説明

超音波ウォータージェット装置

【解決手段】超音波ウォータージェット装置(10)は、可動式の発電モジュール(20)と、可動式の発電モジュール(20)から、トリガーと超音波ノズル(60)を備えた手持ち式のガン(50)へと、高圧水を送り届ける高圧水ホース(40)を備える。可動式の発電モジュール(20)における超音波発電機は、高周波電気パルスをピエゾ圧電素子又は磁気歪素子のトランスデューサ(62)へと伝達して、ノズル(60)を流れる高圧のウォータージェットに振動による変調を加える。超音波ノズル(60)から放出されるウォータージェットは、小さい弾丸状の水にパルス化され、それぞれの水の弾丸が目的物の表面にウォーターハンマーの圧力を加える。超音波ウォータージェット装置(10)は、材料を切断したり、ばり取りしたり、洗浄したり、コーティングを表面から除去したり、岩を破壊したりするのに使用できる。超音波ウォータージェット装置(10)はこれらの作業を行うに際し、ウォーターハンマー効果を繰り返すために、従来の連続流れのウォータージェット装置に比べて、はるかにその効率が良い。単一の出口をもつノズルに代えて、複数の出口オリフィスをもつノズルや、回転ノズル(76)を用いることで、大きな表面についても洗浄やコーティング除去を効率的に行うことができる。可動式の発電モジュール(20)の中に、水ダンプバルブ(27)と制御用のソレノイドを配置して、これらをガン(50)には設けないことで、ガンを軽量で人間工学的なものにすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、洗浄や切断に用いる高圧ウォータージェットに関し、より詳しくは、高周波により変調されたウォータージェットに関する。
【背景技術】
【0002】
洗浄や切断の用途のための、連続流れによる高圧ウォータージェットは、当業者に周知である。特定の用途に依存するけれども、高圧ウォータージェットを生み出すのに必要とされる水圧は、洗浄作業にあっては2000〜3000psi、切断や硬化被膜の除去にあっては数万psiである。
切断及び洗浄用の連続流れの高圧ウォータージェット装置の例については、Morganらによる米国特許第4,787,178号、Landeckによる米国特許第4,966,059号、Nopwaskeyらによる米国特許第6,533,640号、Vargheseらによる米国特許第5,584,016号、Butlerらによる米国特許第5,778,713号、Casparによる米国特許第6,021,699号、Shepherdによる米国特許第6,126,524号、Xuによる米国特許第6,220,529号がある。更なる例としては、Munozによる欧州特許出願EP 0 810 038号、Zumsteinによる欧州特許出願EP 0 983 827号、また、Rogersらによる米国公開特許公報US2002/0109017号、Riceらによる米国公開特許公報2002/0124868号、及びLewinらによる米国公開特許公報2002/0173220号がある。
【0003】
【特許文献1】米国特許第4,787,178号
【特許文献2】米国特許第4,966,059号
【特許文献3】米国特許第6,533,640号
【特許文献4】米国特許第5,584,016号
【特許文献5】米国特許第5,778,713号
【特許文献6】米国特許第6,021,699号
【特許文献7】米国特許第6,126,524号
【特許文献8】米国特許第6,220,529号
【特許文献9】欧州特許出願EP 0 810 038号
【特許文献10】欧州特許出願EP 0 983 827号
【特許文献11】米国公開特許公報2002/0109017号
【特許文献12】米国公開特許公報2002/0124868号
【特許文献13】米国公開特許公報2002/0173220号
【特許文献14】米国特許第5,134,347号
【0004】
上に例示したような連続流のウォータージェット技術には、ある種の不都合があって、それがため、連続流のウォータージェット装置を高価で扱いにくくしている。当業者は認識するだろうが、連続流のウォータージェット設備は、極めて高い水圧を扱うので、それに耐えられるように頑丈にデザインしなければならない。その結果、ノズル、配水管、取付具は、かさばり重くなって、高価になる。超高圧のウォータージェットを得るためには、高価な超高圧送水ポンプが必要になって、そのためにさらに、かかるポンプの投資資金と、かかるポンプの運転コストとの両面からコストが高騰する。
【0005】
連続流式のウォータージェットの欠点に鑑みて、超音波パルスノズルが開発されたが、かかる装置では、高周波で変調された水を、不連続な、仮想的に個別の塊ないし“弾丸状”として送出する。この超音波ノズルは、1992年10月13日に出願されたVijayによる米国特許第5,134,347号に詳細に開示されている。米国特許第5,134,347号に開示されている超音波ノズルは、超音波発電機が発する超音波振動を、超高周波の機械的振動に変換し、ノズルを通るウォータージェットに、1秒間あたり数千のパルスを作用させる。ウォータージェットのパルスは、切断すべき表面、または、洗浄すべき表面に、ウォーターハンマーの圧力を加える。このように爆撃にも似た小弾丸状の水が、それぞれ目標面にウォーターハンマー圧力を作用させるので、ウォータージェットの侵食的な能力は著しく高められる。そのため、超音波パルスノズルによる切断や洗浄は、従来技術による連続流のウォータージェットに比べて、はるかに効率的な切断や洗浄になる。
【0006】
