説明

超軟性ゲルを充填する密封体及び密封体を使用するマスク

患者の一部に接触して、呼吸マスク等の外部装置と患者との間に快適な境界面を形成する密封体(18)。密封体は、コーン貫入度約5〜200を有する軟性ゲル物質(36)を充填する弾性ケース(27)を備える。

【発明の詳細な説明】
【優先権主張】
【0001】
本願は、米国特許法第119条(e)の規定により、2006年3月9日に出願された米国仮出願第60/780,589号の優先権を主張する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、呼吸マスク等の外部装置と患者(被験者又は使用者)との間に配置されかつ患者の一部に接触して快適な境界面を形成する密封体に関連する。詳細には、本発明は、軟性ゲル物質が充填される弾性ケースを有する密封体に関連する。本発明は、前記密封体を有する呼吸マスクに関連しかつ前記密封体を使用して呼吸マスク等の外部装置を患者に接続する方法にも関連する。
【背景技術】
【0003】
使用者の鼻及び/又は口の周囲を覆いかつ使用者の顔面に対して連続的な密封構造を形成する可撓性の密封体を有する種々の呼吸マスクは、公知である。密封効果が得られる密封体により、使用者が消費する気体をマスク内に陽圧で供給することができる。高所呼吸(航空機用)、水泳、採鉱及び消火活動並びに種々の医療上の診断及び治療にこの種マスクの用途がある。
【0004】
多くの前記マスク、特に医療用呼吸マスクに必要不可欠な事項は、使用者の顔面に対して有効な密封構造を形成して、供給される気体の漏洩を防止することである。顔面に対し良好な密封性を生ずる従来のマスク形態では、通常相当な不快感を使用者に与える場合が多い。特に何時間又は何日も連続して使用者がマスクを着用する分野、特に医療分野では、マスクの快適な装着は、最重要問題である。この場合、使用者は、マスクの長時間着用に耐えられないため、最適な治療若しくは診断の目的を達成できず又はかなりの苦痛を使用者に与え、使用者に相当な不快感があろう。
【0005】
上記用途に使用される複数の形式の呼吸マスクが公知である。最もありふれた型式のマスクは、マスクの外縁周囲に延伸する円滑な密封面を有し、この密封面は、ほぼ均一な、予め決められた又は固定された密封面形状を有し、使用者の顔面に当接する密封面を有するマスクに外力が加えられるとき、密封面は、使用者の顔面に対して有効な密封構造を形成できる。密封面は、通常空気若しくは流体が充填された緩衝体(クッション)により形成され又は樹脂、ゴム、シリコーン、ビニル樹脂若しくは発泡材等のエラストマモールド成型又は成形される弾性密封要素の未処理表面でよい。
【0006】
対応する使用者の顔面形状に密封面の外形が良好に密着すると、マスクは、十分に性能を発揮する。例えば、予め決められた密封体の外形が偶然に使用者の顔面の輪郭に一致すれば、良好に密着する状態があり得る。しかしながら、密封体と顔面とが不十分に密着接触すると、密封体と顔面との境界面に形成される隙間を通じてマスクから気体が漏出する。密封部材に過剰な押圧力を加えることにより、密封部材を圧縮して隙間を閉鎖して、隙間が生ずる領域に十分な密封構造を形成する必要がある。使用者の顔面にマスク密封体の輪郭を強制的に押圧しかつ変形させて使用者の顔面形状に一致させる使用者の顔面部位では、他の部位より高い圧力点を生ずるので、過剰な押圧力は、好ましくない。これにより、血流圧力値を超える押圧力が部分的に印加されて、表面血流が遮断される全ての部位で、使用者に相当の不快感を与えて、使用者の皮膚を刺激し損傷を与えることもある。マスク密封体が相当に変形する箇所でマスクと使用者の顔面との間の接触力を制限して、部分的に血流圧力を超える接触力を阻止するのが理想的である。
【0007】
使用者に供給している気体の陽圧が、比較的高く又は比較的高いレベルで周期的に変動するとき、所望の圧力制限レベルを超える密封当接力の問題は、更に重大となる。マスクは、マスク密封体と使用者の顔面との正しい接触により密封構造を形成するので、供給される気体の最大(ピーク)圧力での漏洩を封止するのに十分な押圧力でマスクと顔面との密着を維持しなければならない。このように、供給圧力が高いとき、従来のマスクでは、頭部帯紐(緊締紐又はストラップ)又は他のマスク緊締部を比較的強固に締め付けなければならない。これにより、マスクの密封領域のみならず、保持帯紐が延伸する様々な箇所でも、顔面の一部に高圧力が生じる。また、この状態では、短時間の着用により使用者に不快感が生ずる。部分的に過剰圧力点がなくても、きついマスクと頭部帯紐は、非常に不快となり、不快感のため、使用者の治療養生が中断されることもある。連続的な緩衝密封特性を有するこの形式の呼吸マスクの例は、下記特許文献1及び2に示される。
【0008】
