説明

超疎水性を与えるための組成物

毛髪に撥水性を与えるための組成物及び方法が記載される。該組成物には、一般的に、0.5又はそれ以上の動摩擦係数を有する第一疎水性微粒子マテリアルが、0.5未満の動摩擦係数を有する第二疎水性微粒子マテリアルと組み合わせて含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪を含むケラチン繊維に疎水性膜を与えるための方法及び組成物に関する。より具体的には、本発明は、毛髪に超疎水性膜を形成するための方法及び組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ハスの葉は、優れた撥水性及び自浄化作用を示す。ハスは、濁った川及び湖で生息する。その葉及び花は、汚れておらず、実質的に濡れていない。ハスは、葉及び花に極度の疎水性表面を形成することで、この効果を得ている。葉が水に接触すると、水滴は実質的に球状の玉に凝縮する。それは、表面を転がり落ち、接触する汚れの粒子を洗い流す。
【0003】
極度の親水性表面上では、水滴は全面に広がり、接触角は実質的に0°となる。これは、水に対して高い親和性を有する表面によるものであり、それには水を吸収するマテリアルも含まれる。多くの親水性表面では、水滴に対する接触角は、約10°から約30°となる。一方で、疎水性表面(水と相容れない)では、より大きな接触角が観察され、それは、典型的には、約70°から約90°、及びそれ以上の範囲にある。例えばテフロン(商標名)といった極度の疎水性マテリアル(疎水性表面のベンチマークとして広く認識されている)の水に対する接触角は、120°〜130°と同程度である。
【0004】
この背景とは対照的に、驚くべきことに、ハスの葉は、水に対する接触角を約160°とすることができる。それは、テフロン(商標名)よりも実質的に高い疎水性を呈する。したがって、ハスの葉は、“超疎水性”表面の一例となる。このため、超疎水性表面の水に対する接触角は、約140°よりも大きいとされ得る。この効果は、葉の3次元表面構造により生じるといわれる。葉においては、ナノ又はマイクロメータースケールの凹凸が生じるよう、ワックスクリスタルの自己構築がみられる。疎水性表面の突起は、水との表面接触領域を減らし、葉における水の接触及び分散を抑制する。
【0005】
ハスの葉の前述の特性が発見され、そのメカニズムが解明されたことにより、さまざまな超疎水性表面が作成されてきた。このような超疎水性表面の水に対する接触角は、140°から180°付近の範囲である。このような表面は、とりわけ濡れにくい。これらの表面上では、水滴は単に表面上に載っているだけであり、現実的に大きな程度まで濡れることはない。超疎水性表面は、さまざまな方法で得られてきた。疎水性が高いマテリアルのいくつかは、自然界で見出される。他の超疎水性マテリアルは、合成により、時には天然マテリアルのミミックとして作られる。
【0006】
特許文献1には、細かく分割された粉末を含む、濡れにくい表面を作るためのコーティング組成物が記載されている。該粉末は、多孔質であり、疎水性表面を有し、膜形成バインダーに結合されている(該粉末の該バインダーに対する割合は、1:4である)。
【0007】
特許文献2には、自浄作用を有する超疎水性マテリアルの生成方法が記載されている。
【0008】
特許文献3には、自浄式表示装置が記載されている。
【0009】
特許文献4には、仕上げ層の適用方法が記載されている。それは、布地、織物、及び薄い織物の仕上げに使用される撥水剤である。
【0010】
特許文献5には、ガラス、セラミック、及びプラスチックの自浄基質の生成方法が記載されている。
【0011】
特許文献6には、疎水性金属酸化物の粗粒子の膜を塗布することによる、水の抵抗(drag)を減らす方法が記載されている。該粒子は、2つの異なるサイズ範囲の分布を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第6,683,126号明細書
【特許文献2】米国特許第6,852,389号明細書
【特許文献3】米国特許第6,946,170号明細書
【特許文献4】米国特許第7,056,845号明細書
【特許文献5】米国特許第6,800,354号明細書
【特許文献6】米国特許第5,500,216号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
疎水性又は超疎水性マテリアルが前述されているが、毛髪ケア組成物の疎水性又は超疎水性マテリアルが必要とされている。それは、毛髪繊維に疎水性膜、具体的には超疎水性膜を与えるものである。前述の特許明細書に記載された組成物は、毛髪に超疎水性膜を形成することには適していない。なぜならば、これらによる膜の感触、及び審美性の特性が許容されないからである。具体的には、超疎水性膜において通常用いられる粒子(疎水性を有するように修飾されたシリカ又はアルミナ)は、毛髪に塗布された場合、粉を吹いたような感触を与え、白い外観をもたらし、光沢を低減させる。
【0014】
それゆえ、本発明の目的は、毛髪(ケラチン)繊維に塗布するための化粧品組成物(その表面に超疎水性膜を形成する)を提供することである。本発明のさらなる目的は、水に対する耐久性、自浄及び/又は長持ちする作用をもたらすために、毛髪に超疎水性膜を与える方法を提供することである。本発明の目的はまた、毛髪に、消費者に許容可能な審美性(感覚、色、及び光沢を含む)を有する超疎水性膜をもたらすことである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前述の目的及びその他によれば、本発明は、表面、好ましくは生体外皮、より好ましくはケラチン繊維(毛髪)における、超疎水性膜を形成するための組成物及び方法を提供する。
【0016】
本発明の一態様において、ケラチン繊維に撥水性(好ましくは、超疎水性)を与えるための組成物が提供される。それは、以下を含む:(a)0.1重量%から5重量%、より典型的には0.75重量%から約3重量%の第一疎水性微粒子マテリアル(該第一疎水性微粒子マテリアルは、0.5又はそれ以上の動摩擦係数を有する);(b)0.1重量%から5重量%の第二疎水性微粒子マテリアル(該第二疎水性微粒子マテリアルは、0.5未満の動摩擦係数を有する);及び(c)90重量%から99.8重量%の揮発性溶剤(限定されることなく、それは、揮発性シリコーン、エタノール、又はそれらの組み合わせであってもよい);該第一疎水性微粒子マテリアルの該第二疎水性微粒子マテリアルに対する重量比は、約1:10から約10:1である;及び該組成物における全非揮発性液体成分の総重量パーセンテージは、10%未満(組成物全重量に基づく)である。
【0017】
該第一疎水性微粒子マテリアルは、表面にナノメートルスケールの凹凸を備えることで、該表面に超疎水性を与えるものである。該第一疎水性微粒子マテリアルは、疎水性を有するように表面を修飾された、金属酸化物又は酸化メタロイドといった酸化物(例えば、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化鉄、酸化スズ、酸化亜鉛、二酸化ジルコニウム、又はそれらの組み合わせを含む)を含んでいてもよい。本発明の好ましい態様において、該第一疎水性微粒子マテリアルは、INCI名トリメトキシカプリリルシラン(及び)アルミナ(国際化粧品原料事典(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook)(2008年)第12版)といった、疎水性を有するよう修飾された酸化アルミニウムを含む。
【0018】
該第二疎水性微粒子マテリアルは、単独では典型的には超疎水性表面を提供しないが、該第一マテリアルと組み合わせて用いられる場合に、好ましくはこの効果を実質的に無効にしないものである。該第二疎水性微粒子マテリアルは、望ましい滑らかな感触の特性をもたらし、及び該第一疎水性微粒子マテリアルによる毛髪の粉を吹いたような感触を取り除き、又は低減させる。種々の態様において、該第二疎水性微粒子マテリアルは、0.4未満、0.3未満、0.2未満、理想的には0.1未満の動摩擦係数を有し得る。該第二疎水性微粒子マテリアルは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリアミド−イミド、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレンテレフタレートポリエステル(PETP)、ポリスチレン、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルシルセスキオキサン、ポリアミド粉末、ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサンクロスポリマー、シリコーンエラストマー、ポリシリコーン、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される、実質的に球状のポリマー粒子を含んでいてもよい。本発明によれば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は、球状であるとないとにかかわらず、好ましい第二疎水性微粒子マテリアルである。PTFEは典型的には、0.05未満の動摩擦係数を有する。
【0019】
該第二疎水性微粒子マテリアルはまた、ラウロイルリシンを含んでいてもよい。それは、適切に、N−ラウロイル−L−リシンの六角板状結晶であってもよく、理想的には、0.1未満の動摩擦係数を有する。その他の好ましいマテリアルは、窒化ホウ素である。
【0020】
該組成物は、典型的には、全組成物中、さらに光沢亢進剤を0.05重量%から2.5重量%含んでいてもよい。それは、該第一疎水性微粒子マテリアルによりもたらされるマットな仕上がりを低減する。種々の態様において、該光沢亢進剤は、限定されることなく、半球状のメチルメタクリレートクロスポリマー、又は25℃で1.4より大きい屈折率を有するアリール−シリコーンである。フェニルトリメチコンは、このようなアリールシリコーンの限定されない一例である。
【0021】
関連する態様において、ケラチン繊維に撥水性を与えるための組成物が提供され、それは、以下を含む:(a)0.1重量%から5重量%の、疎水性を有するように修飾された酸化アルミニウムを含む第一疎水性微粒子マテリアル;(b)0.1重量%から5重量%の第二疎水性微粒子マテリアル(前記第二疎水性微粒子マテリアルは、0.5未満の動摩擦係数を有する);(c)90重量%から99.8重量%の揮発性溶剤;該第一疎水性微粒子マテリアルの該第二疎水性微粒子マテリアルに対する重量比は、約1:10から約10:1である;及び該組成物における全非揮発性液体成分の総重量パーセンテージは、10%未満(組成物の全重量に基づく)である。
【0022】
本発明の他の態様において、毛髪に撥水性を与えるための方法が提供される。それは、本発明の組成物のいずれかを塗布すること、及び含まれる揮発性溶剤を蒸発させ、超疎水性表面を形成することを含む。それは、好ましくは、水滴に対する接触角が少なくとも140°であることを特徴とする。該組成物は、濡れた毛髪又は乾いた毛髪に塗布されてもよい。
【0023】
本発明のこれらの態様及び他の態様は、図面及び特許請求の範囲を含む、後述される本発明の詳細な説明により、当業者に明らかとなるだろう。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本明細書で用いられる“超疎水性”という用語は、一般的に、水に対する接触角が約140°より大きい、いかなる表面にも言及される。超疎水性は、接触角のゴニオメータ又は本技術分野で公知の他の方法を用いて、水に対する接触角を測定することによって、定量的に評価され得る。又は、撥水性の外観検査及び目視観察によって(すなわち、キャスト膜を転がり落ちる水滴の観察)、若しくは、毛髪サンプルの浸水前後の重量測定によって、定量的に評価されてもよい。
【0025】
本明細書におけるメジアン又は平均粒子サイズへのすべての言及は、容積を基礎とする。重量パーセンテージを単位として規定されるすべての量は、他に明示がない限り、全組成物に対するものである。他に規定されない限り、“アルキル”という用語は、直鎖、分岐鎖、又は環式炭化水素、具体的には、1から20の炭素原子を有する炭化水素、より具体的には、炭素数1〜12の炭化水素、を用いるよう意図される。
【0026】
本明細書で用いられる“ケラチン繊維”という用語は、頭皮の毛髪、まつげ、まゆ毛、顔ひげ、及び腕や足の毛といった体毛を含む。ケラチン繊維は、ヒトのものに限定されず、例えば、ペットの毛、哺乳類の毛皮といった、哺乳類由来のいかなるケラチン繊維をも含む。
【0027】
