説明

超音波検出システム、並びにそのフリーズを自動的に制御する方法及び装置

【課題】超音波検出システム並びにそのフリーズを自動的に制御する方法及び装置を提供する。
【解決手段】超音波検出システムのフリーズを自動的に制御する装置は、機器本体に接続された超音波検出システムのプローブに配置された第1のセンサであって、プローブが操作されているかどうかを検出する第1のセンサと、センサの検出結果に基づいて超音波検出システムについてフリーズ制御動作を遂行する制御ユニットとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に云えば、超音波検出システムに関し、より詳しく云えば、超音波検出システム並びにそのフリーズ(freeze)を自動的に制御する方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エネルギ節約のために、或る種の超音波検出システムは、通常、自動フリーズ機能を持つ。この機能は、超音波システムが、或る特定の期間にわたってユーザー・インターフェースに何の操作も行われなかったときに自動的に超音波プローブの走査をフリーズできるようにし、これによりエネルギを節約し且つプローブの寿命を延ばすようにする。このフリーズを遂行する前に待機すべき期間は、経験によって定められている。
【0003】
しかしながら、この待機期間中は何らエネルギ節約を実現することができない。その上、この自動フリーズ技術は医師にとって充分に正確でない。次のような状態が存在することがある。すなわち、医師がユーザー・インターフェースについての操作を停止したけれども、医師は実際には、より良好な画像を得るために他の操作を行っていることがある。そこで、ユーザー・インターフェースについての操作が何もない時間が所定の値を超えたとき、プローブの動作が誤ってフリーズされることになり、これは、医師の要望に反する。
【発明の概要】
【0004】
このため、ユーザーの実際の要望を反映するようにプローブのフリーズを自動的に制御する方法及び装置が必要である。
【0005】
従って、本発明の一面によれば、超音波検出システムのフリーズを自動的に制御する装置が提供される。本装置は、機器本体に接続された超音波検出システムのプローブに配置された第1のセンサであって、前記プローブが操作されているかどうかを検出する第1のセンサと、前記センサの検出結果に基づいて前記超音波検出システムについてフリーズ制御動作を遂行する制御ユニットとを有する。
【0006】
本発明の一実施形態では、前記センサは、前記プローブと周囲環境との間のキャパシタンス(静電容量)の変化を検出することによって、前記プローブが操作されているかどうかを決定する。
【0007】
本発明の一実施形態では、前記センサは、前記プローブと周囲環境との間のインダクタンスの変化を検出することによって、前記プローブが操作されているかどうかを決定する。
【0008】
本発明の一実施形態では、前記制御ユニットは、前記第1のセンサにより前記プローブが操作されていないことを検出したときにフリーズ制御動作を遂行し、ここで遂行されるフリーズ制御動作は、前記プローブをフリーズすることである。
【0009】
本発明の一実施形態では、フリーズを自動的に制御する前記装置は、更に、前記超音波検出システムの機器本体に配置された第2のセンサを有し、該第2のセンサは、ユーザーが前記機器本体の近くに居るかどうかを検出するために使用される。
【0010】
本発明の一実施形態では、前記制御ユニットは、前記第1のセンサにより、前記プローブが操作されていないことを検出し、且つ前記第2のセンサにより、ユーザーが前記機器本体の近くに居ないことを検出したときに、フリーズ制御動作を遂行し、ここで遂行されるフリーズ制御動作は、前記プローブをフリーズすることである。
【0011】
本発明の一実施形態では、前記第1のセンサにより前記プローブが操作されていないことを検出し且つ前記第2のセンサによりユーザーが前記機器本体の近くに居ないことを検出したときに前記制御ユニットによって遂行されるフリーズ制御動作は、更に、前記超音波検出システムを待機状態になるようにすることを有する。
【0012】
本発明の一実施形態では、前記制御ユニットは、前記第1のセンサにより前記プローブが操作されていないことを検出したが、前記第2のセンサによりユーザーが前記機器本体の近くに居ることを検出したとき、フリーズ制御動作を遂行し、ここで遂行されるフリーズ制御動作は、前記プローブをフリーズさせずに、前記超音波検出システムを作動状態にあるようにすることである。
【0013】
本発明の別の面によれば、超音波検出システムが提供される。本システムは、機器本体と、該機器本体に接続されたプローブと、特許請求の範囲第1〜8項のいずれか一項に記載の、フリーズを自動的に制御する装置と、を有する。
