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超難水溶性薬物含有組成物及びその製造法
説明

超難水溶性薬物含有組成物及びその製造法

超難水溶性薬物及び多孔体(平均細孔直径が1〜20nmの範囲内にあり、平均細孔直径の±40%の範囲内に全細孔容積の60%以上が含まれ、かつ、X線回折において、d値が1nm以上に相当する回折角(2θ)の位置に、1本以上のピークを有することを特徴とするシリカ多孔体を除く)を含有する組成物を、二酸化炭素の超臨界流体又は亜臨界流体を用いて処理して得られる超難水溶性薬物含有組成物及びその製造法。 本発明の超難水溶性薬物含有組成物は、超難水溶性薬物の溶出性に優れる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、溶出性に優れた超難水溶性薬物含有組成物及びその製造法に関する。
【背景技術】
2−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2H−ピリダジン−3−オンは優れたインタ−ロイキン−1β産生抑制作用を有し、免疫系疾患、炎症性疾患、虚血性疾患等の予防及び治療薬として有用であることが知られている(特開平12−198776号公報)。しかし、この化合物は極めて水に溶け難い薬物であり、製剤からの溶出性が悪く、改善が求められていた。
難水溶性薬物の溶出性改善法として、薬物の微細化や誘導体の作製等の技術が知られている。しかし、2−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2H−ピリダジン−3−オン等の超難水溶性薬物は、微細化では溶出性は改善されず、誘導体にすると薬効が変化するため好ましくない。
また、溶出性の改善方法として、ニフェジピンのような生理活性物質を超臨界状態又は亜臨界状態にある二酸化炭素又は液体二酸化炭素で処理する方法(例えば、特開2002−302435号公報)等が提案されている。しかし、ニフェジピンのような難水溶性薬物の溶出性は改善されるが、2−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2H−ピリダジン−3−オンのような超難水溶性薬物は、このような方法によっても溶出性は改善されない。
【発明の開示】
本発明の目的は、溶出性に優れた超難水溶性薬物含有組成物及びその製造法を提供することにある。
本発明者らは、以上の点を考慮して鋭意検討した結果、超難水溶性薬物と多孔体(平均細孔直径が1〜20nmの範囲内にあり、平均細孔直径の±40%の範囲内に全細孔容積の60%以上が含まれ、かつ、X線回折において、d値が1nm以上に相当する回折角(2θ)の位置に、1本以上のピークを有することを特徴とするシリカ多孔体を除く)を含有する組成物を、二酸化炭素の超臨界流体又は亜臨界流体を用いて処理すると、超難水溶性薬物の溶出性に優れた組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は超難水溶性薬物及び多孔体(平均細孔直径が1〜20nmの範囲内にあり、平均細孔直径の±40%の範囲内に全細孔容積の60%以上が含まれ、かつ、X線回折において、d値が1nm以上に相当する回折角(2θ)の位置に、1本以上のピークを有することを特徴とするシリカ多孔体を除く)を含有する組成物を、二酸化炭素の超臨界流体又は亜臨界流体を用いて処理して得られる超難水溶性薬物含有組成物及びその製造法を提供するものである。
本発明により、溶出性に優れた超難水溶性薬物含有組成物及びその製造法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
本発明で使用する超難水溶性薬物は、25℃の水に対して、溶解度が10μg/mL未満、好ましくは5μg/mL未満、特に好ましくは1μg/mL未満の薬物である。