油中水滴型エマルションといった水を含む処方は本発明の範囲内ではあるが、ケラチン繊維に超疎水性を与えるための本発明の化粧品組成物は、一般的に無水である。本明細書で用いられる油中水滴型エマルションは、シリコーン中水滴型エマルションを含む。全組成物の重量に基づく成分の重量%に言及されている場合、組成物の全重量は、エマルションの水相と油相との両方を含むよう理解される。本発明においては、水は揮発性溶剤とされ、本明細書で記載される親水性成分及び液体への限定から除外される。
【0028】
該組成物は好ましくは、揮発性溶剤の蒸発後に、ケラチン繊維に膜をもたらし得る。水滴に対する接触角は、約140°より大きく、好ましくは約145°より大きく、より好ましくは約150°より大きいことを特徴とする。該接触角は、該表面の疎水性度の尺度であり、液体/気体の接触面が、固体表面に交わる角度で表される。接触角は、接触角のゴニオメータを用いて、適切に測定される。種々の態様において、水に対する接触角は、約140°、約141°、約142°、約143°、約144°、約145°、約146°、約147°、約148°、約149°、約150°である。
【0029】
本発明の該組成物は、第一微粒子マテリアル及び第二微粒子マテリアルを含む。該第一微粒子マテリアルは、少なくとも1の疎水性微粒子マテリアルを含み、0.5以上の動摩擦係数(μ)を有する。該第二微粒子マテリアルは、少なくとも1の疎水性微粒子マテリアルを含み、それは、0.5未満の動摩擦係数(μ)を有する。該第二微粒子マテリアルは典型的には、実質的に球状粒子を含み、毛髪に滑らかな感触を与えるのに対し、該第一微粒子マテリアルは多くの場合、粉を吹いたような、又はザラザラした感触をもたらすことにより特徴づけられ、実質的に非球状であってもよい。特定の理論に縛られることを望むものではないが、高いμ(すなわち、0.5以上)を有する、実質的に非球状の粒子は、ナノスケールの凹凸を有する(それは、超疎水性を実現するのに必要である)といわれる。特定の理論に縛られることを望むものではないが、該微粒子マテリアルは、該毛髪表面において、ナノスケール(1nm〜1,000nm)及び/又はマイクロスケール(1μm〜200μm)の凹凸又は表面構造を与えると考えられる。それは、水滴が位置し得るところに突起を提供し、その結果、全体として該表面への水の接触を最小限にする(すなわち、表面接着を低減する)ことにより、超疎水性を与える。表面の凹凸は、AFM、SEM、及び同様のものにより、観察又は測定され得る。また、高いμを有する粒子が高い抵抗性(drag)を有することで、該粒子の該毛髪に対する持続性を向上させる。驚くべきことに、該毛髪に該粒子を維持するのにバインダーが不要な程度にまで、持続性を0向上させることが可能である。しかし、このような高いμを有する微粒子マテリアルは、単独で又は高含有量で用いられる場合は、概して、毛髪ケア製品に適合しない。なぜならば、それらは、毛髪に粉を吹いたようなザラザラした感触を与え、マットな外観及び白みがかった色をもたらすからである。しかし、本発明の組成物においては、驚くべきことに、0.5未満の動摩擦係数(μ)を有する該第二微粒子マテリアルを含有させることで、これらの欠点は消失又は軽減される。該第二微粒子マテリアルは典型的には、単独では毛髪に超疎水性を与えることができず、又は十分に与えることができない。予想外にも、処理された毛髪の超疎水性は、本発明の組成物における該第二微粒子マテリアルの添加によっては失われない。
【0030】
動摩擦係数は、例えばカトーテック社製の摩擦感テスター(KES−SE)を用いて、適切に測定され得る。特定の量(例えば、0.01g)のサンプル(2mm/秒で50gの載荷重で、研磨された石英のプレート上に均一に広げられる)を測定するために、シリコーンラバーの摩擦プローブを用いて測定される。
【0031】
該第一微粒子マテリアル(すなわち、0.5以上の(運動学的な)動摩擦係数(μ)を有する疎水性粒子)は典型的には、必ずしも必要ではないが、実質的に非球状である。これらの微粒子は、金属酸化物又は酸化メタロイド粒子といった、酸化物粒子をベースにしていてもよく、それらは疎水性の特性を与えるために、表面処理される。本発明による高い動摩擦を有する好ましい微粒子マテリアルは、表面修飾された酸化アルミニウム(Al)である。ヒュームドシリカ又は焼成シリカ(例えば、主要な粒子サイズの範囲が約7nmから約40nmであり、全体の粒子サイズは、約100nmから約400nmである)を含む、疎水性を有するように修飾されたシリカ(SiO)粉末はまた、特に有用であると意図される。他の優れた微粒子マテリアルは、疎水性を有するように修飾された金属酸化物又は酸化メタロイドであり、それには、限定されることなく、二酸化チタン(TiO)、酸化鉄(FeO、Fe、又はFe)、二酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、二酸化ジルコニウム(ZrO)、及びそれらの組み合わせが含まれる。
【0032】
疎水性を有するように修飾された微粒子及び疎水性を有するように修飾された微粒子を調製するための方法は、本技術分野においてよく知られている。例えば、Schutteらによる米国特許第3,393,155号明細書、Wagnerらによる米国特許第2,705,206号明細書、Wagnerらによる米国特許第5,500,216号明細書、Kellerらによる米国特許第6,683,126号明細書、Mullerらによる米国特許第7,083,828号明細書、Russellらによる米国特許出願公開第2006/0110541号明細書、及びDietzらによる米国特許出願公開第2006/0110542号明細書に記載されるとおりである(これらの記載は参照することにより本明細書に組み入れられる)。本明細書で用いられる疎水性を有するように修飾された微粒子とは、表面修飾を施していない微粒子に比して、表面修飾により親水性の程度が抑えられ、より疎水性の程度が高い微粒子をいう。
【0033】
一態様において、本発明の疎水性粒子は、例えば、アルキル基、シリコーン、シロキサン、アルキルシロキサン、オルガノシロキサン、フッ素化シロキサン、ペルフルオロシロキサン、オルガノシラン、アルキルシラン、フッ素化シラン、全フッ素化シラン及び/又はジシラザン、ならびに同様物といった、非極性基により覆われた(例えば、共有結合している)表面を有する酸化物粒子であってもよい。表面処理は、該粒子の疎水性度を高めるものであればいかなるものであってもよい。該粒子の表面は、例えば、有機分子又はシリコーンベースの分子と共有結合又はイオン結合されてもよく、又は、それらに吸着されていてもよい。又は、該粒子は、疎水性マテリアルの層で物理的に被覆されていてもよい。疎水性処理のタイプには、本質的に制限はなく、アルキル、アリール又はアリルシラン、シリコーン、ジメチコン、脂肪酸(例えば、ステアレート)、シラン重合体が、それらのフルオロ誘導体及びペルフルオロ誘導体と同様に挙げられてもよい。該疎水性化合物は、適切なカップリング剤、リンカー基、又は官能基(例えば、シラン、エステル、エーテル等)により酸化物粒子に接着され得る。該疎水性化合物は、疎水性部分を含み、それは、例えば、アルキル、アリール、アリル、ビニル、アルキル−アリール、アリールアルキル、オルガノシリコーン、及びそれらのフルオロ誘導体又はペルフルオロ誘導体から選択され得る。ポリウレタン、エポキシ及び同様物を含む疎水性重合体コーティングもまた、有用であると考えられる。Farerらによる米国特許第6,315,990号明細書(これらの記載は参照することにより本明細書に組み入れられる)では、フルオロシランにより被覆された微粒子について記載している。それは、求核基(例えば、酸素又は水酸基)を有する微粒子を、少なくとも1のフッ素原子で置換されたヒドロカルビルオキシ基、及び求核試薬により置換可能な反応性ヒドロカルビルオキシ基を有するシリコーン含有化合物で反応させることにより形成される。このような化合物の一例として、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシランが挙げられる。これは、ニュージャージー州ピスカタウェイのSivento社より、DYNASILANE(商標名)F8261として市販されている。Kellerらによる米国特許第6,683,126号明細書(これらの記載は参照することにより本明細書に組み入れられる)に記載される疎水性を有するよう修飾された微粒子マテリアルのいずれもまた、有用であると考えられる。それには、限定されることなく、酸化物マテリアル(例えば、SiO、TiO等)を、(ペルフルオロ)アルキル含有化合物で処理することにより得られるものを含む。(ペルフルオロ)アルキル含有化合物は、酸化物支持粒子の表面付近のOH基と化学反応を起こす少なくとも1の反応性官能基を含有する(例えば、ヘキサメチルジシラザン、オクチルトリメトキシシラン、シリコーン油、クロロトリメチルシラン、及びジクロロジメチルシランを含む)。本発明による好ましい疎水性コーティングは、酸化物(例えば、アルミナ)を、トリメトキシカプリリルシランで処理することにより、調製される。
【0034】
特に好ましい態様において、第一微粒子マテリアルは、ヒュームドアルミナ又はヒュームドシリカであり、それは、アルキルシリル、フルオロアルキルシリル、又はペルフルオロ−アルキルシリル基で表面が官能化されている。典型的には、アルキルシリル基は、炭素数1〜20の炭化水素(より典型的には、炭素数1〜8の炭化水素)を含み、それらは、付加的にフッ素化又は全フッ素化される。このような基は、粒子表面で、炭素数1〜12のアルキル−トリアルコキシシラン(例えば、炭素数1〜12のアルキル−トリメトキシシラン、又は炭素数1〜12のアルキル−トリエトキシシラン)といったシランを反応させることで、導入され得る。他の態様において、酸化物粒子は、フルオロアルキルシラン、具体的には、炭素数1〜20のペルフルオロアルキルシランといった、ペルフルオロアルキルシラン、より典型的には、炭素数1〜12のペルフルオロアルキルシランで、表面処理される。それには、酸化鉄が炭素数8のペルフルオロアルキルシランで表面処理される、典型的な態様が含まれる。該顔料は、酸化物粒子を、ペルフルオロオクチルトリエトキシシラン(INCI)といった、トリアルコキシフルオロアルキルシランで処理することにより、調製され得る。該粒子は好ましくはヒュームド(焼成)であるために、主要な粒子サイズは、典型的には、非常に小さい(すなわち、約5nmから約30nm)。これらの微粒子マテリアルの比表面積は、必ずしも必要ではないが、典型的には、約50m/gから約300m/gの範囲、より典型的には、約75m/gから約250m/gの範囲、好ましくは、約100m/gから200m/gの範囲である。
【0035】
適切な疎水性を有するように修飾されたヒュームドシリカ粒子は、限定されることなく、デグッサ社(ニュージャージー州パーシッパニー)による、AEROSIL(商標名)R202,AEROSIL(商標名)R805,AEROSIL(商標名)R812,AEROSIL(商標名)R812S,AEROSIL(商標名)R972,AEROSIL(商標名)R974,AEROSIL(商標名)R8200,AEROXIDE(商標名)LE−1,AEROXIDE(商標名)LE−2,及びAEROXIDE(商標名)LE−3を含む。シリカ(SiO)及び疎水性を有するように修飾されたシリカは、いくつかの態様において特に有用であるよう意図されるが、他の態様において、該組成物は、シリカ又は疎水性を有するように修飾されたシリカは実質的に含まれない。シリカ又は疎水性を有するように修飾されたシリカを実質的に含まないとは、これらの成分が、1又は2以上の微粒子マテリアルを約2%重量未満、好ましくは約1重量%未満、より好ましくは約0.5重量%未満含むという意味である。適切な、疎水性を有するように修飾されたアルミナ微粒子は、ALU C805(エボニック社)である。Dietzらによる米国特許出願公開第2006/0110542号明細書(これらの記載は参照することにより本明細書に組み入れられる)に記載される、疎水性を有するように修飾されたシリカマテリアルは、特に適するものと考えられる。いくつかの態様において、該組成物は、アルミナ又は疎水性を有するように修飾されたアルミナを、実質的に含まない。
【0036】
0.5以上の(運動学的な)動摩擦係数(μ)を有する適切な微粒子マテリアルは、トリメトキシオクチシランをヒュームドアルミナと反応させることにより得られる、オクチルシラン化されたヒュームド(焼成)アルミナを含む。それは、エボニック社によりAEROXIDE(商標名)ALU C805の名称で販売されている。この製品は、平均の主要粒子サイズが約13nm(ナノメーター)であり、比表面積(SSA)は約100±15m/gであるといわれる。他の市販のマテリアルは、限定されることなく、エボニック社によるAEROXIDE(商標名)LE1、LE2、及びLE3を含み、それらは、疎水性ヒュームドシリカであり、疎水性を有するようにアルキルシリル基で表面が官能化され、比表面積(SSA)は各々、約160±30m/g、約220±30m/g、及び約100±30m/gであるといわれる。
