超音波によるマイクロプレートなどの攪拌又は脱気用の超音波発生装置
【課題】 従来技術では適用困難乃至は適用不能であった超音波振動をマイクロプレート,ディープウェルプレート,ミニチューブ,ボトルなどの試薬容器に適用して効果的な攪拌,脱気などを可能とした超音波発生装置を提供すること。
【解決手段】 マイクロプレート1,ディープウェルプレート,ミニチューブ,ボトルなどの試薬容器全体に振動を与えるか、又は、各容器内の液体自体に強い衝撃を与えるための超音波振動を効果的に与えることができる超音波ホーン4を用い、このホーン4を電気的な制御を行うことによって、小さい容積のウェル2や容器内の液体自体に強い衝撃と流動性を発生させる。
【解決手段】 マイクロプレート1,ディープウェルプレート,ミニチューブ,ボトルなどの試薬容器全体に振動を与えるか、又は、各容器内の液体自体に強い衝撃を与えるための超音波振動を効果的に与えることができる超音波ホーン4を用い、このホーン4を電気的な制御を行うことによって、小さい容積のウェル2や容器内の液体自体に強い衝撃と流動性を発生させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は創薬・各種液体の製造における試薬・液体・血液等の分析・測定・スクリーニング等に超音波振動を適用する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、血液,薬品,液体などを対象物とする分析や測定、或は、スクリーニングをする場合、その対象物を試験管や試薬瓶等の容器に入れておくだけであるため、対象物が液状の場合、その液体が混ざらず、又は、沈殿して液体の濃度や容器内の浮遊物等が、容器の上部,中部,下部の各部位において異なることにより、正確な分析や測定ができない。このため、従来は分析,測定する直前に液体を攪拌して容器内の液体を均一な状態或は均一な性状に保持し、さらには加振器等で測定直前まで、絶えず攪拌を行う必要があった。
【0003】
上記の状況においてビーカーやフラスコ或は試験管や試薬瓶等の容積が比較的大きい場合は、対象物の液体を大きく振れるので攪拌も容易に可能であるが、多量の分析や多点の測定を必要とする場合は、図1に例示するマイクロプレートやディープウェルプレート、或は、ラック状などの支持プレートに保持された多数のミニチューブやボトルなどの試薬容器のように、格子升形状に細分化された容器、或は、格子升状に配置された容器を使用することが多い。
しかし、例えばマイクロプレートでは、一箇所毎の容積が小さいため、従来の回転式加振器では液体の流動が発生しにくく、正確に分析,測定するためには長時間に亘り加振器にかける等の必要があった。
【0004】
また、マイクロプレートやディープウェルプレート、或は、ラック等の保持プレートに支持された多数のミニチューブやボトルなどの試薬容器の中心部に位置した容器と側端部に位置した容器では、その攪拌程度にバラツキがあり、正確な分析,測定が困難であるという問題もある。
【0005】
図1に例示するマイクロプレート1は規格化されており、定められた外形寸法でウェル2と呼ばれる測定液を入れる穴(容器部)が多数設けられており、そのウェル2の数もマイクロプレート1の規格内寸法に、例えば24個,96個,384個,1536個,3456個等と、ある程度定められている。因みに、図1のマイクロプレート1の寸法は、ベースプレート1aが横幅約130mm,縦幅約90mm程度、該ベースプレート1aと一体のウェル2を多数形式したブロック部が横幅約110mm,縦幅約75mm,高さが約2〜16mm程度の範囲のものである。また、前記ウェル2の形状,寸法も様々であり、その形態例を図2と図3に例示する。
上記のマイクロプレート1に類する多数の小容器部を形成したプレートには、図4に例示するディープウェルプレートがある。また、図5に例示するように多数の試薬容器(ミニチューブ)をラック等の支持体で保持したミニチューブと称される装置もある。更には、図6のボトルの多数本をラック状やプレート状の支持体に保持したものもある。図4において、21はウェル22が深く形成されたディープウェルプレートである。図5において23は、キャップ25を有する試薬管(チューブ)24の多数を立姿勢で保持したラック状の保持体である。図6において、26は高さ40〜50mm位、口径10mm以下のボトルでキャップ27を備えており、前記ラック状支持体23のような支持体や支持プレートなどに並べられる。
【0006】
先にも説明したように、小容器部を多数形成したマイクロプレート,ディープウェルプレート、或は、ラック等の支持体に保持された多数のミニチューブやボトルなどの試薬容器の場合は、各容器部や各容器の容積が小さいため、従来の回転形の加振器では、例えばマイクロプレートの場合、一升毎のウェルの中での流動が発生しにくく、全てのウェル内での均一な攪拌が不可能であった。この点は上記のディープウェルプレートやミニチューブ,ボトルなどにおいても同様である。
【0007】
