説明

超音波カッター

【課題】 カッター刃で加工をするときに、ハンドピースでカッター刃に必要以上の力を加えることによって、カッター刃を折ったり、カッター刃を欠いたりして破損する場合があるという問題があった。
【解決手段】 ランジュバン型振動子1の一端にカッターホルダー1aが装着され、このカッターホルダー1aにカッター刃2が装着され、ランジュバン型振動子1の後端に圧電体振動子3がハンドピース4との間に装着され、ハンドピース4は、図2に示すように、ランジュバン型振動子1を覆い、先端からカッター刃2が突出するように装着され、又、圧電体振動子3の出力電圧は判定回路5に入力され、判定回路5の出力はハンドピース4のカッター刃2の近傍に装着された警告灯6に出力され、さらに、判定回路5は発振回路7から電力を印加され、発振回路7の出力はランジュバン型振動子1の圧電素子8,9に入力されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ランジュバン型振動子の一端にカッターホルダーを具備し、カッターホルダーにカッター刃を挿入固定し、このカッター刃の破損を警告する警告灯を備えた超音波カッターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ランジュバン型振動子にカッター刃を保持するカッターホルダーを装着し、ハンドピースでランジュバン型振動子を保持し、ハンドピースの先端からカッターを突出させ、ランジュバン型振動子に発振出力を印加して、カッター刃に超音波振動を伝達することにより、超音波振動するカッター刃によって切れ味がよくなるようにした超音波カッターが提案されている。
【0003】
しかしながら、従来の超音波カッターでは、カッター刃で加工をするときに、ハンドピースでカッター刃に必要以上の力を加えることによって、カッター刃を折ったり、カッター刃を欠いたりして破損する場合があるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−71789
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする問題点は、カッター刃で加工をするときに、ハンドピースでカッター刃に必要以上の力を加えることによって、カッター刃を折ったり、カッター刃を欠いたりして破損する場合があるということである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ランジュバン型振動子の一端に接続されたホーンの先端にカッターホルダーが装着され、該カッターホルダーにカッター刃が装着され、先端よりカッターを突出させたハンドピースと、該ハンドピースの先端の前記カッター刃の近傍に装着された警告灯と、前記ランジュバン型振動子の後端に接続して、前記ランジュバン型振動子の押圧力を検出するなるセンサと、該センサからの出力を受信し、前記センサからの出力が予め定められた第1の閾値より高くなったときに、前記警告灯を点灯する点灯信号を出力する判別回路と、前記超音波カッター本体の前記ランジュバン型振動子に発振出力を印加する発振回路とからなるものであり、又、前記センサは圧電素子からなるものであり、さらに、前記センサからの出力が予め定められた第2の閾値より高くなったときに、前記発振回路からの出力を遮断する停止機能を前記判定回路に設けるものであり、又、前記警告灯は赤、青、紫、白の何れかの発光色を発生するLEDであり、さらに、前記ハンドピースの前記カッター刃の近傍に導光材を装着し、前記警告灯をハンドピースの内部に装着して、前記警告灯の発光を前記導光材に誘導して発光するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の超音波カッターは、ランジュバン型振動子の一端に装着したカッターホルダーにカッター刃を装着したカッター本体をハンドピースに装着し、カッター刃の近傍のハンドピースに警告灯を装着し、カッター本体のランジュバン型振動子の他端とハンドピースの間にセンサを装着し、超音波カッターを使用する時にカッター刃に力が加わった時、この力をカッター本体の後端に装着したセンサで検出し、センサの出力が予め決められた閾値以上の出力が発生したとき、その出力を判定回路で検出し、警告灯を点灯して警告することにより、カッター刃を欠いたり、ハンドピースの破損を防ぐことができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施例の超音波カッターの構成図である。
【図2】本発明の実施例の超音波カッターの側面図である。
【図3】センサにより検出した信号の波形を示した図である。
【図4】本発明の他の実施例の超音波カッターの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明では、超音波カッターの先端のカッター刃近傍に警告灯を装着し、カッター刃にかかる負荷をランジュバン型振動子の後端に装着したセンサで検出し、このセンサで検出した信号が予め設定した第1の閾値以上になったとき、警告灯を点灯して警告し、第2の閾値以上になったとき、発振回路を停止するものである。
【実施例1】
【0010】