【0037】
該第一微粒子マテリアルは典型的には、0.5又はそれを超えるμの値を有するマテリアルを含み、μの値は典型的には、約0.6以下、約0.7以下、約0.8以下、約0.9以下である。前述の、AEROXIDE(商標名)ALU C805の名称で販売される、オクチルシラン化されたヒュームド(焼成)アルミナは、これらの範囲に入るといわれるが、AEROXIDE(商標名)ALU C805は、動摩擦係数にかかわらず、本発明の実施において有用であると理解される。したがって、一態様において、本発明は、0.5未満の動摩擦係数を有する第二微粒子マテリアルとの組み合わせで、AEROXIDE(商標名)ALU C805を含む組成物を包含する。
【0038】
該第一微粒子マテリアルは、粒子の形態であり、そのメジアン粒子サイズは、典型的には、約1nm(ナノメーター)と約500μm(マイクロメーター)の間であり、より典型的には、約5nmと約200μmの間であり、好ましくは約7nmと約1μm、約5μm、約20μm、約50μm、又は約100μmの間である。該微粒子マテリアルとしてヒュームドが用いられた場合(例えば、修飾されたアルミナ及び修飾されたシリカ)、主要粒子のメジアン粒子サイズは、典型的には、約5nmと約50nmの間である。
【0039】
該第一微粒子マテリアルは、揮発性溶剤を含む該組成物中、約0.01重量%から約10重量%含有され、該組成物中、より典型的には約0.1重量%から約7.5重量%、好ましくは約0.2重量%から約5重量%、より好ましくは約0.5重量%から約3重量%、さらにより好ましくは約0.75重量%から約1.5重量%含有される。好ましい態様において、組成物の全重量(すなわち、溶剤を含む)中、該第一疎水性微粒子マテリアルは3重量%を超えないのが望ましいことが見出された。過度に粉を吹いたような外観を防ぎ、“通常の”毛髪にするためである。“通常の”毛髪とは、化学的脱色によるダメージを受けていない毛髪を意味する。“通常の”毛髪のために、該第一微粒子マテリアルは、0.75重量%から1.5重量%含まれるのが最適である。しかしながら、脱色された、又はダメージを受けた毛髪(通常の毛髪よりも疎水性度が高い)のために、第一微粒子マテリアルを増量させて、3%を超える量にすることが可能であり、そしてそれが望まれる。脱色された毛髪の表面に超疎水性を与えるためには、より多くの疎水性微粒子マテリアルが必要とされるからである。疎水性微粒子の増量により、毛髪に外観上、明るさを与え得るが、脱色された毛髪において、それは問題とはならない。なぜならば、毛髪がすでに明るい色になっている場合、その効果は顕著ではなくなるからである。
【0040】
該第二微粒子マテリアルはまた、本来、疎水性であり、その低い動摩擦係数ゆえに、毛髪に低い抵抗性(drag)を与えることが特徴である。これは、毛髪に“滑らかな”の感触を与え、該第一微粒子マテリアルによる、粉を吹いたような、ざらざらする感触を減弱させ、又は取り除く。該第二微粒子マテリアルは典型的には、0.5未満の動摩擦係数を有する。凹凸状の粒子は、高いμの値を有する傾向があるのに対して、この微粒子は、しばしば、実質的に球状又は板状(plate−shaped)の粒子である。
【0041】
該第二微粒子マテリアルは、例えば、疎水性有機粉末を含んでいてもよい。適切な有機粉末は、限定されることなく、数例を挙げると、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリアミドイミド、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレンテレフタレートポリエステル(PETP)、ポリスチレン、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルシルセスキオキサン、ポリアミド(ナイロン)粉末、ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサンクロスポリマー、ポリシリコーン、及びシリコーンエラストマーの球状又は実質的に球状の重合体粒子を含む。無機球状粒子は、アルミナ及びシリカを含む。“実質的に”球状とは、各粒子の形状が、0.5未満のμの値を与えるのに十分な程度に球状であることを意味する。シリコーンエラストマー及びPTFEは、それらが球状であるとないとにかかわらず、0.5未満の動摩擦係数を有し得る。他の有用な粉末は、リシンの脂肪酸誘導体、特には、N−ラウロイルリシン(L−リシン及びD−リシンを含む)を含む。N−ラウロイルリシンは、水と油の両方に不溶であり、六角板状結晶の形状であり、0.1未満の動摩擦係数をもたらす。他の有用な板状のマテリアルは、タルク、絹雲母、マイカ、及び窒化ホウ素を含む。
【0042】
市販されている有機粉末は、限定されることなく、例えばTOSPEARL(商標名)145A(東芝シリコーン)であるメチルシルセスキオキサン樹脂ミクロスフェア;TOSPEARL(商標名)150KA(コボ)の名称で販売されているポリメチルシルセスキオキサンの粒子;ポリメチルメタクリレートのミクロスフェア、例えば、MICROPEARL(商標名)M100(セピック);例えば、TECHPOLYMER(商標名)MB−8CA(コボ)の名称で販売されている、ポリメチルメタクリレートの球状粒子;KSP(商標名)105(信越)の名称で販売されているビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサンクロスポリマーの粒子;架橋ポリジメチルシロキサンの球状粒子、例えば、TREFIL(商標名)E506C又はTREFIL(商標名)E505C(ダウコーニング東レシリコーン);ポリアミドの球状粒子、例えば、nylon−12及びORGASOL(商標名)2002D Nat C05(アトケム);ポリスチレンミクロスフェア、例えば、ダイノパーティクルズから販売されているDYNOSPHERES(商標名)、及びFLOBEAD(商標名)EA209(コボ)の名称で販売されているエチレンアクリレートコポリマー;アルミニウムスターチオクテニルスクシネート、例えば、DRY FLO(商標名)(ナショナルスターチ);ポリエチレンのミクロスフェア、例えば、MICROTHENE(商標名)FN510−00(エキスター(Equistar))、FLUOROPURE(商標名)109C(シャムロック(Shamrock))又はMICROSLIP(商標名)519(プレスパース(Presperse))の名称で販売されているPTFEの球状粒子;シリコーン樹脂、ポリメチルシルセスキオキサンシリコーンポリマー、Polysilicone(限定されることなく、Polysilicone−1,Polysilicone−2,Polysilicone−3,Polysilicone−4,Polysilicone−5,Polysilicone−6,Polysilicone−7,Polysilicone−8,Polysilicone−9,Polysilicone−10,Polysilicone−11,Polysilicone−12,Polysilicone−13,Polysilicone−14,Polysilicone−15,Polysilicone−16,Polysilicone−17,Polysilicone−18,及びPolysilicone−19を含む);ジメチコン/ジビニルジメチコン/シルセスキオキサンクロスポリマー(グラントインダストリー(Grant Industries)からGRANSIL EPSQの商標名で市販されている);ジメチコン/シルセスキオキサンコポリマー(Active ConceptsからSILDERM EPSQの商標名で市販されている);AMIHOPE(商標名)LL(味の素)の名称で市販されている、N−ラウロイルリシンから生成される板状の粉末、及びこれらの混合物などを含む。他の適切な微粒子は、TEGOTOP(商標名)105(デグッサ/ゴールドシュミットケミカル社)の商標名で販売される微粒子シリコーンワックス、及びMINCOR(商標名)300(BASF)の名称で販売されている微粒子ビニルポリマーを含む。窒化ホウ素もまた、本発明による低い動摩擦係数を有する粉末として適切であると考えられる。
【0043】
本発明の種々の態様において、該第二微粒子マテリアルは、0.5未満、0.45未満、0.4未満、0.35未満、0.3未満、0.25未満、0.2未満、0.15未満、又は0.1未満の動摩擦係数を有する。いくつかの態様において、該第二微粒子マテリアルは、球状であり、具体的には、球状又は実質的に球状のシリコーン粒子である。好ましいシリコーンは、KSP−105(信越)の商標名で販売されているシリコーンエラストマーといった、エラストマーである。
【0044】
該第二微粒子マテリアルは、典型的には、約0.1μmから約500μm、より典型的には、約1μmから約200μm(マイクロメーター)、好ましくは、約1μm、約5μm、約20μm、約30μm、約50μm、又は約100μmのメジアン粒子サイズを有する粉末の形態である。
【0045】
他の態様において、本発明による該第一及び/又は該第二微粒子マテリアルは、カーボンブラック又はグラファイトといった、カーボンであってもよく、該粉末の動摩擦係数は適切に選択される。適切なカーボンブラックの粉末は、典型的には、約0.01μmから約5μm、より典型的には、約0.01μmと約1μmの間、好ましくは、約0.01μmと約0.1μmの間(すなわち、約10ナノメーターから約100ナノメーター)の平均粒子サイズを有する。該カーボンブラック粉末は、約50m/gと約500m/gの間、典型的には、約100m/gと約350m/gの間、より典型的には、約150m/gと約300m/gの間の比表面積(窒素BET法により測定される)を有していてもよい。適切なカーボンブラックは、D&C Black No.2であり、それは、芳香族の石油原料の燃焼により生成され、本質的に純粋な炭素からなり、200m/gから260m/gの範囲の比表面積を有する(窒素BET法による)微粒子が凝集して形成される。D&C Black No.2は、Unipure black LC 902の商標名でSensientから市販されている。このマテリアルは、約0.04μmの平均粒子サイズを有する。
【0046】
本発明による該組成物における、該第一微粒子マテリアルの該第二微粒子マテリアルに対する重量比は、疎水性の効果と審美性との間の所望のバランスが得られるよう制御され、組成物が生成される。該第一微粒子マテリアルは、典型的には、該第二微粒子マテリアルに対して、約1:10から約10:1、約1:5から約5:1、又は約1:2から約2:1の重量比で含有し、それには、約1:2、約1:1.75、約1:1.5、約1:1.25、約1:1、約1.25:1、約1.5:1、約1.75:1、及び約2:1が含まれる。具体的には、該第一微粒子マテリアルの該第二微粒子マテリアルに対する重量比が約1:1の場合に、良好な結果が得られた。
【0047】
該第一及び該第二微粒子マテリアルは合計で、揮発性溶剤を含む該組成物中、約0.01重量%から約10重量%含まれる。該組成物中、より典型的には、約0.1重量%から約7.5重量%、好ましくは、約0.25重量%から約5重量%、さらに好ましくは、約0.75重量%から約2.5重量%含まれる。いうまでもなく、固形の含有量が非常に低い(例えば、約0.01重量%から約0.1重量%)スプレー及び同様物を調製することは可能であるが、該組成物は、毛髪への適切な被覆を保証するために、毎回、溶剤を蒸発させつつ、必然的に、数回、毛髪にスプレー又は塗布される。したがって、より好ましい組成物は、固形の含有量が高くなる(例えば、0.5重量%から約10重量%の範囲)。
【0048】
種々の態様において、該第一微粒子マテリアルは、典型的には、揮発性溶剤を含む該組成物中、約0.01重量%から約10重量%含まれる。代表的な態様において、該第一微粒子マテリアルは、全組成物中(揮発性溶剤を含む)、約0.1重量%、約0.25重量%、約0.5重量%、約0.75重量%、約1重量%、約1.5重量%、約2重量%、約2.5重量%、約3重量%、約3.5重量%、約4重量%、約4.5重量%、又は約5重量%から含まれる。
【0049】
該第二疎水性微粒子マテリアルは、揮発性溶剤を含む該組成物中、典型的には、約0.01重量%から約10重量%、より典型的には、約0.1重量%から約7.5重量%、好ましくは、約0.2重量%から約5重量%、より好ましくは、約0.5重量%から約3重量%含まれる。種々の態様において、該第二微粒子マテリアルは、全組成物中(揮発性溶剤を含む)、約0.1重量%、約0.25重量%、約0.5重量%、約0.75重量%、約1重量%、約1.5重量%、約2重量%、約2.5重量%、約3重量%、約3.5重量%、約4重量%、約4.5重量%、又は約5重量%含まれる。
【0050】
