説明

超音波式漏洩検知装置及びその方法

【課題】
濁水や透明度の低い液体が満たされた容器等において、容器から他の容器等への液体の漏洩の有無と、漏洩箇所の特定を行うこと。
【解決手段】
本発明は、上記課題を解決するために、水中に超音波センサを浸漬させ、容器内の構造物からの反射波でセンサの周囲の容器内の形状を測定し、気泡を発生させ、その気泡群の分布の時間的な変化を超音波で測定することで、漏洩の有無及び箇所を特定するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は超音波式漏洩検知装置及びその方法に係り、特に、超音波センサを液体などの媒体に浸漬させて液体中の物体からの反射信号を利用し、液体の漏洩を検知するものに好適な超音波式漏洩検知装置及びその方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地下に設けられたタンクなどに、濁水や透明度の低い液体が満たされている場合、この液体の漏洩を止めて補修するためには、当該液体の漏洩を検知し、漏洩箇所を特定することが必要となる。
【0003】
一般に、液体が入った容器から別の容器への液体の漏洩を検査する方法として、漏洩する物質を目視で確認する方法、或いは漏洩する物質の持つ特有の性質(例えば、塩分、薬品、phなどの化学的性質、導電性、抵抗、温度や放射線量などの物理的性質)を測定することで漏洩を検知する方法が知られている。
【0004】
また、漏洩物質に含まれる物理的性質(放射性物質)を使った方法としては、例えば、特許文献1に記載のように、主蒸気や炉水に含まれる放射性核種からの放射線を検出、分析することで漏洩を検知する方法が知られている。
【0005】
しかしながら、上述した従来技術は、容器全体に対する漏洩の有無を判別することはできるが、漏洩箇所の特定は困難である。通常、漏洩検知には、気体(ガス)のサンプリングが必要であるため、液体が満たされた容器から別の容器への液体の漏洩を検知することができない。
【0006】
また、漏洩を直接測定する別の方法として、漏洩箇所に吸われる液体の流れ(或いは、漏洩先であれば、流れ出る液体の流れ)を可視化することで、漏洩箇所を特定することができる。
【0007】
ところが、容器に含まれる液体が濁水などの不透明な液体の場合には、光学的な手法で漏洩箇所の流れを可視化することが困難となる。光学的な手法での可視化が困難な場合の方法として、超音波などにより、直接的に流れを測定する方法(流量計)がある。
【0008】
また、液体中に浸漬した超音波センサで液体の流量を計測する方法として、例えば、特許文献2に記載のように、複数の側線を得られるように、複数の超音波センサを配置して流量を計測する方法が知られている。
【0009】
特許文献2に記載の技術を漏洩検知に適用した場合、水路などの閉空間を満たす液体の流量を測定できることから、漏洩に到る流速の分布や変化を測定することは可能であるが、漏洩箇所を特定することができない。
【0010】
液体の流れを間接的に測定する方法としては、微小な粒子や気泡などのトレーサや細い糸など、流れに沿う性質を持った物体の動きを計測することにより、間接的に流れを計測する方法が知られている。
【0011】
例えば、特許文献3に記載のように、流体内の気泡や粒子によって反射した超音波信号から流速や流量を測定する方法が知られている。しかし、この方法においても、漏洩に到る流速の分布や変化を測定することは可能であるが、漏洩箇所の特定ができない。
【0012】
一方、構造物の健全性を評価するために、構造物の表面や内部の非破壊検査手法として、超音波探傷法が広く用いられている。この超音波探傷法のひとつに、超音波センサと被検体の間に、超音波の伝搬が可能な水や機械油などの液体を中間媒体として充填し、その媒体を経由させて構造物を検査する超音波探傷が適用されている。例えば、中間媒体として水を使う場合は、水浸法という名称で呼ばれる。
【0013】
この水浸法は、容器内の液体を媒体として用いることで、液体が満たされた容器の外壁からの反射波により、外壁の形状変化部分(例えば、穴やき裂)を可視化することは可能となるが、液体の漏洩を確認することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2011−13770号公報
【特許文献2】特開2011−122831号公報
【特許文献3】特開2011−185602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
このように、上述した従来技術では、濁水や透明度の低い液体が満たされた容器等において、容器から他の容器等への液体の漏洩の有無及び漏洩箇所の特定を行うことが難しいという問題があった。
【0016】