図1は本発明の実施例の超音波カッターの構成図で、ランジュバン型振動子1の一端にホーン1aにカッターホルダー1bが装着され、このカッターホルダー1bにカッター刃2が装着され、ランジュバン型振動子1の後端に圧電体振動子からなるセンサ3がハンドピース4との間に装着され、ハンドピース4は図2に示すように、ランジュバン型振動子1及びセンサ3を覆い、先端からカッター刃2が突出するように装着され、又、センサ3の出力電圧は判定回路5に入力され、判定回路5の出力はハンドピース4のカッター刃2の近傍に装着された警告灯6に出力され、さらに、判定回路5は発振回路7から電力を印加され、発振回路7の出力はランジュバン型振動子1の圧電素子8,9に入力されている。
【0011】
このように構成された本実施例の超音波カッターでは、プラグ10を商用電源に差し込み、発振回路7に接続されたフットペダル11を踏むことによって発振回路7を駆動し、発振回路7からの発振出力をランジュバン型振動子1の圧電素子8,9に入力することにより、カッター刃2が駆動されるので、カッター刃2を加工具として使用することができるが、このカッター刃2を使用すると、ランジュバン型振動子1の後端に装着したセンサ3に押圧力が加わることにより、センサ3から図3に示すような信号波形Aが発生するので、この信号波形Aを判定回路5で監視し、信号波形Aが信号波形A1で示すように、予め決められた閾値B1を越えた場合に、判定回路5から警告灯6に警告信号を出力することにより、警告灯6が点灯するので、この警告灯6の点灯で、作業者は警告灯6が点灯する程の力をカッター刃2に加えることが無くなり、カッター刃2の破損を防ぐことができる。
【0012】
又、図3において、信号波形Aが信号波形A2に示すように、閾値B2を越えた場合は、判定回路5から発振回路7に停止信号を発生することにより、発振回路7からの発振信号が停止され、ランジュバン型振動子1の圧電素子8,9の振動が停止される。
【実施例2】
【0013】
図4は本発明の他の実施例の超音波カッターの斜視図で、2はカッター刃、3はハンドピース、6は警告灯で、これらの構成は上記実施例と同じであるので、説明は省略するが、本実施例では、警告灯6はハンドピース4の中に装着され、カッター刃2の近傍のハンドピース4の周囲に導光材12が装着され、この導光材12に接続された発光材12aが警告灯6の前面に設けられている。
【0014】
このように構成された本実施例の超音波カッターでは、ハンドピース4を持って、カッター刃2で加工する場合、カッター刃2に無理な力が加わると、警告灯6に警告信号が入力され、警告灯6が発光すると、導光材12に警告灯6からの発光が発光材12aを介して誘導され、導光材12が発光するので、作業者はカッター刃2に無理な力を加えることなく作業することができ、カッター刃2の破損を防ぐことができる。
【産業上の利用可能性】
【0015】
なお、上記実施例では、超音波カッターの破損を防ぐように警告灯を点灯したが、カッター刃以外に他の負荷に対しても警告灯を点灯するようにしてもよいし、又、上記実施例では、フットペダル11を使用するようにしているが、フットペダルを他のスイッチにしてもよいし、さらに、ランジュバン型振動子1の一端にホーン1aを装着するようにしたが、ランジュバン型振動子14の一方の金属とホーン1aを一体に構成するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0016】
1 ランジュバン型振動子
1a カッターホルダー
2 カッター刃
3 センサ
4 ハンドピース
5 判定回路
6 警告灯
7 発振回路
8,9 圧電素子
10 プラグ
11 フットペダル
12 導光材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランジュバン型振動子の一端に接続されたホーンの先端にカッターホルダーが装着され、該カッターホルダーにカッター刃が装着され、先端よりカッターを突出させたハンドピースと、該ハンドピースの先端の前記カッター刃の近傍に装着された警告灯と、前記ランジュバン型振動子の後端に接続して、前記ランジュバン型振動子の押圧力を検出するなるセンサと、該センサからの出力を受信し、前記センサからの出力が予め定められた第1の閾値より高くなったときに、前記警告灯を点灯する点灯信号を出力する判別回路と、前記超音波カッター本体の前記ランジュバン型振動子に発振出力を印加する発振回路とからなることを特徴とする超音波カッター。
【請求項2】
前記センサは圧電素子からなることを特徴とする請求項1記載の超音波カッター。
【請求項3】
前記センサからの出力が予め定められた第2の閾値より高くなったときに、前記発振回路からの出力を遮断する停止機能を前記判定回路に設けることを特徴とする請求項1記載の超音波カッター。
【請求項4】
前記警告灯は赤、青、紫、白の何れかの発光色を発生するLEDであることを特徴とする請求項1記載の超音波カッター。
【請求項5】
前記ハンドピースの前記カッター刃の近傍に導光材を装着し、前記警告灯をハンドピースの内部に装着して、前記警告灯の発光を前記導光材に誘導して発光することを特徴とする請求項1記載の超音波カッター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−45640(P2012−45640A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−187665(P2010−187665)
【出願日】平成22年8月24日(2010.8.24)
【出願人】(000243364)本多電子株式会社 (255)