いくつかの態様において、本発明の該組成物で処理された毛髪の光沢を亢進させる、1又は2以上の剤を含むのが望ましいことが見出された。該第一微粒子マテリアル、具体的には、疎水性を有するよう修飾されたヒュームド酸化物(例えば、アルミナ及びシリカ)は、毛髪にマットな仕上がりを与える。それは、消費者の視点からは望まれないものである。毛髪の光沢は、復活され得ることが見出された。それは、毛髪の輝きを修正する1又は2以上の剤を含めることにより、撥水性を損なうことなく達成できる。該組成物が毛髪に塗布されたときに、該微粒子マテリアル、具体的には該第一微粒子マテリアルが被覆されないよう、光沢亢進剤は、疎水性であるのが好ましく、また、室温で固体であるのが好ましい。例えば、半球状のPMMAといった、レンズ状の粒子は、光沢を与えるのに適していることが見出された。このようなもので市販されているマテリアルは、3D Tech PW(Plain)XP(コボ(Kobo))の商標名で販売されている、半球状のメチルメタクリレートクロスポリマーである。
【0051】
高い屈折率を有する、アリール基で置換されたシロキサンといったシリコーン液もまた、光沢更新剤として有用である。具体的には、それは、フェニルトリメチコンであり、SCI−TEC PTM 100(ISP)及びPDM20(Wacker−Belsil)の商標名で市販されている。PDM20マテリアルは、25℃で1.437の屈折率を有する。一般的に、25℃で1.4より大きい屈折率を有するアリール基で置換されたシリコーンは、本発明の超疎水性マテリアルで処理された毛髪の光沢を回復するのに適すると考えられる。光沢を亢進させる他の適切なシリコーン液は、アモジメチコンである。
【0052】
光沢更新剤は、典型的には、該組成物(溶剤を含む)中、約0.01重量%から約5重量%含まれる。より典型的には、該光沢更新剤成分は、該組成物中、約0.05重量%から約2.5重量%含まれる。好ましくは、該光沢更新剤は、該組成物中、約0.1重量%から約1.5重量%含まれる。それは、該光沢更新剤が、該組成物中、約0.1重量%、約0.3重量%、約0.5重量%、約0.75重量%、約1重量%、約1.25重量%、又は約1.5重量%含まれる態様を包含する。
【0053】
膜形成剤は、必ずしも該組成物中に含まれる必要はない。なぜならば、該第一微粒子マテリアルは単独で、静的相互作用により、毛髪に十分に接着することが見出されたからである。したがって、いくつかの態様において、該組成物は、重合体膜形成剤、ワックス、油等といった、膜形成剤を含まず、又は、膜形成剤を実質的に含まない。それは、該組成物が、膜形成剤を約1重量%未満含み、好ましくは、膜形成剤を約0.5重量%未満含み、さらに好ましくは、膜形成剤を約0.1重量%未満含むことを意味する。
【0054】
他の態様において、膜形成剤が該組成物中に含まれ得る。該膜形成剤は、好ましくは、疎水性マテリアルを含む。該疎水性膜形成剤は、化粧品組成物の使用に適するのであれば、いかなる疎水性膜形成剤であってもよい。それには、限定されることなく、疎水性膜形成ポリマーが含まれる。疎水性膜形成ポリマーという用語は、ポリマーを意味すると理解されてもよい。それは、単独で又は少なくとも1の膜形成補助剤を添加することで、持続的な膜を形成し得る。それは、表面に接着し、該微粒子マテリアルのバインダーとして機能する。“疎水性”膜形成ポリマーの用語については、典型的には、ポリマー、又は、該ポリマーの単量体ユニットが、個別に、約1重量%未満の水への溶解度(25℃)を有するとされる。また、“疎水性”膜形成ポリマーは、水とオクタノールの等容量混合物中で振とうした場合に、主にオクタノール層に分配されるものとされ得る。主に、というのは、50重量%以上、好ましくは75重量%以上、より好ましくは95重量%以上が、オクタノール層に分配される、という意味である。
【0055】
該膜形成剤は、自然由来のもの又は合成品、重合体又は非重合体、樹脂、バインダーであってもよく、低いモル質量又は高いモル質量を有する。重合体の膜形成剤は、自然由来のもの又は合成品でもよく、添加(addition)又は濃縮(condensation)されてもよく、ホモ鎖又はヘテロ鎖でもよく、単分散又は多分散されてもよく、有機物又は無機物でもよく、ホモポリマー又はコポリマーでもよく、直鎖、分岐鎖、又は架橋されていてもよく、荷電又は非荷電でもよく、熱可塑性物質又は熱硬化性物質でもよく、エラストマーでもよく、結晶性、非結晶性、又はその両方でもよく、アイソタクチック、シンジオタクチック、又はアタクチックでもよい。
【0056】
重合体の膜形成剤は、ポリオレフィン、ポリビニル、ポリアクリレート、ポリウレタン、シリコーン、ポリアミド、ポリエステル、フルオロポリマー、ポリエーテル、ポリアセテート、ポリカルボネート、ポリイミド、ゴム、エポキシ、ホルムアルデヒド樹脂、及びこれらのホモポリマー及びコポリマーを含む。
【0057】
適切な疎水性(脂溶性)膜形成ポリマーは、限定されることなく、Kalafskyらによる米国特許第7,037,515号明細書、Maらによる米国特許第6,685,952号明細書、De La Poterieらによる米国特許第6,464,969号明細書、Bodelinらによる米国特許第6,264,933号明細書、Kellerらによる米国特許第6,683,126号明細書、及びSamourらによる米国特許第5,911,980号明細書に記載されるもの(これらの記載は参照することにより本明細書に組み入れられる)を含む。
【0058】
スチレン(S)、アルキルスチレン(AS)、エチレン/ブチレン(EB)、エチレン/プロピレン(EP)、ブタジエン(B)、イソプレン(I)、アクリレート(A)、及びメタクリレート(MA)、又はそれらの組み合わせから選択される1又は2以上のブロックを含むコポリマーは、疎水性膜形成剤に適すると考えられる。具体的には、それは、エチレン/プロピレン/スチレンコポリマー、及びブチレン/エチレン/スチレンコポリマーであり、IDD中のゲル化剤としてペンレコ(Penreco)からVersagel MD 1600の商標名で販売されるものを含む。
【0059】
具体的には、ポリアルキレン、特に、ポリブテンといった、炭素数2〜20のアルケンコポリマー;エチルセルロース及びプロピルセルロースといった、直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和の炭素数1〜18のアルキル基を有するアルキルセルロース;ビニルピロリドン(VP)、及び特には、ビニルピロリドンと炭素数2〜40、さらに好ましくは炭素数3〜20のアルケンとのコポリマー(Ganex V 220及びGanex V 216 Polymersの商標名で販売されている(ニュージャージー州ウェインのISP社)、ビニルピロリドンとエイコセン又はドデカンモノマーとのコポリマーを含む);シリコーンポリマー及びポリオルガノシロキサン(限定されることなく、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、又はポリアルキルアリールシロキサン、具体的にはポリジメチルシロキサンを含む);シェブロン(Chevron)から市販されている商標名PA−18といった、ポリ酸無水物樹脂;Performa V 825(New Phase Technologies)といった、及びGonzalezらによる米国特許第7,150,878号明細書に記載される(これらの記載は参照することにより本明細書に組み入れられる)、ポリウレタンポリマー;及び、ビニル酸モノマーのエステルから作られるポリマー及びコポリマー(限定されることなく、(メタ)アクリル酸エステル((メタ)アクリレートとも呼ばれる))、例えば、アルキル(メタ)アクリレートを含み、それは、例えば、炭素数1〜20のアルキル(メタ)アクリレート(例えば、(炭素数1−20の)アルキル(メタ)アクリレート、及びさらには(炭素数6−10の)アルキル(メタ)アクリレートといった、直鎖、分岐鎖、及び環式(炭素数1〜30)アルキルから選択されるアルキル基である)を含む)である。アルキル(メタ)アクリレートとしては具体的には、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、及び同様物から選択されるものが挙げられる。アリール(メタ)アクリレートとしては具体的には、ベンジルアクリレート、フェニルアクリレート、及び同様物から選択されるものが挙げられる。前述のエステルのアルキル基は、例えば、フルオロアルキル基及びペルフルオロアルキル基から選択され得る。該アルキル基の水素原子のいくつか又はすべてがフッ素原子に置換されている。具体的には、(メタ)アクリルアミド、例えば、N−アルキル(メタ)アクリルアミド(例えば、炭素数1−20のアルキル)といった、酸モノマーのアミドであってもよい。それには、限定されることなく、N−エチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−t−オクチルアクリルアミド、及びN−ウンデシルアクリルアミドが含まれる。疎水性膜形成ポリマーのためのビニルポリマーはまた、ビニルエステル、オレフィン(フルオロオレフィンを含む)、ビニルエーテル、及びスチレンモノマーから選択される、少なくとも1のモノマーのホモ重合又は共重合から得られてもよい。例えば、これらのモノマーは、前述のような、酸モノマー、そのエステル、及びそのアミドの少なくとも1と共重合されてもよい。ビニルエステルを例示すると、限定されることなく、ビニルアセテート、ビニルネオデカノエート、ビニルピバレート、ビニルベンゾエート、及びビニルt−ブチルベンゾエートから選択される。オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、ブテン、イソブテン、オクテン、オクタデセン、及びポリフルオロオレフィン(例えば、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロペン、及びクロロトリフルオロエチレンから選択される)から選択される。スチレンモノマーとしては、例えば、スチレン、及びアルファ−メチルスチレンから選択される。モノマーのリストは限定されない。疎水性膜をもたらすもので、アクリル及びビニルモノマー(シリコーン鎖で修飾されたモノマーを含む)の範疇に入る当業者に公知のモノマーであれば、いかなるものでも用いることができる。この点において、具体的には、市販の膜形成剤である、シクロペンタシロキサン(及び)アクリレート/ジメチコンコポリマー(KP−545、信越化学工業株式会社)が挙げられる。
【0060】
本技術分野において公知の他の膜形成剤が、該組成物において有利に用いられ得る。これらは、アクリレートコポリマー、アクリレートと炭素数12〜22のメタクリレートのコポリマー、アクリレート/オクチルアクリルアミドのコポリマー、アクリレート/VAのコポリマー、アモジメチコン、AMP/アクリレートコポリマー、ベヘニル/イソステアリル、ブチル化PVP、PVM/MAのブチルエステルのコポリマー、カルシウム/ナトリウムPVA/MAコポリマー、ジメチコン、ジメチコンコポリマー、ジメチコン/メルカプトプロピルメチコンコポリマー、ジメチコンプロピルエチレンジアミンベヘネート、ジメチコノールエチルセルロース、エチレン/アクリル酸コポリマー、エチレン/MAコポリマー、エチレン/VAコポリマー、フルオロアルキル(炭素数2〜8)ジメチコン、オレフィン(炭素数30〜38)/イソプロピルマレエート/MAコポリマー、水素化スチレン/ブタジエンコポリマー、ヒドロキシエチルエチルセルロース、イソブチレン/MAコポリマー、メチルメタクリレートクロスポリマー、メチルアクリロイルエチルベタイン/アクリレートコポリマー、オクタデカン/MAコポリマー、オクタデカン/無水マレイン酸コポリマー、オクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、酸化ポリエチレン、ペルフルオロポリメチルイソプロピルエーテル、ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレン、PVM/MAデカジエンクロスポリマー、PVM/MAコポリマー、PVP、PVP/デセンコポリマー、PVP/エイコセンコポリマー、PVP/ヘキサデセンコポリマー、PVP/MAポリマー、PVP/VAポリマー、ナトリウムアクリレート/ビニルアルコールコポリマー、ステアロキシジメチコン、ステアロキシトリメチルシラン、ステアリルアルコール、ステアリルビニルエーテル/MAコポリマー、スチレン/DVBコポリマー、スチレン/MAコポリマー、テトラメチルテトラフェニルトリシロキサン、トリコンタニルPVP、トリメチルペンタフェニルトリシロキサン、トリメチルシロキシシリケート、VA/クロトネートコポリマー、VA/クロトネート/ビニルプロプリオネートコポリマー、VA/ブチルメレエート/イソボルニルアクリレートコポリマー、ビニルカプロラクタム/PVP/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、及びビニルジメチコンを含む。