また、分析方法によっては、対象物たる液体中に空気(酸素,窒素など)が混入していると測定誤差が生じることが知られている。一方、各ウェル内に注液する際には必然的に空気(酸素,窒素など)が取り込まれるため、各ウェル内に収容された各液体は多量の空気(酸素,窒素など)を含んだ状態になるが、液体の内容物の分析の正確さを求めるには、各ウェル内の液体を脱気する必要がある。
【0008】
従来の加振器でも、攪拌と脱気を兼ねた作用はあるが、脱気の場合は特に大きな液体中の流動を必要とするため、液体自体に直接衝撃を加える等の方法を採らなければ、攪拌はある程度可能であっても、脱気はきわめて困難乃至は事実上不可能であった。
【0009】
一方、薬液や液体の分析,測定は多種多様でその利用分野は幅広く、より正確さが求められるようになり、単独に試験管等に入れて1点測定等が行われるのは稀で、より正確さと処理能力を上げるべくマイクロプレート,ディープウェルプレート,ミニチューブ,ボトルなどの試薬容器に同一の液体を入れての多点測定,分析が主流になってきた。
また、分析,測定する液体も単一液体のみのケースは稀で、殆どが複数成分が混合された液体であることにより、ウェル内で混ざらず沈殿したり浮遊したりすると、分析方法や分析箇所によっては、時間の経過と共に液体内の状態が変化する可能性が極めて高く、これを避けるためには分析,測定の直前に攪拌しないと誤差が大きく生じる場合がある。従って、攪拌及び脱気等にっいては特に念入りに行う必要があったにも拘らず、従来の回転式の加振器等では、ウェルが小量の場合等は殆ど効果が得られないのが現状である。
また、試験管や試薬瓶のように容積があり、マイクロプレートの各ウェルのサイズもある程度大きければ、超音波振動を適用したホモジナイザーと呼ばれる棒状のホーンをウェル内の穴に収容されている液体に直接挿入することによりある程度の攪拌は可能であるが、ウェルが小さい場合には超音波ホモジナイザーのホーン先端を極端に細くできないため使用困難乃至は使用不能のことが多い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで本発明では、上記のようなマイクロプレート,ディープウェルプレート,ミニチューブ,ボトルなどの試薬容器に対する従来の超音波振動の適用とその問題点に鑑み、従来技術では適用困難乃至は適用不能であった超音波振動をマイクロプレート,ディープウェルプレート,ミニチューブ,ボトルなどの試薬容器に適用して効果的な攪拌,脱気などを可能とした超音波発生装置を提供することを、その課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決することを目的としてなされた本発明の要旨とするところは、マイクロプレート,ディープウェルプレート,ミニチューブ,ボトルなどの試薬容器全体に振動を与えるか、又は、各容器内の液体自体に強い衝撃を与えるための超音波振動を効果的に与えることができる超音波ホーンを用い、このホーンを電気的な制御を行うことによって、小さい容積のウェルや容器内の液体自体に強い衝撃と流動性を発生させることにある。
具体的には、本発明は、容器部が多数形成されたマイクロプレートやディープウェルプレート、或は、多数のミニチューブやボトル,試薬容器などを保持したラック状等の支持プレートの底面全域又は上面全域に超音波振動を与えることにより、マイクロプレートやディープウェルプレート、或は、ミニチューブやボトル,試薬容器などの容器全体が同時に振動するようにしたことを特徴とする超音波発生装置であり、また、超音波振動は、前記各プレートの底面の略全域又は上面の略全域に見合う大きさの振動放射面、或は、保持された全容器の底又は上部に当接できる大きさの振動放射面を有する超音波振動伝達体により与えるようにする。更に、前記超音波装置に、超音波の発振状態に間欠発振や変調モード発振等の発振制御方法を適用することにより、マイクロプレートやディープウェルプレート、或は、支持体に保持された多数のミニチューブやボトルなどの試薬容器の各ウェルや容器の液中に断続的に衝撃を与えると共に変則的な超音波振動を与えるように発振を制御することにより、所期の目的を達成することができるものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、マイクロプレートやディープウェルプレート、或は、ミニチューブ,ボトルなどの試薬容器の底面全域又は上面全域に超音波振動を与えることによりマイクロプレートやディープウェルプレートの全ての容器部、或は、支持体に保持された多数のミニチューブ,ボトルなどの試薬容器の全てが同時に振動するようにしたから各ウェルや各容器の液体自体に効果的に攪拌や脱気のための超音波振動を与えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に図を参照して本発明超音波発生装置の実施形態の一例について説明する。
本発明の実施例の説明に先立ち、従来一般的に行われている超音波ホモジナイザーの構成を、図7及び図8を参照して説明する。
【0014】