理論的には、目標面に働く侵食的な圧力は、停滞圧力ないし1/2ρv2である(ここで、ρは水の密度、vは目標面に衝突する水の衝突速度である。)。これとは対照的に、ウォーターハンマー現象のために生じる圧力は、ρcvである(ここで、cは水中の音速であり、約1524m/sである。)。従って、ウォータージェットをパルス化することにより得られる衝撃圧の理論的な倍率は2c/vとなる。たとえ空気抵抗を無視してしまい、衝突速度が流体の吐出速度である1500フィート/秒(約465m/s)であると仮定しても、衝撃圧の倍率はおよそ6〜7倍である。モデルに空気抵抗を考慮に入れて、衝突速度が約300m/sであるならば、理論的な倍率は10倍になるだろう。
【0007】
実際には、摩擦損失とその他の非効率のために、米国特許第5,154,347号に開示されたパルス化超音波ノズルは、与えられた供給源圧力に対して、約6〜8倍の衝撃圧を目標面に働かせる。従って、同一の侵食的能力を得ようとすれば、パルス化ノズルにあっては、6〜8分の1の強さの圧力供給源で動作できることになる。パルス式ノズルでは、はるかに小型で安価なポンプを用いるので、連続流のウォータージェットノズルに比べて、ずっと経済的になる。さらに、ノズルや、配管、及び取付具におけるウォータージェット圧力は、超音波ノズルでははるかに低くなるので、超音波ノズルは、軽量で、小型で、費用対高価に優れたものになる。
【0008】
米国特許第5,154,347号に開示された超音波ノズルは、ウォータージェットによる切断及び洗浄技術における実質的なブレークスルーであるけれども、本出願人はさらに洗練と改良とが可能であることを見い出した。米国特許第5,154,347号に開示されていた超音波ノズルを最初に繰り返すことは、既存のウォータージェット発生器に関連して用いられていたもので、最適ではないことが判明した。従って、超音波ノズルを最大限に利用する完全な超音波ウォータージェットに対するニーズが生じた。
【0009】
また、超音波ノズルについては、これを改変して、流体動力学的な観点からより効率的にしたり、大きな面に対する洗浄やコーティング除去を効率的にしたり、人間工学的にエンドユーザの手に合わせたりすることが望ましいことが判明した。
従って、以上の如き不都合に鑑みて、改良された超音波ウォータージェット装置を提供することが強く要望されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の主たる目的は、上記従来技術において述べたような不都合のうち、少なくともいくつかを解消することである。
この目的は、特許請求の範囲のうち、独立請求項に規定された要素によって達成される。任意的事項としての特徴や変形例による実施形態については従属請求項に規定されている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
従って、本発明のひとつの観点によって提供される、超音波ウォータージェット装置は、発電モジュールであって、この発電モジュールが、高周波電気パルスを発生して、これを伝達する超音波発電機と、超音波発電機を制御するための制御ユニットと、高圧水の供給源に結合された高圧水入口と、高圧水入口に結合された高圧水出口と、を備える。超音波ウォータージェット装置はさらに、高圧水出口に結合された高圧水ホースと、高圧水ホースに結合されたガンとを備える高圧水ホースにはガンが結合されていて、ガンは超音波ノズルを有し、超音波ノズルは超音波発電機からの高周波電気パルスを受けるトランスデューサを備え、トランスデューサは、電気パルスを振動へと変換し、該振動はノズルを流れるウォータージェットをパルス状とし、パルス化された弾丸状の水によるウォータージェットを創り出し、それぞれの水の弾丸が目的物の表面にウォーターハンマーの圧力を加えられるようになっている。
【0012】
望ましくは、トランスデューサはピエゾ圧電素子又はピエゾ磁気素子であって、円筒形又は管状のコアに成形されている。
望ましくは、ガンは手持ち式になっていて、超音波発電機を動作させるためのトリガーを備え、連続的なウォータージェットの流れをパルス化されたウォータージェットへと変換する。また、ガンはダンプバルブトリガーを備えていて、発電モジュールに配設されたダンプバルブを開閉させる。
超音波ウォータージェット装置は好ましくは、トランスデューサを冷却するための圧縮空気ホースと、電気パルスを超音波発電機からトランスデューサへ伝達する超音波信号ケーブルとを備える。
大きな面を洗浄したりコーティング除去したりするために、超音波ウォータージェット装置は、回転ノズルヘッド又は複数の出口オリフィスをもったノズルを具備する。回転ノズルヘッドは、一対の外向きジェットが発生するトルク、または斜めのオリフィスによって、自己回転するのが好ましい。
【0013】
本発明の利点は、超音波ウォータージェット装置は、連続流式のウォータージェット装置に比べて、はるかに効率の高い衝撃圧を作用させ、その結果、洗浄や、切断、ばり取り、コーティング除去、及び破壊のための装置の能力を高められることである。ウォータージェットをパルス化することによって、小弾丸状の水が次々と目標面に衝突し、それぞれの弾丸状の水はウォーターハンマー圧力を作用させる。与えられた圧力源が一定ならば、ウォーターハンマーの圧力は、連続流式のウォータージェットにおける停滞した圧力に比べて、はるかに高くなる。従って、超音波ウォータージェット装置は、はるかに低い供給源圧力にて運転するけれども、切断や、ばり取り、洗浄、コーティング除去、及び岩や岩石状物質の破壊を行うことができる。従って、超音波ウォータージェット装置は、従来の連続流式のウォータージェット装置に比べて、より効率的で、より頑丈で、より安価に構築でき、使用できる。
【0014】