【0061】
疎水性膜形成ポリマーのさらなる典型例としては、限定されることなく、ポリウレタン、ポリウレタン−アクリル、ポリウレタン−ポリビニルピロリドン、ポリエステル−ポリウレタン、ポリエーテル−ポリウレタン、ポリウレア、及びポリウレア/ポリウレタンから選択される少なくとも1の重縮合物を含む。該ポリウレタンは、例えば、脂肪族、脂環式、及び芳香族ポリウレタン、ポリウレアウレタン、及びポリウレアコポリマーから選択されるものの少なくとも1つであってもよい。それは、脂肪族ポリエステル由来、脂環式ポリエステル由来、及び芳香族ポリエステル由来のうちの少なくとも1のシーケンス(sequence);少なくとも1の分岐鎖及び非分岐鎖シリコーンのシーケンス(sequence)、例えば、ポリジメチルシロキサン及びポリメチルフェニルシロキサン;及びフッ素化された基を含む少なくとも1のシーケンス(sequence)のうちの少なくとも1を含む。重縮合物の付加的な限定されない典型例としては、ポリエステル、ポリエステルアミド、脂肪鎖ポリエステル、ポリアミド樹脂、エポキシエステル樹脂、アリールスルホンアミド−エポキシ樹脂、及びホルムアルデヒドとアリールスルホンアミドとの縮合により生じる樹脂から選択され得る。
【0062】
該疎水性膜はまた、皮膚、爪、又は毛髪への塗布後に硬化(cures)する樹脂を用いることにより、塗布部位で形成され得る。それには、例えば、塗布部位におけるヒドロシランとオレフィン置換シロキサンとのヒドロシリル化により形成された、又は塗布部位におけるアルコキシ化されたシロキサンの重縮合により形成された、ポリジメチルシロキサン膜が含まれる。
【0063】
好ましいポリマー膜形成剤は、アクリレート、アルキルアクリレート、ポリウレタン、Fluomer(ポリペルフルオロペルヒドロフェナントレン)といったフルオロポリマー、及びシリコーンポリマーを含む。特に好ましくは、KP−545又はKP−550(信越)の商標名で販売されるアクリレート/ジメチコンコポリマーといった、シリコーンアクリレートである。
【0064】
他に用いられ得る膜形成剤としては、限定されることなく、天然ワックス、鉱物ワックス、及び/又は合成ワックスを含む。天然ワックスは、限定されることなく、蜜ろう、鯨ろう、ラノリン、及びセラックワックスを含む動物由来のもの、限定されることなく、カルナバ、キャンデリア、ヤマモモ、及びサトウキビのワックスを含む植物由来のもの、及び同様物である。有用とされる鉱物ワックスは、限定されることなく、オゾケライト、セレシン、モンタン、パラフィン、微結晶、石油、及びペトロラタムワックスを含む。合成ワックスは、例えば、フィッシャートロプシュ(FT)ワックス、及びポリオレフィンワックスを含み、エチレンホモポリマー、エチレン−プロピレンコポリマー、及びエチレン−ヘキセンコポリマーなどが挙げられる。典型的なエチレンホモポリマーワックスは、POLYWAX(商標名)ポリエチレン(ベーカーヒューズインコーポレイテッド)の商標名で市販されている。市販されているエチレン−α−オレフィンコポリマーワックスは、PETROLITE(商標名)コポリマー(ベーカーヒューズインコーポレイテッド)の商標名で販売されるものを含む。他の適切なワックスは、ノベオンからULTRABEE(商標名)ジメチコノールエステルとして市販されているジメチコノール蜜ろうである。
【0065】
前述の膜形成剤のいずれの組み合わせもまた、適切であると考えられ、それには、重合膜形成剤と非重合膜形成剤との組み合わせが含まれる。
【0066】
疎水性膜形成剤の総重量は、含有されるのであれば、該組成物の総重量に基づき、典型的には、約0.1重量%と約5重量%の間であり、より典型的には、約0.1重量%と約2.5重量%の間、又は約0.5重量%と約1.5重量%の間である。
【0067】
本発明の該組成物は、必ずしも必要ではないが、典型的には、無水、又は実質的に無水の処方で提供される。“実質的に無水”とは、該組成物における水の重量パーセンテージが、約1%重量未満、好ましくは0.5%重量未満、最も好ましくは約0.1重量%未満という意味である。典型的には、無水組成物は、実質的に水を含まず、それは、意図的に水が該組成物に加えられていないという意味であり、水のレベルは空気からの水の吸収に基づき予想されるにすぎない。
【0068】
該組成物は、典型的には、揮発性溶剤を含む。揮発性溶剤には、炭素数5〜12の揮発性炭化水素、芳香族炭化水素(例えば、キシレン、トルエン等)、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン等)、エーテル(例えば、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル等)、ペルフルオロ炭化水素、ハイドロフルオロエーテル、フレオン、揮発性シリコーン、低級アルコール、酢酸のエステル(例えば、エチルアセテート、ブチルアセテート等)、及び同様物を含み得る。好ましい揮発性溶剤は、化粧品として許容し得るものであり、それは、通常の状況下で身体に適用した場合に、安全で、無刺激であるという意味である。
【0069】
揮発性シリコーンは、好ましい揮発性溶剤である。揮発性シリコーンとは、室温で油が直ちに蒸発するものをいう。典型的には、揮発性シリコーン油は、25℃で約1Paから約2kPaの範囲の蒸気圧を示す;25℃における粘度が、好ましくは、約0.1センチストークから約10センチストーク、好ましくは、約5センチストーク又はそれ未満、より好ましくは、約2センチストーク又はそれ未満である;大気圧で、約35℃から約250℃で沸点に達する。揮発性シリコーンは、環状及び直鎖の揮発性ジメチルシロキサンシリコーンを含み、それには、0.5cstのジメチコン、0.65のcstジメチコン、1cstのジメチコン、及び1.5cstのジメチコンが含まれる。一態様において、揮発性シリコーンは、シクロジメチコンを含んでいてもよく、それには、テトラマー(D4)、ペンタマー(D5)、及びヘキサマー(D6)のシクロメチコン、又はそれらの混合物が含まれる。適切なジメチコンは、Dow Corning 200(商標名)Fluidの名称で、ダウコーニングから市販されており、0.65センチストークから5センチストークの範囲の粘度を有する。適切な非極性の揮発性液状シリコーン油は、米国特許第4,781,917号明細書に記載されている(これらの記載は参照することにより本明細書に組み入れられる)。付加的な揮発性シリコーンマテリアルは、“化粧品のための揮発性シリコーン液”(Toddら、Cosmetics and Toiletries,91:27−32(1976))に記載されている(これらの記載は参照することにより本明細書に組み入れられる)。直鎖の揮発性シリコーンは一般的に、25℃で約5センチストークス未満の粘度を有する。一方で、環状シリコーンは、25℃で約10センチストークス未満の粘度を有する。粘度が変化する揮発性シリコーンの例は、Dow Corning 200、Dow Corning 244、Dow Corning 245、Dow Corning 344、及びDow Corning 345(ダウコーニング社);SF−1204、及びSF−1202シリコーン溶液(G.E.シリコーン)、GE7207、及びGE7158(ゼネラルエレクトリック社);及びSWS−03314(SWSシリコーン社)を含む。直鎖の揮発性シリコーンは、数例を挙げると、メチルトリメチコン、トリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、及びドデカメチルペンタシロキサンといった、低分子量のポリジメチルシロキサン化合物を含む。
【0070】
メタノール、エタノール、プロパノール、及びイソプロパノールを含む、低級アルコール溶剤はまた、有用であると考えられる。エタノールはその高い揮発性及び低い毒性ゆえに、特に好ましい。エタノールは、エクソンからのSD Alcohol 40といった、無水エタノールが好ましい。
【0071】
揮発性の炭素数5〜12の炭化水素としては、具体的には、Permethyl−99A(プレスパース・インク)の商標名で市販されている、イソドデカンが挙げられる。適切なフッ素化溶剤には、限定されることなく、例えば、ペルフルオロエーテル、ペルフルオロデカリン、ペルフルオロメチルデカリン、ペルフルオロヘキサン、ペルフルオロメチルシクロヘキサン、ペルフルオロジメチルシクロヘキサン、ペルフルオロヘプタン、ペルフルオロオクタン、ペルフルオロノナン、及びペルフルオロメチルシクロペンタンが含まれる。
【0072】
好ましい態様において、溶剤は揮発性シリコーンの組み合わせを含み、好ましくはシクロメチコンペンタマーと無水エタノールである。好ましくは、溶剤系において、揮発性シリコーン(シクロメチコンペンタマー)を約1重量%から約99重量%含有し、エタノールを約1重量%から約99重量%含有する。より具体的には、溶剤系において、揮発性シリコーン(シクロメチコンペンタマー)を約50重量%から約99重量%含有し、エタノールを約1重量%から約50重量%含有する。好ましい態様では、溶剤系において、揮発性シリコーン(シクロメチコンペンタマー)を約70重量%から約90重量%含有し、エタノールを約10重量%から約30重量%含有する。
【0073】
さらなる態様において、本発明による組成物には、エタノール、好ましくは無水エタノールが、25℃での蒸気圧がエタノールの蒸気圧未満である、1又は2以上の溶剤と組み合わせることで含まれる。他の態様において、本発明による組成物には、エタノール、好ましくは無水エタノールが、25℃での蒸気圧がエタノールの蒸気圧より大きい、1又は2以上の溶剤と組み合わせることで含まれる。
【0074】
前述に加えて、本発明による組成物は、ヒュームドアルミナ又はヒュームドシリカの白色の外観に対抗し毛髪に所望の色を与える顔料、真珠光沢剤、及び/又は着色料を含んでいてもよい。この場合、このような成分が、超疎水性効果を損なうことのないようにされる。無機顔料は、限定されることなく、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化クロム、フェリックブルー、及びマイカを含む;有機顔料は、バリウム、ストロンチウム、カルシウム又はアルミニウムレーキ、ウルトラマリン、及びカーボンブラックを含む;着色料は、限定されることなく、D&C Green#3、D&C Yellow#5、及びD&C Blue#1を含む。顔料及び/又は着色料は、溶媒に分散されるよう、1又は2以上の混和剤(compatibilizers)で被覆されたり、表面処理されてもよい。好ましい顔料及び/又は着色料は、それらに疎水性を与えるよう、表面処理されたものである。
【0075】
好ましい着色料は、Iron Oxides,Black Oxide of Iron,Brown Iron Oxide,CI 77489,CI 77491,CI 77492,CI 77499,Iron Oxide Red 10−34−PC−2045,Pigment Black 11,Pigment Brown 6,Pigment Brown 7,Pigment Red 101,Pigment Red 102,Pigment Yellow 42,Pigment Yellow 43,Red Iron Oxide,Synthetic Iron Oxide、及びYellow Iron Oxideを含む。
【0076】
種々のフィラー及び付加的な化合物が加えられてもよい。適切なフィラーは、限定されることなく、シリカ、処理されたシリカ、タルク、ステアリン酸亜鉛、マイカ、カオリン、Orgasol(商標名)といったナイロン粉末、ポリエチレン粉末、テフロン(商標名)、窒化ホウ素、Expancel(商標名)(ノーベルインダストリー)といった、コポリマーミクロスフェア、Polytrap(商標名)(ダウコーニング)、シリコーン樹脂マイクロビーズ(東芝よりTospearl(商標名)として販売)、及び同様物を含む。
【0077】