下記特許文献3は、軍用の保護ガスマスクを示す。この保護マスクは、V字断面の溝を有する比較的硬い材料の厚い層を中心層に設けた三層の面体(フェイスピース)を備える。ゲル又はゲルと圧縮空気との混合体によりV字断面の溝を「充填」して、使用者の顔面輪郭を密封する内側顔面接触層に湾曲部が形成される。特に、ゲルと空気との混合体で充填するとき、V字断面の溝により付与される構造上の剛性に加えて、固有の剛性を有する中心層により、柔軟性のない比較的硬い顔面密封体が形成される。実際に、ヘッドギア又は頭巾を強固に締付けて、マスクを装着しなければ、使用者の頭部にフェイスピースを確実に取り付けて、所望の顔面密封構造を形成することができない。使用者がマスクを長期間着用することがある呼吸疾患等を治療する用途に対して、前記構造による快適性は、極めて制限され、明らかに不適当である。
【0009】
エス・エフ・シース・チュワート、ブイ・パルミエリ及びジー・ブイ・ビー・コクランの研究では、ゲル及び発泡体を含む数種の緩衝材料が分析された(物理医療リハビリテーションの保管記録、第61巻、1980年5月)。この研究は、車椅子の緩衝体として使用される緩衝材料の相関的な長所と短所、具体的には、皮膚と緩衝体との境界面での皮膚温度に対する材料の影響、熱流及び相対湿度を比較したものである。部分的に血流圧力値を超える圧力を緩衝体に印加すると、緩衝材料の前記要素の各々は、皮膚と緩衝体との境界面での皮膚組織を破壊する一因となる現象が認められた。
【0010】
前記研究では、数時間の使用後に皮膚温度を数度だけ上昇する発泡緩衝体が報告された。これは、比較的低い熱流特性を有する発泡体材料の結果を示唆するものであった。即ち、発泡体材料と、その内部に封入される空気は、熱伝導率の小さい熱導体である。逆に、ゲル製パッド類は、数時間の使用後、皮膚温度を比較的一定に保つ発泡体より相当に高い熱流を実際に生じた。研究で報告されたゲルに対する発泡体の唯一の利点は、皮膚と緩衝体との境界面での相対湿度がゲルより低い点である。これは、湿気を拡散する通路となる発泡体の開放気泡組織に起因するものであった。しかしながら、この表面的な長所も、発汗に暴露される開放気泡組織が、バクテリアの成長を促す問題を生じる難点がある。このため、バクテリアにより徐々に汚染されて、発泡体の有効使用寿命が相当短縮されよう。
【0011】
更に、空気、流体若しくは特許文献3のように充填されるゲルであるか否か又は発泡体、樹脂、ゴム、シリコーン等の弾性材として形成するか否かに関らず、頭部帯紐に相当の引張力を与えないと、現在市販の緩衝型の呼吸マスク密封体は、その弾力特性又は反発特性により、使用者の顔面の微細構成に対して十分に適合せず、有効な密封構造を形成しなかった。
【0012】
ゲル物質により形成される密封緩衝体を備える呼吸マスク顔密封体は、下記特許文献4及び5に開示され、参照することにより前記特許文献の内容を本明細書の一部とする。ゲル物質は、実質的に人間の脂肪組織に相当する弾力特性又は反発特性を有する粘弾性ポリウレタン重合体である。即ち、密封緩衝体は、非常に柔軟な弾性材料の弾性測定に使用されるショア00スケールで計測されるジュロメータにより特定される弾性を有し、約10ジュロメータ又はそれより柔軟であり、約0ジュロメータが最も好ましい。前記弾性は、ショア00スケールで0ジュロメータを示す人間の脂肪組織の弾性に実質的に相当する。詳細には、密封緩衝体は、ショア000スケール(極めて柔軟な弾性材料の弾性の計測に使用される)で約20〜約45の弾性又はジュロメータがよい。因みに、人間の脂肪組織は、ショア000スケールで約10ジュロメータを示す。本発明の一実施の形態では、ゲル物質は、可撓性の樹脂製薄膜で被覆される。
【0013】
患者の一部に接触する注文生産可能な密封体は、下記特許文献6及び7に開示され、参照することにより前記特許文献の内容を本明細書の一部とする。本発明の好適な実施の形態では、下記特許文献8及び9に開示されるように、注文生産可能な密封体は、人間の脂肪に近い反発特性を有するゲル物質から製造される第1の部分を有する。密封体は、第1の部分に接続される第2の部分を有し、第2の部分は、第1のパターンから第2のパターンにモールド成形されかつ成形に応じて第2のパターンを保持する選択的に形成可能な物質を含む。
【特許文献1】米国特許第2,254,854号公報
【特許文献2】米国特許第2,931,356号公報
【特許文献3】米国特許第5,181,506号公報
【特許文献4】米国特許第5,647,357号公報
【特許文献5】米国特許第5,884,624号公報
【特許文献6】米国特許第6,397,847号公報
【特許文献7】米国特許第6,895,965号公報
【特許文献8】米国特許第5,647,357号公報
【特許文献9】米国特許第5,884,624号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