先ず、図7に示す単独の超音波ホモジナイザーから説明する。図7において、電気的信号を発生させる超音波発振器5よりトランスジューサーと呼ばれる電気-機械変換器である超音波ランジュバン型振動子3を駆動させることにより超音波振動を発生させる。この振動子3には振動を拡大させるためのホーン4が取り付けられており、強力な超音波振動を発生させたホーン4をビーカー6の中に入れた薬液7等に浸漬することにより、その薬液7等を攪拌する。この方法では、ビーカー、フラスコや試験管等のように、入口が直径10ミリ位まではホーン4の形状をある程度細く長く形成することにより、超音波を有効に照射可能である。
【0015】
一方、最近は多点測定や測定効率を上げるために自動化が進み、多量の試薬等を同時に超音波攪拌する方法が使用されるようになった。その例を図8に示す。即ち、予め、多数の試験管12を仕切られた網カゴ11に入れておき、振動子3に多数の試験管12に同時に挿入できるように形成した分散形ホーン10が取り付けられた超音波振動体を用いる。ここで、分散形ホーン10は、ブロック形のコーン8と多数の攪拌棒9により構成されたものであるが、このように構成された超音波ホモジナイザーでも、容器の入口径が小さくなると使用困難であることは、先に述べた通りである。8aがブロック型コーンの側面に貫設した穴である。
殊に、マイクロプレートの場合は、升目が大きくとも6〜7ミリ角位であるので、図8のような分散型ホーンによるホモジナイザーの適用は更に困難であり、従って、マイクロプレートに超音波ホモジナイザーを使用することはほぼ不可能と考えられていた。この点は、ディープウェルプレートやミニチューブ、或は、口径が10mm以下のボトルや試薬容器においても同じである。
【0016】
特に、最近では、多点分析や測定処理能力を上げるために試験管等のような独立した容器の使用が少なくなり、マイクロプレートやディープウェルプレート或はミニチューブやボトルを用いた分析,測定が増えてきている。また、マイクロプレートのウェルと呼ばれる升目も1個〜4000個近いウェルが設けられたマイクロプレートも存在するようになってきている。さらに、マイクロプレートやディープウェルプレート、或は、ミニチューブやボトルなどの試薬容器も規格化されて精巧に作られ、上面,底面ともに平坦でかつ平面に製作されているものが多くなった。
【0017】
そこで、本発明では、上面より液中に直接挿入する従来の超音波ホモジナイザーに拘わらず底面からマイクロプレートやディープウェルプレート、或は、ラック等に支持された多数のミニチューブやボトルなどの試薬容器にブロック形ホーンを密着させ超音波振動を与えることにより、各ウェルや各容器内の液体に、超音波振動がマイクロプレートやディープウェルプレート、或は、ミニチューブ,ボトルなどを保持したラック等の支持材、乃至は、前記ミニチューブやボトルなどの試薬容器の母材である樹脂性の素材(殆どがポリスチレン製や硬質ポリプロピレン製)を介して伝達され、液体の流動が起こり攪拌させることができるようにしたものである。
【0018】
本発明では、マイクロプレートやディープウェルプレート、或は、支持体に保持されたミニチューブやボトルなどに対し、一例として底面からその全容器部又は各容器に超音波振動がほぼ均等に伝達されるように付与するので、短時間の超音波照射で全容器部又は各容器内の液体の攪拌及び脱気を行うことができる。この作用は各ウェルや各容器の大小に係らずその効果は殆ど変わらない。この結果、従来技術による処理能力に比べ大幅に処理時間短縮できることになった。
従って、本発明は創薬業界だけでなく、マイクロプレートやディープウェルプレート、或は、ミニチューブやボトルなどの試薬容器を使用する液体等の分析,測定作業の合理化に大幅に貢献できる。
【0019】
次に、図9〜図12、及び、図1〜図6を参照し、本発明をマイクロプレート1に適用した例を代表例として説明する。
図9は本発明装置の実際の構成図の一例を示す。この図9において、角形ホーン13が振動子3にネジ込み式にて連結され一体形に形成されている。角形ホーン13は、マイクロプレート1の底面に押し上げられた状態で密着されている。13aは角形ホーン13の側面に貫通させて設けた穴で、ホーン13の上面全域での振動を均一化するためのものである。
振動子3が超音波発振器5により駈動され、面密着したマイクロプレート1は超音波振動が伝達されて振動し、全てのウェル2内に薬液が入っていても、すべての薬液に流動を起こし攪拌することができる。
各ウェル2内の液体の攪拌や脱気を効果的に行うとき、ウェル2内の容積が小さいと液体の流動が起きにくく、緩るやかな動きでは余り効果を得られないので加速させる必要がある。
【0020】
そこで、本発明では、以下に説明する電気的な制御を加えることにより、本発明装置の効果の倍増を図ることを可能にした。
前項でも説明しているように、小さい容積内の攪拌や、特に脱気する場合は物理的に大きな振動や衝撃が必要とされるが、本発明を適用することによりこれを具現することができる。以下にこの点について説明する。
【0021】