付加的な顔料/粉末フィラーは、限定されることなく、ガム、チョーク、フラー土、カオリン、絹雲母、白雲母、金雲母、合成マイカ、レピドライト、黒雲母、リチア雲母、バーミキュライト、ケイ酸アルミニウム、でんぷん、スメクタイト粘土、アルキル及び/又はトリアルキルアリールアンモニウムスメクタイト、化学的に修飾されたケイ酸アルミニウムマグネシウム、有機的に修飾されたモンモリロラナイト粘土、ケイ酸アルミニウム水和物、アルミニウムスターチオクテニルサクシネートバリウムシリケート、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属、マグネシウム、シリカアルミナ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼成石膏)、リン酸カルシウム、フッ素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミック粉末、金属せっけん(ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ミリステアリン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、及びステアリン酸アルミニウム)、コロイド状二酸化ケイ素、及び窒化ホウ素といった無機粉末;ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、シクロデキストリン、メチルポリメタクリレート粉末、スチレンとアクリル酸のコポリマー粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ(エチレンテトラフルオライド)粉末、及びカルボキシビニルポリマー、ヒドロキシエチルセルロース及びナトリウムカルボキシメチルセルロースといったセルロース粉末、エチレングリコールモノステアレートといった、有機粉末;酸化マグネシウムといった無機白色顔料;及び例えばBentone Gel及びRheopearl TT2といった、安定化剤/レオロジー改善剤を含む。他の有用な粉末は、米国特許第5,688,831号明細書に記載されている(これらの記載は参照することにより本明細書に組み入れられる)。
【0078】
すべての付加的な顔料、着色料、及びフィラーの総量は、処理された毛髪の超疎水性が損なわれない限り、特には制限されない。典型的には、含有されるのであれば、すべての付加的な顔料、着色料、及びフィラー等は、合計で、該組成物(揮発性溶剤を含む)中、約0.1重量%から約5重量%、より典型的には、約0.1重量%から約1重量%又は約2重量%含まれる。
【0079】
本発明の組成物は、任意に、化粧品及び個人的ケア製品に典型的に関連する他の活性成分及び不活性成分を含んでいてもよい。それには、限定されることなく、賦形剤、フィラー、乳化剤、抗酸化剤、界面活性剤、膜形成剤、キレート剤、ゲル化剤、増粘剤、皮膚軟化剤、保湿剤、モイスチャー剤、ビタミン、ミネラル、粘度及び/又はレオロジー改善剤、サンスクリーン、角質溶解剤、脱色剤(depigmenting agents)、レチノイド、ホルモン化合物、アルファ−ヒドロキシ酸、アルファ−ケト酸、抗マイコバクテリア剤、抗真菌剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、鎮痛剤、脂質化合物、抗アレルギー剤、H1又はH2抗ヒスタミン剤、抗炎症剤、抗刺激剤、抗腫瘍剤、免疫賦活剤、免疫抑制剤、抗ニキビ剤、麻酔剤、防腐剤、防虫剤、皮膚清涼剤、皮膚保護剤、皮膚浸透促進剤、剥脱剤(exfollients)、潤滑剤、香料、着色料、染色剤、脱色剤(depigmenting agents)、脱色素剤(hypopigmenting agents)、防腐剤(preservatives)、安定化剤、医薬品、光安定化剤、及びこれらの混合物が含まれる。含有されるのであれば、このような付加的な化合物の含有量は、エマルションの超疎水性膜を形成する能力に逆行する影響を与えないように、注意深く選択されるべきである。すべての付加的な化合物は合計で、適切に、全組成物中、約5重量%未満、典型的には、約2重量%未満、好ましくは、1重量%未満、より好ましくは、0.5重量%未満、理想的には0.1重量%未満含まれる。
【0080】
本発明による組成物は、好ましくは、揮発性溶剤以外の液体成分を10重量%未満含む。液体組成物は、疎水性を有するように修飾された酸化物を覆い、その結果、処理された毛髪に疎水性を与えると考えられる。種々の態様において、このような成分を、組成物の全重量中、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、又は1重量%未満含む。好ましい態様において、該組成物は、液体成分(揮発性溶剤以外)を0.5重量%未満、好ましくは0.25重量%未満、より好ましくは0.1重量%未満含む。他の態様において、該組成物は、揮発性溶剤以外の液体成分を含まない。
【0081】
ひとつの態様において、該組成物は、陽イオン性毛髪改善剤を含まず、又は実質的に含まない。陽イオン性毛髪改善剤を実質的に含まないとは、該組成物は、陽イオン性毛髪改善剤を、0.5重量%未満、好ましくは0.25重量%未満、より好ましくは0.1重量%未満含む、という意味である。
【0082】
他の態様において、該組成物は、一定量の陽イオン性(クオタニウム)成分を含んでいてもよく、それは、無水性であるか、非常に低いレベル(例えば、1重量%未満)の水を含む。適切なクオタニウム化合物は、限定されることなく、数例を挙げると、シクロペンタシロキサン及びシリコーンクオタニウム−18(INCI)、PEG−2ジメドウフォームアミドエチルモニウムメトサルフェート及びヘキシレングリコール(INCI)、及びセトリモニウムクロリド(INCI)を含む。このようなクオタニウム化合物は、含有されるのであれば、典型的には、全組成物中、約0.05重量%から約1.5重量%、より典型的には、約0.1重量%から約1重量%含まれる。
【0083】
超疎水性の実現に特に悪影響を及ぼすのは、非揮発性の水溶性又は水分散性成分である。それらは、毛髪の表面において、微粒子を被覆し、又はマスクし得る、好ましくは、該組成物における非揮発性の水溶性又は水分散性成分の総量は、該組成物の総重量(揮発性溶剤を含む)に対して、約10%未満、約5%未満、約2.5%未満、約1%未満、約0.5%未満、約0.25%未満、約0.1%未満、又は約0.05%未満である。いくつかの態様において、該組成物は、非揮発性の水溶性又は水分散性成分を含まず、具体的には、液体の水溶性又は水分散性成分を含まない。
【0084】
第一微粒子マテリアルは、例えば、オクチルシリル化されたヒュームドアルミナといった、特定の疎水性を有するよう修飾された酸化物を含んでいてもよく、本質的に該酸化物から構成されていてもよく、又は該酸化物から構成されていてもよい。特定の疎水性を有するよう修飾された酸化物(例えば、オクチルシリル化されたヒュームドアルミナ)から“本質的に構成される”とは、毛髪に適用された場合に、0.5以上の動摩擦係数を有する付加的な疎水性微粒子の存在が、超疎水性又は審美性(色、感触、光沢等)に大きな影響を与える範囲内では、このような付加的な疎水性微粒子の存在が排除されることを意味する。いくつかの態様において、第一微粒子成分は、オクチルシリル化されたヒュームドアルミナといった、特に疎水性を有するよう修飾された酸化物を、約5重量%以上、約10重量%以上、約15重量%以上、約20重量%以上、約25重量%以上、約30重量%以上、約35重量%以上、約40重量%以上、約45重量%以上、約50重量%以上、約55重量%以上、約60重量%以上、約65重量%以上、約70重量%以上、約75重量%以上、約80重量%以上、約85重量%以上、約90重量%以上、又は約95重量%以上含んでいてもよい。
【0085】
該組成物は、理想的には、毛髪にポンプ又はエアロゾルで送達(delivery)されるよう意図される。エアロゾルの場合は、ガスが含められる。こうすることで、該組成物は適切に毛髪に送達(delivery)される。適切なガスは、限定されることなく、n−ブタン、イソブタン、イソブタン/プロパン、窒素、二酸化炭素、圧縮空気、亜酸化窒素、1,2−ジフルオロエタン、1,1−ジフルオロエタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、ジメチルエーテル、及びこれらの混合物を含む。本明細書に記載される、本発明の組成物の全重量は、ガスの重量を除外するよう理解される。
【0086】
ひとつの態様において、製品は、ディスペンサーが取り付けられた容器を含む、噴霧装置を備えて提供される。それは、例えば、容器からエアロゾル組成物を塗布するためのディスペンシングバルブである。該容器には、本発明による組成物(例えば、第一微粒子マテリアル、第二微粒子マテリアル、及び揮発性溶剤を含む)が充填されている。適切なガスが、該容器において本発明の組成物とともに含められていてもよく、又は、二股式噴霧装置の第二容器において含められていてもよい。ガスが他の成分とともに該容器に含められる場合、それは、典型的には、ガスを含む組成物中、約20重量%から約50重量%存在する。
【0087】
本発明の組成物は、溶媒(例えば、エタノール及びシクロメチコンペンタマー)を該微粒子マテリアル、ならびに、含めるのであれば、光沢増強剤及び付加的な成分と混合することにより、適切に調製され得る。これらの成分を混合する順番又は方法において、本質的には制限はない。該組成物は、室温で混合され、又はホモジナイズされてもよい。必ずしも必要ではないが、混合された成分を撹拌(mill)するのが有用であることが見出された。それは、本技術分野において適切な方法を用いて行われ得る。例えば、Silversen L4RT mixerを4000RPMで約4分間操作するのが適切であることが見出された。これは、実施例による組成物の調製に用いられた方法である。完了後、該組成物は、例えば、ポンプスプレー又はエアロゾルスプレー(ガスが充填される)にパッケージされ得る。
【0088】
本発明による組成物は、耐水性を与えるよう、好ましくは毛髪(身体の毛、頭皮、顎ひげ、口ひげ、まつげ等)に塗布される。したがって、例えば、該組成物は、毛髪を水に浸した後に、毛髪が濡れないように、又は濡れるのを最小限にするように、泳ぐ前に毛髪に塗布されてもよい。濡れるのを最小限にするとは、水に浸した後の毛髪の重量が、毛髪を水に浸す前の重量に比較して、20%以下、好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下、さらに好ましくは7.5%以下増加することを意味する。さらに、毛髪を1又は2回激しく振ると、毛髪は本質的に乾燥する。本質的に乾燥するとは、毛髪の重量が、水に浸す前の毛髪の重量に比べて、約5%未満、又は約2.5%未満増加することを意味する。前述については、本発明の組成物で処理された毛髪見本を用いてテストされ得る。同様に、該組成物は、ペットが泳いだ後に、タオルで拭く必要なく直ちに実質的に乾燥するよう、泳ぐ前のペット(例えば、犬)の毛に塗布されてもよい。又は、雪、雨、又は泥で濡れないように、家畜に塗布されてもよい。
【0089】
本発明の組成物は、乾いた毛髪又は濡れた毛髪に、好ましくはスプレーで塗布され得る。驚くべきことに、該組成物が濡れた毛髪に塗布される場合にでさえも、超疎水性が実現され得ることが見出された。
【0090】
驚くべきことに、該組成物は、頭部の毛髪に実質的に均一に塗布された場合、撥水性を向上させることと毛髪のボリュームを改善させることとの2つの利点をもたらすことが見出された。ボリュームは、少なくとも約20%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、さらに少なくとも約100%増加され得る。ボリュームの増加は、“毛髪ボリュームの評価方法”(C.R.Robbins,R.J.Crawford,J.Soc.Cosmet.Chem.,35,pp.369−377(1984))に記載される方法を用いて、毛髪において適切に測定され得る(これらの記載は参照することにより本明細書に組み入れられる)。
【0091】
付加的な成分がフィラーとして、又は本技術分野の慣例による種々の機能的な目的のために包含され得る。しかしながら、前述の化粧品組成物を矛盾なく規定する付加的な成分が含まれ得る一方で、含有される付加的な成分は、毛髪における超疎水性表面の形成を妨げることのない成分に限定される。
【0092】
(実施例)
後述の実施例では、高い動摩擦係数の疎水性微粒子マテリアルと低い動摩擦係数の疎水性微粒子マテリアルとをそれぞれ、又は組み合わせて含む種々の組成物を塗布した場合の、撥水性、感触、及び光沢への影響を示している。
【0093】
後述の実施例における高い動摩擦係数(例えば、≧0.5)の疎水性微粒子マテリアルは、(i)エボニックによるAEROXIDE(商標名)ALU C805(トリメトキシカプリリルシラン(及び)アルミナ(INCI)、トリメトキシオクチルシランをヒュームドアルミナと反応させることにより得られるオクチルシラン化ヒュームド(焼成)アルミナ)、及び(ii)SMT−100SASの表示で販売される、二酸化チタン/水酸化アルミニウム/メチコン/水和シリカである。
【0094】
後述の実施例における低い動摩擦係数(例えば、<0.5)の疎水性微粒子マテリアルは、(i)信越化学工業によりKSP−105の表示で販売される、ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオサンクロスポリマー、(ii)シャムロックテクノロジーによりFLUOROPURE(商標名)109Cの表示で販売される、粉末化ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、又は(iii)味の素によりAMIHOPE(商標名)LLの表示で販売される、ラウロイルリシン粉末のいずれかである。