本発明の別の観点によれば、超音波ウォータージェット装置において用いられる、超音波ノズルが提供される。超音波ノズルは、高周波電気パルスを機械的な振動へと変換するトランスデューサを具備していて、ノズルを流れるウォータージェットをパルス化して、弾丸状にパルス化された水のウォータージェットを創り出し、それぞれの弾丸状の水が目標面にウォーターハンマー圧力を作用させることができる。ノズルは、回転ノズルヘッドか、複数の出口オリフィスをもったヘッドになっていて、大きな面に対して洗浄やコーティング除去を施す。
【0015】
本発明の別の観点によって提供される、超音波ウォータージェット装置において用いる超音波ノズルは、高周波電気パルスを機械的振動に変換し、この振動がノズルを流れるウォータージェットをパルス化するようなトランスデューサを備え、パルス化された弾丸状の水を創り出し、それぞれの水の弾丸が目的物の表面にウォーターハンマーの圧力を加え、トランスデューサは、トランスデューサをウォータージェットから隔離するためのシールを備えた微小突端部を具備し、シールは、微小突端部に沿った定在波の振幅がゼロになる節面に配置されていることを特徴としている。
本発明の別の観点によれば、超音波パルス化されたウォータージェットを用いて、切断、洗浄、ばり取り、コーティング除去、岩状材料の破壊を行う方法が提供される。かかる方法は、ノズルに高圧の連続したウォータージェットの流れを押し流す段階と、高周波電気パルスを発生させる段階と、高周波電気パルスをトランスデューサへ伝達する段階と、高周波電気パルスを機械的な振動に変換する段階と、高圧で連続したウォータージェットの流れをパルス化して、個々に分割されたウォータージェットの水の弾丸にパルス化し、それぞれの水の弾丸が目的物の表面にウォーターハンマーの圧力を加える段階と、パルス化されたウォータージェットを目標物に向ける段階と、を備える。所望の用途に応じて、超音波ウォータージェット装置は、切断、洗浄、ばり取り、コーティング除去、または、破壊のために用いることができる。
【0016】
大きな面を洗浄したりコーティング除去したりする用途にあっては、超音波ウォータージェット装置は、複数の出口オリフィスを備え、または、回転ノズルヘッドを備えることが有利である。
本発明の更なる特徴及び利点については、添付図面を参照しつつ、以下の詳細な説明を読めば明らかになるだろう。
添付図面において、対応する要素には同一の参照符号を付している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は、本発明の実施形態による超音波ウォータージェット装置を示している。超音波ウォータージェット装置は、その全体を参照符号10にて示しており、可搬式の発電モジュール20(強制パルス化ウォータージェット発生器としても知られる。)。可搬式の発電モジュール20には、高圧水ホース40、圧縮空気ホース42、超音波信号ケーブル44、及びトリガー信号ケーブル46を介して、手持ち式のガン50が接続される。高圧水ホース40と、圧縮空気ホース42とは、耐摩耗性のナイロン製スリーブによって被覆されている。超音波信号ケーブル44は、安全上の理由から、圧縮空気ホース42の内部に収容されている。圧縮空気はトランスデューサの冷却に用いられるが、これについては後述する。
【0018】
手持ち式のガン50は、パルス用の引き金52と、ダンプバルブ用の引き金54とを備えている。手持ち式のガンはまた、超音波ノズル60を備えている。超音波ノズル60は、ピエゾ圧電トランスデューサか、ピエゾ磁気トランスデューサかのいずれかである、トランスデューサ62を備えている。ピエゾ磁気トランスデューサは、Terfenol(登録商標)の合金などの磁気歪素材から作られる。
図2に示すように、可搬式の発電モジュール20は、超音波発電機21を備えていて、この発電機は、代表的には20kHzのオーダーである高周波電気パルスを発電する。超音波発電機21は、電力入力22によって駆動され、制御ユニット23によって制御される(制御ユニットも好ましくは220V電源である電力入力によって同じく駆動される。)。また、可搬式の発電モジュールは、高圧水入力24を有し、これは高圧水供給源(図示しないが当業者に周知のものである。)に接続されている。高圧水入口は、高圧水マニホールド25に結合される。水圧を測るには、高圧水マニホールド25に結合された高圧水圧ゲージ26を用いる。高圧水マニホールドには、ダンプバルブ27も接続されている。ダンプバルブ27は、ソレノイド28によって動作して、ソレノイドは制御ユニット23によって制御される。ダンプバルブは、ガンに配置されるのではなく、可搬式の発電モジュール20の側に配置されており、これにより、ガンは軽量化され、また、ダンプバルブをトリガーしたときにユーザに働く衝撃力は抑制される。最後に、高圧水の水圧とスイッチ29は制御ユニットにフィードバック信号を提供する。
【0019】
さらに図2の参照を続けると、可搬式の発電モジュール20は、空気入口30を有し、これは圧縮空気の供給源(図示しないが当業者に周知のものである。)から圧縮空気を受け入れる。空気入口30は、空気マニホールド31、空気圧ゲージ32、及び空気圧センサ及びスイッチ33に結合され、制御ユニットにフィードバック信号を提供する。また、制御ユニットは、トリガー信号ケーブル46を介して、トリガー信号を受信する。可搬式の発電モジュール20における制御ユニット23は、オペレータの安全を確保するだけでなく、装置の繊細な部品を保護するようにデザインされている。例えば、トランスデューサを通る空気流が存在しないのに、水がガンを流れる場合には、超音波発電機を起動できないようになっている。
【0020】