本発明は上述の点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、濁水や透明度の低い液体を含む容器から別の領域への液体の漏洩であっても、その液体の漏洩の有無の判断及び漏洩の箇所の特定を可能とする超音波式漏洩検知装置及びその方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の超音波式漏洩検知装置は、上記目的を達成するために、容器に入った液体中に一部又は全体が浸漬された超音波センサを用い、超音波送受信手段により、前記容器内から超音波を送信し、前記容器内の反射体からの反射波を受信することで液体の漏洩を検知する超音波式漏洩検知装置において、前記容器内に複数の気泡群を発生する手段と、前記超音波受信信号から前記容器内の構造物、及び前記気泡群を可視化する手段と、前記気泡群の可視化結果から、気泡群の分布の時間的な変化量を計測する手段とを備えていることを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、超音波送受信手段から前記容器内に超音波を送信し、容器内の構造物からの反射波により、漏洩の可能性のある形状変化部(穴やき裂等)の位置を測定することができ、更に、容器内に発生させて気泡群の分布の時間的な変化を測定することにより、漏洩にともなう水流の流れと、漏洩の可能性のある形状変化部から、漏洩する水流を可視化することで、漏洩の有無及び漏洩箇所の特定を行うことができる。
【0019】
また、前記気泡発生手段に、気泡の発生する時間と発生を停止する時間を制御する手段を備えていてもよい。
【0020】
このような本発明によれば、連続的に気泡を発生させると、容器中に気泡が充満することで、漏洩の有無や漏洩箇所の特定が困難になる現象を回避し、漏洩の可能性のある形状変化部を発見した後、気泡を一定量かつ一定期間発生させることで、気泡群の時間的な変化をとらえやすくすることで、漏洩の有無及び漏洩箇所の特定を容易にするこができる。
【0021】
また、気泡発生と同期した同期信号を発信させる手段を備えていてもよい。
【0022】
このような本発明によれば、気泡を発生させた後、気泡発生を気泡群の測定開始のトリガとして、その後、一定時間間隔の測定のためのトリガ信号として、前記音響による同期信号を利用することで、気泡群の時間変化の経時変化を観察することができ、漏洩の有無及び漏洩箇所の特定を容易にするこができる。
【0023】
また、前記同期信号について、同期信号を音響信号とする手段を備えていてもよい。
【0024】
このような本発明によれば、透明度の低い液体中で、気泡発生手段から発せられる音響により、気泡の発生する位置を特定することができ、気泡発生手段の位置を確認することができ、気泡発生手段近傍の液体の流れを観察することができ、漏洩箇所の特定を容易にすることができる。
【0025】
更に、本発明の超音波式漏洩検知方法は、上記目的を達成するために、容器に入った液体中に一部又は全体が浸漬された超音波センサを用いて、前記容器内から超音波を送信し、前記容器内の反射体からの反射波を受信することで液体の漏洩を検知する超音波式漏洩検知方法において、前記超音波の受信信号から、前記容器内の構造物から容器内の形状を可視化し、前記容器内に発生させた複数の気泡群の分布の時間的な変化量から液体の漏洩を測定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、濁水や透明度の低い液体が満たされた容器等において、超音波による反射体からの信号を利用することで、容器内の構造物からの反射波により、漏洩の可能性のある形状変化部(穴やき裂、隙間)の形状及び位置を特定することができ、更に、容器内に気泡を一時的または断続的に発生させることにより、この気泡群の時間的な変化量(例えば、広がりの体積や重心位置、速さ等)を計測することで、漏洩の可能性のある形状変化部に対して液体が吸い込まれるか、或いは漏洩にいたる変化を示しているかを計測することにより、漏洩の有無及び漏洩位置の特定を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の超音波式漏洩検知装置の一実施例を用いた超音波式漏洩検知システムを示す図である。
【図2】本発明の超音波式漏洩検知装置の他の実施例を用いた超音波式漏洩検知システムを示す図である。
【図3】本発明の超音波式漏洩検知装置に採用される気泡発生器による気泡発生のトリガ信号と気泡発生量の時間的変化を示す図である。
【図4】本発明の超音波式漏洩検知装置に採用される気泡発生器による気泡発生のトリガ信号と気泡発生量の時間的変化を示し、気泡発生後に一定時間間隔で超音波計測器により気泡の状況を測定することを説明するための図である。