前記公知の従来型ゲルマスクには、ゲル物質を封入する非弾性ケースを備えるものも存在する。非弾性ケースは、通常ショアA硬度75と伸び率80〜250%とを有するポリウレタンにより形成される。非弾性ケースは、非常に薄い(厚さ約0.05〜0.25mm[約2〜10mil])薄膜から熱成形される。前記薄膜の形成能力により、形状と、壁膜厚分布の複雑化が抑制される。また、薄い薄膜の封止体は、構造機能を何も生じない。従って、ゲル物質は、密封体に形状と構造とを与えなければならずかつ比較的硬質(ショア00硬度で20〜25の範囲)である。
【課題を解決するための手段】
【0015】
従って、本発明の目的は、従来の密封体技術の欠点を解消できかつ使用者の表面に正しく装着されて使用者の表面に密封境界面を形成する密封体を提供することにある。本発明の一実施の形態により軟性ゲル物質を充填する弾性ケースを備える密封体を提供することにより、この目的は、達成される。本発明の一実施の形態では、軟性ゲルは、コーン貫入度(cone penetration、円錐体針入度)5〜200を有する超軟性シリコーンゲルが好ましい。しかしながら、軟性ゲル物質は、シリコーンゲルに限定されず、コーン貫入度5〜200の物理的性質を有する例えばポリウレタンゲル等の如何なる軟性ゲルでもよい。弾性ケースが密封体の外形構造を担持するので、従来のゲル物質より液状でかつより柔軟なゲル物質を使用できる。本発明の密封体は、従来のゲルマスク密封体に比べて密封性がより向上し、人体組織との適合性がより増大し、順応性がより高くしかも境界面がより快適となる。
【0016】
本発明の別の目的は、軟性ゲル物質を充填した弾性ケースを備える密封体を使用する呼吸マスクを提供することである。第1の開口部と第2の開口部とを有する比較的高い剛性のマスク本体を備える呼吸マスクを提供することにより、この目的は、達成される。マスク本体に作動接続される密封体は、使用者の表面に正しく装着されて、使用者の表面と密封境界面を形成する。軟性ゲル物質を充填した弾性ケースを備える密封体と呼吸マスクとを使用する呼吸補助装置を提供することにより、この目的は、更に達成される。
【0017】
参照符号により各図の対応する部分を示す添付図面に関する以下の説明、特許請求の範囲及び本明細書の全構成部分により、本発明の前記目的及び他の目的、特徴及び特性、構造の関連要素の操作法及び機能、部品の組み合わせ並びに製造経済性は、明らかとなろう。しかしながら、図面は、図示及び説明の目的に過ぎず、発明の範囲を制限しないものであることは、明確に理解できよう。別途明記しない限り、明細書及び特許請求の範囲に使用する用語「1つ(a)」、「1つ(an)」及び「その(the)」の単数形は、複数の対象を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本明細書に使用する方向を表わす用語、例えば水平(horizontal)、垂直(vertical)、左(left)、右(right)、時計方向(clockwise)、反時計方向(counterclockwise)、頂部(top)、底部(bottom)、上方(up)、下方(down)、前方(front)、後方(rear)及びその派生方向等は、添付図面に示す要素の方向付けを意味するが、本明細書に特段の説明がない限り、特許請求の範囲を制限するものではない。また、用語「外側(outer-side)」又は「前方(front)」及びその全派生方向は、例えば、患者が呼吸マスクを装着するときの患者に最も近い呼吸マスクの端部を示す。逆に、用語「患者側(patient-side)」又は「後方(rear)」及びその全派生方向は、例えば、患者が呼吸マスクを装着したときの患者から最も遠い呼吸マスクの端部を示す。
【0019】
本明細書に別段の説明がない限り、本明細書中に使用する「数(number)」は、1又は1より大きい数を意味し、用語「1つ(a)」、「1つ(an)」及び「その(the)」の単数形は、複数の対象を含む。更に、本明細書に使用するように、2つ又はより多くの部分が互いに「接続される(connected)」又は「連結される(coupled)」との記載は、それらの部品が互いに直接接合され又は単数又は複数の中間部品を介して互いに接合されることを意味するが、2つ又はより多くの部品が「取り付けられる(attached)」又は「固定される(affixed)」との記載は、それらの部品が互いに直接接合されることを意味する。
【0020】
図1〜図5に示す第1の例示的な実施の形態では、全体を符号10で示す呼吸マスクは、マスク本体又はマスク外殻12を備え、マスク外殻12は、ほぼ環状の周辺壁16を形成する開放側面14を有し、周辺壁16は、第1の実施の形態により構成される密封体18に密封連結される。図示の実施の形態では、必ずしも剛性が必要ではないが、全体的に剛性のある殻によりマスク外殻12を形成することが好ましく、可撓性を有する弾性部材により形成される密封体18の詳細を下記に説明する。
【0021】
