説明

超電導ビレットの真空溶接部の仮止め方法及び仮止め構造体

【課題】突き合わせ部の金属パイプと金属プラグとの仮止め部の隙間を経由して水分が侵入するのを抑制することで、真空引時間の大幅な短縮及び品質向上の可能な真空溶接部の仮止め方法及び仮止め構造体を提供する。
【解決手段】超電導材1が収容された金属パイプ2の両端に金属プラグ3,4を突き合わせて突き合わせ部5,6を形成し、真空チャンバ内で金属パイプ2内を真空引すると共に突き合わせ部5,6を高エネルギ密度溶接により接合することで、金属パイプ2の両端を金属プラグ3,4により真空封止して超電導ビレットを形成するに際し、高エネルギ密度溶接に先立って突き合わせ部5,6の金属パイプ2と金属プラグ3,4とを仮止めする真空溶接部の仮止め方法において、突き合わせ部5,6に、水分透過率が10g/(m2・24hr・0.1mm)以下の樹脂テープ7を包帯巻きして、金属パイプ2と金属プラグ3,4とを仮止めする方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ビーム溶接やレーザ溶接等の高エネルギ密度溶接により金属パイプと金属プラグとを接合して超電導線材を作製するための超電導ビレット(超電導押出用ビレット)を製造するに際し、突き合わせ部の金属パイプと金属プラグとを仮止めする真空溶接部の仮止め方法及び仮止め構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、超電導ビレットを用いた超電導線材の製造においては、金属パイプの片端又は両端に金属プラグを突き合わせて、その突き合わせ部を電子ビーム溶接により真空封止する製法が採られる(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
電子ビーム溶接として適切な真空度は、特許文献2に示されるように、一般には10-4Torr(=1.3×10-2Pa)以下であり、例えば、真空度を10-4Torr以下等と規定し、電子ビーム溶接を実施若しくは依頼することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭60−174130号公報
【特許文献2】特開平6−63769号公報
【特許文献3】実開昭59−162111号公報
【特許文献4】特開昭63−16891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、電子ビームでシール溶接する場合に、金属パイプ内が所定の真空度に到達するまでは、ロータリーポンプ又はメカニカルポンプと、到達真空度の高い、油拡散ポンプ、ターボポンプ、又はクライオポンプのいずれかを組合わせて、金属パイプ内の真空度を確認してから、電子ビームを超電導ビレットに当てて溶接することになる。
【0006】
その際、突き合わせ部の金属パイプと金属プラグは、電子ビーム溶接機に移動するまでの間、何らかの方法で仮止めする必要がある。仮止め方法に関しては、特許文献1,2には、具体的な方法は開示されていないが、仮止めのためには金属プラグが落下しない程度の補強強度が必要となるため、適当な治具などを使い固定する方法が想定される。
【0007】
しかし、仮止めした部分には隙間が存在するため、この隙間から、水蒸気などの水分が、超電導ビレットの湿度サイクルと温度サイクルの履歴により、時間と共に侵入する。一度侵入した水分は、常に濃度の低い場所にのみ流れるため外部に出ることはなく、時間とともにその濃度が増大する。侵入した水分のガス成分は、真空引に必要な時間を浪費するため問題となる。
【0008】
真空ポンプをどの程度の時間運転することが必要となるのかは、予測が難しく、工程管理上やっかいな問題となる。ましてや、電子ビーム溶接を請負加工として超電導ビレット製作メーカと異なる会社で実施する場合、超電導ビレット内の材料の詳細条件が開示されないため、真空ポンプの運転時間を推定することは不可能となる。
【0009】
そのため、納期回答や作業完了後の運送トラック手配なども後手に回り、納期管理や工程管理も複雑となる。このような管理負担は、結果的に、コストという代償を伴うことになる。
【0010】
そこで、本発明の目的は、突き合わせ部の金属パイプと金属プラグとの仮止め部の隙間を経由して水分が侵入するのを抑制することで、真空引時間の大幅な短縮及び品質向上の可能な真空溶接部の仮止め方法及び仮止め構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的を達成するために創案された本発明は、超電導材が収容された金属パイプの片端又は両端に金属プラグを突き合わせて突き合わせ部を形成し、真空チャンバ内で前記金属パイプ内を真空引すると共に前記突き合わせ部を高エネルギ密度溶接により接合することで、前記金属パイプの片端又は両端を前記金属プラグにより真空封止して超電導ビレットを形成するに際し、高エネルギ密度溶接に先立って前記突き合わせ部の前記金属パイプと前記金属プラグとを仮止めする真空溶接部の仮止め方法において、前記突き合わせ部に、水分透過率が10g/(m2・24hr・0.1mm)以下の樹脂テープを包帯巻きして、前記金属パイプと前記金属プラグとを仮止めする真空溶接部の仮止め方法である。
【0012】
また、本発明は、超電導材が収容された金属パイプの片端又は両端に金属プラグを突き合わせて突き合わせ部を形成し、前記突き合わせ部を仮止めした後、真空チャンバ内で前記金属パイプ内を真空引すると共に前記突き合わせ部を高エネルギ密度溶接により接合することで、前記金属パイプの片端又は両端を前記金属プラグにより真空封止して超電導ビレットを形成するための仮止め構造体において、前記突き合わせ部に、水分透過率が10g/(m2・24hr・0.1mm)以下の樹脂テープを包帯巻きして、前記金属パイプと前記金属プラグとが仮止めされた仮止め構造体である。