図2に示すように、可搬式の発電モジュール20は、高圧水出口40a、圧縮空気出口42a、及び、超音波信号出力44aを有していて、これらは、高圧水ホース40、圧縮空気ホース42、及び超音波信号ケーブル44をそれぞれ介して、手持ち式のガン50に接続されている。
図3は、超音波ウォータージェット装置10における配線及び配管を示した模式的なブロック図である。圧縮空気ホースの定格は、100psiであり、その内部には、超音波信号ケーブルが収容され、その定格とする高周波パルスは3.5kVである。空気ホースと超音波信号ケーブルとは、ガンの中にあるトランスデューサに密封式に接続されている。高圧水ホースの定格は、最大20,000psiであり、ガンに接続されるが、それは図示の如くトランスデューサの下流側において接続される。トリガー信号ケーブルは、27VAC、0.7Aの信号を伝えるように設計されていて、引き金と発電モジュールとをつないでいる。
【0021】
図3に示すように、超音波ウォータージェット装置10は、いくつかの安全上の特徴を備えている。すべての電気レセプタクルは、バネ負荷式か、ナットロック式になっている。前述したように、水及び空気のホースは、耐摩耗性のナイロン製スリーブによって被覆されていて、摩耗や破損を生じないようにしている。さらに、万一、不用意にウォータージェットに曝されて空気ホースが切断された場合には、超音波信号ケーブルの電圧は瞬時に、空気圧センサ及びスイッチによって、ゼロになる。
【0022】
図4、図5、及び図6は、可搬式の発電モジュール20について、その様々な構成要素を詳しく示している。可搬式の発電モジュール20は、トランスデューサを塵や油及びゴミに対して保護すべく、空気フィルタ組立体34を備える。ソレノイド28は、ダンプバルブを動作させるべく、空気圧アクチュータ組立体35に結合されている。空気圧アクチュータ組立体は、空気圧バルブ35a、空気シリンダ35b、空気シリンダ入口バルブ35c、及び空気シリンダ出口バルブ35dを備える。可搬式の発電モジュール20はさらに、水/空気の入口ブラケット36、水/空気の出口ブラケット37、配管ハンガー38、水圧スイッチ29、空気圧スイッチ33、及び水/空気圧力スイッチのブラケット39を備える。
【0023】
図7を参照すると、超音波ウォータージェット装置10における超音波ノズル60は、ピエゾ圧電トランスデューサ、または、ピエゾ磁気(磁気歪)トランスデューサのいずれかのトランスデューサ62を用いており、これを微小突端部64、つまり、“速度変換器”に結合させて、既存のノズルヘッド66を通るウォータージェットの連続流を変調し乃至パルス化し、もって連続的なウォータージェットをパルス化されたウォータージェットへと変換している。超音波ノズル60は、当業者にあって“無理矢理律動的にしたウォータージェット”とか、パルス化されたウォータージェットとして知られているものを形成する。パルス化されたウォータージェットは、塊状の水、または、弾丸状の水の連射であって、それらのそれぞれが、目標面にウォーターハンマー圧力を作用させる。連続流によるウォータージェットに見られる停滞した圧力に比べて、ウォーターハンマーの圧力は著しく高い圧力であるために、パルス化されたウォータージェットは、切断、洗浄、ばり取り、コーティング除去、及び破壊においてはるかに効率的である。
【0024】
超音波ノズルは、図1に示す如く手持ち式のガンに取り付けても良いし、あるいは、コンピュータ制御式のXYテーブルに据え付けても良い(精密な切断や機械加工に用いられる。)。超音波ノズルは、図8に示すように、車輪付きの台車70に搭載しても良い。車輪付きの台車70は、ハンドル72、スイベル74、及びツイン型の回転オリフィス76を有する。図8に示した車輪付きの台車は、車両の下面を洗浄ないし汚染除去するのに用いることができる。
図7に示すように、連続流のウォータージェットは、トランスデューサの下流側の水入口から流入する。図7及び図9に示すように、水は、水入口82に連通してなる側部ポート80から超音波ノズル60に流入する。水は直接には微小突端部64の細長い端部に衝突することはなく、このことは重要であり、というのは、これにより、微小突端部の有害な横方向振動を除去するためである。微小突端部が横方向に振動すると、ウォータージェットを混乱させ、微小突端部の破損につながる。
【0025】
微小突端部は、様々な形に形成できるけれども(円錐形や指数関数曲面など)、微小突端部として好ましい輪郭は、図10に示すような、段付きシリンダであって、これは製造が容易で、長持ちし、良好な流体力学をもたらす。微小突端部64は好ましくは、チタン合金から作られる。チタン合金を用いる理由は、合金における音速が高いことと、突端部に最大振幅の振動が得られるためである。図10に示すように、微小突端部64は、スタブ67とステム65とを有する。スタブ67には、トランスデューサに結合するための雌ネジが設けられる。ステム65は細長くて下流側に配置され、ウォータージェットに接触し、これを変調する。また、図10に示すように、スタブ67とステム65との間にはフランジ69が設けられる。フランジ69は節面69aを形成する。音波は下流へ向けて(図10の左方から右方へ)伝播するので、また、突端部にて反射するので、定在波のパターンが微小突端部64に生じる。節面69aにおいては、定在波の振幅がゼロになるので、この場所は高圧水をシールするOリング(図示せず)を配置する上で最適な場所である。Oリングは、デュロメーター85以上の公称硬さのものを用いる。
【0026】
