説明

超音波媒介デリバリー用ガス充填マイクロカプセル含有医薬組成物

生理活性剤の超音波媒介デリバリーに有用な、ガス充填マイクロカプセルおよび生理活性剤を含む組成物。マイクロカプセルは、ポリマーまたは脂質材料の比較的硬い殻を含み、生理活性剤が、マイクロカプセルの殻に実質的に非結合であると同時に、特に、少なくとも0.15のメカニカルインデックス(照射音圧)に対する抵抗性を有する。本発明の組成物は、マイクロカプセルの一部を破壊し、その中に含まれるガスを放出しうる音圧のレベルに組成物を曝露することにより、細胞内に遺伝物質を効率的にデリバリーするのに特に適している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生理活性剤の超音波媒介デリバリー用の製剤を製造するためのガス充填マイクロカプセルおよび生理活性剤を含む組成物の使用、および有効量の該医薬を、それを必要とする患者に投与することを含む生理活性剤のデリバリー方法に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波造影剤(UCA)は、医学研究および臨床診療における診断的適用において広範に用いられている。典型的には、該UCAは、ガス充填微小胞としても知られている安定化気泡の形態である。ガス充填微小胞は、一般に、2つの大きなカテゴリー、すなわち、マイクロバブルとマイクロカプセル(またはマイクロバルーン)に分けられる。
【0003】
マイクロバブルには、ガス−液体界面に配置された安定化両親媒性材料を必要とする、薄い包膜(フィルム)によってガスの気泡がガス/液体界面にて境界分けされる水性懸濁液が含まれる。マイクロバブル懸濁液は、たとえば、凍結乾燥予備成形リポソームまたは凍結乾燥もしくは噴霧乾燥リン脂質溶液などの粉末両親媒性材料を、マイクロバブル懸濁液を生成するように撹拌しながら、空気もしくは他のガス、次いで、水性担体に接触させることによって典型的に製造され、次いで、好ましくはその製造直後に投与されうる。ガスマイクロバブルの水性懸濁液およびその製造の例は、たとえば、US 5,271,928、US 5,445,813、US 5,413,774、US 5,556,610、US 5,597,549、US 5,827,504およびWO 04/069284などに開示される。
【0004】
マイクロカプセル(またはマイクロバルーン)には、ガスの気泡を、脂質または天然もしくは合成ポリマーの固体材料包膜が取り囲む懸濁液が含まれる。マイクロカプセル包膜の厚さは、数ナノメーターから数百ナノメーターまで様々である。マイクロカプセルおよびその製造の例は、たとえば、US 5,711,933およびUS 6,333,021などに開示される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、これらのUCAは、超音波媒介遺伝子デリバリーに利用されている。この新規なアプローチは、薬物または遺伝物質の細胞への移動が促進される、細胞の段階における一時的膜透過化(sonoporationとしても知られる)を誘発するためにガス微小胞の音響キャビテーション効果を用いる。ガス充填微小胞組成物は、このように発展しており、微小胞は、治療化合物を、それらの内部空間部分に、または安定化包膜に包含して、含む。たとえば、米国特許番号6,416,740は、治療化合物を包含するガス充填マイクロスフェアを含む標的化治療システムを開示する。同様に、米国特許出願番号2004/0258760は、生理活性化合物を入れたポリマーマイクロカプセルに関する。しかし、この解決法には、治療化合物を何とかしてガス充填微小胞内へ挿入するか、またはそれに結合しなければならず、したがって、煩雑な製造過程を必要とするという不都合もある。さらに、治療化合物を運んでいる同じ微小胞が、必要な細胞透過化を提供するためのキャビテーション効果を受けることになるという事実が、全システムをむしろ無効にする。さらに、治療化合物は、それが微小胞を形成している材料と適合するために、一般に疎水性であるか、または疎水性にされなければならない(たとえば、遺伝物質の場合など)ので、細胞の血液循環という親水性環境では治療化合物の放出の有効性が低くなる可能性がある。
【0006】
今や、出願人は、特に治療化合物物質が実質的にマイクロカプセルの殻と何らかの安定な結合をもたない場合に、適用された超音波のメカニカルインデックス(照射音圧)に対する所定の抵抗性を有するガス充填マイクロカプセルを含む組成物の使用が、細胞内への治療化合物(遺伝物質など)のデリバリーの有効性を著しく増強することを見出している。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の要旨)
本発明の1つの態様は、生理活性剤ならびにポリマーおよび/または脂質殻を有するガス充填マイクロカプセルを含む組成物であって、マイクロカプセルが少なくとも0.15のメカニカルインデックス(MI)に対する抵抗性を有し、生理活性剤が実質的に殻に非結合である組成物に関する。
【0008】
用語「MIに対する抵抗性」は、本発明組成物のマイクロカプセルが、実質的ダメージを被ることなく、所定の周波数で適用された音圧の所定の閾値に耐えることができることを意味する。さらに詳しくは、マイクロカプセルの総数の50%以下、好ましくは30%以下、より好ましくは20%以下が、音圧の所定の閾値の適用において破壊される。マイクロカプセルの「破壊」は、マイクロカプセルの殻の少なくとも一部が破壊されて封入するガスを放出することを意味する。
【0009】
本明細書で用いるメカニカルインデックス(MI)は、無次元であり、

[ここで、Pは、ピーク負音圧(MPa、水中で測定)、fは、適用された超音波の周波数(MHz)およびCMIは、1 MPa.MHz−1/2に等しい正規化定数である]
で定義される。
【0010】
本明細書で用いる用語「実質的に非結合」は、生理活性剤が、マイクロカプセルの包膜を形成する分子と安定な相互作用(共有またはイオン型など)をもたず、したがって、懸濁液中で(微小胞の安定化包膜の外側に)自由に分散することを示す。さらに詳しくは、本発明組成物は、マイクロカプセルおよび生理活性剤(必要に応じて担体と結合する)を含む水性懸濁液であり、該生理活性剤の大部分(すなわち、50%以上)は、該マイクロカプセルの包膜から解離している。生理活性剤の総量の好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも90%が、懸濁液中で自由に分散する(すなわち、マイクロカプセルと安定に結合せず、マイクロカプセルに組み込まれない)。
【0011】
マイクロカプセルが、少なくとも0.18、より好ましくは少なくとも0.20のメカニカルインデックスに対する抵抗性を有するのが好ましい。さらに詳しくは、マイクロカプセルは、1.15 MHzにて少なくとも約200 kPaまたは2.25 MHzにて少なくとも約300 kPaの音圧に対する抵抗性を有するのが好ましい。
組成物のマイクロカプセルが、少なくとも5 N/m、より好ましくは8 N/mの硬さを有するのが好ましい。
好ましい実施態様において、生理活性剤は、担体に組み込まれる。担体が、正荷電した脂質またはポリマーを含むのが好ましい。担体が、リポソームまたはミセルの形態であるのがより好ましい。
さらなる好ましい実施態様において、担体はさらに、標的化リガンドを含む。
【0012】
本発明のもう1つの態様は、生理活性剤の超音波媒介デリバリー用製剤を製造するための、生理活性剤ならびにポリマーおよび/または脂質殻を有するガス充填マイクロカプセルを含む組成物であって、マイクロカプセルが少なくとも0.15のメカニカルインデックス(MI)に対する抵抗性を有し、生理活性剤が実質的に殻に非結合である組成物の使用に関する。
【0013】
本発明のさらなる態様は、上記の生理活性剤およびガス充填マイクロカプセルを含む医薬キットに関する。
【0014】
本発明のさらに別の態様は、
生理活性剤ならびにポリマーおよび/または脂質殻を有する複数のガス充填マイクロカプセルを含む組成物であって、マイクロカプセルが少なくとも0.15のメカニカルインデックス(MI)に対する抵抗性を有し、生理活性剤が実質的に殻に非結合である組成物を、それを必要とする患者において、該細胞を含む身体部分に投与し;次いで
マイクロカプセルの一部を破壊して、細胞に生理活性剤を効率的にデリバリーすることができる音圧を有する超音波を該身体部分に適用すること;
を含む、生理活性剤を細胞にデリバリーする方法に関する。
【0015】
破壊されたマイクロカプセルの部分が、低量、たとえばマイクロカプセルの総量の1%以下などであることもありうる(たとえば、これらが懸濁液1 ml当たり109個のマイクロカプセルといったような高濃度で投与される場合)。破壊されたマイクロカプセルの量は、好ましくは少なくとも5%、より好ましくは少なくとも10%、およびさらに好ましくは少なくとも50%である。
【0016】
(詳細な記載)
本発明の医薬的に有効な組成物は、組成物中のマイクロカプセルの少なくとも一部を破壊することができる所定の音圧および周波数の超音波を適用することによって、生理活性剤を細胞に効率的にデリバリーするために用いることができる。
【0017】
用語「医薬的に有効な組成物」は、その意味に、それを必要とする患者に有効量で投与した場合に、医薬的効果(たとえば、生理活性および/または治療効果)
を発揮することができる生理活性製剤および/または治療有効製剤などの製剤および/またはまたはその前駆体のいずれをも含む。同様に、用語「医薬的に有効な」は、化合物、作用剤またはキットに言及する場合、その意味に、診断的化合物、作用剤またはキット、生理活性化合物、作用剤またはキットおよび/または治療化合物、作用剤またはキットを含む。
【0018】
用語「生理活性剤」は、その意味に、患者における疾患の治療方法においてなどの治療的適用のいずれにを用いることもできる製剤の化合物などの、患者における病理状態(病弊、苦痛、病変または外傷など)のいずれかの治療(診断、予防、軽減、鎮痛または治癒を含む)に用いられることができる物質、組成物または粒子、ならびにインビトロおよび/またはインビボでの生理的効果を発揮することができるか、または発揮するための原因となる物質のいずれをも含む。生理活性剤の例は、オリゴペプチドおよびポリペプチド、ビタミン、ステロイド、およびヌクレオシド、ヌクレオチドおよびポリヌクレオチドといったような遺伝物質などの薬物、医薬、タンパク質、天然または合成ペプチドである。患者の治療方法または治療として典型的には、医薬的に有効な組成物に典型的には含まれる生理活性剤の使用が挙げられる。
【0019】
出願人によって観察されたように、ポリマーおよび/または脂質材料でできた硬い包膜をもつマイクロカプセル(特に、少なくとも50 nm、好ましくは少なくとも100 nmの包膜厚をもつマイクロカプセル)の使用により、薄膜材料(たとえば、10 nm以下)によって安定化されたマイクロバブルの使用と比べて、細胞への遺伝物質のより有効なデリバリーが可能になる。
【0020】
本発明組成物のガス充填マイクロカプセルの包膜は、ポリマー包膜(好ましくは生分解性ポリマーを含む)または生分解性不水溶性脂質を含む包膜であるのが好ましい。適当なマイクロカプセルおよびその製造の例は、たとえば、US 5,711,933、US 6,333,021、US 5,837,221またはUS 6,045,777に開示されている(これらは、参照することにより本発明に援用される)。タンパク質性包膜、すなわち、US−A−4,276,885またはEP−A−0 324 938に記載されているような天然タンパク質(アルブミン、ヘモグロビン)からできた包膜を有するマイクロカプセルもまた用いることができる。
【0021】
注射用マイクロカプセルの包膜を形成するポリマーは、親水性で生分解性の生理的適合性ポリマーであるのが好ましい。天然でも合成でもよい、このようなポリマーの例は、実質的に不溶性の多糖類(たとえば、キトサンまたはキチン)、ポリシアノアクリレート、ポリラクチドおよびポリグリコリドおよびそのコポリマー、γ−カプロラクトンまたはδ−バレロラクトンなどのラクチドおよびラクトンのコポリマー、エチレンオキシドおよびラクチドのコポリマー、ポリエチレンイミン、ポリペプチド、ならびにゼラチン、コラーゲン、グロブリンまたはアルブミンなどのタンパク質である。前記のUS 5,711,933に言及されたその他の適当なポリマーとして、ポリ−(オルト)エステル、ポリ乳酸およびポリグリコール酸およびそのコポリマー(たとえば、デクソン(登録商標)、Davis & Geck、Montreal、カナダ);ポリ(DL−ラクチド−co−γ−カプロラクトン)、ポリ(DL−ラクチド−co−δ−バレロラクトン)、ポリ(DL−ラクチド−co−γ−ブチロラクトン)、ポリアルキルシアノアクリレート;ポリアミド、ポリヒドロキシブチレート;ポリジオキサノン;ポリ−β−アミノケトン;ポリホスファゼン;およびポリ無水物が挙げられる。ポリグルタミン酸およびポリアスパラギン酸などのポリアミノ酸、ならびに低級アルコールまたはグリコールとの部分エステルなどのその誘導体を用いることもできる。メチオニン、ロイシン、バリン、プロリン、グリシン、アラニンなどの他のアミノ酸とのコポリマーを用いることもできる。制御生分解性をもつポリグルタミン酸およびポリアスパラギン酸の誘導体(WO87/03891、US 4,888,398またはEP 130935などに記載される、これらは、参照することにより本発明に援用される)を用いることもできる。これらのポリマー(および他のアミノ酸とのコポリマー)は、次のタイプの式を有する:−(NH−CHA−CO)w−(NH−CHX−CO)y−[式中、Xは、アミノ酸残基の側鎖(たとえば、メチル、イソプロピル、イソブチルまたはベンジル)を意味する;Aは、式:−(CH2)nCOOR1R2−OCOR、−(CH2)nCOO−CHR1COOR、−(CH2)nCO(NH−CHX−CO)mNH−CH(COOH)−(CH2)pCOOHで示される基またはそのそれぞれの無水物である(ここで、R1およびR2は、Hまたは低級アルキルを表し、Rは、アルキルまたはアリールを表す;またはRおよびR1は、置換または非置換連結メンバーによって連結されて、5または6員環を形成する;n、mおよびpは、小さい数の整数であり、5を越えない);ならびにwおよびyは、5000より下でない分子量を有するように選ばれる整数である]
【0022】