【0013】
前記樹脂テープは、厚さが0.1mm以上0.3mm以下であると良い。
【0014】
前記樹脂テープは、前記金属パイプと前記金属プラグとが高エネルギ密度溶接される溶接部よりも熱膨張係数が大きい粘着剤付きテープからなっても良い。
【0015】
前記樹脂テープは、フッ素系樹脂テープからなると良い。
【0016】
前記フッ素系樹脂テープは、PTFE、ETFE、ニトフロン、アズフロン、テフロン、ダイフロンのいずれかからなると良い。
【0017】
前記樹脂テープの上に粘着剤付き金属テープを重ね巻きすると良い。
【0018】
前記粘着剤付き金属テープは、厚さが0.05mm以上0.2mm以下であると良い。
【0019】
前記粘着剤付き金属テープは、粘着剤付きアルミニウムテープ又は粘着剤付き銅テープ又は粘着剤付きステンレステープからなると良い。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、突き合わせ部の金属パイプと金属プラグとの仮止め部の隙間を経由して水分が侵入するのを抑制することで、真空引時間の大幅な短縮及び品質向上の可能な真空溶接部の仮止め方法及び仮止め構造体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施の形態に係る仮止め構造体を示す図であり、(a)は断面図、(b)は仮止め部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
【0023】
図1は、本実施の形態に係る仮止め構造体を示す図であり、(a)は断面図、(b)は仮止め部の拡大図である。
【0024】
図1(a),(b)に示すように、本実施の形態に係る真空溶接部の仮止め方法は、超電導材1が収容された金属パイプ2の片端又は両端に金属プラグ3,4(先端部材3、後端部材4)を突き合わせて突き合わせ部5,6を形成し、真空チャンバ内で金属パイプ2内を真空引すると共に突き合わせ部5,6を高エネルギ密度溶接により接合することで、金属パイプ2の片端又は両端を金属プラグ3,4により真空封止して超電導ビレットを形成するに際し、高エネルギ密度溶接に先立って突き合わせ部5,6の金属パイプ2と金属プラグ3,4とを仮止めする方法であり、突き合わせ部5,6に、水分透過率が10g/(m2・24hr・0.1mm)以下の樹脂テープ7(仮止めテープ)を包帯巻きして、金属パイプ2と金属プラグ3,4とを仮止めすることを特徴とする。この真空溶接部の仮止め方法により仮止め部9を有する仮止め構造体10が得られる。
【0025】
樹脂テープ7は、包帯状に重ね巻きする都合上、厚さが0.1mm以上0.3mm以下であると、取り扱いが容易であるので好ましい。
【0026】
水分透過率が10g/(m2・24hr・0.1mm)以下の樹脂テープ7の具体例としては、PTFE、ETFE、ニトフロン、アズフロン、テフロン、ダイフロンのいずれかからなるフッ素系樹脂テープが挙げられる。これらのフッ素系樹脂テープはいずれも安価であり、仮止めに掛かるコストを削減することができる。この他にも、樹脂フィルムにアルミニウムを蒸着させたアルミ蒸着フィルムも好ましい樹脂テープ7の一つである。
【0027】
なお、これら樹脂テープ7は、粘着剤を含まないことが好ましい。これは、突き合わせ部5,6を高エネルギ密度溶接により接合するのに先立って樹脂テープ7を剥離するときに、樹脂テープ7の粘着剤が金属パイプ2と金属プラグ3,4とが高エネルギ密度溶接される溶接部に残留すると、その残留物が溶接不良の原因となり問題となるためである。
【0028】
また、樹脂テープ7の弱点である仮止め固定における強度向上を目的として、樹脂テープ7の上に粘着剤付き金属テープ8を重ね巻きしても良い。粘着剤付き金属テープ8の具体例としては、安価な粘着剤付きアルミニウムテープ又は粘着剤付き銅テープ、粘着剤付きステンレステープが挙げられる。なお、包帯状に重ね巻きする都合上、粘着剤付き金属テープ8の厚さは0.05mm以上0.2mm以下であると取り扱いやすいため好ましい。
【0029】
以上説明した真空溶接部の仮止め方法によれば、水分透過率が10g/(m2・24hr・0.1mm)以下の樹脂テープ7を包帯巻きして、金属パイプ2と金属プラグ3,4とを仮止めするため、突き合わせ部5,6の金属パイプ2と金属プラグ3,4との仮止め部の隙間を経由して水分が侵入するのを抑制することができ、その結果、真空引時間の大幅な短縮による製造コストの削減、及び内部の水分ガスや酸素ガス低減による品質向上が可能となる。
【0030】
また、樹脂テープ7の上に粘着剤付き金属テープ8を重ね巻きすることで、仮止めとしての強度不足を補い、更に、水分や酸素侵入に対するバリア機能を補うことが可能となる。
【0031】
なお、前述した実施の形態においては、樹脂テープ7は粘着剤を含まないものとしたが、特定の条件を満たすことで粘着剤を含むものとすることもできる。
【0032】
具体的には、金属パイプ2と金属プラグ3,4とが高エネルギ密度溶接される溶接部よりも熱膨張係数が大きい粘着剤付きテープからなる樹脂テープを用いることで、粘着剤を含むものとすることができる。
【0033】
この樹脂テープのベース材料としては、前述した樹脂テープ7と同様の材料を用いると良い。例えば、シリコン系接着剤付きPTFE粘着テープが好適である。このような構成の樹脂テープを用いることで、粘着剤が溶接部に残留することを抑制することができる。
【0034】
これまで説明してきた真空溶接部の仮止め方法により得られる仮止め構造体10は、超電導線材として製造コストの低減及び断線頻度低減という効果を有する。
【実施例】
【0035】
先ず、本発明の実施例1〜6について説明する。実施例1〜6で作製した超電導ビレットの構成を表1に示す。
【0036】
【表1】