本発明で使用する超難水溶性薬物の種類は特に制限されない。例えば、解熱剤、抗炎症剤、鎮痛剤、精神安定剤、鎮静剤、抗腫瘍剤、抗菌剤、抗生物質、抗高脂血症剤、鎮咳去たん剤、筋弛緩剤、抗てんかん剤、抗潰瘍剤、抗うつ剤、抗アレルギー剤、強心剤、不整脈治療剤、血管拡張剤、降圧利尿剤、糖尿治療剤、抗結核剤、抗リウマチ剤、ステロイド剤、麻薬拮抗剤、ホルモン剤、脂溶性ビタミン剤、抗凝血剤、虚血性疾患治療薬、免疫疾患治療薬、アルツハイマー病治療薬、骨粗鬆症治療薬、血管新生治療薬、網膜症治療薬、網膜静脈閉塞症治療薬、老人性円板状黄斑変性症、脳血管攣縮治療薬、脳血栓治療薬、脳梗塞治療薬、脳閉塞症治療薬、脳内出血治療薬、クモ膜下出血治療薬、高血圧性脳症治療薬、一過性脳虚血発作治療薬、多発性梗塞性痴呆治療薬、動脈硬化症治療薬、ハンチントン病治療薬、脳組織障害治療薬、視神経症治療薬、緑内障治療薬、高眼圧症治療薬、網膜剥離治療薬、関節炎治療薬、抗セプシス薬、抗セプティックショック薬、抗喘息薬、頻尿・尿失禁治療薬、アトピー性皮膚炎治療薬、アレルギー性鼻炎治療薬、化粧料組成物、農薬組成物、殺虫剤、殺菌剤、除草剤、飲食用組成物、動物薬組成物等が挙げられる。超難水溶性薬物の好ましい具体例としては、2−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2H−ピリダジン−3−オン(以下、化合物Aということがある。25℃の水に対する溶解度:0.01μg/mL)等の抗リウマチ剤、吉草酸酢酸プレドニゾロン(25℃の水に対する溶解度:4.0μg/mL)、コレステロール(25℃の水に対する溶解度:0.1μg/mL)、エストラジオール(25℃の水に対する溶解度:3.6μg/mL)及びプロゲステロン(25℃の水に対する溶解度:8.8μg/mL)等のステロイド剤、プランルカスト(25℃の水に対する溶解度:0.9μg/mL)等の抗喘息薬、プランルカスト(25℃の水に対する溶解度:0.9μg/mL)等のアレルギー性鼻炎治療薬等が挙げられ、特に化合物A、吉草酸酢酸プレドニゾロンが好ましい。
本発明で使用する多孔体(平均細孔直径が1〜20nmの範囲内にあり、平均細孔直径の±40%の範囲内に全細孔容積の60%以上が含まれ、かつ、X線回折において、d値が1nm以上に相当する回折角(2θ)の位置に、1本以上のピークを有することを特徴とするシリカ多孔体を除く)[以下、単に本多孔体と記載することがある]は、炭素多孔体、アルミニウム多孔体、ケイ素多孔体等が挙げられる。
炭素多孔体としては、例えば、粉末活性炭、粒状活性炭、分子篩炭、ビーズ状活性炭、繊維状活性炭、高表面積活性炭、成形活性炭、ハニカム活性炭等が挙げられる。
アルミニウム多孔体としては、例えば、アルミナ、酸化アルミニウム、活性アルミナ、ベーマイトゲル、ゼオライト等が挙げられる。
ケイ素多孔体としては、例えば、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、二酸化ケイ素、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、軽質無水ケイ酸含有ヒドロキシプロピルセルロース、ケイソウ土、合成ケイ酸アルミニウム、合成ケイ酸アルミニウム・ヒドロキシプロピルスターチ・結晶セルロース、合成ケイ酸マグネシウムナトリウム、コロイド性含水ケイ酸アルミニウム、ゼオライト等のシリカ多孔体が挙げられる。これらのケイ素多孔体には、平均細孔直径が1〜20nmの範囲内にあり、平均細孔直径の±40%の範囲内に全細孔容積の60%以上が含まれ、かつ、X線回折において、d値が1nm以上に相当する回折角(2θ)の位置に、1本以上のピークを有することを特徴とするシリカ多孔体(以下、単にシリカ多孔体Aと記載することがある)は含まない。
ここで、シリカ多孔体Aの平均細孔直径は、ガス吸着法により求めることができ、その測定は、例えば、自動比表面積・細孔分布測定装置TriStar3000(マイクロメリティックス社製)等により行うことができる。
また、シリカ多孔体AのX線回折において、d値が1nm以上に相当する回折角(2θ)の位置に、1本以上のピークを有するとは、そのピーク角度に相当するd値の周期構造がシリカ多孔体A中にあることを意味する。このことは、細孔が1nm以上の間隔で、規則的に配列した構造を反映したものである。従って、シリカ多孔体Aとは、細孔直径が十分均一なシリカ多孔体を意味する。
なお、X線回折測定は、例えば、自動X線回折計システムMXP3(株式会社マック・サイエンス製)等により行うことができる。
本発明で使用する本多孔体としては、ケイ素多孔体が好ましい。更にケイ素多孔体としては軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、二酸化ケイ素、ケイ酸カルシウム等が挙げられる。具体的には、市販のサイリシア250、サイリシア320、サイリシア350、サイシリア740(富士シリシア化学株式会社製)、アドソリダー101、アドソリダー102(フロイント産業株式会社製)、カープレックス#67(塩野義製薬株式会社製)、アエロジル200、アエロジル300(日本アエロジル株式会社製)サンスフェアH−51(旭硝子株式会社製)、フローライトRE(エーザイ株式会社製)等が挙げられる。
