説明

超音波センサーおよび電子機器

【課題】超音波トランスデューサー間に電極から引き出される電極線の本数を少なくできる超音波センサーを提供すること。
【解決手段】超音波センサー10は、センサー基板20上に、二次元配置された複数の超音波トランスデューサー30を備える。センサー基板20は、当該センサー基板を厚み方向に沿って見た平面視において、互いに交差するX軸L1及びY軸L2により分割される領域Ar1〜Ar4を備える。そして、各領域Ar1〜Ar4内において、各超音波トランスデューサー30の下部電極から引き出される各下部電極線334は、X軸L1及びY軸L2の互いに交差する基板中心点Oから離れる方向に延びている直線部分を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波センサーおよび電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、超音波を送受信する超音波トランスデューサーをマトリックス状に配置した二次元アレイ構造の超音波内視鏡が知られている(例えば、特許文献1参照)。
具体的に、特許文献1に記載の超音波トランスデューサーは、圧電素子を個別電極及び共通電極で挟んで構成されている。そして、この超音波トランスデューサーは、円周方向及び幅方向に沿って、半円周状にそれぞれ並べられて、配置されている。
【0003】
特許文献1では、超音波トランスデューサーを円周方向に15行、幅方向に5列配置するアレイを、円周方向に沿って12組配置している。この構成において、各超音波トランスデューサーの各個別電極から列毎に円周方向に沿って、電極線である信号配線が引き出される。この各個別電極から引き出される信号配線は、全て、円周方向に沿う一方向に向かって延びている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−61252号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の超音波トランスデューサーにおいて、各個別電極から引き出される信号配線は、全て、円周方向に沿う一方向に向かって延びているので、各列間には、15本の信号配線が配置されることとなる。
例えば、15行以上に数多くの超音波トランスデューサーを配置した場合には、配置した超音波トランスデューサーの数だけ信号配線が各列間に引き出されることとなる。ところで、各列間のスペースには制約があり、数多くの超音波トランスデューサーを配置した場合には、各列間のスペースにおいて、信号配線が複雑化するという問題がある。
【0006】
本発明は、超音波トランスデューサー間に電極から引き出される電極線の本数を少なくできる超音波センサーおよび電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の超音波センサーは、センサー基板と、前記センサー基板上に二次元配置される複数の超音波トランスデューサーを有し、前記センサー基板は、当該センサー基板を厚み方向に沿って見た平面視において、互いに交差する少なくとも2つの分割仮想線により分割される複数の領域を備え、前記複数の超音波トランスデューサーの各々は、第1電極を備え、前記複数の領域の各領域内において、前記複数の超音波トランスデューサーの各第1電極を始点とする各第1電極線が、前記分割仮想線の交点から離れる方向に延びている直線部分を有することを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、センサー基板は、少なくとも互いに交差する2つの分割仮想線により分割された複数の領域を備える。そして、各領域内において、超音波トランスデューサーが備える第1電極を始点として配線される各第1電極線は、前記分割仮想線の交点から離れる方向に延びている直線部分を有する。
これによれば、各領域内において、各第1電極線は、交点から離れる方向に延びている直線部分を有するので、分割仮想線を跨いで他の領域に向けて引き出されることがない。すなわち、分割仮想線により、センサー基板を複数の領域に分割し、各領域内において、第1電極線は各領域間を跨がないように、第1電極から引き出されている。従って、従来のように、センサー基板を分割することなく、第1電極線を同じ方向のみに引き出す場合と比べて、各領域内において、超音波トランスデューサー間に引き出される第1電極線の本数を少なくできる。
【0009】
本発明では、前記複数の領域の各領域内において、前記各第1電極線の直線部分は、所定の方向に沿って延びていることが好ましい。
本発明によれば、各領域内に配置された第1電極線の直線部分は、所定の方向に沿って延びているので、互いにほぼ平行に配置することができる。このため、たとえば、複数の超音波トランスデューサーがマトリクス状に二次元配置されている場合に、超音波トランスデューサーの配列方向に沿って、各第1電極線の直線部分を配置することで、各超音波トランスデューサーの間に配置される配線数も均等にできる。このため、配線レイアウトの設計も容易に行え、超音波トランスデューサーや第1電極線の製造も容易に行うことができる。
【0010】
本発明では、前記第1電極線は、前記各超音波トランスデューサー間において、前記各超音波トランスデューサーの各第1電極から引き出される直線状の引出部と、前記引出部と交差する直線に沿って前記引出部から延びる配線部と、を備え、前記直線部分は前記配線部であることが好ましい。
【0011】
本発明によれば、第1電極線は、引出部と配線部を備えているので、配線部を引出部の長さ分だけ第1電極から離れた位置に配置できる。このため、一方向に並んでいる複数の超音波トランスデューサーの第1電極から引き出される前記引出部の長さをそれぞれ異ならせることで、各配線部を前記一方向に沿ってかつ互いにほぼ平行に配線することができ、配線レイアウトの設計も容易に行え、超音波トランスデューサーや第1電極線の製造も容易に行うことができる。
【0012】
本発明では、前記少なくとも2つの分割仮想線は、第1分割仮想線と第2分割仮想線とを含み、前記複数の超音波トランスデューサーは、前記第1分割仮想線および前記第2分割仮想線に沿って二次元配置され、前記センサー基板は、当該センサー基板を厚み方向に沿って見た平面視において、互いに交差する前記第1分割仮想線および前記第2分割仮想線により分割される4つの領域を備え、前記各領域内において、前記各第1電極線の前記直線部分は、前記第1分割仮想線に沿う方向に延びていることが好ましい。
【0013】
ここで、4つ以上の領域で分割した場合には、各領域内において、超音波トランスデューサー間に引き出される第1電極線の本数をさらに少なくできる。しかし、例えば、正方形状のセンサー基板を用いて、3×3に9分割した場合には、中央部分に形成される領域は周囲を他の領域に囲まれている。このため、中央部分の領域に配置された超音波トランスデューサーの第1電極線は分割仮想線を跨いで、他の領域に引き出さざるを得ない状況となる。この場合には、中央部分の領域から第1電極線が分割仮想線を跨いで別の領域に引き出されるため、分割する領域数を多くしても、各領域内において超音波トランスデューサー間に引き出される第1電極線の本数は、少なくできない。
本発明によれば、センサー基板を互いに交差する2つの分割仮想線によって、4つの領域に分割している。これによれば、4分割することで、上述したような例えば、9分割の構成において、中央部分に形成される領域が生じることなく、各領域内において、超音波トランスデューサー間に引き出される第1電極線の本数を確実に少なくでき、分割する領域数を多くした場合での第1電極線の引き出し方向の煩雑化を防止できる。
【0014】
本発明では、前記第1分割仮想線および第2分割仮想線は、互いに直交していることが好ましい。
ここで、第1分割仮想線をX軸、第2分割仮想線をY軸に設定することができる。この場合、前記複数の超音波トランスデューサーは、X軸およびY軸に沿って二次元配置され、前記各第1電極線の前記直線部分は、前記X軸に沿って延びている。
【0015】
本発明によれば、例えば、第2分割仮想線(Y軸)を挟んだ2つの領域において、第1分割仮想線(X軸)に沿って延びる第1電極線が、Y軸を跨いでY軸方向に引き出されることがない。同様に、X軸を挟んだ2つの領域において、Y軸に沿って延びる第1電極線がX軸を跨いでX軸方向に引き出されることがない。すなわち、第1電極から引き出される各第1電極線が、それぞれX軸及びY軸を跨いで他の領域に引き出されることがなく、各領域内において、超音波トランスデューサー間に引き出される第1電極線の本数を少なくできる。
【0016】
本発明では、前記複数の超音波トランスデューサーの各々は、さらに第2電極を備え、前記各領域内において、前記各第2電極のうちの少なくとも2つの第2電極の間を接続する第2電極線は、前記第1分割仮想線に沿う方向に延在し、かつ第2分割仮想線に沿って配置される共通電極線に接続されていることが好ましい。
【0017】
ところで、上述した従来の構成では、各超音波トランスデューサーの各共通電極から引き出された配線を行毎に設けた共通電極線にそれぞれ接続している。すなわち、行毎に共通電極線を設ける必要があり、共通電極線の本数が多くなり、構造が複雑化する。
本発明によれば、共通電極線には、第1分割仮想線に沿う方向に延在する第2電極線がそれぞれ接続され、この共通電極線は、第2分割仮想線に沿って配置されているのみである。従って、共通電極線の本数を従来の構成に比べて大幅に減らすことができ、構成を簡素化できる。
また、第1電極線は、分割仮想線の交点から離れる第1分割仮想線に沿った方向に延び、共通電極線は、第2分割仮想線に沿うので、第1電極線と共通電極線との接触を防止できる。
【0018】