【0014】
本発明の別の面によれば、超音波検出システムのフリーズを自動的に制御する方法が提供される。本方法は、機器本体に接続された超音波検出システムのプローブに第1のセンサを配置する段階と、前記第1のセンサを用いて、前記プローブが操作されているかどうかを検出する段階と、前記センサの検出結果に基づいて前記超音波検出システムについてフリーズ制御動作を自動的に遂行する段階と、を有する。
【0015】
本発明の一実施形態では、前記第1のセンサを用いて前記プローブが操作されているかどうかを検出する前記段階は、前記第1のセンサを用いて前記プローブと周囲環境との間のキャパシタンスの変化を検出することによって、前記プローブが操作されているかどうかを決定する段階を有する。
【0016】
本発明の一実施形態では、前記第1のセンサを用いて前記プローブが操作されているかどうかを検出する前記段階は、前記第1のセンサを用いて前記プローブと周囲環境との間のインダクタンスの変化を検出することによって、前記プローブが操作されているかどうかを決定する段階を有する。
【0017】
本発明の一実施形態では、前記センサの検出結果に基づいて前記超音波検出システムについてフリーズ制御動作を自動的に遂行する前記段階は、前記第1のセンサを用いて前記プローブが操作されていないことを検出したときに、フリーズ制御動作を遂行する段階を有し、ここで遂行されるフリーズ制御動作は、前記プローブをフリーズすることである。
【0018】
本発明の一実施形態では、更に、前記超音波検出システムの機器本体に第2のセンサを設ける段階と、前記第2のセンサを用いて、ユーザーが前記機器本体の近くに居るかどうかを検出する段階とを有する。
【0019】
本発明の一実施形態では、前記センサの検出結果に基づいて前記超音波検出システムについてフリーズ制御動作を自動的に遂行する前記段階は、前記第1のセンサを用いて前記プローブが操作されていることを検出し、且つ前記第2のセンサを用いてユーザーが前記機器本体の近くに居ることを検出したときに、フリーズ制御動作を遂行する段階を有し、ここで遂行されるフリーズ制御動作は、前記プローブをフリーズしないことである。
【0020】
本発明の一実施形態では、前記第1のセンサを用いて前記プローブが操作されていないことを検出し且つ前記第2のセンサを用いてユーザーが前記機器本体の近くに居ないことを検出したときに遂行されるフリーズ制御動作は、更に、前記超音波検出システムを待機状態になるようにすることを有する。
【0021】
本発明の一実施形態では、前記方法は更に、前記第1のセンサを用いて前記プローブが操作されていないことを検出したが、前記第2のセンサを用いてユーザーが前記機器本体の近くに居ることを検出したとき、フリーズ制御動作を遂行する段階を有し、ここで遂行されるフリーズ制御動作は、前記プローブをフリーズさせずに、前記超音波検出システムを作動状態にあるようにすることである。
【0022】
本発明の装置、方法又はシステムにより、超音波システムは、医師がプローブを操作していない限り、必ずしも所定の期間待つことなく、走査をスマートに停止する(プローブをフリーズする)ことができる。更に、第1のセンサと第2のセンサとを組み合わせることによって、プローブのフリーズを自動的に且つスマートに制御するように、ユーザーがプローブの操作を何ら要望していないのか又は次の走査のための準備をしているのかどうかを正確に知ることができる。
【0023】
また更に、超音波検出システムの機器本体に配置された上述の第2のセンサにより、ユーザーがプローブを操作していず且つ機器本体の近くに居ないとき、超音波検出システムは待機状態になるように自動的に制御することができ、この結果、より多くのエネルギを節約することができる。
【0024】
本発明の開示内容をより完全に理解されるように、以下に、図面を参照して詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に従った超音波検出システムの概略構成図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態に従った、プローブのフリーズ/フリーズ解除を自動的に制御する方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の特定の実施形態について以下に詳しく説明するが、本発明はそれらの特定の実施形態に制限されない。
【0027】