【図5】本発明の超音波式漏洩検知装置に採用される超音波測定器で気泡を測定している状態を示す図である。
【図6】本発明の超音波式漏洩検知装置に採用される超音波可視化装置の一例を示す図である。
【図7】本発明の超音波式漏洩検知装置に採用される超音波可視化装置の他の例を示す図である。
【図8】本発明の超音波式漏洩検知装置に採用される超音波可視化装置による形状の測定を説明するための図である。
【図9】本発明の超音波式漏洩検知装置に採用される超音波可視化装置による形状の測定を説明するための図である。
【図10】本発明の超音波式漏洩検知装置に採用される超音波測定器で気泡を測定している状態を示す図である。
【図11】本発明の超音波式漏洩検知装置での気泡群の体積を画像処理で抽出する処理結果の例を示す図である。
【図12】図11の気泡群の体積を画像処理で抽出した処理結果を使った気泡群の物理量の計測結果の一例を示す図である。
【図13】図11の気泡群の体積を画像処理で抽出した処理結果を使った気泡群の物理量の計測結果の他の例を示す図である。
【図14】図11の気泡群の体積を画像処理で抽出した処理結果を使った気泡群の物理量の計測結果の更に他の例を示す図である。
【図15】図11の気泡群の体積を画像処理で抽出した処理結果を使った気泡群の物理量の計測結果の更に他の例を示す図である。
【図16】本発明の超音波式漏洩検知装置に採用される超音波測定器の構成を示す図である。
【図17】本発明の超音波式漏洩検知装置に採用される気泡発生装置、超音波測定器、アクセス治具の構成を示す図である。
【図18】本発明の超音波式漏洩検知方法の一実施例を示すフローチャートである。
【図19】複数回にわたって気泡を出す場合の気泡群の広がりの計時変化を示す図である。
【図20】本発明の超音波式漏洩検知装置に採用される気泡発生装置に音響発生の音源を取り付けた図である。
【図21】本発明の超音波式漏洩検知装置に採用される気泡発生装置に音響発生の音源とひもを取り付けた図である。
【図22】本発明の超音波式漏洩検知装置に採用される気泡発生装置に音響発生の音源と棒とひもを取り付けた図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図示した実施例に基づいて、本発明の超音波式漏洩検知装置及びその方法について説明する。
【実施例1】
【0029】
図1及び図2は、本発明の超音波式漏洩検知装置を用いた超音波式漏洩検知システムを示すもので、本発明の対象となる容器に、液体が部分的に満たされている状況を表す。
【0030】
例えば、容器1の上部の形成された穴1Aから、超音波センサ3が取り付けられているアクセス治具(移動クローラ)2を容器1内に挿入する。更に、同じ容器1内に、気泡4を発生する気泡発生装置5をアクセス治具2により挿入する。
【0031】
超音波センサ3は、例えば、図1に示すような多軸マニピュレータや、図2に示すような容器1内の壁面を磁気、真空、スラスタ等で吸着する吸着式或いは液体をスラスタで泳ぐ泳動式のビークルに搭載したものである。尚、図1及び図2において、6は液面、7は容器1に形成された壁面の穴(漏洩箇所)である。
【0032】
気泡発生器5は、図1及び図2に示すように、超音波センサ3の近傍に設置され、図3に示すように、時刻T1から時刻T2の一定期間に、一定の量の気泡を発生する。即ち、図3は、気泡発生の開始と終了のトリガ信号と気泡の発生量の時間変化を表すが、この図3から、気泡発生が一定期間で一定量であることがわかる。気泡発生量は、図3では一定値としたが、流量等を調整することで、気泡発生量を変化させてもよい。
【0033】
また、図4は、気泡発生の開始と終了のトリガ信号と気泡の発生量の時間変化を表すが、トリガ信号N回ごとに気泡を出すという制御を仮定して、超音波センサ3で、気泡発生後に、一定時間間隔で気泡の状況を測定すれば良いことが分かる。
【0034】
図5は、超音波式漏洩検知装置に採用される超音波測定器として、水中での可視化が可能な可視化装置を用い、容器1内の気泡を測定している状態を示すものである。即ち、容器壁面1Bから内部に導出された配管8との二重管構造部分Aが、液体の漏洩の可能性のある部分であり、この二重管構造部分Aを狙って、アクセス治具2により容器1内に挿入された可視化装置付の超音波センサ3で気泡4を計測しているものである。つまり、図5に示す超音波測定器は、超音波センサ3を内蔵し、液体中の反射源を可視化する装置であり、反射源としては、容器壁面1Bや容器1内の形状変化部(構造物や配管、き裂や穴、気泡など)が想定される。
【0035】
