超音波レベル計
【課題】 測定精度が高くかつ安全性の高い超音波流量計を提供すること。
【解決手段】超音波レベル計1は、容器2の底面に接触媒質5であるグリースを介して背面にバッキング材6を接合した複合圧電素子4を取付け、かつ容器2の底面に接着剤により取付けた磁石7と鋼鉄製のバッキング材カバー8により複合圧電素子4を押し付けた超音波トランスジューサ3と、超音波トランスジューサ3により超音波を送信した時点からその反射波を受信する時点までの時間情報に基づいて液面の検出動作を制御するコントローラとで構成される。
【解決手段】超音波レベル計1は、容器2の底面に接触媒質5であるグリースを介して背面にバッキング材6を接合した複合圧電素子4を取付け、かつ容器2の底面に接着剤により取付けた磁石7と鋼鉄製のバッキング材カバー8により複合圧電素子4を押し付けた超音波トランスジューサ3と、超音波トランスジューサ3により超音波を送信した時点からその反射波を受信する時点までの時間情報に基づいて液面の検出動作を制御するコントローラとで構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波トランスジューサ及び超音波レベル計、より詳細には、超音波の伝搬時間を利用して容器内の液面レベルなどを計測するための超音波トランスジューサ及び超音波トランスジューサを備えた超音波レベル計に関するものである。
【背景技術】
【0002】
超音波レベル計は、超音波トランスジューサから超音波を送信し、その反射波を受信するまでの時間を計測し、その時間に基づいて対象物までの距離を算出するもので、対象物までの距離を正確かつ容易に計測できるため、各種用途で利用されている。
【0003】
貯槽内部の液面が高い位置にある場合(貯槽底面から遠距離にある場合)、液面が近い場合に比べて微弱な波であるため、従来の受信回路では、液面が高い場合であっても十分にエコーを取得するには増幅回路のゲインを高める必要があった。ところが、増幅回路を高ゲインにした場合、駆動残響が指数関数的に減衰しきるところまで十分な時間が必要となってしまう。すなわち、高い液面まで対応させようとすると、駆動残響時間が長引くために、液面位置が低い場合に液面をとらえることができないという問題点があった。
【0004】
この問題を解決するために、受信回路をゲイン可変増幅回路で構成し、前回の計測結果で液面が低い場合には、低ゲインで反射エコーを検出する方法が考えられる。しかし、この方法では、液面位置が急激に変化するような場合、あるいは計測間隔が非常に長い場合には液面変動に追随できず、安定した計測ができない。
【0005】
これに対して、特許文献1には、超音波トランスジューサの駆動タイミングを起点として時間に応じて信号の増幅率が大きくなるように制御することにより、残響により検出できない不感帯時間(距離)を調整し、常に安定した残響特性と感度特性を実現できるようにした技術が開示されている。
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術の場合、信号の増幅率を制御することで、残響により検出できない不感帯時間を調整し、常に安定した残響特性と感度特性を両立させるには限界がある。また、貯槽の板厚が大きい場合、信号の増幅率を変化させるとともに、超音波トランスジューサに入力するパルス信号の発振時間を変化させることにより、ある程度の残響による不感帯時間(距離)を短く調整できるが、調整にも限界があり、温度や経時変化等を考慮すると、検出マージンが問題となる上、上記タイミングなどの制御が複雑化し、消費電力の増加が余儀なくされるという問題点がある。
【0007】
そこで特許文献2においては、液面レベルの低い場合の残響特性の影響が少なく、液体の充填等の液面変化に強く、液面の低い場合から高い場合まで、簡単な制御で安定した液面計測を可能とする超音波レベル計にすることができると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】 特開2004−257981号 公報
【特許文献2】 特開2008−232801号 公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】実吉純一、「超音波技術便覧」、日刊工業新聞社、昭和60年12月、p722−723
【非特許文献2】塩嵜 忠、「新・圧電材料の製造と応用」、株式会社シーエムシー、1987年12月、p99−109
【非特許文献3】川村雅恭、「電気音響工学概論」、株式会社 昭晃堂、平成10年9月、p52−53
【非特許文献4】超音波便覧編集委員会、「超音波便覧」、丸善株式会社、平成11年8月、p348−350
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、特許文献2においても、金属製のタンクと圧電素子の音響インピーダンスがそれほど異ならないため、金属製のタンクに超音波振動がほとんど伝搬してしまい、液体中に伝搬する超音波振動は非常に小さくなる。そのため、信号のS/N比が小さくなるため安定して精度の高い測定ができなくなるという問題がある。
【0011】
また、圧電素子の機械的品質係数が大きいため、残響が長く続くため、反射時間が小さいときは測定できないという問題がある。
【0012】