本発明では、プローブ及び/又は超音波検出システムに取り付けられた近接センサを使用することにより、ユーザーがプローブを操作しているか又は前記超音波検出システムに接近しているかどうかを検出することを提案する。近接センサは、非接触状態と近接状態との間のキャパシタンス、インダクタンス又は他の物理量の差を検出するために使用されるセンサである。より詳しく述べると、容量性センサがタッチパネルの分野で益々ポピュラーになっており、ノートーブック型のタッチパネルは一般にこの技術に基づいて設計されている。
【0028】
図1は、本発明の一実施形態に従った超音波検出システムの概略構成図を示す。超音波検出システムは2つの部分、すなわち、機器本体と超音波プローブとを有しており、超音波がケーブルを介して機器本体に接続される。図1に示されている実施形態では、超音波検出システムは更にセンサ1及びセンサ2を有し、この場合、センサ1はプローブに配置され、またセンサ2は機器本体に配置されている。ここで、「プローブに配置され」とは、センサ1がプローブのケースに取り付けられ又は埋め込まれているか、或いはプローブの中に配置されていることを意味する。同様に、「機器本体に配置され」とは、機器本体のケースに取り付けられ又は埋め込まれているか、或いは機器本体の中に配置されていることを意味する。
【0029】
センサ1及びセンサ2は、位置の接近を検出するために使用される近接センサである。本発明では、近接センサ1及び2は、超音波検出システムに対するユーザーの接近又は離脱を検出するために採用される。具体的に述べると、センサ1は、ユーザーがプローブに接近しているか又はプローブを保持しているかどうかを検出することによって、プローブが操作されているかどうかを検出し、またセンサ2は、ユーザーが機器本体の近くに居るがどうかを検出する。
【0030】
本発明の一実施形態では、近接センサ1及び2は容量性センサであり、これはキャパシタンスの変化を検知する。具体的に述べると、プローブに設けたセンサ1が、プローブと周囲環境との間のキャパシタンスC1(図1に示す)の変化を検知する。ユーザーの手又は他の身体部分がプローブに接近し又はプローブを保持するとき、C1の値が増大する。これと対照的に、ユーザーの手又は他の身体部分がプローブから遠ざかる又はプローブを離すとき、C1の値が減少する。機器本体に設けたセンサ2が、機器本体と周囲環境との間のキャパシタンスC2(図1に示す)の変化を検知する。同様に、ユーザーが機器本体に接近するとき、C2の値が増大し、また、ユーザーが機器本体から遠ざかるとき、C2の値が減少する。
【0031】
このようにして、C1及びC2の値の変化を検出することにより、センサ1及び2は、プローブが操作されているかどうか及びユーザーが機器本体の近くに居るかどうかを容易に決定することができる。C1の値が増大していると検出されたとき、これは、ユーザー又はユーザーの身体部分がプローブに接近していること、すなわち、プローブが操作されているか又は操作されそうであることを表している。これと対照的に、C1の値が減少していると検出されたとき、それは、ユーザー又はユーザーの身体部分がプローブから遠ざかっていること、すなわち、プローブが操作されていないことを表している。同様に、C2の値が増大していると検出されたとき、これは、ユーザーが機器本体に接近していることを表している。これと対照的に、C2の値が減少していると検出されたとき、それは、ユーザーが機器本体から遠ざかっていることを表している。
【0032】
好ましい実施形態では、C1及びC2の基準値が、それぞれ、センサ1及び2について経験又は実験により予め設定されていて、これらは閾値として用いられる。センサ1により、C1の値が変化して予め設定された閾値よりも大きくなったことを検出したとき、これは、プローブが操作されていることを表す。対照的に、センサ1により、C1の値が変化して予め設定された閾値よりも小さくなったことを検出したとき、これは、プローブが操作されていないことを表す。同様に、センサ2により、C2の値が変化して予め設定された閾値よりも大きくなったことを検出したとき、これは、ユーザーが機器本体の近くに居ることを表す。対照的に、センサ2により、C2の値が変化して予め設定された閾値よりも小さくなったことを検出したとき、これは、ユーザーが機器本体から遠ざかったことを表す。センサ1及び2のそれぞれの閾値は、同じ値又は異なる値であってよい。更に、センサ1及び2はの各々はまた、2つの閾値、すなわち、第1の閾値及び第2の閾値を持つように設定することができ、この場合、第1の閾値は第2の閾値よりも大きい。測定値が第1の閾値よりも大きいとき、これは、プローブが操作されていること又はユーザーが近くに居ることを表す。また、測定値が第2の閾値よりも小さいとき、これは、プローブが操作されていないこと又はユーザーが近くに居ないことを表す。
【0033】