【0095】
揮発性溶剤は、無水エチルアルコール(Alcohol SD 40B Anhydrous)、及びDow Corning 245(商標名)Fluidの表示で市販されるシクロペンタシロキサン(シクロメチコンペンタマー)を含む。
【実施例1】
【0096】
第二微粒子マテリアルとの組み合わせで高い動摩擦係数の微粒子マテリアルを加えることによる、処理された毛髪の疎水性、感触、及び外観に対する効果について検討した。11サンプル(1−11)の化粧品組成物は、後述の表4の通り調製された。表4の化粧品組成物により処理された毛髪サンプルの疎水性、感触、及び外観が調査された。テストプロとコールは後述する。
【0097】
(疎水性、感触、及び外観テストの方法)
評価対象の組成物を、重量約5−12gの毛髪サンプル(hair swath)にスプレーした。該化粧品組成物由来の揮発性溶剤は、乾燥するまで蒸発させた。処理された毛髪サンプルの最初の重量を測定し、該化粧品組成物による感触及び外観について、後述の表1に示される基準に従って評価する。
【表1】

【0098】
処理された毛髪サンプルはまた、光沢について視覚的に評価される。処理された毛髪サンプルの光沢は、後述の表2に示されるスターグレーディングシステムに基づいて定量化される。
【表2】

【0099】
処理された毛髪サンプルはその後、水に浸され、続いて水から取り除かれる。サンプルの疎水性を視覚的に評価し、テストされた毛髪サンプルの重量を測定する。テストされた毛髪サンプルの疎水性は、水滴が毛髪サンプルに残っているかどうか、残っているとすれば、水は毛髪サンプルを振とうすることにより、又は振とうすることなく除去され得るかを観察することにより、視覚的に評価される。結果は、後述の表3に示されるレターグレーディングシステムを用いて記録される。
【表3】

【0100】
サンプル1−11のテスト結果(毛髪に残る水の量の定量的測定を含む)については、後述の表4に示される。
【表4】

【0101】
AEROXIDE(商標名)ALU C805(サンプル1)は、低い動摩擦係数の微粒子マテリアル(サンプル2−4)を有するサンプルに比して、優れた撥水性(Aのレターグレーディング)をもたらすことが結果により示された。しかしながら、化粧品組成物におけるAEROXIDE(商標名)ALU C805(サンプル1)単独では、好ましくない引っかかり及び光沢不足を毛髪に与える。低い動摩擦係数の微粒子マテリアル(サンプル2−4)がもたらす疎水性特性は乏しいものであるが、これらのマテリアルは、柔らかい感触、自然な外観、及び許容できる光沢を毛髪に与える。
【0102】
AEROXIDE(商標名)ALU C805といった、高い動摩擦係数の微粒子マテリアルと、低い動摩擦係数の微粒子マテリアルとを組み合わせることで(サンプル6−8)、毛髪への塗布に適したバランスのとれた特性が実現することが観察された。対照的に、2つの低い動摩擦係数の微粒子マテリアルの組み合わせ(サンプル9−11)では、柔らかな感触及び優れた光沢が提供され、撥水性においては著しく劣った一方で、2つの高い動摩擦係数の微粒子マテリアルの組み合わせを有する化粧品組成物(サンプル5)では、許容できない引っかかり及び好ましくない残留物又はザラザラ感がみられた。
【実施例2】
【0103】
後述の表5に示されるサンプル12−18は、AEROXIDE(商標名)ALU C805(高いμ)及びKSP−105(低いμ)を異なる割合にした場合の、実施例1に記載の方法を用いて処理された毛髪サンプル(hair swaths)の疎水性、感触、及び外観に与える効果を検討するために調製された。これらのテストの結果は、表5に示される。
【表5】

【0104】
AEROXIDE(商標名)ALU C805のKSP−105に対する割合が1:2(サンプル12)から2:1(サンプル14)に変わると、疎水性は、1:2の割合での“D”の評価から、2:1の割合での“A”の評価に改善した。サンプル12−14の結果に一致して、AEROXIDE(商標名)ALU C805の重量を一定にして、KSP−105を0重量%から1重量%に増量させると(サンプル15−18)、撥水性は低減した。これは、ビニルジメチコンン/メチコンシルセスキオサンクロスポリマー(INCI)マテリアルが高い割合でアルミナ粒子をコートし始め、その結果、水滴と相互作用し得るナノ構造の表面が低減されることによると考えられる。しかしながら、サンプル12−14及び16−18において、KSP−105の存在により、サンプル15に比して、化粧品組成物による感触及び外観が著しく向上した。
【0105】
とりわけ、サンプル16は優れた撥水性を示し、グレード“A”を達成した。また、グレード2の適切な感触及び外観を提供する。
【実施例3】
【0106】
サンプル19−23は、AEROXIDE(商標名)ALU C805とKSP−105(実施例1において用いられた、高い動摩擦係数の疎水性微粒子マテリアル及び低い動摩擦係数の疎水性微粒子マテリアルと同様のもの)との異なる割合での組み合わせによる、該組成物で処理した毛髪の疎水性、感触、及び外観への効果を検討するために、調製された。サンプル19−23は、表6により調製され、疎水性、感触及び外観、ならびに光沢は、実施例1に記載の方法を用いて測定された。
【表6】

【0107】
AEROXIDE(商標名)ALU C805とKSP−105との組み合わせの総量が増加すると、撥水性は“B”から“A”に向上したことが、結果により示唆される。しかしながら、疎水性特性が向上すると、外観及び感触の特性が低下した。特に、該化粧品組成物中、AEROXIDE(商標名)ALU C805とKSP−105とがそれぞれ少なくとも3重量%含まれる場合(サンプル21−23)、マットとなり、白色残留物が見受けられた。それぞれの成分が3重量%未満では、撥水性は許容可能となり、光沢は向上した。サンプル19は、0.75重量%のAEROXIDE(商標名)ALU C805と0.75重量%のKSP−105とを含むが、撥水性、感触、外観、及び光沢の間の優れたバランスを示した。
【実施例4】
【0108】
本実施例では、脱色された毛髪又は痛んだ毛髪への塗布に適する、本発明による組成物を提供する。該組成物は、表7に示される成分を含む。
【表7】

【0109】
本実施例で用いられる低い動摩擦係数の疎水性微粒子マテリアルは、(i)コボによりKSP105として販売されているビニルジメチコン/メチコンシルセスキオサンクロスポリマー、及び(ii)コボよりTechpolymer MB−8CAの表示で市販されている球状ポリメチルメタクリレートを含む。メチルメタクリレートクロスポリマーは、半球状の形状を有する、光沢亢進剤成分である。それは、プレスパース(Presperse)より3D Tech PW(Plain)XPの表示で市販されている。
【0110】
本明細書に記載の発明及び特許請求の範囲に記載の発明は、本明細書に記載の特定の実施態様による範囲に限定されない。これらの実施態様は、本発明のいくつかの態様についての説明として意図されるからである。いかなる同等の実施態様も、本発明の範囲内として意図される。実際に、ここに示され、記載されるものに加えて本発明の種々の変更が、前述の記載より当業者にとって明らかとなる。このような変更もまた、特許請求の範囲に含まれるよう意図される。本明細書中に引用されるすべての公報は、それら全体において、参照されることにより組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケラチン繊維に撥水性を与えるための組成物であって、
(a)0.5以上の動摩擦係数を有する、第一疎水性微粒子マテリアルと、
(b)0.5未満の動摩擦係数を有する、第二疎水性微粒子マテリアルと、
(c)90重量%から99.8重量%の揮発性溶剤と、
を含み、
前記第一疎水性微粒子マテリアルと前記第二疎水性微粒子マテリアルとが合計で、該組成物の全重量に基づき、約0.01重量%から約10重量%含まれ、
前記第一疎水性微粒子マテリアルの前記第二疎水性微粒子マテリアルに対する重量比が、約1:10から約10:1である、ことを特徴とし、
前記組成物中のすべての非揮発性液体成分の総重量パーセンテージが、該組成物の全重量に基づき、10%未満である、ことを特徴とする組成物。
【請求項2】
前記第一疎水性微粒子マテリアルが、疎水性を有するように表面修飾された、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、二酸化ジルコニウム、又はこれらの組み合わせより選択される、酸化物からなる、ことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記第一疎水性微粒子マテリアルが、疎水性を有するように修飾された酸化アルミニウムからなる、ことを特徴とする請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記疎水性を有するように修飾された酸化アルミニウムが、トリメトキシカプリリルシラン(及び)アルミナ(INCI)である、ことを特徴とする請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記第二疎水性微粒子マテリアルが、0.4未満の動摩擦係数を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記第二疎水性微粒子マテリアルが、0.3未満の動摩擦係数を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記第二疎水性微粒子マテリアルが、0.2未満の動摩擦係数を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記第二疎水性微粒子マテリアルが、0.1未満の動摩擦係数を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記第二疎水性微粒子マテリアルが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリアミド−イミド、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレンテレフタレートポリエステル(PETP)、ポリスチレン、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルシルセスキオキサン、ポリアミド粉末、ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサンクロスポリマー、シリコーンエラストマー、ポリシリコーン、又はこれらの組み合わせからなる群より選択されるポリマーの実質的に球状の粒子からなる、ことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記ポリマーが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)である、ことを特徴とする請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記ポリマーが、ポリメチルメタクリレート(PMMA)である、ことを特徴とする請求項9に記載の組成物。
【請求項12】
前記ポリマーが、ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサンクロスポリマーである、ことを特徴とする請求項9に記載の組成物。
【請求項13】
前記ポリマーが、シリコーンポリマーである、ことを特徴とする請求項9に記載の組成物。
【請求項14】
前記第二疎水性微粒子マテリアルが、ラウロイルリシンからなる、ことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
前記ラウロイルリシンが、0.1未満の動摩擦係数を有する、N−ラウロイル−L−リシンの六角板状結晶を含む、ことを特徴とする請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
前記第二疎水性微粒子マテリアルが、窒化ホウ素からなる、ことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
0.05重量%から2.5重量%の光沢亢進剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
前記光沢亢進剤が、半球状のメチルメタクリレートクロスポリマーである、ことを特徴とする請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