さらに、圧電素子は、詳細に見ると、図12に示すように変化する。すなわち、非動作時の静止状態では、Aに示すように、円柱形状を呈する。厚み方向への縮小状態では、径方向に伸びて、Bに強調して示すように凹レンズの形状となる。また、厚み方向への伸長状態では、径方向に縮んで、Cに強調して示すように凸レンズのような形状となる。この結果、Dに示すように円柱の中心部の超音波振動だけが直進し、周辺部は中心軸にたいして広がる方向に超音波振動が伝搬する。したがって、信号としての超音波信号は小さくなる。そして広がった超音波振動は、誤差として検出されてしまう問題点がある。
【0013】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、液面の低い場合から高い場合まで高精度に液面位置を計測できる超音波トランスジューサおよび該超音波トランスジューサを備えた超音波レベル計を提供することにある。
つまり、
1.信号の立ち上がり特性を向上させる。
2.残響特性を向上させる。
3.超音波の指向性を高める。
4.信号の分解能を高める。
これらを実現するために、
・ 圧電素子の機械的品質係数を小さくする。
・ 圧電素子の数を多くして、位相を同じにする。
・ 超音波の周波数を高める。
の以上が考えられる。これらを実現するために複合圧電素子が最も適している。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、超音波を超音波トランスジューサによって送信して、その送信波の反射波を同じまたは別の超音波トランスジューサによって受信し、前記超音波の送信から受信までの伝播時間を計測するによってレベルを測定する超音波レベル計において、超音波トランスジューサを複合圧電素子とするものである。
【0015】
本発明はまた、超音波を超音波トランスジューサによって送信して、その送信波の反射波を同じまたは別の超音波トランスジューサによって受信し、前記超音波の送信から受信までの伝播時間を計測するによってレベルを測定する超音波レベル計において、超音波トランスジューサを金属製のダイアフラムに接合した複合圧電素子とするものである。
【0016】
本発明はまた、前記ダイアフラムに金属製のダイアフラムリングを設けるものである。
【0017】
本発明はまた、容器の底部外壁面に取付けられ、該容器内部に収容された液体の液面に向けて超音波を送信すると共に、前記液面からの反射を受信する前記超音波トランスジューサを持つ超音波レベル計とするものである。
【0018】
本発明はまた、容器の側面外壁面に取付けられ、該容器に向けて超音波を送信すると共に、エコーを受信する前記超音波トランスジューサを持つ超音波レベル計とするものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明の超音波レベル計によれば、高精度に容器内の液体の液面を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明による超音波レベル計の第1の実施形態を示す断面図である。
【図2】第1の実施形態の超音波レベル計に用いた複合圧電素子の平面図である。
【図3】図2のA−A線での断面図である。
【図4】複合圧電素子と圧電素子の水中への超音波伝搬を比較するための装置である。
【図5】図4の装置に複合圧電素子を用いて水中を伝搬した超音波を伝搬した受信波を示す図である。
【図6】図4の装置に圧電素子を用いて水中を伝搬した超音波を伝搬した受信波を示す図である。
【図7】超音波レベル計に用いる測定回路の概略図である。
【図8】本発明による超音波レベル計の第2の実施形態を示す断面図である。
【図9】本発明による超音波レベル計の第3の実施形態を示す断面図である。
【図10】本発明による超音波レベル計の第4の実施形態を示す断面図である。
【図11】本発明による超音波レベル計の第5の実施形態を示す断面図である。
【図12】従来の超音波レベル計に用いる圧電素子の変位図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
第1の実施の形態である基本的な構成を図1の断面図で示す。
【0022】
図1で示す液化ガスや灯油などを収容するステンレス製の容器2に取付けられた超音波レベル計1である。超音波レベル計1は、容器2の底面に接触媒質5であるグリースを介して背面にバッキング材6を接合した複合圧電素子4を取付け、かつ容器2の底面に接着剤により取付けた磁石7と鋼鉄製のバッキング材カバー8により複合圧電素子4を押し付けた超音波トランスジューサ3と、超音波トランスジューサ3により超音波を送信した時点からその反射波を受信する時点までの時間情報に基づいて液面の検出動作を制御するコントローラとで構成される。接触媒質の詳細については、非特許文献1に記述されている。
【0023】
本発明で最も特徴的な点の一つは超音波トランスジューサの圧電素子が複合圧電素子であることである。
【0024】
複合圧電素子は、圧電セラミックなどの圧電体と樹脂が構造的に複合化され、圧電セラミックや圧電高分子にはない特徴を持つ材料である。非特許文献1に詳しく記載されているが、複合圧電振動子は圧電素子単体では、実現不可能な特性を得るために開発されたものであり、現在はその価格が高いこともあり医療用として主に使用されている。複合圧電振動子は、セラミックと高分子の複合体は、セラミックと高分子の各々が何次元の物理的(いくつの方向)に自己結合しているかにより分類される。すなわち、圧電活性な成分である圧電セラミックがその複合体の中で連なっている次元数mと圧電非活性な成分である高分子が連なっている次元数nでm−n複合体と表示する。複合圧電振動子の中でも、もっとも実用的な1−3複合体であり、本発明に用いた。