本発明では、前記第2電極線は、前記各超音波トランスデューサーから前記第1分割仮想線に沿う方向に直線状に延び、前記第1分割仮想線に沿う方向に沿って配設される前記各超音波トランスデューサーの各第2電極を互いに接続し、前記第1電極線は、前記各超音波トランスデューサー間において、前記各超音波トランスデューサーの各第1電極から前記第2分割仮想線に沿う方向に引き出される引出部と、前記引出部から前記第1分割仮想線に沿う方向に延びる配線部と、を備えることが好ましい。
【0019】
本発明によれば、第1電極線の引出部は、各超音波トランスデューサー間において、第2分割仮想線に沿う方向に引き出され、配線部は、引出部の先端から第1分割仮想線に沿う方向に延びている。また、第2電極線は、第1分割仮想線に沿う方向に直線状に延びている。これによれば、配線部は、引出部によって、第2電極線とは離れた位置で第1分割仮想線に沿う方向に延びているので、第2電極線と交差することがない。従って、第1電極線と第2電極線とが接触することによる第1電極および第2電極のショートを確実に防止できる。
【0020】
本発明では、前記第1電極線の前記引出部は、前記各超音波トランスデューサーの各第1電極を始点として前記第1分割仮想線から離間する方向に延びていることが好ましい。
【0021】
ここで、第1電極線の引出部の引き出し方向によっては、引出部が分割仮想線に沿って配置された共通電極線と交差するおそれがある。
本発明によれば、第1電極線の引出部は、第1分割仮想線から離間する方向に引き出されるので、共通電極線が第2分割仮想線に沿って配置された場合でも、引出部と共通電極線とが交差することをより確実に防止できる。
【0022】
本発明では、前記センサー基板は、当該センサー基板を厚み方向に沿って見た平面視において、互いに交差する前記第1分割仮想線および前記第2分割仮想線により分割される4つの領域を備え、前記複数の超音波トランスデューサーは、さらに第2電極を備え、かつ前記第1分割仮想線および前記第2分割仮想線の交点を中心する複数の同心円上の位置に配置され、第1分割仮想線に沿って前記センサー基板の外周部から前記第1分割仮想線および前記第2分割仮想線の交点まで延びる共通電極線が配置され、前記各領域内において、前記各超音波トランスデューサーの第1電極から引き出される各第1電極線は、前記第1分割仮想線および前記第2分割仮想線の交点から離れる方向に前記センサー基板の外周部まで延在し、前記第2電極から引き出される各第2電極線は、前記複数の同心円のうちの最も外側の円より内側の領域に延在し、かつ前記第1分割仮想線および前記第2分割仮想線の交点に近づく方向に伸びている直線部分を有することが好ましい。
【0023】
本発明では、超音波トランスデューサーは、たとえば3つの同心円上に配置される。この際、各同心円上の超音波トランスデューサーの配置数は各領域で同数とされる。たとえば、直径が小さい順で、1番目の同心円上には、各領域に1つずつ、計4個の超音波トランスデューサーが配置され、2番目の同心円上には、各領域に2つずつ、計8個の超音波トランスデューサーが配置され、3番目の同心円上には、各領域に3つずつ、計12個の超音波トランスデューサーが配置される。
本発明によれば、前記共通電極線が第1分割仮想線に沿って交点まで延長され、前記第1電極線は、前記交点から離れる方向にセンサー基板の外周部まで延在される。また、前記第2電極線は、複数の同心円のうちの最も外側の円より内側の領域に延在され、かつ前記第1分割仮想線および前記第2分割仮想線の交点に近づく方向に伸びている直線部分を有する。
従って、第1電極線および第2電極線は互いに交差することなく配線される。また、第1電極線は、他の超音波トランスデューサーの第1電極線を介して共通電極線に接続することもでき、配線の引き回しも容易に行うことができる。
【0024】
本発明では、前記2つの分割仮想線の交点は、当該センサー基板を厚み方向に沿って見た平面視において、前記センサー基板の略中心点であることが好ましい。
【0025】
ここで、「センサー基板の略中心点」とは、超音波トランスデューサーを偶数分、二方向に配置した場合には、基板中心点となり、超音波トランスデューサーを奇数分、二方向に配置した場合には、基板中心点からずれた位置で2つの分割仮想線が交差する点となり、この両者を含むものである。
本発明によれば、第1分割仮想線および第2分割仮想線の交点がセンサー基板の略中心点となるので、センサー基板を略均等に4つの領域に分割できる。これによれば、領域毎での超音波トランスデューサー間における第1電極線の本数の偏りを抑制でき、本数を略均等にできる。従って、各領域の大きさが大きく異なる場合には、領域毎に超音波トランスデューサー間のスペースの広さをそれぞれ変更する必要があるが、各領域で本数を略均等にできるので、超音波トランスデューサーをセンサー基板に配置する製造工程を簡素化できる。
【0026】
本発明の超音波センサーは、センサー基板と、前記センサー基板上に、第1方向と該第1方向に交差する第2方向とに沿って二次元配置され、各々が第1電極と第2電極を備える複数の超音波トランスデューサーと、前記第1方向に沿って、かつ前記複数の超音波トランスデューサーの列の間に配置される共通電極線と、前記複数の超音波トランスデューサーの各第1電極を始点とする複数の第1電極線と、前記複数の超音波トランスデューサーのうち前記第2方向に沿って並ぶ少なくとも2つの超音波トランスデューサーの第2電極間を接続する複数の第2電極線と、を有し、前記第1電極線は、前記第2方向に沿い、かつ前記共通電極線から離れる方向に延びている直線部分を有し、前記第2電極線は、前記第2方向に沿って延在し、かつ前記共通電極線に接続することを特徴とする。
【0027】
本発明によれば、センサー基板上に、複数の超音波トランスデューサーが、互いに交差する第1方向および第2方向に沿って二次元に配置されている。そして、第1方向に沿った超音波トランスデューサーの列の間に、第1方向に沿って共通電極線が配置され、第2方向に沿った複数の超音波トランスデューサーの第2電極間を接続する複数の第2電極線は、第2方向に沿って延在して前記共通電極線に接続する。このため、センサー基板上に配置された複数の超音波トランスデューサーの第2電極は、複数の第2電極線を介して1本の共通電極線に接続できる。従って、センサー基板には、前記共通電極線に接続する1つの端子を設ければ、第2電極に電圧を印加することができ、第2電極用の配線や端子数を少なくできる。
また、超音波トランスデューサーの第1電極を始点として配線される各第1電極線は、第2方向に沿い、かつ前記共通電極線から離れる方向に延びている直線部分を有する。
このため、各第1電極線は、共通電極線を跨いで引き出されることがない。従って、従来のように、第1電極線を同じ方向のみに引き出す場合と比べて、超音波トランスデューサー間に引き出される第1電極線の本数を少なくできる。このため、配線レイアウトの設計も容易に行える。
【0028】
本発明において、前記第1電極線は、前記各超音波トランスデューサー間において、前記各超音波トランスデューサーの各第1電極から前記第1方向に沿って引き出される引出部と、前記引出部と交差する直線に沿って前記引出部から延びる配線部と、を備え、前記直線部分は前記配線部であることが好ましい。
【0029】
本発明によれば、第1電極線は、引出部と配線部を備えているので、配線部を引出部の長さ分だけ第1電極から離れた位置に配置できる。このため、一方向に並んでいる複数の超音波トランスデューサーの第1電極から引き出される前記引出部の長さをそれぞれ異ならせることで、各配線部を引出部と交差する直線に沿って、互いにほぼ平行に配線することができ、配線レイアウトの設計も容易に行え、超音波トランスデューサーや第1電極線の製造も容易に行うことができる。
【0030】
本発明において、前記共通電極線に接続される共通電極端子を備え、前記共通電極線の共通電極端子に接続される基端部と、この基端部の反対側である先端部との間に前記第2電極線が接続され、前記共通電極線の途中から前記先端部の間に接続された第2電極線に接続する超音波トランスデューサーの各第1電極から引き出される引出部と、前記共通電極線の途中から前記基端部の間に接続された第2電極線に接続する超音波トランスデューサーの各第1電極から引き出される引出部とは、互いに離れる方向に引き出されていることが好ましい。
【0031】
本発明によれば、超音波トランスデューサーの第2電極線が共通電極線に接続される位置で、複数の超音波トランスデューサーを2つのグループに分け、各グループの超音波トランスデューサーの各第1電極から引き出される引出部を、互いに離れる方向に引き出しているので、第1電極線の配線レイアウトを対称的にできて容易に設計できる。
【0032】
本発明の超音波センサーは、センサー基板と、前記センサー基板上に、第1方向と該第1方向に交差する第2方向とに沿って二次元配置され、各々が第1電極と第2電極を備える複数の超音波トランスデューサーと、前記第1方向に沿って延在し、かつ前記複数の超音波トランスデューサーの列の間に配置される第1共通電極線と、前記第2方向に沿って延在し、かつ前記複数の超音波トランスデューサーの列の間に配置されて前記第1共通電極線に接続する第2共通電極線と、を有し、平面視で、前記第1共通電極線と前記第2共通電極線とによって区分される複数の領域のうちの少なくとも1つの領域は第1配線パターン領域とされ、残りの領域は第2配線パターン領域とされ、前記第1配線パターン領域においては、前記複数の超音波トランスデューサーの各第1電極を始点とする各第1電極線が、前記第2方向に沿い、かつ前記第1共通電極線から離れる方向に延びている直線部分を有し、前記複数の超音波トランスデューサーのうち前記第2方向に沿って並ぶ少なくとも2つの超音波トランスデューサーの第2電極間を接続する第2電極線が、前記第2方向に沿って延在し、かつ前記第1共通電極線に接続し、前記第2配線パターン領域においては、前記複数の超音波トランスデューサーの各第1電極を始点とする各第1電極線が、前記第1方向に沿い、かつ前記第2共通電極線から離れる方向に延びている直線部分を有し、前記複数の超音波トランスデューサーのうちの前記第1方向に沿って並ぶ少なくとも2つの超音波トランスデューサーの第2電極間を接続する第2電極線が、前記第1方向に沿って延在し、かつ前記第2共通電極線に接続する、ことを特徴とする。