【0037】
実施例1では、金属パイプとして外径がφ205mmで長さが900mmの銅パイプを用い、超電導材として約400分割されたNbTiを用いた。
【0038】
ここでは、水分透過率が小さい樹脂テープとして、水分透過率が10g/(m2・24hr・0.1mm)以下、幅が20mm、厚さが0.15mmの粘着剤のないシールテープ(品名=テフロンシールテープ)を用い、これを金属パイプと金属プラグとの突き合わせ部に重ね包帯巻きし、その後に、粘着剤付き金属テープとして、幅が50mm、厚さが0.05mmの粘着剤付きアルミニウムテープを樹脂テープの上に更に包帯巻きする仮止め方法を適用した。
【0039】
また、電子ビーム溶接機に超電導ビレットを設置する直前に、粘着剤のない樹脂テープ及び粘着剤付きアルミニウムテープを取り外して、電子ビーム溶接機の真空チャンバ内に設置した。この手順を適用する場合、溶接部には、粘着剤が直接接触しないので、残留接着物がなく溶接性も良好となる。
【0040】
真空引を2時間実施後に、先端側の突き合わせ部、後端側の突き合わせ部の片方又は両方に電子ビームを当てて溶接を行った。
【0041】
実施例2では、金属パイプとして外径がφ267mmで長さが900mmの銅パイプを用い、超電導材として約600分割されたNbTiを用い、実施例1と同様に仮止めと溶接を行った。
【0042】
実施例3では、実施例1と同様の材料構成で、銅パイプの長さを実施例1より短い750mmとし、実施例1と同様に仮止めと溶接を行った。
【0043】
実施例4では、ブロンズ法によるNb3Sn超電導線材を製造する場合として、実施例1と同様の銅パイプを用い、超電導材としてCuSn/Nbを主成分とする複数本の素線を用い、実施例1と同様に仮止めと溶接を行った。
【0044】
実施例5では、内部拡散法によるNb3Sn超電導線材を製造する場合として、実施例1と同様の銅パイプを用い、超電導材としてCu/SnNbを主成分とする複数本の素線を用い、実施例1と同様に仮止めと溶接を行った。
【0045】
実施例6では、実施例1と同様の構成で、仮止め方法として、シリコン系接着材付きニトフロン粘着テープのみを適用し、実施例1と同様に溶接を行った。
【0046】
なお、実施例1〜6では、高真空ポンプとして油拡散ポンプ(大亜真空DAF 製造No=69−6237、バッフルあり)を用い、バルブ開放時間を所定の真空引時間としてあるが、真空引時間の作業手順としては所定真空引時間を2〜4時間ということで実施した。
【0047】
これら実施例1〜6における真空引時間と真空度評価を実施し、更に、その材料に対して、断線頻度を評価するために、仕上げ伸線より苛酷な伸線を施し、その断線頻度を整理した。ここでは、仕上げ線径φ0.81mmに対してより苛酷な伸線径として、φ0.75mm伸線を実施し、その線材長さ当りの断線頻度を評価した。
【0048】
その結果、最も好ましい実施例は、実施例3,4,5であり、粘着剤のないシールテープと粘着剤付きアルミニウムテープを併用する場合である。但し、実施例4の場合は素線数が多くなるため、所定の真空引時間が長くなり4hとなった。実施例6の場合は伸線性として評価した断線性が若干劣る。これは接着残留物の影響と考えられる。
【0049】
次に、本発明の実施例7、及び比較例1について説明する。実施例7、及び比較例1で作製した超電導ビレットの構成を表2に示す。
【0050】
【表2】