【0025】
図2、3に複合圧電素子4の詳細を示す。直径20mm、厚さ3mmであり、個々の圧電素子9は2mm角で長さ3mmであり、圧電素子9と圧電素子9を接合しているエポキシ樹脂10の幅は1mmである。圧電素子9は、鉛系圧電セラミックであり、いわゆるLow Q材である。
【0026】
また、通常の圧電素子に比較して機械的損失の大きい複合圧電振動子を用いることで、信号波形の立ち上がりが良くなるため、測定分解能が向上するため、測定精度が向上する。
【0027】
さらに複合圧電振動子の個々の圧電素子を点超音波発生源と考えると圧電素子の数が多いほど指向性は高まる。これに関しては非特許文献3に詳しく記述してある。
本発明の目的である超音波の指向性を高めレベル計の精度を向上させるためには圧電素子の数は9個以上が望ましい。
また、複合圧電振動子の個々の圧電素子を点超音波発生源としてより作用するために個々の圧電素子を接合している接着剤の音響インピーダンスを小さくするため、接着剤より密度の低いフィラーを混合することが望ましい。
【0028】
参考までにここで用いた、又は比較した材料の物性を示す。
鉛系圧電セラミックの密度は、約7.8×103kg/m3、音速4100m/s、音響インピーダンス約3.2×107kg/m2sである。
エポキシ樹脂の密度は、約1.1×103kg/m3、音速2480m/s、音響インピーダンス約2.7×106kg/m2sである。
【0029】
本発明では、複合圧電素子を構成する圧電素子として圧電セラミックの他、圧電単結晶もある。圧電セラミックは、チタン酸ジルコン酸鉛、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、ニオブ酸鉛などある。また圧電単結晶は、チタン酸ジルコン酸鉛単結晶、ニオブ酸リチウム、水晶などがある。
【0030】
本発明では、圧電素子として多結晶の圧電素子を用いた複合圧電素子を使用したが、さらに高い性能を要求される場合は、圧電単結晶を圧電素子とする複合圧電素子も考えられる。
【0031】
ここで、本発明の複合圧電素子4を使用した超音波トランスジューサ3の性能を従来の圧電素子9を用いた超音波トランスジューサ3と比較するために図4の断面図に示す伝搬特性測定装置11を用いる。基本的な性能を比較するため、外径50mm、内径40mmそして長さ100mmのステンレス製の測定管16の両側に直径50mm、厚さ1.9mmのステンレスの円板を接合し、その円板の外側の中心部に図4に示した複合圧電振動子4a、4bをグリースにより接着した。そしてこの複合圧電振動子4a、4bに約98Vp−pで492KHzの6波のバースト波を印加し、反対側の複合圧電振動子4a、4bでの受信電圧を観測した結果を図5に示す。伝搬音速は約1470m/sであり、ほぼ超音波の水の伝搬速度と一致している。したがって水中を波動が直進しているがわかる。また受信信号の減衰時間は約230μsである。
【0032】
上記に述べた伝搬特性測定装置11を用い、通常の圧電素子を用いた超音波トランスジューサ3の評価をする。直径20mmそして厚さ1mmの従来の圧電素子9を3枚積層した積層圧電素子を作成する。そしてこの積層圧電素子を用いた超音波トランスジューサ3を用いたものについて説明する。外径50mm、内径40mmそして長さ100mmのステンレス管の両側に直径50mm、厚さ1.9mmのステンレスの円板を接合し、その円板の外側の中心部に積層圧電素子をグリースにより接着した。そしてこの積層圧電素子に約101Vp−pで94KHzの6波のバースト波を印加し、反対側の積層圧電素子での受信電圧を観測した結果を図6に示す。なお積層圧電素子を用いた理由は、駆動電圧を小さくするためであった。
【0033】
さらに減衰特性を測定するために、オシロの時間軸を延長して400μs以上波動が継続していることを確認した。伝搬音速は約1140m/sであり、水中を波動が直進していないことがわかる。
【0034】
以上のように複合圧電振動子を用いることで、従来の圧電素子に比較して、超音波の指向性を高めることができることが明らかになった。また、同じ形状でも複合圧電振動子を用いるものは厚み方向の高い周波数を用いるので、測定分解能を高めることができる。そして積層圧電素子のQmが約60であり、複合圧電振動子のQmが約20であるので複合圧電振動子の受信信号の立ち上がり特性が優れる。
【0035】
ここで、同じ形状でも複合圧電振動子の圧電素子の数を多くすると指向性が高まるが、圧電素子の断面積が小さすぎると機械的強度に不安が生じるので少なくても0.01mm2以上の断面積が必要である。また厚み方向の振動を励起するために、25mm2以下の断面積が必要である。
【0036】
図5に示すように本発明の超音波トランスジューサを用いたものは、水中を伝搬した波動のみが受信され、その波動の立ち上がり特性がよい。したがって、正確に液面の測定が可能となる。
【0037】
図6に示すように従来の超音波トランスジューサを用いたものは、駆動周波数が比較的低くいため分解能が小さく、立ち上がり特性も良くない。さらに、超音波の直進性が良くない。そのため、正確に、そして分解能が高い液面の測定ができない。しかも、様々な波動が長く続くため、測定間隔が長くなり、急激な液面変化に追随できない。これの原因の一つは、本発明の超音波トランスジューサのQmが約24であり、従来の超音波トランスジューサのQmが約300であるためと考えられる。