【0033】
本発明によれば、第1配線パターン領域および第2配線パターン領域とで、第1電極線の直線部分の延長方向を、第2方向および第1方向と異ならせることができる。このため、さまざまな配線レイアウトで超音波センサーを設計することができる。
【0034】
本発明において、前記第1配線パターン領域においては、前記第1電極線は、前記各超音波トランスデューサー間において、前記各超音波トランスデューサーの各第1電極から前記第1方向に沿って引き出される引出部と、前記引出部と交差する直線に沿って前記引出部から延びる配線部と、を備え、前記直線部分は前記配線部であり、前記第2配線パターン領域においては、前記第1電極線は、前記各超音波トランスデューサー間において、前記各超音波トランスデューサーの各第1電極から前記第2方向に沿って引き出される引出部と、前記引出部と交差する直線に沿って前記引出部から延びる配線部と、を備え、前記直線部分は前記配線部であることが好ましい。
【0035】
本発明においても、第1配線パターン領域および第2配線パターン領域とで、第1電極線の引出部および配線部の方向を異ならせることができる。このため、さまざまな配線レイアウトで超音波センサーを設計することができる。
【0036】
本発明において、前記第1共通電極線に接続される共通電極端子を備え、前記第1共通電極線の共通電極端子に接続される基端部と、この基端部の反対側である先端部との間に前記第2共通電極線が接続され、前記第1共通電極線における第2共通電極線との接続点から前記先端部の間に接続された第2電極線に接続する超音波トランスデューサーの各第1電極から引き出される引出部と、前記第1共通電極線における第2共通電極線との接続点から前記基端部の間に接続された第2電極線に接続する超音波トランスデューサーの各第1電極から引き出される引出部とは、互いに離れる方向に引き出されていることが好ましい。
【0037】
本発明によれば、第1配線パターン領域において、第1電極線の引出部が、第2共通電極線に沿った部分から、互いに離れる方向に引き出しているので、第1配線パターン領域の第1電極線と、第2共通電極線とが交差することをより確実に防止できる。
【0038】
本発明において、前記第2共通電極線における第1共通電極線との接続点から第2共通電極線の一方の端部間に接続された第2電極線に接続する超音波トランスデューサーの各第1電極から引き出される引出部と、前記第2共通電極線における第1共通電極線との接続点から第2共通電極線の他方の端部間に接続された第2電極線に接続する超音波トランスデューサーの各第1電極から引き出される引出部とは、互いに離れる方向に引き出されていることが好ましい。
【0039】
本発明によれば、第2配線パターン領域において、第1電極線の引出部が、第1共通電極線に沿った部分から、互いに離れる方向に引き出しているので、第2配線パターン領域の第1電極線と、第1共通電極線とが交差することをより確実に防止できる。
【0040】
本発明の電子機器は、上述の超音波センサーを備えることを特徴とする。
本発明では、上述の超音波センサーを備えるので、電極線の本数を少なくできる効果を奏する電子機器を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の第1実施形態に係る超音波センサーの概略構成を示す平面図。
【図2】前記第1実施形態に係る超音波トランスデューサーを示す平面図及び断面図。
【図3】前記第1実施形態に係る超音波トランスデューサーの配線構造を拡大して示す平面図。
【図4】前記第1実施形態に係る超音波センサーの回路図。
【図5】本発明の第2実施形態に係る超音波トランスデューサーの配線構造を拡大して示す平面図。
【図6】本発明の第3実施形態に係る超音波トランスデューサーの配線構造を拡大して示す平面図。
【図7】本発明の第4実施形態に係る超音波トランスデューサーの配線構造を拡大して示す平面図。
【図8】本発明の第5実施形態に係る超音波トランスデューサーの配線構造を拡大して示す平面図。
【図9】本発明の第6実施形態に係る超音波トランスデューサーの配線構造を拡大して示す平面図。
【図10】本発明の第7実施形態に係る超音波トランスデューサーの配線構造を拡大して示す平面図。
【図11】本発明の第8実施形態に係る超音波センサーの概略構成を示す平面図。
【図12】本発明の第9実施形態に係る超音波トランスデューサーの配線構造を拡大して示す平面図。
【図13】超音波トランスデューサーの配線構造の変形例を示す平面図。
【図14】本発明の電子機器である生体測定装置の一例を示す概略斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0042】
[第1実施形態]
以下、本発明に係る第1実施形態を図面に基づいて説明する。
[超音波センサーの概略構成]
図1は、本実施形態に係る超音波センサー10の概略構成を示す平面図である。
超音波センサー10は、センサー基板20上に実装される複数の超音波トランスデューサー30を備える。この超音波センサー10は、図1に示すように、センサー基板20上に複数の超音波トランスデューサー30を水平方向(X軸L1)及び垂直方向(Y軸L2)に沿って均等間隔に配置されたマトリクス状の二次元アレイ構造に構成されている。本実施形態では、Y軸L2に沿った垂直方向を第1方向とし、X軸L1に沿った水平方向を第2方向としている。
【0043】
センサー基板20は、略矩形状に形成され、例えばシリコン(Si)などの半導体形成素材により形成される。このセンサー基板20は、当該基板20の厚み方向に見る平面視において、基板中心点O(交点、基板略中心点)を通り、互いに直交するX軸L1(第1分割仮想線)及びY軸L2(第2分割仮想線)により分割される4つの領域(第1領域Ar1、第2領域Ar2、第3領域Ar3、及び第4領域Ar4)を有する。
【0044】
[超音波トランスデューサーの構成]
ここで、超音波トランスデューサー30の概略構成について説明する。図2は、本実施形態の超音波トランスデューサー30の概略構成を示す平面図、および断面図である。
超音波トランスデューサー30は、図4に示す送受信回路40からの信号に基づいて超音波を送信する素子であり、また、被検出体等で反射された超音波を受信して電気信号に変換し、送受信回路40に出力する素子である。
超音波トランスデューサー30は、図2に示すように、開口部31Aが形成された支持部31と、支持部31上を覆い、開口部31Aを閉塞する支持膜32と、支持膜32上に形成される圧電体33とを備えている。
【0045】
支持部31は、センサー基板20の超音波トランスデューサー30の配置位置に形成される部分である。また、支持部31に形成される開口部31Aは、例えば、平面視で円形状に形成されている。これにより、開口部31Aの内側の支持膜32であるダイアフラム321において、ダイアフラム321の撓みに対する応力を均一にすることができる。
【0046】
支持膜32は、支持部31上で、開口部31Aを閉塞する状態に成膜されている。この支持膜32は、例えばSiO層32AとZrO層32Bとの2層構造により構成されている。ここで、SiO層32Aは、支持部31がSi基板である場合、基板表面を熱酸化処理することで成膜することができる。また、ZrO層32Bは、SiO層32A上に例えばスパッタリングなどの手法により成膜される。ここで、ZrO層32Bは、圧電膜332として例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛:lead zirconate titanate)を用いる場合に、PZTを構成するPbがSiO層32Aに拡散することを防止するための層である。また、ZrO層32Bは、圧電体33の歪みに対する撓み効率を向上させるなどの効果もある。
【0047】
圧電体33は、支持膜32の上層に積層される下部電極331(第1電極)と、下部電極331上に形成される圧電膜332と、圧電膜332上に形成される上部電極333(第2電極)とを備えている。
また、下部電極331には、図1及び図2に示すように支持膜32上のY軸方向に沿って下部電極線334(第1電極線)が引き出されている。また、上部電極333には、支持膜32上のX軸方向に沿って上部電極線335(第2電極線)が引き出されている。
【0048】
圧電膜332は、例えばPZTを膜状に成膜することで形成される。なお、本実施形態では、圧電膜332としてPZTを用いるが、電圧を印加することで、面内方向に収縮することが可能な素材であれば、いかなる素材を用いてもよく、例えばチタン酸鉛(PbTiO)、ジルコン酸鉛(PbZrO)、チタン酸鉛ランタン((Pb、La)TiO)などを用いてもよい。
【0049】
このような超音波トランスデューサー30では、下部電極331と、上部電極333とに電圧を印加することで、圧電膜332が面内方向に伸縮する。このとき、圧電膜332の一方の面は、下部電極331を介して支持膜32に接合される。圧電膜332の他方の面には、上部電極333が形成されるものの、この上部電極333上には他の層が積層形成されない。従って、圧電膜332は、支持膜32側が伸縮しにくく、上部電極333側が伸縮し易くなる。このため、圧電膜332に電圧を印加すると、開口部31A側に凸となる撓みが生じ、ダイアフラム321を撓ませる。したがって、圧電膜332に交流電圧を印加することで、ダイアフラム321が膜厚方向に対して振動し、このダイアフラム321の振動により超音波が出力される。
また、超音波トランスデューサー30は、被検出体により反射された超音波をダイアフラム321で受信することでダイアフラム321が膜厚方向に振動する。超音波トランスデューサー30では、このダイアフラム321の振動により、圧電膜332の下部電極331側の面と上部電極333側の面とで電位差が発生し、上部電極333および下部電極331から圧電膜332の変位量に応じた電気信号(電流)が出力される。