通常、超音波発振を発生させる場合、連続的に発振させて攪拌等を行っているのが実状であるが、先にも述べたように、狭い容積の中で連続発振させてもウェル内の液体の動きは発振した瞬問に強い流動変化が発生し、水位の変化等が起きない限り徐々に液体中の流動が収まる方向に経過する。この状態は、図10に示す時間Tと出力Pで表れる電力カーブ14で表される。図10で発振開始時の起動電力P1と呼ばれる点が、発振した瞬間の強い流動変化に対応する点である。スタート時を経て連続発振させた安定時P2に比べて数倍の起動電力が必要なためで、このようなピーク値を持つ起動電力を意図的に発生させる電力グラフを図11に例示する。
【0022】
図11に示すように、時間t1を変化させて、間欠的に符号151,152,153・・・のようにくり返すことにより、発振開始時の突入電力を利用して瞬間的に液中に間欠的に継続して衝撃を与えるための電気的制御を行う。また、別の電気制御方法として、変調と呼ばれる周波数や振幅を変えることによっても超音波振動の強弱をつけることが可能である。
【0023】
図12は変調制御の一例の駆動波形図である。
図12においては、縦軸に音波の振幅をM、横軸に時間をとり、音波の周波数をFとし、その駆動波形を変調波形16とすると、周波数f1,f2をもつ超音波の周期を変化させながら振幅m1を変動させることにより、超音波発生量を任意に変動させることができるので、発振の強弱を任意に設定することができ、これによって角形ホーン13を介して液体中に超音波振動の強弱が断続及び変則的に発生させることが可能になり、ランダムな流動任意にを起こすことができ、より効果的な振動を与えることが可能となる。前段落と上記に述べた超音波振動の付与は、図4のディープウェルプレートや図5のラック状の支持体23に保持された多数のミニチューブ24や図6のボトル26についても、同様に実行することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明は以上の通りであって、マイクロプレートやディープウェルプレート、或は、ラック等に支持されたミニチューブやボトルなどの試薬容器の底面全域又は上面全域、あるいは、各容器全体に超音波振動を与えることによりマイクロプレートやディープウェルプレート、或は、ミニチューブ,ボトルなどの試薬容器の全てのウェルや全ての容器が同時かつ均等に振動するようにしたから、小容積の多数の容器部又は容器に、攪拌,脱気に必要な超音波振動を付与することができる。また、本発明では超音波の発振状態に間欠発振や変調モード発振等の発振制御方法を適用することにより、マイクロプレートやディープウェルプレート、或は、ラック等の支持体に保持された多数のミニチューブやボトルなどの試薬容器の各ウェルや各容器の液中に単発的に衝撃を与えると共に変則的な超音波振動を与えるようにしたので、上記の各ウェルや各容器に対する超音波振動をより効果的に与えることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】マイクロプレートの外観形態の一例を示す外形寸法図。
【図2】マイクロプレートにおけるウェルの構造の一例を示す断面図。
【図3】マイクロプレートにおけるウェルの構造の別例を示す断面図。
【図4】ディープウェルプレートの一例の模式的断面図。
【図5】ミニチューブの一例の模式的な断面図。
【図6】ボトルの一例の模式的断面図。
【図7】従来の一般的な超音波ホモジナイザーの一例を示す斜視図。
【図8】従来の量産用の超音波ホモジナイザーの一例を示す斜視図。
【図9】本発明装置の一例の基本的な構成を示す斜視図。
【図10】一般的な超音波発振状態を示す電力カーブ図。
【図11】本発明の間欠発振させた状態を示す電力カーブ図。
【図12】本発明の変調モードを示す発振カーブ図。
【符号の説明】
【0026】
1 マイクロプレート
2 ウェル
3 超音波振動子
4 ホーン
5 超音波発振器
13 角形ホーン
14 連続発振時の電力カーブ
15 間欠発振時の電力カーブ
16 変調カーブ
【技術分野】
【0001】
本発明は創薬・各種液体の製造における試薬・液体・血液等の分析・測定・スクリーニング等に超音波振動を適用する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、血液,薬品,液体などを対象物とする分析や測定、或は、スクリーニングをする場合、その対象物を試験管や試薬瓶等の容器に入れておくだけであるため、対象物が液状の場合、その液体が混ざらず、又は、沈殿して液体の濃度や容器内の浮遊物等が、容器の上部,中部,下部の各部位において異なることにより、正確な分析や測定ができない。このため、従来は分析,測定する直前に液体を攪拌して容器内の液体を均一な状態或は均一な性状に保持し、さらには加振器等で測定直前まで、絶えず攪拌を行う必要があった。
【0003】
上記の状況においてビーカーやフラスコ或は試験管や試薬瓶等の容積が比較的大きい場合は、対象物の液体を大きく振れるので攪拌も容易に可能であるが、多量の分析や多点の測定を必要とする場合は、図1に例示するマイクロプレートやディープウェルプレート、或は、ラック状などの支持プレートに保持された多数のミニチューブやボトルなどの試薬容器のように、格子升形状に細分化された容器、或は、格子升状に配置された容器を使用することが多い。