超音波センサ3は、容器1内を満たす液体中に3次元的に超音波を発信、受信するものである。超音波センサ3は、例えば、図6及び図7に示すように、アレイセンサ3Aから構成されており、アレイセンサ3Aを構成する圧電素子3Bが1軸配列の場合は、図6の如く、機械走査と組み合せることで、3次元走査が可能である。また、図7の如く、圧電素子3Bを2次元的に配置することで、電子的に3次元走査をすることも可能である。
【0036】
アレイセンサ3Aを用いた映像化方法として、開口合成法や遅延加算法などがある。
【0037】
開口合成法では、例えば、アレイセンサ3Aを構成するN個の素子のうち、j番目の素子(位置Xj)で超音波を送信し、i番目の素子(位置Xi)で超音波を受信した信号φ(τ;Xi;Xj)について、伝搬時間τ1振幅φ(τ1)を、センサ位置XiとXjを焦点として、点Xiと点P、点Xjと点Pの距離の和が一定となる楕円軌道を描く点P(複数)の画素値として、距離の和が往復伝搬距離(伝搬時間τ1と音速cとの積)と等しくなる振幅値φ(τ1)として与え、送信及び受信の素子位置、即ち、センサ位置Xi及びXjを順次変化させ、異なるセンサ位置における振幅値を加算して、画素点Pの画素値を求めることで画像を形成する。
【0038】
尚、特別な場合として、送信位置と受信位置が一致スル用にデータを取得した場合は、伝搬時間τ1の振幅A(τ1)を、センサ位置Xからの距離となる点Pの画素値として、2点間距離XiPと同じ距離となる伝搬距離(伝搬時間τ1と音速cとの積)の振幅値Ai(τ1)として与え、センサ位置Xiを順次変化させることで、異なるセンサ位置における振幅値を加算して、画素点Pの画素値を求めることで、画像を形成してもよい。
【0039】
映像化するには、図8に示す如く、送信素子位置Xjで受信素子位置Xiの波形φ(τ;Xi;Xj)801について、位置Xiとの距離と、位置Xjとの距離の和が2τ×c(cは液体中の超音波伝搬速度)となる画素802Aに注目すると、時刻τにおける振幅値801Aを、送信位置Xj及び受信位置Xiについて加算した振幅値を画素802Aの画素値とし、表示領域802に画像として可視化する。このとき、形状変化部の例として配管8からの反射波が802Bのように映像化され、802Bの映像の境界領域803Aとして、配管8の表面形状が超音波により可視化される。
【0040】
また、遅延加算方式とは、フェーズドアレイ方式、電子走査方式又は電子スキャン方式とも呼ばれるので、例えば、圧電振動子からなる複数の超音波発生素子をアレイ状に配置した探触子、いわゆるアレイセンサ3Aを用い、超音波発生の契機となる電気信号を、このアレイセンサ3Aの各素子に所定の時間だけ遅延させて与え、各素子から発生した超音波が重ね合わされ、合成波を形成することで、被検査体への超音波の送信角度と受信角度、送信位置と受信位置、或いは合成波が干渉して互いにエネルギーを強め合う位置、つまり、焦点位置などの条件が電気的な制御により高速で変化させることができるようにしている。
【0041】
例えば、あるセンサ位置Xにおいて、角度θi方向から受信した信号の振幅A(τ、θi)について、伝搬時間τと音速cの積から、伝搬距離Wを求め、センサ位置Xを基準として、角度θi、距離Wの点の画素値として、A(τ、θi)を設定し、θiを変化させることで扇状の画像を形成したり、或いはθiを固定し、センサ位置Xを移動させることで、平行四辺形状の画像を形成したりする、超音波の送総受信映像化法のことである。
映像化するには、図9に示す如く、送受信位置Xkにおいて、方向θiに伝搬する径路901を持つ、遅延合成させた波形A(τ;θi)902について、ある時刻τの振幅値902Bと角度θiから、θiを変化させながら、振幅値の大きさに対応した画素値で可視化することで、扇形の領域904で超音波測定結果を画像化できる。形状変化部(例えば配管8)の表面からの反射波の振幅値により、領域903のように映像化され、この領域の境界(即ち、受信信号A(τ;θi)の振幅の立ち上がり902A)として、配管8の表面が、超音波画像の境界903Aとして映像化される。
【0042】
尚、開口合成法と遅延加算法のいずれの場合においても、例えば、上記の手順によって、ある平面での断面画像を形成することができるので、図6に示すように、機械走査によりアレイセンサ3Aから発生する超音波が伝搬する面を、その面に直交する成分を含む方向に面を移動させることで、平面画像を複数枚形成することができ、立体画像を形成できる。
【0043】
或いは図7に示すように、アレイセンサ3Aを形成する圧電素子3Bを2次元的に配置することで、電子走査を3次元的に行い、同様に平面画像を複数枚形成して、立体画像を形成できる。図7の場合、開口合成法では、センサ位置Xiからの2点間距離XiPが等しくなる画素点Pの軌跡が球(或いは回転楕円体)となる。また、遅延加算法の場合、あるセンサ位置からの超音波の送信方向が、極座標の2つの偏角(θ、φ)などによって設定される。
【0044】