必要に応じて上記生分解性ポリマーと併用して、非生分解性ポリマーを用いることもできる(たとえば、消化管で用いられるマイクロカプセルを作成するためなど)。これらは、たとえば、ポリオレフィン(ポリスチレン)、アクリル樹脂(ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル)、ポリエステル(ポリカーボネート)、ポリウレタン、ポリ尿素およびそのコポリマーなどの大部分の水不溶性の生理的に許容しうるバイオレジスタントポリマーから選ぶことができる。ABS(アクリル−ブタジエン−スチレン)が、好ましいコポリマーである。
【0023】
有利には、イオン性ポリマー(すなわち、その構造にイオン性部分を有するポリマー)、好ましくは生分解性イオン性ポリマーを用いてマイクロカプセルの安定化包膜を形成することもでき、したがって、それに全正味荷電が授与される。イオン性ポリマーは、安定化包膜の主成分として用いることができ、あるいは様々な量で非イオン性ポリマーと混合することができる。適当なイオン性ポリマーは、たとえば、四級化アミンなどの四級化窒素原子を含むポリマーまたはカルボン酸、硫酸、スルホン酸またはホスホン酸部分を含むポリマーである。適当な
イオン性ポリマーの例として、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)、四級化ポリ{ビス(2−クロロエチル)エーテル−alt−1,3−ビス[3−(ジメチルアミノ)プロピル]ウレア}(ポリクオタニウム(登録商標)−2)、ポリ(4−ビニルピリジニウムトリブロミド)、四級化ヒドロキシエチルセルロースエトキシレート(ポリクオタニウム(登録商標)−4、ポリ(p−キシレンテトラヒドロチオフェニウムクロリド)、ポリ(L−リジン)、キチン、ジエチレンアミノエチルデキストラン、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(スチレン−alt−マレイン酸)、ポリ(アミノ酸)、アルギン酸、ポリ(ウリジル酸)、ヒアルロン酸、すなわち、ポリ(β−グルクロン酸−alt−β−N−アセチルグルコサミド)、ポリ(ガラクツロン酸)、ポリ(酢酸ビニル−co−クロトン酸)、ポリ(3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物−co−4,4'−オキシジアニリン)、ポリ(イソプレン−graft−マレイン酸モノメチルエーテル)、グルタミン酸とグルタミン酸アルキルのコポリマー、ヘパリン、ポリ(スチレンスルホン酸)、スルホン化ポリ(イソフタル酸)、ポリ(ビニルスルホン酸カリウム塩)、ポリ(ビニル硫酸カリウム塩)、コンドロイチン硫酸A、デキストラン硫酸、フコイダン、ポリリン酸、ポリリン酸ナトリウム、ポリビニルリン酸ナトリウム、キトサン、硫酸化キトサン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸およびリグニンスルホン酸が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0024】
本発明組成物のためのマイクロカプセルを形成するのに有用な生分解性水不溶性脂質は、たとえば、固体水不溶性モノ−、ジ−またはトリグリセリド、脂肪酸、脂肪酸エステル、コレステロールなどのステロール、ワックスおよびその混合物などを含む。モノ−、ジ−およびトリグリセリドとして、主として、モノ−、ジ−およびトリラウリン化合物ならびに対応する−ミリスチン、−パルミチン、−ステアリン、−アラキジンおよび−ベヘニン誘導体が挙げられる。モノ−、ジ−およびトリミリスチン、−パルミチン、−ステアリンおよびジパルミトイルモノオレイルグリセリドなどの混合トリグリセリドが、特に有用である;トリパルミチンおよびトリステアリンが好ましい。脂肪酸として、たとえば、ラウリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、セバシン酸、ミリスチン酸、セロチン酸、メリシン酸およびエルカ酸ならびにその脂肪酸エステルなどの12個以上の炭素原子を有する固体(室温、約18−25℃にて)脂肪酸(飽和が好ましい)が挙げられる。脂肪酸およびそのエステルは、他のグリセリドとの混合物として用いるのが好ましい。
【0025】
ステロールは、他のグリセリドおよび/または脂肪酸との混合物として用いるのが好ましく、コレステロール、フィトステロール、ラノステロール、エルゴステロールなど、および前記脂肪酸とステロールのエステルから選ばれる;しかし、コレステロールが好ましい。
好ましい生分解性脂質は、トリパルミチン、トリステアリンまたは前記トリグリセリドの混合物などのトリグリセリドである。
必要に応じて、75重量%までの前述の生分解性ポリマーを、マイクロカプセルの包膜を形成する生分解性水不溶性脂質と混合することができる。
【0026】
慣例の添加剤をマイクロカプセルの包膜に配合して、分散性、弾性および透水性などのその物理的特性を変更することもできる。さらに詳しくは、有効量の脂質、リン脂質または修飾リン脂質などの両親媒性材料を、該マイクロカプセルの製造用に調製されたエマルションに、その安定性を増加させるために、加えることができる。
再分散剤または増粘剤などのマイクロカプセルの製造のために特に用いる他の賦形剤または添加剤を包膜に配合することができる。
【0027】
たとえば、US 5,711,933(参照することにより本発明に援用される)に開示された工程にしたがって、生分解性ポリマー含有マイクロカプセルを製造することができ、該工程は、(a)水相中の水中油型エマルションとして疎水性相の小滴が得られるように、疎水性有機相を水相中に乳化させること;(b)該ポリマーが該小滴の周囲に層を形成するために、水相に不溶性の揮発性溶媒中の少なくとも1つのポリマーの溶液を該エマルションに加えること;(c)小滴の周囲の界面沈澱によってポリマーを蓄積させるために、該揮発性溶媒を蒸発させ、次いで、該ポリマーの膜によってカプセル化された該疎水性相のコアをもつビーズを形成させ、該ビーズを該水相に懸濁させること;(d)該懸濁液を減圧に付すことによる蒸発によって、該カプセル化された疎水性相を除去すること;および(e)該蒸発された疎水性相を適当なガスで置き換えること;を含む。
【0028】
たとえば、水中油型エマルションを生成するように、水担体相に、有機溶媒に溶解したマイクロカプセル包膜の1種以上の固体成分の混合物を分散させることによる、US 6,333,021(参照することにより本発明に援用される)に開示された工程にしたがって、生分解性脂質含有マイクロカプセルを製造することができる。エマルション水相は、エマルションを安定化させるのに用いる有効量の両親媒性材料を含むことができる。
【0029】
次いで、一定量の再分散剤および/または抗凍結(cryoprotecting)または抗溶解(lyoprotecting)剤を、水相中の有機溶液の微小滴のエマルションに加えた後、−30℃以下の温度で凍結させる。どの都合のよい再分散剤でも用いることができる;糖質、アルブミン、ゼラチン、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレングリコール(PEG)およびエチレンオキシド−プロピレンオキシドブロックコポリマー(たとえば、プルロニック(登録商標)またはシンペロニック(登録商標))またはその混合物から選ばれる再分散剤が好ましい。マイクロカプセルが非癒着性、無水および即分散可能な粉末の形態である場合に、粒子の凝集を妨げるために加える再分散剤が特に有用である。抗凍結(cryoprotecting)または抗溶解(lyoprotecting)剤の例は、たとえば、グリシンなどのアミノ酸;たとえば、スクロース、マンニトール、マルトース、トレハロース、グルコース、ラクトースといったような糖質またはシクロデキストリン、またはデキストランといったような多糖類などの炭水化物である。
【0030】
次いで、凍結エマルションを減圧に付して、凍結乾燥、すなわち、小滴からの有機溶媒の昇華による除去および担体相の水の除去を達成し、次いで、凍結乾燥生成物を所望のガスと接触させる。
【0031】
本発明組成物に適したマイクロカプセルは、典型的に、少なくとも50 nm、好ましくは少なくとも100 nmであって、数百ナノメーター(たとえば、約600 nm)以下の厚さの包膜を有する。出願人によって観察されたように、包膜の厚さは、該マイクロカプセルに、高値のMIに対する所望の抵抗性を授与するために調節されうる1つのパラメーターである。
【0032】
本明細書の開示を考慮して、当業者の知識に基づいて包膜形成材料を適当に選択することによって、マイクロカプセルの所望の特性を調節することもできるということがさらに観察されている。たとえば、包膜形成材料がポリマーである場合、該ポリマーの適当な分子量を選択することによって所望の特性を得ることができる;典型的には、該分子量は、好ましくは少なくとも30 kDa(キロダルトン)、より好ましくは少なくとも100 KDaおよびさらにより好ましくは少なくとも300 kDaである。別法として、あるいはそれに加えて、包膜形成材料(たとえば、脂質または低分子量ポリマー)の分子を架橋させることによって、および/または包膜の厚さを適当に増加させることによって、所定のMIに対する抵抗性を増加させることができる。
【0033】
一般に、マイクロカプセルに一定の硬さを授与することができる包膜のための材料を用いるのが有利である。
包膜によって提供される硬さであるSpは、微小胞(マイクロバブルまたはマイクロカプセル)の測定された減衰スペクトルと計算された減衰スペクトルとの間の最良適合分析によって決定することができる。減衰は、微小胞の懸濁液で満たされた体積を通る超音波の伝播中の吸収および散乱によるエネルギー散逸の結果である。減衰スペクトルは、通例、たとえば、Gorce JM、Arditi、M and Schneider M.「Influence of bubbles size distribution of the echogenicity of ultrasound contrast agents: A study of SonoVue」.Invest.Radiol.、vol 35(11)、pp.661−671、2000に記載されるような置換技術を用いて測定される。簡単に述べると、たとえば、0.9% NaClで満たされた容器の後壁などの平面反射版の音響応答を測定し、基準エコー、Iref(ω)として用いる。次に、容器中の0.9% NaClを、微小胞を含む懸濁液と交換し、後壁の応答、Iatten(ω)を再度測定する。2つの測定の比から、周波数の関数として、実験的に決定された減衰が得られる。

【0034】
減衰スペクトルは、公知であり、広範に文献に記載されている(たとえば、上記のGorce et al.など)理論的モデルを用いて計算することができる。簡単に述べると、たとえば、Coulter Multisizer II(Coulter Electronics Ltd.、Luton、英国)による微小胞のサイズ分布測定に基づいて、Spの初期値についての減衰スペクトルを計算する。次いで、最良適合分析のための誤差基準を、実験的減衰スペクトルと理論的減衰スペクトルとの間のルート−平均−平方(RMS)誤差として算定する:

[ここで、ωi=[ω1,…,ω N]は、最適適合に用いた抽出された周波数であり、αth(ω)は、周波数の関数としての計算された減衰である]。一定のサイズ分布についての最小RMS誤差を作り出すSpが、最良推定量であるとみなされる。
本発明の好ましいマイクロカプセルは、少なくとも約5 N/m、好ましくは少なくと約8 N/mのSpの値を有するものである。
【0035】
減衰の測定のために、以下の装置を用いることができる。2つのシングルエレメント変換器、7.5 MHzおよび20 MHz(V3640およびV316、Panametrics Inc.、Waltham、マサチューセッツ)を、パルス−エコー(伝達および受信)モードでの超音波パルスレシーバー(5800PR、Panametrics Inc.、Waltham、マサチューセッツ)によって駆動させる。これは、5〜25 MHzの範囲の周波数帯をカバーする。パルサー−レシーバーのアウトプットを、デジタルオシロスコープ(DL4100モデル、10ビット、100MS/秒、横河電機、東京、日本)の50 Ωインプットに接続する。パルサー−レシーバーおよびオシロスコープは、パーソナルコンピューター(PC)の汎用インターフェースバス(GPIB)でコントロールされる。このような方法で、捕捉のすべてのステップを、ソフトウェア(Delphi 4(Inprise Corp、Scotts Valley、カリフォルニア)を用いて自社で開発)によってコントロールする。獲得されたシグナルのフーリエスペクトル、平均および減衰スペクトル計算もこのソフトウェアによって行う。結果およびすべての捕捉パラメーターをPCにセーブする。すべてのモデリング掲載および最良適合分析は、MATLAB(著作権ソフトウェア(v7.04、The Math Works Inc.、Natick、マサチューセッツ)で行う。
【0036】
どの硬い殻包膜を形成する材料でも、出願人は、細胞への遺伝物質の効果的な貫通を提供するために、本発明組成物のマイクロカプセルが、少なくとも0.15、好ましくは少なくとも0.18、より好ましくは少なくとも0.20のメカニカルインデックスに対する抵抗性を有するということを観察している。その超音波に提示された細胞の生存率において過剰に負の効果を引き起こしうる音圧を適用する必要性を回避するために、マイクロカプセルは、約10よりも高いメカニカルインデックスに抵抗しないのが好ましい。
【0037】
どの生体適合性ガス、ガス前駆物質またはその混合物でも、本発明組成物のマイクロカプセルを充填するのに用いることができる。ガスは、たとえば、空気;窒素;酸素;二酸化炭素;水素;亜酸化窒素;ヘリウム、アルゴン、キセノンまたはクリプトンなどの希または不活性ガス;Xe133またはKr81などの放射性ガス;過分極ヘリウム、過分極キセノンまたは過分極ネオンなどの過分極希ガス;たとえば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタンまたはイソペンタンなどのアルカン、シクロブタンまたはシクロペンタンなどのシクロアルカン、プロペン、ブテンまたはイソブテンなどのアルケン、あるいはアセチレンなどのアルキン;エーテルなどの低分子量炭化水素(たとえば、7個までの炭素原子を含む);ケトン;エステル;ハロゲン化、フッ化もしくはペルフルオロ低分子量炭化水素(たとえば、7個までの炭素原子を含む)などのハロゲン化ガス、好ましくはフッ化ガス;あるいは前述のガスのいずれかの混合物などを含む。ハロゲン化炭化水素を用いる場合、該化合物における好ましくは少なくとも幾つか、より好ましくは全部のハロゲン原子が、フッ素である。