しかし、例えばマイクロプレートでは、一箇所毎の容積が小さいため、従来の回転式加振器では液体の流動が発生しにくく、正確に分析,測定するためには長時間に亘り加振器にかける等の必要があった。
【0004】
また、マイクロプレートやディープウェルプレート、或は、ラック等の保持プレートに支持された多数のミニチューブやボトルなどの試薬容器の中心部に位置した容器と側端部に位置した容器では、その攪拌程度にバラツキがあり、正確な分析,測定が困難であるという問題もある。
【0005】
図1に例示するマイクロプレート1は規格化されており、定められた外形寸法でウェル2と呼ばれる測定液を入れる穴(容器部)が多数設けられており、そのウェル2の数もマイクロプレート1の規格内寸法に、例えば24個,96個,384個,1536個,3456個等と、ある程度定められている。因みに、図1のマイクロプレート1の寸法は、ベースプレート1aが横幅約130mm,縦幅約90mm程度、該ベースプレート1aと一体のウェル2を多数形式したブロック部が横幅約110mm,縦幅約75mm,高さが約2〜16mm程度の範囲のものである。また、前記ウェル2の形状,寸法も様々であり、その形態例を図2と図3に例示する。
上記のマイクロプレート1に類する多数の小容器部を形成したプレートには、図4に例示するディープウェルプレートがある。また、図5に例示するように多数の試薬容器(ミニチューブ)をラック等の支持体で保持したミニチューブと称される装置もある。更には、図6のボトルの多数本をラック状やプレート状の支持体に保持したものもある。図4において、21はウェル22が深く形成されたディープウェルプレートである。図5において23は、キャップ25を有する試薬管(チューブ)24の多数を立姿勢で保持したラック状の保持体である。図6において、26は高さ40〜50mm位、口径10mm以下のボトルでキャップ27を備えており、前記ラック状支持体23のような支持体や支持プレートなどに並べられる。
【0006】
先にも説明したように、小容器部を多数形成したマイクロプレート,ディープウェルプレート、或は、ラック等の支持体に保持された多数のミニチューブやボトルなどの試薬容器の場合は、各容器部や各容器の容積が小さいため、従来の回転形の加振器では、例えばマイクロプレートの場合、一升毎のウェルの中での流動が発生しにくく、全てのウェル内での均一な攪拌が不可能であった。この点は上記のディープウェルプレートやミニチューブ,ボトルなどにおいても同様である。
【0007】
また、分析方法によっては、対象物たる液体中に空気(酸素,窒素など)が混入していると測定誤差が生じることが知られている。一方、各ウェル内に注液する際には必然的に空気(酸素,窒素など)が取り込まれるため、各ウェル内に収容された各液体は多量の空気(酸素,窒素など)を含んだ状態になるが、液体の内容物の分析の正確さを求めるには、各ウェル内の液体を脱気する必要がある。
【0008】
従来の加振器でも、攪拌と脱気を兼ねた作用はあるが、脱気の場合は特に大きな液体中の流動を必要とするため、液体自体に直接衝撃を加える等の方法を採らなければ、攪拌はある程度可能であっても、脱気はきわめて困難乃至は事実上不可能であった。
【0009】
一方、薬液や液体の分析,測定は多種多様でその利用分野は幅広く、より正確さが求められるようになり、単独に試験管等に入れて1点測定等が行われるのは稀で、より正確さと処理能力を上げるべくマイクロプレート,ディープウェルプレート,ミニチューブ,ボトルなどの試薬容器に同一の液体を入れての多点測定,分析が主流になってきた。
また、分析,測定する液体も単一液体のみのケースは稀で、殆どが複数成分が混合された液体であることにより、ウェル内で混ざらず沈殿したり浮遊したりすると、分析方法や分析箇所によっては、時間の経過と共に液体内の状態が変化する可能性が極めて高く、これを避けるためには分析,測定の直前に攪拌しないと誤差が大きく生じる場合がある。従って、攪拌及び脱気等にっいては特に念入りに行う必要があったにも拘らず、従来の回転式の加振器等では、ウェルが小量の場合等は殆ど効果が得られないのが現状である。
また、試験管や試薬瓶のように容積があり、マイクロプレートの各ウェルのサイズもある程度大きければ、超音波振動を適用したホモジナイザーと呼ばれる棒状のホーンをウェル内の穴に収容されている液体に直接挿入することによりある程度の攪拌は可能であるが、ウェルが小さい場合には超音波ホモジナイザーのホーン先端を極端に細くできないため使用困難乃至は使用不能のことが多い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで本発明では、上記のようなマイクロプレート,ディープウェルプレート,ミニチューブ,ボトルなどの試薬容器に対する従来の超音波振動の適用とその問題点に鑑み、従来技術では適用困難乃至は適用不能であった超音波振動をマイクロプレート,ディープウェルプレート,ミニチューブ,ボトルなどの試薬容器に適用して効果的な攪拌,脱気などを可能とした超音波発生装置を提供することを、その課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決することを目的としてなされた本発明の要旨とするところは、マイクロプレート,ディープウェルプレート,ミニチューブ,ボトルなどの試薬容器全体に振動を与えるか、又は、各容器内の液体自体に強い衝撃を与えるための超音波振動を効果的に与えることができる超音波ホーンを用い、このホーンを電気的な制御を行うことによって、小さい容積のウェルや容器内の液体自体に強い衝撃と流動性を発生させることにある。