本発明で使用する本多孔体は、平均細孔直径が1〜1000nmであるのが好ましく、2〜500nmが更に好ましく、2〜200nmが特に好ましい。なお、平均細孔直径は、例えばガス吸着法により測定することができる。
本発明で使用する本多孔体は、比表面積が1〜2000m/gであるのが好ましく、100〜1800m/gが更に好ましく、200〜1500m/gが特に好ましい。なお、比表面積は、例えばガス吸着法により測定することができる。
本発明で使用する超難水溶性薬物と本多孔体の配合重量比は、1:0.1〜1000が好ましく、1:0.5〜100が更に好ましく、1:1〜50が特に好ましい。
本発明で使用する二酸化炭素としては、液体二酸化炭素、気体の二酸化炭素、ドライアイスが挙げられる。
超臨界状態とは、圧力、温度ともに臨界点(二酸化炭素の場合、圧力:約7.38MPa、温度:約31.0℃)を超えた状態をいい、亜臨界状態とは、圧力、温度のいずれか一方のみが臨界点を超えた状態をいう。臨界点とは、例えば、J.W.Tom及びP.G.Debenedettiによる“Particle Formation with Supercritical Fluids−A Review”,ジャーナル オブ エアロゾール サイエンス(J.Aerosol Sci.),22(5),555−584頁、1991年のFig.1に詳細に記載されたものをいう.
本発明で使用する超難水溶性薬物と二酸化炭素の超臨界流体又は亜臨界流体との重量比は1:1〜1000000が好ましく、1:10〜100000が更に好ましく、1:50〜50000が特に好ましい。
本発明で使用する二酸化炭素の超臨界流体又は亜臨界流体による処理時間は1分〜24時間が好ましく、0.5〜12時間が更に好ましく、1〜8時間が特に好ましい。
本発明で使用する二酸化炭素の超臨界流体又は亜臨界流体の処理容器は耐圧性の容器、超臨界抽出システム、超臨界微粉化システム、その他の超臨界流体又は亜臨界流体試験用装置等で行うことができ、例えば、ポータブルリアクター(耐圧硝子工業株式会社製)、超臨界抽出システムSCF−get(日本分光株式会社製)、超臨界微粉化システム SCスプレーヤー(日機装株式会社製)等が挙げられる。それらの処理容器の構造は、二酸化炭素の超臨界流体又は亜臨界流体を撹拌するために、撹拌機構を有する構造が好ましい。
本発明で使用する二酸化炭素の超臨界流体又は亜臨界流体による処理温度は超難水溶性薬物の種類によって異なるが、−40〜100℃が好ましく、0〜80℃が更に好ましく、10〜60℃が特に好ましい。
本発明で使用する二酸化炭素の超臨界流体又は亜臨界流体の処理圧力は超難水溶性薬物の種類によって異なるが、1〜50MPaが好ましく、1〜40MPaが更に好ましく、6〜30MPaが特に好ましい。
本発明における二酸化炭素の超臨界流体又は亜臨界流体を用いて処理する製造工程は特に限定されないが、例えば、(1)耐圧性の容器に超難水溶性薬物及び本多孔体を入れ、二酸化炭素を充填し、該容器中の温度、圧力を二酸化炭素の超臨界状態又は亜臨界状態の温度、圧力に保持して処理した後、二酸化炭素を排出し組成物を回収する製造法、(2)耐圧性の容器に超難水溶性薬物及び本多孔体を入れ、該容器中の温度を二酸化炭素の超臨界状態又は亜臨界状態の温度に保持し、該容器に超臨界状態又は亜臨界状態の圧力となるように二酸化炭素を充填して、超臨界状態又は亜臨界状態を保持して処理した後、二酸化炭素を排出し組成物を回収する製造法等が挙げられる。
このようにして得られる本発明の超難水溶性薬物含有組成物は、通常、重量平均粒子径が1μm以上、好ましくは1〜2000μm、特に好ましくは3〜500μmである。なお、重量平均粒子径はレーザー回折法等で測定することができる。
本発明の超難水溶性薬物と本多孔体を二酸化炭素の超臨界流体又は亜臨界流体を用いて処理する際に、本発明の効果を妨げない限り、医薬品の添加物として許容される各種成分を所望に応じて添加することが可能であり、例えば、溶剤、高分子化合物、界面活性剤等が挙げられる。