【0038】
フッ化ガスが好ましく、ペルフルオロガスが特に好ましい。フッ化ガスとして、たとえば、フッ化炭化水素(1つ以上の炭素原子およびフッ素を含む有機化合物);六フッ化イオウ;ペルフルオロアセトンなどのフッ化、好ましくはペルフルオロケトン;およびペルフルオロジエチルエーテルなどのフッ化、好ましくはペルフルオロエーテルなどの少なくとも1つのフッ素原子を含む物質が挙げられる。好ましい化合物は、SF6またはペルフルオロ炭素(ペルフルオロ炭化水素)、すなわち、すべての水素原子がフッ素原子によって置換されている炭化水素などのペルフルオロガスであり、これらは、たとえば、EP 0554 213(これは、参照することにより本発明に援用される)に開示されるように、特に安定なマイクロバブル懸濁液を形成することが知られている。
【0039】
用語「ペルフルオロ炭素」として、飽和、不飽和および環式ペルフルオロ炭素が挙げられる。生体適合性の生理的に許容しうるペルフルオロ炭素の例は、ペルフルオロメタン、ペルフルオロエタン、ペルフルオロプロパン、ペルフルオロブタン(たとえば、必要に応じて、ペルフルオロ−イソブタンなどの他の異性体と混合して、ペルフルオロ−n−ブタン)、ペルフルオロペンタン、ペルフルオロヘキサンまたはペルフルオロヘプタンなどのペルフルオロアルカン;ペルフルオロプロペン、ペルフルオロブテン(たとえば、ペルフルオロブト−2−エン)またはペルフルオロブタジエンなどのペルフルオロアルケン;ペルフルオロアルキン(たとえば、ペルフルオロブト−2−イン);およびペルフルオロシクロアルカン(たとえば、ペルフルオロシクロブタン、ペルフルオロメチルシクロブタン、ペルフルオロジメチルシクロブタン、ペルフルオロトリメチルシクロブタン、ペルフルオロシクロペンタン、ペルフルオロメチルシクロペンタン、ペルフルオロジメチルシクロペンタン、ペルフルオロシクロヘキサン、ペルフルオロメチルシクロヘキサンおよびペルフルオロシクロヘプタン)である。好ましい飽和ペルフルオロ炭素は、式:CnF2n+2(ここで、nは1〜12、好ましくは2〜10、なお好ましくは3〜8、さらになお好ましくは3〜6である)を有する。適当なペルフルオロ炭素として、たとえば、CF4、C2F6、C3F8、C4F8、C4F10、C5F12、C6F12、C6F14、C7F14、C7F16、C8F18およびC9F20などが挙げられる。
特に好ましいガスは、SF6またはCF4、C2F6、C3F8、C4F8、C4F10もしくはその混合物から選ばれるペルフルオロ炭素である;SF6、C3F8またはC4F10が、特に好ましい。
【0040】
上記ガスのいずれかの比率のいずれかの混合物を用いることも有利である。たとえば、混合物は、窒素、空気または二酸化炭素などの慣例のガスおよび上述の六フッ化イオウまたはペルフルオロ炭素などのフッ化ガスを含んでもよい。適当なガス混合物の例は、たとえば、WO 94/09829(これは、参照することにより本発明に援用される)に見出すことができる。次の組み合わせが特に好ましい:ガス(B)が、好ましくはSF6、CF4、C2F6、C3F6、C3F8、C4F6、C4F8、C4F10、C5F10、C5F12またはその混合物から選ばれるフッ素ガスであり、ガス(A)が、空気、酸素、窒素、二酸化炭素またはその混合物から選ばれるガス(A)と(B)の混合物。ガス(B)の量は、全混合物の約0.5%〜約95% v/vであることができ、約5%〜80%が好ましい。
【0041】
ある環境においては、ガス状物質への前駆物質(すなわち、インビボでガスに変換されうる物質)を含むのが望ましい。ガス前駆物質およびそれから誘導されるガスは、生理的に許容しうるものであるのが好ましい。ガス前駆物質は、pH、光、温度などによって活性化されうる。たとえば、あるペルフルオロ炭素は、温度活性化ガス前駆物質として用いることができる。ペルフルオロペンタンまたはペルフルオロヘキサンなどのこれらのペルフルオロ炭素は、室温(または物質が製造および/または保管される温度)以上であるが、体温以下の液/気相転移温度を有する;したがって、それらは、液/気相転移を受け、人体内でガスに変換される。
【0042】
本発明の製剤はさらに、前述の生理活性剤を含む。
好ましい実施態様によれば、本発明組成物に含まれる生理活性剤は、遺伝物質である。用語「遺伝物質」は、その意味に、細胞内にデリバリーされた時点で、それ自体で、または対応するアミノ酸、ペプチドまたはタンパク質を発現するためのどちらかで用いることができるいずれかの核酸(またはヌクレオチド配列)を含む。本発明方法にしたがってデリバリーされる遺伝物質として、特に、天然または合成のいずれかに由来する核酸、RNAおよびDNAが挙げられ、組換えRNAおよびDNA、アンチセンスまたは抗原RNAを含む。用語は、ヌクレオチド配列(遺伝子)それ自体または好ましくは適当なビヒクルに組み込まれた遺伝子の両方を意味する。遺伝子を運搬するための適当なビヒクルとして、プラスミド、ファージミド、コスミド、酵母人工染色体(YAC)、細菌人工染色体(BAC)、ヒト人工染色体(HAC)、二本鎖立体構造でRNAおよびDNA残基を含むキメラオリゴヌクレオチド、ヘアピンまたはハンマーヘッドリボザイム、低分子干渉RNA(siRNA)、siRNA発現カセット、DNAリボヌクレアーゼ、トランスポゾン、一本鎖および二本鎖RNAとDNAの両方ならびにチオリン酸、ジチオリン酸オリゴヌクレオチドなどのその類縁体といったような発現ベクターが挙げられる。
【0043】
該遺伝物質は、たとえば、欠損または欠陥遺伝子を交換するため、ガン細胞の破壊を触媒するか、またはガン細胞が正常組織に戻ることを引き起こすため、免疫応答を増強または刺激するため、新しい組織の成長を促進するか、または損傷組織の再生を刺激するため、突然変異または損傷遺伝子の修復を可能にするため、エンドリボヌクレアーゼ分解性切断を触媒するため、三重鎖形成によって遺伝子発現を遮断するため、またはmRNA翻訳を遮断するために用いることができる。
【0044】
本発明のマイクロカプセルを用いてデリバリーされうる遺伝物質の例として、次の遺伝子の少なくとも一部をコードするDNAが挙げられる:嚢胞性線維症を治療するための嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR、細胞内塩化物を制御する)、筋ジストロフィーを治療するためのジストロフィン、重篤な免疫不全を治療するためのアデノシンデアミナーゼ、高コレステロール血症の治療用HDL受容体、アテローム性動脈硬化の治療用ApoE、VIII因子(血友病A、血液凝固を調節する)、IX因子(血友病B、血液凝固を調節する)、ガン細胞を殺す免疫応答系を刺激するための、インターロイキン−2もしくはインターロイキン−4もしくはインターロイキン−7もしくはインターロイキン−12または腫瘍壊死因子α(TNFα)などのサイトカインを発現する遺伝子;あるいは、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)、またはHLA−B7、またはp53腫瘍抑制因子または単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ(HSV−TK)は、ガン細胞の細胞死を引き起こすことによってガンを治療するために提供されうる;血管内皮増殖因子(VEGF)または肝細胞増殖因子(HGF)または線維芽細胞増殖因子(FGF)は、血管新生を促進することによって心臓血管疾患を治療するために提供されうる;およびα−メラニン細胞刺激ホルモン(α−MSH)は、炎症を治療するために提供されうる;抗肥満療法のためのメラニン凝集ホルモン、およびHIVエンベロープまたはRNA干渉は、HIV感染を治療するために提供されうる。本明細書で用いる語句「少なくとも一部」は、提示された遺伝子の部分が、遺伝子発現に対する有効な区画を提供する限り、全遺伝子がオリゴヌクレオチドによって提示される必要がないことを意味する。要すれば、マイクロカプセルを用いて、1つ以上の遺伝物質をデリバリーすることができる。さらに、幾つかの適用に対して、プラスミドDNAの核デリバリーを増強するために、核酸を核局在化シグナル(NLS)に結合させてもよい。
【0045】
遺伝物質は、本発明組成物自体で用いてもよく、または適当なウイルスもしくは非ウイルス担体とともに用ることもできる(たとえば、血流中での核酸のヌクレアーゼ分解を制限または回避するために)。ウイルス担体は、レトロウイルス、レンチウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、ワクシニアウイルス、ウマ伝染性貧血ウイルス(EIAV)、シンドビスおよびセムリキ森林アルファウイルス、エプスタインバールウイルス(EBV)を含む。これは、キャプシドタンパク質の遺伝子改変または親水性ポリマーおよび標的リガンドによるキャプシド表面の化学的修飾によって得られた変化した向性をもつウイルスも含む。
【0046】
非ウイルス担体は、負の電荷をもつヌクレオチド配列と複合することができる、公知のカチオン性脂質(すなわち、全体的に正味の正電荷を有する脂質)またはポリマーから選ぶことができる。
(いわゆるリポプレックスを形成するために)用いることができる適当なカチオン性脂質の例は、たとえば、エチルホスファチジルコリンの誘導体、特に、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−エチルホスホコリン(エチル−DSPCまたはDSEPC)、1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−エチルホスホコリン(エチル−DPPCまたはDPEPC)などのエチルホスファチジルコリンと脂肪酸とのエステルなどである。正の電荷をもつ脂質の例は、たとえば、ステアリルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルアンモニウムクロリド、ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド(DDAB)、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)などの、少なくとも1つの(C10−C20)、好ましくは(C14−C18)アルキル鎖を含むハロゲン対イオン(たとえば、塩素または臭素など)とのアルキルアンモニウム塩である。正の電荷をもつ脂質のさらなる例は、たとえば、1,2−ジステアロイル−3−トリメチルアンモニウム−プロパン(DSTAP)、1,2−ジパルミトイル−3−トリメチルアンモニウム−プロパン(DPTAP)、1,2−ジオレイル−3−トリメチルアンモニウム−プロパン(DOTAP)、1,2−ジステアロイル−3−ジメチルアンモニウム−プロパン(DSDAP)などの、(C3−C6)アルキレン架橋を介してN原子に結合した少なくとも1つの(C10−C20)、好ましくは(C14−C18)アシル鎖を含むハロゲン対イオン(たとえば、塩素または臭素など)との第三級または第四級アンモニウム塩である。
【0047】
米国特許番号5,830,430(これは、全体として参照することにより本発明に援用される)に開示されているような合成カチオン性脂質を用いることもできる。これらとして、たとえば、N,N'−ビス(ドデシルアミノカルボニルメチレン)−N,N'−ビス(β−N,N,N−トリメチルアンモニウムエチル−アミノカルボニルメチレンエチレンジアミン四ヨウ化物;N,N"−ビスヘキサデシルアミノカルボニルメチレン)−N,N',N"−トリス(β−N,N,N−トリメチル−アンモニウム−エチルアミノカルボニルメチレンジエチレントリアミン六ヨウ化物;N,N'−ビス(ドデシルlアミノカルボニルメチレン)−N,N"−ビス(β−N,N,N−トリメチルアンモニウム−エチルアミノカルボニルメチレン)シクロヘキシレン−1,4−ジアミン四ヨウ化物;1,1,7,7−テトラ−(β3−N,N,N,N−テトラメチルアンモニウムエチルアミノカルボニルメチレン)−3−ヘキサデシルアミノカルボニル−メチレン−1,3,7−トリアザヘプタン七ヨウ化物;およびN,N,N'N'−テトラホスホエタノールアミノカルボニルメチレン)ジエチレントリアミン四ヨウ化物、ジオクタデシルアミドグリシルスペルミン(DOGS);2−3−ジオレイルオキシ−N−(2(スペルミンカルボキシアミド)エチル)−N,N−ジメチル−1−プロパンアミニウムトリフルオロアセテート(DOSPA);ジパルミトイルホスファチジル−エタノールアミドスペルミン(DPPES);GB12などのグリシンベタイン誘導体;3,4−ジヒドロキシ安息香酸に基づく不飽和二重鎖を有するカチオン性脂質(MVL5);ビス−グアニジニウム−tren−コレステロール(BGTC)などのグアニジン含有脂質、コレステリル−3β カルボキシアミドエチレンジメチルアミン(DC−Chol)などのコレステロール誘導体などが挙げられる。
【0048】
必要に応じて、(いわゆる、「LDP−粒子」を形成するために)核酸をプロタミンと予備濃縮することもできる。
【0049】