【0038】
したがって、機械的品質係数Qmが高い材料である金属にQmが100程度の圧電素子を接合すると、超音波トランスジューサのQmが約300程度になり、超音波レベル計の測定精度に悪影響がある。これに対して、機械的品質係数Qmが高い材料である金属にQmが20程度の複合圧電素子を接合すると、超音波トランスジューサのQmが約20程度になり、超音波レベル計の測定精度を向上させる。
【0039】
以下に上記の構成の超音波レベル計の動作を、図7を用いて説明する。
【0040】
非特許文献4に示す超音波レベル計1の測定回路と同様な測定回路を用いている。超音波トランスジューサは、送信と受信を兼用している。アンプゲインコントローラーは時間と共にゲインを増加させる機能であり、不要波を除去するためのものである。また、積分回路は外乱を避けるためのものである。出力は電流出力(4〜20mADC)になっている。
【0041】
超音波トランスジューサに約100Vp−p、約500KHzそして6波のトーンバスト波を複合圧電素子に印加する。送受波をスイッチして、受信する。同じ経路にそって伝搬した超音波6の伝搬時間が計測され、その計測値に基づいて液面のレベルを計算する。
【0042】
以上の測定により従来に比較して、より精度の高い液面の位置を計測できる。
【0043】
第2の実施の形態である基本的な構成を図8の断面図で示す。
【0044】
液化ガスや灯油などを収容するステンレス製の容器2に取付けられた超音波レベル計1を図8で示す。超音波レベル計1の超音波トランスジューサ3は、容器2の底面にエポキシ樹脂を用いて複合圧電素子4を接合したものである。超音波トランスジューサ3を容器2から取り外す必要がない場合は、接触媒質を用いて容器に複合圧電素子4を接触させるより、容器2の底面にエポキシ樹脂を用いて複合圧電素子4を接合した方が信号の大きさ及び信号の立ち上がり特性、減衰特性が優れている。したがって図8に示す構成が適している。
【0045】
第3の実施の形態である基本的な構成を図9の断面図で示す。
【0046】
液化ガスや灯油などを収容する鋼鉄製の容器2に取付けられた超音波レベル計1を図9で示す。超音波トランスジューサ3を取り外す必要があり、かつ容器2が磁性材料からなっている場合、図9のような構成が望ましい。鋼鉄製のダイアフラム12にリング状の磁石7をエポキシ樹脂を用いて接合する。そしてダイアフラム12の中心部に複合圧電素子4を、エポキシ樹脂を用いて接合する。そして容器2とダイアフラム12の接合面にグリースを塗り、磁石7の磁力により容器2に圧着する。
【0047】
第4の実施の形態である基本的な構成を図10の断面図で示す。
【0048】
液化ガスや灯油などを収容するステンレス製の容器2に取付けられた超音波レベル計1を図10で示す。超音波トランスジューサ3を底面に設置できないときは、容器の上部に取付ける。その場合は、ステンレスを通過させ空気中に超音波を伝播させ液面で反射させ、再び空気中を超音波を伝搬させ、さらにステンレスを伝搬させ複合圧電素子4で受信する。このような構成においては、通常の圧電素子に比較して複合圧電素子が優れている。
【0049】
第5の実施の形態である基本的な構成を図11の断面図で示す。
【0050】
液化ガスや灯油などを収容するステンレス製の容器2に取付けられた超音波レベル計1を図11で示す。超音波トランスジューサ3a、3bを容器2の側面に設置するときは、容器の側面に対して超音波トランスジューサ3a、3bを移動させることがある。超音波トランスジューサ3a、3bは容器2の側面に接触する面に炭素繊維複合材料20a、20bを配置した複合圧電素子4a、4bとする。
【符号の説明】
【0051】
1 超音波レベル計
2 容器
3 超音波トランスジューサ
4 複合圧電素子
5 接触媒質
6 バッキング材
7 磁石
8 バッキング材カバー
9 圧電素子
10 エポキシ樹脂
11 伝搬特性測定装置
12 ダイアフラム
13 バネ
14 導入管
15 排出管
16 測定管
17 複合圧電素子を用いたときの検出波形
18 圧電素子を用いたときの検出波形
19 超音波レベル計測定回路
20 炭素繊維複合材料
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波トランスジューサ及び超音波レベル計、より詳細には、超音波の伝搬時間を利用して容器内の液面レベルなどを計測するための超音波トランスジューサ及び超音波トランスジューサを備えた超音波レベル計に関するものである。
【背景技術】
【0002】
超音波レベル計は、超音波トランスジューサから超音波を送信し、その反射波を受信するまでの時間を計測し、その時間に基づいて対象物までの距離を算出するもので、対象物までの距離を正確かつ容易に計測できるため、各種用途で利用されている。
【0003】
貯槽内部の液面が高い位置にある場合(貯槽底面から遠距離にある場合)、液面が近い場合に比べて微弱な波であるため、従来の受信回路では、液面が高い場合であっても十分にエコーを取得するには増幅回路のゲインを高める必要があった。ところが、増幅回路を高ゲインにした場合、駆動残響が指数関数的に減衰しきるところまで十分な時間が必要となってしまう。すなわち、高い液面まで対応させようとすると、駆動残響時間が長引くために、液面位置が低い場合に液面をとらえることができないという問題点があった。