【0050】
[超音波トランスデューサーの配置構成]
図3は、図1に示す超音波センサー10の一部を拡大して、超音波トランスデューサー30の配線構造を示す平面図である。
第1領域Ar1において、各超音波トランスデューサー30の下部電極331から引き出される下部電極線334は、下部電極331からY軸L2に沿って+Y軸方向側(第2分割仮想線に平行な方向)に延びる引出部3341と、引出部3341の先端からX軸L1に沿って−X軸方向側(第1分割仮想線に平行な方向)に延びる配線部3342とを備える。
第2領域Ar2において、下部電極線334は、Y軸L2に沿って+Y軸方向側(第2分割仮想線に平行な方向)に延びる引出部3341と、引出部3341の先端からX軸L1に沿って+X軸方向側(第1分割仮想線に平行な方向)に延びる配線部3342とを備える。
なお、第1領域Ar1及び第2領域Ar2において、下部電極線334の引出部3341は、それぞれX軸L1から離間する方向に引き出されていたが、本実施形態のように、後述する共通電極線336がX軸L1に沿って形成されていない場合には、引出部3341をX軸L1に向けて引き出してもよい。
【0051】
第3領域Ar3において、下部電極線334は、Y軸L2に沿って−Y軸方向側に延びる引出部3341と、引出部3341の先端からX軸L1に沿って−X軸方向側に延びる配線部3342とを備える。
第4領域Ar4において、下部電極線334は、Y軸L2に沿って−Y軸方向側に延びる引出部3341と、引出部3341の先端からX軸L1に沿って+X軸方向側に延びる配線部3342とを備える。
【0052】
また、上部電極線335は、各超音波トランスデューサー30の上部電極333を互いに接続し、X軸L1に沿う方向である配線部3342に沿う方向(第1分割仮想線に平行な方向)に直線状に延びている。そして、各上部電極線335は、第1、第3領域Ar1,Ar3と、第2、第4領域Ar2,Ar4との間にY軸L2に沿って配置される共通電極線336に接続される。なお、共通電極線336は、図3において、Y軸L2の近傍に沿って配置したが、Y軸L2上に配置してもよい。
【0053】
センサー基板20には、下部電極線334および共通電極線336に接続する端子が形成されている。
すなわち、図1に示すように、各超音波トランスデューサー30の下部電極331から引き出された各下部電極線334には、それぞれ下部電極端子351が接続されている。また、共通電極線336には共通電極端子361が接続されている。
これらの各端子351,361は、図1に示すように、センサー基板20の3辺に分散して配置されている。
【0054】
このため、本実施形態では、共通電極線336は、第1方向であるY軸L2方向に沿って配置され、かつ、この第1方向に沿った複数の超音波トランスデューサー30によって構成される2つの列の間に配置されている。
また、第1電極線である下部電極線334は、引出部3341と配線部3342とを備える。引出部3341は第1方向に引き出される。配線部3342は第2方向であるX軸L1に沿って延びる直線部分である。
そして、共通電極線336の共通電極端子361に接続される基端部と、この基端部の反対側である先端部との間において、共通電極線336の途中の点から先端部との間には第1領域Ar1および第2領域Ar2に設けられた超音波トランスデューサー30の第2電極線である上部電極線335が接続されている。
また、前記点から基端部の間には第3領域Ar3および第4領域Ar4に設けられた超音波トランスデューサー30の第2電極線である上部電極線335が接続されている。
そして、第1領域Ar1および第2領域Ar2に設けられた超音波トランスデューサー30の第1電極である下部電極331から引き出された引出部3341と、第3領域Ar3および第4領域Ar4に設けられた超音波トランスデューサー30の第1電極である下部電極331から引き出された引出部3341とは、互いに離れる方向、つまり+Y軸方向および−Y軸方向に引き出されている。
【0055】
[超音波トランスデューサーの回路構成]
図4は、図1に示す超音波センサー10の回路構成を示す回路図である。
図4に示すように、超音波センサー10は、前記センサー基板20と、送受信回路40と、制御回路60とを備えている。
【0056】
送受信回路40は、送信時には、超音波トランスデューサー30の下部電極331に駆動信号を出力し、各超音波トランスデューサー30から超音波を出力させる。ここで、各超音波トランスデューサー30が二次元に配列されて二次元アレイとされているので、各超音波トランスデューサー30から超音波を発信させるタイミングを遅延させることで、所望の方向に平面波として伝搬するビーム状の超音波を発信可能となる。
【0057】
また、送受信回路40は、各超音波トランスデューサー30から送信された超音波ビームが測定対象物に反射して各超音波トランスデューサー30で受信した際に出力される受信信号を処理することで、超音波発信タイミングから超音波受信タイミングまでの時間(TOFデータ:Time Of Flightデータ)を計測し、超音波素子から測定対象物までの距離を検出することができる。
【0058】
制御回路60は、前記送受信回路40を制御して、超音波センサー10を送信モードまたは受信モードで動作させるものである。
【0059】
上述した第1実施形態における超音波センサー10によれば、以下の効果を奏する。
(1)超音波トランスデューサー30をセンサー基板20上に、二次元アレイ状に配置した場合において、センサー基板20に対する平面視において、互いに直交するX軸L1及びY軸L2によって、センサー基板20を4つの領域Ar1〜Ar4に分割している。そして、各領域Ar1〜Ar4内において、超音波トランスデューサー30の下部電極331から引き出される各下部電極線334は、基板中心点Oから離れる方向へ延びている。
すなわち、X軸に沿って、Y軸を挟んだ2つの領域Ar1,Ar2またはAr3,Ar4において、下部電極線334がY軸を跨いで同方向に引き出されることがない。これによれば、X軸L1及びY軸L2により、センサー基板20を領域Ar1〜Ar4に分割して、各領域Ar1〜Ar4内で下部電極線334を引き出しているので、各領域Ar1〜Ar4内において、超音波トランスデューサー30間に引き出される下部電極線334の本数を少なくできる。
【0060】
(2)センサー基板20は、互いに直交するX軸L1及びY軸L2によって、4つの領域に分割されている。4分割することで、上述したような9分割の構成において、中央部分に形成される領域が生じることなく、各領域Ar1〜Ar4内において、超音波トランスデューサー30間に引き出される下部電極線334の本数を確実に少なくでき、分割数を多くした場合での下部電極線334の引き出し方向の煩雑化を防止できる。
【0061】
(3)X軸L1及びY軸L2がセンサー基板20の基板中心点Oを通るので、センサー基板20を均等に4つの領域Ar1〜Ar4に分割できる。これによれば、領域Ar1〜Ar4毎での超音波トランスデューサー30間における下部電極線334の本数の偏りを防止でき、本数を均等にできる。従って、各領域が均等でない場合には、領域毎に超音波トランスデューサー30間のスペースの広さをそれぞれ変更する必要があるが、本実施形態によれば、各領域Ar1〜Ar4において本数を均等にできるので、超音波トランスデューサー30をセンサー基板20に配置する製造工程を簡素化できる。
【0062】
(4)共通電極線336には、下部電極線334に沿う上部電極線335がそれぞれ接続され、この共通電極線336は、Y軸L2に沿って配置されているのみである。従って、共通電極線の本数を従来の構成に比べて大幅に減らすことができ、構成を簡素化できる。また、共通電極線336は、Y軸L2に沿って配置されるので、X軸L1に沿う下部電極線334との接触を防止できる。
【0063】
(5)下部電極線334の引出部3341は、各超音波トランスデューサー30間において、上部電極線335と直交する方向に引き出され、配線部3342は、引出部3341の先端から上部電極線335に対して平行に延びている。また、上部電極線335は、一方向に直線状に延びている。これによれば、配線部3342は、引出部3341によって、上部電極線335とは離れた位置で平行に延びているので、上部電極線335と交差することがない。従って、上部電極線335と下部電極線334とが接触することによる一対の電極のショートを確実に防止できる。
【0064】
(6)下部電極線334の引出部3341は、X軸L1から離間する方向に引き出されるので、共通電極線336がX軸L1及びY軸L2の両方に沿って配置された場合でも、引出部3341と共通電極線336とが交差することをより確実に防止できる。
【0065】
[第2実施形態]
図5は、第2実施形態の超音波センサー10Aに係る超音波トランスデューサー30の配線構造を拡大して示す平面図である。
第2実施形態では、第2領域Ar2において、第1電極線である下部電極線334を+Y軸方向側へ引き出している点で、前記第1実施形態と相違する。すなわち、第2領域Ar2では、Y軸方向が第1分割仮想線に平行な方向とされ、X軸方向が第2分割仮想線に平行な方向とされている。その他の領域Ar1,Ar3,Ar4については、前記第1実施形態と同様の構成である。また、本実施形態では、2本の共通電極線336,337を備え、共通電極線337は、第2領域Ar2及び第4領域Ar4の間にX軸L1に沿って設けられている。
【0066】
第2領域Ar2において、下部電極線334の引出部3341は、X軸L1に沿って+X軸方向側(第2分割仮想線に平行な方向)に延びており、配線部3342は、引出部3341の先端からY軸L2に沿って+Y軸方向側(第1分割仮想線に平行な方向)に延びている。また、上部電極線335は、Y軸方向(第1分割仮想線に平行な方向)に沿って延び、第2領域Ar2及び第4領域Ar4の間にX軸L1に沿って設けられた共通電極線337に接続される。