図7に示すように、超音波ノズル60は単一のオリフィス61を有する。様々な材料の切断やばり取り、岩状材料の破壊など、多くの用途にあっては単一のオリフィスが有効である。しかしながら、大きな面を洗浄したりやコーティング除去する場合には、単一のオリフィスは、細長い一列の刈り跡を除去するだけである。従って、そうした洗浄やコーティング除去(塗料、エナメル、錆)などの用途にあっては、第2の実施形態として、超音波ノズルが複数のオリフィスを有するものが有利である。図11には、3つのオリフィス61aを備えた超音波ノズル60を示している。微小突端部は、ウォータージェットが3つの平行な出口オリフィスを押し出されるとき、ウォータージェットを変調させるための3本の歯を有する。図11に示した三重オリフィスのノズルは、従って、単一オリフィスのノズルに比べて、より広い刈り跡を洗浄ないしコーティング除去することができる。図11に示すように、ナット60aは、複数オリフィスノズルをハウジング60bに固定している。図11は、3つのオリフィス61aにそれぞれひとつずつの、微小突端部64の3つの歯64aの終端部を示している。
【0027】
図12に示した第3の実施形態においては、超音波ノズル60は、回転ノズルヘッド90を有していて、これにより、超音波ノズル60は大きな面を効率的に洗浄し、または、コーティング除去することができる。回転ノズルヘッド90は、自己回転式になっていて、というのは、外側ジェット92から水が放出されるためである。放出された水はトルクを発生させ、これが外側ジェット92を回転させ、もって回転ノズルヘッド90を回転させる。この実施形態においては、大量のウォータージェットが、1又は2の斜めの出口オリフィス91から押し出される。洗浄すべき材料に応じて、外側ジェットは、洗浄工程に貢献してもしなくても良い。トランスデューサと回転ノズルヘッドとの間には、音響的に整合したスイベル94が介在している。スイベル94は、ただ単に圧力に耐えるだけでなく、装置の残余の部分を音響的に整合させて、共鳴を生じさせる。スイベル94は、回転ノズルヘッドの角速度を制限するための、回転ダンパーのような速度制御機構を、備えていても良いし、備えていなくても良い。
【0028】
図13、図14、及び図15に示すように、自己回転式の回転ノズルヘッド90は、出口オリフィス91の角度向きを変化させることで実現できる。ウォータージェットが出口オリフィスから押し出されると、トルクが発生して、回転ノズルヘッド90を回転させる。スイベル94の中に回転ダンパーを据え付けて、回転ノズルヘッド90の角速度を制限しても良い。図13、図14、及び図15に示した構造は、制約のある空間において、特に役立つ。なお、大きな面を洗浄及びコーティング除去する場合にも、単一の振動ノズルを使用しても良い。
水中での作業のためには、水中に浸せないピエゾ圧電トランスデューサではなく、ピエゾ磁気トランスデューサを用いる。ピエゾ磁気トランスデューサ62は、ピエゾ圧電トランスデューサの場合とは異なり、ノズル60の内部にパッケージ化される。ピエゾ磁気トランスデューサには、例えば商業的に入手可能なTerfenol(登録商標)などの磁気歪素材を使用する。これらのTerfenolをベースとした磁気歪トランスデューサは、小型であり、図16に示す如く、ノズル60に付けて水中に潜水させることができる。ピエゾ圧電トランスデューサは、加えられた電場の振動に応じて機械的な振動を生じさせるのに対して、磁気歪素材は、加えられた磁場に応じて機械的な振動を生じさせる(図17に示す如くコイルとバイアス磁石を用いる。)。しかしながら、動作に信頼性を得るには、磁気歪素材をキューリー温度以下に保つと共に、常に予圧下に置くことが重要である。圧縮応力は、図17に示した端部板によって加えられるけれども、特に本願で述べたような使用において、これをキューリー点以下の温度に保つように冷やすには、用途に応じて、いくつかの異なる技術のうちのひとつが必要になる。
【0029】
図17は、磁気歪トランスデューサ62のひとつの組立体の構造を示している。Terfenol(登録商標)は、磁気歪コア100として使用している。コア100は、コイル102とバイアス磁石104とによって同軸的に取り囲まれている。荷重板106と、バネ107と、端部板108によって、組立体を圧縮下に保つ。
回転ノズルヘッドを必要としない、短時間作業の用途には、図16の構造が適している。この構造においては、ピエゾ圧電トランスデューサの場合と同じく、(例えば、トランスデューサのまわりを押し流れる圧縮空気などによって)、トランスデューサは空気流によって冷やされる。
長時間作業には、また、回転を用いる作業には、このタイプの空気流冷却は実行可能な解決策とは言えない。図18、図19、図20、及び図21に示した構造はいかなる過酷な状況においても採用することができる。図18に示すように、Terfenol(登録商標)のロッドを、環状の通路を流れる高圧水で冷却することにする。他方において、図19に示す如く、Terfenol(登録商標)を管状100aに形成して、さらに冷却能力を高めても良い。Terfenol(登録商標)の管は、先の例と同じく、コイル102とバイアス磁石104との中に収容される。図18及び図19に示した構造は、非回転式の複数オリフィスの構成に使用できる。
2以上のオリフィスを備えている回転ノズルヘッドにあっては、図20及び図21に示した構造がより適している。図20及び図21に示すように、高圧水は入口82に押し込まれ、パルス化されてから、2つの出口オリフィスを通って排出される。各出口オリフィスは、それぞれ自己用の微小突端部64ないし“プローブ”を備え、これを磁気歪トランスデューサ62で振動させる。図20において、ノズルヘッド66は回転するが、コイル102は静止している。図21においては、前述の如く、スイベル74を用いて、ノズルは回転する。この結果、パルス化されたウォータージェットは2つのジェットに分割され、大きな面を洗浄し、または、コーティング除去する場合の効率が高まる。