具体的には、本発明は、容器部が多数形成されたマイクロプレートやディープウェルプレート、或は、多数のミニチューブやボトル,試薬容器などを保持したラック状等の支持プレートの底面全域又は上面全域に超音波振動を与えることにより、マイクロプレートやディープウェルプレート、或は、ミニチューブやボトル,試薬容器などの容器全体が同時に振動するようにしたことを特徴とする超音波発生装置であり、また、超音波振動は、前記各プレートの底面の略全域又は上面の略全域に見合う大きさの振動放射面、或は、保持された全容器の底又は上部に当接できる大きさの振動放射面を有する超音波振動伝達体により与えるようにする。更に、前記超音波装置に、超音波の発振状態に間欠発振や変調モード発振等の発振制御方法を適用することにより、マイクロプレートやディープウェルプレート、或は、支持体に保持された多数のミニチューブやボトルなどの試薬容器の各ウェルや容器の液中に断続的に衝撃を与えると共に変則的な超音波振動を与えるように発振を制御することにより、所期の目的を達成することができるものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、マイクロプレートやディープウェルプレート、或は、ミニチューブ,ボトルなどの試薬容器の底面全域又は上面全域に超音波振動を与えることによりマイクロプレートやディープウェルプレートの全ての容器部、或は、支持体に保持された多数のミニチューブ,ボトルなどの試薬容器の全てが同時に振動するようにしたから各ウェルや各容器の液体自体に効果的に攪拌や脱気のための超音波振動を与えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に図を参照して本発明超音波発生装置の実施形態の一例について説明する。
本発明の実施例の説明に先立ち、従来一般的に行われている超音波ホモジナイザーの構成を、図7及び図8を参照して説明する。
【0014】
先ず、図7に示す単独の超音波ホモジナイザーから説明する。図7において、電気的信号を発生させる超音波発振器5よりトランスジューサーと呼ばれる電気-機械変換器である超音波ランジュバン型振動子3を駆動させることにより超音波振動を発生させる。この振動子3には振動を拡大させるためのホーン4が取り付けられており、強力な超音波振動を発生させたホーン4をビーカー6の中に入れた薬液7等に浸漬することにより、その薬液7等を攪拌する。この方法では、ビーカー、フラスコや試験管等のように、入口が直径10ミリ位まではホーン4の形状をある程度細く長く形成することにより、超音波を有効に照射可能である。
【0015】
一方、最近は多点測定や測定効率を上げるために自動化が進み、多量の試薬等を同時に超音波攪拌する方法が使用されるようになった。その例を図8に示す。即ち、予め、多数の試験管12を仕切られた網カゴ11に入れておき、振動子3に多数の試験管12に同時に挿入できるように形成した分散形ホーン10が取り付けられた超音波振動体を用いる。ここで、分散形ホーン10は、ブロック形のコーン8と多数の攪拌棒9により構成されたものであるが、このように構成された超音波ホモジナイザーでも、容器の入口径が小さくなると使用困難であることは、先に述べた通りである。8aがブロック型コーンの側面に貫設した穴である。
殊に、マイクロプレートの場合は、升目が大きくとも6〜7ミリ角位であるので、図8のような分散型ホーンによるホモジナイザーの適用は更に困難であり、従って、マイクロプレートに超音波ホモジナイザーを使用することはほぼ不可能と考えられていた。この点は、ディープウェルプレートやミニチューブ、或は、口径が10mm以下のボトルや試薬容器においても同じである。
【0016】
特に、最近では、多点分析や測定処理能力を上げるために試験管等のような独立した容器の使用が少なくなり、マイクロプレートやディープウェルプレート或はミニチューブやボトルを用いた分析,測定が増えてきている。また、マイクロプレートのウェルと呼ばれる升目も1個〜4000個近いウェルが設けられたマイクロプレートも存在するようになってきている。さらに、マイクロプレートやディープウェルプレート、或は、ミニチューブやボトルなどの試薬容器も規格化されて精巧に作られ、上面,底面ともに平坦でかつ平面に製作されているものが多くなった。
【0017】