例えば、図8に示すように、表示部に、画像化した画素値をカラーバーに対応させて、断面画像として表示することができる。
【0045】
また、図9に示すように、遅延加算法の画像化手法によって反射体(構造物)の表面を映像化する場合、横軸に時間(又は距離)、縦軸に振幅をとったある特定の方向(入射角度)に伝搬する受信波形の強度と、伝搬方向(入射角度)から、扇状の断面図を描画する。扇状の表示においては、画素値を白黒またはカラーのカラーバーと対応させて、画素として可視化される。
【0046】
いずれの場合においても、構造物表面において、あるいは、気泡などの反射体において、強い超音波信号が反射されるために、断面画像の画素値の大きい部分(即ち、振幅値の大きい部分)の領域として、反射体(構造物や気泡)の境界が画像化される。
【0047】
次に、超音波を送受信するアレイセンサ3Aの動作について、簡単に説明する。
【0048】
超音波アレイセンサを構成する圧電振動子は、送受信部に接続され、送受信部から送られる駆動信号により、圧電振動子から液体中に縦波超音波が発生し液体中を伝搬する。
【0049】
液体中に構造物や気泡などの反射体が存在した場合、縦波超音波は反射体の表面で、主に縦波超音波として反射する。反射体で反射された超音波は、液体中を伝搬し、再び超音波アレイセンサを構成する圧電振動子に伝搬し、受信された超音波は、電気信号に変換される。
【0050】
受信波の電気信号は、送受信部で収録され、例えば、受信信号や2次元断面画像や3次元画像として表示部に表示される。また、受信信号は、必要に応じて、記憶部に参照信号として記憶される。
【0051】
ここで、図16を用いて、超音波アレイセンサ、送受信部、記憶部、表示部について説明する。
【0052】
超音波アレイセンサ104を構成する圧電振動子は、例えば、超音波発生素子の一例として、圧電セラミックスや、その圧電セラミックスの細棒を高分子材の中に埋めこんだ複合圧電体(コンポジットともいう)を用いる。圧電振動子(又は素子)は、通常、等間隔に配置されている。
【0053】
送受信部107は、遅延加算方式の場合、例えば、パルサー107A、レシーバ107B、遅延時間制御部107C、データ収録部107D、計算機107Eを備え、パルサー107Aから出力される駆動信号のタイミングを制御すると共に、遅延時間制御部107Cは、レシーバ107Bによる受信信号の入力タイミングを制御し、これにより遅延制御方式による超音波アレイセンサ3Aの動作が得られるようにする。データ収録部は107D、レシーバ107Bから供給される受信信号を処理し、表示部109に供給する働きをする。
【0054】
記憶部108は、送受信部107で収録された探傷データを記録し、そのうち、特に、気泡の発生が無い状態(或いは時間帯)や、気泡の発生直後の初期の計測データ(受信信号)を参照データ108Aとして記憶し、また、被検体の形状データ108Bを記憶し、計算機107Eに供給する働きをする。
【0055】
表示部109は、超音波の受信角度(本実施例では、送信方向と受信方向を同じであるため、送信角度と受信角度は同じ)に対応した受信信号を表示する手段である。例として、開始角度から終了角度までの範囲で超音波を送受信した場合の受信信号を、角度を円周方向に、片道伝搬距離を軸方向とした扇型に表示した例を示す。尚、このように超音波の送信角度を変化させて走査する方法は、セクタスキャンと呼ばれる。
【0056】
送信角度を開始から終了まで走査させると、アレイセンサ3Aが浸漬されている容器1内の構造物内の反射体(構造物などの形状変化部)からの反射信号や、気泡群によると想定される反射信号が受信され、測定画像のように、扇形の中に、受信信号の強さに応じた色または濃さの異なる領域として表示される。
【0057】
容器1内に漏洩がある場合の気泡4の動きの例を図10に示す。
【0058】
該図に示す如く、ある時刻Taでの気泡4群の位置は、漏洩がある場合、Ta以降のある時刻Tbにおいて、漏洩が懸念される容器壁面1Bから内部に導出された配管8との二重管構造部分A近傍に接近し、また、漏洩があった場合には、気泡4の数が漏洩によって減少し、気泡4群の体積が減少するという現象が生じることが想定される。
【0059】
ここで、例えば、気泡発生後の測定画像と比較するためには、記憶部108に記憶されている参照データ108Aを画像処理部110Aに読み込み、異なる時刻の画像(例えば、気泡発生前の画像或いは気泡発生直後など)として、測定画像と並べて表示させることで、変化のないものは形状、変化のあるものは気泡とする画像処理を行うことで、動きのあるものを抽出することで気泡領域を判断することができる。
【0060】