図示の実施の形態では、マスク内の空洞部と外部気体供給源との間で呼吸用気体等の流体を案内する回転連結部21等の流体連結装置を接続する開口部20がマスク外殻12に形成される。呼吸マスク10が形成する空洞部内に又はこの空洞部内から流体を案内する様々な流体連結装置を開口部20に恒久的に又は選択的に取り付けることを本発明が企図することは、理解されよう。図1の実施の形態では、例えば、使用者に気体を処方するときのように、呼吸マスク10の開口部20は、破線22で示す導管を通じてかつ回転連結部21を介して、加圧される呼吸用気体流を供給するブロワ又は他の適切な送風装置等の気体供給源24に接続される。公知の方法により吐出気体を排出する排気口23を回転連結部21に設けることが好ましい。本実施の形態では、公知の方法によりリング26を使用してマスク外殻12に密封体18を取り付けるのが好ましい。
【0022】
気体供給源24は、使用者に気体を供給する如何なる装置でもよい。気体供給源は、酸素供給源と、換気装置と、圧力補助(支援)装置又は自動滴定(タイトレーション)圧力補助装置を備えてもよく、圧力補助装置は、持続気道陽圧(CPAP)装置又は例えば、ペンシルベニア州ピッツバーグに所在のレスピロニクス社が製造・販売するバイパップ(BiPAP[登録商標]、バイフレックス(Bi-Flex、吸気時及び呼気時に呼吸気体圧力をそれぞれ上昇し、低下して違和感を軽減する機能)装置若しくはシーフレックス(C-Flex、呼気時に呼吸気体圧力を低下して違和感を軽減する機能)装置等の可変圧力装置等である。バイパップ装置、バイフレックス装置又はシーフレックス装置は、患者の呼吸周期の進行に伴って患者に供給される圧力が変化して、呼気間よりも吸気間により高い圧力を患者に送出する圧力補助装置である。自動滴定圧力補助装置は、患者が鼾をかいているか又は無呼吸、呼吸低下、流量低減呼吸、上気道抵抗若しくは鼾を体験しているか否か等の患者の状態に応じて、患者に供給する圧力レベルを変更する装置である。
【0023】
図示のマスクは、使用者の顔面に装着する全面マスク(面体)又は口領域と鼻領域とを収容する口/鼻マスクである。使用者の両鼻孔領域を収容する鼻マスク又は患者の顔面のほぼ全体領域を収容する全面型面体(フルフェースマスク)を本発明が企図することも理解されよう。図示の実施の形態は、本発明の弾性ケース及び軟性ゲルを使用する呼吸マスクを例示するに過ぎず、明細書に記載する実施の形態に本発明を限定すべきでないことを理解すべきである。
【0024】
図1及び図2に示す実施の形態では、ヘッドギア帯紐上に設けられる対応ボール部(図示せず)を装着するソケット取付部25もヘッドギア取付部としてマスク外殻12の下角部に設けられる。本発明の実施に適する球関節接続構造及び他のヘッドギア取付構造は、同時に米国特許庁に係属する米国特許出願第10/629,366号(米国公開第US−2004−0025883−A1)に開示され、参照することにより、この米国特許出願の内容を本明細書の一部とする。しかしながら、本実施の形態又は他の何れかの実施の形態に示すマスク外殻12にヘッドギアを取り付ける何らかの従来の接続組立体を使用することを本発明が企図することは、理解されよう。
【0025】
本発明は、呼吸マスク10と共に使用できる適当なヘッドギア、即ち患者界面体の技術分野で使用される如何なる従来のヘッドギアも企図する。例えば、通常のヘッドギア組立体は、患者の頭部の一部を覆うキャップ(ヘッドピース)と、キャップから延伸するヘッドギア帯紐とを備え、ヘッドギア帯紐は、頭部に装着させるヘッドギアの位置を調節可能にキャップをマスクに接続する。
【0026】
また、額支持体のない呼吸マスク10を図1及び図2に示すことに留意すべきである。実際のマスクでは、取付部19によりマスク外殻12に対して額支持体を移動可能に額支持体をマスク外殻12に取り付けることができる。本発明の実施に適する額支持体を有するマスクの例は、米国特許出願第10/654,379号(米国公開第US−2004−0045551−A1号公報)に記載され、参照することにより、米国特許出願の内容を本明細書の一部とする。マスク外殻12に固定される(調整不能)額支持体を有するマスク外殻12に組み合わせて如何なる種類又は形態の額支持体を使用する(又は全く使用せずに)ことを本発明が企図することは、理解されよう。
【0027】
図2に示す実施の形態では、周縁壁部29を有する環状部28と、ほぼ環状の基部又は内端部31を有する内壁部30とを備える弾性ケース27が密封体18に設けられ、マスク外殻12に密封体18を取り付けるとき、内壁部30の内端部31は、マスク外殻12の周辺壁16に実質的に合致する。内端部31のほぼ反対側に外端部32(図5)が周縁壁部29に設けられる。図1及び図5に示すように、外端部32に形成される密封面34は、使用者の顔面に対し対向しかつ密封接触するほぼ環状の外形を有する。図示の実施の形態について本明細書で十分に後述するように、使用者の顔面構造、特に、鼻梁領域、鼻に隣接する頬、使用者の顎領域及びこれらに隣接する中間領域の表面輪郭に厳密に近似するように密封面34の外形が形成される。