前記光沢亢進剤が、シリコーン液である、ことを特徴とする請求項17に記載の組成物。
【請求項20】
前記光沢亢進剤が、フェニルトリメチコンである、ことを特徴とする請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
前記光沢亢進剤が、アモジメチコンである、ことを特徴とする請求項19に記載の組成物。
【請求項22】
前記揮発性溶剤が、揮発性シリコーンからなる、ことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項23】
前記揮発性シリコーンが、メチルトリメチコン、トリシロキサン、0.5cstジメチコン、0.65cstジメチコン、1cstジメチコン、1.5cstジメチコン、シクロメチコンテトラマー、シクロメチコンペンタマー、シクロメチコンヘキサマー、又はこれらの組み合わせからなる群より選択される、ことを特徴とする請求項22に記載の組成物。
【請求項24】
前記揮発性シリコーンが、シクロメチコンペンタマーである、ことを特徴とする請求項23に記載の組成物。
【請求項25】
前記揮発性溶剤が、エタノールからなる、ことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項26】
前記揮発性溶剤が、揮発性シリコーンとエタノールとからなる、ことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項27】
前記第一疎水性微粒子マテリアルと前記第二疎水性微粒子マテリアルとが合計で、前記組成物の約0.1%から約5%含まれる、ことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項28】
前記第一疎水性微粒子マテリアルの前記第二疎水性微粒子マテリアルに対する重量比が、約1:2から約2:1である、ことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項29】
前記第一疎水性微粒子マテリアルの前記第二疎水性微粒子マテリアルに対する重量比が、約2:1から約1:1である、ことを特徴とする請求項28に記載の組成物。
【請求項30】
ケラチン繊維に撥水性を与えるための組成物であって、
(a)疎水性を有するように修飾された酸化アルミニウムからなる、第一疎水性微粒子マテリアルと、
(b)0.5未満の動摩擦係数を有する、第二疎水性微粒子マテリアルと、
(c)90重量%から99.8重量%の揮発性溶剤と、
を含み、
前記第一疎水性微粒子マテリアルと前記第二疎水性微粒子マテリアルとが合計で、該組成物の全重量に基づき、約0.01重量%から約10重量%含まれ、
前記第一疎水性微粒子マテリアルの前記第二疎水性微粒子マテリアルに対する重量比が、約1:10から約10:1である、ことを特徴とし、
前記組成物中のすべての非揮発性液体成分の総重量パーセンテージが、該組成物の全重量に基づき、10%未満である、ことを特徴とする組成物。
【請求項31】
前記第二疎水性微粒子マテリアルが、0.4未満の動摩擦係数を有する、ことを特徴とする請求項30に記載の組成物。
【請求項32】
前記第二疎水性微粒子マテリアルが、0.3未満の動摩擦係数を有する、ことを特徴とする請求項30に記載の組成物。
【請求項33】
前記第二疎水性微粒子マテリアルが、0.2未満の動摩擦係数を有する、ことを特徴とする請求項30に記載の組成物。
【請求項34】
前記第二疎水性微粒子マテリアルが、0.1未満の動摩擦係数を有する、ことを特徴とする請求項30に記載の組成物。
【請求項35】
前記第二疎水性微粒子マテリアルが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリアミド−イミド、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレンテレフタレートポリエステル(PETP)、ポリスチレン、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルシルセスキオキサン、ポリアミド粉末、ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサンクロスポリマー、シリコーンエラストマー、ポリシリコーン、又はこれらの組み合わせからなる群より選択されるポリマーの実質的に球状の粒子からなる、ことを特徴とする請求項30に記載の組成物。
【請求項36】
前記ポリマーが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)である、ことを特徴とする請求項35に記載の組成物。
【請求項37】
前記ポリマーが、ポリメチルメタクリレート(PMMA)である、ことを特徴とする請求項35に記載の組成物。
【請求項38】
前記ポリマーが、ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサンクロスポリマーである、ことを特徴とする請求項35に記載の組成物。
【請求項39】
前記ポリマーが、シリコーンポリマーである、ことを特徴とする請求項35に記載の組成物。
【請求項40】
前記第二疎水性微粒子マテリアルが、ラウロイルリシンからなる、ことを特徴とする請求項30に記載の組成物。
【請求項41】
前記ラウロイルリシンが、0.1未満の動摩擦係数を有する、N−ラウロイル−L−リシンの六角板状結晶からなる、ことを特徴とする請求項40に記載の組成物。
【請求項42】
前記第二疎水性微粒子マテリアルが、窒化ホウ素からなる、ことを特徴とする請求項30に記載の組成物。
【請求項43】
前記第一疎水性微粒子マテリアルが、トリメトキシカプリリルシラン(及び)アルミナ(INCI)である、ことを特徴とする請求項30に記載の組成物。
【請求項44】
0.05重量%から2.5重量%の光沢亢進剤をさらに含む、請求項30に記載の組成物。
【請求項45】
前記光沢亢進剤が、半球状のメチルメタクリレートクロスポリマーである、ことを特徴とする請求項44に記載の組成物。
【請求項46】
前記光沢亢進剤が、シリコーン液である、ことを特徴とする請求項44に記載の組成物。
【請求項47】
前記光沢亢進剤が、フェニルトリメチコンである、ことを特徴とする請求項46に記載の組成物。
【請求項48】
前記光沢亢進剤が、アモジメチコンである、ことを特徴とする請求項46に記載の組成物。
【請求項49】
前記揮発性溶剤が、揮発性シリコーンからなる、ことを特徴とする請求項30に記載の組成物。
【請求項50】
前記揮発性シリコーンが、メチルトリメチコン、トリシロキサン、0.5cstジメチコン、0.65cstジメチコン、1cstジメチコン、1.5cstジメチコン、シクロメチコンテトラマー、シクロメチコンペンタマー、シクロメチコンヘキサマー、又はこれらの組み合わせからなる群より選択される、ことを特徴とする請求項49に記載の組成物。
【請求項51】
前記揮発性シリコーンが、シクロメチコンペンタマーである、ことを特徴とする請求項50に記載の組成物。
【請求項52】
前記揮発性溶剤が、エタノールからなる、ことを特徴とする請求項30に記載の組成物。
【請求項53】
前記揮発性溶剤が、揮発性シリコーンとエタノールとからなる、ことを特徴とする請求項30に記載の組成物。
【請求項54】
前記第一疎水性微粒子マテリアルと前記第二疎水性微粒子マテリアルとが合計で、前記組成物の約0.1%から約5%含まれる、ことを特徴とする請求項30に記載の組成物。
【請求項55】
前記第一疎水性微粒子マテリアルの前記第二疎水性微粒子マテリアルに対する重量比が、約1:2から約2:1である、ことを特徴とする請求項30に記載の組成物。
【請求項56】
前記第一疎水性微粒子マテリアルの前記第二疎水性微粒子マテリアルに対する重量比が、約2:1から約1:1である、ことを特徴とする請求項55に記載の組成物。
【請求項57】
ケラチン繊維に撥水性を与えるための組成物であって、
(a)疎水性を有するように修飾された酸化アルミニウムからなる、第一疎水性微粒子マテリアルと、
(b)0.5未満の動摩擦係数を有する、シリコーンポリマーの実質的に球状の粒子からなる、第二疎水性微粒子マテリアルと、
(c)90重量%から99.8重量%の揮発性溶剤と、
を含み、
前記第一疎水性微粒子マテリアルと前記第二疎水性微粒子マテリアルとが合計で、該組成物の全重量に基づき、約0.01重量%から約10重量%含まれ、
前記第一疎水性微粒子マテリアルの前記第二疎水性微粒子マテリアルに対する重量比が、約1:10から約10:1である、ことを特徴とし、
前記組成物中のすべての非揮発性液体成分の総重量パーセンテージが、該組成物の全重量に基づき、10%未満である、ことを特徴とする組成物。
【請求項58】
前記第一疎水性微粒子マテリアルが、トリメトキシカプリリルシラン(及び)アルミナ(INCI)である、ことを特徴とする請求項57に記載の組成物。
【請求項59】
前記第二疎水性微粒子マテリアルが、ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサンクロスポリマーである、ことを特徴とする請求項57に記載の組成物。
【請求項60】
0.05重量%から2.5重量%の光沢亢進剤をさらに含む、請求項57に記載の組成物。
【請求項61】
前記光沢亢進剤が、半球状のメチルメタクリレートクロスポリマーである、ことを特徴とする請求項60に記載の組成物。
【請求項62】
前記光沢亢進剤が、シリコーン液である、ことを特徴とする請求項60に記載の組成物。
【請求項63】
前記光沢亢進剤が、フェニルトリメチコンである、ことを特徴とする請求項62に記載の組成物。
【請求項64】
前記光沢亢進剤が、アモジメチコンである、ことを特徴とする請求項62に記載の組成物。
【請求項65】
前記揮発性溶剤が、揮発性シリコーンからなる、ことを特徴とする請求項57に記載の組成物。
【請求項66】
前記揮発性シリコーンが、メチルトリメチコン、トリシロキサン、0.5cstジメチコン、0.65cstジメチコン、1cstジメチコン、1.5cstジメチコン、シクロメチコンテトラマー、シクロメチコンペンタマー、シクロメチコンヘキサマー、又はこれらの組み合わせからなる群より選択される、ことを特徴とする請求項65に記載の組成物。
【請求項67】
前記揮発性シリコーンが、シクロメチコンペンタマーである、ことを特徴とする請求項66に記載の組成物。
【請求項68】
前記揮発性溶剤が、エタノール、シクロメチコン、又はこれらの組み合わせからなる群より選択される、ことを特徴とする請求項57に記載の組成物。
【請求項69】
前記揮発性溶剤が、エタノールからなる、ことを特徴とする請求項57に記載の組成物。
【請求項70】
前記揮発性溶剤が、揮発性シリコーンとエタノールとからなる、ことを特徴とする請求項57に記載の組成物。
【請求項71】
前記第一疎水性微粒子マテリアルと前記第二疎水性微粒子マテリアルとが合計で、前記組成物の約0.1%から約5%含まれる、ことを特徴とする請求項57に記載の組成物。
【請求項72】
前記第一疎水性微粒子マテリアルの前記第二疎水性微粒子マテリアルに対する重量比が、約1:2から約2:1である、ことを特徴とする請求項57に記載の組成物。
【請求項73】
前記第一疎水性微粒子マテリアルの前記第二疎水性微粒子マテリアルに対する重量比が、約2:1から約1:1である、ことを特徴とする請求項72に記載の組成物。
【請求項74】
毛髪に撥水性を与えるための方法であって、
請求項1、30、又は57のいずれか1項に記載の組成物を該毛髪に塗布することと、
存在する前記揮発性溶剤を蒸発させることと、
を含む方法。
【請求項75】
哺乳類のケラチン繊維に撥水性を与えるための方法であって、
請求項1、30、又は57のいずれか1項に記載の組成物を該ケラチン繊維に塗布することと、
存在する前記揮発性溶剤を蒸発させることと、
を含む方法。
【請求項76】
前記ケラチン繊維が、ペットの毛からなる、ことを特徴とする請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記ケラチン繊維が、哺乳類の毛皮からなる、ことを特徴とする請求項75に記載の方法。

【公表番号】特表2011−520882(P2011−520882A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−509520(P2011−509520)
【出願日】平成21年4月14日(2009.4.14)
【国際出願番号】PCT/US2009/040496
【国際公開番号】WO2009/140008
【国際公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(399130393)エイボン プロダクツ インコーポレーテッド (75)
【Fターム(参考)】