上述した本発明の実施形態は、単なる例示を意図している。従って、本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ定められるべきものである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、可搬式の発電モジュールが手持ち式のガンに結合されてなる、本発明の実施形態による超音波ウォータージェット装置を示した模式的な側面図である。
【図2】図2は、可搬式の発電モジュールの機能について示した、模式的なフローチャートである。
【図3】図3は、超音波ウォータージェット装置の機能について示した模式図である。
【図4】図4は、可搬式の発電モジュールを示した上面図である。
【図5】図5は、可搬式の発電モジュールを示した背面図である。
【図6】図6は、可搬式の発電モジュールを示した左側面図である。
【図7】図7は、超音波ウォータージェット装置において用いられるもので、ピエゾ圧電トランスデューサを有してなる、超音波ノズルを示した横断面図である。
【図8】図8は、車両の下面を洗浄ないし汚染除去すべく、車輪付き台車に搭載された超音波ノズルを示した側立面図である。
【図9】図9は、超音波ノズルを示した横断面図であって、水を取り入れる側部ポートと、ウォータージェットを変調する微小突端部の配置について示している。
【図10】図10は、段付きシリンダの形態である、微小突端部を示した側立面図である。
【図11】図11は、第2の実施形態による超音波ウォータージェット装置に用いられるもので、複数オリフィスのノズルを示した横断面図である。
【図12】図12は、第3の実施形態による超音波ウォータージェット装置に用いられるもので、2本の外側ジェットで回転トルクを発生させる、回転ノズルヘッドを示した横断面図である。
【図13】図13は、傾斜オリフィスを有してなる、回転超音波ノズルを示した横断面図である。
【図14】図14は、図13に対する変形例としての回転超音波ノズルを示した横断面図である。
【図15】図15は、図13に対する別の変形例としての回転超音波ノズルを示した横断面図である。
【図16】図16は、磁気歪トランスデューサを埋設されてなる、超音波ノズルを示した横断面図である。
【図17】図17は、円筒形コアの形態である、磁気歪トランスデューサを示した模式的な横断面図である。
【図18】図18は、磁気歪素子の円筒形コアを備えてなる、超音波ノズルを示した横断面図である。
【図19】図19は、磁気歪素子の管状コアを備えてなる、超音波ノズルを示した横断面図である。
【図20】図20は、静止コイルを備えてなる、回転するツインオリフィスノズルを示した模式的な横断面図である。
【図21】図21は、スイベルを備えてなる回転するツインオリフィスノズルを示した模式的な横断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波ウォータージェット装置であって、この装置が、
a)発電モジュールであって、この発電モジュールが、
i)高周波電気パルスを発生して、これを伝達する超音波発電機と、
ii)超音波発電機を制御するための制御ユニットと、
iii)高圧水の供給源に結合された高圧水入口と、
iv)高圧水入口に結合された高圧水出口と、を備え、
b)高圧水出口に結合された高圧水ホースと、
c)高圧水ホースに結合されたガンであって、ガンは超音波ノズルを有し、超音波ノズルは超音波発電機からの高周波電気パルスを受けるトランスデューサを備え、トランスデューサは、電気パルスを振動へと変換し、該振動はノズルを流れるウォータージェットをパルス状とし、パルス化された弾丸状の水によるウォータージェットを創り出し、それぞれの水の弾丸が目的物の表面にウォーターハンマーの圧力を加えられるような上記ガンと、
を備えていることを特徴とする超音波ウォータージェット装置。
【請求項2】
トランスデューサは磁気歪素材から作られたピエゾ磁気トランスデューサであることを特徴とする請求項1に記載の超音波ウォータージェット装置。
【請求項3】
磁気歪素材はTerfenol(登録商標)の合金であることを特徴とする請求項2に記載の超音波ウォータージェット装置。
【請求項4】
ピエゾ磁気トランスデューサは、コイルとバイアス磁石との中に設けられた、円筒形のコアであることを特徴とする請求項3に記載の超音波ウォータージェット装置。
【請求項5】
ピエゾ磁気トランスデューサは、コイルとバイアス磁石との中に設けられた、管状のコアであることを特徴とする請求項3に記載の超音波ウォータージェット装置。
【請求項6】
トランスデューサはピエゾ圧電トランスデューサであることを特徴とする請求項1に記載の超音波ウォータージェット装置。
【請求項7】
装置がさらに、連続的なウォータージェットをパルス状のウォータージェットに変化させるべく、超音波発電機を動作させるためのトリガーを備えていることを特徴とする請求項1に記載の超音波ウォータージェット装置。
【請求項8】
トリガーはガンに設けられていることを特徴とする請求項7に記載の超音波ウォータージェット装置。
【請求項9】
ガンは手持ち式になっていることを特徴とする請求項8に記載の超音波ウォータージェット装置。
【請求項10】
発電モジュールは、車輪上に搭載されていて、移動可能になっていることを特徴とする請求項1に記載の超音波ウォータージェット装置。
【請求項11】