そこで、本発明では、上面より液中に直接挿入する従来の超音波ホモジナイザーに拘わらず底面からマイクロプレートやディープウェルプレート、或は、ラック等に支持された多数のミニチューブやボトルなどの試薬容器にブロック形ホーンを密着させ超音波振動を与えることにより、各ウェルや各容器内の液体に、超音波振動がマイクロプレートやディープウェルプレート、或は、ミニチューブ,ボトルなどを保持したラック等の支持材、乃至は、前記ミニチューブやボトルなどの試薬容器の母材である樹脂性の素材(殆どがポリスチレン製や硬質ポリプロピレン製)を介して伝達され、液体の流動が起こり攪拌させることができるようにしたものである。
【0018】
本発明では、マイクロプレートやディープウェルプレート、或は、支持体に保持されたミニチューブやボトルなどに対し、一例として底面からその全容器部又は各容器に超音波振動がほぼ均等に伝達されるように付与するので、短時間の超音波照射で全容器部又は各容器内の液体の攪拌及び脱気を行うことができる。この作用は各ウェルや各容器の大小に係らずその効果は殆ど変わらない。この結果、従来技術による処理能力に比べ大幅に処理時間短縮できることになった。
従って、本発明は創薬業界だけでなく、マイクロプレートやディープウェルプレート、或は、ミニチューブやボトルなどの試薬容器を使用する液体等の分析,測定作業の合理化に大幅に貢献できる。
【0019】
次に、図9〜図12、及び、図1〜図6を参照し、本発明をマイクロプレート1に適用した例を代表例として説明する。
図9は本発明装置の実際の構成図の一例を示す。この図9において、角形ホーン13が振動子3にネジ込み式にて連結され一体形に形成されている。角形ホーン13は、マイクロプレート1の底面に押し上げられた状態で密着されている。13aは角形ホーン13の側面に貫通させて設けた穴で、ホーン13の上面全域での振動を均一化するためのものである。
振動子3が超音波発振器5により駈動され、面密着したマイクロプレート1は超音波振動が伝達されて振動し、全てのウェル2内に薬液が入っていても、すべての薬液に流動を起こし攪拌することができる。
各ウェル2内の液体の攪拌や脱気を効果的に行うとき、ウェル2内の容積が小さいと液体の流動が起きにくく、緩るやかな動きでは余り効果を得られないので加速させる必要がある。
【0020】
そこで、本発明では、以下に説明する電気的な制御を加えることにより、本発明装置の効果の倍増を図ることを可能にした。
前項でも説明しているように、小さい容積内の攪拌や、特に脱気する場合は物理的に大きな振動や衝撃が必要とされるが、本発明を適用することによりこれを具現することができる。以下にこの点について説明する。
【0021】
通常、超音波発振を発生させる場合、連続的に発振させて攪拌等を行っているのが実状であるが、先にも述べたように、狭い容積の中で連続発振させてもウェル内の液体の動きは発振した瞬問に強い流動変化が発生し、水位の変化等が起きない限り徐々に液体中の流動が収まる方向に経過する。この状態は、図10に示す時間Tと出力Pで表れる電力カーブ14で表される。図10で発振開始時の起動電力P1と呼ばれる点が、発振した瞬間の強い流動変化に対応する点である。スタート時を経て連続発振させた安定時P2に比べて数倍の起動電力が必要なためで、このようなピーク値を持つ起動電力を意図的に発生させる電力グラフを図11に例示する。
【0022】
図11に示すように、時間t1を変化させて、間欠的に符号151,152,153・・・のようにくり返すことにより、発振開始時の突入電力を利用して瞬間的に液中に間欠的に継続して衝撃を与えるための電気的制御を行う。また、別の電気制御方法として、変調と呼ばれる周波数や振幅を変えることによっても超音波振動の強弱をつけることが可能である。
【0023】
図12は変調制御の一例の駆動波形図である。
図12においては、縦軸に音波の振幅をM、横軸に時間をとり、音波の周波数をFとし、その駆動波形を変調波形16とすると、周波数f1,f2をもつ超音波の周期を変化させながら振幅m1を変動させることにより、超音波発生量を任意に変動させることができるので、発振の強弱を任意に設定することができ、これによって角形ホーン13を介して液体中に超音波振動の強弱が断続及び変則的に発生させることが可能になり、ランダムな流動任意にを起こすことができ、より効果的な振動を与えることが可能となる。前段落と上記に述べた超音波振動の付与は、図4のディープウェルプレートや図5のラック状の支持体23に保持された多数のミニチューブ24や図6のボトル26についても、同様に実行することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明は以上の通りであって、マイクロプレートやディープウェルプレート、或は、ラック等に支持されたミニチューブやボトルなどの試薬容器の底面全域又は上面全域、あるいは、各容器全体に超音波振動を与えることによりマイクロプレートやディープウェルプレート、或は、ミニチューブ,ボトルなどの試薬容器の全てのウェルや全ての容器が同時かつ均等に振動するようにしたから、小容積の多数の容器部又は容器に、攪拌,脱気に必要な超音波振動を付与することができる。また、本発明では超音波の発振状態に間欠発振や変調モード発振等の発振制御方法を適用することにより、マイクロプレートやディープウェルプレート、或は、ラック等の支持体に保持された多数のミニチューブやボトルなどの試薬容器の各ウェルや各容器の液中に単発的に衝撃を与えると共に変則的な超音波振動を与えるようにしたので、上記の各ウェルや各容器に対する超音波振動をより効果的に与えることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】マイクロプレートの外観形態の一例を示す外形寸法図。