上記カチオン性脂質を、中性および/または負の電荷をもつ脂質と組み合わせて製剤することもでき、このような脂質として、ジラウロイル−ホスファチジルコリン(DLPC)、ジミリストイル−ホスファチジルコリン(DMPC)、ジパルミトイル−ホスファチジルコリン(DPPC)、ジアラキドイル−ホスファチジルコリン(DAPC)、ジステアロイル−ホスファチジルコリン(DSPC)またはジオレイル−ホスファチジルコリン(DOPC)などのホスファチジルコリン;ジミリストイル−ホスファチジルエタノールアミン(DMPE)、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE)、ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン(DSPE)、ジオレイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、ジアラキドイルホスファチジルエタノールアミン(DAPE)またはジリノレイルホスファチジルエタノールアミン(DLPE)などのホスファチジルエタノールアミン;ジミリストイルホスファチジルセリン(DMPS)、ジアラキドイルホスファチジルセリン(DAPS)、ジパルミトイルホスファチジルセリン(DPPS)、ジステアロイルホスファチジルセリン(DSPS)、ジオレイルホスファチジルセリン(DOPS)などのホスファチジルセリン;ジパルミトイルホスファチジン酸(DPPA)、ジミリストイルホスファチジン酸(DMPA)、ジステアロイルホスファチジン酸(DSPA)、ジアラキドイルホスファチジン酸(DAPA)およびそのアルカリ金属塩などのホファチジン酸誘導体;ジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG)およびそのアルカリ金属塩、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)およびそのアルカリ金属塩、ジステアロイルホスファチジルグリセロール(DSPG)およびそのアルカリ金属塩、ジオレイル−ホスファチジルグリセロール(DOPG)などのホスファチジルグリセロール;ジラウロイルホスファチジルイノシトール(DLPI)、ジアラキドイルホスファチジルイノシトール(DAPI)、ジミリストイルホスファチジルイノシトール(DMPI)、ジパルミトイルホスファチジルイノシトール(DPPI)、ジステアロイルホスファチジルイノシトール(DSPI)、ジオレイルホスファチジルイノシトール(DOPI)などのホスファチジルイノシトール;DMPE−PEG1000、DMPE−PEG2000、DMPE−PEG3000、DMPE−PEG4000、DMPE−PEG5000、DPPE−PEG1000、DPPE−PEG2000、DPPE−PEG3000、DPPE−PEG4000、DPPE−PEG5000、DSPE−PEG1000、DSPE−PEG2000、DSPE−PEG3000、DSPE−PEG4000、DSPE−PEG5000、DAPE−PEG1000、DAPE−PEG2000、DAPE−PEG3000、DAPE−PEG4000またはDAPE−PEG5000などのPEG−修飾ホスファチジルエタノールアミン;コール酸塩、デオキシコール酸塩またはグリココール酸塩などの胆汁酸塩;およびたとえば、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、1,2−ジパルミトイル−sn−3−スクシニルグリセロール塩または1,3−ジパルミトイル−2−スクシニルグリセロール塩などの(C12−C24)、好ましくは(C14−C22)脂肪酸塩;コレステロール、または重合脂質(酸化的重縮合を可能にするためにたとえば、システイン/またはチオール部分などを含む脂質など)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
さらに、上記脂質のフッ化誘導体も有利に用いることができる。核酸を含有する得られる担体は、遺伝物質と脂質の単一の複合体(リポプレックス)、または一緒に結合してたとえばミセルまたはリポソームなどの「超分子」構造を形成する複数の複合体の形態のいずれかで用いることができる。
【0050】
別法として、または上記脂質製剤に加えて、(いわゆるポリプレックスまたはポリマーナノ粒子を形成するために)核酸をポリマーと結合させることもできる。適当なポリマーの例は、アクリル酸、メタクリル酸、エチレンイミン、クロトン酸、アクリルアミド、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、乳酸、グリコール酸、ε−カプロラクトン、アクロレイン、シアノアクリレート、シアノメタクリレート、ビスフェノールA、エピクロルヒドリン、ヒドロキシアルキルアクリレート、シロキサン、ジメチルシロキサン、エチレンオキシド、エチレングリコール、ヒドロキシアルキルメタクリレート、N−置換アクリルアミド、N−置換メタクリルアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、2,4−ペンタジエン−1−ol、ビニルアセテート、アクリロニトリル、スチレン、p−アミノ−スチレン、p−アミノベンジルスチレン、ナトリウムスチレンスルホネート、ナトリウム2−スルホキシエチル−メタクリレート、ビニルピリジン、アミノエチルメタクリレート、ラクチドおよび2−メタクリロイルオキシトリメチル−アンモニウムクロリドから選ばれるモノマーから製造される合成ポリマーまたはコポリマーである。合成(コ)ポリマーの例は、たとえば、ポリアクリル酸、ポリエチレンイミン、ポリメタクリル酸、ポリメチルメタクリレート、ポリシアノメタクリレート、ポリアミドアミンデンドリマー、有機リンデンドリマー、ポリシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ポリ乳酸、ポリ(ε−カプロラクトン)、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリビニリデン−ポリアクリロニトリル、ポリビニリデン−ポリアクリロニトリル−ポリメチルメタクリレート、ポリラクチドコグリコリドポリマー(ポリ−d−L−ラクチドコグリコリドポリマーなど)、ナイロンおよびポリスチレン−ポリアクリロニトリルならびにN,N'−メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジメタクリレート、2,2'−(p−フェニレンジオキシ)−ジエチルジメタクリレート、ジビニルベンゼン、トリアリルアミンおよびメチレンビス−(4−フェニル−イソシアネート)などの多官能性架橋モノマーならびにその組み合わせ、ならびにポリビニル(たとえば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルクロリドおよびポリビニルピロリドンなど)、ポリスチレン、ポリ乳酸、フッ化炭化水素、フッ化炭素(たとえば、ポリテトラフルオロエチレンなど)、およびポリメチルメタクリレートならびにその誘導体などである。疎水性(たとえば、パルミトイルなどの脂質部分)および/または親水性(ポリエチレングリコール)基で共有的に修飾されたカチオン性ポリマーからなる両親媒性化合物も含まれる。ポリマーは、必要に応じて、要すれば、たとえば、ナノ粒子の安定性を増強するために架橋されてもよい。これは、酸化的重縮合によりシステイン含有ポリマーを架橋することによって達成される。
【0051】
天然のポリマーの例として、たとえば、アラビナン、フルクタン、フカン、ガラクタン、ガラクツロナン、グルカン、マンナン、キシラン(たとえば、イヌリンなど)、レバン、フコイダン、カラギーナン、ガラトカロロース(galatocarolose)、ペクチン酸、ペクチン、アミロース、プルラン、グリコーゲン、アミロペクチン、セルロース、デキストラン、デキストリン、デキストロース、ポリデキストロース、プスツラン、キチン、キトサン、アガロース、ケラタン、コンドロイタン、デルマタン、ヒアルロン酸、アルギン酸、キサンタンガム、デンプン、ヘパリン(たとえば、ヘパリン硫酸またはへパリチン硫酸など)の、または、から形成された、ポリマーなどの天然の炭水化物または多糖類、および1つ以上の次のアルドース、ケトース、酸またはアミン:エリトロース、トレオース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、エリトルロース、リブロース、キシルロース、プシコース、フルクトース、ソルボース、タガトース、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトース、セロビオース、グリシン、セリン、トレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、グルクロン酸、グルコン酸、グルカル酸、ガラクツロン酸、マンヌロン酸、グルコサミン、ガラクトサミンおよびノイラミン酸、およびその天然の誘導体を含むものなどの種々のその他の天然ホモポリマーまたはヘテロポリマーが挙げられる。したがって、適当な天然ポリマーとして、たとえば、アルブミン、コラーゲンおよびゼラチンなどのタンパク質が挙げられる。反合成ポリマーの例として、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロースおよびメトキシセルロースが挙げられる。
【0052】
全身循環における担体(ならびにマイクロカプセル)の滞留時間は、たとえば、ポリエチレン(たとえば、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンおよびポリエチレンテレフタレートなど)、ポリプロピレン(たとえば、ポリプロピレングリコール)、ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンのブロックコポリマーなどのポリオキシエチレとポリオキシプロピレンのコポリマー、ポリエチレングリコールのポリオキシアルキレン誘導体(たとえば、商品名プルロニック(登録商標)(BASF、Parsippany、N.J.により市販)の化合物群)などの適当なポリマー材料をそれに組み入れることによって調節する(好ましくは増加させる)ことができる。
【0053】
リポプレックスに関しては、ポリプレックスも単一の存在として、またはミセルまたはリポソームなどのより複雑な構造で製剤することができる。脂質および/またはポリマーから製剤された組成物に加えて、本発明方法は、KALAペプチド(インフルエンザHA−2サブユニットから誘導される)、メリチン、TATなどのカチオン性ペプチドを含む組成物およびベシクルも包含する。さらに、上記脂質およびポリマーのいずれかの組み合わせを含む製剤も、予測される。たとえば、遺伝子担体は、遺伝物質がポリカチオンと縮合され、アニオン性または中性リポソーム内に封入される、リポポリプレックスを含むことができる。
【0054】
別の実施態様では、該生理活性剤は、薬物であり、たとえば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、ブスルファン、クロラムブシル、スピロプラチン、シスプラチン、カルボプラチン、メトトレキサート、アドリアマイシン、ミトマイシン、ブレオマイシン、シトシンアラビノシド、アラビノシルアデニン、メルカプトプリン、ミトタン、プロカルバジン、ダクチノマイシン(アクチノマイシンD)、ダウノルビシン、塩酸ドキソルビシン、タキソール、プリカマイシン、アミノグルテチミド、エストラムスチン、フルタミド、リュープロリド、酢酸メゲストロール、タモキシフェン、テストラクトン、トリロスタン、アムサクリン(m−AMSA)、アスパラギナーゼ(L−アスパラギナーゼ)、エトポシド、インターフェロンα−2aおよび2b、ヘマトポルフィリンなどの血液製剤または前述ものの誘導体などの抗悪性腫瘍薬;ムラミルペプチドなどの生物学的応答調節物質;ケトコナゾール、ニスタチン、グリセオフルビン、フルシトシン、ミコナゾールまたはアムホテリシンBなどの抗真菌薬;成長ホルモン、メラニン細胞刺激ホルモン、エストラジオール、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、ベタメタゾン、酢酸コルチゾン、デキサメタゾン、フルニソリド、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、酢酸パラメタゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、トリアムシノロンまたは酢酸フルドコルチゾンなどのホルモンまたはホルモン類縁体;シアノコバラミンまたはレチノイドなどのビタミン;アルカリホスファターゼまたはマンガンスーパーオキシドジスムターゼなどの酵素;アンレキサノクスなどの抗アレルギー薬;ワルファリン、フェンプロクモンまたはヘパリンなどの抗凝固薬;抗血栓薬;プロプラノロールなどの循環器官用薬;グルタチオンなどの代謝増強薬;p−アミノサリチル酸、イソニアジド、硫酸カプレオマイシン、シクロッセキシン(cyclosexine)、エタンブトール、エチオナミド、ピラジナミド、リファンピンまたは硫酸ストレプトマイシンなどの抗結核薬;アシクロビル、アマンタジン、アジドチミジン、リバビリンまたはビダラビンなどの抗ウイルス薬;ジルチアゼム、ニフェジピン、ベラパミル、四硝酸エリスリトール、二硝酸イソソルビド、ニトログリセリンまたは四硝酸五エリスリトールなどの血管拡張薬;ダブソン、クロラムフェニコール、ネオマイシン、セファクロル、セファドロキシル、セファレキシン、セフラジン、エリスロマイシン、クリンダマイシン、リンコマイシン、アモキシシリン、アンピシリン、バカンピシリン、カルベニシリン、ジクロキサシリン、シクラシリン、ピクロキサシリン、ヘタシリン、メチシリン、ナフシリン、ペニシリンまたはテトラサイクリンなどの抗生物質;ジフルニサル、イブプロフェン、インドメタシン、メクロフェナム酸、メフェナム酸、ナプロキセン、フェニルブタゾン、ピロキシカム、トルメチン、アスピリンまたはサリチル酸塩などの抗炎症薬;クロロキン、メトロニダゾール、キニーネまたはアンチモン酸メグルミンなどの抗原虫薬;ペニシラミンなどの抗リウマチ薬;パレゴリックなどの麻薬;コデイン、モルヒネまたはアヘンなどのアヘン剤;デスラノシド、ジギトキシン、ジゴキシン、ジギタリンまたはジギタリスなどの強心配糖体;アトラクリウムメシレート、ガラミントリエチオジド、臭化ヘキサフルオレニウム、ヨウ化メトクリン、臭化パンクロニウム、塩化スクシニルコリン、塩化ツボクラリンまたは臭化ベクロニウムなどの神経筋遮断薬;アモバルビタール、アモバルビタールナトリウム、アプロバルビタール、ブタバルビタールナトリウム、抱水クロラール、エスクロルビノール、エチナメート、塩酸フルラゼパム、グルテチミド、塩酸メトトリメプラジン、メチプリロン、塩酸ミダゾラム、パラアルデヒド、ペントバルビタール、セコバルビタールナトリウム、タルブタール、テマゼパムまたはトリアゾラムなどの鎮静薬;ブピバカイン、クロロプロカイン、エチドカイン、リドカイン、メピバカイン、プロカインまたはテトラカインなどの局所麻酔薬;ドロペリドール、エトミデート、クエン酸フェンタニルとドロペリドール、塩酸ケタミン、メトヘキシタールナトリウムまたはチオペンタールおよびその医薬的に許容しうる塩(たとえば、塩酸塩もしくは臭化水素酸塩などの酸付加塩またはナトリウム、カルシウムもしくはマグネシウム塩などの塩基性塩)または誘導体(たとえば、酢酸塩)などの全身麻酔薬;およびたとえば、177Lu、90Yまたは131Iといったようなアルファ−、ベータ−またはガンマ−放射体などを含む放射化学種などが挙げられる。
【0055】