【0004】
この問題を解決するために、受信回路をゲイン可変増幅回路で構成し、前回の計測結果で液面が低い場合には、低ゲインで反射エコーを検出する方法が考えられる。しかし、この方法では、液面位置が急激に変化するような場合、あるいは計測間隔が非常に長い場合には液面変動に追随できず、安定した計測ができない。
【0005】
これに対して、特許文献1には、超音波トランスジューサの駆動タイミングを起点として時間に応じて信号の増幅率が大きくなるように制御することにより、残響により検出できない不感帯時間(距離)を調整し、常に安定した残響特性と感度特性を実現できるようにした技術が開示されている。
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術の場合、信号の増幅率を制御することで、残響により検出できない不感帯時間を調整し、常に安定した残響特性と感度特性を両立させるには限界がある。また、貯槽の板厚が大きい場合、信号の増幅率を変化させるとともに、超音波トランスジューサに入力するパルス信号の発振時間を変化させることにより、ある程度の残響による不感帯時間(距離)を短く調整できるが、調整にも限界があり、温度や経時変化等を考慮すると、検出マージンが問題となる上、上記タイミングなどの制御が複雑化し、消費電力の増加が余儀なくされるという問題点がある。
【0007】
そこで特許文献2においては、液面レベルの低い場合の残響特性の影響が少なく、液体の充填等の液面変化に強く、液面の低い場合から高い場合まで、簡単な制御で安定した液面計測を可能とする超音波レベル計にすることができると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】 特開2004−257981号 公報
【特許文献2】 特開2008−232801号 公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】実吉純一、「超音波技術便覧」、日刊工業新聞社、昭和60年12月、p722−723
【非特許文献2】塩嵜 忠、「新・圧電材料の製造と応用」、株式会社シーエムシー、1987年12月、p99−109
【非特許文献3】川村雅恭、「電気音響工学概論」、株式会社 昭晃堂、平成10年9月、p52−53
【非特許文献4】超音波便覧編集委員会、「超音波便覧」、丸善株式会社、平成11年8月、p348−350
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、特許文献2においても、金属製のタンクと圧電素子の音響インピーダンスがそれほど異ならないため、金属製のタンクに超音波振動がほとんど伝搬してしまい、液体中に伝搬する超音波振動は非常に小さくなる。そのため、信号のS/N比が小さくなるため安定して精度の高い測定ができなくなるという問題がある。
【0011】
また、圧電素子の機械的品質係数が大きいため、残響が長く続くため、反射時間が小さいときは測定できないという問題がある。
【0012】
さらに、圧電素子は、詳細に見ると、図12に示すように変化する。すなわち、非動作時の静止状態では、Aに示すように、円柱形状を呈する。厚み方向への縮小状態では、径方向に伸びて、Bに強調して示すように凹レンズの形状となる。また、厚み方向への伸長状態では、径方向に縮んで、Cに強調して示すように凸レンズのような形状となる。この結果、Dに示すように円柱の中心部の超音波振動だけが直進し、周辺部は中心軸にたいして広がる方向に超音波振動が伝搬する。したがって、信号としての超音波信号は小さくなる。そして広がった超音波振動は、誤差として検出されてしまう問題点がある。
【0013】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、液面の低い場合から高い場合まで高精度に液面位置を計測できる超音波トランスジューサおよび該超音波トランスジューサを備えた超音波レベル計を提供することにある。
つまり、
1.信号の立ち上がり特性を向上させる。
2.残響特性を向上させる。
3.超音波の指向性を高める。
4.信号の分解能を高める。
これらを実現するために、
・ 圧電素子の機械的品質係数を小さくする。
・ 圧電素子の数を多くして、位相を同じにする。
・ 超音波の周波数を高める。
の以上が考えられる。これらを実現するために複合圧電素子が最も適している。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、超音波を超音波トランスジューサによって送信して、その送信波の反射波を同じまたは別の超音波トランスジューサによって受信し、前記超音波の送信から受信までの伝播時間を計測するによってレベルを測定する超音波レベル計において、超音波トランスジューサを複合圧電素子とするものである。
【0015】
本発明はまた、超音波を超音波トランスジューサによって送信して、その送信波の反射波を同じまたは別の超音波トランスジューサによって受信し、前記超音波の送信から受信までの伝播時間を計測するによってレベルを測定する超音波レベル計において、超音波トランスジューサを金属製のダイアフラムに接合した複合圧電素子とするものである。
【0016】
本発明はまた、前記ダイアフラムに金属製のダイアフラムリングを設けるものである。
【0017】
本発明はまた、容器の底部外壁面に取付けられ、該容器内部に収容された液体の液面に向けて超音波を送信すると共に、前記液面からの反射を受信する前記超音波トランスジューサを持つ超音波レベル計とするものである。