さらに、画像処理部110Aにおいて、このように気泡発生後の画像と、それとは異なる時刻の画像を比較することで、構造物の形状変化部からの反射信号は、時刻によらず変化のないデータとして、参照画像と測定画像の両方において出現していることで判断できる。また、気泡群602と想定される反射信号は測定画像と参照画像で、出現の場所や数などに変化があることが識別することができ、気泡の動きの時間変化を把握することにより、液体中の漏洩に到る流体の流れや、漏洩の有無、漏洩箇所の特定を行うことが可能となる。
【0061】
例えば、画像処理結果を処理表示部110において、異なる時刻Ta及びTbにおける超音波測定画像から、気泡領域を抽出した画像として表示することもできる。あるいは、気泡群の物理量(例えば、気泡群の体積、重心の位置、重心の移動速度等)の時間変化を表示することで、漏洩の判定を分かりやすく表示することもできる。
【0062】
尚、開口合成方式の装置構成としては、遅延時間制御部107Cを用いない点が遅延加算方式と異なるが、遅延加算型の装置構成と同様の装置構成でも映像化を達成することができる。但し、同時に使用する素子数が送信で1個、受信で1個となるため、パルサー107A及びレシーバ107Bのチャンネル数を減らしてもよい。また、開口合成のアルゴリズムは、計算機107E内にて実行される。
【0063】
気泡発生装置5は、気体と液体を混入したノズルや孔から複数の気泡4を発生させる。また、電気分解や気体発生を伴なう化学反応によって気泡4を発生させてもよいし、造影剤のようなバブルを予め作成しておき、それを液体とともに流しても良い。
【0064】
図17に、気泡発生装置5、超音波測定器104、アクセス治具の全体のブロック図を示す。気泡発生装置5、超音波測定器104とも、アクセス治具(多軸アーム、移動機構など)と接続さえて、漏洩の発生が懸念さえる容器等の内部にアクセスする。
【0065】
気泡が発生する前、気泡発生の直後、気泡発生後の一定間隔など、気泡発生と超音波測定は時間的に同期した測定を行う。例として、同期インターフェース104Aにより、トリガ信号(図4の5E)を発生させる。発生さえた同期信号は、超音波計測器104に送られ、同期信号と同期して超音波によう計測を行う。また、同じ同期信号は、気泡発生装置5に送られ、同期処理部5Dにより同期信号が受信される。例えば、N個の同期信号に1回ずつ気泡を発生するといったように、制御部5Bで気泡を発生させる期間や回数を制御し、気泡発生器5Aから気泡を発生させる。また、音響信号発生部5Cにより、同期信号と同期させて音響を発することにより、音響信号を同期信号として利用することで、気泡発生装置の位置や、気泡発生装置の周囲の液体の流れを、超音波計測器で計測せしめることが可能となる。
【0066】
気泡4は、連続的に発生させると、容器1内に充満してしまい、流れや漏洩を測定することが困難となるため、ある時刻T1からT2までの一定期間発生させる。
【0067】
一定期間発生したバブルは、浮力の影響を受けて若干上昇するが、気泡4がある程度小さければ、浮力による影響を、流れの影響より小さくすることができる。
【0068】
気泡群を超音波カメラで観察すると、気泡4からの反射波が受信され、雲状の複数の画像として映像化される。例えば、この画像に対して、気泡群が含まれる領域を二値化する画像処理により、気泡群の広がりを表す体積を求めることができる。
【0069】
また、二値化された気泡群の領域から、気泡群の重心の位置や、重心の移動速度を求めることも可能である。
【0070】
図11に、時刻Taと、その後の時刻Tbの気泡4群の超音波による可視化結果と、画像処理により気泡群の領域を二値化した図の例を示す。
【0071】
該図に示す如く、時刻Taから時刻Tbへと時間が経過することで、気泡4群の広がり(体積)が増減することが想定される。体積の増加は、例えば、液体中の拡散を意味し、体積の現象は、漏洩による気泡4の流出や、経時変化による気泡4の消滅などが考えられる。
【0072】
更に、図10に示したように、漏洩が懸念される二重管構造部分Aでは、漏洩にともなう液体の流れが発生していることから、気泡群の位置(例えば、重心位置)の移動が起こることも想定される。
【0073】
気泡群の物理量(体積、位置、速度など)の経時変化を測定することで、例えば、気泡群の体積は、拡散により大きくなると予想される。また、重心の位置は、流れによって移動する。
【0074】
図12は、気泡発生と、その後の気泡群の体積の変化を計測した結果の例を示す。気泡発生期間T1〜T2(図12の下図参照)を過ぎて、気泡体積が増加し、その後現象している様子(図12の上図参照)を表している。
【0075】
また、図13は、気泡発生と、その後の気泡群の重心位置の位置変化を計測した結果の例を示す。気泡発生期間T1〜T2(図13の下図参照)を過ぎて、気泡の重心位置が流れに沿って移動している状況(図13の上図参照)を表している。