別の好ましい実施形態では、センサ1及び2はC1及びC2の値の変動量を検出する。変動量閾値がセンサ1及び2についてそれぞれ予め設定される。センサ1により、C1値の増大量がセンサ1の変動量閾値を超えたことを検出したとき、それは、プローブが保持されていること、すなわち、操作されていることを表す。センサ1により、C1値の減少量が該変動量閾値を超えたことを検出したとき、それは、ユーザー又はユーザーの身体部分がプローブから遠ざかっていること、すなわち、プローブが操作されていないことを表す。同様に、センサ2により、C2値の増大量がセンサ2の変動量閾値を超えたことを検出したとき、それは、ユーザーが機器本体の近くまで機器本体へ近づいていることを表す。センサ2により、C2値の減少量がセンサ2の変動量閾値を超えたことを検出したとき、それは、ユーザーが機器本体から遠ざかったこと、すなわち、機器本体の近くに居ないことを表す。代替態様では、各々のセンサはまた、増大量閾値及び減少量閾値をそれぞれ持つように設定することができる。
【0034】
本発明の別の実施形態では、近接センサ1及び2は誘導性センサであり、これらは、上記の態様と同様な態様でインダクタンスの変化を検知する。具体的に述べると、プローブ内のセンサ1がプローブと周囲環境との間のインダクタンスL1の変化を検知する。ユーザーの手又は他の身体部分がプローブに接近し又はプローブを保持しているとき、L1の値は増大する。逆に、ユーザーの手又は他の身体部分がプローブから遠ざかり又はプローブを離したとき、L1の値は減少する。機器本体内のセンサ2は機器本体と周囲環境との間のインダクタンスL2の変化を検知する。同様に、ユーザーが機器本体に接近したとき、L2の値は増大する。また、ユーザーが機器本体から遠ざかるとき、L2の値は減少する。
【0035】
このようにして、L1及びL2の値の変化を検出することにより、センサ1及び2は、プローブが操作されているかどうか及びユーザーが機器本体の近くに居るかどうかを容易に決定することができる。L1の値が増大していると検出されたとき、これは、ユーザー又はユーザーの身体部分がプローブに接近していること、すなわち、プローブが操作されているか又は操作されそうであることを表している。これと対照的に、L1の値が減少していると検出されたとき、それは、ユーザー又はユーザーの身体部分がプローブから遠ざかっていること、すなわち、プローブが操作されていないことを表している。同様に、L2の値が増大していると検出されたとき、これは、ユーザーが機器本体に接近していることを表す。これと対照的に、L2の値が減少していると検出されたとき、それは、ユーザーが機器本体から遠ざかっていることを表す。
【0036】
好ましい実施形態では、L1及びL2の基準値が、それぞれ、センサ1及び2について経験又は実験により予め設定されていて、これらは閾値として用いられる。センサ1により、L1の値が変化して予め設定された閾値よりも大きくなったことを検出したとき、これは、プローブが操作されていることを表す。対照的に、センサ1により、L1の値が変化して予め設定された閾値よりも小さくなったことを検出したとき、これは、プローブが操作されていないことを表す。同様に、センサ2により、L2の値が変化して予め設定された閾値よりも大きくなったことを検出したとき、これは、ユーザーが機器本体の近くに居ることを表す。対照的に、センサ2により、L2の値が変化して予め設定された閾値よりも小さくなったことを検出したとき、これは、ユーザーが機器本体から遠ざかったことを表す。センサ1及び2のそれぞれの閾値は、同じ値又は異なる値であってよい。更に、センサ1及び2はの各々はまた、2つの閾値、すなわち、第1の閾値及び第2の閾値を持つように設定することができ、この場合、第1の閾値は第2の閾値よりも大きい。測定値が第1の閾値よりも大きいとき、これは、プローブが操作されていること又はユーザーが近くに居ることを表す。また、測定値が第2の閾値よりも小さいとき、これは、プローブが操作されていないこと又はユーザーが近くに居ないことを表す。
【0037】
別の好ましい実施形態では、センサ1及び2はL1及びL2の値の変動量を検出する。変動量閾値がセンサ1及び2についてそれぞれ予め設定される。センサ1により、L1値の増大量がセンサ1の変動量閾値を超えたことを検出したとき、それは、プローブが保持されていること、すなわち、操作されていることを表す。センサ1により、L1値の減少量が該変動量閾値を超えたことを検出したとき、それは、ユーザー又はユーザーの身体部分がプローブから遠ざかっていること、すなわち、プローブが操作されていないことを表す。同様に、センサ2により、L2値の増大量がセンサ2の変動量閾値を超えたことを検出したとき、それは、ユーザーが機器本体の近くまで機器本体へ近づいていることを表す。センサ2により、L2値の減少量がセンサ2の変動量閾値を超えたことを検出したとき、それは、ユーザーが機器本体から遠ざかったこと、すなわち、機器本体の近くに居ないことを表す。代替態様では、各々のセンサはまた、増大量閾値及び減少量閾値をそれぞれ持つように設定することができる。