【0028】
密封体18を取り付けるマスクの型式に応じて、密封面34の外形を異なる形態に形成できることは、理解されよう。鼻マスク(図示せず)では、例えば、使用者の顎の代わりに、鼻と上唇との中間領域に適合する外形の密封面34が形成される。いずれにせよ、使用者の異なる顔面構造、特に異なる鼻梁領域の形状に対して、例えば、着用可能性のある多くの異なる顔面外形に適応できる相当の密封体可撓性を与える必要がある。
【0029】
図1〜図5に示す本発明の実施の形態では、弾性ケース27の周縁壁部29と内壁部30との間に内部空洞35(図5)が形成される。液状射出成形(LIM)用シリコーンゴム等の弾性材料又は熱可塑性エラストマ(TPE)等の他の弾性体で弾性ケース27を精密成形するのが好ましい。超軟性シリコーンゲル等のゲル物質36が弾性ケース27の内部空洞35内に充填される。しかしながら、軟性ゲル物質36は、シリコーンに限定されず、例えば、ポリウレタンゲル等の後述の物理的特性を有する如何なる軟性ゲルでもよい。その後、室温で又は加熱によりゲル物質36を硬化させ又は架橋結合させる。使用するゲル物質36の性質に応じて、完全に又は部分的にゲル物質36を架橋結合(又は硬化)させることができる。別法として、非架橋結合のゲル物質36を使用できるかなり柔軟なゲル物質の用途も存在する。
【0030】
弾性ケース27を構成する材料に弾性特性を付与することにより、内部空洞35内に封入されるゲル物質36の特性への制限を緩和し、弾性ケース27を通じてゲル物質36の特性を利用することができる。一方、公知の従来のゲルマスクに通常設けられる非弾性ケース内に収容されるゲル物質の特性は、非弾性ケースにより制限される。ゲル物質36は、弾性ケース27を構成する材料よりも全体的に柔らかい可撓性と弾性を有する。最小伸び率約400%とショアA硬度約40を有する弾性ケース27が好ましい。弾性ケース27に封入する後述のゲル物質36の特性に基づいて、弾性ケース27の材料が選択される。
【0031】
本発明は、弾性ケース27の内面33に付着し又は付着しない何れかのゲル物質36も企図する。例えば、弾性ケース27内でゲル物質36を移動させることが好ましい場合もある。逆に、本発明は、例えば、弾性ケース27の表面33上のような2つの部材間に接着剤を塗布して、弾性ケース27にゲル物質36を固定することも企図する。
【0032】
非常に柔軟な材料の硬度測定に使用されるコーン貫入度計により計測され、貫入度により決定される硬度又は剛性をゲル物質36に与えることが好ましい。当業者に公知のように、コーン貫入度による剛性測定法は、ショア000スケールで測定する極めて柔軟な材料に使用される。ゲルの剛性測定に使用されるコーン貫入度による測定方法は、米国材料試験協会(ASTM)規格試験測定法D1403及びD217により、規定される。本特許出願人であるレスピロニクス社は、後述の米国材料試験協会測定法D1403及びD217に基づく検査手順を開発した。本明細書でのゲルを詳細に説明すれば、1/4スケールコーンの寸法と重量を使用する試験により、弾性ケース27の無いゲル物質36のコーン貫入度が測定される。米国材料試験協会規格D1403に記載されるコーン貫入度測定は、各1つの貫入(P)当たり深さ0.1mmに相当する。既知一定重量により、重力のみの垂直の力を試料ゲルに与えて、コーン貫入値が決定される。
【0033】
本発明では、硬度又は剛性及び弾性に関するゲル物質36の特性に基づいて、厚さ及び弾性に関する弾性ケース27の特性が選択される。例えば、厚くかつ硬い弾性ケース27の材料には、硬いゲルよりも軟らかいゲルを使用できよう。換言すれば、ゲル物質36の硬度又は剛性を表わすゲル貫入度は、弾性ケース27の厚さと硬度に反比例する。下記実施例では、ゲル物質36のコーン貫入度と弾性ケース27の厚さとの比較及びコーン貫入度と弾性ケース27の硬度との比較を主に皮膚接触領域に適用するものである。他の領域とは異なり最も厚い壁厚と思われる基部31と、患者に直接接触しない側部領域とを弾性ケース27に設けて、構造支持体を形成するのが好ましい。例えば、図6Aに示すように、皮膚に接触する弾性ケース27の部分の壁厚を「t」で示し、弾性ケース27の基部31の壁厚を「b」で示す。封入された含有ゲル物質36の厚さを「T」で示す。
【0034】
実施例(1):コーン貫入度30〜50のゲルを封入したゲル容量は、厚さ約6.35mm(0.250インチ)を有し、弾性ケースは、各側壁で0.38mm(0.015インチ)の厚さと、ショアA硬度40ジュロメータとを有する。12.70mm(0.500インチ)程度のより厚い含有ゲルでは、弾性ケースは、各側壁で0.20mm(0.008インチ)でより薄い壁厚となる。しかしながら、20ジュロメータ程度のショアA硬度のより柔軟な弾性ケース材料を使用するとき、0.38mm(0.015インチ)厚さの側壁を弾性ケースに設けることが好ましい。