上記の薬物は、それ自体として本発明の組成物中で存在することができ、または好ましくは安定化成分と結合して、たとえば、ミセルまたはリポソームを形成する。適当な化合物の例は、ホスファチジルコリン、エチルホスファチジルコリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリンまたはスフィンゴミエリンの脂肪酸ジエステルなどのリン脂質;特にPEG−修飾ホスファチジルエタノールアミンなどのPEG−修飾リン脂質;1,2−ジステアロイル−3−トリメチルアンモニウム−プロパン(DSTAP)、1,2−ジパルミトイル−3−トリメチルアンモニウム−プロパン(DPTAP)、1,2−ジオレイル−3−トリメチルアンモニウム−プロパン(DOTAP)、1,2−ジステアロイル−3−ジメチルアンモニウム−プロパン(DSDAP)などの、(C3−C6)アルキレン架橋を介してN原子に連結する1つまたは好ましくは2つの(C10−C20)、好ましくは(C14−C18)アシル鎖を含む、先に挙げたものなどのアンモニウム塩;脂肪酸塩、好ましくはアルカリ、特に、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ドデカン酸ナトリウム、1,2−ジパルミトイル−sn−3−スクシニルグリセリン酸ナトリウム塩または1,3−ジパルミトイル−2−スクシニルグリセロールナトリウム塩などのナトリウム塩である。たとえば、Brij(登録商標)、Lubrol(登録商標)、Triton(登録商標)、Nonidet(登録商標)またはTween(登録商標)という商品名で販売されている(C8−C16)n−アルキルPEOモノエーテル、(C8−C10)n−アルキルフェニルPEO、テトラメチルブチルフェニルPEO、PEOポリソルベートなどのポリエチレンオキシド(PEO);好ましくは約3000〜20000ダルトン、好ましくは5000〜15000ダルトンの分子量を有するエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマー(たとえば、プルロニック(登録商標)またはシンペロニック(登録商標))などのブロックコポリマー;(C6−C10)アルキル−β−D−グルコピラノシド、(C8−C12)アルキル−β−D−マルトシドなどの糖誘導体;(C8−C16)アルキルジメチルアンモニウム−プロパン−スルホネート;およびコール酸ナトリウムまたはデオキシコール酸ナトリウムなどの胆汁酸およびその誘導体などのポリマー界面活性剤を用いることもできる。
【0056】
本発明の好ましい実施態様では、薬物を遺伝物質と組み合わせて局所的にデリバリーすることができ、したがって、患者に薬剤療法/遺伝子療法の併用を行えるようになる(たとえば、腫瘍治療の場合など)。
【0057】
生理活性剤を結合するためにいずれの担体を用いても、超音波を適用し、マイクロカプセルが破裂した後に、より多い量の遺伝物質が遊離して細胞に貫通するために、得られる「生理活性担体」(すなわち、生理活性剤と結合した担体)の関連する部分が、安定して、マイクロカプセルの包膜に組み込まれないこと、または結合しないことが重要である。
生理活性担体は、当業者で公知の方法で製造される。それらが、適当な生理的に許容しうる担体で使用前に再構成される(戻すこと)凍結乾燥材料として得られるのが好ましい。
【0058】
たとえば、ミセルの形態の生理活性担体は、水性液体担体中に生理活性剤と脂質またはポリマー化合物を分散させ、必要に応じて混合物を撹拌することによって製造することができる。適当な液体担体の例は、水、生理食塩水(塩化ナトリウム0.9%)、リン酸緩衝生理食塩水(10 mM、pH 7.4)、HEPES緩衝液(20 mM、pH 7.4)、5% w/wグルコース水溶液である。たとえば、水性液体中に約1〜100 mg/mlの濃度で上記化合物を分散させ、撹拌または超音波処理によって溶解させることができる。
【0059】
次いで、投与またはマイクロカプセルを含む懸濁液と混合するまで、ミセルを(たとえば、それらを製造するために用いた水性担体中に)水性分散液として保管することができる。別法として、従来技術にしたがって、ミセル懸濁液を凍結乾燥して液体を除去し、使用するまで最終乾燥生成物を保管することができる。
【0060】
上記担体をさらに修飾して、適当な標的化リガンドを含ませることができる。このさらなる修飾により、担体は、生理活性剤がデリバリーされる所望の細胞、組織または臓器に選択的に結合するための生理活性剤を有するようになる。
【0061】
「標的化リガンド」は、その意味に、生体内の生物学的または病的部位へ向かういずれかの遺伝物質を含む担体の標的化活性を有するか、または該活性を促進する能力をもついずれかの化合物、部分または残基を含む。標的化リガンドが結合しうる標的として、たとえば、心筋組織(心筋細胞(myocardial cells)および心筋細胞(cardiomyocytes)など)、膜組織(内皮および上皮など)、板、結合組織(間質組織など)または腫瘍などの組織;血餅;および、たとえば、ペプチドホルモン、神経伝達物質、抗原、補体フラグメント、免疫グロブリンの細胞表面受容体およびステロイドホルモンの細胞質受容体などの受容体が挙げられる。
【0062】
標的化リガンドとして役立つ物質または薬物として、たとえば、抗体、抗体フラグメント、受容体分子、受容体結合分子、糖タンパク質およびレクチンなどのタンパク質;オリゴペプチドおよびポリペプチドなどのペプチド;ペプチド模倣薬;単糖類または多糖類などの糖類;ビタミン;ステロイド、ステロイド類縁体、ホルモン、補因子、生理活性剤およびヌクレオシド、ヌクレオチドおよびポリヌクレオチドなどの遺伝物質が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
適当な標的および標的化リガンドの例は、たとえば米国特許番号6,139,819(これは、参照することにより本発明に援用される)に開示されている。
標的化リガンドは、それ自体が担体の他の成分と混合される化合物でありうるか、または担体に含まれる分子に結合する化合物でありうる。
【0063】
好ましい実施態様では、標的化リガンドは、共有結合を介して担体の分子に結合することができる。このような場合には、分子上に存在する必要がある特異的反応性部分は、それに結合する特定の標的化リガンドによって決まる。例として、標的化リガンドがアミノ基を介して分子に結合することができる場合、分子のための適当な反応性部分は、イソチオシアネート基(チオウレア結合を形成する)、反応性エステル(アミド結合を形成する)、アルデヒド基(アルキルアミン結合に還元されるイミン結合の形成のため)など;標的化リガンドがチオール結合を介して分子に結合することができる場合、分子のための適当な相補的反応性部分として、ハロアセチル誘導体またはマレイミドが挙げられる(チオエーテル結合を形成するため);および標的化リガンドがカルボン酸基を介して分子に結合することができる場合、分子のための適当な反応性部分は、アミンおよびヒドラジドである(アミドまたはアルキルアミド結合を形成するため)。所望の標的化リガンドを共有的に結合するために、担体を形成する化合物の少なくとも一部は、このように適当な反応性部分を含み、たとえば、担体の適当な成分を含んでいる水性分散液に加えるといったような公知の技術にしたがって、相補的官能性を含んでいる標的化リガンドをそれに結合させることができる。担体を製造する前に、化合物を所望の標的化リガンドと組み合わせることができ、そのようにして得られた組み合わせを担体の製造過程において用いることができる。別法として、標的化リガンドを、担体の製造過程中に各化合物に結合することができ、あるいは、担体へすでに組み込まれた化合物に直接結合させることができる。
【0064】
別の実施態様では、物理的および/または静電的相互作用を介して標的化リガンドを担体に適当に結合させてもよい。例として、担体の分子に、相補的部分に対する高い親和性および選択性を有する官能性部分を導入することができ、そして、相補的部分が標的化リガンドに結合する。たとえば、アビジン(またはストレプトアビジン、ニュートラアビジンもしくはエクストラアビジン(登録商標))部分(ビオチンに対する高い親和性を有する)をリン脂質に共有的に結合させて、相補的ビオチン部分をたとえば、ペプチドまたは抗体などの適当な標的化リガンドに組み込むことができる。したがって、アビジン−ビオチンカップリングシステムによって、ビオチン標識標的化リガンドが担体のアビジン標識リン脂質と結合することになる。別法として、リン脂質と標的化リガンドの両方が、ビオチン部分を備え、続いて、アビジン(2つのビオチン部分を架橋する能力がある二官能性成分である)によって互いにカップリングすることができる。リン脂質とペプチドのビオチン/アビジンカップリングの例もまた上記米国6,139,819に開示されている。別法として、ファン・デル・ワールス相互作用、静電的相互作用およびその他の結合過程が、標的化リガンドを所望の分子に結合または結合させることができる。
【0065】
別の実施態様では、標的化リガンドは、たとえば、国際特許出願WO 98/18501または99/55383(これらは、参照することにより本発明に援用される)などに開示されたリポペプチドなどの最終的には担体に組み込まれる、担体形成成分と混合される化合物である。
【0066】
別法として、標的化リガンドの対応する相補的部分と相互作用する能力がある適当な部分を有する化合物を含む担体が最初に製造され、その後、所望の標的化リガンドを担体の懸濁液に加えて、担体上の対応する相補的部分に結合させる。
【0067】
組み立てが指示されうる適当な特異的標的の例は、たとえば、フィブリンおよび活性化血小板上のGPIIbIIIa結合受容体である。フィブリンおよび血小板は、実際には、一般的に「血栓」、すなわち血流中に生じて血管閉塞を引き起こす凝塊中に存在する。適当な結合ペプチドが、たとえば、上記米国6,139,819に開示されている。フィブリン標的化に特異的なさらなる結合ペプチドが、たとえば、国際特許出願WO 02/055544(これらは、参照することにより本発明に援用される)に開示されている。
【0068】
重要な標的の他の例として、不安定プラーク中の受容体およびキナーゼドメイン領域(KDR)およびVEGF(血管内皮成長因子)/KDR複合体などの腫瘍特異的受容体が挙げられる。KDRまたはVEGF/KDR複合体に適した結合ペプチドは、たとえば、国際特許出願WO 03/74005およびWO 03/084574(これらは、参照することにより本発明に援用される)などに開示されている。腫瘍特異的リガンドの他の例は、たとえば、トランスフェリン、葉酸、アルギニン−グリシン−アスパラギン酸配列(RGD)、NRG配列(新たに形成された血管に発現するアミノペプチダーゼを標的化するため)またはGA3ペプチド配列(腫瘍血管新生に関与するTie2受容体を標的化する)などである。
【0069】
本発明の組成物はさらに、要すれば、上記担体に組み込まれるか、または別個の存在として提供されることができる診断薬を含むことができる。
【0070】
用語「診断薬」は、その意味に、患者の体内領域の造影および/または患者における疾患の有無の診断などの診断方法に関連して用いることができるいずれかの化合物、組成物または粒子を含む。例示的診断薬として、たとえばマグネタイトナノ粒子といったような、患者の超音波画像診断(たとえば、ガス充填マイクロバブルなど)、磁気共鳴画像診断、X線画像診断、特に、コンピュータ断層撮影、光学的画像診断、放射性画像診断または分子画像診断に関連して用いるための造影剤が挙げられる。
診断薬は、たとえば、生理活性剤の有効なデリバリーを決定するために超音波が適用されるべき正確な位置を同定するのに有用である。
【0071】
本発明組成物はさらに、細胞への生理活性剤、特に遺伝物質のデリバリーのさらなる増強のために適当な補助剤を含むことができる。有用な補助剤として、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル(ポリオキシエチレン脂肪酸エステルなど)、ポリオキシアルキレン脂肪アルコール(ポリオキシエチレン脂肪アルコールなど)、ポリオキシアルキレン脂肪アルコールエーテル(ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテルなど)、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪エステル(たとえば、ICI Americas、Inc.、Wilmington、Del.から市販されている商品名TWEENTMの化合物群など)、種々の分子量のポリエチレングリコール(PEG)、好ましくは10以上の親水性−親油性バランス(HLB)をもつポリ(オキシエチレン)−ポリ(オキシプロピレン)コポリマー(プルロニック(登録商標)、シンペロニック(登録商標)など)(たとえば、プルロニックF68、F127またはF85)、ポリソルベート(Tween20、Tween40およびTween80など)、ポリオキシエチレンアルコール(Brijなど)およびプラスマロゲン(たとえば、パルミタールなどの高級脂肪アルデヒドを遊離させる血小板に存在するリン脂質の一群に適用される用語)が挙げられる。リドカイン、ロピバカイン、ブピバカイン、メピバカインならびにフェノバルビタールまたはペントバルビタールなどの局所麻酔薬が、膜流動性を増強することも知られており、さらに、超音波照射の際の遺伝子デリバリーを改善することができる。1−4ジヒドロピリジンの誘導体(たとえば、ヘキサデシル 4−ベータピリジル)ならびにアルキルグリコシドおよびアルキルポリグリコシド誘導体を用いることもできる。
【0072】
本発明組成物は、生理活性剤を細胞に効率的にデリバリーするための方法において投与するために、種々の方法で製剤することができる。
【0073】
たとえば、マイクロカプセル(上述の製造方法のいずれかにしたがって獲たもの)を含む水性懸濁液を、好ましくは適当な担体とともに生理活性剤を含む水性懸濁液と混合することによって組成物を得ることができる。生成物は、実際に、生理学的に許容しうる、滅菌した、注射可能な適当な水性液体担体中で容易に再構成して、ガス充填微小胞を形成することができる。適当な液体担体は、水、生理食塩水(注射用の最終生成物が低張でないように平衡であるのが有利である)などの水性溶液、あるいは1種以上の塩類または糖類、糖アルコール、グリコールもしくは他の非イオン性ポリオール物質(たとえば、グルコース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、グリセロール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなど)などの張度調節物質の溶液である。要すれば、たとえば、先に述べた補助剤などの適当な添加剤を製剤に加えることができる。
【0074】