【0076】
また、図14は、気泡発生と、その後の気泡群の重心位置の速度変化を計測した結果の例を示す。気泡発生期間T1〜T2(図14の下図参照)を過ぎて、気泡が高速に移動し、その後、一定の速度でゆっくり移動している状況(図14の上図参照)を表している。
【0077】
このように、異なる時間における気泡群の物理量を測定することで、液体の漏洩にともなう変化を間接的に測定することが可能となる。
【0078】
例えば、図15に示すように、物理量にしきい値を設けておけば、しきい値を超えたことを判定のトリガとして、漏洩の判断を行うことが可能である。
【0079】
時刻の異なる測定結果は、図16に示すように、表示部に、例えば異なる時間の測定結果を表示する、あるいは、図12乃至図15のように、測定対象となる物理量の経時変化を測定することで、漏洩を判断することができる。
【0080】
例として、図18に漏洩判定のフローを示す。
【0081】
図18に示すように、最所に、容器内の液体に、超音波計測器と気泡発生装置を備える漏洩検知装置を、アクセス治具で挿入する。アクセス治具2としては、図1に示すようなマニピュレータや、図2に示すような移動機構などがある。
【0082】
次に、容器内の形状(構造物)を計測することにより、漏洩が懸念される形状変化部を、超音波計測器を移動させながら測定することにより、特定する。
【0083】
次に、漏洩の可能性のある場所、例えば、配管や穴やき裂などを発見した場合は、その場で超音波計測器の位置を固定する。
【0084】
その後、漏洩の可能性のある形状変化部の近傍で、気泡を一定期間、一定量発生させる。
【0085】
この発生した気泡を、超音波計測器で測定する。画像処理で気泡群の領域を強調し、物理量(体積、重心位置、重心位置の速度など)を測定し、異なる2つの時刻以上の測定を行い、図19に示すような、経時変化を測定する。
【0086】
即ち、図19は、図4に示したような複数回にわたって気泡4を出す場合、気泡発生装置5でK回目の気泡4を発生させた後、ある程度の経時変化したK+1回目に発生させられた気泡4が、移動して拡散している状況を示しており、このK+1回目の気泡4の状況を測定するものである。
【0087】
次に、所定の設定回数に達するまで計測を行い、漏洩の挙動(例えば、気泡群の体積の現象と、気泡群の重心位置の変化が同時に発生した等)を示したかを判定する。
【0088】
漏洩の有無及び位置を記録した後、次の、漏洩が懸念される位置に超音波測定装置を移動させて、上記の測定を繰り返す。
【0089】
漏洩検知方法としては、前述した超音波測定器により、容器1内の構造物の形状変化部を計測し、その位置や形状を可視化する。この形状変化部が、漏洩の可能性のある位置(候補)となる。
【0090】
漏洩の候補位置が測定できた後に、気泡4を一定期間で一定量発生させ、気泡群の物理量を測定する。もしも候補位置で漏洩が起きている場合は、気泡群の重心位置が候補位置に近づくように変化し、更に、近づいた段階で、気泡4を含んだ液体が候補位置から別の容器等へ漏洩することで、気泡群の体積が減少することが計測される。
【0091】
もしも、候補位置で漏洩が起きていない場合には、気泡群の重心位置は、気泡4が発生した領域の液体の流れに沿って移動するが、気泡群の体積は拡散する。尚、長時間観察した場合には、気泡4の消滅や拡散によって、観察される気泡群の体積は現象する。
【0092】
このときは、気泡群な、候補位置とはことなる位置に移動しているため、拡散や消滅による体積減少と、上記漏洩による体積減少は、位置の特定との組み合せにより区別できる。
【0093】
また、気泡発生装置5と超音波測定器に対して、共通する同期信号を電気的に与えることで、気泡発生と同時に測定できる。
【0094】
また、同期信号として、等時間間隔のパルス状のトリガ信号を与えれば、時間について周期的な測定が可能となり、経時変化を測定しやくなる。
【0095】
更に、気泡発生装置5の同期信号として、音響による同期信号を用いてもよい。この同期信号は、例えば、図20に示すように、気泡発生装置5に設置された水中スピーカや気泡や機械的な音を発生する音源11などで実現できる。音響的な同期信号発生装置により、超音波測定装置から、音響的に気泡発生装置5が可視化することが可能となり、気泡発生位置を音によって特定することが可能となる。
【0096】
更に、図21に示す如く、図20と同様な音源11を2つ以上(図21では3つ)設け、それらの各音源11を容器内の液体の流れに沿う細いひも12で接続することで、気泡発生位置5だけでなく、流れの状況を音によって特定することができる。
【0097】
また、図22に示す如く、1つ目の音源11の上方に、棒13などで気泡発生器6から延長された場所に2つ目の音源11を設置し、この2つ目の音源11と3つ目の音源11も間をひも12で接続しても良い。