【0051】
更に、実施例7として、単芯のNbTi超電導線材を製造する場合として、NbTiからなる超電導材を1本組み込んだ超電導ビレットを作製した。ここでは、実施例1と同様に仮止めと溶接を行った。
【0052】
また、比較例1では、実施例7と同様の構成で、カプトンテープにより仮止めを行った。
【0053】
これら実施例7と比較例1について真空度到達時間と溶接結果を調査した。その結果、実施例7の場合、真空引時間の短縮に有効であることが分かった。
【0054】
次に、NbTi超電導線材を製造するための実施例1の超電導ビレットを用い、仮止め方法のみを変化させて評価を行った。その結果を表3に示す。
【0055】
【表3】

【0056】
いずれの比較例2〜5も溶接前の真空度が悪く、断線頻度も大きくなった。比較例4の場合は、粘着剤付きアルミニウムテープの粘着剤が溶接部に残留付着し、溶接不良となり、伸線性評価不可であった。
【0057】
更に、ブロンズ法によるNbSn超電導線材を製造するための実施例5の超電導ビレットを用い、仮止め方法のみを変化させて評価を行った。その結果を表4に示す。
【0058】
【表4】

【0059】
いずれの比較例6〜9も溶接前の真空度が悪く、断線頻度も高くなった。断線頻度についてはNbTi超電導線材の場合より、高い確率で断線が発生しているが、これは超電導材料としての特性を反映したものである。比較例9の場合は、粘着剤付きアルミニウムテープの粘着剤が溶接部に残留付着し、溶接不良となり、伸線性評価不可であった。
【0060】
次に、内部拡散法NbSn超電導線材を製造するための実施例6の超電導ビレットを用い、仮止め方法のみを変化させて評価を行った。その結果を表5に示す。
【0061】
【表5】

【0062】
いずれの比較例10〜13も溶接前の真空度が悪く、断線頻度も高くなった。断線頻度についてはNbTi超電導線材の場合より、高い確率で断線が発生しているが、これは超電導材料としての特性を反映したものである。比較例13の場合は、粘着剤付きアルミニウムテープの粘着剤が溶接部に残留付着し、溶接不良となり、伸線性評価不可であった。
【0063】
また、発明者らによる数々の試作から、仮止めテープとしては、フッ素系樹脂PTFE系又は若干高価であるが汎用的で気軽に使える材料、ニトフロンテープが好ましいことが分かった。
【0064】
その理由は、表6に示すような各種の物性データから、水分透過率が少ない材質を仮止めテープとして適用したためと考えている。なお、アルミニウムテープについては、データを確認できなかったが、これら成分のバリア性において優れた材料であると考えている。
【0065】
【表6】