【0067】
このため、本実施形態では、Y軸L2に沿った方向が第1方向となり、このY軸L2に沿って設けられた共通電極線336で第1共通電極線が構成される。また、X軸L1に沿った方向が第2方向となり、このX軸L1に沿って設けられた共通電極線337で第2共通電極線が構成される。
そして、センサー基板を各共通電極線336,337で区分すると、3つの領域に分けられる。すなわち、図5において、共通電極線336の左側の第1領域Ar1および第3領域Ar3で1つの領域である。他の2つの領域は、共通電極線336の右側でかつ共通電極線337の上側の第2領域Ar2と、共通電極線336の右側でかつ共通電極線337の下側の第4領域Ar4とである。
【0068】
そして、本実施形態では、第1領域Ar1および第3領域Ar3と、第4領域Ar4は第1配線パターン領域であり、第2領域Ar2は第2配線パターン領域である。
第1配線パターン領域では、第1電極線である下部電極線334は、引出部3341と配線部3342とを備える。引出部3341は第1方向に引き出される。配線部3342は第2方向に沿って延びる直線部分である。
また、第2電極線である上部電極線335は、第2方向に沿って設けられ、第1共通電極線336に接続されている。
【0069】
そして、第1共通電極線336の共通電極端子361に接続される基端部と、この基端部の反対側である先端部との間に第2共通電極線337が接続されている。第1共通電極線336において、第2共通電極線337が接続された点から先端部間には第1領域Ar1に設けられた超音波トランスデューサー30の第2電極線である上部電極線335が接続されている。
また、第1共通電極線336において、第2共通電極線337が接続された点から基端部間には、第3領域Ar3および第4領域Ar4に設けられた超音波トランスデューサー30の第2電極線である上部電極線335が接続されている。
そして、第1領域Ar1に設けられた超音波トランスデューサー30の第1電極である下部電極331から引き出された引出部3341と、第3領域Ar3および第4領域Ar4に設けられた超音波トランスデューサー30の第1電極である下部電極331から引き出された引出部3341とは、互いに離れる方向、つまり+Y軸方向および−Y軸方向に引き出されている。
【0070】
なお、図5における第1配線パターン領域の1つは、第1共通電極線336の基端部から該第1共通電極線336の先端部を延長してセンサー基板外縁に達する第1共通電極延長線と、センサー基板の外縁とによって囲まれ、かつ、第2共通電極線337を含まない領域(図5における第1共通電極線336の左側の領域)である。
また、図5における第1配線パターン領域の他の1つは、第1共通電極線336の基端部から第2共通電極線337との接続点までと、この接続点から第2共通電極線337の先端部を延長してセンサー基板外縁に達する第2共通電極延長線と、センサー基板の外縁によって囲まれる領域(図5における第1共通電極線336の右側で、かつ、第2共通電極線337の下側の領域)である。
図5における第2配線パターン領域は、第1共通電極延長線における第1共通電極線336および第2共通電極線337の接続点から、第1共通電極線336の先端部側のセンサー基板外縁に達する部分までと、前記接続点から第2共通電極線337の先端部を延長してセンサー基板外縁に達する第2共通電極延長線と、センサー基板の外縁によって囲まれる領域(図5における第1共通電極線336の右側で、かつ、第2共通電極線337の上側の領域)である。
【0071】
上述した第2実施形態の超音波センサー10Aによれば、前記第1実施形態の効果(1)〜(6)と同様の効果を奏し、様々な配線レイアウトを実現できる。
【0072】
[第3実施形態]
図6は、第3実施形態の超音波センサー10Bに係る超音波トランスデューサー30の配線構造を拡大して示す平面図である。
本実施形態では、第4領域Ar4での配線レイアウトが前記第2実施形態と相違する。他の領域Ar1〜Ar3の構成は前記第2実施形態と同様の構成であるため、説明を省略する。また、本実施形態では、前記第2実施形態と同様に、第1共通電極線336および第2共通電極線337の2本の共通電極線が設けられている。
【0073】
第4領域Ar4において、下部電極線334の引出部3341は、X軸L1に沿って+X軸方向側に延びており、配線部3342は、引出部3341の先端からY軸L2に沿って−Y軸方向側に延びている。また、上部電極線335は、Y軸方向に沿って延び、第2領域Ar2及び第4領域Ar4の間にX軸L1に沿って設けられた共通電極線337にそれぞれ接続される。すなわち、第4領域Ar4では、Y軸方向が第1分割仮想線に平行な方向とされ、X軸方向が第2分割仮想線に平行な方向とされている。
【0074】
このため、本実施形態では、共通電極線336の左側の第1領域Ar1および第3領域Ar3は第1配線パターン領域であり、第2領域Ar2および第4領域Ar4は第2配線パターン領域である。
そして、第2領域Ar2および第4領域Ar4に設けられた上部電極線335は、それぞれ第2共通電極線337における第1共通電極線336との接続点から一方の端部間に接続されている。このため、これらの領域Ar2,Ar4に設けられた下部電極線334の引出部3341は、同じ方向(+X軸方向)に引き出されている。
【0075】
なお、図6における第1配線パターン領域は、第1共通電極線336の基端部から該第1共通電極線336の先端部を延長してセンサー基板外縁に達する第1共通電極延長線と、センサー基板の外縁によって囲まれ、かつ、第2共通電極線337を含まない領域(図6における第1共通電極線336の左側の領域)である。
また、図6における第2配線パターン領域は、前記第1共通電極延長線と、センサー基板の外縁によって囲まれ、第2共通電極線337を含む領域(図6における第1共通電極線336の右側の領域)である。
【0076】
上述した第3実施形態の超音波センサー10Bによれば、前記第1実施形態の効果(1)〜(6)と同様の効果を奏し、様々な配線レイアウトを実現できる。
【0077】
[第4実施形態]
図7は、第4実施形態の超音波センサー10Cに係る超音波トランスデューサー30の配線構造を拡大して示す平面図である。
本実施形態では、第3領域Ar3での配線レイアウトが前記第2実施形態と相違する。他の領域Ar1,Ar2,Ar4の構成は前記第2実施形態と同様の構成であるため、説明を省略する。また、本実施形態では、第1共通電極線336および第2共通電極線338の2本の共通電極線を備え、共通電極線338は、第1領域Ar1及び第2領域Ar2と、第3領域Ar3及び第4領域Ar4との間にX軸L1に沿って設けられている。
【0078】
第3領域Ar3において、下部電極線334の引出部3341は、X軸L1に沿って−X軸方向側に延びており、配線部3342は、引出部3341の先端からY軸L2に沿って−Y軸方向側に延びている。また、上部電極線335は、Y軸方向に沿って延び、第1領域Ar1及び第2領域Ar2と、第3領域Ar3及び第4領域Ar4との間にX軸L1に沿って設けられた共通電極線338にそれぞれ接続される。すなわち、第3領域Ar3では、Y軸方向が第1分割仮想線に平行な方向とされ、X軸方向が第2分割仮想線に平行な方向とされている。
【0079】
本実施形態では、共通電極線336,338は、各領域Ar1〜Ar4間に設けられているので、各領域Ar1〜Ar4において、下部電極線334の引出部3341をX軸L1またはY軸L2のうちいずれか一方から離間する方向に引き出すことで、引出部3341と共通電極線336とが交差することを防止している。
【0080】
このため、本実施形態では、第1領域Ar1および第4領域Ar4は第1配線パターン領域であり、第2領域Ar2および第3領域Ar3は第2配線パターン領域である。
そして、第1領域Ar1および第4領域Ar4に設けられた上部電極線335は、第1共通電極線336において、第1共通電極線336および第2共通電極線338の接続点に対して、先端部側および基端部側にそれぞれ接続されている。このため、これらの領域Ar1,Ar4に設けられた下部電極線334の引出部3341は、互いに離れる方向(+Y軸方向および−Y軸方向)に引き出されている。
また、第2領域Ar2および第3領域Ar3に設けられた上部電極線335は、第2共通電極線338において、第1共通電極線336および第2共通電極線338の接続点に対して、一方の端部側および他方の端部側にそれぞれ接続されている。このため、これらの領域Ar2,Ar3に設けられた下部電極線334の引出部3341は、互いに離れる方向(+X軸方向および−X軸方向)に引き出されている。
【0081】
なお、図7における第1配線パターン領域は、第1共通電極線336の基端部から該第1共通電極線336の先端部を延長してセンサー基板外縁に達する第1共通電極延長線と、第2共通電極線338の両端部を延長してセンサー基板外縁に達する第2共通電極延長線と、センサー基板の外縁によって囲まれる4つの領域のうち、第1共通電極線336および第2共通電極線338の接続点に対して、+Y軸側および−X軸側の領域(図7における第1共通電極線336の左側でかつ第2共通電極線338の上側の領域)と、−Y軸側および+X軸側の領域(図7における第1共通電極線336の右側でかつ第2共通電極線338の下側の領域)である。
また、図7における第2配線パターン領域は、前記第1共通電極延長線、第2共通電極延長線、センサー基板の外縁によって囲まれる4つの領域のうち、第1共通電極線336および第2共通電極線338の接続点に対して、+Y軸側および+X軸側の領域(図7における第1共通電極線336の右側でかつ第2共通電極線338の上側の領域)と、−Y軸側および−X軸側の領域(図7における第1共通電極線336の左側でかつ第2共通電極線338の下側の領域)である。
【0082】