形成された後、本発明組成物を含む懸濁液を、後で行う投与のために貯蔵することもでき、または直接投与することもできる。必要に応じて、懸濁液の液体担体を排除して(たとえば、凍結乾燥による)、組成物の乾燥粉末を得ることができ、再構成し使用するまで比較的長期間それを貯蔵する(再構成してガス充填マイクロカプセルを形成するのに適したガスの存在下が好ましい)ことができる。
【0075】
別法として、乾燥形態(たとえば、凍結乾燥など)で別の組成物として組成物の成分を貯蔵し、投与前に懸濁液として再構成することができる。貯蔵のために、乾燥成分をガス雰囲気中に保ち、再構成してマイクロカプセルを形成するのが好ましい。水性液体担体で再構成するのは、各成分を含む2つの乾燥組成物において別々に行われ、2つの別々の懸濁液が得られてもよい。次いで、これらを別々に、または投与前に混合して投与することができる。好ましい実施態様では、乾燥生理活性剤の懸濁液を用いて、乾燥マイクロカプセル組成物を再構成して、最終的に組成物の懸濁液を得る。任意に、まず凍結乾燥した生理活性剤(担体を伴うのが好ましい)を生理的に許容しうる水性担体で再構成し、次いで、得られた懸濁液を、乾燥マイクロカプセル組成物を再構成するために用いる。
【0076】
注射用組成物(凍結乾燥組成物を再構成した後のものも同様)は、血液とできる限り等張であるべきである。したがって、注射前に、本発明の組み立て物を含む懸濁液に少量の等張剤を加えることもできる。等張剤は、たとえば、水性食塩溶液(0.9% NaCl)、2.6%グリセロール溶液または5%デキストロース溶液などの医薬において通例用いられる生理溶液である。水性懸濁液の再構成物は、一般的に、ガス貯蔵乾燥フィルム形成界面活性剤の単純な溶解および穏やかな撹拌によって得られる
【0077】
再構成液体の体積および濃度は、得られる使用準備済みの製剤を実質的に等張にするように平衡化されるのが望ましい。しかし、選ばれた再構成液体の体積および濃度は、凍結乾燥生成物中に存在する安定化剤(および他の増量剤)のタイプおよび量によって変わる。
【0078】
本発明はまた、前記定義したマイクロカプセルおよび生理活性剤医薬キットに関する。成分は、キットにおいて、懸濁液または凍結乾燥成分のいずれかとして、一緒に混合されるか、または別々に提供されうる。両方の成分が、たとえば、別々のバイアルまたはパケットなどの別々の容器で、凍結乾燥形態で提供されるのが好ましい。キットは、凍結乾燥した成分を(別々に、または単一の懸濁液のいずれかで)再構成するための先に挙げたような適当な生理的に許容しうる水性担体をさらに含むことができる。医薬キットは、本願でこれまでに開示したような混合バイアル、注射器、注射針などの当業者に公知の従来のキット成分をさらに含んでもよい。
【0079】
投与またはデリバリーされるマイクロカプセルおよび生理活性剤の有用な用量ならびに投与方法は、デリバリーされる化合物のタイプおよび性質、処置される患者(動物)の年齢、体重、細胞、意図される特定の診断,治療または他の適用(もしあれば、処置される疾患の状態を含む)および使用される担体(もしあれば)に応じて変わる。典型的には、用量は、低レベルで開始し、所望の治療効果が達成されるまで増加することができる。本発明組成物のマイクロカプセルおよび生理活性剤は、同時に(同じ生理溶液中で)、または続いて、のいずれかで投与され、超音波が適用される所望の位置で本発明組成物を形成することができる。この後者の場合、循環および/または所望の標的に結合する(標的化担体が結合する場合)ために十分な時間が得られるように、最初に生理活性剤を投与することができる。別法として、最初にマイクロカプセルを投与し、次いで、生理活性剤を投与することができる。
本発明の記載および一般的医学文献に基づいて、当業者は、いずれかの治療的に有効な用量などの所望の用量を設定することができる。
【0080】
本発明組成物は、またその特定の製剤に応じて、種々の経路で投与することができる。適当な投与の例は、種々の投与剤形を用いて、たとえば、血管内、リンパ管内、非経口、皮下、筋肉内、皮内、腹腔内、間質的、包膜内、鼻腔内、噴霧器による気道内、眼、経口、直腸内、局所または腫瘍内である。局所投与の1つの方法は、多孔性バルーンカテーテル(SCIMED Remedy、Boston Scientific、Natick、マサチューセッツ)または針注射カテーテル(Boston Scientific、Natik、マサチューセッツ)によるヌクレオチド配列(またはデリバリーされる他の化合物)の注射である。バルーンカテーテル(導管を含む)を患者の血流中に挿入する。カテーテルのバルーンが、生理活性剤が投与される位置に到達すると、バルーンが膨らみ、次いで、マイクロカプセルと生理活性剤の混合物が導管を通って注入され、組成物が血管壁にデリバリーされる。次いで、内部的(たとえば、内視鏡的または経脈管的)または外部的に超音波が所望の位置に適用される。第2の薬物デリバリーカテーテルは、所望の位置へのマイクロカプセル/生理活性剤の直接投与を可能にする針注射カテーテルに基づき、次いで、上述したように超音波曝露を行う。
【0081】
「超音波」、「超音波適用」および類似の用語は、ガス充填マイクロカプセルの実質的破裂を誘発し、生理活性剤を細胞へデリバリーするのに十分な、好ましくは反復的方法で伝達される音エネルギーの波を意味する。超音波が、約0.5 mW/cm2〜約10 W/cm2のエネルギーレベル(空間ピーク時間平均の強さ、Isptaともいう)を有する約20 kHz〜約50 MHzの周波数範囲であるのが好ましい。本発明の特定の方法にとって、該超音波が、周波数1.15 MHzで少なくとも200 kPaまたは周波数2.25 MHzで少なくとも200 kPaの音圧、たとえば、10 MPa以下を有するのが好ましい。典型的には、超音波は、従来の臨床超音波装置またはシングルエレメント変換器を用いて、外部的適用によって適用されるが、上述したような内視鏡的および脈管的などの内部的に適用されてもよい。
【0082】
典型的には、深部組織への貫通には、高いエネルギーレベルおよび低い超音波周波数が必要である;表面組織の処置または超音波変換器を組織表面に直接適用することができる場合の処置には、低いエネルギーレベルおよび高い超音波周波数を用いてもよい。インビトロの適用には、細胞培養物を入れた容器の容量および形状が、エネルギーおよび周波数の選択に影響を及ぼす。たとえば、小容量の細胞培養サンプルは、超音波増強トランスフェクションのために、大容量のバイオリアクター容器よりも小さいエネルギーしか必要としない。
【0083】
血管内遺伝子療法のための超音波変換器を備え付けた血管内カテーテルを用いることができる血管内適用には、約10 MHzを越えるような高周波数を用いることができる。しかし、大部分の適用には、音の周波数は、約300 kHz〜約3 MHz、好ましくは約500 kHz〜約1.5 MHz、より好ましくは約1 MHzの範囲である。典型的には、本発明に用いるための超音波は、造影適用に用いられた従来の周波数よりも低い周波数で提供される。
【0084】
典型的には、エネルギーレベル設定は、診断的超音波で用いられるレベルより高くすることができ、0.5 mW/cm2〜約10 W/cm2、好ましくは約1 mW/cm2〜約3 W/cm2の範囲である。適用されるエネルギーレベルは、総エネルギー付与が、一般に、細胞または組織に対する細胞毒性閾値以下であるように選ばれる。
一般に、周波数およびエネルギーレベルは、より低い量で適用し、次いで、投与された化合物の所望の細胞取り込みが達成されるまで増加する。
【0085】
周波数エネルギーは、一定の負荷サイクルによって定義される期間に適用される。一般に、超音波エネルギーの持続的曝露を適用する連続超音波(100%の負荷サイクル)が用いられる。負荷サイクルは、エネルギー出力のレベルが所望の範囲になるように選ばれる。負荷サイクルは、適用に合わせてもよく、広範囲の値にわたって変化させることができる(たとえば、0.1%−100%)。
【0086】
温熱療法のために高エネルギーレベルの超音波を用いて組織を加熱し、直接組織をアブレーションしてもよいが、本発明方法において、エネルギーレベルは、一般に、組織アブレーションを引き起こすレベルをはるかに下回り、著しい高温作用を引き起こすレベルを下回る。生理活性剤のデリバリーの効率を上昇させるのに必要な超音波エネルギーの適用は、温度において摂氏2,3度の上昇をもたらしうるが、温度の上昇は、典型的に一過性であり、温度はすぐにベースラインに戻る。超音波の適用中に温度が著しく上昇しないのが好ましく、典型的には、温度の上昇は約1℃〜約2℃以下である。連続的に高いレベルの超音波エネルギーは、連続的温度上昇をもたらすが、温度が、著しい細胞毒性が起こるレベル(たとえば、44℃またはそれ以上)以下に維持されるのが好ましい。エネルギー量および/または曝露時間は、温度誘発性細胞破壊を防止するように修正することができる。しかし、いくつかの適用は、たとえば、超音波媒介性デリバリーと高温の組み合わせが高温作用による腫瘍細胞の一部を殺傷しうることによって治療を改善しうる、ガン療法の場合などに、一定の度合いの高温は有益である。
【0087】
細胞への生理活性剤の投与と同時またはその後に、マイクロカプセルを注射した後、組織または細胞に超音波エネルギーを適用することができる。より長いまたはより短い時間を適用してもよいが、典型的には、マイクロカプセルの注射後に超音波エネルギーを適用し、その後約48時間以内に生理活性剤を投与する。
【0088】
超音波エネルギーの1回または複数回の曝露のいずれかを用いることができる。超音波曝露の継続期間(曝露時間)は、超音波および負荷サイクルのエネルギーレベルに応じて変わる。好ましい継続期間を決定するために、典型的には、超音波を短い曝露時間で適用し、投与された化合物の所望の細胞取り込みが達成されるまで増加させる。高いエネルギーレベル(負荷サイクルに応じて、典型的には、約2 W/cm2以上、好ましくは約5 W/cm2以上、さらに好ましくは約10 W/cm2以上)の超音波衝撃波は、2,3ミリ秒の曝露時間しか必要としない。より典型的には、曝露時間は、生理活性剤の最も有効な超音波増強デリバリーを達成するための、約2,3秒〜約1時間の範囲の細胞への超音波エネルギー曝露である。さらに好ましくは、超音波曝露の継続期間は、約2,3秒〜約2,3分の範囲であり、トランスフェクション中に種々の間隔で繰り返すことができる。超音波エネルギー曝露の継続期間は、所望の効果を引き起こすのに十分であるべきであるが、著しい細胞毒性(特に必要でない限り)がもたらされるほど長くてはならない。
【0089】
超音波エネルギーは、種々の市販の超音波システムのいずれかで適用してもよい。たとえば、約1 MHzの中心周波数、パルスまたは継続モードのRich−Marモデルソニトロン2000超音波療法装置(Inola、Okla.)を用いることができる。従来の変換器、電力増幅器および本発明を実施するためのその他の構成部品システムは、容易に組み立てることもできる。別法として、パルス/関数発生器または任意波形発生器Tabor 8024(Tabor electronics Ltd、Hanan、イスラエル)をシステムに組み込んで、パルス繰り返し間隔、負荷サイクルなどを制御してもよい。必要に応じて、超音波を変更することによって、たとえば、CHIRP(増加する周波数)およびPRICHパルス(減少する周波数)波形パターンなどの特定の周波数および振幅効果を得ることができる。超音波エネルギーを、市販の増幅器、変換器および周波数発生器から供給することもできる。一例として、Valpey−Fisher(Valpey−Fisher、Hopkinton、マサチューセッツ)製の中心周波数1.15 MHzの電力変換器、ENI(ENI、Rochester、ニューヨーク)製の電力RF増幅器およびTabor 8024(Hanan、イスラエル)製の任意波形発生器が適当な装備であってもよい。別法として、中心周波数2.25 MHzのPanametrics製の電力変換器(Panametrics V304)を装備に用いることもできる。最終的に、超音波エネルギーを、診断的超音波設備を介して適用してもよい。
【0090】
従来の超音波造影システムに、高エネルギー超音波システムを組み込んで、同じ装置で造影および超音波の治療的適用を行えるようにすることもできる。
別法として、内視鏡(たとえば、光ファイバー)、コンピュータ断層撮影、磁気共鳴造影、血管造影および核医学などの他の形態の従来の画像化と組み合わせて、高エネルギー超音波の適用を行うこともできる。
いずれかの関連する造影技術を、たとえば、患者において高エネルギー超音波を適用すべき細胞(たとえば、組織または臓器にある)を探索し同定するために、あるいは本発明の生成物を患者へ投与した後に追跡および/または探索するために、用いてもよい。
以下の実施例は、本発明より詳しく説明するものである。
【実施例】
【0091】
実施例1
空気を充填した薄殻マイクロバブルの製造(比較例)
ヘキサン/エタノール8/2(v/v)中の15 mgのジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、15 mgのジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)および3 mgのパルミチン酸を含む溶液を調製し、溶媒を蒸発乾固する。得られる粉末と2 gのポリエチレングリコール(MW4000)を14 gのtert−ブタノールに60℃にて溶解する。溶液を10 mlのガラスバイアルに分割(250μl/バイアル)し、急速に−45℃に冷却し、凍結乾燥する。凍結乾燥物を空気に曝し、次いで、5 mlの0.9%生理食塩水中で緩やかに渦巻き撹拌して再構成させる。得られる懸濁液は、空気充填マイクロバブル(2 x 108 バブル/ml、コールター・マルチサイザーIIにより分析)を含む。
【0092】
実施例2
ペルフルオロ炭素を充填した薄殻マイクロバブルの製造(比較例)
凍結乾燥物を入れたガラスバイアル中の空気を真空ポンプによって最初に除き、ペルフルオロ炭素ガス(C4F10)と置き換える以外は、実施例1の手順を繰り返す。先に述べた方法論によって測定した、得られたマイクロバブルの硬さは、約1 N/mである。
【0093】
実施例3
空気を充填した脂質殻マイクロカプセルの製造
60 mgのトリパルミチンをシクロヘキサン(0.6 ml)に溶解する。ジステアロイルホスファチジルグリセロール・ナトリウム塩(DSPG.Na−40 mg)を70℃にて20分間蒸留水(30 ml)に分散させ、45℃に冷却する。POLYTRON(登録商標)ホモジナイザー(8500 rpm)を用いて有機相を水性相に乳化する。光子相関分光計(Malvern Master Sizer(登録商標))で測定して得られる小滴の平均直径は、約3 μmである。
