重合開始剤が必要である。
【0011】
【特許文献4】特開2001−151802号
【特許文献5】特開2002−179707号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の課題は、粒子径1μm以下、特に粒子径1μm以下からnmオーダーのあらたな超微小粒子の製造方法を提供するところにある。特に本発明の課題は、ポリマー種に限定されることなく、また界面活性剤やモノマーからポリマーを作るための触媒を用いなくても、高い生産効率で、粒子径1μm以下の均一な微粒子を効率よく得ることができる有機ポリマー超微小粒子の製造方法を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するため鋭意検討した結果、元来産業で生じた廃棄物あるいは有毒物質の分解反応として利用されて来た超臨界水あるいは亜臨界水などの高温高圧水熱反応を、超微粒子、特に有機ポリマー超微粒子を得る手段として利用することができることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、原料、特にポリマー原料を水熱反応し、超微小粒子を得る超微小粒子の製造方法である。
また好ましい態様として、超臨界水あるいは亜臨界水を用いて、原料、特にポリマー原料を水熱反応し、超微小粒子を得る有機ポリマー超微小粒子の製造方法である。
なお、本発明においてポリマー原料とは、原料ポリマー及び又は重合性の原料モノマーを含む概念である。
【0014】
本発明の好ましい製造方法の態様としては、前記原料、特にポリマー原料を加熱溶融し、この溶融された原料を加熱溶融させた状態でシリンダー内に加圧供給し、シリンダー内に供給されたこの溶融物を押出して加圧し、この加圧された溶融物を反応分解槽注入し、反応分解槽の管内を溶融物が通過するにしたがい、高温高圧の超臨界水を反応分解槽内に注入して当該溶融物を水熱反応させ、溶融物を超微粒子化後、これを固液分離して微粒子を連続的に得る、微粒子の製造方法を提供することができる。
【0015】
本発明の好ましい製造装置の態様としては、原料供給装置と、当該原料供給装置から供給された原料に高圧をかけて反応分解槽に注入する原料高圧注入装置と、超臨界水を発生しこれを上記反応分解槽に供給する超臨界水供給装置と、前記原料高圧注入装置から高圧注入される前記反応分解槽内の原料に、超臨界水供給装置から供給される超臨界水を高温高圧水熱反応させて、前記原料が超微粒子化する当該反応分解槽と、当該反応分解槽から排出した反応液を超微粒子と液体に分離する固液分離槽とを備える、微小粒子の連続製造装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0016】
このように本発明は、超臨界水あるいは亜臨界水などの高温高圧水を用いて、原料、特にポリマー原料を水熱反応し、粒子径1μm以下、好ましくは粒子径1μm以下からnmオーダーの超微小粒子を得る新たな製造方法を提供することができる。
特に、原料としてポリマー原料を用い、これを加熱溶融し、この溶融されたポリマー原料を加熱溶融させた状態でシリンダー内に加圧供給し、シリンダー内に供給された溶融ポリマーを押出して加圧し、この加圧された溶融ポリマーを反応分解槽注入し、反応分解槽の管内を溶融ポリマーが通過するにしたがい、高温高圧の超臨界水を反応分解槽内に注入して当該溶融ポリマーを水熱反応させ、溶融ポリマーを超微粒子化後、これを固液分離して微粒子を連続的に得る方法によって、粒子径1μm以下、好ましくは粒子径1μm以下からnmオーダーの超微小粒子を得る新たな製造方法を提供することができる。
従って、本発明によれば、ポリマー原料の場合、ポリマー種に限定されることなく、また界面活性剤やモノマーからポリマーを作るための触媒を用いなくても、高い生産効率で、粒子径1μm以下、好ましくは粒子径1μm以下からnmオーダーの均一な微粒子を効率よく得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(バッチ式反応器)
図1−1、図1−2は本発明にかかる製造方法を実施するためのバッチ式反応器の一例を示す。図に示す反応器1は、制御部2と反応管3とヒーター4を含む釜5、5の部分より成る。反応管3はステンレス(SUS)製であり、円筒状の管30とねじ式のフタ31から成る。反応管3の内容量容積は、5mlである。釜5は、図1−1、図1−2に示すように、上下2つのパートから成り、反応管3に密着できる形体のアルミニウムからできており、ヒーターが内蔵されている。温度は反応管3も釜5も500℃まで耐えられるように設計されている。このバッチ式の装置では、温度のコントロールは、可能であるが、内部の圧力は、体積が一定なので物理的に一意的に決まる。
【0018】
本装置を用いて本発明の製造方法を実施する場合は、例えば、反応管3に、水及び粒子原料(ポリマー原料)を入れ、ねじでふたをする。反応管3中には、水、粒子原料(ポリマー原料)、空気が存在する。この反応管3の量は常温、常圧で水体積(ml)+粒子原料体積(ml)+空気体積(ml)=5mlとなる。
【0019】
従って、この装置では、任意に変えられる独立パラメータとして制限条件はあるが、たとえば反応温度、反応時間、水量、粒子原料体積の4変量を基本パラメータとすることができ、このパラメータを制御して、反応管内で臨界水あるいは亜臨界水などの高温高圧水を作製して、溶融状態の粒子原料を水熱反応させ、粒子径1μm以下の均一な微粒子を製造することが可能となる。なお、上記水熱反応後は上記粒子原料を一旦水で分散して逆浸透膜を用いる等して固体分離することが好ましい。
【0020】
(連続式反応装置)
図2は本発明にかかる製造方法を実施するための連続反応装置の一例を示す。この装置は、図2に示すとおり、溶融ポリマー供給装置100と、溶融ポリマー供給装置100から供給された溶融ポリマーに高圧をかけて反応分解槽400に注入する溶融ポリマー高圧注入装置200と、超臨界水を発生しこれを反応分解槽400に供給する超臨界水供給装置300と、溶融ポリマー高圧注入装置200から高圧注入される反応分解槽400内の溶融ポリマーに、超臨界水供給装置300から供給される超臨界水を高温高圧水熱反応させて、溶融ポリマーが超微粒子化する反応分解槽400と、反応分解槽400から排出した反応分解液をポリマーの超微粒子と液体に分離する固液分離槽500とを備えている。
【0021】
従って、この装置によれば、図2に示すように、例えば、粒子原料(例えばペレット状のポリマー原料)を溶融ポリマー供給装置100内に投入し、矢印方向の出入りにてエアー又は窒素を通気し、その後攪拌しながら粒子原料(ポリマー原料)を加熱溶融し、この溶融されたポリマー原料を、加熱溶融させた状態で300℃、1MPaで溶融ポリマー高圧注入装置200のシリンダー201内に300ccの容量にて加圧供給する。次に、シリンダー201内に供給された溶融ポリマーに対して更にこのシリンダー201内を駆動するプランジャー202によって、300℃、45MPaにて押出して加圧する。次に、この加圧された溶融ポリマーを内径8mm、長さ400mmの反応分解槽400内に注入していき、同時に、超臨界水供給装置で作成された高温高圧の超臨界水を反応分解槽400内に100cc/分、45MPaにて注入していって、反応分解槽400の管内を溶融ポリマーが通過するにしたがい当該溶融ポリマーを水熱反応させる。溶融ポリマーは超微粒子化し、これを300ccの容量にて固液分離槽500で45MPaにて固液分離すれば、粒子径1μm以下の均一な微粒子を連続的に効率よく製造することが可能となる。なお、600は圧力調整流体圧力制御弁につながる。