上述した第4実施形態の超音波センサー10Cによれば、前記第1実施形態の効果(1)〜(6)と同様の効果を奏し、様々な配線レイアウトを実現できる。
【0083】
[第5実施形態]
図8は、第5実施形態の超音波センサー10Dに係る超音波トランスデューサー30の配線構造を拡大して示す平面図である。
本実施形態では、共通電極線の配線レイアウトが前記第1実施形態と相違する。超音波トランスデューサー30の配置レイアウトや、下部電極線334の配線レイアウトは、前記第1実施形態と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0084】
本実施形態では、共通電極線340,341,342を備える。共通電極線340は、X軸L1に沿って設けられるとともに、二股に分岐されてX軸L1に隣接する各上部電極線335に接続されている。共通電極線341,342は、Y軸L2に沿って設けられている。
【0085】
共通電極線341には、第1領域Ar1及び第2領域Ar2に設けられた上部電極線335が接続されている。
共通電極線342には、第3領域Ar3及び第4領域Ar4に設けられた上部電極線335が接続されている。
【0086】
このような第5実施形態の超音波センサー10Dによれば、前記第1実施形態の効果(1)〜(6)と同様の効果を奏する。
さらに、共通電極線340を、下部電極線334と同様にX軸L1の方向に引き出すことができるので、超音波センサー10Dにおける配線の端子をセンサー基板20のX軸方向の2つの辺に集中させることができる。
【0087】
[第6実施形態]
図9は、第6実施形態の超音波センサー10Eに係る超音波トランスデューサー30の配線構造を拡大して示す平面図である。
本実施形態では、超音波トランスデューサー30の配置レイアウトと、共通電極線の配線レイアウトが前記第1実施形態と相違する。
【0088】
第1実施形態では、2つの分割仮想線は、互いに直交するX軸L1及びY軸L2であった。本実施形態では、2つの分割仮想線のうち、第1分割仮想線はX軸L1であるが、第2分割仮想線はY軸L2ではなく、X軸L1に対して90度未満の所定角度で交差する軸L4である。軸L1,L4の公差角度は、たとえば、90度未満でかつ60度以上の範囲で設定される。
そして、超音波トランスデューサー30は、前記X軸L1および軸L4に沿って二次元配置されている。
【0089】
本実施形態では、軸L4に沿った共通電極線343を備える。この共通電極線343には、第1実施形態と同様に、X軸L1に沿って設けられた上部電極線335が接続されている。
下部電極線334の配線レイアウトは、前記第1実施形態と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0090】
このような第6実施形態の超音波センサー10Eによれば、前記第1実施形態の効果(1)〜(6)と同様の効果を奏する。
さらに、前記軸L1,L4の公差角度を90度未満に設定し、各超音波トランスデューサー30を各軸L1,L4に沿って配列すれば、1つの超音波トランスデューサー30の周囲を6個の超音波トランスデューサー30が取り囲むように配置できる。このため、いわゆる六方細密配置構造とすることもでき、様々な配線レイアウトを実現できる。
【0091】
[第7実施形態]
図10は、第7実施形態の超音波センサー10Fに係る超音波トランスデューサー30の配線構造を拡大して示す平面図である。
本実施形態では、超音波トランスデューサー30の配置レイアウトと、共通電極線の配線レイアウトが前記第1実施形態と相違する。
【0092】
第1実施形態では、超音波トランスデューサー30は、X軸L1およびY軸L2に沿ってマトリクス状に配置されていた。本実施形態では、超音波トランスデューサー30は、X軸L1に沿った方向には揃っているが、Y軸L2に沿った方向では各超音波トランスデューサー30の位置が異なり、ジグザクに配置されている。具体的には、超音波トランスデューサー30は、Y軸L2方向には、1つおきに位置が一致するように配置されている。
【0093】
本実施形態では、Y軸L2に沿って配置された共通電極線344を備える。共通電極線344は、Y軸L2を挟んで配置される2つの超音波トランスデューサー30間を通ってジグザグ状に配線されている。
この共通電極線344には、前記第1実施形態と同様に、X軸L1に沿って設けられた上部電極線335が接続されている。
下部電極線334の配線レイアウトは、前記第1実施形態と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0094】
このような第7実施形態の超音波センサー10Fによれば、前記第1実施形態の効果(1)〜(6)と同様の効果を奏する。
さらに、Y軸L2に沿って設けられる共通電極線344をジグザグ状に配線し、各超音波トランスデューサー30もジグザグ状に配置したので、1つの超音波トランスデューサー30の周囲を6個の超音波トランスデューサー30が取り囲む、いわゆる六方細密配置構造とすることもでき、様々な配線レイアウトを実現できる。
【0095】
[第8実施形態]
図11は、第8実施形態の超音波センサー10Gの概略構成を示す平面図である。
本実施形態では、超音波トランスデューサー30の配置レイアウトと、共通電極線、上部電極線、下部電極配線の配線レイアウトが前記各実施形態と相違する。
【0096】
第1実施形態では、超音波トランスデューサー30は、X軸L1およびY軸L2に沿ってマトリクス状に配置されていた。本実施形態では、超音波トランスデューサー30は、直交する第1分割仮想線および第2分割仮想線としての軸L5,L6の交点Oを中心として、三重の同心円状に配置されている。
【0097】
超音波センサー10Gのセンサー基板20Aは、平面正方形状に形成されている。このセンサー基板20Aは、センサー基板20Aの対角線に沿って設けられた前記軸L5,L6によって4つの領域Ar1,Ar2,Ar3,Ar4に分割されている。
そして、前記三重の同心円上に配置された超音波トランスデューサー30のうち、交点Oに最も近接する1番目の同心円上には、各領域Ar1〜Ar4に1つずつ、計4個の超音波トランスデューサー30Aが配置されている。
また、交点Oから2番目の同心円上には、各領域Ar1〜Ar4に2つずつ、計8個の超音波トランスデューサー30Bが配置されている。
さらに、交点Oから3番目の同心円上には、各領域Ar1〜Ar4に3つずつ、計12個の超音波トランスデューサー30Cが配置されている。
すなわち、各同心円上に配置される超音波トランスデューサー30A〜30Cは、交点Oから離れるにしたがって、配置される数が増えるように設定されている。
【0098】
本実施形態では、第1分割仮想線である軸L5に沿って配置された共通電極線345を備える。共通電極線345は、センサー基板20Aの外周に設けられた共通電極端子345Aから前記交点Oつまり同心円状に配置された超音波トランスデューサー30の中心位置まで配線されている。
【0099】
そして、この交点Oに位置する共通電極線345の端部には、超音波トランスデューサー30A〜30Cの上部電極線335が接続されている。
すなわち、4個の超音波トランスデューサー30Aと、8個の超音波トランスデューサー30Bからそれぞれ引き出された上部電極線335は、前記交点Oに向かって延長されて共通電極線345に直接接続されている。
さらに、最外周の12個の超音波トランスデューサー30Cの上部電極線335は、その内周側に配置される超音波トランスデューサー30A,30Bに向かって引き出されて、これらの超音波トランスデューサー30A,30Bの上部電極線335に接続されている。
【0100】
また、各超音波トランスデューサー30A〜30Cの下部電極からは、交点Oから離れる方向に下部電極線334(第1電極線)がそれぞれ引き出されている。このため、センサー基板20Aの4つの外周辺には、各領域Ar1〜Ar4に設けられた超音波トランスデューサー30A〜30Cの数に対応した下部電極端子334Aが設けられている。
【0101】
さらに、最外周の超音波トランスデューサー30C間を通る下部電極線334の数は、同心円の数を最大とするように設定されている。本実施形態では同心円の数は3つであるため、最外周の超音波トランスデューサー30C間を通る配線数は3本以下に設定されている。図11に示すように、本実施形態では、超音波トランスデューサー30C間を通る配線は、最大2本とされている。
【0102】
このような第8実施形態の超音波センサー10Gによれば、前記第1実施形態の効果(1)〜(4)と同様の効果を奏する。
さらに、共通電極線345を軸L5に沿って共通電極端子345Aから交点Oまで引き出し、超音波トランスデューサー30の上部電極線335は前記交点Oに向かって引き出し、下部電極線334は前記交点Oから離れる方向にセンサー基板20Aの外周部まで引き出している。このため、共通電極線345、下部電極線334、上部電極線335が互いに交差することがなく、配線レイアウトも容易に設計できる。
【0103】
[第9実施形態]
図12は、第9実施形態の超音波センサー10Hに係る超音波トランスデューサー30の配線構造を拡大して示す平面図である。
本実施形態では、上部電極線335の配線レイアウトと、交点Oの位置に超音波トランスデューサー30が配置されている点が、前記第8実施形態の超音波センサー10Gと相違する。
【0104】
本実施形態では、同心円上に配置された各超音波トランスデューサー30A〜30Cから引き出された上部電極線335は、その一つ内周側に配置された超音波トランスデューサー30,30A,30Bの上部電極線335に接続されている。
すなわち、最外周の超音波トランスデューサー30Cから引き出された上部電極線335は、交点Oから2番目の同心円上の超音波トランスデューサー30Bの上部電極線335に接続されている。
【0105】
また、超音波トランスデューサー30Bから引き出された上部電極線335は、交点Oから1番目の同心円上の超音波トランスデューサー30Aの上部電極線335に接続されている。