【0035】
実施例(2):コーン貫入度65〜100のゲルを封入したゲル容量は、厚さ約6.35mm(0.250インチ)を有し、弾性ケースは、各側壁で0.64mm(0.025インチ)の厚さと、ショアA硬度40ジュロメータとを有する。12.70mm(0.500インチ)程度のより厚いゲルでは、弾性ケースは、各壁で0.38mm(0.015インチ)より薄い壁厚となる。この貫入度範囲にあるゲルでは、より厚い含有ゲルで快適性を最大化することが好ましい。
【0036】
実施例(3):コーン貫入度5〜25のゲルを封入したゲル容量は、厚さ約6.35mm(0.250インチ)を有し、弾性ケースは、各側壁で0.25mm(0.010インチ)の厚さと、ショアA硬度30ジュロメータとを有する。12.70mm(0.500インチ)程度のより厚いゲルでは、弾性ケースは、各壁で同一値の厚さになり、含有ゲルの厚さ増加に適応させて、弾性ケースのショアA硬度は、15〜20ジュロメータに減少される。この貫入度範囲のゲルでは、より薄いゲル容量で、快適性を最大化するのが好ましい。
【0037】
本発明の前記例示的な実施の形態では、コーン貫入度5〜100範囲のゲル物質36が好ましい。高コーン貫入度200程度のゲル物質36でもよい。6.35〜12.70mm(0.250〜0.500インチ)範囲厚さのゲル物質36が好ましい。本発明の前記例示的な実施の形態では、ショアA硬度15〜40ジュロメータの剛性を有する弾性ケース27が好ましい。0.25〜0.64mm(0.010〜0.025インチ)範囲厚さの弾性ケース27が好ましい。
【0038】
50%だけ圧縮した後に、実質的に初期の厚さに復元するゲル物質36の復帰時間を決定して、ゲル物質36の好適な弾性を測定できる。本発明のゲル物質の弾性は、1秒未満の復帰時間であることが好ましい。復帰時間1秒未満のゲルは、高速応答ゲルと呼ばれる。高速応答ゲルは、例えば、ゲル物質36の充填に好適である。低速応答ゲルは、1秒以上でかつ5秒未満の復帰時間のゲルである。低速応答ゲルは、例えば、額パッド用支持体等への使用に好ましい。
【0039】
図2及び図4の実施の形態では、2つの開口部38を示すが、内部空洞35(図5)は、少なくとも1つの開口部38を設けて全体的に硬質の材料で形成される内端部31により閉鎖される。公知の充填技術を利用して、開口部38から内部空洞35内にシリコーンゲル36が充填される。種々の被覆技術の1つを利用して、開口部38に蓋を被せることができる。図示の実施の形態では、開口部38に蓋体40(図6A)が被着される。
【0040】
図7A〜図7Cに示すように、別法として、予め各蓋体140に形成した窓部142にゲル物質36を充填して、窓部142内のゲル物質36により蓋体140を機械的に結合することができる。別法として、縮合硬化型室温加硫化(RTV)シリコーンゴム又は液状射出成形シリコーン空洞用熱加硫添加硬化型シリコーンゴム等の接着剤により、開口部38を密封することができる。使用する封止材は、内部空洞35の材質に応じて決定される。例えば、熱可塑性エラストマ(TPE)を使用する弾性ケース27に好適な封止材は、溶媒結合材である。
【0041】
開口内端部231を有する開口空洞部235を図9及び図6Bに示す。開口部38に使用する図6Bに示す蓋体240のような前記と同様の封止材を使用して、開口内端部231の細長い開口部238を密封することができる。また、開口内端部231の底部形状に一致する蓋体を使用してもよい。
【0042】
図8A及び図8Bに更に別の実施の形態を示す。実質的により高い剛性を有する材料を開口溝付きケースの外側に被覆成形して、外部リング241と内部リング243が形成される。より高い剛性を有する基部245に外部リング241と内部リング243を接着して、開口溝付きケースの基部245を完全に封止して、ケース部分組立体を形成することができる。接着剤による接着、機械式スナップ作用又は音波溶着により、リング241,243と基部245とを接着又は融着することもできる。その後、ケース部分組立体は、マスク外殻12に取り付けられる。別法として、図8Bに示すように、図8Aに示す剛性基部245よりも深い外形を剛性のある基部246に設けることもできる。
【0043】
図10〜図12に他のマスク310を示す。本実施の形態では、額パッド360が密封体318に一体に設けられる。密封体318は、内部空洞335を有するケース327を備え、額空洞部362の内部と共に、ゲル物質が内部空洞335内に充填される。図示を簡略化するため、ケース327の内部空洞と額空洞部362内のゲル物質の図示を省略する。ケース327内のゲル物質より比較的硬い(低い貫入度を有する)ゲル物質を額空洞部362内に充填することが好ましい。例えば、額の形状に合致する外形の額パッドには、より硬質のゲルを使用できが、実質的に額に適合して変形させたい外形の額パッドには、より柔軟なゲルを使用することができる。スナップ嵌合により外殻312に密封体318を取り付ける被覆リング364と額蓋体366とにより、内部空洞335と額空洞部362とを密封できるが、別法として、接着又は溶着等の他の接合法により外殻312に密封体318を取り付けることもできる。