【0038】
以上の記載では例として容量性センサ及び誘導性センサを挙げていて、詳しく説明している。しかしながら、当業者には、センサ1及び2は、それらがプローブが操作されているかどうか並びにユーザーが機器本体の近くに居るかどうかを検出できるかぎり、他の種類のセンサであってよいことが理解されよう。更に、センサ1及び2はまた、互いに異なる種類のもの、例えば、一方が容量性センサであり且つ他方が誘導性センサであってよい。
【0039】
センサ1及び2はそれぞれの検出結果を超音波検出システムの制御ユニット(図示せず)へ送り、次いで、制御ユニットは、センサ1及び2はの検出結果に基づいて超音波検出システムについてフリーズ制御動作を遂行する。本発明の一実施形態では、制御ユニットは、プローブが操作されていないことをセンサ1が検出したとき、必ずしも或る特定の期間にわたって待つことなく、プローブをフリーズ状態にして、これによりエネルギ消費を減らす。このような実施形態では、事実上、別のセンサ2を省略することができる。
【0040】
別の実施形態では、制御ユニットは、プローブが操作されていないことをセンサ1により検出し且つ機器本体の近くにユーザーが居ないことをセンサ2により検出したときのみ、プローブをフリーズ状態にすることができる。超音波検出システム上の制御ユニットによって遂行されるようなフリーズの動作は、プローブをフリーズすることである。この代わりに、制御ユニットは、超音波検出システムを待機状態にさせることもできる。この制御方法により、ユーザーの実際の要望を反映する正確なフリーズ制御を、実現することができる。またこの方法により、たとえユーザーがかなり長い期間にわたってプローブ又は超音波検出システム操作していなくても、まだ機器本体の近くにいて、例えば、次の走査のための他の準備操作を行っているような場合、プローブはフリーズされない。プローブが操作されていないことをセンサ1が検出するが、センサ2は、ユーザーがまだ機器本体の近くに居ることを検出する。その結果、制御ユニットはプローブをフリーズしない。一実施形態では、この状況において、超音波検出システム上の制御ユニットによって遂行されるようなフリーズの動作は、プローブをフリーズさせずに、超音波検出システムが作動状態にあるようにすることができる。
【0041】
以上の説明では、プローブが操作されているかどうかを検出するためのセンサ1、及びユーザーが機器本体の近くに居るかどうかを検出するためのセンサ2は、それぞれ1つのセンサで構成されている。しかしながら、当業者には、これが単なる本発明の一実施形態に過ぎないことが理解されよう.実際に、プローブが操作されているかどうかを検出するためのセンサ1、及びユーザーが機器本体の近くに居るかどうかを検出するためのセンサ2は、それぞれ、複数のセンサで構成することができ、またそれらの複数のセンサは同じ又は異なる種類のセンサであってよい。
【0042】
プローブがフリーズ状態にある期間中に、ユーザーが機器本体に近づいていることをセンサ2が検出したとき、制御ユニットは超音波検出システムを作動するように動作して、プローブを直ちにフリーズ解除する代わりにセンサ1の検出結果を待つ。そこで、ユーザー又はユーザーの身体部分がプローブに接近していることをセンサ1が検出した場合、制御ユニットは超音波検出システムを作動して、プローブをフリーズ解除する。一実施形態では、プローブのフリーズ期間中にユーザー又はユーザーの身体部分がプローブに接近していることをセンサ1が検出した場合、制御ユニットは超音波検出システムを作動して、センサ2に検出結果に関係なく、プローブをフリーズ解除する。別の実施形態では、プローブのフリーズ状態の解除は、ユーザーによって、例えば、超音波検出システム上の特定のボタン又はスイッチを押すことによって、又は超音波検出システムで他の操作を実施することによって、手動で実現しなければならない。
【0043】
上述のセンサ1及び2は、制御ユニットと共に、超音波検出システムのプローブのフリーズ/フリーズ解除を自動的に制御するための装置を形成する構成要素と見なすことができる。プローブのフリーズ/フリーズ解除を自動的に制御するするためのこの装置により、ユーザーの実際の要望を反映するスマートなフリーズ/フリーズ解除を実現することができる。
【0044】
図2は、本発明の一実施形態に従った、プローブのフリーズ/フリーズ解除を自動的に制御する方法の流れ図を示す。
【0045】
段階において201、センサ1及び2を、超音波検出システムのプローブ及び機器本体内にそれぞれ配置する(図1参照)。