【0022】
本発明の製造方法で用いられるポリマー原料は特に限定されない。例えばポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ノルボルネン系樹脂などの環状ポリオレフィン(COP)、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、熱可塑性ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、熱可塑性ポリエーテル樹脂、熱可塑性エラストマーなど、各種の有機ポリマー又はこれらのポリマーを生成するモノマーを用いることができる。また前記COPのほか、光学的用途に適した環状オレフィン共重合体や脂環式アクリル樹脂、非晶性ポリオレフィン、ポリカーボネート、非晶性フッ素樹脂などにも有機ポリマー又はこれらのポリマーを生成するモノマーにおいて好適に用いることができる。これらは1種又は2種以上を混合して用いることができる。特に、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ乳酸、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ノルボルネン樹脂などの環状ポリオレフィン(COP)など又はそれらのモノマーが好ましい。
【0023】
そして、前記原料がポリマー原料であり、当該ポリマー原料として原料ポリマー及び又は重合性の原料モノマーを用いることができる。好ましい前記ポリマー原料としては、スチレン及びポリスチレンの群から選ばれる1種または2種以上の原料であり、また前記ポリマー原料として、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ノルボルネン樹脂の群から選ばれる1種または2種以上の原料ポリマー又は少なくともいずれかの原料ポリマーと重合性の原料モノマーを好適に用いることができる。
【0024】
また、本発明の製造方法によれば、高温高圧の水熱反応条件を制御して、得られる有機ポリマーの超微小粒子の形状又は粒子径を制御することが可能である。例えば、本発明にいう高温とは少なくとも120℃、高圧とは少なくとも2気圧が好ましい。より好ましい温度条件は少なくとも150℃、圧力としては少なくとも4.8気圧である。また、本発明の製法によれば粒子径1μm以下の均一な微粒子を製造することができるが、温度、圧力などの水熱反応条件を制御することにより、1μmを超える均一な微粒子や、1μmを超え且つ7μm以下、或は1μmを超え10μm以下の均一な微粒子を製造することもできる。粒子径1μm以下の均一な微粒子を製造するには臨界水あるいは亜臨界水を用いて水熱反応することが最も好ましいが、本発明はこれに限定されない。
【実施例】
【0025】
(実施例1)
図1−1、図1−2に示すバッチ式反応器(AKICO社製)を用い、粒子原料としてポリスチレンを使用した場合を記述する。
【0026】
粒子原料として粒子直径3mmのポリスチレン(ポリスチレンペレット)を用い、これを水と混和し、図1に示す反応管30にいれる。反応温度を設定し、釜5が設定温度になったところで、反応管30を釜5にセットする。一定時間反応させ、冷却し反応管30のねじ式のフタを開け生成物の計測、評価を行う。この計測評価方法として、MALVERN INSTRUMENT社製の粒径分布計測器(DLS、動的散乱法、商品名「Nano ZS」、室温測定)による粒子径分布測定と、日立社製の透過型電子顕微鏡(TEM)による超微細画像を用いた。
【0027】
なお、反応条件は、水体積が4ml、粒子原料体積が0.04ml、反応温度200℃、反応時間5分間で、ポリスチレン原料を高温高圧水熱反応させた。この反応により得られたポリエチレン粒子のTEM像を図3に示す。きれいな正球体の超微細ポリスチレン粒子が得られた。またこの反応により得られたポリスチレン粒子の水10倍希釈液について測定した超微細ポリスチレン粒子の粒径分布を図4に示す。図4における複数の分布カーブは各試験サンプルに対応している。図4によれば、実施例1で得られた超微細ポリスチレン粒子は、粒子径1μm以下、0.1μmを超える粒径範囲(0.1〜1μm)で、ピークが354nm、半値幅が145nmの単分散で粒子径が均一にそろったサブミクロンオーダーの粒度を持つ超微粒子が得られることが判る。
【0028】
(実施例2)
次に、反応時間を15分にした以外は実施例1と同条件でポリスチレン原料を高温高圧水熱反応した結果、球状の超微細ポリスチレン粒子がえられた。この反応により得られたポリスチレン粒子の水10倍希釈液について実施例1と同様に粒径分布計測器(DLS、動的散乱法)による粒子径分布測定を測定した。図5は、得られた超微細ポリスチレン粒子の粒径分布を示す。図5における複数の分布カーブは各試験サンプルに対応している。図5によれば、この実施例2で得られた超微細ポリスチレン粒子も、粒子径1μm以下、0.1μm以上の粒径範囲(0.1〜1μm)で、ピークが360nm、半値幅が62.4nmの単分散で粒子径が均一にそろったサブミクロンオーダーの粒度を持つ超微粒子が得られることが判る。
【0029】
(実施例3)
次に、反応時間を45分にした以外は実施例1と同条件でポリスチレン原料を高温高圧水熱反応した結果、球状の超微細ポリスチレン粒子がえられた。この反応により得られたポリスチレン粒子の水10倍希釈液について実施例1と同様に粒径分布計測器(DLS、動的散乱法)による粒子径分布測定を測定した。図6は、得られた超微細ポリスチレン粒子の粒径分布を示す。図6における複数の分布カーブは各試験サンプルに対応している。この実施例3で得られた超微細ポリスチレン粒子も、粒子径1μm以下、0.2μm以上の粒径範囲(0.2〜1μm)で、ピークが360nm、半値幅が62nmの単分散で粒子径が均一にそろったサブミクロンオーダーの粒度を持つ超微粒子が得られることが判る。
【0030】
なお、これらの反応において反応管を釜より取り出し氷水にて急冷した場合とヒーターを切り自然徐冷した時の粒子径に対する効果はなく、結果は、安定していた。
【0031】
(実施例4)
次に、水体積が3.5ml、粒子原料体積が0.0035ml、反応時間45分以外は実施例1と同条件でポリスチレン原料を高温高圧水熱反応した結果、球状の超微細ポリスチレン粒子がえられた。図7は、この実施例4で得られた超微細ポリスチレン粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)像を示す。なお、走査型電子顕微鏡(SEM)は日立社製の走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた。この超微細ポリスチレン粒子はこん棒状粒子として得られることが判る。これにより、本発明の製造方法によれば、こん棒状粒子の製造も可能である。
【0032】
(実施例5)
次に、水体積が3.5ml、粒子原料体積が0.035ml、反応温度が300℃、反応時間45分以外は実施例1と同条件で、ポリスチレン原料を高温高圧水熱反応した結果、球状の超微細ポリスチレン粒子がえられた。図8は、この実施例5で得られた超微細ポリスチレン粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)像を示す。なお、走査型電子顕微鏡(SEM)は日立社製の走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた。この超微細ポリスチレン粒子は方形状粒子として得られることが判る。これにより、本発明の製造方法によれば、方形状粒子の製造も可能である。
【0033】
(実施例6)