【0044】
マスク410の他の実施の形態を図13〜図14に示す。本実施の形態では、密封体418は、密封フラップ420を有する。シリコーン又は熱可塑性エラストマ材料等の非常に薄い弾性膜により密封フラップ420を形成するのが好ましい。マスク410は、前記方法で形成されるゲル支持体を更に備える。密封フラップ420とゲル支持体との組み合わせにより、マスク410の密封性と快適性とが向上する。密封フラップ420とゲル支持体との間に風船形の空気式緩衝体が形成される。押圧されるときに、患者の輪郭に適合する密封フラップ420が好ましい。単一部品としてケースに一体に密封フラップ420を形成することが好ましい。
【0045】
本発明の他の実施の形態では、特許文献6及び7に開示される密封体等の注文生産可能な密封体を図示のようなマスクに設けてもよい。例示的な一実施の形態では、第1のパターンから第2のパターンにモールド成形される形成可能な部分を、モールド成形される状態に応じて第2のパターンを保持する形成可能な部分が密封体に設けられる。例示的な一実施の形態では、エチル酢酸ビニル等の硬化剤を前記超軟性ゲル物質に添加して、形成可能な部分を形成することができる。
【0046】
密封体の現在好適な実施の形態、特に呼吸用顔マスクに使用する密封体を説明したが、本発明の密封体を他の様々な方法で使用できることは、理解されよう。例えば、本発明の弾性ケースに封入される軟性ゲル物質を、顔面用に限定せずに、額パッド又は他のパッド、スペーサ及び緩衝装置として使用することを本発明は、企図する。
【0047】
更に、本発明の前記他の実施の形態は、実施可能な全使用法を全て網羅した本発明の密封体であることを意図しないことを理解すべきである。使用者と外部装置との境界面の全ての状況で本発明の密封体を広義に使用することができる。用語「密封体」は、患者と外部装置との間の全ての境界面を包含することを意図する点に留意すべきである。例えば、水密又は気密の密封体のように、水又は気体等の異物が使用者に侵入することを密封体が阻止する状況のみに解釈するように、用語「密封体」を狭義に解釈してはならない。使用者への異物の侵入を密封体が阻止する点は、本発明の全実施の形態では必ずしも必要ではない。例えば、受話器のイヤホンとして本発明の密封体を使用するとき、密封部により形成される受信機と使用者との境界面を必ずしも気密又は水密にすべき必要はない。
【0048】
現在最も実用的かつ好適と思われる実施の形態を図示して詳記したが、前記記載は単に説明の便宜に過ぎず、本発明を開示した実施の形態に限定されず、本発明は、特許請求の範囲内に該当すると共に、特許請求の範囲と同趣旨の変更態様並びに同等の装置を包含すること企図する。例えば、何れかの実施の形態の単一又は複数の特徴を他の何れかの実施の形態の単一又は複数の特徴に可能な範囲内で組み合わせられることも、本発明が企図することを理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】略示する呼吸気体供給源に連絡される本発明による第1の実施の形態の呼吸マスクを示す側面図
【図2】図1の呼吸マスクの分解斜視図
【図3】図1の呼吸マスクの密封体を示す正面図
【図4】図1の呼吸マスクの密封体を示す背面斜視図
【図5】図3のV-V線に沿う密封体の断面図
【図6A】密封体の断面図
【図6B】密封体の断面図
【図7A】密封体の断面図
【図7B】図7Aに示す蓋体の斜視図
【図7C】図7Aに示す蓋体の部分断面図
【図8A】密封体の実施の形態を示す断面図
【図8B】密封体の実施の形態を示す断面図
【図9】本発明の別の実施の形態による密封体の斜視図
【図10】本発明の更に別の実施の形態による呼吸マスクの斜視図
【図11】図10に示す呼吸マスクの分解斜視図
【図12】本発明の更に別の実施の形態による密封体の斜視図
【図13】本発明の更に別の実施の形態による呼吸マスクの斜視図
【図14】図13の密封体を示す断面図
【符号の説明】
【0050】
(10)・・呼吸マスク、 (12)・・マスク本体、 (18)・・呼吸用密封体、 (22)・・導管、 (24)・・気体流発生装置、 (27)・・弾性ケース、 (31)・・基部、 (35)・・内部空洞、 (36)・・ゲル物質、 (38)・・開口部(開口溝)、 (238)・・開口溝、 (40,140,240)・・蓋体、 (241)・・外部リング、 (142)・・窓部、 (243)・・内部リング、 (245)・・基部、 (360)・・一体型額パッド部、 (420)・・一体型密封フラップ、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の表面に対向して接触しかつ使用者の表面との境界面を形成する呼吸用密封体(18)において、