【0046】
段階において202、センサ1及び2により、プローブ又は機器本体と周囲環境との間のキャパシタンス又はインダクタンスのような物理量の値の変化(増大又は減少)を検出する。
【0047】
物理量の値が増大していることをセンサ1が検出した場合(段階203)、プローブを作動(フリーズ解除)状態に設定する(段階206)。この場合、センサ2が変化を検出したかどうか又はどんな変化が生じているかに拘わらず、センサ1が値の増大を検出する限り、プローブはフリーズ解除状態に設定される。
【0048】
物理量の値が減少していることを両方のセンサ1及び2が検出した場合(段階204)、プローブはフリーズ状態に設定される(段階207)。この代わりに、超音波検出システムはまた同時に待機状態に設定することもできる。
【0049】
物理量の値が減少していることをセンサ1だけが検出し、他方、値が明白に変化していないか又は増大していることをセンサ2が検出した場合(段階205)、超音波検出システムは作動状態に設定され、プローブはフリーズされない(段階208)。
【0050】
前に述べたように、センサ1及び2はまた、測定値又は変動量について1つ以上の閾値を持つように設定して、より正確な判定を行うようにすることができる。この場合、不必要な繰返しは設けられない。
【0051】
オペレータが超音波検出システムのプローブ又は機器本体に接触し、近づき、又はそこから遠ざかるとき、プローブ又は機器本体と環境との間のキャパシタンス又はインダクタンスのような環境的物理量が変化する。従って、このような変化を用いることによって、走査(スキャン)のフリーズ/フリーズ解除を作動させることができ、これにより、システムのエネルギ節約を実現することができる。
【0052】
本発明は、そのアルゴリズムが非常に簡単で効率が良いので、具現化するのが容易である。従来技術では、プローブが操作されているかどうかを決定するために、患者の走査と空気の走査との間の超音波データの差異を計算しており、これは具現化するのが非常に複雑で困難である。更に、本発明は、医師の動作、すなわち、医師がプローブは保持していて且つシステムに近づいているかどうかを、実際に反映する。またさらに、本発明はフリーズ/フリーズ解除を完全に自動的にすることができるので、本発明はフリーズ/フリーズ解除の手動制御を低減することができる。
【0053】
以上、本発明の特定の実施形態について図面を参照して説明したが、当業者には、本発明の精神から逸脱することなく、それらの実施形態に対して種々の変更、補正又は等価置換を行うことができよう。このような変更、補正又は等価置換は、「特許請求の範囲」に記載の精神及び範囲内に含まれると見なされる。
【符号の説明】
【0054】
C1 キャパシタンス
C2 キャパシタンス


【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波検出システムのフリーズを自動的に制御する装置であって、
機器本体に接続された超音波検出システムのプローブに配置されていて、前記プローブが操作されているかどうかを検出する第1のセンサと、
前記センサの検出結果に基づいて前記超音波検出システムについてフリーズ制御動作を遂行する制御ユニットと、
を有する装置。
【請求項2】
前記センサは、前記プローブと周囲環境との間のキャパシタンスの変化を検出することによって、前記プローブが操作されているかどうかを決定する、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記センサは、前記プローブと周囲環境との間のインダクタンスの変化を検出することによって、前記プローブが操作されているかどうかを決定する、請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記制御ユニットは、前記第1のセンサにより前記プローブが操作されていないことを検出したときにフリーズ制御動作を遂行し、ここで遂行するフリーズ制御動作は、前記プローブをフリーズすることである、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
フリーズを自動的に制御する前記装置は、更に、前記超音波検出システムの機器本体に配置された第2のセンサを有し、該第2のセンサは、ユーザーが前記機器本体の近くに居るかどうかを検出するために使用される、請求項1記載の装置。
【請求項6】
前記制御ユニットは、前記第1のセンサにより前記プローブが操作されていないことを検出し且つ前記第2のセンサによりユーザーが前記機器本体の近くに居ないことを検出したときにフリーズ制御動作を遂行し、ここで遂行するフリーズ制御動作は、前記プローブをフリーズすることである、請求項5記載の装置。