【図2】マイクロプレートにおけるウェルの構造の一例を示す断面図。
【図3】マイクロプレートにおけるウェルの構造の別例を示す断面図。
【図4】ディープウェルプレートの一例の模式的断面図。
【図5】ミニチューブの一例の模式的な断面図。
【図6】ボトルの一例の模式的断面図。
【図7】従来の一般的な超音波ホモジナイザーの一例を示す斜視図。
【図8】従来の量産用の超音波ホモジナイザーの一例を示す斜視図。
【図9】本発明装置の一例の基本的な構成を示す斜視図。
【図10】一般的な超音波発振状態を示す電力カーブ図。
【図11】本発明の間欠発振させた状態を示す電力カーブ図。
【図12】本発明の変調モードを示す発振カーブ図。
【符号の説明】
【0026】
1 マイクロプレート
2 ウェル
3 超音波振動子
4 ホーン
5 超音波発振器
13 角形ホーン
14 連続発振時の電力カーブ
15 間欠発振時の電力カーブ
16 変調カーブ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器部が多数形成されたマイクロプレートやディープウェルプレート、或は、多数のミニチューブやボトル,試薬容器などを保持したラック状等の支持プレートの底面全域又は上面全域に超音波振動を与えることにより、マイクロプレートやディープウェルプレート、或は、ミニチューブやボトル,試薬容器などの容器全体が同時に振動するようにしたことを特徴とする超音波発生装置。
【請求項2】
容器部が多数形成されたマイクロプレートやディープウェルプレート、或は、多数のミニチューブやボトル,試薬容器などを保持したラック状等の支持プレートの底面全域又は上面全域に与える超音波振動は、前記各プレートの底面の略全域又は上面の略全域に見合う大きさの振動放射面、或は、保持された全容器の底又は上部に当接できる大きさの振動放射面を有する超音波振動伝達体により与えるようにした請求項1の超音波発生装置。
【請求項3】
請求項1又は2の超音波発生装置において、超音波の発振状態に間欠発振や変調モード発振等の発振制御方法を適用することにより、マイクロプレート,ディープウェルプレート,ミニチューブ,ボトルなどの試薬容器の液中に断続的に衝撃を与えると共に変則的な超音波振動を与えるように発振を制御する請求項1又は2の超音波発生装置。
【請求項1】
容器部が多数形成されたマイクロプレートやディープウェルプレート、或は、多数のミニチューブやボトル,試薬容器などを保持したラック状等の支持プレートの底面全域又は上面全域に超音波振動を与えることにより、マイクロプレートやディープウェルプレート、或は、ミニチューブやボトル,試薬容器などの容器全体が同時に振動するようにしたことを特徴とする超音波発生装置。
【請求項2】
容器部が多数形成されたマイクロプレートやディープウェルプレート、或は、多数のミニチューブやボトル,試薬容器などを保持したラック状等の支持プレートの底面全域又は上面全域に与える超音波振動は、前記各プレートの底面の略全域又は上面の略全域に見合う大きさの振動放射面、或は、保持された全容器の底又は上部に当接できる大きさの振動放射面を有する超音波振動伝達体により与えるようにした請求項1の超音波発生装置。
【請求項3】
請求項1又は2の超音波発生装置において、超音波の発振状態に間欠発振や変調モード発振等の発振制御方法を適用することにより、マイクロプレート,ディープウェルプレート,ミニチューブ,ボトルなどの試薬容器の液中に断続的に衝撃を与えると共に変則的な超音波振動を与えるように発振を制御する請求項1又は2の超音波発生装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−78618(P2007−78618A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−269930(P2005−269930)
【出願日】平成17年9月16日(2005.9.16)
【出願人】(302000634)日本サポートシステム株式会社 (2)
【出願人】(000203531)多賀電気株式会社 (8)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月16日(2005.9.16)
【出願人】(302000634)日本サポートシステム株式会社 (2)
【出願人】(000203531)多賀電気株式会社 (8)
【Fターム(参考)】
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