さらに、超音波トランスデューサー30Aから引き出された上部電極線335は、交点O上の超音波トランスデューサー30の上部電極に接続されている。
そして、交点O上の超音波トランスデューサー30の上部電極には、軸L5に沿って配置された共通電極線345が接続されている。
【0106】
各超音波トランスデューサー30A〜30Cの下部電極線334の配線レイアウトは、第8実施形態と同じであるため、説明を省略する。なお、交点Oに配置された超音波トランスデューサー30の下部電極線334も、交点Oから離れる方向に引き出されている。
【0107】
さらに、本実施形態では、交点Oにも超音波トランスデューサー30が配置されているので、最外周の隣接する超音波トランスデューサー30C間を通る配線数は、同心円の数に1を加算した数を最大とするように設定されている。本実施形態では同心円の数は3つであるため、最外周の超音波トランスデューサー30C間を通る配線数は3+1=4本以下に設定されている。図12に示すように、本実施形態では、最外周の超音波トランスデューサー30C間を通る配線は、最大2本とされている。
【0108】
このような第9実施形態の超音波センサー10Hによれば、前記第8実施形態と同様の効果を奏する。
さらに、共通電極線345を軸L5に沿って共通電極端子345Aから交点Oまで引き込み、超音波トランスデューサー30A〜30Cの上部電極線335は常に1つ内側の超音波トランスデューサー30,30A,30Bに接続されている。このため、共通電極線345の共通電極端子345Aから、各超音波トランスデューサー30A〜30Cの上部電極までの配線抵抗を、同じ同心円上の超音波トランスデューサー30A〜30C同士でほぼ等しくすることができる。
【0109】
[実施形態の変形]
本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
前記各実施形態では、センサー基板20は、4つの領域Ar1〜Ar4を備えたが、例えば、3つの領域に分割してもよく、この場合でも各領域内の超音波トランスデューサー30間に引き出される下部電極線334の本数を、基板20を分割しない場合よりも少なくできる。また、5つ以上に分割してもよく、この場合には、4分割する場合よりも、超音波トランスデューサー30間に引き出される下部電極線334の本数をより少なくできる。
【0110】
前記第1〜7実施形態では、各領域Ar1〜Ar4内において、下部電極線334の引き出し方向は、X軸またはY軸に沿って延びていたが、基板中心点Oから離間する方向に延びていればよく、例えば、斜め方向に延びていてもよい。
【0111】
図13は、上述した5つ以上に分割する一例として6分割する変形例を示す図である。
本変形例では、センサー基板20は、X軸L1、及び2本のY軸L2,L3で6分割され、6つの領域Ar1〜Ar6を備える。
図13(A)では、各領域Ar1〜Ar6において、3行3列ずつ均等に分割されている。
この構成では、特に、第2領域Ar2及び第5領域Ar5において、下部電極線334は、各領域間を跨がないため、必然的に、Y軸L2,L3に沿って延びることとなる。すなわち、第2領域Ar2の下部電極線334が、X軸L1に沿って延びることがないので、第1領域Ar1または第3領域Ar3内に延びることがなく、第1領域Ar1及び第3領域Ar3内における超音波トランスデューサー30間に引き出される下部電極線334の本数をさらに減らすことができる。第5領域Ar5についても同様に、第5領域Ar5の下部電極線334が、第4領域Ar4または第6領域Ar6内に延びることがなく、第4領域Ar4及び第6領域Ar6内における超音波トランスデューサー30間に引き出される下部電極線334の本数をさらに減らすことができる。
【0112】
図13(B)に示すように、領域Ar3,Ar6の構成は図13(A)と同じで、領域Ar1,Ar4において、3行4列の構成とし、領域Ar2,Ar5において、3行2列の構成とした場合には、領域Ar2,Ar5の超音波トランスデューサー30間に引き出される下部電極線334の本数は3本で、図13(A)の領域Ar2,Ar5において、超音波トランスデューサー30間に引き出される下部電極線334の本数と同じである。
しかし、領域Ar1,Ar4では、X軸方向に延出して、超音波トランスデューサー30間に引き出される下部電極線334の本数は4本となり、図13(A)の場合に比べて、本数が多くなる。
【0113】
そこで、図13(C)に示すように、領域Ar1,Ar3,Ar4,Ar6において、3行2列の構成とし、領域Ar2,Ar5において、3行5列の構成とした場合には、領域Ar2,Ar5の超音波トランスデューサー30間に引き出される下部電極線334の本数は3本で、図13(A),(B)の構成と同じであるが、領域Ar1,Ar3,Ar4,Ar6において、X軸方向に延出して、超音波トランスデューサー30間に引き出される下部電極線334の本数は2本となり、図13(A),(B)の場合に比べて、本数を少なくできる。すなわち、図13に示す超音波トランスデューサー30の構成(6行9列)をX軸L1により上下に3行ずつ分割した場合において、Y軸L2,L3の列方向の分割位置を領域Ar1,Ar3,Ar4,Ar6において、3列未満となるように分割することで、X軸方向に延出して、超音波トランスデューサー30間に引き出される下部電極線334の本数を図13(A),(B)の場合よりも少なくできる。
なお、図13(C)では、領域Ar1,Ar3,Ar4,Ar6において、3行2列の構成としたが、領域Ar1,Ar4または領域Ar3,Ar6のいずれか一方を3行2列の構成としてもよい。この場合では、図13(A),(B)の構成に対して、領域Ar1,Ar4または領域Ar3,Ar6のいずれか一方において、超音波トランスデューサー30間に引き出される下部電極線334の本数を少なくできる。
【0114】
前記各実施形態では、各領域Ar1〜Ar4を基板中心点Oで均等に分割したが、第1分割仮想線および第2分割仮想線で単に4分割されればよく、各領域Ar1〜Ar4を均等に分割しなくてもよい。
前記各実施形態では、配線レイアウトの一例を示したにすぎず、用途に応じて、配線レイアウトを変更してもよい。この場合には、各領域内での下部電極線334が第1分割仮想線および第2分割仮想線である各軸L1〜L6を跨がないように構成すればよい。
【0115】
前記第1〜4実施形態では、Y軸L2に沿う共通電極線336が配線レイアウトの都合上、必須であったが、X軸L1に沿う共通電極線のみで構成してもよい。例えば、前記第1実施形態において、下部電極線334はX軸L1に沿う方向に引き出されていたが、これをY軸L2に沿う方向に引き出せば、X軸L1に沿って配置される共通電極線に上部電極線が接続されることとなる。
【0116】
本発明の超音波センサーは、血流や血圧などを測定する電子機器としての生体測定装置に組み込んで利用できる。たとえば、図14に示すように、腕に巻かれるバンド51の内周面に前記センサー基板20を貼り付け、さらにセンサー基板20の共通電極線と、下部電極線に導通する送受信回路と、この送受信回路を制御する制御回路とを備えるIC等を組み込んで生体測定装置50を構成すればよい。
この際、第1実施形態の超音波センサー10のように、第1電極線である下部電極線334と、第2電極線である上部電極線335とが第1分割仮想線であるX軸L1方向に延長され、共通電極線336が第2分割仮想線であるY軸L2方向に延長されている場合、バンド51が湾曲する方向に沿って共通電極線336が配線されるようにセンサー基板20を配置すれば、下部電極線334や上部電極線335が湾曲されることがないため、これらの電極線の断線を防止できる。共通電極線336は本数が少ないため、太く形成することで湾曲しても断線しないように構成できる。
【0117】
また、電子機器としては、生体測定装置50に限らない。例えばロボットや自動車などに組み込まれて、被検出物までの距離や速度を測定する近接センサーや距離測定センサー、配管の非破壊検査や配管中の流体の流速などの監視する測定センサー、生体の体内の状態を超音波により検査する生体検査装置など、超音波の出力および受信により測定処理を実施するいかなる装置にも適用することができる。
【符号の説明】
【0118】
10,10A,10B,10C,10D,10E,10F,10G,10H…超音波センサー、20,20A…センサー基板、30,30A,30B,30C…超音波トランスデューサー、331…下部電極(第1電極)、333…上部電極(第2電極)、334…下部電極線(第1電極線)、335…上部電極線(第2電極線)、336〜338,340〜345…共通電極線、3341…引出部、3342…配線部、Ar1〜Ar6…領域、L1…X軸(第1分割仮想線)、L2,L3…Y軸(第2分割仮想線)、L4…軸(第2分割仮想線)、L5…軸(第1分割仮想線)、L6…軸(第2分割仮想線)、O…基板中心点(交点、基板略中心点)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサー基板と、
前記センサー基板上に二次元配置される複数の超音波トランスデューサーを有し、
前記センサー基板は、当該センサー基板を厚み方向に沿って見た平面視において、互いに交差する少なくとも2つの分割仮想線により分割される複数の領域を備え、
前記複数の超音波トランスデューサーの各々は、第1電極を備え、
前記複数の領域の各領域内において、前記複数の超音波トランスデューサーの各第1電極を始点とする各第1電極線が、前記分割仮想線の交点から離れる方向に延びている直線部分を有する
ことを特徴とする超音波センサー。
【請求項2】
請求項1に記載の超音波センサーにおいて、
前記複数の領域の各領域内において、前記各第1電極線の直線部分は、所定の方向に沿って延びている