溶剤としては、水;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジオキサン、ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等の有機塩素系有機溶剤;アセトニトリル、プロピオニトリル等のアルキルニトリル類;ニトロメタン、ニトロエタン等のニトロアルカン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン等のケトン類;酢酸、オレイン酸等の脂肪酸;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;又はこれらの混合溶媒等が挙げられる。
高分子化合物としては、プルラン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カラギーナン、寒天、ゼラチン等が挙げられる。
界面活性剤としては、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート)、モノステアリン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム等の陽イオン性界面活性剤、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム等の陰イオン性界面活性剤等が挙げられる。また、アンモニウムカルボキシレートパーフルオロエーテル等のフッ素基を有する界面活性剤等が挙げられる。
本発明の超難水溶性薬物含有組成物は、そのままで医薬用製剤として使用できるが、通常医薬用製剤に使用される添加剤を加えて経口用製剤及び非経口用製剤にすることもできる。
経口用製剤の添加剤としては、乳糖、結晶セルロース、白糖、マンニトール、軽質無水ケイ酸、リン酸水素カルシウム等の賦形剤;メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、プルラン等の結合剤;クロスカルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等の崩壊剤;ステアリン酸マグネシウム、タルク等の滑沢剤;タール色素、三二酸化鉄等の着色剤;ステビア、アスパルテーム、香料等の矯味剤等が挙げられる。
非経口用製剤の添加剤としては、ベンジルアルコール等の一価アルコール、濃グリセリン、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール、アジピン酸ジイソプロピル、トリアセチン等のエステル類、クロタミトン等のケトン類、オレイン酸、ヒマシ油等の油脂類等の溶媒;ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース類、白糖、β−シクロデキストリン等の多糖類、ソルビトール、マンニトール等の糖アルコール類、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸等の合成高分子等の水溶性高分子;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム等の陰イオン性界面活性剤、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム等の陽イオン性界面活性剤、モノステアリン酸グリセリン、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤等の界面活性剤;ミリスチン酸イソプロピル等のエステル類、L−メントール、dL−カンフル等のテルペン類、オレイン酸等の高級脂肪酸等の吸収促進剤;パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル等のフェノール性物質、クロロブタノール、フェニルエチルアルコール等の中性物質、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等の逆性石けん、ビタミンE、ブチルヒドロキシアニソール等の抗酸化剤、アスコルビン酸、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム等の還元剤、クエン酸又は酒石酸及びその塩、レシチン、エチレンジアミン四酢酸(エデト酸)等のキレート剤等の安定化剤;リン酸、酢酸、ホウ酸、コハク酸、フタル酸及びその塩、グリシン、水酸化ナトリウム等のpH調整剤;ポリアクリル酸(ナトリウム)、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー、ゼラチン、デンプン等の基剤等が挙げられる。