次に、粒子原料としてポリエチレン(ポリエチレンペレット)を用い、反応時間を60分にした以外は実施例1と同条件でポリエチレン原料を高温高圧水熱反応した結果、球状の超微細ポリエチレン粒子がえられた。この反応により得られたポリエチレン粒子の水10倍希釈液について実施例1と同様に粒径分布計測器(DLS、動的散乱法)による粒子径分布測定を測定した。図9は、得られた超微細ポリエチレン粒子の粒径分布を示す。サンプル数は3個である。図9における複数の分布カーブは各試験サンプルに対応している。この実施例6で得られた超微細ポリエチレン粒子も、0.9μm以下、0.2μm以上の粒径範囲(0.2〜0.9μm)で、ピークが347nm、半値幅が114nmの単分散で粒子径が均一にそろったサブミクロンオーダーの粒度を持つ超微粒子が得られることが判る。
【0034】
(実施例7)
次に、粒子原料としてポリプロピレン(ポリプロピレンペレット)を用い、反応時間を30分にした以外は実施例1と同条件でポリプロピレン原料を高温高圧水熱反応した結果、球状の超微細ポリプロピレン粒子がえられた。この反応により得られたポリプロピレン粒子の水10倍希釈液について実施例1と同様に粒径分布計測器(DLS、動的散乱法)による粒子径分布測定を測定した。図10は、得られた超微細ポリプロピレン粒子の粒径分布を示す。サンプル数は3個である。図10における複数の分布カーブは各試験サンプルに対応している。この実施例7で得られた超微細ポリスチレン粒子も、粒子径1μm以下、0.1μm以上の粒径範囲(0.1〜1μm)で、ピークが330nm、半値幅が130nmの単分散で粒子径が均一にそろったサブミクロンオーダーの粒度を持つ超微粒子が得られることが判る。
【0035】
(実施例8)
次に、粒子原料としてポリ乳酸(ポリ乳酸ペレット)を用い、反応時間を45分にした以外は実施例1と同条件でポリ乳酸原料を高温高圧水熱反応した結果、球状の超微細ポリ乳酸粒子がえられた。この反応により得られたポリ乳酸粒子の水10倍希釈液について実施例1と同様に粒径分布計測器(DLS、動的散乱法)による粒子径分布測定を測定した。サンプル数は3個である。図11は、得られた超微細ポリ乳酸粒子の粒径分布を示す。図11における複数の分布カーブは各試験サンプルに対応している。この実施例11で得られた超微細ポリ乳酸粒子も、0.9μm以下、0.4μm以上の粒径範囲(0.4〜0.9μm)で、ピークが540nm、半値幅が86nmの単分散で粒子径が均一にそろったサブミクロンオーダーの粒度を持つ超微粒子が得られることが判る。
【0036】
(実施例9)
次に、ポリスチレンペレットに代えて100〜300μmの粒径を有するポリスチレンパウダーを用い、配合量を23.38mg、反応時間を60分にした以外は実施例1と同条件でポリスチレン原料を高温高圧水熱反応した結果、球状の超微細ポリスチレン粒子がえられた。この反応により得られたポリスチレン粒子の水10倍希釈液について実施例1と同様に粒径分布計測器(DLS、動的散乱法)による粒子径分布測定を測定した。図12は、得られた超微細ポリスチレン粒子の粒径分布を示す。図12における3本の分布カーブは各試験サンプルに対応している。図12によれば、この実施例9で得られた超微細ポリスチレン粒子も、粒子径1μm以下の粒径範囲で、主たるピークが253nm、半値幅が129.6nmの粒子径が均一にそろったサブミクロンオーダーの粒度を持つ超微粒子が得られることが判る。
【0037】
(実施例10)
次に、ポリスチレンペレットに代えてモノマースチレンを用い、配合量を40ml、反応時間を45分で加熱にした以外は実施例1と同条件で原料モノマーを高温高圧水熱反応した結果、球状の超微細ポリスチレン粒子がえられた。この反応により得られたポリスチレン粒子の水10倍希釈液について実施例1と同様に粒径分布計測器(DLS、動的散乱法)による粒子径分布測定を測定した。図13は、得られた超微細ポリスチレン粒子の粒径分布を示す。図13における3本の分布カーブは各試験サンプルに対応している。図13によれば、この実施例10で得られた超微細ポリスチレン粒子も、粒子径1μm以下の粒径範囲(50〜300nm)で、主たるピークが123nm、半値幅が45.36nmの粒子径が均一にそろったサブミクロンオーダーの粒度を持つ超微粒子が得られることが判る。
【0038】
(実施例11)
粒子原料として日本ゼオン社製の環状ポリオレフィン(COP)である商品名「ゼオノア」(COPペレット/ノルボルネン系樹脂)を用い、これを水と混和し前記COPの1重量%濃度水溶液を作成し、これを反応温度250℃、反応時間30分間で高温高圧水熱反応させた以外は実施例1と同様の条件で反応させて前記COPの粒子を得た。
この反応により得られたCOP粒子の水溶液について測定した超微細ポリスチレン粒子の粒径分布を図14に示す。図14における複数の分布カーブは各試験サンプルに対応している。図14によれば、実施例1で得られた超微細ポリスチレン粒子は、粒子径1μm以下、0.07μmを超える粒径範囲(0.07〜0.1μm)で、ピークが125nm、半値幅が31.5nmの単分散で粒子径が均一にそろったサブミクロンオーダーの粒度を持つ超微粒子が得られることが判る。なお、この超微粒子はきわめて透明であり、乱反射で白濁していていないことから、屈折率制御粒子としての用途も含め光学レンズ等光学用超微粒子原料等して用いることができる。
【0039】
(実施例12)
粒子原料として柳木炭36mgを用い、これを水4mlと混和し、これを反応温度300℃、反応時間60分間で高温高圧水熱反応させた以外は実施例1と同様の条件で反応させて微粒子を得た。この微粒子について測定した超微細粒子の粒径分布を図15に示す。図15における複数の分布カーブは各試験サンプルに対応している。図15によれば、実施例12で得られた超微細粒子は、粒子径1μm以下、0.1μmを超える粒径範囲(0.1〜1μm)で、ピークが336nmと538nmにピークを持つ2山性の分布が観察された。
これは、前記ポリマー以外の例として4族元素の一つである炭素、グラファイト(炭)を微粒子に加工することが可能であることを示している。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明の製造方法によれば、ポリマー種に限定されることなく、また界面活性剤やモノマーからポリマーを作るための触媒を用いなくても、高い生産効率で、粒子径1μm以下の粒子径を有するサブミクロン(100〜700nm粒度)オーダーの粒度分布を持った均一な有機ポリマーの超微粒子を効率よく得ることができる。
従って、例えば、成形品、化粧品、医療品、塗料、インク、接着剤、光学材料などの材料に好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1−1】本発明にかかる製造方法を実施するためのバッチ式反応器の一例を示し、釜の開閉状態を示す概略側面図である。
【図1−2】同概略正面図である
【図2】本発明にかかる製造方法を実施するための連続反応装置の一例を示す概略図である。
【図3】実施例1により得られた超微細ポリスチレン粒子の透過型電子顕微鏡(TEM)による超微細画像である。
【図4】同超微細ポリスチレン粒子の粒径分布計測器(DLS、動的散乱法)による粒子径分布を示すグラフであって、横軸が粒径(nm)、縦軸がボリューム(%)である。
【図5】実施例2により得られた超微細ポリスチレン粒子の粒径分布計測器(DLS、動的散乱法)による粒子径分布を示すグラフであって、横軸が粒径(nm)、縦軸がボリューム(%)である。
【図6】実施例3により得られた超微細ポリスチレン粒子の粒径分布計測器(DLS、動的散乱法)による粒子径分布を示すグラフであって、横軸が粒径(nm)、縦軸がボリューム(%)である。