内部空洞(35)を有する弾性ケース(27)と、
内部空洞内に配置されかつコーン貫入度約5〜200を有するゲル物質(36)とを備えることを特徴とする呼吸密封体。
【請求項2】
弾性ケースは、最小伸び率約400%を有する請求項1に記載の呼吸密封体。
【請求項3】
ゲル物質は、コーン貫入度約5〜100を有する請求項1に記載の呼吸密封体。
【請求項4】
内部空洞内に配置されるゲル物質は、厚さ約6.35〜12.70mm(約0.250〜0.500インチ)を有する請求項3に記載の呼吸密封体。
【請求項5】
弾性ケースは、ショアA硬度約15〜40を有する請求項4に記載の呼吸密封体。
【請求項6】
弾性ケースは、厚さ約0.25〜0.64mm(約0.010〜0.025インチ)の患者接触壁を有する請求項5に記載の呼吸密封体。
【請求項7】
ゲル物質は、コーン貫入度約5〜25を有する請求項1に記載の呼吸密封体。
【請求項8】
弾性ケースは、ショアA硬度約15〜30範囲と、厚さ約0.25mm(約0.010インチ)とを有する請求項7に記載の呼吸密封体。
【請求項9】
ゲル物質は、コーン貫入度約30〜50を有する請求項1に記載の呼吸密封体。
【請求項10】
弾性ケースは、ショアA硬度約20〜40範囲と、厚さ約0.20〜0.38mm(約0.008〜0.015インチ)とを有する請求項9に記載の呼吸密封体。
【請求項11】
ゲル物質は、コーン貫入度約65〜100を有する請求項1に記載の呼吸密封体。
【請求項12】
弾性ケースは、ショアA硬度約40と、厚さ約0.38〜0.64mm(約0.015〜0.025インチ)とを有する請求項11に記載の呼吸密封体。
【請求項13】
少なくとも1つの開口部(38)を有する基部(31)を弾性ケースに設けた請求項1に記載の呼吸密封体。
【請求項14】
少なくとも1つの窓部(142)を有する蓋体(40,140,240)により、少なくとも1つの開口部を密封した請求項13に記載の呼吸密封体。
【請求項15】
開口溝(38,238)を有する基部(31)を弾性ケースに設けた請求項1に記載の呼吸密封体。
【請求項16】
開口溝の形状に一致する形状を有する蓋体(40,140,240)により、開口溝を密封した請求項15に記載の呼吸密封体。
【請求項17】
剛性のある基部(245)に取り付けられる内部リング(243)と、外部リング(241)とを備えるケース部分組立体により開口溝を密封した請求項15に記載の呼吸密封体。
【請求項18】
ゲル物質を内部に配置する一体型額パッド部(360)と、第1の部分とを弾性ケースに設けた請求項1に記載の呼吸密封体。
【請求項19】
一体型額パッド部の内部空洞内に配置されるゲル物質は、第1の部分内に配置されるゲル物質よりも低いコーン貫入度を有する請求項18に記載の呼吸密封体。
【請求項20】
一体型密封フラップ(420)を弾性ケースに設けた請求項1に記載の呼吸密封体。
【請求項21】
少なくともゲル物質の一部に硬化剤を添加して、形成可能な部分を設けた請求項1に記載の呼吸密封体。
【請求項22】
第1の開口部と、第2の開口部とが形成されるマスク本体(12)を更に備え、
第1の開口部で密封体をマスク本体に作動接続し、使用者の表面に対向して接触させて、使用者の表面と境界面を形成する請求項1に記載の呼吸密封体。
【請求項23】
気体流を発生する気体流発生装置(24)と、
気体流発生装置に作動連結される第1の端部と、第2の端部とを有しかつ気体流発生装置の動作時に気体流発生装置からの気体流の搬送通路となる導管(22)と、
導管の第2の端部に作動連結される呼吸マスク(10)とを更に備え、
鼻マスク組立体は、第1の開口部と、第2の開口部とが形成されるマスク本体(12)を備え、
第1の開口部でマスク本体に作動接続されかつ使用者の表面に対向して接触して使用者の表面との境界面を形成する請求項1に記載の呼吸密封体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2009−540870(P2009−540870A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−558550(P2008−558550)
【出願日】平成19年3月9日(2007.3.9)
【国際出願番号】PCT/US2007/063678
【国際公開番号】WO2007/104042
【国際公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(505338497)アールアイシー・インベストメンツ・エルエルシー (81)