このエマルションを、5 mlの蒸留水に溶解した200 mgのポリビニルアルコール(PVA−MW 9000−Aldrich製)を入れた500 mlのガラス容器に加える。混合した後、得られるエマルションを−40℃にて急速に凍結させて、凍結乾燥する(Christ Beta 1−8K)。
ケーキを20 mlの水に再懸濁する。空気含有マイクロカプセルは、表面に浮上する。浮いているカプセルを回収し、0.9% NaClに再懸濁し、コールター・カウンター・マルチサイザーIIで分析する。先に述べた方法論によって測定した、得られたマイクロカプセルの硬さは、50 N/m以上である。
【0094】
実施例4
ペルフルオロ炭素ガスを充填した脂質殻マイクロカプセルの製造
C4F10含有マイクロカプセルを作成するために、凍結乾燥物を入れたガラスバイアル中の空気を真空ポンプによって最初に除き、凍結乾燥物をペルフルオロブタンに曝露する以外は、実施例3の手順を繰り返す。先に述べた方法論によって測定した、得られたマイクロカプセルの硬さは、50 N/m以上である。
【0095】
実施例5
ポリマー殻マイクロカプセルの製造
40 mgの30 kDa MW ポリスチレン(スタンダードMW 30,000、Fluka Chemie)をシクロヘキサン(1 ml)に溶解する。ジステアロイルホスファチジルグリセロール・ナトリウム塩(DSPG.Na−40 mg)を70℃にて20分間蒸留水(30 ml)に分散させ、45℃に冷却する。POLYTRON(登録商標)ホモジナイザー(13'0000 rpm、Kinematica、スイス)を用いて有機相を水性相に乳化する。
エマルションを、5 mlの蒸留水に溶解した200 mgのポリビニルアルコール(PVA−MW 9000−Aldrich製)を入れた500 mlのガラス容器に加える。混合した後、得られるエマルションを−40℃にて急速に凍結させて、凍結乾燥する。ケーキを20 mlの水に再懸濁する。空気含有マイクロカプセルは、表面に浮上する。浮いているカプセルを回収し、0.05%のプルロニックF68を含む0.9% NaCl溶液に再懸濁し、コールター・カウンター・マルチサイザーIIで分析する。先に述べた方法論によって測定した、得られたマイクロカプセルの硬さは、約8 N/mである。
【0096】
実施例6
ポリマー殻マイクロカプセルの製造
30 kDa MW ポリスチレンを同量の100 kDa ポリスチレンと置き換えることによって実施例5を繰り返す。先に述べた方法論によって測定した、得られたマイクロカプセルの硬さは、約12 N/mである。
【0097】
実施例7
ポリマー殻マイクロカプセルの製造
30 kDa MW ポリスチレンを同量の300 kDa ポリスチレンと置き換えることによって実施例5を繰り返す。先に述べた方法論によって測定した、得られたマイクロカプセルの硬さは、約15 N/mである。
【0098】
実施例8
プラスミドを含む標的化ミセル複合体の製造
1 mg/mlのカチオン性リン脂質DPEPC(ジパルミトイル グリセロ−3−エチルホスホコリン、Avanti(登録商標)、Polar Lipids、Inc.、アメリカ合衆国)、4 mg/mlのDSPE−PTE020(マルチアームPEG−リン脂質、NOF Corporation、Japan)および0.25 mg/mlのマレイミド−PEG2000−ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン(Shearwater Polymer、アラバマ、アメリカ合衆国)を用いて、カチオン性ミセルを製造する。
最初に、丸底フラスコに入れたクロロホルム:メタノール(2:1、v/v)にこれらの化合物を溶解し、次いで、減圧蒸発して、脂質フィルムを得る。10 mM HEPES緩衝液中で60℃にて脂質フィルムを水和することによって、カチオン性ミセルを得る。
【0099】
アセチルチオアセチルRGD−ペプチド(腫瘍血管新生において発現するアルファ v ベータ 3−インテグリンに対する親和性を有するペプチド)を、0.05 M HEPES/0.05 M ヒドロキシルアミン−HCl/0.03 mM EDTA,pH7の水溶液中で、室温にて30分間脱アセチル化する。活性化RGDペプチドを、1:2のペプチド:マレイミドのモル比にてミセルとともに4℃にて一夜インキュベートする。得られるRGD−ミセルを、溶離液としてHEPES緩衝液を用い、セファデックスG−100カラムで精製する。
Hepes緩衝液中100μg/mlにて、緑色蛍光タンパク質をコードするプラスミドgWiz(登録商標)−GFP(5757塩基対;Aldevron、Fargo、アメリカ合衆国)を、RGD−カチオン性ミセルに加えて、本発明組成物において上述のマイクロカプセルと組み合わせて用いることができるミセル複合体を含む標的化プラスミドを得る。
【0100】
実施例9
標的化マイクロカプセルの製造
RGD−PEG2000−DSPEの製造
アセチルチオアセチルRGD−ペプチド(腫瘍血管新生において発現するアルファ v ベータ 3−インテグリンに対する親和性を有するペプチド)を、0.05 M HEPES/0.05 M ヒドロキシルアミン−HCl/0.03 mM EDTA,pH7の水溶液中で、室温にて30分間脱アセチル化する。活性化RGDペプチドを、1:2のペプチド:マレイミドのモル比にてマレイミド-PEG2000−DSPE溶液とともに4℃にて一夜インキュベートする。得られるRGD−PEG2000−DSPEを、溶離液としてHEPES緩衝液を用い、セファデックスG−100カラムで精製する。
【0101】
RGD−含有標的化マイクロカプセルの製造
60 mgのトリパルミチンをシクロオクタン(0.6 ml)に溶解する。5 mgのRGD−PEG2000−DSPEおよび40 mgのDSPG.Naを70℃にて20分間蒸留水(30 ml)に分散させ、45℃に冷却する。POLYTRON(登録商標)ホモジナイザー(8500 rpm)を用いて有機相を水性相に乳化する。
得られるμLエマルションを遠心分離して過剰の脂質(トリパルミチン、DSPGおよびRGD−PEG2000−DSPE)を除去し、次いで、40 mg/mlのポリビニルアルコール(PVA)水溶液を入れた500 mlのガラス容器に加える。最後に、エマルションを−40℃にて凍結させ、凍結乾燥する。凍結乾燥ケーキを生理食塩水で再構成させることによって、RGD−ペプチド含有マイクロカプセルが最終的に得られる。
【0102】
実施例10
RGD−PEG2000−DSPEを、水性相(DSPG.Na水懸濁液)の代わりに有機相(シクロオクタン)に溶解する以外は、実施例9に記載したようにRGD−含有標的化マイクロカプセルを製造する。
【0103】
実施例11−15
インビトロ遺伝子デリバリー実験
遺伝子デリバリー試験のためのプロトコル
蛍光タンパク質を発現しているプラスミドとともに細胞懸濁液を入れた3 mLのサンプル管に、上記実施例にしたがって製造したガス充填微小胞(マイクロバブルまたはマイクロカプセル)の異なる製剤を加えて、遺伝子デリバリー試験を行う。
ラット乳腺腺ガン細胞MAT B III(ATCCから入手した#CRL−1666)を、10% v/v 加熱不活性化したウシ胎児血清(FCS)および1% v/v 抗生物質(初期濃度:10,000 IU/mlのペニシリン、10,000 μg/mLのストレプトマイシン、25 μg/mLのファンギゾン)を補足し、Glutamax−I(Life Technologie、スイス)を含むMac Coyの5A培地において、225 cm2組織培養物フラスコ中で、5% CO2雰囲気下、37℃にてインキュベートする。
【0104】
各管は、緑色蛍光タンパク質(GFP)をコードするプラスミドgWiz(登録商標)−GFP(Aldevron、Fargo、アメリカ合衆国)を含む培養培地(Mac CoyのA培地、Life Technologie、スイス)と混合した、最終濃度1 x 106個の細胞/mlで500 μlの細胞懸濁液を含む。
プラスミド濃度10 μg/mLおよび微小胞/細胞比30で、遺伝子デリバリーアッセイを行う。管を回転式曝露システムに取り付け、37℃の水浴に浸す(D.L.Miller、S.Bao、J.E.Morris、「Sonoporation of cultured cells in the rotating tube exposure system」、Ultrasound in Med.Biol.、25、1、(1999)143−149)。変換器と管の間の距離は、7.6 cmである。以下の特徴を有する異なる変換器(T1またはT2)を用いて、管を10秒間超音波処理(insonate)する。
【0105】

【0106】
次のパラメーターにしたがって、細胞懸濁液の超音波処理(insonation)を行う:負荷サイクル20%、パルス繰り返し周波数100 Hzおよび具体例に示した音圧。超音波デリバリーシステムは、電力RF増幅器ENI A150(ENI、Rochester、ニューヨーク)および任意波形発生器Tabor 8024(Tabor Electronics Ltd、Hanan、イスラエル)をさらに含む。
下記の実施例に示した音圧の値(ピーク負圧)は、較正済み膜ハイドロフォン(膜ハイドロフォン、#MH026、Precision Acoustic Ltd、Dorshester、イングランド)を用いる標準的較正手順にしたがって測定する。
インソネーション後、それぞれの混合物を管から12ウエルプレートへ移し、10% FCSを含む培地2 mLを補足する。次いで、5% CO2雰囲気下、37℃にて24時間細胞をインキュベートする。
【0107】
次いで、FACS Calibur(Becton dickinson AG、スイス)で細胞を分析して、GFP陽性細胞のパーセンテージおよび陽性トランスフェクト細胞の平均蛍光強度を決定する。簡単に述べると、トランスフェクションの24時間後に、培養培地および細胞を5 mL ポリスチレン管に入れ、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄し、次いで300−400 μL PBSに再懸濁し、氷上に置いておく。488 nm線のアルゴンレーザーを用いてGFPを励起させ、520 nm(緑色蛍光)および575 nm(赤色蛍光)で放出光を集めて、対角ゲーティングによる自己蛍光の補正ができるようにする。測定する前に、ヨウ化プロピジウム(40 μL/mLの溶液から20 μL)を管に加えて、細胞生存率を決定する。模擬トランスフェクト細胞(すなわち、プラスミドDNAおよび微小胞なしで超音波に曝露された細胞)を用いて、バックグラウンド蛍光を決定する。ソフトウェアプログラムCellQuest Proを用いて、データを分析して、GFP陽性細胞のパーセンテージおよび陽性トランスフェクト細胞の平均蛍光強度(任意単位(arbitrary unit)、AU)を表す。GFP陽性細胞のパーセンテージ(陽性にトランスフェクトされた細胞の量を示す)は、死亡細胞を含む全細胞集団に関連している;しかし、超音波によって破壊された細胞からの破片は、考慮に入れられない。測定された平均強度は、トランスフェクションにより細胞によって生成されたGFPの量に比例する(したがって、言い換えると細胞に効率的にデリバリーされたプラスミドコピーの数に比例する)。
【0108】
実施例11
マイクロカプセルまたはマイクロバブルの存在下での超音波処理による遺伝子デリバリー
実施例1にしたがって製造したマイクロバブル製剤の4つのアリコートを、前述の細胞懸濁液およびプラスミドを入れたそれぞれのサンプル管に加え、変換器T2で247 KPa、364 KPa、571 KPaおよび808 KPaの音圧にて超音波処理する。測定されたGFP陽性細胞のパーセンテージ(GFP陽性細胞%)および陽性細胞の平均蛍光強度をそれぞれ図1aおよび1bに黒丸で示す。
【0109】
同様に、実施例3にしたがって製造したマイクロカプセル製剤の4つのアリコートを、前述の細胞懸濁液およびプラスミドを入れたそれぞれのサンプル管に加え、同じ変換器T2で先と同様のそれぞれ異なる音圧にて超音波処理する。
測定されたGFP陽性細胞のパーセンテージおよび陽性細胞の平均蛍光強度をそれぞれ図1aおよび1bに白丸で示す。
【0110】
これらの図に見られるように、GFP陽性細胞の最大%は、マイクロバブルでは約25%(364 kPaにて)、マイクロカプセルでは約17%(808 kPaにて)である。しかし、マイクロカプセルの存在下で超音波処理された細胞は、マイクロバブルの存在下で超音波処理された細胞(571 KPaにて約340 AU)に対して、平均蛍光強度のより高い値(808 kPaにて約440 AU)を示す。したがって、トランスフェクトされた細胞の量がわずかに低いにもかかわらず、マイクロカプセルは、細胞への生理活性剤のより有効な移動を可能にする。実施に際して、マイクロカプセルの存在下では、より少ない数の細胞が超音波処理によりトランスフェクトされるが、それにもかかわらず、より高い濃度の生理活性剤が、細胞にデリバリーされる。
【0111】
実施例12
超音波処理による遺伝子デリバリー:マイクロカプセル対マイクロバブル
実施例2のマイクロバブルを実施例4のマイクロカプセルと比較することによって、同じ様式で実施例11を繰り返す。さらに、T2の代わりに、変換器T1(集束、1.15 MHz)をそれぞれ207 kPa、307 kPa、402 kPaおよび480 kPaの音圧にて用いる。結果(GFP陽性細胞の%および平均蛍光強度)を図2aおよび2bに示す(黒丸:マイクロバブル;白丸:マイクロカプセル)。
図2aに見られるように、GFP陽性細胞の最大%は、マイクロバブルでは約18.5%、マイクロカプセルでは約14%である。図2bでは、マイクロカプセルの存在下で超音波処理された細胞が、マイクロバブルの存在下で超音波処理された細胞に対して、はるかに高い値(ほとんど2倍)の平均蛍光強度(すなわち、480 KPaにて、〜約550 AUに対して約1120 AU)を示すのを見ることができる。
【0112】
実施例13
ポリマーマイクロカプセルの超音波処理による遺伝子デリバリー:分子量の影響
それぞれ実施例5、6および7にしたがって製造した3つの製剤のそれぞれの4つのアリコートを、前述の細胞懸濁液およびプラスミドを入れたそれぞれのポリスチレン管に加え、変換器T2でそれぞれ247 KPa、364 KPa、571 KPaおよび808 KPaの音圧にて超音波処理する。測定された平均蛍光強度(前述のとおり決定)を図3(実施例5:白菱形;実施例6:白四角;実施例7:黒三角)に示す。図3から、より高分子量のポリマーでできているマイクロカプセルの存在下で、特に400 KPaよりも高い音圧で超音波処理された細胞は、細胞へのプラスミドのデリバリーがより効果的であることに対応して、より高い平均蛍光強度を示すのを見ることができる。