【図7】実施例4により得られた超微細ポリスチレン粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)による超微細画像である。
【図8】実施例5により得られた超微細ポリスチレン粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)による超微細画像である。
【図9】実施例6により得られた超微細ポリエチレン粒子の粒径分布計測器(DLS、動的散乱法)による粒子径分布を示すグラフであって、横軸が粒径(nm)、縦軸が強度(%)である。
【図10】実施例7により得られた超微細ポリプロピレン粒子の粒径分布計測器(DLS、動的散乱法)による粒子径分布を示すグラフであって、横軸が粒径(nm)、縦軸が強度(%)である。
【図11】実施例8により得られた超微細ポリ乳酸粒子の粒径分布計測器(DLS、動的散乱法)による粒子径分布を示すグラフであって、横軸が粒径(nm)、縦軸が強度(%)である。
【図12】実施例9により得られた超微細ポリスチレン粒子の粒径分布計測器(DLS、動的散乱法)による粒子径分布を示すグラフであって、横軸が粒径(nm)、縦軸が強度(%)である。
【図13】実施例10により得られた超微細ポリスチレン粒子の粒径分布計測器(DLS、動的散乱法)による粒子径分布を示すグラフであって、横軸が粒径(nm)、縦軸が強度(%)である。
【図14】実施例11により得られた超微細COP粒子の粒径分布計測器(DLS、動的散乱法)による粒子径分布を示すグラフであって、横軸が粒径(nm)、縦軸が強度(%)である。
【図15】実施例12により得られた超微細木炭粒子の粒径分布計測器(DLS、動的散乱法)による粒子径分布を示すグラフであって、横軸が粒径(nm)、縦軸が強度(%)である。
【符号の説明】
【0042】
1 反応器
2 制御部
3 反応管
4 ヒーター
5 釜
100 溶融ポリマー供給装置
200 溶融ポリマー高圧注入装置
300 超臨界水供給装置
400 反応分解槽
500 固液分離槽
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒子径1μm以下の超微粒子、好ましくは粒子径1μm以下からnmオーダーの超微小粒子の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、有機ポリマーの粒子径1μm以下の超微小粒子の需要が多く成っている。
ところがこのような1μm以下の有機ポリマー超微小粒子の製造方法としては、大きなポリマーを一旦合成し、それをミルなどを用い、より小さな粒子に加工している。この方法では、最終生産物に比べ原料ポリマーの大部分を損失してしまい、生産効率が非常に悪い。また最終生産物の粒子径を効率良く均一にすることが困難である。
【0003】
また従来、粒子径1μm以下の微粒子を乳化重合により作製する方法が提供されている。例えば、特許文献1にあるように乳化重合は水中で界面活性剤を入れて、微粒子を成長させるもので、1μm以下の微粒子を作製できる。しかし、この重合方法では、重合時に粒子径を安定にするために、粒子分に対して数%の界面活性剤を添加しなければならず、工程上、その洗浄工程が必要であり、またその界面活性剤の残渣は製品に悪影響を及ぼしたりする。
【0004】
また、界面活性剤を使用しないソープフリー乳化重合法がある。重合時に生成する低分子量のポリマーに界面活性剤と同様な役目をさせるものであるが、この方法ではこの効果を示すポリマー種が限定されてしまう。
【0005】
【特許文献1】特公平6−78398号
【0006】
最近、特許文献2にあるように、高分子重合溶液を二酸化炭素及び極性有機溶媒を用いて超臨界相に溶解させ、急速膨張させることにより微粒子を製造する方法があるが、製造される粒子径は10〜12μmとなり、粒子径1μm以下の微粒子はできていない。
【0007】
【特許文献2】特開平8−104830号
【0008】
また、特許文献3においても、超臨界状態の二酸化炭素中で合成されているが、製造される粒子径は1.4μm〜6.2μmとなり、粒子径1μm以下の微粒子はできていない。
【0009】
【特許文献3】特開平8−113652号
【0010】
更に、特許文献4では、超臨界二酸化炭素中で、粒子径が0.1〜50μmとサブミクロンの高分子微粒子が合成されているが、カルボキシル基を有するものに限定される。また、特許文献5では、超臨界二酸化炭素中で、粒子径が0.5μm付近のサブミクロンのアクリル系高分子微粒子が合成されているが、ラジカル重合開始剤が必要である。
【0011】
【特許文献4】特開2001−151802号
【特許文献5】特開2002−179707号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の課題は、粒子径1μm以下、特に粒子径1μm以下からnmオーダーのあらたな超微小粒子の製造方法を提供するところにある。特に本発明の課題は、ポリマー種に限定されることなく、また界面活性剤やモノマーからポリマーを作るための触媒を用いなくても、高い生産効率で、粒子径1μm以下の均一な微粒子を効率よく得ることができる有機ポリマー超微小粒子の製造方法を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するため鋭意検討した結果、元来産業で生じた廃棄物あるいは有毒物質の分解反応として利用されて来た超臨界水あるいは亜臨界水などの高温高圧水熱反応を、超微粒子、特に有機ポリマー超微粒子を得る手段として利用することができることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、原料、特にポリマー原料を水熱反応し、超微小粒子を得る超微小粒子の製造方法である。
また好ましい態様として、超臨界水あるいは亜臨界水を用いて、原料、特にポリマー原料を水熱反応し、超微小粒子を得る有機ポリマー超微小粒子の製造方法である。
なお、本発明においてポリマー原料とは、原料ポリマー及び又は重合性の原料モノマーを含む概念である。
【0014】
本発明の好ましい製造方法の態様としては、前記原料、特にポリマー原料を加熱溶融し、この溶融された原料を加熱溶融させた状態でシリンダー内に加圧供給し、シリンダー内に供給されたこの溶融物を押出して加圧し、この加圧された溶融物を反応分解槽注入し、反応分解槽の管内を溶融物が通過するにしたがい、高温高圧の超臨界水を反応分解槽内に注入して当該溶融物を水熱反応させ、溶融物を超微粒子化後、これを固液分離して微粒子を連続的に得る、微粒子の製造方法を提供することができる。
【0015】
本発明の好ましい製造装置の態様としては、原料供給装置と、当該原料供給装置から供給された原料に高圧をかけて反応分解槽に注入する原料高圧注入装置と、超臨界水を発生しこれを上記反応分解槽に供給する超臨界水供給装置と、前記原料高圧注入装置から高圧注入される前記反応分解槽内の原料に、超臨界水供給装置から供給される超臨界水を高温高圧水熱反応させて、前記原料が超微粒子化する当該反応分解槽と、当該反応分解槽から排出した反応液を超微粒子と液体に分離する固液分離槽とを備える、微小粒子の連続製造装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0016】
このように本発明は、超臨界水あるいは亜臨界水などの高温高圧水を用いて、原料、特にポリマー原料を水熱反応し、粒子径1μm以下、好ましくは粒子径1μm以下からnmオーダーの超微小粒子を得る新たな製造方法を提供することができる。