本発明の製剤の形態としては、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤等の経口用製剤や注射剤、坐剤、膣剤、舌下剤、インプラント剤、点眼剤、スプレー剤等の非経口用製剤が挙げられる。
【実施例】
本発明を、実施例及び比較例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
化合物A 30mg、含水二酸化ケイ素(サイリシア740、富士シリシア化学株式会社製)300mg及びドライアイス120gを、ポータブルリアクター(耐圧硝子工業株式会社製)に入れ、50℃に加温することにより18MPaに昇圧し、攪拌下、5時間保持した。その後、加温を停止して室温になるまで静置し、二酸化炭素を排出した後、超難水溶性薬物含有組成物を得た。
【実施例2】
化合物A 30mg、軽質無水ケイ酸(サイリシア350、富士シリシア化学株式会社製)300mg及びドライアイス120gを、ポータブルリアクターに入れ、50℃に加温することにより18MPaに昇圧し、攪拌下、5時間保持した。その後、加温を停止して室温になるまで静置し、二酸化炭素を排出した後、超難水溶性薬物含有組成物を得た。
【実施例3】
化合物A 30mg、二酸化ケイ素(サイリシア250、富士シリシア化学株式会社製)300mg及びドライアイス120gを、ポータブルリアクターに入れ、50℃に加温することにより18MPaに昇圧し、攪拌下、5時間保持した。その後、加温を停止して室温になるまで静置し、二酸化炭素を排出した後、超難水溶性薬物含有組成物を得た。
【実施例4】
化合物A 30mg、二酸化ケイ素(サンスフェアH−51、旭硝子株式会社製)300mg及びドライアイス120gを、ポータブルリアクターに入れ、50℃に加温することにより18MPaに昇圧し、攪拌下、5時間保持した。その後、加温を停止して室温になるまで静置し、二酸化炭素を排出した後、超難水溶性薬物含有組成物を得た。
【実施例5】
化合物A 30mg、ケイ酸カルシウム(フローライトRE、エーザイ株式会社製)300mg及びドライアイス120gを、ポータブルリアクターに入れ、50℃に加温することにより18MPaに昇圧し、攪拌下、5時間保持した。その後、加温を停止して室温になるまで静置し、二酸化炭素を排出した後、超難水溶性薬物含有組成物を得た。
【実施例6】
化合物A 30mg、軽質無水ケイ酸(アエロジル300、日本アエロジル株式会社製)300mg及びドライアイス120gを、ポータブルリアクターに入れ、50℃に加温することにより18MPaに昇圧し、攪拌下、5時間保持した。その後、加温を停止して室温になるまで静置し、二酸化炭素を排出した後、超難水溶性薬物含有組成物を得た。
【実施例7】
化合物A 800mg、軽質無水ケイ酸(サイリシア350、富士シリシア化学株式会社製)4000mgをSCスプレーヤー(日機装株式会社製)の容器に入れ、さらに60℃に加温した状態で18MPaまで昇圧するよう、液化二酸化炭素460gをポンプで送液した。その後、攪拌下、5時間保持した。その後、加温を停止して、二酸化炭素を排出した後、超難水溶性薬物含有組成物を得た。
【実施例8】
吉草酸酢酸プレドニゾロン30mg、軽質無水ケイ酸(サイリシア350、富士シリシア化学株式会社製)300mg及びドライアイス120gを、ポータブルリアクターに入れ、50℃に加温することにより18MPaに昇圧し、攪拌下、5時間保持した。その後、加温を停止して室温になるまで静置し、二酸化炭素を排出した後、超難水溶性薬物含有組成物を得た。
比較例1
化合物A 30mg、含水二酸化ケイ素(サイリシア740、富士シリシア化学株式会社製)300mgを乳鉢で混合し、超難水溶性薬物含有組成物を得た。
比較例2
化合物A 30mg及びドライアイス120gを、ポータブルリアクターに入れ、50℃に加温することにより18MPaに昇圧し、攪拌下、5時間保持した。その後、加温を停止して室温になるまで静置し、二酸化炭素を排出した後、超難水溶性薬物含有組成物を得た。
比較例3
吉草酸酢酸プレドニゾロン30mg、軽質無水ケイ酸(サイリシア350、富士シリシア化学株式会社製)300mgを乳鉢で混合し、超難水溶性薬物含有組成物を得た。
比較例4