【0113】
実施例14
超音波処理による遺伝子デリバリー:充填ガスの影響
それぞれ実施例3または4にしたがって製造した製剤のそれぞれの4つのアリコートを、前述の細胞プラスミドおよび懸濁液を入れたそれぞれのポリスチレン管に加え、変換器T2でそれぞれ247 KPa、364 KPa、571 KPaおよび808 KPaの音圧にて超音波処理する。
測定された平均蛍光強度(前述のとおり決定)を図4(実施例3:白丸;実施例4:黒丸)に示す。図4から、ペルフルオロガスを充填したマイクロカプセルの存在下で超音波処理された細胞は、空気を充填したマイクロカプセルに対して、より高い平均蛍光強度(ほとんど2倍)を示すのをを見ることができる。
【0114】
実施例15
超音波処理による遺伝子デリバリー:補助剤の影響
実施例3にしたがって製造した製剤の4つのアリコートを、前述の細胞懸濁液およびプラスミドを入れたそれぞれのサンプル管に加える。超音波曝露前に、0.05% w/vにてポリエチレングリコール4000(PEG4000)(Fluka、Buchs、スイス)、プルロニックF68またはプルロニックF127(両方ともSigma、Buchs、スイスが提供)を細胞懸濁液に別々に加える。次いで、マイクロカプセルを懸濁液に加え、上述の超音波デリバリーシステムを用い、細胞を音圧571 KPaにて変換器T2で超音波処理する。補助剤を含まずに超音波処理したマイクロカプセルの条件をコントロールとして用いる。
PEG4000およびプルロニックF68/127などの補助剤が、GFP陽性細胞のパーセンテージをコントロールと比べて少なくとも20%向上させることが見出される。
【0115】
実施例16
ポリマーマイクロカプセルを用いる超音波処理によるインビボ遺伝子デリバリー
実験動物の準備および超音波曝露システム
5 x 106個のMAT B III細胞(ラット乳腺腺ガン、ATCCからの#CRL−1666)を、処理前の6日間、フィッシャー344ラットの乳腺脂肪体に皮下注射(100 μL)する。
1 MHzの集束変換器(T3)を、長さ100 mmの水充填プレキシガラス管に載せ、所望の近接場距離(100 mm)で超音波処理が行われるようにする。
変換器T3の詳細は、以下のとおりである:
【0116】


超音波デリバリーシステムは、電力RF増幅器ENI A150(ENI、Rochester、ニューヨーク)および任意波形発生器Tabor 8024(Tabor Electronics Ltd、Hanan、イスラエル)をさらに含む。
【0117】
腫瘍を、ピーク負圧1 MPa、負荷サイクル(DC)3%およびパルス繰り返し周波数(PRF)100 Hzで60秒間超音波処理する。超音波伝播の中心軸は腫瘍に集束され、ラットの他の部分に干渉しない。各実験において、診断システム(送信周波数4 MHzにて作動するリニアプローブ、L7−4プローブ、ATL、HDI−5000、バージョン10.5、Philips ultrasound、Bothell、ワシントン、アメリカ合衆国)を用いて、腫瘍を造影し(B−モード)、注射後の腫瘍内マイクロカプセル分布および超音波処理に続くマイクロカプセルの破壊の両方を評価する。すべての超音波検査データをビデオテープに記録する。
【0118】
インビボDNAデリバリー
ケタミン/キシラジン(1 mL/kg)を注射することによってラットを麻酔する。脱毛後、実施例3にしたがって製造したマイクロカプセル製剤(3 μLまたは10 μL、2.6および8.6 x 106マイクロカプセルに相当する)およびルシフェラーゼタンパク質(pGL3 ルシフェラーゼリポーターベクター、Promega−Catalys AG、Wallisellen、スイス)をコードするプラスミドDNAの1 mg/mLの溶液20 μLを、27G針を用いて腫瘍内に注射する(針は、注射後30秒間留置し、その後ゆっくりと引き抜く)。次いで、上に詳述したようにカスタマイズしたプローブを用いて、腫瘍を超音波処理する。超音波処理は、良好な超音波透過を確実にするために超音波伝導ゲルを介して行う。
コントロール実験では、マイクロカプセルなしで、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中のDNAの腫瘍内注射を行い、次いで、同様の超音波条件下で超音波処理を行う。
【0119】
腫瘍分析
トランスフェクションの定量分析のために、超音波処理の48時間後に腫瘍を切除し、POLYTRON(登録商標)ホモジナイザーを用いて、5 mLのCell Culture Lysis Reagent(Promega−Catalys AG、Wallisellen、スイス)中で18000 rpmにて20秒間ホモジナイズする。次いで、ホモジネートを1000 gにて10分間遠心分離し、フシフェラーゼ・プロメガ・キット(Luciferase Assay Reagent、Promega−Catalys AG、Wallisellen、スイス)を用いて、上清を照度計(Victor、Perkin Elmer、Courtaboeuf、フランス)で分析する。ルシフェラーゼの標準溶液(QuantiLum(登録商標)、組換えルシフェラーゼ、Promega−Catalys AG、Wallisellen、スイス)のピコグラム当たりの光単位に対して、ルシフェラーゼ活性を較正する。最終的結果を腫瘍g当たりのルシフェラーゼのpgとして表す。
【0120】
下記の表1に示すように、トランスフェクション効率は、コントロール腫瘍に比べて、マイクロカプセルを注射され、超音波処理された腫瘍の方が高い。さらに、遺伝子デリバリー効率は、注射されたマイクロカプセルの用量とともに大きくなる。
表1:超音波によって媒介されたラット腫瘍におけるインビボ遺伝子デリバリー

【0121】
実施例17
マイクロカプセルを用いる超音波処理によるインビボドラッグデリバリー
実験動物の準備
生きている担体から収集し、ホモジナイズしたR3230乳腺腺ガン細胞を雌性フィッシャー344ラットに移植する。R3230細胞懸濁液(0.2 mL、約1 x 107個の腫瘍細胞)を、各動物(10−12週齢)の腹部の両側において乳房に皮下注射する。所望の大きさが達成されるまで腫瘍を約20日間成長させる。固形の直径10−15mmの壊死性腫瘍を用いて超音波処理実験を行う。
【0122】
超音波曝露によるインビボドキソルビシンデリバリー
総数10匹のそれぞれ2個の腫瘍を有するラットを用いて実験を行う。各対の1つの腫瘍は、内部コントロールとして用いるので、超音波には曝露しない。ケタミン/キシラジン(1 ml/kg)の注射によってラットを麻酔する。次いで、リポソームドキソルビシン(Caelyx(登録商標)、Schering−Plough)を、8 mg/体重kgの用量にて27ゲージ針で頸静脈にゆっくりと注射する(クロニック(chronic)カテーテルを介して)(500 μL中に1 mgのドキソルビシン)。10分後、実施例3にしたがって製造したマイクロカプセル製剤を、流速0.1 mL/分(5 x 108個のマイクロカプセル/mL)で頸静脈に注入する。30秒後、所望の近接場距離で腫瘍の超音波処理が可能な、長さ50 mmの水充填プレキシガラス管に載せた1 MHz変換器(T4)を用いて腫瘍の一方を超音波処理する。
変換器T4の詳細は、以下のとおりである:


超音波デリバリーシステムは、電力RF増幅器ENI A150(ENI、Rochester、ニューヨーク)および任意波形発生器Tabor 8024(Tabor Electronics Ltd、Hanan、イスラエル)をさらに含む。腫瘍の一方が、無作為に選択されて、制御された条件下(腫瘍脈管構造におけるマイクロカプセルの最大補給を可能にするように、1.5 MPa、40 %負荷サイクル、パルス繰り返し周波数100 Hz、5秒間の曝露期間を12回、パルシング間隔30秒)で超音波処理され、第2の腫瘍がコントロールとなる。注射されたマイクロカプセルの総体積は、約1 mlである。
【0123】
腫瘍内ドキソルビシンの定量化
ドキソルビシン(DOX)の蛍光特性を用いて、腫瘍内のドキソルビシン量を定量する。処理の24時間後にR3230腫瘍を収集し、秤量し、Ultra−Turraxを用いて、内部標準Daunorubicin(DNR)(Fluka、Buchs、スイス)を含むpH7のトリス緩衝液中でホモジナイズする。次いで、サンプルを、8800 gにて10分間遠心分離し、200 μLの上清を125 μLのトリトンX−100溶液(3% v/v)および675 μLの5 mM ギ酸アンモニウム緩衝液(pH 4.5)と混合する。懸濁液を短時間遠心分離し、固相抽出に付す。次いで、処理したサンプルを、逆相カラムを用いる高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)によって分析する。溶離した対象化合物、すなわち、DOXおよびDNRを、蛍光検出器でモニターする。励起および放出波長をそれぞれ475および550 nmにセットする。サンプルは常に、遮光状態で、ポリプロピレン管中で取り扱う。
マイクロカプセルの存在下で超音波に曝露した腫瘍は、超音波処理していないコントロール腫瘍と比べて、より高濃度のドキソルビシンを表示し、したがって、ドラッグデリバリーの改善を示す。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1a】2.25 MHzにて、マイクロバブルまたはマイクロカプセルを含む組成物を用いることによる超音波媒介遺伝子デリバリーにおいて測定されたGFP陽性細胞の%を示す。
【図1b】2.25 MHzにて、マイクロバブルまたはマイクロカプセルを含む組成物を用いることによる超音波媒介遺伝子デリバリーにおいて測定された陽性細胞の平均蛍光強度を示す。
【図2a】1.15 MHzにて、マイクロバブルまたはマイクロカプセルを含む組成物を用いることによる超音波媒介遺伝子デリバリーにおいて測定されたGFP陽性細胞の%を示す。
【図2b】1.15 MHzにて、マイクロバブルまたはマイクロカプセルを含む組成物を用いることによる超音波媒介遺伝子デリバリーにおいて測定された陽性細胞の平均蛍光強度を示す。
【図3】異なる分子量のポリマーから作成されたマイクロカプセルを含む組成物を用いることによる超音波媒介遺伝子デリバリーにおいて測定されたGFP陽性細胞の平均蛍光強度を示す。
【図4】異なるガスで充填されたマイクロカプセルを含む組成物を用いることによる超音波媒介遺伝子デリバリーにおいて測定されたGFP陽性細胞の平均蛍光強度を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生理活性剤ならびにポリマーおよび/または脂質殻を有するガス充填マイクロカプセルを含む組成物であって、マイクロカプセルが少なくとも0.15の適用された超音波のメカニカルインデックス(MI)に対する抵抗性を有し、生理活性剤が実質的に殻に非結合である組成物。
【請求項2】
マイクロカプセルが、少なくとも0.18のメカニカルインデックスに対する抵抗性を有する請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
マイクロカプセルの殻が、生分解性の生理的適合性ポリマーを含む請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
マイクロカプセルの殻が、生分解性水不溶性脂質を含む請求項1または2に記載の組成物。
【請求項5】
マイクロカプセルが、少なくとも5 N/mの硬さSpを有する前記請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
マイクロカプセルに含まれるガスが、ペルフルオロガスである前記請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
生理活性剤が、薬物または遺伝物質である前記請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
生理活性剤が、担体と結合する前記請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
生理活性剤および担体が、リポソームまたはミセルの形態において結合する請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
担体が、標的化リガンドをさらに含む前記請求項8または9に記載の組成物。
【請求項11】
診断薬をさらに含む前記請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項12】
細胞への生理活性剤のデリバリーを増強するための補助剤をさらに含む前記請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項13】
生理活性剤の超音波媒介デリバリー用の医薬的有効製剤を製造するための前記請求項のいずれかに記載のガス充填マイクロカプセルおよび生理活性剤を含む組成物の使用。
【請求項14】
生理活性剤ならびにポリマーおよび/または脂質殻を有する複数のガス充填マイクロカプセルを含む組成物であって、マイクロカプセルが少なくとも0.15のメカニカルインデックス(MI)に対する抵抗性を有し、生理活性剤が実質的に殻に非結合である組成物を、それを必要とする患者において、該細胞を含む身体部分に投与し;次いで
マイクロカプセルの一部を破壊して、細胞に生理活性剤を効率的にデリバリーすることができる音圧を有する超音波を該身体部分に適用すること;
を含む、生理活性剤を細胞にデリバリーする方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−538367(P2008−538367A)
【公表日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−507051(P2008−507051)
【出願日】平成18年4月11日(2006.4.11)
【国際出願番号】PCT/EP2006/061517
【国際公開番号】WO2006/111490
【国際公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【出願人】(398063065)ブラッコ・リサーチ・ソシエテ・アノニム (13)
【氏名又は名称原語表記】BRACCO RESEARCH S.A.
【Fターム(参考)】