ことを特徴とする超音波センサー。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の超音波センサーにおいて、
前記第1電極線は、
前記各超音波トランスデューサー間において、前記各超音波トランスデューサーの各第1電極から引き出される直線状の引出部と、
前記引出部と交差する直線に沿って前記引出部から延びる配線部と、を備え、
前記直線部分は前記配線部である
ことを特徴とする超音波センサー。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の超音波センサーにおいて、
前記少なくとも2つの分割仮想線は、第1分割仮想線と第2分割仮想線とを含み、
前記複数の超音波トランスデューサーは、前記第1分割仮想線および前記第2分割仮想線に沿って二次元配置され、
前記センサー基板は、当該センサー基板を厚み方向に沿って見た平面視において、互いに交差する前記第1分割仮想線および前記第2分割仮想線により分割される4つの領域を備え、
前記各領域内において、前記各第1電極線の前記直線部分は、前記第1分割仮想線に沿う方向に延びている
ことを特徴とする超音波センサー。
【請求項5】
請求項4に記載の超音波センサーにおいて、
前記第1分割仮想線および前記第2分割仮想線は、互いに直交している
ことを特徴とする超音波センサー。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載の超音波センサーにおいて、
前記複数の超音波トランスデューサーの各々は、さらに第2電極を備え、
前記各領域内において、前記各第2電極のうちの少なくとも2つの第2電極の間を接続する第2電極線は、前記第1分割仮想線に沿う方向に延在し、かつ第2分割仮想線に沿って配置される共通電極線に接続されている
ことを特徴とする超音波センサー。
【請求項7】
請求項6に記載の超音波センサーにおいて、
前記第2電極線は、前記各超音波トランスデューサーから前記第1分割仮想線に沿う方向に直線状に延び、前記第1分割仮想線に沿う方向に沿って配設される前記各超音波トランスデューサーの各第2電極を互いに接続し、
前記第1電極線は、
前記各超音波トランスデューサー間において、前記各超音波トランスデューサーの各第1電極から前記第2分割仮想線に沿う方向に引き出される引出部と、
前記引出部から前記第1分割仮想線に沿う方向に延びる配線部と、を備える
ことを特徴とする超音波センサー。
【請求項8】
請求項7に記載の超音波センサーにおいて、
前記第1電極線の前記引出部は、前記各超音波トランスデューサーの各第1電極を始点として前記第1分割仮想線から離間する方向に延びている
ことを特徴とする超音波センサー。
【請求項9】
請求項1に記載の超音波センサーにおいて、
前記センサー基板は、当該センサー基板を厚み方向に沿って見た平面視において、互いに交差する前記第1分割仮想線および前記第2分割仮想線により分割される4つの領域を備え、
前記複数の超音波トランスデューサーは、さらに第2電極を備え、かつ前記第1分割仮想線および前記第2分割仮想線の交点を中心する複数の同心円上の位置に配置され、
第1分割仮想線に沿って前記センサー基板の外周部から前記第1分割仮想線および前記第2分割仮想線の交点まで延びる共通電極線が配置され、
前記各領域内において、前記各超音波トランスデューサーの第1電極から引き出される各第1電極線は、前記第1分割仮想線および前記第2分割仮想線の交点から離れる方向に前記センサー基板の外周部まで延在し、
前記第2電極から引き出される各第2電極線は、前記複数の同心円のうちの最も外側の円より内側の領域に延在し、かつ前記第1分割仮想線および前記第2分割仮想線の交点に近づく方向に伸びている直線部分を有する
ことを特徴とする超音波センサー。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれかに記載の超音波センサーにおいて、
前記2つの分割仮想線の交点は、当該センサー基板を厚み方向に沿って見た平面視において、前記センサー基板の略中心点である
ことを特徴とする超音波センサー。
【請求項11】
センサー基板と、
前記センサー基板上に、第1方向と該第1方向に交差する第2方向とに沿って二次元配置され、各々が第1電極と第2電極を備える複数の超音波トランスデューサーと、
前記第1方向に沿って、かつ前記複数の超音波トランスデューサーの列の間に配置される共通電極線と、
前記複数の超音波トランスデューサーの各第1電極を始点とする複数の第1電極線と、
前記複数の超音波トランスデューサーのうち前記第2方向に沿って並ぶ少なくとも2つの超音波トランスデューサーの第2電極間を接続する複数の第2電極線と、を有し、
前記第1電極線は、前記第2方向に沿い、かつ前記共通電極線から離れる方向に延びている直線部分を有し、
前記第2電極線は、前記第2方向に沿って延在し、かつ前記共通電極線に接続する
ことを特徴とする超音波センサー。
【請求項12】
請求項11に記載の超音波センサーにおいて、
前記第1電極線は、
前記各超音波トランスデューサー間において、前記各超音波トランスデューサーの各第1電極から前記第1方向に沿って引き出される引出部と、
前記引出部と交差する直線に沿って前記引出部から延びる配線部と、を備え、
前記直線部分は前記配線部である
ことを特徴とする超音波センサー。
【請求項13】
請求項12に記載の超音波センサーにおいて、
前記共通電極線に接続される共通電極端子を備え、
前記共通電極線の共通電極端子に接続される基端部と、この基端部の反対側である先端部との間に前記第2電極線が接続され、
前記共通電極線の途中から前記先端部の間に接続された第2電極線に接続する超音波トランスデューサーの各第1電極から引き出される引出部と、
前記共通電極線の途中から前記基端部の間に接続された第2電極線に接続する超音波トランスデューサーの各第1電極から引き出される引出部とは、互いに離れる方向に引き出されている
ことを特徴とする超音波センサー。
【請求項14】
センサー基板と、
前記センサー基板上に、第1方向と該第1方向に交差する第2方向とに沿って二次元配置され、各々が第1電極と第2電極を備える複数の超音波トランスデューサーと、
前記第1方向に沿って延在し、かつ前記複数の超音波トランスデューサーの列の間に配置される第1共通電極線と、
前記第2方向に沿って延在し、かつ前記複数の超音波トランスデューサーの列の間に配置されて前記第1共通電極線に接続する第2共通電極線と、を有し、
平面視で、前記第1共通電極線と前記第2共通電極線とによって区分される複数の領域のうちの少なくとも1つの領域は第1配線パターン領域とされ、残りの領域は第2配線パターン領域とされ、
前記第1配線パターン領域においては、
前記複数の超音波トランスデューサーの各第1電極を始点とする各第1電極線が、前記第2方向に沿い、かつ前記第1共通電極線から離れる方向に延びている直線部分を有し、
前記複数の超音波トランスデューサーのうち前記第2方向に沿って並ぶ少なくとも2つの超音波トランスデューサーの第2電極間を接続する第2電極線が、前記第2方向に沿って延在し、かつ前記第1共通電極線に接続し、
前記第2配線パターン領域においては、
前記複数の超音波トランスデューサーの各第1電極を始点とする各第1電極線が、前記第1方向に沿い、かつ前記第2共通電極線から離れる方向に延びている直線部分を有し、
前記複数の超音波トランスデューサーのうちの前記第1方向に沿って並ぶ少なくとも2つの超音波トランスデューサーの第2電極間を接続する第2電極線が、前記第1方向に沿って延在し、かつ前記第2共通電極線に接続する、
ことを特徴とする超音波センサー。
【請求項15】
請求項14に記載の超音波センサーにおいて、
前記第1配線パターン領域においては、
前記第1電極線は、
前記各超音波トランスデューサー間において、前記各超音波トランスデューサーの各第1電極から前記第1方向に沿って引き出される引出部と、
前記引出部と交差する直線に沿って前記引出部から延びる配線部と、を備え、
前記直線部分は前記配線部であり、
前記第2配線パターン領域においては、
前記第1電極線は、
前記各超音波トランスデューサー間において、前記各超音波トランスデューサーの各第1電極から前記第2方向に沿って引き出される引出部と、
前記引出部と交差する直線に沿って前記引出部から延びる配線部と、を備え、
前記直線部分は前記配線部である
ことを特徴とする超音波センサー。
【請求項16】
請求項15に記載の超音波センサーにおいて、
前記第1共通電極線に接続される共通電極端子を備え、
前記第1共通電極線の共通電極端子に接続される基端部と、この基端部の反対側である先端部との間に前記第2共通電極線が接続され、
前記第1共通電極線における第2共通電極線との接続点から前記先端部の間に接続された第2電極線に接続する超音波トランスデューサーの各第1電極から引き出される引出部と、
前記第1共通電極線における第2共通電極線との接続点から前記基端部の間に接続された第2電極線に接続する超音波トランスデューサーの各第1電極から引き出される引出部とは、互いに離れる方向に引き出されている
ことを特徴とする超音波センサー。
【請求項17】
請求項16に記載の超音波センサーにおいて、
前記第2共通電極線における第1共通電極線との接続点から第2共通電極線の一方の端部間に接続された第2電極線に接続する超音波トランスデューサーの各第1電極から引き出される引出部と、
前記第2共通電極線における第1共通電極線との接続点から第2共通電極線の他方の端部間に接続された第2電極線に接続する超音波トランスデューサーの各第1電極から引き出される引出部とは、互いに離れる方向に引き出されている
ことを特徴とする超音波センサー。
【請求項18】
請求項1から請求項17のいずれかに記載の超音波センサーを備える
ことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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