特に、原料としてポリマー原料を用い、これを加熱溶融し、この溶融されたポリマー原料を加熱溶融させた状態でシリンダー内に加圧供給し、シリンダー内に供給された溶融ポリマーを押出して加圧し、この加圧された溶融ポリマーを反応分解槽注入し、反応分解槽の管内を溶融ポリマーが通過するにしたがい、高温高圧の超臨界水を反応分解槽内に注入して当該溶融ポリマーを水熱反応させ、溶融ポリマーを超微粒子化後、これを固液分離して微粒子を連続的に得る方法によって、粒子径1μm以下、好ましくは粒子径1μm以下からnmオーダーの超微小粒子を得る新たな製造方法を提供することができる。
従って、本発明によれば、ポリマー原料の場合、ポリマー種に限定されることなく、また界面活性剤やモノマーからポリマーを作るための触媒を用いなくても、高い生産効率で、粒子径1μm以下、好ましくは粒子径1μm以下からnmオーダーの均一な微粒子を効率よく得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(バッチ式反応器)
図1−1、図1−2は本発明にかかる製造方法を実施するためのバッチ式反応器の一例を示す。図に示す反応器1は、制御部2と反応管3とヒーター4を含む釜5、5の部分より成る。反応管3はステンレス(SUS)製であり、円筒状の管30とねじ式のフタ31から成る。反応管3の内容量容積は、5mlである。釜5は、図1−1、図1−2に示すように、上下2つのパートから成り、反応管3に密着できる形体のアルミニウムからできており、ヒーターが内蔵されている。温度は反応管3も釜5も500℃まで耐えられるように設計されている。このバッチ式の装置では、温度のコントロールは、可能であるが、内部の圧力は、体積が一定なので物理的に一意的に決まる。
【0018】
本装置を用いて本発明の製造方法を実施する場合は、例えば、反応管3に、水及び粒子原料(ポリマー原料)を入れ、ねじでふたをする。反応管3中には、水、粒子原料(ポリマー原料)、空気が存在する。この反応管3の量は常温、常圧で水体積(ml)+粒子原料体積(ml)+空気体積(ml)=5mlとなる。
【0019】
従って、この装置では、任意に変えられる独立パラメータとして制限条件はあるが、たとえば反応温度、反応時間、水量、粒子原料体積の4変量を基本パラメータとすることができ、このパラメータを制御して、反応管内で臨界水あるいは亜臨界水などの高温高圧水を作製して、溶融状態の粒子原料を水熱反応させ、粒子径1μm以下の均一な微粒子を製造することが可能となる。なお、上記水熱反応後は上記粒子原料を一旦水で分散して逆浸透膜を用いる等して固体分離することが好ましい。
【0020】
(連続式反応装置)
図2は本発明にかかる製造方法を実施するための連続反応装置の一例を示す。この装置は、図2に示すとおり、溶融ポリマー供給装置100と、溶融ポリマー供給装置100から供給された溶融ポリマーに高圧をかけて反応分解槽400に注入する溶融ポリマー高圧注入装置200と、超臨界水を発生しこれを反応分解槽400に供給する超臨界水供給装置300と、溶融ポリマー高圧注入装置200から高圧注入される反応分解槽400内の溶融ポリマーに、超臨界水供給装置300から供給される超臨界水を高温高圧水熱反応させて、溶融ポリマーが超微粒子化する反応分解槽400と、反応分解槽400から排出した反応分解液をポリマーの超微粒子と液体に分離する固液分離槽500とを備えている。
【0021】
従って、この装置によれば、図2に示すように、例えば、粒子原料(例えばペレット状のポリマー原料)を溶融ポリマー供給装置100内に投入し、矢印方向の出入りにてエアー又は窒素を通気し、その後攪拌しながら粒子原料(ポリマー原料)を加熱溶融し、この溶融されたポリマー原料を、加熱溶融させた状態で300℃、1MPaで溶融ポリマー高圧注入装置200のシリンダー201内に300ccの容量にて加圧供給する。次に、シリンダー201内に供給された溶融ポリマーに対して更にこのシリンダー201内を駆動するプランジャー202によって、300℃、45MPaにて押出して加圧する。次に、この加圧された溶融ポリマーを内径8mm、長さ400mmの反応分解槽400内に注入していき、同時に、超臨界水供給装置で作成された高温高圧の超臨界水を反応分解槽400内に100cc/分、45MPaにて注入していって、反応分解槽400の管内を溶融ポリマーが通過するにしたがい当該溶融ポリマーを水熱反応させる。溶融ポリマーは超微粒子化し、これを300ccの容量にて固液分離槽500で45MPaにて固液分離すれば、粒子径1μm以下の均一な微粒子を連続的に効率よく製造することが可能となる。なお、600は圧力調整流体圧力制御弁につながる。
【0022】
本発明の製造方法で用いられるポリマー原料は特に限定されない。例えばポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ノルボルネン系樹脂などの環状ポリオレフィン(COP)、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、熱可塑性ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、熱可塑性ポリエーテル樹脂、熱可塑性エラストマーなど、各種の有機ポリマー又はこれらのポリマーを生成するモノマーを用いることができる。また前記COPのほか、光学的用途に適した環状オレフィン共重合体や脂環式アクリル樹脂、非晶性ポリオレフィン、ポリカーボネート、非晶性フッ素樹脂などにも有機ポリマー又はこれらのポリマーを生成するモノマーにおいて好適に用いることができる。これらは1種又は2種以上を混合して用いることができる。特に、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ乳酸、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ノルボルネン樹脂などの環状ポリオレフィン(COP)など又はそれらのモノマーが好ましい。
【0023】
そして、前記原料がポリマー原料であり、当該ポリマー原料として原料ポリマー及び又は重合性の原料モノマーを用いることができる。好ましい前記ポリマー原料としては、スチレン及びポリスチレンの群から選ばれる1種または2種以上の原料であり、また前記ポリマー原料として、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ノルボルネン樹脂の群から選ばれる1種または2種以上の原料ポリマー又は少なくともいずれかの原料ポリマーと重合性の原料モノマーを好適に用いることができる。
【0024】
また、本発明の製造方法によれば、高温高圧の水熱反応条件を制御して、得られる有機ポリマーの超微小粒子の形状又は粒子径を制御することが可能である。例えば、本発明にいう高温とは少なくとも120℃、高圧とは少なくとも2気圧が好ましい。より好ましい温度条件は少なくとも150℃、圧力としては少なくとも4.8気圧である。また、本発明の製法によれば粒子径1μm以下の均一な微粒子を製造することができるが、温度、圧力などの水熱反応条件を制御することにより、1μmを超える均一な微粒子や、1μmを超え且つ7μm以下、或は1μmを超え10μm以下の均一な微粒子を製造することもできる。粒子径1μm以下の均一な微粒子を製造するには臨界水あるいは亜臨界水を用いて水熱反応することが最も好ましいが、本発明はこれに限定されない。
【実施例】
【0025】
(実施例1)
図1−1、図1−2に示すバッチ式反応器(AKICO社製)を用い、粒子原料としてポリスチレンを使用した場合を記述する。
【0026】