吉草酸酢酸プレドニゾロン30mg及びドライアイス120gを、ポータブルリアクターに入れ、50℃に加温することにより18MPaに昇圧し、攪拌下、5時間保持した。その後、加温を停止して室温になるまで静置し、二酸化炭素を排出した後、超難水溶性薬物含有組成物を得た。
<溶出性試験>
実施例1〜7、比較例1〜2で得られた超難水溶性薬物含有組成物について、溶出性試験を行なった。溶出性試験は、日局一般試験法、溶出試験法第2法(パドル法)に従って行なった。超難水溶性薬物含有組成物(化合物A 5mg含有)について、試験液(0.3%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液)900mLに投入し、温度37±1℃、パドル回転数50r/minの条件で溶出性試験をした。
5、30、60、120分後の試験液に溶出した化合物Aを、逆相系カラム(Inertsil ODS−2、ジーエルサイエンス社製)を用いた液体クロマトグラフにより定量し、溶出率(%)を算出した。
また、実施例8、比較例3〜4で得られた超難水溶性薬物含有組成物についても、試験液として水を用いて、前記と同様に溶出性試験を行なった。
その結果を表1に示す。

化合物Aと含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、二酸化ケイ素又はケイ酸カルシウムである本多孔体を配合し、超臨界二酸化炭素で処理した本発明の超難水溶性薬物含有組成物(実施例1〜7)は、何れも化合物Aの溶出性が劇的に向上した。一方、化合物Aと含水二酸化ケイ素とを単に物理的に混合した超難水溶性薬物含有組成物(比較例1)や含水二酸化ケイ素を含有しないで超臨界二酸化炭素で処理を行った超難水溶性薬物含有組成物(比較例2)中の化合物Aは、ほとんど溶出しなかった。
吉草酸酢酸プレドニゾロンと軽質無水ケイ酸である本多孔体を配合し、超臨界二酸化炭素で処理した本発明の超難水溶性薬物含有組成物(実施例8)は、吉草酸酢酸プレドニゾロンの溶出性が劇的に向上した。一方、吉草酸酢酸プレドニゾロンと軽質無水ケイ酸とを単に物理的に混合した超難水溶性薬物含有組成物(比較例3)や軽質無水ケイ酸を含有しないで超臨界二酸化炭素で処理を行った超難水溶性薬物含有組成物(比較例4)中の吉草酸酢酸プレドニゾロンの溶出性は、満足のいくものではなかった。
製造例1
実施例1の超難水溶性薬物含有組成物150gを1mmφ口径のスクリーンを取り付けたニュースピードミル(ND−02、岡田精工株式会社製)で整粒した。整粒した超難水
溶性薬物含有組成物110g、乳糖(100メッシュ乳糖、DMV社製)42g、結晶セルロース(アビセルPH−102、旭化成株式会社製)100g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC(LH−11)、信越化学工業株式会社製)45gをV型混合機にて10分混合した後、この混合物にステアリン酸マグネシウム3gを加えてV型混合機にて5分混合した。これを打錠機(AP−38、畑鐵工所製)にて打錠し、1錠300mg(化合物A 10mgを含む)の錠剤を製造した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超難水溶性薬物及び多孔体(平均細孔直径が1〜20nmの範囲内にあり、平均細孔直径の±40%の範囲内に全細孔容積の60%以上が含まれ、かつ、X線回折において、d値が1nm以上に相当する回折角(2θ)の位置に、1本以上のピークを有することを特徴とするシリカ多孔体を除く)を含有する組成物を、二酸化炭素の超臨界流体又は亜臨界流体を用いて処理して得られる超難水溶性薬物含有組成物。
【請求項2】
多孔体が炭素多孔体、アルミニウム多孔体又はケイ素多孔体である請求項1記載の超難水溶性薬物含有組成物。
【請求項3】
多孔体がケイ素多孔体である請求項1記載の超難水溶性薬物含有組成物。
【請求項4】
ケイ素多孔体が、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、二酸化ケイ素又はケイ酸カルシウムである請求項3記載の超難水溶性薬物含有組成物。
【請求項5】
多孔体の平均細孔直径が1〜1000nmである請求項1〜4のいずれか1項記載の超難水溶性薬物含有組成物。
【請求項6】
多孔体の平均細孔直径が2〜500nmである請求項1〜4のいずれか1項記載の超難水溶性薬物含有組成物。
【請求項7】
多孔体の平均細孔直径が2〜200nmである請求項1〜4のいずれか1項記載の超難水溶性薬物含有組成物。