【0098】
尚、上記では音響による同期信号発生装置の代替として、音を発生する音源11を気泡発生装置5に付与したが、半径の異なる球体など、超音波の反射波によって可視化できる受動的な反射源を用いてもよい。
【符号の説明】
【0099】
1…容器、1A…穴、1B…容器壁面、2…アクセス治具、3…超音波センサ、3A…アレイセンサ、3B…圧電素子、4…気泡、5…気泡発生装置、5A…気泡発生部、5B…制御部、5C…音響信号発生部、5D…同期処理部、5E…同期トリガ信号、6…液面、7…壁面の穴、8…配管、11…音源、12…ひも、13…棒、104…超音波測定器、104A…同期処理インターフェース、107…送受信部、107A…パルサー、107B…レシーバ、107C…遅延時間制御部、107D…データ収録部、107E…計算機、108…記憶部、108A…参照データ、108B…形状データ、109…表示部、110…漏洩表示部、110A…画像処理部、602…気泡群。801…受信波形、801A…時刻τの受信波形振幅、801B…伝搬径路、802…超音波測定結果表示領域、802A…画素、803A…形状変化部境界、803B…形状変化部映像範囲、901…伝搬径路、902…受信波形、902A…受信波形の振幅値の立ち上がり位置、902B…時刻τの受信波形振幅、903…形状変化部映像範囲、903A…形状変化部境界、904…超音波測定結果表示領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器に入った液体中に一部又は全体が浸漬された超音波センサを用い、超音波送受信手段により、前記容器内から超音波を送信し、前記容器内の反射体からの反射波を受信することで液体の漏洩を検知する超音波式漏洩検知装置において、
前記容器内に複数の気泡群を発生する気泡発生手段と、前記超音波受信信号から前記容器内の構造物、及び前記気泡群を可視化する可視化手段と、該可視化手段による前記気泡群の可視化結果から、前記気泡群の分布の時間的な変化量を計測する計測手段とを備えていることを特徴とする超音波式漏洩検知装置。
【請求項2】
請求項1に記載の超音波式漏洩検知装置において、
前記気泡の発生する時間と発生を停止する時間を制御する制御手段を更に備えていることを特徴とする超音波式漏洩検知装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の超音波式漏洩検知装置において、
気泡発生と同期した同期信号を発信させる発信手段を更に備えていることを特徴とする超音波式漏洩検知装置。
【請求項4】
請求項3に記載の超音波式漏洩検知装置において、
前記同期信号として、音響を発信させる音響発信手段を備えていることを特徴とする超音波式漏洩検知装置。
【請求項5】
請求項4に記載の超音波式漏洩検知装置において、
前記音響発生手段は、水中スピーカや気泡、或いは機械的な音を発生する音源であることを特徴とする超音波式漏洩検知装置。
【請求項6】
請求項5に記載の超音波式漏洩検知装置において、
前記音源は複数個から成り、該各音源はひもで接続されていることを特徴とする超音波式漏洩検知装置。
【請求項7】
容器に入った液体中に一部又は全体が浸漬された超音波センサを用いて、前記容器内から超音波を送信し、前記容器内の反射体からの反射波を受信することで液体の漏洩を検知する超音波式漏洩検知方法において、
前記超音波の受信信号から、前記容器内の構造物から容器内の形状を可視化し、前記容器内に発生させた複数の気泡群の分布の時間的な変化量から液体の漏洩を測定することを特徴とする超音波式漏洩検知方法。
【請求項8】
請求項7に記載の超音波式漏洩検知方法において、
前記気泡を一時的或いは断続的に一定間隔発生させ、漏洩箇所から漏洩する気泡群の分布を計測することで液体の漏洩を測定することを特徴とする超音波式漏洩検知方法。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の超音波式漏洩検知方法において、
気泡発生と同期し、かつ、時間的に繰り返す信号と同期して気泡群の分布を計測することを特徴とする超音波式漏洩検知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2013−113628(P2013−113628A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258001(P2011−258001)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(507250427)日立GEニュークリア・エナジー株式会社 (858)
【Fターム(参考)】