【0018】
本発明はまた、容器の側面外壁面に取付けられ、該容器に向けて超音波を送信すると共に、エコーを受信する前記超音波トランスジューサを持つ超音波レベル計とするものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明の超音波レベル計によれば、高精度に容器内の液体の液面を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明による超音波レベル計の第1の実施形態を示す断面図である。
【図2】第1の実施形態の超音波レベル計に用いた複合圧電素子の平面図である。
【図3】図2のA−A線での断面図である。
【図4】複合圧電素子と圧電素子の水中への超音波伝搬を比較するための装置である。
【図5】図4の装置に複合圧電素子を用いて水中を伝搬した超音波を伝搬した受信波を示す図である。
【図6】図4の装置に圧電素子を用いて水中を伝搬した超音波を伝搬した受信波を示す図である。
【図7】超音波レベル計に用いる測定回路の概略図である。
【図8】本発明による超音波レベル計の第2の実施形態を示す断面図である。
【図9】本発明による超音波レベル計の第3の実施形態を示す断面図である。
【図10】本発明による超音波レベル計の第4の実施形態を示す断面図である。
【図11】本発明による超音波レベル計の第5の実施形態を示す断面図である。
【図12】従来の超音波レベル計に用いる圧電素子の変位図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
第1の実施の形態である基本的な構成を図1の断面図で示す。
【0022】
図1で示す液化ガスや灯油などを収容するステンレス製の容器2に取付けられた超音波レベル計1である。超音波レベル計1は、容器2の底面に接触媒質5であるグリースを介して背面にバッキング材6を接合した複合圧電素子4を取付け、かつ容器2の底面に接着剤により取付けた磁石7と鋼鉄製のバッキング材カバー8により複合圧電素子4を押し付けた超音波トランスジューサ3と、超音波トランスジューサ3により超音波を送信した時点からその反射波を受信する時点までの時間情報に基づいて液面の検出動作を制御するコントローラとで構成される。接触媒質の詳細については、非特許文献1に記述されている。
【0023】
本発明で最も特徴的な点の一つは超音波トランスジューサの圧電素子が複合圧電素子であることである。
【0024】
複合圧電素子は、圧電セラミックなどの圧電体と樹脂が構造的に複合化され、圧電セラミックや圧電高分子にはない特徴を持つ材料である。非特許文献1に詳しく記載されているが、複合圧電振動子は圧電素子単体では、実現不可能な特性を得るために開発されたものであり、現在はその価格が高いこともあり医療用として主に使用されている。複合圧電振動子は、セラミックと高分子の複合体は、セラミックと高分子の各々が何次元の物理的(いくつの方向)に自己結合しているかにより分類される。すなわち、圧電活性な成分である圧電セラミックがその複合体の中で連なっている次元数mと圧電非活性な成分である高分子が連なっている次元数nでm−n複合体と表示する。複合圧電振動子の中でも、もっとも実用的な1−3複合体であり、本発明に用いた。
【0025】
図2、3に複合圧電素子4の詳細を示す。直径20mm、厚さ3mmであり、個々の圧電素子9は2mm角で長さ3mmであり、圧電素子9と圧電素子9を接合しているエポキシ樹脂10の幅は1mmである。圧電素子9は、鉛系圧電セラミックであり、いわゆるLow Q材である。
【0026】
また、通常の圧電素子に比較して機械的損失の大きい複合圧電振動子を用いることで、信号波形の立ち上がりが良くなるため、測定分解能が向上するため、測定精度が向上する。
【0027】
さらに複合圧電振動子の個々の圧電素子を点超音波発生源と考えると圧電素子の数が多いほど指向性は高まる。これに関しては非特許文献3に詳しく記述してある。
本発明の目的である超音波の指向性を高めレベル計の精度を向上させるためには圧電素子の数は9個以上が望ましい。
また、複合圧電振動子の個々の圧電素子を点超音波発生源としてより作用するために個々の圧電素子を接合している接着剤の音響インピーダンスを小さくするため、接着剤より密度の低いフィラーを混合することが望ましい。
【0028】
参考までにここで用いた、又は比較した材料の物性を示す。
鉛系圧電セラミックの密度は、約7.8×103kg/m3、音速4100m/s、音響インピーダンス約3.2×107kg/m2sである。
エポキシ樹脂の密度は、約1.1×103kg/m3、音速2480m/s、音響インピーダンス約2.7×106kg/m2sである。
【0029】
本発明では、複合圧電素子を構成する圧電素子として圧電セラミックの他、圧電単結晶もある。圧電セラミックは、チタン酸ジルコン酸鉛、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、ニオブ酸鉛などある。また圧電単結晶は、チタン酸ジルコン酸鉛単結晶、ニオブ酸リチウム、水晶などがある。
【0030】
本発明では、圧電素子として多結晶の圧電素子を用いた複合圧電素子を使用したが、さらに高い性能を要求される場合は、圧電単結晶を圧電素子とする複合圧電素子も考えられる。
【0031】