【請求項7】
前記第1のセンサにより前記プローブが操作されていないことを検出し且つ前記第2のセンサによりユーザーが前記機器本体の近くに居ないことを検出したときに前記制御ユニットによって遂行されるフリーズ制御動作は、更に、前記超音波検出システムを待機状態になるようにすることを有している、請求項6記載の装置。
【請求項8】
前記制御ユニットは、前記第1のセンサにより前記プローブが操作されていないことを検出したが、前記第2のセンサによりユーザーが前記機器本体の近くに居ることを検出したとき、フリーズ制御動作を遂行し、ここで遂行するフリーズ制御動作は、前記プローブをフリーズすることなく、前記超音波検出システムを作動状態にあるようにすることである、請求項5記載の装置。
【請求項9】
機器本体と、
該機器本体に接続されたプローブと、
請求項1乃至8項のいずれか1項に記載の、フリーズを自動的に制御する装置と、
を有する超音波検出システム。
【請求項10】
超音波検出システムのフリーズを自動的に制御する方法であって、
機器本体に接続された超音波検出システムのプローブに第1のセンサを配置する段階と、
前記第1のセンサを用いて、前記プローブが操作されているかどうかを検出する段階と、
前記センサの検出結果に基づいて前記超音波検出システムについてフリーズ制御動作を自動的に遂行する段階と、
を有する方法。
【請求項11】
前記第1のセンサを用いて前記プローブが操作されているかどうかを検出する前記段階は、前記第1のセンサを用いて、前記プローブと周囲環境との間のキャパシタンスの変化を検出することによって、前記プローブが操作されているかどうかを決定する段階を有している、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記第1のセンサを用いて前記プローブが操作されているかどうかを検出する前記段階は、前記第1のセンサを用いて、前記プローブと周囲環境との間のインダクタンスの変化を検出することによって、前記プローブが操作されているかどうかを決定する段階を有している、請求項10記載の方法。
【請求項13】
前記センサの検出結果に基づいて前記超音波検出システムについてフリーズ制御動作を自動的に遂行する前記段階は、前記第1のセンサを用いて前記プローブが操作されていないことを検出したときにフリーズ制御動作を遂行する段階を有し、ここで遂行するフリーズ制御動作は、前記プローブをフリーズすることである、請求項10乃至12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
更に、前記超音波検出システムの機器本体に第2のセンサを設ける段階と、前記第2のセンサを用いて、ユーザーが前記機器本体の近くに居るかどうかを検出する段階とを有する請求項10記載の方法。
【請求項15】
前記センサの検出結果に基づいて前記超音波検出システムについてフリーズ制御動作を自動的に遂行する前記段階は、前記第1のセンサを用いて、前記プローブが操作されていることを検出し、且つ前記第2のセンサを用いて、ユーザーが前記機器本体の近くに居ることを検出したときに、フリーズ制御動作を遂行する段階を有し、ここで遂行されるフリーズ制御動作は、前記プローブをフリーズしないことである、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記第1のセンサを用いて前記プローブが操作されていないことを検出し且つ前記第2のセンサを用いてユーザーが前記機器本体の近くに居ないことを検出したときに遂行されるフリーズ制御動作は、更に、前記超音波検出システムを待機状態になるようにすることを有する、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記方法は、更に、前記第1のセンサを用いて前記プローブが操作されていないことを検出したが、前記第2のセンサを用いてユーザーが前記機器本体の近くに居ることを検出したときに、フリーズ制御動作を遂行する段階を有し、ここで遂行されるフリーズ制御動作は、前記プローブをフリーズすることなく、前記超音波検出システムを作動状態にあるようにすることである、請求項14記載の方法。



【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−81766(P2013−81766A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−207666(P2012−207666)
【出願日】平成24年9月21日(2012.9.21)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】