粒子原料として粒子直径3mmのポリスチレン(ポリスチレンペレット)を用い、これを水と混和し、図1に示す反応管30にいれる。反応温度を設定し、釜5が設定温度になったところで、反応管30を釜5にセットする。一定時間反応させ、冷却し反応管30のねじ式のフタを開け生成物の計測、評価を行う。この計測評価方法として、MALVERN INSTRUMENT社製の粒径分布計測器(DLS、動的散乱法、商品名「Nano ZS」、室温測定)による粒子径分布測定と、日立社製の透過型電子顕微鏡(TEM)による超微細画像を用いた。
【0027】
なお、反応条件は、水体積が4ml、粒子原料体積が0.04ml、反応温度200℃、反応時間5分間で、ポリスチレン原料を高温高圧水熱反応させた。この反応により得られたポリエチレン粒子のTEM像を図3に示す。きれいな正球体の超微細ポリスチレン粒子が得られた。またこの反応により得られたポリスチレン粒子の水10倍希釈液について測定した超微細ポリスチレン粒子の粒径分布を図4に示す。図4における複数の分布カーブは各試験サンプルに対応している。図4によれば、実施例1で得られた超微細ポリスチレン粒子は、粒子径1μm以下、0.1μmを超える粒径範囲(0.1〜1μm)で、ピークが354nm、半値幅が145nmの単分散で粒子径が均一にそろったサブミクロンオーダーの粒度を持つ超微粒子が得られることが判る。
【0028】
(実施例2)
次に、反応時間を15分にした以外は実施例1と同条件でポリスチレン原料を高温高圧水熱反応した結果、球状の超微細ポリスチレン粒子がえられた。この反応により得られたポリスチレン粒子の水10倍希釈液について実施例1と同様に粒径分布計測器(DLS、動的散乱法)による粒子径分布測定を測定した。図5は、得られた超微細ポリスチレン粒子の粒径分布を示す。図5における複数の分布カーブは各試験サンプルに対応している。図5によれば、この実施例2で得られた超微細ポリスチレン粒子も、粒子径1μm以下、0.1μm以上の粒径範囲(0.1〜1μm)で、ピークが360nm、半値幅が62.4nmの単分散で粒子径が均一にそろったサブミクロンオーダーの粒度を持つ超微粒子が得られることが判る。
【0029】
(実施例3)
次に、反応時間を45分にした以外は実施例1と同条件でポリスチレン原料を高温高圧水熱反応した結果、球状の超微細ポリスチレン粒子がえられた。この反応により得られたポリスチレン粒子の水10倍希釈液について実施例1と同様に粒径分布計測器(DLS、動的散乱法)による粒子径分布測定を測定した。図6は、得られた超微細ポリスチレン粒子の粒径分布を示す。図6における複数の分布カーブは各試験サンプルに対応している。この実施例3で得られた超微細ポリスチレン粒子も、粒子径1μm以下、0.2μm以上の粒径範囲(0.2〜1μm)で、ピークが360nm、半値幅が62nmの単分散で粒子径が均一にそろったサブミクロンオーダーの粒度を持つ超微粒子が得られることが判る。
【0030】
なお、これらの反応において反応管を釜より取り出し氷水にて急冷した場合とヒーターを切り自然徐冷した時の粒子径に対する効果はなく、結果は、安定していた。
【0031】
(実施例4)
次に、水体積が3.5ml、粒子原料体積が0.0035ml、反応時間45分以外は実施例1と同条件でポリスチレン原料を高温高圧水熱反応した結果、球状の超微細ポリスチレン粒子がえられた。図7は、この実施例4で得られた超微細ポリスチレン粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)像を示す。なお、走査型電子顕微鏡(SEM)は日立社製の走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた。この超微細ポリスチレン粒子はこん棒状粒子として得られることが判る。これにより、本発明の製造方法によれば、こん棒状粒子の製造も可能である。
【0032】
(実施例5)
次に、水体積が3.5ml、粒子原料体積が0.035ml、反応温度が300℃、反応時間45分以外は実施例1と同条件で、ポリスチレン原料を高温高圧水熱反応した結果、球状の超微細ポリスチレン粒子がえられた。図8は、この実施例5で得られた超微細ポリスチレン粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)像を示す。なお、走査型電子顕微鏡(SEM)は日立社製の走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた。この超微細ポリスチレン粒子は方形状粒子として得られることが判る。これにより、本発明の製造方法によれば、方形状粒子の製造も可能である。
【0033】
(実施例6)
次に、粒子原料としてポリエチレン(ポリエチレンペレット)を用い、反応時間を60分にした以外は実施例1と同条件でポリエチレン原料を高温高圧水熱反応した結果、球状の超微細ポリエチレン粒子がえられた。この反応により得られたポリエチレン粒子の水10倍希釈液について実施例1と同様に粒径分布計測器(DLS、動的散乱法)による粒子径分布測定を測定した。図9は、得られた超微細ポリエチレン粒子の粒径分布を示す。サンプル数は3個である。図9における複数の分布カーブは各試験サンプルに対応している。この実施例6で得られた超微細ポリエチレン粒子も、0.9μm以下、0.2μm以上の粒径範囲(0.2〜0.9μm)で、ピークが347nm、半値幅が114nmの単分散で粒子径が均一にそろったサブミクロンオーダーの粒度を持つ超微粒子が得られることが判る。
【0034】
(実施例7)
次に、粒子原料としてポリプロピレン(ポリプロピレンペレット)を用い、反応時間を30分にした以外は実施例1と同条件でポリプロピレン原料を高温高圧水熱反応した結果、球状の超微細ポリプロピレン粒子がえられた。この反応により得られたポリプロピレン粒子の水10倍希釈液について実施例1と同様に粒径分布計測器(DLS、動的散乱法)による粒子径分布測定を測定した。図10は、得られた超微細ポリプロピレン粒子の粒径分布を示す。サンプル数は3個である。図10における複数の分布カーブは各試験サンプルに対応している。この実施例7で得られた超微細ポリスチレン粒子も、粒子径1μm以下、0.1μm以上の粒径範囲(0.1〜1μm)で、ピークが330nm、半値幅が130nmの単分散で粒子径が均一にそろったサブミクロンオーダーの粒度を持つ超微粒子が得られることが判る。
【0035】
(実施例8)
次に、粒子原料としてポリ乳酸(ポリ乳酸ペレット)を用い、反応時間を45分にした以外は実施例1と同条件でポリ乳酸原料を高温高圧水熱反応した結果、球状の超微細ポリ乳酸粒子がえられた。この反応により得られたポリ乳酸粒子の水10倍希釈液について実施例1と同様に粒径分布計測器(DLS、動的散乱法)による粒子径分布測定を測定した。サンプル数は3個である。図11は、得られた超微細ポリ乳酸粒子の粒径分布を示す。図11における複数の分布カーブは各試験サンプルに対応している。この実施例11で得られた超微細ポリ乳酸粒子も、0.9μm以下、0.4μm以上の粒径範囲(0.4〜0.9μm)で、ピークが540nm、半値幅が86nmの単分散で粒子径が均一にそろったサブミクロンオーダーの粒度を持つ超微粒子が得られることが判る。
【0036】
(実施例9)
次に、ポリスチレンペレットに代えて100〜300μmの粒径を有するポリスチレンパウダーを用い、配合量を23.38mg、反応時間を60分にした以外は実施例1と同条件でポリスチレン原料を高温高圧水熱反応した結果、球状の超微細ポリスチレン粒子がえられた。この反応により得られたポリスチレン粒子の水10倍希釈液について実施例1と同様に粒径分布計測器(DLS、動的散乱法)による粒子径分布測定を測定した。図12は、得られた超微細ポリスチレン粒子の粒径分布を示す。図12における3本の分布カーブは各試験サンプルに対応している。図12によれば、この実施例9で得られた超微細ポリスチレン粒子も、粒子径1μm以下の粒径範囲で、主たるピークが253nm、半値幅が129.6nmの粒子径が均一にそろったサブミクロンオーダーの粒度を持つ超微粒子が得られることが判る。