【請求項8】
多孔体の比表面積が1〜2000m/gである請求項1〜7のいずれか1項記載の超難水溶性薬物含有組成物。
【請求項9】
多孔体の比表面積が100〜1800m/gである請求項1〜7のいずれか1項記載の超難水溶性薬物含有組成物。
【請求項10】
多孔体の比表面積が200〜1500m/gである請求項1〜7のいずれか1項記載の超難水溶性薬物含有組成物。
【請求項11】
超難水溶性薬物と多孔体の配合重量比が1:0.1〜1000である請求項1〜10のいずれか1項記載の超難水溶性薬物含有組成物。
【請求項12】
超難水溶性薬物が2−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2H−ピリダジン−3−オン又は吉草酸酢酸プレドニゾロンである請求項1〜11のいずれか1項記載の超難水溶性薬物含有組成物。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項記載の超難水溶性薬物含有組成物を含有する医薬用製剤。
【請求項14】
耐圧性の容器に、超難水溶性薬物及び多孔体(平均細孔直径が1〜20nmの範囲内にあり、平均細孔直径の±40%の範囲内に全細孔容積の60%以上が含まれ、かつ、X線回折において、d値が1nm以上に相当する回折角(2θ)の位置に、1本以上のピークを有することを特徴とするシリカ多孔体を除く)を入れ、二酸化炭素を充填し、該容器中の温度、圧力を二酸化炭素の超臨界状態又は亜臨界状態の温度、圧力に保持して処理した後、二酸化炭素を排出し組成物を回収することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項記載の超難水溶性薬物含有組成物の製造法。
【請求項15】
超難水溶性薬物と二酸化炭素の超臨界流体又は亜臨界流体との重量比が1:1〜1000000である請求項14記載の超難水溶性薬物含有組成物の製造法。
【請求項16】
超臨界流体又は亜臨界流体による処理温度が−40〜100℃である請求項14又は15記載の超難水溶性薬物含有組成物の製造法。
【請求項17】
超臨界流体又は亜臨界流体による処理圧力が1〜50MPaである請求項14〜16のいずれか1項記載の超難水溶性薬物含有組成物の製造法。
【請求項18】
超臨界流体又は亜臨界流体による処理時間が1分〜24時間である請求項14〜17のいずれか1項記載の超難水溶性薬物含有組成物の製造法。
【請求項19】
耐圧性の容器に、超難水溶性薬物及び多孔体(平均細孔直径が1〜20nmの範囲内にあり、平均細孔直径の±40%の範囲内に全細孔容積の60%以上が含まれ、かつ、X線回折において、d値が1nm以上に相当する回折角(2θ)の位置に、1本以上のピークを有することを特徴とするシリカ多孔体を除く)を入れ、該容器中の温度を二酸化炭素の超臨界状態又は亜臨界状態の温度に保持し、該容器に超臨界状態又は亜臨界状態の圧力となるように二酸化炭素を充填して、超臨界状態又は亜臨界状態を保持して処理した後、二酸化炭素を排出し組成物を回収することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項記載の超難水溶性薬物含有組成物の製造法。
【請求項20】
超難水溶性薬物と二酸化炭素の超臨界流体又は亜臨界流体との重量比が1:1〜1000000である請求項19記載の超難水溶性薬物含有組成物の製造法。
【請求項21】
超臨界流体又は亜臨界流体による処理温度が−40〜100℃である請求項19又は20記載の超難水溶性薬物含有組成物の製造法。
【請求項22】
超臨界流体又は亜臨界流体による処理圧力が1〜50MPaである請求項19〜21のいずれか1項記載の超難水溶性薬物含有組成物の製造法。
【請求項23】
超臨界流体又は亜臨界流体による処理時間が1分〜24時間である請求項19〜22のいずれか1項記載の超難水溶性薬物含有組成物の製造法。

【国際公開番号】WO2004/096280
【国際公開日】平成16年11月11日(2004.11.11)
【発行日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−505928(P2005−505928)
【国際出願番号】PCT/JP2004/006141
【国際出願日】平成16年4月28日(2004.4.28)
【出願人】(000163006)興和株式会社 (618)
【Fターム(参考)】