ここで、本発明の複合圧電素子4を使用した超音波トランスジューサ3の性能を従来の圧電素子9を用いた超音波トランスジューサ3と比較するために図4の断面図に示す伝搬特性測定装置11を用いる。基本的な性能を比較するため、外径50mm、内径40mmそして長さ100mmのステンレス製の測定管16の両側に直径50mm、厚さ1.9mmのステンレスの円板を接合し、その円板の外側の中心部に図4に示した複合圧電振動子4a、4bをグリースにより接着した。そしてこの複合圧電振動子4a、4bに約98Vp−pで492KHzの6波のバースト波を印加し、反対側の複合圧電振動子4a、4bでの受信電圧を観測した結果を図5に示す。伝搬音速は約1470m/sであり、ほぼ超音波の水の伝搬速度と一致している。したがって水中を波動が直進しているがわかる。また受信信号の減衰時間は約230μsである。
【0032】
上記に述べた伝搬特性測定装置11を用い、通常の圧電素子を用いた超音波トランスジューサ3の評価をする。直径20mmそして厚さ1mmの従来の圧電素子9を3枚積層した積層圧電素子を作成する。そしてこの積層圧電素子を用いた超音波トランスジューサ3を用いたものについて説明する。外径50mm、内径40mmそして長さ100mmのステンレス管の両側に直径50mm、厚さ1.9mmのステンレスの円板を接合し、その円板の外側の中心部に積層圧電素子をグリースにより接着した。そしてこの積層圧電素子に約101Vp−pで94KHzの6波のバースト波を印加し、反対側の積層圧電素子での受信電圧を観測した結果を図6に示す。なお積層圧電素子を用いた理由は、駆動電圧を小さくするためであった。
【0033】
さらに減衰特性を測定するために、オシロの時間軸を延長して400μs以上波動が継続していることを確認した。伝搬音速は約1140m/sであり、水中を波動が直進していないことがわかる。
【0034】
以上のように複合圧電振動子を用いることで、従来の圧電素子に比較して、超音波の指向性を高めることができることが明らかになった。また、同じ形状でも複合圧電振動子を用いるものは厚み方向の高い周波数を用いるので、測定分解能を高めることができる。そして積層圧電素子のQmが約60であり、複合圧電振動子のQmが約20であるので複合圧電振動子の受信信号の立ち上がり特性が優れる。
【0035】
ここで、同じ形状でも複合圧電振動子の圧電素子の数を多くすると指向性が高まるが、圧電素子の断面積が小さすぎると機械的強度に不安が生じるので少なくても0.01mm2以上の断面積が必要である。また厚み方向の振動を励起するために、25mm2以下の断面積が必要である。
【0036】
図5に示すように本発明の超音波トランスジューサを用いたものは、水中を伝搬した波動のみが受信され、その波動の立ち上がり特性がよい。したがって、正確に液面の測定が可能となる。
【0037】
図6に示すように従来の超音波トランスジューサを用いたものは、駆動周波数が比較的低くいため分解能が小さく、立ち上がり特性も良くない。さらに、超音波の直進性が良くない。そのため、正確に、そして分解能が高い液面の測定ができない。しかも、様々な波動が長く続くため、測定間隔が長くなり、急激な液面変化に追随できない。これの原因の一つは、本発明の超音波トランスジューサのQmが約24であり、従来の超音波トランスジューサのQmが約300であるためと考えられる。
【0038】
したがって、機械的品質係数Qmが高い材料である金属にQmが100程度の圧電素子を接合すると、超音波トランスジューサのQmが約300程度になり、超音波レベル計の測定精度に悪影響がある。これに対して、機械的品質係数Qmが高い材料である金属にQmが20程度の複合圧電素子を接合すると、超音波トランスジューサのQmが約20程度になり、超音波レベル計の測定精度を向上させる。
【0039】
以下に上記の構成の超音波レベル計の動作を、図7を用いて説明する。
【0040】
非特許文献4に示す超音波レベル計1の測定回路と同様な測定回路を用いている。超音波トランスジューサは、送信と受信を兼用している。アンプゲインコントローラーは時間と共にゲインを増加させる機能であり、不要波を除去するためのものである。また、積分回路は外乱を避けるためのものである。出力は電流出力(4〜20mADC)になっている。
【0041】
超音波トランスジューサに約100Vp−p、約500KHzそして6波のトーンバスト波を複合圧電素子に印加する。送受波をスイッチして、受信する。同じ経路にそって伝搬した超音波6の伝搬時間が計測され、その計測値に基づいて液面のレベルを計算する。
【0042】
以上の測定により従来に比較して、より精度の高い液面の位置を計測できる。
【0043】
第2の実施の形態である基本的な構成を図8の断面図で示す。
【0044】
液化ガスや灯油などを収容するステンレス製の容器2に取付けられた超音波レベル計1を図8で示す。超音波レベル計1の超音波トランスジューサ3は、容器2の底面にエポキシ樹脂を用いて複合圧電素子4を接合したものである。超音波トランスジューサ3を容器2から取り外す必要がない場合は、接触媒質を用いて容器に複合圧電素子4を接触させるより、容器2の底面にエポキシ樹脂を用いて複合圧電素子4を接合した方が信号の大きさ及び信号の立ち上がり特性、減衰特性が優れている。したがって図8に示す構成が適している。
【0045】
第3の実施の形態である基本的な構成を図9の断面図で示す。
【0046】