【0037】
(実施例10)
次に、ポリスチレンペレットに代えてモノマースチレンを用い、配合量を40ml、反応時間を45分で加熱にした以外は実施例1と同条件で原料モノマーを高温高圧水熱反応した結果、球状の超微細ポリスチレン粒子がえられた。この反応により得られたポリスチレン粒子の水10倍希釈液について実施例1と同様に粒径分布計測器(DLS、動的散乱法)による粒子径分布測定を測定した。図13は、得られた超微細ポリスチレン粒子の粒径分布を示す。図13における3本の分布カーブは各試験サンプルに対応している。図13によれば、この実施例10で得られた超微細ポリスチレン粒子も、粒子径1μm以下の粒径範囲(50〜300nm)で、主たるピークが123nm、半値幅が45.36nmの粒子径が均一にそろったサブミクロンオーダーの粒度を持つ超微粒子が得られることが判る。
【0038】
(実施例11)
粒子原料として日本ゼオン社製の環状ポリオレフィン(COP)である商品名「ゼオノア」(COPペレット/ノルボルネン系樹脂)を用い、これを水と混和し前記COPの1重量%濃度水溶液を作成し、これを反応温度250℃、反応時間30分間で高温高圧水熱反応させた以外は実施例1と同様の条件で反応させて前記COPの粒子を得た。
この反応により得られたCOP粒子の水溶液について測定した超微細ポリスチレン粒子の粒径分布を図14に示す。図14における複数の分布カーブは各試験サンプルに対応している。図14によれば、実施例1で得られた超微細ポリスチレン粒子は、粒子径1μm以下、0.07μmを超える粒径範囲(0.07〜0.1μm)で、ピークが125nm、半値幅が31.5nmの単分散で粒子径が均一にそろったサブミクロンオーダーの粒度を持つ超微粒子が得られることが判る。なお、この超微粒子はきわめて透明であり、乱反射で白濁していていないことから、屈折率制御粒子としての用途も含め光学レンズ等光学用超微粒子原料等して用いることができる。
【0039】
(実施例12)
粒子原料として柳木炭36mgを用い、これを水4mlと混和し、これを反応温度300℃、反応時間60分間で高温高圧水熱反応させた以外は実施例1と同様の条件で反応させて微粒子を得た。この微粒子について測定した超微細粒子の粒径分布を図15に示す。図15における複数の分布カーブは各試験サンプルに対応している。図15によれば、実施例12で得られた超微細粒子は、粒子径1μm以下、0.1μmを超える粒径範囲(0.1〜1μm)で、ピークが336nmと538nmにピークを持つ2山性の分布が観察された。
これは、前記ポリマー以外の例として4族元素の一つである炭素、グラファイト(炭)を微粒子に加工することが可能であることを示している。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明の製造方法によれば、ポリマー種に限定されることなく、また界面活性剤やモノマーからポリマーを作るための触媒を用いなくても、高い生産効率で、粒子径1μm以下の粒子径を有するサブミクロン(100〜700nm粒度)オーダーの粒度分布を持った均一な有機ポリマーの超微粒子を効率よく得ることができる。
従って、例えば、成形品、化粧品、医療品、塗料、インク、接着剤、光学材料などの材料に好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1−1】本発明にかかる製造方法を実施するためのバッチ式反応器の一例を示し、釜の開閉状態を示す概略側面図である。
【図1−2】同概略正面図である
【図2】本発明にかかる製造方法を実施するための連続反応装置の一例を示す概略図である。
【図3】実施例1により得られた超微細ポリスチレン粒子の透過型電子顕微鏡(TEM)による超微細画像である。
【図4】同超微細ポリスチレン粒子の粒径分布計測器(DLS、動的散乱法)による粒子径分布を示すグラフであって、横軸が粒径(nm)、縦軸がボリューム(%)である。
【図5】実施例2により得られた超微細ポリスチレン粒子の粒径分布計測器(DLS、動的散乱法)による粒子径分布を示すグラフであって、横軸が粒径(nm)、縦軸がボリューム(%)である。
【図6】実施例3により得られた超微細ポリスチレン粒子の粒径分布計測器(DLS、動的散乱法)による粒子径分布を示すグラフであって、横軸が粒径(nm)、縦軸がボリューム(%)である。
【図7】実施例4により得られた超微細ポリスチレン粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)による超微細画像である。
【図8】実施例5により得られた超微細ポリスチレン粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)による超微細画像である。
【図9】実施例6により得られた超微細ポリエチレン粒子の粒径分布計測器(DLS、動的散乱法)による粒子径分布を示すグラフであって、横軸が粒径(nm)、縦軸が強度(%)である。
【図10】実施例7により得られた超微細ポリプロピレン粒子の粒径分布計測器(DLS、動的散乱法)による粒子径分布を示すグラフであって、横軸が粒径(nm)、縦軸が強度(%)である。
【図11】実施例8により得られた超微細ポリ乳酸粒子の粒径分布計測器(DLS、動的散乱法)による粒子径分布を示すグラフであって、横軸が粒径(nm)、縦軸が強度(%)である。
【図12】実施例9により得られた超微細ポリスチレン粒子の粒径分布計測器(DLS、動的散乱法)による粒子径分布を示すグラフであって、横軸が粒径(nm)、縦軸が強度(%)である。
【図13】実施例10により得られた超微細ポリスチレン粒子の粒径分布計測器(DLS、動的散乱法)による粒子径分布を示すグラフであって、横軸が粒径(nm)、縦軸が強度(%)である。
【図14】実施例11により得られた超微細COP粒子の粒径分布計測器(DLS、動的散乱法)による粒子径分布を示すグラフであって、横軸が粒径(nm)、縦軸が強度(%)である。
【図15】実施例12により得られた超微細木炭粒子の粒径分布計測器(DLS、動的散乱法)による粒子径分布を示すグラフであって、横軸が粒径(nm)、縦軸が強度(%)である。
【符号の説明】
【0042】
1 反応器
2 制御部
3 反応管
4 ヒーター
5 釜
100 溶融ポリマー供給装置
200 溶融ポリマー高圧注入装置
300 超臨界水供給装置
400 反応分解槽
500 固液分離槽
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料を水熱反応し、超微小粒子を得る、超微小粒子の製造方法。
【請求項2】
前記原料が有機ポリマー原料及びグラファイトのいずれかから選ばれる請求の範囲第1項記載の超微小粒子の製造方法。
【請求項3】
前記原料が有機ポリマー原料である請求の範囲第1項記載の超微小粒子の製造方法。
【請求項4】
前記原料を、超臨界水あるいは亜臨界水を用いて水熱反応し、超微小粒子を得る請求の範囲第1項乃至第3項のいずれかの項に記載の超微小粒子の製造方法。
【請求項5】
前記超微粒子が粒子径1μm以下である請求の範囲第1項乃至第3項のいずれかの項に記載の有機ポリマー超微小粒子の製造方法。
【請求項6】
前記水熱反応条件を制御して、得られる超微小粒子の形状又は粒子径を制御する請求の範囲第1項乃至第5項のいずれかの項に記載の超微小粒子の製造方法。