発電モジュールは、高圧水入口と高圧水出口との間に設けられた水ダンプバルブと、ガンに設けたダンプバルブトリガーから伝達された信号に応じて、水ダンプバルブを開閉するアクチュータとをさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の超音波ウォータージェット装置。
【請求項12】
アクチュータはソレノイドであることを特徴とする請求項11に記載の超音波ウォータージェット装置。
【請求項13】
超音波発電機からトランスデューサへ電気パルスを伝えるための超音波信号ケーブルをさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の超音波ウォータージェット装置。
【請求項14】
トランスデューサを冷却するための圧縮空気を提供する圧縮空気ホースをさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の超音波ウォータージェット装置。
【請求項15】
超音波信号ケーブルは、圧縮空気ホースの中に収容されていることを特徴とする請求項14に記載の超音波ウォータージェット装置。
【請求項16】
発電モジュールはさらに、圧縮空気入口と圧縮空気出口とを備え、圧縮空気出口は圧縮空気ホースに結合されていることを特徴とする請求項14に記載の超音波ウォータージェット装置。
【請求項17】
高圧水ホースは、耐摩耗性のナイロンスリーブによって覆われていることを特徴とする請求項1に記載の超音波ウォータージェット装置。
【請求項18】
超音波ノズルは、単一の出口オリフィスを有していることを特徴とする請求項1に記載の超音波ウォータージェット装置。
【請求項19】
超音波ノズルは、複数の出口オリフィスを有していることを特徴とする請求項1に記載の超音波ウォータージェット装置。
【請求項20】
超音波ノズルは、さらに回転ノズルヘッドを有していることを特徴とする請求項1に記載の超音波ウォータージェット装置。
【請求項21】
回転ノズルは、ノズル内の水圧を用いた自己回転式になっていることを特徴とする請求項20に記載の超音波ウォータージェット装置。
【請求項22】
超音波ノズルは、回転ノズルヘッドの角速度を低めるために、回転ダンパーをさらに備えていることを特徴とする請求項21に記載の超音波ウォータージェット装置。
【請求項23】
超音波ノズルはさらに、自己回転式の回転ノズルヘッドにトルクを与えるべく、ウォータージェットに連通してなる一対の外側ジェットを備えていることを特徴とする請求項22に記載の超音波ウォータージェット装置。
【請求項24】
単一の傾斜した出口オリフィスを備えていることを特徴とする請求項23に記載の超音波ウォータージェット装置。
【請求項25】
複数の傾斜した出口オリフィスを備えていることを特徴とする請求項22に記載の超音波ウォータージェット装置。
【請求項26】
複数の傾斜した出口オリフィスは、自己回転式の回転ノズルヘッドにトルクを与えることを特徴とする請求項25に記載の超音波ウォータージェット装置。
【請求項27】
トランスデューサは、ウォータージェットのパルスによって速度変換器として機能する微小突端部をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の超音波ウォータージェット装置。
【請求項28】
微小突端部は、段付きシリンダであることを特徴とする請求項27に記載の超音波ウォータージェット装置。
【請求項29】
微小突端部はチタン合金から作られていることを特徴とする請求項28に記載の超音波ウォータージェット装置。
【請求項30】
微小突端部は、トランスデューサに結合するためのスタブと、ウォータージェットに接触して、これを変調させるためのステムと、スタブとステムとの間に設けられるフランジと、を備え、フランジは、微小突端部における定在波の振幅がゼロになる節面を形成していることを特徴とする請求項27に記載の超音波ウォータージェット装置。
【請求項31】
微小突端部は、トランスデューサをウォータージェットから隔離すべく、節面にOリングシールをさらに備えていることを特徴とする請求項30に記載の超音波ウォータージェット装置。
【請求項32】
Oリングシールの公称硬度は、少なくとも85デュロメータであることを特徴とする請求項31に記載の超音波ウォータージェット装置。
【請求項33】
超音波ウォータージェット装置において用いる超音波ノズルであって、この超音波ノズルが、高周波電気パルスを機械的振動に変換し、この振動がノズルを流れるウォータージェットをパルス化するようなトランスデューサを備え、パルス化された弾丸状の水を創り出し、それぞれの水の弾丸が目的物の表面にウォーターハンマーの圧力を加え、トランスデューサは、トランスデューサをウォータージェットから隔離するためのシールを備えた微小突端部を具備し、シールは、微小突端部に沿った定在波の振幅がゼロになる節面に配置されていることを特徴とする超音波ノズル。
【請求項34】
微小突端部は、段付きシリンダであることを特徴とする請求項33に記載の超音波ノズル。
【請求項35】
微小突端部はチタン合金から作られていることを特徴とする請求項34に記載の超音波ノズル。
【請求項36】
超音波ウォータージェット装置で用いるための超音波ノズルであって、超音波ノズルが、高周波電気パルスを機械的振動に変換し、もってノズルを流れるウォータージェットをパルス化するようなトランスデューサと、パルス化された弾丸状のウォータージェットを創り出し、それぞれの水の弾丸が目的物の表面にウォーターハンマーの圧力を加え、該ノズルは回転ノズルヘッドを構成していることを特徴とする超音波ノズル。
【請求項37】
回転ノズルヘッドは、ウォータージェットを偏向されて発生するトルクによって自己回転式になっていることを特徴とする請求項36に記載の超音波ノズル。