【符号の説明】
【0066】
1 超電導材
2 金属パイプ
3,4 金属プラグ
5,6 突き合わせ部
7 樹脂テープ
8 金属テープ
9 仮止め部
10 仮止め構造体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超電導材が収容された金属パイプの片端又は両端に金属プラグを突き合わせて突き合わせ部を形成し、真空チャンバ内で前記金属パイプ内を真空引すると共に前記突き合わせ部を高エネルギ密度溶接により接合することで、前記金属パイプの片端又は両端を前記金属プラグにより真空封止して超電導ビレットを形成するに際し、高エネルギ密度溶接に先立って前記突き合わせ部の前記金属パイプと前記金属プラグとを仮止めする真空溶接部の仮止め方法において、
前記突き合わせ部に、水分透過率が10g/(m2・24hr・0.1mm)以下の樹脂テープを包帯巻きして、前記金属パイプと前記金属プラグとを仮止めすることを特徴とする真空溶接部の仮止め方法。
【請求項2】
前記樹脂テープは、厚さが0.1mm以上0.3mm以下である請求項1に記載の真空溶接部の仮止め方法。
【請求項3】
前記樹脂テープは、前記金属パイプと前記金属プラグとが高エネルギ密度溶接される溶接部よりも熱膨張係数が大きい粘着剤付きテープからなる請求項1又は2に記載の真空溶接部の仮止め方法。
【請求項4】
前記樹脂テープは、フッ素系樹脂テープからなる請求項1又は2に記載の真空溶接部の仮止め方法。
【請求項5】
前記フッ素系樹脂テープは、PTFE、ETFE、ニトフロン、アズフロン、テフロン、ダイフロンのいずれかからなる請求項4に記載の真空溶接部の仮止め方法。
【請求項6】
前記樹脂テープの上に粘着剤付き金属テープを重ね巻きする請求項1〜5のいずれかに記載の真空溶接部の仮止め方法。
【請求項7】
前記粘着剤付き金属テープは、厚さが0.05mm以上0.2mm以下である請求項6に記載の真空溶接部の仮止め方法。
【請求項8】
前記粘着剤付き金属テープは、粘着剤付きアルミニウムテープ又は粘着剤付き銅テープ又は粘着剤付きステンレステープからなる請求項6又は7に記載の真空溶接部の仮止め方法。
【請求項9】
超電導材が収容された金属パイプの片端又は両端に金属プラグを突き合わせて突き合わせ部を形成し、前記突き合わせ部を仮止めした後、真空チャンバ内で前記金属パイプ内を真空引すると共に前記突き合わせ部を高エネルギ密度溶接により接合することで、前記金属パイプの片端又は両端を前記金属プラグにより真空封止して超電導ビレットを形成するための仮止め構造体において、
前記突き合わせ部に、水分透過率が10g/(m2・24hr・0.1mm)以下の樹脂テープを包帯巻きして、前記金属パイプと前記金属プラグとが仮止めされたことを特徴とする仮止め構造体。
【請求項10】
前記樹脂テープは、厚さが0.1mm以上0.3mm以下である請求項9に記載の仮止め構造体。
【請求項11】
前記樹脂テープは、前記金属パイプと前記金属プラグとが高エネルギ密度溶接される溶接部よりも熱膨張係数が大きい粘着剤付きテープからなる請求項9又は10に記載の仮止め構造体。
【請求項12】
前記樹脂テープは、フッ素系樹脂テープからなる請求項9又は10に記載の仮止め構造体。
【請求項13】
前記フッ素系樹脂テープは、PTFE、ETFE、ニトフロン、アズフロン、テフロン、ダイフロンのいずれかからなる請求項12に記載の仮止め構造体。
【請求項14】
前記樹脂テープの上に粘着剤付き金属テープを重ね巻きする請求項9〜14のいずれかに記載の仮止め構造体。
【請求項15】
前記粘着剤付き金属テープは、厚さが0.05mm以上0.2mm以下である請求項14に記載の仮止め構造体。
【請求項16】
前記粘着剤付き金属テープは、粘着剤付きアルミニウムテープ又は粘着剤付き銅テープ又は粘着剤付きステンレステープからなる請求項14又は15に記載の仮止め構造体。

【図1】
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【公開番号】特開2012−240091(P2012−240091A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−113550(P2011−113550)
【出願日】平成23年5月20日(2011.5.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(000005120)日立電線株式会社 (3,358)
【Fターム(参考)】