【請求項7】
触媒又は界面活性剤を用いることなく、ポリマー原料を水熱反応して、超微小粒子を得る請求の範囲第1項乃至第4項のいずれかの項に記載の有機ポリマー超微小粒子の製造方法。
【請求項8】
前記原料がポリマー原料であり、当該ポリマー原料は原料ポリマー及び又は重合性の原料モノマーである請求の範囲第1項乃至第7項のいずれかの項に記載の有機ポリマー超微小粒子の製造方法。
【請求項9】
前記ポリマー原料が、スチレン及びポリスチレンの群から選ばれる1種または2種以上の原料である請求の範囲第8項記載の有機ポリマー超微小粒子の製造方法。
【請求項10】
前記ポリマー原料が、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ノルボルネン樹脂の群から選ばれる1種または2種以上の原料である請求の範囲第8項記載の有機ポリマー超微小粒子の製造方法。
【請求項11】
ポリマー原料を水熱反応して得られた、有機ポリマー超微小粒子。
【請求項12】
ポリマー原料を超臨界水あるいは亜臨界水を用いて水熱反応して得られた、請求の範囲第11項記載の有機ポリマー超微小粒子。
【請求項13】
前記ポリマー原料が、原料ポリマー及び又は重合性の原料モノマーである請求の範囲第11又は12項記載の有機ポリマー超微小粒子。
【請求項14】
前記ポリマー原料が、スチレン及びポリスチレンの群から選ばれる1種または2種以上の原料である請求の範囲第11又は12項記載の有機ポリマー超微小粒子。
【請求項15】
前記ポリマー原料が、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ノルボルネン樹脂の群から選ばれる1種または2種以上の原料である請求の範囲第11又は12項記載の有機ポリマー超微小粒子。
【請求項16】
前記原料を加熱溶融し、この溶融された原料を加熱溶融させた状態でシリンダー内に加圧供給し、シリンダー内に供給されたこの溶融物を押出して加圧し、この加圧された溶融物を反応分解槽注入し、反応分解槽の管内を溶融物が通過するにしたがい、高温高圧の超臨界水を反応分解槽内に注入して当該溶融物を水熱反応させ、溶融物を超微粒子化後、これを固液分離して微粒子を連続的に得る、微粒子の製造方法。
【請求項17】
原料供給装置と、当該原料供給装置から供給された原料に高圧をかけて反応分解槽に注入する原料高圧注入装置と、超臨界水を発生しこれを上記反応分解槽に供給する超臨界水供給装置と、前記原料高圧注入装置から高圧注入される前記反応分解槽内の原料に、超臨界水供給装置から供給される超臨界水を高温高圧水熱反応させて、前記原料が超微粒子化する当該反応分解槽と、当該反応分解槽から排出した反応液を超微粒子と液体に分離する固液分離槽とを備える、微小粒子の連続製造装置。
【請求項18】
前記原料がポリマー原料である請求の範囲第11項記載の超微小粒子の連続製造装置。
【請求項1】
原料を水熱反応し、超微小粒子を得る、超微小粒子の製造方法。
【請求項2】
前記原料が有機ポリマー原料及びグラファイトのいずれかから選ばれる請求の範囲第1項記載の超微小粒子の製造方法。
【請求項3】
前記原料が有機ポリマー原料である請求の範囲第1項記載の超微小粒子の製造方法。
【請求項4】
前記原料を、超臨界水あるいは亜臨界水を用いて水熱反応し、超微小粒子を得る請求の範囲第1項乃至第3項のいずれかの項に記載の超微小粒子の製造方法。
【請求項5】
前記超微粒子が粒子径1μm以下である請求の範囲第1項乃至第3項のいずれかの項に記載の有機ポリマー超微小粒子の製造方法。
【請求項6】
前記水熱反応条件を制御して、得られる超微小粒子の形状又は粒子径を制御する請求の範囲第1項乃至第5項のいずれかの項に記載の超微小粒子の製造方法。
【請求項7】
触媒又は界面活性剤を用いることなく、ポリマー原料を水熱反応して、超微小粒子を得る請求の範囲第1項乃至第4項のいずれかの項に記載の有機ポリマー超微小粒子の製造方法。
【請求項8】
前記原料がポリマー原料であり、当該ポリマー原料は原料ポリマー及び又は重合性の原料モノマーである請求の範囲第1項乃至第7項のいずれかの項に記載の有機ポリマー超微小粒子の製造方法。
【請求項9】
前記ポリマー原料が、スチレン及びポリスチレンの群から選ばれる1種または2種以上の原料である請求の範囲第8項記載の有機ポリマー超微小粒子の製造方法。
【請求項10】
前記ポリマー原料が、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ノルボルネン樹脂の群から選ばれる1種または2種以上の原料である請求の範囲第8項記載の有機ポリマー超微小粒子の製造方法。
【請求項11】
ポリマー原料を水熱反応して得られた、有機ポリマー超微小粒子。
【請求項12】
ポリマー原料を超臨界水あるいは亜臨界水を用いて水熱反応して得られた、請求の範囲第11項記載の有機ポリマー超微小粒子。
【請求項13】
前記ポリマー原料が、原料ポリマー及び又は重合性の原料モノマーである請求の範囲第11又は12項記載の有機ポリマー超微小粒子。
【請求項14】
前記ポリマー原料が、スチレン及びポリスチレンの群から選ばれる1種または2種以上の原料である請求の範囲第11又は12項記載の有機ポリマー超微小粒子。
【請求項15】
前記ポリマー原料が、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ノルボルネン樹脂の群から選ばれる1種または2種以上の原料である請求の範囲第11又は12項記載の有機ポリマー超微小粒子。
【請求項16】
前記原料を加熱溶融し、この溶融された原料を加熱溶融させた状態でシリンダー内に加圧供給し、シリンダー内に供給されたこの溶融物を押出して加圧し、この加圧された溶融物を反応分解槽注入し、反応分解槽の管内を溶融物が通過するにしたがい、高温高圧の超臨界水を反応分解槽内に注入して当該溶融物を水熱反応させ、溶融物を超微粒子化後、これを固液分離して微粒子を連続的に得る、微粒子の製造方法。
【請求項17】
原料供給装置と、当該原料供給装置から供給された原料に高圧をかけて反応分解槽に注入する原料高圧注入装置と、超臨界水を発生しこれを上記反応分解槽に供給する超臨界水供給装置と、前記原料高圧注入装置から高圧注入される前記反応分解槽内の原料に、超臨界水供給装置から供給される超臨界水を高温高圧水熱反応させて、前記原料が超微粒子化する当該反応分解槽と、当該反応分解槽から排出した反応液を超微粒子と液体に分離する固液分離槽とを備える、微小粒子の連続製造装置。
【請求項18】
前記原料がポリマー原料である請求の範囲第11項記載の超微小粒子の連続製造装置。
【図1−1】
【図1−2】
【図2】
【図14】
【図15】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図1−2】
【図2】
【図14】
【図15】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−16219(P2007−16219A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−157427(P2006−157427)
【出願日】平成18年6月6日(2006.6.6)
【出願人】(505216276)有限会社トス (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月6日(2006.6.6)
【出願人】(505216276)有限会社トス (2)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]