【請求項38】
回転ノズルヘッドは2つの外側ジェットを有していることを特徴とする請求項37に記載の超音波ノズル。
【請求項39】
回転ノズルヘッドは、回転ノズルヘッドの角速度を制限するために、ダンパーをさらに備えていることを特徴とする請求項37に記載の超音波ノズル。
【請求項40】
超音波パルス化されたウォータージェットを用いて切断する方法であって、この方法が、
a)ノズルに高圧の連続したウォータージェットの流れを押し流す段階と、
b)高周波電気パルスを発生させる段階と、
c)高周波電気パルスをトランスデューサへ伝達する段階と、
d)高周波電気パルスを機械的な振動に変換する段階と、
e)高圧で連続したウォータージェットの流れをパルス化して、個々に分割されたウォータージェットの水の弾丸にパルス化し、それぞれの水の弾丸が目的物の表面にウォーターハンマーの圧力を加える段階と、
f)パルス化されたウォータージェットを切断すべき素材に向ける段階と、
を備えていることを特徴とする方法。
【請求項41】
超音波パルス化されたウォータージェットを用いて洗浄する方法であって、この方法が、
a)ノズルに高圧の連続したウォータージェットの流れを押し流す段階と、
b)高周波電気パルスを発生させる段階と、
c)高周波電気パルスをトランスデューサへ伝達する段階と、
d)高周波電気パルスを機械的な振動に変換する段階と、
e)高圧で連続したウォータージェットの流れをパルス化して、個々に分割されたウォータージェットの水の弾丸にパルス化し、それぞれの水の弾丸が目的物の表面にウォーターハンマーの圧力を加える段階と、
f)パルス化されたウォータージェットを洗浄すべき素材に向ける段階と、
を備えていることを特徴とする方法。
【請求項42】
回転ノズルヘッドを自己回転させて、パルス化されたウォータージェットを広い面積に吹き付ける段階を備えていることを特徴とする請求項41に記載の洗浄方法。
【請求項43】
パルス化されたウォータージェットを複数のサブウォータージェットに分割し、サブウォータージェットを広い面積に吹き付ける段階を備えていることを特徴とする請求項41に記載の洗浄方法。
【請求項44】
超音波パルス化されたウォータージェットを用いてばり取りする方法であって、この方法が、
a)ノズルに高圧の連続したウォータージェットの流れを押し流す段階と、
b)高周波電気パルスを発生させる段階と、
c)高周波電気パルスをトランスデューサへ伝達する段階と、
d)高周波電気パルスを機械的な振動に変換する段階と、
e)高圧で連続したウォータージェットの流れをパルス化して、個々に分割されたウォータージェットの水の弾丸にパルス化し、それぞれの水の弾丸が目的物の表面にウォーターハンマーの圧力を加える段階と、
f)パルス化されたウォータージェットをばり取りすべき素材に向ける段階と、
を備えていることを特徴とする方法。
【請求項45】
超音波パルス化されたウォータージェットを用いて表面コーティングを除去する方法であって、この方法が、
a)ノズルに高圧の連続したウォータージェットの流れを押し流す段階と、
b)高周波電気パルスを発生させる段階と、
c)高周波電気パルスをトランスデューサへ伝達する段階と、
d)高周波電気パルスを機械的な振動に変換する段階と、
e)高圧で連続したウォータージェットの流れをパルス化して、個々に分割されたウォータージェットの水の弾丸にパルス化し、それぞれの水の弾丸が目的物の表面にウォーターハンマーの圧力を加える段階と、
f)パルス化されたウォータージェットを表面コーティングを除去すべき表面に向ける段階と、
を備えていることを特徴とする方法。
【請求項46】
回転ノズルヘッドを自己回転させて、パルス化されたウォータージェットを広い面積に吹き付ける段階を備えていることを特徴とする請求項45に記載の方法。
【請求項47】
パルス化されたウォータージェットを複数のサブウォータージェットに分割し、サブウォータージェットを広い面積に吹き付ける段階を備えていることを特徴とする請求項45に記載の洗浄方法。
【請求項48】
超音波パルス化されたウォータージェットを用いて岩状の材料を破壊する方法であって、この方法が、
a)ノズルに高圧の連続したウォータージェットの流れを押し流す段階と、
b)高周波電気パルスを発生させる段階と、
c)高周波電気パルスをトランスデューサへ伝達する段階と、
d)高周波電気パルスを機械的な振動に変換する段階と、
e)高圧で連続したウォータージェットの流れをパルス化して、個々に分割されたウォータージェットの水の弾丸にパルス化し、それぞれの水の弾丸が目的物の表面にウォーターハンマーの圧力を加える段階と、
f)パルス化されたウォータージェットを破壊すべき岩状の材料に向ける段階と、
を備えていることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公表番号】特表2007−523751(P2007−523751A)
【公表日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−510080(P2005−510080)
【出願日】平成15年11月3日(2003.11.3)
【国際出願番号】PCT/CA2003/001683
【国際公開番号】WO2005/042177
【国際公開日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【出願人】(506155576)ヴィーエルエヌ アドヴァンスト テクノロジーズ インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】