液化ガスや灯油などを収容する鋼鉄製の容器2に取付けられた超音波レベル計1を図9で示す。超音波トランスジューサ3を取り外す必要があり、かつ容器2が磁性材料からなっている場合、図9のような構成が望ましい。鋼鉄製のダイアフラム12にリング状の磁石7をエポキシ樹脂を用いて接合する。そしてダイアフラム12の中心部に複合圧電素子4を、エポキシ樹脂を用いて接合する。そして容器2とダイアフラム12の接合面にグリースを塗り、磁石7の磁力により容器2に圧着する。
【0047】
第4の実施の形態である基本的な構成を図10の断面図で示す。
【0048】
液化ガスや灯油などを収容するステンレス製の容器2に取付けられた超音波レベル計1を図10で示す。超音波トランスジューサ3を底面に設置できないときは、容器の上部に取付ける。その場合は、ステンレスを通過させ空気中に超音波を伝播させ液面で反射させ、再び空気中を超音波を伝搬させ、さらにステンレスを伝搬させ複合圧電素子4で受信する。このような構成においては、通常の圧電素子に比較して複合圧電素子が優れている。
【0049】
第5の実施の形態である基本的な構成を図11の断面図で示す。
【0050】
液化ガスや灯油などを収容するステンレス製の容器2に取付けられた超音波レベル計1を図11で示す。超音波トランスジューサ3a、3bを容器2の側面に設置するときは、容器の側面に対して超音波トランスジューサ3a、3bを移動させることがある。超音波トランスジューサ3a、3bは容器2の側面に接触する面に炭素繊維複合材料20a、20bを配置した複合圧電素子4a、4bとする。
【符号の説明】
【0051】
1 超音波レベル計
2 容器
3 超音波トランスジューサ
4 複合圧電素子
5 接触媒質
6 バッキング材
7 磁石
8 バッキング材カバー
9 圧電素子
10 エポキシ樹脂
11 伝搬特性測定装置
12 ダイアフラム
13 バネ
14 導入管
15 排出管
16 測定管
17 複合圧電素子を用いたときの検出波形
18 圧電素子を用いたときの検出波形
19 超音波レベル計測定回路
20 炭素繊維複合材料
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波を超音波トランスジューサによって送信して、その送信波の反射波を同じまたは別の超音波トランスジューサによって受信し、前記超音波の送信から受信までの伝播時間を計測するによってレベルを測定する超音波レベル計において、超音波トランスジューサを複合圧電素子であることを特徴とする。
【請求項2】
超音波を超音波トランスジューサによって送信して、その送信波の反射波を同じまたは別の超音波トランスジューサによって受信し、前記超音波の送信から受信までの伝播時間を計測するによってレベルを測定する超音波レベル計において、超音波トランスジューサが金属製のダイアフラムに接合した複合圧電素子とすることを特徴とする。
【請求項3】
前記ダイアフラムが金属製のダイアフラムリングを有していることを特徴とする請求項2に記載の超音波レベル計。
【請求項4】
容器の底部外壁面に取付けられ、該容器内部に収容された液体の液面に向けて超音波を送信すると共に、前記液面からの反射を受信する超音波トランスジューサである請求項1、2、3のいずれかに記載の超音波レベル計。
【請求項5】
容器の側面外壁面に取付けられ、該容器に向けて超音波を送信すると共に、エコーを受信する超音波トランスジューサである請求項1、2、3のいずれかに記載の超音波レベル計。
【請求項1】
超音波を超音波トランスジューサによって送信して、その送信波の反射波を同じまたは別の超音波トランスジューサによって受信し、前記超音波の送信から受信までの伝播時間を計測するによってレベルを測定する超音波レベル計において、超音波トランスジューサを複合圧電素子であることを特徴とする。
【請求項2】
超音波を超音波トランスジューサによって送信して、その送信波の反射波を同じまたは別の超音波トランスジューサによって受信し、前記超音波の送信から受信までの伝播時間を計測するによってレベルを測定する超音波レベル計において、超音波トランスジューサが金属製のダイアフラムに接合した複合圧電素子とすることを特徴とする。
【請求項3】
前記ダイアフラムが金属製のダイアフラムリングを有していることを特徴とする請求項2に記載の超音波レベル計。
【請求項4】
容器の底部外壁面に取付けられ、該容器内部に収容された液体の液面に向けて超音波を送信すると共に、前記液面からの反射を受信する超音波トランスジューサである請求項1、2、3のいずれかに記載の超音波レベル計。
【請求項5】
容器の側面外壁面に取付けられ、該容器に向けて超音波を送信すると共に、エコーを受信する超音波トランスジューサである請求項1、2、3のいずれかに記載の超音波レベル計。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−7764(P2011−7764A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−170536(P2009−170536)
【出願日】平成21年6月29日(2009.6.29)
【出願人】(500222021)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月29日(2009.6.29)
【出願人】(500222021)
【Fターム(参考)】
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